JP2004096953A - 電力変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高力率、低高調波を達成できる電力変換器を提供する。
【解決手段】三相の各相毎にスイッチング電源回路CA 、CB 、CC を設け、各スイッチング電源回路はトランスを含んで交流入力電圧を受けて、相互に120度の位相差を持ち、且つオフセットを持つ正弦波電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを出力するものであり、これら3つのスイッチング電源回路の出力電圧を足し合わせて出力して、正弦波分を打ち消しオフセット分が足し合わされた直流電圧VOUT を得るようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】三相の各相毎にスイッチング電源回路CA 、CB 、CC を設け、各スイッチング電源回路はトランスを含んで交流入力電圧を受けて、相互に120度の位相差を持ち、且つオフセットを持つ正弦波電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを出力するものであり、これら3つのスイッチング電源回路の出力電圧を足し合わせて出力して、正弦波分を打ち消しオフセット分が足し合わされた直流電圧VOUT を得るようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はAC−DCコンバータのような電力変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力変換器の一例である三相のAC−DCコンバータには、通常、三相全波整流回路が使用されている。ところが、従来の三相全波整流回路では、「力率が悪い」、「高調波成分が多い」等の欠点があった。以下に、このことを説明する。
【0003】
従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの回路構成を図16に、動作波形を図17にそれぞれ示す。図16において、三相U、V、Wの商用電源に接続された三相全波整流器100の出力電圧をリアクトル101と電解コンデンサ102で平滑した電圧が、負荷103に接続されている。三相全波整流器100は6個のダイオードD101〜D106から成る。
【0004】
図17は、図16の三相入力電源の各線間電圧波形(UV間電圧、VW間電圧、WU間電圧)を示す。また、各相に流れている電流波形IU 、IV 、IW も図17中に示す。動作波形から、各相の電流の導通角が120度になるため、各相の電流波形は高調波成分を多く含み、力率の悪いこと(約0.955)がわかる。
【0005】
このため図18に示すような三相全波整流回路によるAC−DCコンバータが提案されている。この回路は、三相入力電源の各相U、V、Wにそれぞれリアクトル204、205、206が接続されている。そして、それに続く三相全波整流器200の各ダイオードD201〜D206と並列に半導体スイッチS201〜S206が接続されている。その出力の両端にコンデンサ202を接続して、負荷203へ安定した直流電圧を供給できる回路構成になっている。
【0006】
この回路では図示しない制御回路により半導体スイッチS201〜S206をオン、オフすることにより、三相入力電源の各相に流れる電流波形の力率改善と高調波低減を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
鈴木 義男、外4名、「ソフトスイッチング型三相入力高力率整流器」、Origin TECHNICAL JOURNAL 第60号 5〜12頁、1997年5月1日、オリジン電気株式会社発行
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図18の回路においては、半導体スイッチS201〜S206をオン、オフさせる制御アルゴリズムが複雑であり、効率が悪くコストが高くなる等の欠点がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は高力率、低高調波を達成できる電力変換器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は三相交流を直流に変換する電力変換器であり、三相の各相毎に変換回路を設け、各変換回路は第1のトランスを含んで交流入力電圧を受けて、相互に120度の位相差を持ち、且つオフセットを持つ正弦波電圧を出力するものであり、これら3つの変換回路の出力電圧を足し合わせて出力するようにしたことを特徴とする。
【0011】
本電力変換器においては、前記各変換回路は主回路と該主回路を制御するための制御回路とを含み、前記主回路は、前記交流入力電圧を整流するための第1の整流器と、スイッチング素子を含んで整流された直流電圧に対してパルス幅変調を行うことで前記正弦波電圧を出力するためのパルス幅変調回路とを含む。
【0012】
本電力変換器においてはまた、前記制御回路は、前記パルス幅変調回路に対してその変調度を規定するための信号を与える変調度制御信号発生手段を含む。
【0013】
本電力変換器においては更に、前記主回路においては、前記第1のトランスが前記パルス幅変調回路の出力側に接続される。
【0014】
本電力変換器においては、更に、前記第1のトランスの二次側に接続された第2の整流器と、該第2の整流器に接続された第1のフィルタ回路とを含んでも良い。
【0015】
本電力変換器においては、前記3つの変換回路の出力電圧を足し合わせた後に整流を行う第3の整流器を備えるようにしても良い。
【0016】
本電力変換器においては、前記変調度制御信号発生手段は、前記交流入力と同じ位相の正弦波を得るための変換手段と、該変換手段の出力を整流するための第4の整流器と、前記変換回路の出力電流を検出するための電流検出器と、検出された出力電流と設定値との差を出力するための誤差増幅器と、前記第4の整流器の出力に前記差を乗算して出力する乗算手段と、該乗算手段の出力を比較用の三角波と比較して比較結果を前記変調度制御信号として出力するための比較手段とを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、電力変換器の一例であるAC−DCコンバータに適用した場合について説明する。本形態によるAC−DCコンバータは、PFC(Power Factor Correction、以下PFCと略称する)回路とも呼ばれるものであり、三相入力のうち、各相を入力とした絶縁型力率改善型スイッチング電源回路の出力を3台分直列接続して、負荷に接続することで上記の欠点を解決したものである。つまり、本PFC回路では、三相入力電源の相電圧、相電流が同位相になるように動作し、且つ電流波形が正弦波であるため高力率、低高調波を達成することができる。
【0018】
本発明によるPFC回路の原理を、正弦波の性質、PFC主回路、PFC制御回路の3つに分けて説明する。
【0019】
はじめに、正弦波の性質について説明する。三相交流を構成する正弦波をそれぞれ正弦波A、B、Cとすると、正弦波Bは正弦波Aより位相が120度遅れ、正弦波Cは正弦波Aより位相が240度遅れている。正弦波A、B、Cの電圧VA 、VB 、VC を式で表すと、以下のようになる。
【0020】
正弦波A:VA =sinωt (1)
正弦波B:VB =sin(ωt−2π/3) (2)
正弦波C:VC =sin(ωt−4π/3) (3)
この正弦波A、B、Cは、三相交流電源の各相(UV、VW、WU)と同じ関係となっている。
【0021】
