JP2004098889A - ウエザストリップの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成上の困難性を伴うことなく、ウエザストリップの長手方向の位置ずれを規制することの可能なウエザストリップの取付構造を提供する。
【解決手段】ドア3に対応するドア開口周縁には、ボディ側ウエザストリップ11が設けられ、ドア2のサッシュ4の外周縁に沿ってドアウエザストリップ21が設けられ、さらに、ドア2のサッシュ4の内周側にはガラスラン31が設けられる。これらボディ側ウエザストリップ11、ドアウエザストリップ21及びガラスラン31側は、ボディ2、ドア3側に設けられた磁石41〜43に対し、ウエザストリップ11,21,31側に設けられた磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、その被接合面が接合される。これにより、ウエザストリップ11,21,31の長手方向への位置ずれが規制される。
【選択図】 図2
【解決手段】ドア3に対応するドア開口周縁には、ボディ側ウエザストリップ11が設けられ、ドア2のサッシュ4の外周縁に沿ってドアウエザストリップ21が設けられ、さらに、ドア2のサッシュ4の内周側にはガラスラン31が設けられる。これらボディ側ウエザストリップ11、ドアウエザストリップ21及びガラスラン31側は、ボディ2、ドア3側に設けられた磁石41〜43に対し、ウエザストリップ11,21,31側に設けられた磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、その被接合面が接合される。これにより、ウエザストリップ11,21,31の長手方向への位置ずれが規制される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁にはボディ側ウエザストリップが設けられ、ドア周縁にはドアウエザストリップが設けられ、ドアフレーム内周縁にはガラスランが設けられる。例えば、ボディ側ウエザストリップは、ドア開口周縁のフランジに保持されるトリム部と、前記トリム部の一方の側壁から突出するよう設けられた中空状のシール部とを備えている。トリム部は断面略U字状又は略J字状をなしている。ウエザストリップの取付に際しては、トリム部がフランジに嵌め込まれることで取付状態が維持されるようになっている。そして、ドア閉時には、ドアの縁部が前記シール部と当接し、前記シール部が潰れ変形することによって、ドアとボディとの間がシールされる。
【0003】
ところで、上述した各ウエザストリップの取付に関し、取付時或いはドア閉時等において、その長手方向への位置ずれが問題となる。かかる問題を解消するべく、ウエザストリップにクリップを設けたり、両面接着テープを取着して接着したりすることが考えられる。しかし、クリップや両面接着テープを設けた場合には、取付作業が著しく煩雑なものとなってしまう。
【0004】
そこで、ウエザストリップ側に、板状の磁石を設けることが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−223437号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、磁石と接合する相手先が鉄板等の磁性体に限定されてしまう。このため、ボディ(或いはドア)側の素材に制限が課せられてしまうこととなる。また、ウエザストリップを構成するゴム材料と磁石との接合に実体的な問題が生ずる場合があるとともに、磁石を長手方向に対して、間欠的に埋設することにかなりの困難性を伴う。さらに、板状の可撓性磁石を長尺状のゴムの中空内に挿入するのに困難性を伴い、また、挿入後において、磁石が板状で可撓性を有していたとしても、ウエザストリップの曲げに対して追従できないという問題が生ずる。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構成上の困難性を伴うことなく、ウエザストリップの長手方向の位置ずれを規制することの可能なウエザストリップの取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、前記ボディ又はドア側には磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設けたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。
【0010】
手段1によれば、車両のボディ又はドア側に設けられた磁石に対し、ウエザストリップ側に設けられた磁性体が磁力によって接合されることで、ウエザストリップが接合される。これにより、ウエザストリップの長手方向への位置ずれが規制されることとなる。手段1では、車両のボディ又はドア側に磁石が設けられることから、ウエザストリップの取付けられる相手先の素材が限定されてしまうことがない。また、ウエザストリップには磁性体を設けることに困難性を伴わず、ウエザストリップを構成するゴム材料と磁性体との接合等に実体的な問題が生じにくい。さらに、磁石は、市販の永久磁石等で十分なため、その入手等に際し困難性を伴ったり、コストの著しい増大を招いてしまったりすることがない。
【0011】
手段2.車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、前記ボディ又はドア側には、前記取付けられるウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設け、該磁性体面を前記磁石に対する被接合面としたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。
【0012】
手段2によれば、上記手段1によって奏される作用効果に加えて、ウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石が設けられるため、大型で長尺な磁石を用意する必要がなく、コストの増大をさらに抑制できる。
【0013】
