JP2004114439A - プリフォーム成形装置およびプリフォーム成形方法 - Google Patents

プリフォーム成形装置およびプリフォーム成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリフォームの外周端部を合理的に成形するのに有効なプリフォーム成形技術を提供する。
【解決手段】プリフォームの成形に用いるプリフォーム成形型につき、折返し片122を、型本体部101から離反する方向へ折出された第1の状態と、型本体部101に近接する方向へ折返された第2の状態とに切り替え可能とする。プリフォーム成形型に吹付け材料を吹付けるに際し、まずこのプリフォーム成形型を第1の状態に設定することで、折返し片122に吹付け材料を受け入れることができる。そして引き続きプリフォーム成形型を第1の状態から第2の状態に切り替えることによって、折返し片122に一旦受け入れた吹付け材料をプリフォーム10の外周端部11に対応した形状に成形することが可能となる。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば繊維強化プラスチック製パネル(FRP製パネル)を製造する過程において成形される強化繊維製プリフォームの成形技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両をはじめ各種の構造体等において、その構成部材に繊維強化プラスチック製パネル(FRP製パネル)を用いたものがある。このようなFRP製パネルを製造する製造方法の1つとして、いわゆるMMD(Matched Metal Die)成形法を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このMMD成形法を用いた製造方法では、まずプリフォーム成形型(多数の小孔を有するスクリーン型)にガラス繊維およびバインダーを含む材料を吹き付け、これによりプリフォーム成形型に対応した形状のガラス繊維製プリフォームを成形する。そして、更にこのガラス繊維製プリフォームとFRP樹脂とを用い、これらをFRP成形型によってプレス処理することによってFRP製パネルを得る。
従来、上記プリフォームのうち外周端部を成形する際には、まずプリフォーム成形型の外周部分よりも外側に成形材料がはみ出す程度に余分に材料を吹き付け、その後このはみ出した成形材料をプリフォームの外周端部に対応した所望の形状にトリミング処理するのが一般的であった。例えば、プレス成形型にトリミング用のくいきり刃を設け、このプレス成形型をプリフォームにかぶせると同時にそのくいきり刃によって外周端部のトリミング処理を行う方法を用いる。また、例えば、プリフォームのプレス成形後に別工程のカッターを用いて外周端部のトリミング処理を行う方法を用いる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−39684号公報(段落番号(0002),(0003))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のようなトリミング処理を行うプリフォームの成形技術では、トリミング処理を行うことで成形材料のロスの発生、廃棄物の発生等が生じるという問題を抱えている。また、上記従来のようなプリフォームの成形技術では、プリフォームの外周端部に成形材料、特に成形強度を左右するガラス繊維が均一に分布されないような場合がある。
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、プリフォームの外周端部を合理的に成形するのに有効なプリフォーム成形技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のプリフォーム成形装置は請求項1,2に記載の通りに構成される。また、本発明のプリフォーム成形方法は請求項3に記載の通りである。
【0006】
請求項1に記載のプリフォーム成形装置は、所定形状のプリフォームの成形に用いるものであり、このプリフォームに対応した形状のプリフォーム成形型を有する。ここでいう「プリフォーム」とは、例えば繊維強化プラスチック製パネル(FRP製パネル)を成形する過程で得られる成形体をいう。本発明におけるプリフォーム成形型を介して、プリフォームの外周端部(外周に形成される縁の部分)を成形することが可能となる。本発明のプリフォーム成形型は、第1の状態と、第2の状態とに切り替え可能になっている。第1の状態では、成形材料を受け入れる受入部材をプリフォームの外周端部に対応した位置よりも外側に配置する。一方、第2の状態では、受入部材を第1の状態よりも内方へ移動させることでプリフォームの外周端部に対応した形状を形成する。すなわち、本発明では、プリフォーム成形型の所定の受入部材をプリフォームの外周端部に対応した位置よりも外側に配置した状態と、その位置よりも内方へ配置した状態とに切り替えることで、プリフォームの外周端部を成形する構成になっている。この吹付け材料は、例えば所定の長さにカットされたカット強化繊維およびバインダー等によって構成される。この強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維等を好適に用いる。またバインダーとしては、例えば熱硬化性樹脂エマルジョンおよび硬化剤を混合した水溶液性エマルジョン接着剤を好適に用いる。
