JP2004094641A - 避難形態決定システム - Google Patents
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
- Y02A10/40—Controlling or monitoring, e.g. of flood or hurricane; Forecasting, e.g. risk assessment or mapping
Abstract
【課題】災害の形態の予測と、予測される形態(進展形態も含む)とに応じて最適な避難形態の決定とを可能とする装置を提供する。
【解決手段】避難形態決定システム100Aは、災害形態21、22、22Bを予測する災害形態予測部15と、前記災害形態予測部15が予測する前記災害形態21、22、22Bに基づいて、記憶部が記憶する前記複数の災害形態21、22、22Bのいずれかを選定し、前記選定された災害形態21、22、22Bに対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態21、22、22Bに対応する前記複数の避難形態22A、23、25のいずれかを選定することで、前記避難形態22A、23、25を決定する避難形態決定部16とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】避難形態決定システム100Aは、災害形態21、22、22Bを予測する災害形態予測部15と、前記災害形態予測部15が予測する前記災害形態21、22、22Bに基づいて、記憶部が記憶する前記複数の災害形態21、22、22Bのいずれかを選定し、前記選定された災害形態21、22、22Bに対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態21、22、22Bに対応する前記複数の避難形態22A、23、25のいずれかを選定することで、前記避難形態22A、23、25を決定する避難形態決定部16とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、避難形態選定装置に関し、特に、災害発生時において適切な避難の形態を選定し、指示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自然災害(台風、及びそれに伴う高潮・洪水等)の発生と、その災害の発生時刻、規模、発生場所の各々を含む災害形態とを、予測された気象データを用いて予測するシステム(以下、従来の技術において、「自然災害発生予測システム」と記す)が用いられている。また、ある領域において自然災害が発生したときに、その領域に所在する者を最適な形態で避難させる形態について推測するためのシステム(以下、従来の技術において、「最適避難形態推測システム」と記す)も用いられている。最適避難形態推測システムでは、災害形態と避難経路とについて種々の仮定を行い、その仮定に基づいて避難に要する時間が推測される。これにより、最短の時間で避難が可能な避難経路の決定が可能となる。
【0003】
一方、人災(大規模都市火災等)の発生は、自然災害のそれとは異なり、気象データを用いて予測することは困難である。しかしながら、例えば、火災はそれが発生したときの気象状況(風速等)、及び火災発生場所周辺の建物の密集度等により、その規模(延焼の程度)は大きく影響を受ける。従って、従来、気象条件や建物の密集度等による火災の規模への影響を予測するシステム(以下、「火災延焼予測システム」と記す)が考案されている。
【0004】
自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とするシステム(又は装置)の提供が望まれる。
【0005】
人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態(規模)の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とするシステム(又は装置)の提供が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とする装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とする装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧付で用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明の避難形態決定システム(100A)は、災害形態(21、22、22B)と、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを対応付けて記憶する記憶部(5T)を具備している。前記記憶部(5T)が記憶する前記災害形態(21、22、22B)は、複数である。また、本発明の避難形態決定システム(100A)は、前記災害形態(21、22、22B)を予測する災害形態予測部(15)と、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記記憶部(5T)が記憶する前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記各々の優先度(26)に基づいて、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記複数の避難形態(22A、23、25)のいずれかを選定することで、前記避難形態(22A、23、25)を決定する避難形態決定部(16)とを具備する。
【0010】
本発明の避難形態決定システム(100B)は、災害の形態(21、22、22B)を予測する災害形態予測部(15)と、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを導出し、前記導出された各々の優先度(26)に基づいて前記避難形態(22A、23、25)を決定する避難形態決定部(16´)とを具備する。
【0011】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記災害は、特定領域(a)において発生する。本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)は、前記特定領域(a)内の気象状況(b)を予測する気象状況予測部(14)を更に具備する。前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害形態(21、22、22B)を予測する。
【0012】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)は、前記災害の状況(21´、22´、22B´)を検出する災害状況検出部(14A)を更に具備する。前記災害形態予測部(15)は、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)と、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)とに基づいて前記災害形態(21、22、22B)を予測する。前記避難形態決定部(16´)は、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害形態(21、22、22B)、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)、及び前記各々の優先度(26)に基づいて、前記いずれかの災害形態(21、22、22B)を選定する。
【0013】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記複数の災害形態(21、22、22B)の各々は、前記災害の発生時刻(21)と前記災害規模(22)、前記災害の発生領域(22B)とを示す。前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害発生時刻(21)、前記災害規模(22)、前記災害発生領域(22B)の各々を予測する。前記避難形態決定部(16´)は、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害発生時刻(21)、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害規模(22)、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害発生領域(22B)の各々に基づいて、前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定する。
【0014】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)と、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)とに基づいて、前記災害発生時刻(21)と前記災害規模(22)とを予測する。
【0015】
本発明の避難形態決定システム(100C)は、災害の形態(40、40A、40B)と、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを対応付けて記憶する記憶部(6T)を具備している。前記記憶部(6T)が記憶する前記災害形態(40、40A、40B)は、複数であり、前記複数の災害形態(40、40A、40B)の各々は、前記災害の発生形態(40、40A)と、前記災害の規模(40B)とを示している。本発明の避難形態決定システム(100C)は、前記災害発生形態(40、40A)を検出する災害発生形態検出部(30)と、前記災害規模(40B)を予測する災害規模予測部(31)と、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とに基づいて、前記記憶部(6T)が記憶する前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記各々の優先度(39)に基づいて、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記複数の避難形態(41A、36、38)のいずれかを選定することで、前記避難形態(41A、36、38)を決定する避難形態決定部(32)とを具備する。
【0016】
本発明の避難形態決定システム(100D)は、災害の発生形態(40、40A)を検出する災害発生形態検出部(30)と、前記災害の規模(40B)を予測する災害規模予測部(31)とを具備する。また、本発明の避難形態決定システム(100D)は、前記災害発生検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とを示す災害形態(40、40A、40B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを導出し、前記導出された各々の優先度(39)に基づいて前記避難形態(41A、36、38)を決定する避難形態決定部(32´)を具備する。
【0017】
本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)において、前記災害は、特定領域(a)において発生する。本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)は、前記特定領域(a)内の気象状況(b)を予測する気象状況予測部(14)を更に具備する。前記災害規模予測部(31)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害規模(40B)を予測する。
【0018】
本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)において、前記災害発生形態(40、40A)は、前記災害の発生時刻(40)と前記災害の発生地点(40A)とを示している。前記災害規模予測部(31)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生時刻(40)、及び前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生地点(40A)の各々に基づいて前記災害規模(40B)を予測する。前記避難形態決定部(32、又は32´)は、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生時刻(40)、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生地点(40A)、前記災害形態予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)の各々に基づいて、前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定する。
【0019】
