JP2004098721A - 推進器分散式軟式飛行船及びその推進ユニット - Google Patents

推進器分散式軟式飛行船及びその推進ユニット Download PDF

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Abstract

【目的】軟式飛行船の推進器の推進効率の向上、重量軽減、装着の自由度の向上、開発コスト、開発リスクの低減、および船体構造設計の自由度の向上を図る。
【構成】二次電池、電動機、プロペラを一つの装置に単位化して推進ユニットを構成し、該推進ユニット43を太陽光電動軟式飛行船の船体44に多数分散配置して、船体外皮41へ直接装着する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟式飛行船における推進機の推進効率の向上と重量軽減及び装着の自由度の向上を目的とした推進器分散式軟式飛行船及びその推進ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、宇宙プラットフォームの代替として成層圏プラットフォームの研究開発が提案されている。成層圏プラットフォームは、高度20km程度の成層圏に通信機材や観測機材を搭載した無人の飛行船を滞空させ、通信・放送・地球観測等に利用しようとするものであり、その開発中心が成層圏の環境に耐え得る飛行船の開発である。とりわけ、飛行船が成層圏まで浮揚し、風に対向して推進あるいは定点に滞空できるための、推進装置の推進効率の向上と重量軽減が求められている。
【0003】
従来の軟式飛行船は、図5に示す形態をし、その推進器は内燃機関1とプロペラ2からなっている。通常この推進器は2基であり、船体8の下部に設けられたゴンドラ3の左右に装備される。これは重量物である推進器を船体8の重心位置調整のために用いる必要があるためと、推進器が発生する推力を支えるための頑丈な構造が必要なためである。しかしこのように装備されたプロペラ2はゴンドラ3、船体8、地面との間隙を確保するために理想的なプロペラ直径よりも小さくならざるをえない。なお、図5において、4は降着装置、5は前方バロネット、6は中央バロネット、7は後方バロネット、9はカテナリーカーテン、10はカテナリーロープ、11は垂直尾翼、12は水平尾翼である。
【0004】
また、従来図6に示すように船尾にプロペラを装着した推進器を有する軟式飛行船も知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。船尾プロペラを装着した飛行船としては、1991年にStuttgart大学のLotte号が大直径のプロペラを船尾に一基装備する船尾プロペラ14を採用して飛行した。船尾にプロペラを装備することで地面、船体13との間隔を気にせずに効率上有利な大直径プロペラを使用できる。さらに船体13の表面摩擦によって減速された境界層15の中でプロペラを回すことにより、プロペラ単体の効率を上回る推進効率を得ることができる。これは以下のように説明される。プロペラの推進効率ηは次式で表される。
η=V/(V’+v)
ここでVは前進速度、V’はプロペラに流入する流速、vはプロペラ後面での速度増分である。
【0005】
上記式より、船尾プロペラによる推進は、表面摩擦によって減速された境界層15の中でプロペラを回すことにより分母にあるV’が小さくなるため効率ηが大きくなることが分かる。しかし、船尾の水平尾翼と垂直尾翼のために重心が後ろになる傾向がある軟式飛行船の船尾に、さらに重量物である推進器を取り付けることは重心を適正な位置にすることを困難にする。また船尾は軟式飛行船の構造の中で最も変形しやすい箇所であるために推進器を装着するには船尾をトラス構造などで補強しなければならず、重心がさらに後退してしまう。このように船尾プロペラ14は推進効率の点で優れているが構造の面で成立させることが困難なプロペラ装備方法である。なお、図6において表す流線図は、図の中心線より上方が船尾プロペラがない場合の流線を表し、中心より下方が船尾プロペラがある場合の流線を表している。
【0006】