なお、「前記ウエザストリップ側には」に代えて、「前記ウエザストリップの非シール部側には」としてもよい。ここで、「非シール部」とあるのは、例えば、中空状或いはリップ状のシール部を除く部位を指すものであって、例えば、取付基部、底壁部、側壁部等を例示することができる。
【0014】
手段3.前記ウエザストリップは、前記ボディ又はドアに対し、基本的には嵌着によって取付けられており、前記磁石及び前記磁性体の接合によって長手方向の位置ずれが規制されるよう構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のウエザストリップの取付構造。
【0015】
手段3によれば、ウエザストリップは、前記ボディ又はドアに対し、基本的には嵌着によって取付けられており、磁石及び前記磁性体の接合によって長手方向の位置ずれが規制される。このため、より安定した取付状態を確保できる。
【0016】
手段4.前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に塗布形成された磁性体粉塗膜層によって構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0017】
手段4によれば、ウエザストリップの少なくとも磁石に対向する面に塗布形成された磁性体粉塗膜層によって磁性体が構成される。このため、磁性体を設けるに際し、特に困難性を伴うことがない。また、ウエザストリップにとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0018】
手段5.前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に嵌め込まれた可撓性を有する磁性体板によって構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0019】
手段5によれば、ウエザストリップの少なくとも磁石に対向する面に嵌め込まれた可撓性を有する磁性体板によって磁性体が構成される。このため、磁性体を設けるに際し、特に困難性を伴うことがない。また、ウエザストリップにとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。なお、前記磁性体板として、薄肉鉄板、或いは、鉄製の箔を採用することとしてもよい。
【0020】
手段6.前記磁石の側壁が、金属部で被覆されるよう構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0021】
手段6によれば、磁石の側壁が、金属部で被覆されることにより、磁石の磁束密度が高められ、磁性体がより強固に引きつけられることとなる。結果として、大型の磁石を用いずとも、上述した作用効果がより確実に奏される。なお、「磁石の側壁が、金属部で被覆される」に代えて、「少なくとも磁石の両側壁が、金属部で被覆される」としてもよいし、「磁石の周壁が、金属部で囲まれる」としてもよい。
【0022】
手段7.前記磁石の設けられる前記ボディ又はドアは磁性体材料よりなることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0023】
手段7のようにボディ又はドアが磁性体材料よりなることで、特に固定手段を設けずとも磁石を所定位置に配設することができる。
【0024】
手段8.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のボディのドア開口に取着されるボディ側ウエザストリップであること。
【0025】
手段9.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のドア周縁に取着されるドアウエザストリップであること。
【0026】
手段10.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のドアフレームに取着されるガラスランであること。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1,2に示すように、自動車1の鉄製のボディ2のうち、ドア3に対応するドア開口周縁には、ボディ側ウエザストリップ11が設けられている。本実施の形態のボディ側ウエザストリップ11は、ドア開口周縁全周にわたって取付けられ、押出成形法によって成形された押出成形部と、型成形法によって成形された型成形部とを備えている。また、前記ドア2には、該ドア2の鉄製のサッシュ4の外周縁に沿ってドアウエザストリップ21が設けられている。さらに、前記ドア2のサッシュ4の内周側にはガラスラン31が設けられている。
【0029】
これら、ボディ側ウエザストリップ11、ドアウエザストリップ21及びガラスラン31は、いずれも車両のシールを構成するものであり、これらを総称してウエザストリップと呼んでいる。以下には、各ウエザストリップの取付構造の詳細について順次説明する。
【0030】
ボディ側ウエザストリップ11は、トリム部12とシール部13とを備えている。トリム部12は、一対の側壁(車内側側壁14、車外側側壁15)及び両側壁14,15を連結する断面湾曲形状をなす連結部16を備えており、全体として略J字状(又は略U字状)をなしている。トリム部12は、前記ドア開口周縁に形成されたフランジ17の先端に、その凹部が嵌め込まれるようにして嵌合保持されるようになっている。
【0031】
前記トリム部15は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ソリッドゴムによって構成されている。なお、本実施の形態では、内部に埋設される金属製のインサートが省略された金属インサートレスタイプのトリム部15が採用されているが、金属インサートが設けられた構成であっても何ら差し支えない。
【0032】
なお、前記トリム部12よりも車内側には、内装ガーニッシュ17が設けられており、その端縁が、前記連結部16から車内側に延びる意匠リップ19により覆われている。
【0033】