本発明の避難形態決定システム(100A、100B、100C、100Dのいずれか)において、前記特定領域(a)は、前記災害からの複数の避難地点(23、又は36)と複数の道路(44A〜44H)とを備えている。前記避難は、前記複数の道路(44A〜44H)のいずれかを通行して前記複数の避難地点(23、又は36)のいずれかに向かうことで行われる。前記避難形態((22A、23、25)、又は(41A、36、38))は、前記いずれかの避難地点(23、又は36)と、前記いずれかの避難地点(23、又は36)への前記避難の時刻(22A、又は41A)とを示している。前記避難時刻(22A、又は41A)は、複数である。前記各々の優先度(26、又は39)は、前記特定領域(a)内の所在者が前記いずれかの避難地点(23、又は36)への前記避難に要する所要時間(26、又は39)であり、前記所要時間(26、又は39)は、前記特定領域(a)の人口密度(25a〜25c)と、前記いずれかの道路の混雑状況(25e〜25g)とに基づいて決定される。前記避難形態決定部(16、16´、32、32´)は、前記決定される所要時間(26、又は39)の各々に基づいて、前記いずれかの避難地点(23、又は36)と前記複数の避難時刻(22A、又は41A)のいずれかとを選定する。
【0020】
本発明の避難形態決定システム(100A、100B、100C、100Dのいずれか)は、前記特定領域(a)に所在する者に対し、前記災害発生時刻(22、又は40)、前記災害規模(21、又は40B)、前記避難形態決定部(16、16´、32、32´のいずれか)が選定した前記いずれかの避難地点(23、又は36)、前記避難形態決定部(16、16´、32、32´)が選定した前記いずれかの避難時刻(22A、又は41A)の各々を表示することで通知する表示部(17)を更に具備する。
【0021】
本発明の避難形態決定方法(10a)は、記憶部(5T)、災害形態予測部(15)、及び避難形態決定部(16)の各々を具備するコンピュータ(10A)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10a)において、前記記憶部(5T)は、災害形態(21、22、22B)と、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを対応付けて記憶する。前記記憶部(5T)が記憶する前記災害形態(21、22、22B)は、複数である。本発明の避難形態決定方法(10a)は、前記災害形態予測部(15)が、前記災害形態(21、22、22B)を予測するステップ(S1c)と、前記避難形態決定部(16)が、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記記憶部(5T)が記憶する前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記各々の優先度(26)に基づいて、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記複数の避難形態(22A、23、25)のいずれかを選定することで、前記避難形態(22A、23、25)を決定するステップ(S1d)とを具備する。
【0022】
本発明の避難形態決定方法(10b)は、災害形態予測部(15)、及び避難形態決定部(16´)の各々を具備するコンピュータ(10B)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10b)は、前記災害形態予測部(15)が、災害の形態(21、22、22B)を予測するステップ(S2c)と、前記避難形態決定部(16´)が、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを導出し、前記導出された各々の優先度(26)に基づいて前記避難形態(22A、23、25)を決定するステップ(S2d)とを具備する。
【0023】
本発明の避難形態決定方法(10c)は、記憶部(6T)、災害発生形態検出部(30)、災害規模予測部(31)、避難形態決定部(32)の各々を具備するコンピュータ(10C)により実行される。前記記憶部(6T)は、災害の形態(40、40A、40B)と、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを対応付けて記憶している。前記記憶部(6T)が記憶する前記災害形態は(40、40A、40B)、複数であり、前記複数の災害形態(40、40A、40B)の各々は、前記災害の発生形態(40、40A)と、前記災害の規模(40B)とを示している。本発明の避難形態決定方法(10c)は、前記災害発生形態検出部(30)が、前記災害発生形態(40、40A)を検出するステップ(S3c)と、前記災害規模予測部(31)が、前記災害規模(40B)を予測するステップ(S3d)とを具備する。また、本発明の避難形態決定方法(10c)は、前記避難形態決定部(32)が、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とに基づいて、前記記憶部(6T)が記憶する前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記各々の優先度(39)に基づいて、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記複数の避難形態(41A、36、38)のいずれかを選定することで、前記避難形態(41A、36、38)を決定するステップ(S3e)を具備する。
【0024】
本発明の避難形態決定方法(10d)は、災害発生形態検出部(30)、災害規模予測部(31)、避難形態決定部(32´)の各々を具備するコンピュータ(10D)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10d)は、前記災害発生形態検出部(30)が、災害の発生形態(40、40A)を検出するステップ(S4c)と、前記災害規模予測部(31)が、前記災害の規模(40B)を予測するステップ(S4d)とを具備する。また、本発明の避難形態決定方法(10d)は、前記避難形態決定部(32´)が、前記災害発生検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とを示す災害形態(40、40A、40B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを導出し、前記導出された各々の優先度(39)に基づいて前記避難形態(41A、36、38)を決定するステップ(S4e)を具備する。
【0025】
本発明の避難形態決定プログラム(10AA、10BB、10CC、10DDのいずれか)は、上記の避難形態決定方法(10a、10b、10c、10dのいずれか)をコンピュータ(10A、10B、10C、10Dのいずれか)に実行させる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
添付図面を参照して、本発明の避難形態決定システムの実施の形態について説明する。実施の形態1に係る避難形態決定システム100Aは、避難形態決定装置10A、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々を具備している。避難形態決定装置10Aは、入力装置12、気象状況予測部14、高潮・洪水状況監視部14A、高潮・洪水予測部15、避難形態選定部16、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備している。避難形態選定装置10A、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々は、インターネット20により接続されている。但し、避難形態決定装置10Aは、必ずしも高潮・洪水状況監視部14Aを具備している必要は無い。
【0027】
図1の避難形態決定装置10Aは、自然災害として、主に台風・大雨の発生に伴う高潮・洪水を想定しているが、この形態には限らない。例えば、自然災害として地震、火山噴火が想定されてもよく、このときには、「高潮・洪水予測部15」は各々、「地震予測部15」、「火山噴火予測部15」に読み替えられる。
【0028】
気象情報Webサーバ11は、図2に示すホームページ1HPを公開している。ホームページ1HPには、領域別気象状況表示データ1D、気象状況図示データ2Dの各々が示されている。領域別気象状況表示データ1Dは、領域Aと、気象状況Bの各々の情報を対応付けて示している。領域Aは、放送局から発表される気象情報において用いられる地域区分を示しており、「東北地方」、「関東地方」のように、局所的ではなく比較的広範囲の地域を示している。また、領域Aは必ずしも陸地には限定されず、一部又は全部が海上であってもよい。気象状況Bは、気象情報として発表される天気、気温、湿度、風速、大気圧等の情報を示している。
【0029】
気象情報Webサーバ11は、領域別気象状況表示データ1Dに示されるいずれかの領域A(領域A1〜A5のうちの少なくとも1つ)に対応する気象状況Bと、気象状況図示データ2Dとを、気象状況予測部14に常時(又は、短い時間間隔で)送信する。
【0030】
入力装置12には、避難形態決定装置10Aの操作者(以下、単に「操作者」と記す)による操作により、次のデータが入力される(以下、入力されるデータを総称して「入力データ」と記す。入力データは、テーブルとして入力されるデータも含む)。入力データには、図3に示される地形情報格納テーブル1T、図4に示されるノード・リンク表示データ5D、図5に示されるノード標高情報格納テーブル2T、図6に示されるリンク情報格納テーブル3T、図7に示される小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tの各々が含まれる。
【0031】
地形情報格納テーブル1Tは、入力装置12から気象状況予測部14に出力される。ノード標高情報格納テーブル2T、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、ノード・リンク表示データ5Dは、入力装置12から避難形態選定部16に出力される。
【0032】
気象状況予測部14は、入力装置12から入力した地形情報格納テーブル1Tと、小領域a内の気象状況の予測に用いられる種々の気象状況予測式(図示せず)とを記憶している。
【0033】
地形情報格納テーブル1Tは、図3の(a)と(b)の各々によって示される小領域a(小領域A1a〜小領域A4a)と、地形情報CCの各々の情報を格納している。小領域aは、領域Aと比較して相対的に狭い領域を示している(陸地、海上、及びそれらの両者を含むときのいずれに対しても共通)。小領域aは、領域Aとは異なり、必ずしも地方名、県名等で示される地域区分(上記の気象情報においては、このような地域区分が用いられることが多い)であるとは限らず、数十km四方程度又は数km四方程度に区分された領域を示している。地形情報CCは、陸地に対しては標高、陸・海割合等の形状の情報が示されており、海上に対しては水深等の情報が示されている。気象状況の予測にあたって小領域aの地形情報CCを用いることにより、局所的な気象状況の予測が可能である。
【0034】
地形情報CCの他に、例えば陸地に対しては地面の植生、地質等の情報、海上に対しては海水温の情報(寒流、暖流のいずれが流れているか)等が示されることにより、上述の局所的な気象状況を更に精度を高く予測することが可能となる。
【0035】
気象状況予測部14は、気象状況Webサーバ11から入力した気象状況B、入力装置12から入力した地形情報CC、及び上述の予測式を用いて図8に示す小領域内気象状況データ3Dを生成して高潮・洪水予測部15に常時(又は、短い時間間隔で)出力する。小領域内気象状況データ3Dには、小領域a、小領域内気象状況bの各々が示されている。常時(又は、短い時間間隔で)出力される小領域内気象状況データ3Dは、高潮・洪水予測部15において高潮(又は洪水)形態21、22、22Bの予測に用いられ、これによって、リアルタイムでの高潮形態21、22、22Bの予測が可能となる。
【0036】
高潮・洪水状況監視部14Aは、各々の小領域a内における海岸・河川の周辺等に複数台設置され、堤防の状況(決壊の有無等)、高潮規模21、高潮発生時刻22、高潮発生領域22B、水位・潮位等を監視して検出するための監視カメラ、センサ等で構成される。高潮・洪水状況監視部14Aは、高潮状況21´、22´、22B´を監視して検出し、監視・検出の結果(以下、「高潮状況監視・検出データ3D´」と記す)を避難形態選定部16に出力する。高潮状況21´、22´、22B´には、高潮規模21´、高潮発生時刻22´、高潮発生領域22B´が含まれる。高潮規模21´は高潮規模21に対応し、高潮発生時刻22´は高潮発生時刻22に対応し、高潮発生領域22B´は高潮発生領域22Bに対応している。即ち、高潮規模21´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の規模を示し、高潮発生時刻22´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の発生時刻を示し、高潮発生領域22B´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の発生領域を示している。
【0037】
高潮・洪水予測部15は、高潮形態(高潮災害の形態)21、22、22Bを予測するための種々の高潮形態予測式(図示せず)を記憶している。高潮・洪水予測部15は、高潮形態予測式と、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて高潮形態21、22、22Bを予測し、予測された高潮形態21、22、22Bに基づいて小領域別高潮規模推定データ4D(図9に示す)を生成して避難形態選定部16に出力する。高潮形態21、22、22Bは、各々の小領域a内で発生すると予測される高潮の高潮規模21と、その高潮が発生したと予測される高潮発生時刻22、高潮が発生すると予測される高潮発生領域22Bの各々が含まれる。図9の例では、各々の小領域a(A1a〜A1d)に対応して高潮規模21が示されている。また、図9においては高潮発生時刻22(0:00)と高潮発生領域22B(A1a〜A1d)とが付記されている(各々の小領域aの地形等によって海岸に打ち寄せる高潮の規模は異なることが考えられるため、高潮規模21は小領域a毎に区分して示されている)。
