JP2004105944A - 重金属類の安定化材、重金属類の安定化方法及び重金属類含有物質の処理方法 - Google Patents
重金属類の安定化材、重金属類の安定化方法及び重金属類含有物質の処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【効果】重金属類を含有する被処理物を有効に処理することができ、例えば酸性、中性、アルカリ性のいずれの条件下であっても重金属類を安定化して、これらの溶出量を環境基準値以下、あるいは極めて少量に抑えることが可能である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属類の安定化材、重金属類の安定化方法及び重金属類含有物質の処理方法に関し、より詳細には、例えば高アルカリ性石炭灰などに含有されたカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀、並びにアルキル水銀などの重金属類が高アルカリ性石炭灰などの被処理物から水中(例えば水域、地中などの自然界の水中)に溶出するのを、酸性、中性、アルカリ性のいずれの条件下であっても抑制することが可能な重金属類の安定化材、該重金属類の安定化材によって、重金属類を含有する被処理物からの重金属類の溶出を抑制する重金属類の安定化方法、及び例えば上記重金属類を複合して含有し、これらを溶出する高アルカリ性石炭灰のような重金属類含有物質であっても、水と上記安定化材とを加え、水和反応させるだけで、上記重金属類の水中への溶出を水の液性が酸性、中性、アルカリ性のいずれであっても抑制し得、上記重金属類を同時に安定化させることが可能であるのみならず、上記重金属類を選択的に安定化することも可能な重金属類含有物質の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
石炭の元素組成は、炭種によって差異があり、例えば、その含有量が多い順に、マンガン、亜鉛、バナジウム、銅、クロム、鉛、ニッケル、砒素、カルシウム、コバルト、モリブデン、セレン、水銀などが含まれるという報告がある。一方、高アルカリ性石炭灰が含有する元素は、その含有量が多い順に、ホウ素、マンガン、バナジウム、銅、ニッケル、亜鉛、砒素、コバルト、鉛、クロム、スズ、セレン、ベリリウム、六価クロム、フッ素、カドミウムなどである。一般に、石炭火力発電所で燃焼されて発生する灰分は、主として、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄(III)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムなどで、「アルカリ」の語源が「植物の灰」であるように、石炭は、主として顕花植物(日本)や隠花植物(欧米、中国)を素材とし、これらの性状により石炭灰は高アルカリ性を示す。
【0003】
また、石炭灰に含有される汚染元素は、炭種によって差があり、且つ汚染元素を溶出させる液の水素イオン濃度によっても大きく異なる。例えば、石炭灰に含有される重金属類である物質を、「土壌の汚染に係る環境基準について(環告46)」、「水質汚染に係る環境基準の一部を改正する件(環告14)」並びに「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(環告13)」の海洋投入処分の無機性汚泥に係るそれぞれの重金属類の溶出を調べると、環境法(環告46)の中性液で六価クロム、バナジウム、セレン、ホウ素で環境基準値以上に溶出した。酸性(pH=4)下で調べると、銅、クロム、ニッケル、バナジウム、ホウ素、砒素で、反対にアルカリ性(pH=12)下では、六価クロム、ホウ素が環境基準値以上に溶出した。なお、カドミウム、鉛、また、環境基準値のないマンガン、スズ、コバルトについても酸性(pH=4)下で多く溶出し、全般的にも環境法(中性)ではなく、酸性下で多く溶出する。
【0004】
従って、石炭灰から汚染元素が溶出するのを防ぎ、例えば環境基準値以下にするには、石炭灰の炭種、含有される汚染元素、石炭灰から汚染元素が溶出する河川などの液性に合わせて、種々の安定化材を併用する必要があった。また、「セメント及びセメント系固化材」については、「建設省技調発第48号(平成12年3月24日)」で、六価クロムの溶出試験を実施し、土壌環境基準を勘案して、必要に応じて適切な措置を講じることとなっている。
【0005】
セメントの原料は、元々は、石灰石(CaCO3)、粘土、ケイ酸質原料、鉄サイ・銅カラミ及び石膏である。しかし、循環型社会への寄与から、石炭火力発電所から出る石炭灰なども原料として受け入れ、セメント1トン当たりの廃棄物使用量は、セメント原料(1498kg)の約22%の340kg(九州、山口平均)という報道もある。従って、石炭燃焼時に添加されるホウ素系鉱物が石炭灰に含有し、それを再生利用しているセメントにも0.026mg/リットル(pH=4)溶出している。なお、セメントからの六価クロム溶出(pH=中性)は、0.8mg/リットル、1.2mg/リットル(pH=中性)である。
【0006】
更に、今後、自治体のごみ処理施設のうち、溶融処理施設の増大がある。ごみの溶融・減容化にとっては、再生資源化への道にもなり、平成10年3月の厚生省通知「生衛発第508号」において、「目標基準適合溶融固化物につき、市町村長が自ら発生した公共建設工事において利用される場合には、廃棄物の処分には該当しない」とある。
【0007】
その一般廃棄物の溶融固化物に係る目標基準の項目は、カドミウム(沸点765℃)、鉛(1750℃)、六価クロム(融点195℃)、砒素(昇華613℃)、総水銀(357℃)、セレン(684℃)である。これらは割合に低い沸点であって、溶融の過程で空気中の酸素と反応、結合し、溶融固化物やその付属物に再溶出している場合もあり、公共建設工事においては、使用やその再生資源化の障害となる。
【0008】
現在、集塵灰(ばいじん)の処理方法では、溶融、セメント固化、薬剤処理、酸抽出の4法が認められており(厚生省告示第194号)、例えば薬剤処理については、資源循環可能、処理コスト、処理物の長期安定性、埋立処分量を考慮し、特に資源循環可能性と処理コストに重点をおいた手段が望まれている。
【0009】
そこで、従来より、集塵灰の処理方法が種々提案されており、例えば鉛分を含有する高アルカリ性集塵灰に鉛溶出抑制材を加えることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−358582号公報
【0011】
