JP2004113906A - 水改良装置及び水改良方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンゴ粒からミネラル成分を可及的に大量に且つ効率的に溶出させることができる、水改良装置を提供する。
【解決手段】原水の入口24を下部に有するとともに改良水の出口25を上部に有する反応槽23と、該反応槽23内に収容された粒状サンゴ加工物20と、前記原水入口24から流入する原水を湧き水状に噴き上げて前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20を攪拌せしめるノズル27と、を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】原水の入口24を下部に有するとともに改良水の出口25を上部に有する反応槽23と、該反応槽23内に収容された粒状サンゴ加工物20と、前記原水入口24から流入する原水を湧き水状に噴き上げて前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20を攪拌せしめるノズル27と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水等の原水を改良するための水改良装置及び水改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水道水、地下水等の原水を改良するための装置は、従来種種提案されている。
その一種として、サンゴ粒(サンゴ加工物)を収容した反応槽に原水を導入し、前記サンゴ粒に多種含まれる微量ミネラル成分を前記反応槽内で前記原水に溶出させる方式の装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−71390号公報
前記装置による改良水は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム等、サンゴ粒の組成と同様のきわめて多くの種類の微量ミネラル成分を含む。よって、微量ミネラル成分を必須とする人体にとって有用な水となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記改良水の品質をより一層向上させるためには、前記サンゴ粒から前記微量ミネラル成分をできるだけ大量に溶出させるのが望ましい。また、前記改良水の生成効率を高めるためには、前記サンゴ粒から前記微量ミネラル成分を効率的に溶出させるのが望ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、サンゴ粒からミネラル成分を可及的に大量に且つ効率的に溶出させることができる、水改良装置及び水改良方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る水改良装置は、原水の入口を下部に有するとともに改良水の出口を上部に有する反応槽と、該反応槽内に収容された粒状サンゴ加工物と、前記原水入口から流入する原水を湧き水状に噴き上げて前記反応槽内で前記粒状サンゴ加工物を攪拌せしめるノズルと、を備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0007】
本発明においては、前記ノズルによって、前記原水が前記反応槽内で湧き水状に噴き上がり、これにより、前記粒状サンゴ加工物が攪拌される。すなわち、前記粒状サンゴ加工物のそれぞれが、前記原水の水流又は水圧であらゆる方向へとランダムに移動し、互いにぶつかり合ったり、前記反応槽の内周面にぶつかったりしながら、前記原水と激しく接触する。このため、前記サンゴ粒に含まれる微量ミネラル成分が、前記原水中に大量に且つ効率的に溶出する。
【0008】
本発明では、改良の対象となる原水自体を攪拌手段として用いている。よって、攪拌翼等の専用の攪拌手段を準備する必要がなく、経済性も良い。
【0009】
好適な実施の一形態として、前記反応槽の内部空間の水平断面積が、前記ノズルに近づくにつれて徐々に縮小したものとすることもできる(請求項2)。このようにすれば、水流で一旦噴き上げられた後に自重で下降する粒状サンゴ加工物のそれぞれが、前記反応槽の内面に案内されて前記ノズルの真上へと自然に集合するので、前記粒状サンゴ加工物のそれぞれが、継続的に前記ノズルからの噴射水流を受ける。よって、前記粒状サンゴ加工物に含まれる微量ミネラル成分の前記原水中への溶出量および溶出効率が一層向上する。
【0010】
好適な実施の一形態として、前記ノズルの水噴出孔の上流側に、前記原水の所定値以上の水圧で開作動する開閉弁を備えたものとすることもできる(請求項3)。この場合、前記ノズルの前記水噴出孔へと向かう原水の水圧が前記所定値以上となると、それまで閉じていた前記開閉弁が自動的に開く。
【0011】
好適な実施の一形態として、前記開閉弁の上流側に、前記原水の水圧を制御するポンプを備えたものとすることもできる(請求項4)。このようにすれば、前記原水の水圧が前記所定値に達しない場合でも、前記ポンプで加圧することにより、前記開閉弁が自動的に開くようにすることができる。
【0012】
好適な実施の一形態として、前記反応槽を収容する容器を備え、該容器が、前記反応槽内に前記原水を受け入れるための口と、前記反応槽から流出する改良水を外部へ出すための口と、を除いて液密に閉じたものとすることもできる(請求項5)。
【0013】
好適な実施の一形態として、前記粒状サンゴ加工物が、風化造礁サンゴ粒を120〜600℃に加熱する工程を経て形成された未焼成の加工品であるものとすることもできる(請求項6)。
【0014】
一般に、風化造礁サンゴ粒を、1000℃近く又はそれ以上の高温に加熱したものを焼成加工品というが、このような工程で加工すると、高温の加熱により、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウム(CaCO3)が、酸化カルシウム(CaO)に変化してしまう。酸化カルシウムは、水に溶け出し易い反面、水との反応性は悪い(すなわち、イオン化し難い)ので、人体への吸収性が悪い。また、酸化カルシウムは、水に溶出してpH10〜11の強アルカリ性を示すので、飲用には適さない。
【0015】
