JP2004112464A - Ask変調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ASK変調回路において、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くするとともに、温度特性を改善する。
【解決手段】AC変換回路で、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去する。LPF回路で、デジタルベースバンド信号から高調波成分を取り除く。直線性補償回路で、デジタルベースバンド信号の波形にプリディストーションをかける。PLL発振器でキャリア信号を発生する。第1温度補償回路で、キャリア信号の出力レベルと出力周波数の温度変動を補償する。第2温度補償回路で、変調オフセット電圧の温度変動を補償する。第3温度補償回路で、変調利得の温度変動を補償する。AC変換回路とLPF回路と直線性補償回路とASK変調回路の間は、交流結合する。プレディストーションをかけたデジタルベースバンド信号により、ASK変調回路でキャリア信号をAM変調する。
【選択図】 図1
【解決手段】AC変換回路で、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去する。LPF回路で、デジタルベースバンド信号から高調波成分を取り除く。直線性補償回路で、デジタルベースバンド信号の波形にプリディストーションをかける。PLL発振器でキャリア信号を発生する。第1温度補償回路で、キャリア信号の出力レベルと出力周波数の温度変動を補償する。第2温度補償回路で、変調オフセット電圧の温度変動を補償する。第3温度補償回路で、変調利得の温度変動を補償する。AC変換回路とLPF回路と直線性補償回路とASK変調回路の間は、交流結合する。プレディストーションをかけたデジタルベースバンド信号により、ASK変調回路でキャリア信号をAM変調する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ASK変調システムに関し、特に、ASK変調した後の高周波信号の占有帯域を狭く制限したASK変調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ASK変調回路は、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する回路である。デジタルベースバンド信号は矩形波であって、高調波成分が多いので、そのまま変調すると、サイドバンドが非常に広くなり、帯域幅が広がり過ぎる。
【0003】
ASK変調後の高周波信号の占有帯域を理論限界まで抑圧するには、ベースバンド信号の高調波を無くす必要がある。例えば、ビットレートが2Mbpsのデジタルベースバンド信号により両側波ASK変調した後の高周波信号の帯域幅を2MHzに制限するためには、デジタルベースバンド信号の成分の最高周波数を1MHzにする必要がある。すなわち、図6(a)のアイパターンを示すデジタルベースバンド信号を帯域制限して、そのアイパターンを図6(b)のようにする必要がある。また、図6(c)のスペクトルを示すデジタルベースバンド信号を帯域制限して、そのスペクトルを図6(d)のようにする必要がある。なお、Aは、ベースバンド信号のビットレートであり、例えば2Mbpsである。
【0004】
理想的に帯域制限されたベースバンド信号のアイパターンは、図6(b)に示すように、時間軸電圧軸ともに完全対称性を有する。このアイパターンを示すベースバンド信号のスペクトルは、図7(a)に示すようになる。この対称性が損なわれたときに、理論限界となる最高周波数以上の高調波成分が含まれる。その場合、図7(b)に示すように、ASK変調後の占有帯域に不要なサイドバンドスプリアスを生じる。理想的には、ASK変調後の高周波信号のスペクトルは、図7(c)に示すようになっていなくてはならない。ASK変調後の高周波信号の包絡線アイパターンは、図7(d)に示すようになっていなくてはならない。なお、fcは、キャリア信号の周波数である。
【0005】
帯域を制限した従来のASK変調システムの例としては、特許文献1に開示された「ASK変調器」がある。これは、ASK変調信号の周波数帯域幅を狭くすることができるASK変調器である。発振手段で、搬送波信号を生成する。帯域フィルタ手段で、入力信号の低周波帯域のみを通過させる。帯域フィルタ手段からの帯域制限信号のレベルに対して線形関係になるように、ASK変調器の変調手段で、発振手段からの搬送波信号の包絡線を変化させる。こうして、入力信号の論理レベルに応じて振幅を変化させたASK変調信号を得る。
【0006】
帯域を制限した従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献3に開示された「ASK変調装置」がある。これは、受動素子を用いることにより、小型低消費電力で、D/U比、占有帯域幅、オン/オフ比などの変調特性を満足できるマイクロ波帯のASK変調装置である。ベースバンド信号は、帯域制限回路により、周波数帯域制限されて出力される。この出力信号の波形は、時間軸に対して滑らかに立ち上がり、そして立ち下がる信号波形となる。駆動回路は、帯域制限回路とASK変調回路との間で、電圧利得が1の緩衝増幅器として動作するので、帯域制限回路の出力電圧波形と等しい出力電圧波形を出力する。ASK変調回路は、駆動回路からの出力信号の電圧により、電界効果トランジスタをオン/オフさせることにより、外部から入力するマイクロ波帯の搬送波を断続させてASK変調(2値ASK)し、所望のASK変調波を出力する。
【0007】
ASK変調システムを小型の装置に用いるための回路としては、PINダイオードによるπ型減衰素子のコントロール電圧としてベースバンド信号を入力する回路や、ベースバンド信号でFETのゲートバイアスを変化させて変調する回路などがある。しかし、両者とも変調特性の直線性が良くなく、変調歪によりサイドバンドが広がり、十分に帯域幅を狭くすることができない。これを避けるために、変調歪を低減する工夫が提案されている。
【0008】
変調歪を補償する従来のASK変調システムの例としては、特許文献4に開示された「ASK変調回路」がある。これは、ASK変調部における変調用素子として、PINダイオードのように非線形特性を持つものを用いた場合でも、変調出力の歪みが生じないようにしたものである。ダイレクトディジタルシンセサイザを用いた波形整形部により、ASK変調部の非線形特性に対して逆特性となる非線形特性によって、変調用の2値信号を波形整形する。この波形整形された信号に基づき、ASK変調部にて振幅変調を行うことにより、変調出力に歪みが生じないようにする。
【0009】
ところで、ASK変調システムの一般的な用途では、デジタルベースバンド信号を連続的に送信する場合より、断続的にバースト伝送する場合の方が多い。デジタルベースバンド信号をバースト伝送するためには、ASK変調システムの全処理段を直流結合することが、通常のASK変調回路では必須である。なぜなら、図8(a)に示すバースト状のデジタルベースバンド信号を交流結合の回路に入力すると、図8(b)、(c)に示すように、バースト伝送を開始する際に、先頭のバーストランインビットに致命的なダメージを与えることになるからである。その結果、図8(d)に示すように、変調後の高周波信号が大きく歪む。そのため、従来のASK変調回路では直流結合にして、各段で直流成分の温度変動を補償している。
【0010】
