JP2004094662A - 信用リスク管理の最適化モデル適用方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より正確な貸倒確率や貸倒引当金等を算出することができる信用リスク管理方法を提供する。
【解決手段】分析サーバの制御部25におけるGP処理部32は、遺伝的アルゴリズムGPに基づいて、顧客の属性情報からその顧客がデフォルトを起こす確率を示す最適モデルを生成する。デフォルト確率算出部33は、最適モデルに対して、現在の各債権のデータを適用して貸倒確率を算出する。信用格付処理部34は、各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類する。貸倒引当金算出部35は、貸倒引当金と貸付残高を掛けて各債権の貸倒引当金を算出し、また、信用格付別に貸倒引当金を算出する。最適ポートフォリオ作成部36は、最適な資産のポートフォリオを求める。
【選択図】 図5
【解決手段】分析サーバの制御部25におけるGP処理部32は、遺伝的アルゴリズムGPに基づいて、顧客の属性情報からその顧客がデフォルトを起こす確率を示す最適モデルを生成する。デフォルト確率算出部33は、最適モデルに対して、現在の各債権のデータを適用して貸倒確率を算出する。信用格付処理部34は、各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類する。貸倒引当金算出部35は、貸倒引当金と貸付残高を掛けて各債権の貸倒引当金を算出し、また、信用格付別に貸倒引当金を算出する。最適ポートフォリオ作成部36は、最適な資産のポートフォリオを求める。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貸付債権の信用リスクの算出等を行う信用リスク管理方法及び分析サーバ等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、貸出債権の貸倒確率や貸倒引当金等は、例えば、過去の実績や、回帰分析、決定木、ニューラルネットワーク、生存時間解析などを用いて計算され、その結果を基に信用リスクが決定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の計算方法では、局所解に陥る限界があり、この限界を克服することは困難であった。また、膨大な計算量により、限られたコンピュータ資源に実装することが困難であった。結果的に、各個別債権の貸し倒れ確率を正確に算出することができなかった。
【0004】
計算能力を高めるために、並列処理装置も開発されているが、全体計算能力は最高でもせいぜい分析サーバ配下のプロセッサの数に上限値が固定されてしまう。このため、信用リスク管理分析のように限られた時間内に高い分析精度を追求しなければならない計算処理においては、膨大な計算量が瞬時に発生して容易にこの上限値を突破してしまい、計算時間オーバーや分析精度劣化をもたらしていた。また、計算能力の上限をあげるために、利用者は、巨大な並列処理装置への投資を強いられていた。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、より正確な貸倒確率や貸倒引当金等を算出することができる信用リスク管理方法及び分析サーバ等を提供することを目的とする。
また、本発明は、比較的低コストで、短時間に貸倒確率や貸倒引当金等を算出することができる信用リスク管理方法及び分析サーバ等を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る信用リスク管理方法は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、分類された信用格付別に貸倒引当金を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る信用リスク管理方法は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて信用リスクのランクを算出するステップと、前記算出された各貸し倒れ確率に基づいて資本配賦を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記遺伝的アルゴリズム処理における適合度の評価処理と各債権に関する評価処理を複数のプロセッサのいずれかに割り当てて、処理を並列処理化してもよい。
【0009】
貸倒確率を求めるための分析モデルを複数のプロセッサに割り当て、プロセッサ毎に、別々の初期化を行って最も良い成績を示す分析モデルを求め、この分析モデルを用いて貸し倒れ確率を求めるようにしてもよい。
【0010】
前記複数のプロセッサとして、ネットワークを介して接続された複数のプロセッサのうちの余剰計算能力を有するプロセッサ群を使用するようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る信用リスク管理装置は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出する手段と、前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出する手段と、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、分類された信用格付別に貸倒引当金を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る信用リスク管理システムについて図面を参照して説明する。本実施形態に係る信用リスク管理システムの構成図を図1に示す。図示されるように、この信用リスク管理システムは、各営業店舗における店舗端末1と、各店舗端末1に接続される分析サーバ3と、を備える。
