JP2004113287A - 洗浄剤の泡立て器 - Google Patents

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余野 美代子
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Abstract

【課題】クリーム状や液体状石けん等の洗浄剤から豊富で泡立ちの良い泡を簡単に作り出すことができ、特に、片手等による容易な泡立て作業が行える簡易な構成の洗浄剤の泡立て器を提供する。
【解決手段】上方が開口した容器1の少なくとも内壁面1bに、長さ又は硬さの異なる二種以上の泡立て用のブラシB1(Ba),B2(Bb),B3(Bc)がその位置を異ならせて所定幅で植毛され、この容器1に洗浄剤と必要に応じて水や湯が入れられて使用される。前記長さの異なる内壁面のブラシは、少なくとも長さの短い又は硬さの硬いブラシB1(Ba)が容器1内側の底面1aの側に所定幅で植毛されている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、クリーム状、液体状、粉状や固形状の洗浄剤から泡を作り出す洗浄剤の泡立て器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗顔クリーム等のクリーム状、石けん水等の液体状の洗浄剤や、粉状石けん・固形石けん等の洗浄剤により、顔や手や髪などを洗浄したり髭剃り用等に使用する際には、手に適量の洗浄剤と水や湯(或いはぬるま湯)を取り、両手を擦り付けるようにして泡立てた後に、顔や手などを洗浄したり髭剃り用等に使用される。洗浄効果を高める上では、洗浄剤を十分に泡立てた後に泡で顔や手などを包み込むようにしながら弱い力で洗浄することが好ましい。洗浄剤を泡立てることなく顔や手などを洗浄したり髭剃り用等に使用されると、手との摩擦や洗浄剤の刺激により顔や手などを傷つけ肌荒れの原因となってしまう(顔を洗浄する場合に刺激が強すぎるときは特に注意が必要である)。これに対して、洗浄剤を十分に泡立てることにより顔や手などを洗浄したり髭剃り用等に使用されると、泡立てられた洗浄剤は汚れ粒子を吸着する吸着力が強く、泡が皮膚の奥まで入り込むため、クリーム状や固形状の洗浄剤をそのまま使用する場合と比較して洗浄力が向上し、弱い力で洗浄しても十分な洗浄力が得られる。
【0003】
このため、従来から洗浄剤を泡立てる泡立て具が提案されている。この洗浄剤の泡立て具は、例えばスポンジ状やネット状のもの等があり、スポンジにクリーム状や液体状の洗浄剤を付着させた後にスポンジを揉むことにより洗浄剤を泡立てたり(特開2000−342480号公報、特開2002−112830号公報など)、ネットの中に固形洗浄剤を入れたり液体状やクリーム状の洗浄剤を付着させた後にネットを揉んだり摺り合わせることにより洗浄剤を泡立てる(特開2000−245649号公報、特開2001−037670号公報、特開2001−169960号公報など)。これらのスポンジ状やネット状の泡立て具を使用して顔などを洗浄するときは、まずスポンジやネットを揉む等して洗浄剤を泡立てた後にスポンジやネットを絞って泡を手に取り(泡立て作業)、顔などを泡で包み込むようにしながら手で擦って洗浄する(洗浄作業)。髭剃り用に使用するときは、髭剃り用のブラシ(刷毛)で洗浄剤を泡立てた後にこの刷毛で髭の箇所を塗布するようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の洗浄剤の泡立て具は、スポンジやネットにより泡立てられた洗浄剤を絞り出して手に受けて使用するため、一度の泡立て作業で作られる泡の量は手に収まる分が限界であり、手に受けられた泡は一度の洗浄作業ですべて使用されてしまう。このため、一度の泡立てにより顔などを洗浄しきれなかった場合には洗浄剤の泡を補充するために再度泡立て作業を行わなければならず、他の髭剃り用等の他に使用することはできず、別個に泡立て作業を行わなければならなかった。
【0005】
