JP2004102793A - 相場価格診断チャート - Google Patents
相場価格診断チャート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004102793A JP2004102793A JP2002265486A JP2002265486A JP2004102793A JP 2004102793 A JP2004102793 A JP 2004102793A JP 2002265486 A JP2002265486 A JP 2002265486A JP 2002265486 A JP2002265486 A JP 2002265486A JP 2004102793 A JP2004102793 A JP 2004102793A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- price
- point
- day
- value
- market
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000010586 diagram Methods 0.000 claims abstract description 13
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 48
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 claims description 39
- 239000003086 colorant Substances 0.000 claims description 17
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 11
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 10
- 238000000034 method Methods 0.000 description 8
- 238000013500 data storage Methods 0.000 description 7
- 230000001174 ascending effect Effects 0.000 description 5
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 5
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 4
- 230000002349 favourable effect Effects 0.000 description 4
- 230000002354 daily effect Effects 0.000 description 3
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 3
- 241000836710 Trichaptum sector Species 0.000 description 2
- 230000007774 longterm Effects 0.000 description 2
- 238000005381 potential energy Methods 0.000 description 2
- 230000003203 everyday effect Effects 0.000 description 1
- 230000006870 function Effects 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 1
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
Abstract
【課題】視覚的により見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行える相場価格診断チャートを提供する。
【解決手段】予め設定された設定期間内における指定日当日の株価の位置付け及び株価変動状況を表示し得る株価診断チャートであって、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、設定期間内の株価の最高値を表す最高値点pと、該最高値点と180度対向位置にあり上記設定期間内の株価の最安値を表す最安値点qと、指定日当日の終値を表す当日終値点rと、上記指定日前日の終値を表す前日終値点sと、が表示されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】予め設定された設定期間内における指定日当日の株価の位置付け及び株価変動状況を表示し得る株価診断チャートであって、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、設定期間内の株価の最高値を表す最高値点pと、該最高値点と180度対向位置にあり上記設定期間内の株価の最安値を表す最安値点qと、指定日当日の終値を表す当日終値点rと、上記指定日前日の終値を表す前日終値点sと、が表示されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価などの相場価格について、過去の相場価格の動きを分析し、また、将来の相場価格の動きを予測するための相場価格診断チャートに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、特定の株式銘柄の株価や平均株価などの株価で代表される相場価格は、通常、山から谷へ、また、谷から山へと変動を繰り返しながら推移している。この変動の山の頂点および谷の底が最高値(或いは当面の高値)及び最安値(或いは当面の安値)をそれぞれ示している。
【0003】
尚、本明細書において、「相場価格」なる用語は、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格、或いは為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートなど、取引市場で扱われる取引対象の価格または特定の平均価格を言うものとする。
以下においては、主として、最も代表的な「相場価格」である株式市場における株価(特定銘柄の株価または特定の平均株価等の株価)を例にとって説明する。
【0004】
上述のように、株価は、通常、山から谷へ、また、谷から山へと変動を繰り返しながら推移している。つまり、日々小刻みに上下の複雑なジグザグ変動を行いながら、ある程度の中長期的な期間では、谷から山への上昇トレンド、或いは山から谷への下降トレンドを繰り返していると言える。
【0005】
また、周知のように、株価は、株式市場における需要と供給の関係に支配され、供給に対して需要が旺盛になると株価は上昇し、当該株価についての過去所定期間の移動平均株価(例えば、13週移動平均株価)を越えて上昇すると、強い上昇トレンドを示現し、当面の間は連続する高値は前の高値よりも更に高くなることが多々経験されている。逆に、需要に対して供給が過剰になれば株価は下落し、例えば13週移動平均株価を割り込むと下降トレンドとなり、当面の間は連続する安値は前の安値よりも更に安くなることが多い。
【0006】
このような特定の株式銘柄の株価や平均株価などの株価について、過去の株価の動きを詳細に分析し、また将来の株価の動きを予測するために、一定期間内における株価の変動やそのトレンド(傾向)を表示する、所謂、株価チャートが用いられる。かかる株価チャートとしては、折れ線グラフや所謂ローソク足を用いたグラフで表示されたものが、従来、一般的である。
【0007】
また、株価予測と対象株価の変動の特色とを容易に知り、効率の良い株式投資を行うことを目的としたものとして、例えば、下記特許文献1には、時間経過を示す横軸と対象銘柄の好不調を示す縦軸とで基準軸を構成し、上記縦軸方向に上下動しながら時間の経過に伴って横軸方向に移動する波動曲線が描かれてなる図表が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−197872号公報(発明の詳細な説明:段落番号0007、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、過去の株価の動きを詳細に分析し、また将来の株価の動きをできるだけ精度良く予測するために、種々の株価チャートが考案されているが、上記従来のものは、何れも折れ線または曲線の線図が複雑に重なり合ったり、或いはこれらの線図にローソク足を書き加えたもので、実際には、その表示態様はなかなかに複雑である。
【0010】
従って、この表示態様に慣れ親しみ、迅速で的確な株価の分析および予測を行う上で有効に利用できるようになるには、かなりの習熟度を要することになる。このことは、商品先物市場における商品価格や為替市場における特定通貨の交換レートなど、他の相場価格の分析および予測を行う場合についても同様である。
【0011】
そこで、この発明は、視覚的により見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行える相場価格診断チャートを提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、かかる目的達成のため、日々研究を重ねる中で、株価が変動を繰り返す事象と単振り子が往復運動を繰り返す物理現象との間に、ある種の類似性が存在することに着目した。
すなわち、周知のように、支点(中心点)から一定長さの糸で吊るされた錘が鉛直面内で一定周期の往復運動を行う単振り子の円周期的運動の場合、錘が最高点にあるときの位置エネルギが最下点通過時に全て運動エネルギに変換されるが、このように、錘の位置に応じて位置エネルギと運動エネルギの間で相互に変換が行われ、このエネルギ変換の繰り返しが振り子を運動させる。この単振り子の周期的運動は、空気抵抗や支点での摩擦などに起因する摩擦現象がなければ無限に繰り返されるものであり、最下点を通過して上昇した錘は最高点に達すると必ず下降運動に転じ、また、最下点まで下降すると必ず上昇運動に転ずるものである。
【0013】
一方、特定銘柄の株価または特定の平均株価などの株価は、少なくとも中長期的なスパンで見れば、谷から山への上昇トレンドと山から谷への下降トレンドとを繰り返すものであり、この点において、単振り子が上昇運動と下降運動とを繰り返す現象と高い類似性を有している。
本願発明者は、このように、株価が変動を繰り返す事象と単振り子が往復運動を繰り返す現象との間に類似性があることから、一定期間内における株価の変動やそのトレンドを半円形または円形の図表で表示することを着想した。
【0014】
そこで、本願第1の発明に係る相場価格診断チャートは、予め設定された設定期間内における指定日当日の相場価格の位置付け及び価格トレンドを表示し得る相場価格診断チャートであって、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、上記設定期間内の相場価格の最高値を表す最高値点と、該最高値点と180度対向位置にあって上記設定期間内の相場価格の最安値を表す最安値点と、上記指定日当日の終値を表す当日終値点と、上記指定日前日の終値を表す前日終値点と、が表示されてなることを特徴としたものである。
【0015】
また、本願第2の発明は、上記第1の発明において、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点と、が更に表示されてなることを特徴としたものである。
【0016】
更に、本願第3の発明は、上記第1の発明において、少なくとも、上記当日終値点と前日終値点のうち上記最高値点に近い方の点と該最高値点とを結ぶ円弧と、上記当日終値点と前日終値点とを結ぶ円弧と、上記当日終値点と前日終値点のうち上記最安値点に近い方の点と該最安値点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0017】
また更に、本願第4の発明は、上記第3の発明において、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点とを結ぶ円弧が更に色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0018】
また更に、本願第5の発明は、上記第2の発明において、各所定の2点を結ぶ円弧にそれぞれ対応する扇形が複数形成され、これら複数の扇形を色分け表示して半円形が構成されており、上記扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に応じて、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められることを特徴としたものである。
【0019】
また更に、本願第6の発明は、上記第1〜第5の発明の何れか一において、上記最高値点と上記最安値点とを結ぶ直径を対称軸として上記半円と対称な半円上に、少なくとも、上記最高値と最安値の中間値を表す中間値点と、上記指定日当日の終値と上記移動平均現在値との差を表すトレンドシグナル点とが表示され、全体として円形をなすことを特徴としたものである。