【0013】
店舗端末1は、各店舗において、担当者から各顧客への貸付に関する情報の入力を受け付け、入力されたデータを分析サーバ3に供給するための端末である。
【0014】
分析サーバ3は、例えば図2に示すように、入力部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。入力部21は、キーボード、マウス等を含み、ユーザにより入力されたデータを制御部25へ供給する。表示部22は、CRT、液晶ディスプレイ等を含み、制御部25からの指示に従って、各算出結果等を表示する。通信部23は、各店舗端末1との間の通信を制御する。
【0015】
記憶部24は、各店舗端末1から収集された債権に関するデータが蓄積される顧客情報データベース24aと、過去に蓄積された債権に関するデータから所定の規準に基づいてサンプリングされたデータが記憶される評価用データベース24bと、を備える。
各データベースに記憶されるデータは、例えば、顧客新規情報、顧客属性情報、顧客管理情報、口座契約情報、口座貸付情報、口座入金情報、口座損金情報等を含む。
【0016】
顧客新規情報は、例えば図3(A)に示すように、顧客の新規貸付時における情報(顧客コード、締日付、新規時年齢、新規貸付日、新規時他社借入額等)を含む。顧客属性情報は、例えば図3(B)に示すように、顧客の属性に関する情報(顧客コード、締日付、性別、独身・既婚、月末時年齢、職種、年収等)を含む。顧客管理情報は、例えば図3(C)に示すように、顧客の他社からの借入に関する情報(顧客コード、締日付、他社借入件数、他社借入金額等)を含む。口座契約情報は、例えば図3(D)に示すように、顧客の契約に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、商品コード、利率、貸付残高、延滞日数等)を含む。
【0017】
口座貸付情報は、例えば図4(E)に示すように、顧客の貸付に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、月中貸付金額、月中貸付回数等)を含む。口座入金情報は、例えば図4(F)に示すように、顧客の入金に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、月中入金元金、月中入金利息等)を含む。口座損金情報は、例えば図4(G)に示すように、顧客の損金に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、延滞日、延滞額、損金日、損金額等)を含む。
【0018】
制御部25は、図5に示すように、テストデータ作成部31と、GP処理部32と、デフォルト確率算出部33と、信用格付処理部34と、貸倒引当金算出部35と、最適ポートフォリオ作成部36と、を備える。
【0019】
テストデータ作成部31は、記憶部24におけるテスト用データベース24bから各データを読み出し、例えば顧客コードをキーとしてマージ等することにより所定のテストデータを作成する。
【0020】
GP処理部32は、評価用DB24bに格納されているデータを用いて、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programing)の手法を用いて、顧客の様々なパラメータと、その顧客がデフォルトを起こす確率との関係を示す最適モデルを、遺伝的アルゴリズムの手法を用いて求める。顧客の様々なパラメータとしては、例えば、他社件数、極度額、延滞日数、月末時点延滞日数、直近入金金額、月中入金利息計、新規時他社金額の対数変換値、直近貸付時残高の対数変換値等である。
【0021】
デフォルト確率算出部33は、記憶部24における顧客情報データベース24aから各データを読み出し、顧客コードをキーとしてマージ等して、GP処理部32により求められた最適モデルに適用するためのスコアデータを作成する。そして、作成したスコアデータを最適モデルに適用して、現在の各債権についてのデフォルト確率を算出する。
【0022】
信用格付処理部34は、デフォルト確率算出部33により算出されたデフォルト確率の計算結果に基づいてパーセンタイル計算を実施し、貸付債権の信用格付けを行う。
【0023】
貸倒引当金算出部35は、各債権の直近貸付残高に、デフォルト確率算出部33で求めたデフォルト確率を掛けて個々の貸倒引当金を算出する。また、信用格付処理部34により処理された信用格付毎に各債権の引当金を合算する等して信用格付毎の貸倒引当金を算出する。
【0024】
最適ポートフォリオ作成部36は、目標利益率の入力を受け付け、信用リスクを最小化し、かつ、入力された目標利益率を満たすような信用格付別のポートフォリオを作成して出力等する。このとき、最適ポートフォリオ作成部36は、例えば、各債権のデフォルトの相関性に基づいてポートフォリオを作成する。具体的には、相関が小さい債権を組み合わせることにより、平均収益率に対して最も分散が小さくなるポートフォリオを求める。
【0025】
