JP2004106127A - 螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンチ体1の被嵌部2に被嵌される断面多角形状部3Aを具備したナットやボルトなどの螺着体であって、この螺着体3の断面多角形状部3Aの周面には前記レンチ体1の被嵌部2に設けられる係止部4に係合する係合部5が設けられたものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットやボルトなどの螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ナットやボルトなどの螺着体を回動する作業、例えば自動車のタイヤ交換時に、タイヤのホイール部を止着する為の螺着体としてのナットを締め付けたり、緩めたりしようとした際、このナットを強引に回動させようとして該ナット(断面多角形状部)の角部を削ってしまう(所謂なめてしまう)事が往々に生じているが、この角部が削られてしまったナットを十分に締め付けたり緩めたりするのは至難の業であり、このような場合には専門の業者に頼らざるを得ない(ナットの角部が削れてしまい十分な締め付けが行われず、走行中にタイヤが外れるという大事故につながった事例も報告されている。)。
【0003】
本出願人は、上述した問題点に着目し、例えばレンチ体による回動作業時に断面多角形状部の角部を削ってしまったりすることが可及的に防止され、レンチ体の回動力を確実に伝えて良好に回動させることができる極めて商品価値の高い画期的な螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体を開発した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0005】
レンチ体1の被嵌部2に被嵌される断面多角形状部3Aを具備したナットやボルトなどの螺着体であって、この螺着体3の断面多角形状部3Aの周面には前記レンチ体1の被嵌部2に設けられる係止部4に係合する係合部5が設けられていることを特徴とする螺着体に係るものである。
【0006】
また、前記螺着体3の断面多角形状部3Aの周面に、回動方向と直交する軸線方向に長さを有する凹条部5aを設けて前記係合部5を構成したことを特徴とする請求項1記載の螺着体に係るものである。
【0007】
また、前記係合部5を構成する凹条部5aは底部が凹湾曲した構成であることを特徴とする請求項2記載の螺着体に係るものである。
【0008】
また、前記断面多角形状部3Aの周面各辺面に前記係合部5を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の螺着体に係るものである。
【0009】
また、前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の螺着体を回動する為のレンチ体であって、前記螺着体3の断面多角形状部3Aに設けられた係合部5に係合する係止部4を前記断面多角形状部3Aに被嵌される被嵌部2の内面に設けたことを特徴とするレンチ体に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0011】
本発明は、螺着体3を回動する作業(締め付け回動、緩め回動)に際し、螺着体3の断面多角形状部3Aにレンチ体1の被嵌部2を被嵌させて行う。
【0012】
この際、レンチ体1の被嵌部2に設けられる係止部4に係合する係合部5が螺着体3の断面多角形状部3Aの周面に形成されており、この係止部4と係合部5との係合によりレンチ体1の回動力が確実に螺着体3に伝わり、断面多角形状部3Aの角部を削ってしまう(なめてしまう)ようなことなく良好な回動が達成される。
【0013】
具体的には、従来から提案される螺着体の角部が削られてしまうのは、もっぱらレンチ体の回動力を角部(一部分)で受ける構造だからであり、例えば度重なる使用や劣化(金属疲労)によって生じるのは勿論、螺着体の外径に合わない被嵌部のレンチ体を使用したり、或いは、螺着体に対して被嵌部が傾いた状態(完全に合致していない中途半端な状態)で被嵌されたまま回動させるなど、作業を急ぐあまり、より角部への負担が大きくなる状態で作業を行う作業者の不注意によって生じるケースも多い。
【0014】
この点、本発明は、レンチ体1の回動力が断面多角形状部3Aの周面に設けた係合部5に作用することで、レンチ体1の回動力は断面多角形状部3Aの角部だけでなく周面(面)でも受けることになるから、従来のようにレンチ体の回動力が角部(一部分)だけに集中して角部が削れたり(なめたり)するようなことはなく、螺着体3全体に伝達されて確実に回動させることができることになり、しかも、この係合部5に対してレンチ体1の被嵌部2に設けられる係止部4が係合することが、螺着体3に対してレンチ体1の被嵌部2が良好な状態で被嵌されている(螺着体3を回動させるに最適な被嵌状態である)ことを意味することにもなるから、作業者は螺着体3の断面多角形状部3Aの角部を削ってしまう心配をすることなく、常に安心して回動作業が迅速且つ良好に行えることになる。
【0015】
また、螺着体3の断面多角形状部3Aの周面に、回動方向と直交する軸線方向に長さを有する凹条部5aを設けて前記係合部5を構成した場合には、レンチ体1に設けられた係止部4に点でなく線で確実に係止してレンチ体1の回動力が効率良く伝達されることになる。
【0016】
