JP2004112649A - 色票チャートセット、画像解析方法、ホワイトバランス性能測定評価方法および画像処理装置 - Google Patents
色票チャートセット、画像解析方法、ホワイトバランス性能測定評価方法および画像処理装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】一般的な画像を8種類に分類して、それぞれの分類ごとに代表的な画像を選定し、その選定した元画を抽象化してチャートを作成する。抽象化チャートには、幾何学形状の複数の色票パッチを設けるとともに、中央部付近に18%ニュートラルグレーの基準色度点パッチを設ける。この抽象化チャートをホワイトバランス性能の評価対象の撮像装置で撮影して得られた画像データにおける基準色度点パッチの測色データから、評価指数を算出し、その算出した評価指数によってホワイトバランス性能を評価する。
【選択図】 図13
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像装置(カメラ)のホワイトバランス性能を定量的・客観的に測定評価するための色票チャートセット、この色票チャートセットを作成するのに用いる画像解析方法、および、この色票チャートセットを用いて撮像装置のホワイトバランス性能を測定評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置のホワイトバランスは多くの制御パラメータが複雑に関係するので、その性能(特性)を評価することが難しい。
【0003】
一般的な画像は、グレーワールドとして知られているように、無彩色が主体の画像を中心に分布しているため、従来、ホワイトバランス性能を評価する場合には、グレースケールなどの、無彩色の色票チャートを、評価対象の撮像装置で撮影し、測定している。
【0004】
しかし、無彩色が主体の画像を中心に分布しているとは言え、一般的な画像には、高彩度の画像部分を有する画像や、画像全体として高彩度の画像も存在し、また、ある広がりをもって色が分散しているなど、色の分散も様々である。そのため、無彩色の色票チャートのみでは、ホワイトバランス性能の詳細・厳密な評価を行うことはできない。
【0005】
そこで、従来は、野外でフィールドテストを行い、屋内のスタジオで各種の被写体を撮影するなど、考えうる多くのシチュエーションのもとで撮影を繰り返して、ホワイトバランス性能を評価している。
【0006】
なお、先行技術文献を調査したところ、関連するものは見当たらなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の方法では、テストの規模や回数が膨大となり、多大の労力と費用を要する。
【0008】
しかも、どのようなシチュエーションで性能を発揮し、または誤動作を起こすかなどの判定は、設計者や評価者の経験と勘に頼る部分が大きく、定量的・客観的に優劣をつけてホワイトバランス性能を評価するのが難しい。誤動作やエラーに対する原因の特定も難しく、設計上の修正を行った場合の副作用の確認も困難である。
【0009】
しかも、毎回、同じ撮影シチュエーションが得られるとは限らず、屋外での撮影については、天候や湿度、周辺の反射物などの影響が大きく、同じ撮影を行うことは無理であるとともに、屋内での撮影についても、被写体を置く場所や撮影距離、光源の色温度や照度など、撮影条件や撮影環境を一定に保つことは困難である。
【0010】
雑誌社などが独自に、様々な測定評価を行って、メーカー各社の商品を比較しているが、上記のような背景から、商品の設計内容と評価結果との間の因果関係が不明確なことが多い。メーカーとしても、ホワイトバランス性能に関しての技術的な説明が不明確になりがちで、カタログやスペックなどで定量的な議論ができる明確な指標が無かった。
【0011】
メーカーとしては、性能保障の一つとして、ホワイトバランス性能を定量的・客観的に測定評価する方法が必要とされるとともに、消費者の立場からも、雑誌などの評価に相当する共通の評価指標が求められている。
【0012】
そこで、この発明は、野外でのフィールドテストなどを行うことなく非常に簡単に、しかも定量的・客観的に、かつ厳密・高精度に、ホワイトバランス性能を測定評価することができるようにしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の色票チャートセットは、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数種の肌色の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第1の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第2の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第3の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第4の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第5の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第6の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第7の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第8の色票チャートと、
を備えるものである。
【0014】
一般的な画像は、無彩色が主体の画像を中心に分布しているものの、高彩度の画像部分を有する画像や、画像全体として高彩度の画像も存在し、また、ある広がりをもって色が分散しているなど、色の分散も様々である。
【0015】
そこで、この発明では、一般的な画像を、
(1)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(2)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(3)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(4)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(5)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
