JP2004104225A - Cdma受信装置及びフィンガ割り当て方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】弱電界状態、またはノイズレベルの変わる状態で、受信した信号から有効なパスを抽出すること。
【解決手段】最小値平均値算出部112は、遅延プロファイルの最小値を検出し、平均値を算出する。閾値算出部113は、閾値係数と、遅延プロファイルの最小値と平均値とに基づいて閾値を算出する。パス管理部114は、この閾値と、遅延プロファイルと、フィンガに割り当てたパス情報から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部102に出力する。フィンガ管理部102は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。パラメータ適応処理部103は、遅延プロファイル作成の演算シンボル数により、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定する。
【選択図】 図1
【解決手段】最小値平均値算出部112は、遅延プロファイルの最小値を検出し、平均値を算出する。閾値算出部113は、閾値係数と、遅延プロファイルの最小値と平均値とに基づいて閾値を算出する。パス管理部114は、この閾値と、遅延プロファイルと、フィンガに割り当てたパス情報から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部102に出力する。フィンガ管理部102は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。パラメータ適応処理部103は、遅延プロファイル作成の演算シンボル数により、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法に関し、特にハンドオーバを行う移動体通信に用いて好適なCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いた通信では、受信側において、受信信号に拡散符号を乗算し、得られた遅延プロファイルから自局宛の信号のパスを取り出す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来のCDMA受信装置のフィンガ割り当てパス検出部の構成を示すブロック図である。図6のフィンガ割り当て部10は、遅延プロファイル生成部11と、最大値平均値算出部12と、閾値算出部13と、パス管理部14とから主に構成される。フィンガ割り当て部10は、ハンドオーバ数分(RadioLink数分)だけ備えられる。ここでは、セル#1、セル#2、及びセル#3の3セル分についてフィンガ割り当て部を備える例について説明する。
【0004】
ここでは、フィンガ割り当て部10は、セル#1のパスサーチを行う。さらに、CDMA受信装置は、フィンガ割り当て部10と同様の構成を複数備え、他のセル#2及びセル#3のパスサーチを行う。そして、フィンガ管理部15は、各セルのパスサーチの結果に基づいてフィンガ割り当てを行う。
【0005】
最初に、各ブロックの動作について説明する。遅延プロファイル生成部11は、符号率、符号番号、位相情報、演算シンボル数などの遅延プロファイル生成制御信号の指示に従い、受信信号に拡散符号を乗算して遅延プロファイルを作成し、この遅延プロファイルを最大値平均値算出部12とパス管理部14に出力する。
【0006】
最大値平均値算出部12は、遅延プロファイルの最大値を検出し、平均値を算出する。そして、最大値平均値算出部12は、最大値と平均値を閾値算出部13に出力する。閾値算出部13は、外部から入力される閾値係数と、遅延プロファイルの最大値と平均値とに基づいて閾値を算出し、パス管理部14に出力する。
【0007】
パス管理部14では、閾値算出部13から受け取った閾値と、遅延プロファイル生成部11から受け取った遅延プロファイル結果と、フィンガ管理部15から受け取ったフィンガに割り当てたパス情報(特に、DLL(Delay−Locked Loop)制御によるフィンガに割り当てたパスの位相情報)から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部15に出力する。
【0008】
また、パス管理部14は、有効なパス情報の中の位相情報をセル位相情報として、外部に出力する。このセル位相情報は、次に作成する遅延プロファイルの位相情報に反映される。また、パス間の比較に用いるパスのレベルは、フェージングなどの影響を減らすため、過去の測定結果とのフィルタ演算で求めたレベルである。
【0009】
フィンガ管理部15は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。また、一般にパスサーチにくらべ短期周期で動作するDLL制御によるフィンガ位相トラッキングを行い、フィンガに割り当てているパスの位相情報を更新する。
【0010】
図6のフィンガ割り当てパス検出部は、以上の構成を用いて、フィンガ割り当てを行う。次に、フィンガ割り当ての動作について説明する。図7は、従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図である。図7において、横軸は位相を示し、縦軸は相関電力値を示す。
【0011】
一般に、フィンガ割り当てパス検出部は、遅延プロファイルの形状から有効なパスとそうでないパスを見分ける閾値を算出する。閾値算出部13は、外部から入力される閾値係数と、遅延プロファイルの最大値と平均値とに基づいて平均値からx1[dB]上げた電力値を閾値21、最大値からx2[dB]下げた電力値を閾値22とする。そして、パス管理部14は、閾値21と閾値22の大きい方を有効なパス閾値として使用する。
【0012】
図7の場合、閾値22が閾値21より大きいので、閾値22がパスの判定の閾値として用いられる。そして、パス管理部14は、閾値22より大きな値のパスを選択する。ここでは、有効なパスは、25のみとなる。
【0013】
なお、パス選択では、一般に前後数サンプルの位相は同一パスとみなし、同時にフィンガのパスとして使用しないほうが、受信性能がよくなることが知られている。従って、パス管理部14は、25のパスのみをフィンガに割り当てる。
【0014】
もし、閾値21を用いた場合、25のサイドローブの26、27がパスとみなされ、フィンガに割当たる。この場合、26、27を割り当ててレイク合成した場合、静特性下ではかえって受信性能が悪くなる場合が多い。
【0015】
従って、ある程度大きなピークが存在する場合は、その大きなピークに比して一定レベル以下のパスをレイク合成するとかえって受信性能が劣化するので、選択するパスから外したほうが、受信性能が良くなる。このように、従来の装置では、前述する2つの閾値から選択する方法を用いている。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−101549号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、以下の問題がある。図8、図9、及び図10は、従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図である。図8は、図7より弱電界の状態の例である。図8の例では、閾値21、つまり平均値から求めた閾値が、有効なパス判定の閾値となる。従って、パス管理部14は、35のパスをフィンガに割り当てる。
【0018】
図9は、図8より弱電界の状態の例である。図8の例と同様に、図9の例でも、閾値21、つまり平均値から求めた閾値が、有効なパス判定の閾値となる。ここで、中心に存在するパス45を安定的に有効と判定させようとした場合、x1[dB]の係数を小さくする必要がある。
【0019】
その結果、46、47といったノイズ部分の位相をパスとして有効と判定してしまう。そして、ノイズ部分の位相をパスとしてレイク合成してしまうため受信性能が悪くなる。この誤判定を避けるために、係数x1[dB]を大きくしたままパスを選択する場合、図10のように、ノイズとのレベル差大きいパス55が有効なパスとして判定できなくなる。
【0020】
このように、従来の装置では、弱電界状態で受信した信号から有効なパスを抽出することが難しいという問題がある。
【0021】
また、従来の装置では、平均演算シンボル数の違いまたは符号間干渉の違いなどによりノイズレベルの分散が変わること、高周波回路部の個体差による受信電圧オフセット、これらの様々な要因で、ノイズレベルのオフセット量(平均値)が変わった場合、適切な閾値の算出が難しく、また、振幅変動の激しいフェージング環境下では、さらに適切な閾値の算出が難しい。この結果、受信した信号から有効なパスを抽出することが難しいという問題がある。
【0022】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、弱電界状態、またはノイズレベルの変わる状態で、受信した信号から有効なパスを抽出することのできるCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明のCDMA受信装置は、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成手段と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理手段と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理手段と、を具備する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージング環境下などでの有効なパスを安定的に割り当て続けることができる。
【0026】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが所定の第1閾値以上であるパスをパスが最も高いランクに分類される第1ランクにあると判定する場合、前記パスのランクを、保護段数と状態遷移の条件の回数にかかわらず、受信状態の変動の影響に関係なく選択されるパスであることを示す第1ランクに変更する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、瞬時に現れた強いパスをできるだけ早くフィンガに割り当てることができる。
