JP2004101184A - 車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法 - Google Patents

車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビークルダイナミクスコントロールシステム(VDCシステム)の仕様検討及び検証評価が、車両の完成を待つことなく効率的かつ確実に実施され、VDCシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる車両用VDCステムの開発支援装置及び開発支援方法を提供する。
【解決手段】車両用VDCシステムの開発支援装置において、リアルタイムシミュレータは、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用いたリアルタイムシミュレーションにより得られる適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とVDCシステムにより得られる適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを判断するシステム適合特性判断手段と、適合特性の差異が設定範囲内の場合、評価対象VDCシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段とを有する。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両運動シミュレーションを用いたビークルダイナミクスコントロールシステムの設計及び検証・評価方法に関し、特に、実機システムを検証・評価するリアルタイムシミュレータを用いた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のシミュレーション技術としては、特開2000−329657号公報に記載のものが知られている。この従来公報の段落
【0003】及び
【0004】には、車両挙動制御装置の制御品質を向上するにあたって、装置の制御により車両挙動が実際にどのように変化するかを、実験により確認する作業を繰り返す手間の削減を図るため、制御系CAEソフトを用いて、まずシミュレーションにより制御ロジックを検討し、これをそのまま実車のコントローラにダウンロードするもので、プロトタイプ(実験車両)の開発効率化に有効であることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来公報に記載されている技術は、車両挙動制御装置の制御ロジックを検討するために用いるシミュレーションに関するものであり、後述するように、例えば、新規開発車両に既存のビークルダイナミクスコントロールシステムの搭載を予定している場合、実験車両を用いることなくシミュレーションを利用し、その結果に基づき車両とシステムとの適合性を評価する開発支援技術について、従来公報には何ら開示されていない。
【0006】
すなわち、車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発は、車両諸元情報や車両の搭載されている各種機器の仕様情報を基に、おおまかにビークルダイナミクスコントロールシステムの機能・性能を机上にて検討し、ビークルダイナミクスコントロールシステムのベース仕様を試作する。この試作ビークルダイナミクスコントロールシステムを車両に搭載し、走行試験結果を基に、車両性能の作り込み及び機能検証を行っている。併せて、ベンチ試験にてビークルダイナミクスコントロールシステム単独での動作を確認し、仕様に対する機能の正しさを検証している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ビークルダイナミクスコントロールシステムを車両に搭載するための開発は、車両仕様や特性に対し、ビークルダイナミクスコントロールシステムの各パラメータを最適化する開発を行っている。この最適化は、実際の車両にビークルダイナミクスコントロールシステムを搭載し、実走行を繰り返し、ビークルダイナミクスコントロールシステムの性能・機能を検証・評価することから、新型車両の場合は、車両が完成した後からの開発着手となる。
【0008】
したがって、検証・評価した結果に基づく仕様変更や対策等が後追いになり、開発後半に検討・評価が集中し、開発が完了するタイミングが遅く、実際の車両生産が開始される直前となってしまう。ともすれば、製造工程の変更を必要とする設計変更、例えば、システム機能追加によるビークルダイナミクスコントロールシステムへの入力信号の増加等により製造コスト増や製造遅れに至る。
【0009】
また、実車走行に基づく開発は、車両へ計測器等を設定するための準備工数や繰り返し走行するための走行に時間がかかる。特に、繰り返し走行においては、ドライバーの運転操作技量や走行路面状態により、ビークルダイナミクスコントロールシステムに与える入力条件の再現性がバラツクことから、評価条件の精度を補うために、繰り返し走行数が増し、開発工数を増大させるという悪循環を伴う場合もある。
【0010】
さらに、長期にわたり実験車両を使用することから、ビークルダイナミクスコントロールシステムを開発するための試作開発費も増加する。
【0011】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、ビークルダイナミクスコントロールシステムの仕様検討及び検証評価が、車両の完成を待つことなく効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、車両モデルを用い、ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータを備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、前記リアルタイムシミュレータは、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用いたリアルタイムシミュレーションにより得られる適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムにより得られる適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手段と、適合特性の差異が設定範囲内である場合、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段と、を有する。
【0013】
ここで、「バーチャル車両モデル」とは、設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築することでリアルタイムに車両動作を再現する車両モデルをいう。
【0014】
「適合特性」とは、ビークルダイナミクスコントロールシステム動作をあらわすシステム適合特性(例えば、車両スリップ角、車両スリップ角変動幅)や、ビークルダイナミクスコントロールシステム動作による車両挙動をあらわす車両適合特性(例えば、車両スリップ角ヒステリシス)をいう。
【0015】
「マスターデータ出力手段」は、バーチャル車両モデルを用いたシミュレーションにより適合特性のマスターデータを出力する手段であっても、また、実車を用いた試験により適合特性のマスターデータを出力する手段であっても良い。
【0016】
【発明の効果】
よって、本発明にあっては、部品設計特性により各パラメータを構築したバーチャル車両モデルを用い、ビークルダイナミクスコントロールシステムの演算時間で計算できるリアルタイムシミュレータ上で、シミュレーションを実行し、このシミュレーション実行により得られるシミュレーションデータと、開発が完了していて予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムのマスターデータとを比較検証するようにしたため、ビークルダイナミクスコントロールシステムの仕様検討及び検証評価が、車両の完成を待つことなく効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法を実現する実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置を示すハードウェア及びソフトウェアの構成図、図2は第1実施例の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置で実行される評価処理の流れ概要図である。
この第1実施例は、ガソリンエンジン+2WD(FR車)の開発予定車両(評価対象車両)と、既に車両に搭載されているビークルダイナミクスコントロールシステム(評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステム)とを用い、開発支援のためにシステム適合評価を行った例である。
【0019】
なお、以下の文章中で用いる「VDC」はビークルダイナミクスコントロールシステム(Vehicle Dynamics Control System)の略称であり、「TCS」はトラクションコントロールシステム(Traction Control System)の略称であり、「ABS」はアンチロックブレーキシステム(Anti−lock Brake System)の略称である。
【0020】