【0007】
本発明のプリフォーム成形装置のこのような構成によれば、プリフォーム成形型に吹付け材料を吹付けるに際し、まずこのプリフォーム成形型を第1の状態に設定することで、所定の受入部材に成形材料を受け入れることができる。そして引き続きプリフォーム成形型を第1の状態から第2の状態に切り替える。これにより、受入部材に一旦受け入れた成形材料は、この受入部材の例えば折返しや寄せ等によって内方へ移動したのちプリフォームの外周端部に対応した形状となる。なお、プリフォーム成形型を第1の状態と第2の状態とに切り替える機構としては、例えば型本体部の外周部分に取り付けた受入部材をこの型本体部に近接する方向ないし離反する方向へ動作(例えば、回転動作など)させる構成を好適に用いる。このとき受入部材を型本体部から離反する方向へ折出すように回転動作させることで第1の状態に設定し、受入部材を型本体部に近接する方向へ折返すように回転動作させることで第2の状態に設定することができる。これにより、従来の成形技術のような成形材料のロスの発生、廃棄物の発生等を防止することが可能となる。また、プリフォームの外周端部に成形材料、特に成形強度を左右する強化繊維を均一に分布させることができる。また、プリフォームの外周端部を成形するのに別工程においてトリミング処理を行う必要がない。
以上のように請求項1に記載したプリフォーム成形装置を用いれば、プリフォームの外周端部を合理的に成形することが可能となる。
【0008】
ここで、請求項1に記載の受入部材は、請求項2に記載のような構成であるのが好ましい。すなわち、第1の状態では、受入部材はプリフォーム成形型の型本体部から離反する方向へ折出される回転動作を行う。従って、受入部材は成形材料が受け入れ可能となる。一方、第2の状態では、受入部材はプリフォーム成形型の型本体部に近接する方向へ折返される回転動作を行う。従って、受入部材はプリフォームの外周端部に対応した形状を形成することが可能となる。これにより、プリフォーム成形型のうち外周端部を成形する機構を比較的簡便な構成によって実現することができる。
従って、請求項2に記載したプリフォーム成形装置を用いれば、プリフォームの成形面に立設する凸部を、簡便な構成の機構によってより合理的に成形することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載のプリフォーム成形方法は、所定形状のプリフォームを成形するに際し、このプリフォームに対応した形状のプリフォーム成形型を用いるものである。本発明では、このプリフォーム成形型として、成形材料を受け入れる受入部材をプリフォームの外周端部に対応した位置よりも外側に配置する第1の状態と、受入部材を第1の状態よりも内方へ移動させることで外周端部に対応した形状を形成する第2の状態とに切り替え可能な構成のものを用いる。そして、第1の処理工程および第2の処理工程等を順次実施することによって所望のプリフォームを成形する。
第1の処理工程では、プリフォーム成形型を第1の状態に設定する。そして、第1の状態のプリフォーム成形型に強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)およびバインダーを含む吹付け材料を吹付ける処理を行う。次に、第2の処理工程では、プリフォーム成形型を第1の状態から第2の状態に切り替える。これにより、受入部材に一旦受け入れた成形材料は、この受入部材の例えば折返しや寄せ等によって内方へ移動したのちプリフォームの外周端部に対応した形状となる。従って、従来の成形技術のような成形材料のロスの発生、廃棄物の発生等を防止することが可能となる。また、プリフォームの外周端部に成形材料、特に成形強度を左右する強化繊維を均一に分布させることができる。また、プリフォームの外周端部を成形するのに別工程においてトリミング処理を行う必要がない。
