JP2004106111A - 研磨装置 - Google Patents

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Kindo Yoda
依田 欽道
Yoshibumi Komai
駒井 義文
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Abstract

【課題】被研磨物や研磨材の研磨による磨耗が進行しても、研磨材と被加工物間の圧力値が変動することがない研磨装置を提供する。
【解決手段】被加工物21の表面を研磨する研磨材20と、前記被加工物又は前記研磨材の何れか一方を支持して固定する支持台14と、前記被加工物又は前記研磨材の他方を往復運動させる駆動手段と、前記被加工物と前記研磨材を圧接させる加圧手段と、前記加圧手段による前記圧接の圧力値を検知する圧力検知手段4,9と、を備え、前記加圧手段は、前記支持台を移動させることにより前記圧接を行い、前記圧力検知手段が検出した圧力値に応じて制御される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物の表面に研磨材を接触させ、相互間に相対運動を生じさせることによって被加工物を研磨する研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−165268号公報
【特許文献2】特開2000−351960号公報
【特許文献3】特開平11−165252号公報
【0003】
技術革新の急速な進展とともに工業製品及びそれに用いられる部品等の形状及びサイズは、高精度が求められている。これら工業製品及び部品等(以下、「加工物」という)の形状は複雑化し、微細で精緻な寸法精度を要求される場合が多い。このため、これらの加工物の製造工程における最終段階においては研磨又は研削作業が必要となる。
【0004】
このような微細な表面仕上げ又は精緻な寸法精度を要求される加工物の研磨若しくは研削は、現在においても手作業によらなければならない場合が多い。所定形状の固形砥石を用いた機械力による方法は、精度的に研削若しくは粗研磨に限定されているのが実情である。また、熟練工による手作業による研磨であっても、加工研磨面における鏡面研磨精度において一定の限界がある。
【0005】
したがって、最終仕上げ工程における手作業による研磨作業を機械化又は省力化することができれば、作業コストの低減化、作業工程時間の短縮化が図れることとなる。
【0006】
このような状況下において、加工物の高度で精緻な鏡面研磨を実現する方法として、いわゆる軟質ラッピング砥石の研究が行われてきた。これは、ポリビニール・アセタール、アルギン酸ナトリウム等の高分子ラップ材をセーム皮の表面に溶かし込んでラッピングを行うものである。このような軟質ラッピング研磨は、主に集積回路の製造に用いられるシリコン・ウエハの表面を鏡面研磨するのに利用されている。
【0007】
本願出願人は、磁界によって砥粒の配列を制御可能な砥粒を含有する磁性流体を用い、被加工物の加工面の形状に合わせて研磨材を形成し、この研磨材と被加工物とを相対運動を生じさせることにより、被加工物を研磨する研磨装置及び研磨方法を特許文献1にて提案している。
【0008】
当該公報により開示されている研磨方法においては、研磨材はZ軸方向の運動を行えるように駆動させ、非加工物はX軸及びZ軸方向の運動を行えるように駆動しており、各軸方向ごとに圧力検出手段を設けて、研磨材と被加工物との相対運動によって生じる研磨材と被加工物間の圧力値を検出して、前記相対運動のストローク幅を制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような相対運動によって生じる研磨材と被加工物間の圧力値を検出して、前記相対運動のストローク幅を制御する方法では、被研磨物や研磨材の研磨による磨耗が進行すると互いの部材の密着度合いが低下するので、必然的に前記圧力値が減少していく。
【0010】
