JP2004096632A - 画像受信装置、画像再生装置、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静止画像データを圧縮符号化した符号データを受信した際に通信エラーがあったときは、例えば、静止画像が4×4のタイルT01〜T16で構成されるなら、画像の中央部の4つのタイルT06,T07,T10,T11(符号21の領域)の何れかに通信エラーがあった場合を、重大な通信エラーありと判断し、符号データの再送を送信先のサーバに要求する。
【選択図】 図13
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像受信装置、画像再生装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2001−274861公報には、動画像データの通信において、動画像データを受信した際に、欠けているデータフレームの優先度が閾値よりも高ければ、再送する技術について開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、動画像データの通信の場合は、画像のフレーム毎に優先度をつけてデータの重要度を判断し、重要なデータフレームで通信エラーがあったと判断すれば、そのデータフレームの再送を送信先に要求することができる。
【0004】
しかしながら、静止画像データの場合は、それを圧縮符号化した符号データとして送信する場合に、通信エラーが生じたときにデータの再送等を要求する必要のある重要部分は、動画像データのようにフレーム毎の判断ではなく、画像の中央部を構成する符号データなど、静止画像の特定の位置に存在する。
【0005】
本発明の目的は、圧縮符号化された静止画像データの通信において、データの再送等を要求する必要のある重要なデータに通信エラーがあったか否かを適切に判断できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、静止画像データを圧縮符号化した符号データを受信する受信手段と、この受信した符号データに静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在するか否かを判定する通信エラー判定手段と、を備えている画像受信装置である。
【0007】
したがって、画面上の特定位置、特定のコンポーネント、特定の階層などの静止画像の位置に応じた所定の通信エラーがあったか否かにより、データの再送等を要求する必要のある重要なデータな通信エラーの判断をすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段は、前記受信手段で受信した符号データに通信エラーが存在するか否かを判定する第1判定手段と、この判定により通信エラーが存在する場合は当該通信エラーが静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判定する第2判定手段と、を備えている。
【0009】
したがって、静止画像データを圧縮した符号データに通信エラーがあったときは、その通信エラーがデータの再送等を要求する必要のある重要なデータの通信エラーか否かの判断をすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段が前記符号データに前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在すると判断したときは、前記符号データの送信先に前記符号データの再送を要求する再送要求手段を備えている。
【0011】
したがって、重要なデータの通信エラーが発生したときは、送信先に再送を要求して重要なデータの欠損を防止することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データが画像を矩形領域に分割して当該矩形領域ごとに符号化を行なったものであるときに、当該画像の中央部の所定位置を構成する矩形領域の符号データでの通信エラーとしている。
【0013】
したがって、静止画像中でも、画像の中央部分はその画像の重要な部分が表示される場合が多いため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの画像のROI(Region Of Interest)領域の符号データでの通信エラーとしている。
【0015】
したがって、静止画像中でも、ROI領域はその画像の重要な部分と位置付けられるため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データがJPEG2000アルゴリズムで符号化を行なったものであるときに、前記符号データの画像の所定以上の階層での通信エラーとしている。
【0017】
したがって、JPEG2000アルゴリズムで階層的に符号化した場合においては、上位階層のデータほど画像の品質に与える影響が大きいため、所定の高さ以上の階層で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置において、前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの輝度成分での通信エラーとしている。
【0019】
したがって、色差成分に比べて輝度成分が破損している場合は、色差成分が破損している場合に比べて画像の品質に与える影響が大きいため、輝度成分で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかの一に記載の画像受信装置と、この画像受信装置で受信した前記符号データを伸長する伸長手段と、この伸長後の画像データを表示する表示装置と、を備えている画像再生装置である。