温度補償を行う従来のASK変調システムの例としては、特許文献2に開示された「温度補償ASK変調器」がある。これは、温度変化に対して安定した特性の安価なASK変調器である。ダイオードを用いてASK変調器を構成すると、温度変化に対して安定した変調特性を得ることができず、高価なガリウム批素スイッチを用いる必要があった。サーミスタを用いた温度補償回路を構成する。高温時には、サーミスタの抵抗値が低下し、低温時には上昇して、ダイオードのアノードに加わる電圧を変化させ、動作点を移動させて、ASK変調器の特性変化を温度補償する。
【0011】
温度補償を行う従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献5に開示された「ASK変調回路」がある。これは、温度が変化しても、常に一定の送信電力が得られるものである。ASK変調回路には、高い線型性とオン/オフ比が要求される。しかし、ピンダイオードを用いたASK変調回路では、ダイオードの障壁電位が温度特性を持つため、ASK変調回路の特性は変化する。このため、所望の隣接チャネル漏洩電力、送信パワー、オン/オフ比などの送信特性を、常に一定にすることは困難である。そこで、2個のピンダイオードで構成されるピンダイオードスイッチの直流バイアスと変調信号直流電位を、温度に応じて独立に制御する。ピンダイオードスイッチの線形性を高めることができる。さらに、2分割した入力信号の位相を変化させて、送信電力を一定に制御する。
【0012】
温度補償を行う従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献6に開示された「ASK変調回路」がある。これは、ASK変調回路から出力されるASK変調波における振幅の温度特性を改善したものである。発振回路からの搬送波を、第1の増幅器に印加する。この第1の増幅器の電源を、スイッチ回路にてデータ信号に応じてオン・オフする。これにより、ASK変調回路においてASK変調波を発生する。周囲温度を検出し、検出した温度値に基づき、第1の増幅器の電源端子に印加される電源電圧値を制御する。電源端子に印加される電源電圧値を、温度に対して変化させることにより、第1の増幅器の利得を変化させる。第1の増幅器から出力されるASK変調波の振幅を、温度変化に対して一定に保持する。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−298540号公報
【特許文献2】
特開平11−331283号公報
【特許文献3】
特開2000−049874号公報
【特許文献4】
特開2000−156714号公報
【特許文献5】
特開2001−094616号公報
【特許文献6】
特開2001−119442号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のASK変調回路では、帯域幅を狭くしようとすると、回路規模が増大して、小型の装置に利用することができないという問題があった。また、小型の装置に利用できるASK変調回路では、温度特性が悪くて、安定に動作しないという問題があった。
【0015】
さらに、バースト伝送を可能にするためには、ASK変調システムの全処理段を直流結合する必要があり、直流成分の温度変動を補償するために、ASK変調回路が複雑になるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、ASK変調回路において、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くするとともに、温度特性を改善することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、ASK変調システムを、入力したデジタルベースバンド信号の直流成分を除去して交流ベースバンド信号を生成する交流変換回路と、交流変換回路から第1交流結合手段を介して交流ベースバンド信号を入力して高調波成分を取り除いて基本波交流ベースバンド信号を生成するLPF回路と、LPF回路から第2交流結合手段を介して基本波交流ベースバンド信号を入力して変調非直線性を補償するためのプリディストーションをかけて変調用ベースバンド信号を生成する直線性補償回路と、キャリア信号を生成するPLL発振器と、キャリア信号を変調用ベースバンド信号で振幅変調するASK変調回路とを具備する構成とした。このように構成したことにより、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くすることができる。
【0018】
また、PLL発振器に、キャリア信号の出力レベルと出力周波数の温度変動を補償する第1温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、キャリア信号の温度特性を改善することができる。
【0019】
また、ASK変調回路に、変調オフセット電圧の温度変動を補償する第2温度補償回路を有する変調バイアス手段を備えた。このように構成したことにより、変調オフセット電圧の温度特性を改善することができる。
【0020】
また、直線性補償回路に、変調利得の温度変動を補償する第3温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、変調利得の温度特性を改善することができる。
【0021】
また、直線性補償回路に、プリディストーションの温度変動を補償する第4温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、プリディストーションの温度特性を改善することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態)
本発明の実施の形態は、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去してから高調波成分を取り除き、プリディストーションして、変調オフセット電圧の温度変動を補償しながら、温度補償したキャリア信号をAM変調するASK変調システムである。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態におけるASK変調システムの回路図である。図1において、AC変換回路1は、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去する回路である。LPF回路2は、デジタルベースバンド信号の高調波成分を除去するローパスフィルタ回路である。直線性補償回路3は、ASK変調回路の変調非直線性をプリディストーションにより補償する回路である。ASK変調回路4は、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する回路である。PLL発振器5は、水晶発振器とPLL回路によりキャリア信号を生成する回路である。
【0025】
第1増幅器6は、増幅度1の3ステートのバッファアンプである。プルアップ抵抗7は、デジタルベースバンド信号の休止期間の電位を2.5Vに保持する手段である。第1交流結合手段8は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。第2増幅器9は、増幅度1のバッファアンプである。可変減衰器10は、デジタルベースバンド信号の振幅を調整する回路である。第2交流結合手段11は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。演算増幅器12は、非反転帰還増幅器を構成するためのアンプである。第3交流結合手段13は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。変調バイアス手段14は、変調オフセット電圧を設定する電圧供給手段である。BPF回路15は、キャリア信号を変調した後の高周波信号から、高調波成分とベースバンド信号成分を除去するハイパスフィルタ回路である。