図12に正弦波A、B、Cとそれぞれを足し合わせた波形を示す。図12に示すように、120度ずつ位相のずれた正弦波A、B、Cを足し合わせた波形は、直線(大きさは0)となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0022】
VA +VB +VC
=sinωt+sin(ωt−2π/3)+sin(ωt−4π/3)
=sinωt+sinωt・cos(−2π/3)
+cosωt・sin(−2π/3)+sinωt・cos(−4π/3)
+cosωt・sin(−4π/3)
=sinωt−(√3/2)・cosωt−(1/2)・sinωt
−(√3/2)・cosωt
=0 (4)
また、図13に正弦波A、B、Cにオフセットを持たせた波形と、それぞれを足し合わせた波形を示す。図13に示すように、正弦波A、B、Cにそれぞれオフセットα、β、γを持たせ、それぞれを足し合わせた波形は直線(大きさはそれぞれのオフセットを足した値)となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0023】
VA +α+VB +β+VC +γ
=VA +VB +VC +α+β+γ
=α+β+γ (5)
これは、式(4)よりVA +VB +VC =0であることによる。
【0024】
これにより、三相入力の各相電圧(VUV、VVW、VWU)を入力電圧とする回路CA 、CB 、CC を想定した場合、各回路の出力が、各回路の入力電圧と同じ位相関係でオフセットを持つものであるならば、それらを加算(直列接続)すると直流電圧となることがわかる。
【0025】
なお、本発明において対象とする直流というのは、時系列的にみてまったく正あるいは負の電圧値に変動の無いものだけでなく、正あるいは負の片側において値が振れるものも直流に含まれるものとする。つまり、正あるいは負の片側において低周波で電圧値が変動するものや、パルス状に変動するものも直流に含まれるものとする。
【0026】
上記のように回路CA 、CB 、CC の出力が、各回路の入力電圧と同じ位相関係でオフセットを持つものにするために、入力電圧を二乗することを考えた。
【0027】
図14に正弦波A、B、Cを二乗した波形と、それらを足し合わせた波形を示す。正弦波A、B、Cを二乗した波形はオフセットを持ち、各線間電圧の位相ずれの関係は変わらない正弦波となるので、正弦波A、B、Cを二乗して足し合わせた波形は直線波形となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0028】
VA 2 +VB 2 +VC 2
=sin2 ωt+sin2 (ωt−2π/3)+sin2 (ωt−4π/3)
=sin2 ωt
+{−(1/2)・sinωt−(√3/2)・cosωt}2
+{−(1/2)・sinωt−(√3/2)・cosωt}2
=sin2 ωt
+(1/4)・{sin2 ωt+2√3・sinωt・cosωt
+3・cos2 ωt}
+(1/4)・{sin2 ωt−2√3・sinωt・cosωt
+3cos2 ωt}
=sin2 ωt+(1/2)・sin2 ωt+(3/2)・cos2 ωt
=(3/2)・sin2 ωt+(3/2)・(1−sin2 ωt)
=3/2
これにより、回路CA 、CB 、CC の入力電圧である、三相入力のうち各相 (UV、VW、WU)を二乗し、それらを加算(直列接続)すると直流電圧となることがわかる。また、回路CA 、CB 、CC では、入力電圧を一度整流し二乗するが、正弦波A、B、Cの絶対値を二乗したものを足し合わせた波形も図14と同様に直線波形となる。
【0029】
回路CA 、CB 、CC では、入力電圧を一度整流した後二乗するが、この時の回路CA 、CB 、CC の入力電流波形は、整流した正弦波と整流していない正弦波を乗算した波形となる。
【0030】
上記の説明は入力電圧を二乗する場合であるが、同位相の入力電圧、すなわち正弦波電圧を掛け合わせた場合も同じ結果が得られる。つまり、ある正弦波の入力電圧に同じ位相の正弦波電圧を掛け合わせた場合も同じ結果が得られることを意味する。
【0031】
図15に波形A´、B´、C´を示す。波形A´、B´、C´は各正弦波A、B、Cの絶対値と各正弦波A、B、Cを掛け合わせた波形である。また、図15には波形A´からB´、波形B´からC´、波形C´からA´を引いた波形も示す。波形A´、B´、C´を前述のように引くと、図15の通りほとんど歪みの無い(歪み率1%程度)の正弦波となる。この波形A´、B´、C´は、回路CA 、CB 、CC の入力電流と同じとなり、それぞれを引いた波形は相電流と同じになるので、相電流はほとんど歪みの無い正弦波となる。
【0032】
次に、本発明によるPFC回路の原理について説明する。
【0033】
図3にPFC回路の原理図を示す。回路CA 、CB 、CC にはそれぞれ、三相の各相の電圧VUV、VVW、VWUを入力する。回路CA 、CB 、CC の入力電圧VVWはVUVより位相が120度遅れ、VWUはVUVより位相が240度遅れており、前の正弦波の性質において説明した正弦波A、B、Cと電圧VUV、VVW、VWUは同じ位相関係である。よって、回路CA 、CB 、CC から入力電圧VUV、VVW、VWUの絶対値を二乗したものと同じ位相関係の正弦波電圧を出力させることで、回路CA 、CB 、CC の出力電圧を足し合わせた電圧は直流となる。
【0034】
上記のような動作をした時、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUは同位相となる。この時の入力電流波形は、入力線間電圧の絶対値と入力電圧を掛けた波形となる。入力電流IA からIB 、IB からIC 、IC からIA を引いたもの、つまり相電流は、前の正弦波の性質で説明した通り、ほとんど歪みの無い正弦波となる。また、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUとが同位相であれば、入力電源の相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW は同位相となる。つまり、本PFC回路は、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUの位相関係が、図4に示すベクトル図となるように動作する。
【0035】
以上のことにより、歪みの無い相電流と相電圧が同位相となり、PFC回路は高力率で低高調波を達成できる。
【0036】
上記の原理に基づいた、本発明によるPFC回路の実施の形態について説明する。図1はPFC主回路のブロック図を示す。前に述べた回路CA 、CB 、CC は、以下ではスイッチング電源回路(変換回路)と呼ぶ。そして、PFC回路はスイッチング電源回路CA 、CB 、CC を備える。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC は同じ回路構成なので、以下ではスイッチング電源回路CA の構成について説明する。
【0037】
スイッチング電源回路CA のPFC主回路は、整流器11(第1の整流器)の出力にパルス幅変調回路12を接続した回路と、整流器13(第2の整流器)の出力にフィルタ回路14(第1のフィルタ回路)を接続した回路とを絶縁トランス15(第1のトランス)で接続して成る。つまり、パルス幅変調回路12の出力側と整流器13の入力側とを絶縁トランス15で接続している。
【0038】