【0021】
したがって、受信した符号データを伸長して表示することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、通信装置により受信した静止画像データを圧縮符号化した符号データに静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在するか否かを判定する通信エラー判定処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読取り可能なプログラムである。
【0023】
したがって、画面上の特定位置、特定のコンポーネント、特定の階層など、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーがあったか否かにより、データの再送等を要求する必要のある重要なデータな通信エラーの判断をすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、前記通信エラー判定処理は、前記通信装置で受信した符号データに通信エラーが存在するか否かを判定する第1判定処理と、この判定により通信エラーが存在する場合は当該通信エラーが静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判定する第2判定処理と、を実行する請求項9に記載のプログラムである。
【0025】
したがって、静止画像データを圧縮した符号データに通信エラーがあったときは、その通信エラーがデータの再送等を要求する必要のある重要なデータの通信エラーか否かの判断をすることができる。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載のプログラムにおいて、前記通信エラー判定処理が前記符号データに前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在すると判断したときは、前記符号データの送信先に前記符号データの再送を要求する再送要求処理をコンピュータに実行させる。
【0027】
したがって、重要なデータの通信エラーが発生したときは、送信先に再送を要求して重要なデータの欠損を防止することができる。
【0028】
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラムにおいて、前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データが画像を矩形領域に分割して当該矩形領域ごとに符号化を行なったものであるときに、当該画像の中央部の所定位置を構成する矩形領域の符号データでの通信エラーとしている。
【0029】
したがって、静止画像中でも、画像の中央部分はその画像の重要な部分が表示される場合が多いため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0030】
請求項13に記載の発明は、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラムにおいて、前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの画像のROI(Region Of Interest)領域の符号データでの通信エラーとしている。
【0031】
したがって、静止画像中でも、ROI領域はその画像の重要な部分と位置付けられるため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0032】
請求項14に記載の発明は、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラムにおいて、前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データがJPEG2000アルゴリズムで符号化を行なったものであるときに、前記符号データの画像の所定以上の階層での通信エラーとしている。
【0033】
したがって、JPEG2000アルゴリズムで階層的に符号化した場合においては、上位階層のデータほど画像の品質に与える影響が大きいため、所定の高さ以上の階層で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0034】
請求項15に記載の発明は、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラムにおいて、前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの輝度成分での通信エラーとしている。
【0035】
したがって、色差成分に比べて輝度成分が破損している場合は、色差成分が破損している場合に比べて画像の品質に与える影響が大きいため、輝度成分で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0036】
請求項16に記載の発明は、前記通信装置で受信した前記符号データを伸長する伸長処理と、この伸長後の画像データを表示装置に表示する表示処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0037】
したがって、受信した符号データを伸長して表示することができる。
【0038】
請求項17に記載の発明は、請求項9〜16の何れかの一に記載のプログラムを記憶している記憶媒体である。
【0039】
したがって、記憶しているプログラムにより請求項9〜16の何れかの一に記載の発明と同様の作用を奏する。
【0040】
【発明の実施の形態】
[JPEG2000アルゴリズムの概要]
