JP2004099285A - 果菜自動選別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】仕分排出部の果菜キャリア2と果菜引受け体4との間に、果菜キャリア2から排出される果菜3を同果菜キャリア2の進行方向から20度乃至70度の範囲内の斜方向に引出して果菜引受け体4へと送り出す斜め引出しコンベア6を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種果菜をサイズ別、形状別、糖度別など規格(等階級)別に選別するための自動選別装置に関するものであり、特にトマト、桃、梨、茄子、メロン、小玉西瓜などの果菜の選別に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
トマトなどの果菜を選別する装置として、図7に示すものがある。これはチェーン(無端搬送帯)1に多数の果菜キャリア2が連結されており、各キャリア2の上面が可倒式の受皿となり、果菜3をこの受皿の上においてキャリア2に供給すると、搬送途中に計測部で等階級が判別され、その判別信号に基づいて、所定の仕分け用の果菜引受け体(ベルトコンベアやテーブル)4のところで受皿が横転され、果菜3が転がりながら果菜引受け体4上にプールされ、仕分けされるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図7の選別装置では、走行中の果菜キャリア2から受皿を横転させて果菜3を排出するために、第1に、受皿横転倒時の落下と転がりで果菜3が痛み、第2に、果菜引受け体4が果菜キャリア2の進行方向に対して真横に引出すもの或いは単なるテーブルであるために、果菜キャリア2の進行方向への運動が急に規制されて、果菜3は果菜引受け体4上を斜め横方向に勢い良く転がって進むこととなり、さらなる傷みの発生を生じさせる。果菜3がトマトの場合、熟す前の青くかたい状態で出荷することも多いため、この選果機も広く使われてきたが、しかしながら傷みを問題視する場合には、高価で維持コストの高いパン方式の選果機を選択するしかなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のうちの請求項1記載の果菜自動選別装置は、無端搬送帯に連結された果菜キャリアに果菜を載せて搬送し、搬送中の果菜を計測して等階級等を判別し、その判別信号に基づいて果菜キャリア上の果菜を搬送ライン脇の仕分排出部に設けた果菜引受け体に排出する果菜自動選別装置において、前記各仕分排出部の果菜キャリアと果菜引受け体との間に、果菜キャリアから排出される果菜を同果菜キャリアの進行方向から20度乃至70度の範囲内の斜方向に引出して果菜引受け体へと送り出す斜め引出しコンベアを備えることを特徴とするものである。
【0005】
本発明のうちの請求項2記載の果菜自動選別装置は、果菜キャリアは、ベルトコンベア式のキャリアであることを特徴とするものである。
【0006】
本発明のうちの請求項3記載の果菜自動選別装置は、斜め引出しコンベアは、その引出し方向に駆動される細身の搬送ベルトを、果菜キャリアの進行方向に沿って複数本並べて構成したものであることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のうちの請求項4記載の果菜自動選別装置は、斜め引出しコンベアは、その引出し方向に回転される搬送ローラを多数本敷き詰めて構成したものであることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態1】
図1、3は本発明の果菜自動選別装置の実施形態を示した平面図であり、トマト用の選別装置として構成したものである。この装置は、大きさ的にオーバーラップする桃や梨、さらには長さ20cmまでの茄子の選別にも兼用することができる。図1、3の1は図示されていない駆動機構により図中の矢印a方向に進行される無端搬送帯(ドライブチェーン)であり、30m長の長尺なフレーム9に沿って2本設けられている。図1、3の2はトマト3を載せて搬送する果菜キャリアであり、ドライブチェーン1に連結されて図中の矢印a方向に走行される。
【0009】
図1、3の果菜キャリア2は、詳細を図2(a)〜(c)に示すように、長さ360mm、幅140mm、高さ50mmのステンレス製フレーム10と、同フレーム10の長手方向両端(軸間距離330mm)に回転自在に取り付けられた回転ローラ11a、11bと、これら回転ローラ11a、11b間に掛け渡された幅130mmの搬送ベルト12とを備えたベルトコンベア式のキャリアである。
【0010】
