JP2004104026A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低誘電率膜と無機絶縁膜との密着性を向上させて、製造工程中の膜剥離を防止する。
【解決手段】基板上に低誘電率膜としてのフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。次に、フッ素化ポリ(キシリレン)膜を370℃〜420℃の温度で熱処理して結晶化させる。熱処理の終了後、フッ素化ポリ(キシリレン)膜上に、無機絶縁膜としてのSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成する。また、熱処理の温度と、SiC膜の形成温度との差を30℃以内にする。
【選択図】 図2
【解決手段】基板上に低誘電率膜としてのフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。次に、フッ素化ポリ(キシリレン)膜を370℃〜420℃の温度で熱処理して結晶化させる。熱処理の終了後、フッ素化ポリ(キシリレン)膜上に、無機絶縁膜としてのSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成する。また、熱処理の温度と、SiC膜の形成温度との差を30℃以内にする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の微細化に伴い、配線抵抗の上昇や、配線間・配線層間の寄生容量の上昇が発生する。この改善策として、配線材料として銅を用いるとともに、層間絶縁膜の材料として低誘電率膜を用いて、配線抵抗や配線間・配線層間の寄生容量を低下させる方法が提案されている。
近年、低誘電率膜として、例えばSiO2膜中にメチル基を導入したSiOC膜等の無機膜や、ポリアリルエーテル誘導体等の有機膜の開発が行われている。これらの膜の誘電率は、2.6〜2.9程度である。
次世代の半導体装置で必要な更なる低誘電率化に向けて、薄膜に空孔を導入することで膜の密度を下げて、誘電率が2.0〜2.4の膜を実現するための開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる空孔が導入された薄膜は機械的強度が低下するため、製造工程中に薄膜が割れやすくなってしまうという問題があった。
また、空孔にガスや薬剤が吸着してしまうため、膜特性が劣化してしまう問題や、この劣化対策として後処理を行う必要があり製造コストが増大するという問題があった。このため、空孔を有する低誘電率膜を半導体装置の製造に適用することは困難であった。
【0004】
そこで、空孔を持たない構造で、且つ誘電率が2.0〜2.4である膜が望まれている。この条件を満たす膜としてフッ素化アリレン膜がある。しかし、このフッ素化アリレン膜はSiO2、SiN、SiC等の無機絶縁膜との密着性が悪いため、製造工程中にフッ素化アリレン膜が剥離してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、低誘電率膜と無機絶縁膜との密着性を向上させて、製造工程中の膜剥離を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
請求項1の発明に係る半導体装置の製造方法は、低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
前記熱処理の終了後、前記低誘電率膜上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明に係る半導体装置の製造方法は、低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
前記無機絶縁膜上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1又は2に記載の製造方法において、
前記熱処理の温度と、前記無機絶縁膜の形成温度との差が30℃以内であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素が結合したアリレン化合物を分解して、前駆体を形成する工程と、
前記前駆体を蒸着して、フッ素化アリレン膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
ポリアリレン膜、ポリアリルエーテル膜、フッ素化ポリイミド膜の何れかを塗布法により形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素化アモルファスカーボン膜又はポリテトラフルオロエチレン膜をプラズマCVD法により形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1において、低誘電率膜の形成に用いる薄膜形成装置を説明するための概念図である。
図1において、参照符号1は液体原料としてのフッ素が結合したキシリレン化合物を収納する原料収納容器、1aは原料収納容器1を加熱して液体原料を気化させる加熱機構としてのヒータ、2(2a,2b)は流量制御機構としてのマスフローコントローラ(MFC)、3は前駆体(プレカーサ)を形成する加熱反応機構、4は成膜チャンバ、5は静電チャック、6は静電チャック5により吸着保持された基板、7は圧力制御装置としてのスロットルバルブ(開閉バルブ)、8は排気装置としてのターボ分子ポンプ及びドライポンプ、9は静電チャック5の温度を制御する温度制御機構としての熱交換器、11は窒素(N2)や希ガス(He,Ar)のような不活性ガスを収納するガス収納容器を示している。
【0014】
なお、図1に示す薄膜形成装置では、加熱反応機構3から前駆体を供給配管により成膜チャンバ4内に供給しているが、低誘電率膜の膜厚均一性向上のために、シャワーヘッドやGDP(gas distribution plate)を設けてもよい。
