JP2004097908A - ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法 - Google Patents
ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低濃度かつ室温付近で排出される汚染物質を効率よく二酸化炭素まで分解することが可能で、その除去効率が改善されたガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法を提供する。
【解決手段】触媒を含む反応器にオゾンと、揮発性有機物質を含有するガスを導入し、ついで触媒表面に滞留した中間生成物を加熱除去する。
【選択図】 なし
【解決手段】触媒を含む反応器にオゾンと、揮発性有機物質を含有するガスを導入し、ついで触媒表面に滞留した中間生成物を加熱除去する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス特に排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
揮発性有機物質(VOCs)による大気汚染は深刻な環境問題であり、PRTR法の施行に伴い、中小規模の事業所においても廃棄物の排出量を管理し低減することが要求されるなど、これらからの排ガス処理技術の確立は緊急の課題である。
【0003】
ところで、一般に固定発生源からの排ガス中のVOCs濃度は低いものの、ベンゼン、ダイオキシン類および内分泌撹乱物質は数十ppmもしくはそれ以下の低濃度で人体・生態系に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
したがって、これらの低濃度VOCsの効率的な除去方法が強く要請されているが、燃焼法、触媒燃焼法などの従来法(例えば非特許文献1参照)では天然ガスなどの新たな燃料を追加すると共に連続的な加熱を必要とし、消費電力が大きくなり、低濃度のVOCs処理には必ずしも有効ではなかった。
【0004】
一方、オゾンを含むガス気流下では、金属触媒の存在下において臭気物質が除去されることが知られているが(特許文献1)、これらの分解反応では触媒表面上に反応性の低い中間生成物が生成してしまい、触媒の劣化が著しく、当該臭気物質を二酸化炭素まで完全に分解することが困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−28335号公報
【非特許文献1】
P. Hunter and S. T. Oyama, Control of Volatile Organic Compound Emissions: Conventional and Emerging Technologies, Wiley−Interscience, 2000.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術の事情に鑑みなされたものであって、その目的は、低濃度かつ室温付近で排出される汚染物質を効率よく二酸化炭素まで分解することが可能で、その除去効率が改善された排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガス特に排ガス中に含まれる低濃度の揮発性有機物質を簡便に酸化分解できる方法について鋭意検討した結果、触媒として金属触媒を用いると共に酸化剤としてオゾンを用い、かつ、分解反応によって触媒表面に滞留する中間生成物を加熱処理する方法を採用すると、触媒の再賦活が図られ、揮発性有機物質を効率よく分解できることを知見した。本発明はこれらの新規な知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)触媒を含む反応器にオゾンと、揮発性有機物質を含有するガスを導入し、ついで触媒表面に滞留した中間生成物を加熱除去することを特徴とするガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
(2)触媒が、金属触媒であることを特徴とする上記(1)に記載の排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で対象とするガスとは、炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドなどの揮発性有機物質(VOCs)を含有するガス特に排ガスを意味する。
排ガス中に含まれるVOCsの濃度は通常0.1〜10000ppm好ましくは1〜1000ppmである。
このような排ガスは通常、工場等の固定発生源から室温付近で排出されるもの、室内など生活環境から排出されるものなどが包含される。
【0009】
本発明で使用する酸化触媒は金属触媒であり、このような金属触媒としてはマンガンの他、銀、金、セリウム、コバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、モリブデン、バナジウム、タングステン、亜鉛、パラジウム、白金、ロジウムの内、少なくとも一種類を主成分もしくは添加物として用いる。