【0038】
図9に示す小領域別高潮形態推定データ4Dに記載される数値は一例であり、これらの例には限らない。また、本発明の実施の形態においては、台風・大雨によって誘発される高潮、洪水のうちの高潮を例に挙げ、高潮形態21、22、22Bが予測されるものとしているが、洪水のときでも同様である。洪水のときには、「高潮形態21、22、22B」は「洪水形態21、22、22B」、「高潮状況21´、22´、22B´」は「洪水状況21´、22´、22B´」、「小領域別高潮規模推定データ4D」は「小領域別洪水規模推定データ4D」、「高潮規模21」は「洪水規模(小領域a内の床上・床下浸水の割合等が示される)21」に各々読み替えられる。更に、「高潮発生時刻22」は「洪水発生時刻22」、「高潮発生領域22B」は「洪水発生領域22B」に各々読み替えられる。但し、高潮・洪水予測部15が高潮形態21、22、22Bと洪水形態21、22、22Bの両者を予測し、高潮・洪水状況監視部14Aが高潮状況21´、22´、22B´と洪水状況21´、22´、22Bの両者を監視・検出する形態とすることも可能である。
【0039】
避難形態選定部16は、入力装置12から入力した入力データの各々を記憶すると共に、入力データを基に高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T(図10を用いて後述)を生成して記憶する。「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」は、「洪水発生時避難・誘導情報テーブル5T」に読み替えることが可能である。但し、「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」と「洪水発生時避難・誘導情報テーブル5T」が共に生成され、記憶される形態であってもよい。
【0040】
ノード・リンク表示データ5D(図4)は、小領域aを座標平面(但し、0≦x≦3、0≦y≦3の範囲内)で示している。図4において示される44A〜44Hは、小領域a内において設置され、交差点(以下、「ノード」と記す)45M〜45Zによって分断・区分される道路(以下、「リンク」と記す)を示している。44A〜44Hは、44A、44B、44C、44D、44E、44F、44G、44Hであり、45M〜45Zは、45M、45N、45O、45P、45Q、45R、45S、45T、45U、45V、45W、45X、45Y、45Zである。小領域aは、41A〜41C地区(41B、41Cについては後述)に区分され、座標平面上において、例えば、41A地区は(0≦x≦1、0≦y≦3)、41B地区は(1≦x≦2、0≦y≦3)、41C地区は(2≦x≦3、0≦y≦3)に区分される。41A地区には、ノード45M〜45Sと、リンク44A〜44Hとが含まれる。以下の説明においては、41A地区に所在する者が高潮等の自然災害から避難する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
ノード標高情報格納テーブル2T(図5)は、ノード45M〜45Sと、各々のノード45M〜45Sの標高46とを示している。リンク情報格納テーブル3T(図6に示す)は、41A地区内のリンク44(44A〜44H)と、各々のリンク44(44A〜44H)のリンク状況45を格納している。リンク状況45は、リンク44に対応する道路の道幅(5〜15m)、長さ(500〜1000m)、及び両端ノードの各々を示している。小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T(図7に示す)は、41A地区が更に細かく区分された小地区41Aa〜41Acと、各々の小地区41Aa〜41Acの人口密度25a〜25cと、人口密度25a〜25cに対応して予測される、小地区41Aa〜41Ac内のリンク44A〜44Hの自動車通行量25e〜25gとを示す情報を格納している。ここでは、小地区41Aaは座標平面上の(0≦x≦1、0≦y≦1)、小地域41Abは(0≦x≦1、1≦y≦2)、小地域41Acは(0≦x≦1、2≦y≦3)であるものとする。
【0042】
高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T(図10)は、ケース番号22、避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26の各々を示す情報を格納している。高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tは、高潮形態21、22、22B、及び避難指定時刻22A毎に、入力データを用いて各々別個のものが避難形態選定部16によって生成され、記憶される(図10において鉛直方向に示されている点線は、同様の形式で多数の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tが生成されることを示している)。例えば、図10において避難指定時刻22Aは1:00、高潮形態21、22、22Bは「高潮規模21=10m、高潮発生時刻22=0:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1d」となっている。しかしながら、この形態のみではなく、避難指定時刻22Aは18:00、高潮形態21、22、22Bが「高潮規模21=5m、高潮発生時刻22=18:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1d」の形態に対応する高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tも同様にして生成され、記憶される。
【0043】
避難地点23の情報は、入力装置12から入力されたノード標高情報格納テーブル2Tと、災害形態(高潮形態21、22、22B)とを基にして生成される。この生成にあたっては災害形態として、高潮形態21、22、22Bが入力されていることから、ノード標高情報格納テーブル2Tに示されるノード45M〜45Sのうち、標高46が高い順にノード45M(50m)、ノード45N(40m)が避難地点23として選定される。避難人数24の情報は、入力装置11から入力された小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、上記の選定された避難地点23の各々を基にして生成される。
【0044】
避難経路25は、入力装置12から入力されたノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして決定されたものであり、決定された避難経路25と小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとから推測されたその避難経路25の利用率が共に示されている。例えばケース番号22が(1)のときを例に挙げると、ノード45Mへ500人が避難するときに通行される経路を示している。避難経路25は、例えば、Cが45O→45N→45M、Dが45Q→45R→45N→45Mであり、Cに対応する避難経路25を経由して避難する者が500人のうちの30%(150人)であり、Dに対応する避難経路25を経由して避難する者が500人のうちの70%(350人)であることを示している。
【0045】
所要時間26は、41A地区内に所在する者が全て高潮からの避難を完了するのに要する時間を示しており、生成された避難地点23、避難人数24、避難経路25の各々の情報を基にして予測されたものである。例えば、ケース番号22が(1)のものを例に挙げると、500人のうち自家用車を利用して避難する250人が15分で避難を完了し、自家用車を利用しないで避難する250人が45分で避難を完了することが示されている。
【0046】
避難形態選定部16は、高潮・洪水予測部15から高潮形態(小領域別高潮規模推定データ4Dに示される)21、22、22Bを入力すると、入力した高潮形態21、22、22Bと、各々の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。この照合は、高潮規模21、高潮発生時刻22、高潮発生領域22Bの各々に対して行われる。照合の結果と現在時刻(避難形態選定部16により常時計測されている)とに基づいて、避難形態選定部16は、いずれかの高潮形態21、22、22B、及び避難指定時刻22Aを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮形態21、22、22Bと、避難指定時刻22Aに対応する高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される所要時間26とを参照して、最も所要時間26の短いものに対応する避難地点23、避難経路25の各々を選定する。更に、避難形態選定部16は、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して、最適な避難形態22A、23、25(避難経路25を通行して避難指定時刻22A迄に避難地点23に向かう)を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0047】
又は、避難形態選定部16は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bと、現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから、最も所要時間26の短いものに対
応する避難形態22A、23、25を選定する。(以下の処理は
【0046】と同様)
【0048】
一方、照合の結果、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しないときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bのうち、緊急度の高い方の情報を選定し、その選定結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。その上で、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから避難形態22A、23、25を選定する。例えば、高潮状況21´、22´、22B´、高潮形態21、22、22Bが次の(A)〜(C)であったときを例に挙げて説明する。(A)[高潮規模21´、高潮規模21]=[10m、8m]、(B)[高潮発生時刻22´、高潮発生時刻22]=[22:00、22:05]、(C)[高潮発生領域22B´、高潮発生領域22B]=[A1a、A1a〜A1d]
【0049】
このとき、避難形態選定部16は、高潮規模21、21´は相対的に高い値、高潮発生時刻22、22´はより以前の方の値(以前の方が高潮の海岸等への襲来が迫っているものと考えられるため)、高潮発生領域22B、22B´はより広い領域についてを緊急度の高い情報として選定する。即ち、避難形態選定部16は、高潮規模21´=10m、高潮発生時刻22´=22:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1dを選定し、その選定の結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。高潮・洪水状況監視部14Aは、上記のように必ずしも避難形態選定装置10Aに具備される必要は無いが、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとを互いに照合することで、より適切な避難形態22A、23、25の選定が可能となる。尚、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しなかったときの緊急度の高い情報に対する上記の選定形態は一例であり、これには限らない。
【0050】
選定される高潮形態21、22、22Bは、必ずしも高潮・洪水予測部15か
ら入力した高潮形態21、22、22B、又は上記の
【0049】における照合の結果、選定されたものである必要は無い。例えば、高潮発生時刻22に数分程度の時間の差異があっても構わない。このときには、避難形態選定部16によってその時間の差異が参照され、参照された結果を基にして値の補正が行われる。例えば、図10においては高潮発生時刻22=0:00、避難指定時刻22A=1:00となっているが、入力される高潮形態21、22、22Bで高潮発生時刻22=0:05と示されるときには、避難指定時刻22A=1:05と補正され、その補正された値が表示装置17に出力され、また、端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信される。
【0051】