まず、本発明の実施の形態の前提技術となるJPEG2000アルゴリズムの概要について説明する。
【0041】
図1は、JPEG2000アルゴリズムの基本を説明するための説明図である。JPEG2000のアルゴリズムは、色空間変換・逆変換部111、2次元ウェーブレット変換・逆変換部112、量子化・逆量子化部113、エントロピー符号化・復号化部114、タグ処理部115で構成されている。
【0042】
図2に示すように、カラー画像は、一般に、原画像の各コンポーネント(ここではRGB原色系)が、矩形をした領域(タイル)121,122,123によって分割される。そして、個々のタイル、例えば、R00,R01,…,R15/G00,G01,…,G15/B00,B01,…,B15が、圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位となる。従って、圧縮伸長動作は、コンポーネント毎、そしてタイル毎に、独立に行なわれる。
【0043】
画像データの符号化時には、各コンポーネントの各タイルのデータが、図1の色空間変換・逆変換部111に入力され、色空間変換を施されたのち、2次元ウェーブレット変換・逆変換部112で2次元ウェーブレット変換(順変換)が適用されて周波数帯に空間分割される。
【0044】
図3には、デコンポジション・レベル数が3の場合の、各デコンポジション・レベルにおけるサブ・バンドを示している。すなわち、原画像のタイル分割によって得られたタイル原画像(0LL)(デコンポジション・レベル0(131))に対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル1(132)に示すサブ・バンド(1LL,1HL,1LH,1HH)を分離する。そして引き続き、この階層における低周波成分1LLに対して、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル2(133)に示すサブ・バンド(2LL,2HL,2LH,2HH)を分離する。順次、同様に、低周波成分2LLに対しても、2次元ウェーブレット変換を施し、デコンポジション・レベル3(134)に示すサブ・バンド(3LL,3HL,3LH,3HH)を分離する。さらに、図3では、各デコンポジション・レベルにおいて符号化の対象となるサブ・バンドを、斜線で表してある。例えば、デコンポジション・レベル数を3とした時、斜線で示したサブ・バンド(3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HH)が符号化対象となり、3LLサブ・バンドは符号化されない。
【0045】
次いで、指定した符号化の順番で符号化の対象となるビットが定められ、図1の量子化・逆量子化部113で対象ビット周辺のビットからコンテキストが生成される。量子化の処理が終わったウェーブレット係数は、個々のサブバンド毎に、「プレシンクト」と呼ばれる重複しない矩形に分割される。これは、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。図5に示すように、一つのプレシンクトは、空間的に一致した3つの矩形領域からなっている。更に、個々のプレシンクトは、重複しない矩形の「コード・ブロック」に分けられる。これは、エントロピー・コーディングを行なう際の基本単位となる。
【0046】
ウェーブレット変換後の係数値は、そのまま量子化し符号化することも可能であるが、JPEG2000では符号化効率を上げるために、係数値を「ビットプレーン」単位に分解し、画素あるいはコード・ブロック毎に「ビットプレーン」に順位付けを行なうことができる。図6には、その手順を簡単に示した。この例は、原画像(32×32画素)を16×16画素のタイル4つで分割した場合で、デコンポジション・レベル1のプレシンクトとコード・ブロックの大きさは、各々8×8画素と4×4画素としている。プレシンクトとコード・ブロックの番号は、ラスター順に付けられる。タイル境界外に対する画素拡張にはミラーリング法を使い、可逆(5×3)フィルタでウェーブレット変換を行ない、デコンポジションレベル1のウェーブレット係数値を求めている。また、タイル0/プレシンクト3/コード・ブロック3について、代表的な「レイヤー」についての概念図をも併せて示している。レイヤーの構造は、ウェーブレット係数値を横方向(ビットプレーン方向)から見ると理解し易い。1つのレイヤーは任意の数のビットプレーンから構成される。この例では、レイヤー0,1,2,3は、各々、1,3,1の3つのビットプレーンから成っている。そして、LSBに近いビットプレーンを含むレイヤー程、先に量子化の対象となり、逆に、MSBに近いレイヤーは最後まで量子化されずに残ることになる。LSBに近いレイヤーから破棄する方法はトランケーションと呼ばれ、量子化率を細かく制御することが可能である。
【0047】
エントロピー符号化・復号化部114(図1参照)では、コンテキストと対象ビットから確率推定によって、各コンポーネントのタイルに対する符号化を行なう。こうして、原画像の全てのコンポーネントについて、タイル単位で符号化処理が行われる。最後にタグ処理部115は、エントロピコーダ部からの全符号化データを1本のコード・ストリームに結合するとともに、それにタグを付加する処理を行なう。図4には、コード・ストリームの構造を簡単に示した。図4に示すように、コード・ストリームの先頭と各タイルを構成する部分タイルの先頭にはヘッダと呼ばれるタグ情報が付加され、その後に、各タイルの符号化データが続く。そして、コード・ストリームの終端には、再びタグが置かれる。
【0048】