図1において、1はパーソナルコンピュータ(バーチャル車両モデル設定手段)、2はリアルタイムシミュレータ、3は入出力ボックス、4はVDC/TCS/ABSコントロールユニット、5はマスタシリンダ、6はVDC/TCS/ABSアクチュエータ、7は第1ホイールシリンダ、8は第2ホイールシリンダ、9は第3ホイールシリンダ、10は第4ホイールシリンダ、11はブレーキ踏力発生装置、12はブースタ、13は第1ホイールシリンダ圧センサ、14は第2ホイールシリンダ圧センサ、15は第3ホイールシリンダ圧センサ、16は第4ホイールシリンダ圧センサである。
【0021】
前記パーソナルコンピュータ1には、ソフトウェアとして、評価プログラム、バーチャル車両モデル(ACSYS)、マトラボ/シムリンク(以下、MATLAB/simulink)、ウィンドウズ(登録商標)等が設定されている。
【0022】
前記評価プログラムは、車両性能・機能とビークルダイナミクスコントロールシステム動作を特定のデータにて代用する代用特性化すると共に、予めシステム適合性が評価されている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムによるマスターデータと、評価しようとする開発予定車両とビークルダイナミクスコントロールシステムによる評価対象システムデータとの比較により、開発予定車両とビークルダイナミクスコントロールシステムとの適合性を評価するプログラムである。つまり、図2に示すように、開発予定車両のバーチャル車両モデルと既存車両のバーチャル車両モデルとを用いたシミュレーションをそれぞれ実行し、このシミュレーション実行によりデータベースを蓄積し、データベースが必要量蓄積されると、これを代用特性化してそれぞれの特性について2つの比較データとし、この比較データを用いてシステム適合性の評価・判断を行うプログラムである。
【0023】
前記バーチャル車両モデルは、設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築することでリアルタイムに車両動作を再現する車両モデルである。このバーチャル車両モデルは、例えば、操縦安定性・乗り心地の解析評価用に活用している車両モデル(サスペンション・ステアリング・シャシー等を要素モデルとして設定)に対し、車両運動制御システム開発専用に、エンジン・ドライブトレイン・ブレーキ及びタイヤの各要素モデルを追加し、各要素モデルに必要な特性値を入力することで設定される。なお、バーチャル車両モデルは、各要素モデルをスイッチにより選択可能であり、シミュレーションの実行時に必要なモデル(マスターデータを得る既存車両モデルと評価対象システムデータを得る開発予定車両モデル)を得るように各要素モデルが切り替えられる。
【0024】
前記MATLAB/simulinkは、汎用モデリングプログラムであり、車両のモデリングおよび各種環境設定に用いられる。
【0025】
前記リアルタイムシミュレータ2は、パーソナルコンピュータ1にPPCで動作する形式によりコンパイルされているバーチャル車両モデルをダウンロードし、刻み時間1msによりリアルタイムでシミュレーションを実行する。例えば、VDCが作動するレーンチェンジ時や旋回時のバーチャル車両モデルの動きは、ドライバーのハンドル操舵角を入力すると、このハンドル操作角が各輪の実舵角に変換され、タイヤに伝達される。
【0026】
前記入出力ボックス3は、VDC/TCS/ABSコントロールユニット4の起動に必要な車輪速、ヨーレート、横加速度、舵角の各センサ信号(バーチャル車両モデルを基にリアルタイムシミュレータ2で計算された値)を、D/Aボードを介しアナログ信号として、または、CANボードを介してCAN信号としてVDC/TCS/ABSコントロールユニット4に入力する。なお、第1実施例でのブレーキ液圧系は、実ユニットを使用しているため、圧力は圧力センサ値をそのまま入力する。車輪速、ヨーレート、横加速度、圧力の各センサ値は1ms毎、舵角センサ値は10ms毎にVDC/TCS/ABSコントロールユニット4に入力される。また、システムが正常に作動しているかどうかは、警告灯が点灯しているか否かで判断する。
【0027】
前記VDC/TCS/ABSコントロールユニット4は、後述するように実機として搭載されているユニットであって、入出力ボックス3からのセンサ信号を受け、VDC/TCS/ABSアクチュエータ6を駆動制御する。
【0028】
前記マスタシリンダ5とVDC/TCS/ABSアクチュエータ6と第1ホイールシリンダ7と第2ホイールシリンダ8と第3ホイールシリンダ9と第4ホイールシリンダ10は、後述するように実機として搭載されている実ブレーキ液圧ユニットである。
【0029】
前記第1ホイールシリンダ7の上流位置には第1ホイールシリンダ圧センサ13が設けられ、第2ホイールシリンダ8の上流位置には第2ホイールシリンダ圧センサ14が設けられ、第3ホイールシリンダ9の上流位置には第3ホイールシリンダ圧センサ15が設けられ、第4ホイールシリンダ10の上流位置には第4ホイールシリンダ圧センサ16が設けられ、それぞれホイールシリンダ圧を検出し、その検出値を入出力ボックス3に送出する。
【0030】
図3は実車に搭載されたビークルダイナミクスコントロールシステムを示す図である。図3において、4はVDC/TCS/ABSコントロールユニット、5はマスタシリンダ、6はVDC/TCS/ABSアクチュエータ、12はブースタ、17は右前輪回転センサ、18は左前輪回転センサ、19は右後輪回転センサ、20は左後輪回転センサ、21は圧力センサ、22はヨーレート/横Gセンサ、23は舵角センサ、24はVDCオフスイッチ、25はVDCオフ表示灯、26はスリップ表示灯、27はABS警告灯である。
【0031】
ビークルダイナミクスコントロールシステムは、例えば、滑りやすい路面でのレーンチェンジ時や旋回時に、車両の横滑りを4輪独立のブレーキ制御により軽減し、これにより制動・発進・旋回性能を高度に両立させ、走行安定性の向上を図るシステムである。
【0032】
図4はブレーキ液圧制御系を示す図で、図4において、28はブレーキペダル、12はブースタ、5はマスタシリンダ、6はVDC/TCS/ABSアクチュエータ、7は前輪左ホイールシリンダ、8は前輪右ホイールシリンダ、9は後輪左ホイールシリンダ、10は後輪右ホイールシリンダである。
【0033】
前記VDC/TCS/ABSアクチュエータ6は、図4に示すように、マスタシリンダ5と各ホイールシリンダ7,8,9,10との間に装着され、1個のモータ6aと、1個のポンプ6bと、2個のリザーバ6cと、2個のインレットバルブ6dと、2個のアウトレットバルブ6eと、2個のダンパー室6fと、4個のアウトレットソレノイドバルブ6gと、4個のインレットソレノイドバルブ6hと、4個のリターンチェックバルブ6iと、2個のフロントVDC切換バルブ6jと、2個のチェックバルブ6kと、2個のリアVDC切換バルブ6mと、2個のチェックバルブ6とを有する。
【0034】
このVDC/TCS/ABSアクチュエータ6は、VDC/TCS/ABSコントロールユニット4からの信号により各ソレノイドバルブ6g,6h,6j,6mを切り換え、各ホイールシリンダ7,8,9,10の液圧を制御する。このブレーキ液圧制御は、通常ブレーキモード、保持モード(VDC作動中)、減圧モード(VDC作動中)、増圧モード(VDC作動中)により行われる。
【0035】
VDC制御は、舵角センサ18、圧力センサ9がドライバーのステアリング操作量、ブレーキ操作量を検出し、併せて、ヨーレート/横Gセンサ17や各車輪回転センサ13,14,15,16等から送られてくる情報により車両の走行状態(例えば、アンダーステアの程度、オーバーステアの程度)を判断する。そして、走行状態の判断により、車両がアンダーステア傾向の場合やオーバーステア傾向の場合には、4輪ブレーキ制御(必要に応じてエンジン出力制御を併用)により車両の安定性を向上させる。
【0036】
例えば、図5に示すように、滑りやすい路面でのレーンチェンジ時において、オーバーステア傾向が大きいと判断されると、その程度に応じてエンジン出力を制御すると共に4輪のブレーキ力を制御し、オーバーステア抑制モーメントを発生させて、オーバーステア傾向を軽減する。ここで、オーバーステア抑制モーメント(オーバーステアを抑制する力)は、旋回外輪側の前輪と後輪とにブレーキ力を与えることで発生する。
【0037】
また、図6に示すように、滑りやすい路面での旋回時において、アンダーステア傾向が大きいと判断されると、その程度に応じて4輪のブレーキ力を制御し、アンダーステア抑制モーメントを発生させて、アンダーステア傾向を軽減する。ここで、アンダーステア抑制モーメント(アンダーステアを抑制する力)は、旋回内輪側の後輪にブレーキ力を与えることで発生する。
【0038】
つまり、VDC機能とは、滑りやすい路面でのレーンチェンジ時や旋回時において、ヨーレート/横Gセンサ17や各車輪回転センサ13,14,15,16等の情報による車両の横滑り量を、舵角センサ18、圧力センサ9等の情報から得られるドライバーのステアリング操作量、ブレーキ操作量による目標滑り量に一致させる機能をいう。
【0039】
次に、作用を説明する。
【0040】
[シミュレーション処理]
図7はリアルタイムシミュレータ2にて実行されるシミュレーション処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、バーチャル車両モデルとして、既存車両モデルと開発予定車両モデルとを用意し、両車両モデルを切り替えてそれぞれについて実行される。
【0041】