表示装置17は、避難形態選定部16から入力した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部16から受信した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25を記憶し、ホームぺージ(図示せず)に公開する。この公開により、端末19を介して高潮形態21、22、22B、及びその災害からの最適な避難形態22A、23、25を取得することが可能となる。外部記憶装置17Aには、図11を用いて後述する避難形態決定方法10aを避難形態決定装置10Aに実行させるための避難形態決定プログラム10AAを記憶した記憶媒体が挿入される。但し、ステップS1aの処理と、及びステップS1eにおいて、端末19、災害・避難勧告情報Webサーバ18の各々が、入力した高潮形態21、22、22B、及び避難形態22A、23、25を表示する処理とは、避難形態決定プログラム10AAに含まれない。
【0052】
次に、図11を参照して、本発明の避難形態決定システム100Aの実施の形態1を用いた避難形態決定方法10aについて説明する。
【0053】
入力装置12に、操作者による操作に基づいて、入力データの入力が行われ、入力された入力データが避難形態選定部16に出力される(但し、地形情報格納テーブル1Tは、気象情報予測部14に出力される)。避難形態選定部16は、入力装置12から出力された入力データの各々(地形情報格納テーブル1Tは除く)を入力して記憶すると共に、入力データを基に高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを生成して記憶する(ステップS1a)。
【0054】
気象状況予測部14は、気象状況Webサーバ11から入力した気象状況B、入力装置12から入力した地形情報CCの各々と、気象状況予測式とを用いて小領域内気象状況データ3Dを生成して高潮・洪水予測部15に出力する(ステップS1b)。高潮・洪水予測部15は、高潮形態予測式と、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて高潮形態21、22、22Bを予測し、予測された高潮形態21、22、22Bに基づいて小領域別高潮規模推定データ4Dを生成して避難形態選定部16に出力する(ステップS1c)。高潮・洪水状況監視部14Aは、高潮状況21´、22´、22B´を監視して検出し、検出の結果に基づく高潮状況監視・検出データ3D´を避難形態選定部16に出力する(ステップS1bc)。ステップS1bcの処理は、避難形態決定装置10Aに高潮・洪水状況監視部14Aが具備されるときに、ステップS1b、ステップS1cの処理と平行して行われる。
【0055】
避難形態選定部16は、高潮・洪水予測部15から高潮形態21、22、22Bを入力すると、入力した高潮形態21、22、22Bと、各々の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果と現在時刻とに基づいて、避難形態決定部16は、いずれかの高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態決定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される所要時間26を参照して、最も所要時間26の短いものに対応する避難地点23、避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS1d)。表示装置17は、避難形態選定部16から入力した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部16から受信した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25を記憶し、ホームぺージに公開する(ステップS1e)。
【0056】
尚、避難形態決定装置10Aが高潮・洪水状況監視部14Aを具備するときには、ステップS1dにおいて以下の
【0057】に述べる処理が行われる。
【0057】
避難形態選定部16は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮形態推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bと現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから所要時間26に基づいて避難形態23、25を選定する。一方、照合の結果、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しないときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bのうち、緊急度の高い方の情報を選定し、その選定結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。その上で、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから避難地点23、避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る避難形態決定システム100Bを図12に示す。避難形態決定システム100Bは、上記の避難形態決定装置10B、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々を具備している。避難形態決定装置10Bは、入力装置12、気象状況予測部14、高潮・洪水状況監視部14A、高潮・洪水予測部15、避難形態決定部16´、リンク(道路)状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16B、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備している。避難形態決定装置10B、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々は、インターネット20により接続されている。図12に示される構成要素のうち、リンク状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16B、避難形態決定部16´以外のハード資源(図1と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0059】
人口密度状況入力装置16Bは、次の(Aa)、(Ab)のいずれかである。(Aa)各々のリンク44A〜44Hの周辺部(路側帯等)に複数台設置される監視カメラと、監視カメラによって撮像された映像に基づいて、一定時間内にリンク44A〜44Hを通行する人物数(即ち、ある特定の時間内におけるリンク44A〜44H内の人口密度)を計測する計測器とを含む装置。(Ab)リンク44A〜44Hの周辺部でイベントが開催される等の理由で、通常時よりも混雑が予測されるときに、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tに格納される人口密度25の情報に対する設定変更を行うための装置。
【0060】
リンク状況監視装置16Aは、次の(Ac)、(Ad)のいずれかである。(Ac)各々のリンク44A〜44Hの周辺部(路側帯等)に複数台設置される監視カメラと、監視カメラによって撮像された映像に基づいて、一定時間内にリンク44A〜44Hを通行する自動車数(即ち、混雑状況)を計測する計測器とを含む装置。(Ad)上記の(Ab)等の理由で、通常時よりも混雑が予測されるときに、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tに示される自動車通行密度25e〜25gの情報に対する設定変更を行うための装置。但し、上記の人口密度状況入力装置16A、リンク状況監視装置16Bは全て一例であり、これらの形態に限ったものではない。
【0061】
(Aa)の人口密度状況入力装置16Bは人物数を示す情報、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Bは計測された自動車数を示す情報を避難形態決定部16´に出力する。(Ab)の人口分布状況入力装置16Bについて、例えばリンク44Hの周辺部でイベントが8/10〜16の期間で開催され、その期間の間はリンク44Hを含む小地区41Aa内に設置されるホテルへの宿泊客が増加する等の理由で、小地区41Acの人口密度が増大するものと予測されるときを例に挙げる。このとき、人口分布状況入力装置16Aに、「8/10〜16における小地区41Acの人口密度:(25a)人/m2→(25d)人/m2(25a<25d)」のように入力されることで設定変更を行うことが可能である。また、同様にして、(Ad)のリンク状況監視装置16Bについても、「8/10〜16における小地区41Ac内のリンク44A、44F、44G、44Hの自動車通行量:(25e)台/min→(25h)台/min(25e<25h)」のように入力されることで設定変更を行うことが可能である。
【0062】
上記のように、人口密度状況入力装置16Bについては(Aa)、(Ab)、リンク状況監視装置16Aについては(Ac)、(Ad)のいずれを用いることも可能である。但し、(Aa)の人口密度状況入力装置16A、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Bを用いることで、(Ab)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ad)のリンク状況監視装置16Aを用いるとき(及び人口密度状況入力装置16B、リンク状況監視装置16Aを設置しないとき)と比較して、より実際のリンク44A〜44Hの通行状況に応じた避難地点23の選定が可能となる。
【0063】
避難形態決定部16´は、避難形態選定部16と同様に入力装置12から入力した入力データ(地形情報格納テーブル1Tは除く)の各々を記憶するが、入力した入力データを基にした高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tの生成は行わない(従って、避難形態決定部16´は、避難形態選定部16と異なり、高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tは記憶していない)。避難形態決定部16´は、次の(Ba)〜(Bd)の形態で避難地点23、避難人数24、避難経路25(避難経路25の利用率も含む)、所要時間26を導出する(選定又は導出される避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26の各々は、複数である)。(Ba)高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bと、ノード標高情報格納テーブル2Tとを基にして、避難地点23を選定する(高潮からの避難であるため、41A地域内のノード45M〜45Sの標高46が参照される)。(Bb)(Ba)で選定された避難地点23と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとを基にして、避難人数24(自動車で避難する者の人数も含む)を導出する(避難地点23は、避難者の現在位置に可能な限り近いことが望ましい)。(Bc)ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路25を決定し、決定された避難経路25の利用率を導出する(図10に示されるような形態で導出される)。(Bd)上記の(Ba)〜(Bc)の形態で選定、又は導出された避難地点23、避難人数24、避難経路25を基にして、所要時間26を導出する。(Be)(Bd)で導出された所要時間26と現在時刻(避難形態決定部16´によって常時計測されている)とを基にして、避難指定時刻22Aを決定する。
【0064】
避難形態決定部16´は、導出された所要時間26の各々に基づいて、複数のうちいずれかの選定された避難地点23、及び複数のうちいずれかの導出された避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、決定された避難指定時刻22Aとに基づいて避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。また、避難形態決定部16´は、生成された避難形態22A、23、25を表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々に送信する(このとき、高潮形態21、22、22Bも共に出力、又は送信される)。この公開により、実施の形態1と同様に、高潮発生領域22Bの周辺部に所在する者は、端末19を介して高潮形態21、22、22B、及びその災害からの最適な避難形態22A、23、25を取得することが可能となる。
【0065】
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態2に係る避難形態決定システム100Bを用いた避難形態決定方法10bについて説明する(括弧内に示される符号又は文字が、避難形態決定方法10bのものに相当する)。尚、この避難形態決定方法10bは、外部記憶装置17Aに挿入される、避難形態決定方法10bを避難形態決定装置10Bに実行させるための避難形態決定プログラム10BBによって行われる。但し、ステップS2a、及びステップS2eにおいて、端末19、災害・避難勧告情報Webサーバ18の各々が、入力した高潮形態21、22、22B、及び避難形態22A、23、25を表示する処理は、避難形態決定プログラム10BBに含まれない。
【0066】
