JP2004115374A - 一酸化窒素供与剤としてのピリジン誘導体 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化窒素供与剤として作用する(N−ヒドロキシアミジノ)ピリジン誘導体に関する。本発明の化合物は水溶性であり、生体内でヒドロキシルラジカルの酸化力により一酸化窒素を遊離する。
【0002】
【従来の技術】
一酸化窒素(NO)は、生体内でNO合成酵素(NOS)によりL−アルギニンがL−シトルリンへ代謝される際に生成し、生体内で種々の生理活性発現に関与していることが知られている。そして、循環器系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、炎症、糖尿病、癌などのさまざまな病態にNOが関与しているということが次第に明らかになってくるとともに、NOの生体に対する作用についての研究が盛んに行われるようになった。以上については、例えば、非特許文献1を参照のこと。
【0003】
【非特許文献1】
谷口直之ら編、イラスト医学とサイエンスシリーズ「NOの生理作用と疾患」、羊土社、1999年12月20日
【0004】
NOの生体に対する作用を研究するには、制御された量のNOを生体に与え、その有効性や有害性を解析する必要がある。ところが、NOは常温常圧下で酸化され易い不安定な気体であり、これを正確に秤量したり希釈したりするのは困難である。このため、生体内NO実験用として、常温常圧では安定で希釈や秤量がし易く、生体内への投与に際して必要量のNOを発生するNO供与剤(NOドナー)が注目され、各種のものが開発されつつある。それらは、熱や光などの物理化学的作用でNOを発生する自発発生型、酸やアルカリの作用により分解してNOを発生する化学反応依存型、代謝酵素により分解してNOを発生する代謝活性(特にNOS依存)型、NOSが関与する生体内のNO産生系に作用するNO発生系活性型などに分類されることがある。以上については、非特許文献2又は3を参照のこと。
【0005】
【非特許文献2】
日本化学会編、季刊化学総説No.30「NO−化学と生物」、学会出版センター、1996年、53〜62ページ
【非特許文献3】
吉村哲彦編、「生体内一酸化窒素(NO)実験プロトコール」、共立出版、26〜33ページ
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のNOドナーには、生体内でのNO発生量の制御性や取り扱いやすさといった点では未だ不十分な点も多く、研究試薬や治療薬として新たなNOドナーの開発に対する要請は依然として大きい。特に、生体内でのNO発生量の制御性に優れるとされる代謝依存型でこれまでに開発されたものは、ほとんどがNOSの酸化力を利用するNOS依存型であり、また、従来の多くのNOドナーは水に溶けにくいため、塩酸塩や酢酸塩などの酸付加塩の形で使用せざるを得ないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1)
【化4】
[式中、AはNまたはN+−O−であり、BはAに対してパラ位もしくはメタ位に置換する−C(=N−OH)NH2であるか、またはAに対してパラ位に置換する−N=N−NH−C(=N−OH)NH2である。]で表わされる(N−ヒドロキシアミジノ)ピリジン誘導体からなる一酸化窒素供与剤を提供し、前記要請に応えるものである。
【0008】
上記式(1)の化合物は、そのN−ヒドロキシアミジノ基が、活性酸素種であるヒドロキシルラジカルの酸化力を利用してNOを遊離する。特に、AがNである化合物は、生体内で有害なヒドロキシルラジカルが発生するときに、これと反応してNOを遊離する。一方、AがN+−O―である化合物は、低酸素組織において、還元型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADPH)による代謝を受けて自らヒドロキシルラジカルを発生し、これにより同一分子内のN−ヒドロキシアミジノ基からNOを発生する。
【0009】
上記式(1)の化合物のうち、少なくともBが−C(=N−OH)NH2であるものは、グアニジン型の構造を含まないため、直接、NOSに依存することはない。ただし、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2であるものは、グアニジン型の構造を含むためNOSに依存する可能性はある。上記式(1)の化合物は、塩酸塩や酢酸塩の形にしなくても水によく溶けるが、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2であるもの(グアニジン型)は、Bが−C(=N−OH)NH2であるもの(アミジン型)に比べてやや水に溶けにくい。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)化合物の製造
上記式(1)の化合物は下記式(2)
【化5】
