JP2004095269A - 異方導電粒子及び異方導電性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆層が十分な強度を持ち、導通路に十分な異方性を有する異方導電粒子及び異方導電性接着剤を提供する。
【解決手段】相対する電極間を電気的に接続する異方導電粒子であって、導電粒子とポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする異方導電粒子2。この異方導電粒子2は、加圧により被覆層22が押し潰され、破けることで加圧方向に導通路を形成するが、加圧方向以外の被覆層22は剥離せず、加圧後においても導電粒子21の周りを覆っており、導通路は形成されないため、導通方向の異方性に優れている。
【選択図】 図2
【解決手段】相対する電極間を電気的に接続する異方導電粒子であって、導電粒子とポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする異方導電粒子2。この異方導電粒子2は、加圧により被覆層22が押し潰され、破けることで加圧方向に導通路を形成するが、加圧方向以外の被覆層22は剥離せず、加圧後においても導電粒子21の周りを覆っており、導通路は形成されないため、導通方向の異方性に優れている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向する電極を接着する技術に関し、特に、加圧又は加熱加圧により、加圧方向に導通路を形成することで、電極間を電気的に接着するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化・薄型化に伴い、IC等の電極は、狭ピッチ化、狭面積化している。そのため、従来のハンダやゴムコネクタ等では対応が困難であることから、最近では分解能に優れた接着剤や膜状物が使用されている。
例えば、液晶表示装置の製造時において、ガラス基板(TFT液晶パネル)と、TFTを駆動するためのICを接合するときは、接続部材として異方導電性フィルムや異方導電性接着剤等が使用されている。
これらの接続部材は、相対向する回路電極間に設けられ、加圧又は加熱加圧することにより、加圧方向である上下回路間の電気的接続のみを行い、相対向する回路を接着固定するものである
【0003】
一般的に、異方導電性接着剤は、絶縁性接着剤、例えば、熱硬化性接着剤に、導電粒子を分散させたものである(例えば、特許文献1参照)。導電粒子は、導通方向の異方性をより向上するために、その表面を樹脂により被覆しているものもある。
【0004】
しかし、従来の被覆導電粒子は、被覆層の強度、及び被覆層と導電粒子間の密着性が不十分であったため、導電粒子を絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力によって被覆が剥がれ易く、加圧方向以外に対する絶縁が不十分となり、導通路の異方性の発現が困難であった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−323246号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、被覆層が十分な強度を持ち、導通路に十分な異方性を有する異方導電粒子及びそれを用いた接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明者は、導電粒子表面に一定の性質を有するポリオレフィン系樹脂を被覆した導電粒子が、被覆層の強度に優れ、導通路の異方性発現に効果的であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の第一の態様によれば、相対する電極間を電気的に接続する異方導電粒子であって、導電粒子とポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする異方導電粒子が提供される。
本発明の第二の態様によれば、上記の導電粒子の表面でオレフィン系モノマーを重合することを特徴とする異方導電粒子の製造方法が提供される。
本発明の第三の態様によれば、相対する電極間を加圧又は加圧加熱することにより電極を固定すると共に、電極間の電気的な接続に用いられる異方導電性接着剤であって、上記の異方導電粒子と、絶縁性接着剤を含むことを特徴とする異方導電性接着剤が提供される。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明について詳細に説明する。
[異方導電粒子]
本発明の異方導電粒子は、導電粒子及びポリオレフィン系樹脂を含む。
導電粒子としては導電体、例えば、Sn、Ag、Pb、Pd、Bi、Cu、In、Ni、Zn、W、Ta、Mo、Al、Au及びCrから選択される一種の元素からなる金属又は二種以上の元素からなる合金が挙げられる。一種の元素からなる金属としては、Al、Ni、Agが好ましい。
また、二種以上の元素からなる合金としては、WTa、MoW等のW合金、Al合金、はんだ及びPbフリーはんだ、Ag−Pd、Ag−Sn、Fe−Ni(パーマロイ)等が好ましい。
上記の導電粒子を核材とし、Au等でメッキしたもの、例えば、NiにAuをコートした導電粒子も好ましく使用でき、また、非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック等の高分子等からなる核材に前記した材質からなる導電層を被覆形成したものも使用できる。
