JP2004105216A - 医療用麻酔針 - Google Patents
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Abstract
【課題】内針の特に首筋等の厚い皮膚への食いつきを容易にし、かつ又は、外針の薬液の注輸を安定確実にできるようにして、使用の容易性を格段に高める。
【解決手段】細円柱状の本体(3)とこの本体から連続して延びる円錐状の先端部(4)とからなり、先端部に刃先(5)が形成された中実直針状の内針(2)と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部(23)から突出すると共に、開口部が軸心に対して直角に形成された外針(20)とを備えた医療用麻酔針(1)において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面(6)を設けて刃先を形成し、かつ又は、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔(24)を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】細円柱状の本体(3)とこの本体から連続して延びる円錐状の先端部(4)とからなり、先端部に刃先(5)が形成された中実直針状の内針(2)と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部(23)から突出すると共に、開口部が軸心に対して直角に形成された外針(20)とを備えた医療用麻酔針(1)において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面(6)を設けて刃先を形成し、かつ又は、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔(24)を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端に刃先を有する内針と、内針が挿通する中空直管状の外針とからなる医療用麻酔針に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実用新案登録3018360号公報
【特許文献2】
WO99/16486号公報
【特許文献3】
実用新案登録3013771号公報
【0003】
従来の医療用麻酔針は、
【特許文献1】、
【特許文献2】等に開示されているように、先端に刃先を有する内針と、この内針が挿通する中空直管状の外針とからなる。内針は細円柱状の本体とこの本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり、この先端部にいわゆるペンシルポイント状の刃先が形成されている。内針は、穿刺のみに使用し、薬液注輸時には外針から引き抜かれる。また、外針は、内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に、この外針の先端開口部を通して薬液の注輸が行われる。
【0004】
外針は、
【特許文献3】等に開示されているように、開口部の開口面積を拡大しかつ穿刺が容易になるようにその先端部が斜めカットされ、また薬液注輸が安定確実にできるように、開口部近傍の側壁に横孔を形成したものがある。しかしながら、この開口部が斜めカットされたものは硬膜壁を不必要に切削し、また横孔があるものは、横孔が硬膜壁に股がって穿刺さたときに硬膜下腔内への脊髄液もれが発生したりする。そこで、これらを防止するために、開口部を軸心に対し
て直角に形成したものが、上記
【特許文献1】、
【特許文献2】等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の先端部にいわゆるペンシルポイント状の刃先が形成された内針は、その刃先形状が鋭利でないため、特に首筋等の厚い皮膚への食いつきが悪く、使用し難いという問題がある。
【0006】
また、外針の先端開口部が軸心に対して直角に形成されたものには、開口部近傍の側壁に横孔を設けたものがなく、先端の開口部が血管の管壁等で塞がれた場合に、薬液の注輸に時間がかかりすぎたり、あるいは外針の刺し直しが必要になるなど、やはり使用し難いという問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、内針については特に首筋等の厚い皮膚への食いつきを容易にし、かつ又は、開口部が軸心に対して直角に形成された外針については薬液の注輸を安定確実にできるようにして、使用の容易性を格段に高めた医療用麻酔針を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成したことにある。斜めカット面によって刃先を形成したことにより、首筋等の厚い皮膚への食いつきが極めてよくなる。
【0009】
また、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにある。外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにより、先端開口部が血管の管壁等で塞がれても、この横孔を通して薬液を安定確実に注輸できる。横孔を複数にすれば、先端開口部に加えて横孔のすべてが塞がれる可能性は一段と低くなる。
【0010】
さらに、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成し、かつ、外針の開口部の近傍側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにある。斜めカット面を設けて刃先を形成したことにより、首筋等の厚い皮膚への食いつきが極めて容易になり、しかも外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにより、先端開口部が血管の管壁等で塞がれても、この横孔を通して薬液を安定確実に注輸できる。横孔を複数にすれば、先端開口部に加えて横孔のすべてが塞がれる可能性は一段と低くなる。