【0020】
また更に、本願第7の発明は、上記第6の発明において、上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最高値点により近い点と該最高値点とを結ぶ円弧と、上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最安値点により近い点と該最安値点とを結ぶ円弧と、上記中間値点とトレンドシグナル点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0021】
また更に、本願第8の発明は、上記第5の発明において、上記各円弧にそれぞれ対応する扇形が各々色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0022】
また更に、本願第9の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価であることを特徴としたものである。
【0023】
また更に、本願第10の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格であることを特徴としたものである。
【0024】
また更に、本願第11の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートであることを特徴としたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば、株式市場における特定銘柄の株価に適用した場合について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る相場価格(株価)診断チャートの基本的なモデルの一例を示す図表である。尚、この例では、株価診断、つまり、過去の株価の動きの分析および将来の株価の動きの予測を行う上で、過去1年間の期間を設定し、その設定期間内における指定日当日の株価の位置付け及び株価変動状況を表示するようにした。
【0026】
上記図1に示されるように、本実施の形態に係る株価診断チャートM1(以下、適宜、単に「株価チャート」若しくは「チャート」という。)は、全体として円形をなしており、例えばその右半分の半円の線図上に、少なくとも、上記設定期間(過去1年間)内の当該銘柄の株価の最高値を表す最高値点pと、該最高値点pとは180度対向位置にあり過去1年間の株価の最安値を表す最安値点qと、指定日当日の終値を表す当日終値点rと、この指定日の前日の終値を表す前日終値点sと、が表示されている。
【0027】
尚、上記指定日当日としては、通常、株価診断を行う当日、又は、この当日の市場が終了していないか若しくは終了していてもその終値が入手できない時点であれば、株価診断を行う前日が指定されるが、かかる場合に限定されるものではなく、その時点から遡って設定期間(過去1年間)のデータの蓄積があれば、過去の何日の時点でも良い。また、株価診断を行う当日の終値が入手できない時点であっても、シミュレーションにより当日終値の予測値を求め、この予測値を用いて株価診断を行うことも可能である。
【0028】
このように、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、予め設定された設定期間(1年間)内の株価の最高値(最高値点p)と最安値(最安値点q)とが180度対向位置に表示されると共に、指定日当日の終値(当日終値点r)と指定日前日の終値(前日終値点s)とが表示されるので、上記設定期間内での指定日当日および指定日前日の株価の位置付け、並びに指定日当日の前日に対する株価の変動(上昇または下降)及びその変動幅の大きさを、極めて容易に見て取ることができる。
【0029】
すなわち、折れ線または曲線の線図が複雑に重なり合ったり、或いはこれらの線図にローソク足が書き加えられた従来のチャートに比して、視覚的により見易く、また、解り易くて、長年にわたる経験によって培われる特に高い習熟度を要することなく、より簡易に予測判断を行うことが可能になるのである。
【0030】
また、上記株価チャートM1には、予め定められた所定期間の移動平均株価の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点vと、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均株価のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点wと、が更に表示されている。
尚、本実施の形態では、上記移動平均株価として、13週移動平均株価に略相当する62日移動平均株価を採用した。すなわち、移動平均株価を算出する際の所定期間を、13週間のうちで市場が開かれている平均的な日数に相当する62日とした。これら過去62日の終値の移動平均を算出して、上記移動平均株価を得た。
【0031】
更に、上記転換値は、指定日よりも過去における終値を表にした終値テーブルと上記移動平均株価を表にした移動平均株価テーブルとを対比し、終値と移動平均株価とが等しくなるポイント(日付と値)をサーチして、当該指定日に最も近い日付のポイントでの値を得ることにより求めた。
尚、この代わりに、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均株価のグラフとを描き、両者の交点を読み取ることによって求めることもできる。
【0032】
このように、所定期間の移動平均株価の指定日当日の現在値(移動平均現在値点v)と、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値(転換値点w)とが更に表示されるので、これら転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0033】
一方、上記円形の株価チャートM1の左半分の半円、換言すれば、上記最高値点pと最安値点qとを結ぶ直径pqを対称軸として上述の半円(右半円)と対称な半円の線図上には、少なくとも、上記最高値と最安値の中間値を表す中間値点yと、上記指定日当日の終値と移動平均現在値との差額(値幅:トレンドシグナル値)を、上記中間値点yを基準として表すトレンドシグナル点zとが表示されている。
【0034】
当日終値が移動平均現在値よりも高い場合には、トレンドシグナル点zは中間値点yよりも上側(最高値pに近い側)に表示され、当日終値が移動平均現在値よりも低い場合には、トレンドシグナル点zは中間値点yよりも下側(最安値qに近い側)に表示される。
【0035】
このように、上記最高値点pと最安値点qとを結ぶ直径pqを対称軸として上述の右半円と対称な左半円上に、少なくとも、最高値と最安値の中間値を表す中間値点yと、指定日当日の終値と移動平均現在値との差額が上記中間値を基準として表されたトレンドシグナル点zとが表示され、全体として円形をなしているので、上述の右半円と対称な左半円を用いて、換言すれば、円形の残りの半円を利用して、最高値と最安値の中間値および指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表示することができ、更に詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができるのである。
【0036】
本実施の形態では、大略的に言えば、当該銘柄の株価について、右半円の図表で指定日当日時点の株価の現状を示し、左半円の図表で指定日当日時点での株価の上昇又は下降のトレンド(傾向)を示している。
【0037】
更に、上記円形の株価チャートM1では、円周上にプロットされた各ポイントと円の中心cとをそれぞれ結ぶことにより、円形を分割するようにして多数の扇形が形成されている。そして、後述するように、各扇形は色分け表示されている。
【0038】
すなわち、まず、右半円については、少なくとも以下の扇形が形成されている。
・扇形A:当日終値点rと前日終値点sと移動平均現在値点vと転換値点wのうち上記最高値点pに最も近い点(図1の例では、当日終値点r)と該最高値点pとを結ぶ円弧prに対応する扇形pqc。
・扇形C:上記当日終値点rと前日終値点sとを結ぶ円弧rsに対応する扇形rsc。
・扇形G:上記当日終値点rと前日終値点sと移動平均現在値点vと転換値点wのうち上記最安値点qに最も近い点(図1の例では、転換値点w)と該最安値点qとを結ぶ円弧wqに対応する扇形wqc。
【0039】
また、図1の例では、次の扇形も右半円に形成されている。
・扇形E:上記当日終値点rと前日終値点sの何れか低い方(値の低い方:図1の例では、前日終値点s)と上記移動平均現在値vと転換値点wの何れか高い方(値が高い方:図1の例では、移動平均現在値v)とを結ぶ円弧svに対応する扇形svc。
・扇形F:上記移動平均現在値点vと転換値点wとを結ぶ円弧vwに対応する扇形vwc。
【0040】
一方、左半円については、以下の扇形が形成されている。
・扇形K:上記中間値点yとトレンドシグナル点zのうち上記最高値点pにより近い点(図1の例では、トレンドシグナル点z)と該最高値点pとを結ぶ円弧pzに対応する扇形pzc。
・扇形J:上記中間値点yとトレンドシグナル点zとを結ぶ円弧zyに対応する扇形zyc。
・扇形H:上記中間値点yとトレンドシグナル点zのうち上記最安値点qにより近い点(図1の例では、中間値点y)と該最安値点とを結ぶ円弧yqに対応する扇形yqc。
【0041】
図2〜図4は、本実施の形態に係る円形チャートの他のモデル例を示す図表である。
図2の円形チャートM2では、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(値が低い方:図2の例では、前日終値点s)と上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図2の例では、転換値点w)とが一致しており、当日終値点r又は前日終値点sと上記移動平均現在値v又は転換値点wとを結ぶ円弧が点となるので存在せず、従って、上述の扇形Eは現れていない。
【0042】
尚、例えば、この図2の円形チャートM2において、仮想線(2点鎖線)で示されるように、転換値点w’が前日終値点sと当日終値点rとの間にある場合は、移動平均転換領域を表すべき扇形vcw’と当日変動領域帯Cを表す扇形rcsとが部分的に(つまり、扇形scw’の部分で)重なり合うことになる。このような場合には、当日変動領域帯Cの表示が優先され、この重なり部分(扇形scw’の部分)については当日変動領域帯Cの一部として表示されるようになっている。
【0043】
また、図3の円形チャートM3は、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(図3の例では、前日終値点s)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか低い方よりも更に低く、且つ、当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図3の例では、当日終値点r)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方よりも更に高い例で、この場合には、上述の扇形Eに加えて扇形Fも表示されていない。
【0044】
更に、図4の円形チャートM4は、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(図4の例では、前日終値点s)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか低い方よりも更に低く、且つ、当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図4の例では、当日終値点r)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図4の例では、移動平均現在値v)よりも低い例である。
【0045】
この場合には、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図4の例では、移動平均現在値v)と上記当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図4の例では、当日終値点r)とを結ぶ円弧vrに対応する扇形vrcでなる扇形Eが、扇形Aと扇形Cの間に現れる。
【0046】
上記各扇形A,C,E,F,G,H,J及びKは、それぞれ以下に述べるような意義を有しており、予め設定された所定の設定条件に応じて、その表示の有無が定められている。尚、この表示有無の設定条件には、各扇形の円弧を構成するポイントを定める値の定義から必然的に導かれる条件と、円形チャート上で扇形どうしの表示が重なって見づらく判り難いものとなることを回避するために、重なり合う扇形の何れか一方を優先的に表示し、他方を少なくとも部分的に非表示とする設定条件とがある。
【0047】
以下、上記各扇形A,C,E,F,G,H,J及びKの株価判断上の意義、および表示有無の設定条件について説明する。
