【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオードや半導体レーザなどの半導体光素子に関するものであり、より具体的には、II−VI族化合物半導体からなり、活性層の格子定数を固定したまま発光波長を変化させる光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、各種半導体結晶の格子定数と禁制帯幅(バンドギャップ)を示したものである。半導体結晶は固有の格子定数と禁制帯幅を有し、光や電子線によって、半導体に禁制帯幅よりも大きなエネルギーを与えたり、pn接合を形成して電流を注入することによって、禁制帯幅のエネルギーに相当する波長の光を発する。
【0003】
通常の発光素子は、GaAs、GaPやInPなどの基板結晶上に、III−V族やII−VI族の化合物層をエピタキシャル成長させることによって作製する。このとき、基板結晶と発光層の格子定数が異なると効率よい発光が得られない。したがって、特定の基板上に所望の波長の発光素子を作製する際には、複数の半導体結晶から成る混晶を作製し、混晶の組成を変化させることによって、格子定数を基板結晶と同じにする。
【0004】
例えば、GaAsとInAsの2種類の半導体結晶からなるInxGa1−xAs3元混晶では、組成xを変化させると格子定数は変化するが、基板結晶の種類によって格子定数が定まると、禁制帯幅が一義的に定まり発光波長は固定される。これに対して、例えばGaAs、GaP、InAsおよびInPから成るInxGa1−xAsyP1−y4元混晶では、独立な組成がxとyの二つあるため、図4に示されるGaAs、GaP、InAsおよびInP各点を結んでできる領域内の格子定数と禁制帯幅を持たせることができる。したがって、独立な組成が二つ以上ある多元混晶を用いれば、基板結晶との格子定数の整合性を保ったまま、禁制帯幅を変化させることができ、発光素子の設計において自由度が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現在、半導体発光素子の発光層としては主にIII−V族化合物半導体が使用されている。多くのIII−V族化合物半導体は、可視から赤外に相当する禁制帯幅を持つため、これを多元混晶にしても、発光波長は可視から赤外に限定される。
【0006】
III−V族化合物半導体の中では、窒化物が紫外に相当する禁制帯幅を持つため、AlGaPAsNなどが紫外にも対応できる禁制帯幅を持つ多元混晶である。この混晶を用いて、GaAs、GaP又はSiの結晶基板と格子定数を同じにして紫外に相当する禁制帯幅を実現するためには、V族元素中のP組成を大きくする必要がある。しかし、GaPやAlPは間接遷移型の半導体であるため、発光効率が非常に悪く実用不可能である。
【0007】
また、従来のようにIII−V族化合物半導体で光デバイスを作製することにおける問題点は、電子デバイスに利用されているSiと格子整合する混晶がほとんど存在しないことである。そのため、既に高度なプロセス技術が確立しているSiの電子デバイスと、発光ダイオードや半導体レーザのような光デバイスは別々の回路として作製され、金属の導線を介してしか接続されていない。大容量の情報伝達のため、光通信が主流になりつつある現状においては、光デバイスとSi集積回路がディスクリートであることは多いに問題である。
【0008】
そこで本発明は、発光層としてIII−V族化合物半導体ではなく、II−VI族化合物半導体を用いることによって、Siと格子整合を保ちつつ、禁制帯幅を紫外から赤外まで変化させることのできる半導体光素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明においては、半導体光素子の活性層に、Znを主体とするII族元素と、必須成分としてOを含みかつS,Se及びTeのうちの2種以上を含むVI族元素とのII−VI族化合物の4元以上の混晶を用いることを特徴とする。
【0010】
その中でも、一般式ZnSxSeyTezO1−x−y−z(ここで、x,y,zはそれぞれS,Se,Teの原子比) で表される混晶(本発明においては、これをZnSSeTeO混晶という)を用いることが好ましい。この混晶の特性について以下に説明する。
【0011】