一方、復号化時には、符号化時とは逆に、各コンポーネントの各タイルのコード・ストリームから画像データを生成する。図1を用いて簡単に説明する。この場合、タグ処理部115は、外部より入力したコード・ストリームに付加されたタグ情報を解釈し、コード・ストリームを各コンポーネントの各タイルのコード・ストリームに分解し、その各コンポーネントの各タイルのコード・ストリーム毎に復号化処理が行われる。コード・ストリーム内のタグ情報に基づく順番で復号化の対象となるビットの位置が定められるとともに、量子化・逆量子化部113で、その対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストが生成される。エントロピー符号化・復号化部114で、このコンテキストとコード・ストリームから確率推定によって復号化を行ない、対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。このようにして復号化されたデータは周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元ウェーブレット変換・逆変換部112で2次元ウェーブレット逆変換を行なうことにより、画像データの各コンポーネントの各タイルが復元される。復元されたデータは色空間変換・逆変換部111によって元の表色系のデータに変換される。
【0049】
[発明の実施の形態1]
本発明の一実施の形態を発明の実施の形態1として説明する。
【0050】
図7は、本実施の形態1の全体システムを示すブロック図である。図7に示すように、本システムは、静止画の画像データをJPEG又はJPEG2000等のアルゴリズムなどで圧縮符号化した符号データをインターネットなどのネットワーク3を介して送信するサーバ1と、このサーバ1から符号データを受信するクライアント2からなる。
【0051】
図8は、クライアント2の電気的な接続を示すブロック図である。図8に示すように、クライアント2は、本発明の画像受信装置、画像再生装置を実施するもので、各種演算を行ないクライアント2の各部を集中的に制御するCPU11と、各種のROMやRAMからなるメモリ12とが、バス13で接続されている。
【0052】
バス13には、所定のインターフェイスを介して、ハードディスクなどの磁気記憶装置14と、マウスやキーボードなどで構成される入力装置15と、LCDやCRTなどの表示装置16と、光ディスクなどの本発明の記憶媒体を実施する記憶媒体17を読取る記憶媒体読取装置18と、ネットワーク3と通信を行なう通信装置となる所定の通信インターフェイス19とが接続されている。なお、記憶媒体17としては、CDやDVDなどの光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブルディスクなどの各種方式のメディアを用いることができる。また、記憶媒体読取装置18は、具体的には記憶媒体17の種類に応じて光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブなどが用いられる。
【0053】
磁気記憶装置14には、本発明のプログラムを実施する画像再生プログラムが記憶されている。一般的には、この画像再生プログラムは、記憶媒体17から記憶媒体読取装置18により読取ることでクライアント2にインストールするが、ネットワーク3からダウンロードして、磁気記憶装置14にインストールするなどしてもよい。このインストールによりクライアント2は動作可能な状態となる。この画像再生プログラムは、特定のアプリケーションソフトの一部をなすものであってもよい。また、所定のOS上で動作するものであってもよい。
【0054】
次に、クライアント2が画像再生プログラムに基づいて行なう処理について説明する。
【0055】
図9に示すように、クライアント2がネットワーク3を介してサーバ1から静止画像データを圧縮符号化した符号データを受信すると(ステップS1のY)、この符号データに所定の通信エラーがないか判定する(ステップS2)。ステップS1により受信手段を、ステップS2により通信エラー判定手段、通信エラー判定処理を実現する。そして、符号データに通信エラーがあるときは(ステップS2のY)、その通信エラーとなった静止画像全部あるいは通信エラーを生じた部分の符号データの再送を送信先であるサーバ1に要求する(ステップS3)。ステップS3により再送要求手段、再送要求処理を実現している。そして、その要求した静止画像の符号データを受信した場合は、再度ステップS1以降の処理がなされることとなるので、符号データに通信エラーがないとき(ステップS2のN)、あるいは、通信エラーがあって(ステップS2のY)、再送を要求して(ステップS3)、サーバ1から届いた新たな静止画像の符号データに通信エラーがなかったときには(ステップS2のN)、その符号データを伸長して(ステップS4)、表示装置16に表示する(ステップS5)。ステップS4により伸長手段、伸長処理を、ステップS5により表示処理を実現している。
【0056】
前述のステップS2の判断は、図10のように行なう。すなわち、符号データにデータ破損の通信エラーがないか有無を判定する(ステップS11)。そして、通信エラーがあったときは(ステップS11のY)、その通信エラーが、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判断する(ステップS12)。ステップS11により第1判定手段、第1判定処理を、ステップS12により、第2判定手段、第2判定処理を実現している。具体的には、本実施の形態1では、静止画像の中央部の所定範囲内にある矩形領域であるタイルの符号データの送信に通信エラーが存在するか否かを判断する。そして、この所定の通信エラーであるときには(ステップS12のY)、ステップS2のYの通信エラーありの判断を行ない(ステップS13)、ステップS11のN、ステップS12のNの場合は、ステップS2のNの通信エラーなしの判断を行なう(ステップS14)。