パルス幅変調回路12では制御変数である変調度を変化させ、入力電圧の整流波形に同じ位相の整流波形を掛け合わせることと同じ動作を行っている。よって、スイッチング電源回路CA の出力電圧は入力電圧を二乗したものと同位相となり、スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力を足し合わせることで、本PFC回路の出力電圧は直流となる。このときの相電流と相電圧は歪みが無く同位相となるので、この回路は高力率で低高調波となる。
【0039】
なお、図1において、整流器11、パルス幅変調回路12、整流器13、フィルタ回路14の下側に付した波形図はそれぞれ、左上側が入力波形、右下側が出力波形である。つまり、整流器11では交流波形が全波整流波形にされ、パルス幅変調回路12では全波整流波形が正負のパルス状波形にされ、整流器13では正負のパルス状波形が正のパルス状波形にされ、フィルタ回路14では正のパルス状波形が正弦波形にされている。
【0040】
また、スイッチング電源回路CA の出力端子PはそのままPFC回路の一方の出力端子となり、出力端子Nはスイッチング電源回路CB の出力端子Pに接続され、スイッチング電源回路CB の出力端子Nはスイッチング電源回路CC の出力端子Pに接続され、スイッチング電源回路CC の出力端子NはそのままPFC回路の他方の出力端子となる。
【0041】
次に、PFC制御回路について説明する。図2はPFC制御回路の構成図を示す。図2でもスイッチング電源回路CA のみ制御回路の構成を示しているが、スイッチング電源回路CB 、CC 共にスイッチング電源回路CA と同じ制御回路を持つ。
【0042】
制御回路は、スイッチング電源回路CA の入力線間電圧VUVを検出するためのトランス21(変換手段)、全波整流器22(第4の整流器)を有すると共に、出力電流値を検出するための出力電流検出器DC−CTを有する。検出された出力電流値は誤差増幅器23にてあらかじめ決められている設定値と比較され、誤差成分が制御量として出力される。全波整流器22の出力は乗算器24により制御量と乗算され、乗算結果を示す信号SAは変調制御信号発生部25により所定の三角波と比較され、比較結果がパルス状の変調度制御信号として出力される。図2にも、各部の波形を付している。
【0043】
このようにして、本制御回路では、変調度制御信号をパルス幅変調回路12に与える。この変調度制御信号に基づいてパルス幅変調回路12内のスイッチング素子がオン、オフされる。
【0044】
本制御回路の入力電圧は、トランス21等によってPFC主回路と絶縁されている。スイッチング電源回路CA (CB 、CC )が入力電圧VUV(VVW、VWU)を二乗したものと同じ位相関係の正弦波電圧を出力するように、その出力は入力電圧の絶対値でパルス幅変調したものとする。また、出力電圧を変化させるために、パルス幅変調をかける入力電圧の絶対値、つまり全波整流器22の出力には、誤差増幅器23からの制御量が乗算される。
【0045】
続いて、シミュレーションによる検証結果について説明する。図5は、PFCシミュレーション主回路の回路図を示す。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC には、三相の各相が絶縁トランスT1、T2、T3を介して入力されている。各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の入力電圧VUV、VVW、VWUは4つのダイオードから成る全波整流器DM1、DM2、DM3で全波整流される。パルス幅変調器として作用するスイッチング素子SW1、SW2、SW3は変調度制御信号でオン、オフ制御されることによりPWM(Pulse Width Modulation)制御が行われる。そして、スイッチング素子SW1、SW2、SW3のスイッチング出力は整流器として作用するダイオードD1、D2、D3で整流されると共に、リアクトルL1、L2、L3とコンデンサC1、C2、C3でスイッチングリップルが平滑され、各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧となる。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力VAOUT、VBOUT、VCOUTを直列接続(加算)することでPFC回路としての出力電圧VOUT が得られ、負荷に接続される。
【0046】
図1、図2で説明した実回路と異なり、トランスT1〜T3が各スイッチング電源回路の入力に配置されているのは、シミュレーションを簡単にするためである。
【0047】
次に、図6を参照してシミュレーション制御回路について説明する。図5で説明したスイッチング素子SW1、SW2、SW3を動作させるための変調度制御信号は、各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の入力電圧VUV、VVW、VWUと同位相の電圧VUV´、VVW´、VWU´を4つのダイオードから成る全波整流器DM21、DM22、DM23で全波整流したものを比較器(変調度制御信号発生部に対応)U1、U2、U3でパルス幅変調したものとなっている。つまり、比較器U1〜U3はそれぞれ、全波整流された電圧を三角波発生器V1〜V3で生成される三角波と比較して、比較結果をパルス状の変調度制御信号としてスイッチング素子SW1〜SW3に出力する。
【0048】
図7は、図5、図6によるPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT と各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを示す。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧は、VBOUTはVAOUTより位相が120度遅れ、VCOUTはVAOUTより位相が240度遅れ、それらを足し合わせたPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT は直流となった。
【0049】
また、図8に示すように、相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW が同位相となった。
【0050】
更に、図9に示すように、例えばスイッチング電源回路CA の入力電圧VUVと入力電流IA は同位相であった。
【0051】
なお、シミュレーション結果の波形がやや乱れているのは、シミュレーションを可能にするために、精度を荒くしているためである。
【0052】
次に、実回路での検証結果について説明する。本PFC回路は、3つのスイッチング電源回路CA 、CB 、CC で構成されているが、スイッチング電源回路CA のみ実回路を組み試験を行った。以下では、その試験回路と試験結果について説明する。
【0053】
図10に試験回路としてのPFC回路を示す。スイッチング電源回路CA には、三相入力のうち一相VUVが入力されている。PFC主回路は、4つのダイオードによる全波整流器DM1(図1、図2の整流器11に対応)、スイッチング素子SW1によるパルス幅変調回路(図1、図2のパルス幅変調回路12に対応)、ダイオードD1による整流器、リアクトルL1、L12とコンデンサC1とによるフィルタ回路、スイッチング素子SW12〜SW15によるDC−ACコンバータ、4つのダイオードによる全波整流器DM12(図1、図2の整流器13に対応)、リアクトルL13、L14とコンデンサC13とによるフィルタ回路(図1、図2のフィルタ回路14に対応)を含み、DC−ACコンバータと全波整流器DM12との間を絶縁トランスTr1(図1、図2のトランス15に対応)で接続している。
【0054】