上記混晶の構成要素であるZnSe,ZnS,ZnTe,ZnO等の格子定数と禁制帯幅(バンドギャップ)は図1に示すとおりである。Oの電気陰性度は、Se,S,Teの電気陰性度よりも1eV以上大きいため、混晶においてバンドギャップが組成に応じて直線的に変化するのではなく、中間組成で大きく湾曲するいわゆるボーイングが顕著に起こる。例えば、ZnSeにOを添加したZnSeO混晶では、バンドギャップはZnSeとZnOのバンドギャップを直線で結んだ値をとるのではなく、ZnSeよりも小さな値をとる。
【0012】
図1は、ZnSeOおよびZnTeO混晶について、Tight−Binding法でバンドギャップを計算した結果である。この結果から、ZnSSeTeO混晶では、組成を適宜変えることによって、図1の斜線を施した領域の格子定数とバンドギャップの値を取ることができると考えられる。
【0013】
また、図1から分かるように、ZnSSeTeO混晶は、SiやGaPと同じ格子定数のときに、S,SeおよびTeの組成を制御することによって、バンドギャップを1.0eVから3.5eVまで変化させることができ、紫外から赤外までの広範囲な波長での発光が可能である。従来II−VI族化合物半導体は、主に短波長側の光素子として利用されているが、Oの添加によって生じる巨大なボーイングを適切に利用して、短波長から長波長域まで任意に選択可能にしたことが本発明の特徴である。
さらに、ZnSe,ZnS,ZnTe,ZnOはいずれも直接遷移型の半導体であるため、ZnSSeTeO混晶も直接遷移型となり、発光効率が高く、発光層として利用できる。
【0014】
上記のような特性を有するZnSSeTeO混晶を利用した光デバイスの好ましい構成例としては、次項で詳述するように、n型Si基板上にn型ZnSSeTeO混晶層が形成され、さらにその上にp型ZnSSeTeO混晶層が形成されてなるもの、又はp型Si基板上にp型ZnSSeTeO混晶層が形成され、さらにその上にn型ZnSSeTeO混晶層が形成されてなるものがあげられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図2は、本発明の半導体発光素子を用いた光デバイス(発光ダイオード)の構成例を示す図である。図に見るように、最下部からn型電極1、n型Si基板2、n型ZnSSeTeO混晶層3、p型ZnSSeTeO混晶層4及びp型電極5が順次積層されている。発光はp型およびn型のZnSSeTeO混晶層の界面において生ずる。
【0016】
また、図2の構成とp,nを逆にした組み合わせ、すなわち電極1をp型、Si基板2をp型、混晶層3をp型、混晶層4をn型、電極5をn型にした組み合わせでもよく、発光は同様にp型およびn型のZnSSeTeO混晶層の界面において生ずる。
【0017】
図2の各層の形成には、通常は分子線エピタキシー法(MBE)が用いられる。Zn,S,Se,Teは、固体原料を加熱して気化した原子又は分子を基板に供給すればよいが、OはO2ガスをプラズマ化したものを供給して、結晶中に取込まれ易くすることが好ましい。なお、ZnSSeTeO混晶層の組成の制御は、Zn,S,Se,Teは加熱温度等の調整、OはO2ガス流量の調整により行うが、試行的に適切な条件を選定していくことにより、高い精度でZnSSeTeO混晶層の組成を目標値に近づけることができる。
【0018】
ドーパントとしては、n型ZnSSeTeO混晶層3では、Cl,F,Br,Iなどのハロゲン元素を用いれば良く、p型ZnSSeTeO混晶層4では、N,As,Sb,Naなどを用いることができる。なお、Nをp型のドーパントする場合にも、N2ガスをプラズマ化したものを供給することが好ましい。
【0019】
ZnSSeTeO混晶層の格子定数は、その構成成分であるZnS,ZnSe,ZnTe,ZnOの格子定数の原子濃度荷重平均値として計算することができる。ZnOの格子定数の値が、他の構成成分の格子定数よりかなり小さいため、Si基板との格子整合を確保する上では、VI族元素中のOとその他のS,Se,Teとの比を適切に選択することが重要である。
【0020】
一方、バンドギャップEgの算定は、Oを含む場合は必ずしも容易ではない。ZnSeOやZnTeOのような3元混晶の場合には、Egを近似計算することができるが、本発明のような4元以上の混晶の場合は、目標とする発光周波数したがってEgの値毎に、混晶の適正組成範囲を実験的に定めていくことが必要である。