また、上記従来の泡立て具を使用して洗浄剤を泡立てるときは、両手で泡立て作業が行われることが通常である。すなわち、まずスポンジやネットに洗浄剤を付着させるが、通常は一方の手にスポンジやネットを持ち、他方の手に洗浄剤を持って付着させ、さらに、洗浄剤を泡立てた後にスポンジやネットを絞って泡を手に取るときは、一方の手にスポンジやネットを持って絞り、他方の手に絞り出された洗浄剤の泡を受け取ることが通常である。このため、例えば片方の手に障害を有していたり片方の手に物を持っているため、一方の手しか使用できない場合には、泡立て作業が困難となっていた。なお、洗浄剤を泡立てる装置がないわけではないが、構造が複雑で高価である。
【0006】
そこで本発明の目的は、クリーム状や液体状石けん等の洗浄剤から豊富で泡立ちの良い泡を簡単に作り出すことができ、特に、片手等による容易な泡立て作業が行える簡易な構成の洗浄剤の泡立て器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の洗浄剤の泡立て器は、上方が開口した容器の少なくとも内壁面に、泡立て用のブラシが植毛され、この容器に洗浄剤と必要に応じて水や湯が入れられて使用されることを特徴とする。また、本発明の請求項2記載の洗浄剤の泡立て器は、上方が開口した容器の内壁面と内側底面に、泡立て用のブラシが植毛され、この容器に洗浄剤と必要に応じて水や湯が入れられて使用されることを特徴とする。ここで「ブラシ」とは、ブラシを構成するブラシ毛の集合体を意味する。
【0008】
これらの発明によれば、容器の開口から容器内にクリーム状や液体状等の洗浄剤を入れるとともに、必要に応じて適量の水や湯を入れた後に、容器の上方開口から手を挿入してブラシに擦り付けるようにしながら手をかき回すようにする。また、洗浄剤が洗顔クリーム等のクリーム状の場合は、洗顔クリームを適量手にとり、容器内で手を回して手につけた洗顔クリームをブラシに擦り付ける。このとき必要に応じて洗浄剤に水や湯と馴染ませるようにする。すると、ブラシと手により洗浄剤と水(又は湯)と空気とが効率よく混ざり合って洗浄剤が泡立てられ、この泡が容器内に溜められる。
【0009】
本発明の請求項3記載の洗浄剤の泡立て器は、前記請求項1又は請求項2記載の洗浄剤の泡立て器を前提として、前記内壁面のブラシは、その長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシがその位置を異ならせて所定幅で植毛されていることを特徴とする。ここで「長さ又は硬さの異なるブラシ」とは、長さ又は硬さの異なるブラシ毛の集合体を意味する。
【0010】
この発明によれば、容器の内壁面に設けられたブラシは二種以上の長さ又は硬さのブラシが集合して構成されているため、洗浄剤を二種以上のブラシに擦り付けるようにすると(手で下方から上方にかき回すようにすると)、きめ細やで良質な泡を短時間で得ることができる。ブラシはブラシの長さ又は硬さの一方のみが二種以上であっても良いし、長さ及び硬さの両方が二種以上であっても良い。
【0011】
本発明の請求項4記載の洗浄剤の泡立て器は、前記請求項3記載の洗浄剤の泡立て器を前提として、前記長さの異なる内壁面のブラシは、少なくとも長さの短いブラシが容器内側の底面の側に所定幅で植毛されていることを特徴とする。また、本発明の請求項5記載の洗浄剤の泡立て器は、前記請求項3記載の洗浄剤の泡立て器を前提として、前記硬さの異なる内壁面のブラシは、少なくとも硬さの硬いブラシが容器内側の底面の側に所定幅で植毛されていることを特徴とする。
【0012】
この発明の洗浄剤の泡立て器において、液体状、粉状や固形状等の洗浄剤を容器に入れた状態で使用する場合において、きめ細やかな泡を速やかに泡立てるには、まず洗浄剤と水(又は湯やぬるま湯)とを十分に混合させる必要がある。長さの長いブラシや柔らかいブラシが容器内側の底面の側に植毛されていと、そのブラシ毛長の長いブラシの間(毛と毛の間)に入り込んだり、柔軟性のある柔らかいブラシでは洗浄剤と水(又は湯やぬるま湯)との混合が不十分になり、泡立ちにムラが生じたり、泡立ちが十分でないことがある。しかし、これらの発明によれば、液体状や粉状の洗浄剤を容器に入れたときに、このような不都合がなく、きめ細やかで泡立ちの良い泡が得られるようになる。そして、底面側の長さの短いブラシや硬さの硬いブラシの上方に、これらよりも長さの長いブラシや硬さの柔らかいブラシを配すると、液体状、粉状や固形状等の洗浄剤を容器に入れた状態で使用する場合において、洗浄剤を付着させた手をかき回しながら徐々に上方に上げて行くと、きめ細やかで泡立ちの良い泡が得られるようになる。