次に、本実施形態にかかる信用リスク管理システムの動作について説明する。例えば、会社Aに設置されている分析サーバ3は、各店舗Bに設置されている店舗端末1に入力された貸付債権に関する種々のデータを所定のタイミング(例えば日毎等)で収集し、記憶部24の顧客情報データベース24aに記憶する。また、例えば顧客情報データベース24aに蓄積されたデータから、自動的に又は担当者の操作により、データが抽出され、評価用データとして評価用データベース24bに記憶される。
【0026】
まず、GP処理部32は、定期的に、例えば、深夜などに、遺伝的プログラミングの手法により、顧客の様々なパラメータとその顧客がデフォルトを起こす確率との関係を示すモデルを最適化する処理を行う。この最適化処理を、図6を参照して説明する。
【0027】
まず、GP処理部32は、乱数を発生させること等により、初期世代の集団M(t)t=0を生成する(ステップS11)。この集団M(t)は、GTYPE(遺伝子型データ)とPTYPE(表現系データ)のペアからなる固体を多数含む。ここで、GTYPEは、例えば、木構造GTYPEであり、顧客のパラメータとその顧客がデフォルトを起こす確率とを導き出す関係を木構造で定義するデータである。一方、PTYPEは、デフォルトを起こす確率である。
【0028】
次に、現在の集合M(t)内の各固体(GTYPEとPTYPEの対)mについて、適合度u(m)を計算する。即ち、GTYPEで定義される関係に評価DB24bに格納されている評価データからテストデータ作成部31が生成したテストデータを適用し、得られる確率と、PTYPEとの適合度u(m)とを計算する(ステップS12)。
【0029】
次に、u(m)に比例する確率分布を用いて、適合度の高い固体(GTYPEとPTYPEの対)のうちから、個体を選び出す(ステップS13)。
【0030】
次に、選び出された個体にGAオペレータを作用させて、次の世代の集団M(t+1)を生成する(ステップS14)。具体的には、例えば、抽出した個体(GTYPEとPTYPEの対)にGcrossoverを適用して部分木の取り替えを行うことにより、適合度の高いGTYPEを適合度の小さなGTYPEに置き換える。また、各GTYPEに関し、ランダムにGinversion, Gmutationを適用して、ノードの並べ替えやノードのラベルの変更を行う。以上によって、求められた、GTYPEとPTYPEとの対を次世代の個体とし、ステップS11に戻る。
【0031】
このような処理を、終了条件が成立するまで(通常、解が得られるまで又は所定世代数繰り返すことにより)、最適化モデルを求める。
【0032】
分析サーバ3の制御部25は、例えば図7に示すような処理メニューを表示部22に表示する。そして、担当者により、処理メニューから「信用リスクの測定」が選択されると、制御部25は、上述のモデルに、顧客情報データベース24aから取得したスコアデータを当てはめて、各債権のデフォルトを算出して表示部22に表示等する。これにより、担当者は、自社が発行した各債権の信用リスクの情報を取得することができる。
【0033】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「信用格付け別リスク・リターン」が選択された場合、制御部25は、上記の処理によって、各債権について算出されたデフォルトに基づいてパーセンタイル計算を実施し、各債権の信用格付けを行う。そして、信用格付け別のリターン(平均収益率)とリスク(標準偏差)を計算し、計算結果を表示部22に表示等する。これにより、担当者は、自社が発行した債権について、信用格付け別のリスクとリターンの情報を取得することができる。
【0034】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「貸倒引当金/必要自己資本金計算」が選択された場合、制御部25は、各債権の直近貸付残高に、それぞれのデフォルトを掛けて貸倒引当金を算出する。また、信用格付毎に各債権の引当金を合算する等して信用格付毎の貸倒引当金を算出する。そして、算出した貸倒引当金と、これに基づく必要自己資本額を表示部22に表示等する。これにより、担当者は、正確な貸倒引当金と必要自己資本額を知ることができる。
【0035】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「最適ポートフォリオ計算」が選択された場合、制御部25は、まず、目標利益率の入力を受け付ける。そして、信用リスクを最小化し、かつ、入力された目標利益率を満たすような信用格付別のポートフォリオを作成して表示部22に表示等する。これにより、担当者は、目標利益を得るために最適でかつリスクの低いポートフォリオを取得することができる。なお、ポートフォリオは、例えば、各債権のデフォルトの相関性に基づいて作成される。
【0036】
このようにして、本発明によれば、個々の債権の貸倒確率を把握することにより個人向け貸出債権の信用リスクを、より正確に算出し、適正な貸倒引当金及び必要自己資本額を求めることができる。
【0037】
なお、GP処理部32によるステップS12での適合度の計算及びデフォルト確率算出部33による各顧客のデフォルト確率の算出の処理は、大量の計算を伴う。
このような計算を行うためには、所謂並列処理が有効である。
この場合には、例えば、図8に示すように複数のプロセッサを配置し、コントローラで順次処理されるべき個体mの適合度の計算や、各顧客のデフォルト確率の計算を順次割り当てるようにすればよい。
【0038】