ステップS1〜ステップS4は、シミュレータハードウェアの初期化ステップである。ステップS1では、MATLAB/simulink上の変数を全てクリアし、車両モデルのダウンロードを実施する。ステップS2では、シミュレータ供試品名と各種条件(路面μ等)を設定する。ステップS3では、各種アドレスを取得する。ステップS4では、simStateを初期設定し、シミュレータをスタンバイ状態とする。
【0042】
ステップS5では、測定前にフェール等のエラーは無いか否かのシステム状態(シミュレーションシステム状態及びVDC/TCS/ABSシステム状態)をチェックし、システム状態にエラーがある場合には、ステップS6へ移行してシミュレーション実験を中止する。また、システム状態が正常である場合には、ステップS7へ移行する。
【0043】
ステップS7〜ステップS10は、シミュレーション実験の条件設定ステップである。ステップS7では、路面μの数値を書き込み、路面コードを取得すると共に、変数タイトル1にファイル名用タイトルを書き込む。ステップS8では、目標初速を書き込むと共に、変数タイトル2にファイル名用タイトルを書き込む。ステップS9では、測定回数を決定し、変数タイトル4にファイル名用タイトルを書き込む。ステップS10では、各種条件(路面μと初速)を書き込む。
【0044】
ステップS11〜ステップS14は、シミュレーション実験の立ち上げステップである。ステップS11では、車体速とHU(ハイドロユニット=ブレーキ液圧ユニット)の温度を読み込む。ステップS12では、simStateにシミュレーション開始条件を設定する。ステップS13では、データトリガー待ち状態にする。ステップS14では、測定情報をパーソナルコンピュータ1の画面に表示する。
【0045】
ステップS15〜ステップS19は、シミュレーション実行ステップである。ステップS15では、ハイドロユニットの温度が問題ないか否かが判断され、例えば、100℃以下であれば問題ないとしてステップS17へ移行し、100℃を超えていれば問題ありとしてステップS16へ移行し、自動待機する。ステップS17では、変数startに1を書き込み、車両モデルの加速を開始させる。ステップS18では、車両モデルの加速を開始した後、VDCが作動するブレーキ圧の入力を行うと共に、レーンチェンジコースや旋回コースを通過したか否かの判断を行い、コースを通過するまでデータの収集を継続する。ステップS19では、ステップS18でコースを通過したと判断されるとデータ収集を終了させる。
【0046】
ステップS20〜ステップS22は、データ収集ステップである。ステップS20では、車輪速スリップ量等の各種データを読み込み、n=3回までの平均値を求める。ステップS21では、取得データをファイルに保存する。ステップS22では、繰り返し回数を含めた総測定回数を求める。
【0047】
ステップS23〜ステップS26は、シミュレーション実行の繰り返し判断ステップである。ステップS23では、測定後にフェール等のエラーが無いか否かが判断され、測定後にエラーの発生が無い場合にはステップS24へ移行し、測定後にエラーが発生した場合には、ステップS6へ移行してシミュレーション実験が中止される。ステップS24では、同じ条件下で3回のシミュレーションが実行されたか否かが判断され、NOの場合はステップS9へ移行してシミュレーションが実行され、YESの場合はステップS38へ移行する。ステップS25では、車速条件(目標車速)は全条件終了したか否かが判断され、NOの場合はステップS8へ移行し車速条件を変更してシミュレーションが繰り返し実行され、YESの場合はステップS26へ移行する。ステップS26では、路面条件(路面μ)は終了したか否かが判断され、NOの場合はステップS7へ移行し路面条件を変更してシミュレーションが繰り返し実行され、YESの場合はステップS27へ移行する。例えば、路面条件を高μ路と低μ路とし、車速条件を高速時と低速時とした場合、路面条件と車速条件の4つの組み合わせについて、それぞれ3回のシミュレーションが実行されることになる。
【0048】
ステップS27〜ステップS31は、データ後処理ステップである。ステップS27では、一覧作成用の変数をファイル名を付け保存する。ステップS28では、エラー確認結果一覧表を作成する。ステップS29では、取得データの置き換えを実施する。ステップS30では、結果一覧表を作成する。ステップS31では、実行したシミュレーション結果の一覧表のプリントアウトを行う。
【0049】
ステップS32〜ステップS34は、システム適合評価を実施するか否かの判断ステップである。ステップS32では、フェール判断により実験を中断したか否かを判断し、NOの場合はステップS34へ移行し、YESの場合はステップS33へ移行し、エラーメッセージをパーソナルコンピュータ1の画面に表示してシミュレーション実行を終了する。ステップS34では、マスターデータとの比較を行うか否かが判断され、条件設定時にマスターデータとの比較が選択されていた場合にはステップS35へ移行すると共に、図8に示すマスターデータとの比較によるシステム適合評価処理(サブルーチン)に移行する。また、条件設定時にマスターデータとの比較が選択されていない場合には終了する。
【0050】
ステップS35及びステップS36は、シミュレーションのアウトプット処理である。ステップS35では、マスターデータの読み込みを行うと共に、マスターデータと実行したシミュレーション結果とを比較判断する。ステップS36では、マスターデータとの比較結果一覧表を印刷する。
【0051】
[システム適合評価処理]
図8はリアルタイムシミュレータ2にて実行されるシステム適合評価処理の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
【0052】
ステップS40では、シミュレーション実行により蓄積されたデータベースに基づき、マスターデータである車両スリップ角A、車両スリップ角変動幅B、車両スリップ角ヒステリシスCがそれぞれ算出され、ステップS41へ移行する(マスターデータ出力手段)。
【0053】
ここで、マスターデータのうち、車両スリップ角A、車両スリップ角変動幅Bは、システム適合評価のための代用特性マスターデータとして用い、車両スリップ角ヒステリシスCは、車両適合評価のための代用特性マスターデータとして用いる。なお、車両スリップ角Aの算出方法は、後述するステップS41と同様であり、車両スリップ角変動幅Bの算出方法は、後述するステップS43と同様であり、車両スリップ角ヒステリシスCの算出方法は、後述するステップS47と同様である。また、「車両スリップ角」とは、旋回状態にある車両を上からみたとき、車両進行方向と車両中心線の向きとのなす角度のことをいう。
【0054】
ステップS41では、図7のフローチャートにしたがったシミュレーション実行により蓄積されたデータベースに基づき、車両スリップ角aを求める車両スリップ角算出処理が実行され、ステップS42へ移行する(評価対象システムシミュレーション手段)。
【0055】
ここで、車両スリップ角aは、図9を低μ路でのレーンチェンジという走行条件によるシミュレーション実行により取得したスリップ角データ例とした場合、まず、前車軸スリップ角最大点(f1,r1)と、後車軸スリップ角最大点(f2,r2)と、前車軸スリップ角最小点(f3,r3)と、後車軸スリップ角最小点(f4,r4)を求める。そして、これらの点座標に基づいて、後車軸スリップ角変動幅arをar=r2−r4の式により求め、前車軸スリップ角変動幅afをaf=f1−f3の式により求め、後車軸スリップ角変動幅arに対する前車軸スリップ角変動幅afの比を示す下記の式により車両スリップ角aを算出する。
a=af/ar=(f1−f3)/(r2−r4)
ステップS42では、車両スリップ角aが車両スリップ角Aに対し設定値±αによる設定範囲内であるか否かが判断され、YESの場合はステップS43へ移行し、NOの場合はステップS46へ移行する(システム適合特性判断手段、第1の判断ステップ)。ここで、設定値±αは、例えば、マスターデータである車両スリップ角Aの±50%の値とする。
【0056】
ステップS43では、図7のフローチャートにしたがったシミュレーション実行により蓄積されたデータベースに基づき、車両スリップ角変動幅bを求める車両スリップ角変動幅算出処理が実行され、ステップS44へ移行する(評価対象システムシミュレーション手段)。
【0057】
ここで、車両スリップ角変動幅bは、図9を低μ路でのレーンチェンジという走行条件によるシミュレーション実行により取得したスリップ角データ例とした場合、後車軸スリップ角変動幅arと前車軸スリップ角変動幅afとの平方根による下記の式、
b=√(ar)+(af)
により算出される。
【0058】
ステップS44では、車両スリップ角変動幅bが車両スリップ角変動幅Bに対し設定値±αによる設定範囲内であるか否かが判断され、YESの場合はステップS45へ移行し、NOの場合はステップS46へ移行する(システム適合特性判断手段、第2の判断ステップ)。ここで、設定値±αは、例えば、マスターデータである車両スリップ角変動幅Bの±50%の値とする。
【0059】
ステップS45では、ステップS42の車両スリップ角条件と、ステップS44の車両スリップ角変動幅条件とが成立した場合、システム適合評価フラグF1がF1=X1に設定され、ステップS47へ移行する(請求項1,2,3のシステム適合評価手段)。
【0060】
ステップS46では、ステップS42の車両スリップ角条件と、ステップS44の車両スリップ角変動幅条件とのうち何れか1つの条件でも成立しない場合、システム適合評価フラグF1がF1=X2に設定され、ステップS47へ移行する(請求項1,2,3のシステム適合評価手段)。
【0061】