このような研磨方法であっても、目的とする研磨の程度により必要十分である場合もあるが、被研磨物や研磨材の研磨による磨耗の進行による要因で研磨材と被加工物間の圧力値が変動すると、被加工物の研磨量を多くしたい場合等に問題がある。
【0011】
また被加工物の材質や硬度、又は研磨材の砥粒の大きさや研磨速度等に対応した自在な研磨加工をおこなう為には、相対運動のストローク幅に影響されず一定の圧力で被加工物と研磨材を圧接しておく必要があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、被加工物の表面を研磨する研磨材と、前記被加工物又は前記研磨材の何れか一方を支持して固定する支持台と、前記被加工物又は前記研磨材の他方を往復運動させる駆動手段と、前記被加工物と前記研磨材を圧接させる加圧手段と、前記加圧手段による前記圧接の圧力値を検知する圧力検知手段と、を備え、前記加圧手段は、前記支持台を移動させることにより前記圧接を行い、前記圧力検知手段が検出した圧力値に応じて制御されることを特徴とする研磨装置を提供するものである。
【0013】
これにより、被加工物や研磨材の磨耗が生じても、支持台が移動して圧接及び調圧するので絶えず加圧力を一定することが可能となる。
【0014】
ここで、前記被加工物が前記支持台に固定され前記研磨材が前記駆動手段によって往復運動される。通常、被加工物が研磨材よりも大きくて重いからである。
【0015】
さらに、前記圧力検知手段は前記往復運動の少なくとも2往復の前記圧接の圧力値を検知し、前記加圧手段は、往復運動ごとの前記圧力値に基づいて制御される。これは、前記圧力検知手段は、2往復運動時の圧力値を絶えず検知して加圧手段にフィードバックするが、1往復の動作中は圧力が変動していて往復運動に合わせて周期的に繰り返しているので、最低1往復の間は圧力検知し、その平均値、若しくはピーク値等を周期ごとに比較することにより最適な押圧力を加圧手段にフィードバックするためである。
【0016】
さらに、本発明においては、前記被加工物と前記研磨材の離間方向をZ軸方向とし、前記Z軸方向と直交する一方向をX軸方向とし、前記往復運動は、前記X軸と前記Z軸により形成されるX−Z座標上の任意の2点を結ぶ間の往復運動であって、前記加圧手段及び前記圧力検知手段は、前記X軸方向及び前記Z軸方向にそれぞれ設けられることを特徴とする。そして、前記X軸方向及び前記Z軸方向にそれぞれ設けられた圧力検知手段が検知した圧力値に基づいて、前記往復運動方向の垂直方向に所定の合力が掛かるようにX軸方向及びZ軸方向の加圧手段を制御するのである。これにより、研磨材の往復運動がX−Z座標上のどのような2点を結ぶ間でも、加工面の研磨方向に対して垂直方向の圧接ができるので、往復運動において均一の加圧での研磨を可能としている。
【0017】
ところで、前記加圧手段は減速機構を設けたステップモーターであり、前記圧力検知手段はロードセルである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る研磨装置の実施の形態例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る研磨装置100の全体構成の正面図を示し、図2は、図1に示した研磨装置100の一方側の側面図を示す。また、図3は、図1に示した研磨装置の他方側の側面図を示し、図4は、研磨装置100における支持台14を押圧する押圧機構要部(加圧手段)の概略斜視図を示す。
【0020】
尚、以下説明する本実施の形態においては、被加工物が支持台に固定し、被加工物を研磨する研磨材を駆動手段によって往復運動する研磨装置の例について説明しているが、被加工物が比較的小さい場合等には、研磨材を支持台に固定し、被加工物を駆動手段によって往復運動させる形態も、本研磨装置に含まれるものであることは、容易に理解されよう。
【0021】
図1乃至4において、研磨装置100は、研磨材21を固定しX、Z座標上の任意の2点を結ぶ間を往復運動(振動)する砥石軸45と、砥石軸45に支持され被加工物20の表面を研磨する研磨材21(以下、「砥石21」という)と、この砥石21を図1に示したX軸方向及びZ軸方向に往復運動(振動)させる駆動手段とを有する。
