JP2004096898A - 電磁波利用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる電磁波利用システムを提供する。
【解決手段】電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子21と、同変換素子21に直列接続された整流用ダイオード22と、整流用ダイオード22を介して変換素子21に接続されたコンデンサー23とを備える。コンデンサー23は、変換素子21からの直流電流の通電によって電力の蓄電及び放電を行う。LED24は、コンデンサー23に接続され、コンデンサー23からの放電によって電力を供給されて発光する。
【選択図】 図1
【解決手段】電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子21と、同変換素子21に直列接続された整流用ダイオード22と、整流用ダイオード22を介して変換素子21に接続されたコンデンサー23とを備える。コンデンサー23は、変換素子21からの直流電流の通電によって電力の蓄電及び放電を行う。LED24は、コンデンサー23に接続され、コンデンサー23からの放電によって電力を供給されて発光する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器等から発生した電磁波が空気中へ散逸されることを抑えるとともに、同電磁波を電気エネルギーに変換し、当該電磁波の発生源である電子機器等での再利用を図るための電磁波利用システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁波を電気エネルギーに変換して利用するものとしては、例えば電卓、腕時計、ラジオ等のような電子機器の電源として利用されるソーラーセル(太陽電池)が挙げられる。このソーラーセルは半導体の一種であり、電磁波としての太陽光線又は人工光線が照射されたとき、その光エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を得るものであり、同電力により電子機器が駆動される。
【0003】
この他にも、例えば携帯電話機に取付けられる自発光式アンテナが挙げられる。この自発光式アンテナは、電磁波である電波を送受信するためのアンテナと、同アンテナの先端に取付けられた発光部とから構成されている。該発光部には金属製の1つのコイルと、同コイルに接続されたダイオードと、同ダイオードを介してコイルに接続されたコンデンサーと、このコンデンサーに接続された発光ダイオード(以下、略して「LED」とも記載する)とが内装されている。
【0004】
この自発光式アンテナにおいては、アンテナに送受信される電波が発光部のコイル内を通過するとき、コイルに電流が流れ、同電流がダイオードによって整流されてコンデンサーに流れ込む。そして、同コンデンサーに電力が蓄電されるとともに、コンデンサーからLEDへ電力の放電が行われてLEDが発光する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前に挙げた太陽電池は、外部から照射された太陽光を電子機器の駆動に利用するのみで電子機器を駆動したときに発生する電磁波については考慮されておらず、同電磁波は再利用されることなく空気中へ散逸されていた。一方、自発光式アンテナは、携帯電話機用のアクセサリとしての利用のみが注目されおり、電磁波を電気エネルギーとして利用する機能はほとんど注目されていない。このため、同自発光式アンテナは、各携帯電話機の機種毎に特化して製造されており、例えば通信方式、使用する電波の帯域等が異なる機種に装着した場合、高い確率でLEDが発光しなくなる。従って、電磁波を電気エネルギーに変換する機能を安定して発揮することができなかった。
【0006】
ところで、近年は携帯電話機に限らず、情報携帯端末(PDA)、パソコン等のような情報処理機器の普及に伴い、その利便性から、電波、赤外線等の電磁波を利用してデータの送受信を行う無線方式の情報処理機器が数多く提案されている。その一方で、このような無線方式の情報処理機器の増加に伴う電磁波による環境への影響も注目されており、電磁波による環境への影響を抑えるため、電磁波吸収材、電磁波遮蔽材等も数多く提案されている。しかし、これら電磁波吸収材、電磁波遮蔽材等の目的は、電磁波を減衰又は消去させることであり、当該電磁波を電気エネルギーとして再利用することについてはほとんど考えられていなかった。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる電磁波利用システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の電磁波利用システムの発明は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子と、当該変換素子で発生した電流を整流する整流用ダイオードと、当該整流用ダイオードを介して変換素子に接続され、同変換素子からの通電によって電力の蓄電及び放電を行うコンデンサーとを備え、電力を供給する又は電力供給によって駆動する機能を備える電磁波発生源が電力供給時又は駆動時に発生させる電磁波によって前記変換素子に電流を発生させ、前記コンデンサーに電力を蓄電させるとともに、同コンデンサーから放電された電力を当該電磁波発生源へ給電することにより、電磁波が電力として再利用されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の電磁波利用システムの発明は、請求項1に記載の発明において、前記電磁波発生源は、発光により発着信を報知するための発光ダイオードを備える携帯電話機であり、同携帯電話機が発着信時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力を発光ダイオードに給電して発光ダイオードを発光させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の電磁波利用システムの発明は、請求項1に記載の発明において、前記電磁波発生源は、情報携帯端末又は携帯電話機とそれらを駆動するためのバッテリーであり、情報携帯端末又は携帯電話機が駆動時