これに対し、前記未焼成加工品においては、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウムが、水との反応性が良好なそのままの形で残っているので、イオン化し易く、人体への吸収性が良好である。また、炭酸カルシウムがイオン化して水に溶け出すと、その水は、人体にとって望ましいpH8〜9の弱アルカリ性を示す。加えて、前記未焼成加工品によれば、水へのカルシウムイオンの溶出が、長時間又は長期間、安定的に持続する。よって、前記粒状サンゴ加工物を頻繁に取り替える必要もなくなり、好適である。
【0016】
本発明に係る水改良方法は、反応槽の下部から原水を湧き水状に供給し、該原水の水流によって前記反応槽内で粒状サンゴ加工物を攪拌させ、該粒状サンゴ加工物の成分を前記原水へと溶出させることを特徴としている(請求項7)。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な一実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る水改良装置の全体構成を示す概略図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る水改良装置1は、改良処理対象としての原水を最上流入口2から最終出口3へと通過させて、その通過過程で、前記原水に所定の改良を加えるものである。前記水改良装置1は、前記原水の上流側から下流側へと順番に、粗大粒子除去室4、第一イオン交換室5、第二イオン交換室6、ミネラル成分供給室7、活性炭室8、中空糸膜室9、を備え、これらの室4〜9が、適宜のホース又はパイプ等からなる流路10〜14で直列状に接続されている。前記水改良装置1は、典型的には、原水の水源となる水道の蛇口15に前記最上流入口2を接続して使用する。
【0020】
前記粗大粒子除去室4は、粗大粒子除去カートリッジ16で形成され、その内部に適宜のフィルター(図示せず)を備えている。このフィルターによって、前記原水中に含まれるゴミ等の粒子が捕捉され、除去される。
【0021】
前記第一イオン交換室5および第二イオン交換室6は、それぞれ、第一イオン交換樹脂カートリッジ17、第二イオン交換樹脂カートリッジ18で形成され、それぞれの内部に、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素を除去するための、それ自体周知のイオン交換樹脂(図示せず)を備えている。これらのイオン交換樹脂によって、前記原水中に含まれる硝酸性窒素および亜硝酸性窒素が除去される。
【0022】
前記ミネラル成分供給室7は、ミネラル源カートリッジ19を容器として形成され、その内部に、ミネラル源としての粒状サンゴ加工物20(図2参照)を備えている。前記原水は、前記ミネラル源カートリッジ19内で、前記粒状サンゴ加工物20と接触する。これにより、前記粒状サンゴ加工物20に含まれる多種類の微量ミネラル成分が、前記原水中に溶出する。
【0023】
前記活性炭室8は、活性体カートリッジ21で形成され、その内部に、活性炭(図示せず)を備えている。該活性炭によって、原水中に含まれる微細ゴミ、臭気、薬剤、塩素、トリハロメタン等が捕捉され、除去される。
【0024】
前記中空糸膜室9は、中空糸膜カートリッジ22で形成され、その内部に、中空糸膜(図示せず)を備えている。この中空糸膜によって、前記原水中に含まれる微小細菌類が捕捉され、除去される。
【0025】
なお、前記各カートリッジ16,17,18,19,21,22は、取り替え可能とされている。変形例として、前記各カートリッジの内容物のみを取り替えて使用することとしてもよい。
【0026】
次に、図2および図3を参照して、前記水改良装置1の要部について詳細に説明する。図2は、図1の装置における前記ミネラル成分供給室7の内部の拡大図、図3は、図2中のノズル部の拡大図である。
【0027】
図2に示すように、前記ミネラル源カートリッジ内には、反応槽23が所定の姿勢で収容されている。該反応槽23の下部には、水入口24が形成されていて、この入口24には、前記流路12を介して、前記第二イオン交換室6の水出口6b(図1参照)が連通している。また、図2に示すように、前記反応槽23の上部には、水出口25が形成されていて、この水出口25は、前記活性炭室8の水入口8a(図1参照)と連通している。
【0028】
前記粒状サンゴ加工物20は、前記反応槽23の内部に収容されている。また、前記反応槽23の下部には、細かい多数の水噴出孔26を備えたノズル27が配設されている。このノズル27によって、前記水入口24から前記反応槽23内へと流入する原水が湧き水状に噴き上がり、前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20が攪拌せしめられる。
【0029】
前記ノズル27の多数の水噴出孔26の上流側には、前記原水の所定値以上の水圧で開作動する開閉弁28が配設されている。本実施の形態では、図3(a)に示すように、前記ノズル27の上流側内部に、前記開閉弁28を構成する弁体29が収容されている。該弁体29は、ばね30等の付勢手段で、前記水噴出孔26へ向かう流路を閉じるように、弁座31に対して常時押圧付勢されている。
そして、前記弁体29は、図3(b)に示すように、前記流路12の内圧が所定値以上となることにより、強制的且つ自動的に開かれる。これにより、前記ノズル27の前記水噴出孔26から原水が湧き水状に噴き上がり、前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20が攪拌せしめられる。
【0030】
図2に示すように、前記開閉弁28の上流側に、前記原水の水圧を制御するポンプ32を設けることもできる。このようにすれば、たとえ前記原水の水圧が前記所定値に達しない場合でも、前記ポンプ32で加圧することにより、前記開閉弁28が自動的に開くようにすることができる。
【0031】
前記反応槽23内において、前記粒状サンゴ加工物20のそれぞれは、前記ノズル27から湧き水状に噴き上がる原水の水圧であらゆる方向へとランダムに移動し、互いにぶつかり合ったり、前記反応槽の内周面にぶつかったりしながら、前記原水と激しく接触する。このため、前記粒状サンゴ加工物20に含まれる微量ミネラル成分が、前記反応槽23内で前記原水中に大量に且つ効率的に溶出する。