金属触媒は好ましく担体に担持して用いることが好ましい。担体としては、アルミナ、シリカ、ゼオライト、酸化チタン、ジルコニア、マグネシアなど従来公知のものが用いられる。また、担体の表面は多孔質でも緻密質でもよい。
【0010】
金属触媒の担持量には特別な制約はないが、好ましくは担体100重量部に対して金属を1.0重量%以上とするのがよい。
【0011】
金属の担持方法には特別な制約はなく、含浸担持法、ゾルゲル法、気相合成法など、従来公知の方法が用いられる。この際、酸化触媒を酸素共存下にて100〜500℃、好ましくは150〜450℃にて加熱焼成する。
【0012】
これら加熱処理した金属担持触媒は粉末状、ペレット状、ハニカム状など従来公知の形態にて用いられる。
【0013】
オゾンの使用量に特に制限はないが、通常VOCsの濃度に対して1〜100倍好ましくは1〜10倍である。オゾン発生装置としては放電方式(無声放電、コロナ放電など)や紫外線方式など従来公知のものであれば何れも用いられる。
【0014】
本発明においては、酸化分解により触媒表面に滞留した中間生成物(例えば炭素析出物など)を加熱して、該中間生成物を分解して触媒を再賦活化しその再生を図ることが重要である。
触媒表面の加熱装置としては電気炉、マイクロ波など従来公知のものであれば何れも用いられる。加熱温度は、特に制限はないが、通常100〜500℃好ましくは150〜450℃である。加熱時間は処理対象とする排ガスの種類、使用触媒などによって適宜定められるが、エネルギー効率、コスト等の観点からみて、可能な限り短時間とすることが好ましく、通常0.5〜180分、好ましくは1〜60分である。
【0015】
本発明によれば、排ガス中に含まれる低濃度のVOCs、特に炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドを効率良く酸化分解することができ、且つ触媒材料の劣化を抑制し、持続的なVOCs処理ができるので、工場・事業所などの固定発生源からガソリン車・ディーゼル車などの移動発生源まで、種々の発生源から排出されるガス気流の処理方法として有効である。
また、本発明によれば、連続的な温度操作は必要とせず、VOCs濃度の数倍程度のオゾン導入と極短時間の昇温処理によりVOCsをほぼ完全に二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解することができるため、従来法の燃焼法(蓄熱燃焼法、触媒燃焼法)に比べて低コスト且つ省エネルギー型の排ガス処理方法を提供することが可能となる。
【0016】
本発明方法を具体的に実施するには例えばつぎのようにすればよい。
円筒型のパイレックス(登録商標)ガラス製反応器に上記調製法により得られた金属担持触媒を装填する。ついで反応器を電気炉内に固定し、VOCsおよびオゾンを含むガス気流を流す。一定時間後にVOCs、オゾンの導入を止め、酸素共存下のガス気流中で昇温加熱を行う。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0018】
反応装置としては、図1に示されるものを用いた。
まず室温下にて空気または酸素をオゾン発生器に送り込んでオゾンを発生させ、揮発性有機物質とともに触媒層に導入する。この過程で揮発性有機物質が二酸化炭素、一酸化炭素、および中間生成物に分解する。その後、触媒表面上に滞留した中間生成物を、酸素共存下の加熱処理により二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解する。
揮発性有機物質としてベンゼンを用いた結果を図2に示す。本反応の実験条件は以下の通りである。
反応条件:触媒0.05g、 ベンゼン濃度100ppm、オゾン濃度1000ppm、酸素濃度10%、反応ガス流量250ml/min、反応時間4時間。
反応前に酸素気流中450℃で2時間触媒を加熱した。反応初期(反応開始30分後)においてベンゼン分解率は90%であるが、時間とともに分解率は低下した(過程1)。4時間後、ベンゼン転率は45%に低下した。なお、二酸化炭素の収率は29%、一酸化炭素の収率は9%とそれぞれ算出された。
続いてオゾンと揮発性有機物質の導入を止め、酸素共存下のガス気流中(酸素濃度10%、ガス流量250ml/min)電気炉にて触媒層を450℃で2時間加熱した。この際、触媒層に滞留した中間生成物が分解し、二酸化炭素と一酸化炭素が生成した。加熱を止めて触媒層を室温付近(50〜60℃以下)に戻し、再びオゾンを導入した(過程2)。この過程での経時変化は過程1と同様になり、加熱処理により触媒が再生できることが判る。
【0019】
【発明の効果】
揮発性有機化合物を分解する従来法としては燃焼法(触媒燃焼法、直接燃焼)などが挙げられるが、これらの方法では連続的に加熱を行うため、消費電力が大きいといった問題点があった。また、オゾンと触媒を用いた空気中の脱臭方法については既に実用化も行われているが、極低濃度の臭気物質(数十ppm以下)にしか適用できず、連続的に使用すると触媒表面上に中間生成物が滞留し、触媒が劣化するといった問題があった。