(6)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(7)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(8)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
の8種類に分類し、色票チャートセットとして、それぞれの分類の画像を抽象化したチャートを備えるものである。
【0016】
これら抽象化チャートは、それぞれ、幾何学形状の複数の色票パッチを有し、絵柄は対応する元の画像と異なるが、対応する元の画像を抽象化したチャートとして、対応する元の画像と同様の色偏差(画面内の色の散らばり度合い)および平均彩度(画面内の各画素の彩度の平均値)を有し、しかも18%ニュートラルグレーなどの基準色度点の色票パッチを有するものである。
【0017】
したがって、この抽象化チャート(色票チャート)をホワイトバランス性能の評価対象の撮像装置で撮影して得られた画像データにおける上記の基準色度点の色票パッチの測色データから、ホワイトバランス性能を評価する指数を算出し、その算出した指数によりホワイトバランス性能を評価することによって、野外でのフィールドテストなどを行うことなく非常に簡単に、しかも定量的・客観的に、かつ厳密・高精度に、ホワイトバランス性能を測定評価することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔画像の解析と分類:図1〜図11〕
まず、この発明の色票チャートセット(抽象化チャート群)を作成するのに用いる画像解析方法および画像分類方法を示す。
【0019】
上述したように、一般的な画像は、無彩色が主体の画像を中心に分布しているが、高彩度の画像部分を有する画像や、画像全体として高彩度の画像も存在し、また、ある広がりをもって色が分散しているなど、色の分散も様々である。
【0020】
そこで、統計的・定量的な画像解析によって一般的な画像を分類するために、一般的なデジタル画像を、できるだけ多数、例えば数100枚程度、様々な種類および撮影状況のものが均等に入るように収集する。
【0021】
これら収集した多数のデジタル画像を、以下のように解析し、分類する。図1は、画像解析のための画像処理装置の一例を示し、例えばパーソナルコンピュータとして、以下のような画像解析を実行するアプリケーションプログラムを備えるものである。
【0022】
画像処理装置10は、CPU11を備え、そのバス12に、キャッシュメモリ13およびメインメモリ14が接続されるとともに、ハードディスクインタフェース15を介してハードディスク記憶装置16が接続される。
【0023】
ハードディスク記憶装置16には、あらかじめ画像解析用アプリケーションプログラムがロードされるとともに、デジタル画像の画像ファイル中の、インターネットなどのネットワーク上で取得した画像ファイルが記録される。
【0024】
また、バス12には、入力インタフェース21を介して、キーボードやマウスなどからなる操作装置22が接続されるとともに、表示制御部23を介して、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの表示装置24が接続される。
【0025】
さらに、デジタル画像の画像ファイルが記録されたメモリカードやディスク媒体などの記録メディア25が、メディアインタフェース26を介してバス12に接続される。
【0026】
デジタル画像のファイル形式は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)や、TIFF(Tagged Image File Format)など、画像処理装置10で処理できるものであれば、いかなるものでもよいが、以下の例では、画像処理装置10に取り込まれるデジタル画像は、YCrCb(Y:輝度信号、Cr,Cb:色差信号)圧縮画像データであるとする。
【0027】
CPU11は、上記の画像解析用アプリケーションプログラムによって、そのデジタル画像を1枚ずつ解析し、分類する。図2〜図5に、CPU11が実行する画像解析処理ルーチンの一例を示す。
【0028】
この画像解析処理ルーチン30では、まずステップ31で、解析対象画像のYCrCb圧縮画像データを伸長し、次にステップ32で、伸長後のYCrCbデータを、図6の式(1)に示すsRGBマトリクス変換によって、RGBデータに変換する。
【0029】
次に、ステップ33で、当該画像の画面内のR,G,B平均値Rave,Gave,Baveを算出する。個々の画素のR,G,B値をRn,Gn,Bnとし、画面内の画素数をNとすると、平均値Rave,Gave,Baveは、図6の式(2)(3)(4)で表される。
【0030】
次に、ステップ34で、平均値Rave,Gave,Baveをガンマ/リニア変換し、さらにステップ35で、変換後の平均値R’ave,G’ave,B’aveをXYZ変換する。平均値Rave,Gave,Baveのガンマ/リニア変換は、図6の式(5)で表され、変換後の平均値R’ave,G’ave,B’aveのXYZ変換は、図6の式(6)で表される。
【0031】
次に、ステップ36で、XYZ変換後の平均値Xave,Yave,ZaveをL*a*b*変換して、平均値Lave,aave,baveを算出する。XYZ表色系からL*a*b*表色系への変換は、図7の式(7)(8)(9)で表される。式(7)(8)(9)中の関数f(X/Xn),f(Y/Yn),f(Z/Zn)は、図7の式(11)(12)(13)または式(14)(15)(16)で表される。Xn,Yn,Znは、対象物と同一照明下での完全拡散面の3刺激値である。
【0032】
ステップ34〜36での処理は、図8の式(17)(18)(19)で示すように、ステップ33で非線形色空間であるRGB色空間で算出した平均値を、線形色空間(均等色空間)であるL*a*b*色空間上の平均値に変換するものである。
【0033】