また、後述する結晶化熱処理に用いる縦型炉、および無機絶縁膜の形成に用いるプラズマCVD装置は公知であるため、図示並びにその説明を省略する。
【0015】
次に、本実施の形態1による半導体装置の製造方法について説明する。
【0016】
先ず、図1に示した薄膜形成装置を用いて、以下のようにして基板6上に低誘電率膜(フッ素化アリレン膜)としてのフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。
予め圧力制御装置7及び排気装置8により減圧に保たれた成膜チャンバ4内に基板6を載置する。詳細には、熱交換器9によって冷却された静電チャック5上に基板6を載置する。
次に、原料収納容器1内のフッ素が結合されたキシリレン化合物をヒータ1aにより加熱・気化させ、これにより得られた原料ガスをマスフローコントローラ2aに供給し、このマスフローコントローラ2aにより流量を制御しながら加熱反応機構3に供給する。
そして、加熱反応機構3において、600℃の温度で原料ガスを活性化することにより前駆体(ラジカル)を形成する。
次に、この前駆体を、成膜チャンバ4内の−30℃に冷却された基板6上に導く。これにより、基板6表面で前駆体の重合反応が起こり、基板6上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜が200nm〜1.5μm程度の膜厚で形成される。ここで、前駆体とともに、ガス収納容器11に収納された窒素や希ガスを希釈ガスとして成膜チャンバ4内に供給してもよい。
【0017】
次に、フッ素化ポリ(キシリレン)膜が形成された基板6を成膜チャンバ4から取り出して、縦型炉内に移載する。
炉内の大気をN2置換した後、370℃〜420℃の温度に昇温して、大気圧のN2雰囲気下で熱処理を行う。ここで、熱処理中は、フッ素化ポリ(キシリレン)膜の酸化を防止するため、酸素濃度を100ppm以下に保つ。この熱処理により、フッ素化ポリ(キシリレン)膜の結晶化が進み機械的強度が増加する。結晶化の熱処理後は、100℃以下に降温した後、基板6を縦型炉から取り出す。
【0018】
次に、取り出した基板6を、プラズマCVD装置の成膜チャンバ内に載置する。ここで、本実施の形態1では、平行平板型のプラズマCVD装置を用いた。
そして、最後に、370℃〜390℃の温度でプラズマCVD法により、基板6上にSiC膜を30nm〜100nm程度の膜厚で形成する。ここで、SiC膜の成膜条件は、8インチウェハにて以下のとおりである。
【0019】
[成膜条件]
ガス…テトラメチルシラン[Si(CH3)4]:50sccm,
N2:100sccm
RF…周波数:13.56MHz,出力:500W
圧力…5Torr
【0020】
次に、熱処理温度、SiC成膜温度、および、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性の関係について説明する。
図2は、熱処理温度、SiC成膜温度、および、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性の関係について説明するための図である。また、下記の表1は、図2に示す密着性、すなわち熱処理温度とSiC成膜温度を変化させたときの密着性をまとめたものである。
【0021】
【表1】
【0022】
図2及び表1に示す本願発明者による密着性の測定は、本実施の形態1のようにフッ素化ポリ(キシリレン)膜上にSiC膜を形成する場合に加え、後述する実施の形態2のようにSiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する場合も考慮した。具体的には、先ずフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後、結晶化のための熱処理を行い、その後SiC膜を形成した後に、結晶化のための熱処理と同じ温度の熱処理を再度行った後、密着性を測定した。また、密着性は、ナノスクラッチ法を用いて相対評価した。
図2及び表1に示すように、熱処理温度が370℃〜420℃で、SiC成膜温度が370℃〜390℃のときに、高い密着性が得られた。この温度範囲で、熱処理温度とSiC成膜温度との差が30℃以内の時に、優れた密着性が得られることが分かった。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態1では、基板6上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後の結晶化熱処理を370℃〜420℃の温度で行い、フッ素化ポリ(キシリレン)膜上にSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成した。
これにより、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性を向上させることができ、例えば後工程であるCMPプロセス等の製造工程において膜剥れを防止することができる。従って、フッ素化ポリ(キシリレン)膜を半導体装置の製造に適用可能であるため、さらなる半導体装置の微細化が可能となる。
また、上記温度範囲において、熱処理の温度と、SiC膜の成膜温度との差を30℃以内にすることにより、さらに密着性を向上させることができる。
【0024】
なお、本実施の形態1では、フッ素化アリレン膜としてフッ素化ポリ(キシリレン)膜[−(CF2−C6H4−CF2)n−]を用いたが、フッ素化ポリ(フルオロキシリレン)膜[−(CF2−C6F4−CF2)n−]を用いてもよい。さらに、低誘電率膜として、ポリ(アリレン)膜、ポリ(アリルエーテル)膜、フッ素化ポリイミド膜等を塗布法により形成する場合や、フッ素化アモルファスカーボン膜やポリテトラフルオロエチレン膜等をプラズマCVD法により形成する場合にも、本発明を適用可能である。