その一方で、今後の資源循環型社会で石炭灰などを土壌改良材として活用するには、重金属類の選択的な安定化も必要となる。即ち、植物体中には、多くの元素が含まれ、これらのうち、植物による要求量の多い多量要素、また、少ない元素の微量要素には、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、塩素(Cl)などがあり、更に、ある種の植物には、ケイ素(Si)、ナトリウム(Na)、コバルト(Co)、バナジウム(V)等が必須であるこという報告もある。そこで、例えば農土壌の汚染で多いカドミウム、カドミウムと鉛の複合汚染の安定化を計画する場合などに、銅や亜鉛を残存させる処理が必要となることもあり、銅や亜鉛の含有量に大きな変化を生じさせることなく、所望の重金属類を安定化するというように、重金属類の選択的な安定化も要望されている。
【0012】
また、環太平洋の沿岸国などは、火山活動が著しく、日本はその中でも有数の火山、火山灰の国であり、日本の火山灰は、畑地の約60%以上に降灰、堆積しているという報告もある。更に、火山が噴火すると大災害になり、その降灰などの対策には、永年の時間と莫大な労力と費用とを要し、且つ人々の生活や経済産業などの基盤にも莫大な影響を与える。その例は、有珠山、三宅島、桜島などで見られ、桜島の降灰は、2000年、1年間で約270万トンという報告もある。
【0013】
しかしながら、降灰を有効利用する手段は少なかった。中でも、今から約6300年前に鬼界カルデラから噴出し、当時の南九州の縄文文化を破壊し、且つその細粒火山灰を東北地方南部まで約2×106km2以上、容量では約100km3と降灰、堆積しているアカホヤは、準晶質粘土鉱物の一種に分類される火山灰であり、植物の根毛の伸長を阻害することから、その有効利用によって除去することが望まれていた。このように有効利用がなされず、その存在が人々の生活、経済産業、植物の生育など、更に、火山災害の復興などを妨げている火山噴出物を再生資源として利用することは、環境保全や産業廃棄物の再生利用促進にもなり、噴火被災地の復興の足がかりともなる。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、酸性、中性及びアルカリ性の条件下であっても例えば種々の炭種の石炭灰に含有される種々の汚染元素である重金属類の溶出を抑制して、これらの溶出量を環境基準値以下とすることも可能であり、且つ火山灰を有効利用することも可能な重金属類の安定化材、該安定化材を利用し、例えば高アルカリ性石炭灰、セメント、溶融固化物などに含有される重金属類の溶出を抑制する重金属類の安定化方法、及び各種灰分、セメント及びセメント系固化材、各種土壌などの重金属類含有物質の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アカホヤなどの準晶質粘土鉱物、タンニンが、銅、ニッケル、セレンなどの重金属類の溶出を抑制することを見出し、更に、鋭意検討した結果、上記準晶質粘土鉱物、タンニンに、例えば火山灰に含有される酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムを種々の組み合わせで併用することによって、種々の重金属類を選択的に安定化することができ、例えば上記準晶質粘土鉱物、上記酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウム、更に、必要に応じてタンニンを併用すると、例えば高アルカリ性石炭灰等の重金属類含有物質に含有される重金属類が、六価クロムであれば、アルカリ性、中性下であっても、銅、クロム、ニッケル、セレンであれば、酸性下であっても環境基準値以下に安定化し得、更に、カドミウム、鉛、亜鉛、ベリリウム、バナジウム、フッ素、ホウ素、マンガン、コバルトについても溶出を抑制すること、また、上記安定化材の成分の組み合わせによって、上記重金属類の溶出を選択的に抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0016】
即ち、本発明は、(1)重金属類を含有する被処理物から上記重金属類が溶出することを抑制する重金属類の安定化材であって、準晶質粘土鉱物及び/又はタンニンを含有してなることを特徴とし、より好ましくは、更に、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を配合した重金属類の安定化材、(2)重金属類を含有する被処理物から上記重金属類が溶出することを抑制する重金属類の安定化材であって、酸化鉄(III)と硫酸アルミニウムとチオ硫酸ナトリウム、又は酸化鉄(III)とチオ硫酸ナトリウムとを含有してなることを特徴とする重金属類の安定化材、(3)重金属類を含有する被処理物に上記(1)又は(2)記載の重金属類の安定化材を添加、混合することによって、上記被処理物に水が接触した際に上記重金属類が上記被処理物から水中に溶出することを抑制することを特徴とする重金属類の安定化方法、及び(4)重金属類を含有する各種灰分、セメント及びセメント系固化材、各種土壌などの重金属類含有物質に上記(1)又は(2)記載の重金属類の安定化材を加え、これに水を加えて水和反応させることを特徴とする重金属類含有物質の処理方法を提供する。
【0017】
ここで、上記重金属類の安定化材において、上記重金属類が、カドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀及びアルキル水銀からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であると、より好適である。また、上記重金属類含有物質の処理方法が、酸性、中性及びアルカリ性条件下における上記重金属類の溶出を抑制するものであったり、上記重金属類として、カドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀、アルキル水銀の溶出を選択的に抑制するものであると、更に好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の重金属類の安定化材は、準晶質粘土鉱物、タンニンを種々の重金属類の安定化有効成分とするものであり、中でも、タンニンは、六価クロム、ベリリウム、クロム、ニッケル、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルトなどの安定化に特に有効であり、準晶質粘土鉱物は、カドミウム、鉛、銅、亜鉛、セレン、フッ素などの安定化に特に有効である。また、本発明の重金属類の安定化材は、準晶質粘土鉱物又はタンニンを1種単独で使用したものであっても、これらを併用したものであっても良く、更に、これらと酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムの1種以上とを併用すると、より好適であり、特に酸化鉄(III)と併用すると、更に好適である。中でも、酸化鉄(III)、準晶質粘土鉱物、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムの4成分系、更にタンニンを加えた5成分系の安定化材が特に効果的である。