▲1▼ 扇形A:過去1年間の株価データに応じて、当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値のうちで最も高い値から最高値に至るまでの値幅(差額)を表すもので、指定日当日において潜在的に上昇可能な値幅を意味する。以下、適宜、「上昇予測領域帯」と称する。この上昇予測領域帯Aは、上記当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値の何れかが最高値と等しい場合には、扇形として現れない。
【0048】
▲2▼ 扇形C:当日終値と前日終値との値幅を表すもので、指定日当日の前日に対する株価の変動幅を意味する。以下、適宜、「当日変動領域帯」と称する。この当日変動領域帯Cは、当日終値と前日終値とが等しい場合には、扇形として現れない。尚、この当日変動領域帯Cは、より好ましくは、当日終値>前日終値の場合(株価上昇の場合)には「当日上昇領域帯」となり、当日終値<前日終値の場合(株価下降の場合)には「当日下降領域帯」なる。両者は異なる色で表示される。
【0049】
▲3▼ 扇形E:当日終値または前日終値と移動平均現在値または転換値との値幅を表すもので、指定日当日時点での株価変動の好不調状態を示している。以下、適宜、「好不調領域帯」と称する。当日終値と前日終値の何れもが移動平均現在値と転換値の何れかよりも高い場合には、株価変動が好調状態であると見做し、好不調領域帯Eは「好調領域帯」となる(図1参照)。一方、当日終値と前日終値の何れもが移動平均現在値と転換値の何れかよりも低い場合には、株価変動が不調状態であると見做し、好不調領域帯Eは「不調領域帯」となる(図4参照)。
【0050】
尚、これら好調領域帯と不調領域帯とは、それぞれ異なる色で表示される。
この好不調領域帯Eは、当日終値,前日終値,移動平均現在値,転換値が全て等しい場合には、扇形として現れない。また、この好不調領域帯Eと上記当日変動領域帯Cとが重なり合う場合には、当日変動領域帯Cの方が優先的に表示されるように設定されている。この好不調領域帯Eの円弧が長く、従って、扇形Eの面積が大きいほど、好不調の度合いが大きいものと判断できる。
【0051】
▲4▼ 扇形F:移動平均現在値と転換値との値幅を表すもので、以下、適宜、「移動平均転換領域帯」と称する。この移動平均転換領域帯Fは、移動平均現在値と転換値とが等しい場合には、扇形として現れない。また、この移動平均転換領域帯Fと上記好不調領域帯E又は上記当日変動領域帯Cとが重なり合う場合には、好不調領域帯E又は当日変動領域帯Cの方が優先的に表示されるように設定されている。
【0052】
▲5▼ 扇形G:過去1年間の株価データに応じて、当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値のうちで最も低い値から最安値までの値幅を表すもので、指定日当日において潜在的に下降可能な値幅を意味する。以下、適宜、「下降予測領域帯」と称する。この下降予測領域帯Gは、上記当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値の何れかが最安値と等しい場合には、扇形として現れない。
【0053】
▲6▼ 扇形H:過去1年間の株価データに応じて、最安値から中間値とトレンドシグナル値のうちの何れか低い方までの値幅を表すもので、以下、適宜、「下降可能シグナル領域帯」と称する。この下降可能シグナル領域帯Hは、最安値点qとトレンドシグナル点zとが一致する場合には、扇形として現れない。
【0054】
▲7▼ 扇形J:中間値とトレンドシグナル値との値幅を表すもので、指定日当日時点での株価の上昇又は下降トレンドを示している。以下、適宜、「トレンドシグナル領域帯」と称する。当日終値が移動平均現在値よりも高い場合、つまりトレンドシグナル点zが中間値点yよりも最高値pに近い側に位置する場合には、株価は上昇トレンドにあると見做し、トレンドシグナル領域帯Jは「上昇シグナル領域帯」となる(図1〜図3参照)。一方、当日終値が移動平均現在値よりも低い場合、つまりトレンドシグナル点zが中間値点yよりも最安値qに近い側に位置する場合には、株価は下降トレンドにあると見做し、トレンドシグナル領域帯Jは「下降シグナル領域帯」となる(図4参照)。
【0055】
尚、これら上昇シグナル領域帯と下降シグナル領域帯とは、それぞれ異なる色で表示される。また、このトレンドシグナル領域帯Jは、当日終値と移動平均現在値とが等しい場合には、扇形として現れない。このトレンドシグナル領域帯Jの円弧が長く、従って、扇形Jの面積が大きいほど、上昇又は下降のトレンドがより強いものと判断できる。
【0056】
▲8▼ 扇形K:過去1年間の株価データに応じて、中間値とトレンドシグナル値のうちの何れか高い方から最高値までの値幅を表すもので、以下、適宜、「上昇可能シグナル領域帯」と称する。この上昇可能シグナル領域帯Kは、最高値点pとトレンドシグナル点zとが一致する場合には、扇形として現れない。
【0057】
以上のように、扇形で表示される上記各領域帯は、扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に従って、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められている。本実施の形態では、この優先順位が、当日変動領域帯C,上昇予測領域帯A及び下降予測領域帯G,好不調領域帯E,移動平均転換領域帯Fの順に設定されている。
また、以上の各扇形は円形チャート上で色分け表示されるが、このとき、より好ましくは、隣り合う扇形どうしが同色になることがないように、各扇形に対する色分けが設定されている。
【0058】
次に、上記のような円形の株価診断チャートを作成する作成システム及び作成方法について説明する。
図5は、本実施の形態に係る株価診断チャートを作成するためのシステム構成を概略的に示すブロック構成図である。この図に示すように、この株価診断チャート作成システムは、所謂パーソナル・コンピュータを主要部として構成されている。
【0059】
該パーソナル・コンピュータ・システム1は、基本的な構成要素として、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成された制御演算部2と、該制御演算部2と信号授受可能に接続された主メモリ部5と、所謂マウス及び/又はキーボード等で構成された入力手段6と、インターネットを介してウェブ(WEB)サイトと通信可能な通信回線受信手段7と、ディスプレイ装置及び/又はプリンタ若しくは通信回線送信手段等で構成された出力手段8とを備えている。上記主メモリ部5には、ハードディスク及び/又はフロッピディスク等で構成される補助メモリ手段9が接続可能である。
【0060】
上記通信回線受信手段7は、WEBサイトから必要な株価情報データを、インターネットを介して、モデム,ケーブルやTA或いはルータ等で受信するもので、得られたデータは上記主メモリ部5の銘柄別株価データ記憶部5aに取り込まれる。上記入力手段6も主メモリ部5に対して信号授受可能で、該入力手段6からの各種データは、主として主メモリ部5の上記銘柄別株価データ記憶部5aに記憶される。この銘柄別株価データ記憶部5aでは、対象全銘柄について、それぞれ個別の銘柄毎に各種の株価データが記憶され、例えばテーブル(一覧表)等の形式で保存し出力することができる。
【0061】
上記制御演算部2には制御部3と演算部4とが備えられており、上記制御部3は、プログラムを解読して演算部4に送ると共に、コンピュータ内の各手段の動作タイミングの調整等を行うことができる。また、上記演算部4は、主メモリ部5の銘柄別株価データ記憶部5aに記憶された株価情報に基づいて、銘柄別時系列終値追加テーブル4a,移動平均値テーブル4b及び各種領域帯設定テーブル4c等のデータを算出するものである。
【0062】
上記銘柄別時系列終値追加テーブル4aには、各銘柄毎の株価の終値データが逐次記憶され、時系列的に並べられたテーブル(一覧表)の形式で保存し出力することができる。このテーブルには、新たに取得された新しい日付の終値データが追加して記憶される。また、上記移動平均値テーブル4bには、各銘柄毎の移動平均値データが逐次記憶され、時系列的に並べられたテーブルの形式で保存し出力することができる。更に、上記各種領域帯設定テーブル4cには、上記各領域帯を設定する上で必要となる各種データが銘柄別に記憶される。
【0063】
この演算部4で得られた演算結果は、主メモリ部5の演算結果各種データ記憶部5bに送られて記憶されるようになっている。この主メモリ部5に記憶された各種データは、必要に応じて、出力手段8により出力される。上記演算結果各種データ記憶部5bは、演算部4で得られた演算結果を各個別の銘柄毎に記憶し、時系列的に並べられたテーブルの形式で保存し出力することができる。
【0064】
以上のように構成されたパーソナル・コンピュータ・システム1を用いた株価診断チャートの作成手順について説明する。
まず、上記パーソナル・コンピュータを起動して、株価診断チャート作成プログラムを立ち上げると、ディスプレイ上にメニュー画面(不図示)が開かれる。このメニュー画面上で「日々株価更新」ボタンをクリックすると、通信回線受信手段7によりWEBサイトから所要の日のCVSファイルの全銘柄の株価,平均株価および出来高等の株価データが入手され、これがディスクトップに落として解凍される。尚、このようにWEBサイトから日々の株価データを入手する手順は、従来公知の手法と同様のものである。
【0065】
このようにして得られた株価データは、主メモリ部5の上記銘柄別株価データ記憶部5aに記憶されると共に、演算部4の銘柄別時系列終値追加テーブル4aに自動追加される。
そして、上記メニュー画面に戻って「銘柄選択」ボタンをクリックして特定の銘柄を選択すると、以下の手順で株価診断チャートが出力手段8により表示される。
【0066】
図6は、株価診断チャートの作成・表示手順の概略を説明するためのフローチャートである。この図に示されるように、チャート作成プログラムがスタートすると、まず、ステップ#11で、演算部4の銘柄別時系列終値追加テーブル4aから選択された特定銘柄のデータが抽出され、特定銘柄についての株価データを一覧表にした特定銘柄シート(不図示)にコピーされる。
【0067】
次に、ステップ#12で、この選択された特定銘柄について、設定期間(過去1年間)における最高値および最安値、並びに、62日移動平均現在値,転換値,指定日当日および前日の終値,中間値,トレンドシグナル値を取得する。これらの値は、特定銘柄シートからデータを抽出またはスキャニングすることにより、或いは該シート上のデータに基づいて演算を行うことにより得られる。
【0068】
更に、ステップ#13で、上記各値間の所要の値幅を演算すると共に、最高値と最安値との値幅(最大値幅)を180度の角度に対応させ、この値幅を基準として、上記各値間の所要値幅の最大値幅に対する割合(百分率)を演算することにより、各値に対応するポイント(点)の角度位置を演算する。
すなわち、最高値点pと最安値点qとを180度対向位置に設定すると共に、移動平均現在値点v,転換値w,当日終値点r,前日終値点s,中間値点y,トレンドシグナル点zの角度位置をそれぞれ演算する。
【0069】
次に、ステップ#14で、この各ポイント(点)の演算値(角度位置)に基づいて上述の各領域帯(扇形)を求め、更に、各扇形についての前述の表示有無の設定条件に基づいて、表示すべき領域帯(表示領域帯)を求める。
【0070】
そして、ステップ#15で、この表示すべき領域帯を出力手段8のグラフエリアに引用して円グラフ表示が行われるようになっている。尚、このグラフ表示に際しては、上記で得られた数値データに基づいて円グラフを表示する機能を有するソフトウェアのプログラムが用いられる。かかるソフトウェアとしては、例えば、マイクロソフト社製の「エクセル」或いは「ビジュアル・ベーシック」等を基本ソフトとして適用することができる。
【0071】
表1は、株式市場に上場されている或る特定銘柄(甲社)について、或る指定日における過去1年間の最高値および最安値,62日移動平均現在値,転換値,前日終値,当日終値,中間値を抽出して示すものである。また、表2は、この表1のデータに基づいて各領域帯を構成する扇形の角度を示した具体例である。更に、図7は、表2の演算結果に従って得られた円形チャートの具体例を示している。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
上記表2及び図7の例では、最高値点p(株価250円)を円形チャート上の最上位置(0度位置=360度位置)に、最安値点q(株価167円)を円形チャート上の最下位置(180度位置)に、それぞれ設定した上で、最高値と最安値との値幅(最大値幅:83円)を180度の角度に対応させ、この最大値幅を基準として、各領域帯に対応する値幅の割合(百分率)が算出され、この割合に応じた扇形の角度(内角)が算出されている。
【0075】
円形チャートの右半円においては、最高値点pを基準として時計回り方向に、各領域帯A,C,E,F,Gがその扇形の角度に応じて順次求められる。一方、円形チャートの左半円においては、最安値点qを基準として時計回り方向に、各領域帯H,J,Kがその扇形の角度に応じて順次求められ、全体として円形のチャートが表示されている。
【0076】