【0026】
第1温度補償回路16は、キャリア信号のレベルと周波数の温度変動を補償する回路である。第2温度補償回路17は、変調バイアス電圧を温度に応じて変えることにより、変調オフセット電圧の温度変動を補償する回路である。第3温度補償回路18は、ベースバンド信号の振幅を温度に応じて変えることにより、変調利得の温度変動を補償する回路である。第4温度補償回路19は、ダイオードのバイアス電圧と負荷抵抗を温度に応じて変えることにより、ダイオード特性の温度変動を補償する回路である。ダイオード20は、変調特性の非直線性を補償するために、ベースバンド信号の電圧に応じて振幅を圧縮または伸張してプリディストーションをかける素子である。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるAC変換回路の回路図と、AC変換回路の動作を説明する波形図と、デジタルベースバンド信号のアイパターンを示す図である。図3は、ASK変調回路の変調特性を示すグラフである。図4は、直線性補償回路3の回路図である。図5は、ASK変調回路の回路図と、ASK変調回路の動作を示す波形図である。
【0028】
上記のように構成された本発明の実施の形態におけるASK変調システムの動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、ASK変調システムの機能の概略を説明する。ベースバンドデジタル信号のDCオフセットの調整を簡単化するために、ASK変調システムの回路を全て交流結合にする。そのために、デジタルベースバンド信号の直流成分をAC変換回路1で除去する。AC変換回路を用いることにより、間歇的なバースト伝送のためのASK変調が、簡単な回路で実現できる。ベースバンドデジタル信号でキャリア信号をASK変調した後の高周波信号の占有帯域を、理論限界まで近づけるために、ベースバンドデジタル信号の高調波成分を、LPF回路2で取り除く。ASK変調回路4の変調非直線性を補償するために、高調波成分を除去したベースバンドデジタル信号に、直線性補償回路3でプリディストーションをかける。PLL発振器5で、キャリア信号を発生する。変調バイアス手段14から、変調オフセット電圧を供給する。ASK変調回路4により、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する。変調後の高周波信号のON/OFF比(AM変調度)が20dB以上確保されていないと、受信感度に悪影響を及ぼすので、ON/OFF比(AM変調度)は25〜30dBとする。
【0029】
キャリア信号の温度特性を改善するために、PLL発振器5の出力側に設けた第1温度補償回路16で、キャリア信号の出力レベルの温度変動を補償する。変調オフセット電圧の温度特性を改善するために、ASK変調回路4の変調制御入力端子Gcに接続した変調バイアス手段14に設けた第2温度補償回路17で、変調オフセット電圧の温度変動を補償する。変調利得の温度特性を改善するために、直線性補償回路3の帰還抵抗に設けた第3温度補償回路18で、変調利得の温度変動を補償する。プリディストーションの温度特性を改善するために、直線性補償回路3のダイオード20に接続した第4温度補償回路19で、プリディストーションの温度変動を補償する。
【0030】
次に、図1を参照しながら、ASK変調システムの全体的な動作を説明する。ASK変調システムに、デジタルベースバンド信号を入力する。デジタルベースバンド信号は、マーク率が1/2であり、Lレベルが0Vであり、Hレベルが5Vである。断続するバースト的な信号であり、ビットが連続する信号期間と、信号のない休止期間がある。ビットレートは、例えば2Mbpsである。
【0031】
デジタルベースバンド信号を、3ステートの第1増幅器6で増幅する。第1増幅器6の制御端子には、休止期間信号が入力される。休止期間信号は、休止期間はH(5V)であり、信号期間はL(0V)である。第1増幅器6の制御端子にLレベル信号が入力されると、正常に増幅動作を行い、Hレベル信号が入力されると、出力端子がハイインピーダンス(オープン)になる。休止期間には、プルアップ抵抗により、出力端子は2.5Vに保持される。信号期間の出力端子の電位は、入力端子とほぼ同じである。
【0032】
第1増幅器6の出力を、AC結合回路を介して第2増幅器9に入力して増幅した後、LPF回路2(ローパスフィルタ)を通して高調波を除く。各コンポーネント間接続をAC結合にすることにより、各段のDCオフセットの温度ドリフトの影響を無くすことができる。LPF回路2(ローパスフィルタ)の出力信号を可変減衰器10で調整した後、AC結合回路を介して、直線性補償回路3に入力する。直線性補償回路3でベースバンド信号をプリディストーションして、AC結合回路を介して、ASK変調回路4のGc端子に入力する。Gc端子には、変調オフセット電圧に応じたバイアス電圧も印加される。ASK変調回路4のGc端子に印加されるバイアス電圧は、第2温度補償回路17により、変調特性曲線の直線部のほぼ中央にくるように設定される。
【0033】
PLL発振器5でキャリア信号を発生し、第1温度補償回路16を介して、ASK変調回路4に入力する。ASK変調回路4のキャリアON端子には、休止期間信号が入力されるので、データ休止期間には、キャリア信号はOFFになる。ベースバンド信号で変調されたキャリア信号は、BPF回路15(バンドパスフィルタ)を介して、アンテナに供給される。
【0034】
第3に、図2を参照しながら、AC変換回路1について詳しく説明する。ASK変調システムの初段に、図2(a)に示すAC変換回路1を設ける。図2(b)に示すように、デジタルベースバンド信号P1の休止区間のレベルは常にLである。データ入力が開始されると、HレベルとLレベルの状態を繰り返し、有効データとなる。図2(b)に示すデジタルベースバンド信号P1は、休止期間信号P2で制御される3ステートバッファである第1増幅器6に入力される。
【0035】
図2(b)のP1に示すベースバンド信号に含まれる直流成分は、第1増幅器6の出力側において、図2(b)のP3に示すように、完全に2.5Vに固定されるように変換される。図2(b)のP3に示すベースバンド信号は、AC結合回路を通ることにより、図2(b)のP4に示すように、直流成分の無い波形に変換される。データ有効期間のマーク率は1/2に限定されているので、第2増幅器9の入力側では、直流成分が完全に除去された交流波形に変換されている。後段のコンポーネントは交流結合とすることができ、各段のDCオフセットは、最終段を除いて、管理する必要は無くなる。
【0036】
図2(c)に示すようなアイパターンとなる2Mbpsのデジタルベースバンド信号を、LPF回路2に入力する。LPF回路2により、デジタルベースバンド信号の高調波成分を除去して、帯域を基本周波数の1MHzに制限する。LPF回路2を通すことによって、図2(d)に示すような対称アイパターンとなるベースバンド信号に変換される。LPF回路2の具体的な回路は、周知のローパスフィルタと異なるところはないので、省略する。
【0037】