【0019】
また、本発明の他の重金属類の安定化材としては、準晶質粘土鉱物、タンニンを必須成分とするのではなく、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムの3成分を必須成分としたものも例えば総水銀及びアルキル水銀等について有用であり、また、酸化鉄(III)及びチオ硫酸ナトリウムの2成分を必須成分としたものも例えばシアン、アルキル水銀等について有用である。
【0020】
ここで、本発明において、重金属類とは、さまざまな発生源から環境中に、排出、放出され、汚染の原因となる金属元素、半金属性元素、非金属元素などの汚染元素であり、重金属としては、例えば金属の比重が4以上、特に5以上の金属が好ましい。本発明の重金属類として、より具体的には、例えばカドミウム(Cd)、鉛(Pb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、六価クロム(Cr(VI))、総水銀、アルキル水銀等の重金属、砒素(As)、ホウ素(B)等の半金属、セレン(Se)、フッ素(F)等の非金属元素、シアン(CN)等の化合物などが挙げられる。本発明において、これら重金属類の1種又は2種以上が安定化される。本発明の場合、これらの中でも、特にカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ベリリウム、クロム、ニッケル、セレン、フッ素、コバルト、シアン、総水銀、アルキル水銀等に対して、より効果的である。
【0021】
本発明の安定化材の有効成分として使用される準晶質粘土鉱物とは、中空管状の準晶質含水珪酸塩鉱物であり、通常、およそSiO2・Al2O3・2.5H2Oの組成を有し、直径約20Åの細長いチューブ(中空管)がほぼ平行に集まって繊維状集合体をつくっているイモゴライトが使用される。なお、構造式としては、(OH)3Al2O3SiOHで表される。このイモゴライトは、火山灰土中に含まれるガラス質火山灰層であり、火山灰が採取される地方によって、呼び名が異なり、南九州(宮崎、鹿児島県下)ではアカホヤ、人吉盆地ではイモゴ、四国ではオンジ(音地)と呼ばれている。本発明の準晶質粘土鉱物としては、上記ガラス質火山灰層を精製して使用することが望ましく、具体的には、例えば上記ガラス質火山灰層を目合250μm程度のフルイと風力などで篩う方法を挙げることができる。
【0022】
本発明の安定化材の有効成分として使用されるタンニン(タンニン酸C14H10O9)は、例えばカテコールタンニン、カテキン等を含有するものであり、例えば各種植物から抽出したものを使用することができる。このようにタンニンを含有する植物としては、例えばバラ科シャリンバイ(別名タチシャリンバイ、立車輪梅)などを挙げることができる。シャリンバイは、本州南部、四国、九州の主として海辺に自生する常緑低木〜小高木で、テーチ木、ヘハル、ハマモッコク(奄美大島)、アレキサンドル(小笠原)などと呼称されている。また、シャリンバイの原木(生木)を細かく刻み、6〜12時間、煎出した液は、カテコールタンニン色素と少量のカテキンを含むという報告もある。ここで、「理化学辞典(第5版)」、「科学技術用語大辞典(第3版)」には、カテキンは、カテコールとも呼ばれることが記載されている。なお、カテキンは、カテキュー(阿仙薬)から得られ、植物界に広く分布し、タンニンの成分となり、また、カテコールは、カテキューの乾留のとき発見されたもので、この名があるという。
【0023】
本発明のタンニン供給源として、シャリンバイを使用する場合、その各部位、全部位のいずれも使用することができるが、特に、葉部などを使用すると、好適である。本発明においてシャリンバイの葉部(生葉)を使用する場合、その処理方法は、特に制限されるものではないが、例えばシャリンバイの葉を擂鉢で擂りつぶし、不浸透のビニール布の上で風乾した後、再度、擂りつぶし、目合250μmのフルイで篩ったものを使用すると、好適である。なお、大量に使用する場合には、ジューサーに生葉のみを入れて細かく砕く方法、石臼などで蕎麦を挽くようにする方法も好適である。シャリンバイの葉部を上記のように処理すると、例えば後述する実施例に使用したシャリンバイの葉部の場合、タンニン(エピカテキン)含量が1mg/100g程度のタンニン供給源が得られる。
【0024】
また、本発明のタンニンは、エラジタンニン等の加水分解型タンニンであってもよく、加水分解型タンニンとしては、例えば各種植物から抽出したものを使用することができる。このように加水分解型タンニンを含有する植物としては、例えばふうろそう科ゲンノショウコなどを挙げることができる。ゲンノショウコは、葉部に約20%、全草に約5%のタンニンを含み、その主成分は、エラジタンニンの一つであるゲラニイン(geraniin)(I)である。本発明のタンニン供給源として、加水分解型タンニンを含有するゲンノショウコを使用する場合、その各部位、全部位のいずれも使用することができるが、特に、葉部などを使用すると、好適である。本発明においてゲンノショウコの葉部(生葉)を使用する場合、その処理方法は、特に制限されるものではないが、例えば上述したシャリンバイの葉部と同様の方法で処理したものを使用すると、好適である。
【0025】
本発明において使用される酸化鉄(III)(Fe2O3)としては、その供給形態が特に制限されるものではなく、組成中に酸化鉄(III)を含有するものの配合によって供給することができるが、本発明の目的を考慮すれば、酸化鉄(III)を多く含有する火山灰(テフラ)が好適であり、このような火山灰として、より具体的には、例えばクッタラ(北海道)、浅間山、榛名山、三宅島、普賢岳、屈斜路、支笏、有珠山、十和田、阿蘇、桜島などで採取される火山灰が挙げられる。
【0026】
なお、このように火山灰中の酸化鉄(III)を使用する場合、火山灰中の鉄分(Fe)含量としての計測値が、好ましくは65%以上、より好ましくは66〜72%、更に好ましくは68〜72%となるように、精製して使用することが望ましく、具体的には、例えば火山灰を、ゴミ等を除去し、目合250μm程度のフルイと風力、あるいは磁力等で篩う方法を挙げることができ、このような精製方法によって、例えばJIS K 0102 57.2による鉄分(Fe)含量としての計測値が65%以上となるような鉄分に選別できると、Fe2O3に換算した場合、酸化鉄(III)として100%近い精製品が得られる。