【0013】
本発明の請求項6記載の洗浄剤の泡立て器は、前記請求項1乃至請求項5記載の洗浄剤の泡立て器を前提として、前記容器には容器を所定個所に固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、容器を所定個所に固定するための固定手段が設けられていることから、片手による容易な泡立て作業が行える。すなわち、片手に障害のあるような人でも、他の片方の手を洗浄剤の泡立て器内に入れてブラシと洗浄剤とを擦り付けることにより、容易に洗浄剤を泡立たせて、洗浄することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本考案の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の洗浄剤の泡立て器は、図2に示すように、上方が開口した円筒形状を呈し、この円筒形状の容器1の内壁面1bと内側の底面1aに、泡立て用のブラシB,BBが植毛されている。容器1は、合成樹脂製のものであるが、鋼鉄製や木製等でも良い。ここでブラシB,BBとは、複数のブラシ毛の集合体を意味する。
【0017】
泡立て用のブラシB,BBは、容器の内壁面1bと内側の底面1aに設けられた植毛用の穴に植毛され、容器1の内壁面1bと内側の底面1aの全域に植毛されている。ブラシBの配置としては、ブラシBが植毛されたシートやテープを容器1の内壁面1b等に取り付けても良い。本実施の形態では、底面1aのブラシBBのブラシ毛(植毛の方向)は、容器1の内側の底面1aでは、底面1aに対して垂直に植毛され、容器の内壁面1bのブラシBは、内壁面1bに対して垂直に植毛されているが、斜めに植毛される等植毛の方向は特に問題とならない。また、二種以上の長さ又は硬さのブラシ毛を全体的に混合させても良いし、長さ又は硬さごとに所定領域に分けて設けても良い。
【0018】
容器1は、円筒形状を呈し、片手Tが入れられる大きさを有する。片手Tを円筒状の容器の上方開口から丁度中央に差し入れると、泡立て用のブラシBに接触しないが、片手を少しずらすと、内壁面1bのブラシBと接触する大きさである。これは、方手Tを挿入して泡立て用のブラシBを摩擦するように(内壁面1bに沿って)かき回すときの動作を容易にさせるためである。つまり、円を描くように片手Tを動かすことができるからである(手による攪拌が行われやすくなる)。容器1の形状としては、円筒形状でも良いし、上方の口径が大きなすり鉢や半球形状やその他の形状でも良い。容器1には、容器1を所定個所(洗面台や風呂場や玄関の下駄箱の上方の所定箇所)に固定するための固定手段5が設けられている。本実施の形態の固定手段5は、ゴム製の円盤状を呈し、容器1の底面1aが嵌合される凹状の嵌合溝を有して、容器1が容易に移動したり倒れないようになっている。この固定手段5としては、図2に示すように、ゴム製等の連結具7と吸盤5aを取り付けたものであったり、容器1の外周を保持する金具5bに吸盤5aを取り付けたものであったり、蛇腹状の伸縮性の部材8に吸盤5aを取り付け、所定長に伸縮させたりするものでも良い(図2の仮想線参照)。なお、容器1に、その内部に空気を供給するための穴をいくつか設けておくことも可能である。
【0019】
本明細書中では、洗浄剤とは、洗顔クリーム、髭剃り用クリーム、クレンジングクリーム、固形石けん、粉状のせっけん、水せっけん、薬用せっけん、化粧石けん、ハンドソープ(ハンドクリーナー)、洗髪用シャンプー、動物用シャンプー等を広く含むものとして使用する。これらの中で、水や湯を使用して泡立てるものについては、水や湯を洗浄剤(洗顔クリームや固形石けん等)とともに使用するが、水せっけん等の液体状の洗浄剤の場合は、水や湯を使用しなくとも良い。
