JP2004096685A - リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 - Google Patents
リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004096685A JP2004096685A JP2002258791A JP2002258791A JP2004096685A JP 2004096685 A JP2004096685 A JP 2004096685A JP 2002258791 A JP2002258791 A JP 2002258791A JP 2002258791 A JP2002258791 A JP 2002258791A JP 2004096685 A JP2004096685 A JP 2004096685A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- remote control
- control device
- movement
- command
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Details Of Television Systems (AREA)
- Selective Calling Equipment (AREA)
Abstract
【課題】キーの数を削減できると共に、直感的な操作が行えるようにし、操作性を改善できるようにしたリモートコントロール装置を提供する。
【解決手段】リモートコントローラ11は、音波を発生している。リモートコントローラ11からの音波は、複数のマイクロホン12A〜12Cで受信される。リモートコントローラ11を動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホン12A〜12Cで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホン12A〜12Cでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラ11の動きが解析される。このリモートコントローラ11の動きに応じて、電子機器13に対してコマンド信号が出力される。
【選択図】 図1
【解決手段】リモートコントローラ11は、音波を発生している。リモートコントローラ11からの音波は、複数のマイクロホン12A〜12Cで受信される。リモートコントローラ11を動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホン12A〜12Cで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホン12A〜12Cでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラ11の動きが解析される。このリモートコントローラ11の動きに応じて、電子機器13に対してコマンド信号が出力される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTR(Video Tape Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等の電子機器を遠隔操作するためのリモートコントロール装置及び遠隔操作方法に関するもので、特に、ユーザの直感に応じた操作が行え、操作性が改善できるようにしたものにかかわる。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTRやDVDプレーヤ等のAV(Audio Visual)機器の操作に、リモートコントローラが使われている。また、このようなAV機器ばかりでなく、エアコンや照明器具等の電子機器の操作に、リモートコントローラが使われている。このような電子機器の操作をリモートコントローラとしては、従来、赤外線を使ったものが用いられている。
【0003】
赤外線を使った従来のリモートコントローラでは、その操作面に複数のキーが配設されている。リモートコントローラの操作面に配設された複数のキーの中から所望のコマンドに対応するキーが押されると、そのキーのコマンドに対応する赤外線信号がリモートコントローラから出力される。このリモートコントローラからの赤外線が電子機器本体の受光部で受光され、この赤外線で送られてきたコマンド信号に応じて、電子機器の動作が設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の赤外線を使ったリモートコントローラでは、コマンドに対応して複数のキーが配設されている。このため、キーの数が多くなり、操作性が良くないという問題がある。
【0005】
また、ユーザは、例えば、各キーの上に印字してある説明を見ながら、操作を行う必要があり、直感的な操作ができないという問題がある。
【0006】
また、例えば、イベントやデモンストレーションのような場合には、直感的な分かりやすい操作が望まれる。デモンストレータが行うアクションに応じて機器が設定されれば、観客への訴えも強くなる。しかしながら、従来の赤外線を使ったリモートコントローラでは、アクションに応じて機器を設定するようなことは行えない。
【0007】
したがって、この発明の目的は、キーの数を削減できると共に、直感的な操作が行えるようにし、操作性を改善できるようにしたリモートコントロール装置及び電子機器の操作方法を提供することにある。
【0008】
この発明の他の目的は、アクションに応じて機器を設定できるようにしたリモートコントロール装置及び電子機器の操作方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かされる操作手段と、操作手段から出力される信号波を受信する受信手段と、受信手段で受信された信号波の変化を解析し、受信された信号波の変化から操作手段の動きを解析する解析手段と、解析された操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生するコマンド信号発生手段と、コマンド信号発生手段から発生されるコマンド信号により動作が設定される電子機器とからなることを特徴とするリモートコントロール装置である。
【0010】
この発明は、操作手段を、信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かし、操作手段から出力される信号波を受信し、受信手段で受信された信号波の変化を解析し、受信された信号波の変化から操作手段の動きを解析し、解析された操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生し、コマンド信号により電子機器の動作を設定するようにしたことを特徴とする電子機器の操作方法である。
【0011】
この発明では、操作手段であるリモートコントローラは、信号波、例えば音波を発生している。このリモートコントローラからの音波が、受信手段である複数のマイクロホンで受信される。リモートコントローラを動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホンで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホンでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラの動きが解析される。このリモートコントローラの動きに応じてコマンド信号が出力される。
これにより、リモートコントローラに配置されるキーの数を大幅に削減できると共に、ユーザの直感に応じた操作が可能になる。
【0012】
この発明では、リモートコントローラを動かすという直感的な操作で機器の操作が行え、操作性が改善できる。また、キーの数を削減できる。さらに、アクションに応じて機器が設定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用されたリモートコントロールシステムの一例の構成を示すものである。
【0014】
図1において、符号11はリモートコントローラ、符号12A〜12Cはマイクロホン、符号13は電子機器である。リモートコントローラ11は、コマンドに応じて所定の動作をさせて電子機器を操作する操作手段となるもので、所定の信号波を発生している。ここでは、信号波は、人間の可聴帯域から外れた周波数の音波である。ユーザは、リモートコントローラ11を手に持ち、電子機器13が設置されている部屋で、そのコマンドに応じた所定の動作をする。これにより、電子機器13の遠隔操作が行われる。所定の動作とは、上下若しくは左右、又は前若しくは後に振るような動作(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の往復運動)、円を描くような動作、又はこれらの組み合わせの動作等である。
【0015】
部屋には電子機器13が設置されている。この電子機器13が設置されている部屋のX−Y平面をなす壁面(天井及び床の両方又は一方)と、X−Z平面をなす壁面(左右の壁の両方又は一方)と、Y−Z平面をなす壁面(前後の壁の両方又は一方)には、それぞれ、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cが取り付けられる。
【0016】
電子機器13としては、テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTR、DVDプレーヤ、オーディオアンプ、CDプレーヤ、FMチューナ等のオーディオビデオ機器の他、エアコン、照明器具等である。さらに、これらに限定されず、電子機器13は遠隔操作が可能などのような電子機器であっても良い。
【0017】
リモートコントローラ11の外形は、図2に示すように、スティック状の形状であり、グリップ部21と、スイッチ部22と、音波出力部23とからなる。
【0018】
リモートコントローラ11の内部には、図3に示すように、発振器25と、アンプ26と、スピーカ27が設けられる。発振器25は、音波を発振するものである。発振器25からの音波は、その周波数が人間の可聴帯域から外れた周波数、すなわち超音波であり、その波形は、正弦波であっても、矩形波で合っても良い。また、発振器25は、スイッチ部22が押されているときだけ、音波を出力するようになっている。発振器25の出力は、アンプ26を介して増幅されて、スピーカ27に供給される。スピーカ27からは、音波が出力される。
【0019】