【0027】
また、酸化鉄(III)を多く含有する火山からの土石流(火山性の泥流、lahar)の配合によって、本発明の酸化鉄(III)を供給しても好適であり、このような火山性の泥流としてより具体的には、上述した火山灰と同様の場所で採取されるものが挙げられる。なお、火山性の泥流を使用する場合、上記火山灰と同様にして精製することが望ましい。
【0028】
本発明において使用される硫酸アルミニウムとしては、無水塩であっても含水塩であってもよいが、無水塩の方が好適である。
【0029】
本発明において使用されるチオ硫酸ナトリウムとしては、無水塩であっても含水塩であってもよいが、無水塩の方が好適である。
【0030】
上記各成分の重金属類に対する使用量(有効量)は、被処理物の種類、安定化する重金属類の種類などによって適宜選定することができるが、例えば石炭灰に含有される重金属類を安定化するのであれば、上記石炭灰(被処理物、重金属類含有物質)に対する各成分(安定化材)の添加率[安定化材添加量÷(被処理物処理量+安定化材添加量)×100(%)、以下同様]が準晶質粘土鉱物(上記のように精製処理した精製品、以下同様)は0.9%(質量%、以下同様)以上、タンニン(上記のように処理したシャリンバイの葉部又はゲンノショウコの葉部の精製品をタンニン供給源とする場合、以下同様)は9%以上が好適である。なお、上限値は、特に制限されるものではないが、それ以上の配合による効果の増加、被処理物の処理後の使用し易さ、処理コスト、資源循環可能性又は埋立処分量の減容(量)化などを考慮すれば、通常、上記被処理物に対する準晶質粘土鉱物の添加率は10%以下、タンニンの添加率は20%以下が好適である。
【0031】
また、準晶質粘土鉱物、タンニンに、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムを併用する場合、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムを必須成分とする場合、酸化鉄(III)及びチオ硫酸ナトリウムを必須成分とする場合、これらの使用量は、特に制限されるものではないが、同様の理由により、上記被処理物に対する酸化鉄(III)(上記した火山灰の精製により得られた100%に近い精製品、以下同様)、硫酸アルミニウム(無水、以下同様)、チオ硫酸ナトリウム(無水、以下同様)の添加率は、それぞれ3%以上が好適であり、上限値は、通常、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムは、それぞれ20%以下が好適である。
【0032】
本発明の安定化材は、上述したように準晶質粘土鉱物、タンニンの少なくともいずれか一方を含有し、更に、必要に応じて酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムの一種以上を併用したもの、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムの3成分を必須成分としたもの、又は酸化鉄(III)及びチオ硫酸ナトリウムの2成分を必須成分とするものであるが、中でも、酸化鉄(III)、準晶質粘土鉱物、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムを含有する4成分系は、例えばカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛及びセレン等の複合汚染元素を含有する被処理物に対して、特に効果的であり、更に、タンニンを含有する5成分系であれば、上記元素に、更に、ベリリウム、クロム、ニッケル、フッ素、マンガン、コバルト等を加えた複合汚染源を含有する被処理物に対して特に効果的である。
【0033】
本発明の安定化材が、準晶質粘土鉱物、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムの4成分を併用するものである場合、各成分の配合量(配合割合)は、特に制限されるものではなく、被処理物の種類、安定化する重金属類の種類などにより、適宜選定することができるが、安定化材全量に対して、通常、準晶質粘土鉱物は好ましくは7〜20%、より好ましくは10〜15%、酸化鉄(III)は好ましくは25〜40%、より好ましくは25〜35%、硫酸アルミニウムは好ましくは15〜35%、より好ましくは15〜30%、チオ硫酸ナトリウムは好ましくは20〜40%、より好ましくは25〜35%が好適である。いずれも配合割合が小さすぎると、その成分の配合による十分な効果が得られない場合があり、多すぎると他の成分を十分量配合することが困難となる場合がある。
【0034】
また、更に、タンニンを併用した5成分系の場合、同様の理由により、安定化材全量に対して、準晶質粘土鉱物は好ましくは7〜20%、より好ましくは10〜15%、タンニンは好ましくは8〜20%、より好ましくは10〜20%、酸化鉄(III)は好ましくは25〜40%、より好ましくは25〜35%、硫酸アルミニウムは好ましくは15〜35%、より好ましくは15〜30%、チオ硫酸ナトリウムは、好ましくは20〜40%、より好ましくは25〜35%が好適である。
【0035】
なお、本発明の重金属類の安定化材は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えて、従来の重金属類の安定化材に配合されている各種成分を配合することもできる。また、本発明の重金属類の安定化材が、2以上の上記成分を併用したものである場合、予め各成分を混合したものを使用してもよく、例えば使用時(処理時)に各成分を別々に被処理物に添加、配合し、これら成分の混合と共に、被処理物の安定化処理を行ってもよい。
【0036】
本発明の重金属類の安定化材は、その用途が特に制限されるものではないが、重金属類の溶出による環境汚染が問題となっている物質の処理に有効であり、例えば石炭灰(フライアッシュ:乾灰)、石炭灰(湿灰)、焼却灰、溶融灰、集塵灰等の各種灰分、電気集塵器捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダスト等の各種ダスト、セメント及びセメント系固化材、有害物質(重金属類)を含有する建設残土、水田土壌、畑土壌、工場跡地土壌、市街地汚染土壌等の各種土壌、鉱滓汚泥、選鉱汚泥等の各種汚泥、有害汚泥のコンクリート固形物などを被処理物とすると、効果的である。なお、セメント及びセメント系固化材とは、セメントを含有成分とする固化材で、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、セメント系固化材、石灰系固化材などを言う(建設省技調発第48号)。