ステップS47では、図7のフローチャートにしたがったシミュレーション実行により蓄積されたデータベースに基づき、車両スリップ角ヒステリシスcを求める車両スリップ角ヒステリシス算出処理が実行され、ステップS48へ移行する(評価対象システムシミュレーション手段)。
【0062】
ここで、車両スリップ角ヒステリシスcは、図9を低μ路でのレーンチェンジという走行条件によるシミュレーション実行により取得したスリップ角データ例とした場合、後車軸スリップ角がゼロ軸上のスリップ角特性交点のうち、前輪軸スリップ角の負値との交点の座標(f5,0)を求め、下記の式、
c=−f5
により算出される。
【0063】
ステップS48では、車両スリップ角ヒステリシスcが車両スリップ角ヒステリシスCに対し設定値±αによる設定範囲内であるか否かが判断され、YESの場合はステップS49へ移行し、NOの場合はステップS50へ移行する(車両適合特性判断手段、第3の判断ステップ)。ここで、設定値±αは、例えば、マスターデータである車両スリップ角ヒステリシスCの±50%の値とする。
【0064】
ステップS49では、ステップS48の車両スリップ角ヒステリシス条件が成立した場合、車両適合評価フラグF2がF2=Y1に設定され、ステップS51へ移行する(請求項4,5,6のシステム適合評価手段)。
【0065】
ステップS50では、ステップS48の車両スリップ角ヒステリシス条件が成立しない場合、車両適合評価フラグF2がF2=Y2に設定され、ステップS51へ移行する(請求項4,5,6のシステム適合評価手段)。
【0066】
ステップS51では、F1=X1かつF2=Y1、または、F1=X2かつF2=Y1、であるか否かが判断され、YESの場合はステップS52へ移行し、NOの場合はステップS53へ移行する。
【0067】
ステップS52では、評価対象車両とビークルダイナミクスコントロールシステムとが適合するという評価結果を設定する(請求項7,8,9のシステム適合評価手段)。
【0068】
ステップS53では、評価対象車両とビークルダイナミクスコントロールシステムとが適合しない評価結果を設定する(請求項7,8,9のシステム適合評価手段)。
【0069】
ステップS54では、全検証項目が終了したか否かが判断され、YESの場合はステップS55へ移行し、NOの場合はステップS41へ移行する。
【0070】
ステップS55では、評価対象車両とビークルダイナミクスコントロールシステムとの適合可否の評価結果をレポート出力する。
【0071】
[VDC開発支援作用]
以上、説明してきたVDC開発用シミュレータの特徴としては、「バーチャル車両モデルを用いたシミュレーション実行」と「マスター比較型評価手法」と「VDC機能の代用特性化」と「システム適合評価の自動判断」との四点が挙げられる。以下、それぞれについてのVDC開発支援作用を説明する。
【0072】
・バーチャル車両モデルを用いたシミュレーション実行
バーチャル車両モデルとは、実際の設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築し、リアルタイムに車両動作を再現する車両モデルである。
【0073】
このバーチャル車両モデルは、基本的に設定パラメータを部品設計特性から構築しており、車両開発プロセスにリンクして各パラメータが設定される。開発予定車両への適用において、車両モデルの供給タイミングが重要となることから、精度と運用に重点をおいた車両モデルとしている。このバーチャル車両モデル精度は、評価対象システムの要求機能から、低μ路での車両挙動を非線形域まで表現できるレベルを目指すことで、実車テストに置き換えることができるレベルの精度を得ている。
【0074】
よって、図7に示すフローチャートにしたがって、バーチャル車両モデルを用いたシミュレーションを実行することで、従来の設計プロセス・設計手法を踏襲したまま、実車実験無しで同等のシステム開発を実現することができる。
【0075】
・マスター比較型評価手法
現状のVDC機能評価は、実車を用い、VDC機能を各々プログラム化したものが、仕様通りに動くかどうかを、プログラムの実行毎にその動きを確認することで行っていた。このためVDC機能を評価するのに、例えば3ヶ月という長期間を要していた。
【0076】
これに対し、図7にしたがって開発予定車両(評価対象車両)と既存車両のバーチャル車両モデルを用いてそれぞれシミュレーションを実行し、そして、図8にしたがってVDC機能を代用特性化すると共に、従来実績ユニットとの同等性比較を行うことで、非常に短時間でのシステム機能評価を達成しながら、高い評価品質を確保することができる。
【0077】
・VDC機能の代用特性化
VDC機能とは、滑りやすい路面でのレーンチェンジ時や旋回時において、車両の実横滑り量を、ドライバー操作により判断される目標滑り量に一致させる機能をいう。このため、ビークルダイナミクスコントロールシステムのシステム動作により車両の実横滑り量が目標滑り量に一致するように適切な制動力が付与されているかどうかは、その全体形状の傾きや傾き方向の大きさが車両の実横滑り量の変化状況をあらわすスリップ角特性を監視することにより判別することができる。よって、システム動作の適合評価を行うためにスリップ角特性(車両スリップ角、車両スリップ角変動幅)を代用特性として監視している。
【0078】
まず、図9によりレーンチェンジ時のスリップ角特性について説明すると、レーンチェンジ開始から座標点(f1,r1)までは、一方向へのハンドル操作により前車軸スリップ角と後車軸スリップ角が共にハンドル操作方向に大きくなり、座標点(f1,r1)から座標点(f2,r2)までは、ハンドル操作の停止により前車軸スリップ角が低下し、座標点(f2,r2)から座標点(f3,r3)までは、前車軸スリップ角と後車軸スリップ角が共に低下し、座標点(f3,r3)から座標点(f4,r4)までは、ハンドルの切り戻し操作により前車軸スリップ角が上昇し、座標点(f4,r4)からレーンチェンジの終了にかけては、前車軸スリップ角と後車軸スリップ角が共にハンドル戻し操作方向に大きくなる。
【0079】
すなわち、後車軸スリップ角変動幅arに対する前車軸スリップ角変動幅afの比である車両スリップ角aは、レーンチェンジ時における前輪と後輪の回頭性バランスを意味し、この車両スリップ角aが所定の範囲内であればVDCのシステム動作がうまく機能しているといえる。また、後車軸スリップ角変動幅arと前車軸スリップ角変動幅afとの平方根である車両スリップ角変動幅bは、レーンチェンジ時の車両の回頭性能を意味し、この車両スリップ角変動幅bが所定の範囲内であればVDCのシステム動作が実績ユニットと同様に機能しているといえる。また、表現を換えれば、車両スリップ角特性を、図形の傾き(車両スリップ角)、図形の長さ(車両スリップ角変動幅)、図形の幅(車両スリップ角ヒステリシス)に置き換えて、その形状をマスターデータと比較して適合性を評価していることになる。
【0080】
よって、車両スリップ角aが実績ユニット比較値(A±α)の範囲内で、車両スリップ角変動幅bが実績ユニット比較値(B±α)の範囲内であると判断される場合、制動力によるVDC機能がうまく作動しているということができ、図8のフローチャートにおいて、ステップS40→ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45へと進み、ステップS45では、システム適合評価フラグF1がF1=X1に設定される。
【0081】
VDCを搭載した車両運動機能の場合、VDC作動を開始した場合にドライバー操作に対応する横滑り量による車両の旋回挙動が達成されているかどうかにより決まる。よって、車両適合評価を行うために車両スリップ角ヒステリシスを代用特性として監視している。
【0082】
すなわち、図9によりレーンチェンジ時のスリップ角特性において、座標点(f2,r2)から座標点(f3,r3)までは、前車軸スリップ角と後車軸スリップ角が共に低下する特性を示し、この特性線と後車軸スリップ角のゼロ軸線との交点座標(f5,0)による車両スリップ角ヒステリシスcは、大きいほど車両回頭性が低くアンダーステア傾向を示し、小さいほど車両回頭性が高くオーバーステア傾向を示す。
【0083】
ちなみに、図9を低μ路でのレーンチェンジという走行条件によるシミュレーション実行により取得したスリップ角特性のマスターデータとした場合、図10に示すスリップ角特性のシミュレーションデータは、図9のマスターデータの車両スリップ角ヒステリシスCと比較すると、小さい車両スリップ角ヒステリシスcにて旋回していることが確認でき、車両側の負担も小さく、マスターデータと比較した場合、車両適合であるという評価受ける例である。但し、車両スリップ角ヒステリシスcが小さすぎると、車両はオーバステア傾向となり、車両として適合するとはいえない。
【0084】
一方、図11に示すスリップ角特性のシミュレーションデータは、図9のマスターデータの車両スリップ角ヒステリシスCと比較すると、大きい車両スリップ角ヒステリシスcにて旋回していることが確認できる。つまり、大きな舵角を与えないと旋回しないということであり、車両側の負担も大きく、マスターデータと比較した場合、車両不適合であるという評価受ける例である。
【0085】
よって、車両スリップ角ヒステリシスcが実績ユニット比較値(C±α)の範囲内であると判断された場合、ドライバー操作に対応する横滑り量による車両の旋回挙動を達成しているということができ、図8のフローチャートにおいて、ステップS47→ステップS48→ステップS49へと進み、ステップS49では、車両適合評価フラグF2がF2=Y1に設定される。
【0086】