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力をバッテリーに給電可能に構成するとともに、当該バッテリーと前記コンデンサーとの間には、コンデンサーの電位が充電池の電位よりも高いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を許容してバッテリーの充電動作を行い、コンデンサーの電位がバッテリーの電位よりも低いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を遮断してコンデンサーの蓄電動作を行うための電位差放電回路を接続したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を携帯電話機の自発光式アンテナに具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図2に示すように、電磁波発生源である携帯電話機10は、そのアンテナ11の先端部に発光部12が取付けられることにより、アンテナ11及び発光部12から構成された自発光式アンテナを備えている。アンテナ11は、金属線材より形成されるとともに、携帯電話機10の発着信に使用される所定周波数帯の電波を受信する機能を有している。
【0013】
発光部12には電磁波利用システムとして、アンテナ11で受信された電波を検出して同電波を電力に変換する電磁波−電気変換回路と、携帯電話機10の発着信を報知するためのLEDとが内装されている。そして、発光部12のLEDは、携帯電話機10の発着信時において、同携帯電話機10からの電力供給を受けることなく、電磁波−電気変換回路からの電力供給により発光し、使用者にその発着信を報知する。つまり、当該電磁波利用システムにおいては、携帯電話機10の駆動時に発生した電波が発光部12のLEDを発光させる電力として再利用される。
【0014】
前記携帯電話機10は、その通信方式が符号分割多重アクセス方式(CodeDivision Multiple Access方式:以下、略して「CDMA方式」ともいう)のものである。一般的な通信方式であるPDC方式(Personal Digital Cllular方式)の携帯電話機の場合、基地局との間で一定周波数の直接波を送受信しており、電波の出力もほぼ一定である。このため、PDC方式の携帯電話機で使用する自発光式アンテナの場合、LEDの検波域を電波の周波数に合わせるか、又は電波の周波数に合わせた検波ダイオードを内装することにより、電波を変換して得られた電力でLEDを十分に発光させることが可能である。
【0015】
一方、CDMA方式の携帯電話機10は、着信時に基地局からの直接波及びその反射波、複数の基地局から送られた直接波等のように広帯域に拡散された位相の異なる複数の受信波を受信し、これらを内部で同期させて受信電力を増幅する機能を有している。また、送信時には他の携帯電話機への干渉を抑えるため、送信電力ができる限り低減されるように基地局との距離、障害物等に応じて送信波の出力を調整し、狭帯域に収束又は広帯域に拡散させた状態で位相の異なる複数の送信波を送信する機能を有している。従って、CDMA方式の携帯電話機10は、障害物に対する電波の反射等による影響が低減されるとともに、電波を広帯域に拡散させることにより、一度に大量のデータを送受信することも可能である。このため、CDMA方式の携帯電話機10は、PDC方式のものと比較して音質の向上、データ量の増加等の利点を有している。
【0016】
しかし、CDMA方式の携帯電話機10は、所定帯域に拡散された位相の異なる複数の電波を送受信するため、状況に応じて各電波の出力がそれぞれ異なり、PDC方式のものと比較して電波の出力が一定ではないという特徴も有する。従って、CDMA方式の携帯電話機10で使用する自発光式アンテナの場合、出力が一定ではない電波から、LED24を発光させるに足る十分に安定した電力を得る機能を有する構成が必要となる。そして、この第1実施形態では、同機能を有する構成として前記電磁波−電気変換回路が設けられている。なお、CDMA方式の携帯電話機の場合、受信波及び送信波に使用される電波の周波数帯は800MHz〜2.0GHzであり、その帯域は1.25〜5MHzである。また、電波の出力は状況に応じて適宜調整されるため、特に限定はされないが、約10〜800mWの範囲となるように調整される。
【0017】
図1は、電磁波−電気変換回路の電気回路を示すものである。電磁波−電気変換回路20は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子21と、同変換素子21に直列接続された整流用ダイオード22と、整流用ダイオード22を介して変換素子21に直列接続されたコンデンサー23とを備える。前記発光ダイオード24(以下、略して「LED24」ともいう)は、電磁波−電気変換回路20に対し、コンデンサー23と並列接続される。
【0018】
前記変換素子21は、その中心角θが120゜となるように星形結線された3本のコイル25と、これらコイル25にそれぞれ直列接続された検波ダイオード26とから形成される。各コイル25は、その内部を通過する電波の内、検波ダイオード26によって検波された電波をそれぞれ電流に変換する。整流用ダイオード22は、一端が接地された状態で3本のコイル25の結線の中心部に直列接続されており、各コイル25で変換された電流を整流し、これら電流を同期させて得られる直流電流を回路内に通電させる。コンデンサー23は、変換素子21からの直流電流の通電によって電力の蓄電及び放電を行う。そして、LED24は、コンデンサー23からの放電によって電力を供給され、発光する。
【0019】
変換素子21を構成するコイル25は、効率よく電波を検出することができるように、その材料に金属又は炭素繊維が使用されている。この材料に使用する金属としては、ゲルマニウム、ゲルマニウム合金、銅、鉄等が好ましく、なかでもシリコン−ゲルマニウム合金が他と比べて効率よく電波を検出することができることからより好ましい。
【0020】
前記第1実施形態の作用について以下に記載する。