【0037】
本発明の重金属類の安定化方法は、上述した石炭灰等の各種灰分、水田土壌等の各種土壌、各種ダスト、セメント及びセメント系固化材、各種汚泥などのように重金属類を含有する被処理物に、上記安定化材を添加し、混合することによって、例えば水田に雨が降ったり、水田土壌が河川に流出したり、セメントに水を加えて水和反応させたり、石炭灰を混合した土壌に降雨するなどによって、被処理物が水と接触した際に、上記被処理物から上記重金属類が水中に溶出することを抑制し、これによって上記重金属類を安定化させるものである。
【0038】
ここで、上記被処理物に対する安定化材の配合割合は、安定化材の種類、処理物中の重金属類の含有量、溶出量などに応じて適宜選定することができ、特に制限されるものではなく、例えば上述した安定化材の各有効成分の好適な有効量、各併用成分の好適な配合量となるように配合すると好適であるが、例えば上記4成分系、上記5成分系の安定化材を使用する場合、通常、被処理物に対する上記安定化材の添加率が7%以上、好ましくは8%以上となるように添加すると好適である。なお、配合割合の上限は特に制限されるものではないが、通常、被処理物に対する添加率は20%以下が好適である。配合割合が大きすぎると、それ以上の配合による効果の増加が得られ難くなったり、処理後の被処理物を使用し難くなる場合がある。
【0039】
本発明の方法において、上記安定化材の添加方法は、特に制限されるものではなく、例えば上記4成分系、上記5成分系の安定化材の場合、本発明の上記4成分、上記5成分を含有した安定化材の全量を一度に添加したり、分割添加してもよく、また、上述したように上記4成分、上記5成分をそれぞれ単独で逐次添加してもよい。更に、被処理物の処理後の使用方法によっては、本発明の安定化材を上記のように添加した後、混合する際に、後述する重金属類含有物質の処理方法のように、水を加えて混練、水和させてもよい。なお、本発明において、水和とは、重金属類含有物質(被処理物)、安定化材、水を加えたものを練り合わせ、化学反応などを行わせる現象を言う。また、農地の場合には、耕転機で土壌を予定深度まで耕転させ、注水するに際しては、止水域として安定化材を散布し、再度、耕転機で水和させる方法なども好適である。
【0040】
本発明の重金属類の安定化方法によって、重金属類の水中への溶出が抑制された被処理物は、それぞれの通常の用途に使用することができる。
【0041】
本発明の重金属類含有物質の処理方法は、石炭灰等の各種灰分、セメント及びセメント系固化材、水田土壌等の各種土壌などの重金属類含有物質を被処理物とし、これに水を加えて水和反応させることによって、上記重金属類含有物質からの上記重金属類の溶出を抑制するものである。
【0042】
また、本発明の重金属類の処理方法は、水の液性によらず、上述した種々の重金属類の酸性、中性及びアルカリ性の水への溶出を抑制することも可能であり、この場合、特に、上記安定化材が準晶質粘土鉱物に、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムを併用した4成分系、更に、タンニンを併用した5成分系が、特に有効である。
【0043】
更に、本発明の重金属類の処理方法は、上記安定化材として、有効成分の準晶質粘土鉱物、タンニン、更に、これらの併用成分の酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムの組み合わせ、酸化鉄(III)と硫酸アルミニウムとチオ硫酸ナトリウムとの3成分併用系、酸化鉄(III)及びチオ硫酸ナトリウムの2成分併用系など、種々の組み合わせのものを選択することによって、カドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀、アルキル水銀等の溶出を選択的に抑制することが可能となる。
【0044】
ここで、上記重金属類含有物質の中でも石炭灰(高アルカリ性石炭灰)は、上述したように、上記重金属類としてカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレンなどの複合汚染元素を含有することが多いことから、石炭灰のような重金属類含有物質については、このような複合汚染元素全体の溶出を抑制することが望ましい。また、このような複合汚染元素の全てについて、酸性、中性及びアルカリ性のいずれの条件下であってもその溶出を抑制することが望ましい。
【0045】
従って、本発明の重金属類含有物質の処理方法において、被処理物が例えば石炭灰の場合、上記重金属類の安定化材の中でも、特に準晶質粘土鉱物に、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムを併用した4成分系の安定化材、又は、準晶質粘土鉱物及びタンニンに、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムを併用した5成分系の安定化材を使用すると、特に効果的である。なお、本発明の重金属類含有物質の処理方法において、上記多成分系の安定化材は、上述したように上記各成分を予め混合して使用しても、上記各成分をそれぞれ別個に添加、混合して水和させても同様の効果が得られる。
【0046】
本発明の重金属類含有物質の処理方法の場合、安定化材の配合割合は、安定化材の種類などによって適宜選定することができ、特に制限されるものではないが、通常、上記重金属類の安定化方法と同様とすると、好適である。
【0047】
また、添加する水としては、水道水、清浄な河川水などを好適に使用することができる。水の添加量は、例えば重金属類含有物質として石炭灰を被処理物とする場合、該被処理物100質量部に対して60質量部以上、特に65質量部以上とすると、好適である。なお、水の添加量の上限値は、特に制限されないが、水和反応に使用される水の量としては、通常、上記被処理物100質量部に対して80質量部以下、特に75質量部以下程度と想定できるが、本発明の場合、水和反応で余剰の水は、次の水の添加に再使用することもできることから、水の添加量の上限値は、特に制限されない。なお、他の重金属類含有物質を被処理物とする場合についても、石炭灰の場合に準じる。
【0048】