この図7の具体例に係る円形チャートでは、好調領域帯Eや移動平均転換領域F並びに上昇シグナル領域Jが現れているので、指定日現在では、この銘柄(甲社)の株価は、好調で上昇トレンドにあると言える。また、一般的に、上昇シグナル領域Jがチャート上に現れると今後の株価の上昇を示唆することが多い。
【0077】
尚、以上の説明では、株価チャートは完全な円形であったが、左半分の半円のみをチャートとして用いることも可能である。また、以上の説明では、円形を多数の扇形に区画し、各扇形を色分け表示していたが、かかる表示形態を採用する代わりに、円形または半円の円周上に所要の値に対応するポイント(点)のみを表示し、株価チャートとして利用することもできる。
【0078】
更には、所要の値に対応するポイントどうしを結ぶ円弧をそれぞれ色分け表示して、株価チャートとして利用することも可能である。この場合、前述の各領域帯どうしが重なり合う際には、円弧を若干ずらして表示することにより、重なり合う両領域帯を共に表示することができる。
また更に、以上の説明では、円形チャートは完全な平面図形として描かれていたが、円形または半円のチャートに若干の厚みをもたせて、更に見易く表示することも可能である。
【0079】
また、上記実施の形態は、株式市場における特定銘柄の株価を対象としたものであったが、本発明は、かかる対象に限定されるものではなく、同じ株式市場でも、特定の産業分野の平均株価や特定の代表銘柄の平均株価など、平均株価に対しても有効に適用することができる。
【0080】
更に、本発明は、株式市場における株価に限定されることなく、例えば、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格、或いは、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートなど、他の種々の相場価格に対しても有効に適用することができるものである。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではない。また、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係る相場価格診断チャートによれば、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、予め設定された設定期間内の相場価格の最高値と最安値とが180度対向位置に表示されると共に、指定日当日の終値と指定日前日の終値とが表示されるので、上記設定期間内での指定日当日および指定日前日の相場価格の位置付け、並びに指定日当日の前日に対する相場価格の変動(上昇または下降)及びその変動幅の大きさを、極めて容易に見て取ることができる。すなわち、視覚に訴えてより見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行うことが可能になる。
【0082】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値と、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値とが更に表示されるので、これら転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0083】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、少なくとも、当日終値点と前日終値点のうち上記最高値点に近い方の点と該最高値点とを結ぶ円弧と、当日終値点と前日終値点とを結ぶ円弧と、当日終値点と前日終値点のうち最安値点に近い方の点と該最安値点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されているので、各円弧の位置や長さにより各種の対比・分析が可能で、また、より強く視覚に訴えることで分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測をより簡易に行うことが可能になる。
【0084】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には上記第3の発明と同様の効果を奏することができる。特に、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点とを結ぶ円弧が更に色分け表示されているので、上記転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0085】
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には上記第2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、各所定の2点を結ぶ円弧にそれぞれ対応する扇形が複数形成され、これら複数の扇形を色分け表示して半円形が構成されているので、各扇形の位置や面積の大小により、最高値と最安値との間で、当日及び前日の終値,移動平均現在値,転換値の各値について各種の対比・分析が可能で、また、一層強く視覚に訴えることで一層分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測を一層簡易に行うことが可能になる。この場合において、上記扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に応じて、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められるので、扇形どうしが重なり合って見辛く、また分かり難くなることを回避できる。
【0086】
また更に、本願の第6の発明によれば、基本的には上記第1〜第5の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記最高値を表す最高値点と上記最安値を表す最安値点とを結ぶ直径を対称軸として上記半円と対称な半円上に、少なくとも、最高値と最安値の中間値を表す中間値点と、指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表すトレンドシグナル点とが表示され、全体として円形をなしているので、上述の半円と対称な半円を用いて、換言すれば、円形の残りの半円を利用して、最高値と最安値の中間値および指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表示することができ、更に詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0087】
また更に、本願の第7の発明によれば、基本的には上記第6の発明と同様の効果を奏することができる。特に、中間値点とトレンドシグナル点のうち最高値点により近い点と該最高値点とを結ぶ円弧と、中間値点とトレンドシグナル点のうち最安値点により近い点と該最安値点とを結ぶ円弧と、中間値点とトレンドシグナル点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されているので、各円弧の位置や長さにより各種の対比・分析が可能で、また、より強く視覚に訴えることで分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測をより簡易に行うことが可能になる。
【0088】
また更に、本願の第8の発明によれば、基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記各円弧にそれぞれ対応する扇形が各々色分け表示されているので、各扇形の位置や面積の大小により各種の対比・分析が可能で、また、一層強く視覚に訴えることで一層分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測を一層簡易に行うことが可能になる。
【0089】
また更に、本願の第9の発明によれば、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価を表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【0090】
また更に、本願の第10の発明によれば、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格を表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【0091】
また更に、本願の第11の発明によれば、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートを表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る株価診断チャートの基本的なモデルの一例を示す図表である。
【図2】上記株価診断チャートの他のモデル例を示す図表である。
【図3】上記株価診断チャートの更に他のモデル例を示す図表である。
【図4】上記株価診断チャートの更に他のモデル例を示す図表である。
【図5】上記株価診断チャートを作成する作成システムの構成を概略的に示すブロック構成図である。
【図6】株価診断チャートの作成・表示手順の概略を説明するためのフローチャートである。
【図7】円形チャートの具体例を示す図表である。
【符号の説明】
1…パーソナル・コンピュータ・システム
2…制御演算部
3…制御部
4…演算部
5…主メモリ部
6…入力手段
7…通信回線受信手段
8…出力手段
A…上昇予測領域帯
C…当日変動領域帯(当日上昇領域帯,当日下降領域帯)
E…好不調領域帯(好調領域帯,不調領域帯)
F…移動平均転換領域帯
G…下降予測領域帯
H…下降可能シグナル領域帯
J…トレンドシグナル領域帯(上昇シグナル領域帯,下降シグナル領域帯)
K…上昇可能シグナル領域帯
M1,M2,M3,M4…株価診断チャート
p…最高値点
q…最安値点
r…当日終値点
s…前日終値点
v…移動平均現在値点
w…転換値点
y…中間値点
z…トレンドシグナル点
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価などの相場価格について、過去の相場価格の動きを分析し、また、将来の相場価格の動きを予測するための相場価格診断チャートに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、特定の株式銘柄の株価や平均株価などの株価で代表される相場価格は、通常、山から谷へ、また、谷から山へと変動を繰り返しながら推移している。この変動の山の頂点および谷の底が最高値(或いは当面の高値)及び最安値(或いは当面の安値)をそれぞれ示している。
【0003】
尚、本明細書において、「相場価格」なる用語は、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格、或いは為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートなど、取引市場で扱われる取引対象の価格または特定の平均価格を言うものとする。
以下においては、主として、最も代表的な「相場価格」である株式市場における株価(特定銘柄の株価または特定の平均株価等の株価)を例にとって説明する。
【0004】
上述のように、株価は、通常、山から谷へ、また、谷から山へと変動を繰り返しながら推移している。つまり、日々小刻みに上下の複雑なジグザグ変動を行いながら、ある程度の中長期的な期間では、谷から山への上昇トレンド、或いは山から谷への下降トレンドを繰り返していると言える。
【0005】
また、周知のように、株価は、株式市場における需要と供給の関係に支配され、供給に対して需要が旺盛になると株価は上昇し、当該株価についての過去所定期間の移動平均株価(例えば、13週移動平均株価)を越えて上昇すると、強い上昇トレンドを示現し、当面の間は連続する高値は前の高値よりも更に高くなることが多々経験されている。逆に、需要に対して供給が過剰になれば株価は下落し、例えば13週移動平均株価を割り込むと下降トレンドとなり、当面の間は連続する安値は前の安値よりも更に安くなることが多い。
【0006】
このような特定の株式銘柄の株価や平均株価などの株価について、過去の株価の動きを詳細に分析し、また将来の株価の動きを予測するために、一定期間内における株価の変動やそのトレンド(傾向)を表示する、所謂、株価チャートが用いられる。かかる株価チャートとしては、折れ線グラフや所謂ローソク足を用いたグラフで表示されたものが、従来、一般的である。
【0007】
また、株価予測と対象株価の変動の特色とを容易に知り、効率の良い株式投資を行うことを目的としたものとして、例えば、下記特許文献1には、時間経過を示す横軸と対象銘柄の好不調を示す縦軸とで基準軸を構成し、上記縦軸方向に上下動しながら時間の経過に伴って横軸方向に移動する波動曲線が描かれてなる図表が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−197872号公報(発明の詳細な説明:段落番号0007、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、過去の株価の動きを詳細に分析し、また将来の株価の動きをできるだけ精度良く予測するために、種々の株価チャートが考案されているが、上記従来のものは、何れも折れ線または曲線の線図が複雑に重なり合ったり、或いはこれらの線図にローソク足を書き加えたもので、実際には、その表示態様はなかなかに複雑である。