本試験回路では回路の都合上、パルス幅変調回路がスイッチング素子SW1とスイッチング素子SW12〜SW15によるDC−ACコンバータに分かれているが、回路動作という点では双方同じである。
【0055】
一方、PFC制御回路は、スイッチング電源回路CA の入力電圧VUVが入力され、スイッチング素子SW1の変調度制御信号をパルス幅変調回路に出力する。つまり、PFC制御回路の入力電圧VUVは4つのダイオードによる全波整流器DM13で整流され、電流検出器DC−CTによって電流が検出される。電流検出器DC−CTの出力と三角波発生器V1からの三角波とを比較器(変調度制御信号発生部に対応)U1で比較した比較結果、つまり入力電圧をパルス幅変調したパルス状の信号がスイッチング素子SW1の変調度制御信号となる。ここでは、DC−ACコンバータのスイッチング素子SW12〜SW15のデューティ比はおおよそ50%で固定としている。
【0056】
図11に入力電圧VUVを整流した波形VREC と出力電圧VAOUTの位相関係、波形VREC と入力電流IA の位相関係を示す。図10により、スイッチング電源回路CA の出力電圧VAOUTが、入力電圧VUVを二乗したものと同位相のオフセットを持った正弦波となった。また、入力電圧VUVと入力電流IA が同位相となった。この回路の力率を測定すると「1」となった。
【0057】
以上のシミュレーション解析、試験により原理通りに本PFC回路が動作することがわかった。結論を以下に簡単に記す。
【0058】
▲1▼力率が「1」となった。
▲2▼PFC回路の出力は直流となる。
▲3▼PFC回路への三相入力電源の相電圧、相電流は正弦波且つ同位相となり、PFC回路は高力率、低高調波を達成することができる。
【0059】
なお、上記のシミュレーションのみならず、図1、図2に示すようなAC−DCコンバータについても試験を行った結果、シミュレーションとほぼ同じ効果が得られることが確認された。
【0060】
以上、本発明をAC−DCコンバータに適用した場合について説明したが、本発明はAC−DCコンバータに限らず、いわゆる電力変換器全般に適用可能である。また、図1、図2に示した回路もあくまでも一例であり、様々な変更が可能である。
【0061】
例えば、図1に示されたPFC主回路においては、トランス15のすぐ後に整流器13、フィルタ回路14が接続されているが、トランスのすぐ後ではなく、3つのスイッチング電源回路の出力を足し合わせた後に1つの整流器(第3の整流器)及びフィルタ回路を設ける構成でも良い。また、トランス11はパルス幅変調回路12の出力側ではなく、入力側に接続されても良いが、この場合、トランスは周波数の関係からやや大型になる。
【0062】
一方、図2に示されたPFC制御回路におけるトランス21に代えて、DC−CTやフォトカプラ等を使用しても良い。また、図2に示されたPFC制御回路はアナログ回路構成となっているが、入力部及び電流検出器からの検出信号入力部にA−D変換器を設けると共にディジタル演算機能を持つ演算部を備えることでディジタル回路構成としても良い。加えて、図2のPFC制御回路ではスイッチング電源回路毎に誤差増幅器23が設けられているが、誤差増幅器を出力電流検出器DC−CTのすぐ後に接続することで1つの誤差増幅器からの出力を3つのスイッチング電源回路で共用することができる。また、PFC制御回路へのフィードバックは省略されても良いし、出力電流検出器DC−CTによる電流フィードバックに限らず、電圧検出器や電力検出器による電圧あるいは電力フィードバックでも良い。
【0063】
【発明の効果】
本発明による電力変換器によれば、以下のような効果が得られる。
【0064】
▲1▼従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータと異なり、低高調波、高力率を実現できる。
▲2▼従来のPFC回路と異なり、制御アルゴリズムが簡単である。
▲3▼従来のPFC回路より、効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC主回路の構成を示した図である。
【図2】図1のPFC主回路と共に本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC制御回路の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC回路の原理を説明するための図である。
【図4】図3の回路において、入力電流と入力電圧の位相関係を説明するためのベクトル図である。
【図5】本発明によるPFC回路のシミュレーションのために用意された、PFCシミュレーション主回路の回路図を示す。
【図6】本発明によるPFC回路のシミュレーションのために用意された、PFCシミュレーション制御回路の回路図を示す。
【図7】図5、図6のPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT と各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを示した波形図である。
【図8】図5、図6のPFCシミュレーション回路の相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW を示した波形図である。
【図9】図5、図6のPFCシミュレーション回路のスイッチング電源回路CA の入力電圧VUVと入力電流IA を示した波形図である。
【図10】本発明によるPFC回路の試験のために用意された、試験回路としてのPFC回路を示した図である。
【図11】図10の試験回路により得られた、入力電圧VUVを整流した波形VREC と出力電圧VOUT との位相関係、波形VREC と入力電流IA との位相関係を示した波形図である。
【図12】三相交流における正弦波A、B、Cとそれぞれを足し合わせた波形を示した図である。
【図13】三相交流における正弦波A、B、Cにオフセットを持たせた波形と、それぞれを足し合わせた波形を示した図である。
【図14】図14に正弦波A、B、Cを二乗した波形と、それらを足し合わせた波形を示した図である。
【図15】三相交流における正弦波A、B、Cの絶対値と各正弦波A、B、Cを掛け合わせた波形を示した図である。
【図16】従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの回路構成を示した図である。
【図17】図16の三相入力電源の各線間電圧波形及び相電流を示した波形図である。
【図18】従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの改良例を示した図である。
【符号の説明】
11、13、22 整流器
12 パルス幅変調回路
14 フィルタ回路
15、21 トランス
24 乗算器
【発明の属する技術分野】
本発明はAC−DCコンバータのような電力変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力変換器の一例である三相のAC−DCコンバータには、通常、三相全波整流回路が使用されている。ところが、従来の三相全波整流回路では、「力率が悪い」、「高調波成分が多い」等の欠点があった。以下に、このことを説明する。
【0003】
従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの回路構成を図16に、動作波形を図17にそれぞれ示す。図16において、三相U、V、Wの商用電源に接続された三相全波整流器100の出力電圧をリアクトル101と電解コンデンサ102で平滑した電圧が、負荷103に接続されている。三相全波整流器100は6個のダイオードD101〜D106から成る。