【0057】
次に、ステップS11及びステップS12の判断は具体的には次のように行なう。すなわち、図11〜図13は、この判定方法を説明する説明図である。
【0058】
以下では、JPEG2000アルゴリズムで、128画素×128画素のタイルを例に説明する(図11(a))。
【0059】
図11(a)は、3階層のWavelet係数を例にしたコードブロックの図面である。コードブロックサイズは32×32とする。0,1,2,3のように、サブバンドのサイズがコードブロックのサイズより小さい場合には、サブバンドサイズをコードブロックサイズとする(図11(b))。
【0060】
図12は、図11(a)を符号化したときのパケットのデータ構成を示す図面である。数字の入った正方形はパケットヘッダである。図12の1〜18は図11(a)の1〜18に対応している。パケットヘッダの後には符号化されたWavelet係数が配置される(空欄の長方形で示している)。そして、符号化されたWavelet係数の最後には4ビットのSegment Symbol(“SS”で示している)が配置される。通常、その値は“1010”であり、これ以外の値がSegment Symbolとして入っている場合には、ステップS11で通信エラーを起こした判定する。
【0061】
“Wavelet係数+Segment Symbol”の組はビットプレーンの数(1画素8ビットならビットプレーンの数は8)分だけ繰り返し現れる。パケットヘッダは、最初の0以外は、復号すると同じ位置にくる3つからなる。例えば、1,2,3や、4,5,6や、7,11,15である。
【0062】
静止画像が複数のタイルで構成される場合には、そのタイルの数だけ同じ処理を繰り返す。また、複数のコンポーネントがある場合には、“タイルの数×コンポーネント数”だけ同じ処理を繰り返す。
【0063】
そして、Segment Symbolのエラーがどこで発生したかによって、どのタイルで通信エラーが発生したか、どの階層で通信エラーが発生したか、あるいは、どのコンポーネント(色成分)で通信エラーが発生したかを判断することができる。そこで、これを用いて、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判断する(ステップS12)。
【0064】
このステップS12の判断は、本実施の形態では、静止画像の中央部の所定範囲内の画像の符号データの送信に通信エラーが存在するか否かを判断するものであるが、これは、図13に示すように、静止画像が4×4のタイルT01〜T16で構成されるなら、画像の中央部の4つのタイルT06,T07,T10,T11(符号21の領域)の何れかに通信エラーがあった場合を、通信エラーありと判断する(ステップS12のY)。
【0065】
静止画像中でも、画像の中央部分はその画像の重要な部分が表示される場合が多いため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断して、その通信エラーとなった静止画像全部あるいは通信エラーを生じた部分の符号データの再送をサーバ1に要求する(ステップS3)。
【0066】
[発明の実施の形態2]
別の実施の形態を発明の実施の形態2として説明する。
【0067】
この実施の形態2のハードウエア構成は図7、図8に示した実施の形態1と同様であり、クライアント2が行なう処理も、図9、図10に示した実施の形態1に準じるが、ここでは、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かの判断(ステップS12)として、静止画像のROI(Region Of Interest)領域で通信エラーが発生したか否かの判断で行なう点が、実施の形態1と相違する。
【0068】
図14の例では、静止画像が4×4のタイルT01〜T16で構成され、画像の中央部にROI領域(符号22の領域)が存在する。このROI領域であるか否かは、各タイルのタイルヘッダ情報により判断することができる。この例では、中央の4つのタイルT06,T07,T10,T11がROI領域に含まれるので、この4つのタイルの何れかに通信エラーがあった場合を、通信エラーありと判断する(ステップS12のY)。
【0069】
静止画像中でも、ROI領域は、その画像の重要な部分と位置付けられるため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断して、その通信エラーとなった静止画像全部あるいは通信エラーを生じた部分の符号データの再送をサーバ1に要求する(ステップS3)。
【0070】
[発明の実施の形態3]
別の実施の形態を発明の実施の形態3として説明する。
【0071】
この実施の形態3のハードウエア構成も図7、図8に示した実施の形態1と同様であり、クライアント2が行なう処理も、図9、図10に示した実施の形態1に準じるが、ここでは、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かの判断(ステップS12)として、JPEG2000アルゴリズムにおいて、所定の高さ以上の階層で通信エラーが発生したか否かの判断で行なう点が、実施の形態1と相違する。
【0072】
図15の例では、最も低い(高域の)階層1から順次高い(低域の)階層3まで示しているが、例えば、階層3以上(符号23の領域)で通信エラーが発生した場合を、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーがあり(ステップS12のY)、と判断する。
【0073】
