JP2004101470A - マイクロ化学システム及びマイクロ化学システム用光源ユニット、並びに光熱変換分光分析法 - Google Patents

マイクロ化学システム及びマイクロ化学システム用光源ユニット、並びに光熱変換分光分析法 Download PDF

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山口 淳
Akihiko Hattori
服部 明彦
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Abstract

【課題】光軸合わせや、検出光と励起光の焦点位置合わせを不要にすると共に、測定感度の高い小型のマイクロ化学システムを提供することにある。
【解決手段】マイクロ化学システム10は、流路内に液中試料を含む流路付き板状部材130と、レンズ付き光ファイバー100と、液中試料に励起光を照射して生成される熱レンズに検出光を照射する光源ユニット110と、熱レンズを介して検出光を検出する検出装置140とを備え、光源ユニット110は、長手方向に貫通孔112と、この貫通孔112に垂直に交わる貫通孔113を有するハウジング111と、貫通孔113に挿設された励起光光源用レーザーダイオード114と、貫通孔112に挿設された検出光光源用レーザーダイオード115と、貫通孔112と貫通孔113との交わる箇所に挿設され、空間を伝搬してきた励起光及び検出光を合波する誘電体多層膜フィルタ117と、貫通孔112に挿設された結合レンズ120とから成る。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ化学システム及びマイクロ化学システム用光源ユニット、並びに光熱変換分光分析法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、化学反応の高速性や微少量での反応、オンサイト分析等の観点から、化学反応を微小空間で行うための集積化技術が注目されており、精力的に研究が世界的に進められている。
【0003】
このような集積化技術の一つとして、いわゆるマイクロ化学システムがある。このマイクロ化学システムは、小さなガラス基板等に形成した微細な流路の中で液中試料の混合、反応、分離、抽出、検出等を行うものである。このマイクロ化学システムで行われる反応の例としては、ジアゾ化反応、ニトロ化反応、抗原抗体反応などがある。また、抽出や分離の例としては、溶媒抽出、電気泳動分離、カラム分離などがある。マイクロ化学システムは、分離だけを目的としたような単一の機能のみで用いられてもよく、また複合的に用いられてもよい。
【0004】
上記の機能のうち、分離のみを目的としたものとしては、極微量のタンパクや核酸等を分析する電気泳動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電気泳動装置は互いに接合された2枚のガラス基板からなる流路付き板状部材を備えている。この部材は板状であるので、横断面が円形又は角形のガラスキャピラリーチューブに比べて破損しにくく、取扱いが容易である。
【0005】
これらのマイクロ化学システムにおいては液中試料の量が微量であるので、高感度な検出方法が必須である。このような方法として、微細な流路内の液中試料が光を吸収することによって発生する熱レンズ効果を利用した光熱変換分光分析法が確立されている。この光熱変換分光分析法は、液中試料に集光照射された光を液中試料が吸収して熱エネルギーを放出し、この熱エネルギーによって溶媒が局所的に温度上昇することによって屈折率が変化し、もって熱レンズが形成される光熱変換効果を利用するものである。この光熱変換分光分析法によって、マイクロ化学システムの実用化の道が開かれている。
【0006】
図5は、熱レンズの原理を説明するための図である。
【0007】
図5において、対物レンズを介して励起光を極微小な液中試料に集光照射すると光熱変換効果が誘起される。多くの物質では温度上昇に伴い屈折率が小さくなるので、励起光が集光照射された液中試料を含む液体は、温度上昇の大きい集光中心に近づくほど屈折率が小さくなる。すなわち、集光中心から離れるほど屈折率は相対的に大きい。これは、集光中心から離れるほど熱拡散によって温度上昇が小さくなるからである。この屈折率分布は、光学的には、凹レンズと同じ効果を有するので、この効果は熱レンズ効果と呼ばれている。この熱レンズ効果の大きさ、すなわち凹レンズの度数は液中試料の光吸収度に比例する。なお、屈折率が温度に比例して大きくなる場合は、屈折率の変化は逆になるので凸レンズと同じ熱レンズ効果が生じる。
【0008】
このように、光熱変換分光分析法は、液中試料を含む液体(試料溶液)における熱の拡散に起因する屈折率の変化を観察するものであるので、極微小の液中試料の濃度を検出するのに適している。
【0009】
従来の光熱変換分光分析装置においては、流路付き板状部材が顕微鏡の対物レンズの下方に配置されており、励起光源から出力された所定波長の励起光が顕微鏡に入射し、この顕微鏡の対物レンズにより流路付き板状部材の流路内の液中試料に集光照射される。集光照射された励起光の焦点位置は試料溶液内にあり、この焦点位置を中心として熱レンズが形成される。
【0010】
一方、検出光源からは、波長が励起光と異なる検出光が出力され、顕微鏡に入射する。顕微鏡内を通って出射される検出光は、励起光により試料溶液内に形成された熱レンズに集光照射され、試料溶液を透過して発散又は集光する。この試料溶液から発散又は集光して出射された光は信号光となる。この信号光は、集光レンズとフィルター、又はフィルターのみを経た後に検出器によって検出される。この検出された信号光の強度は、試料溶液において形成された熱レンズに応じたものになる。なお、検出光は励起光と同一の波長でもよく、また励起光が検出光を兼ねることもできる。
【0011】
このように、上記光熱変換分光分析装置においては、熱レンズは励起光の焦点位置に形成され、且つ形成された熱レンズの屈折率の変化は、励起光と同じ波長、または異なる波長の検出光によって検出される(例えば、特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】
特開平08−178897号公報
【特許文献2】
特開平10−232210号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光熱変換分光分析装置は、光源や、測定部や検出部(光電変換部)の光学系等が複雑にシステムアップされているので大型であり、可搬性に欠けている。このため、光熱変換分光分析装置を使用する場所や操作が限定されるという問題がある。
【0014】
また、光熱変換分光分析装置は励起光及び検出光を空間光として液中試料まで導いているので、光源、ミラー、レンズ等の光学系の各部品が測定中に動いてしまうことを防止しなければならず、このためにそれらを固定するための堅固な定盤が必要である。さらに、温度等の環境の変化によって励起光及び検出光の光軸がずれた場合に、そのずれを調整するための治具が必要である。これらも、光熱変換分光分析装置を大型にし、可搬性の欠けたものにする原因となっている。
【0015】
また、光熱変換分光分析法を用いるマイクロ化学システムにおいては、多くの場合に、励起光の焦点位置が検出光の焦点位置と異なっていることが必要となる。
【0016】
図6は、励起光の光軸方向(Z方向)に関する熱レンズの形成位置と検出光の焦点位置を説明するための図であり、(a)は、対物レンズが色収差をもつ場合を示す図であり、(b)は、対物レンズが色収差をもたない場合を示す図である。
【0017】
対物レンズ500が色収差をもつ場合は、図6(a)に示すように、励起光の焦点位置502に熱レンズ501が形成されると共に、検出光の焦点位置503はΔLだけ励起光の焦点位置502からずれるので、この検出光によって熱レンズ501の屈折率の変化を検出光の焦点距離の変化として検出することができる。一方、対物レンズ500が色収差をもたない場合は、図6(b)に示すように、検出光の焦点位置503は、励起光の焦点位置502に形成される熱レンズ501の位置とほぼ一致する。この結果、検出光には熱レンズ501による偏向が生じないので、熱レンズ501の屈折率の変化を検出することができない。
