JP2004097611A - 血液ポンプ駆動装置 - Google Patents

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Hideki Wakui
和久井 秀樹
Akira Suzuki
鈴木 晃
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものであって、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図った血液ポンプ駆動装置を提供すること。
【解決手段】血液ポンプ駆動装置1では、第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21の駆動源として一つのオイルポンプ30を共用している。また、陽圧調節部61の容積調整室28が第2アイソレータ22の気体室23に連通しており、陽圧調節部61の容積調整室28により、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができるので、第2血液ポンプ21の血液吐出ポート59を生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプ11の血液吐出ポート49を生体の大動脈に接続することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工心臓に利用する血液ポンプを空気圧で駆動する血液ポンプ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人工心臓に利用する血液ポンプを空気圧で駆動する血液ポンプ駆動装置では、液圧媒体用のポンプを駆動源とすることにより、陽圧と陰圧の空気圧を血液ポンプに交互に供給している(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−143297号公報(第4−5頁、第1図)
【特許文献1】
特開2002−11093号公報(第4−5頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらはいずれも1つの血液ポンプを駆動するものであり、左心臓又は右心臓の一方のみの機能を補助あるいは代行するものである。従って、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するためには、例えば、2台の血液ポンプ駆動装置を用意して、左心臓のための血液ポンプ及び右心臓のための血液ポンプを駆動する必要があった。もっとも、この場合には、2台の血液ポンプ駆動装置を用意するので、総重量やサイズが大きくなり、患者の移動や生活に不便をきたすことになる。
【0005】
この点、1台の血液ポンプ駆動装置において、1つの血液ポンプに対する機構を2系統並列にし、2つの血液ポンプを駆動する構成も考えられるが、構成部品が増加し複雑になるとともに、特に、駆動源である液圧媒体用のポンプが2つとなって消費電力が増加するため、バッテリー駆動時間が制限されることになる。
【0006】
また、左心臓のための血液ポンプは、生体の大動脈に接続されるため、血液を流すための負荷が比較的高く、約100mmHgの陽圧を必要とする。その一方で、右心臓のための血液ポンプは、生体の肺動脈に接続されるため、血液を流すための負荷が比較的低く、約20mmHgの陽圧で足りる。従って、1台の血液ポンプ駆動装置において、左心臓のための血液ポンプに対する機構を、単に、右心臓のための血液ポンプに対する機構に流用するだけでは、生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量が過大になるので、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものであって、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図った血液ポンプ駆動装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、第1血液ポンプと、第2血液ポンプと、前記第1血液ポンプ及び前記第2血液ポンプの駆動源であるポンピング手段と、前記第2血液ポンプの陽圧を前記第1血液ポンプの陽圧とは独立に設定するための陽圧調節手段と、を備えたこと、を特徴としている。
【0009】
すなわち、本発明の血液ポンプ駆動装置では、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプの駆動源として一つのポンピング手段を共用していることから、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図ることができる一方、陽圧調節手段により、第2血液ポンプの陽圧を第1血液ポンプの陽圧とは独立に設定することができ、第2血液ポンプを生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプを生体の大動脈に接続することが可能となることから、本発明の血液ポンプ駆動装置は、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものである。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、流体駆動室及び血液室が可動部材で区画された第1血液ポンプと、前記第1血液ポンプの流体駆動室に連通する気体室及び流体室が可動部材で区画された第1アイソレータと、流体駆動室及び血液室が可動部材で区画された第2血液ポンプと、前記第2血液ポンプの流体駆動室に連通する気体室及び流体室が可動部材で区画された第2アイソレータと、前記第1アイソレータの流体室に接続される第1ポート及び前記第2アイソレータの流体室に接続される第2ポートを設けたポンピング手段と、を有し、前記ポンピング手段は、前記第1ポートより吸入した流体を前記第2ポートから吐出する正方向ポンピング及び前記第2ポートより吸入した流体を前記第1ポートから吐出する逆方向ポンピングを交互に行なう血液ポンプ駆動装置であって、前記第2アイソレータの気体室に連通する容積調整室が設けられた陽圧調節手段を備えたこと、を特徴としている。
【0011】