図2のフレーム10は、底面中央に、フレームの長手方向に沿って長さ170mm、幅10mmの長穴14が開口されている。この長穴14には、同長穴14に沿って図中の矢印e−f方向にのみ150mmの距離を移動可能なスライドピン15が取り付けられている。このスライドピン15の上端15aは、搬送ベルト12に固定された金具16と連結されており、またスライドピン15の下端15bはフレーム10の下側に20mmほど突き出されている。同ピン15の下部にはベアリング17が取り付けられており、これを矢印e−f方向にスライドすると、上部に連結された搬送ベルト12を最大で150mm往復移動することができる。フレーム10の上部には、搬送ベルト12を受けて支持するための支持板18が取り付けられている(図2(a)にのみ図示)。
【0011】
図2の搬送ベルト12は、詳細を図4に示すように、その上側部分のベルト表面のトマト3を載せ置く部分に、長さ200mm、幅130mmのシート状の受け部材13が貼付けられている。この受け部材13は、表面に最大高さ3mmの突条19が複数本形成されており、これら突条19の上端は、トマト3を載せる部分がすり鉢状に凹まされるよう、且つ細長い茄子を縦向きに載せることができるように長手方向に長い楕円のすり鉢状にカットされている。この受け部材13は、可撓性に富むエラストマなどの素材で作成されており、回転ローラ11aを曲がる際に、搬送ベルト12から浮き上がったり、しわが出たりすることなく、滑らかに曲がるようになっている。
【0012】
図3に示す長大な果菜キャリア2の走行ラインは、搬送方向手前の区間A(約6〜7m)が、果菜キャリア2にトマト3を載せるためのトマト供給部であり、続く区間B(約1〜2m)がトマト3の等階級を計測する計測部であり、以降の区間Cは仕分け部となっている。
【0013】
図3の区間Aには、ライン脇に数人の作業員が立ち並び、収穫されたトマト3を一つずつ果菜キャリア2に載せ置いて供給する。
【0014】
図3の区間Bの計測部には、画像処理による計測装置8が設けられており、トマトの大きさ及び形状、傷や色などから、あらかじめ指定された条件に基づいて等階級を判別することができるようになっている。この計測装置からは等階級を代表する判別信号が出力されるようになっている。ロードセルを設けて果菜キャリアの重量を計測してトマト3の重量計測を行うようなこともできる。
【0015】
図3の区間Cの各仕分排出部5には、果菜キャリア2の底のスライドピン15(正確にはベアリング17)を操作して搬送ベルト12を図中の矢印b方向に動かすためのスライド手段が設けられている。各スライド手段は、図5に示すような、スライドピン15及びそのベアリング17が差し込まれて走行可能な直進及び斜めのガイド溝20(20a、20b)が形成されたナイロンプレート21と、分岐部22に設けられた切替えバー23と、同バー23の下側に設けられたロータリーソレノイド24とからなる。ロータリーソレノイド24は、区間Bの計測装置8の判別信号を受けて動作するようになっており、例えば、排出すべきトマト3を載せた果菜キャリア2が分岐部22を通過しようとすると、平常時直進状態S1にある切替えバー23を斜め進行状態S2に切り替え、直進ガイド溝20aを進行する果菜キャリア2のスライドピン15を斜めガイド溝20b(直進ガイド溝20aに対して30度の傾き)側に案内し、これによりスライドピン15を矢印g方向に横移動させて、搬送ベルト12を矢印b方向に回動させ、その上に載せられているトマト3を排出する。なお、この区間Cの搬送方向先端部には、斜めガイド溝20bにより、横スライドされたスライドピン15を元の位置に復帰させ、搬送ベルト12を戻すためのガイド25(図3)も設けられている。
【0016】
図3の各区間Cの各仕分排出部5の側方には、果菜キャリア2から送出されるトマト3を、果菜キャリア2の進行方向から斜め50度の方向に引き出して搬送する斜め引出しコンベア6が設けられている。同斜め引出しコンベア6は、図5に示すように、斜め50度に傾けて配置した細身のベルト30を複数本並列させて構成した構造のベルトコンベアである。各ベルト(この場合、丸ベルト)は、両端に設けられた2個の従動プーリー31a、31bと、下側に設けられた駆動シャフト32とに掛け渡されており、駆動シャフト32とは斜に接触している。駆動シャフト32は図示されていないモーターにより回転されるようになっており、丸ベルト30は若干捻られながらも駆動されて、コンベア上面では、図中の矢印c方向に進行し、その上に送り出されたトマト3を、果菜キャリア2の進行方向から横50度の方向に搬送することが出来るようになっている。丸ベルト30の配列間隔は10mm前後に設定してあり、小粒のトマト3でも、隙間に落ち込むことなく確実に搬送することが出来るようになっている。この斜め引出しコンベア6は、連続運転されるようになっている。
【0017】
図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6を経てトマト3が送り込まれる時にだけ、トマト約1個分の距離だけ(トマト3が1個通過するに必要な時間)自動運転され、平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。