【0032】
前記反応槽23の内部空間の水平断面積は、前記ノズル27に近づくにつれて徐々に縮小している。本実施の形態では、前記反応槽23は、中空の截頭錐体を倒立させた形状を有していて、その下向き縮小開口部が前記水入口24とされ、その上向き拡大開口部が前記水出口25とされている。前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27から噴出する水流で噴き上げられるが、前記ノズル27からの噴流は、前記粒状サンゴ加工物20が前記水出口25から吹き出されてしまうほどには強くはない。このため、個々の前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27からの噴流で一旦噴き上げられた後に、自重で下降する。このとき、前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27に近づくにつれて徐々に縮小する前記反応槽23の内面23aに案内されて、前記ノズル27の真上へと自然に集合する。よって、前記粒状サンゴ加工物20のそれぞれが継続的に前記ノズル27からの噴射水流を受け、前記粒状サンゴ加工物に含まれる微量ミネラル成分の前記原水中への溶出量および溶出効率が一層向上する。
【0033】
前記反応槽23の上縁(水出口25)から溢れ出す水は、前記反応槽23の外表面23bと前記ミネラル源カートリッジ19の内面19aとの間の改良水流下空間Sを通って、前記ミネラル源カートリッジ19の下部の水出口33から流出する。この水出口33は、前記活性炭室8の前記水入口8aと連通している。前記ミネラル源カートリッジ19は、前記反応槽23の前記水入口24へとつながる流路12を液密に受け入れる口34と、前記水出口33と、を除いて、液密に閉じている。
【0034】
前記粒状サンゴ加工物20としては、風化造礁サンゴ粒を1000℃以上に加熱して得られる焼成加工品と、風化造礁サンゴ粒を120〜600℃に加熱する工程を経て形成された未焼成の加工品と、が知られている。
【0035】
一般に、前記焼成加工品においては、高温の加熱工程で、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウム(CaCO3)が、酸化カルシウム(CaO)に変化してしまっている。酸化カルシウムは、水に溶け出し易い反面、水との反応性は悪い(すなわち、イオン化し難い)ので、人体への吸収性が悪い。また、酸化カルシウムは、水に溶出してpH10〜11の強アルカリ性を示すので、飲用には適さない。
【0036】
これに対し、前記未焼成加工品においては、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウムが、水との反応性が良好なそのままの形で残っているので、イオン化し易く、人体への吸収性が良好である。炭酸カルシウムがイオン化して水に溶け出すと、その水は、人体にとって望ましいpH8〜9の弱アルカリ性を示す。加えて、前記未焼成加工品によれば、水へのカルシウムイオンの溶出が、長時間又は長期間、安定的に持続する。そこで、本実施の形態に係る水改良装置1においては、前記粒状サンゴ加工物として、前記未焼成加工品を用いている。
【0037】
なお、前記水改良装置1によれば、例えば、一万リットルの水に対して粒状サンゴ加工物の有効成分の溶出が継続できるので、一般家庭では、前記粒状サンゴ加工物の取り替えを、一年に一回程度に抑えることができて、好適である。
【0038】
前記水改良装置1によって得られる改良水は、人体にとって好ましくない物質、例えば、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、微細ゴミ、臭気、塩素、トリハロメタン、農薬、化学物質、微小細菌類等を含まず、且つ、人体に必須の微量ミネラル成分をバランス良く含んだものとなっている。これは、ミネラル源としての前記粒状サンゴ加工物20が、表1に示すような多種類の微量ミネラル成分を含んでいるからである。
【0039】
【表1】
前記粒状サンゴ加工物20に含まれているそれぞれの微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、水と反応することにより、それ自身が中核となり、水分子4〜6個が配置されたクラスターを形成する。図4には、その一例として、カルシウムイオン及び銅イオンを中核としたクラスターを示してあるが、マグネシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、亜鉛イオン、モリブデンイオン、ニッケルイオン、クロムイオン、ケイ素イオン等の他のそれぞれの微量金属イオンも、図4と同様の形式で、クラスターを形成する。これらのクラスターは、通常の水分子のみで構成されるクラスターより小型であり、人間の細胞内又は細胞間へ取り込みやすい。よって、微量ミネラル成分の人体への吸収性が向上する。
【0040】
前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分は、人体内の脂肪分を、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分離する作用を奏する(油の中和分解)ほか、細胞内に蓄積された老廃物(脂肪酸、胆汁酸等)とキレート結合して、これを体外へと排出する作用を奏する。
【0041】
また、前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、人体の(細胞の)酸化を防止する作用を奏する。そのメカニズムは、次の通りである。
【0042】
一般に、呼吸によって人体内へ取り入れられた酸素は、その一部が、体内、細胞内ではミトコンドリアで、活性酸素、すなわち、フリーラジカルへと変わる。
フリーラジカルとは、電子の欠けた化学的に不安定な分子であり、体内で安定化するために、正常な酸素分子から電子を奪い取るように作用する。すると、電子を奪われた酸素分子も活性酸素と同様の不安定な分子となり、これがまた正常な酸素分子から電子を奪い取る。こうして細胞内で次から次へと電子奪い取りの連鎖反応が続き、活性酸素が急増して、生体の細胞が酸化してしまう。細胞の酸化が各種の病気や老化の原因となることは、従来から指摘されているところである。
【0043】