[式中、AはNまたはN+−O−であり、YはAに対してパラ位もしくはメタ位に置換する−CNであるか、またはAに対してパラ位に置換する−N=N−NK−CNである。]で表わされる化合物に,ヒドロキシルアミン(H2NOH)を反応させることにより、容易に製造することができる。
【0011】
すなわち、Bが−C(=N−OH)NH2である式(1)の化合物を製造するには、Yが−CNである式(2)の化合物をメタノールやエタノールなどの不活性溶媒中に溶解して1.2当量の炭酸ナトリウムを共存させ、これに1〜1.2当量のヒドロキシルアミン塩酸塩の粉末を少量ずつ加えて攪拌しながら、65〜80℃で30分間〜5時間反応させればよい。式(1)の化合物は結晶として得られる。下記にその反応式を示す。
【化6】
1a:A=N,B=3−C(=N−OH)NH2
1b:A=N,B=4−C(=N−OH)NH2
1c:A=N+−O−,B=3−C(=N−OH)NH2
1d:A=N+−O−,B=4−C(=N−OH)NH2
2a:A=N,Y=3−CN
2b:A=N,Y=4−CN
2c:A=N+−O−,Y=3−CN
2d:A=N+−O−,Y=4−CN
【0012】
また、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2である式(1)の化合物を製造するには、Yが式−N=N−NK−CNである式(2)の化合物を、メタノールやエタノールなどの不活性溶媒中に溶解して、これに1〜1.2当量のヒドロキシルアミン塩酸塩の粉末を少量ずつ加えて攪拌しながら、65〜80℃で30分間ないし1時間反応させればよい。式(1)の化合物は結晶として得られる。下記にその反応式を示す。
【化7】
1e:A=N,B=4−N=N−NH−C(=N−OH)NH2
1f:A=N+−O−,B=4−N=N−NH−C(=N−OH)NH2
2e:A=N,Y=4−N=N−NK−CN
2f:A=N+−O−,Y=4−N=N−NK−CN
【0013】
なお、Yが式−N=N−NK−CNである式(2)の化合物を製造するには、相当する4−アジドピリジンまたは4−アジドピリジンN−オキシドを70%ジオキサン水溶液中に入れ、これにシアン化カリウムの水溶液を5〜10℃で添加した後、室温で攪拌しながら30分間〜1時間反応させればよい。下記にその反応式を示す。
【化8】
2e:A=N,Y= −N=N−NK−CN
2f:A=N+−O−,Y= −N=N−NK−CN
3e:A=N
3f:A=N+−O−
【0014】
以上のようにして得られた式(1)の化合物の結晶は、水、メタノール、エタノールなどの不活性溶媒で再結晶操作を行うことにより、より高純度の精製品とすることができる。さらに、所望であれば、生理学的に使用できる酸、たとえば塩酸を常法に従って作用させれば、酸付加塩を得ることもできる。なお、これらの化合物はいずれも水溶性であるが、その中でも、化合物1a及び1bの水溶性が特に大きく、次いで化合物1c及び1d、さらに化合物1e及び1fの順に水溶性は小さくなる。
【0015】
(B)NO発生反応
本発明の化合物はヒドロキシルラジカルを酸化剤としてNOを発生する。ヒドロキシルラジカルを人工的に発生させるには、たとえば過酸化水素水と硫酸第一鉄によるフェントン反応による。フェントン反応で生じた一電子酸化剤であるヒドロキシルラジカルが本発明の機能性化合物を三電子酸化することによりNOを生成する反応過程を、化合物1aを例にとって示す。
【化9】
【0016】
上記酸化反応により生成したNOを検出するには、図1に示すNO発生検出装置を用いたグリースの方法(たとえば非特許文献4及び非特許文献5を参照)を用いればよい。図1において、装置本体2は気体選択的透過膜(ポリフッ化ビニリデン膜)5で内部が上下二室に分割されており、下室の下半分には本発明の化合物とフェントン試薬を含む反応液3が入っている。フェントン試薬により本発明の化合物から発生するNOは、反応液上の空間4を上昇し、気体選択的透過膜5を透過してグリース試薬6中に導かれて発色するので、これを546nmで定量する。このときの反応式を下記に示す。なお、装置本体2の下部は恒温槽1内の定温水中に浸漬され、反応液3の温度は一定に保たれている。
【化10】
【0017】
【非特許文献4】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull., 44(10), 1849−1852 (1996)
【非特許文献5】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull., 45(4), 595−598 (1997)
【0018】
【実施例】
実施例1(化合物1aの製造)
3−シアノピリジン2.1gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1aを得た。得られた化合物1aの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0019】
実施例2(化合物1bの製造)