また、本実施の形態1では、無機絶縁膜としてSiC膜を用いたが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はSiOC膜を用いてもよい。
【0025】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態2による製造方法と、前述した実施の形態1による製造方法との相違点は、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜の形成順序が異なる点である。なお、本実施の形態2の各製造工程は、実施の形態1とほぼ同一であるため、詳細な説明を省略する。また、半導体装置の製造に用いる薄膜形成装置、縦型炉、プラズマCVD装置も、実施の形態1と同様のものを用いるため、説明を省略する。
【0026】
先ず、プラズマCVD装置において、370℃〜390℃の温度で、基板6上にSiC膜を30nm〜100nm程度の膜厚で形成する。ここで、成膜条件は、実施の形態1と同様であるので、省略する。
次に、薄膜形成装置において、SiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。
最後に、縦型炉において、370℃〜420℃の温度で、大気圧のN2雰囲気下で熱処理を行う。
【0027】
本実施の形態2では、基板6上にSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成し、SiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後の熱処理を370℃〜420℃の温度で行った。
これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、低誘電率膜と無機絶縁膜との密着性を向上させて、製造工程中の膜剥離を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、低誘電率膜の形成に用いる薄膜形成装置を説明するための概念図である。
【図2】熱処理温度と、SiC成膜温度と、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性と、の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 原料収納容器
1a 加熱機構(ヒータ)
2,2a,2b 流量制御機構(マスフローコントローラ)
3 加熱反応機構
4 成膜チャンバ
5 静電チャック
6 基板(シリコン基板)
7 圧力制御装置(スロットルバルブ)
8 排気装置(ターボ分子ポンプ)
9 温度制御機構(熱交換器)
11 ガス収納容器
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の微細化に伴い、配線抵抗の上昇や、配線間・配線層間の寄生容量の上昇が発生する。この改善策として、配線材料として銅を用いるとともに、層間絶縁膜の材料として低誘電率膜を用いて、配線抵抗や配線間・配線層間の寄生容量を低下させる方法が提案されている。
近年、低誘電率膜として、例えばSiO2膜中にメチル基を導入したSiOC膜等の無機膜や、ポリアリルエーテル誘導体等の有機膜の開発が行われている。これらの膜の誘電率は、2.6〜2.9程度である。
次世代の半導体装置で必要な更なる低誘電率化に向けて、薄膜に空孔を導入することで膜の密度を下げて、誘電率が2.0〜2.4の膜を実現するための開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる空孔が導入された薄膜は機械的強度が低下するため、製造工程中に薄膜が割れやすくなってしまうという問題があった。
また、空孔にガスや薬剤が吸着してしまうため、膜特性が劣化してしまう問題や、この劣化対策として後処理を行う必要があり製造コストが増大するという問題があった。このため、空孔を有する低誘電率膜を半導体装置の製造に適用することは困難であった。
【0004】
そこで、空孔を持たない構造で、且つ誘電率が2.0〜2.4である膜が望まれている。この条件を満たす膜としてフッ素化アリレン膜がある。しかし、このフッ素化アリレン膜はSiO2、SiN、SiC等の無機絶縁膜との密着性が悪いため、製造工程中にフッ素化アリレン膜が剥離してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、低誘電率膜と無機絶縁膜との密着性を向上させて、製造工程中の膜剥離を防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
請求項1の発明に係る半導体装置の製造方法は、低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
前記熱処理の終了後、前記低誘電率膜上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明に係る半導体装置の製造方法は、低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
前記無機絶縁膜上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1又は2に記載の製造方法において、
前記熱処理の温度と、前記無機絶縁膜の形成温度との差が30℃以内であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素が結合したアリレン化合物を分解して、前駆体を形成する工程と、
前記前駆体を蒸着して、フッ素化アリレン膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