上記水和反応での余剰の水を、次の水の添加に再使用する方法として、具体的には、例えば工場又はその敷地内で処理する場合であれば、処理場を地下に水が浸透しないような構造とし、このような処理場において重金属類含有物質(被処理物)に上記安定化材を加えて注水し、混練すると、水和、安定化すると共に、分離液を残存させることによって、余剰水を再利用することができる。なお、余剰の分離水は、最終処理段階において上記重金属類含有物質に上記安定化材を分離水の水量に合わせて添加、混練し、最終的な分離水の量がゼロとなるように処置すると、好適である。更に、施設の洗滌水も同様に利用することもできる。
【0049】
また、混練方法も特に制限されるものではなく、例えば混練機としては、上記重金属類含有物質と上記安定化材とを均一に混合し、水との混練によって水和させることができるような作業性、耐水性を有する汎用の混合機、攪拌機を使用することができ、これらの装置の通常の条件によって、混練することができる。なお、混練機は、バッチ式であっても連続式であってもよい。水和反応させる条件も特に制限されるものではなく、適宜選定することができるが、例えば処理量が5m3程度の混練機であれば、通常、室温で上記混練を10〜25分間程度、特に10〜15分間程度行うと、好適である。
【0050】
本発明の処理方法によって処理された重金属類含有物質は、環境汚染の原因となる重金属類の溶出が抑制されているので、例えば石炭灰であれば、路盤の砂代替材、砕石代替材、舗装の砂代替材、盛土材、埋房材、土壌改良材、軟弱地盤改良材、緑化材、園の資材、緑地の資材、ケーソン中詰材(沖縄)、軽量骨材などとして使用することができ、建設残土であれば、盛土材、埋房材、緑化材などとして使用することができる。また、工場跡地土壌であれば、排出が不要となったり、あるいは減量化が可能となる。更に、セメント及びセメント系固化材であれば、建設省技調発第48号の適用セメントなどとして使用することができ、溶融灰であれば、厚生省通知「生衛発第508号」に適用する公共建設工事資材として使用することができる。更にまた、水田土壌、畑土壌であれば、灌漑水の減量、アルカリ資材投与の不要、健康な稲づくりなどが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば石炭火力発電所より発生する石炭灰などの環境を汚染する重金属類を含有する被処理物を有効に処理することができ、例えば酸性、中性、アルカリ性のいずれの条件下であっても重金属類を安定化して、これらの溶出量を環境基準値以下、あるいは極めて少量に抑えることが可能である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、特にことわりのない限り、%は質量%である。
【0053】
[実施例1〜16及び比較例1〜3]
以下の実施例及び比較例に使用した各成分は、以下の通りである。
【0054】
<準晶質粘土鉱物>
平成13年7月16日に鹿児島県指宿市内の指宿スカイライン、三巣山の東方から採取した火山灰アカホヤを風乾した後、目合250μmのフルイで篩って精製したものを準晶質粘土鉱物(アカホヤ)として使用した。このアカホヤの濃度計量を計測した結果を表1に示す。
【0055】
<タンニン>
シャリンバイの葉を擂鉢で擂りつぶし、不浸透のビニール布の上で風乾した後、再度、擂りつぶしたものを、目合250μmのフルイで篩ったものをタンニン供給源として使用した。高速液体クロマトグラフ法により成分分析をしたところ、エピカテキン(タンニン)が1.0mg/100g含まれていた。
【0056】
<加水分解型タンニン>
ゲンノショウコの葉を擂鉢で擂りつぶし、不浸透のビニール布の上で風乾した後、再度、擂りつぶしたものを、目合250μmのフルイで篩ったものを加水分解型タンニン供給源として使用した。
【0057】
<酸化鉄(III)>
平成13年10月30日に鹿児島市野尻町203−1、野尻川に架橋の野尻橋の野尻橋側の歩道上(桜島国際火山砂防センター前)から採取した火山噴出物である火山灰を目合250μmのフルイを用い、風力を利用して篩って精製したものを酸化鉄(III)として使用した。この精製品の濃度計量をJIS K 0102 57.2のフレーム原子吸光法により測定したところ、精製品中のFe分は72%、酸化鉄(III)としては、略100%であった。
【0058】
<重金属類の安定化材>
上記酸化鉄(III)を含有する精製品(表中S)、精製したアカホヤ(表中H)、無水硫酸アルミニウム(表中AS)、無水チオ硫酸ナトリウム(表中MS)、タンニン(表中R1)、加水分解型タンニン(表中R2)を表2及び表3の「安定化材の含有成分(質量%)」に示す各成分の質量割合となるように混合して、実施例1〜16の重金属類の安定化材を得た。
【0059】
<重金属類含有物質(被処理物)>
実施例1〜13、比較例1については、平成13年11月5日に三池物産(株)から提供された石炭灰を重金属類含有物質として使用した。一方、前記「環公46」には全シアンについても定められているが、石炭灰やセメントは全シアンを含有していないため、全シアンの溶出性を評価するために、実施例14、15、比較例2については、重金属類含有物質(被処理物)として、青梅(未熟)の仁22.3gを摘出し、その約4倍のセメント(普通セメント、麻生セメント(株)製)94gと混合したものを使用した。また、実施例16、比較例3については、重金属類含有物質(被処理物)として上記セメントを使用した。
【0060】
<重金属類含有物質の処理及び実験方法>
上記各安定化材を上記重金属類含有物質に対する添加率が表2及び表3に示す「安定化材の含有成分(質量%)」の各成分の合計量となるように添加、混合して試料とし、各試料について、以下の各種重金属類の溶出試験を行うことによって、重金属類含有物質の処理を行うと共に、重金属類の溶出性を評価した。結果を表2及び表3に併記する。なお、上記重金属類含有物質に対して表2及び表3に示す各成分をそれぞれ表中の「安定化材の含有成分(質量%)」に記載された数値が上記重金属類含有物質に対する添加率(質量%)となるように、別々に添加し、同様に処理しても同様の結果が得られる。
【0061】
(1)Cd、Pb、Cr(VI)、Cu、Zn、Be、Cr、Ni、V、Se、F、B、As、CN、Mn、Coの溶出試験
「土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日、環告46)」に準じて行った。即ち、各試料(重金属類含有物質+安定化材)に表2及び表3に示すpHの緩衝液(表中の「中」は、中性を意味する)を試料1gに対して溶媒(緩衝液)10mlの割合となり、且つその混合液が500ml以上となるように加えて試料液とした。この試料液を常温(約20℃)、常圧(約1気圧)で振とう機(振とう回数:約200回/分、振とう幅:4cm以上5cm以下)を用いて、6時間連続して振とうした後、10〜30分程度静置し、次いで毎分約3000回転で20分間遠心分離した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、ろ液をとり、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とし、各重金属類を表4に示す計量方法によって定量した。