次に、ステップ37に進んで、当該画像の画素ごとのL*,a*,b*値を算出する。そのために、ステップ32で算出した画素ごとのR,G,B値を、図6の式(5)によってガンマ/リニア変換し、変換後のR’,G’,B’値を、図6の式(6)によってXYZ変換し、変換後のX,Y,Z値を、図7の式(7)(8)(9)によってL*a*b*変換する。
【0034】
次に、ステップ38に進んで、ステップ36で算出した平均値aave,bave、およびステップ37で算出した画素ごとのa*,b*値から、画面内の色偏差(色の散らばり度合い)Cdevを算出し、さらにステップ39に進んで、ステップ36で算出した平均値aave,baveから、画面内の平均彩度(彩度の平均値)Caveを算出する。
【0035】
個々の画素のa*,b*値をan,bnとし、画面内の画素数をNとすると、色偏差Cdevは、図8の式(21)で表され、平均彩度Caveは、図8の式(22)で表される。
【0036】
画像解析処理ルーチン30では、ステップ38および39で色偏差Cdevおよび平均彩度Caveを算出したら、ステップ41に進んで、色偏差Cdevが色偏差分離レベルDlevより小さいか否かを判断し、レベルDlevより小さいと判断した場合には、ステップ42に進んで、平均彩度Caveが無彩色分離レベルGlevより小さいか否かを判断する。
【0037】
そして、色偏差CdevがレベルDlevより小さく、かつ平均彩度CaveがレベルGlevより小さいと判断した場合には、ステップ42からステップ51に進んで、当該画像はカテゴリー1に属すると、すなわち、画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0038】
ステップ41で色偏差CdevがレベルDlev以上であると判断した場合には、ステップ43に進んで、ステップ42と同様に、平均彩度CaveがレベルGlevより小さいか否かを判断する。
【0039】
そして、色偏差CdevがレベルDlev以上で、かつ平均彩度CaveがレベルGlevより小さいと判断した場合には、ステップ43からステップ52に進んで、当該画像はカテゴリー2に属すると、すなわち、画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0040】
一方、ステップ41で色偏差CdevがレベルDlevより小さいと判断し、かつステップ42で平均彩度CaveがレベルGlev以上であると判断した場合には、ステップ42からステップ44に進んで、a*値の平均値aaveがa*方向分離レベルalevより大きいか否かを判断し、レベルalevより大きいと判断した場合には、ステップ45に進んで、b*値の平均値baveがb*方向分離レベルblevより大きいか否かを判断する。
【0041】
そして、a*値の平均値aaveがレベルalevより大きく、かつb*値の平均値baveがレベルblevより大きいと判断した場合には、ステップ45からステップ53に進んで、当該画像はカテゴリー3Rに属すると、すなわち、画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0042】
ステップ44でa*値の平均値aaveがレベルalev以下であると判断した場合には、ステップ46に進んで、ステップ45と同様に、b*値の平均値baveがレベルblevより大きいか否かを判断する。
【0043】
そして、a*値の平均値aaveがレベルalev以下で、かつb*値の平均値baveがレベルblevより大きいと判断した場合には、ステップ46からステップ54に進んで、当該画像はカテゴリー3Gに属すると、すなわち、画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0044】
また、ステップ45または46でb*値の平均値baveがレベルblev以下であると判断した場合には、ステップ55に進んで、当該画像はカテゴリー3Bに属すると、すなわち、画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0045】
一方、ステップ41で色偏差CdevがレベルDlev以上であると判断し、かつステップ43で平均彩度CaveがレベルGlev以上であると判断した場合には、ステップ43からステップ47に進んで、a*値の平均値aaveがa*方向分離レベルalevより大きいか否かを判断し、レベルalevより大きいと判断した場合には、ステップ48に進んで、b*値の平均値baveがb*方向分離レベルblevより大きいか否かを判断する。
【0046】
そして、a*値の平均値aaveがレベルalevより大きく、かつb*値の平均値baveがレベルblevより大きいと判断した場合には、ステップ48からステップ56に進んで、当該画像はカテゴリー4Rに属すると、すなわち、画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0047】
ステップ47でa*値の平均値aaveがレベルalev以下であると判断した場合には、ステップ49に進んで、ステップ48と同様に、b*値の平均値baveがレベルblevより大きいか否かを判断する。
【0048】
そして、a*値の平均値aaveがレベルalev以下で、かつb*値の平均値baveがレベルblevより大きいと判断した場合には、ステップ49からステップ57に進んで、当該画像はカテゴリー4Gに属すると、すなわち、画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0049】
また、ステップ48または49でb*値の平均値baveがレベルblev以下であると判断した場合には、ステップ58に進んで、当該画像はカテゴリー4Bに属すると、すなわち、画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像と判定して、当該画像についての画像解析処理を終了する。
【0050】
画像処理装置10のCPU11は、上述したように収集された多数のデジタル画像のそれぞれにつき、以上のような画像解析処理を順次実行して、それぞれの画像を、図9に示すように、