また、プロセッサを複数設ける場合には、図6に示した遺伝的アルゴリズムによるモデルの最適化処理について、複数のプロセッサに互いに異なる初期世代の集団M(t)t=0を設定したり、モデル自体を異ならせる等して、図6の処理を実行させ、最良の成績が得られるモデルを採用するようにしてもよい。
【0039】
さらに、プロセッサを複数使用する場合において、GP処理部32やデフォルト確率算出部33に複数のプロセッサを配置することも可能であるが、例えば、深夜などにほとんど稼働していない店舗端末1のプロセッサなどを活用することも可能である。
【0040】
この場合には、制御部25は、例えば、図9に示すような管理テーブルを備え、各店舗端末1のプロセッサの処理能力を予め登録しておく。そして、各店舗端末1の稼働スケジュールを予め収集して図示せぬスケジュールファイルに格納しておく。
【0041】
制御部25は、スケジュールファイルの内容より、各店舗端末1が当日に処理すべきジョブの量(通常業務タスク)を判別し、残余の計算能力を求めて、管理テーブルに登録する。
【0042】
制御部25は、得られたプロセッサ別の余剰計算能力のリストから、最も効率的なジョブの割り当てを判別する。ネットワークを介して各店舗端末に上述の適合化計算、デフォルト確率計算などの処理を依頼する。各店舗端末1は、依頼に従って、予め予定されているタスクの処理と並行して、計算処理を行い、終了すると、処理結果を分析サーバ3の制御部25に送信する。
【0043】
制御部25は、各店舗端末1から送信された処理結果を統合して、最終的な処理を行う。
【0044】
このような構成とすれば、深夜などに空いている各店舗端末1の処理能力を有効に活用して大量の計算を実行し、短時間で、高精度の計算を行うことができる。
【0045】
なお、店舗端末1に限定されず、セキュリティを確保した上で、深夜などに空いている任意のプロセッサも利用可能であり、社外のプロセッサであっても構わない。
【0046】
また、最適モデルの決定処理と、決定された最適モデルを用いた各分析処理と、を行う主体は相違してもよく、例えば、会社Aが上記の最適モデル決定装置を用いて最適モデルの決定を行い、会社Bが上記の分析用サーバを用いて各分析処理を行ってもよい。また、最適モデルの決定処理と、決定された最適モデルを用いた各分析処理と、は継続して実行されなくてもよく、また、異なる場所(例えば、本社と支店等)で実行されてもよい。また、分析サーバ3又はモデル選択用サーバにより作成されたデフォルト期間構造確率のモデルを、各分析用サーバが有するようにしてもよく、また、分析処理を行う各分析用サーバにおいて自己のテストデータ等を用いてデフォルト期間構造確率のモデルを作成するようにしてもよい。
【0047】
なお、この発明の信用リスク管理システムは、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述の動作を実行するためのプログラムを格納した媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM等)から該当プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する店舗端末1、分析サーバ3、モデル選択用サーバ、分析用サーバ等を構成することができる。なお、上述の機能を、OSが分担又はOSとアプリケーションの共同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各債権の貸倒確率を正確に算出することができる。また、正確に算出された各債権の貸倒確率に基づいて信用格付け別にグルーピング・ランキングを行うことで、各信用格付けについて、正確な貸倒引当金等を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る信用リスク管理システムのシステム構成図である。
【図2】分析サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】顧客新規情報と顧客属性情報と顧客管理情報と口座契約情報を説明するための図である。
【図4】口座貸付情報と口座入金情報と口座損金情報を説明するための図である。
【図5】分析サーバの制御部の構成を示す図である。
【図6】遺伝的アルゴリズムによる処理の一例を示す図である。
【図7】分析サーバに表示される処理メニューの一例を示す図である。
【図8】複数のプロセッサによる並列処理を可能とする構成の一例を示す図である。
【図9】図1の店舗端末を複数のプロセッサとして使用する場合に、ジョブの割り当てなどを管理するための管理テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 店舗端末
3 分析サーバ
21 入力部
22 表示部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
31 テストデータ作成部
32 GP処理部
33 デフォルト確率算出部
34 信用格付処理部
35 貸倒引当金算出部
36 最適ポートフォリオ作成部
【発明の属する技術分野】
本発明は、貸付債権の信用リスクの算出等を行う信用リスク管理方法及び分析サーバ等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、貸出債権の貸倒確率や貸倒引当金等は、例えば、過去の実績や、回帰分析、決定木、ニューラルネットワーク、生存時間解析などを用いて計算され、その結果を基に信用リスクが決定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の計算方法では、局所解に陥る限界があり、この限界を克服することは困難であった。また、膨大な計算量により、限られたコンピュータ資源に実装することが困難であった。結果的に、各個別債権の貸し倒れ確率を正確に算出することができなかった。