【0028】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である場合、前記パスを所望するパスとノイズとの境界上にあることを示す第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、保護段数の回数連続で前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす場合、パスを第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、連続して前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす回数が保護段数未満の場合、パスを第1ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第2ランクに分類されたパスが、前記第2閾値以下である回数が連続して保護回数以下である場合、パスを第2ランクに分類する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、1回の遅延プロファイル測定では、ノイズと判別が難しいレベルのパスの検出ができる。
【0030】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数未満である場合、パスを第3ランクに分類し、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数以上である場合、パスを第2ランクに分類する構成を採る。
【0031】
この構成によれば、フェージング環境下などで一時的にレベルが高くなったノイズをパスと誤って判断することを防ぐことができる。
【0032】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、第1ランクのパスを検出した場合、所定のランク以下のパスをフィンガに割り当てない構成を採る。
【0033】
この構成によれば、ある一定レベル以上のパスが存在した場合、そのパスのレベルに比して小さなレベルのパスは割り当てると返って受信性能の低下を招く場合があったが、それを割り当てなくすることができ、結果として受信性能をよくすることができる。
【0034】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて保護段数を決定する構成を採る。
【0035】
この構成によれば、演算シンボル数により、遅延プロファイル結果の信頼度は大きく変化するが、遅延プロファイルの信頼度を、状態遷移の保護機能の段数に反映することにより適切なパス評価ができ、フィンガ割り当て精度を高めることができる。
【0036】
本発明のCDMA受信装置は、フィンガ管理手段は、パス管理手段においてフィンガに割り当てたパスの最も強い強度に基づいてパスサーチ及びフィンガ割り当ての周期を決定し、パス管理手段に前記パスサーチ及び前記フィンガ割り当ての周期を指示する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、セル毎のレベル測定結果でなく、フィンガ割り当て方法に用いているパス管理情報であるパス強度を用いることで、受信環境にあわせた制御ができる。
【0038】
本発明のCDMA受信装置は、遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいてパスを各ランクに分類する基準を決定するパラメータ適応処理手段を具備し、パス管理手段は、前記パラメータ適応処理手段において決定した基準を用いてパスを各ランクに分類する構成を採る。
【0039】
この構成によれば、遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて推定したノイズ分布の補正を指示し、ノイズの分散度の変化に合わせて閾値算出の係数をかえることにより、演算シンボル数が異なる場合でも評価が同じアルゴリズムを用いることができる。
【0040】
本発明の基地局装置は、上記CDMA受信装置を具備することを特徴とする構成を採る。本発明の通信端末装置は、上記CDMA受信装置を具備することを特徴とする構成を採る。
【0041】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0042】
本発明のフィンガ割り当てプログラムは、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成ステップと、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理ステップと、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理ステップと、をコンピュータに実行させる構成を採る。
【0043】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0044】
本発明のフィンガ割り当て方法は、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成行程と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理行程と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理行程と、を具備するようにした。
【0045】
この方法によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明者は、弱電界状態またはまたはノイズレベルの変わる状態で、遅延プロファイルの平均値及び最大値から決定した基準を用いて受信した信号から有効なパスを抽出すると、有効なパスを選択できない、またはノイズを有効なパスと誤って選択する点に着目し、本発明をするに至った。
【0047】
すなわち、本発明の骨子は、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更し、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択することである。
【0048】
また、パス選択の評価において、パスのレベルが連続して所定のレベル以上にある回数が保護段数以上の場合、安定的に受信できるパスの可能性が高いと評価し、回数が保護段数未満の場合、パスが一時的なレベル変動して安定的に受信できるとは判定できないパスと判定して、パス選択の評価を下げることである。
【0049】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(一実施の形態)
本発明の一実施の形態では、ハンドオーバ数分のパスサーチ、及びフィンガ割り当てを行う例について説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の構成を示すブロック図である。図1のフィンガ割り当て装置100は、パスサーチ部101−1〜101−3と、フィンガ管理部102と、パラメータ適応処理部103とから主に構成される。パスサーチ部101−1〜101−3は、それぞれ遅延プロファイル生成部111と、最小値平均値算出部112と、閾値算出部113と、パス管理部114とから主に構成される。
【0051】
遅延プロファイル生成部111は、符号率、符号番号、位相情報、演算シンボル数などの遅延プロファイル生成制御信号の指示に従い、受信信号に拡散符号を乗算して遅延プロファイルを作成し、この遅延プロファイルを最小値平均値算出部112とパス管理部114に出力する。
【0052】
最小値平均値算出部112は、遅延プロファイルの最小値を検出し、平均値を算出する。そして、最小値平均値算出部112は、最小値と平均値を閾値算出部113に出力する。閾値算出部113は、と、パラメータ適応処理部103から出力された閾値係数と、遅延プロファイルの最小値と平均値とに基づいて閾値を算出し、パス管理部114に出力する。
【0053】
パス管理部114は、閾値算出部113から受け取った閾値と、遅延プロファイル生成部111から受け取った遅延プロファイル結果と、フィンガ管理部102から受け取ったフィンガに割り当てたパス情報(特に、DLL制御によるフィンガに割り当てたパスの位相情報)から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部102に出力する。
【0054】
また、パス管理部114は、有効なパス情報の中の位相情報をセル位相情報として、外部に出力する。このセル位相情報は、次に作成する遅延プロファイルの位相情報に反映される。また、パス間の比較に用いるパスのレベルは、フェージングなどの影響を減らすため、過去の測定結果とのフィルタ演算で求めたレベルである。
【0055】
フィンガ管理部102は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。また、一般にパスサーチにくらべ短期周期で動作するDLL制御によるフィンガ位相トラッキングを行い、フィンガに割り当てているパスの位相情報を更新する。
【0056】
パラメータ適応処理部103は、遅延プロファイル生成制御信号中の遅延プロファイル作成の演算シンボル数により、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定し、閾値係数及び保護カウンタ更新重み情報を閾値算出部113及びパス管理部114に出力する。
【0057】
次に、本実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の詳細な動作について説明する。受信信号は、遅延プロファイル生成部111において位相をずらして逆拡散処理、パワ演算され遅延プロファイルが作成される。そして、最小値平均値算出部112において、得られた遅延プロファイルの最小値と平均値が算出される。
【0058】
閾値算出部113において、パラメータ適応処理部103から入力する係数αHigh、αLowと最小値平均値算出部112から入力する遅延プロファイルの平均値Aveと最小値Minとに基づき、式(1)及び式(2)を用いて、閾値High、及び閾値Lowが得られる。
閾値High = (αHigh+1)×ave − αHigh×min …(1)
閾値Low = (αLow+1)×ave − αLow×min …(2)
【0059】