(1)カテゴリー1:画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(2)カテゴリー2:画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(3)カテゴリー3R:画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(4)カテゴリー3G:画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(5)カテゴリー3B:画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
(6)カテゴリー4R:画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(7)カテゴリー4G:画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(8)カテゴリー4B:画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
に分類する。
【0051】
さらに、CPU11は、操作装置22での操作によって、各画像についての、識別番号やファイル名などの識別情報、a*,b*値の平均値aave,bave、色偏差Cdev、平均彩度Cave、および分類の結果(分類カテゴリー)を、表示装置24の画面上に表示する。
【0052】
様々な種類および撮影状況のものを均等に含む数100枚の画像を収集し、解析したところ、各画像の画面内におけるa*,b*値の平均値aave,baveは、図10に示すようなa*b*平面上において、ある画像については点Paで表され、ある画像については点Pbで表され、ある画像については点Pcで表されるように、同図の領域1で示すような範囲に分散することが認められた。
【0053】
また、画像ごとの色偏差Cdevと平均彩度Caveの関係は、図11に示すような、横軸を平均彩度Caveとし、縦軸を色偏差Cdevとする平面上にプロットしたところ、ある画像については点Psで表され、ある画像については点Ptで表され、ある画像については点Puで表されるように、同図の領域2で示すような範囲に分散することが認められた。
【0054】
以上の画像解析方法によれば、統計的・定量的な画像解析によって、一般的な画像を厳密・詳細に分類することができる。
【0055】
〔色票チャートセットおよびその作成方法:図12〜図16〕
この発明では、上記のような画像分類結果に基づいて、以下のように特殊な色票チャートセット(抽象化チャート群)を作成する。
【0056】
まず、図9のように分類された各カテゴリーの画像群から、それぞれ、最も特徴的な画像、または、a*,b*値の平均値aave,baveが、当該カテゴリーに属する画像中で平均的もしくは中心的な値を示す画像を、当該カテゴリーの代表的な画像として選定する。
【0057】
この場合、キャリブレートされたプリンタで印刷する場合など、選定した元画から直接、チャートを作成することが可能な場合には、色度点のみの管理が可能であるので、そのチャートを簡易評価用のチャートとして使用することができる。しかし、印刷物の分光特性は管理されていないので、実際の撮影やフィールドテストなどの代用チャートとしては使用することができない。
【0058】
そのため、分類カテゴリーごとに、選定した元画につき、モザイク処理、カットアウト処理、メディアンフィルタ処理などを多重させるなどの、適当なフィルタ処理を施すことによって、選定した元画を抽象化し、得られた画像を色票チャート化する。
【0059】
具体的に、その色票チャートは、図12に抽象化チャート6として示すように、用紙61上のチャートエリア62内に色票パッチを配置したものである。その色票パッチは、色票パッチ63,64,65として示すように、四角形(正方形または長方形)や菱形など、幾何学形状であればよい。
【0060】
色票パッチとしては、元画の各部(被写体部分)の分光特性に一致または近似したものを用いるが、印刷技術的な制約から、マクベスカラーパッチやJIS規格Z8726など、分光管理された汎用的な色票に置き換える。
【0061】
例えば、人の顔の画像を抽象化したチャートの肌色の色票パッチとしては、白人の肌色としては、マクベスカラーパッチのNo2やJIS規格Z8726のNo13を用い、日本人の肌色としては、JIS規格Z8726のNo15を用いる。
【0062】
このように分光管理された色票を用いることによって、色偏差や平均彩度の再計算が容易となり、パッチサイズの操作によりチャートの色偏差や平均彩度を意図的に操作することができる。
【0063】
さらに、チャート撮影時のホワイトバランスのずれを測定するために、それぞれの抽象化チャートには、中央部付近に、基準色度点パッチ67として、18%ニュートラルグレーの色票パッチを設ける。
【0064】
抽象化チャートの撮影環境の光源としては、色票パッチの色度点の確定のため、あらかじめ、D65光源や人工太陽灯などの、分光管理された光源を規定しておく。
【0065】
このように分光管理された光源を用いることによって、屋外環境などでの撮影を擬似的にシミュレートすることができる。
【0066】
図13に、画像の分類と抽象化チャートの種類(名称)との関係を示す。一般的な画像は、カテゴリー1,2,3R,3G,3B,4R,4G,4Bのいずれかに分類することができるので、抽象化チャートとしても、8種のチャートに集約することができる。
【0067】
具体的に、カテゴリー1の画像(画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像)の抽象化チャートとしては、図14に示すように、元画3gsの抽象化チャートとして、グレースケールチャート6gsを作成するとともに、別の元画3snの抽象化チャートとして、肌色チャート6snを作成する。
【0068】
元画3gsは、路面に多数の鳩がいる画像であり、グレースケールチャート6gsは、グレースケール色票69を有し、その一つの段階部分、およびグレースケール色票69の周囲部分(背景部分)を、図12に示した基準色度点パッチ67と同様に、18%ニュートラルグレーとしたものである。
【0069】
また、元画3snは、人の顔の画像であり、肌色チャート6snは、チャート中央部に、それぞれ白人の肌色、黒人の肌色、日本人の肌色の色票パッチを配置したものである。
