JP2004103567A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ等の高導電率かつ低透磁率(非磁性体)の材質の負荷鍋を加熱する際に、鍋のずれ又は浮きを検知し加熱を停止するので被加熱物の温度が上がらず十分な加熱調理ができない。
【解決手段】被加熱物のずれ又は浮きを検知する第1の移動検知手段6と、被加熱物のずれ又は浮きを検知する直前の制御手段4の制御出力値を記憶する第1の記憶手段7を備え、第1の移動検知手段6が被加熱物のずれ又は浮きを検知した場合には、第1の記憶手段7に記憶されている制御出力値に基づき、鍋のずれ又は浮きが生じない範囲で大きな入力電力で加熱を継続することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱調理器、誘導加熱を利用した湯沸かし器、加温装置などの誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱を応用し、インバータを用いた誘導加熱調理器はその加熱応答性・制御性の良さを生かして、負荷となる鍋等の近傍に温度検出素子等を載置し、鍋温度等を検出し、それに応じて火力の調節や調理時間の調節を行うことで、きめ細かな調理を実現すると共に、炎を用いず、かつ熱効率が高いので、室内の空気を汚すことも少なく、安全かつ清潔であるという特性が注目され、その需要が急速に伸びてきている。
【0003】
また、特に負荷としての鍋がアルミニウムや銅といった高導電率かつ低透磁率(非磁性)の金属で作られていた場合には、反発磁界により負荷鍋に浮力が作用し、負荷鍋または負荷鍋の中に収納された調理物の重量が軽くなると、あるいは加熱出力が大きくなると浮力により横方向にずれたり、浮きがるおそれがあり、これを検知した場合には、加熱出力をあらかじめ決められた所定の値に下げる方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来の誘導加熱調理器の動作について図16を参照しながら説明する。図において、31は高周波電流を流すことにより高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイルである。32はこの誘導加熱コイル31に高周波電流を供給するインバータ回路で、スイッチング素子や共振コンデンサ、平滑コンデンサを有する。33はインバータ回路32の入力電力の可変及び安定化のため、インバータ回路32の電源電流をカレントトランス(図示していない)により検知する出力検知手段である。34は、出力検知手段33の出力値が、設定された電力に対応する値となるように制御する制御手段である。35は制御手段が制御するインバータ回路32の出力値(制御目標値)を設定する設定入力手段である。36は出力検知手段33により出力されたカレントトランスに流れる電流の大きさ(ピーク値、平均値あるいは実効値等)の経過時間に対する変化値(勾配)を測定して鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを検知する移動検知手段である。制御手段34は移動検知手段36が鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを検知した場合は、鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを停止するため、インバータ回路32の動作を停止する、または、インバータ回路32の出力値を予め決められた所定の値に低下させる。
【0005】
図17にアルミニウム等の高導電率かつ低透磁率(非磁性)の金属で作られた負荷鍋(被加熱物)を加熱した時のインバータ回路32の入力電力と負荷鍋(被加熱物)に作用する浮力の相関の一例を示す。図において、横軸はインバータ回路32への入力電力を、縦軸は負荷鍋(被加熱物)に働く浮力を示している。この図からわかるように、入力電力の増加に伴い浮力も増加するので、この浮力が負荷鍋(被加熱物)とその中に入れられた食材の総重量を超えると上記の負荷鍋(被加熱物)ずれ又は浮きが生じることになる。
【0006】
図18は、インバータ回路32の起動時から設定された出力に達する途中で、移動検出手段36が鍋(被加熱物)のずれまたは浮きの発生を検知した場合の動作を実線で示している。破線は移動検出手段36が鍋(被加熱物)のずれまたは浮きの発生を検知を検知しなかった場合で、設定電力(制御目標値)に到達すると安定制御をおこなう。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−241850号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の誘導加熱調理器では、このように鍋のずれ又は浮きを検知すると、被加熱物が小さい火力でずれ又は浮きを検知するか、大きい出力でずれ又は浮きを検知するかに係わらず、出力を予め決められた十分小さな値に低下させて火力を弱めていたため、フライパンを使った炒め物料理などで、インバータ回路32に十分な入力電力が入らず温度が上昇しないという課題があり、また、取っ手を持って鍋をずらしながら調理を行う場合、制御回路34がずれ又は浮きが発生したと誤って認識して出力を低下させ、十分な火力を得て調理をすることができないという課題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、制御手段は、被加熱物のずれ又は浮きが発生した時のインバータの出力値またはこのインバータの出力値に対応する制御手段の制御出力に応じて被加熱物のずれ又は浮きが起こらない範囲で第1の出力値を変更してなることにより、被加熱物のずれ又は浮きが発生するインバータの出力値近くで出力を保持することができ、被加熱物のずれ又は浮きが発生を防止しながら被加熱物の加熱出力範囲を大きくして調理性能を向上することができるものである。
【0010】
すなわち、使用者が、アルミや銅などの高導電率かつ低透磁率(非磁性)の金属を材料とする軽量の負荷鍋を使っての調理において、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きを検知したときそのときの出力情報記憶して、それ以降は、被加熱物のずれ又は浮きが発生した時のインバータの出力値を超えないようにして、被加熱物の状態に応じて、検知後の抑制レベルを変更して、鍋のずれや浮きが発生させず、かつ高火力で調理ができるので、調理時間が短縮され、使い勝手がよくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力値を検知して前記出力値と対応する値を出力する出力検知手段と、前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したこと検知する移動検知手段と、前記インバータ回路の出力値をフィードバック制御で安定させる制御目標値まで徐々に増加させるとともに、前記移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、前記インバータ回路の出力値を第1の出力値に抑制する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動検知手段が出力する前記被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号に関連付けて得た前記出力検知手段の出力値又は前記制御手段の制御出力値である移動発生出力値に基づき前記第1の出力値を決定することにより、被加熱物のずれ又は浮きが発生するインバータの出力値近くで出力を保持することができ、被加熱物のずれ又は浮きが発生するのを防止しながら被加熱物の加熱出力範囲をできるだけ大きくして調理性能を向上することができるものである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、特に、制御手段は、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知後、所定の時間が経過すると、インバータ回路の出力値を再度増加させる、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きの発生の有無を検知することになる。制御手段は、被加熱物のずれ又は浮きが発生するインバータ回路の出力値を、再度認識しなおして、その後にインバータ回路の出力を抑制して保持する値である第1の出力値をそれに対応させて更新することができる。