【0062】
一方、比較例1〜3として、安定化材を添加しない重金属類含有物質(比較例1:石炭灰、比較例2:青梅の仁を添加したセメント、比較例3:セメント)について、上記重金属類の溶出試験により、各重金属類の溶出量を測定した。結果を表2及び表3に併記する。また、上記石炭灰中の重金属類の含有量、環境基準値を表2及び表3に併記する。青梅の仁を添加した上記セメント中のシアンの含有量は、30.0mg/kgであった。なお、本発明の処理方法においては、上述したように水道水などの通常使用する水が好適に使用され、また、その添加量も上述した範囲が好適であるが、上記実施例では、溶出試験を行うので、実験の便宜のために、溶出試験に使用する下記緩衝液を使用し、また、添加量も溶出試験に準じた量を添加した。
【0063】
<緩衝液の調製方法>
重金属類の溶出試験に用いたpH4.0の緩衝液は、氷酢酸49.2mlと無水酢酸ナトリウム14.8gとを蒸留水に溶かして全量1リットルとし、1N酢酸溶液又は1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpH4.0に調整した。
【0064】
重金属類の溶出試験に用いたpH12.0の緩衝液は、1M炭酸ナトリウム溶液27.5mlと1M炭酸水素ナトリウム溶液22.5mlとを混合し、蒸留水で全量1リットルとし、1N水酸化ナトリウム溶液又は1N塩酸溶液を用いてpH12.0に調整した。
【0065】
重金属類の溶出試験に用いた中性の緩衝液は、「平成3年環境庁告示第46号による溶出試験」に準じて調製した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
表2及び表3に示す結果によれば、本発明の重金属類の安定化材は、種々の重金属類を十分に安定化もしくはそれらの溶出量を極めて低く抑制できることが認められる。即ち、表2及び表3には、準晶質粘土鉱物に、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウムを併用すると、カドミウム、鉛、六価クロム、銅及びセレンを安定化することができることが示されている。また、タンニンは、六価クロム、クロム、ベリリウム、コバルトを安定化することができ、また、銅、亜鉛、ニッケル、バナジウム、ホウ素、マンガンに対しても溶出を抑制できることが認められ、本発明の重金属類の安定化材として、準晶質粘土鉱物及びタンニンに、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムを併用すると、安定化の可能な元素が更に増える。
【0071】
更に、重金属類の中でも、カドミウムに対しては、酸化鉄(III)、鉛に対しては、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウム、銅に対しては、酸化鉄(III)、準晶質粘土鉱物、亜鉛に対しては、酸化鉄(III)、準晶質粘土鉱物、ニッケルに対しては、チオ硫酸ナトリウムの使用が特に効果的であることが認められる。また、上述したように、タンニンの使用は、六価クロム、クロム、ベリリウム、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、バナジウム、ホウ素、マンガンに対して効果的である。
【0072】
従って、本発明の重金属類の安定化材は、上述したような複合汚染元素を含有する石炭灰、建設残土、工場跡地汚染土壌、セメント、水田、畑並びに有機質資材としての緑地、農地に投入されている汚泥などのカドミウム、鉛、六価クロム、亜鉛等の安定化に対して有効である。
【0073】
更に、表2及び表3の結果によれば、例えば農土壌の汚染で多いカドミウムの安定化を計画する場合、銅や亜鉛を残存させる処理が必要であれば、本発明の安定化材として、例えば、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム、準晶質粘土鉱物の3種を併用することによって、また、カドミウムと鉛の複合汚染であれば、本発明の安定化材として、例えば、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウム、準晶質粘土鉱物の3種を併用することによって、銅や亜鉛の含有量に大きな変化を生じさせることなく、所望の重金属類を安定化することができるというように、本発明の安定化材の組み合わせによって、重金属類の選択的な安定化も可能となることが認められる。
【0074】
一方、植物の頂芽の生育(ホウ素)、葉緑素や光合成を促す(マンガン)必要のある場合、ホウ素の含有量を維持するのであれば、本発明の安定化材として、例えば、チオ硫酸ナトリウム、準晶質粘土鉱物、タンニンを使用し、フッ素を安定化するのであれば、本発明の安定化材として、例えば、準晶質粘土鉱物を単独使用するというように、農用地の汚染対策の場合には、本発明の安定化材の選択的な使用によって、微量要素の確保も可能となることも認められる。
【0075】
安定化又はそれに近い実施例1、4〜7、10等で5成分をみると、火山噴出物で5分の1(火山灰17.1%、アカホヤ5%)、また、植物のタンニンで約2分の1(48.3%)、つまり合わせて3分の2以上(70.4%)が、自然界の素材を再生、再利用した安定化材である。また、この約22%の素材は、1度目(噴出時)は邪魔物で、かつ無価物でも、2度目(再生)には環境保全に威力を発揮して有価物となった。また、安定化は、極強酸性領域のpH=4及び極アルカリ性領域のpH12というpH条件下で安定化している。なお、残りの約3分の1(29.6%)の材料は、染色、水の浄化、医薬品や染色、漂白、脱塩、解毒などに利用されているもので、5成分は石炭灰のみならず、食の安全性の基礎となる農用地などの汚染浄化などにも安全に使用される成分である。更に、自然界の素材を多く利用するため、工業製品100%よりも安価である。
【0076】
[実施例17〜19及び比較例4、5]
次に、前記「環公46」に定められている総水銀、アルキル水銀を重金属類として含有する重金属類含有物質(被処理物)に対する本発明の重金属類の安定化材の効果を以下に詳述する実施例17〜19及び比較例4、5により確認した。
【0077】
<重金属類の安定化材>