3−シアノピリジンN−オキシド2.4gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1bを得た。得られた化合物1bの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0020】
実施例3(化合物1cの製造)
4−シアノピリジン2.1gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1cを得た。得られた化合物1cの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0021】
実施例4(化合物1dの製造)
4−シアノピリジンN−オキシド2.4gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1dを得た。得られた化合物1dの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0022】
実施例5(化合物1eの製造)
(a)4−アジドピリジンN−オキシド(3f)の合成
4−ニトロピリジンN−オキシド1.4gとアジ化ナトリウム0.65gを50%エタノール水溶液に溶解し、水浴上で10時間還流して反応させた。反応液を減圧濃縮して溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで暗所乾燥し、次いで溶媒を留去した後、残留物をエタノールに溶解して4−アジドピリジンN−オキシド(3f)を結晶化し、これをさらにエタノールから再結晶させた。収率74%。mp142〜143℃(分解点)。
【0023】
(b)4−アジドピリジン(3e)の合成
4−アジドピリジンN−オキシド(3f)4.7gをクロロホルム150mLに溶解し、これに三塩化リン10.0gを少量ずつ加えて水浴上で3時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣を氷水に加え、油状物を塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで暗所乾燥し、次いで溶媒を留去した後、残留物をメタノールと塩酸の混合液で処理して4−アジドピリジン(3e)の塩酸塩とした。これをさらにメタノールから再結晶させた、mp137〜139℃(分解点)。
【0024】
(c)4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンのカリウム塩(2e)の合成
遊離の4−アジドピリジン(3e)1.2gをメタノールに溶解し、これに水2mLにシアン化カリウム0.65gを溶かした溶液を攪拌しながら加え、さらに30分間水浴上で加熱した。反応液を減圧濃縮した後、残留物をメタノールから再結晶させた。mp>300℃。
【0025】
(d)4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジン(1e)の合成
4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンのカリウム塩(2e)185mgをメタノール10mLに溶解した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩70mgを攪拌しながら加え、80℃で20分間反応させて、4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジン(1e)の結晶を得た。これをさらに含水メタノールから再結晶させた。得られた化合物1eの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0026】
実施例6(化合物1fの製造)
(a)4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)の合成
4−アジドピリジンN−オキシド(3f)1.36gを50%ジオキサン水溶液に溶解した。これに、5〜10℃で、水2mLにシアン化カリウム0.65gを溶かした溶液を少量ずつ攪拌しながら加えた後、室温で30分間放置し、生じた4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)の結晶を集めた。これをさらにエタノール水溶液から再結晶させた。mp238〜240℃(分解点)。
【0027】
(b)4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジンN−オキシド(1f)の合成
4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)0.24gをメタノール10mLに溶解した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩70mgを攪拌しながら加え、80℃で20分間反応させて、4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジンN−オキシド(1f)の結晶を得た。得られた化合物1fの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例7(NOの発生)