第4に、図3を参照しながら、ASK変調回路のGc対Po特性を補償する方法を説明する。Gc対Po特性は、変調特性の直線性のことである。Gcは、キャリア信号の振幅を制御してAM変調をかけるベースバンド信号入力のことである。変調特性の直線性を補償するために、直線性補償回路3を使用する。具体的には、ダイオード20により、ベースバンド信号にプリディストーションをかける。
【0038】
ASK変調回路4の変調特性のグラフは、図3(a)に示すように、中央部分はほぼ直線であるが、両端部は曲線である。この変調特性のASK変調回路4に正弦波のベースバンド信号を入力して、キャリア信号に変調をかけると、変調後の高周波信号の波形が歪む。ベースバンド信号のH側では、出力信号は圧し縮められ、L側では引き伸ばされる。これを補償するために、ベースバンド信号をあらかじめ変形するプリディストーションをかけておく。ベースバンド信号のH側を伸張し、L側を圧縮しておく。このようにプリディストーションをかけたベースバンド信号を、ASK変調回路4に入力すると、図3(b)に示すように、歪のない高周波信号が得られる。その結果、図3(c)に示すように、変調特性が見かけ上直線になる。ダイオード20の順方向電圧の温度変動は、ダイオードオフセットバイアスを補償する第4温度補償回路19により補償する。ASK変調回路の変調特性曲線の傾き(変調利得)の温度変化は、直線性補償回路3の第3温度補償回路18によって補償する。
【0039】
ON/OFF比(AM変調度)の温度変動は、ASK変調回路4のカットオフ点の温度変動に合わせて、ベースバンド信号のL区間のレベルを変えるように、変調バイアス電圧を変化させることで、第2温度補償回路17により補償できる。温度によらず一定のAM変調度を維持するためには、高温側でベースバンド信号の振幅レベルを上げる。さらに、H側の電位を常温より上げ、L側の電位を常温より下げる。低温側では、この逆の操作を行う。変調後の高周波信号のH区間(ベースバンド信号がHである区間)のピークレベルの温度変動は、キャリア信号の振幅を、変調特性の温度特性に応じて変化させることで、第1温度補償回路16により補償できる。ASK変調回路は、前段と直流的に隔離されているために、ASK変調回路に付加した温度補償回路により、独立に温度補償できる。
【0040】
第5に、図4を参照しながら、直線性補償回路3について詳しく説明する。図4に示す直線性補償回路3は、非反転帰還増幅器の帰還素子に非直線素子を付加して、積極的に波形を歪ませることにより、後段のASK変調回路の変調特性の非直線性を補正するものである。具体的には、図4の直線性補償回路3において、ベースバンド信号Q1が、例えば−2.5Vより高い場合に、ダイオード20がONになり、非反転帰還増幅器の増幅度が大きくなり、高い電圧側(すなわちH側)の波形が伸張される。ベースバンド信号Q1が、例えば−2.5Vより低い場合には、ダイオード20がOFFになり、非反転帰還増幅器の増幅度が小さくなり、低い電圧側(すなわちL側)の波形が圧縮される。その結果、直線性補償回路3の出力波形は、図4のQ2となる。直線性補償回路3は交流結合となっているので、DCオフセットの温度変動を気にする必要はない。ダイオード20の順方向電圧の温度変動は、第4温度補償回路19によって補償する。ASK変調回路の変調利得の温度変動は、第3温度補償回路18によって補償する。
【0041】
第6に、図5を参照しながら、ASK変調回路4について説明する。図5(a)に、ASK変調回路4の一例を示す。ベースバンド信号S1(図5(b))を入力して、バッファアンプで増幅し、FETのドレインに供給する。水晶振動子を用いる発振回路の出力信号を基準信号とするPLL回路により、所望の周波数のキャリア信号S2(図5(c))を生成する。キャリア周波数は、例えば5.8GHzである。図5(a)には示していないが、キャリア信号の出力レベルの温度変動は、図1に示したように、ASK変調回路4との接続インタフェースに設けられた第1温度補償回路16により補償する。キャリア信号S2を、FETのゲートに印加する。FETのドレインには、ベースバンド信号S1とキャリア信号S2の積の信号S3(図5(d))が発生する。この信号S3を、バンドパスフィルタに通すことで、変調された高周波信号S4(図5(e))が得られる。図5(d)に示す波形の包絡線は、時間軸に対しても電圧軸に対しても対称性が維持されている。図5(a)に示したASK変調回路は一例であり、AM変調回路であれば、その他のアナログ乗算回路でも何でも利用可能である。
【0042】
このようにして、簡単な回路で、限界まで帯域制限をかけることができ、極めて直線性が良く、温度変化に対して安定な変調特性を持つ理想的なASK変調システムが実現できる。
【0043】
上記のように、本発明の実施の形態では、ASK変調システムを、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去してから高調波成分を取り除き、プリディストーションして、変調オフセット電圧の温度変動を補償しながら、温度補償したキャリア信号をAM変調する構成としたので、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くするとともに、温度特性を改善することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、ASK変調システムを、入力したデジタルベースバンド信号の直流成分を除去して交流ベースバンド信号を生成するAC変換回路と、AC変換回路から第1交流結合手段を介して交流ベースバンド信号を入力して高調波成分を取り除いて基本波交流ベースバンド信号を生成するLPF回路と、LPF回路から第2交流結合手段を介して基本波交流ベースバンド信号を入力して変調非直線性を補償するためのプリディストーションをかけて変調用ベースバンド信号を生成する直線性補償回路と、キャリア信号を生成するPLL発振器と、キャリア信号を変調用ベースバンド信号で振幅変調するASK変調回路とを具備する構成としたので、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるASK変調システムの回路図、
【図2】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるAC変換回路の回路図と、AC変換回路の動作を説明する波形図と、デジタルベースバンド信号のアイパターンを示す図、
【図3】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるASK変調回路の変調特性を示すグラフ、
【図4】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いる直線性補償回路を示す図、
【図5】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるASK変調回路の回路図と、ASK変調回路の動作を示す波形図、
【図6】従来のベースバンド信号のアイパターンとスペクトルを示す図、
【図7】従来の変調された高周波信号のスペクトルとアイパターンを示す図、
【図8】従来のAC結合したデジタルベースバンド信号と、それにより変調された信号を示す図である。
【符号の説明】
1 AC変換回路
2 LPF回路
3 直線性補償回路
4 ASK変調回路
5 PLL発振器
6 第1増幅器
7 プルアップ抵抗
8 第1交流結合手段
9 第2増幅器
10 可変減衰器
11 第2交流結合手段
12 演算増幅器
13 第3交流結合手段
14 変調バイアス手段
15 BPF回路
16 第1温度補償回路