図1において、ユーザは、電子機器13の操作をするときには、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押して、所定の動作を行う。リモートコントローラ11のスイッチ部22が押されると、リモートコントローラ11からは、音波が出力される。この音波は、電子機器13が設置されている部屋のX−Y平面をなす壁面とX−Z平面をなす壁面とY−Z平面をなす壁面にそれぞれ配置されたマイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される。リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には周波数の変化が生じる。
【0020】
図4は、この発明が適用されたリモートコントロールシステムの構成を示すブロック図である。マイクロホン12A、12B、12Cは図1に示したように配置されており、マイクロホン12A、12B、12Cでリモートコントローラ11からの音波が受信される。マイクロホン12A、12B、12Cの出力は、アンプ31A、31B、31Cをそれぞれ介して、A/Dコンバータ32A、32B、32Cにそれぞれ供給される。マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波は、それぞれ、A/Dコンバータ32A、32B、32Cで、アナログ信号からディジタル信号に変換される。
【0021】
A/Dコンバータ32A、32B、32Cの出力は、バンドパスフィルタ33A、33B、33Cに供給される。バンドパスフィルタ33A、33B、33Cは、リモートコントローラ11から出力される音波の周波数に対応する通過帯域を有している。バンドパスフィルタ33A、33B、33Cで、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の中から、リモートコントローラ11から出力された音波の成分が抽出され、雑音が除去される。
【0022】
バンドパスフィルタ33A、33B、33Cの出力が時間窓設定部34A、34B、34Cに供給される。時間窓設定部34A、34B、34Cの出力が周波数解析部35A、35B、35Cにそれぞれ供給される。周波数解析部35A、35B、35Cは、時間窓設定部34A、34B、34Cにより設定された時間窓毎に取り込まれた時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、その周波数成分を解析するものである。周波数解析部35A、35B、35Cとしては、例えばFFT(Fast Fourier Transform)が用いられる。
【0023】
周波数解析部35A、35B、35Cの出力が変化パターン解析部36に供給される。リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には、時間毎に周波数の変化が生じる。変化パターン解析部36は、周波数解析部35A、35B、35Cの出力から、各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の周波数の時間毎の変化を集計し、解析するものである。
【0024】
変化パターン解析部36の出力が動き解析部37に供給される。動き解析部37で、各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の周波数の時間毎の変化から、リモートコントローラ11の動きが推測される。
【0025】
動き解析部37の出力がコマンド発生部38に供給される。コマンド発生部38からは、動き解析部37で解析されたリモートコントローラ11の動きに応じて、コマンド信号が出力される。このコマンド信号が電子機器13に供給され、このコマンド信号に応じて、電子機器13が操作される。
【0026】
なお、ここでは、各マイクロホン12A、12B、12Cで受信された音波の周波数の変化を、時間窓設定部34A、34B、34Cで切り出された時間領域のサンプリングデータを周波数解析部35A、35B、35Cで周波数領域に変換して解析しているが、音波の中心周波数を抽出するバンドパスフィルタと、それより高域の周波数を抽出するバンドパスフィルタと、それより低域の周波数を抽出するバンドパスフィルタを設け、各バンドパスフィルタを通過する信号のレベルを検出するようにしても良い。
【0027】
また、時間領域のサンプリングデータを周波数解析部に変換するものとしては、FFTに限らず、DCT(Discrete Cosine Transform)やアダマール変換、或いはウェーブレット変換を用いるようにしても良い。
【0028】
このように、この発明が適用されたリモートコントロールシステムでは、リモートコントローラ11が音波を発生する音源となっている。マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cは、リモートコントローラ11からの音波を受信する受信手段となっており、リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には周波数の変化が生じる。周波数解析部35A、35B、35Cで各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化が検出され、周波数解析部35A、35B、35Cの出力から、変化パターン解析部36でこの周波数の時間毎の変化が解析され、動き解析部37でリモートコントローラ11の動きが解析され、コマンド発生部38からは、これに応じたコマンド信号が発生され、これにより、電子機器13の遠隔操作が行われる。
【0029】
図5及び図6は、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化から、リモートコントローラ11の動きが解析できることを説明するものである。
【0030】
いま、図5に示すように、X−Y平面上に音源SPを配置し、Y軸上にマイクロホンMIC1を配置したとする。そして、音源SPを、矢印で示すように、X軸方向に、速度vで移動させたとする。そして、この音源SPからの音波を、マイクロホンMIC1で受信するとする。この場合、ドップラー効果により、マイクロホンMIC1で受信される音波の周波数が変化する。この音波の周波数の変化Δfは、音源SP1の周波数をf、音速をcとすると、
Δf=±fv/c
となる。
【0031】
さらに、図6に示すように、Y軸上にマイクロホンMIC1を配置し、X軸上にMIC2を配置したとする。そして、音源SPを、矢印で示すように、X軸方向に対して角度θをもって、速度vで移動させたとする。そして、この音源SPからの音波を、マイクロホンMIC1とマイクロホンMIC2で受信するとする。
この場合、マイクロホンMIC1で受信される音声の周波数の変化Δf1は、
Δf1=±fvcosθ/c
となる。また、マイクロホンMIC2で受信される音声の周波数の変化Δf2は、
Δf2=±fvsinθ/c
となる。
【0032】
したがって、
Δf2/Δf1=(±fvsinθ/c)/(±fvcosθ/c)=tanθ
となり、マイクロホンMIC1で受信された音波の周波数の変化と、マイクロホンMIC2で受信された音波の周波数の変化とから、X−Y平面上の音源SPの移動方向θが分かる。
【0033】
このように、X軸上のマイクロホンMIC1と、Y軸上のマイクロホンMIC2の周波数の変化から、X−Y平面上の音源SPの移動方向θが分かる。さらに、Z軸上にマイクロホンを配置すれば、X−Y−Zの3次元空間上での音源の移動方向が分かる。
【0034】
この発明が適用されたシステムでは、図1に示したように、部屋のX−Y平面をなす壁面とX−Z平面をなす壁面とY−Z平面をなす壁面に、それぞれ、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cが配置されている。
このため、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化を検出することで、音源となるリモートコントローラ11の3次元空間上での動きが検出できる。
【0035】
リモートコントローラの動きで識別できる動作としては、大きさ、方向、速度、回数などが挙げられる。例えば、「円を描く」という動作であっても、「小さい円」と「大きい円」とで異なる情報とすることができる。また、「右回りに描く」と「左回りに描く」とで異なる情報とすることができる。また、「遅く描く」と「速く描く」とで異なる情報とすることができる。また、「1回描く」と「2回描く」とで異なる情報とすることができる。
【0036】
さらに、上述の例では、リモートコントローラ11の発振器の発信周波数が1つであるが、発振周波数を変えられるようにしても良い。リモートコントローラ11の発振器の発信周波数の切りえ替と、リモートコントローラ11の動きとを組み合わせることで、さらに多数のコマンドが表現できる。
【0037】
なお、ユーザが最初にどの向きに向いているかに依存せずに正確に制御信号を伝送するためには、操作する最初に、必ず、例えば「右回りの円を描く」というような校正信号の動作を行い、これに続いて制御信号の動作を送れば良い。この「右回りの円」を描写するときの信号の変化から、ユーザの向きが判断でき、これにより、動きを校正することができる。また、円を描く大きさや速度には、個人差がある。したがって、この最初の右回りの円を描くという操作は、個人を識別したり、動作の大きさや速度を補正したりする際の基準とすることができる。
【0038】
また、上述の例では、3つのマイクロホンを使っているが、例えば、円を描くような動作や直線の動作のような平面的な動き(二次元の動き)でコマンドの動きを表現するようにするなら、2つのマイクロホンでも良い。さらに、直線の動作(一次元の動き)だけなら、1つのマイクロホンでも良い。
【0039】
さらに、3つ以上のマイクロホンを使うようにしても良い。3つのマイクロホンを使うことにより、上述のようにその方向が検出でき、4つ以上のマイクロホンを使うことにより、その絶対位置も検出できる。
【0040】
また、上述の例では、各マイクロホンの受信信号の周波数の変化を検出しているが、位相の変化を検出するようにしても良い。
【0041】
すなわち、音源となるリモートコントローラから、一定の周期でオン/オフしながら音波を送信し、これをマイクロホンで受信したとすると、ある1つのマイクロホンが受信するタイミングは、送信信号がオン/オフ変調されているので、リモートコントローラの移動とともにジッタを持つ。各マイクロホンからの受信信号のジッタは異なる。この各マイクロホンが受信した信号のジッタを検出し、このジッタの時間変化を集計し、このジッタの変化を解析することで、リモートコントローラの動きを検出することができる。
【0042】
なお、この音源となるリモートコントローラからの音波のオン/オフ周期を変更できるようにしても良い。このリモートコントローラからの音波のオン/オフ周期を変更させることで、さらに多数のコマンドが表現できる。