【0010】
導電粒子の形状は、例えば、球状、針状、鎖状、網目状等が挙げられ、好ましくは針状、鎖状、網目状である。
また、導電粒子の表面に、とげ状、ひだ状等の凹凸部位を有するものは、加圧時に加圧方向の被覆が破れ易くなり、導通路の形成が生じ易く、また、電極に楔状に突き刺さり、導通信頼性が向上するため好ましい。
上記の各形状を有する導電粒子は、金属・合金の一次粒子から形成される。
導電粒子の大きさは、直径又は長径が1〜20μm、好ましくは3〜10μmである。20μmより大きい場合、精細な導通路を形成できなくなり、1μmより小さい場合、加圧方向の導通を得るために多量の粒子が必要となり、導通信頼性が低下するおそれがある。
【0011】
導電粒子を被覆する樹脂としては、各種接着剤と相溶性に乏しい樹脂を使用することが被覆層の耐久性向上に有効であるため、ポリオレフィン系樹脂を使用する。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテンが使用でき、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、特に好ましくは、ポリエチレンである。
尚、本明細書において、ポリエチレンとは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン系共重合体等の各種ポリエチレン系樹脂を意味する。
【0012】
ポリオレフィン系樹脂の、200℃における溶融粘度は、好ましくは300Pa・s以上であり、特に好ましくは500Pa・s以上である。300Pa・s未満では、加圧加熱時に被覆樹脂が流動し、導電粒子の周りを絶縁することができなくなり、導通路の異方性が発現しないおそれがある。
また、ポリオレフィン系樹脂の融点は、好ましくは80℃以上、特に好ましくは、100℃以上である。80℃未満では、加圧加熱時に被覆樹脂の強度が低下し、被覆層が剥がれ易くなり、導通路の異方性が発現しないおそれがある。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂の被覆量は、重量比で[導電粒子]/[熱可塑性樹脂]=80/20〜99/1となるように形成することが好ましく、より好ましくは90/10〜95/5である。80/20より小さい場合、導電粒子が不足し、電極間の抵抗が高くなるおそれがあり、99/1より大きい場合、加圧方向に水平方向の絶縁が不十分になるおそれがある。
【0014】
導電粒子に樹脂を被覆する方法としては、好ましくは、以下に説明する直接重合により導電粒子表面に樹脂被覆層を形成する方法がある。
本発明の異方導電材料の製造方法は、上記導電粒子の表面をオレフィン重合触媒で処理し、導電粒子の表面上で直接オレフィン系モノマーを重合(生成)することにより、ポリオレフィン系樹脂の被覆層を形成する方法である。
このような重合方法の例として、特開昭60−106808号公報及び特開昭60−106810号公報に記載の方法が挙げられる。具体的には、チタン及び/又はジルコニウムを含有するとともに、炭化水素溶媒(例えば、へキサン、ヘプタン等)に可溶な高活性触媒成分と、上記導電粒子とを予め接触処理して得られる生成物及び有機アルミニウム化合物を前記炭化水素溶媒に懸濁させ、これにオレフィンモノマーを供給し、導電粒子表面で直接重合させることによりポリオレフィン樹脂被覆層を形成することができる。
【0015】
この製造方法は、導電粒子の表面上で直接、樹脂被覆層を形成するため、得られる被覆層は強度に優れている。即ち、ポリエチレンのように、溶剤に溶解させることが困難であるために、従来の方法では被覆できなかった樹脂でも、被覆層を形成することができる。
また、被覆層が均一となり、導入するオレフィン量を変えることにより、膜厚を任意に変えることができる。さらに、導電粒子と被覆樹脂間の密着性が優れているため、導電粒子から剥離しにくい。
また、本発明の被覆方法は、被覆層を形成する樹脂を溶解した溶液を導電粒子の表面に塗布する方法等と比較して歩留まりがよい。
【0016】
本発明の異方導電粒子は、被覆層が十分な強度を有するため、絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力による被覆の剥離がない。
また、加圧加熱時において、被覆樹脂が十分な耐熱性を有するため、流動、軟化することにより、導電粒子から剥離することはない。
従って、加圧方向の被覆樹脂のみが、導電粒子又は対向する電極により、押し潰されることで、対向電極間の導通を可能とし、加圧方向以外では、導電粒子の周りを被覆層が覆っているため、導電粒子同士が直接接触することはなく、導通することはない。
以上より、本発明の異方導電粒子は、導通路の異方性及び隣接電極間の絶縁性に優れている。
【0017】
[異方導電性接着剤]
本発明の異方導電性接着剤は、既に説明した異方導電粒子と、絶縁性接着剤を含む。
絶縁性接着剤としては、例えば、熱可塑性タイプ、熱硬化性タイプ、紫外線硬化タイプ等があり、また、熱可塑性タイプと熱硬化性タイプとの中間的な性質を示す、いわゆる半熱硬化性タイプ、熱硬化性タイプと紫外線硬化タイプとの複合タイプ等が挙げられる。