【0022】
さらに、研磨装置100は、被加工物20を支持して固定する支持台14(以下、適宜「回転テーブル14」という)と、回転テーブル14をX軸及びZ軸方向に押圧して砥石21と被加工物20を圧接させる加圧手段(X軸加圧手段90、Z軸加圧手段91)と、圧接させる圧力を検知する圧力検知手段と、で構成されている。
【0023】
研磨装置100の支持フレーム25上には、回転テーブル14を支持する回転テーブルベース13が設けられ、支持フレーム25には、Z軸加圧手段91の回動可能に固定されZ軸加圧モーター6に接続されたZ軸加圧伝達部11と、X軸加圧手段90のX軸加圧モーター1に接続されたX軸加圧伝達部23と、回転テーブル14を回転駆動するために掛渡され回転テーブルベルト16を駆動する回転テーブルモーター15が配設されている。
【0024】
上記した、X軸加圧モーター1、Z軸加圧モーター6、回転テーブルモーター15は、減速機構を設けたステップモーターである。
【0025】
X軸加圧手段90は、X軸方向に押圧駆動するX軸加圧モーター1が設けられ、X軸加圧モーター1の回転軸にはX軸加圧偏芯カム2が嵌合されている。X軸加圧偏芯カム2にはX軸ロードセルホルダー3が圧接している。さらに、ロードセルホルダー3には、X軸ロードセル4が設けられ、X軸ロードセルホルダー3は、X軸加圧伝達部23と接合している。X軸加圧伝達部23の先端には回転可能なコロが設けられ回転テーブルベース13をX軸方向に押圧するように構成されている。
【0026】
Z軸加圧手段91は、Z軸方向に押圧駆動するZ軸加圧モーター6が設けられ、Z軸加圧モーター6の回転軸にはZ軸加圧偏芯カム7が嵌合されている。Z軸加圧偏芯カム7にはZ軸ロードセルホルダー8が圧接している。さらに、ロードセルホルダー8には、Z軸ロードセル9が設けられ、Z軸ロードセルホルダー8の先端部に設けられた回転可能なコロはZ軸加圧伝達部11の一方端と接合している。
【0027】
Z軸加圧伝達部11は、支持フレーム25の取付位置に回動可能に取り付けられている。さらに、Z軸加圧伝達部11は、取付位置を支点として他方端に設けられた回転可能なコロがZ軸加圧箇所12をZ軸方向に押圧するように接圧している。
【0028】
回転テーブルベース13は、上記したZ軸加圧伝達部11とX軸加圧伝達部23とにより、固定位置にある砥石21に被加工物20を圧接させる。研磨作業の効率化及び高精度化のためには、被加工物20に対する砥石21の押圧を所定の押圧力とするように制御する必要がある。このため、被加工物20と砥石21間のX及びZ軸方向における夫々の押圧力を検知するための圧力検知手段であるX軸ロードセル4、Z軸ロードセル9が設けられている。
【0029】
さらに、図示しない固定された部材には、回転テーブル14のX軸方向におけるテーブル位置及びZ軸方向におけるテーブル位置を検知するためのX軸テーブル位置検知センサ、Z軸テーブル位置検知センサが設けられている。
【0030】
以上により、各軸方向への研磨押圧力を所定値に維持し押圧力一定ストローク制御や研磨時において押圧力を経時的に変化させる押圧力変動ストローク制御が可能となる。
【0031】
回転テーブル14上には被加工物20が載置され、被加工物20の加工面には砥石軸45に支持され加工面に合わせて形成された砥石21が嵌り合うように載置される。砥石軸45は、駆動手段(振動ユニット)によりX軸方向、Z軸方向に往復運動(振動)する。
【0032】
X軸方向の駆動手段は、X軸駆動モーター31と、X軸駆動モーター31の回転軸に取り付けられたX軸振動偏芯カム32と、X軸振動偏芯カム32に接合されX軸振動偏芯カム32による振動をX軸振動支点35を介して伝達するX軸振動アーム33と、X軸振動アーム33に接続されて振動を砥石軸45に伝達するX軸振動伝達部47とで構成されている。
【0033】