さて、CDMA方式の携帯電話機10の場合、電波の着信時には周波数帯が800MHz〜2.0GHzで帯域が1.25〜5MHzとなるように拡散された複数の電波が受信される。発光部12においては、これら電波が3本のコイル25内をそれぞれ通過するとき、検波ダイオード26によって検波され、各コイル25に直流電流を発生させる。その後、3本のコイル25でそれぞれ発生した直流電流は、コイル25の結線の中心部から整流用ダイオード22へ通電され、ここで整流されて回路内へと流れ出す。その後、コンデンサー23へと達した直流電流は、ここで電力として蓄電される。そして、所定容量の電力が蓄電されると、同コンデンサー23からLED24へ電力が放電され、LED24が発光し、携帯電話機10の着信を使用者に報知する。
【0021】
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 一般的な通信方式であるPDC方式の携帯電話機の場合には、電波として所定の周波数帯の直接波がそのまま送受信されている。このため、電波の出力が安定しており、1つのコイルで電波を検出し、同電波を電力に変換することにより、LEDを発光させることが十分に可能である。一方、CDMA方式の携帯電話機10の場合、状況に応じて電波の出力を調整しながら、所定の周波数帯で所定帯域に電波が拡散され、この拡散された複数の電波が送受信されている。このため、携帯電話機10に送受信されるまでの電波の出力は、PDC方式のものと比較して低減されている可能性が高い。この第1実施形態によれば、電波を検出する変換素子21として、3本のコイル25を星形結線したものが使用されている。従って、電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20内に設けられた変換素子21の3本のコイル25で位相の異なる複数の電波を検出することができる。
【0022】
・ また、3本のコイル25は星形結線されており、かつ各コイル25の結線の中心部には整流用ダイオード22が接続されている。これにより、各コイル25で発生した電流を強めて回路内に通電させることができる。従って、CDMA方式の携帯電話機10の電波から強い電流を得ることができる。
【0023】
・ また、電波を変換して得られた電力は、コンデンサー23に一旦蓄電された後、LED24へ放電されるように構成されている。従って、LED24を発光させるに足る十分な電力を得ることができる。
【0024】
・ また、電波を変換して得られた電力は、LED24の発光に利用されている。このため、同LED24は、携帯電話機10の発着信を報知するのみならず、通常であれば空気中に散逸される電波が電力として利用されていることを使用者に認識させることができる。
【0025】
・ そして、電磁波−電気変換回路20内で電波を変換して得られた電流の出力を強め、かつコンデンサー23に蓄電することにより、CDMA方式の携帯電話機10で発生した電波を携帯電話機10の発着信を報知するLED24を発光させるための電力として再利用することができる。従って、CDMA方式の携帯電話機10において、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0026】
(第2実施形態)
以下、本発明を携帯電話機の充電回路に具体化した第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この第2実施形態については、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0027】
図3は、携帯電話機の充電回路を示すブロック図である。電磁波利用システムとしての充電回路は、第1実施形態で示したものと同じ構成の電磁波−電気変換回路20及びLED24と、電磁波−電気変換回路20に接続された電位差放電回路27とを備えている。そして、充電回路は同電位差放電回路27を介して携帯電話機のバッテリー13に接続される。当該電位差放電回路27は、発電回路28と、同発電回路28に接続される充電回路30と、発電回路28と充電回路30の間に接続された直流電源29とを含む。そして、発電回路28が電磁波−電気変換回路20に、充電回路30がバッテリー13にそれぞれ接続される。
【0028】
前記発電回路28は、トランジスタ、コンデンサー、抵抗等を含み、前記直流電源29をバイアス電源とすることにより、電磁波−電気変換回路20から入力された電流を増幅し、出力する機能を備える。前記充電回路30は、ダイオード、トランジスタ等を含む。充電回路30は、バッテリー13の電位を検出するとともに、ダイオードのスィッチング作用により、電位差放電回路27を開放及び閉鎖する機能を備える。そして、バッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも低いことが検知された場合には、電位差放電回路27を開放し、バッテリー13の充電動作を行う。また、バッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも高いことが検知された場合には、電位差放電回路27を閉鎖し、コンデンサーの蓄電動作を行う。
【0029】
前記第2実施形態の作用について以下に記載する。
さて、第2実施形態の充電回路においては、携帯電話機に電波の発着信があるとき、電磁波−電気変換回路20で同電波が電力に変換され、電位差放電回路27の発電回路28へと給電される。このとき、発電回路28へと給電される電力を一部使用することにより、LED24が発光する。次いで、発電回路28では、直流電源29をバイアス電源として使用することにより、電磁波−電気変換回路20から入力された電流を増幅し、充電回路30へと給電する。
【0030】
充電回路30でバッテリー13の電位が低下したことが検知されたとき、充電回路30により電位差放電回路27が開放され、電磁波−電気変換回路20からの電流がバッテリー13へ給電されて充電動作が行われる。一方、充電動作によりバッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも高くなったことが検知されたとき、充電回路30により電位差放電回路27が閉鎖され、バッテリー13への給電が遮断される。そして、電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位がバッテリー13の電位よりも高くなるまで、コンデンサーの蓄電動作が行われる。
【0031】