さて、本実施の形態では、前記フランジ17の車外側面には、所定間隔を隔てて、複数の磁石41が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石41として市販のものが採用されている。一方、ボディ側ウエザストリップ11のトリム部12の車外側側壁15のうち、少なくとも前記磁石41に対向する面には、鉄粉の混入された塗料(以下、鉄粉塗料)が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。
【0034】
本実施の形態におけるボディ側ウエザストリップ11は、そのトリム部12がフランジ17に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、フランジ17に設けられた磁石41に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0035】
次に、ドアウエザストリップ21の取付構造について説明する。ドアウエザストリップ21(下辺部分を除く)は、前記サッシュ4の外周リテーナ5に対し取付けられている。ドアウエザストリップ21の略直線状の部分は押出成形法により構成され、コーナー部分は型成形法により成形されている。ドアウエザストリップ21は、外周リテーナ5に対し嵌め込みによって取付けられる取付基部22と、該取付基部22に一体形成された中空状のメインシール部23及びサブシール部24とを備えている(サブシール部24は省略していもよいし、サブシール部24に代えてシールリップを突出形成してもよい)。そして、ドア3の閉時には、主として前記シール部23,24が潰れ変形することによって、ドア3及びボディ2間がシールされるようになっている。
【0036】
さて、本実施の形態では、前記外周リテーナ5には、所定間隔を隔てて、複数の磁石42が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石42についても市販のものが採用されている。一方、ドアウエザストリップ21の取付基部22のうち、少なくとも前記磁石42に対向する面には、鉄粉塗料が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。
【0037】
本実施の形態におけるドアウエザストリップ21(下辺部分を除く)は、その取付基部22が外周リテーナ5に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、外周リテーナ5に設けられた磁石42に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0038】
なお、図3は、ドア3等の下辺部分を示す断面図であるが、同図に示すように、ドアウエザストリップ21は、ドア3の下辺部分においては、取付基部22及びメインシール部23を有している。そして、当該取付基部22が、ドアウエザストリップ21の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップ25でドアパネル3aに取付けられている。また、ドアパネル3aには、前記同様磁石42が所定間隔毎に設けられているとともに、それに対向して取付基部22には磁性体塗膜層が設けられており。そして、ドアウエザストリップ21の下辺部分においては、クリップ25でドアパネル3aに取付けられるのみならず、ドアパネル3aに設けられた前記磁石42に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0039】
続いて、ガラスラン31の取付構造について説明する。図2に示すように、ガラスラン31は、前記サッシュ4の内周リテーナ6に対し取付けられている。ガラスラン31の略直線状の部分は押出成形法により構成され、コーナー部分は型成形法により成形されている。ガラスラン31は、内周リテーナ6に対し嵌め込みによって取付けられる底壁部32と、該底壁部32の両端に一体形成された車内側側壁部33及び車外側側壁部34と、両側壁部33,34から内側に向かって延びる車内側シールリップ35及び車外側シールリップ36とを備えている。そして、ドアガラスGの車内側面及び車外側面に対し、前記両シールリップ35,36が弾性当接することによってシールされるようになっている。
【0040】
さて、本実施の形態では、前記ドアパネル3aには、内周リテーナ6近傍の車内位置において、所定間隔を隔てて、複数の磁石43が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石43についても市販のものが採用されている。一方、ガラスラン31の車内側側壁部33のうち、少なくとも前記磁石43に対向する面には、鉄粉塗料が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。また、磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が、金属部で被覆されている。
【0041】
本実施の形態におけるガラスラン31は、その底壁部32が内周リテーナ6に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、車内側側壁部34に設けられた磁石43に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0042】
このように、本実施の形態によれば、自動車1のボディ2又はドア3側に設けられた磁石41〜43に対し、ウエザストリップ11,21,31側に設けられた磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、その被接合面が接合される。これにより、ウエザストリップ11,21,31の長手方向への位置ずれが規制されることとなり、各ウエザストリップ11,21,31の取付作業性向上を図ることができるとともに、取付状態の安定化を図ることができる。
【0043】
また、自動車1のボディ2又はドア3側に磁石41〜43が設けられることから、ウエザストリップ11,21,31の接合される相手先の素材が限定されてしまうことがない。但し、本実施の形態では、磁石41〜43が、鉄製のボディ2、ドア3(ドアパネル3a、リテーナ5,6)に設けられることから、磁石41〜43を配設する上での困難性を伴うことがない。