Z軸方向の駆動手段は、Z軸駆動モーター37と、Z軸駆動モーター37の回転軸に取り付けられたZ軸振動偏芯カム38と、Z軸振動偏芯カム38に接合されZ軸振動偏芯カム38による振動をZ軸振動支点41を介して伝達するZ軸振動アーム39と、Z軸振動アーム39に接続されて振動を砥石軸45に伝達するZ軸振動伝達部とで構成されている。
【0034】
回転テーブル14の上方に設けられたX軸振動モーター31により、X軸振動アーム33を介して砥石21をX軸方向に往復運動(振動)する。さらに砥石21は、Z軸振動モーター37により、Z軸振動アーム39を介してZ軸方向に往復運動(振動)し、被加工物20を研磨する。
【0035】
X軸方向、Z軸方向の往復運動(振動)の振幅の大きさの調整は、後で説明するように、夫々の振動支点位置を変動することにより行われる。X軸方向、Z軸方向の支点位置は、X軸振動支点位置変更モーター36、Z軸振動支点位置変更モーター42によって駆動され、X軸、Z軸方向の各振動アームが移動して各振動支点35、41と、各振動アームに係合された振動偏芯カム32、38との間の距離を変更する。
【0036】
回転テーブル14は、回転テーブルモーター15の回転駆動を回転テーブルベルト16により伝達され回転される。回転分解能は1°ピッチ。この回転軸を設けることにより、X軸+Z軸+回転軸で360°全面研磨可能な構成となっている。又、回転テーブル14と砥石軸45は同期して回転させる構成である。
【0037】
ところで、上記した各モーター15、31、36、37、42は、減速機構を設けたステップモーターである。また、研磨装置100には、振動ユニット及び磁場発生コイル61(図5を参照)を上下に移動するリフトモータ48が設けられている。
【0038】
さらに、本発明の研磨装置100は、砥石21と被加工物20との押圧力を制御するために上記した各モーターを稼働させる制御装置80を有している。制御装置80は、所謂シーケンサ機能と、シーケンサからの研磨情報に基づいて研磨動作を制御する信号を生成し、生成した制御信号をシーケンサに指示するCPUを持つコンピュータ機能とを有している。
【0039】
尚、制御装置80は、シーケンサ機能とコンピュータ機能を独立した別の機器として構成しても良い。
【0040】
制御装置80は、押圧力を検知するためのX軸ロードセル4、Z軸ロードセル9(圧力検知手段)、押圧位置検知センサ、からの信号を受けて、X軸加圧モーター1、Z軸加圧モーター6、回転テーブルモーター15等を制御して、被加工物20の研磨に最適な押圧力を、回転テーブルベース13及び回転テーブル14に与える。
【0041】
上記したように、本発明に係る研磨装置における研磨は、砥石21をX軸方向、又は/及びZ軸方向に振動させ、回転テーブル上に載置された被加工物20を振動する砥石21にX軸方向、又は/及びZ軸方向に押圧することで研磨を行う構成としている。この時、砥石軸45と回転テーブル14は同期して回転している。
【0042】
本発明に係る研磨装置においては、砥粒を含有する流体を被加工物20の研磨加工面に直接流し込み、そのままの状態で流体を固化させる事によって得られる砥石21を、加工物との間で相対運動を生じさせることにより研磨する。
【0043】
砥粒を含有する流体は、所定の温度以下で固化する。そのため、流体を研磨加工面に直接流し込む際には、被加工物20の温度(研磨加工面の温度)を流体の融点付近と同じ温度に保っている。これは、被加工物20が冷えていると、流入された砥粒を含有する流体の被加工物20の接面部のみが急速に冷却して固化するので、接面部の砥粒密度や固化した後の表面の粗さや砥粒分布の不均一を生じてしまうのを防止するためである。さらに、砥粒を包む溶剤が一方からのみ急速に固化していくので、砥粒が他方に追いやられて砥粒密度が低下する。砥粒密度の不均一が生じてしまう、という研磨においての不具合が生じる。
【0044】
本発明の研磨装置の利用分野は広範囲に及ぶため、ここで使用する砥粒及び砥粒を含有させる流体の種類及び仕様は、研磨する対象となる加工物の材質及び要求される研磨精度に応じて定めることとなる。
【0045】