【0018】
【発明の実施の形態2】
本件発明の果菜自動選別装置において、斜め引出しコンベア6は、各種の構造のコンベアを用いることができる。図6は、ローラーコンベアで構成する場合の例であり、直径6〜8mm程度の小径の駆動ローラ30を斜めに傾けて多数配置してなるものである。駆動ローラ30は1本1本中央部分が支持具31で回転自在に保持されていると共に、中央部分に回転駆動用のロープ32がかけられており、同ロープ32によって回転駆動される構造となっている。
【0019】
【発明の効果】
本発明のうちの請求項1記載の果菜自動選別装置では、仕分排出部5の果菜キャリア2と果菜引受け体4との間に、果菜キャリア2から排出される果菜3を同果菜キャリア2の進行方向から20度乃至70度の範囲内の斜方向に引出して果菜引受け体4へと送り出す斜め引出しコンベア6を備えており、果菜引受け体4に移るまでに、一旦斜めに運ばれるため、果菜3の運動方向の変化が少なく、果菜3の転がりを低減することができ、安全な仕分けが可能となる。
【0020】
本発明のうちの請求項2記載の果菜自動選別装置では、果菜キャリア2が、ベルトコンベア式のキャリアであるため、果菜3の排出が水平に横移動されて斜め引出しコンベア6に送り出されるため、転倒式の果菜キャリア2に比べて大幅に果菜3の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となる。痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができる。
【0021】
本発明のうちの請求項3記載の果菜自動選別装置では、斜め引出しコンベア6が、その引出し方向に駆動される細身の搬送ベルト30を、果菜キャリア2の進行方向に沿って複数本並べて構成したものであるため、構造が安価で簡潔となる。
【0022】
本発明のうちの請求項4記載の果菜自動選別装置では、斜め引出しコンベア6が、その引出し方向に回転される搬送ローラを多数本敷き詰めて構成したものであるため、。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の果菜自動選別装置の実施形態を示した平面図であり、供給部や計測部、果菜仕分け部を部分的に示したものである。
【図2】(a)は果菜受け体の平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は(a)の正面図。
【図3】本発明の果菜自動選別装置の全体的な構成を示した平面図。
【図4】(a)〜(c)は果菜キャリアに取り付ける受け部材の説明図。
【図5】本発明の果菜自動選別装置における斜め引出しコンベアの一例であり、(a)は側面図、(b)は平面図。
【図6】本発明の果菜自動選別装置における斜め引出しコンベアの他の例を示した平面図。
【図7】従来の果菜自動選別装置の概略を示した平面図。
【符号の説明】
1 無端搬送帯
2 果菜キャリア
3 果菜
4 果菜引受け体
5 仕分排出部
6 斜め引出しコンベア
Claims (4)
- 無端搬送帯に連結された果菜キャリアに果菜を載せて搬送し、搬送中の果菜を計測して等階級等を判別し、その判別信号に基づいて果菜キャリア上の果菜を搬送ライン脇の仕分排出部に設けた果菜引受け体に排出する果菜自動選別装置において、前記各仕分排出部の果菜キャリアと果菜引受け体との間に、果菜キャリアから排出される果菜を同果菜キャリアの進行方向から20度乃至70度の範囲内の斜方向に引出して果菜引受け体へと送り出す斜め引出しコンベアを備えることを特徴とする果菜自動選別装置。
- 果菜キャリアは、ベルトコンベア式のキャリアであることを特徴とする請求項1記載の果菜自動選別装置。
- 斜め引出しコンベアは、その引出し方向に駆動される細身の搬送ベルトを、果菜キャリアの進行方向に沿って複数本並べて構成したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の果菜自動選別装置。
- 斜め引出しコンベアは、その引出し方向に回転される搬送ローラを多数本敷き詰めて構成したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の果菜自動選別装置。
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JP2002266156A JP4181367B2 (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置 |
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