また、我々は、通常、コンピュータ、テレビ、ステレオ、オーディオ、電子レンジ、冷蔵庫等、非常に多くの電化製品に囲まれて生活している。加えて、自動車の排気ガス、ネオン、クーラーからの排気等により、大気も甚だしく汚染されている。これらは、プラスイオンの発生原因であり、したがって、我々の周囲には、プラスイオンが満ちあふれている。
【0044】
プラスイオンは、水素イオンの電気的性格をもっているので、細胞に触れるとそこから電子を奪って、電気的に安定化しようとする。電子を奪われた細胞は酸化し、前記と同様に、各種の病気や老化の原因となる。また、大量のプラスイオンが人体に入ると、神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリン濃度が上昇し、興奮状態になることが知られている。
【0045】
これに対し、前記粒状サンゴ加工物に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、それが奏する抗酸化作用により、フリーラジカルの除去に貢献する。一例として、その主要元素のイオンである銅イオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、鉄イオン、モリブデンイオンについての抗酸化作用を示すと、次の通りである。
【0046】
【化1】
前記化学式に示す通り、フリーラジカルの消去にはSOD(Super oxide dismutase/スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼ等の酵素が有効に機能し、これらの酵素の働きを助長するものとして、銅イオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、鉄イオン、モリブデンイオン等の金属イオンが関与する。例えば、SODは、金属イオンと協働して錯体をつくり、赤血球、ミトコンドリア内では、Mn−SOD、細胞質内では、Cu−SOD、血液中では、Fe−SOD、Ca−SODで活性化する。
【0047】
前記粒状サンゴ加工物20には、表1に示したような実に様々な微量ミネラル成分が含まれており、そのそれぞれの金属イオンが、前記抗酸化作用の反応を増強するように作用する。したがって、前記粒状サンゴ加工物20から溶出した前記微量ミネラル成分を摂取すると、人体に対し、大きな抗酸化作用が奏されることになるのである。
【0048】
さらに、前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、空気中で水と反応することにより、マイナスイオンを発生する。
例えば、前記粒状サンゴ加工物20に含まれているカルシウム(炭酸カルシウム)及びマグネシウム(炭酸マグネシウム)を例に挙げると、次の通りである。
【0049】
(CaCO3)n+(H2O)n
→(Ca2+)n+(HCO3 −)n+(OH−)n
(MgCO3)n+(H2O)n
→(Mg2+)n+(HCO3 −)n+(OH−)n
前記表1に示したように、風化造礁サンゴ粒からなる前記粒状サンゴ加工物20は、カルシウムやマグネシウム以外にも、きわめて多くの種類の金属イオン(微量ミネラル成分)を含んでいる。これらの金属イオンのそれぞれも、前記と類似の反応を示し、マイナスイオンを発生させる。
【0050】
前記マイナスイオンは、電子が欠けて不安定な状態の活性酸素およびプラスイオンに電子を供給してこれを化学的に安定化させ、分子間における電子の奪い取り連鎖を抑制する。したがって、人体内における細胞の酸化が抑止される。
【0051】
ちなみに、森林浴に代表されるように、森林の中、川のほとり、噴水公園あるいは滝周辺等へ行くと、爽快感が得られるが、これは、そのような場所にはマイナスイオンが大量に発生しているからであることが知られている(レナード効果、滝効果)。マイナスイオンが神経細胞に作用すると、血中セロトニン濃度が低下し、リラックスできるのである。したがって、本実施の形態に係る水改良装置1により得られた改良水を、適宜の噴霧器を用いて噴霧し、それを吸入すれば、大量のマイナスイオンを摂取することができ、森林浴で得られるのと同様の爽快感が得られる。
【0052】
なお、本実施の形態に係る前記水改良装置を通過させることにより得られた改良水を空気中に噴霧してマイナスイオン数を測定したところ、マイナスイオンの平均発生数は、11,400〜15,800/mLの範囲内であった。
【0053】
また、前記水改良装置により得られた改良水の酸化還元電位ORP(Oxidation Reduction Potential)は、抗酸化作用を示す、人体に最も良い水のORP数値とされている、−200mVから−250mVの範囲内であった。
【0054】
さらに、前記水改良装置を通して得られた改良水は、炭酸カルシウムに起因したpH8〜8.5で、人体にとって好ましい弱アルカリ性であり、このことも、前記水改良装置の有効性の一因となっている。
【0055】
以上の通り、本実施の形態に係る水改良装置1によれば、人体にきわめて有用な作用を奏する改良水が得られる。よって、これを飲用したり、噴霧状にして吸入したりして摂取することにより、様々な病気を避けられ、健康の維持増進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水改良装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の装置におけるミネラル成分供給室の内部の拡大図である。
【図3】図2中のノズル部の拡大図である。
【図4】カルシウムイオン及び銅イオンを中核とするクラスターの概念図である。
【符号の説明】
19 容器(ミネラル源カートリッジ)
20 粒状サンゴ加工物
23 反応槽
24 原水入口
25 改良水出口
27 ノズル
28 開閉弁
32 ポンプ
33 出口
34 入口
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水等の原水を改良するための水改良装置及び水改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水道水、地下水等の原水を改良するための装置は、従来種種提案されている。