【0004】
計算能力を高めるために、並列処理装置も開発されているが、全体計算能力は最高でもせいぜい分析サーバ配下のプロセッサの数に上限値が固定されてしまう。このため、信用リスク管理分析のように限られた時間内に高い分析精度を追求しなければならない計算処理においては、膨大な計算量が瞬時に発生して容易にこの上限値を突破してしまい、計算時間オーバーや分析精度劣化をもたらしていた。また、計算能力の上限をあげるために、利用者は、巨大な並列処理装置への投資を強いられていた。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、より正確な貸倒確率や貸倒引当金等を算出することができる信用リスク管理方法及び分析サーバ等を提供することを目的とする。
また、本発明は、比較的低コストで、短時間に貸倒確率や貸倒引当金等を算出することができる信用リスク管理方法及び分析サーバ等を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る信用リスク管理方法は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、分類された信用格付別に貸倒引当金を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る信用リスク管理方法は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて信用リスクのランクを算出するステップと、前記算出された各貸し倒れ確率に基づいて資本配賦を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記遺伝的アルゴリズム処理における適合度の評価処理と各債権に関する評価処理を複数のプロセッサのいずれかに割り当てて、処理を並列処理化してもよい。
【0009】
貸倒確率を求めるための分析モデルを複数のプロセッサに割り当て、プロセッサ毎に、別々の初期化を行って最も良い成績を示す分析モデルを求め、この分析モデルを用いて貸し倒れ確率を求めるようにしてもよい。
【0010】
前記複数のプロセッサとして、ネットワークを介して接続された複数のプロセッサのうちの余剰計算能力を有するプロセッサ群を使用するようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る信用リスク管理装置は、各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出する手段と、前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出する手段と、前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、分類された信用格付別に貸倒引当金を算出する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る信用リスク管理システムについて図面を参照して説明する。本実施形態に係る信用リスク管理システムの構成図を図1に示す。図示されるように、この信用リスク管理システムは、各営業店舗における店舗端末1と、各店舗端末1に接続される分析サーバ3と、を備える。
【0013】
店舗端末1は、各店舗において、担当者から各顧客への貸付に関する情報の入力を受け付け、入力されたデータを分析サーバ3に供給するための端末である。
【0014】
分析サーバ3は、例えば図2に示すように、入力部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。入力部21は、キーボード、マウス等を含み、ユーザにより入力されたデータを制御部25へ供給する。表示部22は、CRT、液晶ディスプレイ等を含み、制御部25からの指示に従って、各算出結果等を表示する。通信部23は、各店舗端末1との間の通信を制御する。
【0015】
記憶部24は、各店舗端末1から収集された債権に関するデータが蓄積される顧客情報データベース24aと、過去に蓄積された債権に関するデータから所定の規準に基づいてサンプリングされたデータが記憶される評価用データベース24bと、を備える。
各データベースに記憶されるデータは、例えば、顧客新規情報、顧客属性情報、顧客管理情報、口座契約情報、口座貸付情報、口座入金情報、口座損金情報等を含む。
【0016】
顧客新規情報は、例えば図3(A)に示すように、顧客の新規貸付時における情報(顧客コード、締日付、新規時年齢、新規貸付日、新規時他社借入額等)を含む。顧客属性情報は、例えば図3(B)に示すように、顧客の属性に関する情報(顧客コード、締日付、性別、独身・既婚、月末時年齢、職種、年収等)を含む。顧客管理情報は、例えば図3(C)に示すように、顧客の他社からの借入に関する情報(顧客コード、締日付、他社借入件数、他社借入金額等)を含む。口座契約情報は、例えば図3(D)に示すように、顧客の契約に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、商品コード、利率、貸付残高、延滞日数等)を含む。