【0020】
この洗浄剤の泡立て器により、洗顔クリーム等のクリーム状の洗浄剤を使用して顔や手を洗浄する場合は、適量の洗顔クリームを片手Tにとり、図3に示すように、容器1内で片手Tを回して片手Tにつけた洗顔クリームをブラシBに擦り付ける。このとき必要に応じて容器1内に水や湯を予め入れておき、水や湯と馴染ませる。すると、ブラシBと片手Tにより洗浄剤と水(又は湯)と空気とが効率よく混ざり合って洗浄剤が泡立てられ、この泡が容器1内に溜められる。片手Tによる十分な攪拌、すなわち、洗顔クリームを片手TでブラシBに十分に擦り付けるようにすると、豊富な泡立ちの良い泡が容器1から溢れるように作り出される。なお、洗浄剤が洗顔クリーム等のクリーム状の場合は、適量手にとった洗顔クリームに水道水等の水や湯沸かし機の湯(或いはぬるま湯)を付着させて(つまり、容器に水や湯を入れないで)、水等が付着した洗顔クリームを手でブラシに擦り付けるようにしながら手をかき回すようにしても良い。また、洗剤を泡立てる際には、泡立て器1を一方の手で押さえながら片手Tで攪拌しても良いし、所定箇所に固定手段5で固定させてから片手Tで攪拌しても良い。図4は、容器1を洗面台の内側側面に固定したときの例を示す図である。固定手段5により容器1を洗面台等に固定すると、片手Tのみでも洗剤を簡単に泡立てることができる。
【0021】
次に、液体状、粉状や固定状の洗浄剤(例えば、水石けん、粉石けん、固形石けん等)を使用して顔や手を洗浄する場合は、液体状、粉状や固形状等の洗浄剤を容器1に入れるとともに、水(又は湯やぬるま湯)を入れて使用する。すなわち、これらを容器1に入れると、底面1aのブラシBBの毛と毛と間やブラシBの上に洗浄剤や水等が配されるが、洗浄剤を水や湯と馴染ませながら、さらに内壁面1bのブラシBにも擦り付けながら片手Tをかき回すようにする。すると、ブラシと手により洗浄剤と水(又は湯)と空気とが効率よく混ざり合って洗浄剤が泡立てられ、このきめの細かな丈夫な泡が容器内に溜められる。
【0022】
容器1内に溜められたきめの細かな丈夫な泡は、顔や手などを洗浄したり髭剃り用等に使用される。この泡は、容器1内に溜められるので、洗顔に使用した後、髭剃り用にも使用できる。髭剃り用に使用するときは、手の代わりに髭剃り用のブラシ(刷毛)で洗浄剤を泡立てる。髭剃り用のブラシ(刷毛)と容器1のブラシB,BBが擦れ合って、きめの細かな丈夫な泡が作られる。きめの細かな丈夫な泡は、汚れを吸着する面積が広くなるので、汚れが良く落ち、すすぎも泡切れが良い。なお、手を洗浄する場合、手の汚れの部分をブラシに擦り付けるようにして使用することも可能である。
【0023】
本実施の形態によれば、直接容器1の中に片手Tを入れて、洗顔クリーム等の洗浄剤をブラシBに擦り付けることにより、片手で洗浄剤を泡立てると同時に手を洗浄することも可能である。また、ペット(犬や猫等の動物)の脚などを洗浄する場合は、あらかじめ洗浄剤を泡立てておいた容器1の中に動物の脚などを挿入してブラシB,BBに擦り付けることにより洗浄することも可能である。
【0024】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の洗浄剤の泡立て器は、図5に示すように、内壁面1bの泡立て用のブラシBは、2種以上の長さ又は硬さのブラシBがその位置を異ならせて植毛されている。ここで「長さ又は硬さの異なるブラシB」とは、長さ又は硬さの異なるブラシ毛の集合体を意味する。本実施の形態では、ブラシBは容器1の底面1aの側から順に所定幅で短毛B1・長毛B2・短毛B3の順に並んでいる。すなわち、泡立て用の内壁面のブラシBは、所定の長さの第1の所定長ブラシB1と、第1の所定長ブラシB1よりも長い第2の所定長ブラシB2と、第1の所定長ブラシB1と同じ長さの第3の所定長ブラシB3が、容器1内側の底面1aの側から順に所定幅で植毛されている。容器1の開口部1c近傍では、泡立て用のブラシBは植毛されていない。このようなブラシ配列の容器1に片手を入れると、長さの長い第2の所定長ブラシB2と手が接触するようになっている。