【0018】
しかしながら、顕微鏡の対物レンズは、通常、色収差をもたないように製造されているので、上記の理由により、検出光の焦点位置503は、励起光の焦点位置502に形成される熱レンズ501の位置とほぼ一致する(図6(b))。したがって、熱レンズ501の屈折率の変化は検出できない。このため、測定の度に、熱レンズ501が形成される液中試料の位置を、図7(a)及び図7(b)に示すように、検出光の焦点位置503からずらしたり、図8に示すように、図示しないレンズを用いて検出光を若干発散又は集光させて対物レンズ500に入射させることにより検出光の焦点位置503を熱レンズ501からずらしたりしなければならず、作業効率が悪いという問題がある。
【0019】
本発明の目的は、光軸合わせや、検出光と励起光の焦点位置合わせを不要にすると共に、測定感度の高い小型のマイクロ化学システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のマイクロ化学システムは、流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、前記照射された検出光を前記生成された熱レンズを介して検出する検出手段とを備えるマイクロ化学システムにおいて、前記励起光光源及び前記検出光光源を一体的に収容するハウジングを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項1記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源及び検出光光源がハウジング内に一体的に収容されているので、マイクロ化学システムを小型化することができる。
【0022】
請求項2記載のマイクロ化学システムは、請求項1記載のマイクロ化学システムにおいて、前記ハウジングは、前記励起光光源及び前記検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、前記励起光及び前記検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有することを特徴とする。
【0023】
請求項2記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングは、励起光光源及び検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、励起光及び検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有するので、励起光及び検出光の光軸合わせを不要にし、また、温度や振動等の外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光の光軸を確実に位置決めでき、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させ且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0024】
請求項3記載のマイクロ化学システムは、請求項2記載のマイクロ化学システムにおいて、前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする。
【0025】
請求項3記載のマイクロ化学システムによれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対して安定であり、また、マイクロ化学システムの構成を簡単にし且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0026】
請求項4記載のマイクロ化学システムは、請求項2又は3記載のマイクロ化学システムにおいて、前記ハウジングは、前記2波長合波素子の出射側に前記集光レンズを有することを特徴とする。
【0027】
請求項4記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングが、2波長合波素子の出射側に集光レンズを有するので、マイクロ化学システムの構成部品を少なくすることができ、もってマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0028】
請求項5記載のマイクロ化学システムは、請求項2又は3記載のマイクロ化学システムにおいて、前記ハウジングは、前記2波長合波素子の出射側に結合レンズを備え、当該結合レンズは、前記合波された励起光及び検出光を前記集光レンズに伝搬すべく光ファイバーを介して前記集光レンズに接続されていることを特徴とする。
【0029】
請求項5記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングが2波長合波素子の出射側に備える結合レンズは、合波された励起光及び検出光を集光レンズに伝搬すべく光ファイバーを介して集光レンズに接続さているので、励起光及び検出光は、2波長合波素子にて合波された後に結合レンズにて光ファイバーへ入射され、光ファイバー内を集光レンズまで伝搬するので、励起光と検出光とは常に同軸になり、もって励起光及び検出光の光軸合わせが不要となる。また、外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光を集光レンズまで伝搬することができるので、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させ且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0030】
請求項6記載のマイクロ化学システムは、請求項5記載のマイクロ化学システムにおいて、前記光ファイバーは、前記励起光及び前記検出光をシングルモードで前記集光レンズに伝搬することを特徴とする。
【0031】
請求項6記載のマイクロ化学システムによれば、光ファイバーは、励起光及び検出光をシングルモードで集光レンズに伝搬するので、励起光によって生成される熱レンズが収差の小さい小型の熱レンズとなり、マイクロ化学システムの測定感度を向上させることができる。
【0032】
請求項7記載のマイクロ化学システムは、請求項4乃至6いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記集光レンズは前記板状部材に固定されていることを特徴とする。
【0033】
請求項7記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズは板状部材に固定されているので、集光レンズの焦点位置の調整を不要とし、もってマイクロ化学システムをより一層小型化することができる。
【0034】
請求項8記載のマイクロ化学システムは、請求項4乃至6いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記集光レンズは前記流路付き板状部材上を移動するように構成されていることを特徴とする。
【0035】
請求項8記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズが流路付き板状部材上を移動するように構成されているので、流路付き板状部材の有する複数の流路の各々に包含された異なる試料を同時に検出することができる。
【0036】
請求項9記載のマイクロ化学システムは、請求項1乃至8いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記励起光光源は、前記励起光の出力を変調する励起光出力変調装置を備えることを特徴とする。
【0037】
請求項9記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源は、励起光の出力を変調する励起光出力変調装置を備えるので、励起光を変調するためのチョッパー等の装置が必要なく、もって、マイクロ化学システムをさらに小型化することができる。