【0043】
このリモートコントロールシステムの操作例について説明する。例えば、電子機器13がテレビジョン受像機であり、このテレビジョン受像機の電子機器13をリモートコントローラ11で操作する例について説明する。
【0044】
ユーザは、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押しながら、開始基準動作を行う。開始基準動作は、例えば、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押しながら、右回りの円を描く動作である。この開始基準動作は、前述した校正信号の動作ともなる。このような開始基準動作を行うと、図7に示すように、チャンネル番号のマーク41、41、41、…、チャンネルアップマーク42A、チャンネルダウンマーク42B、音量アップマーク43A、音量ダウンマーク43B等、テレビジョン受像機を操作するためのマークが配列されたコマンドメニュー画面が表示される。そして、このコマンドメニュー画面上には、カーソル44が表示される。
【0045】
カーソル44は、リモートコントローラ11を移動動作させることにより、コマンドメニュー画面上で移動される。移動動作は、例えば、リモートコントローラ11を上下左右に直線的に動かす操作である。例えば、リモートコントローラ11を右に動かすような動作をすると、カーソル44が右へ移動される。リモートコントローラ11を左に動かすような動作をすると、カーソル44が左へ移動される。リモートコントローラ11を上に動かすような動作をすると、カーソル44が上へ移動される。リモートコントローラ11を下に動かすような動作をすると、カーソル44が上へ移動される。
【0046】
リモートコントローラ11を移動動作させて、カーソル44を所望の位置に移動させて、終了基準動作すると、そのときカーソル44が位置しているマークに対応する動作に設定される。終了基準動作は、例えば、左回りの円を描く動作である。例えば、チャンネル番号1のマーク41にカーソル44があるときに、リモートコントローラ11で終了基準動作を行うと、チャンネル番号1に受信チャンネルが設定され、コマンドメニュー画面が消え、チャンネル番号1の受信画面が表示されるようになる。
【0047】
図8は、上述のように、処理を示すフローチャートである、図8において、開始基準動作の動きパターン(例えば右回りの動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS1)。開始基準動作の動きパターンが検出されると、コマンドメニュー画面が表示される(ステップS2)。
【0048】
コマンドメニュー画面が表示されたら、移動動作の動きパターン(例えば、上下左右方向の動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS3)。移動動作の動きパターンが検出されたら、移動方向に応じて、カーソルが移動される(ステップS4)。そして、終了基準動作の動きパターン(例えば左回りの動作)が検出されるか否かが判断され(ステップS5)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS3にリターンされる。また、ステップS3で、移動動作の動きパターンが検出されなければ、終了基準動作の動きパターンが検出されるか否かが判断され(ステップS5)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS3にリターンされる。
【0049】
ステップS5で、終了基準動作の動きパターンが検出されたら、コマンドメニューが消去され(ステップS6)、そのカーソルで指定されるコマンドが実行される(ステップS7)。
【0050】
上述の例では、終了基準動作によりコマンドの確定を行っているが、「確定」のマークを表示させて、そこにカーソルを移動させて、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0051】
また、一定時間経過したら、終了として、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0052】
なお、上述の例では、電子機器13としてテレビジョン受像機の操作の例を説明したが、他の電子機器の場合にも、コマンドメニュー画面のを表示させて同様に操作させることが可能である。衛星放送チューナ、VTR、DVDプレーヤ等のAV機器では、テレビジョン受像機と組み合わせて使用することで、コマンドメニュー画面を表示できる。また、エアコンや照明の操作の場合にも、テレビジョン受像機と組み合わせて使用したり、ディスプレイを設けたりすることで、コマンドメニュー画面を表示させることが考えられる。
【0053】
上述の例では、コマンドメニュー画面を表示させ、リモートコントローラ11を移動動作させ、そのコマンドメニュー画面上でカーソルを動かして、コマンドを実行させているが、リモートコントローラ11の動きを文字に対応させて、文字でコマンドを入力させるようにしても良い。
【0054】
例えば、図9に示すように、「A」、「B」、「C」、…の文字と、各文字を示す動きと対応させる。各文字の動きは、パターンを認識しやすいように、抽象化したものとする。ユーザは、最初に、リモートコントローラ11を開始基準動作(例えば右回りの円を描く動作)させ、それから、コマンドに対応する各文字の動きの動作をさせる。例えば、再生コマンドなら「P」「L」「A」「Y」の文字を、リモートコントローラ11を各文字の動きに対応させて動かす。文字入力が終わったら、終了基準動作(左回りの円を描く動作)をさせる。これにより、入力文字に対応するコマンドが実行される。
【0055】
図10は、上述のように、文字入力によりコマンドを実行させる場合の処理を示すフローチャートである。図10において、開始基準動作の動きパターン(例えば右回りの動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS11)。開始基準動作の動きパターンが検出されたら、文字動作パターンが入力されたか否かが判断される(ステップS12)。文字動作パターンが入力されたら、その文字動作パターンが解析され(ステップS13)、解析された文字が記憶される(ステップS14)。そして、終了基準動作の動きパターン(例えば左回りの動作)が検出されるか否かが判断され(ステップS15)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS12にリターンされる。また、ステップS12で、文字パターンが検出されなければ、終了基準動作の動きパターンが検出されるか否かが判断され(ステップS15)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS12にリターンされる。
【0056】
ステップS12からステップS15を繰り返していくことにより、一文字ずつ文字が入力され、その文字がメモリに記憶されていく。
【0057】
ステップS15で、終了基準動作の動きパターンが検出されたら、メモリから記憶されていた文字が読み出され(ステップS16)、その文字に対応するコマンドが実行される(ステップS17)。
【0058】
なお、上述の例では、開始基準動作をしてから、各文字の動きをし、終了基準動作をして、入力を終了させるようにしているが、一定時間経過したら、終了として、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0059】
また、上述の例では、例えばアルファベットの各文字と動きとを対応させるようにしているが、入力する文字の数を制限して、各文字と、上下、左右、円のような簡単な動きと対応させるようにしても良い。このようにすると、より認識精度が上がると考えられる。
【0060】
また、上述の例では、例えばアルファベットの各文字と動きとを対応させるようにしているが、「PLAY」や「STOP」等のコマンドと、動きとを対応させるようにしても良い。
【0061】
次に、このようなリモートコントロールシステムの具体的な実装例について説明する。
【0062】
このリモートコントロールシステムでは、部屋の壁に、マイクロホンが配置される。そして、各マイクロホンの出力を解析してコマンドが発行される。このようなリモートコントロールシステムは、商用電源の電力線を使ったデータ伝送システムと組み合わせると、実現が容易である。
【0063】
すなわち、商用電源の電力線を使ったデータ伝送システムでは、電力線にデータパケットが伝送される。
【0064】
このリモートコントロールシステムでは、部屋の壁に、マイクロホンが配置され、各マイクロホンの出力を解析してコマンドを発行させるため、通常、各マイクロホンを壁に設置し、各マイクロホン間を信号線で結ばなければならず、大がかりな工事となる。商用電源の電力線を使えば、壁の中に埋設された商用電源の電力線を使ってデータを伝送できるので、各マイクロホン間を接続するための信号線を新たに配設する必要がなくなる。
【0065】
電力線を使ったデータ伝送システムを使って、リモートコントロールシステムを実現する場合には、図11に示すように、マイクロホンユニット51A、51B、51Cと、コントロールユニット52とが用意される。マイクロホンユニット51A、51B、51Cは、ACプラグ53を有している。このACプラグ53がACアウトレットに装着される。また、コントロールユニット52は、ACプラグ55を有している。このACプラグ55がACアウトレットに装着される。
【0066】
マイクロホンユニット51A〜51Cは、図12に示すように、マイクロホン61と、A/Dコンバータ62と、バンドパスフィルタ63と、マイクロプロセッサ64と、インターフェース65と、電力線モデム66とからなる。電力線モデム66は、商用電源ライン60を介してデータを伝送するものである。マイクロプロセッサ64は、インターフェース65及び電力線モデム66を介して、商用電源ライン60に接続される。
【0067】
コントロールユニット52は、図12に示すように、電子機器70と接続するためのインターフェース71と、マイクロプロセッサ72と、インターフェース73と、電力線モデム74とからなる。電力線モデム74は、商用電源のラインを介してデータを伝送するものである。マイクロプロセッサ72は、インターフェース73及び電力線モデム74を介して、商用電源ライン60に接続される。
【0068】
部屋のX−Y平面をなす壁面と、X−Z平面をなす壁面と、Y−Z平面をなす壁面に、それぞれ、マイクロホンユニット51A、51B、51Cが取り付けられる。このとき、特別な工事は不要であり、マイクロホンユニット51A、51B、51Cを壁面に固定し、マイクロホンユニット51A、51B、51CのACプラグ53を、ACアウトレットに挿入するだけで良い。