【0044】
さらに、ウエザストリップ11,21,31に対しては磁性体塗膜層を設けるだけでよく、そのことに特に困難性を伴うわけではない。しかも、磁石41〜43は、市販の永久磁石等で十分なため、その入手等に際し困難性を伴ったり、コストの著しい増大を招いてしまったりすることがない。また、磁性体塗膜層を設けたとしても、ウエザストリップ11,21,31にとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0045】
併せて、ウエザストリップ11,21,31の長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石41〜43を設ければよいため、大型で長尺な磁石を用意する必要がなく、コストの増大をさらに抑制できる。
【0046】
特に、ガラスラン31用の磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が金属部で被覆される。このため、磁石43の磁束密度が高められ、磁性体塗膜層がより強固に磁力によって接合されることとなる。結果として、大型の磁石を用いずとも、上述した作用効果がより確実に奏される。
【0047】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0048】
(a)上記実施の形態では、ガラスラン31用の磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が金属部で被覆されることとしている。これに対し、図4に示すように、必ずしも磁石43両側壁を金属壁で覆う構成としなくてもよい。この場合、磁石の幅を大きく設定できるというメリットがある。また、図5に示すように、ガラスラン31のみならず、ドアウエザストリップ21用の磁石42に関しても、外周リテーナ5を折曲形成することで、磁石42の両側壁が金属部で被覆されることとしてもよい。勿論、ボディ側ウエザストリップ11に関しても同様のことがいえる。また、磁石41〜43の周壁が、全て金属部で囲まれることとしてもよい。
【0049】
(b)上記実施の形態では、ドアウエザストリップ21に関し、取付基部22の下面側に対し、磁石42及び磁性体塗膜層を設けることとしているが、他の部位に設けることとしてもよい。例えば、図6に示すように、取付基部22の側壁面に磁石42及び磁性体塗膜層を設けることとしてもよい。また、同図に示すように、ガラスラン31の側壁部(図では車外側側壁部34)に磁石43及び磁性体塗膜層を設けることとしてもよい。要するに、非シール部(例えば、取付基部、底壁部、側壁部等を例示することができる)に対応して設けることが望ましいが、シール部のシール面と対応する位置に磁石を設け、磁力による接合を補助として利用することもできる。つまりは、如何なる部位に磁石等を設けることとしてもよい。
【0050】
(c)上記実施の形態では、磁性体として、鉄粉の混入された塗料(以下、鉄粉塗料)が塗布されることによって形成された磁性体塗膜層を採用することとしている。これに対し、鉄粉以外の他の磁性体(金属粉)の混入された塗料が用いられてもよい。また、塗料以外にも接着剤等を採用することもできる。
【0051】
(d)さらに、ウエザストリップの少なくとも磁石41〜43,に対向する面に比較的薄肉の可撓性を有する磁性体板(例えば薄肉鉄板、鉄製の箔)を装着すること(嵌め込むこと)によって、磁性体を構成することとしてもよい。かかる構成としても、ウエザストリップのフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0052】
(e)上記実施の形態では、ボディ2及びドア3のサッシュ4等を鉄で構成することとしているが、他の素材、例えばアルミニウム等で構成してもよい。この場合、磁石41〜43を取着する構成が必要となる。
【0053】
(f)上記実施の形態とは別のウエザストリップの取付構造にも適用してもよいのはいうまでもない。他のウエザストリップとしては、例えば自動車後部のラゲッジドア(又はバックドア)の開口に取着されるウエザストリップや、クォータウインドの開口に取着されるウエザストリップ、スライディングルーフに用いられるウエザストリップ等が挙げられる。
【0054】
(g)ウエザストリップ11,21,31を構成する素材としては、EPDM以外にも、IR(イソブレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の弾性材料により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態において自動車を示す側面図である。
【図2】ウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図3】ドア下辺部分のウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図4】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図5】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図6】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車両としての自動車、2…ボディ、3…ドア、4…サッシュ、5…外周リテーナ、6…内周リテーナ、11…ウエザストリップとしてのボディ側ウエザストリップ、12…トリム部、13…シール部、14…車外側側壁、15…車内側側壁、21…ウエザストリップとしてのドアウエザストリップ、22…取付基部、23…メインシール部、24…サブシール部、31…ウエザストリップとしてのガラスラン、32…底壁部、33…車内側側壁部、34…車外側側壁部、35…車内側シールリップ、36…車外側シールリップ、41,42,43…磁石。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁にはボディ側ウエザストリップが設けられ、ドア周縁にはドアウエザストリップが設けられ、ドアフレーム内周縁にはガラスランが設けられる。例えば、ボディ側ウエザストリップは、ドア開口周縁のフランジに保持されるトリム部と、前記トリム部の一方の側壁から突出するよう設けられた中空状のシール部とを備えている。トリム部は断面略U字状又は略J字状をなしている。ウエザストリップの取付に際しては、トリム部がフランジに嵌め込まれることで取付状態が維持されるようになっている。そして、ドア閉時には、ドアの縁部が前記シール部と当接し、前記シール部が潰れ変形することによって、ドアとボディとの間がシールされる。