【0004】
図17は、図16の三相入力電源の各線間電圧波形(UV間電圧、VW間電圧、WU間電圧)を示す。また、各相に流れている電流波形IU 、IV 、IW も図17中に示す。動作波形から、各相の電流の導通角が120度になるため、各相の電流波形は高調波成分を多く含み、力率の悪いこと(約0.955)がわかる。
【0005】
このため図18に示すような三相全波整流回路によるAC−DCコンバータが提案されている。この回路は、三相入力電源の各相U、V、Wにそれぞれリアクトル204、205、206が接続されている。そして、それに続く三相全波整流器200の各ダイオードD201〜D206と並列に半導体スイッチS201〜S206が接続されている。その出力の両端にコンデンサ202を接続して、負荷203へ安定した直流電圧を供給できる回路構成になっている。
【0006】
この回路では図示しない制御回路により半導体スイッチS201〜S206をオン、オフすることにより、三相入力電源の各相に流れる電流波形の力率改善と高調波低減を行っている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
鈴木 義男、外4名、「ソフトスイッチング型三相入力高力率整流器」、Origin TECHNICAL JOURNAL 第60号 5〜12頁、1997年5月1日、オリジン電気株式会社発行
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図18の回路においては、半導体スイッチS201〜S206をオン、オフさせる制御アルゴリズムが複雑であり、効率が悪くコストが高くなる等の欠点がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は高力率、低高調波を達成できる電力変換器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は三相交流を直流に変換する電力変換器であり、三相の各相毎に変換回路を設け、各変換回路は第1のトランスを含んで交流入力電圧を受けて、相互に120度の位相差を持ち、且つオフセットを持つ正弦波電圧を出力するものであり、これら3つの変換回路の出力電圧を足し合わせて出力するようにしたことを特徴とする。
【0011】
本電力変換器においては、前記各変換回路は主回路と該主回路を制御するための制御回路とを含み、前記主回路は、前記交流入力電圧を整流するための第1の整流器と、スイッチング素子を含んで整流された直流電圧に対してパルス幅変調を行うことで前記正弦波電圧を出力するためのパルス幅変調回路とを含む。
【0012】
本電力変換器においてはまた、前記制御回路は、前記パルス幅変調回路に対してその変調度を規定するための信号を与える変調度制御信号発生手段を含む。
【0013】
本電力変換器においては更に、前記主回路においては、前記第1のトランスが前記パルス幅変調回路の出力側に接続される。
【0014】
本電力変換器においては、更に、前記第1のトランスの二次側に接続された第2の整流器と、該第2の整流器に接続された第1のフィルタ回路とを含んでも良い。
【0015】
本電力変換器においては、前記3つの変換回路の出力電圧を足し合わせた後に整流を行う第3の整流器を備えるようにしても良い。
【0016】
本電力変換器においては、前記変調度制御信号発生手段は、前記交流入力と同じ位相の正弦波を得るための変換手段と、該変換手段の出力を整流するための第4の整流器と、前記変換回路の出力電流を検出するための電流検出器と、検出された出力電流と設定値との差を出力するための誤差増幅器と、前記第4の整流器の出力に前記差を乗算して出力する乗算手段と、該乗算手段の出力を比較用の三角波と比較して比較結果を前記変調度制御信号として出力するための比較手段とを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、電力変換器の一例であるAC−DCコンバータに適用した場合について説明する。本形態によるAC−DCコンバータは、PFC(Power Factor Correction、以下PFCと略称する)回路とも呼ばれるものであり、三相入力のうち、各相を入力とした絶縁型力率改善型スイッチング電源回路の出力を3台分直列接続して、負荷に接続することで上記の欠点を解決したものである。つまり、本PFC回路では、三相入力電源の相電圧、相電流が同位相になるように動作し、且つ電流波形が正弦波であるため高力率、低高調波を達成することができる。
【0018】
本発明によるPFC回路の原理を、正弦波の性質、PFC主回路、PFC制御回路の3つに分けて説明する。
【0019】
はじめに、正弦波の性質について説明する。三相交流を構成する正弦波をそれぞれ正弦波A、B、Cとすると、正弦波Bは正弦波Aより位相が120度遅れ、正弦波Cは正弦波Aより位相が240度遅れている。正弦波A、B、Cの電圧VA 、VB 、VC を式で表すと、以下のようになる。
【0020】
正弦波A:VA =sinωt (1)
正弦波B:VB =sin(ωt−2π/3) (2)
正弦波C:VC =sin(ωt−4π/3) (3)
この正弦波A、B、Cは、三相交流電源の各相(UV、VW、WU)と同じ関係となっている。
【0021】
図12に正弦波A、B、Cとそれぞれを足し合わせた波形を示す。図12に示すように、120度ずつ位相のずれた正弦波A、B、Cを足し合わせた波形は、直線(大きさは0)となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0022】
VA +VB +VC
=sinωt+sin(ωt−2π/3)+sin(ωt−4π/3)
=sinωt+sinωt・cos(−2π/3)
+cosωt・sin(−2π/3)+sinωt・cos(−4π/3)
+cosωt・sin(−4π/3)
=sinωt−(√3/2)・cosωt−(1/2)・sinωt
−(√3/2)・cosωt
=0 (4)
また、図13に正弦波A、B、Cにオフセットを持たせた波形と、それぞれを足し合わせた波形を示す。図13に示すように、正弦波A、B、Cにそれぞれオフセットα、β、γを持たせ、それぞれを足し合わせた波形は直線(大きさはそれぞれのオフセットを足した値)となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0023】
VA +α+VB +β+VC +γ
=VA +VB +VC +α+β+γ
=α+β+γ (5)
これは、式(4)よりVA +VB +VC =0であることによる。
【0024】
これにより、三相入力の各相電圧(VUV、VVW、VWU)を入力電圧とする回路CA 、CB 、CC を想定した場合、各回路の出力が、各回路の入力電圧と同じ位相関係でオフセットを持つものであるならば、それらを加算(直列接続)すると直流電圧となることがわかる。
【0025】
なお、本発明において対象とする直流というのは、時系列的にみてまったく正あるいは負の電圧値に変動の無いものだけでなく、正あるいは負の片側において値が振れるものも直流に含まれるものとする。つまり、正あるいは負の片側において低周波で電圧値が変動するものや、パルス状に変動するものも直流に含まれるものとする。
【0026】
上記のように回路CA 、CB 、CC の出力が、各回路の入力電圧と同じ位相関係でオフセットを持つものにするために、入力電圧を二乗することを考えた。
【0027】