17 第2温度補償回路
18 第3温度補償回路
19 第4温度補償回路
20 ダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、ASK変調システムに関し、特に、ASK変調した後の高周波信号の占有帯域を狭く制限したASK変調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ASK変調回路は、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する回路である。デジタルベースバンド信号は矩形波であって、高調波成分が多いので、そのまま変調すると、サイドバンドが非常に広くなり、帯域幅が広がり過ぎる。
【0003】
ASK変調後の高周波信号の占有帯域を理論限界まで抑圧するには、ベースバンド信号の高調波を無くす必要がある。例えば、ビットレートが2Mbpsのデジタルベースバンド信号により両側波ASK変調した後の高周波信号の帯域幅を2MHzに制限するためには、デジタルベースバンド信号の成分の最高周波数を1MHzにする必要がある。すなわち、図6(a)のアイパターンを示すデジタルベースバンド信号を帯域制限して、そのアイパターンを図6(b)のようにする必要がある。また、図6(c)のスペクトルを示すデジタルベースバンド信号を帯域制限して、そのスペクトルを図6(d)のようにする必要がある。なお、Aは、ベースバンド信号のビットレートであり、例えば2Mbpsである。
【0004】
理想的に帯域制限されたベースバンド信号のアイパターンは、図6(b)に示すように、時間軸電圧軸ともに完全対称性を有する。このアイパターンを示すベースバンド信号のスペクトルは、図7(a)に示すようになる。この対称性が損なわれたときに、理論限界となる最高周波数以上の高調波成分が含まれる。その場合、図7(b)に示すように、ASK変調後の占有帯域に不要なサイドバンドスプリアスを生じる。理想的には、ASK変調後の高周波信号のスペクトルは、図7(c)に示すようになっていなくてはならない。ASK変調後の高周波信号の包絡線アイパターンは、図7(d)に示すようになっていなくてはならない。なお、fcは、キャリア信号の周波数である。
【0005】
帯域を制限した従来のASK変調システムの例としては、特許文献1に開示された「ASK変調器」がある。これは、ASK変調信号の周波数帯域幅を狭くすることができるASK変調器である。発振手段で、搬送波信号を生成する。帯域フィルタ手段で、入力信号の低周波帯域のみを通過させる。帯域フィルタ手段からの帯域制限信号のレベルに対して線形関係になるように、ASK変調器の変調手段で、発振手段からの搬送波信号の包絡線を変化させる。こうして、入力信号の論理レベルに応じて振幅を変化させたASK変調信号を得る。
【0006】
帯域を制限した従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献3に開示された「ASK変調装置」がある。これは、受動素子を用いることにより、小型低消費電力で、D/U比、占有帯域幅、オン/オフ比などの変調特性を満足できるマイクロ波帯のASK変調装置である。ベースバンド信号は、帯域制限回路により、周波数帯域制限されて出力される。この出力信号の波形は、時間軸に対して滑らかに立ち上がり、そして立ち下がる信号波形となる。駆動回路は、帯域制限回路とASK変調回路との間で、電圧利得が1の緩衝増幅器として動作するので、帯域制限回路の出力電圧波形と等しい出力電圧波形を出力する。ASK変調回路は、駆動回路からの出力信号の電圧により、電界効果トランジスタをオン/オフさせることにより、外部から入力するマイクロ波帯の搬送波を断続させてASK変調(2値ASK)し、所望のASK変調波を出力する。
【0007】
ASK変調システムを小型の装置に用いるための回路としては、PINダイオードによるπ型減衰素子のコントロール電圧としてベースバンド信号を入力する回路や、ベースバンド信号でFETのゲートバイアスを変化させて変調する回路などがある。しかし、両者とも変調特性の直線性が良くなく、変調歪によりサイドバンドが広がり、十分に帯域幅を狭くすることができない。これを避けるために、変調歪を低減する工夫が提案されている。
【0008】
変調歪を補償する従来のASK変調システムの例としては、特許文献4に開示された「ASK変調回路」がある。これは、ASK変調部における変調用素子として、PINダイオードのように非線形特性を持つものを用いた場合でも、変調出力の歪みが生じないようにしたものである。ダイレクトディジタルシンセサイザを用いた波形整形部により、ASK変調部の非線形特性に対して逆特性となる非線形特性によって、変調用の2値信号を波形整形する。この波形整形された信号に基づき、ASK変調部にて振幅変調を行うことにより、変調出力に歪みが生じないようにする。
【0009】
ところで、ASK変調システムの一般的な用途では、デジタルベースバンド信号を連続的に送信する場合より、断続的にバースト伝送する場合の方が多い。デジタルベースバンド信号をバースト伝送するためには、ASK変調システムの全処理段を直流結合することが、通常のASK変調回路では必須である。なぜなら、図8(a)に示すバースト状のデジタルベースバンド信号を交流結合の回路に入力すると、図8(b)、(c)に示すように、バースト伝送を開始する際に、先頭のバーストランインビットに致命的なダメージを与えることになるからである。その結果、図8(d)に示すように、変調後の高周波信号が大きく歪む。そのため、従来のASK変調回路では直流結合にして、各段で直流成分の温度変動を補償している。
【0010】
温度補償を行う従来のASK変調システムの例としては、特許文献2に開示された「温度補償ASK変調器」がある。これは、温度変化に対して安定した特性の安価なASK変調器である。ダイオードを用いてASK変調器を構成すると、温度変化に対して安定した変調特性を得ることができず、高価なガリウム批素スイッチを用いる必要があった。サーミスタを用いた温度補償回路を構成する。高温時には、サーミスタの抵抗値が低下し、低温時には上昇して、ダイオードのアノードに加わる電圧を変化させ、動作点を移動させて、ASK変調器の特性変化を温度補償する。
【0011】
温度補償を行う従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献5に開示された「ASK変調回路」がある。これは、温度が変化しても、常に一定の送信電力が得られるものである。ASK変調回路には、高い線型性とオン/オフ比が要求される。しかし、ピンダイオードを用いたASK変調回路では、ダイオードの障壁電位が温度特性を持つため、ASK変調回路の特性は変化する。このため、所望の隣接チャネル漏洩電力、送信パワー、オン/オフ比などの送信特性を、常に一定にすることは困難である。そこで、2個のピンダイオードで構成されるピンダイオードスイッチの直流バイアスと変調信号直流電位を、温度に応じて独立に制御する。ピンダイオードスイッチの線形性を高めることができる。さらに、2分割した入力信号の位相を変化させて、送信電力を一定に制御する。
【0012】