【0025】
上記例は、長さの異なる植毛の例であるが、図6に示すように、硬さの異なるブラシBa,Bb,Bcがその位置を異ならせて内壁面1bに植毛されていても良い。すなわち、内壁面1bのブラシBは、所定の硬さの第1の所定硬ブラシBaと、第1の所定硬ブラシBaよりも柔らかい第2の所定硬ブラシBbと、第1の所定硬ブラシBaと同じ硬さの第3の所定硬ブラシBcが、容器1内側の底面1aの側から順に所定幅で植毛されていても良い。底面1aのブラシBBは、上記第1の所定硬ブラシBaと同じである。
【0026】
長さの短いブラシB1が内壁面1bにおいて底面1aの側に植毛されているのは、液体状や粉状の洗浄剤を容器1に入れたときに、ブラシ毛長の長いブラシであると、その長いブラシ毛の間に入り込んで、泡立たせることができない(残留状態のままで泡立ちが十分でない)ことがあるからである。同じように、硬さの硬いブラシBaが底面1aの側に植毛されているのは、液体状や粉状の洗浄剤を容器1に入れたときに、柔らかいブラシであると、丈夫できめ細かな泡を速やかに泡立たせができないことがあるからである。すなわち、液体状や粉状の洗浄剤を容器1に入れ、片手で内壁面1bの底面1a側から洗浄剤をブラシBに擦り付けるときに、底面1a側のブラシBが硬い第1の所定硬ブラシBaであると、擦り付けたときの反発力が強く、きめ細かな泡を速やかに泡立たせができる。このような理由から、底面1a側のブラシBは、上記第1の所定長ブラシB1と第1の所定硬ブラシBaとの機能を併せ持つもの、つまり、短くて硬さの硬いブラシ(以下、短硬毛という。)Bであることが好ましい(図5)。なお、底面1aのブラシBBも同じである。
【0027】
本実施の形態の洗浄剤の泡立て器1により、洗顔クリームを使用して顔や手を洗浄する場合は、第1の実施の形態のように、適量の洗顔クリームを片手Tにとり、図3に示すように、容器1内でその片手Tを回して手Tに付着させた洗顔クリームをブラシBに擦り付け、水や湯と馴染ませながら手を回すと(実際には単にかき回すようにするだけで良い。)、洗顔等に優れる良質で豊富な泡を、これを作り出そうと特に意識しなくとも、この泡を容器1から溢れるように作り出すことができる。次に、液体状、粉状や固定状の洗浄剤(例えば、水石けん、粉石けん、固形石けん等)を使用して顔や手を洗浄する場合は、液体状、粉状や固形状等の洗浄剤を容器1に入れるとともに、水(又は湯やぬるま湯)を入れて使用する。すなわち、これらを容器1に入れると、底面1aのブラシBBの毛と毛と間やブラシBの上に洗浄剤や水等が配されるが、洗浄剤を水や湯と馴染ませながら、さらに内壁面1bのブラシBにも擦り付けながら片手Tをかき回し、片手を徐々に上げて行くと、ブラシB,BBと片手Tにより洗浄剤と水(又は湯)と空気とが効率よく混ざり合って洗浄剤が泡立てられ、ブラシBのない上方開口部1cからきめの細かな丈夫な泡がすくい上げられる。
【0028】
本実施の形態では、泡立て用のブラシBは、最初に片手を入れたときに、長さの長い第2の所定長ブラシB2が手に接触することから、指先で強く底面1aをかき回して泡や水等が拡散しても、第2の所定長ブラシB2と手によって隙間が塞がれているので、容器1から飛び散ることがない。また、容器1の開口部1c近傍にはブラシが植毛されていないために、泡の取り出しの際にブラシに付着した泡が容器1から飛び散ることがなく、この泡の取り出しが容易である。また、手を洗浄する場合、手の汚れの部分に応じて、長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシBに擦り付けるようにして使用することもできる。また、容器1内側の底面1bに設けられたブラシBdは、容器1の内壁面1bにおいて底面1aの側に設けられる短硬毛のブラシBaと同一のブラシ毛から構成されており、主に洗剤と水との混合や、指先などの汚れ落としの役割を果たしている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であり、固定手段5を取り付けること等も同様に可能である。