以上のように請求項3に記載したプリフォーム成形方法を用いれば、プリフォームの外周端部を合理的に成形することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は本実施の形態のプリフォーム成形型100の斜視図であって、折返し機構120の折返し片122が開き位置に設定された場合を示している。図2は本実施の形態のプリフォーム成形型100の斜視図であって、折返し機構120の折返し片122が閉じ位置に設定された場合を示している。図3は折返し機構120の構成を示す斜視図である。図4は図1中のA−A線断面矢視図であり、図5は図2中のB−B線断面矢視図である。図6は凸部成形機構150の構成を示す斜視図である。図7は図6中のC−C線断面矢視図であって、凸部成形機構150の可動翼片152が開き位置に設定された場合を示している。図8は図6中のC−C線断面矢視図であって、凸部成形機構150の可動翼片152が閉じ位置に設定された場合を示している。図9は本実施の形態のプリフォーム10およびFRP製パネル20を示す斜視図である。
【0011】
本実施の形態では、図1に示す構成のプリフォーム成形型100を主体としてプリフォーム成形装置が構成される。このプリフォーム成形型100を用い、後述するプリフォーム成形工程にしたがって図9中のプリフォーム10が得られる。更に、後述するFRP製パネル成形工程にしたがってこのプリフォーム10から図9中のFRP(繊維強化プラスチック)製パネル20が得られる。なお、本実施の形態の吹付け材料(成形材料)は、ガラス繊維およびバインダーを主体とするものである。このガラス繊維は、所定の長さにカットされたカットガラス繊維であるのが好ましい。その他、炭素繊維が所定の長さにカットされたカット炭素繊維を用いることもできる。また、バインダーとして、例えば熱硬化性樹脂エマルジョンおよび硬化剤を混合した水溶液性エマルジョン接着剤を好適に用いる。なお、本実施の形態のFRP製パネル20は、例えば排水処理槽の槽内を複数の領域に仕切る仕切板として好適に用いることができる。
【0012】
図9に示すように、プリフォーム10およびFRP製パネル20は同様の形状を有する。例えばプリフォーム10には、その裏面10bの4箇所に凸部12(本発明における凸部に対応)が形成される。この凸部12は、プリフォーム10の裏面10b(本発明における所定の成形面に対応している。)に立設するものであり、本発明における凸部に対応している。この凸部12がFRP製パネル20のリブ22に相当する。このリブ22は、FRP製パネル20の軽量化と剛性とを両立させるのに有効である。また、プリフォーム10には、裏面10bから表面10aへ向けて突出する突出部14,15,16が形成される。これら突出部14,15,16は、FRP製パネル20の取付座24,25,26に相当する。取付座24,25,26は、排水処理槽内に設置される内装材の取付け座として用いられる。
【0013】
図1および図2に示すように、プリフォーム成形型100は、プリフォーム10の裏面10bに対応した凸形状の型本体部101を主体に構成されている。また、この型本体部101の外周部分に折返し機構120が設けられ、型本体部101の4箇所に凸部成形機構150が設けられている。型本体部101、折返し機構120および凸部成形機構150は、いずれも全体的に多数の小孔102を有するいわゆるスクリーン型を用いた構成になっている。また、本実施の形態のプリフォーム成形装置は、プリフォーム成形型100の下方に、吹付け材料の後述する吹付け処理において用いる吸引装置(図示省略)を備えている。
【0014】
折返し機構120は、プリフォーム10の外周端部11を成形するものであり、複数の折返し片122、後述する回動機構130等によって構成されている。この回動機構130は、折返し片122を回転動作させる構成になっている。この折返し片122が本発明における受入部材に対応している。各折返し片122は、ヒンジ機構123を介して型本体部101に接続されており、型本体部101の表面101aに対応した凹曲形状を備えている。各折返し片122は、回動機構130が作動することによって型本体部101の表面101aから離反した開き位置(図1に示す位置)と、型本体部101の表面101aに近接した閉じ位置(図2に示す位置)とに設定される構成になっている。図1に示す開き位置では、各折返し片122はプリフォーム10の外周端部11に対応した位置よりも外側に折出された配置状態(本発明における第1の状態に対応)となる。一方、図2に示す閉じ位置では、各折返し片122は前記の状態よりも内方へ折返され、プリフォーム10の外周端部11に対応した形状を形成する状態(本発明における第2の状態に対応)となる。
【0015】
ガイド片126は、型本体部101の曲部に配置された折返し片122に対応して設けられている。このガイド片126は、折返し片122の動作をガイドすることで動作の過程で折返し片122間に過度の隙間が生じるのを抑えることができる構成になっている。これにより、折返し片122が開き位置に設定された場合に、折返し片122間から成形材料が流出するのを防止することが可能となる。