これに対して、本発明では、オゾン分解反応の際に劣化した触媒をすみやかに再生することが可能である。また、短時間の加熱で済むために消費電力を下げられるといった利点がある。
したがって、本発明によれば、排ガス中に含まれる低濃度のVOCs、特に炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドを効率良く酸化分解することができ、且つ触媒材料の劣化を抑制し、持続的なVOCs処理ができるので、工場・事業所などの固定発生源からガソリン車・ディーゼル車などの移動発生源まで、種々の発生源から排出されるガス気流の処理方法として有効である。
また、本発明によれば、連続的な温度操作は必要とせず、VOCs濃度の数倍程度のオゾン導入と極短時間の昇温処理によりVOCsをほぼ完全に二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解することができるため、従来法の燃焼法(蓄熱燃焼法、触媒燃焼法)に比べて低コスト且つ省エネルギー型の排ガス処理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた反応装置の概略図。
【図2】オゾン触媒−加熱操作を利用したベンゼン分解反応の経時変化を表すグラフ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス特に排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
揮発性有機物質(VOCs)による大気汚染は深刻な環境問題であり、PRTR法の施行に伴い、中小規模の事業所においても廃棄物の排出量を管理し低減することが要求されるなど、これらからの排ガス処理技術の確立は緊急の課題である。
【0003】
ところで、一般に固定発生源からの排ガス中のVOCs濃度は低いものの、ベンゼン、ダイオキシン類および内分泌撹乱物質は数十ppmもしくはそれ以下の低濃度で人体・生態系に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
したがって、これらの低濃度VOCsの効率的な除去方法が強く要請されているが、燃焼法、触媒燃焼法などの従来法(例えば非特許文献1参照)では天然ガスなどの新たな燃料を追加すると共に連続的な加熱を必要とし、消費電力が大きくなり、低濃度のVOCs処理には必ずしも有効ではなかった。
【0004】
一方、オゾンを含むガス気流下では、金属触媒の存在下において臭気物質が除去されることが知られているが(特許文献1)、これらの分解反応では触媒表面上に反応性の低い中間生成物が生成してしまい、触媒の劣化が著しく、当該臭気物質を二酸化炭素まで完全に分解することが困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−28335号公報
【非特許文献1】
P. Hunter and S. T. Oyama, Control of Volatile Organic Compound Emissions: Conventional and Emerging Technologies, Wiley−Interscience, 2000.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術の事情に鑑みなされたものであって、その目的は、低濃度かつ室温付近で排出される汚染物質を効率よく二酸化炭素まで分解することが可能で、その除去効率が改善された排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガス特に排ガス中に含まれる低濃度の揮発性有機物質を簡便に酸化分解できる方法について鋭意検討した結果、触媒として金属触媒を用いると共に酸化剤としてオゾンを用い、かつ、分解反応によって触媒表面に滞留する中間生成物を加熱処理する方法を採用すると、触媒の再賦活が図られ、揮発性有機物質を効率よく分解できることを知見した。本発明はこれらの新規な知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)触媒を含む反応器にオゾンと、揮発性有機物質を含有するガスを導入し、ついで触媒表面に滞留した中間生成物を加熱除去することを特徴とするガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
(2)触媒が、金属触媒であることを特徴とする上記(1)に記載の排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で対象とするガスとは、炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドなどの揮発性有機物質(VOCs)を含有するガス特に排ガスを意味する。
排ガス中に含まれるVOCsの濃度は通常0.1〜10000ppm好ましくは1〜1000ppmである。