【0070】
このように複数種の肌色の色票パッチを設けた肌色チャート6snを用意することによって、ホワイトバランスが苦手とされるポートレート時の肌色の引き込みによる誤動作の度合いを測定することができる。
【0071】
カテゴリー2の画像(画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像)の抽象化チャートとしては、図14に示すように、元画3gpの抽象化チャートとして、屋外人物チャート6gpを作成するとともに、別の元画3fwの抽象化チャートとして、フラワーチャート6fwを作成する。
【0072】
元画3gpは、屋外を背景とした人物の画像であり、屋外人物チャート6gpは、図12に示したような抽象化チャートで、チャート上部に空色の色票パッチを有し、中央部に肌色の色票パッチを有する、一般的な屋外での人物の撮影を想定したものである。
【0073】
また、元画3fwは、画像中央部に各種の色の花が存在する、色度平面上において低彩度の色を中心に全色方向に高彩度の色が配置された画像であり、フラワーチャート6fwは、図12に示したような抽象化チャートで、チャート中央部に赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエローなどの色票パッチを有するものである。
【0074】
このフラワーチャート6fwは、花の接写などを想定したものであり、特定色に対するホワイトバランス性能の影響を測定するのに適する。
【0075】
カテゴリー3Rの画像(画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図15に示すように、元画3smの抽象化チャートとして、肌色モザイクチャート6smを作成する。
【0076】
元画3smは、肌色が主体の画像であり、肌色モザイクチャート6smは、図12に示したような抽象化チャートで、肌色の色票パッチを多く有するものである。
【0077】
この肌色モザイクチャート6smは、肌色が画角一杯に入ったときに白色と誤判断し、またはダンボールなどを引き込んで画面が青く誤動作する場合の、誤判断または誤動作の度合いを測定するのに適する。
【0078】
カテゴリー3Gの画像(画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図15に示すように、元画3gyの抽象化チャートとして、グラスイエローチャート6gyを作成する。
【0079】
元画3gyは、草木中に黄色い花が存在する画像であり、グラスイエローチャート6gyは、図12に示したような抽象化チャートで、緑色の色票パッチおよびイエローの色票パッチを有するものである。
【0080】
このグラスイエローチャート6gyは、草木の高輝度反射成分を白色と誤判断し、青く引き込んでしまう度合いを測定するのに適する。
【0081】
カテゴリー3Bの画像(画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図15に示すように、元画3syの抽象化チャートとして、スカイチャート6syを作成する。
【0082】
元画3syは、ビルディングの背景に青空が広がる画像であり、スカイチャート6syは、図12に示したような抽象化チャートで、空色の色票パッチを多く有するものである。
【0083】
このスカイチャート6syは、画角に占める空の割合が高く、空の高輝度の青を白色と誤判断する場合の、白色抽出精度を測定するのに適する。
【0084】
カテゴリー4Rの画像(画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図16に示すように、元画3rmの抽象化チャートとして、レッドモザイクチャート6rmを作成する。
【0085】
元画3rmは、画像中央部に赤い花が存在し、背景も赤い画像であり、レッドモザイクチャート6rmは、図12に示したような抽象化チャートで、赤色の色票パッチを多く有するものである。
【0086】
カテゴリー4Gの画像(画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図16に示すように、元画3gmの抽象化チャートとして、グラスマゼンタチャート6gmを作成する。
【0087】
元画3gmは、草木中にマゼンタの花が存在する画像であり、グラスマゼンタチャート6gmは、図12に示したような抽象化チャートで、緑色の色票パッチおよびマゼンタの色票パッチを有するものである。
【0088】
草木の高輝度反射成分を白色と誤判断するとき、カメラが単純なグレーワールドを前提とした制御を行っていた場合には、その誤動作は抑制される。グラスマゼンタチャート6gmは、上述したグラスイエローチャート6gyと対比して使用することによって、このような場合の白色抽出精度を測定することができる。
【0089】
カテゴリー4Bの画像(画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像)の抽象化チャートとしては、図16に示すように、元画3sgの抽象化チャートとして、スカイグリーンチャート6sgを作成する。
【0090】
元画3sgは、画像上部に空が存在し、下部に草木が存在する画像であり、スカイグリーンチャート6sgは、図12に示したような抽象化チャートで、チャート上部に空色の色票パッチを有し、下部に緑色の色票パッチを有するものである。
【0091】
このスカイグリーンチャート6sgは、草木の高輝度反射成分、および画角にある程度占める空の高輝度の青を、白色と誤判断する場合の、白色抽出精度を測定するのに適する。
【0092】
以上のような色票チャートセット(抽象化チャート群)によれば、次に示すように、それぞれの色票チャート(抽象化チャート)を、評価対象の撮像装置で撮影することによって、その撮像装置のホワイトバランス性能を、野外でのフィールドテストなどを行うことなく非常に簡単に、しかも定量的・客観的に、かつ厳密・高精度に、測定評価することができる。
【0093】
しかも、統計的に多くの画像が分布するカテゴリー1,2の抽象化チャートとして、カテゴリー1については、グレースケールチャート6gsおよび肌色チャート6snという2種の抽象化チャートを用意し、カテゴリー2については、屋外人物チャート6gpおよびフラワーチャート6fwという2種の抽象化チャートを用意するので、ホワイトバランス性能の測定精度を、より高めることができる。