その一種として、サンゴ粒(サンゴ加工物)を収容した反応槽に原水を導入し、前記サンゴ粒に多種含まれる微量ミネラル成分を前記反応槽内で前記原水に溶出させる方式の装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−71390号公報
前記装置による改良水は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム等、サンゴ粒の組成と同様のきわめて多くの種類の微量ミネラル成分を含む。よって、微量ミネラル成分を必須とする人体にとって有用な水となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記改良水の品質をより一層向上させるためには、前記サンゴ粒から前記微量ミネラル成分をできるだけ大量に溶出させるのが望ましい。また、前記改良水の生成効率を高めるためには、前記サンゴ粒から前記微量ミネラル成分を効率的に溶出させるのが望ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、サンゴ粒からミネラル成分を可及的に大量に且つ効率的に溶出させることができる、水改良装置及び水改良方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る水改良装置は、原水の入口を下部に有するとともに改良水の出口を上部に有する反応槽と、該反応槽内に収容された粒状サンゴ加工物と、前記原水入口から流入する原水を湧き水状に噴き上げて前記反応槽内で前記粒状サンゴ加工物を攪拌せしめるノズルと、を備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0007】
本発明においては、前記ノズルによって、前記原水が前記反応槽内で湧き水状に噴き上がり、これにより、前記粒状サンゴ加工物が攪拌される。すなわち、前記粒状サンゴ加工物のそれぞれが、前記原水の水流又は水圧であらゆる方向へとランダムに移動し、互いにぶつかり合ったり、前記反応槽の内周面にぶつかったりしながら、前記原水と激しく接触する。このため、前記サンゴ粒に含まれる微量ミネラル成分が、前記原水中に大量に且つ効率的に溶出する。
【0008】
本発明では、改良の対象となる原水自体を攪拌手段として用いている。よって、攪拌翼等の専用の攪拌手段を準備する必要がなく、経済性も良い。
【0009】
好適な実施の一形態として、前記反応槽の内部空間の水平断面積が、前記ノズルに近づくにつれて徐々に縮小したものとすることもできる(請求項2)。このようにすれば、水流で一旦噴き上げられた後に自重で下降する粒状サンゴ加工物のそれぞれが、前記反応槽の内面に案内されて前記ノズルの真上へと自然に集合するので、前記粒状サンゴ加工物のそれぞれが、継続的に前記ノズルからの噴射水流を受ける。よって、前記粒状サンゴ加工物に含まれる微量ミネラル成分の前記原水中への溶出量および溶出効率が一層向上する。
【0010】
好適な実施の一形態として、前記ノズルの水噴出孔の上流側に、前記原水の所定値以上の水圧で開作動する開閉弁を備えたものとすることもできる(請求項3)。この場合、前記ノズルの前記水噴出孔へと向かう原水の水圧が前記所定値以上となると、それまで閉じていた前記開閉弁が自動的に開く。
【0011】
好適な実施の一形態として、前記開閉弁の上流側に、前記原水の水圧を制御するポンプを備えたものとすることもできる(請求項4)。このようにすれば、前記原水の水圧が前記所定値に達しない場合でも、前記ポンプで加圧することにより、前記開閉弁が自動的に開くようにすることができる。
【0012】
好適な実施の一形態として、前記反応槽を収容する容器を備え、該容器が、前記反応槽内に前記原水を受け入れるための口と、前記反応槽から流出する改良水を外部へ出すための口と、を除いて液密に閉じたものとすることもできる(請求項5)。
【0013】
好適な実施の一形態として、前記粒状サンゴ加工物が、風化造礁サンゴ粒を120〜600℃に加熱する工程を経て形成された未焼成の加工品であるものとすることもできる(請求項6)。
【0014】
一般に、風化造礁サンゴ粒を、1000℃近く又はそれ以上の高温に加熱したものを焼成加工品というが、このような工程で加工すると、高温の加熱により、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウム(CaCO3)が、酸化カルシウム(CaO)に変化してしまう。酸化カルシウムは、水に溶け出し易い反面、水との反応性は悪い(すなわち、イオン化し難い)ので、人体への吸収性が悪い。また、酸化カルシウムは、水に溶出してpH10〜11の強アルカリ性を示すので、飲用には適さない。
【0015】
これに対し、前記未焼成加工品においては、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウムが、水との反応性が良好なそのままの形で残っているので、イオン化し易く、人体への吸収性が良好である。また、炭酸カルシウムがイオン化して水に溶け出すと、その水は、人体にとって望ましいpH8〜9の弱アルカリ性を示す。加えて、前記未焼成加工品によれば、水へのカルシウムイオンの溶出が、長時間又は長期間、安定的に持続する。よって、前記粒状サンゴ加工物を頻繁に取り替える必要もなくなり、好適である。
【0016】
本発明に係る水改良方法は、反応槽の下部から原水を湧き水状に供給し、該原水の水流によって前記反応槽内で粒状サンゴ加工物を攪拌させ、該粒状サンゴ加工物の成分を前記原水へと溶出させることを特徴としている(請求項7)。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な一実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る水改良装置の全体構成を示す概略図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る水改良装置1は、改良処理対象としての原水を最上流入口2から最終出口3へと通過させて、その通過過程で、前記原水に所定の改良を加えるものである。前記水改良装置1は、前記原水の上流側から下流側へと順番に、粗大粒子除去室4、第一イオン交換室5、第二イオン交換室6、ミネラル成分供給室7、活性炭室8、中空糸膜室9、を備え、これらの室4〜9が、適宜のホース又はパイプ等からなる流路10〜14で直列状に接続されている。前記水改良装置1は、典型的には、原水の水源となる水道の蛇口15に前記最上流入口2を接続して使用する。