【0038】
請求項10記載のマイクロ化学システムは、請求項1乃至9いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記励起光光源及び前記検出光光源はレーザーダイオードであることを特徴とする。
【0039】
請求項10記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源及び検出光光源はレーザーダイオードであるので、励起光光源及び検出光光源を小型化することができ、励起光光源及び検出光光源を2波長合波素子の近傍に配設することができ、もって、マイクロ化学システムを一層小型化することができると共に、温度や振動等の外的変化による光軸のずれをなくして、測定の安定性を向上させることができる。
【0040】
請求項11記載のマイクロ化学システムは、請求項1乃至10いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記励起光の周波数は前記検出光の周波数と異なり、前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする。
【0041】
請求項11記載のマイクロ化学システムによれば、励起光の周波数は検出光の周波数と異なり、集光レンズは色収差を有するので、励起光と検出光の焦点位置を外部の光学系を使用せずにずらすことができ、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させると共にマイクロ化学システムをさらに一層小型化することができる。
【0042】
請求項12記載のマイクロ化学システムは、請求項1乃至11いずれか1項に記載のマイクロ化学システムにおいて、前記集光レンズは屈折率分布型レンズであることを特徴とする。
【0043】
請求項12記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズは屈折率分布型レンズであるので、集光レンズを小型化することができ、もってマイクロ化学システムをより一層小型化することができる。
【0044】
請求項13記載のマイクロ化学システムは、請求項12記載のマイクロ化学システムにおいて、前記屈折率分布型レンズはロッドレンズであることを特徴とする。
【0045】
請求項13記載のマイクロ化学システムによれば、屈折率分布型レンズはロッドレンズであるので、容易に保持できると共に光ファイバーの光軸とロッドレンズの光軸とを容易に合わせることができる。
【0046】
請求項14記載のマイクロ化学システム用光源ユニットは、流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、前記励起光光源及び前記検出光光源を一体的に収容するハウジングとを備えることを特徴とする。
【0047】
請求項14記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、照射された励起光によって試料内に生成された熱レンズに集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、励起光光源及び検出光光源を一体的に収容するハウジングとを備えるので、マイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0048】
請求項15記載のマイクロ化学システム用光源ユニットは、請求項14記載のマイクロ化学システム用光源ユニットにおいて、前記ハウジングは、前記励起光光源及び前記検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、前記励起光及び前記検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有することを特徴とする。
【0049】
請求項15記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、ハウジングは、励起光光源及び検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、励起光及び検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有するので、励起光及び検出光の光軸合わせを不要とし、また、温度や振動等の外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光の光軸を確実に位置決めでき、もって、マイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0050】
請求項16記載のマイクロ化学システム用光源ユニットは、請求項15記載のマイクロ化学システム用光源ユニットにおいて、前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする。
【0051】
請求項16記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対し安定であり、また、マイクロ化学システム用光源ユニットの構成を簡単にし且つマイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0052】
請求項17記載の光熱変換分光分析法は、流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射し、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射し、前記照射された検出光を前記熱レンズを介して検出する光熱変換分光分析法において、前記励起光及び前記検出光を空間光で2波長合波素子に伝搬し、前記2波長合波素子により合波された前記励起光及び前記検出光を光ファイバーを介してシングルモードで前記集光レンズに伝搬することを特徴とする。
【0053】
請求項17記載の光熱変換分光分析法によれば、励起光及び検出光を空間光で2波長合波素子に伝搬し、2波長合波素子により合波された励起光及び検出光を光ファイバーを介してシングルモードで集光レンズに伝搬するので、励起光と検出光が常に同軸となり、励起光と検出光の光軸の調整を不要にすることができる。
【0054】
請求項18記載の光熱変換分光分析法は、請求項17記載の光熱変換分光分析法において、前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過して前記励起光及び前記検出光を合波する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする。
【0055】
請求項18記載の光熱変換分光分析法によれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過して励起光及び検出光を合波する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対して安定であり、また、測定の感度及び安定性を向上させることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るマイクロ化学システムを図面を参照しながら説明する。
【0057】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【0058】
図1において、マイクロ化学システム10は、流路内に液中試料が満たされた流路付き板状部材130と、流路付き板状部材130の上方に配設され、先端にレンズを取り付けたレンズ付き光ファイバー100と、レンズ付き光ファイバー100に接続され、レンズ付き光ファイバー100を介して流路付き板状部材130の流路内の液中試料に励起光を照射すると共に、当該照射された励起光によって該液中試料に生成される熱レンズに検出光を照射する光源ユニット110(マイクロ化学システム用光源ユニット)と、流路付き板状部材130の下方に配設され、励起光によって流路付き板状部材130の流路内の液中試料に生成された熱レンズを介して検出光を検出する検出装置140とを備える。