JPEG2000アルゴリズムにおいては、上位階層のデータほど画像の品質に与える影響が大きいため、所定の高さ以上の階層で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断して、その通信エラーとなった静止画像全部あるいは通信エラーを生じた部分の符号データの再送をサーバ1に要求する(ステップS3)。
【0074】
[発明の実施の形態4]
別の実施の形態を発明の実施の形態4として説明する。
【0075】
この実施の形態4のハードウエア構成も図7、図8に示した実施の形態1と同様であり、クライアント2が行なう処理も、図9、図10に示した実施の形態1に準じるが、ここでは、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かの判断(ステップS12)として、輝度成分と色差成分とのうち、輝度成分に通信エラーが発生したか否かの判断で行なう点が、実施の形態1と相違する。
【0076】
図16は、一つの静止画像データのコード・ストリームにおいて、輝度成分であるY版24、色差成分であるU版25及びV版26の各コンポーネントについて示しているが、輝度成分であるY版24に通信エラーが発生した場合を、静止画像の位置に応じた所定の通信エラーがあり(ステップS12のY)、と判断する。
【0077】
すなわち、色差成分に比べて輝度成分が破損している場合は、色差成分が破損している場合に比べて画像の品質に与える影響が大きいため、輝度成分で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断して、その通信エラーとなった静止画像全部あるいは通信エラーを生じた部分の符号データの再送をサーバ1に要求する(ステップS3)。
【0078】
【発明の効果】
請求項1,9に記載の発明は、画面上の特定位置、特定のコンポーネント、特定の階層などの静止画像の位置に応じた所定の通信エラーがあったか否かにより、データの再送等を要求する必要のある重要なデータな通信エラーの判断をすることができる。
【0079】
請求項2,10に記載の発明は、請求項1,9に記載の発明において、静止画像データを圧縮した符号データに通信エラーがあったときは、その通信エラーがデータの再送等を要求する必要のある重要なデータの通信エラーか否かの判断をすることができる。
【0080】
請求項3,11に記載の発明は、請求項1,2,9,10に記載の発明において、重要なデータの通信エラーが発生したときは、送信先に再送を要求して重要なデータの欠損を防止することができる。
【0081】
請求項4,12に記載の発明は、請求項1〜3,9〜11の何れかの一に記載の発明において、静止画像中でも、画像の中央部分はその画像の重要な部分が表示される場合が多いため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0082】
請求項5,13に記載の発明は、請求項1〜3,9〜11の何れかの一に記載の発明において、静止画像中でも、ROI領域はその画像の重要な部分と位置付けられるため、かかる部分を構成する符号データに通信エラーが存在する場合は、重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0083】
請求項6,14に記載の発明は、請求項1〜3,9〜11の何れかの一に記載の発明において、JPEG2000アルゴリズムで階層的に符号化した場合においては、上位階層のデータほど画像の品質に与える影響が大きいため、所定の高さ以上の階層で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0084】
請求項7,15に記載の発明は、請求項1〜3,9〜11の何れかの一に記載の発明において、色差成分に比べて輝度成分が破損している場合は、色差成分が破損している場合に比べて画像の品質に与える影響が大きいため、輝度成分で通信エラーが発生した場合を重大な通信エラーがあったと判断することができる。
【0085】
請求項8,16に記載の発明は、受信した符号データを伸長して表示することができる。
【0086】
請求項17に記載の発明は、記憶しているプログラムにより請求項9〜16の何れかの一に記載の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】JPEG2000アルゴリズムの基本を説明するための説明図である。
【図2】カラー画像の各コンポーネントについて説明するための説明図である。
【図3】デコンポジション・レベル数が3の場合の、各デコンポジション・レベルにおけるサブ・バンドを示す説明図である。
【図4】コード・ストリームの構造の説明図である。
【図5】一つのプレシンクトが空間的に一致した3つの矩形領域からなっていることの説明図である。
【図6】係数値をビットプレーン単位に分解し、画素あるいはコード・ブロック毎にビットプレーンに順位付けを行なうことの説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1の全体的なシステム構成のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1のクライアントの電気的な接続のブロック図である。
【図9】クライアントが行なう処理のフローチャートである。
【図10】ステップS2の詳細なフローチャートである。
【図11】図10の処理の具体的な説明図である。
【図12】同説明図である。
【図13】ステップS12の処理の説明図である。
【図14】発明の実施の形態2におけるステップS12の処理の説明図である。
【図15】発明の実施の形態3におけるステップS12の処理の説明図である。
【図16】発明の実施の形態4におけるステップS12の処理の説明図である。
【符号の説明】
2 画像受信装置、画像再生装置
16 表示装置