図14に正弦波A、B、Cを二乗した波形と、それらを足し合わせた波形を示す。正弦波A、B、Cを二乗した波形はオフセットを持ち、各線間電圧の位相ずれの関係は変わらない正弦波となるので、正弦波A、B、Cを二乗して足し合わせた波形は直線波形となる。これを数式で表すと、以下のようになる。
【0028】
VA 2 +VB 2 +VC 2
=sin2 ωt+sin2 (ωt−2π/3)+sin2 (ωt−4π/3)
=sin2 ωt
+{−(1/2)・sinωt−(√3/2)・cosωt}2
+{−(1/2)・sinωt−(√3/2)・cosωt}2
=sin2 ωt
+(1/4)・{sin2 ωt+2√3・sinωt・cosωt
+3・cos2 ωt}
+(1/4)・{sin2 ωt−2√3・sinωt・cosωt
+3cos2 ωt}
=sin2 ωt+(1/2)・sin2 ωt+(3/2)・cos2 ωt
=(3/2)・sin2 ωt+(3/2)・(1−sin2 ωt)
=3/2
これにより、回路CA 、CB 、CC の入力電圧である、三相入力のうち各相 (UV、VW、WU)を二乗し、それらを加算(直列接続)すると直流電圧となることがわかる。また、回路CA 、CB 、CC では、入力電圧を一度整流し二乗するが、正弦波A、B、Cの絶対値を二乗したものを足し合わせた波形も図14と同様に直線波形となる。
【0029】
回路CA 、CB 、CC では、入力電圧を一度整流した後二乗するが、この時の回路CA 、CB 、CC の入力電流波形は、整流した正弦波と整流していない正弦波を乗算した波形となる。
【0030】
上記の説明は入力電圧を二乗する場合であるが、同位相の入力電圧、すなわち正弦波電圧を掛け合わせた場合も同じ結果が得られる。つまり、ある正弦波の入力電圧に同じ位相の正弦波電圧を掛け合わせた場合も同じ結果が得られることを意味する。
【0031】
図15に波形A´、B´、C´を示す。波形A´、B´、C´は各正弦波A、B、Cの絶対値と各正弦波A、B、Cを掛け合わせた波形である。また、図15には波形A´からB´、波形B´からC´、波形C´からA´を引いた波形も示す。波形A´、B´、C´を前述のように引くと、図15の通りほとんど歪みの無い(歪み率1%程度)の正弦波となる。この波形A´、B´、C´は、回路CA 、CB 、CC の入力電流と同じとなり、それぞれを引いた波形は相電流と同じになるので、相電流はほとんど歪みの無い正弦波となる。
【0032】
次に、本発明によるPFC回路の原理について説明する。
【0033】
図3にPFC回路の原理図を示す。回路CA 、CB 、CC にはそれぞれ、三相の各相の電圧VUV、VVW、VWUを入力する。回路CA 、CB 、CC の入力電圧VVWはVUVより位相が120度遅れ、VWUはVUVより位相が240度遅れており、前の正弦波の性質において説明した正弦波A、B、Cと電圧VUV、VVW、VWUは同じ位相関係である。よって、回路CA 、CB 、CC から入力電圧VUV、VVW、VWUの絶対値を二乗したものと同じ位相関係の正弦波電圧を出力させることで、回路CA 、CB 、CC の出力電圧を足し合わせた電圧は直流となる。
【0034】
上記のような動作をした時、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUは同位相となる。この時の入力電流波形は、入力線間電圧の絶対値と入力電圧を掛けた波形となる。入力電流IA からIB 、IB からIC 、IC からIA を引いたもの、つまり相電流は、前の正弦波の性質で説明した通り、ほとんど歪みの無い正弦波となる。また、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUとが同位相であれば、入力電源の相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW は同位相となる。つまり、本PFC回路は、回路CA 、CB 、CC の入力電流IA 、IB 、IC と入力電圧VUV、VVW、VWUの位相関係が、図4に示すベクトル図となるように動作する。
【0035】
以上のことにより、歪みの無い相電流と相電圧が同位相となり、PFC回路は高力率で低高調波を達成できる。
【0036】
上記の原理に基づいた、本発明によるPFC回路の実施の形態について説明する。図1はPFC主回路のブロック図を示す。前に述べた回路CA 、CB 、CC は、以下ではスイッチング電源回路(変換回路)と呼ぶ。そして、PFC回路はスイッチング電源回路CA 、CB 、CC を備える。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC は同じ回路構成なので、以下ではスイッチング電源回路CA の構成について説明する。
【0037】
スイッチング電源回路CA のPFC主回路は、整流器11(第1の整流器)の出力にパルス幅変調回路12を接続した回路と、整流器13(第2の整流器)の出力にフィルタ回路14(第1のフィルタ回路)を接続した回路とを絶縁トランス15(第1のトランス)で接続して成る。つまり、パルス幅変調回路12の出力側と整流器13の入力側とを絶縁トランス15で接続している。
【0038】
パルス幅変調回路12では制御変数である変調度を変化させ、入力電圧の整流波形に同じ位相の整流波形を掛け合わせることと同じ動作を行っている。よって、スイッチング電源回路CA の出力電圧は入力電圧を二乗したものと同位相となり、スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力を足し合わせることで、本PFC回路の出力電圧は直流となる。このときの相電流と相電圧は歪みが無く同位相となるので、この回路は高力率で低高調波となる。
【0039】
なお、図1において、整流器11、パルス幅変調回路12、整流器13、フィルタ回路14の下側に付した波形図はそれぞれ、左上側が入力波形、右下側が出力波形である。つまり、整流器11では交流波形が全波整流波形にされ、パルス幅変調回路12では全波整流波形が正負のパルス状波形にされ、整流器13では正負のパルス状波形が正のパルス状波形にされ、フィルタ回路14では正のパルス状波形が正弦波形にされている。
【0040】
また、スイッチング電源回路CA の出力端子PはそのままPFC回路の一方の出力端子となり、出力端子Nはスイッチング電源回路CB の出力端子Pに接続され、スイッチング電源回路CB の出力端子Nはスイッチング電源回路CC の出力端子Pに接続され、スイッチング電源回路CC の出力端子NはそのままPFC回路の他方の出力端子となる。
【0041】
次に、PFC制御回路について説明する。図2はPFC制御回路の構成図を示す。図2でもスイッチング電源回路CA のみ制御回路の構成を示しているが、スイッチング電源回路CB 、CC 共にスイッチング電源回路CA と同じ制御回路を持つ。
【0042】
制御回路は、スイッチング電源回路CA の入力線間電圧VUVを検出するためのトランス21(変換手段)、全波整流器22(第4の整流器)を有すると共に、出力電流値を検出するための出力電流検出器DC−CTを有する。検出された出力電流値は誤差増幅器23にてあらかじめ決められている設定値と比較され、誤差成分が制御量として出力される。全波整流器22の出力は乗算器24により制御量と乗算され、乗算結果を示す信号SAは変調制御信号発生部25により所定の三角波と比較され、比較結果がパルス状の変調度制御信号として出力される。図2にも、各部の波形を付している。
【0043】
このようにして、本制御回路では、変調度制御信号をパルス幅変調回路12に与える。この変調度制御信号に基づいてパルス幅変調回路12内のスイッチング素子がオン、オフされる。
【0044】