このようにすることで、例えば、被加熱物である鍋に液体や食べ物が投入され重量が重くなった場合には、インバータ回路の出力値を自動的に増加させることができ、使用者の使い勝手を向上させることができるという効果を奏する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、特に、移動発生出力値を記憶する記憶手段を有し、制御手段は、移動検知手段が被加熱物のずれまたは浮きを複数回検知した場合に、複数の前記移動発生出力値が所定の範囲にあると判断すると、制御目標値を前記移動発生出力値より小さく変更することにより、移動検知手段が被加熱物のずれまたは浮きを複数回検知した場合に、複数の過去の移動発生出力値が所定の範囲にあると判断することで、被加熱物が移動検知手段の複数回の移動検知動作により位置が移動していないこと、あるいは加熱コイルからの磁力線の作用により被加熱物のずれまたは浮きが発生していることを確認した上で、制御目標値を移動発生出力値より小さく変更して、被加熱物のずれまたは移動の発生を確実に防止できる。したがって、使用者が調理中に被加熱物を移動した際、移動検知手段により加熱コイルの磁力線による加熱動作によって被加熱物が移動したと判断されインバータ回路の出力値を低下し、調理性能が低下するという不都合を防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の制御手段は、移動検知手段が出力する被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号に関連付けて得た制御出力値に基づいて第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制している時の出力検知手段の検知結果に基づき、制御目標値を移動発生出力値より小さくなるよう変更するので、加熱コイルの磁力線による被加熱物のずれまたは移動の発生しうるインバータ回路の出力値を認識したうえで、被加熱物のずれまたは移動の発生が起こらないかつできるだけ大きな制御目標値でフィードバック制御による加熱を継続することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項3または4に記載の構成において、使用者が設定する制御目標値を表示する設定表示手段を有し、移動発生出力値に基づく前記制御目標値の変更に応じて前記設定表示手段の表示内容を変更することにより、被加熱物のずれまたは浮きを防止するために、使用者により設定された制御目標値が変更されたことを使用者に知らしめることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、特に、制御手段は、第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制している時に、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定すると、インバータ回路の出力値を前記第1の出力値より小さい所定の値に変更することにより、被加熱物が収容する食材の水分が蒸発するなどにより移動発生出力値が小さくなっても、被加熱物のずれ又は浮きが発生することなく加熱を継続することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、特に、使用者により設定された制御目標値が所定の値を超える場合に、第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制するモードに移行することを禁止するか、又は、前記制御目標値が前記所定値以下の場合よりも、前記第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制するモードに移行しにくくすることにより、加熱出力を大きくして行うのが一般的であるフライパン等による炒め物調理時において、使用者が鍋を揺り動かす動作により、移動検知手段が加熱コイルの磁力線の作用で移動したと認識してインバータ回路の出力を不必要に低下させるのを防止することができる。
【0018】
また、使用者が設定する制御目標値を大きくする場合は、煮込み料理などのように被調理物から長時間離れる機会が少なく、被加熱物のずれ又は浮きの発生する場合でも手を添えれば安定して調理できる場合が多いので、被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定しにくくすることの不都合は少ない。すなわち、出力を得ることを優先した制御を行うことで調理メニューに応じて使い分けを可能とし使い勝手が向上する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、特に、制御手段は、出力検知手段の検知するインバータ回路の出力値が所定の値より小さいと前記インバータ回路の動作を停止するかまたは表示手段若しくは報知手段によりその旨の表示若しくは報知を行うことにより、被加熱物が軽量で被加熱物の浮きや移動を生じ易く、不十分なインバータ回路の出力で動作をさせざるを得ず、微弱な火力でしか調理ができない場合に、加熱動作を停止するかまたは表示手段若しくは報知手段によりその旨の表示若しくは報知を行うことにより、使用者を混乱させないようにすることができる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、特に、制御手段は、移動発生出力値または第1の出力値が所定値より小さいと、表示手段または報知手段によりその旨の表示またはは報知を行うことにより、被加熱物が軽量で被加熱物の浮きや移動を生じ易く、不十分なインバータ回路の出力で動作をさせざるを得ず、微弱な火力でしか調理ができない場合に、表示手段または報知手段により使用者に被加熱物の浮きまたは移動が生じるために十分な加熱ができない旨を知らせることにより、使用者を混乱させないようにすることができる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、特に、制御手段は、出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値が設定された制御目標値に到達すべく第1の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、前記制御目標値と前記出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値の差が所定の範囲内にある場合に、前記第1の時間より長い第2の時間が経過するまで制御出力値を固定する第2の出力モードに移行することにより、制御出力値の変更によるインバータ回路の出力の変動を除外して、被加熱物の移動による出力の変化を精度良く検知することにより、移動検知手段の検知精度を向上することができる。
【0022】
請求項11に記載の発明は、特に、出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値が制御目標値またはその近傍で安定すべく、制御手段が所定の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、移動検知手段は、前記制御手段が制御出力値を連続的に所定値、所定時間または所定回数以上増加させると、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知することにより、被加熱物を除去した場合も同様に制御出力値が連続的に上昇するが、その場合には所定時間より短期間に被加熱物を除去したことを他の負荷検知回路等で検知するようにすれば、被加熱物を除去した場合と磁力線の作用により被加熱物のずれまたは浮きと識別することができ、また、特に、被加熱物が横方向にずれていくことも検知することができる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、特に、請求項2または3に記載の制御手段は、第1の出力モードにおいて、インバータ回路の出力値を第1の出力値から再度増加させる際に、所定値増加させた後、徐々に増加させるとともに、前記所定値を移動発生出力値と第1の出力値の差より小さい値としたことにより、再度出力を増加後においても被加熱物のずれまたは浮きを生じることなく、前記徐々に増加させる期間を短くして、短期間に移動検知結果を得て、その結果に基づくその後の処理(例えば設定された制御目標値を、移動の起こらない制御目標値に変更して安定制御モードに移行する)を行うことができる。
【0024】
請求項13に記載の発明は、特に、出力検知手段は、インバータ回路の入力電力若しくは入力電流、または、前記インバータ回路が発生する高周波電流若しくは高周波電流のピーク値、平均値若しくは実効値を検出することにより前記インバータ回路の出力値を検出し、移動検出手段は前記出力検知手段の検知した前記インバータ回路の出力値の時間経過に対する変化値を測定するとともに、前記変化値に基づき前記被加熱物の移動を検出することにより、インバータ回路の入力電力若しくは入力電流、または、インバータ回路が発生する高周波電流若しくは高周波電流のピーク値、平均値若しくは実効値等、インバータ回路の大きさを示すものの時間経過に対する変化を測定して被加熱物の移動を監視することができるため、被加熱物のずれや浮きが生じてインバータ回路の出力の大きさの時間経過に対する変化があらかじめ決められた範囲のものになった時点で素早く検知することができる。