【0017】
口座貸付情報は、例えば図4(E)に示すように、顧客の貸付に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、月中貸付金額、月中貸付回数等)を含む。口座入金情報は、例えば図4(F)に示すように、顧客の入金に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、月中入金元金、月中入金利息等)を含む。口座損金情報は、例えば図4(G)に示すように、顧客の損金に関する情報(顧客コード、締日付、契約番号、延滞日、延滞額、損金日、損金額等)を含む。
【0018】
制御部25は、図5に示すように、テストデータ作成部31と、GP処理部32と、デフォルト確率算出部33と、信用格付処理部34と、貸倒引当金算出部35と、最適ポートフォリオ作成部36と、を備える。
【0019】
テストデータ作成部31は、記憶部24におけるテスト用データベース24bから各データを読み出し、例えば顧客コードをキーとしてマージ等することにより所定のテストデータを作成する。
【0020】
GP処理部32は、評価用DB24bに格納されているデータを用いて、遺伝的プログラミング(GP:Genetic Programing)の手法を用いて、顧客の様々なパラメータと、その顧客がデフォルトを起こす確率との関係を示す最適モデルを、遺伝的アルゴリズムの手法を用いて求める。顧客の様々なパラメータとしては、例えば、他社件数、極度額、延滞日数、月末時点延滞日数、直近入金金額、月中入金利息計、新規時他社金額の対数変換値、直近貸付時残高の対数変換値等である。
【0021】
デフォルト確率算出部33は、記憶部24における顧客情報データベース24aから各データを読み出し、顧客コードをキーとしてマージ等して、GP処理部32により求められた最適モデルに適用するためのスコアデータを作成する。そして、作成したスコアデータを最適モデルに適用して、現在の各債権についてのデフォルト確率を算出する。
【0022】
信用格付処理部34は、デフォルト確率算出部33により算出されたデフォルト確率の計算結果に基づいてパーセンタイル計算を実施し、貸付債権の信用格付けを行う。
【0023】
貸倒引当金算出部35は、各債権の直近貸付残高に、デフォルト確率算出部33で求めたデフォルト確率を掛けて個々の貸倒引当金を算出する。また、信用格付処理部34により処理された信用格付毎に各債権の引当金を合算する等して信用格付毎の貸倒引当金を算出する。
【0024】
最適ポートフォリオ作成部36は、目標利益率の入力を受け付け、信用リスクを最小化し、かつ、入力された目標利益率を満たすような信用格付別のポートフォリオを作成して出力等する。このとき、最適ポートフォリオ作成部36は、例えば、各債権のデフォルトの相関性に基づいてポートフォリオを作成する。具体的には、相関が小さい債権を組み合わせることにより、平均収益率に対して最も分散が小さくなるポートフォリオを求める。
【0025】
次に、本実施形態にかかる信用リスク管理システムの動作について説明する。例えば、会社Aに設置されている分析サーバ3は、各店舗Bに設置されている店舗端末1に入力された貸付債権に関する種々のデータを所定のタイミング(例えば日毎等)で収集し、記憶部24の顧客情報データベース24aに記憶する。また、例えば顧客情報データベース24aに蓄積されたデータから、自動的に又は担当者の操作により、データが抽出され、評価用データとして評価用データベース24bに記憶される。
【0026】
まず、GP処理部32は、定期的に、例えば、深夜などに、遺伝的プログラミングの手法により、顧客の様々なパラメータとその顧客がデフォルトを起こす確率との関係を示すモデルを最適化する処理を行う。この最適化処理を、図6を参照して説明する。
【0027】
まず、GP処理部32は、乱数を発生させること等により、初期世代の集団M(t)t=0を生成する(ステップS11)。この集団M(t)は、GTYPE(遺伝子型データ)とPTYPE(表現系データ)のペアからなる固体を多数含む。ここで、GTYPEは、例えば、木構造GTYPEであり、顧客のパラメータとその顧客がデフォルトを起こす確率とを導き出す関係を木構造で定義するデータである。一方、PTYPEは、デフォルトを起こす確率である。
【0028】
次に、現在の集合M(t)内の各固体(GTYPEとPTYPEの対)mについて、適合度u(m)を計算する。即ち、GTYPEで定義される関係に評価DB24bに格納されている評価データからテストデータ作成部31が生成したテストデータを適用し、得られる確率と、PTYPEとの適合度u(m)とを計算する(ステップS12)。
【0029】
次に、u(m)に比例する確率分布を用いて、適合度の高い固体(GTYPEとPTYPEの対)のうちから、個体を選び出す(ステップS13)。
【0030】
次に、選び出された個体にGAオペレータを作用させて、次の世代の集団M(t+1)を生成する(ステップS14)。具体的には、例えば、抽出した個体(GTYPEとPTYPEの対)にGcrossoverを適用して部分木の取り替えを行うことにより、適合度の高いGTYPEを適合度の小さなGTYPEに置き換える。また、各GTYPEに関し、ランダムにGinversion, Gmutationを適用して、ノードの並べ替えやノードのラベルの変更を行う。以上によって、求められた、GTYPEとPTYPEとの対を次世代の個体とし、ステップS11に戻る。