【0059】
流路付き板状部材130は、レンズ付き光ファイバー100側から順に3層に重ねて接着された上部ガラス基板131、中部ガラス基板132、及び下部ガラス基板133から成る。
【0060】
流路付き板状部材130の中間層である中部ガラス基板132は、マイクロ化学システム10により液中試料の混合、攪拌、合成、分離、抽出、及び検出等の操作の際に液中試料を含む溶液を流す流路134を有している。
【0061】
レンズ付き光ファイバー100は、円柱状の透明な屈折率分布型ロッドレンズ101(集光レンズ)と、一端がフェルール103を介して屈折率分布型ロッドレンズ101に接続され、他端が光源ユニット110に接続され、励起光及び検出光をシングルモードで伝搬する光ファイバー102と、屈折率分布型ロッドレンズ101とフェルール103をその内部に固定する円筒形のチューブ104とから成る。
【0062】
フェルール103は、光ファイバー102の外径を屈折率分布型ロッドレンズ101の外径と同一にすべく、屈折率分布型ロッドレンズ101の外径と同一の外径の円柱形状であり、その内部に光ファイバー102を挿着して屈折率分布型ロッドレンズ101の一方の表面上に載置され、上述のようにチューブ104により屈折率分布型ロッドレンズ101と固定されている。
【0063】
光ファイバー102は、屈折率分布型ロッドレンズ101と密着してフェルール103を介して固定されてもよく、また、屈折率分布型ロッドレンズ101と隙間を有してフェルール103を介して固定されてもよい。
【0064】
レンズ付き光ファイバー100は、その出力光が流路付き板状部材130に垂直に、且つ流路134内に入射する位置で上部ガラス基板131の表面上にチューブ104をその内部に挟持する治具105によって固定されている。
【0065】
屈折率分布型ロッドレンズ101は、励起光の焦点位置を流路付き板状部材130の流路134内となるように、検出光の焦点位置を励起光の焦点位置に対してわずかにΔLだけずれるように設定されている。
【0066】
上記ΔL値は、測定する液中試料の厚みによって変化する。共焦点長をIcとして、共焦点長Icより薄い液中試料を測定する場合は、ΔL値は、ΔL=√3・Icであることが最も好ましい。
【0067】
共焦点長Ic(nm)は、Ic=π・(d/2)/λで計算される。ここで、dは、d=1.22・λ/NAで計算されるエアリーディスクであり、λは、励起光の波長(nm)であり、NAは、屈折率分布型ロッドレンズ101の開口数である。光ファイバー102を用いる場合は、光ファイバー102の出射光の開口数が小さいため、大きな開口数を有する屈折率分布型ロッドレンズ101を用いた場合の共焦点長の計算には光ファイバー102の開口数を用いる必要がある。
【0068】
上記ΔL値は、検出光の焦点位置と励起光の焦点位置の差を表しているので、検出光の焦点距離が励起光の焦点距離よりも長い場合であっても、短い場合であっても同じ結果となる。
【0069】
屈折率分布型ロッドレンズ101は、長手方向に伸びる中心線位置から半径方向に屈折率が連続的に変化し、中心線位置の屈折率をnとし、2乗分布定数をgとして、中心線位置から半径方向にrの距離の位置における屈折率n(r)が、近似的にrに関する2次方程式
n(r)=n{1−(g/2)・r
で表される集束性光伝送体として知られている。
【0070】
屈折率分布型ロッドレンズ101は、その全長zを0<z<π/2gの範囲内で選択する場合、両端面が平坦でありながら通常の凸レンズと同じ結像特性を有し、平行入射光線によって出射端より、
=cot(gz)/n
の位置に焦点が作られる。
【0071】
屈折率分布型ロッドレンズ101は、例えば、以下のような方法で製造される。
【0072】
すなわち、モル百分率でSiO:57〜63%、B:17〜23%、NaO:5〜17%、TlO:3〜15%を主成分とするガラスでロッドを形成した後、このガラスロッドを硝酸カリウム塩等のイオン交換媒体中で処理し、ガラス中のタリウムイオン及びナトリウムイオンとイオン交換媒体中のカリウムイオンとをイオン交換して、ガラスロッド内に中心線位置から半径方向に向けて連続的に低減する屈折率分布を与える。
【0073】
屈折率分布型ロッドレンズ101は表端面が平面であるので、光ファイバー102の端部に容易に取付けることができると共に、屈折率分布型ロッドレンズ101の光軸と光ファイバー102の光軸とを容易に一致させることができる。また、屈折率分布型ロッドレンズ101は円柱状であるので、レンズ付き光ファイバー100の一端も円柱状となり、治具105によるレンズ付き光ファイバー100の保持が極めて容易になる。
【0074】
光熱変換分光分析法を利用して微量な液中試料を検出する場合には、励起光をできるだけ小さく絞って光熱変換に利用されるエネルギーを高くすると共に、励起光によって生成する熱レンズを収差の少ないレンズにすることが望ましく、光ファイバー102は励起光及び検出光をシングルモードで伝搬するものであることが好ましい。
【0075】
光ファイバー102はシングルモードであり、光ファイバー102から出射される光は常にガウス分布になるので、励起光の焦点が小さくなる。また、励起光によって生成された熱レンズが小さい場合、この熱レンズを透過する検出光の光量をできる限り多くするためには、検出光もできる限り小さく絞ることが望ましく、この点からも、光ファイバー102は、励起光及び検出光をシングルモードで伝搬するものであることが好ましい。
【0076】
なお、光ファイバー102は、励起光及び検出光を透過させるものであればどのようなものでも使用できるが、マルチモードの光ファイバーを使用した場合は、出射光がガウス分布にならないのに加えて、光ファイバー102の曲がり具合等の種々の条件によって出射パターンが変化し、必ずしも安定な出射光が得られない。このため、微量な液中試料の測定が困難になると共に、測定値が安定しない場合がある。したがって、上述のように光ファイバー102はシングルモードのものが好ましい。
【0077】
光ファイバー102の先端を球形等に加工してレンズとすれば、光ファイバー102の先端にレンズを取付けなくても励起光及び検出光を絞ることができる。この場合、色収差がほとんどないために励起光と検出光の焦点位置がほぼ同じとなる。このため、熱レンズの信号がほとんど検出されないという問題がある。また、光ファイバー102の先端の加工によるレンズの収差が大きいので、励起光及び検出光の焦点が大きいという問題がある。したがって、本発明の実施の形態では光ファイバー102の先端に屈折率分布型ロッドレンズ101が取付けられている。
【0078】
光源ユニット110は、所定の大きさの直方体であり、長手方向に延びる貫通孔112、及びこの貫通孔112に垂直に交わる貫通孔113を有するハウジング111と、貫通孔112と貫通孔113の交わる位置において貫通孔112内に収容された誘電体多層膜フィルター117(2波長合波素子)と、誘電体多層膜フィルター117の反射側において貫通孔113内に配され、励起光を出力する励起光光源用レーザーダイオード(半導体ダイオード)114(励起光光源)と、誘電体多層膜フィルター117の入射側において貫通孔112内に配され、検出光を出力する検出光光源用レーザーダイオード(半導体ダイオード)115(検出光光源)と、励起光光源用レーザーダイオード114の一端に接続され、励起光光源用レーザーダイオード114から出力される励起光を変調する変調器116と、励起光光源用レーザーダイオード114と誘電体多層膜フィルター117の間において貫通孔113内に配され、励起光光源用レーザーダイオード114から出力された励起光を平行光にするコリメータレンズ118と、検出光光源用レーザーダイオード115と誘電体多層膜フィルター117の間において貫通孔112内に配され、検出光光源用レーザーダイオード115から出力された検出光を平行光にするコリメータレンズ119と、誘電体多層膜フィルター117の出射側において貫通孔112内に配されると共に、光ファイバー102に接続された結合レンズ120とから成る。
【0079】