このような特徴を有する本発明の血液ポンプ駆動装置では、ポンピング手段が正方向ポンピングすると、ポンピング手段の第1ポートより吸入した流体が第2ポートから吐出するので、第1アイソレータの可動部材がポンピング手段側に移動して、第1アイソレータの流体室の容積が縮小するとともに第1アイソレータの気体室の容積が拡大する。そのため、第1アイソレータの気体室と連通する第1血液ポンプの流体駆動室は、減圧してその容積を縮小しようとし、第1血液ポンプの可動部材の曲率が第1アイソレータ側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第1血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる。
【0012】
また、同時に、第2アイソレータの可動部材が第2血液ポンプ側に移動して、第2アイソレータの流体室の容積が拡大するとともに第2アイソレータの気体室の容積が縮小する。そのため、第2アイソレータの気体室と連通する第2血液ポンプの流体駆動室は、増圧してその容積を拡大しようとし、第2血液ポンプの可動部材の曲率が第2アイソレータ側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第2血液ポンプの血液室から血液が吐き出される。
【0013】
一方、ポンピング手段が逆方向ポンピングすると、ポンピング手段の第2ポートより吸入した流体が第1ポートから吐出するので、第1アイソレータの可動部材が第1血液ポンプ側に移動して、第1アイソレータの流体室の容積が拡大するとともに第1アイソレータの気体室の容積が縮小する。そのため、第1アイソレータの気体室と連通する第1血液ポンプの流体駆動室は、増圧してその容積を拡大しようとし、第1血液ポンプの可動部材の曲率が第1アイソレータ側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第1血液ポンプの血液室から血液が吐き出される。
【0014】
また、同時に、第2アイソレータの可動部材がポンピング手段側に移動して、第2アイソレータの流体室の容積が縮小するとともに第2アイソレータの気体室の容積が拡大する。そのため、第2アイソレータの気体室と連通する第2血液ポンプの流体駆動室は、減圧してその容積を縮小しようとし、第2血液ポンプの可動部材の曲率が第2アイソレータ側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第2血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる。
【0015】
従って、本発明の血液ポンプ駆動装置では、正方向ポンピングと逆方向ポンピングをポンピング手段が相互に繰り返すことにより、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプによる血液の拍動を繰り返すことができる。
【0016】
そして、第1血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量は、ポンピング手段による正方向ポンピング及び逆方向ポンピングの繰り返し周期と、第1アイソレータの気体室に存在する気体量、そして、ポンピング手段の出力から決定される。また、第2血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量は、ポンピング手段による正方向ポンピング及び逆方向ポンピングの繰り返し周期と、第2アイソレータの気体室に存在する気体量、そして、ポンピング手段の出力から決定される。
【0017】
もっとも、陽圧調節手段の容積調整室が第2アイソレータの気体室に連通しており、第2アイソレータの気体室から第2血液ポンプの流体駆動室に向かう気体の一部を陽圧調節手段の容積調整室に逃がすことができるので、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプの駆動源として一つのポンピング手段を共用していても、陽圧調節手段の容積調整室により、第2血液ポンプの陽圧を、第1血液ポンプの陽圧とは独立に設定することができ、よって、第2血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができる。
【0018】
すなわち、本発明の血液ポンプ駆動装置では、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプの駆動源として一つのポンピング手段を共用していることから、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図ることができる一方、陽圧調節手段の容積調整室が第2アイソレータの気体室に連通しており、陽圧調節手段の容積調整室により、第2血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができ、第2血液ポンプを生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプを生体の大動脈に接続することが可能となることから、本発明の血液ポンプ駆動装置は、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものである。
【0019】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載する血液ポンプ駆動装置であって、前記陽圧調節手段は、前記陽圧調節手段の容積調整室を外部と区画する可動部材と、前記陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更させるためのストッパーと、を備え、前記陽圧調節手段の可動部材が、前記陽圧調節手段の容積調整室に連通する前記第2アイソレータの気体室の圧力に応じて所定範囲で自由に変位すること、を特徴としている。
【0020】