【0021】
なお、図2は、本発明のZnSSeTeO混晶を発光ダイオードとして用いる場合の基本的な構成を示したものであるが、その構成は図2の例に限定されるものではない。また、基板材料をGaPやGaAsとすることもできる。さらに、本発明のZnSSeTeO混晶は、発光素子のみならず受光素子としても用いることができる。
【0022】
【実施例】
ZnSeにOを添加したZnSeO混晶を、分子線エピタキシーによってGaAs(001)基板上に作製した。ZnSeバッファ層を100nm成長させた後、O2をRFプラズマによって活性化させて供給した。O2流量は0.005〜0.02ccm(cc/min)とした。ZnSeO層の成長温度は350℃、膜厚は600nm、成長速度は1.5μm/hとした。このように形成されたZnSeO層の結晶構造をX線回折で調べた結果、閃亜鉛鉱構造であり相分離はしていないことが確かめられた。
【0023】
O2流量を上記の範囲で変えてZnSeO層を形成し、それぞれのO組成と格子定数(X線回折の(004)および(115)ピークから算出)を測定した結果を表1に示す。O2流量を増加させると、O組成が増加するとともに格子定数が小さくなっていることが分かる。
【0024】
【表1】
【0025】
また、上記のZnSeO層について、Hd―Cdレーザを励起光源としてホトルミネセンスを低温(13K)で行い、その発光波長を調べた結果を図3に示す。図に見られるように、O組成が増加するとともに、発光波長が長波長側に移動しており、禁制帯幅が減少していることを示している。また、光反射測定によっても、O組成の増加による禁制帯幅の減少が確認できた。
【0026】
【発明の効果】
本発明より、Si基板に格子整合させつつ、広い波長範囲をカバーし得る光デバイス材料を提供することが可能になった。これにより、Si基板上に下記のような光デバイスを作製することができる。
・紫外域での高密度記録用コヒーレント光源
・可視域での表示素子
・赤外域での光通信用レーザ
【0027】
これらの光デバイスが全てSi基板上に作製できるため、全光デバイスと既存の電子デバイスの融合に寄与し、モノリシックな光電子集積回路の実現が可能になる。すなわち、光磁気記録メディアの高記録密度化、白熱電球や蛍光灯に代わる省電力照明光源、光ファイバ(ガラスおよびプラスチック)用の半導体レーザなどを、全てSi集積回路に直結させることができる。
【0028】
また、デバイス製造プロセスにおける安全性や環境上の問題においても、本発明の有用性は大きい。従来のデバイスが砒素(As)や燐(P)を用いており、成膜時に使用するこれらの原料の毒性がきわめて高いことが知られている。これに対して、本発明で提案する酸化物系材料は、いずれも毒性がきわめて低いものばかりであり、工程管理が容易になるという大きな利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ZnSeOおよびZnTeO混晶について、Tight−Binding法でバンドギャップを計算した結果を示す図である。
【図2】本発明の半導体発光素子を用いた光デバイスの構成例を示す図である。
【図3】本実施例において、ホトルミネセンスによって調べたO組成と発光波長との関係を示す図である。
【図4】主な半導体化合物の格子定数とバンドギャップを示す図である。
【符号の説明】
1 n型電極
2 n型Si基板
3 n型ZnSSeTeO混晶層
4 p型ZnSSeTeO混晶層
5 p型電極[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a semiconductor optical device such as a light emitting diode or a semiconductor laser, and more specifically, to an optical device comprising a II-VI group compound semiconductor and changing an emission wavelength while fixing a lattice constant of an active layer. About.