図2は、本実施の形態のフィンガ割り当ての説明のための遅延プロファイルの一例を示す図である。閾値算出部113は、遅延プロファイルの平均値Aveと最小値Minから、図2に示すように、平均値を中心として、相関電力値の下側は最小値Min、上側は平均値Aveより平均値Aveから最小値Minを減算した値の分上までをノイズ分布帯と考えて、ノイズ分布の変化に対応して閾値を算出する。
【0060】
閾値Highは、ほぼ確実にパスとして認められるレベルの閾値とし、閾値Lowは、ノイズかもしれないが、安定的にそのレベルを超えているようならパスとして認められるレベルの閾値とする。例えば、αHigh=2.0、αLow=0.8である。
【0061】
パス管理部114は、遅延プロファイル生成部111から入力する遅延プロファイル結果と、閾値算出部113から入力する閾値情報と、パラメータ適応処理部103から入力する保護カウンタ更新重み情報、フィンガ管理部102から入力するフィンガ割り当てパス情報から、パス情報の更新を行う。
【0062】
以下、パス情報の更新ついて説明する。まず、遅延プロファイル結果と閾値から、パス毎のパス強度を求める。図3は、パス強度の状態遷移の一例を示す図である。
【0063】
図3において、パスの状態(ランク)は、ランクA、ランクB、ランクC、及びランクDの4段階に分かれる。また、パスの状態は、ランクA、ランクB、ランクC、ランクDの順に良い状態を示す。例えば、ランクAは、受信状態の変動に影響に関係なく選択されるパスであることを示すランク、ランクBは、所望するパスとノイズとの境界上にあることを示すランクとする。
【0064】
また、ランク間の状態遷移の一部では、一回のパスの評価では、状態の遷移を行わず、同じ評価を連続して所定の回数より多く受けた場合に状態の遷移を行う。以下、この所定の回数を保護段数と呼ぶ。
【0065】
パス管理部114は、保護段数の対象となる評価の回数をカウントする保護カウンタを備える。そして、パス管理部114は、パスのレベルに基づいてパスを複数のランクのいずれかに分類してパスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定して、前記保護段数より大きい回数で状態遷移の条件を満たした場合、ランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、ランクを変更しない。
【0066】
そして、パス管理部114は、パス情報の初期状態をランクD、保護カウンタの値を「0」としてパスの評価を始める。
【0067】
パスの評価は、以下の場合分けに従う。パスの強度が閾値Highを越える場合を事象▲1▼とする。パスの強度が閾値Lowより大きくかつ閾値High以下である場合を事象▲2▼とする。パスの強度が閾値Low以下である場合を事象▲3▼とする。
【0068】
また、事象▲2▼が連続して保護段数より多い回数発生した場合を事象▲2▼+とする。そして、事象▲2▼が連続して保護段数以下の回数発生した場合を事象▲2▼−とする。同様に、事象▲3▼が連続して保護段数より多い回数発生した場合を事象▲3▼+とする。そして、事象▲3▼が連続して保護段数以下の回数発生した場合を事象▲3▼−とする。
【0069】
パス管理部114は、パス強度がこれらの事象のいずれにあてはまるか判断し、状態を設定する。まず、一回前の評価において状態がランクAである場合の遷移について説明する。ランクAの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態は変えずにランクAのままとし、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0070】
ランクAの状態において、パス強度が事象▲2▼または事象▲3▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PAB以下である場合、すなわち事象▲2▼−または事象▲3▼−である場合、状態は変えずにランクAのままとし、保護カウンタはクリアされない。また、保護カウンタの値が保護段数PABより大きい場合、すなわち事象▲2▼+または事象▲3▼+である場合、状態をランクBに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0071】
次に、一回前の評価において状態がランクBである場合の遷移について説明する。ランクBの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。ランクBの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、状態は変えずにランクBのままとし、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0072】
ランクBの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PBD以下である場合、すなわち事象▲3▼−である場合、状態は変えずにランクBのままとし、保護カウンタはクリアされない。また、保護カウンタの値が保護段数PBDより大きい場合、すなわち事象▲3▼+である場合、状態をランクDに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0073】
次に、一回前の評価において状態がランクCである場合の遷移について説明する。ランクCの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0074】
ランクCの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PCBより大きい場合、すなわち事象▲2▼+である場合、状態をランクBに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。また、保護カウンタの値が保護段数PCB以下である場合、すなわち事象▲2▼−である場合、状態は変えずにランクCのままとし、保護カウンタはクリアされない。
【0075】
そして、ランクCの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、状態をランクDに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0076】
次に、一回前の評価において状態がランクDである場合の遷移について説明する。ランクDの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。また、ランクDの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、状態をランクCに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。そして、ランクDの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、状態は変えずにランクDのままとする。
【0077】
パス毎の位相トラッキング処理を行った後、上記アルゴリズムを用いて状態の遷移を行うか否か判断し、判断後の状態からパス強度を決定する。そして、パス毎に最新の遅延プロファイル結果から得られるパスの相関電力値を遅延プロファイルの平均値Aveで除算した結果から求められるSN比(Signal Noise Ratio)を求める。
【0078】
パス管理部114は、更新した結果から上位パス検索を行い、有効なパスを検索する。パス管理部114は、最初に前述したパス強度でパスの比較を行う。パス強度が同じ場合、パス管理部114は、SN比でパスの比較を行う。そして、パス管理部114は、上位検索結果をフィンガ管理部102に出力する。
【0079】
また、パス管理部114は、次回の遅延プロファイル作成位相に使用する外部へのセル位相情報のほかに、パスの最強ランク(最強パス情報)を出力し、上位制御部へ現在の受信環境情報(各セル毎にどの程度有効なパスが存在するか)として参照してもらう。
【0080】
もし、最強ランクがランクCである場合、有効なパスが見つかっていない確率が高いので、次回の遅延プロファイル作成までの間隔を小さくする制御を行うか、演算シンボル数を大きくし、長期平均を取るようにして有効なパスをできるだけ見つける制御を行う。
【0081】
フィンガ管理部102では、各セル毎の上位パス結果から、フィンガに割り当てるパスの決定を行う。フィンガ管理部102における比較方法も、パス管理部114と同様に最初に前述したパス強度でパスの比較を行う。パス強度が同じ場合、フィンガ管理部102は、SN比でパスの比較を行う。また、フィンガ管理部102は、セル毎の上位パス結果の最強ランクを求め、フィンガに割り当てるパスの制限を設ける。以下、フィンガに割り当てるパスの制限について説明する。
【0082】
フィンガ管理部102は、最強ランクがランクAの場合、ランクC、Dのパスはフィンガに割り当てない。そして、フィンガ管理部102は、最強ランクがBの場合、ランクDのパスはフィンガに割り当てない。
【0083】
このように、フィンガ管理部102は、ある一定以上のレベルのパスがレイク合成対象ならば、そのレベルに比して一定以上レベルの小さいパスをレイク合成対象に加えると返って受信特性が悪くなるということを避ける。
【0084】
パラメータ適応処理部103では、遅延プロファイル生成制御信号中の遅延プロファイル作成の演算シンボル数に基づいて、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定し、閾値係数及び保護カウンタ更新重み情報を閾値算出部113及びパス管理部114に出力する。
【0085】
以下、パラメータ適応処理部103における閾値係数の制御について説明する。演算シンボル数が小さい場合、ノイズの分散は大きい。そこで、パラメータ適応処理部103は、閾値Highの係数を通常より大きくし、誤判定を避ける。また、保護カウンタ更新重み情報は信頼度が低いため、パラメータ適応処理部103は、重みを小さくする。
【0086】
逆に演算シンボル数が大きい場合は、ノイズの分散は小さい。この場合、閾値Highの閾値係数を通常より小さくしても誤判定の確率は低い。そこで、パラメータ適応処理部103は、受信性能をよくするため閾値Highの閾値係数を小さくする。また、保護カウンタ更新重み情報は信頼度が高いため、パラメータ適応処理部103は、閾値Highの閾値係数の重みを大きくする。
【0087】