【0025】
さらに、移動検知手段の入力する二つの測定量のうち一つが時間であるため、測定が極めて短時間に行え、かつ判断のための演算が単純化される。従って、被加熱物の移動のための検出時間を短くしかつ被加熱物の移動の有無の検出を正確に行え、被加熱物が浮力により移動したことが視認できないようにすることが簡単な回路構成により実現でき、使用者に不安感を与えないようにすることができる。
【0026】
請求項14に記載の発明は、高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力の大きさを検出する出力検知手段と、前記出力検知手段の出力値を入力するとともに、前記インバータ回路の出力の大きさに対応した制御出力値を出力して前記インバータ回路の出力の大きさを制御する制御手段と、前記制御手段が前記出力検知手段の検知結果に基づき前記インバータ回路の出力の大きさを制御目標値に安定すべくフィードバック制御する安定制御モードにおける前記制御目標値を設定する設定入力手段と、前記出力検知手段の出力値の経過時間に対する変化値により前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する第1の移動検知手段と、前記第1の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する前の前記制御出力値を記憶する第1の記憶手段とを備え、前記制御手段は、所定の出力から前記インバータ回路の出力の大きさを大きくさせる到達制御モード中において、前記被加熱物のずれ又は浮きを検知すると前記第1の記憶手段に記憶された前記制御出力値に基づいて前記インバータ回路の出力の大きさを小さくするように制御する第1の出力モードに移行するものであり、出力検知手段の出力値の経過時間に対する変化値により被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する第1の移動検知手段を有するので、被加熱物のずれ又は浮きが発生した時点で素早く検知することができ、さらに、所定の出力から前記インバータ回路の出力の大きさを大きくさせる到達モード中において、第1の移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きを検知すると、検知する前の制御出力値を記憶する第1の記憶手段を有するので、制御手段は、被加熱物のずれ又は浮きが発生しない制御出力値を記憶することができる。被加熱物のずれ又は浮きを検知した後、第1の記憶手段に記憶された制御出力値に基づいてインバータ回路の出力の大きさを前記被加熱物のずれや浮きが発生する値より小さくするように制御する第1の出力モードに移行するので、認識している被加熱物のずれ又は浮きが発生しない範囲の制御出力値を使用してインバータ回路の出力を制御することができる。したがって、被加熱物のずれ又は浮きが発生する出力レベルを、その都度認識して出力を決定することができる。あるいは、被加熱物のずれ又は浮きが発生しない範囲でインバータ回路の出力を大きくして加熱をすることができるので、使い勝手良くすることができる。
【0027】
請求項15に記載の発明は、特に、第1の出力モードにおいて、所定の時間が経過すると、到達制御モードに移行するため、再度、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知しない制御出力値を記憶でき、前回の検知からの時間経過による被加熱物の重量の変化や前回の検知の誤りの有無を確認することができ、信頼性が向上する。
【0028】
請求項16に記載の発明は、特に、制御手段は、設定入力手段により設定された制御目標値を、第1の出力モードに移行後の出力検知手段の出力値に基づき変更するため、被加熱物のずれ又は浮きが発生しない範囲で、インバータ回路の出力値を大きくしてフィードバック制御を行い安定した加熱動作を継続することができる。
【0029】
請求項17に記載の発明は、特に、第1の出力モードに移行後の出力検知手段の出力値を記憶する第2の記憶手段を有し、第1の移動検知手段が再度被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、制御手段は、第1の記憶手段が前回記憶した制御出力値と新たに記憶した制御出力値の差が所定の範囲にある場合に、設定入力手段により設定された制御目標値を前記第2の記憶手段に記憶された値に基づき変更するものであり、制御手段は、第1の記憶手段が前回記憶した制御出力値と新たに記憶した制御出力値の差が所定の範囲にあることを確認することで、電源電圧が変動したり、被加熱物の位置が変動していないことを確認することができ、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを精度良く検知することができるので、安定したインバータの出力制御を行うことができる。
【0030】
請求項18に記載の発明は、特に、設定入力手段により設定された制御目標値を表示する設定表示手段を有し、前記設定表示手段は第2の記憶手段に記憶された出力値に応じて、表示内容を変更するものであり、使用者が、被加熱物のずれ又は浮きが発生するのを防止すべく、使用者自身が設定した設定出力が変更されたこと、あるいはどの程度設定出力が下げられたかを知ることができる。使用者は、これにより被加熱物が鍋である場合には、鍋に入れる水等の食材を追加して被加熱物の重量を重くするなどの対策を行うことが可能となるため、使い勝手がよい。
【0031】
請求項19に記載の発明は、特に、制御手段が第1の出力モードにある場合において、第1の移動検知手段が連続して被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知したときに前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定する第2の移動検知手段を有し、制御手段は、前記第2の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、制御出力値を第1の記憶手段に記憶されている値より小さい値に変更して出力するものである。被加熱物が重量バランスの偏った鍋(例えば、片方のみに取っ手がついたフライパン)等である場合、第1の出力モードにおいて第1の記憶手段に記憶された制御出力値でインバータ回路を動作させると、少しずつ横方向にづれていく場合がある。この場合には、第1の移動検知手段が連続して被加熱物のずれ又は浮きが発生したことにより、人為的に被加熱物を動かした場合とも区別して検知することができ、検知後は、制御出力値を第1の記憶手段に記憶されている値より小さい値に変更して出力するので、インバータ回路の出力値を更に低下させて、被加熱物の横方向へのずれを停止することができる。
【0032】
請求項20に記載の発明は、特に、制御手段は、第1の記憶手段に記憶された値に基づき制御出力値を小さくする際に、徐々に前記制御出力値を小さくするものであり、急激なインバータの出力値変化の緩和と使用者に与える違和感を低減させるものである。
【0033】
請求項21に記載の発明は、特に、制御手段は、設定された制御目標値が所定の値を超える場合に、第1の移動検知手段あるいは第2の移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定する判定値または判定条件を前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定しにくくなるように変更するものであり、加熱出力を大きくして行うのが一般的であるフライパン等による炒め物調理時において、使用者が鍋を揺り動かす動作により、移動検知手段が加熱コイルの磁力線の作用で移動したと認識してインバータ回路の出力を不必要に低下させるのを防止することができ、使い勝手が向上する。また、使用者が設定する制御目標値を大きくする場合は、煮込み料理などのように被調理物から長時間離れる機会が少なく、被加熱物のずれ又は浮きの発生する場合でも手を添えれば安定して調理できる場合が多いので、被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定しにくくすることの不都合は少ない。
【0034】