入力装置12に、地形情報格納テーブル1T以外の入力データ(ノード・リンク表示データ5D、ノード標高情報格納テーブル2T、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T)の入力が行われ、入力された入力データが避難形態決定部16´に出力される。避難形態決定部16´は、入力装置12から出力された入力データの各々を入力して記憶する(ステップS2a)。ステップS2b、ステップS2c、ステップS2bcの各々の処理については、ステップS1b、ステップS1c、ステップS1bcの各々の処理において、「避難形態選定部16」を「避難形態決定部16´」に読み替えたものと同様であるので、その説明は省略する。ステップS2bcの処理は、避難形態決定装置10Bに高潮・洪水状況監視部14Aが具備されるときに、ステップS2b、ステップS2cの処理と平行して行われる。
【0067】
避難形態決定部16´は、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bと、ノード標高情報格納テーブル2Tとを基にして、避難地点23を選定する。避難形態決定部16´は、その選定された避難地点23と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとを基にして、避難人数24を導出する。避難形態決定部16´は、ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路25を決定し、決定された避難経路25の利用率を導出する。避難形態決定部16´は、上記の形態で選定、又は導出された避難地点23、避難人数24、避難経路25(各々複数ずつ、選定又は導出される)を基にして、所要時間26を導出する。避難形態決定部16´は、現在時刻と所要時間26とに基づいて、避難指定時刻22Aを決定し、決定された避難指定時刻22Aと、導出された避難地点23、避難経路25の各々とを用いて、避難形態22A、23、25を生成する。避難形態決定部16´は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS2d)。ステップS2eは、実施の形態1におけるステップS1eにおける「避難形態選定部16」を「避難形態決定部16´」に読み替えたものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
尚、避難形態決定装置10Bが高潮・洪水状況監視部14Aを具備するときに
は、ステップS2dにおける処理は以下の
【0069】に述べる処理に置き換えられる。
【0069】
避難形態決定部16´は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮・洪水状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮・洪水状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮形態推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態決定部16´は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bを用いて、上記のステップS2dの形態で避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26を各々複数種類、選定又は導出する。その上で、避難形態決定部16´は、導出された所要時間26と現在時刻とを基にして避難形態22A、23、25を決定する(選定された複数の避難地点23のいずれかと、導出された複数の避難経路25のいずれかとを選定する)。更に、避難形態決定部16´は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置16に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0070】
以上のように、実施の形態1、2においては、自然災害の発生及びその形態(高潮形態21、22、22A)が局所的な気象データ(小領域内気象データb)を用いて予測され、その予測結果を用いて災害からの避難形態22A、23、25が決定される。決定された避難形態22A、23、25が、表示装置17、端末19、及び災害・避難勧告情報Webサーバ18によって表示されることで、高潮(災害)発生領域内の所在者に通知される。これにより、その所在者は、災害からの避難を従来と比較して、的確に(迅速に、又は遭難の危険が発生する前に)行うことが可能となり、結果的に災害による被害を最小限に食い止めることが可能となる。
【0071】
(実施の形態3)
図13に、本発明の避難形態決定システム100Cの実施の形態3に係る構成を示す。避難形態決定システム100Cは、避難形態選定装置10C、気象状況Webサーバ11、端末19を具備する。避難形態選定装置10C、気象状況Webサーバ11、端末19の各々は、インターネット20を介して接続されている。避難形態選定装置10Cは、入力装置12、気象状況予測部14、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態選定部32、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備する。避難形態決定システム100Cは、避難形態決定システム100A、100Bとは異なり、火災等の、主に人為的な原因で誘発される災害(人災)に対して適応されるものである。図13に示される構成要素のうち、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態選定装置32以外のハード資源(図1と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0072】
火災状況監視装置30は、監視カメラ等で構成されており、火災の発生の有無を常時検出している。火災状況監視装置30は、火災の発生を検出したときに、火災発生情報30Aを火災延焼予測部31に出力する。火災発生情報30Aには、火災発生時刻40、火災発生領域40Aの各々(いずれも図14を用いて後述)が含まれる。火災延焼予測部31は、火災規模40B(延焼の程度)を予測するのに用いられる火災規模予測式(図示せず)を記憶している。また、火災延焼予測部31は、記憶される火災規模予測式と、火災状況監視装置30から入力した火災発生情報30Aと、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて火災規模40Bを予測し、予測された火災規模40Bと火災発生情報30Aとを避難形態選定部32に出力する。
【0073】
図14に示される火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは、各々の火災形態40、40A、40B(火災発生時刻40、火災発生地点40A、火災規模40B)、及び避難指定時刻41A毎に別個のものが複数、避難形態選定部32によって生成され、記憶される(図14における点線は、火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tが同様の形態で複数生成されることを示している)。図14において火災発生地点40A=41Aa−1となっているが、41Aa−1は、小地区41Aa内のいずれかの地点である。火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、ノード・リンク表示データ5Dの各々に基づいて生成されたものであり、ケース番号35、避難地点36、避難人数37、避難経路38、所要時間39の各々が格納されている。火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難人数37、避難経路38、所要時間39は各々、上述の避難人数24、避難経路25、所要時間26と同様にして導出され、記憶される。避難地点36は、実施の形態1、2とは異なり、災害の種類が火災である(小領域A1a内のどの地点でも起こりうるものであり、かつ、可能な限り火災発生領域40Aから離れている所に避難することが望ましい)ことから、標高46とは無関係に設定されている(従って、避難地点36の選定には、ノード標高情報格納テーブル2Tは参照されない)。
【0074】
避難形態選定部32は、火災延焼予測部31から火災形態40、40A、40Bを入力すると、入力した火災形態40、40A、40Bと、各々の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される火災形態40、40A、40Bとを照合する。照合の結果と現在時刻(避難形態選定部32によって常時計測されている)とに基づいて、避難形態選定部32は、複数の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tからいずれかの火災形態40、40A、40B、及び避難指定時刻41Aに対応する火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tを選定する。また、避難形態選定部32は、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される所要時間39を参照して、最も所要時間39の短いものに対応する避難地点36と避難経路38とを選定し、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部32は、火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0075】
表示装置17は、避難形態決定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを記憶し、ホームぺージ(図示せず)に公開する。この公開、及び表示により、火災発生地点40Aの周辺部に所在する者は、端末20を介して火災形態40、40A、40B、及びその火災からの最適な避難形態41A、36、38を取得することが可能となる。外部記憶装置17Aには、図15を用いて後述する避難形態決定方法10c(但し、ステップS3aにおいて操作者により入力データが入力される処理は除く)を避難形態決定装置10Cに実行させるための避難形態決定プログラム10CCを記憶した記憶媒体が挿入される。
【0076】
次に、図15を参照して、本発明の実施の形態3に係る避難形態決定装置10Cを用いた避難形態決定方法10cについて説明する。尚、ステップS3aは、ステップS1aの「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」が「火災発生時避難・誘導情報テーブル6T」に読み替えられること以外はステップS1aと同様であるので、その詳細な説明は省略する。また、ステップS3bは、ステップS1bの「高潮・洪水予測部15」が「火災延焼予測部31」に読み替えられること以外はステップS1bと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0077】
火災状況監視装置30は、火災の発生を検出したときに、火災発生情報30Aを火災延焼予測部31に出力する(ステップS3c)。火災延焼予測部31は、記憶される火災規模予測式と、火災状況監視装置30から入力した火災発生情報30Aと、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて火災規模40Bを予測して避難形態選定部32に出力する(ステップS3d)。
【0078】
避難形態選定部32は、火災延焼予測部31から火災形態40、40A、40Bを入力すると、入力した火災形態40、40A、40Bと、各々の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される火災形態40、40A、40Bとを照合する。照合の結果と現在時刻とに基づいて、避難形態決定部32は、いずれかの火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tを選定する。また、避難形態選定部32は、選定された火災形態40、40A、40Bの火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される所要時間39を参照して、最も所要時間39の短いものに対応する避難地点36と避難経路38と選定する。更に、避難形態選定部32は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部32は、火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS3e)。表示装置17は、避難形態選定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部32から受信した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを記憶し、ホームぺージに公開する(ステップS3f)。
【0079】
(実施の形態4)