・システム適合評価の自動判断
上記のように、システム適合評価を行うためにスリップ角特性(車両スリップ角、車両スリップ角変動幅)を代用特性として監視し、車両適合評価を行うために車両スリップ角特性(車両スリップ角ヒステリシス)を代用特性として監視することで、自動判断が可能になり、評価効率向上を実現することができる。
【0087】
すなわち、システム適合性の評価特性を、システム適合特性(システム動作)と車両適合特性(車両性能・機能)の2つとし、この2つのマトリックスで、適合達成度が評価可能となる。基本的には、図12に示すように、4象限で達成度が示される。
【0088】
システム適合評価は、車両適合特性が比較対象と同一であれば、システム適合特性が比較対象と同一でも異なっても、図8のフローチャートにおいて、ステップS51からステップS52へ進み、システム適合評価としてOK判断となり、ビークルダイナミクスコントロールシステムを新たな車両へ適合させるための適合開発は完了となる。ここで、F1=X1かつF2=Y1である▲1▼の場合は比較対象と同等であることでOK判断となり、F1=X2かつF2=Y1である▲2▼の場合は車両に対しシステムが適正にモディファイされ適合完了ということでOK判断となる。
【0089】
また、システム適合特性が同じで、且つ、車両適合特性が異なる場合には、図8のフローチャートにおいて、ステップS51からステップS53へ進み、システム適合評価としてNG判断となる。ここで、F1=X1かつF2=Y2である▲3▼の場合は、VDCをモディファイすること無くVDCを搭載できないというNG判断となる。この場合、例えば、システム適合作業(パラメータの変更等)を実施し、再度、シミュレーションを実行すると共に評価を実施することになる。
【0090】
さらに、システム適合特性と車両適合特性が共に比較対象と異なる場合には、図8のフローチャートにおいて、ステップS51からステップS53へ進み、システム適合評価としてNG判断となる。ここで、F1=X2かつF2=Y2である▲4▼の場合は、システム−車両が不適合で、車両適合特性が同一となるまで、モディファイの継続が必要なNG判断となる。この場合、例えば、システム適合作業(パラメータの変更等)を実施し、再度、シミュレーションを実行すると共に評価を実施する。同様の作業ループを3回実施しても改善しない場合には、車両側の部品特性(例えば、タイヤ、サスペンション、エンジン、トランスミッション等の車両側の部品特性)を変更し、再度、シミュレーションを実行すると共に評価を実施することになる。
【0091】
次に、効果を説明する。
第1実施例の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0092】
(1) 車両モデルを用い、ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータ2を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、前記リアルタイムシミュレータ2は、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用いたリアルタイムシミュレーションにより得られるシステム適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムにより得られるシステム適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、システム適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手段と、システム適合特性の差異が設定範囲内である場合、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段と、を有する構成としたため、ビークルダイナミクスコントロールシステムのシステム適合評価が、車両の完成を待つことなく効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる。
【0093】
(2) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性をシステム適合特性とするデータを出力し、前記システム適合特性判断手段は、スリップ角特性マスターデータとスリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するようにしたため、スリップ角特性によりビークルダイナミクスコントロールシステムの動作を精度良く把握したシステム適合評価を達成することができる。
【0094】
(3) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性により算出される車両スリップ角a,A、車両スリップ角変動幅b,Bをシステム適合特性の比較データとして出力し、前記システム適合特性判断手段は、車両スリップ角aが比較値(A±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS42と、車両スリップ角変動幅bが比較値(B±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS44と、を有し、前記システム適合評価手段は、ステップS42とステップS44とでYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価してシステム適合評価フラグF1をF1=X1に設定するようにしたため、車両スリップ角と車両スリップ角変動幅により、ドライバー操作による目標横滑り量に実滑り量を一致させるというVDC機能が実績ユニットと同等なとと特性を実現している場合にシステム適合であるという評価を与えることができる。
【0095】
(4) 車両モデルを用い、ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータ2を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、前記リアルタイムシミュレータ2は、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用いたリアルタイムシミュレーションにより得られる車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムにより得られる車両適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、車両適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手段と、車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段と、を有する構成としたため、ビークルダイナミクスコントロールシステムを搭載が予定されている車両の車両適合評価が、車両の完成を待つことなく効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる。
【0096】
(5) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる車両の車両スリップ角特性を車両適合特性とするデータを出力し、前記車両特性適合判断手段は、車両スリップ角特性マスターデータと車両スリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するようにしたため、車両スリップ角特性によりビークルダイナミクスコントロールシステム作動時の車両旋回挙動を精度良く把握した車両適合評価を達成することができる。
【0097】
(6) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる車両の車両スリップ角特性により算出される車両スリップ角ヒステリシスc,Cを車両適合特性とするデータを出力し、前記車両特性適合判断手段は、車両スリップ角ヒステリシスdが比較値(C±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS48を有し、前記システム適合評価手段は、ステップS48でYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価して車両適合評価フラグF2をF2=Y1に設定するようにしたため、ビークルダイナミクスコントロールシステムの作動によりニュートラルステアに近い旋回挙動となっている場合に車両適合であるという評価を与えることができる。
【0098】