誘電体多層膜フィルター117は、励起光光源用レーザーダイオード114から出力された励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力された検出光を夫々の波長に応じて反射又は透過することにより、これらの励起光及び検出光を合波する。
【0080】
励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115は、後述する図2の半導体結晶がつくる2つのエネルギーバンド(エネルギー帯)の間での電子の遷移によって起こる発光を利用して誘導放出を起こす。また、励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115は、その大きさが非常に小さいので、ハウジング111内において誘電体多層膜フィルター117の近傍に設置することができる。
【0081】
上述のように、励起光光源用レーザーダイオード114から出力された励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力された検出光は、夫々貫通孔113、112内の各空間を誘電体多層膜フィルター117に伝搬し、誘電体多層膜フィルター117で合波された励起光及び検出光は結合レンズ120にて集光されて光ファイバー102を介してシングルモードで屈折率分布型ロッドレンズ101に伝搬する。屈折率分布型ロッドレンズ101から出射された出射光は、流路付き板状部材130に垂直に入射して、ガラス基板132の流路134に入射する。
【0082】
光源ユニット110において、励起光光源用レーザーダイオード114、コリメータレンズ118、検出光光源用レーザーダイオード115、コリメータレンズ119、誘電体多層膜フィルター117、及び結合レンズ120がハウジング111により固定されているので、外部の気温の変化や、振動等でこれらの光軸がずれることがなく、長時間の使用に対して光軸の位置が安定し、測定の感度及び安定性を向上することができる。その上、励起光光源用レーザーダイオード114、検出光光源用レーザーダイオード115、及び誘電体多層膜フィルター117をハウジング111内に収容しているので、光源ユニット110を小型化し、もってマイクロ化学システム10を小型化できる。
【0083】
図1においては、励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115から夫々出力された励起光及び検出光はコリメータレンズ118,119によって平行光とされ、誘電体多層膜フィルター117へ伝搬されているが、励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115と誘電体多層膜フィルター117とが互いに近傍に配置されていることから、各々コリメータレンズ118,119を省くことも可能である。この場合、光ファイバー102に入射する励起光及び検出光の光量が低下するが、光源ユニット110をより小型化することができる。
【0084】
本発明の実施の形態では、励起光光源用レーザーダイオード114から出力される励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力される検出光を合波し、その後光ファイバー102へ入射させる構成を採用しており、この構成では、光ファイバー102への励起光及び検出光の入射は1回のみであるので、励起光及び検出光の光量のロスが抑えられ、励起光及び検出光を効率的に利用できる。これに対し、励起光光源用レーザーダイオード114から出力される励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力される検出光を、夫々各光ファイバーに入射させ、その後励起光及び検出光を合波することも可能であるが、一般的に空間光を各光ファイバーへ入射させるときに大きな光量のロスが発生するので、各光ファイバーへ励起光及び検出光を入射させる回数が多くなって、全体的な励起光及び検出光の光量のロスが多くなる。
【0085】
流路付き板状部材130の上部ガラス基板131、中部ガラス基板132、及び下部ガラス基板133の材料は耐久性、耐薬品性の面からガラスが望ましく、さらに、細胞等の生体試料、例えばDNA解析用としての用途を考慮すると、耐酸性、耐アルカリ性の高いガラス、具体的には、硼珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ硼珪酸ガラス、及び石英ガラス等が好ましい。しかし、用途を限定することによってプラスチック等の有機物を用いることもできる。
【0086】
上部ガラス基板131、中部ガラス基板132、及び下部ガラス基板133を夫々接着させる接着剤には、例えば、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、2液硬化型のアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等の有機接着剤、及び無機接着剤等がある。また、熱融着によって上部ガラス基板131、中部ガラス基板132、及び下部ガラス基板133を夫々融着させてもよい。
【0087】
検出装置140は、流路付き板状部材130の流路134に面する位置であって、レンズ付き光ファイバー100に対向する位置に配設され、合波された励起光及び検出光を分離して検出光のみを選択的に透過させる波長フィルター141と、波長フィルター141の下側であって、流路134に面する位置に配設された検出光を検出するための光電変換器142と、光電変換器142にロックインアンプ143を介して接続されたコンピュータ144とから成る。
【0088】
検出装置140では、検出光の一部のみを選択的に透過させるピンホールが形成された所定の部材を、検出光の光路上において、光電変換器142の上流の位置に配設してもよい。
【0089】
光電変換器142から得られた信号は、励起光を変調する変調器116と同期させるロックインアンプ143に送信され、次いで、コンピュータ144により分析される。
【0090】
図2は、図1の励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115の概略構造を示す図である。
【0091】
図2において、励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115各々は、例えば、GaAlAsダブルへテロ構造のレーザーダイオードであり、電子205が充満しているn形半導体の価電子帯201及び正孔206が充満しているp形半導体の伝導帯202の2つのエネルギーバンドと、価電子帯201と伝導帯202との間に接合されたn形又はp形いずれか一方の半導体である活性層203とを備える。
【0092】
励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115各々は、価電子帯201又は伝導帯202と活性層203との間がpn接合であり、価電子帯201と伝導帯202との間で反転分布を起こしているので活性層203においてレーザー発振が起こる。
【0093】
一般に、半導体材料の屈折率は大きいので、半導体の両端面を平行に磨くと、特定の条件下でその両端面が反射鏡となって誘導放出が起こり、発振された光が増幅される。活性層203は、その両端面にへき開面204を有し、へき開面204では外部の空気との屈折率差が大きいので反射率が大きくなり、これにより、活性層203で発振されたレーザー光が活性層203内に閉じ込められ、また電位障壁によって注入キャリアが活性層203に閉じ込められるので、効率よくレーザー発振を行うことができる。
【0094】
励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115は、活性層203に平行な方向に、励起光及び検出光が約10度前後広がり、活性層203に垂直な方向へは約40度近く広がる。このため、励起光光源用レーザーダイオード114から出力される励起光、及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力される検出光を平行にするためのコリメータレンズ118,119が夫々対応して設置されている。また、コリメータレンズ118,119を設置して励起光及び検出光を平行とすることで、励起光光源用レーザーダイオード114、検出光光源用レーザーダイオード115、及び誘電体多層膜フィルター117の光軸合わせを容易にしている。