請求項22に記載の発明は、特に、制御手段は、第2の記憶手段に記憶されている値が所定の値より小さい場合に、加熱を停止するものであり、被加熱物が軽量で被加熱物の浮きや移動を生じ易く、不十分なインバータ回路の出力で動作をさせざるを得ず、微弱な火力でしか調理ができない場合に、加熱動作を停止することにより、紛らわしい加熱動作を継続して、使用者を混乱させないようにすることができる。
【0035】
請求項23に記載の発明は、特に、制御手段は、出力検知手段の出力値に基づきインバータ回路の出力値が設定された制御目標値に到達すべく第1の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、前記制御目標値と前記出力検知手段で検知されるインバータ回路の出力値の差が所定の範囲内にある場合に、前記第1の時間より長い第2の時間が経過するまで制御出力値を固定する第2の出力モードに移行する第2の出力モードを有するものであり、制御目標値と出力検知手段で検知されるインバータ回路の出力値の差が所定の範囲内にある場合に、第1の時間より長い第2の時間が経過するまで制御出力値を固定することにより、実質的に出力検知手段と制御手段による制御速度を遅くすることで、出力制御に起因する出力の変動を抑え、出力検知手段の出力の大きさの変化を観察して被加熱物のずれ又は浮きを検知する第1の移動検知手段の検知精度を向上させることができる。
【0036】
請求項24に記載の発明は、特に、制御手段は、第1移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが生じていることを検知すると、インバータ回路の出力値を小さくしその後再度大きくする出力変化を1回以上繰り返す出力制御を行うとともに、前記出力変化の変化周期または前記第1の移動検知手段の検知時の制御出力値が所定の範囲にあるかどうかにより、被加熱物が外部の力により移動しているのか又は、加熱コイルが発生する磁界と前記被加熱物に誘導された電流が発生する反発磁界の作用による前記被加熱物のずれ又は浮きを生じているのかを判定する移動状態検知手段を有し、前記移動状態検知手段が前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導された電流の発生する前記反発磁界の作用によりずれ又は浮きを生じていると判定した場合に第1の出力モードに移行するものである。第1移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが生じていることを検知すると、インバータ回路の出力値を小さくしその後再度大きくする出力変化を1回以上繰り返す出力制御を行うとともに、前記出力変化の変化周期または第1の移動検知手段の検知時の制御出力値が所定の範囲にあることを確認することで、使用者が被加熱物を手放したことを検知することができる。その場合には、被加熱物が反発磁界により移動しないように、インバータ回路の出力値を低下させるので安全性が向上する。
【0037】
また、使用者が被加熱物を手放していない場合には、インバータ回路の出力を小さくせず、必要な加熱出力が得られないという状況が生じるのを防止して使い勝手を向上することができる。
【0038】
請求項25に記載の発明は、特に、安定制御モードにおいて、制御手段が制御出力値を連続的に所定値、所定時間または所定回数以上上昇させたことから被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する第3の移動検知手段を有し、第1の記憶手段は前記第3の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する前の前記制御出力値を記憶するとともに、前記制御手段は、前記第3の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、前記第1の記憶手段に記憶された値に基づき、インバータ回路の出力の大きさを前記被加熱物のずれや浮きが発生する値より小さくするように制御する出力固定モードに移行するものである。被加熱物のずれ又は浮きが発生すると、同一制御出力値であるとインバータの出力値が小さくなる。安定制御モードにおいては、出力値を制御目標値に安定させるように制御手段が制御出力値を増加させる。被加熱物の重量バランスが悪く被加熱物が横方向にずれていくと、制御手段が制御出力値を連続的に所定値、所定時間または所定回数以上上昇させるので、第3の移動検知手段がこれを検知することができる。被加熱物を除去した場合も同様に制御出力値が連続的に上昇するが、その場合には所定時間より短期間に被加熱物を除去したことを他の負荷検知回路等で検知するようにすれば、被加熱物を除去した場合と磁力線の作用により発生する被加熱物のずれまたは浮きと識別することができる、さらに電源電圧の変化や検知誤り、重量の変化による被加熱物のずれまたは浮きが発生しても出力を低下させる対応ができ、より安全性の高い誘導加熱装置を提供できる。
【0039】
請求項26に記載の発明は、特に、第1の出力モードから再度制御出力値を大きくする際に、第1の出力モード時の制御出力値に所定値を加えた値でありかつ第1の記憶手段に記憶された値より小さい値から徐々に大きくするものであり、再度出力を増加後においても被加熱物のずれまたは浮きを生じることなく、前記徐々に増加させ第1の移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きを検知するまでの期間を短くして、短期間に移動検知結果を得て、その結果に基づくその後の処理(例えば設定された制御目標値を、移動の起こらない制御目標値に変更して安定制御モードに移行する)を行うことができる。従って、確実に被加熱物の移動を停止することができ、かつ、次に検知するまでの時間を早くすることができるため、使い勝手の良い誘導加熱装置を提供できる。
【0040】
【実施例】
以下本発明の各実施例について図面を参照しながら説明する。
【0041】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイル、2は誘導加熱コイル1に高周波電流を流すインバータ回路、3は入力電力の可変および安定化のためインバータ回路2の出力の大きさを検出するために電源電流を検知する出力検知手段、4は出力検知手段3の出力値に基づきインバータ回路2の出力を制御出力値を出力して制御する制御手段、5は制御手段4で制御する制御目標値となる出力段階を入力する設定入力手段、6は被加熱物のずれ又は浮きを検知する移動検知手段で、7は移動検知手段6が被加熱物のずれ又は浮きを検知する直前の制御手段4の制御出力値を記憶する第1の記憶手段である。本実施例では、制御手段4、第1の移動検知手段6、第1の記憶手段7は、マイクロコンピュータ12で実現している。
【0042】
図2は、第1の実施例の誘導加熱装置の具体的な回路図を示す。図において、8は商用電源、9はブリッジダイオードと平滑コンデンサで構成される整流回路で、インバータ回路2は平滑コンデンサ2fの両端に直列接続された2つのスイッチング素子(IGBT)2bとスイッチング素子(IGBT)2c、加熱コイル1に直列に接続される共振コンデンサ2a、及び一端が整流回路9の正極端子に接続され他端がスイッチング素子2bとスイッチング素子2cの接続点に接続されたチョークコイル2gとを具備し、加熱コイル1と共振コンデンサ2aの直列回路はスイッチング素子2dに並列に接続され、両スイッチング素子2b、2cにはそれぞれ逆導通用のダイオード2c、2eが接続される。
【0043】
インバータ回路2は整流回路9により整流された電源を、スイッチング素子2bとスイッチング素子2cが交互に導通と遮断を繰り返して加熱コイル1に高周波電流を発生させることにより高周波電力に変換する。11は制御手段4の制御出力値を入力してインバータ回路2のスイッチング素子を駆動する駆動回路である。インバータ回路2は、アルミニウム等の高導電率かつ低透磁率の金属を加熱することができるように70kHzの高周波電流を加熱コイル1に発生する。この実施例では、アルミニウム製の被加熱物を加熱すると、スイッチング素子2b及びスイッチング素子2cの各駆動期間中に加熱コイル1に流れる共振電流の1周期を超えた電流が流れるように加熱コイル1及び共振コンデンサ2aのインピーダンスを設定することにより、加熱コイルに流れる周波数を高くするとともにスイッチング素子のスイッチング損失を低減している。
【0044】
また、本実施例におけるインバータは、負荷鍋と誘導加熱コイル8の磁気結合が低下した場合、同じ駆動条件(周波数、駆動時間比など)で動作させると入力電力が低下する特性を有する。
【0045】
10はカレントトランスに流れる電流を電圧に変換してインバータ回路2に流れる入力電流を検知する出力検知手段である。第1の移動検知手段6は、出力検知手段10の出力値を入力して、出力検知手段10の出力値の経過時間に対する変化値すなわち勾配を測定して、その変化値が所定以下となると被加熱物と加熱コイル1との磁気結合が小さくなりインバータ回路2の出力値が小さくなったと判断し、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する。