前記の第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態によれば、電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20が電位差放電回路27を介して携帯電話機のバッテリー13に接続されている。この電位差放電回路27は、電磁波−電気変換回路20からの電流を増幅するとともに、バッテリー13の電位の高低を検知して充電動作を行うように構成されている。従って、CDMA方式の携帯電話機10において、電磁波の散逸の抑制を図りつつ、得られた電力をバッテリー13へ充電することにより、バッテリー13の利用可能時間を延ばすことができ、エネルギー効率のさらなる向上を図ることができる。
【0032】
・ また、LED24を接続したことにより、同LED24の発光を電力の目安とすることができ、電波が電力として利用されていることを使用者に認識させることができるとともに、回路内を流れる電力量を認識することもできる。
【0033】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 電磁波−電気変換回路20の変換素子21は、コイル25に限らず、例えば、炭素原子より形成されたカーボンコイル、カーボンチューブ、フラーレン等を使用してもよい。特に、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンは、電波と共鳴しやすくさらに効率よく電波を検出することができるとともに、設置面積の省スペース化を図ることができることからより好ましい。
【0034】
・ また、変換素子21は、シリコン−ゲルマニウム合金製のN型又はP型の半導体と、同半導体に積層されるP型又はN型の半導体から板状に形成してもよい。あるいは、シリコン−ゲルマニウム合金製の半導体を顆粒状に形成し、他金属よりなる板状の半導体の表面に散布して変換素子21を形成してもよい。
【0035】
・ 各実施形態では、電磁波利用システムを備える携帯電話機から発着信される電波を電力に変換し、同電力を電磁波利用システムを備える携帯電話機で利用している。しかし、これに限らず、例えば電磁波利用システムを備えていない他の携帯電話機から発着信される電波を電磁波利用システムを備える携帯電話機で電力に変換し、これを利用してもよい。つまり、自身が発着信した電波を自己で再利用することに限らず、他者が発着信した電波を自己で再利用してもよい。
【0036】
・ 電力供給によって駆動する機能を備える電磁波発生源は、携帯電話機10に限らず、例えば情報携帯端末(PDA)、パソコン等の情報機器、テレビ、オーディオ、電子レンジ等の家電等としてもよい。特に、PDA、パソコン等の情報機器は、異なる機器間でのデータの送受信を周波数帯が2.0〜5.0GHzの電波を使用して行う無線式のものが近年数多く提供されているため、電磁波発生源として好ましい。この他にも、夜間等に自発光する道路標識、誘導灯等としてもよい。あるいは、電力を供給する電磁波発生源として、電力を供給するために敷設された電線、発電機等としてもよい。
【0037】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記変換素子は、金属又は炭素製の3本のコイルと、これらコイルにそれぞれ接続された3つの検波ダイオードとを備え、3本のコイルを星形結線することにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、位相の異なる複数の電磁波を検出し、電流に変換することができるとともに、各電流をそれぞれ同期させ、強い電流とすることができる。
【0038】
(2) 前記変換素子は、シリコン−ゲルマニウム合金製の半導体から板状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波を効率よく検出することができる。
【0039】
(3) 前記変換素子は、カーボンコイル、カーボンチューブ又はフラーレンから形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波を効率よく検出することができる。
【0040】
(4) 前記電磁波発生源は、通信方式が符号分割多重アクセス方式である携帯電話機であり、前記電磁波は、当該携帯電話機の発着信に使用される周波数帯が800MHz〜2.0GHzの電波であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、符号分割多重アクセス方式の拡散されて出力が弱まった電磁波を電力とすることができる。
【0041】
(5) 前記電磁波発生源は、無線方式でデータの送受信を行う情報携帯端末であり、前記電磁波は、当該情報携帯端末のデータの送受信に使用される周波数帯が2.0〜5.0GHzの電波であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0043】
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、携帯電話機から発生した電波の散逸を抑制し、携帯電話機のエネルギー効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁波−電気変換回路を示す回路図。
【図2】携帯電話機を示す概念図。
【図3】充電回路を示すブロック図。
【符号の説明】
10…携帯電話機、13…バッテリー、21…変換素子、22…整流用ダイオード、23…コンデンサー、24…発光ダイオード、27…電位差放電回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器等から発生した電磁波が空気中へ散逸されることを抑えるとともに、同電磁波を電気エネルギーに変換し、当該電磁波の発生源である電子機器等での再利用を図るための電磁波利用システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁波を電気エネルギーに変換して利用するものとしては、例えば電卓、腕時計、ラジオ等のような電子機器の電源として利用されるソーラーセル(太陽電池)が挙げられる。このソーラーセルは半導体の一種であり、電磁波としての太陽光線又は人工光線が照射されたとき、その光エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を得るものであり、同電力により電子機器が駆動される。