【0095】
励起光光源用レーザーダイオード114を励起光用光源として用いている理由は、励起光光源用レーザーダイオード114は、それ自体で励起光の出力を変調することができるからであり、これは、レーザーダイオードが本来的に、レーザーダイオードの駆動回路へ制御信号を外部から入力することによりレーザー光の出力を容易に制御することができることによる。
【0096】
光熱変換分光分析法では、液中試料への励起光の照射を続けていると液中試料の温度分布の飽和により熱レンズの形状が悪くなるので、液中試料の温度分布の飽和を防止するために励起光の照射を規則的に止めるために、励起光照射を周期的にオン/オフする必要があるが、励起光光源用レーザーダイオード114を励起光光源として用いることにより、励起光光源用レーザーダイオード114以外に励起光を変調するためのチョッパー等の外部装置を設置する必要がなくなり、励起光光源用レーザーダイオード114の近傍に励起光と検出光の合波のための誘電体多膜フィルター117を設置することができる。
【0097】
上述のように、図1のマイクロ化学システム10によれば、励起光光源用レーザーダイオード114と、検出光光源用レーザーダイオード115と、誘電体多膜層フィルター117と光ファイバー102とがごく近傍に配置され、且つハウジング111により一体に取付けられているので、マイクロ化学システム10を小型化できる。
【0098】
図1のマイクロ化学システム10によれば、屈折率分布型ロッドレンズ101が、励起光及び検出光を伝搬する光ファイバー102の一端に取付けられているので、測定毎に励起光と検出光との光軸、及び屈折率分布型ロッドレンズ101の光軸を調整する必要がなく、光軸を合わせるための所定の治具及び堅固な所定の定盤が不要であり、ユーザーの作業効率を向上させると共にマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0099】
図1のマイクロ化学システム10によれば、屈折率分布型ロッドレンズ101を透過した励起光の焦点は、流路付き板状部材130の流路134の中に位置する必要がある。屈折率分布型ロッドレンズ101は、流路付き板状部材130に接触している必要はないが、接触する場合は、流路付き板状部材130の上面側の上部ガラス基板131の厚みで屈折率分布型ロッドレンズ101を透過した励起光の焦点距離を調整することができ、また、上部ガラス基板131の厚みが足りない場合は、屈折率分布型ロッドレンズ101と上部ガラス基板131との間にスペーサを入れて焦点距離を調整することができる。このように励起光の焦点位置を流路付き板状部材130の流路134の中に固定しておく場合は、焦点距離の調整も不要となり、マイクロ化学システムをさらに小型化できる。
【0100】
図1のマイクロ化学システム10において、屈折率分布型ロッドレンズ101は、その出力光が流路付板状部材130に垂直に入射して流路134に入射するように、チューブ104を介して治具105により、上部ガラス基板131上に固定されているが、治具105を固定することなく適宜な移動手段により屈折率分布型ロッドレンズ101を上部ガラス基板131上で移動自在とし、また、流路付板状部材130の流路134の代わりに互いに平行で夫々異なる液中試料を包含する複数の流路を設け、屈折率分布型ロッドレンズ101がその出力光を複数の流路に入射するように、上記移動手段により複数の流路に対し垂直方向に移動することにより、同時に異なる複数の液中試料の検出を行うことができるようにしてもよい。
【0101】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【0102】
図3において、本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ化学システム20は、その構成が図1のマイクロ化学システム10と基本的に同じであり、同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、以下に、異なる部分のみ説明する。
【0103】
図3において、マイクロ化学システム20は、マイクロ化学システム10に対して、光源ユニット110を光源ユニット301に代えたものであり、光源ユニット301は、光源ユニット110に対し、励起光光源用レーザーダイオード114に代えて、固体レーザーユニット302を用いている点、及びコリメータレンズ118を用いていない点で異なる。
【0104】
固体レーザーユニット302は、ハウジング111の貫通孔113が形成された表面上に、固体レーザーユニット302の出射側の表面が、出射光の光軸が貫通孔113の長手方向中心軸に一致するように取付けられており、検出光光源用レーザーダイオード115の出射した検出光と固体レーザーユニット302の出射光とが誘電体多層膜フィルター117において互いに直角に交わる。
【0105】
固体レーザーユニット302にはどのような固体レーザーも使用できるが、例えば、DPSS(Diode Pumped Solid State)レーザーが使用される。このDPSSレーザーは、Nd:YAG、Nd:YLF、Nd:YVO4などの結晶をレーザーダイオードで励起した固体レーザーで、基本波の発振波長としては、1047、1053、1064、1320、1340nmがあり、波長変換素子を内蔵したタイプの発振波長には、262、349、355、430、460、490、523、532、640、670nmがある。このDPSSレーザーを用いることで、現在レーザーダイオードとして生産されていない波長の光を励起光として用いることが可能となる。
【0106】
図3のマイクロ化学システム20は、励起光用光源として固体レーザーユニット302を用いているので、図1のマイクロ化学システム10の光源ユニット110に比して光源ユニット301は大きくなるが、励起光光源用レーザーダイオード114では出射できない波長の励起光を出射することが可能となり、より測定感度の高いマイクロ化学システムが作製できる。
【0107】
図1のマイクロ化学システム10及び図3のマイクロ化学システム20において、集光レンズとして屈折率分布型ロッドレンズ101を使用しているが、これに限らず、他の集光レンズを使用するものとしてもよい。
【0108】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【0109】
図4において、本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ化学システム30は、その構成が図1のマイクロ化学システム10と基本的に同じであり、同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、以下に、異なる部分のみ説明する。
【0110】
図4において、マイクロ化学システム30は、マイクロ化学システム10に対して、レンズ付光ファイバー100を取り除き、また、光源ユニット110を光源ユニット401に代えたものである。光源ユニット401は、光源ユニット110に対し、結合レンズ120に代えて、屈折率分布型ロッドレンズ402を用いている点で異なる。屈折率分布型ロッドレンズ402は図1の屈折率分布型ロッドレンズ101と同一の特性を有する。
【0111】
光源ユニット401において、励起光光源用レーザーダイオード114から出力された励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力された検出光は、誘電体多層膜フィルター117により合波され、屈折率分布型ロッドレンズ402に入射され、屈折率分布型ロッドレンズ402から出射される。
【0112】