【0031】
このような処理を、終了条件が成立するまで(通常、解が得られるまで又は所定世代数繰り返すことにより)、最適化モデルを求める。
【0032】
分析サーバ3の制御部25は、例えば図7に示すような処理メニューを表示部22に表示する。そして、担当者により、処理メニューから「信用リスクの測定」が選択されると、制御部25は、上述のモデルに、顧客情報データベース24aから取得したスコアデータを当てはめて、各債権のデフォルトを算出して表示部22に表示等する。これにより、担当者は、自社が発行した各債権の信用リスクの情報を取得することができる。
【0033】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「信用格付け別リスク・リターン」が選択された場合、制御部25は、上記の処理によって、各債権について算出されたデフォルトに基づいてパーセンタイル計算を実施し、各債権の信用格付けを行う。そして、信用格付け別のリターン(平均収益率)とリスク(標準偏差)を計算し、計算結果を表示部22に表示等する。これにより、担当者は、自社が発行した債権について、信用格付け別のリスクとリターンの情報を取得することができる。
【0034】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「貸倒引当金/必要自己資本金計算」が選択された場合、制御部25は、各債権の直近貸付残高に、それぞれのデフォルトを掛けて貸倒引当金を算出する。また、信用格付毎に各債権の引当金を合算する等して信用格付毎の貸倒引当金を算出する。そして、算出した貸倒引当金と、これに基づく必要自己資本額を表示部22に表示等する。これにより、担当者は、正確な貸倒引当金と必要自己資本額を知ることができる。
【0035】
次に、例えば図7に示す処理メニューから「最適ポートフォリオ計算」が選択された場合、制御部25は、まず、目標利益率の入力を受け付ける。そして、信用リスクを最小化し、かつ、入力された目標利益率を満たすような信用格付別のポートフォリオを作成して表示部22に表示等する。これにより、担当者は、目標利益を得るために最適でかつリスクの低いポートフォリオを取得することができる。なお、ポートフォリオは、例えば、各債権のデフォルトの相関性に基づいて作成される。
【0036】
このようにして、本発明によれば、個々の債権の貸倒確率を把握することにより個人向け貸出債権の信用リスクを、より正確に算出し、適正な貸倒引当金及び必要自己資本額を求めることができる。
【0037】
なお、GP処理部32によるステップS12での適合度の計算及びデフォルト確率算出部33による各顧客のデフォルト確率の算出の処理は、大量の計算を伴う。
このような計算を行うためには、所謂並列処理が有効である。
この場合には、例えば、図8に示すように複数のプロセッサを配置し、コントローラで順次処理されるべき個体mの適合度の計算や、各顧客のデフォルト確率の計算を順次割り当てるようにすればよい。
【0038】
また、プロセッサを複数設ける場合には、図6に示した遺伝的アルゴリズムによるモデルの最適化処理について、複数のプロセッサに互いに異なる初期世代の集団M(t)t=0を設定したり、モデル自体を異ならせる等して、図6の処理を実行させ、最良の成績が得られるモデルを採用するようにしてもよい。
【0039】
さらに、プロセッサを複数使用する場合において、GP処理部32やデフォルト確率算出部33に複数のプロセッサを配置することも可能であるが、例えば、深夜などにほとんど稼働していない店舗端末1のプロセッサなどを活用することも可能である。
【0040】
この場合には、制御部25は、例えば、図9に示すような管理テーブルを備え、各店舗端末1のプロセッサの処理能力を予め登録しておく。そして、各店舗端末1の稼働スケジュールを予め収集して図示せぬスケジュールファイルに格納しておく。
【0041】
制御部25は、スケジュールファイルの内容より、各店舗端末1が当日に処理すべきジョブの量(通常業務タスク)を判別し、残余の計算能力を求めて、管理テーブルに登録する。
【0042】
制御部25は、得られたプロセッサ別の余剰計算能力のリストから、最も効率的なジョブの割り当てを判別する。ネットワークを介して各店舗端末に上述の適合化計算、デフォルト確率計算などの処理を依頼する。各店舗端末1は、依頼に従って、予め予定されているタスクの処理と並行して、計算処理を行い、終了すると、処理結果を分析サーバ3の制御部25に送信する。
【0043】
制御部25は、各店舗端末1から送信された処理結果を統合して、最終的な処理を行う。
【0044】
このような構成とすれば、深夜などに空いている各店舗端末1の処理能力を有効に活用して大量の計算を実行し、短時間で、高精度の計算を行うことができる。
【0045】
なお、店舗端末1に限定されず、セキュリティを確保した上で、深夜などに空いている任意のプロセッサも利用可能であり、社外のプロセッサであっても構わない。
【0046】
また、最適モデルの決定処理と、決定された最適モデルを用いた各分析処理と、を行う主体は相違してもよく、例えば、会社Aが上記の最適モデル決定装置を用いて最適モデルの決定を行い、会社Bが上記の分析用サーバを用いて各分析処理を行ってもよい。また、最適モデルの決定処理と、決定された最適モデルを用いた各分析処理と、は継続して実行されなくてもよく、また、異なる場所(例えば、本社と支店等)で実行されてもよい。また、分析サーバ3又はモデル選択用サーバにより作成されたデフォルト期間構造確率のモデルを、各分析用サーバが有するようにしてもよく、また、分析処理を行う各分析用サーバにおいて自己のテストデータ等を用いてデフォルト期間構造確率のモデルを作成するようにしてもよい。