【0020】
前記粗大粒子除去室4は、粗大粒子除去カートリッジ16で形成され、その内部に適宜のフィルター(図示せず)を備えている。このフィルターによって、前記原水中に含まれるゴミ等の粒子が捕捉され、除去される。
【0021】
前記第一イオン交換室5および第二イオン交換室6は、それぞれ、第一イオン交換樹脂カートリッジ17、第二イオン交換樹脂カートリッジ18で形成され、それぞれの内部に、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素を除去するための、それ自体周知のイオン交換樹脂(図示せず)を備えている。これらのイオン交換樹脂によって、前記原水中に含まれる硝酸性窒素および亜硝酸性窒素が除去される。
【0022】
前記ミネラル成分供給室7は、ミネラル源カートリッジ19を容器として形成され、その内部に、ミネラル源としての粒状サンゴ加工物20(図2参照)を備えている。前記原水は、前記ミネラル源カートリッジ19内で、前記粒状サンゴ加工物20と接触する。これにより、前記粒状サンゴ加工物20に含まれる多種類の微量ミネラル成分が、前記原水中に溶出する。
【0023】
前記活性炭室8は、活性体カートリッジ21で形成され、その内部に、活性炭(図示せず)を備えている。該活性炭によって、原水中に含まれる微細ゴミ、臭気、薬剤、塩素、トリハロメタン等が捕捉され、除去される。
【0024】
前記中空糸膜室9は、中空糸膜カートリッジ22で形成され、その内部に、中空糸膜(図示せず)を備えている。この中空糸膜によって、前記原水中に含まれる微小細菌類が捕捉され、除去される。
【0025】
なお、前記各カートリッジ16,17,18,19,21,22は、取り替え可能とされている。変形例として、前記各カートリッジの内容物のみを取り替えて使用することとしてもよい。
【0026】
次に、図2および図3を参照して、前記水改良装置1の要部について詳細に説明する。図2は、図1の装置における前記ミネラル成分供給室7の内部の拡大図、図3は、図2中のノズル部の拡大図である。
【0027】
図2に示すように、前記ミネラル源カートリッジ内には、反応槽23が所定の姿勢で収容されている。該反応槽23の下部には、水入口24が形成されていて、この入口24には、前記流路12を介して、前記第二イオン交換室6の水出口6b(図1参照)が連通している。また、図2に示すように、前記反応槽23の上部には、水出口25が形成されていて、この水出口25は、前記活性炭室8の水入口8a(図1参照)と連通している。
【0028】
前記粒状サンゴ加工物20は、前記反応槽23の内部に収容されている。また、前記反応槽23の下部には、細かい多数の水噴出孔26を備えたノズル27が配設されている。このノズル27によって、前記水入口24から前記反応槽23内へと流入する原水が湧き水状に噴き上がり、前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20が攪拌せしめられる。
【0029】
前記ノズル27の多数の水噴出孔26の上流側には、前記原水の所定値以上の水圧で開作動する開閉弁28が配設されている。本実施の形態では、図3(a)に示すように、前記ノズル27の上流側内部に、前記開閉弁28を構成する弁体29が収容されている。該弁体29は、ばね30等の付勢手段で、前記水噴出孔26へ向かう流路を閉じるように、弁座31に対して常時押圧付勢されている。
そして、前記弁体29は、図3(b)に示すように、前記流路12の内圧が所定値以上となることにより、強制的且つ自動的に開かれる。これにより、前記ノズル27の前記水噴出孔26から原水が湧き水状に噴き上がり、前記反応槽23内で前記粒状サンゴ加工物20が攪拌せしめられる。
【0030】
図2に示すように、前記開閉弁28の上流側に、前記原水の水圧を制御するポンプ32を設けることもできる。このようにすれば、たとえ前記原水の水圧が前記所定値に達しない場合でも、前記ポンプ32で加圧することにより、前記開閉弁28が自動的に開くようにすることができる。
【0031】
前記反応槽23内において、前記粒状サンゴ加工物20のそれぞれは、前記ノズル27から湧き水状に噴き上がる原水の水圧であらゆる方向へとランダムに移動し、互いにぶつかり合ったり、前記反応槽の内周面にぶつかったりしながら、前記原水と激しく接触する。このため、前記粒状サンゴ加工物20に含まれる微量ミネラル成分が、前記反応槽23内で前記原水中に大量に且つ効率的に溶出する。
【0032】
前記反応槽23の内部空間の水平断面積は、前記ノズル27に近づくにつれて徐々に縮小している。本実施の形態では、前記反応槽23は、中空の截頭錐体を倒立させた形状を有していて、その下向き縮小開口部が前記水入口24とされ、その上向き拡大開口部が前記水出口25とされている。前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27から噴出する水流で噴き上げられるが、前記ノズル27からの噴流は、前記粒状サンゴ加工物20が前記水出口25から吹き出されてしまうほどには強くはない。このため、個々の前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27からの噴流で一旦噴き上げられた後に、自重で下降する。このとき、前記粒状サンゴ加工物20は、前記ノズル27に近づくにつれて徐々に縮小する前記反応槽23の内面23aに案内されて、前記ノズル27の真上へと自然に集合する。よって、前記粒状サンゴ加工物20のそれぞれが継続的に前記ノズル27からの噴射水流を受け、前記粒状サンゴ加工物に含まれる微量ミネラル成分の前記原水中への溶出量および溶出効率が一層向上する。
【0033】
前記反応槽23の上縁(水出口25)から溢れ出す水は、前記反応槽23の外表面23bと前記ミネラル源カートリッジ19の内面19aとの間の改良水流下空間Sを通って、前記ミネラル源カートリッジ19の下部の水出口33から流出する。この水出口33は、前記活性炭室8の前記水入口8aと連通している。前記ミネラル源カートリッジ19は、前記反応槽23の前記水入口24へとつながる流路12を液密に受け入れる口34と、前記水出口33と、を除いて、液密に閉じている。