光源ユニット401は、屈折率分布型ロッドレンズ402から出射された出射光が、流路付き板状部材130に垂直に、且つ流路134内に入射する位置に配設されており、屈折率分布型ロッドレンズ402は、上述の屈折率分布型ロッドレンズ101と同様に、励起光の焦点位置を流路付き板状部材130の流路134内となるように、検出光の焦点位置を励起光の焦点位置に対してわずかにΔLだけずれるように設定されている。
【0113】
上述のように、励起光光源用レーザーダイオード114から出力された励起光及び検出光光源用レーザーダイオード115から出力された検出光は、誘電体多層膜フィルター117で合波されて、屈折率分布型ロッドレンズ402から出射し、屈折率分布型ロッドレンズ402から出射された出射光は、流路付き板状部材130に垂直に入射して、ガラス基板132の流路134に入射する。
【0114】
図4のマイクロ化学システム30によれば、光源ユニット401が屈折率分布型ロッドレンズ402を一体に有するので、図1のマイクロ化学システム10に対して、レンズ付き光ファイバー100を不要とし、マイクロ化学システムをより小型化することができる。
【0115】
図4のマイクロ化学システム30において、集光レンズとして屈折率分布型ロッドレンズ402を使用しているが、これに限らず、他の集光レンズを使用してもよい。
【0116】
図4のマイクロ化学システム30において、屈折率分布型ロッドレンズ402は、その出力光が流路付板状部材130に垂直に入射して流路134に入射するように、光源ユニット401により固定されているが、光源ユニット401を固定することなく適宜な移動手段により屈折率分布型ロッドレンズ402を上部ガラス基板131上で移動自在とし、また、流路付板状部材130の流路134の代わりに互いに平行で夫々異なる液中試料を包含する複数の流路を設け、屈折率分布型ロッドレンズ402がその出力光を複数の流路に入射するように、上記移動手段により複数の流路に対し垂直方向に移動することにより、同時に異なる複数の液中試料の検出を行うことができるようにしてもよい。
【0117】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源及び検出光光源がハウジング内に一体的に収容されているので、マイクロ化学システムを小型化することができる。
【0118】
請求項2記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングは、励起光光源及び検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、励起光及び検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有するので、励起光及び検出光の光軸合わせを不要にし、また、温度や振動等の外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光の光軸を確実に位置決めでき、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させ且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0119】
請求項3記載のマイクロ化学システムによれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対して安定であり、また、マイクロ化学システムの構成を簡単にし且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0120】
請求項4記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングが、2波長合波素子の出射側に集光レンズを有するので、マイクロ化学システムの構成部品を少なくすることができ、もってマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0121】
請求項5記載のマイクロ化学システムによれば、ハウジングが2波長合波素子の出射側に備える結合レンズは、合波された励起光及び検出光を集光レンズに伝搬すべく光ファイバーを介して集光レンズに接続さているので、励起光及び検出光は、2波長合波素子にて合波された後に結合レンズにて光ファイバーへ入射され、光ファイバー内を集光レンズまで伝搬するので、励起光と検出光とは常に同軸になり、もって励起光及び検出光の光軸合わせが不要となる。また、外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光を集光レンズまで伝搬することができるので、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させ且つマイクロ化学システムを小型化することができる。
【0122】
請求項6記載のマイクロ化学システムによれば、光ファイバーは、励起光及び検出光をシングルモードで集光レンズに伝搬するので、励起光によって生成される熱レンズが収差の小さい小型の熱レンズとなり、マイクロ化学システムの測定感度を向上させることができる。
【0123】
請求項7記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズは板状部材に固定されているので、集光レンズの焦点位置の調整を不要とし、もって、マイクロ化学システムをより一層小型化することができる。
【0124】
請求項8記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズが流路付き板状部材上を移動するように構成されているので、流路付き板状部材の有する複数の流路の各々に包含された異なる試料を同時に検出することができる。
【0125】
請求項9記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源は、励起光の出力を変調する励起光出力変調装置を備えるので、励起光を変調するためのチョッパー等の装置が必要なく、もって、マイクロ化学システムをさらに小型化することができる。
【0126】
請求項10記載のマイクロ化学システムによれば、励起光光源及び検出光光源はレーザーダイオードであるので、励起光光源及び検出光光源を小型化することができ、励起光光源及び検出光光源を2波長合波素子の近傍に配設することができ、もって、マイクロ化学システムを一層小型化することができると共に、温度や振動等の外的変化による光軸のずれをなくして、測定の安定性を向上させることができる。
【0127】
請求項11記載のマイクロ化学システムによれば、励起光の周波数は検出光の周波数と異なり、集光レンズは色収差を有するので、励起光と検出光の焦点位置を外部の光学系を使用せずにずらすことができ、もってマイクロ化学システムの測定感度を向上させると共にマイクロ化学システムをさらに一層小型化することができる。
【0128】
請求項12記載のマイクロ化学システムによれば、集光レンズは屈折率分布型レンズであるので、集光レンズを小型化することができ、もってマイクロ化学システムをより一層小型化することができる。
【0129】
請求項13記載のマイクロ化学システムによれば、屈折率分布型レンズはロッドレンズであるので、容易に保持できると共に光ファイバーの光軸とロッドレンズの光軸とを容易に合わせることができる。
【0130】
請求項14記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、照射された励起光によって試料内に生成された熱レンズに集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、励起光光源及び検出光光源を一体的に収容するハウジングとを備えるので、マイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0131】
請求項15記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、ハウジングは、励起光光源及び検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、励起光及び検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有するので、励起光及び検出光の光軸合わせを不要とし、また、温度や振動等の外的変化の影響を受けずに励起光及び検出光の光軸を確実に位置決めでき、もって、マイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0132】