【0094】
〔ホワイトバランス性能の測定評価:図17〜図21〕
この発明では、上述した色票チャートセット(抽象化チャート群)を用いて、以下のように、評価対象の撮像装置のホワイトバランス性能を測定評価する。
【0095】
まず、図17に示すように、色票チャートセット5を構成する上述した抽象化チャート6gs,6sn,6gp,6fw,6sm,6gy,6sy,6rm,6gm,6sgを順次,評価対象の撮像装置7で撮影し、得られた抽象化チャート撮影画像の画像ファイルを、メモリカードやディスク媒体などの記録メディア8に記録する。
【0096】
この場合、撮影用の光源9としては、上述したように、あらかじめ規定した、D65光源や人工太陽灯などの、分光管理された光源を用いる。これによって、屋外環境などでの撮影を擬似的にシミュレートすることができる。
【0097】
次に、記録メディア8に収録した10枚の抽象化チャート撮影画像の画像ファイルを、以下のように処理して、撮像装置7のホワイトバランス性能を測定評価する。
【0098】
図18は、測定評価のための画像処理装置の一例を示し、例えばパーソナルコンピュータとして、以下のような測定評価を実行するアプリケーションプログラムを備えるものである。
【0099】
画像処理装置70は、CPU71を備え、そのバス72に、キャッシュメモリ73およびメインメモリ74が接続されるとともに、ハードディスクインタフェース75を介してハードディスク記憶装置76が接続される。
【0100】
また、バス72には、入力インタフェース81を介して、キーボードやマウスなどからなる操作装置82が接続されるとともに、表示制御部83を介して、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの表示装置84が接続される。
【0101】
さらに、抽象化チャート撮影画像の画像ファイルが記録された記録メディア8が、メディアインタフェース86を介してバス72に接続される。
【0102】
抽象化チャート撮影画像のファイル形式は、画像処理装置70で処理できるものであれば、いかなるものでもよいが、以下の例では、抽象化チャート撮影画像は、YCrCb圧縮画像データとして記録メディア8に記録されるものとする。
【0103】
CPU71は、上記の測定評価用アプリケーションプログラムによって、その抽象化チャート撮影画像を1枚ずつ処理し、ホワイトバランス性能を測定評価する。図19に、CPU71が実行するホワイトバランス性能測定評価処理ルーチンの一例を示す。
【0104】
このホワイトバランス性能測定評価処理ルーチン90では、まずステップ91で、処理対象の抽象化チャート撮影画像のYCrCb圧縮画像データを伸長し、次にステップ92で、伸長後のYCrCbデータを、図6の式(1)に示すsRGBマトリクス変換によって、RGBデータに変換する。
【0105】
次に、ステップ93で、ガンマ/リニア変換し、さらにステップ94で、XYZ変換する。ガンマ/リニア変換は、図6の式(5)で表され、XYZ変換は、図6の式(6)で表される。
【0106】
次に、ステップ95で、XYZデータをL*a*b*データに変換する。この変換は、上述したように、図7の式(7)〜(9),(11)〜(16)で表される。
【0107】
次に、ステップ96に進んで、L*a*b*データから、後述の評価指数ωを算出し、さらにステップ97に進んで、その評価指数ωから、ホワイトバランス性能を評価判定する。
【0108】
抽象化チャートの撮影をオートホワイトバランスで行った場合、チャート内における種々の色票の影響で、ホワイトバランスがずれる可能性が大きい。
【0109】
そこで、ホワイトバランス性能は、抽象化チャート内の図12に示した18%ニュートラルグレーの基準色度点パッチ67(図14に示したグレースケールチャート6gsでは上記の18%ニュートラルグレーの色票部分)のL*a*b*測色値によって測定し、この部分が基準の白に対して、どの程度ずれているかを測定することによって評価する。
【0110】
色差の表現として、CIE(国際照明委員会)では、図22の式(41)が定義されている。
【0111】
これに近い表現でホワイトバランスのずれを定量化するため、この発明では、ホワイトバランスのずれの評価指数ωを、図20の式(31)で定義する。
【0112】
ただし、a*o,b*oは、基準色度点パッチ67(18%ニュートラルグレーの色票部分)のa*,b*測色値、aoff,boffは、後述のように光源ごとに設定されるa*,b*方向のオフセット値、ka,kbは、後述のようなa*,b*方向の重み付け係数であり、式(32)に示すように、係数ka,kbの和は1とする。また、式(31)中には存在しないが、alim,blimは、後述のようなa*,b*方向の許容量である。
【0113】
一般に、色度平面上の2点間のずれ(距離)は、極座標上でのユークリッド距離で与えられる。
【0114】
しかし、ホワイトバランスのずれを考えると、ずれの許容量の感じ方は、経験的に、色度平面上の各方向で均等ではなく、特に昼光軸(Daylight Locus)方向には許容量が大きいと言え、a*b*平面上では、b*方向の許容量の方がa*方向の許容量より大きいと言える。
【0115】
そこで、ホワイトバランスのずれの許容範囲として、図21の楕円4で示すような、昼光軸方向およびb*方向に長軸の楕円を想定する。
【0116】
人間の目は、不完全順応の特性によって、光源の色温度に完全には順応せず、色温度の低い光源下の白色は赤っぽく見え、色温度の高い光源下の白色は青っぽく見える。
【0117】
この特性を、a*b*座標の原点からのオフセット値aoff,boffとして、上述したように光源ごとに設定して、図20の式(31)に与える。
【0118】
また、式(31)では、このオフセット値aoff,boffを差し引いた測色値(a*o−aoff),(b*o−boff)に対して、1/ka,1/kbを乗じる。例えば、感覚的に、b*方向の許容量blimが、a*方向の許容量alimの2倍であるとすれば、ka=0.33,kb=0.67とする。
【0119】