ポリアリレン膜、ポリアリルエーテル膜、フッ素化ポリイミド膜の何れかを塗布法により形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素化アモルファスカーボン膜又はポリテトラフルオロエチレン膜をプラズマCVD法により形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1において、低誘電率膜の形成に用いる薄膜形成装置を説明するための概念図である。
図1において、参照符号1は液体原料としてのフッ素が結合したキシリレン化合物を収納する原料収納容器、1aは原料収納容器1を加熱して液体原料を気化させる加熱機構としてのヒータ、2(2a,2b)は流量制御機構としてのマスフローコントローラ(MFC)、3は前駆体(プレカーサ)を形成する加熱反応機構、4は成膜チャンバ、5は静電チャック、6は静電チャック5により吸着保持された基板、7は圧力制御装置としてのスロットルバルブ(開閉バルブ)、8は排気装置としてのターボ分子ポンプ及びドライポンプ、9は静電チャック5の温度を制御する温度制御機構としての熱交換器、11は窒素(N2)や希ガス(He,Ar)のような不活性ガスを収納するガス収納容器を示している。
【0014】
なお、図1に示す薄膜形成装置では、加熱反応機構3から前駆体を供給配管により成膜チャンバ4内に供給しているが、低誘電率膜の膜厚均一性向上のために、シャワーヘッドやGDP(gas distribution plate)を設けてもよい。
また、後述する結晶化熱処理に用いる縦型炉、および無機絶縁膜の形成に用いるプラズマCVD装置は公知であるため、図示並びにその説明を省略する。
【0015】
次に、本実施の形態1による半導体装置の製造方法について説明する。
【0016】
先ず、図1に示した薄膜形成装置を用いて、以下のようにして基板6上に低誘電率膜(フッ素化アリレン膜)としてのフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。
予め圧力制御装置7及び排気装置8により減圧に保たれた成膜チャンバ4内に基板6を載置する。詳細には、熱交換器9によって冷却された静電チャック5上に基板6を載置する。
次に、原料収納容器1内のフッ素が結合されたキシリレン化合物をヒータ1aにより加熱・気化させ、これにより得られた原料ガスをマスフローコントローラ2aに供給し、このマスフローコントローラ2aにより流量を制御しながら加熱反応機構3に供給する。
そして、加熱反応機構3において、600℃の温度で原料ガスを活性化することにより前駆体(ラジカル)を形成する。
次に、この前駆体を、成膜チャンバ4内の−30℃に冷却された基板6上に導く。これにより、基板6表面で前駆体の重合反応が起こり、基板6上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜が200nm〜1.5μm程度の膜厚で形成される。ここで、前駆体とともに、ガス収納容器11に収納された窒素や希ガスを希釈ガスとして成膜チャンバ4内に供給してもよい。
【0017】
次に、フッ素化ポリ(キシリレン)膜が形成された基板6を成膜チャンバ4から取り出して、縦型炉内に移載する。
炉内の大気をN2置換した後、370℃〜420℃の温度に昇温して、大気圧のN2雰囲気下で熱処理を行う。ここで、熱処理中は、フッ素化ポリ(キシリレン)膜の酸化を防止するため、酸素濃度を100ppm以下に保つ。この熱処理により、フッ素化ポリ(キシリレン)膜の結晶化が進み機械的強度が増加する。結晶化の熱処理後は、100℃以下に降温した後、基板6を縦型炉から取り出す。
【0018】
次に、取り出した基板6を、プラズマCVD装置の成膜チャンバ内に載置する。ここで、本実施の形態1では、平行平板型のプラズマCVD装置を用いた。
そして、最後に、370℃〜390℃の温度でプラズマCVD法により、基板6上にSiC膜を30nm〜100nm程度の膜厚で形成する。ここで、SiC膜の成膜条件は、8インチウェハにて以下のとおりである。
【0019】
[成膜条件]
ガス…テトラメチルシラン[Si(CH3)4]:50sccm,
N2:100sccm
RF…周波数:13.56MHz,出力:500W
圧力…5Torr
【0020】
次に、熱処理温度、SiC成膜温度、および、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性の関係について説明する。
図2は、熱処理温度、SiC成膜温度、および、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性の関係について説明するための図である。また、下記の表1は、図2に示す密着性、すなわち熱処理温度とSiC成膜温度を変化させたときの密着性をまとめたものである。
【0021】
【表1】
【0022】
図2及び表1に示す本願発明者による密着性の測定は、本実施の形態1のようにフッ素化ポリ(キシリレン)膜上にSiC膜を形成する場合に加え、後述する実施の形態2のようにSiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する場合も考慮した。具体的には、先ずフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後、結晶化のための熱処理を行い、その後SiC膜を形成した後に、結晶化のための熱処理と同じ温度の熱処理を再度行った後、密着性を測定した。また、密着性は、ナノスクラッチ法を用いて相対評価した。
図2及び表1に示すように、熱処理温度が370℃〜420℃で、SiC成膜温度が370℃〜390℃のときに、高い密着性が得られた。この温度範囲で、熱処理温度とSiC成膜温度との差が30℃以内の時に、優れた密着性が得られることが分かった。
【0023】