【0010】
従って、この表示態様に慣れ親しみ、迅速で的確な株価の分析および予測を行う上で有効に利用できるようになるには、かなりの習熟度を要することになる。このことは、商品先物市場における商品価格や為替市場における特定通貨の交換レートなど、他の相場価格の分析および予測を行う場合についても同様である。
【0011】
そこで、この発明は、視覚的により見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行える相場価格診断チャートを提供することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、かかる目的達成のため、日々研究を重ねる中で、株価が変動を繰り返す事象と単振り子が往復運動を繰り返す物理現象との間に、ある種の類似性が存在することに着目した。
すなわち、周知のように、支点(中心点)から一定長さの糸で吊るされた錘が鉛直面内で一定周期の往復運動を行う単振り子の円周期的運動の場合、錘が最高点にあるときの位置エネルギが最下点通過時に全て運動エネルギに変換されるが、このように、錘の位置に応じて位置エネルギと運動エネルギの間で相互に変換が行われ、このエネルギ変換の繰り返しが振り子を運動させる。この単振り子の周期的運動は、空気抵抗や支点での摩擦などに起因する摩擦現象がなければ無限に繰り返されるものであり、最下点を通過して上昇した錘は最高点に達すると必ず下降運動に転じ、また、最下点まで下降すると必ず上昇運動に転ずるものである。
【0013】
一方、特定銘柄の株価または特定の平均株価などの株価は、少なくとも中長期的なスパンで見れば、谷から山への上昇トレンドと山から谷への下降トレンドとを繰り返すものであり、この点において、単振り子が上昇運動と下降運動とを繰り返す現象と高い類似性を有している。
本願発明者は、このように、株価が変動を繰り返す事象と単振り子が往復運動を繰り返す現象との間に類似性があることから、一定期間内における株価の変動やそのトレンドを半円形または円形の図表で表示することを着想した。
【0014】
そこで、本願第1の発明に係る相場価格診断チャートは、予め設定された設定期間内における指定日当日の相場価格の位置付け及び価格トレンドを表示し得る相場価格診断チャートであって、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、上記設定期間内の相場価格の最高値を表す最高値点と、該最高値点と180度対向位置にあって上記設定期間内の相場価格の最安値を表す最安値点と、上記指定日当日の終値を表す当日終値点と、上記指定日前日の終値を表す前日終値点と、が表示されてなることを特徴としたものである。
【0015】
また、本願第2の発明は、上記第1の発明において、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点と、が更に表示されてなることを特徴としたものである。
【0016】
更に、本願第3の発明は、上記第1の発明において、少なくとも、上記当日終値点と前日終値点のうち上記最高値点に近い方の点と該最高値点とを結ぶ円弧と、上記当日終値点と前日終値点とを結ぶ円弧と、上記当日終値点と前日終値点のうち上記最安値点に近い方の点と該最安値点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0017】
また更に、本願第4の発明は、上記第3の発明において、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点とを結ぶ円弧が更に色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0018】
また更に、本願第5の発明は、上記第2の発明において、各所定の2点を結ぶ円弧にそれぞれ対応する扇形が複数形成され、これら複数の扇形を色分け表示して半円形が構成されており、上記扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に応じて、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められることを特徴としたものである。
【0019】
また更に、本願第6の発明は、上記第1〜第5の発明の何れか一において、上記最高値点と上記最安値点とを結ぶ直径を対称軸として上記半円と対称な半円上に、少なくとも、上記最高値と最安値の中間値を表す中間値点と、上記指定日当日の終値と上記移動平均現在値との差を表すトレンドシグナル点とが表示され、全体として円形をなすことを特徴としたものである。
【0020】
また更に、本願第7の発明は、上記第6の発明において、上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最高値点により近い点と該最高値点とを結ぶ円弧と、上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最安値点により近い点と該最安値点とを結ぶ円弧と、上記中間値点とトレンドシグナル点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0021】
また更に、本願第8の発明は、上記第5の発明において、上記各円弧にそれぞれ対応する扇形が各々色分け表示されていることを特徴としたものである。
【0022】
また更に、本願第9の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価であることを特徴としたものである。
【0023】
また更に、本願第10の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格であることを特徴としたものである。
【0024】
また更に、本願第11の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか一において、上記相場価格は、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートであることを特徴としたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、例えば、株式市場における特定銘柄の株価に適用した場合について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る相場価格(株価)診断チャートの基本的なモデルの一例を示す図表である。尚、この例では、株価診断、つまり、過去の株価の動きの分析および将来の株価の動きの予測を行う上で、過去1年間の期間を設定し、その設定期間内における指定日当日の株価の位置付け及び株価変動状況を表示するようにした。
【0026】
上記図1に示されるように、本実施の形態に係る株価診断チャートM1(以下、適宜、単に「株価チャート」若しくは「チャート」という。)は、全体として円形をなしており、例えばその右半分の半円の線図上に、少なくとも、上記設定期間(過去1年間)内の当該銘柄の株価の最高値を表す最高値点pと、該最高値点pとは180度対向位置にあり過去1年間の株価の最安値を表す最安値点qと、指定日当日の終値を表す当日終値点rと、この指定日の前日の終値を表す前日終値点sと、が表示されている。
【0027】
尚、上記指定日当日としては、通常、株価診断を行う当日、又は、この当日の市場が終了していないか若しくは終了していてもその終値が入手できない時点であれば、株価診断を行う前日が指定されるが、かかる場合に限定されるものではなく、その時点から遡って設定期間(過去1年間)のデータの蓄積があれば、過去の何日の時点でも良い。また、株価診断を行う当日の終値が入手できない時点であっても、シミュレーションにより当日終値の予測値を求め、この予測値を用いて株価診断を行うことも可能である。
【0028】
このように、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、予め設定された設定期間(1年間)内の株価の最高値(最高値点p)と最安値(最安値点q)とが180度対向位置に表示されると共に、指定日当日の終値(当日終値点r)と指定日前日の終値(前日終値点s)とが表示されるので、上記設定期間内での指定日当日および指定日前日の株価の位置付け、並びに指定日当日の前日に対する株価の変動(上昇または下降)及びその変動幅の大きさを、極めて容易に見て取ることができる。
【0029】
すなわち、折れ線または曲線の線図が複雑に重なり合ったり、或いはこれらの線図にローソク足が書き加えられた従来のチャートに比して、視覚的により見易く、また、解り易くて、長年にわたる経験によって培われる特に高い習熟度を要することなく、より簡易に予測判断を行うことが可能になるのである。
【0030】
また、上記株価チャートM1には、予め定められた所定期間の移動平均株価の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点vと、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均株価のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点wと、が更に表示されている。
尚、本実施の形態では、上記移動平均株価として、13週移動平均株価に略相当する62日移動平均株価を採用した。すなわち、移動平均株価を算出する際の所定期間を、13週間のうちで市場が開かれている平均的な日数に相当する62日とした。これら過去62日の終値の移動平均を算出して、上記移動平均株価を得た。
【0031】
更に、上記転換値は、指定日よりも過去における終値を表にした終値テーブルと上記移動平均株価を表にした移動平均株価テーブルとを対比し、終値と移動平均株価とが等しくなるポイント(日付と値)をサーチして、当該指定日に最も近い日付のポイントでの値を得ることにより求めた。
尚、この代わりに、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均株価のグラフとを描き、両者の交点を読み取ることによって求めることもできる。
【0032】
このように、所定期間の移動平均株価の指定日当日の現在値(移動平均現在値点v)と、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値(転換値点w)とが更に表示されるので、これら転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0033】
一方、上記円形の株価チャートM1の左半分の半円、換言すれば、上記最高値点pと最安値点qとを結ぶ直径pqを対称軸として上述の半円(右半円)と対称な半円の線図上には、少なくとも、上記最高値と最安値の中間値を表す中間値点yと、上記指定日当日の終値と移動平均現在値との差額(値幅:トレンドシグナル値)を、上記中間値点yを基準として表すトレンドシグナル点zとが表示されている。
【0034】
当日終値が移動平均現在値よりも高い場合には、トレンドシグナル点zは中間値点yよりも上側(最高値pに近い側)に表示され、当日終値が移動平均現在値よりも低い場合には、トレンドシグナル点zは中間値点yよりも下側(最安値qに近い側)に表示される。
【0035】
このように、上記最高値点pと最安値点qとを結ぶ直径pqを対称軸として上述の右半円と対称な左半円上に、少なくとも、最高値と最安値の中間値を表す中間値点yと、指定日当日の終値と移動平均現在値との差額が上記中間値を基準として表されたトレンドシグナル点zとが表示され、全体として円形をなしているので、上述の右半円と対称な左半円を用いて、換言すれば、円形の残りの半円を利用して、最高値と最安値の中間値および指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表示することができ、更に詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができるのである。
【0036】
本実施の形態では、大略的に言えば、当該銘柄の株価について、右半円の図表で指定日当日時点の株価の現状を示し、左半円の図表で指定日当日時点での株価の上昇又は下降のトレンド(傾向)を示している。
【0037】
更に、上記円形の株価チャートM1では、円周上にプロットされた各ポイントと円の中心cとをそれぞれ結ぶことにより、円形を分割するようにして多数の扇形が形成されている。そして、後述するように、各扇形は色分け表示されている。
【0038】
すなわち、まず、右半円については、少なくとも以下の扇形が形成されている。
・扇形A:当日終値点rと前日終値点sと移動平均現在値点vと転換値点wのうち上記最高値点pに最も近い点(図1の例では、当日終値点r)と該最高値点pとを結ぶ円弧prに対応する扇形pqc。
・扇形C:上記当日終値点rと前日終値点sとを結ぶ円弧rsに対応する扇形rsc。
・扇形G:上記当日終値点rと前日終値点sと移動平均現在値点vと転換値点wのうち上記最安値点qに最も近い点(図1の例では、転換値点w)と該最安値点qとを結ぶ円弧wqに対応する扇形wqc。