【0016】
図3に示すように、回動機構130は左右一対の可動板132、各一対の可動板132を上下方向(図3中の矢印200方向および矢印210方向)へ駆動させる上下駆動機構140を備えている。各可動板132には、支持ロッド138を挿通可能な挿通孔136が計2つ設けられており、この支持ロッド138によって可動板132の上下方向の駆動が支持されるようになっている。
【0017】
上下駆動機構140は、可動板132の下面に固定された第1の部材141、操作レバー134に連なる回転軸144、回転軸144に固定されこの回転軸144の回転に伴って回転動作する第2の部材142、第1の部材141と第2の部材142とを相対回転可能に連結する第3の部材143等を備えている。また、回転軸144は装置本体フレーム(図示省略)側に支持されている。従って、操作レバー134を回転操作することによって第2の部材142が回転動作し、これにより第2の部材142に対する第1の部材141の上下方向の位置が変化する。而して、可動板132が上下方向へ駆動されることとなる。
【0018】
なお、可動板132には各折返し片122に対応した位置に突出片132aが固定され、この突出片132aと、折返し片122の裏面に設けられた突出片122aとが互いに対向するように設置されている(図2参照)。また、可動板132と各折返し片122の裏面とがワイヤー部材124によって連結されている。従って、図4に示すように上下駆動機構140によって可動板132が上方(図4中の矢印220方向)へ駆動されるとき、突出片132aが突出片122aに当接しこの突出片122aを押圧する。これにより、折返し片122は図4に示す開き位置から図4中の矢印230方向へ回転動作し、図5に示す閉じ位置に設定されることとなる。反対に、図5に示すように上下駆動機構140によって可動板132が下方(図5中の矢印240方向)へ駆動されるとき、突出片132aによる突出片122aへの押圧が解除されるとともに、ワイヤー部材124を介して可動板132が下方へ引っ張られる。これにより、折返し片122は図5に示す閉じ位置から、再び図4に示す開き位置に設定されることとなる。
【0019】
凸部成形機構150は、プリフォーム10の各凸部12を成形する凸部成形箇所に設けられるものである。この凸部成形機構150は、図6に示すように、計4対の可動翼片152、これら可動翼片152を上下方向へ駆動させる上下駆動機構160等によって構成されている。この上下駆動機構160によって、一対の可動翼片152は互いに離反した開き位置(図7参照)と、互いに近接した閉じ位置(図8参照)とに設定されるようになっている。各凸部12を成形する可動翼片152の数は、2片に限定されず必要に応じて適宜設定可能である。
【0020】
上下駆動機構160は、可動翼片152の下面に固定された第1の部材161、操作レバー154に連なる回転軸164、回転軸164に固定されこの回転軸164の回転に伴って回転動作する第2の部材162、第1の部材161と第2の部材162とを相対回転可能に連結する第3の部材163等を備えている。また、回転軸164は、装置本体フレーム(図示省略)側に支持されている。従って、操作レバー154を操作することによって第2の部材162が回転動作し、これにより第2の部材162に対する第1の部材161の上下方向の位置が変化する。而して、可動翼片152が上下方向へ駆動されることとなる。
【0021】
上下駆動機構160によって可動翼片152が上方(図8中の矢印300方向)へ駆動されるとき、可動翼片152の後端部152bが型本体部101の溝構成片101bに当接し、互いに対向する可動翼片152の開口幅が拡張されていく。これにより、可動翼片152は図8に示す閉じ位置から図7に示す開き位置に設定され、結果的に可動翼片152の開口幅はd1からd2(d2>d1)へと拡張されることとなる。この開き位置では、互いに対向する可動翼片152によって、プリフォーム10の凸部12に対応した凹形状を拡張させた拡張形状が形成されることとなる。反対に上下駆動機構160によって可動翼片152が下方(図7中の矢印310方向)へ駆動されるとき、可動翼片152は溝構成片101bの間に引き込まれる。これにより、可動翼片152は図7に示す開き位置から再び図8に示す閉じ位置に設定され、結果的に可動翼片152の開口幅はd2からd1へと縮小されることとなる。この閉じ位置では、互いに対向する可動翼片152によって、プリフォーム10の凸部12に対応した凹形状が形成されることとなる。なお、型本体部101の溝構成片101bは、清掃時等に可動翼片152を取り外し可能な幅に設定するのが好ましい。
【0022】