【0003】
この他にも、例えば携帯電話機に取付けられる自発光式アンテナが挙げられる。この自発光式アンテナは、電磁波である電波を送受信するためのアンテナと、同アンテナの先端に取付けられた発光部とから構成されている。該発光部には金属製の1つのコイルと、同コイルに接続されたダイオードと、同ダイオードを介してコイルに接続されたコンデンサーと、このコンデンサーに接続された発光ダイオード(以下、略して「LED」とも記載する)とが内装されている。
【0004】
この自発光式アンテナにおいては、アンテナに送受信される電波が発光部のコイル内を通過するとき、コイルに電流が流れ、同電流がダイオードによって整流されてコンデンサーに流れ込む。そして、同コンデンサーに電力が蓄電されるとともに、コンデンサーからLEDへ電力の放電が行われてLEDが発光する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前に挙げた太陽電池は、外部から照射された太陽光を電子機器の駆動に利用するのみで電子機器を駆動したときに発生する電磁波については考慮されておらず、同電磁波は再利用されることなく空気中へ散逸されていた。一方、自発光式アンテナは、携帯電話機用のアクセサリとしての利用のみが注目されおり、電磁波を電気エネルギーとして利用する機能はほとんど注目されていない。このため、同自発光式アンテナは、各携帯電話機の機種毎に特化して製造されており、例えば通信方式、使用する電波の帯域等が異なる機種に装着した場合、高い確率でLEDが発光しなくなる。従って、電磁波を電気エネルギーに変換する機能を安定して発揮することができなかった。
【0006】
ところで、近年は携帯電話機に限らず、情報携帯端末(PDA)、パソコン等のような情報処理機器の普及に伴い、その利便性から、電波、赤外線等の電磁波を利用してデータの送受信を行う無線方式の情報処理機器が数多く提案されている。その一方で、このような無線方式の情報処理機器の増加に伴う電磁波による環境への影響も注目されており、電磁波による環境への影響を抑えるため、電磁波吸収材、電磁波遮蔽材等も数多く提案されている。しかし、これら電磁波吸収材、電磁波遮蔽材等の目的は、電磁波を減衰又は消去させることであり、当該電磁波を電気エネルギーとして再利用することについてはほとんど考えられていなかった。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる電磁波利用システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の電磁波利用システムの発明は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子と、当該変換素子で発生した電流を整流する整流用ダイオードと、当該整流用ダイオードを介して変換素子に接続され、同変換素子からの通電によって電力の蓄電及び放電を行うコンデンサーとを備え、電力を供給する又は電力供給によって駆動する機能を備える電磁波発生源が電力供給時又は駆動時に発生させる電磁波によって前記変換素子に電流を発生させ、前記コンデンサーに電力を蓄電させるとともに、同コンデンサーから放電された電力を当該電磁波発生源へ給電することにより、電磁波が電力として再利用されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の電磁波利用システムの発明は、請求項1に記載の発明において、前記電磁波発生源は、発光により発着信を報知するための発光ダイオードを備える携帯電話機であり、同携帯電話機が発着信時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力を発光ダイオードに給電して発光ダイオードを発光させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の電磁波利用システムの発明は、請求項1に記載の発明において、前記電磁波発生源は、情報携帯端末又は携帯電話機とそれらを駆動するためのバッテリーであり、情報携帯端末又は携帯電話機が駆動時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力をバッテリーに給電可能に構成するとともに、当該バッテリーと前記コンデンサーとの間には、コンデンサーの電位が充電池の電位よりも高いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を許容してバッテリーの充電動作を行い、コンデンサーの電位がバッテリーの電位よりも低いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を遮断してコンデンサーの蓄電動作を行うための電位差放電回路を接続したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を携帯電話機の自発光式アンテナに具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図2に示すように、電磁波発生源である携帯電話機10は、そのアンテナ11の先端部に発光部12が取付けられることにより、アンテナ11及び発光部12から構成された自発光式アンテナを備えている。アンテナ11は、金属線材より形成されるとともに、携帯電話機10の発着信に使用される所定周波数帯の電波を受信する機能を有している。
【0013】
発光部12には電磁波利用システムとして、アンテナ11で受信された電波を検出して同電波を電力に変換する電磁波−電気変換回路と、携帯電話機10の発着信を報知するためのLEDとが内装されている。そして、発光部12のLEDは、携帯電話機10の発着信時において、同携帯電話機10からの電力供給を受けることなく、電磁波−電気変換回路からの電力供給により発光し、使用者にその発着信を報知する。つまり、当該電磁波利用システムにおいては、携帯電話機10の駆動時に発生した電波が発光部12のLEDを発光させる電力として再利用される。
【0014】