【0003】
ところで、上述した各ウエザストリップの取付に関し、取付時或いはドア閉時等において、その長手方向への位置ずれが問題となる。かかる問題を解消するべく、ウエザストリップにクリップを設けたり、両面接着テープを取着して接着したりすることが考えられる。しかし、クリップや両面接着テープを設けた場合には、取付作業が著しく煩雑なものとなってしまう。
【0004】
そこで、ウエザストリップ側に、板状の磁石を設けることが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−223437号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、磁石と接合する相手先が鉄板等の磁性体に限定されてしまう。このため、ボディ(或いはドア)側の素材に制限が課せられてしまうこととなる。また、ウエザストリップを構成するゴム材料と磁石との接合に実体的な問題が生ずる場合があるとともに、磁石を長手方向に対して、間欠的に埋設することにかなりの困難性を伴う。さらに、板状の可撓性磁石を長尺状のゴムの中空内に挿入するのに困難性を伴い、また、挿入後において、磁石が板状で可撓性を有していたとしても、ウエザストリップの曲げに対して追従できないという問題が生ずる。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、構成上の困難性を伴うことなく、ウエザストリップの長手方向の位置ずれを規制することの可能なウエザストリップの取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、前記ボディ又はドア側には磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設けたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。
【0010】
手段1によれば、車両のボディ又はドア側に設けられた磁石に対し、ウエザストリップ側に設けられた磁性体が磁力によって接合されることで、ウエザストリップが接合される。これにより、ウエザストリップの長手方向への位置ずれが規制されることとなる。手段1では、車両のボディ又はドア側に磁石が設けられることから、ウエザストリップの取付けられる相手先の素材が限定されてしまうことがない。また、ウエザストリップには磁性体を設けることに困難性を伴わず、ウエザストリップを構成するゴム材料と磁性体との接合等に実体的な問題が生じにくい。さらに、磁石は、市販の永久磁石等で十分なため、その入手等に際し困難性を伴ったり、コストの著しい増大を招いてしまったりすることがない。
【0011】
手段2.車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、前記ボディ又はドア側には、前記取付けられるウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設け、該磁性体面を前記磁石に対する被接合面としたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。
【0012】
手段2によれば、上記手段1によって奏される作用効果に加えて、ウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石が設けられるため、大型で長尺な磁石を用意する必要がなく、コストの増大をさらに抑制できる。
【0013】
なお、「前記ウエザストリップ側には」に代えて、「前記ウエザストリップの非シール部側には」としてもよい。ここで、「非シール部」とあるのは、例えば、中空状或いはリップ状のシール部を除く部位を指すものであって、例えば、取付基部、底壁部、側壁部等を例示することができる。
【0014】
手段3.前記ウエザストリップは、前記ボディ又はドアに対し、基本的には嵌着によって取付けられており、前記磁石及び前記磁性体の接合によって長手方向の位置ずれが規制されるよう構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のウエザストリップの取付構造。
【0015】
手段3によれば、ウエザストリップは、前記ボディ又はドアに対し、基本的には嵌着によって取付けられており、磁石及び前記磁性体の接合によって長手方向の位置ずれが規制される。このため、より安定した取付状態を確保できる。
【0016】
手段4.前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に塗布形成された磁性体粉塗膜層によって構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0017】
手段4によれば、ウエザストリップの少なくとも磁石に対向する面に塗布形成された磁性体粉塗膜層によって磁性体が構成される。このため、磁性体を設けるに際し、特に困難性を伴うことがない。また、ウエザストリップにとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0018】
手段5.前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に嵌め込まれた可撓性を有する磁性体板によって構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0019】