次に、上記構成のプリフォーム成形型100を用いてプリフォーム10を成形し、更にこのプリフォーム10をFRP製パネル20に成形する成形方法を図10〜図17に基づいて説明する。ここで、図10はプリフォーム成形工程およびFRP製パネル成形工程の手順を示すフローチャートである。図11は図10中の吹付け処理の手順を示すフローチャートである。図12〜図14は、いずれもプリフォーム成形工程の作業内容を示す模式図である。図15〜図17は、いずれもFRP製パネル成形工程の作業内容を示す模式図である。
【0023】
図10に示すように、本実施の形態では、ステップS10〜S30からなるプリフォーム成形工程においてプリフォーム10を成形し、ステップS40〜S60からなるFRP製パネル成形工程においてFRP製パネル20を成形する。
プリフォーム成形工程では、まずステップS10によって、カットガラス繊維およびバインダーを含む吹付け材料の吹付け処理を行う。この吹付け処理は、更に図11に示すステップS12〜S18によって構成されている。すなわち、まずステップS12によってプリフォーム成形型100へ吹付け材料の初期吹付け処理を行う。この処理は、例えば図12に示すような作業形態によって行うことができる。すなわち、糸巻状のロービングガラス繊維をカット付ローラーによって所定長さのカットガラス繊維とする一方、加圧ポンプによって加圧された液状のバインダーをスプレーガンからプリフォーム成形型100へ向けて供給する。なお、カットガラス繊維およびバインダーを供給するタイミングは同時で行ってもよいし、あるいはカットガラス繊維を供給した後にバインダーの供給してもよい。
このとき、プリフォーム成形型100の表面を適度な減圧状態とするべくプリフォーム成形型100の下面に吸引装置(図示省略)を設置し、プリフォーム成形型100の小孔102から大気を吸引しながら作業を行う。これにより、カットガラス繊維およびバインダーが混在した吹付け材料がプリフォーム成形型100に確実に吹付けられることとなる。このステップS12の初期吹付け処理が本発明における第1の処理工程に対応している。
【0024】
また、引き続きステップS14によって凸部成形処理を行い、ステップS16によって端部折返し処理を行う。
ステップS14の凸部成形処理は、プリフォーム10の凸部12を成形するものである。この処理では、上記凸部成形機構150によって可動翼片152をまず図7に示す開き位置に設定する。これにより、吹付け材料M(成形材料)を一対の可動翼片152の間に確実に受け入れることができる(図7参照)。そして、引き続き可動翼片152を図8に示す閉じ位置に設定する。これにより、吹付け材料Mをプリフォーム10の凸部12に対応した形状に成形することができる(図8参照)。
【0025】
次に、ステップS16の端部折返し処理は、プリフォーム10の外周部分となる外周端部(外周縁部)11を成形するものである。この処理では、上記折返し機構120によって折返し片122をまず図4に示す開き位置(第1の状態)に設定する。これにより、吹付け材料M(成形材料)が折返し片122上に供給される(図4参照)。そして、引き続き折返し片122を図5に示す閉じ位置(第2の状態)に設定する。これにより、折返し片122上に供給された吹付け材料Mは折り返され、吹付け材料Mの外周部分はプリフォーム10の外周端部11に対応した形状に成形されることとなる(図5参照)。このステップS14の凸部成形処理が本発明における第2の処理工程に対応している。このような処理を用いることで、従来の成形技術のような吹付け材料Mのロスの発生、廃棄物の発生等を防止することが可能となる。また、プリフォームの外周端部に吹付け材料M、特に成形強度を左右するガラス繊維を均一に分布させることができる。
ステップS14およびステップS16が終了すると、最後にステップS18によって仕上げ吹付け処理を行う。この仕上げ吹付け処理は、ステップS12と同様に図12に示す作業形態によって行う。これにより、プリフォーム10が成形される過程におけるプリフォーム体が得られる。
【0026】
図10に戻って、ステップS10が終了したのちステップS20によってプリフォーム硬化処理を行う。図13に示すように、このプリフォーム硬化処理では、ステップS10で得られたプリフォーム体をプリフォーム成形型100ごと加温室に入れる。この加温室の設定温度や放置時間は、例えばバインダーの硬化性能等に対応して適宜設定される。これにより、バインダーが硬化した状態のプリフォーム10が形成される。ステップS20が終了すると、ステップS30の離型処理を行う、この離型処理では、図14に示すようにプリフォーム成形型100からプリフォーム10を取り出す。
以上のようなプリフォーム成形工程の一連の処理によって本実施の形態のプリフォーム10が成形されることとなる。
【0027】