使用する砥粒の材質としては、磁性砥粒の場合は、具体例として酸化鉄(Fe304,Fe203等)、非磁性砥粒としてはアルミナ(Al203)、シリカ(Si02)、炭化珪素(SiC)、ダイヤモンド等が挙げられる。粒径は、要求される研磨精度が高ければ高いほど小さな径のものを用いる。例えば、加工品の精度0.01μm以下が要求される場合は、粒径10nm以下の砥粒を用いることとなる。
【0046】
また、流体としては、水や各種(動物性、植物性、鉱油)のオイル等である。磁性体の場合は、主に水、荷電砥粒の場合はオイルを用いるとよい。流体中における砥粒の凝結を防止するためには、界面活性剤を加えるとよい。
【0047】
固化若しくはゲル化させる方法としては、例えば流体が水の場合は、温度を氷点下以下に下げることにより行い、オイルの場合は、このような温度制御の他に化学反応を利用することが考えられる。
【0048】
本発明の研磨装置においては、砥粒を含有する流体を固化させ、それを被加工物20との間で相対運動させることにより研磨を行うので、液体を固化させる際の砥粒の流体中における配列分布を制御することが極めて重要である。これは、被加工物20の被加工面と接する砥粒の分布密度が、研磨速度及び研磨精度に大きな影響を与えるからである。
【0049】
砥粒の比重は、流体の比重と異なるので、流体に砥粒を加えた後にこれを充分に攪拌したとしても、固化若しくはゲル化するまでに砥粒は流体中において偏在してしまう。このため、固化若しくはゲル化させる前に砥粒の配列分布若しくは分布密度を制御する必要がある。
【0050】
固形化させる際において流体中における砥粒の配列分布を制御する方法としては、磁性流体の場合は磁界環境下において、荷電砥粒を用いる場合は電界環境下において、それぞれ行う。
【0051】
磁性流体と被加工物を磁界環境下においた場合、磁性砥粒は、磁力線に沿って配列することとなる。また単位面積当たりの磁力線の数は、磁界強度に比例するので、磁界強度を制御することにより砥粒配列の密度を制御することが出来るのである。
【0052】
荷電砥粒を使用する場合は、砥粒はプラス又はマイナスの一方の電荷に帯電させるので、両方の極性(N極及びS極)を常時併せ持つ磁性流体の場合とは異なり、荷電粒子相互間には反発力が生じている。従って、荷電粒子自体が流体内において均一に分布しようとする力が働いているので、必ずしも固形化若しくはゲル化させるために電界環境下で行わなければならない必然性はない。
【0053】
しかし、電界を加えることによって、流体内における荷電砥粒の分布を電界強度分布に応じて制御することができるので、例えば、被加工物20との接触面により多くの砥粒を分布配列させたい時には、電界環境下において固化若しくはゲル化させる必要がある。
【0054】
図5は、研磨装置100における磁場配向ユニットを説明する図である。
【0055】
上記で説明した、磁場配向を行う時は、ヨーク62を取り付ける。取り付け可能な箇所はヨーク取付個所64、65、66、67の4箇所で被加工物20の形状に合わせてヨーク62の取り付ける本数、位置を決める。ヨークスライド部63はスライド可能な構成となっている。ヨーク62を取り付け、ヨークスライド部63は外側にしておく。
【0056】
被加工物20を砥石21の融点付近まで温めた状態で、砥石21を被加工物20内に注入した後、砥石軸45を砥石作成位置まで移動(下降)させる。移動させた後、磁場発生コイル61に電流を流すことによって、矢印68の様に磁力線が形成される。
【0057】
その磁力線に沿って砥石21内の磁性粒子が配列され、それにならい砥粒も配列される。配列された砥粒は、その配列された状態を保った状態で自然又は強制冷却され、固化すれば砥石は完成する。
【0058】
ここで、図4に基づいて、本発明の研磨装置100における押圧構成と研磨動作について説明する。
【0059】
まず、本発明の研磨装置が被加工物20の側面研磨を実行する場合について説明する。側面(90°)研磨を行う時には、X軸単軸加重でZ軸単軸振動となる。X軸加圧モーター1を回転させる事により、X軸加圧モーター1のモーター軸に取り付けられているX軸加圧偏芯カム2を回転させる。