【0069】
さらに、図13に示すように、マイクロホンユニット51A、51B、51Cから直接ACアウトレットのコネクタ57を導出する構成とすれば、マイクロホンユニット51A、51B、51C自体がACプラグとなり、ACアウトレット58に挿入するだけで、マイクロホンユニット51A、51B、51Cを壁面に固定できる。
【0070】
同様に、コントロールユニット52は、インターフェースを介して電子機器と接続し、ACプラグ55をACアウトレットに挿入するだけで使用可能であり、特別な工事は不要である。なお、コントロールユニット52と電子機器70とを一体化することも可能である。
【0071】
図12において、リモートコントローラ50からは、音波が出力される。このリモートコントローラ50からの音波は、各マイクロホンユニット51A〜51Cのマイクロホン61で受信される。
【0072】
各マイクロホンユニット51A〜51Cのマイクロホン61で受信された音波は、A/Dコンバータ62でディジタル化され、バンドパスフィルタ63を介してマイクロプロセッサ64に供給される。マイクロプロセッサ64で所定の時間窓毎に切り出され、サンプリングデータがパケット化される。このサンプリングデータのパケットは、各マイクロホンユニット51A〜51Cから、商用電源ライン60を介して、コントロールユニット52に送られる。
【0073】
コントロールユニット52で、各マイクロホンユニット51A〜51Cから、商用電源ライン60を介して、サンプリングデータのパケットが受信される。このサンプリングデータのパケットは、電力線モデム74、インターフェース73を介して、コントロールユニット52のマイクロプロセッサ72に供給される。
【0074】
マイクロプロセッサ72で、各マイクロホンユニット51A〜51Cから送られてきた時間領域のサンプリングデータが周波数領域のデータに変換される。そして、各マイクロホンユニット51A〜51Cからの周波数領域のデータの変化が解析される。これにより、リモートコントローラ50の動きが解析される。
【0075】
マイクロプロセッサ72からは、このリモートコントローラ50の動きに応じて、コマンド信号が発生される。このコマンド信号は、インターフェース71を介して、電子機器70に供給される。電子機器70の動作は、このコマンド信号に応じて設定される。
【0076】
なお、上述の例では、リモートコントローラからの信号波として音波を用いるようにしたが、電波や赤外線でも可能である。
【0077】
また、上述の例では、リモートコントローラからの信号波を出力し、リモートコントローラを動かすことで、電子機器を遠隔操作しているが、信号源からの信号波を反射させ、この反射物体をリモートコントローラとし、信号源は固定し、リモートコントローラとなる反射物体の方を動かすことで、電子機器を遠隔操作するようにしても良い。
【0078】
【発明の効果】
この発明によれば、リモートコントローラから音波が発生され、リモートコントローラからの音波がマイクロホンで受信される。リモートコントローラを動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホンで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホンでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラの動きが解析される。このリモートコントローラの動きに応じてコマンド信号が出力される。これにより、リモートコントローラに配置されるキーの数を大幅に削減できると共に、ユーザの直感に応じた操作が可能になる。
【0079】
さらに、この発明によれば、リモートコントローラを動かすという直感的な操作で機器の操作が行え、操作性が改善できる。また、キーの数を削減できる。さらに、例えば、イベントやデモンストレーションのような場合に、アクションに応じて機器を設定でき、イベントやデモンストレーションをショーアップできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの一例の略線図である。
【図2】この発明が適用されたリモートコントロールシステムにおけるリモートコントローラの一例の外観構成を示す斜視図である。
【図3】この発明が適用されたリモートコントロールシステムにおけるリモートコントローラの内部構成を示すブロック図である。
【図4】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの説明に用いる略線図である。
【図6】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの説明に用いる略線図である。
【図7】表示を使ったコマンド操作の説明に用いる略線図である。
【図8】表示を使ったコマンド操作の説明に用いるフローチャートである。
【図9】コマンドの文字入力操作の説明に用いる略線図である。
【図10】コマンドの文字入力操作の説明に用いるフローチャートである。
【図11】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いる斜視図である。
【図12】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いるブロック図である。
【図13】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いる斜視図である。
【符号の説明】
11・・・リモートコントローラ、12A、12B、12C・・・マイクロホン、13・・・電子機器、22・・・スイッチ部、23・・・音波出力部、25・・・発振器、27・・・スピーカ、32A、32B、32C・・・A/Dコンバータ、35A、35B、35C・・・周波数解析部、36・・・変化パターン解析部、37・・・動き解析部、38・・・コマンド発生部
【発明の属する技術分野】
この発明は、テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTR(Video Tape Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等の電子機器を遠隔操作するためのリモートコントロール装置及び遠隔操作方法に関するもので、特に、ユーザの直感に応じた操作が行え、操作性が改善できるようにしたものにかかわる。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTRやDVDプレーヤ等のAV(Audio Visual)機器の操作に、リモートコントローラが使われている。また、このようなAV機器ばかりでなく、エアコンや照明器具等の電子機器の操作に、リモートコントローラが使われている。このような電子機器の操作をリモートコントローラとしては、従来、赤外線を使ったものが用いられている。
【0003】
赤外線を使った従来のリモートコントローラでは、その操作面に複数のキーが配設されている。リモートコントローラの操作面に配設された複数のキーの中から所望のコマンドに対応するキーが押されると、そのキーのコマンドに対応する赤外線信号がリモートコントローラから出力される。このリモートコントローラからの赤外線が電子機器本体の受光部で受光され、この赤外線で送られてきたコマンド信号に応じて、電子機器の動作が設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の赤外線を使ったリモートコントローラでは、コマンドに対応して複数のキーが配設されている。このため、キーの数が多くなり、操作性が良くないという問題がある。
【0005】
また、ユーザは、例えば、各キーの上に印字してある説明を見ながら、操作を行う必要があり、直感的な操作ができないという問題がある。
【0006】
また、例えば、イベントやデモンストレーションのような場合には、直感的な分かりやすい操作が望まれる。デモンストレータが行うアクションに応じて機器が設定されれば、観客への訴えも強くなる。しかしながら、従来の赤外線を使ったリモートコントローラでは、アクションに応じて機器を設定するようなことは行えない。
【0007】
したがって、この発明の目的は、キーの数を削減できると共に、直感的な操作が行えるようにし、操作性を改善できるようにしたリモートコントロール装置及び電子機器の操作方法を提供することにある。
【0008】
この発明の他の目的は、アクションに応じて機器を設定できるようにしたリモートコントロール装置及び電子機器の操作方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かされる操作手段と、操作手段から出力される信号波を受信する受信手段と、受信手段で受信された信号波の変化を解析し、受信された信号波の変化から操作手段の動きを解析する解析手段と、解析された操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生するコマンド信号発生手段と、コマンド信号発生手段から発生されるコマンド信号により動作が設定される電子機器とからなることを特徴とするリモートコントロール装置である。
【0010】
この発明は、操作手段を、信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かし、操作手段から出力される信号波を受信し、受信手段で受信された信号波の変化を解析し、受信された信号波の変化から操作手段の動きを解析し、解析された操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生し、コマンド信号により電子機器の動作を設定するようにしたことを特徴とする電子機器の操作方法である。
【0011】
この発明では、操作手段であるリモートコントローラは、信号波、例えば音波を発生している。このリモートコントローラからの音波が、受信手段である複数のマイクロホンで受信される。リモートコントローラを動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホンで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホンでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラの動きが解析される。このリモートコントローラの動きに応じてコマンド信号が出力される。
これにより、リモートコントローラに配置されるキーの数を大幅に削減できると共に、ユーザの直感に応じた操作が可能になる。
【0012】