また、本発明の血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節手段の具体的な構成として、陽圧調節手段の容積調整室を外部と区画する可動部材と、陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更させるためのストッパーと、を備えた場合には、陽圧調節手段の容積調整室が第2アイソレータの気体室に連通しており、陽圧調節手段の可動部材が、陽圧調節手段の容積調整室に連通する第2アイソレータの気体室の圧力に応じて所定範囲で自由に変位するので、第2血液ポンプの血液室から生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプの血液室から生体の大動脈に吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができるとともに、このとき、ストッパーを用いて、陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更すれば、第2アイソレータの気体室から陽圧調節手段の容積調整室に逃がす気体の量も変更することができるので、第2血液ポンプの血液室から生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を簡単に調節することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図1に、本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置1の概要を示す。図1に示すように、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1は、第1血液ポンプ11と、第1アイソレータ12、第2血液ポンプ21、第2アイソレータ22、オイルポンプ30、陽圧調節部61、制御装置31などから構成される。
【0022】
この点、第1血液ポンプ11は、ダイヤフラム44により、血液室43と流体駆動室45に分離されている。さらに、血液室43には、吸入方向への一方向弁46を介して血液吸入ポート48が設けられるとともに、吐出方向への一方向弁47を介して血液吐出ポート49が設けられている。尚、図8に示すように、血液室43の血液吸入ポート48は、チューブにより、生体の左心房又は左心室に接続されるとともに、血液室43の血液吐出ポート49は、チューブにより、生体の大動脈に接続されている。
【0023】
また、第1血液ポンプ11の流体駆動室45は、チューブにより、第1アイソレータ12の気体室13と連通している。さらに、当該チューブには、第1血液ポンプ11の流体駆動室45と第1アイソレータ12の気体室13を大気に開放又は大気から遮断させるための開閉弁16が設けられており、開閉弁16は、制御装置31に接続されている。
【0024】
また、第1アイソレータ12は、ダイヤフラム14により、気体室13と流体室15に分離されている。さらに、気体室13には、気体室13の内部の空気圧を測定するための圧力センサ81が設けられ、流体室15には、流体室15の内部の圧力を測定するための圧力センサ82が設けられており、圧力センサ81及び圧力センサ82は、いずれも、制御装置31に接続されている。尚、流体室15は、チューブを介して、オイルポンプ30の第1ポート71と連通している。
【0025】
また、第2血液ポンプ21は、ダイヤフラム54により、血液室53と流体駆動室55に分離されている。さらに、血液室53には、吸入方向への一方向弁56を介して血液吸入ポート58が設けられるとともに、吐出方向への一方向弁57を介して血液吐出ポート59が設けられている。尚、図8に示すように、血液室53の血液吸入ポート58は、チューブにより、生体の右心房に接続されるとともに、血液室53の血液吐出ポート59は、チューブにより、生体の肺動脈に接続されている。
【0026】
また、第2血液ポンプ21の流体駆動室55は、チューブにより、第2アイソレータ22の気体室23と連通している。さらに、当該チューブには、第2血液ポンプ21の流体駆動室55と第2アイソレータ22の気体室23を大気に開放又は大気から遮断させるための開閉弁26が設けられており、開閉弁26は、制御装置31に接続されている。
【0027】
また、第2アイソレータ22は、ダイヤフラム24により、気体室23と流体室25に分離されている。さらに、気体室23には、気体室23の内部の空気圧を測定するための圧力センサ84が設けられ、流体室25には、流体室25の内部の圧力を測定するための圧力センサ83が設けられており、圧力センサ84及び圧力センサ83は、いずれも、制御装置31に接続されている。尚、流体室25は、チューブを介して、オイルポンプ30の第2ポート72と連通している。
【0028】
また、オイルポンプ30は、ロータ及びハウジングを有するポンプ室32と、当該ロータを回転させるためのモータ33で構成されており、モータ33は、制御装置31に接続されている。さらに、ポンプ室32には、第1ポート71及び第2ポート72が設けられている。そして、モータ33が正方向・逆方向に交互に回転すると、ポンプ室32の内部では、第1ポート71より吸入した流体を第2ポート72から吐出する正方向ポンピングと、第2ポート72より吸入した流体を第1ポート71から吐出する逆方向ポンピングとが交互に行われる。
尚、オイルポンプ30のモータ33は、制御装置31により操作者が予め設定した正回転期間および逆回転期間だけ正逆回転する。また、ポンプ室32の内部に充満する流体は、例えば、非圧縮性の液体のシリコンオイルなどである。
【0029】
また、陽圧調節部61では、ハウジングに内装されたダイヤフラムピストン27により、大気から遮断された容積調整室28が設けられている。そして、陽圧調節部61の容積調整室28は、チューブにより、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23と連通している。さらに、陽圧調節部61では、ハウジングに設けられた螺挿機構62に対してストッパー29が螺挿されており、ストッパー29の出し入れにより、ダイヤフラムピストン27の最大ストローク量を変更させることができる。従って、ダイヤフラムピストン27は、陽圧調節部61のハウジングの底部又はストッパー29の下端に突き当たるまでを所定範囲Sとして自由に変動することができる。
【0030】