手段5によれば、ウエザストリップの少なくとも磁石に対向する面に嵌め込まれた可撓性を有する磁性体板によって磁性体が構成される。このため、磁性体を設けるに際し、特に困難性を伴うことがない。また、ウエザストリップにとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。なお、前記磁性体板として、薄肉鉄板、或いは、鉄製の箔を採用することとしてもよい。
【0020】
手段6.前記磁石の側壁が、金属部で被覆されるよう構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0021】
手段6によれば、磁石の側壁が、金属部で被覆されることにより、磁石の磁束密度が高められ、磁性体がより強固に引きつけられることとなる。結果として、大型の磁石を用いずとも、上述した作用効果がより確実に奏される。なお、「磁石の側壁が、金属部で被覆される」に代えて、「少なくとも磁石の両側壁が、金属部で被覆される」としてもよいし、「磁石の周壁が、金属部で囲まれる」としてもよい。
【0022】
手段7.前記磁石の設けられる前記ボディ又はドアは磁性体材料よりなることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
【0023】
手段7のようにボディ又はドアが磁性体材料よりなることで、特に固定手段を設けずとも磁石を所定位置に配設することができる。
【0024】
手段8.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のボディのドア開口に取着されるボディ側ウエザストリップであること。
【0025】
手段9.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のドア周縁に取着されるドアウエザストリップであること。
【0026】
手段10.手段1乃至7のいずれかにおいて、前記ウエザストリップは、車両のドアフレームに取着されるガラスランであること。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1,2に示すように、自動車1の鉄製のボディ2のうち、ドア3に対応するドア開口周縁には、ボディ側ウエザストリップ11が設けられている。本実施の形態のボディ側ウエザストリップ11は、ドア開口周縁全周にわたって取付けられ、押出成形法によって成形された押出成形部と、型成形法によって成形された型成形部とを備えている。また、前記ドア2には、該ドア2の鉄製のサッシュ4の外周縁に沿ってドアウエザストリップ21が設けられている。さらに、前記ドア2のサッシュ4の内周側にはガラスラン31が設けられている。
【0029】
これら、ボディ側ウエザストリップ11、ドアウエザストリップ21及びガラスラン31は、いずれも車両のシールを構成するものであり、これらを総称してウエザストリップと呼んでいる。以下には、各ウエザストリップの取付構造の詳細について順次説明する。
【0030】
ボディ側ウエザストリップ11は、トリム部12とシール部13とを備えている。トリム部12は、一対の側壁(車内側側壁14、車外側側壁15)及び両側壁14,15を連結する断面湾曲形状をなす連結部16を備えており、全体として略J字状(又は略U字状)をなしている。トリム部12は、前記ドア開口周縁に形成されたフランジ17の先端に、その凹部が嵌め込まれるようにして嵌合保持されるようになっている。
【0031】
前記トリム部15は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ソリッドゴムによって構成されている。なお、本実施の形態では、内部に埋設される金属製のインサートが省略された金属インサートレスタイプのトリム部15が採用されているが、金属インサートが設けられた構成であっても何ら差し支えない。
【0032】
なお、前記トリム部12よりも車内側には、内装ガーニッシュ17が設けられており、その端縁が、前記連結部16から車内側に延びる意匠リップ19により覆われている。
【0033】
さて、本実施の形態では、前記フランジ17の車外側面には、所定間隔を隔てて、複数の磁石41が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石41として市販のものが採用されている。一方、ボディ側ウエザストリップ11のトリム部12の車外側側壁15のうち、少なくとも前記磁石41に対向する面には、鉄粉の混入された塗料(以下、鉄粉塗料)が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。
【0034】
本実施の形態におけるボディ側ウエザストリップ11は、そのトリム部12がフランジ17に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、フランジ17に設けられた磁石41に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0035】
次に、ドアウエザストリップ21の取付構造について説明する。ドアウエザストリップ21(下辺部分を除く)は、前記サッシュ4の外周リテーナ5に対し取付けられている。ドアウエザストリップ21の略直線状の部分は押出成形法により構成され、コーナー部分は型成形法により成形されている。ドアウエザストリップ21は、外周リテーナ5に対し嵌め込みによって取付けられる取付基部22と、該取付基部22に一体形成された中空状のメインシール部23及びサブシール部24とを備えている(サブシール部24は省略していもよいし、サブシール部24に代えてシールリップを突出形成してもよい)。そして、ドア3の閉時には、主として前記シール部23,24が潰れ変形することによって、ドア3及びボディ2間がシールされるようになっている。
【0036】
さて、本実施の形態では、前記外周リテーナ5には、所定間隔を隔てて、複数の磁石42が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石42についても市販のものが採用されている。一方、ドアウエザストリップ21の取付基部22のうち、少なくとも前記磁石42に対向する面には、鉄粉塗料が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。