【0018】
これらの絶縁性接着剤は被着対象である回路基板等の表面特性や使用形態に合わせて選択できるが、熱硬化性樹脂を含んで構成される絶縁性接着剤が、接着後の材料的強度に優れるため好ましい。
本発明において、使用する絶縁性接着剤は、被覆樹脂であるポリオレフィン系樹脂と相溶しないものが、被覆層保護のため好ましい。従って、エポキシ系又はアクリル系接着剤等が好ましい。
【0019】
絶縁性接着剤は、本発明の効果を損なわない限り、接着増強剤等の第二成分を添加して使用してもよい。
【0020】
異方導電材料と、絶縁性接着剤の混合割合は、異方導電粒子1重量部に対し、絶縁性接着剤の量は1〜50重量部、好ましくは、1〜40重量部、特に好ましくは、10〜30重量部である。1重量部未満では、接着剤中に占める導電粒子の量が多いため、導通方向の異方性が発現せず、また、50重量部を超えると、導電粒子が不足するため、接合部位の電気抵抗が大きくなる。
【0021】
異方導電性接着剤の製造方法は、公知の方法が使用できる。
異方導電性接着剤は塗布してもよいし、フィルム状にして適用してもよい。
【0022】
本発明の異方導電性接着剤は、被覆層が十分な強度を有する異方導電性粒子を使用しているため、絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力による被覆の剥離がない。また、加圧以外の方向では、絶縁性接着剤のみならず、被覆樹脂が導電粒子の周りを絶縁するので、導電粒子同士が直接接触することはなく、従来の異方導電性接着剤よりも導通路の異方性及び隣接電極間の絶縁性に優れている。
【0023】
[実施形態1]
次に、本発明の接着剤の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1(a)は本発明の異方導電性接着剤を被着対象に塗布した様子を示した概略図である。
第一の基板11は、第一の電極12を有し、第二の基板13は、第二の電極14を有しており、互いに対向している。第一の基板11と第二の基板13の間には異方導電性接着剤15が塗布されている。異方導電性接着剤15は絶縁性接着剤と異方導電粒子からなる。
図1(b)は、第一の基板11と第二の基板13に加圧した様子を示す概略図である。
第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電性接着剤15は、図中矢印方向に加圧され、そこに含まれる異方導電粒子は加圧により押し潰され、変形し、被覆層が破れることで導通路を形成する。このとき、加圧方向の被覆層だけが破れ、その他の被覆層は導電粒子を被覆したまま存在するので加圧方向以外に導通路は形成されない。
【0024】
図2(a)は、図1(a)における異方導電粒子の形状を示した概念図である。
異方導電粒子2は、導電粒子21がポリオレフィン系樹脂の被覆層22で覆われている構造をしているため、導通を示さない。
図2(b)は、図1(b)において、第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子の概念図である。
第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子2の被覆層22は、図2(a)中A−A方向の圧力により被覆の一部が破れ、導電粒子21が露出し導通路を形成する。一方、図2(a)中B−B方向においては、被覆層22が、加圧後においても導電粒子21を被覆しているので、絶縁が保たれている。
また、第一の電極12及び第二の電極14間に存在しなかった異方導電粒子も、加圧によりA−A方向のみに導通路を形成するが、導通路方向に電極が存在しないため、何の影響もない。
尚、本実施形態では、導電粒子は球状であるが、上記で説明した通り、複数の突起を有した形状であれば、加圧時に加圧方向の被覆が破れ易くなり、導通路の形成が生じ易くなる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
本実施例においては、予めオレフィン重合反応のための触媒として、チタン含有触媒成分を調製し、得られた触媒成分の活性評価を行い使用した。触媒の調製及び活性評価は、特開昭60−106808号公報等を参考にして同様に実施した。
製造例
(1)チタン含有触媒成分の調製
アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、室温にて脱水n−ヘプタン200ml及び予め120℃で減圧(2mmHg)脱水したステアリン酸マグネシウム15g(25mmol)を入れてスラリー化した。撹拌下、四塩化チタン0.44g(2.3mmol)を滴下後、昇温を開始し、還流下にて1時間反応させ、粘性を有する透明なチタン含有触媒(活性触媒)の溶液を得た。
【0027】
(2)チタン含有触媒成分の活性評価
アルゴン置換した内容積1Lのオートクレーブに脱水ヘキサン400ml、トリエチルアルミニウム0.8mmol、ジエチルアルミニウムクロリド0.8mmol及び上記(1)で作製したチタン含有触媒を、チタン原子として0.004mmolを採取して投入し、90℃に昇温した。このとき、系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給し、5.5kg/cm2Gに昇圧した後、全圧が9.5kg/cm2Gに保たれるようにエチレンを連続的に供給し、1時間重合を行い70gのポリエチレンを得た。