このように、ホワイトバランスのずれの許容範囲を想定し、ホワイトバランス性能の評価指数ωを定義することによって、算出された評価指数ωが小さく、許容範囲内であれば、ホワイトバランス性能が良く、逆に、算出された評価指数ωが大きく、許容範囲外であれば、ホワイトバランス性能が悪い、というように、ホワイトバランス性能を定量的・客観的に評価判定することができる。
【0120】
さらに、それぞれの抽象化チャート撮影画像につき算出された評価指数ωを比較することによって、上述した分類カテゴリーの画像ごとのホワイトバランス性能を定量的・客観的に評価判定することができる。
【0121】
また、光源別にオートホワイトバランスで抽象化チャートを撮影した場合の評価指数ωを比較することによって、光源ごとのオートホワイトバランス制御の精度を定量的・客観的に評価判定することができる。
【0122】
また、光源別に固定ホワイトバランスで抽象化チャートを撮影した場合の評価指数ωを比較することによって、光源ごとの固定ホワイトバランス出力値の誤差を定量的・客観的に評価判定することができる。
【0123】
そして、これらの評価判定結果は、ホワイトバランス性能の設計に反映させることができる。
【0124】
以上の測定評価方法によれば、評価対象の撮像装置のホワイトバランス性能を、野外でのフィールドテストなどを行うことなく非常に簡単に、しかも定量的・客観的に、かつ厳密・高精度に、測定評価することができる。
【0125】
なお、図17〜図19の例は、10枚の抽象化チャート撮影画像を圧縮画像データとして記録メディア8に記録した後、画像処理装置70でホワイトバランス性能を測定評価する場合であるが、撮像装置7と画像処理装置70を有線または無線で接続して、例えば、撮像装置7で1枚の抽象化チャートを撮影するごとに、その抽象化チャート撮影画像の圧縮前の画像データを、画像処理装置70に取り込み、画像処理装置70で処理して、ホワイトバランス性能を測定評価するように測定評価システムを構成してもよい。
【0126】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば、野外でのフィールドテストなどを行うことなく非常に簡単に、しかも定量的・客観的に、かつ厳密・高精度に、ホワイトバランス性能を測定評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像解析のための画像処理装置の一例を示す図である。
【図2】画像解析処理ルーチンの一例の一部を示す図である。
【図3】画像解析処理ルーチンの一例の一部を示す図である。
【図4】画像解析処理ルーチンの一例の一部を示す図である。
【図5】画像解析処理ルーチンの一例の一部を示す図である。
【図6】色変換の変換式を示す図である。
【図7】色変換の変換式を示す図である。
【図8】L*,a*,b*平均値、色偏差および平均彩度の式を示す図である。
【図9】この発明の方法による画像の分類を示す図である。
【図10】収集した画像群におけるa*,b*平均値の分散を示す図である。
【図11】収集した画像群における画像ごとの色偏差と平均彩度の関係を示す図である。
【図12】抽象化チャートの色票パターンの一例を示す図である。
【図13】画像の分類と抽象化チャートの種類との関係を示す図である。
【図14】カテゴリー1,2の元画および抽象化チャートの一例を示す図である。
【図15】カテゴリー3R,3G,3Bの元画および抽象化チャートの一例を示す図である。
【図16】カテゴリー4R,4G,4Bの元画および抽象化チャートの一例を示す図である。
【図17】抽象化チャートの撮影を示す図である。
【図18】ホワイトバランス性能の測定評価のための画像処理装置の一例を示す図である。
【図19】ホワイトバランス性能測定評価処理ルーチンの一例を示す図である。
【図20】評価指数の算出式を示す図である。
【図21】ホワイトバランスのずれの許容範囲を示す図である。
【図22】CIEで規定された色差を示す図である。
【符号の説明】
主要部については図中に全て記述したので、ここでは省略する。
Claims (11)
- 画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数種の肌色の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第1の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第2の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第3の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第4の色票チャートと、
画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第5の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第6の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第7の色票チャートと、
画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像を抽象化したチャートとして、それぞれ幾何学形状の、複数の色票パッチおよび基準色度点の色票パッチを有する第8の色票チャートと、
を備える色票チャートセット。 - 請求項1の色票チャートセットにおいて、
前記第2の色票チャートとして、屋外を背景とした人物の画像を抽象化したチャートと、色度平面上において低彩度の色を中心に全色方向に高彩度の色が配置された画像を抽象化したチャートとを備える色票チャートセット。 - 請求項1または2の色票チャートセットにおいて、
前記基準色度点はニュートラルグレーである色票チャートセット。 - 解析対象画像の画像データを処理して、当該画像の画面内の色偏差および平均彩度を算出する工程と、
その算出した色偏差および平均彩度が、それぞれ設定された閾値より小さいか否かを判断して、前記解析対象画像が、
(a)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(b)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(c)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度の画像、