【0034】
前記粒状サンゴ加工物20としては、風化造礁サンゴ粒を1000℃以上に加熱して得られる焼成加工品と、風化造礁サンゴ粒を120〜600℃に加熱する工程を経て形成された未焼成の加工品と、が知られている。
【0035】
一般に、前記焼成加工品においては、高温の加熱工程で、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウム(CaCO3)が、酸化カルシウム(CaO)に変化してしまっている。酸化カルシウムは、水に溶け出し易い反面、水との反応性は悪い(すなわち、イオン化し難い)ので、人体への吸収性が悪い。また、酸化カルシウムは、水に溶出してpH10〜11の強アルカリ性を示すので、飲用には適さない。
【0036】
これに対し、前記未焼成加工品においては、風化造礁サンゴ粒中の炭酸カルシウムが、水との反応性が良好なそのままの形で残っているので、イオン化し易く、人体への吸収性が良好である。炭酸カルシウムがイオン化して水に溶け出すと、その水は、人体にとって望ましいpH8〜9の弱アルカリ性を示す。加えて、前記未焼成加工品によれば、水へのカルシウムイオンの溶出が、長時間又は長期間、安定的に持続する。そこで、本実施の形態に係る水改良装置1においては、前記粒状サンゴ加工物として、前記未焼成加工品を用いている。
【0037】
なお、前記水改良装置1によれば、例えば、一万リットルの水に対して粒状サンゴ加工物の有効成分の溶出が継続できるので、一般家庭では、前記粒状サンゴ加工物の取り替えを、一年に一回程度に抑えることができて、好適である。
【0038】
前記水改良装置1によって得られる改良水は、人体にとって好ましくない物質、例えば、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、微細ゴミ、臭気、塩素、トリハロメタン、農薬、化学物質、微小細菌類等を含まず、且つ、人体に必須の微量ミネラル成分をバランス良く含んだものとなっている。これは、ミネラル源としての前記粒状サンゴ加工物20が、表1に示すような多種類の微量ミネラル成分を含んでいるからである。
【0039】
【表1】
前記粒状サンゴ加工物20に含まれているそれぞれの微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、水と反応することにより、それ自身が中核となり、水分子4〜6個が配置されたクラスターを形成する。図4には、その一例として、カルシウムイオン及び銅イオンを中核としたクラスターを示してあるが、マグネシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、亜鉛イオン、モリブデンイオン、ニッケルイオン、クロムイオン、ケイ素イオン等の他のそれぞれの微量金属イオンも、図4と同様の形式で、クラスターを形成する。これらのクラスターは、通常の水分子のみで構成されるクラスターより小型であり、人間の細胞内又は細胞間へ取り込みやすい。よって、微量ミネラル成分の人体への吸収性が向上する。
【0040】
前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分は、人体内の脂肪分を、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分離する作用を奏する(油の中和分解)ほか、細胞内に蓄積された老廃物(脂肪酸、胆汁酸等)とキレート結合して、これを体外へと排出する作用を奏する。
【0041】
また、前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、人体の(細胞の)酸化を防止する作用を奏する。そのメカニズムは、次の通りである。
【0042】
一般に、呼吸によって人体内へ取り入れられた酸素は、その一部が、体内、細胞内ではミトコンドリアで、活性酸素、すなわち、フリーラジカルへと変わる。
フリーラジカルとは、電子の欠けた化学的に不安定な分子であり、体内で安定化するために、正常な酸素分子から電子を奪い取るように作用する。すると、電子を奪われた酸素分子も活性酸素と同様の不安定な分子となり、これがまた正常な酸素分子から電子を奪い取る。こうして細胞内で次から次へと電子奪い取りの連鎖反応が続き、活性酸素が急増して、生体の細胞が酸化してしまう。細胞の酸化が各種の病気や老化の原因となることは、従来から指摘されているところである。
【0043】
また、我々は、通常、コンピュータ、テレビ、ステレオ、オーディオ、電子レンジ、冷蔵庫等、非常に多くの電化製品に囲まれて生活している。加えて、自動車の排気ガス、ネオン、クーラーからの排気等により、大気も甚だしく汚染されている。これらは、プラスイオンの発生原因であり、したがって、我々の周囲には、プラスイオンが満ちあふれている。
【0044】
プラスイオンは、水素イオンの電気的性格をもっているので、細胞に触れるとそこから電子を奪って、電気的に安定化しようとする。電子を奪われた細胞は酸化し、前記と同様に、各種の病気や老化の原因となる。また、大量のプラスイオンが人体に入ると、神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリン濃度が上昇し、興奮状態になることが知られている。
【0045】
これに対し、前記粒状サンゴ加工物に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、それが奏する抗酸化作用により、フリーラジカルの除去に貢献する。一例として、その主要元素のイオンである銅イオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、鉄イオン、モリブデンイオンについての抗酸化作用を示すと、次の通りである。
【0046】
【化1】
前記化学式に示す通り、フリーラジカルの消去にはSOD(Super oxide dismutase/スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼ等の酵素が有効に機能し、これらの酵素の働きを助長するものとして、銅イオン、亜鉛イオン、マンガンイオン、鉄イオン、モリブデンイオン等の金属イオンが関与する。例えば、SODは、金属イオンと協働して錯体をつくり、赤血球、ミトコンドリア内では、Mn−SOD、細胞質内では、Cu−SOD、血液中では、Fe−SOD、Ca−SODで活性化する。