温度補償を行う従来のASK変調システムの他の例としては、特許文献6に開示された「ASK変調回路」がある。これは、ASK変調回路から出力されるASK変調波における振幅の温度特性を改善したものである。発振回路からの搬送波を、第1の増幅器に印加する。この第1の増幅器の電源を、スイッチ回路にてデータ信号に応じてオン・オフする。これにより、ASK変調回路においてASK変調波を発生する。周囲温度を検出し、検出した温度値に基づき、第1の増幅器の電源端子に印加される電源電圧値を制御する。電源端子に印加される電源電圧値を、温度に対して変化させることにより、第1の増幅器の利得を変化させる。第1の増幅器から出力されるASK変調波の振幅を、温度変化に対して一定に保持する。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−298540号公報
【特許文献2】
特開平11−331283号公報
【特許文献3】
特開2000−049874号公報
【特許文献4】
特開2000−156714号公報
【特許文献5】
特開2001−094616号公報
【特許文献6】
特開2001−119442号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のASK変調回路では、帯域幅を狭くしようとすると、回路規模が増大して、小型の装置に利用することができないという問題があった。また、小型の装置に利用できるASK変調回路では、温度特性が悪くて、安定に動作しないという問題があった。
【0015】
さらに、バースト伝送を可能にするためには、ASK変調システムの全処理段を直流結合する必要があり、直流成分の温度変動を補償するために、ASK変調回路が複雑になるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、ASK変調回路において、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くするとともに、温度特性を改善することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、ASK変調システムを、入力したデジタルベースバンド信号の直流成分を除去して交流ベースバンド信号を生成する交流変換回路と、交流変換回路から第1交流結合手段を介して交流ベースバンド信号を入力して高調波成分を取り除いて基本波交流ベースバンド信号を生成するLPF回路と、LPF回路から第2交流結合手段を介して基本波交流ベースバンド信号を入力して変調非直線性を補償するためのプリディストーションをかけて変調用ベースバンド信号を生成する直線性補償回路と、キャリア信号を生成するPLL発振器と、キャリア信号を変調用ベースバンド信号で振幅変調するASK変調回路とを具備する構成とした。このように構成したことにより、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くすることができる。
【0018】
また、PLL発振器に、キャリア信号の出力レベルと出力周波数の温度変動を補償する第1温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、キャリア信号の温度特性を改善することができる。
【0019】
また、ASK変調回路に、変調オフセット電圧の温度変動を補償する第2温度補償回路を有する変調バイアス手段を備えた。このように構成したことにより、変調オフセット電圧の温度特性を改善することができる。
【0020】
また、直線性補償回路に、変調利得の温度変動を補償する第3温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、変調利得の温度特性を改善することができる。
【0021】
また、直線性補償回路に、プリディストーションの温度変動を補償する第4温度補償回路を備えた。このように構成したことにより、プリディストーションの温度特性を改善することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態)
本発明の実施の形態は、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去してから高調波成分を取り除き、プリディストーションして、変調オフセット電圧の温度変動を補償しながら、温度補償したキャリア信号をAM変調するASK変調システムである。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態におけるASK変調システムの回路図である。図1において、AC変換回路1は、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去する回路である。LPF回路2は、デジタルベースバンド信号の高調波成分を除去するローパスフィルタ回路である。直線性補償回路3は、ASK変調回路の変調非直線性をプリディストーションにより補償する回路である。ASK変調回路4は、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する回路である。PLL発振器5は、水晶発振器とPLL回路によりキャリア信号を生成する回路である。
【0025】
第1増幅器6は、増幅度1の3ステートのバッファアンプである。プルアップ抵抗7は、デジタルベースバンド信号の休止期間の電位を2.5Vに保持する手段である。第1交流結合手段8は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。第2増幅器9は、増幅度1のバッファアンプである。可変減衰器10は、デジタルベースバンド信号の振幅を調整する回路である。第2交流結合手段11は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。演算増幅器12は、非反転帰還増幅器を構成するためのアンプである。第3交流結合手段13は、デジタルベースバンド信号の直流分を阻止するためのコンデンサである。変調バイアス手段14は、変調オフセット電圧を設定する電圧供給手段である。BPF回路15は、キャリア信号を変調した後の高周波信号から、高調波成分とベースバンド信号成分を除去するハイパスフィルタ回路である。
【0026】
第1温度補償回路16は、キャリア信号のレベルと周波数の温度変動を補償する回路である。第2温度補償回路17は、変調バイアス電圧を温度に応じて変えることにより、変調オフセット電圧の温度変動を補償する回路である。第3温度補償回路18は、ベースバンド信号の振幅を温度に応じて変えることにより、変調利得の温度変動を補償する回路である。第4温度補償回路19は、ダイオードのバイアス電圧と負荷抵抗を温度に応じて変えることにより、ダイオード特性の温度変動を補償する回路である。ダイオード20は、変調特性の非直線性を補償するために、ベースバンド信号の電圧に応じて振幅を圧縮または伸張してプリディストーションをかける素子である。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるAC変換回路の回路図と、AC変換回路の動作を説明する波形図と、デジタルベースバンド信号のアイパターンを示す図である。図3は、ASK変調回路の変調特性を示すグラフである。図4は、直線性補償回路3の回路図である。図5は、ASK変調回路の回路図と、ASK変調回路の動作を示す波形図である。
【0028】