さらに、成層圏高度に長期間滞空し高密度高速無線通信の中継基地とする成層圏プラットフォームとして、昼間は太陽電池で発電した電力で、また夜間は電力貯蔵装置に貯蔵された昼間の余剰電力で電動機を駆動してプロペラを回す太陽光電動軟式飛行船(非特許文献1、特許文献1及び2参照)、あるいは昼間は太陽電池の動力を、夜間は水素エンジンを動力とする半硬式長期滞留飛行船(特許文献3参照)が提案されている。ここで電力貯蔵装置とはリチウムイオン電池といった二次電池あるいは再生型燃料電池のことである。
【0007】
【特許文献1】
特開平11‐278389号公報(1〜2頁、図1参照)
【特許文献2】
特開2001‐199397号公報(特許請求の範囲、図1参照)
【特許文献3】
特開平6−199290号公報(1頁参照)
【非特許文献1】
大垣正信著「SPF飛行船システムの研究開発状況」、第三回成層圏プラットフォームワークショップ講演前刷集、2001年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
プロペラ推力をプロペラの回転面積で除した円盤荷重が小さくなるほどプロペラの推進効率は基本的に高くなる。したがって推進効率を上げるためにプロペラ直径はある程度まで大きいことが望ましい。しかし、従来の軟式飛行船に用いられるプロペラはゴンドラ、船体、地面との間隙を確保するために理想的なプロペラ直径よりも小さくせざるをえない。このためプロペラ推進効率として80%程度を見込めるところをプロペラの直径を無理に小さくして50%程度の低い推進効率で用いられている。また標準的な大きさである全長60m級の軟式飛行船では、内燃機関とプロペラからなる推進器は一基数百kgもの重量がある上に、数百kgの推力を発生する。これらの荷重を支えるためには強固な支持構造が必要であり、このため装備する位置がゴンドラに限られる。さらに支持構造の分だけ推進器の重量が重くなる問題点もある。また重量物を支えるために船体内に図5に示すようにカテナリーカーテン9やカテナリーロープ10などの集中荷重を船体外皮に分散して流す構造が必要となり、船体内のバロネット5,6,7の配置に制約を受ける等の問題点を有している。
【0009】
一方、従来提案されている太陽光電動軟式飛行船は次のような問題点を有している。従来提案されている太陽光電動軟式飛行船の概念を図7に示す。現在、様々な機関で研究されている太陽光電動軟式飛行船の推進装置は、概念的にプロペラ16が1個乃至4個用いられ、電力貯蔵装置18は一基用いられている。実用型太陽光電動軟式飛行船の全長は120m以上となると考えられているため、必然的に使用する電動機17、プロペラ16、電力貯蔵装置18の寸法は大きくなり、開発コスト、開発リスクが高くなる。また電力貯蔵装置18から電動機17への電力ケーブル19は長く太くなるため重くなる。さらに電力の伝達ロスも少なくない。さらにまた太陽光電動軟式飛行船でも推進系を支えるためにゴンドラ状の構造やカテナリーカーテンなどの構造が必要になる等の欠点を有している。太陽光電動軟式飛行船は高々度を飛行させるための徹底した軽量化と限られた電力で飛行するための高い推進効率が求められているが、従来の太陽光電動軟式飛行船はこの点で未だ満足するに到っていない。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点を解決して成層圏プラットフォームとしても適用可能な太陽光電動軟式軟式飛行船を得ようとするものであり、従来よりも一段と軟式飛行船の推進器の推進効率の向上、重量軽減、装着の自由度の向上、開発コスト・開発リスクの低減、及び船体構造設計の自由度の向上を図ることができる軟式飛行船、及びその推進ユニットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の推進器分散式軟式飛行船は、2次電池により電動機を駆動しプロペラを回す電動軟式飛行船において、二次電池、電動機、プロペラを一つの推進装置に単位化し、該単位化した推進ユニットを多数船体外皮へ直接装着をしたことを特徴とするものである。前記推進ユニットのプロペラの直径を船体境界層と同程度の大きさとし、船体表面の境界層の中で多数のプロペラを回すようにすることによって、より一層推進装置の推進効率の向上を図ることができる。前記飛行船は、成層圏プラットフォームとして、昼間は太陽電池で発電した電力によって、夜間は電力貯蔵装置に貯蔵された昼間の余剰電力によって電動機を駆動しプロペラを回す太陽光電動軟式飛行船として、特に有効である。