【0039】
また、図1の例では、次の扇形も右半円に形成されている。
・扇形E:上記当日終値点rと前日終値点sの何れか低い方(値の低い方:図1の例では、前日終値点s)と上記移動平均現在値vと転換値点wの何れか高い方(値が高い方:図1の例では、移動平均現在値v)とを結ぶ円弧svに対応する扇形svc。
・扇形F:上記移動平均現在値点vと転換値点wとを結ぶ円弧vwに対応する扇形vwc。
【0040】
一方、左半円については、以下の扇形が形成されている。
・扇形K:上記中間値点yとトレンドシグナル点zのうち上記最高値点pにより近い点(図1の例では、トレンドシグナル点z)と該最高値点pとを結ぶ円弧pzに対応する扇形pzc。
・扇形J:上記中間値点yとトレンドシグナル点zとを結ぶ円弧zyに対応する扇形zyc。
・扇形H:上記中間値点yとトレンドシグナル点zのうち上記最安値点qにより近い点(図1の例では、中間値点y)と該最安値点とを結ぶ円弧yqに対応する扇形yqc。
【0041】
図2〜図4は、本実施の形態に係る円形チャートの他のモデル例を示す図表である。
図2の円形チャートM2では、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(値が低い方:図2の例では、前日終値点s)と上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図2の例では、転換値点w)とが一致しており、当日終値点r又は前日終値点sと上記移動平均現在値v又は転換値点wとを結ぶ円弧が点となるので存在せず、従って、上述の扇形Eは現れていない。
【0042】
尚、例えば、この図2の円形チャートM2において、仮想線(2点鎖線)で示されるように、転換値点w’が前日終値点sと当日終値点rとの間にある場合は、移動平均転換領域を表すべき扇形vcw’と当日変動領域帯Cを表す扇形rcsとが部分的に(つまり、扇形scw’の部分で)重なり合うことになる。このような場合には、当日変動領域帯Cの表示が優先され、この重なり部分(扇形scw’の部分)については当日変動領域帯Cの一部として表示されるようになっている。
【0043】
また、図3の円形チャートM3は、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(図3の例では、前日終値点s)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか低い方よりも更に低く、且つ、当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図3の例では、当日終値点r)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方よりも更に高い例で、この場合には、上述の扇形Eに加えて扇形Fも表示されていない。
【0044】
更に、図4の円形チャートM4は、当日終値点r又は前日終値点sの何れか低い方(図4の例では、前日終値点s)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか低い方よりも更に低く、且つ、当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図4の例では、当日終値点r)が、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図4の例では、移動平均現在値v)よりも低い例である。
【0045】
この場合には、上記移動平均現在値v又は転換値点wの何れか高い方(図4の例では、移動平均現在値v)と上記当日終値点r又は前日終値点sの何れか高い方(図4の例では、当日終値点r)とを結ぶ円弧vrに対応する扇形vrcでなる扇形Eが、扇形Aと扇形Cの間に現れる。
【0046】
上記各扇形A,C,E,F,G,H,J及びKは、それぞれ以下に述べるような意義を有しており、予め設定された所定の設定条件に応じて、その表示の有無が定められている。尚、この表示有無の設定条件には、各扇形の円弧を構成するポイントを定める値の定義から必然的に導かれる条件と、円形チャート上で扇形どうしの表示が重なって見づらく判り難いものとなることを回避するために、重なり合う扇形の何れか一方を優先的に表示し、他方を少なくとも部分的に非表示とする設定条件とがある。
【0047】
以下、上記各扇形A,C,E,F,G,H,J及びKの株価判断上の意義、および表示有無の設定条件について説明する。
▲1▼ 扇形A:過去1年間の株価データに応じて、当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値のうちで最も高い値から最高値に至るまでの値幅(差額)を表すもので、指定日当日において潜在的に上昇可能な値幅を意味する。以下、適宜、「上昇予測領域帯」と称する。この上昇予測領域帯Aは、上記当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値の何れかが最高値と等しい場合には、扇形として現れない。
【0048】
▲2▼ 扇形C:当日終値と前日終値との値幅を表すもので、指定日当日の前日に対する株価の変動幅を意味する。以下、適宜、「当日変動領域帯」と称する。この当日変動領域帯Cは、当日終値と前日終値とが等しい場合には、扇形として現れない。尚、この当日変動領域帯Cは、より好ましくは、当日終値>前日終値の場合(株価上昇の場合)には「当日上昇領域帯」となり、当日終値<前日終値の場合(株価下降の場合)には「当日下降領域帯」なる。両者は異なる色で表示される。
【0049】
▲3▼ 扇形E:当日終値または前日終値と移動平均現在値または転換値との値幅を表すもので、指定日当日時点での株価変動の好不調状態を示している。以下、適宜、「好不調領域帯」と称する。当日終値と前日終値の何れもが移動平均現在値と転換値の何れかよりも高い場合には、株価変動が好調状態であると見做し、好不調領域帯Eは「好調領域帯」となる(図1参照)。一方、当日終値と前日終値の何れもが移動平均現在値と転換値の何れかよりも低い場合には、株価変動が不調状態であると見做し、好不調領域帯Eは「不調領域帯」となる(図4参照)。
【0050】
尚、これら好調領域帯と不調領域帯とは、それぞれ異なる色で表示される。
この好不調領域帯Eは、当日終値,前日終値,移動平均現在値,転換値が全て等しい場合には、扇形として現れない。また、この好不調領域帯Eと上記当日変動領域帯Cとが重なり合う場合には、当日変動領域帯Cの方が優先的に表示されるように設定されている。この好不調領域帯Eの円弧が長く、従って、扇形Eの面積が大きいほど、好不調の度合いが大きいものと判断できる。
【0051】
▲4▼ 扇形F:移動平均現在値と転換値との値幅を表すもので、以下、適宜、「移動平均転換領域帯」と称する。この移動平均転換領域帯Fは、移動平均現在値と転換値とが等しい場合には、扇形として現れない。また、この移動平均転換領域帯Fと上記好不調領域帯E又は上記当日変動領域帯Cとが重なり合う場合には、好不調領域帯E又は当日変動領域帯Cの方が優先的に表示されるように設定されている。
【0052】
▲5▼ 扇形G:過去1年間の株価データに応じて、当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値のうちで最も低い値から最安値までの値幅を表すもので、指定日当日において潜在的に下降可能な値幅を意味する。以下、適宜、「下降予測領域帯」と称する。この下降予測領域帯Gは、上記当日終値と前日終値と移動平均現在値と転換値の何れかが最安値と等しい場合には、扇形として現れない。
【0053】
▲6▼ 扇形H:過去1年間の株価データに応じて、最安値から中間値とトレンドシグナル値のうちの何れか低い方までの値幅を表すもので、以下、適宜、「下降可能シグナル領域帯」と称する。この下降可能シグナル領域帯Hは、最安値点qとトレンドシグナル点zとが一致する場合には、扇形として現れない。
【0054】
▲7▼ 扇形J:中間値とトレンドシグナル値との値幅を表すもので、指定日当日時点での株価の上昇又は下降トレンドを示している。以下、適宜、「トレンドシグナル領域帯」と称する。当日終値が移動平均現在値よりも高い場合、つまりトレンドシグナル点zが中間値点yよりも最高値pに近い側に位置する場合には、株価は上昇トレンドにあると見做し、トレンドシグナル領域帯Jは「上昇シグナル領域帯」となる(図1〜図3参照)。一方、当日終値が移動平均現在値よりも低い場合、つまりトレンドシグナル点zが中間値点yよりも最安値qに近い側に位置する場合には、株価は下降トレンドにあると見做し、トレンドシグナル領域帯Jは「下降シグナル領域帯」となる(図4参照)。
【0055】
尚、これら上昇シグナル領域帯と下降シグナル領域帯とは、それぞれ異なる色で表示される。また、このトレンドシグナル領域帯Jは、当日終値と移動平均現在値とが等しい場合には、扇形として現れない。このトレンドシグナル領域帯Jの円弧が長く、従って、扇形Jの面積が大きいほど、上昇又は下降のトレンドがより強いものと判断できる。
【0056】
▲8▼ 扇形K:過去1年間の株価データに応じて、中間値とトレンドシグナル値のうちの何れか高い方から最高値までの値幅を表すもので、以下、適宜、「上昇可能シグナル領域帯」と称する。この上昇可能シグナル領域帯Kは、最高値点pとトレンドシグナル点zとが一致する場合には、扇形として現れない。
【0057】
以上のように、扇形で表示される上記各領域帯は、扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に従って、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められている。本実施の形態では、この優先順位が、当日変動領域帯C,上昇予測領域帯A及び下降予測領域帯G,好不調領域帯E,移動平均転換領域帯Fの順に設定されている。
また、以上の各扇形は円形チャート上で色分け表示されるが、このとき、より好ましくは、隣り合う扇形どうしが同色になることがないように、各扇形に対する色分けが設定されている。
【0058】
次に、上記のような円形の株価診断チャートを作成する作成システム及び作成方法について説明する。
図5は、本実施の形態に係る株価診断チャートを作成するためのシステム構成を概略的に示すブロック構成図である。この図に示すように、この株価診断チャート作成システムは、所謂パーソナル・コンピュータを主要部として構成されている。
【0059】
該パーソナル・コンピュータ・システム1は、基本的な構成要素として、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成された制御演算部2と、該制御演算部2と信号授受可能に接続された主メモリ部5と、所謂マウス及び/又はキーボード等で構成された入力手段6と、インターネットを介してウェブ(WEB)サイトと通信可能な通信回線受信手段7と、ディスプレイ装置及び/又はプリンタ若しくは通信回線送信手段等で構成された出力手段8とを備えている。上記主メモリ部5には、ハードディスク及び/又はフロッピディスク等で構成される補助メモリ手段9が接続可能である。
【0060】
上記通信回線受信手段7は、WEBサイトから必要な株価情報データを、インターネットを介して、モデム,ケーブルやTA或いはルータ等で受信するもので、得られたデータは上記主メモリ部5の銘柄別株価データ記憶部5aに取り込まれる。上記入力手段6も主メモリ部5に対して信号授受可能で、該入力手段6からの各種データは、主として主メモリ部5の上記銘柄別株価データ記憶部5aに記憶される。この銘柄別株価データ記憶部5aでは、対象全銘柄について、それぞれ個別の銘柄毎に各種の株価データが記憶され、例えばテーブル(一覧表)等の形式で保存し出力することができる。
【0061】
上記制御演算部2には制御部3と演算部4とが備えられており、上記制御部3は、プログラムを解読して演算部4に送ると共に、コンピュータ内の各手段の動作タイミングの調整等を行うことができる。また、上記演算部4は、主メモリ部5の銘柄別株価データ記憶部5aに記憶された株価情報に基づいて、銘柄別時系列終値追加テーブル4a,移動平均値テーブル4b及び各種領域帯設定テーブル4c等のデータを算出するものである。
【0062】
上記銘柄別時系列終値追加テーブル4aには、各銘柄毎の株価の終値データが逐次記憶され、時系列的に並べられたテーブル(一覧表)の形式で保存し出力することができる。このテーブルには、新たに取得された新しい日付の終値データが追加して記憶される。また、上記移動平均値テーブル4bには、各銘柄毎の移動平均値データが逐次記憶され、時系列的に並べられたテーブルの形式で保存し出力することができる。更に、上記各種領域帯設定テーブル4cには、上記各領域帯を設定する上で必要となる各種データが銘柄別に記憶される。
【0063】
この演算部4で得られた演算結果は、主メモリ部5の演算結果各種データ記憶部5bに送られて記憶されるようになっている。この主メモリ部5に記憶された各種データは、必要に応じて、出力手段8により出力される。上記演算結果各種データ記憶部5bは、演算部4で得られた演算結果を各個別の銘柄毎に記憶し、時系列的に並べられたテーブルの形式で保存し出力することができる。
【0064】