また、係合部5を構成する凹条部5aを底部が凹湾曲する構成とした場合には、レンチ体1の被嵌部2の係止部4に対する広い接触面積が得られ、それだけレンチ体1の回動力が効率良く伝達されることになり、しかも、製造時には極めて精度が出し易く量産性にも秀れることにもなる。
【0017】
また、断面多角形状部3Aの周面各辺面に係合部5を設けた場合には、より一層効率良くレンチ体1の回動力が全体に伝達されることになり、しかも、レンチ体1の被嵌部2を被嵌させる為の方向性が生じたりせず極めて作業性が良い。
【0018】
また、螺着体3の断面多角形状部3Aに設けられる係合部5に係合する係止部4が断面多角形状部3Aに被嵌される被嵌部2の内面に設けた場合には、断面多角形状部3Aの周面に係合部5が設けられた螺着体3を回動するレンチ体1として最適となる。
【0019】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
本実施例は、レンチ体1の被嵌部2に被嵌される断面多角形状部3Aを具備したナットやボルトなどの螺着体3である。
【0021】
具体的には、本実施例では、螺着体3として、図1に図示したように適宜な金属製の部材を形成したものであり、内方に雌ネジ孔3Bを有し、外方に六個の角部3aとこの角部3a夫々の間に位置する六個の平坦面3b(周辺面)とから成る断面六角形状部3Aを具備したナットを採用している。尚、断面多角形状部3としては六角形状に限らず、例えば四角形状など本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用するものである。
【0022】
また、螺着体3は、その各平坦面3b夫々の中央部に回動方向と直交する軸線方向に長さを有し、螺着体3の先端及び後端に開口(貫通)する凹条部5aが設けられている。
【0023】
この凹条部5aは、後述するレンチ体1の被嵌部2に形成される係止部4に係合する係合部5として構成されている。
【0024】
また、この凹条部5aは、その底部が凹湾曲面(R面)に形成されている。これは、レンチ体1の被嵌部2の係止部4との係合が良好に行われ易くする為であるのは勿論、係止部4と係合した際に広い表面積を得て効率の良い伝達を可能とするとともに、この凹条部5aを設けることで懸念される強度の低下も、外圧に対しては湾曲により分散させることで可及的に抑制されることになり、そして更に、製造時には極めて精度が出し易くなるから既存の製造ラインに支障を来たさず量産性の向上に貢献する。
【0025】
図3は、螺着体3としてネジ棒3Cの端部に頭部としての断面六角形状部3Aを形成したボルトを採用しており、図4〜6は、大型トラックのダブルタイヤの内輪を止める専用のナット(インターナット)を採用しており、螺着体3としてはこの他にも本実施例の特性を発揮し得る構成であれば適宜採用し得るものである。
【0026】
また、本実施例では、前述した螺着体3が持つ機能を発揮せしめながら良好に回動する為の専用のレンチ体1を設けている。
【0027】
具体的には、レンチ体1は内方に孔2を有するソケットレンチであり、この孔は六角形状に形成され、螺着体3に被嵌し得る被嵌部2として構成されている。
【0028】
また、この被嵌部2を構成する6個の各内面1a中央部には回動方向と直交する軸線方向に長さを有する凸条部4aが形成されており、この凸条部4aは、被嵌部2を螺着体3の断面六角形状部3Aに被嵌させた際、この断面六角形状部3Aの各辺面に形成される係合部5(凹条部5a)に合致係合する係止部4として構成されている。尚、本実施例では、レンチ体1としてソケットレンチを図示して説明しているが、例えばスパナやモンキーレンチなど螺着体3に被嵌する被嵌部2を有するものであれば適宜採用するものである。
【0029】
本実施例は上述のように構成したから、螺着体3を回動する作業(締め付け回動、緩め回動)に際し、レンチ体1の被嵌部2に設けられる係止部4に係合する係合部5が螺着体3の断面多角形状部3Aの周面に形成されており、この係止部4と係合部5との係合によりレンチ体1の回動力が確実に螺着体3に伝わり、断面多角形状部3Aの角部を削ってしまう(なめてしまう)ようなことなく良好な回動が達成される。
【0030】
また、本実施例は、螺着体3の断面多角形状部3Aの周面に、回動方向と直交する軸線方向に長さを有する凹条部5aを設けて係合部5を構成したから、レンチ体1に設けられた係止部4に点でなく線で確実に係止してレンチ体1の回動力が効率良く伝達されることになる。
【0031】
また、本実施例は、係合部5を構成する凹条部5aを底部が凹湾曲する構成としたから、レンチ体1の被嵌部2の係止部4に対する広い接触面積が得られ、それだけレンチ体1の回動力が効率良く伝達されることになり、しかも、製造時には極めて精度が出し易く量産性にも秀れることにもなる。
【0032】
また、本実施例は、断面多角形状部3Aの平坦面3bに係合部5を設けたから、より一層効率良くレンチ体1の回動力が全体に伝達されることになり、しかも、レンチ体1の被嵌部2を被嵌させる為の方向性が生じたりせず極めて作業性が良い。
【0033】
また、本実施例は、螺着体3の断面多角形状部3Aに設けられる係合部5に係合する係止部4が断面多角形状部3Aに被嵌される被嵌部2の内面1aに設けたから、断面多角形状部3Aの周面に係合部5が設けられた螺着体3を回動するレンチ体1として最適となる。
【0034】
また、本実施例は、仮に係止部4の無い既存のレンチ体を使用して断面多角形状部3の角部3aを削ってしまった場合、係止部4を具備するレンチ体1を使用すれば、回動させることができることになる。