また、制御装置31は、上述したように、開閉弁16と、圧力センサ81、圧力センサ82、開閉弁26、圧力センサ83、圧力センサ84などが接続されるものであり、圧力センサ81と、圧力センサ82、圧力センサ83、圧力センサ84などからの電気信号に基づいて、オイルポンプ30のモータ33や、開閉弁16や開閉弁26などを制御するものである。これにより、開閉弁16や開閉弁26を開閉させたり、オイルポンプ30を正方向ポンピング又は逆方向ポンピングさせることができる。
【0031】
そして、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、図1に示すように、オイルポンプ30が正方向ポンピングすると、オイルポンプ30の第1ポート71より吸入した流体が第2ポート72から吐出するので、第1アイソレータ12のダイヤフラム14がオイルポンプ30側に移動して、第1アイソレータ12の流体室15の容積が縮小するとともに第1アイソレータ12の気体室13の容積が拡大する。そのため、第1アイソレータ12の気体室13と連通する第1血液ポンプ11の流体駆動室45は、減圧してその容積を縮小しようとし、第1血液ポンプ11のダイヤフラム44の曲率が第1アイソレータ12側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第1血液ポンプ11の血液室43に、血液吸込ポート48を介して血液が吸い込まれる。
【0032】
また、同時に、第2アイソレータ22のダイヤフラム24は、第1アイソレータ12のダイヤフラム14の移動量と等しく、第2血液ポンプ21側に移動して、第2アイソレータ22の流体室25の容積が拡大するとともに第2アイソレータ22の気体室23の容積が縮小する。そのため、第2アイソレータ22の気体室23と連通する第2血液ポンプ21の流体駆動室55は、増圧してその容積を拡大しようとし、第2血液ポンプ21のダイヤフラム54の曲率が第2アイソレータ22側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第2血液ポンプ21の血液室53から、血液吐出ポート59を介して血液が吐き出される。
【0033】
一方、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、図6に示すように、オイルポンプ30が逆方向ポンピングすると、オイルポンプ30の第2ポート72より吸入した流体が第1ポート71から吐出するので、第1アイソレータ12のダイヤフラム14が第1血液ポンプ11側に移動して、第1アイソレータ12の流体室15の容積が拡大するとともに第1アイソレータ12の気体室13の容積が縮小する。そのため、第1アイソレータ12の気体室13と連通する第1血液ポンプ11の流体駆動室45は、増圧してその容積を拡大しようとし、第1血液ポンプ11のダイヤフラム44の曲率が第1アイソレータ12側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第1血液ポンプ11の血液室43から、血液吐出ポート49を介して血液が吐き出される。
【0034】
また、同時に、第2アイソレータ22のダイヤフラム24は、第1アイソレータ12のダイヤフラム14の移動量と等しく、オイルポンプ30側に移動して、第2アイソレータ22の流体室25の容積が縮小するとともに第2アイソレータ22の気体室23の容積が拡大する。そのため、第2アイソレータ22の気体室23と連通する第2血液ポンプ21の流体駆動室55は、減圧してその容積を縮小しようとし、第2血液ポンプ21のダイヤフラム54の曲率が第2アイソレータ22側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、第2血液ポンプ21の血液室53に、血液吸込ポート58を介して血液が吸い込まれる。
【0035】
従って、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、正方向ポンピングと逆方向ポンピングをオイルポンプ30が相互に繰り返すことにより、第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21による血液の拍動を繰り返すことができる。
【0036】
そして、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血圧や血液量は、オイルポンプ30による正方向ポンピング及び逆方向ポンピングの繰り返し周期と、第1アイソレータ12の気体室13に存在する空気量、そして、オイルポンプ30の出力から決定される。また、第2血液ポンプ21の血液室53から、血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血圧や血液量は、オイルポンプ30による正方向ポンピング及び逆方向ポンピングの繰り返し周期と、第2アイソレータ22の気体室23に存在する空気量、そして、オイルポンプ30の出力から決定される。
【0037】
もっとも、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、陽圧調節部61の容積調整室28に、チューブを介して、第2アイソレータ22の気体室23が連通しており、第2アイソレータ22の気体室23から第2血液ポンプ21の流体駆動室55に向かう気体の一部を陽圧調節部61の容積調整室28に逃がすことができる。従って、第2アイソレータ22の気体室23から第2血液ポンプ21の流体駆動室55に向かう気体の一部が陽圧調節部61の容積調整室28に逃げれば、第2血液ポンプ21の流体駆動室55の増圧は、第1血液ポンプ11の流体駆動室45の増圧と比べて低くなる。従って、第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21の駆動源として一つのオイルポンプ30を共用していても、陽圧調節部61の容積調整室28により、第2血液ポンプ21の陽圧を、第1血液ポンプ11の陽圧とは独立に設定することができ、よって、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができる。