【0011】
好ましくは、外針の外周面上に横孔と交差して周方向に延びる溝を形成したから、横孔の直上が血管の管壁等で塞がれても、この溝を通して薬液が安定確実に注輸できる。さらに好ましくは、溝の上部角部及び底部角部をアール面で形成したから、外針は極めて破損しにくくなる。
【0012】
好ましくは、横孔の幅を軸方向に長く形成したから、横孔の全面が薄い血管の管壁等ですべて塞がれる可能性は低くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る医療用麻酔針の発明の実施の形態を、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、麻酔針1は、ステンレス鋼製の中実直針状の内針2と、ステンレス鋼製の中空直管状の外針20とからなる。内針2の後端にはつまみ8が固定され、つまみ8の内周面には螺旋状の雌ねじ部9が形成される。外針20の後端は針基25に固定され、内針2は針基25の針孔を通して外針20内に挿入される。針基25の後端から突出する部分には螺旋状の雄ねじ部26が形成され、この雄ねじ部26はつまみ8の雌ねじ部9と係合する。穿刺時には、雄ねじ部26を雌ねじ部9に限度まで嵌めて、内針2の外針20に対する軸方向の限度位置を規定する。このとき内針2の刃先5が外針20の先端開口部23から突出する。
【0015】
図2(a)に示すように、内針2は、細円柱状の本体3とこの本体3から連続して延びる円錐状の先端部4とからなり、先端部4に刃先5が形成される。刃先5は、円錐状の先端部4が円周上、例えば三方から斜めカットされて、図2(b)に示すように、3つの斜めカット面6から形成される。このように、本内針2の刃先5は3つの斜めカット面6から形成されるから、刃先5の先端は極めて鋭利となり、特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよく、極めて使いやすい。なお、図3(a)及び(b)に示すように、内針11の刃先12を1つの斜めカット面13から形成してもよいし、あるいは図示しない4つ以上の斜めカット面から形成してもよい。使用目的に応じて、斜めカット面の数を適宜選択する。
【0016】
図2(a)に示すように、外針20は、内針本体3の外径よりもその内径がわずかに大きい直管状の本体21と、この本体21から連続する外形が先細テーパ状の先端部22とからなり、先端部22の端面には、開口部23が軸心に対して直角に形成される。開口部23の内径は、内針2が外針20に対する軸方向の限度位置にあるとき、開口部23の位置における内針2の外径よりも僅かに小さく形成されて、開口部23において内針2と外針20は密着する。したがって、開口部において内針と外針とが密着していないものと比べて、穿刺時に内針と外針との隙間に神経組織が噛み込まれることがなく、患者は苦痛を感じない。
【0017】
図2(a)及び(c)に示すように、外針20の本体21から先端部22にかけて、周方向に分散して、例えば直径位置に、2つの円形の横孔24が穿設される。2つの横孔24の総開口面積は、開口部23の開口面積よりも広く形成されている。このため、先端開口部23が血管の管壁等で塞がれても、2つの横孔24を通して薬液を安定確実に注輸できる。また、図4に示すように、外針30の横孔31を、軸方向に長く形成してもよい。この場合、横孔31の全面が薄い血管の管壁等ですべて塞がれる可能性は低くなり、薬液を安定確実に注輸できる。
【0018】
図5(a)及び(b)に示されるように、その幅が横孔38の軸方向幅よりも広く形成されて、横孔38と交差しかつ周方向に水平に延びる溝39を、外針20の外周面上に形成してもよい。これにより、横孔38の直上が血管の管壁等で塞がれても、この溝39を通して薬液が安定確実に注輸できる。図5(c)に示されるように、この溝39は、その軸方向の外形が先端部36から本体37にかけて、半径がr1 ,r2 ,r3 ,r4 の4つのアール面で形成されている。このように、溝39の上部角部及び底部角部がそれぞれアール面で形成されているから、外針35は極めて破損しにくい。ただし、このアール加工は必ずしも施さなくてもよい。
【0019】
なお、上述した麻酔針1は、内針2の先端部4に斜めカット面6,13を設け、かつ外針20に対して横孔24,31,38を設けるものであったが、これ限定されるものではなく、いずれか一方だけを備えたものでもよい。いずれか一方だけであっても使用の容易性が格段に高まる。また、外針の横孔の数は必ずしも1つ又は2つに限定されるものではなく、周方向に分散した3つ以上のものであってもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の医療用麻酔針は、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成する。したがって、内針について特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよくなり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【0021】
また、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成する。したがって、開口部が軸心に対して直角に形成された外針について薬液の注輸が安定確実にできるようになり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【0022】