この発明では、リモートコントローラを動かすという直感的な操作で機器の操作が行え、操作性が改善できる。また、キーの数を削減できる。さらに、アクションに応じて機器が設定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用されたリモートコントロールシステムの一例の構成を示すものである。
【0014】
図1において、符号11はリモートコントローラ、符号12A〜12Cはマイクロホン、符号13は電子機器である。リモートコントローラ11は、コマンドに応じて所定の動作をさせて電子機器を操作する操作手段となるもので、所定の信号波を発生している。ここでは、信号波は、人間の可聴帯域から外れた周波数の音波である。ユーザは、リモートコントローラ11を手に持ち、電子機器13が設置されている部屋で、そのコマンドに応じた所定の動作をする。これにより、電子機器13の遠隔操作が行われる。所定の動作とは、上下若しくは左右、又は前若しくは後に振るような動作(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の往復運動)、円を描くような動作、又はこれらの組み合わせの動作等である。
【0015】
部屋には電子機器13が設置されている。この電子機器13が設置されている部屋のX−Y平面をなす壁面(天井及び床の両方又は一方)と、X−Z平面をなす壁面(左右の壁の両方又は一方)と、Y−Z平面をなす壁面(前後の壁の両方又は一方)には、それぞれ、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cが取り付けられる。
【0016】
電子機器13としては、テレビジョン受像機、衛星放送チューナ、VTR、DVDプレーヤ、オーディオアンプ、CDプレーヤ、FMチューナ等のオーディオビデオ機器の他、エアコン、照明器具等である。さらに、これらに限定されず、電子機器13は遠隔操作が可能などのような電子機器であっても良い。
【0017】
リモートコントローラ11の外形は、図2に示すように、スティック状の形状であり、グリップ部21と、スイッチ部22と、音波出力部23とからなる。
【0018】
リモートコントローラ11の内部には、図3に示すように、発振器25と、アンプ26と、スピーカ27が設けられる。発振器25は、音波を発振するものである。発振器25からの音波は、その周波数が人間の可聴帯域から外れた周波数、すなわち超音波であり、その波形は、正弦波であっても、矩形波で合っても良い。また、発振器25は、スイッチ部22が押されているときだけ、音波を出力するようになっている。発振器25の出力は、アンプ26を介して増幅されて、スピーカ27に供給される。スピーカ27からは、音波が出力される。
【0019】
図1において、ユーザは、電子機器13の操作をするときには、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押して、所定の動作を行う。リモートコントローラ11のスイッチ部22が押されると、リモートコントローラ11からは、音波が出力される。この音波は、電子機器13が設置されている部屋のX−Y平面をなす壁面とX−Z平面をなす壁面とY−Z平面をなす壁面にそれぞれ配置されたマイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される。リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には周波数の変化が生じる。
【0020】
図4は、この発明が適用されたリモートコントロールシステムの構成を示すブロック図である。マイクロホン12A、12B、12Cは図1に示したように配置されており、マイクロホン12A、12B、12Cでリモートコントローラ11からの音波が受信される。マイクロホン12A、12B、12Cの出力は、アンプ31A、31B、31Cをそれぞれ介して、A/Dコンバータ32A、32B、32Cにそれぞれ供給される。マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波は、それぞれ、A/Dコンバータ32A、32B、32Cで、アナログ信号からディジタル信号に変換される。
【0021】
A/Dコンバータ32A、32B、32Cの出力は、バンドパスフィルタ33A、33B、33Cに供給される。バンドパスフィルタ33A、33B、33Cは、リモートコントローラ11から出力される音波の周波数に対応する通過帯域を有している。バンドパスフィルタ33A、33B、33Cで、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の中から、リモートコントローラ11から出力された音波の成分が抽出され、雑音が除去される。
【0022】
バンドパスフィルタ33A、33B、33Cの出力が時間窓設定部34A、34B、34Cに供給される。時間窓設定部34A、34B、34Cの出力が周波数解析部35A、35B、35Cにそれぞれ供給される。周波数解析部35A、35B、35Cは、時間窓設定部34A、34B、34Cにより設定された時間窓毎に取り込まれた時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、その周波数成分を解析するものである。周波数解析部35A、35B、35Cとしては、例えばFFT(Fast Fourier Transform)が用いられる。
【0023】
周波数解析部35A、35B、35Cの出力が変化パターン解析部36に供給される。リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には、時間毎に周波数の変化が生じる。変化パターン解析部36は、周波数解析部35A、35B、35Cの出力から、各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の周波数の時間毎の変化を集計し、解析するものである。
【0024】
変化パターン解析部36の出力が動き解析部37に供給される。動き解析部37で、各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信された音波の周波数の時間毎の変化から、リモートコントローラ11の動きが推測される。
【0025】
動き解析部37の出力がコマンド発生部38に供給される。コマンド発生部38からは、動き解析部37で解析されたリモートコントローラ11の動きに応じて、コマンド信号が出力される。このコマンド信号が電子機器13に供給され、このコマンド信号に応じて、電子機器13が操作される。
【0026】
なお、ここでは、各マイクロホン12A、12B、12Cで受信された音波の周波数の変化を、時間窓設定部34A、34B、34Cで切り出された時間領域のサンプリングデータを周波数解析部35A、35B、35Cで周波数領域に変換して解析しているが、音波の中心周波数を抽出するバンドパスフィルタと、それより高域の周波数を抽出するバンドパスフィルタと、それより低域の周波数を抽出するバンドパスフィルタを設け、各バンドパスフィルタを通過する信号のレベルを検出するようにしても良い。
【0027】
また、時間領域のサンプリングデータを周波数解析部に変換するものとしては、FFTに限らず、DCT(Discrete Cosine Transform)やアダマール変換、或いはウェーブレット変換を用いるようにしても良い。
【0028】
このように、この発明が適用されたリモートコントロールシステムでは、リモートコントローラ11が音波を発生する音源となっている。マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cは、リモートコントローラ11からの音波を受信する受信手段となっており、リモートコントローラ11を動かしながら操作すると、ドップラー効果により、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波には周波数の変化が生じる。周波数解析部35A、35B、35Cで各マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化が検出され、周波数解析部35A、35B、35Cの出力から、変化パターン解析部36でこの周波数の時間毎の変化が解析され、動き解析部37でリモートコントローラ11の動きが解析され、コマンド発生部38からは、これに応じたコマンド信号が発生され、これにより、電子機器13の遠隔操作が行われる。
【0029】
図5及び図6は、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化から、リモートコントローラ11の動きが解析できることを説明するものである。
【0030】
いま、図5に示すように、X−Y平面上に音源SPを配置し、Y軸上にマイクロホンMIC1を配置したとする。そして、音源SPを、矢印で示すように、X軸方向に、速度vで移動させたとする。そして、この音源SPからの音波を、マイクロホンMIC1で受信するとする。この場合、ドップラー効果により、マイクロホンMIC1で受信される音波の周波数が変化する。この音波の周波数の変化Δfは、音源SP1の周波数をf、音速をcとすると、
Δf=±fv/c
となる。
【0031】
さらに、図6に示すように、Y軸上にマイクロホンMIC1を配置し、X軸上にMIC2を配置したとする。そして、音源SPを、矢印で示すように、X軸方向に対して角度θをもって、速度vで移動させたとする。そして、この音源SPからの音波を、マイクロホンMIC1とマイクロホンMIC2で受信するとする。
この場合、マイクロホンMIC1で受信される音声の周波数の変化Δf1は、
Δf1=±fvcosθ/c
となる。また、マイクロホンMIC2で受信される音声の周波数の変化Δf2は、
Δf2=±fvsinθ/c
となる。
【0032】
したがって、
Δf2/Δf1=(±fvsinθ/c)/(±fvcosθ/c)=tanθ
となり、マイクロホンMIC1で受信された音波の周波数の変化と、マイクロホンMIC2で受信された音波の周波数の変化とから、X−Y平面上の音源SPの移動方向θが分かる。
【0033】
このように、X軸上のマイクロホンMIC1と、Y軸上のマイクロホンMIC2の周波数の変化から、X−Y平面上の音源SPの移動方向θが分かる。さらに、Z軸上にマイクロホンを配置すれば、X−Y−Zの3次元空間上での音源の移動方向が分かる。
【0034】
この発明が適用されたシステムでは、図1に示したように、部屋のX−Y平面をなす壁面とX−Z平面をなす壁面とY−Z平面をなす壁面に、それぞれ、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cが配置されている。