【0038】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1の駆動中は、第1アイソレータ12の気体室13の圧力センサ81の圧力波形及び第1アイソレータ12の流体室15の圧力センサ82の圧力波形を制御装置31が比較しており、圧力センサ82の圧力値が圧力センサ81の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体の状態の変化により、第1血液ポンプ11の流体駆動室45及び第1アイソレータ12の気体室13の空気量が不足しているので、第1アイソレータ12の気体室13の圧力センサ81の圧力値が負圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁16を開けることにより、第1血液ポンプ11の流体駆動室45及び第1アイソレータ12の気体室13に大気を吸い込ませる。一方、圧力センサ81の圧力値が圧力センサ82の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体の状態の変化により、第1血液ポンプ11の流体駆動室45及び第1アイソレータ12の気体室13の空気量が過剰になっているので、第1アイソレータ12の気体室13の圧力センサ81の圧力値が正圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁16を開けることにより、第1血液ポンプ11の流体駆動室45及び第1アイソレータ12の気体室13から大気を吐き出させる。これにより、駆動の条件や生体の状態の変化に応じて、第1血液ポンプ11の流体駆動室45及び第1アイソレータ12の気体室13の空気量を適正なものにすることができる。
【0039】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1の駆動中は、同様にして、第2アイソレータ22の気体室23の圧力センサ84の圧力波形及び第2アイソレータ22の流体室25の圧力センサ83の圧力波形を制御装置31が比較しており、圧力センサ83の圧力値が圧力センサ84の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体の状態の変化により、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23の空気量が不足しているので、第2アイソレータ22の気体室23の圧力センサ84の圧力値が負圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁26を開けることにより、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23に大気を吸い込ませる。一方、圧力センサ84の圧力値が圧力センサ83の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体の状態の変化により、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23の空気量が過剰になっているので、第2アイソレータ22の気体室23の圧力センサ84の圧力値が正圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁26を開けることにより、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23から大気を吐き出させる。これにより、駆動の条件や生体の状態の変化に応じて、第2血液ポンプ21の流体駆動室55及び第2アイソレータ22の気体室23の空気量を適正なものにすることができる。
【0040】
さて、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、第2血液ポンプ21の負荷は肺動脈血圧であり、第1血液ポンプ11の負荷である大動脈血圧に比べて低いため、第2血液ポンプ21の駆動圧力は、第1血液ポンプ11とは独立に設定することが必要である。また、第2血液ポンプ21の拍出が過大であると肺に悪影響を与えるおそれが生じる。このため、オイルポンプ30にポンピングを開始させる時には、先ず、操作者は、図7に示すように、ストッパー29を螺動させて最大限引き出すとともに、開閉弁26を開いて大気解放とし、第2血液ポンプ21をほぼ停止させたまま、第1血液ポンプ11のストローク調整を行なう。
【0041】
すなわち、第1血液ポンプ11のストローク調整の段階では、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1の駆動を開始させると、オイルポンプ30は、予め設定された速度で、予め設定した期間だけ逆回転し停止する。ここで、オイルポンプ30が逆回転して、第1アイソレータ12のダイヤフラム14が移動している間は、通常、第1アイソレータ12の気体室13の圧力AP及び第1アイソレータ12の流体室15の圧力LPは等しく上昇し、第1アイソレータ12のダイヤフラム14が第1アイソレータ12の気体室13の壁面側に接触し押し付けられて停止した以後で、第1アイソレータ12の流体室15の圧力LPが第1アイソレータ12の気体室13の圧力APを超えることになる。
【0042】
従って、オイルポンプ30の回転が停止する以前に、第1アイソレータ12のダイヤフラム14の移動が停止した場合(第1アイソレータ12の流体室15の圧力LPが第1アイソレータ12の気体室13の圧力APを超えた場合)には、制御装置31は、引き続くオイルポンプ30の正回転時に、制御装置31が開閉弁16を開いて、第1アイソレータ12の気体室13に空気を吸い込む。さらに、制御装置31は、第1アイソレータ12の気体室13の圧力APが設定値を超えていた場合は、次回のオイルポンプ30の逆回転時において回転速度を下げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを減らす)ように条件を変更する一方、第1アイソレータ12の気体室13の圧力APが設定値を越えていない場合は、次回のオイルポンプ30の逆回転時において回転速度を上げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを増やす)ように条件を変更する。
【0043】