【0046】
図3は、本実施例における表示操作部の概略図である。5は出力段階を入力するキースイッチで構成される設定入力手段、13は設定されている出力段階を表示する設定表示手段であり、設定されている電力を知らせる。設定入力手段5は、インバータの使用者が起動停止を行うための入/切キー5bと、火力(インバータ5の出力値)の設定を出力段階の増減により行うためのダウンキー5a及びアップキー5cを有している。13は1から7の数字表示に対応した7つのLEDで構成され、設定入力手段5により設定された出力段階を示す設定表示手段である。
【0047】
以上のように構成された誘導加熱調理器の動作を説明する。図3の入/切キー5bを押すと、マイクロコンピュータ12(制御手段4)は、設定段階(制御目標値)を「5」に自動的に設定し、設定表示手段13の1から5の数字表示に対応した7つのLEDを点灯させ、駆動回路11にインバータ回路2の2つのスイッチング素子を動作させるオンオフ信号に対応した制御出力値の出力を開始する。この駆動回路11の出力する駆動信号の周波数とデューティに応じてインバータ回路2の出力の大きさに対応する入力電流が変化するので、これを出力検知手段3で検知し、設定入力手段5で設定された出力値(制御目標値)を得るようにフィードバック制御を行う。マイクロコンピュータ12(制御手段4)は、低出力でインバータ回路2の動作を開始し、設定入力手段5で設定された出力値(制御目標値)に到達するまで出力値を大きくさせる。
【0048】
図4は、本実施例の起動後における制御手段4の制御出力値の時間経過に対する変化の様子を示す図である。入/切キー5bにより起動されると自動設定された段階に対応する制御手段4の制御目標値が設定され、低出力から制御目標値まで出力を大きくさせる到達制御モードに移行する。
【0049】
到達制御モードにおいて出力が大きくなると、被加熱物に対する浮力も大きくなるので、ある時点で被加熱物のずれ又は浮きが発生する場合がある。この場合、図4に示す様に、制御手段4は、第1の移動検知手段6が被加熱物のずれ又は移動を検知すると、到達制御モードから第1の出力モードに移行する。第1の出力モードでは、到達制御モードにおいて鍋のずれ又は浮きを検知しなかった範囲内の制御出力値を出力して、インバータ回路2の出力値を固定する。
【0050】
さらに詳細にこの動作を説明すると、到達制御モードにおいて、第1の記憶手段7は、第1の移動検知手段6が鍋(被加熱物)のずれ又は浮きの発生を検知しない間、制御手段4が出力する制御出力値を記憶する。制御手段4は、第1の移動検知手段6が鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを検知すると、その制御出力値を第1の記憶手段7に記憶されている制御出力値から所定値を減算して導出して固定する第1の出力モードに移行する。このとき得られるインバータ回路2の出力値が第1の出力値となる。第1の記憶手段7に記憶されている制御出力値は、鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを発生しない出力であり、かつ、被加熱物の大きさや重量の違いに応じて変更できるため、被加熱物のずれ又は浮きを発生しないようにしてインバータ回路2の出力値を大きくすることができ調理時間が短縮され、使い勝手がよくなる。
【0051】
以上のように、制御手段4は、移動検知手段(第1の移動検知手段6)が出力する被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号に関連付けて得られた制御手段4の制御出力値に基づき第1の出力値を導出するので、被加熱物のずれ又は浮きが発生するインバータ回路2の出力値近くでその出力を保持することができ、被加熱物のずれ又は浮きが発生するのを防止しながら被加熱物の加熱出力範囲を大きくして調理性能を向上することができるものである。
【0052】
なお、移動検知手段が出力する被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号と、制御手段4の制御出力値との関連付けは、本実施例で述べた第1の移動検知手段6と第1の記憶手段7によるものに限定されるものではなく、被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知する時の制御手段4の制御出力値を推定可能なように、制御情報または出力検知情報をマイクロコンピュータ等で記憶し、演算することにより実現することができる。
【0053】
なお、本実施例では、移動検知手段が、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知した際の制御出力値に基づき、検知後の制御出力値を導出しインバータ回路2の第1の出力値を得たが、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知した際の出力検知手段3の出力値に基づき第1の出力値を導出して、その値を制御目標として制御することによりインバータ回路2の第1の出力値を得るようにしてもよい。ただ、この場合には、応答速度が遅れるので、速い応答性が要求される再には、本実施例のように被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知した際の制御出力値に基づき第1の出力値を決定するのが好ましい。
【0054】
なお、本実施の形態ではインバータ回路7は2石式のインバータ構成としたが、例えば1石式の電圧共振形インバータなど負荷(被加熱物)との磁気結合変化により入力電流が変化するものであればいかなる構成あるいは制御方式のインバータでもよい。
【0055】
また、設定表示手段13は、LCDでもよく、また、設定表示をデジタル表示することも考えられ、さらには、音声で報知するものでも良い。
【0056】
(実施例2)
本発明の第2の実施例の回路構成は、第1の実施例と同様であるが、異なる点は、本実施例においては、図5に示すように、制御手段4は、第1の出力モードに移行後、所定の時間T1が経過すると、到達制御モードに移行する点である。図5は起動後における、時間経過と制御手段4の制御出力値との関係を示すものである。図において、到達制御モードと第1の出力モードを交互に繰り返している。図に示すように、一定時間毎(本実施例では、第1の出力モードとする時間を1秒に設定)に、到達制御モードに移行するため、調理物を投入するような重量の変化に対し、常に鍋(被加熱物)のずれ又は浮きの発生しない範囲で大きな出力で出力制御を行うことができる。
【0057】
以上によって、非調理物のずれ又は浮きが発生しない最大の電力で加熱を行うことができ、かつ、非加熱物の重量の変化にも対応でき、使い勝手が向上する。
【0058】
(実施例3)
図6は本発明の第3の実施例の構成を示したもので、実施例1との相違点についてのみ説明する。図において、14は第2の記憶手段で、制御手段4が、第1の出力モードにおいて、鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを発生しない制御出力値を出力してインバータ回路2の出力を固定している場合に、インバータ回路2の入力電流を出力検知手段3が検知した値を記憶する。この記憶手段2の記憶した値に基づき設定入力手段5で設定された制御目標値を変更する。
【0059】
以上によって、設定入力手段5で設定された制御目標値では、鍋が軽量でずれや浮きが生じる場合であっても、自動的に安定制御モードにおける制御目標値を変更するので、鍋のずれや浮きを発生しない範囲で、安定しかつ大きなインバータの出力値を得ることができる。
【0060】
なお、制御手段4が、第1の出力モードに移行後、所定の時間が経過すると、到達制御モードに移行する構成である場合であって、第1の移動検知手段6が再度被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、制御手段4が、第1の記憶手段が前回記憶した制御出力値と新たに記憶した制御出力値の差が所定の範囲にある場合に、制御目標値を第2の記憶手段に記憶された値に基づき変更する構成とすれば、誤って制御目標値を低下することが起きるのを抑制することができる。
【0061】
(実施例4)
本発明の第4の実施例は、図2、図3及び図6を用いて動作を説明する。
【0062】