このため、マイクロホン12A、マイクロホン12B、マイクロホン12Cで受信される音波の周波数の変化を検出することで、音源となるリモートコントローラ11の3次元空間上での動きが検出できる。
【0035】
リモートコントローラの動きで識別できる動作としては、大きさ、方向、速度、回数などが挙げられる。例えば、「円を描く」という動作であっても、「小さい円」と「大きい円」とで異なる情報とすることができる。また、「右回りに描く」と「左回りに描く」とで異なる情報とすることができる。また、「遅く描く」と「速く描く」とで異なる情報とすることができる。また、「1回描く」と「2回描く」とで異なる情報とすることができる。
【0036】
さらに、上述の例では、リモートコントローラ11の発振器の発信周波数が1つであるが、発振周波数を変えられるようにしても良い。リモートコントローラ11の発振器の発信周波数の切りえ替と、リモートコントローラ11の動きとを組み合わせることで、さらに多数のコマンドが表現できる。
【0037】
なお、ユーザが最初にどの向きに向いているかに依存せずに正確に制御信号を伝送するためには、操作する最初に、必ず、例えば「右回りの円を描く」というような校正信号の動作を行い、これに続いて制御信号の動作を送れば良い。この「右回りの円」を描写するときの信号の変化から、ユーザの向きが判断でき、これにより、動きを校正することができる。また、円を描く大きさや速度には、個人差がある。したがって、この最初の右回りの円を描くという操作は、個人を識別したり、動作の大きさや速度を補正したりする際の基準とすることができる。
【0038】
また、上述の例では、3つのマイクロホンを使っているが、例えば、円を描くような動作や直線の動作のような平面的な動き(二次元の動き)でコマンドの動きを表現するようにするなら、2つのマイクロホンでも良い。さらに、直線の動作(一次元の動き)だけなら、1つのマイクロホンでも良い。
【0039】
さらに、3つ以上のマイクロホンを使うようにしても良い。3つのマイクロホンを使うことにより、上述のようにその方向が検出でき、4つ以上のマイクロホンを使うことにより、その絶対位置も検出できる。
【0040】
また、上述の例では、各マイクロホンの受信信号の周波数の変化を検出しているが、位相の変化を検出するようにしても良い。
【0041】
すなわち、音源となるリモートコントローラから、一定の周期でオン/オフしながら音波を送信し、これをマイクロホンで受信したとすると、ある1つのマイクロホンが受信するタイミングは、送信信号がオン/オフ変調されているので、リモートコントローラの移動とともにジッタを持つ。各マイクロホンからの受信信号のジッタは異なる。この各マイクロホンが受信した信号のジッタを検出し、このジッタの時間変化を集計し、このジッタの変化を解析することで、リモートコントローラの動きを検出することができる。
【0042】
なお、この音源となるリモートコントローラからの音波のオン/オフ周期を変更できるようにしても良い。このリモートコントローラからの音波のオン/オフ周期を変更させることで、さらに多数のコマンドが表現できる。
【0043】
このリモートコントロールシステムの操作例について説明する。例えば、電子機器13がテレビジョン受像機であり、このテレビジョン受像機の電子機器13をリモートコントローラ11で操作する例について説明する。
【0044】
ユーザは、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押しながら、開始基準動作を行う。開始基準動作は、例えば、リモートコントローラ11を手に持ち、スイッチ部22を押しながら、右回りの円を描く動作である。この開始基準動作は、前述した校正信号の動作ともなる。このような開始基準動作を行うと、図7に示すように、チャンネル番号のマーク41、41、41、…、チャンネルアップマーク42A、チャンネルダウンマーク42B、音量アップマーク43A、音量ダウンマーク43B等、テレビジョン受像機を操作するためのマークが配列されたコマンドメニュー画面が表示される。そして、このコマンドメニュー画面上には、カーソル44が表示される。
【0045】
カーソル44は、リモートコントローラ11を移動動作させることにより、コマンドメニュー画面上で移動される。移動動作は、例えば、リモートコントローラ11を上下左右に直線的に動かす操作である。例えば、リモートコントローラ11を右に動かすような動作をすると、カーソル44が右へ移動される。リモートコントローラ11を左に動かすような動作をすると、カーソル44が左へ移動される。リモートコントローラ11を上に動かすような動作をすると、カーソル44が上へ移動される。リモートコントローラ11を下に動かすような動作をすると、カーソル44が上へ移動される。
【0046】
リモートコントローラ11を移動動作させて、カーソル44を所望の位置に移動させて、終了基準動作すると、そのときカーソル44が位置しているマークに対応する動作に設定される。終了基準動作は、例えば、左回りの円を描く動作である。例えば、チャンネル番号1のマーク41にカーソル44があるときに、リモートコントローラ11で終了基準動作を行うと、チャンネル番号1に受信チャンネルが設定され、コマンドメニュー画面が消え、チャンネル番号1の受信画面が表示されるようになる。
【0047】
図8は、上述のように、処理を示すフローチャートである、図8において、開始基準動作の動きパターン(例えば右回りの動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS1)。開始基準動作の動きパターンが検出されると、コマンドメニュー画面が表示される(ステップS2)。
【0048】
コマンドメニュー画面が表示されたら、移動動作の動きパターン(例えば、上下左右方向の動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS3)。移動動作の動きパターンが検出されたら、移動方向に応じて、カーソルが移動される(ステップS4)。そして、終了基準動作の動きパターン(例えば左回りの動作)が検出されるか否かが判断され(ステップS5)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS3にリターンされる。また、ステップS3で、移動動作の動きパターンが検出されなければ、終了基準動作の動きパターンが検出されるか否かが判断され(ステップS5)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS3にリターンされる。
【0049】
ステップS5で、終了基準動作の動きパターンが検出されたら、コマンドメニューが消去され(ステップS6)、そのカーソルで指定されるコマンドが実行される(ステップS7)。
【0050】
上述の例では、終了基準動作によりコマンドの確定を行っているが、「確定」のマークを表示させて、そこにカーソルを移動させて、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0051】
また、一定時間経過したら、終了として、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0052】
なお、上述の例では、電子機器13としてテレビジョン受像機の操作の例を説明したが、他の電子機器の場合にも、コマンドメニュー画面のを表示させて同様に操作させることが可能である。衛星放送チューナ、VTR、DVDプレーヤ等のAV機器では、テレビジョン受像機と組み合わせて使用することで、コマンドメニュー画面を表示できる。また、エアコンや照明の操作の場合にも、テレビジョン受像機と組み合わせて使用したり、ディスプレイを設けたりすることで、コマンドメニュー画面を表示させることが考えられる。
【0053】
上述の例では、コマンドメニュー画面を表示させ、リモートコントローラ11を移動動作させ、そのコマンドメニュー画面上でカーソルを動かして、コマンドを実行させているが、リモートコントローラ11の動きを文字に対応させて、文字でコマンドを入力させるようにしても良い。
【0054】
例えば、図9に示すように、「A」、「B」、「C」、…の文字と、各文字を示す動きと対応させる。各文字の動きは、パターンを認識しやすいように、抽象化したものとする。ユーザは、最初に、リモートコントローラ11を開始基準動作(例えば右回りの円を描く動作)させ、それから、コマンドに対応する各文字の動きの動作をさせる。例えば、再生コマンドなら「P」「L」「A」「Y」の文字を、リモートコントローラ11を各文字の動きに対応させて動かす。文字入力が終わったら、終了基準動作(左回りの円を描く動作)をさせる。これにより、入力文字に対応するコマンドが実行される。
【0055】
図10は、上述のように、文字入力によりコマンドを実行させる場合の処理を示すフローチャートである。図10において、開始基準動作の動きパターン(例えば右回りの動作)が検出されるか否かが判断される(ステップS11)。開始基準動作の動きパターンが検出されたら、文字動作パターンが入力されたか否かが判断される(ステップS12)。文字動作パターンが入力されたら、その文字動作パターンが解析され(ステップS13)、解析された文字が記憶される(ステップS14)。そして、終了基準動作の動きパターン(例えば左回りの動作)が検出されるか否かが判断され(ステップS15)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS12にリターンされる。また、ステップS12で、文字パターンが検出されなければ、終了基準動作の動きパターンが検出されるか否かが判断され(ステップS15)、終了基準動作の動きパターンが検出されなければ、ステップS12にリターンされる。
【0056】
ステップS12からステップS15を繰り返していくことにより、一文字ずつ文字が入力され、その文字がメモリに記憶されていく。
【0057】
ステップS15で、終了基準動作の動きパターンが検出されたら、メモリから記憶されていた文字が読み出され(ステップS16)、その文字に対応するコマンドが実行される(ステップS17)。
【0058】
なお、上述の例では、開始基準動作をしてから、各文字の動きをし、終了基準動作をして、入力を終了させるようにしているが、一定時間経過したら、終了として、コマンドを確定させるようにしても良い。
【0059】
また、上述の例では、例えばアルファベットの各文字と動きとを対応させるようにしているが、入力する文字の数を制限して、各文字と、上下、左右、円のような簡単な動きと対応させるようにしても良い。このようにすると、より認識精度が上がると考えられる。
【0060】
また、上述の例では、例えばアルファベットの各文字と動きとを対応させるようにしているが、「PLAY」や「STOP」等のコマンドと、動きとを対応させるようにしても良い。