また、オイルポンプ30の回転が停止するまで、第1アイソレータ12のダイヤフラム14が移動していた場合(第1アイソレータ12の流体室15の圧力LPが第1アイソレータ12の気体室13の圧力APと等しかった場合)には、制御装置31は、次回のオイルポンプ30の逆回転時において、開閉弁16を開いて、第1アイソレータ12の気体室13の空気を逃がす。さらに、制御装置31は、第1アイソレータ12の気体室13の圧力APが設定値を超えていた場合は、次回のオイルポンプ30の逆回転時において回転速度を下げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを減らす)ように条件を変更する一方、第1アイソレータ12の気体室13の圧力APが設定値を越えていない場合は、次回のオイルポンプ30の逆回転時において回転速度を上げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを増やす)ように条件を変更する。
【0044】
これを繰り返すことにより、第1アイソレータ12のダイヤフラム14は、第1アイソレータ12の気体室13の壁面に近接した位置で、第1アイソレータ12の気体室13の陽圧(圧力AP)が設定値になるように制御される。よって、操作者は、このときに、第1血液ポンプ11が望ましい収縮状態に到達するように駆動陽圧を調節すれば、第1血液ポンプ11は繰り返し望ましい状態まで収縮する。
【0045】
一方、オイルポンプ30は、逆回転して一旦停止した後、自動的に、予め設定された速度で、予め設定した期間だけ正回転し停止する。このとき、第1アイソレータ12の気体室13の圧力APは、下降して陰圧となる。そして、制御装置31は、第1アイソレータ12の気体室13の陰圧(圧力AP)が設定値を超えていた場合には、次回のオイルポンプ30の正回転時において回転速度を下げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを減らす)ように条件を変更する一方、第1アイソレータ12の気体室13の陰圧(圧力AP)が設定値を超えていなかった場合には、次回のオイルポンプ30の正回転時において回転速度を上げる(第1アイソレータ12のダイヤフラム14のストロークを増やす)ように条件を変更する。
【0046】
これを繰り返すことにより、第1アイソレータ12の気体室13の陰圧(圧力AP)が設定値になるように制御される。よって、操作者は、このときに、第1血液ポンプ11が望ましい拡張状態になるように駆動陰圧を調節すれば、第1血液ポンプ11が望ましい状態まで拡張する。
【0047】
以上を繰り返すことにより第1血液ポンプ11は、設定された収縮期間および拡張期間で、望ましい状態までの収縮と拡張を繰り返すことができるようになる。
【0048】
次に、第2血液ポンプ21の収縮と拡張のストロークを調整する。このとき、第2アイソレータ22のダイヤフラム24は、上述した第1血液ポンプ11の調整の結果として決められたスピードでストロークを繰り返している。しかし、開閉弁26は予め開けられて大気解放させており、更に、図7に示すように、ストッパ29は螺動されて最大限引き出されているので、第2血液ポンプ21は、ほぼ停止状態にある。そこで、制御装置31により、第2血液ポンプ21を操作者がスタートさせると、制御装置31は、開閉弁26を閉じるので、第2血液ポンプ21及び陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27がストロークを開始する。
【0049】
そして、操作者は、ただちに、第2血液ポンプ21が望ましい状態に拡張するように、第2アイソレータ22の気体室23の陰圧を調節すると、制御装置31は、設定された値になるように、開閉弁26を開閉して、第2アイソレータ22の気体室23の空気量(第2アイソレータ22の気体室23の陰圧)を調節する。但し、このとき、第2血液ポンプ21が望ましい状態に拡張しても、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27がストロークして、第2アイソレータ22の気体室23の空気を吸排気するので、第2血液ポンプ21は充分収縮することはできない。そこで、操作者は、次回のオイルポンプ30の正回転時において、第2血液ポンプ21が望ましい状態に収縮するまで、陽圧調節部61のストッパー29を徐々に螺動させて引き入れ、第2アイソレータ22の気体室23の陽圧を調節する。この状態で、陽圧調節部61のストッパー29を固定することにより、第2血液ポンプ21は望ましい拡張と収縮を繰り返す。
【0050】
以上により、第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21が望ましい状態でストロークを継続する。
【0051】
本方式によれば、第1血液ポンプ11の陽圧・陰圧及び、第2血液ポンプ21の陰圧は、独立に変更することができる。ここで、第1血液ポンプ11の陰圧を変更する場合は、第2血液ポンプ21の陽圧が影響されることになるが、第2血液ポンプ21の陽圧の変更については、陽圧調節部61のストッパー29を調節する必要があるかどうかを確認するだけでよいので、操作は簡単で安全である。また、オイルポンプ30の正回転期間または逆回転期間を変更した場合には、上述した手順で第1血液ポンプ11の陽圧・陰圧を調節し、さらに、第2血液ポンプ21の陰圧・陽圧を調節すればよい。
【0052】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21の駆動源として一つのオイルポンプ30を共用していることから、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図ることができる。
【0053】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、陽圧調節部61により、第2血液ポンプ21の陽圧を、第1血液ポンプ11の陽圧とは独立に設定することができる。すなわち、陽圧調節部61の容積調整室28が第2アイソレータ22の気体室23に連通しており、陽圧調節部61の容積調整室28により、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができ、第2血液ポンプ21の血液吐出ポート59を生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプ11の血液吐出ポート49を生体の大動脈に接続することが可能となる。
【0054】