(7) 車両モデルを用い、ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータ2を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、前記リアルタイムシミュレータ2は、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用いたリアルタイムシミュレーションにより得られるシステム適合特性と車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムにより得られるシステム適合特性と車両適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、システム適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手段と、車両適合特性のシミュレーションデータとマスターデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手段と、車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、かつ、システム適合特性の差異が設定範囲外である場合は、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合したモディファイが完了したと評価するシステム適合評価手段と、を有する構成としたため、車両側から見た評価判断とシステム側から見た評価判断とを用いることにより、システム側のモディファイの妥当性を検証することができるので、車両とビークルダイナミクスコントロールシステムの適合評価が、車両の完成を待つことなく、精度良くかつ効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる。
【0099】
(8) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性をシステム適合特性とし、システム動作により時系列で得られる車両スリップ角特性を車両適合特性とするデータを出力し、前記システム適合特性判断手段は、スリップ角特性マスターデータとスリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断し、前記車両適合特性判断手段は、車両スリップ角特性マスターデータと車両スリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断するようにしたため、スリップ角特性によりビークルダイナミクスコントロールシステムの動作を精度良く把握したシステム適合評価を達成することができると共に、車両の車両スリップ角特性によりビークルダイナミクスコントロールシステム作動時の車両挙動を精度良く把握した車両適合評価を達成することができる。
【0100】
(9) 前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性により算出される車両スリップ角a,A、車両スリップ角変動幅b,Bをシステム適合特性とするデータを出力すると共に、システム動作により時系列で得られる車両スリップ角特性により算出される車両スリップ角ヒステリシスc,Cを車両適合特性とするデータを出力し、前記システム適合特性判断手段は、車両スリップ角aが比較値(A±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS42と、車両スリップ角変動幅bが比較値(B±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS44と、を有し、前記車両特性適合判断手段は、車両スリップ角ヒステリシスcが比較値(C±α)の範囲内であるか否かを判断するステップS48を有し、前記システム適合評価手段は、ステップS42とステップS44でYESと判断され、且つ、ステップS48でYESと判断されたとき、または、ステップS42とステップS44の少なくとも1つのステップでNOと判断され、且つ、ステップS48でYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価し、それ以外の場合は評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合しないと評価するようにしたため、車両スリップ角と車両スリップ角変動幅により、ドライバー操作による目標横滑り量に実滑り量を一致させるというVDC機能が実績ユニットと同等の特性を実現している場合で、かつ、ビークルダイナミクスコントロールシステムの作動によりニュートラルステアに近い旋回挙動となっている場合には車両−システムが適合であるという評価を与えることができると共に、ビークルダイナミクスコントロールシステムの作動によりニュートラルステアに近い旋回挙動となっている場合には、最適なVDC機能が実績ユニットと同等の特性が実現されていない場合にも、評価対象車両に適正な特性を実現している場合として、車両−システムが適合であるという評価を与えることができる。
【0101】
(10) 前記マスターデータ出力手段は、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両に基づきバーチャル車両モデルを設定し、このバーチャル車両モデルを用い、このバーチャル車両モデルと適合するビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシミュレーションデータベースに基づいてマスターデータを出力するようにしたため、比較データであるマスターデータとシミュレーションデータとを、条件設定や環境設定等が同じシミュレーションシステムからのデータベースに基づいて得ることができ、実車レベルの高い精度によるシステム適合評価を達成することができる。
【0102】
ちなみに、図13はVDC非装着車で低μ路(μ=0.4)でのレーンチェンジ時におけるヨーレートの実験値とシミュレーション値との比較特性図である。図14はVDC装着車で低μ路(μ=0.4)でのレーンチェンジ時におけるヨーレートの実験値と第1実施例のシミュレーション値との比較特性図である。この両比較特性図から明らかなように実線で示すシミュレーション値と点線にて示す実験値とが近似する特性を得ている。また、図13に示すVDC非装着車の場合にはヨーレートがゼロに収束することのない特性となっているのに対し、図14のVDC装着車の場合、ヨーレートが速やかにゼロに収束する特性を得ている。
【0103】
(11) 予め設定された車両モデルを用い、ブレーキ液圧制御により走行安定性の向上を図るビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータ2を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援方法において、評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象シミュレーションデータ出力手順と、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、このバーチャル車両モデルと適合するビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のマスターデータを出力するマスターシミュレーションデータ出力手順と、システム適合特性の評価対象シミュレーションデータとマスターシミュレーションデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手順と、車両適合特性の評価対象シミュレーションデータとマスターシミュレーションデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手順と、車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、システム適合特性の差異が設定範囲内であるときは、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価し、また、システム適合特性の差異が設定範囲外であるときは、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合したモディファイが完了したと評価するシステム適合評価手順と、を有するため、車両側から見た評価判断とシステム側から見た評価判断とを用いることにより、システム側のモディファイの妥当性を検証できるので、車両とビークルダイナミクスコントロールシステムの適合評価が、車両の完成を待つことなく、精度良くかつ効率的かつ確実に実施され、ビークルダイナミクスコントロールシステム搭載車両の開発プロセスの短縮及び効率化を図ることができる。
【0104】
以上、本発明の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置及び開発支援方法を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0105】
例えば、第1実施例では、システム適合特性として、スリップ角特性(後車軸スリップ角と前車軸スリップ角との関係特性)から得られる車両スリップ角、車両スリップ角変動幅を用いる例を示したが、ビークルダイナミクスコントロールシステム動作をあらわすヨーレート特性やヨー角速度特性や横加速度特性等を用いても良い。
【0106】
また、第1実施例では、車両適合特性として、スリップ角特性(後車軸スリップ角と前車軸スリップ角との関係特性)から得られる車両スリップ角ヒステリシスを用いる例を示したが、ビークルダイナミクスコントロールシステム動作による車両挙動をあらわす特性であれば、例えば、スリップ角(横滑り角)とヨー角速度との関係特性や、操舵角とヨーレートの関係特性等を用いても良い。
【0107】
第1実施例では、マスターデータ出力手段として、バーチャル車両モデルを用いたシミュレーションによりシステム適合特性や車両適合特性のマスターデータを出力する手段の例を示したが、実車を用いた試験によりシステム適合特性や車両適合特性のマスターデータを出力する手段としても良い。
【0108】