図16に、本発明の実施の形態4に係る避難形態決定システム100Dの構成を示す。避難形態決定システム100Dは、避難形態決定装置10D、気象状況Webサーバ11、端末19を具備する。避難形態決定装置10D、気象状況Webサーバ11、端末19の各々は、インターネット20を介して接続されている。避難形態決定装置10Dは、入力装置12、気象状況予測部14、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態決定部32´、表示装置17、外部記憶装置17A、リンク状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16Bの各々を具備する。避難形態決定システム100Dは、避難形態決定システム100Cと同様に、火災等の、主に人為的な原因で誘発される災害(人災)に対して適応される。図16に示される構成要素のうち、避難形態選定装置32´以外の構成要素(図1、図12、図13と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1〜3と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0080】
(Aa)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Aは、計測された自動車数、又は人物数を示す情報を避難形態決定部32´に出力する((Aa)、(Ac)の各々については実施の形態2において述べたものと同様)。(Aa)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Aから出力された情報(以下、「計測自動車数・人物数情報」と記す)は、後述の(Cb)において、小地区別人口密度情報格納テーブル4Tの代わりに、避難人数37の導出に用いられる。
【0081】
避難形態決定部32´は、避難形態選定部32と同様に入力装置12から入力した入力データを記憶するが、入力した入力データを基にした火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tの生成は行わない(従って、避難形態決定部32´は、避難形態選定部32と異なり、火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは記憶していない)。避難形態決定部32´は、次の(Ca)〜(Cd)の形態で避難地点36、避難人数37、避難経路38(避難経路38の利用率も含む)、所要時間39を導出する(選定又は導出される避難地点36、避難人数37、避難経路38、所要時間39の各々は、複数である)。(Ca)火災延焼予測部31から入力した火災形態40、40A、40Bを基にして、避難地点36を選定する。(Cb)(Ca)で選定された避難地点36、小地区別人口密度情報格納テーブル4T(又は、計測自動車数・人物数情報)とを基にして、避難人数37(自動車で避難する者の人数も含む)を導出する。(Cc)ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路38を決定し、決定された避難経路38の利用率を導出する(図14に示されるような形態で推測される)。(Cd)上記の(Ca)〜(Cc)の形態で選定、又は導出された避難地点36、避難人数37、避難経路38を基にして、所要時間39を導出する。
【0082】
避難形態決定部32´は、導出された所要時間39と現在時刻(避難形態決定部32´によって常時計測されている)の各々に基づいて、いずれかの避難地点36、及びいずれかの避難経路38を選定し、また、避難指定時刻41Aを決定する。また、避難形態決定部32´は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、決定された避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を決定する。更に、避難形態決定部32´は、避難形態41A、36、38を表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して災害・避難勧告情報Webサーバ18と端末19とに送信する(このとき、火災形態40、40A、40Bも共に送信される)。この公開により、実施の形態3と同様に、火災発生地点40Aの周辺部等、火災による被害が大きいと予測される領域に所在する者は、端末19を介して火災形態40、40A、40B、及びその火災からの最適な避難形態41A、36、38を取得することが可能となる。
【0083】
次に、図15を参照して、本発明の実施の形態4に係る避難形態決定システム100Dを用いた避難形態決定方法10dについて説明する(括弧内に示される符号又は文字が、避難形態決定方法10dのものに相当する)。
【0084】
入力装置12に、地形情報格納テーブル1T、ノード標高情報格納テーブル2T以外の入力データ(ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度情報格納テーブル4T)の入力が行われ、入力された入力データが避難形態決定部32´に出力される。避難形態決定部32´は、入力装置12から出力された入力データの各々を入力して記憶する(ステップS4a)。ステップS4bはステップS3b、ステップS4cはステップS3cと同様であるので、その説明は省略する。また、ステップS4dはステップS3dにおける「避難形態選定部32」が「避難形態決定部32´」に読み替えられること以外は実施の形態3と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0085】
避難形態決定部32´は、火災延焼予測部31から入力した火災形態40、40A、40Bを基にして、避難地点36を選定する。避難形態決定部32´は、その選定された避難地点36と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T(又は、計測自動車・人物数情報)とを基にして、避難人数37を導出する。避難形態決定部32´は、ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路38を決定し、決定された避難経路38の利用率を導出する。避難形態決定部32´は、上記の形態で選定、又は導出された避難地点36、避難人数37、避難経路38(各々複数ずつ、選定又は導出される)を基にして、所要時間39を導出する。避難形態決定部32´は、導出された所要時間39を基にして、避難地点36と避難経路38とを選定し、また、現在時刻を基にして避難指定時刻41Aを決定する。また、避難形態決定部32´は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、決定された避難指定時刻41Aとを基にして、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部32´は、火災形態40、40A、40Bと選定された避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18に送信する(ステップS4e)。ステップS4fは、ステップS3fにおける「避難形態選定部32」を「避難形態決定部32´」に読み替えたものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0086】
以上のように、実施の形態3、4においては、人的災害の発生及びその形態(火災形態40、40A、40B)が局所的な気象データ(小領域内気象データb)を用いて予測され、その予測結果を用いて人的災害からの避難形態41A、36、38が決定される。決定された避難形態41A、36、38は、表示装置17、端末19、及び災害・避難勧告情報Webサーバ18によって表示されることで、災害発生地点40Aの周辺部等、火災の被害の大きいものと考えられる領域の所在者に通知される。これにより、その所在者は、実施の形態1、2で述べた自然災害のときと同様に、人的災害からの避難を従来と比較して、的確に(迅速に、又は遭難の危険が発生する前に)行うことが可能となり、結果的に人的災害による被害を最小限に食い止めることが可能となる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の避難形態決定装置により、自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とが可能となる。
【0088】
本発明の避難形態決定装置により、人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1に係る構成を示す図である。
【図2】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、ホームページを示す図である。
【図3】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、地形情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図4】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、ノード・リンク表示データを示す図である。
【図5】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、ノード標高情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図6】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、リンク情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図7】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図8】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、小領域内気象状況データを示す図である。
【図9】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、小領域別高潮規模推定データを示す図である。
【図10】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、高潮発生時避難・誘導情報テーブルに格納される情報を示す図である。
【図11】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2を用いた、避難形態決定方法の処理の過程を示す図である。
【図12】本発明の避難形態決定システムの実施の形態2に係る構成を示す図である。
【図13】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3に係る構成を示す図である。
【図14】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3に係る、火災発生時避難・誘導情報テーブルに格納される情報を示す図である。
【図15】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3、4を用いた、避難形態決定方法の処理の過程を示す図である。
【図16】本発明の避難形態決定システムの実施の形態4に係る構成を示す図である。
【符号の説明】
100A、100B、100C、100D:避難形態決定システム
10A、10B、10C、10D:避難形態決定装置
10AA、10BB、10CC、10DD:避難形態決定プログラム
11:気象状況Webサーバ
12:入力装置
14:気象状況予測部
14A:高潮・洪水監視部
15:高潮・洪水予測部
16:避難形態選定部
16´:避難形態決定部
17:表示装置
17A:外部記憶装置
18:災害・避難勧告情報Webサーバ
19:端末
20:インターネット
30:火災状況監視装置
31:火災延焼予測部
32:避難形態選定部
32´:避難形態決定部
1T:地形情報格納テーブル
2T:ノード標高情報格納テーブル
3T:リンク情報格納テーブル
4T:小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル
5T:高潮発生時避難・誘導情報テーブル
6T:火災発生時避難・誘導情報テーブル
1D:領域別気象状況表示データ
2D:気象状況図示データ
3D:小領域内気象図示データ
4D:小領域別高潮規模推定データ
5D:ノード・リンク表示データ
【発明の属する技術分野】
本発明は、避難形態選定装置に関し、特に、災害発生時において適切な避難の形態を選定し、指示する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自然災害(台風、及びそれに伴う高潮・洪水等)の発生と、その災害の発生時刻、規模、発生場所の各々を含む災害形態とを、予測された気象データを用いて予測するシステム(以下、従来の技術において、「自然災害発生予測システム」と記す)が用いられている。また、ある領域において自然災害が発生したときに、その領域に所在する者を最適な形態で避難させる形態について推測するためのシステム(以下、従来の技術において、「最適避難形態推測システム」と記す)も用いられている。最適避難形態推測システムでは、災害形態と避難経路とについて種々の仮定を行い、その仮定に基づいて避難に要する時間が推測される。これにより、最短の時間で避難が可能な避難経路の決定が可能となる。
【0003】
一方、人災(大規模都市火災等)の発生は、自然災害のそれとは異なり、気象データを用いて予測することは困難である。しかしながら、例えば、火災はそれが発生したときの気象状況(風速等)、及び火災発生場所周辺の建物の密集度等により、その規模(延焼の程度)は大きく影響を受ける。従って、従来、気象条件や建物の密集度等による火災の規模への影響を予測するシステム(以下、「火災延焼予測システム」と記す)が考案されている。