重合活性は、365kg/g・Ti/Hrであり、得られたポリエチレンのMFR(190℃、荷重2.16kgにおける溶融流れ性;JIS K 7210)は40であった。
【0028】
[異方導電粒子]
実施例1
アルゴン置換した内容積2Lのオートクレーブに凹凸状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径10μm)250gを入れ、80℃まで昇温し、1時間減圧(10mmHg)乾燥を行った。その後、40℃まで降温して脱水ヘキサン800mlを入れ撹拌を開始した。
次いでジエチルアルミニウムクロリド2.5mmol及び製造例で調製したチタン含有触媒成分を、チタン原子として0.025mmolを添加して30分間反応を行った。
その後、90℃まで昇温し、系内圧を4.3kg/cm2Gに保つように、エチレンを連続的に供給しながら10分間(系内にエチレンが合計で13.2g導入された時点で導入停止)重合を行い、全量263.2gのポリエチレン被覆導電粒子を得た。
乾燥したポリエチレン被覆導電粒子は、均一に灰黒色を呈し、電子顕微鏡により、微粒子表面に薄くポリエチレンが被覆していることが観察された。尚、この組成物をTGA(熱天秤)により測定したところ、Au/Ni微粒子、ポリエチレンの組成比(重量比)は95:5であった。
ろ過、乾燥後のポリエチレン被覆導電粒子を、目開き53μmの振動篩で処理して、異方導電粒子Aを得た。
【0029】
実施例2
実施例1における凹凸状AuメッキNi紛を、球状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径3μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Bを得た。
【0030】
実施例3
実施例1において、凹凸状AuメッキNi紛を、Auメッキ鎖状Ni紛(住友電気工業社製、平均粒径8μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Cを得た。
【0031】
実施例4
実施例1において、凹凸状AuメッキNi紛を、不定形Ag紛(三井金属鉱業社製、平均粒径5μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Dを得た。
【0032】
比較例1
容量500mlのビーカーにアセトン溶媒250mlとアクリル系樹脂(三菱化学社製、デルペット60N)20gを加え、十分撹拌して溶解させた。次に、万能混合撹拌機(ダルトン社製、5DMV−01−r)に、導電粒子として球状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径3μm)約1kgを入れ、さらに、先にアセトン溶媒にアクリル樹脂を溶解したアセトン溶液の全量を加え、温水で加熱・撹拌しながら、アセトン溶媒を減圧除去し、異方導電粒子Eを得た。
【0033】
実施例1〜4で重合したポリエチレン及び比較例1で使用したアクリル系樹脂の200℃における溶融粘度は、ポリエチレンが810Pa・sであるのに対して、アクリル系樹脂では145Pa・sであった。
【0034】
[異方導電性接着剤]
実施例5、比較例2
固形エポキシ系樹脂(油化シエル社製、EP1009)50重量部と、硬化剤(旭化成社製、HX394/HP)50重量部が配合された絶縁性接着剤に、実施例1〜4及び比較例1で作製した異方導電粒子15〜20重量部を分散し、各異方導電粒子を使用した異方導電性接着剤を調製した。
【0035】
これらの異方導電性接着剤を用いて、COG接続を確認したところ、異方導電粒子A〜Dを使用した接着剤に関しては安定した導通を確認した。しかし、異方導電粒子Eを使用した接着剤では、測定値にバラツキが大きく絶縁性能が不十分であることが判明した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、被覆層が十分な強度を持ち、導通路に十分な異方性を有する異方導電粒子及び異方導電性接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の異方導電性接着剤を被着対象に塗布した様子を示した概略図であり、(b)は第一の基板11と第二の基板13に加圧した様子を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1(a)における異方導電粒子の形状を示した概念図であり、(b)は、図1(b)において、第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子の形状を示した概念図である。
【符号の説明】
11 第一の基板
12 第一の電極
13 第二の基板
14 第二の電極
15 異方導電性接着剤
2 異方導電粒子
21 導電粒子
22 被覆層
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向する電極を接着する技術に関し、特に、加圧又は加熱加圧により、加圧方向に導通路を形成することで、電極間を電気的に接着するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化・薄型化に伴い、IC等の電極は、狭ピッチ化、狭面積化している。そのため、従来のハンダやゴムコネクタ等では対応が困難であることから、最近では分解能に優れた接着剤や膜状物が使用されている。