上記のように構成された本発明の実施の形態におけるASK変調システムの動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、ASK変調システムの機能の概略を説明する。ベースバンドデジタル信号のDCオフセットの調整を簡単化するために、ASK変調システムの回路を全て交流結合にする。そのために、デジタルベースバンド信号の直流成分をAC変換回路1で除去する。AC変換回路を用いることにより、間歇的なバースト伝送のためのASK変調が、簡単な回路で実現できる。ベースバンドデジタル信号でキャリア信号をASK変調した後の高周波信号の占有帯域を、理論限界まで近づけるために、ベースバンドデジタル信号の高調波成分を、LPF回路2で取り除く。ASK変調回路4の変調非直線性を補償するために、高調波成分を除去したベースバンドデジタル信号に、直線性補償回路3でプリディストーションをかける。PLL発振器5で、キャリア信号を発生する。変調バイアス手段14から、変調オフセット電圧を供給する。ASK変調回路4により、デジタルベースバンド信号でキャリア信号を振幅変調する。変調後の高周波信号のON/OFF比(AM変調度)が20dB以上確保されていないと、受信感度に悪影響を及ぼすので、ON/OFF比(AM変調度)は25〜30dBとする。
【0029】
キャリア信号の温度特性を改善するために、PLL発振器5の出力側に設けた第1温度補償回路16で、キャリア信号の出力レベルの温度変動を補償する。変調オフセット電圧の温度特性を改善するために、ASK変調回路4の変調制御入力端子Gcに接続した変調バイアス手段14に設けた第2温度補償回路17で、変調オフセット電圧の温度変動を補償する。変調利得の温度特性を改善するために、直線性補償回路3の帰還抵抗に設けた第3温度補償回路18で、変調利得の温度変動を補償する。プリディストーションの温度特性を改善するために、直線性補償回路3のダイオード20に接続した第4温度補償回路19で、プリディストーションの温度変動を補償する。
【0030】
次に、図1を参照しながら、ASK変調システムの全体的な動作を説明する。ASK変調システムに、デジタルベースバンド信号を入力する。デジタルベースバンド信号は、マーク率が1/2であり、Lレベルが0Vであり、Hレベルが5Vである。断続するバースト的な信号であり、ビットが連続する信号期間と、信号のない休止期間がある。ビットレートは、例えば2Mbpsである。
【0031】
デジタルベースバンド信号を、3ステートの第1増幅器6で増幅する。第1増幅器6の制御端子には、休止期間信号が入力される。休止期間信号は、休止期間はH(5V)であり、信号期間はL(0V)である。第1増幅器6の制御端子にLレベル信号が入力されると、正常に増幅動作を行い、Hレベル信号が入力されると、出力端子がハイインピーダンス(オープン)になる。休止期間には、プルアップ抵抗により、出力端子は2.5Vに保持される。信号期間の出力端子の電位は、入力端子とほぼ同じである。
【0032】
第1増幅器6の出力を、AC結合回路を介して第2増幅器9に入力して増幅した後、LPF回路2(ローパスフィルタ)を通して高調波を除く。各コンポーネント間接続をAC結合にすることにより、各段のDCオフセットの温度ドリフトの影響を無くすことができる。LPF回路2(ローパスフィルタ)の出力信号を可変減衰器10で調整した後、AC結合回路を介して、直線性補償回路3に入力する。直線性補償回路3でベースバンド信号をプリディストーションして、AC結合回路を介して、ASK変調回路4のGc端子に入力する。Gc端子には、変調オフセット電圧に応じたバイアス電圧も印加される。ASK変調回路4のGc端子に印加されるバイアス電圧は、第2温度補償回路17により、変調特性曲線の直線部のほぼ中央にくるように設定される。
【0033】
PLL発振器5でキャリア信号を発生し、第1温度補償回路16を介して、ASK変調回路4に入力する。ASK変調回路4のキャリアON端子には、休止期間信号が入力されるので、データ休止期間には、キャリア信号はOFFになる。ベースバンド信号で変調されたキャリア信号は、BPF回路15(バンドパスフィルタ)を介して、アンテナに供給される。
【0034】
第3に、図2を参照しながら、AC変換回路1について詳しく説明する。ASK変調システムの初段に、図2(a)に示すAC変換回路1を設ける。図2(b)に示すように、デジタルベースバンド信号P1の休止区間のレベルは常にLである。データ入力が開始されると、HレベルとLレベルの状態を繰り返し、有効データとなる。図2(b)に示すデジタルベースバンド信号P1は、休止期間信号P2で制御される3ステートバッファである第1増幅器6に入力される。
【0035】
図2(b)のP1に示すベースバンド信号に含まれる直流成分は、第1増幅器6の出力側において、図2(b)のP3に示すように、完全に2.5Vに固定されるように変換される。図2(b)のP3に示すベースバンド信号は、AC結合回路を通ることにより、図2(b)のP4に示すように、直流成分の無い波形に変換される。データ有効期間のマーク率は1/2に限定されているので、第2増幅器9の入力側では、直流成分が完全に除去された交流波形に変換されている。後段のコンポーネントは交流結合とすることができ、各段のDCオフセットは、最終段を除いて、管理する必要は無くなる。
【0036】
図2(c)に示すようなアイパターンとなる2Mbpsのデジタルベースバンド信号を、LPF回路2に入力する。LPF回路2により、デジタルベースバンド信号の高調波成分を除去して、帯域を基本周波数の1MHzに制限する。LPF回路2を通すことによって、図2(d)に示すような対称アイパターンとなるベースバンド信号に変換される。LPF回路2の具体的な回路は、周知のローパスフィルタと異なるところはないので、省略する。
【0037】
第4に、図3を参照しながら、ASK変調回路のGc対Po特性を補償する方法を説明する。Gc対Po特性は、変調特性の直線性のことである。Gcは、キャリア信号の振幅を制御してAM変調をかけるベースバンド信号入力のことである。変調特性の直線性を補償するために、直線性補償回路3を使用する。具体的には、ダイオード20により、ベースバンド信号にプリディストーションをかける。
【0038】
ASK変調回路4の変調特性のグラフは、図3(a)に示すように、中央部分はほぼ直線であるが、両端部は曲線である。この変調特性のASK変調回路4に正弦波のベースバンド信号を入力して、キャリア信号に変調をかけると、変調後の高周波信号の波形が歪む。ベースバンド信号のH側では、出力信号は圧し縮められ、L側では引き伸ばされる。これを補償するために、ベースバンド信号をあらかじめ変形するプリディストーションをかけておく。ベースバンド信号のH側を伸張し、L側を圧縮しておく。このようにプリディストーションをかけたベースバンド信号を、ASK変調回路4に入力すると、図3(b)に示すように、歪のない高周波信号が得られる。その結果、図3(c)に示すように、変調特性が見かけ上直線になる。ダイオード20の順方向電圧の温度変動は、ダイオードオフセットバイアスを補償する第4温度補償回路19により補償する。ASK変調回路の変調特性曲線の傾き(変調利得)の温度変化は、直線性補償回路3の第3温度補償回路18によって補償する。
【0039】
ON/OFF比(AM変調度)の温度変動は、ASK変調回路4のカットオフ点の温度変動に合わせて、ベースバンド信号のL区間のレベルを変えるように、変調バイアス電圧を変化させることで、第2温度補償回路17により補償できる。温度によらず一定のAM変調度を維持するためには、高温側でベースバンド信号の振幅レベルを上げる。さらに、H側の電位を常温より上げ、L側の電位を常温より下げる。低温側では、この逆の操作を行う。変調後の高周波信号のH区間(ベースバンド信号がHである区間)のピークレベルの温度変動は、キャリア信号の振幅を、変調特性の温度特性に応じて変化させることで、第1温度補償回路16により補償できる。ASK変調回路は、前段と直流的に隔離されているために、ASK変調回路に付加した温度補償回路により、独立に温度補償できる。