FRP製パネル成形工程では、まずステップS40によって型締め前処理を行う。この型締め前処理では、図15に示すように成形下型D1にプリフォーム成形工程で得られたプリフォーム10をセットするとともに、図16に示すようにFRP樹脂および硬化剤を型締め前の型内に投入する。次に、ステップS50によって型締め硬化処理(MMD処理)を行う。この型締め硬化処理では、プリフォーム10、FRP樹脂および硬化剤を成形下型D1(凹型)および成形上型D2(凸型)を介してプレス処理する(図17参照)。このプレス処理におけるプレス圧力、処理温度、処理時間等は、FRP樹脂や硬化剤の性状等に対応して適宜設定される。これにより、FRP樹脂がプリフォーム10全体にほぼ均一に分散した状態で常温硬化する。なお、硬化時間を短縮するために成形下型D1および成形上型D2を加熱することもできる。その後、ステップS60によって離型処理を行う。この離型処理では、成形下型D1および成形上型D2からFRP製パネル20を取り出す。
以上のようなFRP製パネル成形工程の一連の処理によって本実施の形態のFRP製パネル20が成形されることとなる。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば、プリフォーム10の外周端部11を合理的に成形することが可能となる。すなわち、折返し機構120を用いてプリフォーム10の外周端部11を成形することで、従来の成形技術のような吹付け材料Mのロスの発生、廃棄物の発生等を防止することが可能となる。また、プリフォームの外周端部11に吹付け材料M、特に成形強度を左右するガラス繊維を均一に分布させることができる。
また、本実施の形態によれば、プリフォーム10の外周端部11の成形に際し、折返し片122を回転動作させて開き位置と閉じ位置とに設定する比較的簡便な機構を用いることができる。
また、本実施の形態によれば、プリフォーム成形型100の折返し機構120を用いてプリフォーム10の外周端部11を成形するため、従来技術に記載のようなトリミング用のくいきり刃を用いる必要がない。また、ステップS10の吹き付け処理においてプリフォーム10の外周端部11を成形するため、プリフォームのプレス成形後に別工程のカッターを用いて外周端部のトリミング処理を行う従来技術に比して、別工程においてトリミング処理を行う必要がない。
【0029】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0030】
(A)上記実施の形態の折返し機構120にかえて、例えば図18に示す成形機構220を用いることもできる。
図18に示す成形機構220は、型本体部101の外周部分に取付けられた網状部材222、この網状部材222に取付けられたワイヤー部材224等によって構成されている。網状部材222は、本実施の形態の小孔102に相当する大きさの網目を有する。この網状部材222が本発明における受入部材に対応している。ワイヤー部材224を緩めた状態では、網状部材222はプリフォーム10の外周端部11に対応した位置よりも外側に配置される構成になっている。一方、ワイヤー部材224の端部を引っ張ることで、網状部材222は絞られて内方へ移動することでプリフォーム10の外周端部11に対応した形状を形成する構成になっている。従って、ワイヤー部材224を緩めた状態で吹付け材料Mを一旦網状部材222上に受け入れ、その後ワイヤー部材224の端部を引っ張ることでこの網状部材222上に受け入れた吹付け材料Mを内方へ寄せてプリフォーム10の外周端部11に成形することができる。このような成形機構220を用いれば、本実施の形態の折返し機構120と同様の作用効果を奏する。
【0031】
(B)また、上記実施の形態では、操作レバー134,154を手動操作することにより上下駆動機構140,160が作動する場合について記載したが、これら上下駆動機構140,160はモータ等の手段を用いて作動させてもよい。また、例えば上下駆動機構140では、回転軸144の回転動作を用いて可動板132を上下動させる構成としたが、可動板132を支持する部材が直接上下動するような構成の駆動機構を用いることもできる。
【0032】
(C)また、上記実施の形態では、上下駆動機構140の上下動によって折返し片122が回転動作する構成について記載したが、本実施の形態のヒンジ機構123に対応した箇所に回転軸を設け、この回転軸をその位置で回転動作させることによって折返し片122を開き位置と閉じ位置とに設定する構成を用いることもできる。
【0033】
(D)また、上記実施の形態では、FRP製パネル20を排水処理槽の槽内を複数の領域に仕切る仕切板として用いる場合について記載したが、別の用途、例えば車両等の構造体に使用するFRP製パネルを成形する技術に対し本発明を適用することもできる。
【0034】