前記携帯電話機10は、その通信方式が符号分割多重アクセス方式(CodeDivision Multiple Access方式:以下、略して「CDMA方式」ともいう)のものである。一般的な通信方式であるPDC方式(Personal Digital Cllular方式)の携帯電話機の場合、基地局との間で一定周波数の直接波を送受信しており、電波の出力もほぼ一定である。このため、PDC方式の携帯電話機で使用する自発光式アンテナの場合、LEDの検波域を電波の周波数に合わせるか、又は電波の周波数に合わせた検波ダイオードを内装することにより、電波を変換して得られた電力でLEDを十分に発光させることが可能である。
【0015】
一方、CDMA方式の携帯電話機10は、着信時に基地局からの直接波及びその反射波、複数の基地局から送られた直接波等のように広帯域に拡散された位相の異なる複数の受信波を受信し、これらを内部で同期させて受信電力を増幅する機能を有している。また、送信時には他の携帯電話機への干渉を抑えるため、送信電力ができる限り低減されるように基地局との距離、障害物等に応じて送信波の出力を調整し、狭帯域に収束又は広帯域に拡散させた状態で位相の異なる複数の送信波を送信する機能を有している。従って、CDMA方式の携帯電話機10は、障害物に対する電波の反射等による影響が低減されるとともに、電波を広帯域に拡散させることにより、一度に大量のデータを送受信することも可能である。このため、CDMA方式の携帯電話機10は、PDC方式のものと比較して音質の向上、データ量の増加等の利点を有している。
【0016】
しかし、CDMA方式の携帯電話機10は、所定帯域に拡散された位相の異なる複数の電波を送受信するため、状況に応じて各電波の出力がそれぞれ異なり、PDC方式のものと比較して電波の出力が一定ではないという特徴も有する。従って、CDMA方式の携帯電話機10で使用する自発光式アンテナの場合、出力が一定ではない電波から、LED24を発光させるに足る十分に安定した電力を得る機能を有する構成が必要となる。そして、この第1実施形態では、同機能を有する構成として前記電磁波−電気変換回路が設けられている。なお、CDMA方式の携帯電話機の場合、受信波及び送信波に使用される電波の周波数帯は800MHz〜2.0GHzであり、その帯域は1.25〜5MHzである。また、電波の出力は状況に応じて適宜調整されるため、特に限定はされないが、約10〜800mWの範囲となるように調整される。
【0017】
図1は、電磁波−電気変換回路の電気回路を示すものである。電磁波−電気変換回路20は、電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子21と、同変換素子21に直列接続された整流用ダイオード22と、整流用ダイオード22を介して変換素子21に直列接続されたコンデンサー23とを備える。前記発光ダイオード24(以下、略して「LED24」ともいう)は、電磁波−電気変換回路20に対し、コンデンサー23と並列接続される。
【0018】
前記変換素子21は、その中心角θが120゜となるように星形結線された3本のコイル25と、これらコイル25にそれぞれ直列接続された検波ダイオード26とから形成される。各コイル25は、その内部を通過する電波の内、検波ダイオード26によって検波された電波をそれぞれ電流に変換する。整流用ダイオード22は、一端が接地された状態で3本のコイル25の結線の中心部に直列接続されており、各コイル25で変換された電流を整流し、これら電流を同期させて得られる直流電流を回路内に通電させる。コンデンサー23は、変換素子21からの直流電流の通電によって電力の蓄電及び放電を行う。そして、LED24は、コンデンサー23からの放電によって電力を供給され、発光する。
【0019】
変換素子21を構成するコイル25は、効率よく電波を検出することができるように、その材料に金属又は炭素繊維が使用されている。この材料に使用する金属としては、ゲルマニウム、ゲルマニウム合金、銅、鉄等が好ましく、なかでもシリコン−ゲルマニウム合金が他と比べて効率よく電波を検出することができることからより好ましい。
【0020】
前記第1実施形態の作用について以下に記載する。
さて、CDMA方式の携帯電話機10の場合、電波の着信時には周波数帯が800MHz〜2.0GHzで帯域が1.25〜5MHzとなるように拡散された複数の電波が受信される。発光部12においては、これら電波が3本のコイル25内をそれぞれ通過するとき、検波ダイオード26によって検波され、各コイル25に直流電流を発生させる。その後、3本のコイル25でそれぞれ発生した直流電流は、コイル25の結線の中心部から整流用ダイオード22へ通電され、ここで整流されて回路内へと流れ出す。その後、コンデンサー23へと達した直流電流は、ここで電力として蓄電される。そして、所定容量の電力が蓄電されると、同コンデンサー23からLED24へ電力が放電され、LED24が発光し、携帯電話機10の着信を使用者に報知する。
【0021】
前記の第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 一般的な通信方式であるPDC方式の携帯電話機の場合には、電波として所定の周波数帯の直接波がそのまま送受信されている。このため、電波の出力が安定しており、1つのコイルで電波を検出し、同電波を電力に変換することにより、LEDを発光させることが十分に可能である。一方、CDMA方式の携帯電話機10の場合、状況に応じて電波の出力を調整しながら、所定の周波数帯で所定帯域に電波が拡散され、この拡散された複数の電波が送受信されている。このため、携帯電話機10に送受信されるまでの電波の出力は、PDC方式のものと比較して低減されている可能性が高い。この第1実施形態によれば、電波を検出する変換素子21として、3本のコイル25を星形結線したものが使用されている。従って、電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20内に設けられた変換素子21の3本のコイル25で位相の異なる複数の電波を検出することができる。
【0022】
・ また、3本のコイル25は星形結線されており、かつ各コイル25の結線の中心部には整流用ダイオード22が接続されている。これにより、各コイル25で発生した電流を強めて回路内に通電させることができる。従って、CDMA方式の携帯電話機10の電波から強い電流を得ることができる。
【0023】