【0037】
本実施の形態におけるドアウエザストリップ21(下辺部分を除く)は、その取付基部22が外周リテーナ5に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、外周リテーナ5に設けられた磁石42に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0038】
なお、図3は、ドア3等の下辺部分を示す断面図であるが、同図に示すように、ドアウエザストリップ21は、ドア3の下辺部分においては、取付基部22及びメインシール部23を有している。そして、当該取付基部22が、ドアウエザストリップ21の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップ25でドアパネル3aに取付けられている。また、ドアパネル3aには、前記同様磁石42が所定間隔毎に設けられているとともに、それに対向して取付基部22には磁性体塗膜層が設けられており。そして、ドアウエザストリップ21の下辺部分においては、クリップ25でドアパネル3aに取付けられるのみならず、ドアパネル3aに設けられた前記磁石42に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0039】
続いて、ガラスラン31の取付構造について説明する。図2に示すように、ガラスラン31は、前記サッシュ4の内周リテーナ6に対し取付けられている。ガラスラン31の略直線状の部分は押出成形法により構成され、コーナー部分は型成形法により成形されている。ガラスラン31は、内周リテーナ6に対し嵌め込みによって取付けられる底壁部32と、該底壁部32の両端に一体形成された車内側側壁部33及び車外側側壁部34と、両側壁部33,34から内側に向かって延びる車内側シールリップ35及び車外側シールリップ36とを備えている。そして、ドアガラスGの車内側面及び車外側面に対し、前記両シールリップ35,36が弾性当接することによってシールされるようになっている。
【0040】
さて、本実施の形態では、前記ドアパネル3aには、内周リテーナ6近傍の車内位置において、所定間隔を隔てて、複数の磁石43が取付けられている。本実施の形態では、当該磁石43についても市販のものが採用されている。一方、ガラスラン31の車内側側壁部33のうち、少なくとも前記磁石43に対向する面には、鉄粉塗料が塗布されることによって図示しない磁性体塗膜層が形成されている。また、磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が、金属部で被覆されている。
【0041】
本実施の形態におけるガラスラン31は、その底壁部32が内周リテーナ6に嵌合保持されることで取付けられる。それのみならず、車内側側壁部34に設けられた磁石43に対し、前記磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、主としてその長手方向への位置ずれが規制されるようになっている。
【0042】
このように、本実施の形態によれば、自動車1のボディ2又はドア3側に設けられた磁石41〜43に対し、ウエザストリップ11,21,31側に設けられた磁性体塗膜層が磁力によって接合されることで、その被接合面が接合される。これにより、ウエザストリップ11,21,31の長手方向への位置ずれが規制されることとなり、各ウエザストリップ11,21,31の取付作業性向上を図ることができるとともに、取付状態の安定化を図ることができる。
【0043】
また、自動車1のボディ2又はドア3側に磁石41〜43が設けられることから、ウエザストリップ11,21,31の接合される相手先の素材が限定されてしまうことがない。但し、本実施の形態では、磁石41〜43が、鉄製のボディ2、ドア3(ドアパネル3a、リテーナ5,6)に設けられることから、磁石41〜43を配設する上での困難性を伴うことがない。
【0044】
さらに、ウエザストリップ11,21,31に対しては磁性体塗膜層を設けるだけでよく、そのことに特に困難性を伴うわけではない。しかも、磁石41〜43は、市販の永久磁石等で十分なため、その入手等に際し困難性を伴ったり、コストの著しい増大を招いてしまったりすることがない。また、磁性体塗膜層を設けたとしても、ウエザストリップ11,21,31にとって重要なフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0045】
併せて、ウエザストリップ11,21,31の長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石41〜43を設ければよいため、大型で長尺な磁石を用意する必要がなく、コストの増大をさらに抑制できる。
【0046】
特に、ガラスラン31用の磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が金属部で被覆される。このため、磁石43の磁束密度が高められ、磁性体塗膜層がより強固に磁力によって接合されることとなる。結果として、大型の磁石を用いずとも、上述した作用効果がより確実に奏される。
【0047】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0048】
(a)上記実施の形態では、ガラスラン31用の磁石43の上下両側において、ドアパネル3aが折曲形成されることによって、磁石43の両側壁が金属部で被覆されることとしている。これに対し、図4に示すように、必ずしも磁石43両側壁を金属壁で覆う構成としなくてもよい。この場合、磁石の幅を大きく設定できるというメリットがある。また、図5に示すように、ガラスラン31のみならず、ドアウエザストリップ21用の磁石42に関しても、外周リテーナ5を折曲形成することで、磁石42の両側壁が金属部で被覆されることとしてもよい。勿論、ボディ側ウエザストリップ11に関しても同様のことがいえる。また、磁石41〜43の周壁が、全て金属部で囲まれることとしてもよい。