【0060】
X軸加圧偏芯カム2は偏心している為、回転することによりX軸ロードセル4を固定しているX軸ロードセルホルダー3をX軸方向に押し、X軸ロードセル4がX軸加圧箇所5を押すことにより回転テーブルベース13をX軸方向に加圧する。
【0061】
回転テーブル14には、砥石21がセットされた被加工物20が取り付けられており、砥石21は固定されている為、X軸加圧箇所5の加圧力が砥石21と被加工物20間に伝わる。X軸ロードセル4で加重値を検知し、設定加重値を超えた所でX軸加圧モーター1の回転を停止し、Z軸方向の振動を行い研磨する。研磨動作中の動加重値を加重誤差範囲内に保ちながら研磨を行う。
【0062】
加重誤差範囲は、設定加重値の±100%の範囲で設定可能であり、研磨中に(例えば、砥石が減耗し押し圧が減少して)加重値が設定値より(−側)下回った時にX軸加圧モーター1を回転させ加圧、設定値より(+側)上回った時にX軸加圧モーター1の回転を停止する。この自動フィードバック制御を行いながら研磨する。又、側面研磨を行う時は被加工物20が上下に振動しない様に、回転テーブル14をストッパー(図示せず)で固定する。
【0063】
回転テーブルベース13のX軸方向の移動距離=X軸方向の砥石の減耗量と考え、X軸テーブル位置検知センサ18でそれを測定する。この減耗量から次研磨面角度の確保可能な研磨ストロークを計算する。
【0064】
X軸引っ張りバネ17は、A方向とは逆方向に回転テーブルベース13を引っ張り、突き当て(図示せず)でX軸方向の回転テーブル14中心軸を砥石心棒軸に合わせている。研磨を行う前に、被加工物20とクランプ材(図示せず)をのせた状態でオフセット値の測定を行い、そのオフセット値を実際の加重値から引いた値を、被加工物20にかかる加重値としている。
【0065】
次に、底面(0°)研磨を行う時には、Z軸単軸加重でX軸単軸振動となる。基本的にはX軸単軸加重(側面研磨)と同様であるが、Z軸加圧モーター6を回転させる事により、Z軸加圧モーター6のモーター軸に取り付けられているZ軸加圧偏芯カム7を回転させる。
【0066】
Z軸加圧偏芯カム7は偏心している為、回転することによりZ軸ロードセル9を固定しているZ軸ロードセルホルダー8を下方向に押し、Z軸ロードセル9がZ軸加圧箇所10をZ軸方向に押すことによりZ軸加圧伝達部11を経てZ軸加圧箇所12を押し、回転テーブル14をZ軸方向に加圧する。
【0067】
回転テーブル14には砥石21がセットされた被加工物20が取り付けられており、砥石21は固定されている為、Z軸加圧箇所12の加圧力が砥石21と被加工物20間に伝わる。Z軸ロードセル9で加重値を検知し、設定加重値を超えた所でZ軸加圧モーター6の回転を停止し、X軸方向の振動を行い研磨する。
【0068】
研磨動作中の動加重値を加重誤差範囲内に保ちながら研磨を行う。加重誤差範囲は設定加重値の±100%の範囲で設定可能であり、研磨中に(砥石が減耗し押し圧が減少して)加重値が設定値(−側)を下回った時にZ軸加圧モーター6を回転させ加圧、設定値(+側)を上回った時にZ軸加圧モーター6の回転を停止する。
【0069】
この自動フィードバック制御を行いながら研磨する。又、底面研磨を行う時は被加工物20が横方向に振動しないように、回転テーブルベース13をストッパー(図示せず)で固定する。
【0070】
回転テーブルベース13のZ軸方向の移動距離=Z軸方向の砥石の減耗量と考え、Z軸テーブル位置検知センサ19でそれを測定する。
【0071】
Z軸方向のオフセット値は回転テーブル14の自重とする。研磨を行う前に、被加工物20とクランプ材をのせた状態でオフセット値の測定を行い、そのオフセット値を実際の加重値から引き、被加工物20にかかる加重値としている。
【0072】