・ また、電波を変換して得られた電力は、コンデンサー23に一旦蓄電された後、LED24へ放電されるように構成されている。従って、LED24を発光させるに足る十分な電力を得ることができる。
【0024】
・ また、電波を変換して得られた電力は、LED24の発光に利用されている。このため、同LED24は、携帯電話機10の発着信を報知するのみならず、通常であれば空気中に散逸される電波が電力として利用されていることを使用者に認識させることができる。
【0025】
・ そして、電磁波−電気変換回路20内で電波を変換して得られた電流の出力を強め、かつコンデンサー23に蓄電することにより、CDMA方式の携帯電話機10で発生した電波を携帯電話機10の発着信を報知するLED24を発光させるための電力として再利用することができる。従って、CDMA方式の携帯電話機10において、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0026】
(第2実施形態)
以下、本発明を携帯電話機の充電回路に具体化した第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この第2実施形態については、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0027】
図3は、携帯電話機の充電回路を示すブロック図である。電磁波利用システムとしての充電回路は、第1実施形態で示したものと同じ構成の電磁波−電気変換回路20及びLED24と、電磁波−電気変換回路20に接続された電位差放電回路27とを備えている。そして、充電回路は同電位差放電回路27を介して携帯電話機のバッテリー13に接続される。当該電位差放電回路27は、発電回路28と、同発電回路28に接続される充電回路30と、発電回路28と充電回路30の間に接続された直流電源29とを含む。そして、発電回路28が電磁波−電気変換回路20に、充電回路30がバッテリー13にそれぞれ接続される。
【0028】
前記発電回路28は、トランジスタ、コンデンサー、抵抗等を含み、前記直流電源29をバイアス電源とすることにより、電磁波−電気変換回路20から入力された電流を増幅し、出力する機能を備える。前記充電回路30は、ダイオード、トランジスタ等を含む。充電回路30は、バッテリー13の電位を検出するとともに、ダイオードのスィッチング作用により、電位差放電回路27を開放及び閉鎖する機能を備える。そして、バッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも低いことが検知された場合には、電位差放電回路27を開放し、バッテリー13の充電動作を行う。また、バッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも高いことが検知された場合には、電位差放電回路27を閉鎖し、コンデンサーの蓄電動作を行う。
【0029】
前記第2実施形態の作用について以下に記載する。
さて、第2実施形態の充電回路においては、携帯電話機に電波の発着信があるとき、電磁波−電気変換回路20で同電波が電力に変換され、電位差放電回路27の発電回路28へと給電される。このとき、発電回路28へと給電される電力を一部使用することにより、LED24が発光する。次いで、発電回路28では、直流電源29をバイアス電源として使用することにより、電磁波−電気変換回路20から入力された電流を増幅し、充電回路30へと給電する。
【0030】
充電回路30でバッテリー13の電位が低下したことが検知されたとき、充電回路30により電位差放電回路27が開放され、電磁波−電気変換回路20からの電流がバッテリー13へ給電されて充電動作が行われる。一方、充電動作によりバッテリー13の電位が電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位よりも高くなったことが検知されたとき、充電回路30により電位差放電回路27が閉鎖され、バッテリー13への給電が遮断される。そして、電磁波−電気変換回路20のコンデンサーの電位がバッテリー13の電位よりも高くなるまで、コンデンサーの蓄電動作が行われる。
【0031】
前記の第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態によれば、電磁波利用システムを構成する電磁波−電気変換回路20が電位差放電回路27を介して携帯電話機のバッテリー13に接続されている。この電位差放電回路27は、電磁波−電気変換回路20からの電流を増幅するとともに、バッテリー13の電位の高低を検知して充電動作を行うように構成されている。従って、CDMA方式の携帯電話機10において、電磁波の散逸の抑制を図りつつ、得られた電力をバッテリー13へ充電することにより、バッテリー13の利用可能時間を延ばすことができ、エネルギー効率のさらなる向上を図ることができる。
【0032】
・ また、LED24を接続したことにより、同LED24の発光を電力の目安とすることができ、電波が電力として利用されていることを使用者に認識させることができるとともに、回路内を流れる電力量を認識することもできる。
【0033】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 電磁波−電気変換回路20の変換素子21は、コイル25に限らず、例えば、炭素原子より形成されたカーボンコイル、カーボンチューブ、フラーレン等を使用してもよい。特に、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンは、電波と共鳴しやすくさらに効率よく電波を検出することができるとともに、設置面積の省スペース化を図ることができることからより好ましい。
【0034】
・ また、変換素子21は、シリコン−ゲルマニウム合金製のN型又はP型の半導体と、同半導体に積層されるP型又はN型の半導体から板状に形成してもよい。あるいは、シリコン−ゲルマニウム合金製の半導体を顆粒状に形成し、他金属よりなる板状の半導体の表面に散布して変換素子21を形成してもよい。
【0035】