【0029】
(実験)
本願出願人が実験したところ、容器1の底面1aが短硬毛で、しかも、底面1a側から順に所定幅で短硬毛・長柔毛(長くて柔らかい毛)・短硬毛の順に並んで植毛されたものが最も丈夫できめの細かな泡を早く豊富に泡立たせることができた。次に、上記短毛・長毛・短毛の順や硬毛・柔毛(柔らかい毛)・硬毛の順のものが第1の実施の形態の一律な硬さと長さのものより泡立ち効果の良いものが得られた。これは、上記底面1a側の操作と共に、長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシがその位置を異ならせて配されていると、攪拌状態に変化が生まれること、更に、下方から上方への片手の動きにマッチすること等の要因が考えられる。また、泡立ち効率の良い第2の実施の形態は、二種以上の長さ又は硬さのブラシ毛を全体的に混合させたものよりも、きめの細かな泡を早く豊富に泡立たせることができた。なお、第2の実施の形態は、二種以上の長さ又は硬さのブラシ毛を全体的に混合させたものよりも、製造が容易である。
【0030】
(第3の実施の形態)
本実施の形態の洗浄剤の泡立て器は、図7に示すように、容器1が分割できるとともに、分割した部分を任意に組替え可能に構成されている。すなわち、第2の実施の形態において、内壁面のブラシBは、その長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシB(B1,B2,B3,Ba,Bb,Bc)がその位置を異ならせて植毛されていると、泡立ち効果が良かったことから、その配列を任意に変更可能にしたものである。本実施の形態では、容器1がその高さ方向に4分割可能1A,1B,1C,1Dに構成されており、上記の各分割容器1A,1B,1Cの各々に、長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシBが各内壁面1bに植毛されて、その位置が異ならされている。すなわち、容器1の分割された部分1A,1B,1Cごとに、ブラシBの長さや硬さが異ならされている。4つの分割容器のうち一つの分割容器1Aは容器1の内壁面1bを構成する部分と底面1aを構成する部分とが一体となっているが、これらの部分をも分割させて別体とし、さらに組替えの自由度を高めても良い。分割容器1Dには、ブラシBは植毛されていない。各分割容器1A,1B,1C,1Dは連結手段6によって連結可能となっている。連結手段6としては、図7に示すように各分割容器1A,1B,1C,1Dの上側の連結箇所(上端)において容器内周に沿って設けられたL字状の段差6aと下側の連結箇所(下端)において容器外周に沿って設けられたL字状の段差6bとを、各段差6a,6bに沿って設けられたネジ溝6cとネジ山6dとを螺合させることにより、互いに嵌合させる構成が好ましい。このような構成の連結手段とすると、ネジ溝6c及びネジ山6dにより各分割容器1A,1B,1C,1Dが連結されるとともに段差6a,6bにより容器1外部への水漏れや泡漏れが防止される。このような分割構成は、4分割以上の構成でも、4分割以下の構成でも良い。
【0031】
本実施の形態の洗浄剤の泡立て器1を使用する場合は、顔や手や髪などを洗浄したり髭剃り用等に使用する等のその目的や使用する泡の量等を想定して、所定の配列に容器1を組み立てる。このように使用することで、その目的等に応じた洗浄剤が泡立てられることとなる。その他の構成は、第1と第2の実施の形態と同様であり、固定手段5を取り付けること等も同様に可能である。
【0032】