水に溶解させた0.03Mの化合物1a〜1fに0.1Mの過酸化水素水を加え、さらに0.1Mの硫酸第一鉄を加えて(フェントン反応)一定温度で攪拌しながら、一定時間に発生してくるガス状のNOをグリース試薬へ導いて発色させ、これを546nmで定量した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
化合物1a、1b、1c、1d、1e及び1fは、ヒドロキシルラジカルと反応してNOを遊離するため、NOドナーとして有用である。以下に示すように、これらの化合物のうち、化合物1a、1b及び1eは生体内で生成した内因性ヒドロキシルラジカルと反応して(すなわち有害なヒドロキシルラジカルを消費して)NOを遊離し、それぞれニコチンアミド、イソニコチンアミド及び4−ヒドロキシピリジンと尿素に代謝される。一方、化合物1c、1d及び1fはNADPHのような還元酵素による脱オキシド化反応で自らヒドロキシルラジカルを発生し、これによりヒドロキシアミジノ部位が酸化を受けてNOを遊離して、それぞれニコチンアミド、イソニコチンアミド及び4−ヒドロキシピリジンと尿素に代謝されることが予想される。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0032】
なお、化合物1c及び1dを記載した文献は見当たらないが、化合物1aは非特許文献6、化合物1bは非特許文献7、化合物1e及び1fは非特許文献8に記載された既知化合物である。
【0033】
【非特許文献6】
Beil., 22, 41 (1935)
【非特許文献7】
L.N. Koikov et al., Mendeleev Commun., 4, 165−168 (1998)
【非特許文献8】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull. 27, 1824−1829 (1979)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNOドナーから発生したNOを検出する装置の一例を示す。
【符号の説明】
1 恒温槽
2 装置本体
3 反応液
4 空間(反応液より気化したNOが上昇する)
5 気体選択的透過膜
6 グリース試薬(呈色試薬、酢酸水溶液)
【発明の属する技術分野】
本発明は、一酸化窒素供与剤として作用する(N−ヒドロキシアミジノ)ピリジン誘導体に関する。本発明の化合物は水溶性であり、生体内でヒドロキシルラジカルの酸化力により一酸化窒素を遊離する。
【0002】
【従来の技術】
一酸化窒素(NO)は、生体内でNO合成酵素(NOS)によりL−アルギニンがL−シトルリンへ代謝される際に生成し、生体内で種々の生理活性発現に関与していることが知られている。そして、循環器系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、炎症、糖尿病、癌などのさまざまな病態にNOが関与しているということが次第に明らかになってくるとともに、NOの生体に対する作用についての研究が盛んに行われるようになった。以上については、例えば、非特許文献1を参照のこと。
【0003】
【非特許文献1】
谷口直之ら編、イラスト医学とサイエンスシリーズ「NOの生理作用と疾患」、羊土社、1999年12月20日
【0004】
NOの生体に対する作用を研究するには、制御された量のNOを生体に与え、その有効性や有害性を解析する必要がある。ところが、NOは常温常圧下で酸化され易い不安定な気体であり、これを正確に秤量したり希釈したりするのは困難である。このため、生体内NO実験用として、常温常圧では安定で希釈や秤量がし易く、生体内への投与に際して必要量のNOを発生するNO供与剤(NOドナー)が注目され、各種のものが開発されつつある。それらは、熱や光などの物理化学的作用でNOを発生する自発発生型、酸やアルカリの作用により分解してNOを発生する化学反応依存型、代謝酵素により分解してNOを発生する代謝活性(特にNOS依存)型、NOSが関与する生体内のNO産生系に作用するNO発生系活性型などに分類されることがある。以上については、非特許文献2又は3を参照のこと。
【0005】
【非特許文献2】
日本化学会編、季刊化学総説No.30「NO−化学と生物」、学会出版センター、1996年、53〜62ページ
【非特許文献3】
吉村哲彦編、「生体内一酸化窒素(NO)実験プロトコール」、共立出版、26〜33ページ
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のNOドナーには、生体内でのNO発生量の制御性や取り扱いやすさといった点では未だ不十分な点も多く、研究試薬や治療薬として新たなNOドナーの開発に対する要請は依然として大きい。特に、生体内でのNO発生量の制御性に優れるとされる代謝依存型でこれまでに開発されたものは、ほとんどがNOSの酸化力を利用するNOS依存型であり、また、従来の多くのNOドナーは水に溶けにくいため、塩酸塩や酢酸塩などの酸付加塩の形で使用せざるを得ないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1)