【0061】
次に、このようなリモートコントロールシステムの具体的な実装例について説明する。
【0062】
このリモートコントロールシステムでは、部屋の壁に、マイクロホンが配置される。そして、各マイクロホンの出力を解析してコマンドが発行される。このようなリモートコントロールシステムは、商用電源の電力線を使ったデータ伝送システムと組み合わせると、実現が容易である。
【0063】
すなわち、商用電源の電力線を使ったデータ伝送システムでは、電力線にデータパケットが伝送される。
【0064】
このリモートコントロールシステムでは、部屋の壁に、マイクロホンが配置され、各マイクロホンの出力を解析してコマンドを発行させるため、通常、各マイクロホンを壁に設置し、各マイクロホン間を信号線で結ばなければならず、大がかりな工事となる。商用電源の電力線を使えば、壁の中に埋設された商用電源の電力線を使ってデータを伝送できるので、各マイクロホン間を接続するための信号線を新たに配設する必要がなくなる。
【0065】
電力線を使ったデータ伝送システムを使って、リモートコントロールシステムを実現する場合には、図11に示すように、マイクロホンユニット51A、51B、51Cと、コントロールユニット52とが用意される。マイクロホンユニット51A、51B、51Cは、ACプラグ53を有している。このACプラグ53がACアウトレットに装着される。また、コントロールユニット52は、ACプラグ55を有している。このACプラグ55がACアウトレットに装着される。
【0066】
マイクロホンユニット51A〜51Cは、図12に示すように、マイクロホン61と、A/Dコンバータ62と、バンドパスフィルタ63と、マイクロプロセッサ64と、インターフェース65と、電力線モデム66とからなる。電力線モデム66は、商用電源ライン60を介してデータを伝送するものである。マイクロプロセッサ64は、インターフェース65及び電力線モデム66を介して、商用電源ライン60に接続される。
【0067】
コントロールユニット52は、図12に示すように、電子機器70と接続するためのインターフェース71と、マイクロプロセッサ72と、インターフェース73と、電力線モデム74とからなる。電力線モデム74は、商用電源のラインを介してデータを伝送するものである。マイクロプロセッサ72は、インターフェース73及び電力線モデム74を介して、商用電源ライン60に接続される。
【0068】
部屋のX−Y平面をなす壁面と、X−Z平面をなす壁面と、Y−Z平面をなす壁面に、それぞれ、マイクロホンユニット51A、51B、51Cが取り付けられる。このとき、特別な工事は不要であり、マイクロホンユニット51A、51B、51Cを壁面に固定し、マイクロホンユニット51A、51B、51CのACプラグ53を、ACアウトレットに挿入するだけで良い。
【0069】
さらに、図13に示すように、マイクロホンユニット51A、51B、51Cから直接ACアウトレットのコネクタ57を導出する構成とすれば、マイクロホンユニット51A、51B、51C自体がACプラグとなり、ACアウトレット58に挿入するだけで、マイクロホンユニット51A、51B、51Cを壁面に固定できる。
【0070】
同様に、コントロールユニット52は、インターフェースを介して電子機器と接続し、ACプラグ55をACアウトレットに挿入するだけで使用可能であり、特別な工事は不要である。なお、コントロールユニット52と電子機器70とを一体化することも可能である。
【0071】
図12において、リモートコントローラ50からは、音波が出力される。このリモートコントローラ50からの音波は、各マイクロホンユニット51A〜51Cのマイクロホン61で受信される。
【0072】
各マイクロホンユニット51A〜51Cのマイクロホン61で受信された音波は、A/Dコンバータ62でディジタル化され、バンドパスフィルタ63を介してマイクロプロセッサ64に供給される。マイクロプロセッサ64で所定の時間窓毎に切り出され、サンプリングデータがパケット化される。このサンプリングデータのパケットは、各マイクロホンユニット51A〜51Cから、商用電源ライン60を介して、コントロールユニット52に送られる。
【0073】
コントロールユニット52で、各マイクロホンユニット51A〜51Cから、商用電源ライン60を介して、サンプリングデータのパケットが受信される。このサンプリングデータのパケットは、電力線モデム74、インターフェース73を介して、コントロールユニット52のマイクロプロセッサ72に供給される。
【0074】
マイクロプロセッサ72で、各マイクロホンユニット51A〜51Cから送られてきた時間領域のサンプリングデータが周波数領域のデータに変換される。そして、各マイクロホンユニット51A〜51Cからの周波数領域のデータの変化が解析される。これにより、リモートコントローラ50の動きが解析される。
【0075】
マイクロプロセッサ72からは、このリモートコントローラ50の動きに応じて、コマンド信号が発生される。このコマンド信号は、インターフェース71を介して、電子機器70に供給される。電子機器70の動作は、このコマンド信号に応じて設定される。
【0076】
なお、上述の例では、リモートコントローラからの信号波として音波を用いるようにしたが、電波や赤外線でも可能である。
【0077】
また、上述の例では、リモートコントローラからの信号波を出力し、リモートコントローラを動かすことで、電子機器を遠隔操作しているが、信号源からの信号波を反射させ、この反射物体をリモートコントローラとし、信号源は固定し、リモートコントローラとなる反射物体の方を動かすことで、電子機器を遠隔操作するようにしても良い。
【0078】
【発明の効果】
この発明によれば、リモートコントローラから音波が発生され、リモートコントローラからの音波がマイクロホンで受信される。リモートコントローラを動かすと、ドップラー効果が生じ、各マイクロホンで受信される音波の周波数が変動する。複数のマイクロホンでの周波数の変動を解析することで、リモートコントローラの動きが解析される。このリモートコントローラの動きに応じてコマンド信号が出力される。これにより、リモートコントローラに配置されるキーの数を大幅に削減できると共に、ユーザの直感に応じた操作が可能になる。
【0079】
さらに、この発明によれば、リモートコントローラを動かすという直感的な操作で機器の操作が行え、操作性が改善できる。また、キーの数を削減できる。さらに、例えば、イベントやデモンストレーションのような場合に、アクションに応じて機器を設定でき、イベントやデモンストレーションをショーアップできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの一例の略線図である。
【図2】この発明が適用されたリモートコントロールシステムにおけるリモートコントローラの一例の外観構成を示す斜視図である。
【図3】この発明が適用されたリモートコントロールシステムにおけるリモートコントローラの内部構成を示すブロック図である。
【図4】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの説明に用いる略線図である。
【図6】この発明が適用されたリモートコントロールシステムの説明に用いる略線図である。
【図7】表示を使ったコマンド操作の説明に用いる略線図である。
【図8】表示を使ったコマンド操作の説明に用いるフローチャートである。
【図9】コマンドの文字入力操作の説明に用いる略線図である。
【図10】コマンドの文字入力操作の説明に用いるフローチャートである。
【図11】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いる斜視図である。
【図12】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いるブロック図である。
【図13】この発明が適用されたリモートコントロールシステムを電源ラインを用いたデータ伝送で実現する場合の説明に用いる斜視図である。
【符号の説明】
11・・・リモートコントローラ、12A、12B、12C・・・マイクロホン、13・・・電子機器、22・・・スイッチ部、23・・・音波出力部、25・・・発振器、27・・・スピーカ、32A、32B、32C・・・A/Dコンバータ、35A、35B、35C・・・周波数解析部、36・・・変化パターン解析部、37・・・動き解析部、38・・・コマンド発生部
Claims (21)
- 信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かされる操作手段と、
上記操作手段から出力される信号波を受信する受信手段と、
上記受信手段で受信された信号波の変化を解析し、上記受信された信号波の変化から上記操作手段の動きを解析する解析手段と、
上記解析された上記操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生するコマンド信号発生手段と、
上記コマンド信号発生手段から発生されるコマンド信号により動作が設定される電子機器と
からなることを特徴とするリモートコントロール装置。 - 上記信号波は、音波である請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記信号波は、電波である請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記信号波は、赤外線である請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記解析手段は、上記受信手段で受信された信号波の周波数の変化を解析するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記解析手段は、上記受信手段で受信された信号波の位相の変化を解析するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記受信手段を1つ設け、上記操作手段の直線上での動きを検出するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記受信手段をX軸方向とY軸方向と少なくとも2つ設け、上記操作手段の平面上での動きを検出するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記受信手段をX軸方向とY軸方向とZ軸方向とに少なくとも3つ設け、上記操作手段の空間上での動きを検出するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段から送信される音波をオン/オフさせるスイッチ手段を設けるようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段から送信される音波の周波数を切り換え可能とした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段から送信される音波をオン/オフ変調するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段から送信される音波をオン/オフ周期を変更可能とするようにした請求項12に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段の動きによりコマンドを表現するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段の動きと、上記操作手段から送信される音波の周波数とによりコマンドを表現するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段の動きと、上記操作手段から送信される音波のオン/オフ周期とによりコマンドを表現するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段の動きと、上記操作手段から送信される音波の周波数と、上記操作手段から送信される音波のオン/オフ周期とによりコマンドを表現するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段の動きを校正するための校正信号の動作を送るようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記受信手段で受信された信号波の変化を解析するために、上記受信手段で受信された信号波の情報を電力線を介して伝送するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 上記操作手段は、音源からの信号波を反射させて送信するようにした請求項1に記載のリモートコントロール装置。
- 操作手段を、信号波を送信すると共にコマンドに応じた所定の動きで動かし、
上記操作手段から出力される信号波を受信し、
上記受信手段で受信された信号波の変化を解析し、上記受信された信号波の変化から上記操作手段の動きを解析し、
上記解析された上記操作手段の動きに応じてコマンド信号を発生し、
上記コマンド信号により電子機器の動作を設定する
ようにしたことを特徴とする電子機器の操作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258791A JP2004096685A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258791A JP2004096685A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004096685A true JP2004096685A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32063329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002258791A Pending JP2004096685A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004096685A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006103875A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Pioneer Corporation | Av機器操作システム |
JP2007104523A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Sony Corp | 遠隔操作システム,遠隔操作装置,情報処理装置,遠隔操作方法,情報処理方法,およびコンピュータプログラム |
JP2010193426A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-09-02 | Victor Co Of Japan Ltd | 電子機器 |
JP2012253809A (ja) * | 2007-12-25 | 2012-12-20 | Adc Technology Inc | 通信装置 |
KR101241693B1 (ko) * | 2011-08-24 | 2013-03-11 | 한국과학기술원 | 오디오 신호를 이용한 원격 제어 시스템 |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258791A patent/JP2004096685A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006103875A1 (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-05 | Pioneer Corporation | Av機器操作システム |
JP2007104523A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Sony Corp | 遠隔操作システム,遠隔操作装置,情報処理装置,遠隔操作方法,情報処理方法,およびコンピュータプログラム |
JP4622792B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2011-02-02 | ソニー株式会社 | 遠隔操作システム,遠隔操作装置,情報処理装置,遠隔操作方法,情報処理方法,およびコンピュータプログラム |
US8018325B2 (en) | 2005-10-07 | 2011-09-13 | Sony Corporation | Remote control system, remote controller, information processing apparatus, remote control method, information processing method, and computer program therefor |
JP2012253809A (ja) * | 2007-12-25 | 2012-12-20 | Adc Technology Inc | 通信装置 |
JP2010193426A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-09-02 | Victor Co Of Japan Ltd | 電子機器 |
KR101241693B1 (ko) * | 2011-08-24 | 2013-03-11 | 한국과학기술원 | 오디오 신호를 이용한 원격 제어 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5421316B2 (ja) | ポータブル端末、ペアリングシステム、ペアリング方法 | |
JP5326934B2 (ja) | 電子機器 | |
US20020071031A1 (en) | Remote monitoring via a consumer electronic appliance | |
US20090023123A1 (en) | Audio input device and karaoke apparatus to detect user's motion and position, and accompaniment method adopting the same | |
CN103731711A (zh) | 智能电视对于操作的执行方法和系统 | |
JP2008269482A (ja) | 車載オーディオビジュアル装置 | |
KR102454761B1 (ko) | 영상표시장치의 동작 방법 | |
WO2001050454A1 (fr) | Regleur de dispositif, systeme de reglage de dispositif et support enregistre comportant le programme de reglage de dispositif | |
JP2004096685A (ja) | リモートコントロール装置及び電子機器の操作方法 | |
US6788983B2 (en) | Audio trigger devices | |
CN106792024A (zh) | 多媒体信息的分享方法及装置 | |
CN107526510A (zh) | 声音播放方法及装置 | |
US20200013209A1 (en) | Image and sound pickup device, sound pickup control system, method of controlling image and sound pickup device, and method of controlling sound pickup control system | |
JPH06149534A (ja) | 音声画面操作装置 | |
JPWO2006103875A1 (ja) | Av機器操作システム | |
JP2014526183A (ja) | テレビジョン受信機用のセンサ手段 | |
JP2004236192A (ja) | 音響機器制御方法、情報機器及び音響機器制御システム | |
JP6043518B2 (ja) | 玩具体、制御方法、プログラム、及び玩具システム | |
JP2016122876A (ja) | 表示装置、表示システム、空気調和装置、照明装置、及び表示装置制御プログラム | |
KR100273436B1 (ko) | 음발생 장치 및 방법 | |
KR100775131B1 (ko) | 오디오 신호에 따른 로봇 제어 방법 및 장치 | |
JP2000056872A (ja) | 音波を用いて信号入力又は信号出力を行う音声入力装置、音声出力装置、音声入出力装置及び情報処理装置並びに該情報処理装置において用いられる記録媒体 | |
US20160112799A1 (en) | Acoustic system, acoustic system control device, and acoustic system control method | |
KR100531301B1 (ko) | 다기능 원격 제어장치 | |
EP3809712A1 (en) | Information processing device and information processing method |