・ 各実施形態では、電磁波利用システムを備える携帯電話機から発着信される電波を電力に変換し、同電力を電磁波利用システムを備える携帯電話機で利用している。しかし、これに限らず、例えば電磁波利用システムを備えていない他の携帯電話機から発着信される電波を電磁波利用システムを備える携帯電話機で電力に変換し、これを利用してもよい。つまり、自身が発着信した電波を自己で再利用することに限らず、他者が発着信した電波を自己で再利用してもよい。
【0036】
・ 電力供給によって駆動する機能を備える電磁波発生源は、携帯電話機10に限らず、例えば情報携帯端末(PDA)、パソコン等の情報機器、テレビ、オーディオ、電子レンジ等の家電等としてもよい。特に、PDA、パソコン等の情報機器は、異なる機器間でのデータの送受信を周波数帯が2.0〜5.0GHzの電波を使用して行う無線式のものが近年数多く提供されているため、電磁波発生源として好ましい。この他にも、夜間等に自発光する道路標識、誘導灯等としてもよい。あるいは、電力を供給する電磁波発生源として、電力を供給するために敷設された電線、発電機等としてもよい。
【0037】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記変換素子は、金属又は炭素製の3本のコイルと、これらコイルにそれぞれ接続された3つの検波ダイオードとを備え、3本のコイルを星形結線することにより形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、位相の異なる複数の電磁波を検出し、電流に変換することができるとともに、各電流をそれぞれ同期させ、強い電流とすることができる。
【0038】
(2) 前記変換素子は、シリコン−ゲルマニウム合金製の半導体から板状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波を効率よく検出することができる。
【0039】
(3) 前記変換素子は、カーボンコイル、カーボンチューブ又はフラーレンから形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波を効率よく検出することができる。
【0040】
(4) 前記電磁波発生源は、通信方式が符号分割多重アクセス方式である携帯電話機であり、前記電磁波は、当該携帯電話機の発着信に使用される周波数帯が800MHz〜2.0GHzの電波であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、符号分割多重アクセス方式の拡散されて出力が弱まった電磁波を電力とすることができる。
【0041】
(5) 前記電磁波発生源は、無線方式でデータの送受信を行う情報携帯端末であり、前記電磁波は、当該情報携帯端末のデータの送受信に使用される周波数帯が2.0〜5.0GHzの電波であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電磁波−電気変換回路。このように構成した場合、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、電磁波発生源から発生した電磁波を同電磁波発生源の電力として再利用することにより、電磁波の散逸の抑制及びエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0043】
請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、携帯電話機から発生した電波の散逸を抑制し、携帯電話機のエネルギー効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁波−電気変換回路を示す回路図。
【図2】携帯電話機を示す概念図。
【図3】充電回路を示すブロック図。
【符号の説明】
10…携帯電話機、13…バッテリー、21…変換素子、22…整流用ダイオード、23…コンデンサー、24…発光ダイオード、27…電位差放電回路。
Claims (3)
- 電磁波雰囲気中で電流を発生させる変換素子と、当該変換素子で発生した電流を整流する整流用ダイオードと、当該整流用ダイオードを介して変換素子に接続され、同変換素子からの通電によって電力の蓄電及び放電を行うコンデンサーとを備え、
電力を供給する又は電力供給によって駆動する機能を備える電磁波発生源が電力供給時又は駆動時に発生させる電磁波によって前記変換素子に電流を発生させ、前記コンデンサーに電力を蓄電させるとともに、同コンデンサーから放電された電力を当該電磁波発生源へ給電することにより、電磁波が電力として再利用されることを特徴とする電磁波利用システム。 - 前記電磁波発生源は、発光により発着信を報知するための発光ダイオードを備える携帯電話機であり、同携帯電話機が発着信時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力を発光ダイオードに給電して発光ダイオードを発光させることを特徴とする請求項1に記載の電磁波利用システム。
- 前記電磁波発生源は、情報携帯端末又は携帯電話機とそれらを駆動するためのバッテリーであり、情報携帯端末又は携帯電話機が駆動時に発生させる電磁波から電力を得て、同電力をバッテリーに給電可能に構成するとともに、当該バッテリーと前記コンデンサーとの間には、コンデンサーの電位が充電池の電位よりも高いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を許容してバッテリーの充電動作を行い、コンデンサーの電位がバッテリーの電位よりも低いときにはコンデンサーからバッテリーへの給電を遮断してコンデンサーの蓄電動作を行うための電位差放電回路を接続したことを特徴とする請求項1に記載の電磁波利用システム。
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JP2006163609A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Nissan Motor Co Ltd | 発光標識システム及び無線電力送出装置 |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002255508A patent/JP2004096898A/ja active Pending
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