【0040】
第5に、図4を参照しながら、直線性補償回路3について詳しく説明する。図4に示す直線性補償回路3は、非反転帰還増幅器の帰還素子に非直線素子を付加して、積極的に波形を歪ませることにより、後段のASK変調回路の変調特性の非直線性を補正するものである。具体的には、図4の直線性補償回路3において、ベースバンド信号Q1が、例えば−2.5Vより高い場合に、ダイオード20がONになり、非反転帰還増幅器の増幅度が大きくなり、高い電圧側(すなわちH側)の波形が伸張される。ベースバンド信号Q1が、例えば−2.5Vより低い場合には、ダイオード20がOFFになり、非反転帰還増幅器の増幅度が小さくなり、低い電圧側(すなわちL側)の波形が圧縮される。その結果、直線性補償回路3の出力波形は、図4のQ2となる。直線性補償回路3は交流結合となっているので、DCオフセットの温度変動を気にする必要はない。ダイオード20の順方向電圧の温度変動は、第4温度補償回路19によって補償する。ASK変調回路の変調利得の温度変動は、第3温度補償回路18によって補償する。
【0041】
第6に、図5を参照しながら、ASK変調回路4について説明する。図5(a)に、ASK変調回路4の一例を示す。ベースバンド信号S1(図5(b))を入力して、バッファアンプで増幅し、FETのドレインに供給する。水晶振動子を用いる発振回路の出力信号を基準信号とするPLL回路により、所望の周波数のキャリア信号S2(図5(c))を生成する。キャリア周波数は、例えば5.8GHzである。図5(a)には示していないが、キャリア信号の出力レベルの温度変動は、図1に示したように、ASK変調回路4との接続インタフェースに設けられた第1温度補償回路16により補償する。キャリア信号S2を、FETのゲートに印加する。FETのドレインには、ベースバンド信号S1とキャリア信号S2の積の信号S3(図5(d))が発生する。この信号S3を、バンドパスフィルタに通すことで、変調された高周波信号S4(図5(e))が得られる。図5(d)に示す波形の包絡線は、時間軸に対しても電圧軸に対しても対称性が維持されている。図5(a)に示したASK変調回路は一例であり、AM変調回路であれば、その他のアナログ乗算回路でも何でも利用可能である。
【0042】
このようにして、簡単な回路で、限界まで帯域制限をかけることができ、極めて直線性が良く、温度変化に対して安定な変調特性を持つ理想的なASK変調システムが実現できる。
【0043】
上記のように、本発明の実施の形態では、ASK変調システムを、デジタルベースバンド信号の直流成分を除去してから高調波成分を取り除き、プリディストーションして、変調オフセット電圧の温度変動を補償しながら、温度補償したキャリア信号をAM変調する構成としたので、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くするとともに、温度特性を改善することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、ASK変調システムを、入力したデジタルベースバンド信号の直流成分を除去して交流ベースバンド信号を生成するAC変換回路と、AC変換回路から第1交流結合手段を介して交流ベースバンド信号を入力して高調波成分を取り除いて基本波交流ベースバンド信号を生成するLPF回路と、LPF回路から第2交流結合手段を介して基本波交流ベースバンド信号を入力して変調非直線性を補償するためのプリディストーションをかけて変調用ベースバンド信号を生成する直線性補償回路と、キャリア信号を生成するPLL発振器と、キャリア信号を変調用ベースバンド信号で振幅変調するASK変調回路とを具備する構成としたので、簡単な回路で帯域幅を極限まで狭くすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるASK変調システムの回路図、
【図2】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるAC変換回路の回路図と、AC変換回路の動作を説明する波形図と、デジタルベースバンド信号のアイパターンを示す図、
【図3】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるASK変調回路の変調特性を示すグラフ、
【図4】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いる直線性補償回路を示す図、
【図5】本発明の実施の形態におけるASK変調システムで用いるASK変調回路の回路図と、ASK変調回路の動作を示す波形図、
【図6】従来のベースバンド信号のアイパターンとスペクトルを示す図、
【図7】従来の変調された高周波信号のスペクトルとアイパターンを示す図、
【図8】従来のAC結合したデジタルベースバンド信号と、それにより変調された信号を示す図である。
【符号の説明】
1 AC変換回路
2 LPF回路
3 直線性補償回路
4 ASK変調回路
5 PLL発振器
6 第1増幅器
7 プルアップ抵抗
8 第1交流結合手段
9 第2増幅器
10 可変減衰器
11 第2交流結合手段
12 演算増幅器
13 第3交流結合手段
14 変調バイアス手段
15 BPF回路
16 第1温度補償回路
17 第2温度補償回路
18 第3温度補償回路
19 第4温度補償回路
20 ダイオード
Claims (5)
- 入力したデジタルベースバンド信号の直流成分を除去して交流ベースバンド信号を生成する交流変換回路と、前記交流変換回路から第1交流結合手段を介して前記交流ベースバンド信号を入力して高調波成分を取り除いて基本波交流ベースバンド信号を生成するLPF回路と、前記LPF回路から第2交流結合手段を介して前記基本波交流ベースバンド信号を入力して変調非直線性を補償するためのプリディストーションをかけて変調用ベースバンド信号を生成する直線性補償回路と、キャリア信号を生成するPLL発振器と、前記キャリア信号を前記変調用ベースバンド信号で振幅変調するASK変調回路とを具備することを特徴とするASK変調システム。
- 前記PLL発振器に、前記キャリア信号の出力レベルと出力周波数の温度変動を補償する第1温度補償回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のASK変調システム。
- 前記ASK変調回路に、変調オフセット電圧の温度変動を補償する第2温度補償回路を有する変調バイアス手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のASK変調システム。
- 前記直線性補償回路に、変調利得の温度変動を補償する第3温度補償回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のASK変調システム。
- 前記直線性補償回路に、前記プリディストーションの温度変動を補償する第4温度補償回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のASK変調システム。
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- 2002-09-19 JP JP2002273503A patent/JP2004112464A/ja active Pending
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