【化4】
[式中、AはNまたはN+−O−であり、BはAに対してパラ位もしくはメタ位に置換する−C(=N−OH)NH2であるか、またはAに対してパラ位に置換する−N=N−NH−C(=N−OH)NH2である。]で表わされる(N−ヒドロキシアミジノ)ピリジン誘導体からなる一酸化窒素供与剤を提供し、前記要請に応えるものである。
【0008】
上記式(1)の化合物は、そのN−ヒドロキシアミジノ基が、活性酸素種であるヒドロキシルラジカルの酸化力を利用してNOを遊離する。特に、AがNである化合物は、生体内で有害なヒドロキシルラジカルが発生するときに、これと反応してNOを遊離する。一方、AがN+−O―である化合物は、低酸素組織において、還元型ニコチンアミドジヌクレオチドリン酸(NADPH)による代謝を受けて自らヒドロキシルラジカルを発生し、これにより同一分子内のN−ヒドロキシアミジノ基からNOを発生する。
【0009】
上記式(1)の化合物のうち、少なくともBが−C(=N−OH)NH2であるものは、グアニジン型の構造を含まないため、直接、NOSに依存することはない。ただし、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2であるものは、グアニジン型の構造を含むためNOSに依存する可能性はある。上記式(1)の化合物は、塩酸塩や酢酸塩の形にしなくても水によく溶けるが、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2であるもの(グアニジン型)は、Bが−C(=N−OH)NH2であるもの(アミジン型)に比べてやや水に溶けにくい。
【0010】
【発明の実施の形態】
(A)化合物の製造
上記式(1)の化合物は下記式(2)
【化5】
[式中、AはNまたはN+−O−であり、YはAに対してパラ位もしくはメタ位に置換する−CNであるか、またはAに対してパラ位に置換する−N=N−NK−CNである。]で表わされる化合物に,ヒドロキシルアミン(H2NOH)を反応させることにより、容易に製造することができる。
【0011】
すなわち、Bが−C(=N−OH)NH2である式(1)の化合物を製造するには、Yが−CNである式(2)の化合物をメタノールやエタノールなどの不活性溶媒中に溶解して1.2当量の炭酸ナトリウムを共存させ、これに1〜1.2当量のヒドロキシルアミン塩酸塩の粉末を少量ずつ加えて攪拌しながら、65〜80℃で30分間〜5時間反応させればよい。式(1)の化合物は結晶として得られる。下記にその反応式を示す。
【化6】
1a:A=N,B=3−C(=N−OH)NH2
1b:A=N,B=4−C(=N−OH)NH2
1c:A=N+−O−,B=3−C(=N−OH)NH2
1d:A=N+−O−,B=4−C(=N−OH)NH2
2a:A=N,Y=3−CN
2b:A=N,Y=4−CN
2c:A=N+−O−,Y=3−CN
2d:A=N+−O−,Y=4−CN
【0012】
また、Bが−N=N−NH−C(=N−OH)NH2である式(1)の化合物を製造するには、Yが式−N=N−NK−CNである式(2)の化合物を、メタノールやエタノールなどの不活性溶媒中に溶解して、これに1〜1.2当量のヒドロキシルアミン塩酸塩の粉末を少量ずつ加えて攪拌しながら、65〜80℃で30分間ないし1時間反応させればよい。式(1)の化合物は結晶として得られる。下記にその反応式を示す。
【化7】
1e:A=N,B=4−N=N−NH−C(=N−OH)NH2
1f:A=N+−O−,B=4−N=N−NH−C(=N−OH)NH2
2e:A=N,Y=4−N=N−NK−CN
2f:A=N+−O−,Y=4−N=N−NK−CN
【0013】
なお、Yが式−N=N−NK−CNである式(2)の化合物を製造するには、相当する4−アジドピリジンまたは4−アジドピリジンN−オキシドを70%ジオキサン水溶液中に入れ、これにシアン化カリウムの水溶液を5〜10℃で添加した後、室温で攪拌しながら30分間〜1時間反応させればよい。下記にその反応式を示す。
【化8】
2e:A=N,Y= −N=N−NK−CN
2f:A=N+−O−,Y= −N=N−NK−CN
3e:A=N
3f:A=N+−O−
【0014】
以上のようにして得られた式(1)の化合物の結晶は、水、メタノール、エタノールなどの不活性溶媒で再結晶操作を行うことにより、より高純度の精製品とすることができる。さらに、所望であれば、生理学的に使用できる酸、たとえば塩酸を常法に従って作用させれば、酸付加塩を得ることもできる。なお、これらの化合物はいずれも水溶性であるが、その中でも、化合物1a及び1bの水溶性が特に大きく、次いで化合物1c及び1d、さらに化合物1e及び1fの順に水溶性は小さくなる。
【0015】
(B)NO発生反応