以上のように構成されたパーソナル・コンピュータ・システム1を用いた株価診断チャートの作成手順について説明する。
まず、上記パーソナル・コンピュータを起動して、株価診断チャート作成プログラムを立ち上げると、ディスプレイ上にメニュー画面(不図示)が開かれる。このメニュー画面上で「日々株価更新」ボタンをクリックすると、通信回線受信手段7によりWEBサイトから所要の日のCVSファイルの全銘柄の株価,平均株価および出来高等の株価データが入手され、これがディスクトップに落として解凍される。尚、このようにWEBサイトから日々の株価データを入手する手順は、従来公知の手法と同様のものである。
【0065】
このようにして得られた株価データは、主メモリ部5の上記銘柄別株価データ記憶部5aに記憶されると共に、演算部4の銘柄別時系列終値追加テーブル4aに自動追加される。
そして、上記メニュー画面に戻って「銘柄選択」ボタンをクリックして特定の銘柄を選択すると、以下の手順で株価診断チャートが出力手段8により表示される。
【0066】
図6は、株価診断チャートの作成・表示手順の概略を説明するためのフローチャートである。この図に示されるように、チャート作成プログラムがスタートすると、まず、ステップ#11で、演算部4の銘柄別時系列終値追加テーブル4aから選択された特定銘柄のデータが抽出され、特定銘柄についての株価データを一覧表にした特定銘柄シート(不図示)にコピーされる。
【0067】
次に、ステップ#12で、この選択された特定銘柄について、設定期間(過去1年間)における最高値および最安値、並びに、62日移動平均現在値,転換値,指定日当日および前日の終値,中間値,トレンドシグナル値を取得する。これらの値は、特定銘柄シートからデータを抽出またはスキャニングすることにより、或いは該シート上のデータに基づいて演算を行うことにより得られる。
【0068】
更に、ステップ#13で、上記各値間の所要の値幅を演算すると共に、最高値と最安値との値幅(最大値幅)を180度の角度に対応させ、この値幅を基準として、上記各値間の所要値幅の最大値幅に対する割合(百分率)を演算することにより、各値に対応するポイント(点)の角度位置を演算する。
すなわち、最高値点pと最安値点qとを180度対向位置に設定すると共に、移動平均現在値点v,転換値w,当日終値点r,前日終値点s,中間値点y,トレンドシグナル点zの角度位置をそれぞれ演算する。
【0069】
次に、ステップ#14で、この各ポイント(点)の演算値(角度位置)に基づいて上述の各領域帯(扇形)を求め、更に、各扇形についての前述の表示有無の設定条件に基づいて、表示すべき領域帯(表示領域帯)を求める。
【0070】
そして、ステップ#15で、この表示すべき領域帯を出力手段8のグラフエリアに引用して円グラフ表示が行われるようになっている。尚、このグラフ表示に際しては、上記で得られた数値データに基づいて円グラフを表示する機能を有するソフトウェアのプログラムが用いられる。かかるソフトウェアとしては、例えば、マイクロソフト社製の「エクセル」或いは「ビジュアル・ベーシック」等を基本ソフトとして適用することができる。
【0071】
表1は、株式市場に上場されている或る特定銘柄(甲社)について、或る指定日における過去1年間の最高値および最安値,62日移動平均現在値,転換値,前日終値,当日終値,中間値を抽出して示すものである。また、表2は、この表1のデータに基づいて各領域帯を構成する扇形の角度を示した具体例である。更に、図7は、表2の演算結果に従って得られた円形チャートの具体例を示している。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
上記表2及び図7の例では、最高値点p(株価250円)を円形チャート上の最上位置(0度位置=360度位置)に、最安値点q(株価167円)を円形チャート上の最下位置(180度位置)に、それぞれ設定した上で、最高値と最安値との値幅(最大値幅:83円)を180度の角度に対応させ、この最大値幅を基準として、各領域帯に対応する値幅の割合(百分率)が算出され、この割合に応じた扇形の角度(内角)が算出されている。
【0075】
円形チャートの右半円においては、最高値点pを基準として時計回り方向に、各領域帯A,C,E,F,Gがその扇形の角度に応じて順次求められる。一方、円形チャートの左半円においては、最安値点qを基準として時計回り方向に、各領域帯H,J,Kがその扇形の角度に応じて順次求められ、全体として円形のチャートが表示されている。
【0076】
この図7の具体例に係る円形チャートでは、好調領域帯Eや移動平均転換領域F並びに上昇シグナル領域Jが現れているので、指定日現在では、この銘柄(甲社)の株価は、好調で上昇トレンドにあると言える。また、一般的に、上昇シグナル領域Jがチャート上に現れると今後の株価の上昇を示唆することが多い。
【0077】
尚、以上の説明では、株価チャートは完全な円形であったが、左半分の半円のみをチャートとして用いることも可能である。また、以上の説明では、円形を多数の扇形に区画し、各扇形を色分け表示していたが、かかる表示形態を採用する代わりに、円形または半円の円周上に所要の値に対応するポイント(点)のみを表示し、株価チャートとして利用することもできる。
【0078】
更には、所要の値に対応するポイントどうしを結ぶ円弧をそれぞれ色分け表示して、株価チャートとして利用することも可能である。この場合、前述の各領域帯どうしが重なり合う際には、円弧を若干ずらして表示することにより、重なり合う両領域帯を共に表示することができる。
また更に、以上の説明では、円形チャートは完全な平面図形として描かれていたが、円形または半円のチャートに若干の厚みをもたせて、更に見易く表示することも可能である。
【0079】
また、上記実施の形態は、株式市場における特定銘柄の株価を対象としたものであったが、本発明は、かかる対象に限定されるものではなく、同じ株式市場でも、特定の産業分野の平均株価や特定の代表銘柄の平均株価など、平均株価に対しても有効に適用することができる。
【0080】
更に、本発明は、株式市場における株価に限定されることなく、例えば、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格、或いは、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートなど、他の種々の相場価格に対しても有効に適用することができるものである。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではない。また、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係る相場価格診断チャートによれば、全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、予め設定された設定期間内の相場価格の最高値と最安値とが180度対向位置に表示されると共に、指定日当日の終値と指定日前日の終値とが表示されるので、上記設定期間内での指定日当日および指定日前日の相場価格の位置付け、並びに指定日当日の前日に対する相場価格の変動(上昇または下降)及びその変動幅の大きさを、極めて容易に見て取ることができる。すなわち、視覚に訴えてより見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行うことが可能になる。
【0082】
また、本願の第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値と、指定日よりも過去における終値グラフと移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値とが更に表示されるので、これら転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0083】
更に、本願の第3の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、少なくとも、当日終値点と前日終値点のうち上記最高値点に近い方の点と該最高値点とを結ぶ円弧と、当日終値点と前日終値点とを結ぶ円弧と、当日終値点と前日終値点のうち最安値点に近い方の点と該最安値点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されているので、各円弧の位置や長さにより各種の対比・分析が可能で、また、より強く視覚に訴えることで分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測をより簡易に行うことが可能になる。
【0084】
また更に、本願の第4の発明によれば、基本的には上記第3の発明と同様の効果を奏することができる。特に、予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点とを結ぶ円弧が更に色分け表示されているので、上記転換値および移動平均価格の現在値との相互の対比、並びに両者の設定期間内での位置付けや指定日当日の終値との対比を行って、より詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0085】
また更に、本願の第5の発明によれば、基本的には上記第2の発明と同様の効果を奏することができる。特に、各所定の2点を結ぶ円弧にそれぞれ対応する扇形が複数形成され、これら複数の扇形を色分け表示して半円形が構成されているので、各扇形の位置や面積の大小により、最高値と最安値との間で、当日及び前日の終値,移動平均現在値,転換値の各値について各種の対比・分析が可能で、また、一層強く視覚に訴えることで一層分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測を一層簡易に行うことが可能になる。この場合において、上記扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に応じて、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められるので、扇形どうしが重なり合って見辛く、また分かり難くなることを回避できる。
【0086】
また更に、本願の第6の発明によれば、基本的には上記第1〜第5の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、上記最高値を表す最高値点と上記最安値を表す最安値点とを結ぶ直径を対称軸として上記半円と対称な半円上に、少なくとも、最高値と最安値の中間値を表す中間値点と、指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表すトレンドシグナル点とが表示され、全体として円形をなしているので、上述の半円と対称な半円を用いて、換言すれば、円形の残りの半円を利用して、最高値と最安値の中間値および指定日当日の終値と移動平均現在値との差を表示することができ、更に詳細な分析および予測を比較的簡易に行うことができる。
【0087】
また更に、本願の第7の発明によれば、基本的には上記第6の発明と同様の効果を奏することができる。特に、中間値点とトレンドシグナル点のうち最高値点により近い点と該最高値点とを結ぶ円弧と、中間値点とトレンドシグナル点のうち最安値点により近い点と該最安値点とを結ぶ円弧と、中間値点とトレンドシグナル点とを結ぶ円弧と、がそれぞれ色分け表示されているので、各円弧の位置や長さにより各種の対比・分析が可能で、また、より強く視覚に訴えることで分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測をより簡易に行うことが可能になる。
【0088】
また更に、本願の第8の発明によれば、基本的には、上記第7の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記各円弧にそれぞれ対応する扇形が各々色分け表示されているので、各扇形の位置や面積の大小により各種の対比・分析が可能で、また、一層強く視覚に訴えることで一層分かり易くなり、当該相場価格の分析および予測を一層簡易に行うことが可能になる。
【0089】
また更に、本願の第9の発明によれば、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価を表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【0090】
また更に、本願の第10の発明によれば、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格を表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【0091】
また更に、本願の第11の発明によれば、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートを表示し、その過去の動きの分析および将来の動きの予測を行うに際して、基本的には上記第1〜第8の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る株価診断チャートの基本的なモデルの一例を示す図表である。