さらに、斜面(1〜89°)研磨を行う時には、X、Z両軸加重でX、Z両軸振動となる。図6は、斜面研磨を実行する場合のX、Z方向への加圧手段による加圧を説明する図である。基本的には、X軸単軸加重とZ軸単軸加重の動作を同時に行う。設定研磨面角度に合わせて、設定加重よりX、Z方向それぞれの加重値を計算で算出し、加圧(X方向加重とZ方向加重の合力P=研磨面に直角方向)をかける。
【0073】
加重の自動フィードバックは、X、Z方向をそれぞれ単軸の圧力検知手段で行う。又、斜面研磨を行う時は被加工物20及び回転テーブル14が斜面研磨時には回転テーブル14の固定は行わない。
【0074】
X軸テーブル位置検知センサ18及びZ軸テーブル位置検知センサ19で測定したX軸方向移動量、Z軸方向移動量より、設定研磨角度方向の減耗量を算出する。この減耗量から次研磨面角度の確保可能な研磨ストロークを計算する。
【0075】
本発明の研磨装置100において、研磨時に被加工物20に対して最適な押圧力を与えるためには、押圧力を絶えず検知して得た情報を制御装置に送信し、制御装置が作成した制御情報を加圧手段にフィードバックする必要がある。
【0076】
図7は、研磨材(砥石21)をZ軸で0.1秒/サイクルで振動させた時のX軸ロードセル出力荷重値のグラフを示している。
【0077】
1往復の運動中は圧力が変動していて往復運動に合わせて周期的に繰り返しているので、圧力検知手段は、最低1往復の間は何ヵ所かでサンプリングして圧力検知し、その平均値若しくはピーク値等を周期ごとに比較して加圧手段にフィードバックする。
【0078】
このように、本発明に係る研磨装置100においては、研磨材の往復運動がX軸、Z軸座標上のどのような2点を結ぶ間でも、加工面の研磨方向に対して垂直方向の圧接ができるので、往復運動において均一の加圧での研磨が可能となる。垂直方向の圧接でないと、往復運動の行きと帰りで圧接力が異なってしまい精緻な研磨が出来ない。
【0079】
次に、被加工物20を研磨する砥石21に振動を与える構成と動作について説明する。
【0080】
図8は、砥石21に与える振動を駆動する振動駆動機構を示す。はじめに、底面を研磨する場合の動作について説明する。
【0081】
底面(0°)研磨を行う時には、Z軸単軸加重でX軸単軸振動となる。
【0082】
まず、X軸振動支点位置変更モーター36を回転させ、X軸振動支点35の位置を設定振動ストローク分の振動が得られる位置に変更する。設定加重がかけられた後、X軸振動モーター31を回転させる。X軸振動モーター31を回転させることにより、そのモーター軸に取り付けられているX軸振動偏芯カム32も回転し、X軸振動支点35を支点とし振り子運動を行ってX軸振動アーム33を介し、X軸振動カム34に設定振動ストローク分の振動を伝える。振動伝達ユニット46はX軸、Z軸の振動を分離できる構成になっている。
【0083】
次に、側面(90°)研磨を行う時には、X軸単軸加重でZ軸単軸振動となる。
【0084】
まず、Z軸振動支点位置変更モーター42を回転させ、Z軸振動支点41位置を設定ストローク分の振動が得られる位置に変更する。その後、設定加重がかけられた後、Z軸振動モーター37を回転させる。Z軸振動モーター37を回転させることにより、そのモーター軸に取り付けられているZ軸振動偏芯カム38も回転し、Z軸振動支点41を支点とし振り子運動を行って振動アーム39を介し、Z軸振動カム40に設定振動ストローク分の振動を伝える。振動伝達ユニット46はX軸、Z軸の振動を分離できる構成になっている。
【0085】
ここで、砥石21に与える振動ストローク変更について説明する。図9は、振動ストローク変更機構の構成を示す。
【0086】
Z軸振動部を例として説明する。図9(a)は振動ストロークT小の場合を示し、図9(b)は振動ストロークT大の場合を示している。振動ストローク変更は、Z軸振動アーム39に設けられたZ軸振動支点位置41をZ軸振動カム40に近づけた場合に振動ストロークTは小さくなり、遠くした場合には振動ストロークTが大きくなる。尚、振動数(周波数)は、Z軸振動モーター37の回転速度を制御することにより決定する。
【0087】