以上、上記各実施の形態では、洗浄剤の例として、洗顔クリームを例に説明したが、石けん水等の液体状の洗浄剤や、粉状石けん・固形石けん等の洗浄剤を使用して泡を作り出すことも可能である。石けん水等の液体状の洗浄剤の場合は、水や湯を洗浄剤とは別に容器1内に入れる必要はない。粉状石けん・固形石けん等の洗浄剤の場合は、水や湯を容器1内に入れる必要があるが、いずれにしても、簡易な構成の容器1により簡易な操作で洗浄剤を十分に泡立たせることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤の泡立て器によれば、上方が開口した容器の少なくとも内壁面に、泡立て用のブラシが植毛されているか、又は、上方が開口した容器の内壁面と内側の底面に、泡立て用のブラシが植毛されているという、簡易な構成の容器により簡易な操作で洗浄剤を十分に泡立たせ、丈夫できめの細かな泡が早く豊富に作り出すことができる。また、必要な量の泡を作り置くことが可能であり、容器から泡を何度もすくうようにして、溜められた泡を繰り返し使用することができる。さらに、容器内を攪拌するだけで洗浄剤を泡立てることができるため、片手に障害がある場合や一方の手に物を持っている場合などの片方の手しか使用できない場合にも簡単に洗浄剤を泡立てることができる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の洗浄剤の泡立て器を示す斜視図
【図2】上記第1の実施の形態の洗浄剤の泡立て器と固定手段を示す正面図
【図3】上記第1の実施の形態の洗浄剤の泡立て器の使用状態を説明する図
【図4】上記第1の実施の形態の洗浄剤の泡立て器の使用状態を説明する図
【図5】本発明の第2の実施の形態の長さ(及び硬さ)の異なるブラシを備える洗浄剤の泡立て器を示す斜視図
【図6】上記第2の実施の形態の硬さの異なるブラシを備える洗浄剤の泡立て器の断面図
【図7】本発明の第3の実施の形態の洗浄剤の泡立て器の斜視図
【符号の説明】
B  内壁面のブラシ
BB 底面のブラシ
B1 第1の所定長ブラシ(短毛)
B2 第2の所定長ブラシ(長毛)
B3 第3の所定長ブラシ(短毛)
Ba 第1の所定硬ブラシ(硬い毛)
Bb 第2の所定硬ブラシ(柔らかい毛)
Bc 第3の所定硬ブラシ(硬い毛)
1  洗浄剤の泡立て器(容器)
1a 内側の底面
1b 内壁面
1c 開口部
1A,1B,1C,1D 分割容器
5  固定手段
5a 吸盤
5b 金具
6  連結手段
6a,6b 段差
6c ネジ溝
6d ネジ山

Claims (6)

  1. 上方が開口した容器の少なくとも内壁面に、泡立て用のブラシが植毛され、この容器に洗浄剤と必要に応じて水や湯が入れられて使用されることを特徴とする洗浄剤の泡立て器。
  2. 上方が開口した容器の内壁面と内側の底面に、泡立て用のブラシが植毛され、この容器に洗浄剤と必要に応じて水や湯が入れられて使用されることを特徴とする洗浄剤の泡立て器。
  3. 前記内壁面のブラシは、その長さ又は硬さの異なる二種以上のブラシがその位置を異ならせて所定幅で植毛されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗浄剤の泡立て器。
  4. 前記長さの異なる内壁面のブラシは、少なくとも長さの短いブラシが容器内側の底面の側に所定幅で植毛されていることを特徴とする請求項3記載の洗浄剤の泡立て器。
  5. 前記硬さの異なる内壁面のブラシは、少なくとも硬さの硬いブラシが容器内側の底面の側に所定幅で植毛されていることを特徴とする請求項3記載の洗浄剤の泡立て器。
  6. 前記容器には容器を所定個所に固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の洗浄剤の泡立て器。
JP2002277353A 2002-09-24 2002-09-24 洗浄剤の泡立て器 Pending JP2004113287A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008132020A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Akada Hake Kogyo Kk 泡立用器具
JP2017196418A (ja) * 2017-05-22 2017-11-02 株式会社ダリヤ 毛髪化粧料用器具

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