図において、設定入力手段5の入/切キースイッチ5bを押すことによって、マイクロコンピュータ12は、入力電流検知手段10が検知したインバータ回路2の入力電流に対応する出力値をAD変換により読み込み、AD変換値で例えば128になるように駆動回路11に出力する駆動信号(制御出力値)を変化させる。さらに、設定入力手段5のアップキースイッチ5cを押すことによって、設定段階(制御目標値)を「6」に上昇させると、マイクロコンピュータ12は、入力電流検知手段10が検知した出力値をAD変換により読み込み、AD変換値で例えば140になるように駆動回路11に出力する駆動信号(制御出力値)を変化させる。第1の移動検知手段6により鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを検知した後、安定制御モードにおいて、第2の記憶手段14により記憶された制御目標値に到達すべく制御する場合、この制御目標値が設定段階「5」における出力値より小さい場合、マイクロコンピュタ12は、設定段階「5」に対応するLEDを点灯表示するよう変更する。このように、第2の記憶手段14により記憶された制御目標値と、各設定段階で設定される制御目標値の差が設定段階の1段階以上の差がある場合に、設定表示手段13の表示の段階を下げて、差が1段階以上とならないように変更する。
【0063】
以上のように、実際のインバータ回路2の出力値に応じて、設定表示手段13ので表示を変更することにより、使用者に対し、実際の電力を知らせることができるため、使い勝手がよくなる。なお、設定表示手段13は音声による報知を行うものでも同様の効果を奏する。
【0064】
(実施例5)
図7は本発明の第5の実施例の構成を示す図である。
【0065】
図7に示す様に、本実施例においては、出力検知手段3が検知するインバータ回路2の出力値の時間経過に対する変化値(勾配)を、第1の移動検知手段6が所定の時間間隔で連続的に(例えば10回連続)鍋(被加熱物)のずれ又は浮きの発生を検知した(例えば、勾配が所定値より小さい)場合に、鍋(被加熱物)のずれ又は浮きが発生したと判定する第2の移動検知手段15を有している。
【0066】
図8は本実施例における第5の実施例の誘導加熱装置の起動後の時間経過と制御手段4の制御出力値の変化の様子を示すタイミングチャートである。制御手段4が第1の出力モードにある場合に、第2の移動検知手段15により、被加熱物のずれ又は移動の発生を検知した場合に、制御手段4の制御出力値を低下させるように第1の記憶手段7に記憶されている制御出力値を所定の値で補正し、再度、第1の固定出力モードを開始するものである。
【0067】
以上によって、重量バランスが偏った被加熱物が負荷である場合等、第1の記憶手段7に記憶された制御出力値で制御すると、少しずつ横方向にづれていく場合にも、被加熱物のずれ又は浮きが発生したと検知して、制御出力値を小さくして、鍋(被加熱物)のずれを停止することができ、安全性が向上する。
【0068】
(実施例6)
本発明の第6の実施例は第1の実施例と同様の構成とし、図9のタイミングチャートにより相違点と動作を説明する。図9は、本実施例における起動後の時間経過と制御手段4の制御出力値の関係を示すタイミングチャートである。
【0069】
図において、制御手段4は、到達モードから第1の出力モードに移行する場合に、制御出力値を徐々に低下させる。例えば、第1の記憶手段7に記憶されている制御出力値が100で、第1の移動検知手段6が鍋のずれ又は浮きを検知した時点の制御出力値が120であれば、120から100に出力を低下させる場合に、交流電源の周期に同期して、1ずつ出力を減らしていく。
【0070】
以上によって、急激な出力の変動を抑えることができ、安定した電力を得ることができる。
【0071】
(実施例7)
実施例7は、図7に示す本発明の第5の実施例と同様の構成とする。
【0072】
本実施例において、異なるのは、設定入力手段5により設定された制御目標値が図3の設定段階「7」(最大出力設定)の場合に、第1の移動検知手段6、及び、第2の移動検知手段15が鍋(被加熱物)のずれ又は浮きが発生したと判定する閾値を判定しにくくなる方向に変更するものである。使用者が、把手のついたフライパンなどで調理を行う場合、把手を握って、フライパンを移動させる場合には、第1の移動検知手段6、及び、第2の移動検知手段15によって、出力を低下させるため、これをより判定しにくい値に閾値を変更することによって、使い勝手をよくする。
【0073】
(実施例8)
本発明の第3の実施例と同じ構成とし、図6を用いて動作を説明する。
【0074】
図において、第2の記憶手段14が記憶している制御目標値が、設定入力手段5により設定可能な最小出力の設定段階に設定された場合(設定表示手段13は、1のLEDを点灯表示する)に設定される制御目標値よりも小さくなると、制御手段4は、インバータ回路2の加熱動作を停止する。
【0075】
以上によって、軽量のためずれ又は浮きを防止する上で加熱できない鍋(被加熱物)を加熱しようとしても、加熱を自動的に停止することができるので安全性の高い誘導加熱装置が提供できる。
【0076】
(実施例9)
本発明の第1の実施例と同じ構成とし、図10の起動後における経過時間とインバータ回路2の入力電流の変化の様子を示すタイミングチャートにより説明する。
【0077】
図において、設定入力手段5により設定された制御目標値に到達すべく第1の時間毎(例えば1/2商用電源周期)に制御出力値を更新してフィードバック制御する安定制御モードにおいて、出力検知手段3の検知出力と制御手段4の制御目標値の差が所定の範囲(AD変換値でプラスマイナス1以内)である場合に、制御手段4は、その値で制御出力値を固定する第2の出力モードに移行する。さらに、第1の時間より長い第2の時間(例えば約1秒)経過後、安定制御モードに移行する。
【0078】
以上のように、目標の出力値が得られている状態で出力を固定することによって、被加熱物が人為的に移動させられても、出力検知手段3の変化に追従して制御手段4の制御出力値が変化しないので出力の変動を抑えることができ、第1の移動検知手段6や第2の移動検知手段15の検知動作の誤検知の原因を排除し検知精度を向上させることができる。
【0079】
(実施例10)
図11は本発明の第10の実施例の構成を示したもので、実施例6との相違点についてのみ説明する。図において、15は、移動状態検知手段で、安定制御モードにおいて、出力検知手段3の検知結果の変化周期が連続的に所定の範囲にあれば、被加熱物が外部の力により移動しているのではなく、軽量であるため反発磁界によりずれ又は浮きを生じていると判定することができる。
【0080】
図12は、タイミングチャートで、被加熱物が、軽量であるため反発磁界によりずれ又は浮きを生じている場合の一例を示している。本実施例では、周期1、周期2、周期3の時間を測定し、その差が、所定の時間以内であれば、軽量であるため反発磁界によりずれ又は浮きを生じていると判定する。
【0081】
以上によって、使用者がフライパンの把手を持って調理をしている場合に、制御手段3が安定制御モードにあれば、フライパンの把手を放したことが検知できる。
【0082】
(実施例11)
図13は本発明の第11の実施例の構成を示したもので、実施例6との相違点についてのみ説明する。図において、16は、第3の移動検知手段で、制御手段4は、安定制御モードにある場合に1ZVP(商用電源の1/2周期、約10msec)毎に制御出力を更新しながらフィードバック制御を行うが、連続的に所定回数(本実施例では200回、所要時間約2sec)以上制御出力値を上昇させると、被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定する。
【0083】
図14は、本実施例の誘導加熱装置の起動後の経過時間と入力電流値及び制御手段4の制御出力値のタイミングチャートである。図において、安定制御モードにある場合に、被加熱物のずれ又は浮きが発生すると、加熱コイル1と被加熱物の磁気結合が小さくなるのでインバータ回路2の出力値が小さくなり、出力検知手段3により入力電流値の減少が連続的に検知され、そのため制御出力値を連続的に上昇させることになる。この場合、第3の移動検知手段16が、制御手段4が所定の回数以上連続して出力値を上昇させていることを検知すると、鍋(被加熱物)のずれ又は浮きが発生したと判定して、第1の出力モードに移行し、出力を小さくして加熱を継続する。この際、第1の出力モードにおける制御出力値は、第1の記憶手段7の記憶する制御出力値から連続出力増加分以上の値を減じて導出する。
【0084】
以上によって、第1の記憶手段により記憶された出力値では、少しずつ鍋(被加熱物)がずれていくような場合や、水分の蒸発等により鍋の重量が軽くなるような場合にも、鍋(被加熱物)のずれを検知することができる。
【0085】
(実施例12)
図15は、本実施例の誘導加熱装置の起動後の経過時間と制御出力値のタイミングチャートである。
【0086】
図において、制御手段4は、第1の出力モードから再度制御出力値を大きくする際に、第1の出力モード時の制御出力値に所定値を加えた値でありかつ第1の記憶手段7に記憶された値より小さい値から徐々に大きくする。