以下に、パラメータ適応処理部103における閾値係数の制御を用いたフィンガ割り当てについて説明する。図4は、本実施の形態のフィンガ割り当て装置におけるフィンガ割り当ての一例を示す図である。この図4は、遅延プロファイルの一例である。縦軸は、相関電力値を示し、横軸は位相を示す。図4(A)、図4(B)、及び図4(C)は、それぞれ時間t、t+TPSR、及びt+2×TPSRにおいて、実際のパスサーチ間隔TPSRごとに作成された遅延プロファイルである。
【0088】
図4(A)において、時刻tでは、閾値Lowを超えるパスがピーク402の部分に2個とピーク401とピーク403の4パス存在する。しかし、ピーク402及びピーク403の部分は、本来ノイズである。従って、ピーク402及びピーク403は、異なる時刻で閾値Lowより小さい値をとる可能性がある。例えば、図4(B)及び図4(C)に示すように、ピーク402及びピーク403は、連続して閾値Lowを超える可能性は小さい。
【0089】
従って、一見ノイズと見分けられないパスでも、本実施の形態で示すランクBのパスとして安定的にフィンガを割り当てることができ、弱電界においても有効なフィンガ割り当て方法を提供できる。
【0090】
また、平均演算シンボル数の違いや、符号間干渉の違いなどで、ノイズレベルの分散が変化すること、高周波回路部の個体差による受信電圧オフセットなどさまざまな要因で、ノイズレベルのオフセット量(平均値)が変わった場合も、ノイズ分布帯を遅延プロファイルの平均値と最小値という簡単に求められる情報を用い推定して閾値を決めるため、遅延プロファイル作成条件により適応的に閾値が対応するようになっている。
【0091】
上記フィンガ割り当て装置は、CDMA受信装置に搭載して使用する。図5は、本実施の形態のCDMA受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図5のCDMA受信装置500は、無線受信部501と、AD変換部502と、フィンガ割り当て部100と、フィンガ・レイク処理部503と、復調部504と、復号部505とから主に構成される。
【0092】
無線受信部501は、受信信号を無線周波数からベースバンド周波数に変換して、AD変換部502に出力する。AD変換部502は、受信信号をアナログデジタル変換して、フィンガ割り当て部100に出力する。フィンガ割り当て部100は、受信信号から有効なパスをフィンガとして割り当てる。フィンガ・レイク処理部503は、フィンガ割り当て部100において割り当てられたパスを合成する。復調部504は、フィンガ・レイク処理部503において合成されたパスを復調し、復調信号を復号部505に出力する。復号部505は、復調信号を復号する。
【0093】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、遅延プロファイルのノイズレベルの形状に合わせてパスの判定を行い、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0094】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、作成した遅延プロファイルのノイズレベルの形状に合わせたパスの状態判定を遅延プロファイルの平均値と最小値を使用し閾値を求め判定、かつ、状態遷移において保護機能を設けることにより、弱電界環境でも有効なパス検出を可能とし、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0095】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、パスの相関電力値を遅延プロファイルの平均電力値で除算してSN比を算出し、各パスのSN比を比較してパスを選択することにより、符号間干渉が発生するノイズレベルの異なるセル間のパスの比較において、受信性能をよくすることができる。
【0096】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて推定したノイズ分布の補正を指示し、ノイズの分散度の変化に合わせて閾値算出の係数をかえることにより、演算シンボル数が異なる場合でも評価が同じアルゴリズムを用いることができる。
【0097】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、演算シンボル数により、遅延プロファイル結果の信頼度は大きく変化するが、遅延プロファイルの信頼度を、状態遷移の保護機能の段数に反映することにより適切なパス評価ができ、フィンガ割り当て精度を高めることができる。
【0098】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、瞬時に現れた強いパスをできるだけ早くフィンガに割り当てることができる。また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、フェージング環境下などでの有効なパスを安定的に割り当て続けることができる。また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、1回の遅延プロファイル測定では、ノイズと判別が難しいレベルのパスの検出ができる。
【0099】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、ある一定レベル以上のパスが存在した場合、そのパスのレベルに比して小さなレベルのパスは割り当てると返って受信性能の低下を招く場合があったが、それを割り当てなくすることができ、結果として受信性能をよくすることができる。
【0100】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、セル毎のレベル測定結果でなく、フィンガ割り当て方法に用いているパス管理情報であるパス強度を用いることで、受信環境にあわせた制御ができる。
【0101】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、フィンガ割り当て装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、このフィンガ割り当て方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
【0102】
例えば、上記フィンガ割り当て方法を実行するプログラムを予めROM(ReadOnly Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
【0103】
また、上記フィンガ割り当て方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
【0104】
また、本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置または基地局装置に搭載して上記CDMA受信装置と同様の効果を得ることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、弱電界状態、またはノイズレベルの変わる状態で、受信した信号から有効なパスを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態のフィンガ割り当ての説明のための遅延プロファイルの一例を示す図
【図3】パス強度の状態遷移の一例を示す図
【図4】上記実施の形態のフィンガ割り当て装置におけるフィンガ割り当ての一例を示す図
【図5】上記実施の形態のCDMA受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図6】従来のCDMA受信装置のフィンガ割り当てパス検出部の構成を示すブロック図
【図7】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図8】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図9】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図10】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【符号の説明】
101 パスサーチ部
102 フィンガ管理部
103 パラメータ適応処理部
111 遅延プロファイル生成部
112 最小値平均値算出部
113 閾値算出部
114 パス管理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法に関し、特にハンドオーバを行う移動体通信に用いて好適なCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いた通信では、受信側において、受信信号に拡散符号を乗算し、得られた遅延プロファイルから自局宛の信号のパスを取り出す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来のCDMA受信装置のフィンガ割り当てパス検出部の構成を示すブロック図である。図6のフィンガ割り当て部10は、遅延プロファイル生成部11と、最大値平均値算出部12と、閾値算出部13と、パス管理部14とから主に構成される。フィンガ割り当て部10は、ハンドオーバ数分(RadioLink数分)だけ備えられる。ここでは、セル#1、セル#2、及びセル#3の3セル分についてフィンガ割り当て部を備える例について説明する。
【0004】
ここでは、フィンガ割り当て部10は、セル#1のパスサーチを行う。さらに、CDMA受信装置は、フィンガ割り当て部10と同様の構成を複数備え、他のセル#2及びセル#3のパスサーチを行う。そして、フィンガ管理部15は、各セルのパスサーチの結果に基づいてフィンガ割り当てを行う。
【0005】
最初に、各ブロックの動作について説明する。遅延プロファイル生成部11は、符号率、符号番号、位相情報、演算シンボル数などの遅延プロファイル生成制御信号の指示に従い、受信信号に拡散符号を乗算して遅延プロファイルを作成し、この遅延プロファイルを最大値平均値算出部12とパス管理部14に出力する。
【0006】
最大値平均値算出部12は、遅延プロファイルの最大値を検出し、平均値を算出する。そして、最大値平均値算出部12は、最大値と平均値を閾値算出部13に出力する。閾値算出部13は、外部から入力される閾値係数と、遅延プロファイルの最大値と平均値とに基づいて閾値を算出し、パス管理部14に出力する。