例えば、液晶表示装置の製造時において、ガラス基板(TFT液晶パネル)と、TFTを駆動するためのICを接合するときは、接続部材として異方導電性フィルムや異方導電性接着剤等が使用されている。
これらの接続部材は、相対向する回路電極間に設けられ、加圧又は加熱加圧することにより、加圧方向である上下回路間の電気的接続のみを行い、相対向する回路を接着固定するものである
【0003】
一般的に、異方導電性接着剤は、絶縁性接着剤、例えば、熱硬化性接着剤に、導電粒子を分散させたものである(例えば、特許文献1参照)。導電粒子は、導通方向の異方性をより向上するために、その表面を樹脂により被覆しているものもある。
【0004】
しかし、従来の被覆導電粒子は、被覆層の強度、及び被覆層と導電粒子間の密着性が不十分であったため、導電粒子を絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力によって被覆が剥がれ易く、加圧方向以外に対する絶縁が不十分となり、導通路の異方性の発現が困難であった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−323246号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、被覆層が十分な強度を持ち、導通路に十分な異方性を有する異方導電粒子及びそれを用いた接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明者は、導電粒子表面に一定の性質を有するポリオレフィン系樹脂を被覆した導電粒子が、被覆層の強度に優れ、導通路の異方性発現に効果的であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の第一の態様によれば、相対する電極間を電気的に接続する異方導電粒子であって、導電粒子とポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする異方導電粒子が提供される。
本発明の第二の態様によれば、上記の導電粒子の表面でオレフィン系モノマーを重合することを特徴とする異方導電粒子の製造方法が提供される。
本発明の第三の態様によれば、相対する電極間を加圧又は加圧加熱することにより電極を固定すると共に、電極間の電気的な接続に用いられる異方導電性接着剤であって、上記の異方導電粒子と、絶縁性接着剤を含むことを特徴とする異方導電性接着剤が提供される。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明について詳細に説明する。
[異方導電粒子]
本発明の異方導電粒子は、導電粒子及びポリオレフィン系樹脂を含む。
導電粒子としては導電体、例えば、Sn、Ag、Pb、Pd、Bi、Cu、In、Ni、Zn、W、Ta、Mo、Al、Au及びCrから選択される一種の元素からなる金属又は二種以上の元素からなる合金が挙げられる。一種の元素からなる金属としては、Al、Ni、Agが好ましい。
また、二種以上の元素からなる合金としては、WTa、MoW等のW合金、Al合金、はんだ及びPbフリーはんだ、Ag−Pd、Ag−Sn、Fe−Ni(パーマロイ)等が好ましい。
上記の導電粒子を核材とし、Au等でメッキしたもの、例えば、NiにAuをコートした導電粒子も好ましく使用でき、また、非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック等の高分子等からなる核材に前記した材質からなる導電層を被覆形成したものも使用できる。
【0010】
導電粒子の形状は、例えば、球状、針状、鎖状、網目状等が挙げられ、好ましくは針状、鎖状、網目状である。
また、導電粒子の表面に、とげ状、ひだ状等の凹凸部位を有するものは、加圧時に加圧方向の被覆が破れ易くなり、導通路の形成が生じ易く、また、電極に楔状に突き刺さり、導通信頼性が向上するため好ましい。
上記の各形状を有する導電粒子は、金属・合金の一次粒子から形成される。
導電粒子の大きさは、直径又は長径が1〜20μm、好ましくは3〜10μmである。20μmより大きい場合、精細な導通路を形成できなくなり、1μmより小さい場合、加圧方向の導通を得るために多量の粒子が必要となり、導通信頼性が低下するおそれがある。
【0011】
導電粒子を被覆する樹脂としては、各種接着剤と相溶性に乏しい樹脂を使用することが被覆層の耐久性向上に有効であるため、ポリオレフィン系樹脂を使用する。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテンが使用でき、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、特に好ましくは、ポリエチレンである。
尚、本明細書において、ポリエチレンとは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン系共重合体等の各種ポリエチレン系樹脂を意味する。
【0012】