[0002]
[Prior art]
FIG. 4 shows lattice constants and band gaps of various semiconductor crystals. A semiconductor crystal has a specific lattice constant and a band gap. Light and an electron beam give energy larger than the band gap to a semiconductor, or form a pn junction to inject a current to form a band gap. Emits light of a wavelength corresponding to the energy of
[0003]
A typical light emitting device is manufactured by epitaxially growing a group III-V or II-VI compound layer on a substrate crystal such as GaAs, GaP or InP. At this time, if the lattice constants of the substrate crystal and the light emitting layer are different, efficient light emission cannot be obtained. Therefore, when manufacturing a light-emitting device having a desired wavelength on a specific substrate, a mixed crystal composed of a plurality of semiconductor crystals is formed, and the composition of the mixed crystal is changed to make the lattice constant equal to that of the substrate crystal. I do.
[0004]
For example, in an In x Ga 1-x As3 mixed crystal composed of two types of semiconductor crystal of GaAs and InAs, varying the composition x is the lattice constant changes, the lattice constant is determined by the type of substrate crystals, forbidden The bandwidth is uniquely determined and the emission wavelength is fixed. In contrast, for example GaAs, GaP, the In x Ga 1-x As y P 1-y 4 -element mixed consisting of InAs and InP, for independent composition are two of x and y, shown in FIG. 4 GaAs, GaP, InAs and InP can be provided with a lattice constant and a forbidden band width in a region formed by connecting the respective points. Therefore, when a multi-element mixed crystal having two or more independent compositions is used, the forbidden band width can be changed while maintaining the consistency of the lattice constant with the substrate crystal, and the degree of freedom in designing the light emitting element is high. .
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
At present, III-V group compound semiconductors are mainly used as light emitting layers of semiconductor light emitting devices. Many III-V compound semiconductors have a forbidden band width corresponding to the range from visible to infrared. Therefore, even if they are made of a multi-element mixed crystal, the emission wavelength is limited to the range from visible to infrared.
[0006]
Among the group III-V compound semiconductors, nitride has a forbidden band corresponding to ultraviolet, so that AlGaPAsN or the like is a multi-element mixed crystal having a forbidden band corresponding to ultraviolet. In order to realize a forbidden band width equivalent to ultraviolet light by using this mixed crystal and having the same lattice constant as that of a GaAs, GaP or Si crystal substrate, it is necessary to increase the P composition in the group V element. However, since GaP and AlP are indirect transition type semiconductors, the luminous efficiency is extremely poor and it is not practical.
[0007]
Another problem in fabricating an optical device using a group III-V compound semiconductor as in the prior art is that there is almost no mixed crystal that lattice-matches with Si used in electronic devices. Therefore, a Si electronic device, for which an advanced process technology has already been established, and an optical device such as a light emitting diode or a semiconductor laser, are manufactured as separate circuits, and are connected only through metal conductors. In the current situation where optical communication is becoming mainstream for the transmission of large amounts of information, it is often a problem that the optical device and the Si integrated circuit are discrete.
[0008]
Therefore, the present invention can change the forbidden band width from ultraviolet to infrared while maintaining lattice matching with Si by using a group II-VI compound semiconductor instead of a group III-V compound semiconductor as a light emitting layer. It is an object to provide a semiconductor optical device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, in the present invention, an active layer of a semiconductor optical device includes a group II element mainly composed of Zn, two or more of S, Se, and Te containing O as an essential component. It is characterized by using a quaternary or higher mixed crystal of a group II-VI compound with a group VI element.
[0010]
Among them, (wherein, x, y, z are each S, Se, Te atomic ratio) general formula ZnS x Se y Te z O 1 -x-y-z In represented by mixed crystals (present invention in , Which is referred to as a ZnSSeTeO mixed crystal). The characteristics of this mixed crystal will be described below.