【0007】
パス管理部14では、閾値算出部13から受け取った閾値と、遅延プロファイル生成部11から受け取った遅延プロファイル結果と、フィンガ管理部15から受け取ったフィンガに割り当てたパス情報(特に、DLL(Delay−Locked Loop)制御によるフィンガに割り当てたパスの位相情報)から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部15に出力する。
【0008】
また、パス管理部14は、有効なパス情報の中の位相情報をセル位相情報として、外部に出力する。このセル位相情報は、次に作成する遅延プロファイルの位相情報に反映される。また、パス間の比較に用いるパスのレベルは、フェージングなどの影響を減らすため、過去の測定結果とのフィルタ演算で求めたレベルである。
【0009】
フィンガ管理部15は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。また、一般にパスサーチにくらべ短期周期で動作するDLL制御によるフィンガ位相トラッキングを行い、フィンガに割り当てているパスの位相情報を更新する。
【0010】
図6のフィンガ割り当てパス検出部は、以上の構成を用いて、フィンガ割り当てを行う。次に、フィンガ割り当ての動作について説明する。図7は、従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図である。図7において、横軸は位相を示し、縦軸は相関電力値を示す。
【0011】
一般に、フィンガ割り当てパス検出部は、遅延プロファイルの形状から有効なパスとそうでないパスを見分ける閾値を算出する。閾値算出部13は、外部から入力される閾値係数と、遅延プロファイルの最大値と平均値とに基づいて平均値からx1[dB]上げた電力値を閾値21、最大値からx2[dB]下げた電力値を閾値22とする。そして、パス管理部14は、閾値21と閾値22の大きい方を有効なパス閾値として使用する。
【0012】
図7の場合、閾値22が閾値21より大きいので、閾値22がパスの判定の閾値として用いられる。そして、パス管理部14は、閾値22より大きな値のパスを選択する。ここでは、有効なパスは、25のみとなる。
【0013】
なお、パス選択では、一般に前後数サンプルの位相は同一パスとみなし、同時にフィンガのパスとして使用しないほうが、受信性能がよくなることが知られている。従って、パス管理部14は、25のパスのみをフィンガに割り当てる。
【0014】
もし、閾値21を用いた場合、25のサイドローブの26、27がパスとみなされ、フィンガに割当たる。この場合、26、27を割り当ててレイク合成した場合、静特性下ではかえって受信性能が悪くなる場合が多い。
【0015】
従って、ある程度大きなピークが存在する場合は、その大きなピークに比して一定レベル以下のパスをレイク合成するとかえって受信性能が劣化するので、選択するパスから外したほうが、受信性能が良くなる。このように、従来の装置では、前述する2つの閾値から選択する方法を用いている。
【0016】
【特許文献1】
特開2000−101549号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置においては、以下の問題がある。図8、図9、及び図10は、従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図である。図8は、図7より弱電界の状態の例である。図8の例では、閾値21、つまり平均値から求めた閾値が、有効なパス判定の閾値となる。従って、パス管理部14は、35のパスをフィンガに割り当てる。
【0018】
図9は、図8より弱電界の状態の例である。図8の例と同様に、図9の例でも、閾値21、つまり平均値から求めた閾値が、有効なパス判定の閾値となる。ここで、中心に存在するパス45を安定的に有効と判定させようとした場合、x1[dB]の係数を小さくする必要がある。
【0019】
その結果、46、47といったノイズ部分の位相をパスとして有効と判定してしまう。そして、ノイズ部分の位相をパスとしてレイク合成してしまうため受信性能が悪くなる。この誤判定を避けるために、係数x1[dB]を大きくしたままパスを選択する場合、図10のように、ノイズとのレベル差大きいパス55が有効なパスとして判定できなくなる。
【0020】
このように、従来の装置では、弱電界状態で受信した信号から有効なパスを抽出することが難しいという問題がある。
【0021】
また、従来の装置では、平均演算シンボル数の違いまたは符号間干渉の違いなどによりノイズレベルの分散が変わること、高周波回路部の個体差による受信電圧オフセット、これらの様々な要因で、ノイズレベルのオフセット量(平均値)が変わった場合、適切な閾値の算出が難しく、また、振幅変動の激しいフェージング環境下では、さらに適切な閾値の算出が難しい。この結果、受信した信号から有効なパスを抽出することが難しいという問題がある。
【0022】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、弱電界状態、またはノイズレベルの変わる状態で、受信した信号から有効なパスを抽出することのできるCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明のCDMA受信装置は、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成手段と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理手段と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理手段と、を具備する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージング環境下などでの有効なパスを安定的に割り当て続けることができる。
【0026】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが所定の第1閾値以上であるパスをパスが最も高いランクに分類される第1ランクにあると判定する場合、前記パスのランクを、保護段数と状態遷移の条件の回数にかかわらず、受信状態の変動の影響に関係なく選択されるパスであることを示す第1ランクに変更する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、瞬時に現れた強いパスをできるだけ早くフィンガに割り当てることができる。
【0028】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である場合、前記パスを所望するパスとノイズとの境界上にあることを示す第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、保護段数の回数連続で前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす場合、パスを第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、連続して前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす回数が保護段数未満の場合、パスを第1ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第2ランクに分類されたパスが、前記第2閾値以下である回数が連続して保護回数以下である場合、パスを第2ランクに分類する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、1回の遅延プロファイル測定では、ノイズと判別が難しいレベルのパスの検出ができる。
【0030】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数未満である場合、パスを第3ランクに分類し、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数以上である場合、パスを第2ランクに分類する構成を採る。
【0031】
この構成によれば、フェージング環境下などで一時的にレベルが高くなったノイズをパスと誤って判断することを防ぐことができる。
【0032】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、第1ランクのパスを検出した場合、所定のランク以下のパスをフィンガに割り当てない構成を採る。
【0033】
この構成によれば、ある一定レベル以上のパスが存在した場合、そのパスのレベルに比して小さなレベルのパスは割り当てると返って受信性能の低下を招く場合があったが、それを割り当てなくすることができ、結果として受信性能をよくすることができる。
【0034】
本発明のCDMA受信装置は、パス管理手段は、遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて保護段数を決定する構成を採る。
【0035】
この構成によれば、演算シンボル数により、遅延プロファイル結果の信頼度は大きく変化するが、遅延プロファイルの信頼度を、状態遷移の保護機能の段数に反映することにより適切なパス評価ができ、フィンガ割り当て精度を高めることができる。
【0036】
本発明のCDMA受信装置は、フィンガ管理手段は、パス管理手段においてフィンガに割り当てたパスの最も強い強度に基づいてパスサーチ及びフィンガ割り当ての周期を決定し、パス管理手段に前記パスサーチ及び前記フィンガ割り当ての周期を指示する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、セル毎のレベル測定結果でなく、フィンガ割り当て方法に用いているパス管理情報であるパス強度を用いることで、受信環境にあわせた制御ができる。
【0038】
本発明のCDMA受信装置は、遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいてパスを各ランクに分類する基準を決定するパラメータ適応処理手段を具備し、パス管理手段は、前記パラメータ適応処理手段において決定した基準を用いてパスを各ランクに分類する構成を採る。
【0039】