以上、詳しく説明したように、本発明に係る研磨装置は、被加工物の表面を研磨する研磨材と、前記被加工物又は前記研磨材の何れか一方を支持して固定する支持台と、前記被加工物又は前記研磨材の他方を往復運動させる駆動手段と、前記被加工物と前記研磨材を圧接させる加圧手段と、前記加圧手段による前記圧接の圧力値を検知する圧力検知手段と、を備え、前記加圧手段は、前記支持台を移動させることにより前記圧接を行い、前記圧力検知手段が検出した圧力値に応じて制御される構成とした。
【0088】
これにより、被加工物や研磨材の磨耗が生じても、支持台が移動して圧接及び調圧するので絶えず加圧力を一定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨装置の全体構成の正面図を示す。
【図2】図1に示した研磨装置の一方側の側面図を示す。
【図3】図1に示した研磨装置の他方側の側面図を示す。
【図4】研磨装置における回転テーブルの押圧機構要部の斜視図を示す。
【図5】研磨装置における磁場配向ユニットを説明する図を示す。
【図6】斜面研磨の場合の加圧手段による加圧を説明する図を示す。
【図7】砥石をZ軸で振動させた時のX軸ロードセル出力荷重値のグラフを示す。
【図8】砥石に与える振動を駆動する振動機構を示す。
【図9】振動ストローク変更機構の構成を示す。
【符号の説明】
1 X軸加圧モーター
2 X軸加圧偏芯カム
4 X軸ロードセル
6 Z軸加圧モーター
7 Z軸加圧偏芯カム
9 Z軸ロードセル
13 回転テーブルベース
14 回転テーブル(支持台)
15 回転テーブルモーター
16 回転テーブルベルト
18 X軸テーブル位置検知センサ
19 Z軸テーブル位置検知センサ
20 被加工物
21 砥石(研磨材)
31 X軸振動モーター
32 X軸振動偏芯カム
37 Z軸振動モーター
38 Z軸振動偏芯カム
100 研磨装置

Claims (6)

  1. 被加工物の表面を研磨する研磨材と、
    前記被加工物又は前記研磨材の何れか一方を支持して固定する支持台と
    前記被加工物又は前記研磨材の他方を往復運動させる駆動手段と、
    前記被加工物と前記研磨材を圧接させる加圧手段と、
    前記加圧手段による前記圧接の圧力値を検知する圧力検知手段と、
    を備え、
    前記加圧手段は、前記支持台を移動させることにより前記圧接を行い、前記圧力検知手段が検出した圧力値に応じて制御されることを特徴とする研磨装置。
  2. 前記被加工物が前記支持台に固定され、前記研磨材が前記駆動手段によって往復運動されることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記圧力検知手段は、前記往復運動の少なくとも2往復の前記圧接の圧力値を検知し、
    前記加圧手段は、往復運動ごとの前記圧力値に基づいて制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨装置。
  4. 前記被加工物と前記研磨材の離間方向をZ軸方向とし、前記Z軸方向と直交する一方向をX軸方向とし、前記往復運動は、前記X軸と前記Z軸により形成されるX−Z座標上の任意の2点を結ぶ間の往復運動であって、
    前記加圧手段及び前記圧力検知手段は、前記X軸方向及び前記Z軸方向にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨装置。
  5. 前記X軸方向及び前記Z軸方向にそれぞれ設けられた圧力検知手段が検知した圧力値に基づいて、前記往復運動方向の垂直方向に所定の合力が掛かるようにX軸方向及びZ軸方向の加圧手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の研磨装置。
  6. 前記加圧手段は減速機構を設けたステップモータであり、
    前記圧力検知手段はロードセルである、ことを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
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