【0004】
自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とするシステム(又は装置)の提供が望まれる。
【0005】
人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態(規模)の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とするシステム(又は装置)の提供が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とする装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とを可能とする装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を括弧付で用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0009】
本発明の避難形態決定システム(100A)は、災害形態(21、22、22B)と、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを対応付けて記憶する記憶部(5T)を具備している。前記記憶部(5T)が記憶する前記災害形態(21、22、22B)は、複数である。また、本発明の避難形態決定システム(100A)は、前記災害形態(21、22、22B)を予測する災害形態予測部(15)と、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記記憶部(5T)が記憶する前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記各々の優先度(26)に基づいて、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記複数の避難形態(22A、23、25)のいずれかを選定することで、前記避難形態(22A、23、25)を決定する避難形態決定部(16)とを具備する。
【0010】
本発明の避難形態決定システム(100B)は、災害の形態(21、22、22B)を予測する災害形態予測部(15)と、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを導出し、前記導出された各々の優先度(26)に基づいて前記避難形態(22A、23、25)を決定する避難形態決定部(16´)とを具備する。
【0011】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記災害は、特定領域(a)において発生する。本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)は、前記特定領域(a)内の気象状況(b)を予測する気象状況予測部(14)を更に具備する。前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害形態(21、22、22B)を予測する。
【0012】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)は、前記災害の状況(21´、22´、22B´)を検出する災害状況検出部(14A)を更に具備する。前記災害形態予測部(15)は、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)と、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)とに基づいて前記災害形態(21、22、22B)を予測する。前記避難形態決定部(16´)は、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害形態(21、22、22B)、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)、及び前記各々の優先度(26)に基づいて、前記いずれかの災害形態(21、22、22B)を選定する。
【0013】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記複数の災害形態(21、22、22B)の各々は、前記災害の発生時刻(21)と前記災害規模(22)、前記災害の発生領域(22B)とを示す。前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害発生時刻(21)、前記災害規模(22)、前記災害発生領域(22B)の各々を予測する。前記避難形態決定部(16´)は、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害発生時刻(21)、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害規模(22)、前記災害形態予測部(15)が予測した前記災害発生領域(22B)の各々に基づいて、前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定する。
【0014】
本発明の避難形態決定システム(100A、又は100B)において、前記災害形態予測部(15)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)と、前記災害状況検出部(14A)が検出した前記災害状況(21´、22´、22B´)とに基づいて、前記災害発生時刻(21)と前記災害規模(22)とを予測する。
【0015】
本発明の避難形態決定システム(100C)は、災害の形態(40、40A、40B)と、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを対応付けて記憶する記憶部(6T)を具備している。前記記憶部(6T)が記憶する前記災害形態(40、40A、40B)は、複数であり、前記複数の災害形態(40、40A、40B)の各々は、前記災害の発生形態(40、40A)と、前記災害の規模(40B)とを示している。本発明の避難形態決定システム(100C)は、前記災害発生形態(40、40A)を検出する災害発生形態検出部(30)と、前記災害規模(40B)を予測する災害規模予測部(31)と、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とに基づいて、前記記憶部(6T)が記憶する前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記各々の優先度(39)に基づいて、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記複数の避難形態(41A、36、38)のいずれかを選定することで、前記避難形態(41A、36、38)を決定する避難形態決定部(32)とを具備する。
【0016】
本発明の避難形態決定システム(100D)は、災害の発生形態(40、40A)を検出する災害発生形態検出部(30)と、前記災害の規模(40B)を予測する災害規模予測部(31)とを具備する。また、本発明の避難形態決定システム(100D)は、前記災害発生検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とを示す災害形態(40、40A、40B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを導出し、前記導出された各々の優先度(39)に基づいて前記避難形態(41A、36、38)を決定する避難形態決定部(32´)を具備する。
【0017】
本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)において、前記災害は、特定領域(a)において発生する。本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)は、前記特定領域(a)内の気象状況(b)を予測する気象状況予測部(14)を更に具備する。前記災害規模予測部(31)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)に基づいて前記災害規模(40B)を予測する。
【0018】
本発明の避難形態決定システム(100C、又は100D)において、前記災害発生形態(40、40A)は、前記災害の発生時刻(40)と前記災害の発生地点(40A)とを示している。前記災害規模予測部(31)は、前記気象状況予測部(14)が予測した前記気象状況(b)、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生時刻(40)、及び前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生地点(40A)の各々に基づいて前記災害規模(40B)を予測する。前記避難形態決定部(32、又は32´)は、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生時刻(40)、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記発生地点(40A)、前記災害形態予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)の各々に基づいて、前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定する。
【0019】
本発明の避難形態決定システム(100A、100B、100C、100Dのいずれか)において、前記特定領域(a)は、前記災害からの複数の避難地点(23、又は36)と複数の道路(44A〜44H)とを備えている。前記避難は、前記複数の道路(44A〜44H)のいずれかを通行して前記複数の避難地点(23、又は36)のいずれかに向かうことで行われる。前記避難形態((22A、23、25)、又は(41A、36、38))は、前記いずれかの避難地点(23、又は36)と、前記いずれかの避難地点(23、又は36)への前記避難の時刻(22A、又は41A)とを示している。前記避難時刻(22A、又は41A)は、複数である。前記各々の優先度(26、又は39)は、前記特定領域(a)内の所在者が前記いずれかの避難地点(23、又は36)への前記避難に要する所要時間(26、又は39)であり、前記所要時間(26、又は39)は、前記特定領域(a)の人口密度(25a〜25c)と、前記いずれかの道路の混雑状況(25e〜25g)とに基づいて決定される。前記避難形態決定部(16、16´、32、32´)は、前記決定される所要時間(26、又は39)の各々に基づいて、前記いずれかの避難地点(23、又は36)と前記複数の避難時刻(22A、又は41A)のいずれかとを選定する。
【0020】
本発明の避難形態決定システム(100A、100B、100C、100Dのいずれか)は、前記特定領域(a)に所在する者に対し、前記災害発生時刻(22、又は40)、前記災害規模(21、又は40B)、前記避難形態決定部(16、16´、32、32´のいずれか)が選定した前記いずれかの避難地点(23、又は36)、前記避難形態決定部(16、16´、32、32´)が選定した前記いずれかの避難時刻(22A、又は41A)の各々を表示することで通知する表示部(17)を更に具備する。
【0021】
本発明の避難形態決定方法(10a)は、記憶部(5T)、災害形態予測部(15)、及び避難形態決定部(16)の各々を具備するコンピュータ(10A)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10a)において、前記記憶部(5T)は、災害形態(21、22、22B)と、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを対応付けて記憶する。前記記憶部(5T)が記憶する前記災害形態(21、22、22B)は、複数である。本発明の避難形態決定方法(10a)は、前記災害形態予測部(15)が、前記災害形態(21、22、22B)を予測するステップ(S1c)と、前記避難形態決定部(16)が、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記記憶部(5T)が記憶する前記複数の災害形態(21、22、22B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記各々の優先度(26)に基づいて、前記選定された災害形態(21、22、22B)に対応する前記複数の避難形態(22A、23、25)のいずれかを選定することで、前記避難形態(22A、23、25)を決定するステップ(S1d)とを具備する。
【0022】
本発明の避難形態決定方法(10b)は、災害形態予測部(15)、及び避難形態決定部(16´)の各々を具備するコンピュータ(10B)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10b)は、前記災害形態予測部(15)が、災害の形態(21、22、22B)を予測するステップ(S2c)と、前記避難形態決定部(16´)が、前記災害形態予測部(15)が予測する前記災害形態(21、22、22B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(22A、23、25)と、前記複数の避難形態(22A、23、25)の各々の優先度(26)とを導出し、前記導出された各々の優先度(26)に基づいて前記避難形態(22A、23、25)を決定するステップ(S2d)とを具備する。