実施例17〜19に使用した重金属類の安定化材(酸化鉄(III)を含有する精製品(表中S)、無水硫酸アルミニウム(表中AS)、無水硫酸ナトリウム(表中MS))は、上記実施例1〜16と同じものを使用し、各成分の質量比が表5に示す「安定化材の含有成分(質量比)」に示した各成分の質量割合となるように混合して、実施例17〜19の重金属類の安定化材を得た。
【0078】
<重金属類含有物質(被処理物)>
平成14年1月6日に鹿児島県川内市水引町512番地東方30mから採取した白砂を風乾した後、目合250μmのフルイで篩って精製し、精製シラスとした。実施例17、18、比較例4については、上記精製シラス10gに、乳鉢で粉末状にした塩化メチル第二水銀10mgを加えて混合した後、この混合試料2gをとり、更に上記精製シラスを加えて全量50gとして、アルキル水銀を含有する重金属類含有物質(被処理物)を得、これを重金属類含有物質として使用した。実施例19、比較例5については、上記精製シラス10gに、塩化水銀(II)10mgを加えて混合した後、この混合試料0.71gをとり、更に上記精製シラス49.5gを加えて混合(合計50.21g)して、総水銀を含有する重金属類含有物質(被処理物)を得、これを重金属類含有物質として使用した。なお、塩化メチル第二水銀を上記精製シラスに添加した重金属類含有物質中のアルキル水銀の含有量は、14mg/kg、塩化水銀(II)を上記精製シラスに添加した重金属類含有物質中の総水銀の含有量は、7.8mg/kgであった。
【0079】
<重金属類含有物質の処理方法及び実験方法>
上記各安定化材を上記重金属類含有物質に対して表5に示す添加率(質量%)となるように添加、混合して試料とし、各試料について、以下の溶出試験を行うことによって、重金属類含有物質の処理を行うと共に、重金属類の溶出性を評価した。結果を表5に併記する。なお、上記重金属類含有物質に対して表5に示す各成分をそれぞれ表中の「安定化材の含有成分(質量比)」に記載された数値が上記重金属類含有物質に対する添加率(質量%)となるように、別々に添加し、同様に処理しても同様の結果が得られる。
【0080】
<総水銀、アルキル水銀の溶出試験>
「土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日、環告46)」に準じて行った。即ち、各試料(重金属類含有物質+安定化材)に上記実施例1〜16と同様の中性の緩衝液を試料1gに対して溶媒(緩衝液)10mlの割合となり、且つその混合液が500ml以上となるように加えて試料液とした。この試料液を常温(約20℃)、常圧(約1気圧)で振とう機(振とう回数:約200回/分、振とう幅:4cm以上5cm以下)を用いて、6時間連続して振とうした後、10〜30分程度静置し、次いで毎分約3000回転で20分間遠心分離した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、ろ液をとり、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とし、総水銀については、昭和46環境庁告示59号付表1還元気化原子吸光法、アルキル水銀については、昭和46環境庁告示59号付表2ガスクロマトグラフ法によって定量した。
【0081】
一方、比較例4、5として、安定化材を添加しない重金属類含有物質(アルキル水銀又は総水銀を含有する精製シラス)について、上記溶出試験により、中性の緩衝液に対するアルキル水銀、総水銀の溶出量を測定した。結果を表5に併記する。また、各重金属類含有物質中の総水銀、アルキル水銀の含有量、環境基準値を表5に併記する。
【0082】
【表5】
【0083】
表5に示す結果によれば、本発明の重金属類の安定化材として、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムを併用すると、アルキル水銀、総水銀を安定化でき、アルキル水銀については、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウムの2成分系であっても安定化できることが認められる。従って、アルキル水銀及び総水銀を含有する重金属類含有物質に対しては、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウムを含有する安定化材が効果的であり、アルキル水銀を含有する重金属類含有物質に対しては、酸化鉄(III)、チオ硫酸ナトリウムを含有する安定化材が効果的であることが認められる。
Claims (8)
- 重金属類を含有する被処理物から上記重金属類が溶出することを抑制する重金属類の安定化材であって、準晶質粘土鉱物及び/又はタンニンを含有してなることを特徴とする重金属類の安定化材。
- 更に、酸化鉄(III)、硫酸アルミニウム及びチオ硫酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を配合した請求項1記載の重金属類の安定化材。
- 重金属類を含有する被処理物から上記重金属類が溶出することを抑制する重金属類の安定化材であって、酸化鉄(III)と硫酸アルミニウムとチオ硫酸ナトリウム、又は酸化鉄(III)とチオ硫酸ナトリウムとを含有してなることを特徴とする重金属類の安定化材。
- 上記重金属類が、カドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀及びアルキル水銀からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1、2又は3記載の重金属類の安定化材。
- 重金属類を含有する被処理物に請求項1乃至4のいずれか1項記載の重金属類の安定化材を添加、混合することによって、上記被処理物に水が接触した際に上記重金属類が上記被処理物から水中に溶出することを抑制することを特徴とする重金属類の安定化方法。
- 重金属類を含有する各種灰分、セメント及びセメント系固化材、各種土壌などの重金属類含有物質に請求項1乃至4のいずれか1項記載の重金属類の安定化材を加え、これに水を加えて水和反応させることを特徴とする重金属類含有物質の処理方法。
- 酸性、中性及びアルカリ性条件下における上記重金属類の溶出を抑制する請求項6記載の重金属類含有物質の処理方法。
- 上記重金属類として、カドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、ニッケル、セレン、ベリリウム、クロム、フッ素、バナジウム、ホウ素、マンガン、コバルト、砒素、シアン、総水銀、アルキル水銀の溶出を選択的に抑制する請求項6又は7記載の重金属類含有物質の処理方法。
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