ポリオレフィン系樹脂の、200℃における溶融粘度は、好ましくは300Pa・s以上であり、特に好ましくは500Pa・s以上である。300Pa・s未満では、加圧加熱時に被覆樹脂が流動し、導電粒子の周りを絶縁することができなくなり、導通路の異方性が発現しないおそれがある。
また、ポリオレフィン系樹脂の融点は、好ましくは80℃以上、特に好ましくは、100℃以上である。80℃未満では、加圧加熱時に被覆樹脂の強度が低下し、被覆層が剥がれ易くなり、導通路の異方性が発現しないおそれがある。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂の被覆量は、重量比で[導電粒子]/[熱可塑性樹脂]=80/20〜99/1となるように形成することが好ましく、より好ましくは90/10〜95/5である。80/20より小さい場合、導電粒子が不足し、電極間の抵抗が高くなるおそれがあり、99/1より大きい場合、加圧方向に水平方向の絶縁が不十分になるおそれがある。
【0014】
導電粒子に樹脂を被覆する方法としては、好ましくは、以下に説明する直接重合により導電粒子表面に樹脂被覆層を形成する方法がある。
本発明の異方導電材料の製造方法は、上記導電粒子の表面をオレフィン重合触媒で処理し、導電粒子の表面上で直接オレフィン系モノマーを重合(生成)することにより、ポリオレフィン系樹脂の被覆層を形成する方法である。
このような重合方法の例として、特開昭60−106808号公報及び特開昭60−106810号公報に記載の方法が挙げられる。具体的には、チタン及び/又はジルコニウムを含有するとともに、炭化水素溶媒(例えば、へキサン、ヘプタン等)に可溶な高活性触媒成分と、上記導電粒子とを予め接触処理して得られる生成物及び有機アルミニウム化合物を前記炭化水素溶媒に懸濁させ、これにオレフィンモノマーを供給し、導電粒子表面で直接重合させることによりポリオレフィン樹脂被覆層を形成することができる。
【0015】
この製造方法は、導電粒子の表面上で直接、樹脂被覆層を形成するため、得られる被覆層は強度に優れている。即ち、ポリエチレンのように、溶剤に溶解させることが困難であるために、従来の方法では被覆できなかった樹脂でも、被覆層を形成することができる。
また、被覆層が均一となり、導入するオレフィン量を変えることにより、膜厚を任意に変えることができる。さらに、導電粒子と被覆樹脂間の密着性が優れているため、導電粒子から剥離しにくい。
また、本発明の被覆方法は、被覆層を形成する樹脂を溶解した溶液を導電粒子の表面に塗布する方法等と比較して歩留まりがよい。
【0016】
本発明の異方導電粒子は、被覆層が十分な強度を有するため、絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力による被覆の剥離がない。
また、加圧加熱時において、被覆樹脂が十分な耐熱性を有するため、流動、軟化することにより、導電粒子から剥離することはない。
従って、加圧方向の被覆樹脂のみが、導電粒子又は対向する電極により、押し潰されることで、対向電極間の導通を可能とし、加圧方向以外では、導電粒子の周りを被覆層が覆っているため、導電粒子同士が直接接触することはなく、導通することはない。
以上より、本発明の異方導電粒子は、導通路の異方性及び隣接電極間の絶縁性に優れている。
【0017】
[異方導電性接着剤]
本発明の異方導電性接着剤は、既に説明した異方導電粒子と、絶縁性接着剤を含む。
絶縁性接着剤としては、例えば、熱可塑性タイプ、熱硬化性タイプ、紫外線硬化タイプ等があり、また、熱可塑性タイプと熱硬化性タイプとの中間的な性質を示す、いわゆる半熱硬化性タイプ、熱硬化性タイプと紫外線硬化タイプとの複合タイプ等が挙げられる。
【0018】
これらの絶縁性接着剤は被着対象である回路基板等の表面特性や使用形態に合わせて選択できるが、熱硬化性樹脂を含んで構成される絶縁性接着剤が、接着後の材料的強度に優れるため好ましい。
本発明において、使用する絶縁性接着剤は、被覆樹脂であるポリオレフィン系樹脂と相溶しないものが、被覆層保護のため好ましい。従って、エポキシ系又はアクリル系接着剤等が好ましい。
【0019】
絶縁性接着剤は、本発明の効果を損なわない限り、接着増強剤等の第二成分を添加して使用してもよい。
【0020】
異方導電材料と、絶縁性接着剤の混合割合は、異方導電粒子1重量部に対し、絶縁性接着剤の量は1〜50重量部、好ましくは、1〜40重量部、特に好ましくは、10〜30重量部である。1重量部未満では、接着剤中に占める導電粒子の量が多いため、導通方向の異方性が発現せず、また、50重量部を超えると、導電粒子が不足するため、接合部位の電気抵抗が大きくなる。
【0021】
異方導電性接着剤の製造方法は、公知の方法が使用できる。
異方導電性接着剤は塗布してもよいし、フィルム状にして適用してもよい。
【0022】
本発明の異方導電性接着剤は、被覆層が十分な強度を有する異方導電性粒子を使用しているため、絶縁性接着剤に分散させるときに、せん断力による被覆の剥離がない。また、加圧以外の方向では、絶縁性接着剤のみならず、被覆樹脂が導電粒子の周りを絶縁するので、導電粒子同士が直接接触することはなく、従来の異方導電性接着剤よりも導通路の異方性及び隣接電極間の絶縁性に優れている。
【0023】
[実施形態1]
次に、本発明の接着剤の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1(a)は本発明の異方導電性接着剤を被着対象に塗布した様子を示した概略図である。