この構成によれば、遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて推定したノイズ分布の補正を指示し、ノイズの分散度の変化に合わせて閾値算出の係数をかえることにより、演算シンボル数が異なる場合でも評価が同じアルゴリズムを用いることができる。
【0040】
本発明の基地局装置は、上記CDMA受信装置を具備することを特徴とする構成を採る。本発明の通信端末装置は、上記CDMA受信装置を具備することを特徴とする構成を採る。
【0041】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0042】
本発明のフィンガ割り当てプログラムは、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成ステップと、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理ステップと、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理ステップと、をコンピュータに実行させる構成を採る。
【0043】
この構成によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0044】
本発明のフィンガ割り当て方法は、受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成行程と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理行程と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理行程と、を具備するようにした。
【0045】
この方法によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明者は、弱電界状態またはまたはノイズレベルの変わる状態で、遅延プロファイルの平均値及び最大値から決定した基準を用いて受信した信号から有効なパスを抽出すると、有効なパスを選択できない、またはノイズを有効なパスと誤って選択する点に着目し、本発明をするに至った。
【0047】
すなわち、本発明の骨子は、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更し、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択することである。
【0048】
また、パス選択の評価において、パスのレベルが連続して所定のレベル以上にある回数が保護段数以上の場合、安定的に受信できるパスの可能性が高いと評価し、回数が保護段数未満の場合、パスが一時的なレベル変動して安定的に受信できるとは判定できないパスと判定して、パス選択の評価を下げることである。
【0049】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(一実施の形態)
本発明の一実施の形態では、ハンドオーバ数分のパスサーチ、及びフィンガ割り当てを行う例について説明する。
【0050】
図1は、本発明の一実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の構成を示すブロック図である。図1のフィンガ割り当て装置100は、パスサーチ部101−1〜101−3と、フィンガ管理部102と、パラメータ適応処理部103とから主に構成される。パスサーチ部101−1〜101−3は、それぞれ遅延プロファイル生成部111と、最小値平均値算出部112と、閾値算出部113と、パス管理部114とから主に構成される。
【0051】
遅延プロファイル生成部111は、符号率、符号番号、位相情報、演算シンボル数などの遅延プロファイル生成制御信号の指示に従い、受信信号に拡散符号を乗算して遅延プロファイルを作成し、この遅延プロファイルを最小値平均値算出部112とパス管理部114に出力する。
【0052】
最小値平均値算出部112は、遅延プロファイルの最小値を検出し、平均値を算出する。そして、最小値平均値算出部112は、最小値と平均値を閾値算出部113に出力する。閾値算出部113は、と、パラメータ適応処理部103から出力された閾値係数と、遅延プロファイルの最小値と平均値とに基づいて閾値を算出し、パス管理部114に出力する。
【0053】
パス管理部114は、閾値算出部113から受け取った閾値と、遅延プロファイル生成部111から受け取った遅延プロファイル結果と、フィンガ管理部102から受け取ったフィンガに割り当てたパス情報(特に、DLL制御によるフィンガに割り当てたパスの位相情報)から、セル毎にパス管理処理を行い、有効なパスの情報をフィンガ管理部102に出力する。
【0054】
また、パス管理部114は、有効なパス情報の中の位相情報をセル位相情報として、外部に出力する。このセル位相情報は、次に作成する遅延プロファイルの位相情報に反映される。また、パス間の比較に用いるパスのレベルは、フェージングなどの影響を減らすため、過去の測定結果とのフィルタ演算で求めたレベルである。
【0055】
フィンガ管理部102は、各セルのパスサーチ結果のパス情報を受け取り、この情報と既にフィンガに割り当てていたパス情報からフィンガ割り当てパスの更新を行う。また、一般にパスサーチにくらべ短期周期で動作するDLL制御によるフィンガ位相トラッキングを行い、フィンガに割り当てているパスの位相情報を更新する。
【0056】
パラメータ適応処理部103は、遅延プロファイル生成制御信号中の遅延プロファイル作成の演算シンボル数により、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定し、閾値係数及び保護カウンタ更新重み情報を閾値算出部113及びパス管理部114に出力する。
【0057】
次に、本実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の詳細な動作について説明する。受信信号は、遅延プロファイル生成部111において位相をずらして逆拡散処理、パワ演算され遅延プロファイルが作成される。そして、最小値平均値算出部112において、得られた遅延プロファイルの最小値と平均値が算出される。
【0058】
閾値算出部113において、パラメータ適応処理部103から入力する係数αHigh、αLowと最小値平均値算出部112から入力する遅延プロファイルの平均値Aveと最小値Minとに基づき、式(1)及び式(2)を用いて、閾値High、及び閾値Lowが得られる。
閾値High = (αHigh+1)×ave − αHigh×min …(1)
閾値Low = (αLow+1)×ave − αLow×min …(2)
【0059】
図2は、本実施の形態のフィンガ割り当ての説明のための遅延プロファイルの一例を示す図である。閾値算出部113は、遅延プロファイルの平均値Aveと最小値Minから、図2に示すように、平均値を中心として、相関電力値の下側は最小値Min、上側は平均値Aveより平均値Aveから最小値Minを減算した値の分上までをノイズ分布帯と考えて、ノイズ分布の変化に対応して閾値を算出する。
【0060】
閾値Highは、ほぼ確実にパスとして認められるレベルの閾値とし、閾値Lowは、ノイズかもしれないが、安定的にそのレベルを超えているようならパスとして認められるレベルの閾値とする。例えば、αHigh=2.0、αLow=0.8である。
【0061】
パス管理部114は、遅延プロファイル生成部111から入力する遅延プロファイル結果と、閾値算出部113から入力する閾値情報と、パラメータ適応処理部103から入力する保護カウンタ更新重み情報、フィンガ管理部102から入力するフィンガ割り当てパス情報から、パス情報の更新を行う。
【0062】
以下、パス情報の更新ついて説明する。まず、遅延プロファイル結果と閾値から、パス毎のパス強度を求める。図3は、パス強度の状態遷移の一例を示す図である。
【0063】
図3において、パスの状態(ランク)は、ランクA、ランクB、ランクC、及びランクDの4段階に分かれる。また、パスの状態は、ランクA、ランクB、ランクC、ランクDの順に良い状態を示す。例えば、ランクAは、受信状態の変動に影響に関係なく選択されるパスであることを示すランク、ランクBは、所望するパスとノイズとの境界上にあることを示すランクとする。
【0064】
また、ランク間の状態遷移の一部では、一回のパスの評価では、状態の遷移を行わず、同じ評価を連続して所定の回数より多く受けた場合に状態の遷移を行う。以下、この所定の回数を保護段数と呼ぶ。
【0065】
パス管理部114は、保護段数の対象となる評価の回数をカウントする保護カウンタを備える。そして、パス管理部114は、パスのレベルに基づいてパスを複数のランクのいずれかに分類してパスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定して、前記保護段数より大きい回数で状態遷移の条件を満たした場合、ランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、ランクを変更しない。
【0066】
そして、パス管理部114は、パス情報の初期状態をランクD、保護カウンタの値を「0」としてパスの評価を始める。
【0067】
パスの評価は、以下の場合分けに従う。パスの強度が閾値Highを越える場合を事象▲1▼とする。パスの強度が閾値Lowより大きくかつ閾値High以下である場合を事象▲2▼とする。パスの強度が閾値Low以下である場合を事象▲3▼とする。
【0068】
また、事象▲2▼が連続して保護段数より多い回数発生した場合を事象▲2▼+とする。そして、事象▲2▼が連続して保護段数以下の回数発生した場合を事象▲2▼−とする。同様に、事象▲3▼が連続して保護段数より多い回数発生した場合を事象▲3▼+とする。そして、事象▲3▼が連続して保護段数以下の回数発生した場合を事象▲3▼−とする。
【0069】
パス管理部114は、パス強度がこれらの事象のいずれにあてはまるか判断し、状態を設定する。まず、一回前の評価において状態がランクAである場合の遷移について説明する。ランクAの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態は変えずにランクAのままとし、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0070】