例えば、図2〜図5は、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1において、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27の最大ストローク量に対して、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血液量を実線で、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血液量を点線で示したものである。図2〜図5に示すように、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27の最大ストローク量が増加するほど、すなわち、陽圧調節部61の容積調整室28の容積が大きいほど、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して吐き出される血液の血液量を、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して吐き出される血液の血液量よりも低く設定することができる。尚、図2〜図5に示すように、拍動数が多くなるほど、この傾向は強く現れる。
【0055】
従って、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1は、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプ(第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21)を駆動するものである。
【0056】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、陽圧調節部61の具体的な構成として、陽圧調節部61の容積調整室28を外部と区画するダイヤフラムピストン27と、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27の最大ストローク量を変更させるためのストッパー29と、を備え、さらに、陽圧調節部61の容積調整室28が第2アイソレータ22の気体室23に連通している。従って、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27が、陽圧調節部61の容積調整室28に連通する第2アイソレータ22の気体室23の圧力に応じて所定範囲Sで自由に変位するので、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプ11の血液室43から血液吐出ポート49を介して生体の大動脈に吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができる。このとき、ストッパー29を用いて、陽圧調節部61のダイヤフラムピストン27の最大ストローク量を変更すれば、第2アイソレータ22の気体室23から陽圧調節部61の容積調整室28に逃がす気体の量も変更することができるので、第2血液ポンプ21の血液室53から血液吐出ポート59を介して生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を簡単に調節することが可能となる。
【0057】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、第1アイソレータ12及び第2アイソレータ22によりオイルポンプ30の液圧から変換された空気圧で2つの血液ポンプ(第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21)を駆動するものであったが、オイルポンプ30の液圧のみで2つの血液ポンプ(第1血液ポンプ11及び第2血液ポンプ21)を駆動するものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明の血液ポンプ駆動装置では、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプの駆動源として一つのポンピング手段を共用していることから、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図ることができる一方、陽圧調節手段により、第2血液ポンプの陽圧を第1血液ポンプの陽圧とは独立に設定することができ、第2血液ポンプを生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプを生体の大動脈に接続することが可能となることから、本発明の血液ポンプ駆動装置は、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものである。
【0059】
また、本発明の血液ポンプ駆動装置では、第1血液ポンプ及び第2血液ポンプの駆動源として一つのポンピング手段を共用していることから、小型化及び、構成の単純化、消費電力の増加防止を図ることができる一方、陽圧調節手段の容積調整室が第2アイソレータの気体室に連通しており、陽圧調節手段の容積調整室により、第2血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプの血液室から吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができ、第2血液ポンプを生体の肺動脈に接続するとともに第1血液ポンプを生体の大動脈に接続することが可能となることから、本発明の血液ポンプ駆動装置は、左心臓及び右心臓の機能を同時に補助あるいは代行するために2つの血液ポンプを駆動するものである。
【0060】