【0087】
以上によって、制御手段4が、到達制御モードから第1の出力モードに移行する場合に、第1の出力モードにおける制御出力値が十分に鍋(被加熱物)のずれ又は浮きを生じさせない制御出力値にでき、また、第1の出力モードから到達制御モード移行する場合には、確実に早く鍋(被加熱物)のずれ又は浮きが発生したことを検知でき、その結果に基づくその後の処理(例えば設定された制御目標値を、移動の起こらない制御目標値に変更して安定制御モードに移行する)を行うことができる。従って、確実に被加熱物の移動を停止することができ、かつ、次に検知するまでの時間を早くすることができるため、使い勝手の良い誘導加熱装置を提供できる。
【0088】
以上によって、第1の記憶手段により記憶された出力値では、少しずつ鍋がずれていくような場合や、水分の蒸発等により鍋の重量が軽くなるような場合にも、鍋のずれを検知することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、被加熱物のずれ又は浮きが発生しないように出力を抑制するとともに、平均入力電流を上げることができ、調理時間が短縮され、調理がしやすくなる。
【0090】
また、本発明によれば、被加熱物の重量に応じて被加熱物のずれ又は浮きの発生しない範囲で出力を自動的に変更して極端に出力を下げずに加熱を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例の誘導加熱装置の具体的な回路図
【図3】第1の実施例の誘導加熱装置の表示操作部の詳細平面図
【図4】第1の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値の変化を示す図
【図5】本発明の第2の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値の変化を示す図
【図6】本発明の第3の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の第5の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第5の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値の変化を示す図
【図9】本発明の第6の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値の変化を示す図
【図10】本発明の第9の実施例の誘導加熱装置の時間と入力電流の変化を示す図
【図11】本発明の第10の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の第10の実施例の誘導加熱装置の時間と入力電流の変化を示す図
【図13】本発明の第11の実施例の誘導加熱装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の第11の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値および入力電流の変化を示す図
【図15】本発明の第12の実施例の誘導加熱装置の時間と出力値の変化を示す図
【図16】従来例の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図
【図17】従来例の誘導加熱調理器における入力電力と浮力の相関を示した図
【図18】従来例の誘導加熱調理器の時間により入力電流の変化を示した図
【符号の説明】
1 誘導加熱コイル
2 インバータ回路
3 出力検知手段
4 制御手段
5 設定入力手段
6 第1の移動検知手段
7 第1の記憶手段
14 第2の記憶手段
15 移動状態検知手段
16 第2の移動検知手段
17 第3の移動検知手段

Claims (26)

  1. 高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力値を検知して前記出力値と対応する値を出力する出力検知手段と、前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したこと検知する移動検知手段と、前記インバータ回路の出力値をフィードバック制御で安定させる制御目標値まで徐々に増加させるとともに、前記移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、前記インバータ回路の出力値を第1の出力値に抑制する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記移動検知手段が出力する前記被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号に関連付けて得た前記出力検知手段の出力値又は前記制御手段の制御出力値である移動発生出力値に基づき前記第1の出力値を決定する誘導加熱装置。
  2. 制御手段は、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知後、所定の時間が経過すると、インバータ回路の出力値を再度増加させる請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 移動発生出力値を記憶する記憶手段を有し、制御手段は、移動検知手段が被加熱物のずれまたは浮きを複数回検知した場合に、複数の前記移動発生出力値が所定の範囲にあると判断すると、制御目標値を前記移動発生出力値より小さく変更する請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 制御手段は、移動検知手段が出力する被加熱物のずれ又は浮きの発生を検知した旨の信号に関連付けて得た制御出力値に基づいて第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制している時の出力検知手段の検知結果に基づき、制御目標値を移動発生出力値より小さくなるよう変更する請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  5. 使用者が設定する制御目標値を表示する設定表示手段を有し、移動発生出力値に基づく前記制御目標値の変更に応じて前記設定表示手段の表示内容を変更する請求項3または4に記載の誘導加熱装置。
  6. 制御手段は、第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制している時に、移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定すると、インバータ回路の出力値を前記第1の出力値より小さい所定の値に変更する請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 使用者により設定された制御目標値が所定の値を超える場合に、第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制するモードに移行することを禁止するか、又は、前記制御目標値が前記所定値以下の場合よりも、前記第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制するモードに移行しにくくする請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  8. 制御手段は、出力検知手段の検知するインバータ回路の出力値が所定の値より小さいと前記インバータ回路の動作を停止するかまたは表示手段若しくは報知手段によりその旨の表示若しくは報知を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  9. 制御手段は、移動発生出力値または第1の出力値が所定値より小さいと、インバータ回路の動作を停止するかまたは表示手段若しくは報知手段によりその旨の表示若しくは報知を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  10. 制御手段は、出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値が設定された制御目標値に到達すべく第1の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、前記制御目標値と前記出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値の差が所定の範囲内にある場合に、前記第1の時間より長い第2の時間が経過するまで制御出力値を固定する第2の出力モードに移行する請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  11. 出力検知手段で測定されるインバータ回路の出力値が制御目標値またはその近傍で安定すべく、制御手段が所定の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、移動検知手段は、前記制御手段が制御出力値を連続的に所定値、所定時間または所定回数以上増加させると、被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する請求項1〜10のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  12. 制御手段は、第1の出力値にインバータ回路の出力値を抑制するモードにおいて、インバータ回路の出力値を前記第1の出力値から再度増加させる際に、所定値増加させた後徐々に増加させるとともに、前記所定値を移動発生出力値と前記第1の出力値の差より小さい値とした請求項2または3に記載の誘導加熱装置。