【0035】
また、本実施例は、係合部5が凹形状であれば既存のレンチ体1でも回動することができることになり、一方、凸形状であれば専用のレンチ体1が必要になる故に盗難防止作用が具備されることになる。
【0036】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、従来のようにレンチ体の回動力が角部だけに集中して角部が削れたりするようなことはなく、螺着体全体に伝達されて確実に回動させることができることになるなど極めて商品価値の高い画期的な螺着体となる。
【0038】
また、請求項2記載の発明においては、より一層レンチ体の回動力が効率良く伝達されることになるなど極めて商品価値の高い画期的な螺着体となる。
【0039】
また、請求項3記載の発明においては、より一層レンチ体の回動力が効率良く伝達されることになり、しかも、製造時には極めて精度が出し易く量産性にも秀れることにもなるなど極めて商品価値の高い画期的な螺着体となる。
【0040】
また、請求項4記載の発明においては、より一層効率良くレンチ体の回動力が効率良く全体に伝達されることになり、しかも、レンチ体の被嵌部を被嵌させる為の方向性が生じたりせず極めて作業性が良いなど極めて商品価値の高い画期的な螺着体となる。
【0041】
また、請求項5記載の発明においては、断面多角形状部の周面に係合部が設けられた螺着体を回動するものとして最適となるなど極めて商品価値の高い画期的な螺着体を回動する為のレンチ体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例を説明する斜視図である。
【図2】本実施例に係る要部を説明する断面図である。
【図3】別実施例を説明する斜視図である。
【図4】別実施例を説明する斜視図である。
【図5】別実施例を説明する正断面図である。
【図6】別実施例を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 レンチ体
2 被嵌部
3 螺着体
3A 断面多角形状部
4 係止部
5 係合部
5a 凹条部
Claims (5)
- レンチ体の被嵌部に被嵌される断面多角形状部を具備したナットやボルトなどの螺着体であって、この螺着体の断面多角形状部の周面には前記レンチ体の被嵌部に設けられる係止部に係合する係合部が設けられていることを特徴とする螺着体。
- 前記螺着体の断面多角形状部の周面に、回動方向と直交する軸線方向に長さを有する凹条部を設けて前記係合部を構成したことを特徴とする請求項1記載の螺着体。
- 前記係合部を構成する凹条部は底部が凹湾曲した構成であることを特徴とする請求項2記載の螺着体。
- 前記断面多角形状部の周面各辺面に前記係合部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の螺着体。
- 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の螺着体を回動する為のレンチ体であって、前記螺着体の断面多角形状部に設けられた係合部に係合する係止部を前記断面多角形状部に被嵌される被嵌部の内面に設けたことを特徴とするレンチ体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002272839A JP2004106127A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002272839A JP2004106127A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004106127A true JP2004106127A (ja) | 2004-04-08 |
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Family Applications (1)
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JP2002272839A Pending JP2004106127A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 螺着体及び螺着体を回動する為のレンチ体 |
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JP (1) | JP2004106127A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007171670A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sharp Corp | 電気機器、プロジェクタ及びねじ |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002272839A patent/JP2004106127A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007171670A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sharp Corp | 電気機器、プロジェクタ及びねじ |
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