以上説明したように、本実施の形態1では、基板6上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後の結晶化熱処理を370℃〜420℃の温度で行い、フッ素化ポリ(キシリレン)膜上にSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成した。
これにより、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性を向上させることができ、例えば後工程であるCMPプロセス等の製造工程において膜剥れを防止することができる。従って、フッ素化ポリ(キシリレン)膜を半導体装置の製造に適用可能であるため、さらなる半導体装置の微細化が可能となる。
また、上記温度範囲において、熱処理の温度と、SiC膜の成膜温度との差を30℃以内にすることにより、さらに密着性を向上させることができる。
【0024】
なお、本実施の形態1では、フッ素化アリレン膜としてフッ素化ポリ(キシリレン)膜[−(CF2−C6H4−CF2)n−]を用いたが、フッ素化ポリ(フルオロキシリレン)膜[−(CF2−C6F4−CF2)n−]を用いてもよい。さらに、低誘電率膜として、ポリ(アリレン)膜、ポリ(アリルエーテル)膜、フッ素化ポリイミド膜等を塗布法により形成する場合や、フッ素化アモルファスカーボン膜やポリテトラフルオロエチレン膜等をプラズマCVD法により形成する場合にも、本発明を適用可能である。
また、本実施の形態1では、無機絶縁膜としてSiC膜を用いたが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はSiOC膜を用いてもよい。
【0025】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2による半導体装置の製造方法について説明する。本実施の形態2による製造方法と、前述した実施の形態1による製造方法との相違点は、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜の形成順序が異なる点である。なお、本実施の形態2の各製造工程は、実施の形態1とほぼ同一であるため、詳細な説明を省略する。また、半導体装置の製造に用いる薄膜形成装置、縦型炉、プラズマCVD装置も、実施の形態1と同様のものを用いるため、説明を省略する。
【0026】
先ず、プラズマCVD装置において、370℃〜390℃の温度で、基板6上にSiC膜を30nm〜100nm程度の膜厚で形成する。ここで、成膜条件は、実施の形態1と同様であるので、省略する。
次に、薄膜形成装置において、SiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成する。
最後に、縦型炉において、370℃〜420℃の温度で、大気圧のN2雰囲気下で熱処理を行う。
【0027】
本実施の形態2では、基板6上にSiC膜を370℃〜390℃の温度で形成し、SiC膜上にフッ素化ポリ(キシリレン)膜を形成した後の熱処理を370℃〜420℃の温度で行った。
これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、低誘電率膜と無機絶縁膜との密着性を向上させて、製造工程中の膜剥離を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1において、低誘電率膜の形成に用いる薄膜形成装置を説明するための概念図である。
【図2】熱処理温度と、SiC成膜温度と、フッ素化ポリ(キシリレン)膜とSiC膜との密着性と、の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 原料収納容器
1a 加熱機構(ヒータ)
2,2a,2b 流量制御機構(マスフローコントローラ)
3 加熱反応機構
4 成膜チャンバ
5 静電チャック
6 基板(シリコン基板)
7 圧力制御装置(スロットルバルブ)
8 排気装置(ターボ分子ポンプ)
9 温度制御機構(熱交換器)
11 ガス収納容器
Claims (6)
- 低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
前記熱処理の終了後、前記低誘電率膜上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 低誘電率膜を有する半導体装置の製造方法であって、
基板上に無機絶縁膜を370℃〜390℃の温度で形成する工程と、
前記無機絶縁膜上に前記低誘電率膜を形成する工程と、
前記低誘電率膜を370℃〜420℃の温度で熱処理する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の製造方法において、
前記熱処理の温度と、前記無機絶縁膜の形成温度との差が30℃以内であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素が結合したアリレン化合物を分解して、前駆体を形成する工程と、
前記前駆体を蒸着して、フッ素化アリレン膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
ポリアリレン膜、ポリアリルエーテル膜、フッ素化ポリイミド膜の何れかを塗布法により形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1から3の何れかに記載の製造方法において、
前記低誘電率膜を形成する工程は、
フッ素化アモルファスカーボン膜又はポリテトラフルオロエチレン膜をプラズマCVD法により形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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