ランクAの状態において、パス強度が事象▲2▼または事象▲3▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PAB以下である場合、すなわち事象▲2▼−または事象▲3▼−である場合、状態は変えずにランクAのままとし、保護カウンタはクリアされない。また、保護カウンタの値が保護段数PABより大きい場合、すなわち事象▲2▼+または事象▲3▼+である場合、状態をランクBに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0071】
次に、一回前の評価において状態がランクBである場合の遷移について説明する。ランクBの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。ランクBの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、状態は変えずにランクBのままとし、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0072】
ランクBの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PBD以下である場合、すなわち事象▲3▼−である場合、状態は変えずにランクBのままとし、保護カウンタはクリアされない。また、保護カウンタの値が保護段数PBDより大きい場合、すなわち事象▲3▼+である場合、状態をランクDに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0073】
次に、一回前の評価において状態がランクCである場合の遷移について説明する。ランクCの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0074】
ランクCの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、保護カウンタを更新し、パラメータ適応処理部103からの保護カウンタ更新重み分を加算する。そして、保護カウンタの値が保護段数PCBより大きい場合、すなわち事象▲2▼+である場合、状態をランクBに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。また、保護カウンタの値が保護段数PCB以下である場合、すなわち事象▲2▼−である場合、状態は変えずにランクCのままとし、保護カウンタはクリアされない。
【0075】
そして、ランクCの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、状態をランクDに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。
【0076】
次に、一回前の評価において状態がランクDである場合の遷移について説明する。ランクDの状態において、パス強度が事象▲1▼である場合、状態をランクAに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。また、ランクDの状態において、パス強度が事象▲2▼である場合、状態をランクCに変更し、保護カウンタをクリアして「0」とする。そして、ランクDの状態において、パス強度が事象▲3▼である場合、状態は変えずにランクDのままとする。
【0077】
パス毎の位相トラッキング処理を行った後、上記アルゴリズムを用いて状態の遷移を行うか否か判断し、判断後の状態からパス強度を決定する。そして、パス毎に最新の遅延プロファイル結果から得られるパスの相関電力値を遅延プロファイルの平均値Aveで除算した結果から求められるSN比(Signal Noise Ratio)を求める。
【0078】
パス管理部114は、更新した結果から上位パス検索を行い、有効なパスを検索する。パス管理部114は、最初に前述したパス強度でパスの比較を行う。パス強度が同じ場合、パス管理部114は、SN比でパスの比較を行う。そして、パス管理部114は、上位検索結果をフィンガ管理部102に出力する。
【0079】
また、パス管理部114は、次回の遅延プロファイル作成位相に使用する外部へのセル位相情報のほかに、パスの最強ランク(最強パス情報)を出力し、上位制御部へ現在の受信環境情報(各セル毎にどの程度有効なパスが存在するか)として参照してもらう。
【0080】
もし、最強ランクがランクCである場合、有効なパスが見つかっていない確率が高いので、次回の遅延プロファイル作成までの間隔を小さくする制御を行うか、演算シンボル数を大きくし、長期平均を取るようにして有効なパスをできるだけ見つける制御を行う。
【0081】
フィンガ管理部102では、各セル毎の上位パス結果から、フィンガに割り当てるパスの決定を行う。フィンガ管理部102における比較方法も、パス管理部114と同様に最初に前述したパス強度でパスの比較を行う。パス強度が同じ場合、フィンガ管理部102は、SN比でパスの比較を行う。また、フィンガ管理部102は、セル毎の上位パス結果の最強ランクを求め、フィンガに割り当てるパスの制限を設ける。以下、フィンガに割り当てるパスの制限について説明する。
【0082】
フィンガ管理部102は、最強ランクがランクAの場合、ランクC、Dのパスはフィンガに割り当てない。そして、フィンガ管理部102は、最強ランクがBの場合、ランクDのパスはフィンガに割り当てない。
【0083】
このように、フィンガ管理部102は、ある一定以上のレベルのパスがレイク合成対象ならば、そのレベルに比して一定以上レベルの小さいパスをレイク合成対象に加えると返って受信特性が悪くなるということを避ける。
【0084】
パラメータ適応処理部103では、遅延プロファイル生成制御信号中の遅延プロファイル作成の演算シンボル数に基づいて、閾値係数、保護カウンタ更新重み情報を決定し、閾値係数及び保護カウンタ更新重み情報を閾値算出部113及びパス管理部114に出力する。
【0085】
以下、パラメータ適応処理部103における閾値係数の制御について説明する。演算シンボル数が小さい場合、ノイズの分散は大きい。そこで、パラメータ適応処理部103は、閾値Highの係数を通常より大きくし、誤判定を避ける。また、保護カウンタ更新重み情報は信頼度が低いため、パラメータ適応処理部103は、重みを小さくする。
【0086】
逆に演算シンボル数が大きい場合は、ノイズの分散は小さい。この場合、閾値Highの閾値係数を通常より小さくしても誤判定の確率は低い。そこで、パラメータ適応処理部103は、受信性能をよくするため閾値Highの閾値係数を小さくする。また、保護カウンタ更新重み情報は信頼度が高いため、パラメータ適応処理部103は、閾値Highの閾値係数の重みを大きくする。
【0087】
以下に、パラメータ適応処理部103における閾値係数の制御を用いたフィンガ割り当てについて説明する。図4は、本実施の形態のフィンガ割り当て装置におけるフィンガ割り当ての一例を示す図である。この図4は、遅延プロファイルの一例である。縦軸は、相関電力値を示し、横軸は位相を示す。図4(A)、図4(B)、及び図4(C)は、それぞれ時間t、t+TPSR、及びt+2×TPSRにおいて、実際のパスサーチ間隔TPSRごとに作成された遅延プロファイルである。
【0088】
図4(A)において、時刻tでは、閾値Lowを超えるパスがピーク402の部分に2個とピーク401とピーク403の4パス存在する。しかし、ピーク402及びピーク403の部分は、本来ノイズである。従って、ピーク402及びピーク403は、異なる時刻で閾値Lowより小さい値をとる可能性がある。例えば、図4(B)及び図4(C)に示すように、ピーク402及びピーク403は、連続して閾値Lowを超える可能性は小さい。
【0089】
従って、一見ノイズと見分けられないパスでも、本実施の形態で示すランクBのパスとして安定的にフィンガを割り当てることができ、弱電界においても有効なフィンガ割り当て方法を提供できる。
【0090】
また、平均演算シンボル数の違いや、符号間干渉の違いなどで、ノイズレベルの分散が変化すること、高周波回路部の個体差による受信電圧オフセットなどさまざまな要因で、ノイズレベルのオフセット量(平均値)が変わった場合も、ノイズ分布帯を遅延プロファイルの平均値と最小値という簡単に求められる情報を用い推定して閾値を決めるため、遅延プロファイル作成条件により適応的に閾値が対応するようになっている。
【0091】
上記フィンガ割り当て装置は、CDMA受信装置に搭載して使用する。図5は、本実施の形態のCDMA受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図5のCDMA受信装置500は、無線受信部501と、AD変換部502と、フィンガ割り当て部100と、フィンガ・レイク処理部503と、復調部504と、復号部505とから主に構成される。
【0092】
無線受信部501は、受信信号を無線周波数からベースバンド周波数に変換して、AD変換部502に出力する。AD変換部502は、受信信号をアナログデジタル変換して、フィンガ割り当て部100に出力する。フィンガ割り当て部100は、受信信号から有効なパスをフィンガとして割り当てる。フィンガ・レイク処理部503は、フィンガ割り当て部100において割り当てられたパスを合成する。復調部504は、フィンガ・レイク処理部503において合成されたパスを復調し、復調信号を復号部505に出力する。復号部505は、復調信号を復号する。
【0093】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、遅延プロファイルのノイズレベルの形状に合わせてパスの判定を行い、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0094】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、作成した遅延プロファイルのノイズレベルの形状に合わせたパスの状態判定を遅延プロファイルの平均値と最小値を使用し閾値を求め判定、かつ、状態遷移において保護機能を設けることにより、弱電界環境でも有効なパス検出を可能とし、フェージングなどの振幅変動から影響を小さくすることができる。
【0095】
このように、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、パスの相関電力値を遅延プロファイルの平均電力値で除算してSN比を算出し、各パスのSN比を比較してパスを選択することにより、符号間干渉が発生するノイズレベルの異なるセル間のパスの比較において、受信性能をよくすることができる。