【0012】
飛行船等の飛翔体に適用できる本発明の推進ユニットは、支持台座に片持ち梁構造に支柱を立設し、該支柱に電動機及び該電動機の出力軸に設けられたプロペラを支持し、且つ前記支持台に2次電池を内蔵することによって推進装置を単位化し、前記支持台座を飛翔体に直接装着可能としたことを特徴するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の推進ユニットの基本概念を、図3に示す模式図及びその推進効率を説明するための説明図である図4により説明する。
本発明は、2次電池により電動機を駆動しプロペラを回す電動軟式飛行船において、二次電池23、電動機22、プロペラ21を一つの推進装置に小型に単位化し、該単位化した推進ユニットを多数船体外皮へ直接装着をしたことによって、前記問題点を解決したものであるが、その技術的理由は次のように説明することができる。
【0014】
プロペラの円盤荷重が同じであれば基本的にすべてのプロペラは同じ推進効率となる。従って推力100N、直径1mのプロペラと推力25N、直径0.5mのプロペラの推進効率は等しい。つまり100Nの推力を直径1mのプロペラを1個用いて発生する場合も直径0.5mのプロペラを4個基用いて発生する場合も同じ推進効率となる。
一方、プロペラの重量は要求される強度および剛性を満たす条件から決定される。ここで強度の要求として「プロペラブレードに働く遠心力によってプロペラブレードが破断しないこと」、剛性の条件として「プロペラブレードの固有振動数がプロペラ回転数より大きいこと」および「プロペラブレードの先端の変位角がある値以下になること」を選ぶと次の関係が導き出される。「円盤荷重を一定にとった時、プロペラの総重量はプロペラ個数の1/2乗に反比例する。」つまり100Nの推力を直径0.5mのプロペラを4個用いて発生する場合のプロペラ総重量は同じ推力を直径1mのプロペラを1個用いて発生する場合のプロペラ重量の2分の1となる。したがって同じ推力を同じ効率で発生するという条件の下ではプロペラは小さいものを多数用いた方が重量的に有利である。一方、市販されている電動機の出力と重さは比例関係にある。また二次電池も同様の傾向にある。以上のことから二次電池、電動機、プロペラを一つの装置に単位化し、この推進単位の多数使用と小型化により、全重量のうちプロペラの重量が減り推進単位が軽量になる。また電動機は内燃機関に比べてはるかに始動性が良く、構造が簡単であり、ほぼメンテナンスフリーである。そのため多数の電動機を使用しても整備上の問題および始動上の問題は生じない。
【0015】
さらに二次電池、電動機、プロペラを一つの装置に小型化して単位化し、推進単位の多数使用と小型化により推進単位あたりの重量が小さくなるため、船体に補強を入れなくとも直接装備することが可能となる。さらに推進器の装備位置が自由になるため船体の重心位置の調整を行いやすくなる。また推進ユニットを船体表面に多数分布させることにより船体外皮に加わる応力を分散させることができ、船体外皮に加わる応力を小さくすることができる。さらにカテナリーカーテンが不要となるためバロネットとの干渉がなくなって船体設計の自由度が高まるという利点がある。
【0016】
さらに、二次電池23、電動機22、プロペラ21を一つの装置に単位化することで、二次電池23と電動機22の距離を短くすることができ、電力ケーブル24の長さを短くできる。これによって電力ケーブル24の重量が軽くなり、また送電の際の損失が小さくなる。さらに使用する電動機22、二次電池23、プロペラ21が小さくなるため開発コストおよび開発リスクが小さくなる。
【0017】
また、従来円盤荷重を下げるにはプロペラ直径を大きくするという考えしかなかったが、本発明では、小さな直径のプロペラを多数用いることで円盤荷重を従来型飛行船のものより下げることができたものである。従って従来型飛行船に比べてプロペラを高い推進効率で用いることができる。
特に、推進ユニットを多数用いてプロペラの直径が船体境界層と同程度になるまで小型化し、図4に模式的に示すように、船体表面近傍の遅い流れの中でプロペラを回すことで、船尾プロペラと同様に推進効率を上げることができる。つまり船体表面28との摩擦で速度の低下した境界層が流入してくるため、プロペラ26の流入速度は前進速度よりも小さくなる。よって前記数式よりプロペラの効率が高くなる。図4において、29はプロペラ流入前の境界層の速度分布を、30はプロペラ通過後の境界層の速度分布を表している。