第1実施例では、開発予定車両に既存のビークルダイナミクスコントロールシステムを搭載する開発プロセスで用いる支援装置の例を示したが、開発予定車両に新規開発のビークルダイナミクスコントロールシステムを搭載する開発プロセスで用いる支援装置としても適用することができるし、既存車両に新規開発のビークルダイナミクスコントロールシステムを搭載する開発プロセスで用いる支援装置としても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置での処理流れの概要を示す図である。
【図3】実車に搭載されたビークルダイナミクスコントロールシステムを示す図である。
【図4】実車に搭載されたビークルダイナミクスコントロールシステムのブレーキ液圧系を示す図である。
【図5】VDC制御によるオーバーステア傾向緩和作用の説明図である。
【図6】VDC制御によるアンダーステア傾向緩和作用の説明図である。
【図7】第1実施例装置のリアルタイムシミュレータにて実行されるシミュレーション処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例装置のリアルタイムシミュレータにて実行されるシステム適合評価処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1実施例装置においてバーチャル車両モデルを用いたシミュレーションにより得られたマスターデータスリップ角特性を示す図である。
【図10】第1実施例装置においてバーチャル車両モデルを用いたシミュレーションにより得られたシミュレーションデータスリップ角特性の一例を示す図である。
【図11】第1実施例装置においてバーチャル車両モデルを用いたシミュレーションにより得られたシミュレーションデータスリップ角特性の他例を示す図である。
【図12】車両−システムの適合評価を行う場合のシステム適合フラグと車両適合フラグとの組み合わせ評価表を示す図である。
【図13】VDC非装着車で低μ路(μ=0.4)でのレーンチェンジ時におけるヨーレートの実験値とシミュレーション値との比較特性図である。
【図14】VDC装着車で低μ路(μ=0.4)でのレーンチェンジ時におけるヨーレートの実験値とシミュレーション値との比較特性図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ(バーチャル車両モデル設定手段)
2 リアルタイムシミュレータ
3 入出力ボックス
4 VDC/TCS/ABSコントロールユニット
5 マスタシリンダ
6 VDC/TCS/ABSアクチュエータ
7 第1ホイールシリンダ
8 第2ホイールシリンダ
9 第3ホイールシリンダ
10 第4ホイールシリンダ
11 ブレーキ踏力発生装置
12 ブースタ
13 第1ホイールシリンダ圧センサ
14 第2ホイールシリンダ圧センサ
15 第3ホイールシリンダ圧センサ
16 第4ホイールシリンダ圧センサ
ステップS40 マスターデータ出力手段
ステップS41 評価対象システムシミュレーション手段
ステップS42 システム適合特性判断手段、第1の判断ステップ
ステップS43 評価対象システムシミュレーション手段
ステップS44 システム適合特性判断手段、第2の判断ステップ
ステップS45 請求項1,2,3のシステム適合評価手段
ステップS46 請求項1,2,3のシステム適合評価手段
ステップS47 評価対象システムシミュレーション手段
ステップS48 車両適合特性判断手段、第3の判断ステップ
ステップS49 請求項4,5,6のシステム適合評価手段
ステップS50 請求項4,5,6のシステム適合評価手段
ステップS51 請求項7,8,9のシステム適合評価手段
ステップS52 請求項7,8,9のシステム適合評価手段
ステップS53 請求項7,8,9のシステム適合評価手段

Claims (11)

  1. 車両モデルを設定する車両モデル設定手段と、
    ブレーキ液圧制御により走行安定性の向上を図るビークルダイナミクスコントロールシステムと、
    前記車両モデルを用い、前記ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータと、
    を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記車両モデル設定手段を、設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築することでリアルタイムに車両動作を再現するバーチャル車両モデルを設定する手段とし、
    前記リアルタイムシミュレータは、
    評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、
    予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムに基づき、前記シミュレーションと同じ手順により作動させ、この作動により時系列で得られるシステム適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、
    前記評価対象システムシミュレーション手段からのシステム適合特性のシミュレーションデータと前記マスターデータ出力手段からのシステム適合特性のマスターデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手段と、
    システム適合特性の差異が設定範囲内である場合、評価対象車両に搭載したときにシステム機能を発揮するとのシステム側評価判断に基づき、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段と、
    を有することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  2. 請求項1に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる前後輪のスリップ角変化状況を示すスリップ角特性をシステム適合特性とするデータを出力し、
    前記システム適合特性判断手段は、前記マスターデータ出力手段からのスリップ角特性マスターデータと、前記評価対象システムシミュレーション手段からのスリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  3. 請求項2に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性により算出される車両スリップ角、車両スリップ角変動幅をシステム適合特性とするデータを出力し、
    前記システム適合特性判断手段は、
    車両スリップ角のシミュレーションデータが、車両スリップ角のマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第1の判断ステップと、
    車両スリップ角変動幅のシミュレーションデータが、車両スリップ角変動幅のマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第2の判断ステップと、
    を有し、
    前記システム適合評価手段は、第1の判断ステップと第2の判断ステップとでYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  4. 車両モデルを設定する車両モデル設定手段と、
    ブレーキ液圧制御により走行安定性の向上を図るビークルダイナミクスコントロールシステムと、
    前記車両モデルを用い、前記ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータと、
    を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記車両モデル設定手段を、設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築することでリアルタイムに車両動作を再現するバーチャル車両モデルを設定する手段とし、
    前記リアルタイムシミュレータは、
    評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られる車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、
    予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムに基づき、前記シミュレーションと同じ手順により作動させ、この作動により時系列で得られる車両適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、
    前記評価対象システムシミュレーション手段からの車両適合特性のシミュレーションデータと前記マスターデータ出力手段からの車両適合特性のマスターデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手段と、
    車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、システム機能を発揮する評価対象車両であるという車両側評価判断に基づき、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価するシステム適合評価手段と、
    を有することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  5. 請求項4に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる車両スリップ角特性を車両適合特性とするデータを出力し、