【図2】上記株価診断チャートの他のモデル例を示す図表である。
【図3】上記株価診断チャートの更に他のモデル例を示す図表である。
【図4】上記株価診断チャートの更に他のモデル例を示す図表である。
【図5】上記株価診断チャートを作成する作成システムの構成を概略的に示すブロック構成図である。
【図6】株価診断チャートの作成・表示手順の概略を説明するためのフローチャートである。
【図7】円形チャートの具体例を示す図表である。
【符号の説明】
1…パーソナル・コンピュータ・システム
2…制御演算部
3…制御部
4…演算部
5…主メモリ部
6…入力手段
7…通信回線受信手段
8…出力手段
A…上昇予測領域帯
C…当日変動領域帯(当日上昇領域帯,当日下降領域帯)
E…好不調領域帯(好調領域帯,不調領域帯)
F…移動平均転換領域帯
G…下降予測領域帯
H…下降可能シグナル領域帯
J…トレンドシグナル領域帯(上昇シグナル領域帯,下降シグナル領域帯)
K…上昇可能シグナル領域帯
M1,M2,M3,M4…株価診断チャート
p…最高値点
q…最安値点
r…当日終値点
s…前日終値点
v…移動平均現在値点
w…転換値点
y…中間値点
z…トレンドシグナル点
Claims (11)
- 予め設定された設定期間内における指定日当日の相場価格の位置付け及び価格変動状況を表示し得る相場価格診断チャートであって、
全体形状が半円をなす線図上に、少なくとも、
上記設定期間内の相場価格の最高値を表す最高値点と、
該最高値点と180度対向位置にあり、上記設定期間内の相場価格の最安値を表す最安値点と、
上記指定日当日の終値を表す当日終値点と、
上記指定日前日の終値を表す前日終値点と、
が表示されてなることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項1記載の相場価格診断チャートにおいて、
予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、
上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点と、
が更に表示されてなることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項1記載の相場価格診断チャートにおいて、少なくとも、
上記当日終値点と前日終値点のうち上記最高値点に近い方の点と該最高値点とを結ぶ円弧と、
上記当日終値点と前日終値点とを結ぶ円弧と、
上記当日終値点と前日終値点のうち上記最安値点に近い方の点と該最安値点とを結ぶ円弧と、
がそれぞれ色分け表示されていることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項3記載の相場価格診断チャートにおいて、
予め定められた所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値点と、上記指定日よりも過去における終値グラフと上記移動平均価格のグラフとの交点で示される転換値を表す転換値点とを結ぶ円弧が更に色分け表示されていることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項2記載の相場価格診断チャートにおいて、
各所定の2点を結ぶ円弧にそれぞれ対応する扇形が複数形成され、これら複数の扇形を色分け表示して半円形が構成されており、上記扇形どうしが少なくとも部分的に重なる場合には、予め設定された優先順位に応じて、当該重なり部分での各扇形の表示・非表示が定められることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項1〜5の何れか一に記載の相場価格診断チャートにおいて、
上記最高値点と上記最安値点とを結ぶ直径を対称軸として上記半円と対称な半円上に、少なくとも、
上記最高値と最安値の中間値を表す中間値点と、
上記指定日当日の終値と上記移動平均現在値との差を表すトレンドシグナル点と、
が表示され、全体として円形をなすことを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項6記載の相場価格診断チャートにおいて、
上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最高値点により近い点と該最高値点とを結ぶ円弧と、
上記中間値点とトレンドシグナル点のうち上記最安値点により近い点と該最安値点とを結ぶ円弧と、
上記中間値点とトレンドシグナル点とを結ぶ円弧と、
がそれぞれ色分け表示されていることを特徴とする相場価格診断チャート。 - 請求項7記載の相場価格診断チャートにおいて、上記各円弧にそれぞれ対応する扇形が各々色分け表示されていることを特徴とする相場価格診断チャート。
- 請求項1〜8の何れか一に記載の相場価格診断チャートにおいて、上記相場価格は、株式市場における特定銘柄の株価または特定の平均株価であることを特徴とする相場価格診断チャート。
- 請求項1〜8の何れか一に記載の相場価格診断チャートにおいて、上記相場価格は、商品先物市場における特定商品の商品価格または特定の平均価格であることを特徴とする相場価格診断チャート。
- 請求項1〜8の何れか一に記載の相場価格診断チャートにおいて、上記相場価格は、為替市場における特定通貨の他の特定通貨に対する交換レートであることを特徴とする相場価格診断チャート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002265486A JP2004102793A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 相場価格診断チャート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002265486A JP2004102793A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 相場価格診断チャート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004102793A true JP2004102793A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32264615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002265486A Pending JP2004102793A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 相場価格診断チャート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004102793A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021056934A (ja) * | 2019-10-01 | 2021-04-08 | 楽天証券株式会社 | 取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラム |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002265486A patent/JP2004102793A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021056934A (ja) * | 2019-10-01 | 2021-04-08 | 楽天証券株式会社 | 取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラム |
JP7032364B2 (ja) | 2019-10-01 | 2022-03-08 | 楽天証券株式会社 | 取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7937317B2 (en) | System and method for displaying trend indications | |
US8543343B2 (en) | Method and apparatus for determining energy savings by using a baseline energy use model that incorporates an artificial intelligence algorithm | |
Fan et al. | Similarity and heterogeneity of price dynamics across China’s regional carbon markets: A visibility graph network approach | |
JP6355140B2 (ja) | 多次元時間的データのインタラクティブなビジュアル分析のためのシステム及び方法 | |
JP2007524163A (ja) | 金融データ分析ツール | |
US20080288329A1 (en) | User interface for identifying trade opportunities | |
Brewer et al. | On the behavioral foundations of the law of supply and demand: Human convergence and robot randomness | |
JP2003256635A (ja) | 製造指示量決定支援方法およびそのプログラム | |
Golinowska et al. | Health status and health care systems in central and eastern European countries: Bulgaria, Estonia, Poland, Slovakia and Hungary | |
KR20160146756A (ko) | 실시간 대화형 예측 기법 | |
US20240203000A1 (en) | Technical indicator resolution data generation, storage, display, system, method, and device | |
US20220027933A1 (en) | Intra-period resolution value data generation, storage, display, system, method, and device | |
Healey et al. | Visual perception and mixed-initiative interaction for assisted visualization design | |
JPH10124476A (ja) | 階層的予測モデル構築装置及びその方法 | |
JP2004102793A (ja) | 相場価格診断チャート | |
Ohshita | Target allocation methodology for China's provinces: energy intensity in the 12th Five-Year Plan | |
Azamjon et al. | Enhanced Bitcoin Price Direction Forecasting with DQN | |
JP4932430B2 (ja) | 製造ロット集約支援システム、製造ロット集約支援方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 | |
US20210383478A1 (en) | Candlestick intra-body fill area and price range summary symbol display system, method, and device | |
US20210383471A1 (en) | Price range symbol data structure generation, storage, display, system, method, and device | |
JP6089140B1 (ja) | 金融商品売買支援装置およびプログラム | |
JP2004139167A (ja) | 相場価格診断チャート | |
JP4419814B2 (ja) | サービス品質評価支援装置 | |
US20230177534A1 (en) | Dynamic p/l range summary symbol generation, display, method, and device | |
US11989397B2 (en) | Price range symbol intra-body fill area scaling, data generation, storage, display, system, method, and device |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050628 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051227 |