このような排ガスは通常、工場等の固定発生源から室温付近で排出されるもの、室内など生活環境から排出されるものなどが包含される。
【0009】
本発明で使用する酸化触媒は金属触媒であり、このような金属触媒としてはマンガンの他、銀、金、セリウム、コバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、モリブデン、バナジウム、タングステン、亜鉛、パラジウム、白金、ロジウムの内、少なくとも一種類を主成分もしくは添加物として用いる。
金属触媒は好ましく担体に担持して用いることが好ましい。担体としては、アルミナ、シリカ、ゼオライト、酸化チタン、ジルコニア、マグネシアなど従来公知のものが用いられる。また、担体の表面は多孔質でも緻密質でもよい。
【0010】
金属触媒の担持量には特別な制約はないが、好ましくは担体100重量部に対して金属を1.0重量%以上とするのがよい。
【0011】
金属の担持方法には特別な制約はなく、含浸担持法、ゾルゲル法、気相合成法など、従来公知の方法が用いられる。この際、酸化触媒を酸素共存下にて100〜500℃、好ましくは150〜450℃にて加熱焼成する。
【0012】
これら加熱処理した金属担持触媒は粉末状、ペレット状、ハニカム状など従来公知の形態にて用いられる。
【0013】
オゾンの使用量に特に制限はないが、通常VOCsの濃度に対して1〜100倍好ましくは1〜10倍である。オゾン発生装置としては放電方式(無声放電、コロナ放電など)や紫外線方式など従来公知のものであれば何れも用いられる。
【0014】
本発明においては、酸化分解により触媒表面に滞留した中間生成物(例えば炭素析出物など)を加熱して、該中間生成物を分解して触媒を再賦活化しその再生を図ることが重要である。
触媒表面の加熱装置としては電気炉、マイクロ波など従来公知のものであれば何れも用いられる。加熱温度は、特に制限はないが、通常100〜500℃好ましくは150〜450℃である。加熱時間は処理対象とする排ガスの種類、使用触媒などによって適宜定められるが、エネルギー効率、コスト等の観点からみて、可能な限り短時間とすることが好ましく、通常0.5〜180分、好ましくは1〜60分である。
【0015】
本発明によれば、排ガス中に含まれる低濃度のVOCs、特に炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドを効率良く酸化分解することができ、且つ触媒材料の劣化を抑制し、持続的なVOCs処理ができるので、工場・事業所などの固定発生源からガソリン車・ディーゼル車などの移動発生源まで、種々の発生源から排出されるガス気流の処理方法として有効である。
また、本発明によれば、連続的な温度操作は必要とせず、VOCs濃度の数倍程度のオゾン導入と極短時間の昇温処理によりVOCsをほぼ完全に二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解することができるため、従来法の燃焼法(蓄熱燃焼法、触媒燃焼法)に比べて低コスト且つ省エネルギー型の排ガス処理方法を提供することが可能となる。
【0016】
本発明方法を具体的に実施するには例えばつぎのようにすればよい。
円筒型のパイレックス(登録商標)ガラス製反応器に上記調製法により得られた金属担持触媒を装填する。ついで反応器を電気炉内に固定し、VOCsおよびオゾンを含むガス気流を流す。一定時間後にVOCs、オゾンの導入を止め、酸素共存下のガス気流中で昇温加熱を行う。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0018】
反応装置としては、図1に示されるものを用いた。
まず室温下にて空気または酸素をオゾン発生器に送り込んでオゾンを発生させ、揮発性有機物質とともに触媒層に導入する。この過程で揮発性有機物質が二酸化炭素、一酸化炭素、および中間生成物に分解する。その後、触媒表面上に滞留した中間生成物を、酸素共存下の加熱処理により二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解する。
揮発性有機物質としてベンゼンを用いた結果を図2に示す。本反応の実験条件は以下の通りである。
反応条件:触媒0.05g、 ベンゼン濃度100ppm、オゾン濃度1000ppm、酸素濃度10%、反応ガス流量250ml/min、反応時間4時間。
反応前に酸素気流中450℃で2時間触媒を加熱した。反応初期(反応開始30分後)においてベンゼン分解率は90%であるが、時間とともに分解率は低下した(過程1)。4時間後、ベンゼン転率は45%に低下した。なお、二酸化炭素の収率は29%、一酸化炭素の収率は9%とそれぞれ算出された。
続いてオゾンと揮発性有機物質の導入を止め、酸素共存下のガス気流中(酸素濃度10%、ガス流量250ml/min)電気炉にて触媒層を450℃で2時間加熱した。この際、触媒層に滞留した中間生成物が分解し、二酸化炭素と一酸化炭素が生成した。加熱を止めて触媒層を室温付近(50〜60℃以下)に戻し、再びオゾンを導入した(過程2)。この過程での経時変化は過程1と同様になり、加熱処理により触媒が再生できることが判る。