本制御回路の入力電圧は、トランス21等によってPFC主回路と絶縁されている。スイッチング電源回路CA (CB 、CC )が入力電圧VUV(VVW、VWU)を二乗したものと同じ位相関係の正弦波電圧を出力するように、その出力は入力電圧の絶対値でパルス幅変調したものとする。また、出力電圧を変化させるために、パルス幅変調をかける入力電圧の絶対値、つまり全波整流器22の出力には、誤差増幅器23からの制御量が乗算される。
【0045】
続いて、シミュレーションによる検証結果について説明する。図5は、PFCシミュレーション主回路の回路図を示す。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC には、三相の各相が絶縁トランスT1、T2、T3を介して入力されている。各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の入力電圧VUV、VVW、VWUは4つのダイオードから成る全波整流器DM1、DM2、DM3で全波整流される。パルス幅変調器として作用するスイッチング素子SW1、SW2、SW3は変調度制御信号でオン、オフ制御されることによりPWM(Pulse Width Modulation)制御が行われる。そして、スイッチング素子SW1、SW2、SW3のスイッチング出力は整流器として作用するダイオードD1、D2、D3で整流されると共に、リアクトルL1、L2、L3とコンデンサC1、C2、C3でスイッチングリップルが平滑され、各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧となる。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力VAOUT、VBOUT、VCOUTを直列接続(加算)することでPFC回路としての出力電圧VOUT が得られ、負荷に接続される。
【0046】
図1、図2で説明した実回路と異なり、トランスT1〜T3が各スイッチング電源回路の入力に配置されているのは、シミュレーションを簡単にするためである。
【0047】
次に、図6を参照してシミュレーション制御回路について説明する。図5で説明したスイッチング素子SW1、SW2、SW3を動作させるための変調度制御信号は、各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の入力電圧VUV、VVW、VWUと同位相の電圧VUV´、VVW´、VWU´を4つのダイオードから成る全波整流器DM21、DM22、DM23で全波整流したものを比較器(変調度制御信号発生部に対応)U1、U2、U3でパルス幅変調したものとなっている。つまり、比較器U1〜U3はそれぞれ、全波整流された電圧を三角波発生器V1〜V3で生成される三角波と比較して、比較結果をパルス状の変調度制御信号としてスイッチング素子SW1〜SW3に出力する。
【0048】
図7は、図5、図6によるPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT と各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを示す。スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧は、VBOUTはVAOUTより位相が120度遅れ、VCOUTはVAOUTより位相が240度遅れ、それらを足し合わせたPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT は直流となった。
【0049】
また、図8に示すように、相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW が同位相となった。
【0050】
更に、図9に示すように、例えばスイッチング電源回路CA の入力電圧VUVと入力電流IA は同位相であった。
【0051】
なお、シミュレーション結果の波形がやや乱れているのは、シミュレーションを可能にするために、精度を荒くしているためである。
【0052】
次に、実回路での検証結果について説明する。本PFC回路は、3つのスイッチング電源回路CA 、CB 、CC で構成されているが、スイッチング電源回路CA のみ実回路を組み試験を行った。以下では、その試験回路と試験結果について説明する。
【0053】
図10に試験回路としてのPFC回路を示す。スイッチング電源回路CA には、三相入力のうち一相VUVが入力されている。PFC主回路は、4つのダイオードによる全波整流器DM1(図1、図2の整流器11に対応)、スイッチング素子SW1によるパルス幅変調回路(図1、図2のパルス幅変調回路12に対応)、ダイオードD1による整流器、リアクトルL1、L12とコンデンサC1とによるフィルタ回路、スイッチング素子SW12〜SW15によるDC−ACコンバータ、4つのダイオードによる全波整流器DM12(図1、図2の整流器13に対応)、リアクトルL13、L14とコンデンサC13とによるフィルタ回路(図1、図2のフィルタ回路14に対応)を含み、DC−ACコンバータと全波整流器DM12との間を絶縁トランスTr1(図1、図2のトランス15に対応)で接続している。
【0054】
本試験回路では回路の都合上、パルス幅変調回路がスイッチング素子SW1とスイッチング素子SW12〜SW15によるDC−ACコンバータに分かれているが、回路動作という点では双方同じである。
【0055】
一方、PFC制御回路は、スイッチング電源回路CA の入力電圧VUVが入力され、スイッチング素子SW1の変調度制御信号をパルス幅変調回路に出力する。つまり、PFC制御回路の入力電圧VUVは4つのダイオードによる全波整流器DM13で整流され、電流検出器DC−CTによって電流が検出される。電流検出器DC−CTの出力と三角波発生器V1からの三角波とを比較器(変調度制御信号発生部に対応)U1で比較した比較結果、つまり入力電圧をパルス幅変調したパルス状の信号がスイッチング素子SW1の変調度制御信号となる。ここでは、DC−ACコンバータのスイッチング素子SW12〜SW15のデューティ比はおおよそ50%で固定としている。
【0056】
図11に入力電圧VUVを整流した波形VREC と出力電圧VAOUTの位相関係、波形VREC と入力電流IA の位相関係を示す。図10により、スイッチング電源回路CA の出力電圧VAOUTが、入力電圧VUVを二乗したものと同位相のオフセットを持った正弦波となった。また、入力電圧VUVと入力電流IA が同位相となった。この回路の力率を測定すると「1」となった。
【0057】
以上のシミュレーション解析、試験により原理通りに本PFC回路が動作することがわかった。結論を以下に簡単に記す。
【0058】
▲1▼力率が「1」となった。
▲2▼PFC回路の出力は直流となる。
▲3▼PFC回路への三相入力電源の相電圧、相電流は正弦波且つ同位相となり、PFC回路は高力率、低高調波を達成することができる。
【0059】
なお、上記のシミュレーションのみならず、図1、図2に示すようなAC−DCコンバータについても試験を行った結果、シミュレーションとほぼ同じ効果が得られることが確認された。
【0060】
以上、本発明をAC−DCコンバータに適用した場合について説明したが、本発明はAC−DCコンバータに限らず、いわゆる電力変換器全般に適用可能である。また、図1、図2に示した回路もあくまでも一例であり、様々な変更が可能である。
【0061】