  13. 出力検知手段は、インバータ回路の入力電力若しくは入力電流、または、前記インバータ回路が発生する高周波電流若しくは高周波電流のピーク値、平均値若しくは実効値を検出することにより前記インバータ回路の出力値を検出し、移動検出手段は前記出力検知手段の検知した前記インバータ回路の出力値の時間経過に対する変化値を測定するとともに、前記変化値に基づき前記被加熱物の移動を検出する請求項1〜12のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  14. 高周波磁界を発生し被加熱物を加熱する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力の大きさを検出する出力検知手段と、前記出力検知手段の出力値を入力するとともに、前記インバータ回路の出力の大きさに対応した制御出力値を出力して前記インバータ回路の出力の大きさを制御する制御手段と、前記制御手段が前記出力検知手段の検知結果に基づき前記インバータ回路の出力の大きさを制御目標値に安定すべくフィードバック制御する安定制御モードにおける前記制御目標値を設定する設定入力手段と、前記出力検知手段の出力値の経過時間に対する変化値により前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する第1の移動検知手段と、前記第1の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する前の前記制御出力値を記憶する第1の記憶手段とを備え、前記制御手段は、所定の出力から前記インバータ回路の出力の大きさを大きくさせる到達制御モード中において、前記被加熱物のずれ又は浮きを検知した後、前記第1の記憶手段に記憶された前記制御出力値に基づいて前記インバータ回路の出力の大きさを前記被加熱物のずれや浮きが発生する値より小さくするように制御する第1の出力モードに移行する誘導加熱装置。
  15. 制御手段は、第1の出力モードに移行後、所定の時間が経過すると、到達制御モードに移行する請求項14に記載の誘導加熱装置。
  16. 制御手段は、設定入力手段により設定された制御目標値を、第1の出力モードに移行後の出力検知手段の出力値に基づき変更する請求項14に記載の誘導加熱装置。
  17. 第1の出力モードに移行後の出力検知手段の出力値を記憶する第2の記憶手段を有し、第1の移動検知手段が再度被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、制御手段は、第1の記憶手段が前回記憶した制御出力値と新たに記憶した制御出力値の差が所定の範囲にある場合に、制御目標値を前記第2の記憶手段に記憶された値に基づき変更する請求項15または16に記載の誘導加熱装置。
  18. 設定入力手段により設定された制御目標値を表示する設定表示手段を有し、前記設定表示手段は第2の記憶手段に記憶された出力値に応じて、表示内容を変更する請求項17に記載の誘導加熱装置。
  19. 制御手段が第1の出力モードにある場合において、第1の移動検知手段が連続して被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知したときに前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定する第2の移動検知手段を有し、制御手段は、前記第2の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、制御出力値を第1の記憶手段に記憶されている値より小さい値に変更して出力する請求項15〜18のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  20. 制御手段は、第1の記憶手段に記憶された値に基づき制御出力値を小さくする際に、徐々に前記制御出力値を小さくする請求項15〜19のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  21. 制御手段は、設定された制御目標値が所定の値を超える場合に、第1の移動検知手段あるいは第2の移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定する判定値または判定条件を前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したと判定しにくくなるように変更する請求項15〜20のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  22. 制御手段は、第2の記憶手段に記憶されている値が所定の値より小さい場合に、加熱を停止する請求項17〜21のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  23. 制御手段は、出力検知手段の出力値に基づきインバータ回路の出力値が設定された制御目標値に到達すべく第1の時間経過する毎に制御出力値を増減してフィードバック制御を行う安定制御モードにおいて、前記制御目標値と前記出力検知手段で検知されるインバータ回路の出力値の差が所定の範囲内にある場合に、前記第1の時間より長い第2の時間が経過するまで制御出力値を固定する第2の出力モードに移行する請求項15〜22のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  24. 制御手段は、第1移動検知手段が被加熱物のずれ又は浮きが生じていることを検知すると、インバータ回路の出力値を小さくしその後再度大きくする出力変化を1回以上繰り返す出力制御を行うとともに、前記出力変化の変化周期または前記第1の移動検知手段の検知時の制御出力値が所定の範囲にあるかどうかにより、被加熱物が外部の力により移動しているのか又は、加熱コイルが発生する磁界と前記被加熱物に誘導された電流が発生する反発磁界の作用による前記被加熱物のずれ又は浮きを生じているのかを判定する移動状態検知手段を有し、前記移動状態検知手段が前記加熱コイルの発生する磁界と前記被加熱物に誘導された電流の発生する前記反発磁界の作用によりずれ又は浮きを生じていると判定した場合に第1の出力モードに移行する請求項15〜23のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  25. 安定制御モードにおいて、制御手段が制御出力値を連続的に所定値、所定時間または所定回数以上上昇させたことから被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する第3の移動検知手段を有し、第1の記憶手段は前記第3の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知する前の前記制御出力値を記憶するとともに、前記制御手段は、前記第3の移動検知手段が前記被加熱物のずれ又は浮きが発生したことを検知すると、前記第1の記憶手段に記憶された値に基づき、インバータ回路の出力の大きさを前記被加熱物のずれや浮きが発生する値より小さくするように制御する出力固定モードに移行する請求項15〜24のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  26. 制御手段は、第1の出力モードから再度制御出力値を大きくする際に、第1の出力モード時の制御出力値に所定値を加えた値でありかつ第1の記憶手段に記憶された値より小さい値から徐々に大きくする請求項15〜25のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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