    前記車両特性適合判断手段は、前記マスターデータ出力手段からの車両スリップ角特性マスターデータと、前記評価対象システムシミュレーション手段からの前後加速度特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  6. 請求項5に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる車両スリップ角特性により算出される車両スリップ角ヒステリシスを車両適合特性とするデータを出力し、
    前記車両特性適合判断手段は、車両スリップ角ヒステリシスのシミュレーションデータが、車両スリップ角ヒステリシスのマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第3の判断ステップを有し、
    前記システム適合評価手段は、第3の判断ステップでYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  7. 車両モデルを設定する車両モデル設定手段と、
    ブレーキ液圧制御により走行安定性の向上を図るビークルダイナミクスコントロールシステムと、
    前記車両モデルを用い、前記ビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータと、
    を備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記車両モデル設定手段を、設計検討項目である部品特性をパラメータ化して構築することでリアルタイムに車両動作を再現するバーチャル車両モデルを設定する手段とし、
    前記リアルタイムシミュレータは、
    評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象システムシミュレーション手段と、
    予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両とビークルダイナミクスコントロールシステムに基づき、前記シミュレーションと同じ手順により作動させ、この作動により時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のマスターデータを出力するマスターデータ出力手段と、
    前記評価対象システムシミュレーション手段からのシステム適合特性のシミュレーションデータと前記マスターデータ出力手段からのシステム適合特性のマスターデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手段と、
    前記評価対象システムシミュレーション手段からの車両適合特性のシミュレーションデータと前記マスターデータ出力手段からの車両適合特性のマスターデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手段と、
    車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、かつ、システム適合特性の差異が設定範囲外である場合は、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合したモディファイが完了したと評価するシステム適合評価手段と、
    を有することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  8. 請求項7に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られるスリップ角特性をシステム適合特性とし、システム動作により時系列で得られる車両の車両スリップ角特性を車両適合特性とするデータを出力し、
    前記システム適合特性判断手段は、前記マスターデータ出力手段からのスリップ角特性マスターデータと、前記評価対象システムシミュレーション手段からのスリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断し、
    前記車両適合特性判断手段は、前記マスターデータ出力手段からの車両スリップ角特性マスターデータと、前記評価対象システムシミュレーション手段からの車両スリップ角特性シミュレーションデータとの差異が設定範囲内か否かを比較判断することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  9. 請求項8に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記評価対象システムシミュレーション手段とマスターデータ出力手段は、システム動作により時系列で得られる前後輪のスリップ角変化状況を示すスリップ角特性により算出される車両スリップ角、車両スリップ角変動幅をシステム適合特性とするデータを出力すると共に、システム動作により時系列で得られる車両スリップ角特性により算出される車両スリップ角ヒステリシスを車両適合特性とするデータを出力し、
    前記システム適合特性判断手段は、
    車両スリップ角のシミュレーションデータが、車両スリップ角のマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第1の判断ステップと、
    車両スリップ角変動幅のシミュレーションデータが、車両スリップ角変動幅のマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第2の判断ステップと、
    を有し、
    前記車両特性適合判断手段は、車両スリップ角ヒステリシスのシミュレーションデータが、車両スリップ角ヒステリシスのマスターデータの差異範囲内であるか否かを判断する第3の判断ステップを有し、
    前記システム適合評価手段は、第1の判断ステップと第2の判断ステップでYESと判断され、且つ、第3の判断ステップでYESと判断されたとき、または、前記第1の判断ステップと第2の判断ステップの少なくとも1つのステップでNOと判断され、且つ、第3の判断ステップでYESと判断されたときに、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価し、それ以外の場合は評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合しないと評価することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載された車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置において、
    前記マスターデータ出力手段は、予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両に基づきバーチャル車両モデルを設定し、このバーチャル車両モデルを用い、このバーチャル車両モデルと適合するビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシミュレーションデータベースに基づいてマスターデータを出力することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援装置。
  11. 予め設定された車両モデルを用い、ブレーキ液圧制御により走行安定性の向上を図るビークルダイナミクスコントロールシステムをリアルタイムに作動させたときのデータベースを取得するリアルタイムシミュレータを備えた車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援方法において、
    評価対象車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のシミュレーションデータを出力する評価対象シミュレーションデータ出力手順と、
    予め満足するシステム適合評価が得られると判っている車両の部品特性に基づき設定したバーチャル車両モデルを用い、このバーチャル車両モデルと適合するビークルダイナミクスコントロールシステムを決められた手順によりリアルタイムに作動させるシミュレーションを実行し、このシミュレーションにより時系列で得られるシステム適合特性と車両適合特性のマスターデータを出力するマスターシミュレーションデータ出力手順と、
    システム適合特性の評価対象シミュレーションデータとシステム適合特性のマスターシミュレーションデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断するシステム適合特性判断手順と、
    車両適合特性の評価対象シミュレーションデータと車両適合特性のマスターシミュレーションデータの差異が設定範囲内か否かを比較判断する車両適合特性判断手順と、
    車両適合特性の差異が設定範囲内である場合、システム適合特性の差異が設定範囲内であるときは、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合すると評価し、また、システム適合特性の差異が設定範囲外であるときは、評価対象ビークルダイナミクスコントロールシステムが評価対象車両に適合したモディファイが完了したと評価するシステム適合評価手順と、
    を有することを特徴とする車両用ビークルダイナミクスコントロールシステムの開発支援方法。
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