(d)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度の画像、
のいずれであるかを判定する工程と、
前記解析対象画像の色の平均が高彩度であると判定したとき、その解析対象画像が、赤色、緑色、青色のいずれに偏った画像であるかを判断して、最終的に、前記解析対象画像が、
(1)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(2)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(3)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(4)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(5)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
(6)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(7)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(8)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
のいずれであるかを判定する工程と、
を備える画像解析方法。 - 請求項4の画像解析方法において、
前記各工程では、前記解析対象画像についてのL*a*b*データのa*b*値によって、色偏差および平均彩度の算出または画像の種類の判定を実行する画像解析方法。 - 解析対象画像の画像データを処理して、当該画像の画面内の色偏差および平均彩度を算出する手段と、
この手段によって算出された色偏差および平均彩度が、それぞれ設定された閾値より小さいか否かを判断して、前記解析対象画像が、
(a)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(b)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(c)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度の画像、
(d)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度の画像、
のいずれであるかを判定する手段と、
この手段によって前記解析対象画像の色の平均が高彩度であると判定されたとき、その解析対象画像が、赤色、緑色、青色のいずれに偏った画像であるかを判断して、最終的に、前記解析対象画像が、
(1)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(2)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が低彩度の画像、
(3)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(4)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(5)画面内の色の分散が小さく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
(6)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で赤色に偏った画像、
(7)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で緑色に偏った画像、
(8)画面内の色の分散が大きく、かつ色の平均が高彩度で青色に偏った画像、
のいずれであるかを判定する手段と、
を備える画像処理装置。 - 請求項6の画像処理装置において、
前記各手段は、前記解析対象画像についてのL*a*b*データのa*b*値によって、色偏差および平均彩度の算出または画像の種類の判定を実行する画像処理装置。 - 請求項1〜3のいずれかの色票チャートセットを構成する色票チャートを撮像装置で撮影して得られた画像データをL*a*b*データに変換する工程と、
その変換後の、前記基準色度点の色票パッチの測色データから、前記撮像装置のホワイトバランス性能を評価する指数ωとして、(a*o−aoff)/kaの2乗と(b*o−boff)/kbの2乗との和の平方根を算出する工程と、
を備えるホワイトバランス性能測定評価方法。
ただし、a*o,b*oは、それぞれa*,b*方向の測色値、aoff,boffは、撮影用の光源ごとに設定された、それぞれa*,b*方向のオフセット値、ka,kbは、それぞれa*,b*方向の重み付け係数であり、ka+kb=1である。 - 請求項8のホワイトバランス性能測定評価方法において、
色票チャートセットを構成するそれぞれの色票チャートについての評価指数ωを比較して、前記撮像装置の総合的なホワイトバランス性能を評価判定するホワイトバランス性能測定評価方法。 - 請求項1〜3のいずれかの色票チャートセットを構成する色票チャートを撮像装置で撮影して得られた画像データをL*a*b*データに変換する手段と、
その変換後の、前記基準色度点の色票パッチの測色データから、前記撮像装置のホワイトバランス性能を評価する指数ωとして、(a*o−aoff)/kaの2乗と(b*o−boff)/kbの2乗との和の平方根を算出する手段と、
を備える画像処理装置。
ただし、a*o,b*oは、それぞれa*,b*方向の測色値、aoff,boffは、撮影用の光源ごとに設定された、それぞれa*,b*方向のオフセット値、ka,kbは、それぞれa*,b*方向の重み付け係数であり、ka+kb=1である。 - 請求項10の画像処理装置において、
色票チャートセットを構成するそれぞれの色票チャートについての評価指数ωを比較して、前記撮像装置の総合的なホワイトバランス性能を評価判定する手段を備える画像処理装置。
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