さらに、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成し、かつ、外針の開口部の近傍側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成する。したがって、内針について特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよくなり、かつ、開口部が軸心に対して直角に形成された外針について薬液の注輸が安定確実にできるようになり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用麻酔針1を示す正面図である。
【図2】(a)は図1の麻酔針1の詳細を示す正面断面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。
【図3】(a)は別の内針11を示す正面図であり、(b)は平面図である。
【図4】別の横孔31を示す平面図である。
【図5】(a)はさらに別の横孔38を示す正面図であり、(b)は(a)の矢線V−Vにおける断面図であり、(c)は(a)の横孔38の拡大図である。
【符号の説明】
1 麻酔針
2 内針
3 本体
4 先端部
5 刃先
6 斜めカット面
8 つまみ
9 雌ねじ部
11 内針
12 刃先
13 斜めカット面
20 外針
21 本体
22 先端部
23 開口部
24 横孔
25 針基
26 雄ねじ部
30 外針
31 横孔
35 外針
36 先端部
37 本体
38 横孔
39 溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端に刃先を有する内針と、内針が挿通する中空直管状の外針とからなる医療用麻酔針に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実用新案登録3018360号公報
【特許文献2】
WO99/16486号公報
【特許文献3】
実用新案登録3013771号公報
【0003】
従来の医療用麻酔針は、
【特許文献1】、
【特許文献2】等に開示されているように、先端に刃先を有する内針と、この内針が挿通する中空直管状の外針とからなる。内針は細円柱状の本体とこの本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり、この先端部にいわゆるペンシルポイント状の刃先が形成されている。内針は、穿刺のみに使用し、薬液注輸時には外針から引き抜かれる。また、外針は、内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に、この外針の先端開口部を通して薬液の注輸が行われる。
【0004】
外針は、
【特許文献3】等に開示されているように、開口部の開口面積を拡大しかつ穿刺が容易になるようにその先端部が斜めカットされ、また薬液注輸が安定確実にできるように、開口部近傍の側壁に横孔を形成したものがある。しかしながら、この開口部が斜めカットされたものは硬膜壁を不必要に切削し、また横孔があるものは、横孔が硬膜壁に股がって穿刺さたときに硬膜下腔内への脊髄液もれが発生したりする。そこで、これらを防止するために、開口部を軸心に対し
て直角に形成したものが、上記
【特許文献1】、
【特許文献2】等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の先端部にいわゆるペンシルポイント状の刃先が形成された内針は、その刃先形状が鋭利でないため、特に首筋等の厚い皮膚への食いつきが悪く、使用し難いという問題がある。
【0006】
また、外針の先端開口部が軸心に対して直角に形成されたものには、開口部近傍の側壁に横孔を設けたものがなく、先端の開口部が血管の管壁等で塞がれた場合に、薬液の注輸に時間がかかりすぎたり、あるいは外針の刺し直しが必要になるなど、やはり使用し難いという問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、内針については特に首筋等の厚い皮膚への食いつきを容易にし、かつ又は、開口部が軸心に対して直角に形成された外針については薬液の注輸を安定確実にできるようにして、使用の容易性を格段に高めた医療用麻酔針を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成したことにある。斜めカット面によって刃先を形成したことにより、首筋等の厚い皮膚への食いつきが極めてよくなる。
【0009】
また、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにある。外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにより、先端開口部が血管の管壁等で塞がれても、この横孔を通して薬液を安定確実に注輸できる。横孔を複数にすれば、先端開口部に加えて横孔のすべてが塞がれる可能性は一段と低くなる。
【0010】
さらに、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成し、かつ、外針の開口部の近傍側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにある。斜めカット面を設けて刃先を形成したことにより、首筋等の厚い皮膚への食いつきが極めて容易になり、しかも外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成したことにより、先端開口部が血管の管壁等で塞がれても、この横孔を通して薬液を安定確実に注輸できる。横孔を複数にすれば、先端開口部に加えて横孔のすべてが塞がれる可能性は一段と低くなる。
【0011】