例えば、図1に示されたPFC主回路においては、トランス15のすぐ後に整流器13、フィルタ回路14が接続されているが、トランスのすぐ後ではなく、3つのスイッチング電源回路の出力を足し合わせた後に1つの整流器(第3の整流器)及びフィルタ回路を設ける構成でも良い。また、トランス11はパルス幅変調回路12の出力側ではなく、入力側に接続されても良いが、この場合、トランスは周波数の関係からやや大型になる。
【0062】
一方、図2に示されたPFC制御回路におけるトランス21に代えて、DC−CTやフォトカプラ等を使用しても良い。また、図2に示されたPFC制御回路はアナログ回路構成となっているが、入力部及び電流検出器からの検出信号入力部にA−D変換器を設けると共にディジタル演算機能を持つ演算部を備えることでディジタル回路構成としても良い。加えて、図2のPFC制御回路ではスイッチング電源回路毎に誤差増幅器23が設けられているが、誤差増幅器を出力電流検出器DC−CTのすぐ後に接続することで1つの誤差増幅器からの出力を3つのスイッチング電源回路で共用することができる。また、PFC制御回路へのフィードバックは省略されても良いし、出力電流検出器DC−CTによる電流フィードバックに限らず、電圧検出器や電力検出器による電圧あるいは電力フィードバックでも良い。
【0063】
【発明の効果】
本発明による電力変換器によれば、以下のような効果が得られる。
【0064】
▲1▼従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータと異なり、低高調波、高力率を実現できる。
▲2▼従来のPFC回路と異なり、制御アルゴリズムが簡単である。
▲3▼従来のPFC回路より、効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC主回路の構成を示した図である。
【図2】図1のPFC主回路と共に本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC制御回路の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態であるAC−DCコンバータを構成するPFC回路の原理を説明するための図である。
【図4】図3の回路において、入力電流と入力電圧の位相関係を説明するためのベクトル図である。
【図5】本発明によるPFC回路のシミュレーションのために用意された、PFCシミュレーション主回路の回路図を示す。
【図6】本発明によるPFC回路のシミュレーションのために用意された、PFCシミュレーション制御回路の回路図を示す。
【図7】図5、図6のPFCシミュレーション回路の出力電圧VOUT と各スイッチング電源回路CA 、CB 、CC の出力電圧VAOUT、VBOUT、VCOUTを示した波形図である。
【図8】図5、図6のPFCシミュレーション回路の相電圧VU 、VV 、VW と相電流IU 、IV 、IW を示した波形図である。
【図9】図5、図6のPFCシミュレーション回路のスイッチング電源回路CA の入力電圧VUVと入力電流IA を示した波形図である。
【図10】本発明によるPFC回路の試験のために用意された、試験回路としてのPFC回路を示した図である。
【図11】図10の試験回路により得られた、入力電圧VUVを整流した波形VREC と出力電圧VOUT との位相関係、波形VREC と入力電流IA との位相関係を示した波形図である。
【図12】三相交流における正弦波A、B、Cとそれぞれを足し合わせた波形を示した図である。
【図13】三相交流における正弦波A、B、Cにオフセットを持たせた波形と、それぞれを足し合わせた波形を示した図である。
【図14】図14に正弦波A、B、Cを二乗した波形と、それらを足し合わせた波形を示した図である。
【図15】三相交流における正弦波A、B、Cの絶対値と各正弦波A、B、Cを掛け合わせた波形を示した図である。
【図16】従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの回路構成を示した図である。
【図17】図16の三相入力電源の各線間電圧波形及び相電流を示した波形図である。
【図18】従来の三相全波整流回路によるAC−DCコンバータの改良例を示した図である。
【符号の説明】
11、13、22 整流器
12 パルス幅変調回路
14 フィルタ回路
15、21 トランス
24 乗算器
Claims (7)
- 三相交流を直流に変換する電力変換器において、三相の各相毎に変換回路を設け、各変換回路は第1のトランスを含んで交流入力電圧を受けて、相互に120度の位相差を持ち、且つオフセットを持つ正弦波電圧を出力するものであり、これら3つの変換回路の出力電圧を足し合わせて出力するようにしたことを特徴とする電力変換器。
- 請求項1に記載の電力変換器において、前記各変換回路は主回路と該主回路を制御するための制御回路とを含み、前記主回路は、前記交流入力電圧を整流するための第1の整流器と、スイッチング素子を含んで整流された直流電圧に対してパルス幅変調を行うことで前記正弦波電圧を出力するためのパルス幅変調回路とを含むことを特徴とする電力変換器。
- 請求項2に記載の電力変換器において、前記制御回路は、前記パルス幅変調回路に対してその変調度を規定するための信号を与える変調度制御信号発生手段を含むことを特徴とする電力変換器。
- 請求項2に記載の電力変換器において、前記主回路においては、前記第1のトランスは前記パルス幅変調回路の出力側に接続されていることを特徴とする電力変換器。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電力変換器において、更に、前記第1のトランスの二次側に接続された第2の整流器と、該第2の整流器に接続された第1のフィルタ回路とを含むことを特徴とする電力変換器。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電力変換器において、前記3つの変換回路の出力電圧を足し合わせた後に整流を行う第3の整流器を備えることを特徴とする電力変換器。
- 請求項3〜6のいずれかに記載の電力変換器において、前記変調度制御信号発生手段は、前記交流入力と同じ位相の正弦波を得るための変換手段と、該変換手段の出力を整流するための第4の整流器と、前記変換回路の出力電流を検出するための電流検出器と、検出された出力電流と設定値との差を出力するための誤差増幅器と、前記第4の整流器の出力に前記差を乗算して出力する乗算手段と、該乗算手段の出力を比較用の三角波と比較して比較結果を前記変調度制御信号として出力するための比較手段とを含むことを特徴とする電力変換器。
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JP2002257926A JP2004096953A (ja) | 2002-09-03 | 2002-09-03 | 電力変換器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011188594A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Kochi Univ Of Technology | 多相交流発電装置 |
CN104170231A (zh) * | 2012-03-14 | 2014-11-26 | 亚琛工业大学 | 用于dc-dc转换器的电流调整 |
-
2002
- 2002-09-03 JP JP2002257926A patent/JP2004096953A/ja active Pending
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