(E)また、上記実施の形態では、MMD成形法を用いる場合について記載したが、プリフォームを使用する成形法であれば本発明が適用可能である。例えば、いわゆるRTM成形法に本発明を適用することもできる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プリフォームの外周端部を合理的に成形するのに有効なプリフォーム成形技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のプリフォーム成形型100の斜視図であって、折返し機構120の折返し片122が開き位置に設定された場合を示している。
【図2】本実施の形態のプリフォーム成形型100の斜視図であって、折返し機構120の折返し片122が閉じ位置に設定された場合を示している。
【図3】折返し機構120の構成を示す斜視図である。
【図4】図1中のA−A線断面矢視図である。
【図5】図2中のB−B線断面矢視図である。
【図6】凸部成形機構150の構成を示す斜視図である。
【図7】
図6中のC−C線断面矢視図であって、凸部成形機構150の可動翼片152が開き位置に設定された場合を示している。
【図8】図6中のC−C線断面矢視図であって、凸部成形機構150の可動翼片152が閉じ位置に設定された場合を示している。
【図9】本実施の形態のプリフォーム10およびFRP製パネル20を示す斜視図である。
【図10】プリフォーム成形工程およびFRP製パネル成形工程の手順を示すフローチャートである。
【図11】図10中の吹付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】プリフォーム成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図13】プリフォーム成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図14】プリフォーム成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図15】FRP製パネル成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図16】FRP製パネル成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図17】FRP製パネル成形工程の作業内容を示す模式図である。
【図18】本実施の形態の折返し機構120の別の実施の形態の成形機構220を示す平面図である。
【符号の説明】
10…プリフォーム
11…外周端部
12…凸部
20…FRP製パネル
22…リブ
100…プリフォーム成形型
101…型本体部
120…折返し機構
122…折返し片
130…回動機構
140,160…上下駆動機構
150…凸部成形機構
152…可動翼片(可動部材)

Claims (3)

  1. プリフォームの成形に用いるプリフォーム成形型を有するプリフォーム成形装置であって、
    前記プリフォーム成形型は、前記プリフォームの外周端部を成形する構成を備え、成形材料を受け入れる受入部材を前記外周端部に対応した位置よりも外側に配置する第1の状態と、前記受入部材を前記第1の状態よりも内方へ移動させることで前記外周端部に対応した形状を形成する第2の状態とに切り替え可能であることを特徴とするプリフォーム成形装置。
  2. 請求項1に記載したプリフォーム成形装置であって、
    前記受入部材は、前記プリフォーム成形型の型本体部の外周部分に回転動作可能に取付けられており、前記第1の状態では前記型本体部から離反する方向へ折出される回転動作によって前記成形材料が受け入れ可能となり、前記第2の状態では前記型本体部に近接する方向へ折返される回転動作によって前記外周端部に対応した形状を形成するように構成されていることを特徴とするプリフォーム成形装置。
  3. プリフォームを成形するプリフォーム成形方法であって、
    成形材料を受け入れる受入部材を前記プリフォームの外周端部に対応した位置よりも外側に配置する第1の状態と、前記受入部材を前記第1の状態よりも内方へ移動させることで前記外周端部に対応した形状を形成する第2の状態とに切り替え可能なプリフォーム成形型を用いるものであり、
    前記プリフォーム成形型を前記第1の状態に設定し、この第1の状態のプリフォーム成形型に強化繊維およびバインダーを含む吹き付け材料を吹付ける処理を行う第1の処理工程と、
    前記プリフォーム成形型を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることで、前記受入部材に吹付けられた吹付材料を前記外周端部に対応した形状に成形する第2の処理工程とを有することを特徴とするプリフォーム成形方法。
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