好ましくは、外針の外周面上に横孔と交差して周方向に延びる溝を形成したから、横孔の直上が血管の管壁等で塞がれても、この溝を通して薬液が安定確実に注輸できる。さらに好ましくは、溝の上部角部及び底部角部をアール面で形成したから、外針は極めて破損しにくくなる。
【0012】
好ましくは、横孔の幅を軸方向に長く形成したから、横孔の全面が薄い血管の管壁等ですべて塞がれる可能性は低くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る医療用麻酔針の発明の実施の形態を、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、麻酔針1は、ステンレス鋼製の中実直針状の内針2と、ステンレス鋼製の中空直管状の外針20とからなる。内針2の後端にはつまみ8が固定され、つまみ8の内周面には螺旋状の雌ねじ部9が形成される。外針20の後端は針基25に固定され、内針2は針基25の針孔を通して外針20内に挿入される。針基25の後端から突出する部分には螺旋状の雄ねじ部26が形成され、この雄ねじ部26はつまみ8の雌ねじ部9と係合する。穿刺時には、雄ねじ部26を雌ねじ部9に限度まで嵌めて、内針2の外針20に対する軸方向の限度位置を規定する。このとき内針2の刃先5が外針20の先端開口部23から突出する。
【0015】
図2(a)に示すように、内針2は、細円柱状の本体3とこの本体3から連続して延びる円錐状の先端部4とからなり、先端部4に刃先5が形成される。刃先5は、円錐状の先端部4が円周上、例えば三方から斜めカットされて、図2(b)に示すように、3つの斜めカット面6から形成される。このように、本内針2の刃先5は3つの斜めカット面6から形成されるから、刃先5の先端は極めて鋭利となり、特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよく、極めて使いやすい。なお、図3(a)及び(b)に示すように、内針11の刃先12を1つの斜めカット面13から形成してもよいし、あるいは図示しない4つ以上の斜めカット面から形成してもよい。使用目的に応じて、斜めカット面の数を適宜選択する。
【0016】
図2(a)に示すように、外針20は、内針本体3の外径よりもその内径がわずかに大きい直管状の本体21と、この本体21から連続する外形が先細テーパ状の先端部22とからなり、先端部22の端面には、開口部23が軸心に対して直角に形成される。開口部23の内径は、内針2が外針20に対する軸方向の限度位置にあるとき、開口部23の位置における内針2の外径よりも僅かに小さく形成されて、開口部23において内針2と外針20は密着する。したがって、開口部において内針と外針とが密着していないものと比べて、穿刺時に内針と外針との隙間に神経組織が噛み込まれることがなく、患者は苦痛を感じない。
【0017】
図2(a)及び(c)に示すように、外針20の本体21から先端部22にかけて、周方向に分散して、例えば直径位置に、2つの円形の横孔24が穿設される。2つの横孔24の総開口面積は、開口部23の開口面積よりも広く形成されている。このため、先端開口部23が血管の管壁等で塞がれても、2つの横孔24を通して薬液を安定確実に注輸できる。また、図4に示すように、外針30の横孔31を、軸方向に長く形成してもよい。この場合、横孔31の全面が薄い血管の管壁等ですべて塞がれる可能性は低くなり、薬液を安定確実に注輸できる。
【0018】
図5(a)及び(b)に示されるように、その幅が横孔38の軸方向幅よりも広く形成されて、横孔38と交差しかつ周方向に水平に延びる溝39を、外針20の外周面上に形成してもよい。これにより、横孔38の直上が血管の管壁等で塞がれても、この溝39を通して薬液が安定確実に注輸できる。図5(c)に示されるように、この溝39は、その軸方向の外形が先端部36から本体37にかけて、半径がr1 ,r2 ,r3 ,r4 の4つのアール面で形成されている。このように、溝39の上部角部及び底部角部がそれぞれアール面で形成されているから、外針35は極めて破損しにくい。ただし、このアール加工は必ずしも施さなくてもよい。
【0019】
なお、上述した麻酔針1は、内針2の先端部4に斜めカット面6,13を設け、かつ外針20に対して横孔24,31,38を設けるものであったが、これ限定されるものではなく、いずれか一方だけを備えたものでもよい。いずれか一方だけであっても使用の容易性が格段に高まる。また、外針の横孔の数は必ずしも1つ又は2つに限定されるものではなく、周方向に分散した3つ以上のものであってもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の医療用麻酔針は、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成する。したがって、内針について特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよくなり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【0021】
また、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、外針の開口部近傍の側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成する。したがって、開口部が軸心に対して直角に形成された外針について薬液の注輸が安定確実にできるようになり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【0022】