【0096】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて推定したノイズ分布の補正を指示し、ノイズの分散度の変化に合わせて閾値算出の係数をかえることにより、演算シンボル数が異なる場合でも評価が同じアルゴリズムを用いることができる。
【0097】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、演算シンボル数により、遅延プロファイル結果の信頼度は大きく変化するが、遅延プロファイルの信頼度を、状態遷移の保護機能の段数に反映することにより適切なパス評価ができ、フィンガ割り当て精度を高めることができる。
【0098】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、瞬時に現れた強いパスをできるだけ早くフィンガに割り当てることができる。また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、フェージング環境下などでの有効なパスを安定的に割り当て続けることができる。また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、1回の遅延プロファイル測定では、ノイズと判別が難しいレベルのパスの検出ができる。
【0099】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、ある一定レベル以上のパスが存在した場合、そのパスのレベルに比して小さなレベルのパスは割り当てると返って受信性能の低下を招く場合があったが、それを割り当てなくすることができ、結果として受信性能をよくすることができる。
【0100】
また、本実施の形態のCDMA受信装置によれば、セル毎のレベル測定結果でなく、フィンガ割り当て方法に用いているパス管理情報であるパス強度を用いることで、受信環境にあわせた制御ができる。
【0101】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、フィンガ割り当て装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、このフィンガ割り当て方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
【0102】
例えば、上記フィンガ割り当て方法を実行するプログラムを予めROM(ReadOnly Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
【0103】
また、上記フィンガ割り当て方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
【0104】
また、本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置または基地局装置に搭載して上記CDMA受信装置と同様の効果を得ることができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法によれば、パスのレベルに基づいて遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、所定のランクより上にあるパスを選択するパス選択において、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、パスが現在のレベルの範囲外の値となる状態遷移の条件を満たす回数が保護段数より大きい回数にランクを変更することにより、弱電界状態、またはノイズレベルの変わる状態で、受信した信号から有効なパスを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフィンガ割り当て装置の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態のフィンガ割り当ての説明のための遅延プロファイルの一例を示す図
【図3】パス強度の状態遷移の一例を示す図
【図4】上記実施の形態のフィンガ割り当て装置におけるフィンガ割り当ての一例を示す図
【図5】上記実施の形態のCDMA受信装置の構成の一例を示すブロック図
【図6】従来のCDMA受信装置のフィンガ割り当てパス検出部の構成を示すブロック図
【図7】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図8】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図9】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【図10】従来の閾値を使用したフィンガ割り当ての一例を示す図
【符号の説明】
101 パスサーチ部
102 フィンガ管理部
103 パラメータ適応処理部
111 遅延プロファイル生成部
112 最小値平均値算出部
113 閾値算出部
114 パス管理部
Claims (12)
- 受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成手段と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理手段と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理手段と、を具備することを特徴とするCDMA受信装置。
- パス管理手段は、パスのレベルが所定の第1閾値以上であるパスをパスが最も高いランクに分類される第1ランクにあると判定する場合、前記パスのランクを、保護段数と状態遷移の条件の回数にかかわらず、受信状態の変動の影響に関係なく選択されるパスであることを示す第1ランクに変更することを特徴とする請求項1に記載のCDMA受信装置。
- パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である場合、前記パスを所望するパスとノイズとの境界上にあることを示す第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、保護段数の回数連続で前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす場合、パスを第2ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第1ランクに分類されたパスが、連続して前記第2ランクに状態を遷移する条件を満たす回数が保護段数未満の場合、パスを第1ランクに分類し、また、過去の遅延プロファイルにおいて第2ランクに分類されたパスが、前記第2閾値以下である回数が連続して保護回数以下である場合、パスを第2ランクに分類することを特徴とする請求項2に記載のCDMA受信装置。
- パス管理手段は、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数未満である場合、パスを第3ランクに分類し、パスのレベルが前記第1閾値より値が低い第2閾値より大きくかつ前記第1閾値以下である状態が連続して保護回数以上である場合、パスを第2ランクに分類することを特徴とする請求項3に記載のCDMA受信装置。
- パス管理手段は、第1ランクのパスを検出した場合、所定のランク以下のパスをフィンガに割り当てないことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のCDMA受信装置。
- パス管理手段は、遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいて保護段数を決定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のCDMA受信装置。
- フィンガ管理手段は、パス管理手段においてフィンガに割り当てたパスの最も強い強度に基づいてパスサーチ及びフィンガ割り当ての周期を決定し、パス管理手段に前記パスサーチ及び前記フィンガ割り当ての周期を指示することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のCDMA受信装置。
- 遅延プロファイル作成手段において遅延プロファイルを作成する演算シンボル数に基づいてパスを各ランクに分類する基準を決定するパラメータ適応処理手段を具備し、パス管理手段は、前記パラメータ適応処理手段において決定した基準を用いてパスを各ランクに分類することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のCDMA受信装置。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のCDMA受信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のCDMA受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
- 受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成ステップと、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理ステップと、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理ステップと、をコンピュータに実行させるフィンガ割り当てプログラム。
- 受信信号の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成行程と、パスのレベルに基づいて前記遅延プロファイルからパスを複数のランクのいずれかに分類し、遅延プロファイル毎に同じ位相のパスが過去のランクから異なるランクに状態を遷移する条件を満たすか否か判断し、一時的なレベル変動で状態遷移の条件を満たした場合にランクの変更を行わない回数を示す保護段数を設定し、前記保護段数より大きい回数で状態を遷移する条件を満たした場合、パスのランクを変更し、前記保護段数以下の回数で状態遷移の条件を満たした場合は、パスのランクを変更しないパス管理行程と、所定のランクより上のランクに分類されたパスを選択するフィンガ管理行程と、を具備することを特徴とするフィンガ割り当て方法。
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