【0018】
以下、本発明の具体的実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1に本実施形態に係る推進器分散式軟式飛行船の概念図、図2に推進ユニットの構成を示している。本実施形態に係る推進器分散式軟式飛行船では、船体44の上面に太陽電池45が張られている。推進ユニット43の個数は特に限定されるものでなく、船体44の側面から下面にかけて広く分布させて、船体外皮へ直接装着している。なお、図中46は垂直尾翼、47は水平尾翼である。
【0019】
推進ユニット43は、図2(a)に示すように、プロペラ31、電動機33、支柱36、支持台座35からなっている。支持台座35は、空気抵抗が小さくなるように整形されており、二次電池34が内蔵されている。支持台座35に片持ち梁構造の支柱36が取り付けられており、該支柱に電動機33及び該電動機の出力軸(スピナー32)に固定されたプロペラ31を固定支持し、その重量と推力を支えるようになっている。また支持台座35の全周に飛行船の外皮に取り付けるための結合具37が適宜配置されており、支持台座下面が船体外皮41に密着して取り付けられるようになっている。
取付け手段は任意の手段が採用でき、特に限定されないが、一形態が図2(b)に拡大して示されている。本実施形態における取付け手段は、船体外皮41に船体側結合具38が接着されており、結合具37はボルト39とナット40によって船体外皮41と船体側結合具38に締結され固定される。また結合具37からの気体の漏洩を防ぐために気密嚢42が船体外皮41の内側に設けられている。推進ユニット43は以上のような構造からなり、プロペラ31の直径は、任意の大きさ(例えば1m程度)に構成することができ、またプロペラ31の直径を船体境界層と同程度の大きさとし、船体表面の境界層の中で多数のプロペラを回すように小型化することも可能である。
【0020】
以上のように構成された本発明の推進器分散式飛行船と従来の太陽光電動軟式飛行船とを、地上での最大速度15m/s、全長70m級の太陽光電動軟式飛行船を例にとり、その作用効果を比較する。
飛行船の抵抗係数を平均的な0.045とすると最大速度における推力は約3000Nとなる。この推力を従来型の飛行船の平均的なプロペラ直径である直径2mのプロペラ2基で発生すると円盤荷重は480N/mとなり、理論上の推進効率は64%となる。実際はこの8割程度となるため推進効率は約50%となる。したがって必要パワーは90kWとなる。電動機の出力あたりの重量を1kg/kWとすると電動機の重量は一基あたり45kgとなる。最大速度飛行時間を30分とし、二次電池のエネルギー密度を100Wh/kgとすると二次電池重量は450kgとなる。またプロペラ一個あたりの重量を40kgとする。このほか減速ギアと支持構造があるが重量計算から除外する。したがって推進器の総重量は620kgとなる。支持構造はこの620kgを支えなければならず、ゴンドラ以外に適切な装備位置はない。
【0021】
一方で同じ推力を直径1mのプロペラ15基で発生すると円盤荷重は250/mとなり、理論上の推進効率は74%となる。実際はこの8割程度となるため推進効率は約60%となり、従来の方式よりも推進効率が向上する。また必要パワーは75kWとなる。したがって電動機の重量、二次電池の重量はそれぞれ75kg、375kgとなる。プロペラの重量は先の従来型の計算で用いた円盤荷重とここで用いた円盤荷重が異なるため厳密には計算できない。しかしここで円盤荷重が等しいと近似し、「円盤荷重を一定にとった時、プロペラの総重量はプロペラ個数Nの1/2乗に反比例する。」ことを用いるとプロペラ重量は合計で30kgとなる。したがって推進器の総重量は480kgとなり、従来型の装備方法の77%になる。また推進単位一基あたりの電動機とプロペラの合計重量は7kg、推力は20kgとなる。この荷重がかかる推進単位を図2に示すようにして船体外皮に直接取り付けることは容易である。さらに電動機一基あたりの出力は4kWと従来の装備方法で用いるモータの10分の1以下となり、電動機の開発コスト、開発リスクが軽減される。プロペラもまた直径で2分の1、重量で20分の1となり、やはりプロペラの開発コスト、開発リスクが軽減される。