本発明の化合物はヒドロキシルラジカルを酸化剤としてNOを発生する。ヒドロキシルラジカルを人工的に発生させるには、たとえば過酸化水素水と硫酸第一鉄によるフェントン反応による。フェントン反応で生じた一電子酸化剤であるヒドロキシルラジカルが本発明の機能性化合物を三電子酸化することによりNOを生成する反応過程を、化合物1aを例にとって示す。
【化9】
【0016】
上記酸化反応により生成したNOを検出するには、図1に示すNO発生検出装置を用いたグリースの方法(たとえば非特許文献4及び非特許文献5を参照)を用いればよい。図1において、装置本体2は気体選択的透過膜(ポリフッ化ビニリデン膜)5で内部が上下二室に分割されており、下室の下半分には本発明の化合物とフェントン試薬を含む反応液3が入っている。フェントン試薬により本発明の化合物から発生するNOは、反応液上の空間4を上昇し、気体選択的透過膜5を透過してグリース試薬6中に導かれて発色するので、これを546nmで定量する。このときの反応式を下記に示す。なお、装置本体2の下部は恒温槽1内の定温水中に浸漬され、反応液3の温度は一定に保たれている。
【化10】
【0017】
【非特許文献4】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull., 44(10), 1849−1852 (1996)
【非特許文献5】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull., 45(4), 595−598 (1997)
【0018】
【実施例】
実施例1(化合物1aの製造)
3−シアノピリジン2.1gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1aを得た。得られた化合物1aの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0019】
実施例2(化合物1bの製造)
3−シアノピリジンN−オキシド2.4gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1bを得た。得られた化合物1bの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0020】
実施例3(化合物1cの製造)
4−シアノピリジン2.1gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1cを得た。得られた化合物1cの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0021】
実施例4(化合物1dの製造)
4−シアノピリジンN−オキシド2.4gをメタノール50mLに溶解し、これに炭酸ナトリウム2.1gを攪拌しながら加えた。この溶液を65〜70℃に保ちながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.4gを少量ずつ加えた。その後も攪拌を続けながら、65〜70℃で1時間反応させた。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、残渣に少量の冷水を加えて無機塩類を溶出させた後、残った固形物をメタノールから再結晶させて化合物1dを得た。得られた化合物1dの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0022】
実施例5(化合物1eの製造)
(a)4−アジドピリジンN−オキシド(3f)の合成
4−ニトロピリジンN−オキシド1.4gとアジ化ナトリウム0.65gを50%エタノール水溶液に溶解し、水浴上で10時間還流して反応させた。反応液を減圧濃縮して溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで暗所乾燥し、次いで溶媒を留去した後、残留物をエタノールに溶解して4−アジドピリジンN−オキシド(3f)を結晶化し、これをさらにエタノールから再結晶させた。収率74%。mp142〜143℃(分解点)。
【0023】
(b)4−アジドピリジン(3e)の合成
4−アジドピリジンN−オキシド(3f)4.7gをクロロホルム150mLに溶解し、これに三塩化リン10.0gを少量ずつ加えて水浴上で3時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、残渣を氷水に加え、油状物を塩化メチレンで抽出した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで暗所乾燥し、次いで溶媒を留去した後、残留物をメタノールと塩酸の混合液で処理して4−アジドピリジン(3e)の塩酸塩とした。これをさらにメタノールから再結晶させた、mp137〜139℃(分解点)。
【0024】
(c)4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンのカリウム塩(2e)の合成