【0049】
(b)上記実施の形態では、ドアウエザストリップ21に関し、取付基部22の下面側に対し、磁石42及び磁性体塗膜層を設けることとしているが、他の部位に設けることとしてもよい。例えば、図6に示すように、取付基部22の側壁面に磁石42及び磁性体塗膜層を設けることとしてもよい。また、同図に示すように、ガラスラン31の側壁部(図では車外側側壁部34)に磁石43及び磁性体塗膜層を設けることとしてもよい。要するに、非シール部(例えば、取付基部、底壁部、側壁部等を例示することができる)に対応して設けることが望ましいが、シール部のシール面と対応する位置に磁石を設け、磁力による接合を補助として利用することもできる。つまりは、如何なる部位に磁石等を設けることとしてもよい。
【0050】
(c)上記実施の形態では、磁性体として、鉄粉の混入された塗料(以下、鉄粉塗料)が塗布されることによって形成された磁性体塗膜層を採用することとしている。これに対し、鉄粉以外の他の磁性体(金属粉)の混入された塗料が用いられてもよい。また、塗料以外にも接着剤等を採用することもできる。
【0051】
(d)さらに、ウエザストリップの少なくとも磁石41〜43,に対向する面に比較的薄肉の可撓性を有する磁性体板(例えば薄肉鉄板、鉄製の箔)を装着すること(嵌め込むこと)によって、磁性体を構成することとしてもよい。かかる構成としても、ウエザストリップのフレキシビリティ(可撓性)が損なわれることがない。
【0052】
(e)上記実施の形態では、ボディ2及びドア3のサッシュ4等を鉄で構成することとしているが、他の素材、例えばアルミニウム等で構成してもよい。この場合、磁石41〜43を取着する構成が必要となる。
【0053】
(f)上記実施の形態とは別のウエザストリップの取付構造にも適用してもよいのはいうまでもない。他のウエザストリップとしては、例えば自動車後部のラゲッジドア(又はバックドア)の開口に取着されるウエザストリップや、クォータウインドの開口に取着されるウエザストリップ、スライディングルーフに用いられるウエザストリップ等が挙げられる。
【0054】
(g)ウエザストリップ11,21,31を構成する素材としては、EPDM以外にも、IR(イソブレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の弾性材料により構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態において自動車を示す側面図である。
【図2】ウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図3】ドア下辺部分のウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図4】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図5】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【図6】別の実施の形態におけるウエザストリップの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…車両としての自動車、2…ボディ、3…ドア、4…サッシュ、5…外周リテーナ、6…内周リテーナ、11…ウエザストリップとしてのボディ側ウエザストリップ、12…トリム部、13…シール部、14…車外側側壁、15…車内側側壁、21…ウエザストリップとしてのドアウエザストリップ、22…取付基部、23…メインシール部、24…サブシール部、31…ウエザストリップとしてのガラスラン、32…底壁部、33…車内側側壁部、34…車外側側壁部、35…車内側シールリップ、36…車外側シールリップ、41,42,43…磁石。
Claims (7)
- 車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、
前記ボディ又はドア側には磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設けたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。 - 車両のボディ又はドアに対し取付けられるウエザストリップの取付構造であって、
前記ボディ又はドア側には、前記取付けられるウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の磁石を設け、前記ウエザストリップ側には前記磁石と磁力によって接合される磁性体を設け、該磁性体面を前記磁石に対する被接合面としたことを特徴とするウエザストリップの取付構造。 - 前記ウエザストリップは、前記ボディ又はドアに対し、基本的には嵌着によって取付けられており、前記磁石及び前記磁性体の接合によって長手方向の位置ずれが規制されるよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエザストリップの取付構造。
- 前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に塗布形成された磁性体粉塗膜層によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
- 前記磁性体は、前記ウエザストリップの少なくとも前記磁石に対向する面に嵌め込まれた可撓性を有する磁性体板によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
- 前記磁石の側壁が、金属部で被覆されるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
- 前記磁石の設けられる前記ボディ又はドアは磁性体材料よりなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のウエザストリップの取付構造。
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