[0011]
The lattice constants and the forbidden band width (band gap) of ZnSe, ZnS, ZnTe, ZnO, etc., which are the components of the mixed crystal, are as shown in FIG. Since the electronegativity of O is larger than that of Se, S, and Te by 1 eV or more, the so-called bowing in which the band gap in the mixed crystal does not change linearly according to the composition but is largely curved at the intermediate composition. Occurs remarkably. For example, in a ZnSeO mixed crystal in which O is added to ZnSe, the band gap does not take a value connecting the band gaps of ZnSe and ZnO with a straight line, but takes a value smaller than that of ZnSe.
[0012]
FIG. 1 shows the results of calculating the band gap of ZnSeO and ZnTeO mixed crystals by the Tight-Binding method. From these results, it is considered that in the ZnSSeTeO mixed crystal, the values of the lattice constant and the band gap in the shaded region in FIG. 1 can be obtained by appropriately changing the composition.
[0013]
Also, as can be seen from FIG. 1, when the ZnSSeTeO mixed crystal has the same lattice constant as Si or GaP, the band gap is changed from 1.0 eV to 3.5 eV by controlling the composition of S, Se and Te. And light emission in a wide range of wavelengths from ultraviolet to infrared is possible. Conventionally, II-VI group compound semiconductors have been mainly used as optical devices on the short wavelength side, but can be arbitrarily selected from short wavelength to long wavelength region by appropriately utilizing the huge bowing caused by the addition of O. Is a feature of the present invention.
Furthermore, since ZnSe, ZnS, ZnTe, and ZnO are all direct transition semiconductors, ZnSSeTeO mixed crystals are also direct transition type, have high luminous efficiency, and can be used as a light emitting layer.
[0014]
As a preferred configuration example of the optical device using the ZnSSeTeO mixed crystal having the above characteristics, as described in detail in the next section, an n-type ZnSSeTeO mixed crystal layer is formed on an n-type Si substrate, and further thereon. Examples thereof include those in which a p-type ZnSSeTeO mixed crystal layer is formed, and those in which a p-type ZnSSeTeO mixed crystal layer is formed on a p-type Si substrate and further an n-type ZnSSeTeO mixed crystal layer is formed thereon.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described, but the present invention is not limited thereto. FIG. 2 is a diagram illustrating a configuration example of an optical device (light emitting diode) using the semiconductor light emitting element of the present invention. As shown in the figure, an n-type electrode 1, an n-type Si substrate 2, an n-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 3, a p-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 4, and a p-type electrode 5 are sequentially stacked from the bottom. Light emission occurs at the interface between the p-type and n-type ZnSSeTeO mixed crystal layers.
[0016]
Also, the combination of FIG. 2 with p and n reversed, that is, the electrode 1 is p-type, the Si substrate 2 is p-type, the mixed crystal layer 3 is p-type, the mixed crystal layer 4 is n-type, and the electrode 5 is n. Light emission may also occur at the interface of the p-type and n-type ZnSSeTeO mixed crystal layers.
[0017]
The layers in FIG. 2 are usually formed by molecular beam epitaxy (MBE). As for Zn, S, Se and Te, atoms or molecules vaporized by heating a solid raw material may be supplied to the substrate, and O is supplied into a plasma of O 2 gas to be taken into the crystal. Preferably, it is easier. The composition of the ZnSSeTeO mixed crystal layer is controlled by adjusting the heating temperature and the like for Zn, S, Se, and Te, and by adjusting the flow rate of the O 2 gas for O. It is necessary to select appropriate conditions on a trial basis. Thereby, the composition of the ZnSSeTeO mixed crystal layer can be made close to the target value with high accuracy.
[0018]
As the dopant, a halogen element such as Cl, F, Br, or I may be used for the n-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 3, and N, As, Sb, Na, or the like may be used for the p-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 4. it can. Even in the case of p-type dopant N, it is preferable to supply a material obtained by plasma of N 2 gas.
[0019]
The lattice constant of the ZnSSeTeO mixed crystal layer can be calculated as the average atomic concentration load of the lattice constant of ZnS, ZnSe, ZnTe, and ZnO, which are constituents thereof. Since the value of the lattice constant of ZnO is considerably smaller than the lattice constants of the other components, the ratio of O in the group VI element to other S, Se, and Te must be set to ensure lattice matching with the Si substrate. It is important to choose properly.