【0022】
さらに同じ円盤荷重で推進器を1500基用いるとプロペラ直径は0.1mとなる。この直径は飛行船船体表面の境界層と同程度の値でありプロペラは船体の表面摩擦によって減速された流れの中で回ることにより船尾プロペラと同様に推進効率を向上することができる。また仮に推進効率を60%とした場合、電動機の総重量、二次電池重量の総重量、プロペラの総重量はそれぞれ75kg、375kg、9kgとなる。電動機一基あたりの出力は40Wと従来の装備方法で用いるモータの1000分の1以下となり、電動機の開発コスト、開発リスクが極めて軽減される。プロペラもまた直径が20分の1となり、やはりプロペラの開発コスト、開発リスクが軽減される。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明の推進器分散式飛行船によれば、軟式飛行船の推進器の推進効率の向上、重量軽減、装着の自由度の向上、開発コスト・開発リスクの低減、及び船体構造設計の自由度の向上を図ることができ、成層圏プラットフォームに適用可能な軟式飛行船を得る事が期待できる。特に、二次電池、電動機、プロペラを一つの装置に単位化し、この推進単位の多数使用と小型化により、全重量のうちプロペラの重量が減り推進単位が軽量になり、推進効率を向上できると共に、船体に補強を入れなくとも直接装備することが可能であり、さらに推進器の装備位置が自由になるため船体の重心位置の調整を行いやすく、また推進単位を船体表面に多数分布させることにより船体外皮に加わる応力を分散させることができ、船体外皮に加わる応力を小さくすることができ、カテナリーカーテンが不要となるため船体の軽量化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る推進器分散式軟式飛行船側面概略図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係る推進器ユニットの斜視図であり、(b)飛行船外皮へのその取付け構造を示す要部拡大図である。
【図3】本発明における推進器ユニットの基本概念を示す説明図である。
【図4】境界層内でのプロペラの作動説明図である。
【図5】従来の軟式飛行船の側面概略図である。
【図6】従来の船尾プロペラを有する飛行船の船尾プロペラの作動説明図である。
【図7】従来の太陽光電動軟式飛行船の計画における推進器の使用方法を示す説明図である。
【符号の説明】
31 プロペラ            32 スピナー
33 電動機             34 二次電池
35 支持台座            36 支柱
37 結合具             38 船体側結合具
39 ボルト             40 ナット
41 船体外皮            42 気密嚢
43 推進単位            44 船体
45 太陽電池            46 垂直尾翼
47 水平尾翼

Claims (4)

  1. 2次電池により電動機を駆動しプロペラを回す電動軟式飛行船において、二次電池、電動機、プロペラを一つの推進装置に単位化し、該単位化した推進ユニットを多数船体外皮へ直接装着をしたことを特徴とする推進器分散式軟式飛行船。
  2. 前記推進ユニットのプロペラの直径を船体境界層と同程度の大きさとし、船体表面の境界層の中で多数のプロペラを回すようにした請求項1に記載の推進器分散式軟式飛行船。
  3. 前記飛行船が成層圏プラットフォームとして、昼間は太陽電池で発電した電力によって、夜間は電力貯蔵装置に貯蔵された昼間の余剰電力によって電動機を駆動しプロペラを回す太陽光電動軟式飛行船である請求項1又は2に記載の推進器分散式軟式飛行船。
  4. 支持台座に片持ち梁構造に支柱を立設し、該支柱に電動機及び該電動機の出力軸に設けられたプロペラを支持し、且つ前記支持台に2次電池を内蔵することによって推進装置をユニット化し、前記支持台座を飛翔体に直接装着可能としたことを特徴する推進ユニット。
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