請求項16記載のマイクロ化学システム用光源ユニットによれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対し安定であり、また、マイクロ化学システム用光源ユニットの構成を簡単にし且つマイクロ化学システム用光源ユニットを小型化することができる。
【0133】
請求項17記載の光熱変換分光分析法によれば、励起光及び検出光を空間光で2波長合波素子に伝搬し、2波長合波素子により合波された励起光及び検出光を光ファイバーを介してシングルモードで集光レンズに伝搬するので、励起光と検出光が常に同軸となり、励起光と検出光の光軸の調整を不要にすることができる。
【0134】
請求項18記載の光熱変換分光分析法によれば、2波長合波素子は、励起光及び検出光の各波長に応じて励起光及び検出光を反射又は透過して励起光及び検出光を合波する誘電体多層膜フィルターから成るので、2波長合波素子での励起光及び検出光の光量の損失を低減し、長時間の使用に対して安定であり、また、測定の感度及び安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1の励起光光源用レーザーダイオード114及び検出光光源用レーザーダイオード115の概略構造を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ化学システムの概略構成を示す図である。
【図5】熱レンズの原理を説明するための図である。
【図6】励起光の光軸方向(Z方向)に関する熱レンズの形成位置と検出光の焦点位置を説明するための図であり、(a)は、対物レンズが色収差をもつ場合を示す図であり、(b)は、対物レンズが色収差をもたない場合を示す図である。
【図7】励起光の光軸(Z軸方向)に関する熱レンズの形成位置と検出光の焦点位置の説明図であり、(a)は、熱レンズが検出光の焦点位置よりも対物レンズ側に形成する場合を示す図であり、(b)は、熱レンズが検出光の焦点位置よりも遠方側に形成する場合を示す図である。
【図8】従来の光熱変換分光分析装置における熱レンズの屈折率の変化を検出する方法の説明図であり、検出光を光路の途中に凹レンズを入れて発散光とし、励起光の焦点距離位置よりも遠方に焦点位置がくるようにした場合を示す図である。
【符号の説明】
10,20,30 マイクロ化学システム
100 レンズ付き光ファイバー
101,402 屈折率分布型ロッドレンズ
102 光ファイバー
103 フェルール
104 チューブ
105 治具
110、301,401 光源ユニット
111 ハウジング
114 励起光光源用レーザーダイオード
115 検出光光源用レーザーダイオード
117 誘電体多層膜フィルター
118,119 コリメータレンズ
120 結合レンズ
130 流路付き板状部材
140 検出装置
302 固体レーザーユニット

Claims (18)

  1. 流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、前記照射された検出光を前記生成された熱レンズを介して検出する検出手段とを備えるマイクロ化学システムにおいて、前記励起光光源及び前記検出光光源を一体的に収容するハウジングを備えることを特徴とするマイクロ化学システム。
  2. 前記ハウジングは、前記励起光光源及び前記検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、前記励起光及び前記検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学システム。
  3. 前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする請求項2記載のマイクロ化学システム。
  4. 前記ハウジングは、前記2波長合波素子の出射側に前記集光レンズを有することを特徴とする請求項2又は3記載のマイクロ化学システム。
  5. 前記ハウジングは、前記2波長合波素子の出射側に結合レンズを備え、当該結合レンズは、前記合波された励起光及び検出光を前記集光レンズに伝搬すべく光ファイバーを介して前記集光レンズに接続されていることを特徴とする請求項2又は3記載のマイクロ化学システム。
  6. 前記光ファイバーは、前記励起光及び前記検出光をシングルモードで前記集光レンズに伝搬することを特徴とする請求項5記載のマイクロ化学システム。
  7. 前記集光レンズは前記板状部材に固定されていることを特徴とする請求項4乃至6いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  8. 前記集光レンズは前記流路付き板状部材上を移動するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至6いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  9. 前記励起光光源は、前記励起光の出力を変調する励起光出力変調装置を備えることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  10. 前記励起光光源及び前記検出光光源はレーザーダイオードであることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  11. 前記励起光の周波数は前記検出光の周波数と異なり、前記集光レンズは色収差を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  12. 前記集光レンズは屈折率分布型レンズであることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項に記載のマイクロ化学システム。
  13. 前記屈折率分布型レンズはロッドレンズであることを特徴とする請求項12記載のマイクロ化学システム。
  14. 流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射する励起光光源と、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射する検出光光源と、前記励起光光源及び前記検出光光源を一体的に収容するハウジングとを備えることを特徴とするマイクロ化学システム用光源ユニット。
  15. 前記ハウジングは、前記励起光光源及び前記検出光光源をそれらの各光軸が互いに交わるように収容すると共に、当該各光軸が交わる位置において、前記励起光及び前記検出光を同軸に合波する2波長合波素子を一体的に有することを特徴とする請求項14記載のマイクロ化学システム用光源ユニット。
  16. 前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする請求項15記載のマイクロ化学システム用光源ユニット。
  17. 流路付き板状部材に包含された試料に集光レンズを介して励起光を照射し、前記照射された励起光によって前記試料内に生成された熱レンズに前記集光レンズを介して検出光を照射し、前記照射された検出光を前記熱レンズを介して検出する光熱変換分光分析法において、前記励起光及び前記検出光を空間光で2波長合波素子に伝搬し、前記2波長合波素子により合波された前記励起光及び前記検出光を光ファイバーを介してシングルモードで前記集光レンズに伝搬することを特徴とする光熱変換分光分析法。
  18. 前記2波長合波素子は、前記励起光及び前記検出光の各波長に応じて前記励起光及び前記検出光を反射又は透過して前記励起光及び前記検出光を合波する誘電体多層膜フィルターから成ることを特徴とする請求項17記載の光熱変換分光分析法。
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