【0019】
【発明の効果】
揮発性有機化合物を分解する従来法としては燃焼法(触媒燃焼法、直接燃焼)などが挙げられるが、これらの方法では連続的に加熱を行うため、消費電力が大きいといった問題点があった。また、オゾンと触媒を用いた空気中の脱臭方法については既に実用化も行われているが、極低濃度の臭気物質(数十ppm以下)にしか適用できず、連続的に使用すると触媒表面上に中間生成物が滞留し、触媒が劣化するといった問題があった。
これに対して、本発明では、オゾン分解反応の際に劣化した触媒をすみやかに再生することが可能である。また、短時間の加熱で済むために消費電力を下げられるといった利点がある。
したがって、本発明によれば、排ガス中に含まれる低濃度のVOCs、特に炭化水素、アルコール、有機酸、アルデヒドを効率良く酸化分解することができ、且つ触媒材料の劣化を抑制し、持続的なVOCs処理ができるので、工場・事業所などの固定発生源からガソリン車・ディーゼル車などの移動発生源まで、種々の発生源から排出されるガス気流の処理方法として有効である。
また、本発明によれば、連続的な温度操作は必要とせず、VOCs濃度の数倍程度のオゾン導入と極短時間の昇温処理によりVOCsをほぼ完全に二酸化炭素、一酸化炭素に酸化分解することができるため、従来法の燃焼法(蓄熱燃焼法、触媒燃焼法)に比べて低コスト且つ省エネルギー型の排ガス処理方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた反応装置の概略図。
【図2】オゾン触媒−加熱操作を利用したベンゼン分解反応の経時変化を表すグラフ。
Claims (2)
- 触媒を含む反応器にオゾンと、揮発性有機物質を含有するガスを導入し、ついで触媒表面に滞留した中間生成物を加熱除去することを特徴とする排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
- 触媒が、金属触媒であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002261778A JP2004097908A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004097908A true JP2004097908A (ja) | 2004-04-02 |
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JP2002261778A Pending JP2004097908A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | ガス中に含まれる揮発性有機物質の分解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012200648A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 揮発性有機化合物の分解除去方法 |
CN108939877A (zh) * | 2016-07-15 | 2018-12-07 | 缪琼华 | 一种去除废气中苯系物的钨线圈表面活化-臭氧氧化处理装置 |
CN113769767A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-10 | 华北电力大学(保定) | 一种导电催化膜及其制备方法和利用导电催化膜耦合臭氧净化烟气的方法 |
CN114984748A (zh) * | 2022-05-19 | 2022-09-02 | 深圳市天得一环境科技有限公司 | 一种适用于含苯系的VOCs的处理方法及处理装置 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261778A patent/JP2004097908A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012200648A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 揮発性有機化合物の分解除去方法 |
CN108939877A (zh) * | 2016-07-15 | 2018-12-07 | 缪琼华 | 一种去除废气中苯系物的钨线圈表面活化-臭氧氧化处理装置 |
CN113769767A (zh) * | 2021-09-30 | 2021-12-10 | 华北电力大学(保定) | 一种导电催化膜及其制备方法和利用导电催化膜耦合臭氧净化烟气的方法 |
CN114984748A (zh) * | 2022-05-19 | 2022-09-02 | 深圳市天得一环境科技有限公司 | 一种适用于含苯系的VOCs的处理方法及处理装置 |
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