第一の基板11は、第一の電極12を有し、第二の基板13は、第二の電極14を有しており、互いに対向している。第一の基板11と第二の基板13の間には異方導電性接着剤15が塗布されている。異方導電性接着剤15は絶縁性接着剤と異方導電粒子からなる。
図1(b)は、第一の基板11と第二の基板13に加圧した様子を示す概略図である。
第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電性接着剤15は、図中矢印方向に加圧され、そこに含まれる異方導電粒子は加圧により押し潰され、変形し、被覆層が破れることで導通路を形成する。このとき、加圧方向の被覆層だけが破れ、その他の被覆層は導電粒子を被覆したまま存在するので加圧方向以外に導通路は形成されない。
【0024】
図2(a)は、図1(a)における異方導電粒子の形状を示した概念図である。
異方導電粒子2は、導電粒子21がポリオレフィン系樹脂の被覆層22で覆われている構造をしているため、導通を示さない。
図2(b)は、図1(b)において、第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子の概念図である。
第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子2の被覆層22は、図2(a)中A−A方向の圧力により被覆の一部が破れ、導電粒子21が露出し導通路を形成する。一方、図2(a)中B−B方向においては、被覆層22が、加圧後においても導電粒子21を被覆しているので、絶縁が保たれている。
また、第一の電極12及び第二の電極14間に存在しなかった異方導電粒子も、加圧によりA−A方向のみに導通路を形成するが、導通路方向に電極が存在しないため、何の影響もない。
尚、本実施形態では、導電粒子は球状であるが、上記で説明した通り、複数の突起を有した形状であれば、加圧時に加圧方向の被覆が破れ易くなり、導通路の形成が生じ易くなる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
本実施例においては、予めオレフィン重合反応のための触媒として、チタン含有触媒成分を調製し、得られた触媒成分の活性評価を行い使用した。触媒の調製及び活性評価は、特開昭60−106808号公報等を参考にして同様に実施した。
製造例
(1)チタン含有触媒成分の調製
アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、室温にて脱水n−ヘプタン200ml及び予め120℃で減圧(2mmHg)脱水したステアリン酸マグネシウム15g(25mmol)を入れてスラリー化した。撹拌下、四塩化チタン0.44g(2.3mmol)を滴下後、昇温を開始し、還流下にて1時間反応させ、粘性を有する透明なチタン含有触媒(活性触媒)の溶液を得た。
【0027】
(2)チタン含有触媒成分の活性評価
アルゴン置換した内容積1Lのオートクレーブに脱水ヘキサン400ml、トリエチルアルミニウム0.8mmol、ジエチルアルミニウムクロリド0.8mmol及び上記(1)で作製したチタン含有触媒を、チタン原子として0.004mmolを採取して投入し、90℃に昇温した。このとき、系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給し、5.5kg/cm2Gに昇圧した後、全圧が9.5kg/cm2Gに保たれるようにエチレンを連続的に供給し、1時間重合を行い70gのポリエチレンを得た。
重合活性は、365kg/g・Ti/Hrであり、得られたポリエチレンのMFR(190℃、荷重2.16kgにおける溶融流れ性;JIS K 7210)は40であった。
【0028】
[異方導電粒子]
実施例1
アルゴン置換した内容積2Lのオートクレーブに凹凸状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径10μm)250gを入れ、80℃まで昇温し、1時間減圧(10mmHg)乾燥を行った。その後、40℃まで降温して脱水ヘキサン800mlを入れ撹拌を開始した。
次いでジエチルアルミニウムクロリド2.5mmol及び製造例で調製したチタン含有触媒成分を、チタン原子として0.025mmolを添加して30分間反応を行った。
その後、90℃まで昇温し、系内圧を4.3kg/cm2Gに保つように、エチレンを連続的に供給しながら10分間(系内にエチレンが合計で13.2g導入された時点で導入停止)重合を行い、全量263.2gのポリエチレン被覆導電粒子を得た。
乾燥したポリエチレン被覆導電粒子は、均一に灰黒色を呈し、電子顕微鏡により、微粒子表面に薄くポリエチレンが被覆していることが観察された。尚、この組成物をTGA(熱天秤)により測定したところ、Au/Ni微粒子、ポリエチレンの組成比(重量比)は95:5であった。
ろ過、乾燥後のポリエチレン被覆導電粒子を、目開き53μmの振動篩で処理して、異方導電粒子Aを得た。
【0029】
実施例2
実施例1における凹凸状AuメッキNi紛を、球状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径3μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Bを得た。