遊離の4−アジドピリジン(3e)1.2gをメタノールに溶解し、これに水2mLにシアン化カリウム0.65gを溶かした溶液を攪拌しながら加え、さらに30分間水浴上で加熱した。反応液を減圧濃縮した後、残留物をメタノールから再結晶させた。mp>300℃。
【0025】
(d)4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジン(1e)の合成
4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンのカリウム塩(2e)185mgをメタノール10mLに溶解した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩70mgを攪拌しながら加え、80℃で20分間反応させて、4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジン(1e)の結晶を得た。これをさらに含水メタノールから再結晶させた。得られた化合物1eの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0026】
実施例6(化合物1fの製造)
(a)4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)の合成
4−アジドピリジンN−オキシド(3f)1.36gを50%ジオキサン水溶液に溶解した。これに、5〜10℃で、水2mLにシアン化カリウム0.65gを溶かした溶液を少量ずつ攪拌しながら加えた後、室温で30分間放置し、生じた4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)の結晶を集めた。これをさらにエタノール水溶液から再結晶させた。mp238〜240℃(分解点)。
【0027】
(b)4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジンN−オキシド(1f)の合成
4−(3−シアノ−1−トリアゼノ)ピリジンN−オキシドのカリウム塩(2f)0.24gをメタノール10mLに溶解した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩70mgを攪拌しながら加え、80℃で20分間反応させて、4−[3−(N2−ヒドロキシアミジノ)−1−トリアゼノ]ピリジンN−オキシド(1f)の結晶を得た。得られた化合物1fの融点、核磁気共鳴スペクトル、及び元素分析値を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例7(NOの発生)
水に溶解させた0.03Mの化合物1a〜1fに0.1Mの過酸化水素水を加え、さらに0.1Mの硫酸第一鉄を加えて(フェントン反応)一定温度で攪拌しながら、一定時間に発生してくるガス状のNOをグリース試薬へ導いて発色させ、これを546nmで定量した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
化合物1a、1b、1c、1d、1e及び1fは、ヒドロキシルラジカルと反応してNOを遊離するため、NOドナーとして有用である。以下に示すように、これらの化合物のうち、化合物1a、1b及び1eは生体内で生成した内因性ヒドロキシルラジカルと反応して(すなわち有害なヒドロキシルラジカルを消費して)NOを遊離し、それぞれニコチンアミド、イソニコチンアミド及び4−ヒドロキシピリジンと尿素に代謝される。一方、化合物1c、1d及び1fはNADPHのような還元酵素による脱オキシド化反応で自らヒドロキシルラジカルを発生し、これによりヒドロキシアミジノ部位が酸化を受けてNOを遊離して、それぞれニコチンアミド、イソニコチンアミド及び4−ヒドロキシピリジンと尿素に代謝されることが予想される。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0032】
なお、化合物1c及び1dを記載した文献は見当たらないが、化合物1aは非特許文献6、化合物1bは非特許文献7、化合物1e及び1fは非特許文献8に記載された既知化合物である。
【0033】
【非特許文献6】
Beil., 22, 41 (1935)
【非特許文献7】
L.N. Koikov et al., Mendeleev Commun., 4, 165−168 (1998)
【非特許文献8】
M. Tanno et al., Chem. Pharm. Bull. 27, 1824−1829 (1979)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNOドナーから発生したNOを検出する装置の一例を示す。
【符号の説明】
1 恒温槽
2 装置本体
3 反応液
4 空間(反応液より気化したNOが上昇する)
5 気体選択的透過膜
6 グリース試薬(呈色試薬、酢酸水溶液)
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