さらに、細円柱状の本体と本体から連続して延びる円錐状の先端部とからなり先端部に刃先が形成された中実直針状の内針と、中空直管状に形成されて内針が後端から挿入されて先端の開口部から突出すると共に開口部が軸心に対して直角に形成された外針とを備えた医療用麻酔針において、内針の先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面を設けて刃先を形成し、かつ、外針の開口部の近傍側壁に総開口面積が開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔を形成する。したがって、内針について特に首筋等の厚い皮膚への食いつきがよくなり、かつ、開口部が軸心に対して直角に形成された外針について薬液の注輸が安定確実にできるようになり、使用の容易性が格段に高まるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医療用麻酔針1を示す正面図である。
【図2】(a)は図1の麻酔針1の詳細を示す正面断面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。
【図3】(a)は別の内針11を示す正面図であり、(b)は平面図である。
【図4】別の横孔31を示す平面図である。
【図5】(a)はさらに別の横孔38を示す正面図であり、(b)は(a)の矢線V−Vにおける断面図であり、(c)は(a)の横孔38の拡大図である。
【符号の説明】
1 麻酔針
2 内針
3 本体
4 先端部
5 刃先
6 斜めカット面
8 つまみ
9 雌ねじ部
11 内針
12 刃先
13 斜めカット面
20 外針
21 本体
22 先端部
23 開口部
24 横孔
25 針基
26 雄ねじ部
30 外針
31 横孔
35 外針
36 先端部
37 本体
38 横孔
39 溝
Claims (6)
- 細円柱状の本体(3)と前記本体から連続して延びる円錐状の先端部(4)とからなり前記先端部に刃先(5,12)が形成された中実直針状の内針(2,11)と、中空直管状に形成されて前記内針が後端から挿入されて先端の開口部(23)から突出すると共に前記開口部が軸心に対して直角に形成された外針(20,30,35)とを備えた医療用麻酔針(1)において、前記内針の前記先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面(6,13)を設けて前記刃先を形成したことを特徴とする医療用麻酔針。
- 細円柱状の本体(3)と前記本体から連続して延びる円錐状の先端部(4)とからなり前記先端部に刃先(5,12)が形成された中実直針状の内針(2,11)と、中空直管状に形成されて前記内針が後端から挿入されて先端の開口部(23)から突出すると共に前記開口部が軸心に対して直角に形成された外針(20,30,35)とを備えた医療用麻酔針(1)において、前記外針の前記開口部近傍の側壁に総開口面積が前記開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔(24,31,38)を形成したことを特徴とする医療用麻酔針。
- 細円柱状の本体(3)と前記本体から連続して延びる円錐状の先端部(4)とからなり前記先端部に刃先(5,12)が形成された中実直針状の内針(2,11)と、中空直管状に形成されて前記内針が後端から挿入されて先端の開口部(23)から突出すると共に前記開口部が軸心に対して直角に形成された外針(20,30,35)とを備えた医療用麻酔針(1)において、前記内針の前記先端部に1つ又は3つ以上の斜めカット面(6,13)を設けて前記刃先を形成し、かつ、前記外針の前記開口部近傍の側壁に総開口面積が前記開口部の開口面積よりも広い1つ又は周方向に分散した複数の横孔(24,31,38)を形成したことを特徴とする医療用麻酔針。
- 前記外針(35)の外周面上に前記横孔(38)と交差して周方向に延びる溝(39)を形成したことを特徴とする、請求項2又は3に記載の医療用麻酔針。
- 前記溝(39)の上部角部及び底部角部をアール面で形成したことを特徴とする、請求項4に記載の医療用麻酔針。
- 前記横孔(31)の幅を軸方向に長く形成したことを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の医療用麻酔針。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002267775A JP2004105216A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 医療用麻酔針 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=32266185
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004105216A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101267440B1 (ko) | 2011-04-21 | 2013-05-31 | 주식회사 에스앤지바이오텍 | 의료용 니들장치 |
JP2014004249A (ja) * | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Unique Medical Co Ltd | 注射針および電極針 |
JP7553916B2 (ja) | 2020-11-10 | 2024-09-19 | 日本ピストンリング株式会社 | 医療用針 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002267775A patent/JP2004105216A/ja active Pending
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