【0030】
実施例3
実施例1において、凹凸状AuメッキNi紛を、Auメッキ鎖状Ni紛(住友電気工業社製、平均粒径8μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Cを得た。
【0031】
実施例4
実施例1において、凹凸状AuメッキNi紛を、不定形Ag紛(三井金属鉱業社製、平均粒径5μm)に変えた他は、実施例1と同様に処理を行い、異方導電粒子Dを得た。
【0032】
比較例1
容量500mlのビーカーにアセトン溶媒250mlとアクリル系樹脂(三菱化学社製、デルペット60N)20gを加え、十分撹拌して溶解させた。次に、万能混合撹拌機(ダルトン社製、5DMV−01−r)に、導電粒子として球状AuメッキNi紛(三井金属鉱業社製、平均粒径3μm)約1kgを入れ、さらに、先にアセトン溶媒にアクリル樹脂を溶解したアセトン溶液の全量を加え、温水で加熱・撹拌しながら、アセトン溶媒を減圧除去し、異方導電粒子Eを得た。
【0033】
実施例1〜4で重合したポリエチレン及び比較例1で使用したアクリル系樹脂の200℃における溶融粘度は、ポリエチレンが810Pa・sであるのに対して、アクリル系樹脂では145Pa・sであった。
【0034】
[異方導電性接着剤]
実施例5、比較例2
固形エポキシ系樹脂(油化シエル社製、EP1009)50重量部と、硬化剤(旭化成社製、HX394/HP)50重量部が配合された絶縁性接着剤に、実施例1〜4及び比較例1で作製した異方導電粒子15〜20重量部を分散し、各異方導電粒子を使用した異方導電性接着剤を調製した。
【0035】
これらの異方導電性接着剤を用いて、COG接続を確認したところ、異方導電粒子A〜Dを使用した接着剤に関しては安定した導通を確認した。しかし、異方導電粒子Eを使用した接着剤では、測定値にバラツキが大きく絶縁性能が不十分であることが判明した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、被覆層が十分な強度を持ち、導通路に十分な異方性を有する異方導電粒子及び異方導電性接着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の異方導電性接着剤を被着対象に塗布した様子を示した概略図であり、(b)は第一の基板11と第二の基板13に加圧した様子を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1(a)における異方導電粒子の形状を示した概念図であり、(b)は、図1(b)において、第一の電極12及び第二の電極14間に存在する異方導電粒子の形状を示した概念図である。
【符号の説明】
11 第一の基板
12 第一の電極
13 第二の基板
14 第二の電極
15 異方導電性接着剤
2 異方導電粒子
21 導電粒子
22 被覆層
Claims (11)
- 相対する電極間を電気的に接続する異方導電粒子であって、導電粒子とポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする異方導電粒子。
- 前記導電粒子上にポリオレフィン系樹脂が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の異方導電粒子。
- 前記導電粒子が、金属、合金又は表面がメッキ処理された粒子からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の異方導電粒子。
- 前記導電粒子の形状が、鎖状又は網目状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方導電粒子。
- 前記導電粒子の表面が、とげ状又はひだ状の凹凸部位を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の異方導電粒子。
- 前記ポリオレフィン系樹脂の200℃における溶融粘度が、300Pa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の異方導電粒子。
- 前記ポリオレフィン系樹脂の融点が、80℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の異方導電粒子。
- 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の異方導電粒子。
- 前記導電粒子の表面でオレフィン系モノマーを重合することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の異方導電粒子の製造方法。
- 相対する電極間を加圧又は加圧加熱することにより前記電極を固定すると共に、前記電極間の電気的な接続に用いられる異方導電性接着剤であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の異方導電粒子と、絶縁性接着剤を含むことを特徴とする異方導電性接着剤。 - 前記絶縁性接着剤の添加量が、前記異方導電粒子1重量部に対し、1〜50重量部であることを特徴とする請求項10に記載の異方導電性接着剤。
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