[0020]
On the other hand, calculation of the band gap E g is not always easy if it contains O. In the case of a ternary mixed crystal such as ZnSeO or ZnTeO, E g can be approximately calculated. However, in the case of a quaternary mixed crystal such as the present invention, the target emission frequency and therefore the E g It is necessary to experimentally determine the appropriate composition range of the mixed crystal for each value.
[0021]
FIG. 2 shows a basic configuration in the case where the ZnSSeTeO mixed crystal of the present invention is used as a light emitting diode, but the configuration is not limited to the example of FIG. Further, the substrate material may be GaP or GaAs. Furthermore, the ZnSSeTeO mixed crystal of the present invention can be used not only as a light emitting element but also as a light receiving element.
[0022]
【Example】
A ZnSeO mixed crystal in which O was added to ZnSe was formed on a GaAs (001) substrate by molecular beam epitaxy. After growing a ZnSe buffer layer to a thickness of 100 nm, O 2 was activated by RF plasma and supplied. The O 2 flow rate was set to 0.005 to 0.02 ccm (cc / min). The growth temperature of the ZnSeO layer was 350 ° C., the film thickness was 600 nm, and the growth rate was 1.5 μm / h. The crystal structure of the ZnSeO layer thus formed was examined by X-ray diffraction. As a result, it was confirmed that the ZnSe layer had a zinc blende structure and no phase separation.
[0023]
Table 1 shows the results obtained by forming a ZnSeO layer while changing the O 2 flow rate within the above range, and measuring the respective O compositions and lattice constants (calculated from the (004) and (115) peaks of X-ray diffraction). It can be seen that when the O 2 flow rate is increased, the O composition increases and the lattice constant decreases.
[0024]
[Table 1]
[0025]
FIG. 3 shows the results of photoluminescence of the ZnSeO layer performed at a low temperature (13 K) by using a Hd—Cd laser as an excitation light source and at a low temperature (13 K). As can be seen from the figure, as the O composition increases, the emission wavelength shifts to the longer wavelength side, indicating that the forbidden bandwidth decreases. Also, light reflection measurement confirmed that the forbidden band width decreased due to an increase in the O composition.
[0026]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has become possible to provide an optical device material that can cover a wide wavelength range while being lattice-matched to a Si substrate. Thereby, the following optical device can be manufactured on the Si substrate.
・ Coherent light source for high density recording in ultraviolet region ・ Display element in visible region ・ Laser for optical communication in infrared region
Since all of these optical devices can be fabricated on a Si substrate, it contributes to the fusion of all-optical devices and existing electronic devices, and makes it possible to realize a monolithic optoelectronic integrated circuit. That is, it is possible to directly connect a high density recording of a magneto-optical recording medium, a power saving illumination light source instead of an incandescent lamp or a fluorescent lamp, a semiconductor laser for an optical fiber (glass and plastic), and the like to the Si integrated circuit.
[0028]
The present invention is also useful for safety and environmental problems in the device manufacturing process. Conventional devices use arsenic (As) or phosphorus (P), and it is known that these materials used during film formation have extremely high toxicity. On the other hand, the oxide-based materials proposed in the present invention all have very low toxicity, and have a great advantage that process control becomes easy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a result of calculating a band gap of ZnSeO and ZnTeO mixed crystal by a Tight-Binding method.
FIG. 2 is a diagram showing a configuration example of an optical device using the semiconductor light emitting element of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing the relationship between the O composition and emission wavelength measured by photoluminescence in this example.
FIG. 4 is a diagram showing lattice constants and band gaps of main semiconductor compounds.
[Explanation of symbols]
Reference Signs List 1 n-type electrode 2 n-type Si substrate 3 n-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 4 p-type ZnSSeTeO mixed crystal layer 5 p-type electrode