【0047】
前記粒状サンゴ加工物20には、表1に示したような実に様々な微量ミネラル成分が含まれており、そのそれぞれの金属イオンが、前記抗酸化作用の反応を増強するように作用する。したがって、前記粒状サンゴ加工物20から溶出した前記微量ミネラル成分を摂取すると、人体に対し、大きな抗酸化作用が奏されることになるのである。
【0048】
さらに、前記粒状サンゴ加工物20に含まれている微量ミネラル成分(微量金属イオン)は、空気中で水と反応することにより、マイナスイオンを発生する。
例えば、前記粒状サンゴ加工物20に含まれているカルシウム(炭酸カルシウム)及びマグネシウム(炭酸マグネシウム)を例に挙げると、次の通りである。
【0049】
(CaCO3)n+(H2O)n
→(Ca2+)n+(HCO3 −)n+(OH−)n
(MgCO3)n+(H2O)n
→(Mg2+)n+(HCO3 −)n+(OH−)n
前記表1に示したように、風化造礁サンゴ粒からなる前記粒状サンゴ加工物20は、カルシウムやマグネシウム以外にも、きわめて多くの種類の金属イオン(微量ミネラル成分)を含んでいる。これらの金属イオンのそれぞれも、前記と類似の反応を示し、マイナスイオンを発生させる。
【0050】
前記マイナスイオンは、電子が欠けて不安定な状態の活性酸素およびプラスイオンに電子を供給してこれを化学的に安定化させ、分子間における電子の奪い取り連鎖を抑制する。したがって、人体内における細胞の酸化が抑止される。
【0051】
ちなみに、森林浴に代表されるように、森林の中、川のほとり、噴水公園あるいは滝周辺等へ行くと、爽快感が得られるが、これは、そのような場所にはマイナスイオンが大量に発生しているからであることが知られている(レナード効果、滝効果)。マイナスイオンが神経細胞に作用すると、血中セロトニン濃度が低下し、リラックスできるのである。したがって、本実施の形態に係る水改良装置1により得られた改良水を、適宜の噴霧器を用いて噴霧し、それを吸入すれば、大量のマイナスイオンを摂取することができ、森林浴で得られるのと同様の爽快感が得られる。
【0052】
なお、本実施の形態に係る前記水改良装置を通過させることにより得られた改良水を空気中に噴霧してマイナスイオン数を測定したところ、マイナスイオンの平均発生数は、11,400〜15,800/mLの範囲内であった。
【0053】
また、前記水改良装置により得られた改良水の酸化還元電位ORP(Oxidation Reduction Potential)は、抗酸化作用を示す、人体に最も良い水のORP数値とされている、−200mVから−250mVの範囲内であった。
【0054】
さらに、前記水改良装置を通して得られた改良水は、炭酸カルシウムに起因したpH8〜8.5で、人体にとって好ましい弱アルカリ性であり、このことも、前記水改良装置の有効性の一因となっている。
【0055】
以上の通り、本実施の形態に係る水改良装置1によれば、人体にきわめて有用な作用を奏する改良水が得られる。よって、これを飲用したり、噴霧状にして吸入したりして摂取することにより、様々な病気を避けられ、健康の維持増進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水改良装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の装置におけるミネラル成分供給室の内部の拡大図である。
【図3】図2中のノズル部の拡大図である。
【図4】カルシウムイオン及び銅イオンを中核とするクラスターの概念図である。
【符号の説明】
19 容器(ミネラル源カートリッジ)
20 粒状サンゴ加工物
23 反応槽
24 原水入口
25 改良水出口
27 ノズル
28 開閉弁
32 ポンプ
33 出口
34 入口
Claims (7)
- 原水の入口(24)を下部に有するとともに改良水の出口(25)を上部に有する反応槽(23)と、該反応槽(23)内に収容された粒状サンゴ加工物(20)と、前記原水入口(24)から流入する原水を湧き水状に噴き上げて前記反応槽(23)内で前記粒状サンゴ加工物(20)を攪拌せしめるノズル(27)と、を備えている、水改良装置。
- 前記反応槽(23)の内部空間の水平断面積が、前記ノズル(27)に近づくにつれて徐々に縮小している、請求項1に記載の水改良装置。
- 前記ノズル(27)の水噴出孔(26)の上流側に、前記原水の所定値以上の水圧で開作動する開閉弁(28)を備えている、請求項1または2に記載の水改良装置。
- 前記開閉弁(28)の上流側に、前記原水の水圧を制御するポンプ(32)を備えている、請求項3に記載の水改良装置。
- 前記反応槽(23)を収容する容器(19)を備え、該容器(19)が、前記反応槽(23)内に前記原水を受け入れるための口(34)と、前記反応槽(23)から流出する改良水を外部へ出すための口(33)と、を除いて液密に閉じている、請求項1,2,3または4に記載の水改良装置。
- 前記粒状サンゴ加工物(20)が、風化造礁サンゴ粒を120〜600℃に加熱する工程を経て形成された未焼成の加工品である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水改良装置。
- 反応槽(23)の下部から原水を湧き水状に供給し、該原水の水流によって前記反応槽(23)内で粒状サンゴ加工物(20)を攪拌させ、該粒状サンゴ加工物(20)の成分を前記原水へと溶出させることを特徴とする、水改良方法。
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JP2014076435A (ja) * | 2012-10-12 | 2014-05-01 | Panasonic Corp | 溶解装置及びそれを備えた給湯装置 |
JP2019142742A (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | 株式会社アッチェ | 水素担持粉末の製造方法および水素担持粉末 |
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2002
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