17 記憶媒体
19 通信装置
Claims (17)
- 静止画像データを圧縮符号化した符号データを受信する受信手段と、
この受信した符号データに静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在するか否かを判定する通信エラー判定手段と、
を備えている画像受信装置。 - 前記通信エラー判定手段は、
前記受信手段で受信した符号データに通信エラーが存在するか否かを判定する第1判定手段と、
この判定により通信エラーが存在する場合は当該通信エラーが静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判定する第2判定手段と、
を備えている請求項1に記載の画像受信装置。 - 前記通信エラー判定手段が前記符号データに前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在すると判断したときは、前記符号データの送信先に前記符号データの再送を要求する再送要求手段を備えている請求項1又は2に記載の画像受信装置。
- 前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データが画像を矩形領域に分割して当該矩形領域ごとに符号化を行なったものであるときに、当該画像の中央部の所定位置を構成する矩形領域の符号データでの通信エラーとしている、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置。
- 前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの画像のROI(Region Of Interest)領域の符号データでの通信エラーとしている、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置。
- 前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データがJPEG2000アルゴリズムで符号化を行なったものであるときに、前記符号データの画像の所定以上の階層での通信エラーとしている、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置。
- 前記通信エラー判定手段は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの輝度成分での通信エラーとしている、請求項1〜3の何れかの一に記載の画像受信装置。
- 請求項1〜7の何れかの一に記載の画像受信装置と、
この画像受信装置で受信した前記符号データを伸長する伸長手段と、
この伸長後の画像データを表示する表示装置と、
を備えている画像再生装置。 - 通信装置により受信した静止画像データを圧縮符号化した符号データに静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在するか否かを判定する通信エラー判定処理と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読取り可能なプログラム。 - 前記通信エラー判定処理は、
前記通信装置で受信した符号データに通信エラーが存在するか否かを判定する第1判定処理と、
この判定により通信エラーが存在する場合は当該通信エラーが静止画像の位置に応じた所定の通信エラーであるか否かを判定する第2判定処理と、
を実行する請求項9に記載のプログラム。 - 前記通信エラー判定処理が前記符号データに前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーが存在すると判断したときは、前記符号データの送信先に前記符号データの再送を要求する再送要求処理をコンピュータに実行させる請求項9又は10に記載のプログラム。
- 前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データが画像を矩形領域に分割して当該矩形領域ごとに符号化を行なったものであるときに、当該画像の中央部の所定位置を構成する矩形領域の符号データでの通信エラーとしている、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラム。
- 前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの画像のROI(Region Of Interest)領域の符号データでの通信エラーとしている、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラム。
- 前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データがJPEG2000アルゴリズムで符号化を行なったものであるときに、前記符号データの画像の所定以上の階層での通信エラーとしている、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラム。
- 前記通信エラー判定処理は、前記静止画像の位置に応じた所定の通信エラーを、前記符号データの輝度成分での通信エラーとしている、請求項9〜11の何れかの一に記載のプログラム。
- 前記通信装置で受信した前記符号データを伸長する伸長処理と、
この伸長後の画像データを表示装置に表示する表示処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。 - 請求項9〜16の何れかの一に記載のプログラムを記憶している記憶媒体。
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