【0047】
なお、この発明の信用リスク管理システムは、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述の動作を実行するためのプログラムを格納した媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM等)から該当プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する店舗端末1、分析サーバ3、モデル選択用サーバ、分析用サーバ等を構成することができる。なお、上述の機能を、OSが分担又はOSとアプリケーションの共同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各債権の貸倒確率を正確に算出することができる。また、正確に算出された各債権の貸倒確率に基づいて信用格付け別にグルーピング・ランキングを行うことで、各信用格付けについて、正確な貸倒引当金等を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る信用リスク管理システムのシステム構成図である。
【図2】分析サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】顧客新規情報と顧客属性情報と顧客管理情報と口座契約情報を説明するための図である。
【図4】口座貸付情報と口座入金情報と口座損金情報を説明するための図である。
【図5】分析サーバの制御部の構成を示す図である。
【図6】遺伝的アルゴリズムによる処理の一例を示す図である。
【図7】分析サーバに表示される処理メニューの一例を示す図である。
【図8】複数のプロセッサによる並列処理を可能とする構成の一例を示す図である。
【図9】図1の店舗端末を複数のプロセッサとして使用する場合に、ジョブの割り当てなどを管理するための管理テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 店舗端末
3 分析サーバ
21 入力部
22 表示部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
31 テストデータ作成部
32 GP処理部
33 デフォルト確率算出部
34 信用格付処理部
35 貸倒引当金算出部
36 最適ポートフォリオ作成部
Claims (6)
- 債権の信用リスクに関する処理を行うための信用リスク管理方法であって、
各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、
前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出するステップと、
前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、
分類された信用格付別に貸倒引当金を算出するステップと、を備えることを特徴とする信用リスク管理方法。 - 債権の信用リスクに関する処理を行うための信用リスク管理方法であって、
各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出するステップと、
前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて信用リスクのランクを算出するステップと、
前記算出された各貸し倒れ確率に基づいて資本配賦を算出するステップと、
を備えることを特徴とする信用リスク管理方法。 - 前記遺伝的アルゴリズム処理における各適合度の評価処理を複数のプロセッサのいずれかに割り当てて、適合度の評価処理を並列処理し、また、
各債権に関する評価処理を、複数のプロセッサのいずれかに割り当てて、債権の評価処理を並列処理する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の信用リスク管理方法。 - 前記貸倒確率算出ステップは、貸倒確率を求めるための分析モデルを複数のプロセッサに割り当て、プロセッサ毎に、別々の初期化を行って最も良い成績を示す分析モデルを求め、この分析モデルを用いて貸倒確率を算出する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の信用リスク管理方法。
- 前記複数のプロセッサとして、ネットワークを介して接続された複数のプロセッサのうちの余剰計算能力を有するプロセッサ群を使用するステップと、
を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の信用リスク管理方法。 - 債権の信用リスクに関する処理を行うための信用リスク管理装置であって、
各債権の貸倒確率を遺伝的アルゴリズムの手法を採用して算出する手段と、
前記算出された各債権の貸倒確率に貸付残高を掛け合わせることにより各債権の貸倒引当金を算出する手段と、
前記算出された各債権の貸倒確率に基づいて、各債権を信用格付別に分類し、分類された信用格付別に貸倒引当金を算出する手段と、を備えることを特徴とする信用リスク管理装置。
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