また、本発明の血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節手段の具体的な構成として、陽圧調節手段の容積調整室を外部と区画する可動部材と、陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更させるためのストッパーと、を備えた場合には、陽圧調節手段の容積調整室が第2アイソレータの気体室に連通しており、陽圧調節手段の可動部材が、陽圧調節手段の容積調整室に連通する第2アイソレータの気体室の圧力に応じて所定範囲で自由に変位するので、第2血液ポンプの血液室から生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を、第1血液ポンプの血液室から生体の大動脈に吐き出される血液の血圧や血液量とは独立に設定することができるとともに、このとき、ストッパーを用いて、陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更すれば、第2アイソレータの気体室から陽圧調節手段の容積調整室に逃がす気体の量も変更することができるので、第2血液ポンプの血液室から生体の肺動脈に吐き出される血液の血圧や血液量を簡単に調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置の概要を示した図であって、正方向ポンピング時のものである。
【図2】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節部のダイヤフラムピストンの最大ストローク量:0ccに対して、第2血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を実線で、第1血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を点線で示したものである。
【図3】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節部のダイヤフラムピストンの最大ストローク量:5ccに対して、第2血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を実線で、第1血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を点線で示したものである。
【図4】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節部のダイヤフラムピストンの最大ストローク量:10ccに対して、第2血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を実線で、第1血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を点線で示したものである。
【図5】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置において、陽圧調節部のダイヤフラムピストンの最大ストローク量:15ccに対して、第2血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を実線で、第1血液ポンプの血液室から血液吐出ポートを介して吐き出される血液の血液量を点線で示したものである。
【図6】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置の概要を示した図であって、逆方向ポンピング時のものである。
【図7】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置の概要を示した図であって、第1血液ポンプのストローク調整を行なうためのものである。
【図8】本発明の一実施の形態による血液ポンプ駆動装置の第1血液ポンプ及び第2血液ポンプを人体に接続した際の概要を示した図である。
【符号の説明】
1 血液ポンプ駆動装置
11 第1血液ポンプ
12 第1アイソレータ
13 第1アイソレータの気体室
14 第1アイソレータのダイヤフラム
15 第1アイソレータの流体室
21 第2血液ポンプ
22 第2アイソレータ
23 第2アイソレータの気体室
24 第2アイソレータのダイヤフラム
25 第2アイソレータの流体室
27 陽圧調節部のダイヤフラムピストン
28 陽圧調節部の容積調整室
29 陽圧調節部のストッパー
30 オイルポンプ
43 第1血液ポンプの血液室
44 第1血液ポンプのダイヤフラム
45 第1血液ポンプの流体駆動室
53 第2血液ポンプの血液室
55 第2血液ポンプの流体駆動室
54 第2血液ポンプのダイヤフラム
61 陽圧調節部
71 オイルポンプの第1ポート
72 オイルポンプの第2ポート
S 陽圧調節部のダイヤフラムピストンの所定範囲

Claims (3)

  1. 第1血液ポンプと、第2血液ポンプと、前記第1血液ポンプ及び前記第2血液ポンプの駆動源であるポンピング手段と、前記第2血液ポンプの陽圧を前記第1血液ポンプの陽圧とは独立に設定するための陽圧調節手段と、を備えたこと、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
  2. 流体駆動室及び血液室が可動部材で区画された第1血液ポンプと、前記第1血液ポンプの流体駆動室に連通する気体室及び流体室が可動部材で区画された第1アイソレータと、流体駆動室及び血液室が可動部材で区画された第2血液ポンプと、前記第2血液ポンプの流体駆動室に連通する気体室及び流体室が可動部材で区画された第2アイソレータと、前記第1アイソレータの流体室に接続される第1ポート及び前記第2アイソレータの流体室に接続される第2ポートを設けたポンピング手段と、を有し、前記ポンピング手段は、前記第1ポートより吸入した流体を前記第2ポートから吐出する正方向ポンピング及び前記第2ポートより吸入した流体を前記第1ポートから吐出する逆方向ポンピングを交互に行なう血液ポンプ駆動装置であって、
    前記第2アイソレータの気体室に連通する容積調整室が設けられた陽圧調節手段を備えたこと、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
  3. 請求項2に記載する血液ポンプ駆動装置であって、
    前記陽圧調節手段は、前記陽圧調節手段の容積調整室を外部と区画する可動部材と、前記陽圧調節手段の可動部材の最大変位量を変更させるためのストッパーと、を備え、
    前記陽圧調節手段の可動部材が、前記陽圧調節手段の容積調整室に連通する前記第2アイソレータの気体室の圧力に応じて所定範囲で自由に変位すること、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
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