【0023】
本発明の避難形態決定方法(10c)は、記憶部(6T)、災害発生形態検出部(30)、災害規模予測部(31)、避難形態決定部(32)の各々を具備するコンピュータ(10C)により実行される。前記記憶部(6T)は、災害の形態(40、40A、40B)と、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを対応付けて記憶している。前記記憶部(6T)が記憶する前記災害形態は(40、40A、40B)、複数であり、前記複数の災害形態(40、40A、40B)の各々は、前記災害の発生形態(40、40A)と、前記災害の規模(40B)とを示している。本発明の避難形態決定方法(10c)は、前記災害発生形態検出部(30)が、前記災害発生形態(40、40A)を検出するステップ(S3c)と、前記災害規模予測部(31)が、前記災害規模(40B)を予測するステップ(S3d)とを具備する。また、本発明の避難形態決定方法(10c)は、前記避難形態決定部(32)が、前記災害発生形態検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とに基づいて、前記記憶部(6T)が記憶する前記複数の災害形態(40、40A、40B)のいずれかを選定し、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記各々の優先度(39)に基づいて、前記選定された災害形態(40、40A、40B)に対応する前記複数の避難形態(41A、36、38)のいずれかを選定することで、前記避難形態(41A、36、38)を決定するステップ(S3e)を具備する。
【0024】
本発明の避難形態決定方法(10d)は、災害発生形態検出部(30)、災害規模予測部(31)、避難形態決定部(32´)の各々を具備するコンピュータ(10D)により実行される。本発明の避難形態決定方法(10d)は、前記災害発生形態検出部(30)が、災害の発生形態(40、40A)を検出するステップ(S4c)と、前記災害規模予測部(31)が、前記災害の規模(40B)を予測するステップ(S4d)とを具備する。また、本発明の避難形態決定方法(10d)は、前記避難形態決定部(32´)が、前記災害発生検出部(30)が検出した前記災害発生形態(40、40A)と、前記災害規模予測部(31)が予測した前記災害規模(40B)とを示す災害形態(40、40A、40B)に基づいて、前記災害からの複数の避難形態(41A、36、38)と、前記複数の避難形態(41A、36、38)の各々の優先度(39)とを導出し、前記導出された各々の優先度(39)に基づいて前記避難形態(41A、36、38)を決定するステップ(S4e)を具備する。
【0025】
本発明の避難形態決定プログラム(10AA、10BB、10CC、10DDのいずれか)は、上記の避難形態決定方法(10a、10b、10c、10dのいずれか)をコンピュータ(10A、10B、10C、10Dのいずれか)に実行させる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
添付図面を参照して、本発明の避難形態決定システムの実施の形態について説明する。実施の形態1に係る避難形態決定システム100Aは、避難形態決定装置10A、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々を具備している。避難形態決定装置10Aは、入力装置12、気象状況予測部14、高潮・洪水状況監視部14A、高潮・洪水予測部15、避難形態選定部16、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備している。避難形態選定装置10A、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々は、インターネット20により接続されている。但し、避難形態決定装置10Aは、必ずしも高潮・洪水状況監視部14Aを具備している必要は無い。
【0027】
図1の避難形態決定装置10Aは、自然災害として、主に台風・大雨の発生に伴う高潮・洪水を想定しているが、この形態には限らない。例えば、自然災害として地震、火山噴火が想定されてもよく、このときには、「高潮・洪水予測部15」は各々、「地震予測部15」、「火山噴火予測部15」に読み替えられる。
【0028】
気象情報Webサーバ11は、図2に示すホームページ1HPを公開している。ホームページ1HPには、領域別気象状況表示データ1D、気象状況図示データ2Dの各々が示されている。領域別気象状況表示データ1Dは、領域Aと、気象状況Bの各々の情報を対応付けて示している。領域Aは、放送局から発表される気象情報において用いられる地域区分を示しており、「東北地方」、「関東地方」のように、局所的ではなく比較的広範囲の地域を示している。また、領域Aは必ずしも陸地には限定されず、一部又は全部が海上であってもよい。気象状況Bは、気象情報として発表される天気、気温、湿度、風速、大気圧等の情報を示している。
【0029】
気象情報Webサーバ11は、領域別気象状況表示データ1Dに示されるいずれかの領域A(領域A1〜A5のうちの少なくとも1つ)に対応する気象状況Bと、気象状況図示データ2Dとを、気象状況予測部14に常時(又は、短い時間間隔で)送信する。
【0030】
入力装置12には、避難形態決定装置10Aの操作者(以下、単に「操作者」と記す)による操作により、次のデータが入力される(以下、入力されるデータを総称して「入力データ」と記す。入力データは、テーブルとして入力されるデータも含む)。入力データには、図3に示される地形情報格納テーブル1T、図4に示されるノード・リンク表示データ5D、図5に示されるノード標高情報格納テーブル2T、図6に示されるリンク情報格納テーブル3T、図7に示される小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tの各々が含まれる。
【0031】
地形情報格納テーブル1Tは、入力装置12から気象状況予測部14に出力される。ノード標高情報格納テーブル2T、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、ノード・リンク表示データ5Dは、入力装置12から避難形態選定部16に出力される。
【0032】
気象状況予測部14は、入力装置12から入力した地形情報格納テーブル1Tと、小領域a内の気象状況の予測に用いられる種々の気象状況予測式(図示せず)とを記憶している。
【0033】
地形情報格納テーブル1Tは、図3の(a)と(b)の各々によって示される小領域a(小領域A1a〜小領域A4a)と、地形情報CCの各々の情報を格納している。小領域aは、領域Aと比較して相対的に狭い領域を示している(陸地、海上、及びそれらの両者を含むときのいずれに対しても共通)。小領域aは、領域Aとは異なり、必ずしも地方名、県名等で示される地域区分(上記の気象情報においては、このような地域区分が用いられることが多い)であるとは限らず、数十km四方程度又は数km四方程度に区分された領域を示している。地形情報CCは、陸地に対しては標高、陸・海割合等の形状の情報が示されており、海上に対しては水深等の情報が示されている。気象状況の予測にあたって小領域aの地形情報CCを用いることにより、局所的な気象状況の予測が可能である。
【0034】
地形情報CCの他に、例えば陸地に対しては地面の植生、地質等の情報、海上に対しては海水温の情報(寒流、暖流のいずれが流れているか)等が示されることにより、上述の局所的な気象状況を更に精度を高く予測することが可能となる。
【0035】
気象状況予測部14は、気象状況Webサーバ11から入力した気象状況B、入力装置12から入力した地形情報CC、及び上述の予測式を用いて図8に示す小領域内気象状況データ3Dを生成して高潮・洪水予測部15に常時(又は、短い時間間隔で)出力する。小領域内気象状況データ3Dには、小領域a、小領域内気象状況bの各々が示されている。常時(又は、短い時間間隔で)出力される小領域内気象状況データ3Dは、高潮・洪水予測部15において高潮(又は洪水)形態21、22、22Bの予測に用いられ、これによって、リアルタイムでの高潮形態21、22、22Bの予測が可能となる。
【0036】
高潮・洪水状況監視部14Aは、各々の小領域a内における海岸・河川の周辺等に複数台設置され、堤防の状況(決壊の有無等)、高潮規模21、高潮発生時刻22、高潮発生領域22B、水位・潮位等を監視して検出するための監視カメラ、センサ等で構成される。高潮・洪水状況監視部14Aは、高潮状況21´、22´、22B´を監視して検出し、監視・検出の結果(以下、「高潮状況監視・検出データ3D´」と記す)を避難形態選定部16に出力する。高潮状況21´、22´、22B´には、高潮規模21´、高潮発生時刻22´、高潮発生領域22B´が含まれる。高潮規模21´は高潮規模21に対応し、高潮発生時刻22´は高潮発生時刻22に対応し、高潮発生領域22B´は高潮発生領域22Bに対応している。即ち、高潮規模21´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の規模を示し、高潮発生時刻22´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の発生時刻を示し、高潮発生領域22B´は高潮・洪水状況監視部14Aが監視・検出した高潮の発生領域を示している。
【0037】
高潮・洪水予測部15は、高潮形態(高潮災害の形態)21、22、22Bを予測するための種々の高潮形態予測式(図示せず)を記憶している。高潮・洪水予測部15は、高潮形態予測式と、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて高潮形態21、22、22Bを予測し、予測された高潮形態21、22、22Bに基づいて小領域別高潮規模推定データ4D(図9に示す)を生成して避難形態選定部16に出力する。高潮形態21、22、22Bは、各々の小領域a内で発生すると予測される高潮の高潮規模21と、その高潮が発生したと予測される高潮発生時刻22、高潮が発生すると予測される高潮発生領域22Bの各々が含まれる。図9の例では、各々の小領域a(A1a〜A1d)に対応して高潮規模21が示されている。また、図9においては高潮発生時刻22(0:00)と高潮発生領域22B(A1a〜A1d)とが付記されている(各々の小領域aの地形等によって海岸に打ち寄せる高潮の規模は異なることが考えられるため、高潮規模21は小領域a毎に区分して示されている)。
【0038】
図9に示す小領域別高潮形態推定データ4Dに記載される数値は一例であり、これらの例には限らない。また、本発明の実施の形態においては、台風・大雨によって誘発される高潮、洪水のうちの高潮を例に挙げ、高潮形態21、22、22Bが予測されるものとしているが、洪水のときでも同様である。洪水のときには、「高潮形態21、22、22B」は「洪水形態21、22、22B」、「高潮状況21´、22´、22B´」は「洪水状況21´、22´、22B´」、「小領域別高潮規模推定データ4D」は「小領域別洪水規模推定データ4D」、「高潮規模21」は「洪水規模(小領域a内の床上・床下浸水の割合等が示される)21」に各々読み替えられる。更に、「高潮発生時刻22」は「洪水発生時刻22」、「高潮発生領域22B」は「洪水発生領域22B」に各々読み替えられる。但し、高潮・洪水予測部15が高潮形態21、22、22Bと洪水形態21、22、22Bの両者を予測し、高潮・洪水状況監視部14Aが高潮状況21´、22´、22B´と洪水状況21´、22´、22Bの両者を監視・検出する形態とすることも可能である。
【0039】
避難形態選定部16は、入力装置12から入力した入力データの各々を記憶すると共に、入力データを基に高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T(図10を用いて後述)を生成して記憶する。「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」は、「洪水発生時避難・誘導情報テーブル5T」に読み替えることが可能である。但し、「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」と「洪水発生時避難・誘導情報テーブル5T」が共に生成され、記憶される形態であってもよい。
【0040】
ノード・リンク表示データ5D(図4)は、小領域aを座標平面(但し、0≦x≦3、0≦y≦3の範囲内)で示している。図4において示される44A〜44Hは、小領域a内において設置され、交差点(以下、「ノード」と記す)45M〜45Zによって分断・区分される道路(以下、「リンク」と記す)を示している。44A〜44Hは、44A、44B、44C、44D、44E、44F、44G、44Hであり、45M〜45Zは、45M、45N、45O、45P、45Q、45R、45S、45T、45U、45V、45W、45X、45Y、45Zである。小領域aは、41A〜41C地区(41B、41Cについては後述)に区分され、座標平面上において、例えば、41A地区は(0≦x≦1、0≦y≦3)、41B地区は(1≦x≦2、0≦y≦3)、41C地区は(2≦x≦3、0≦y≦3)に区分される。41A地区には、ノード45M〜45Sと、リンク44A〜44Hとが含まれる。以下の説明においては、41A地区に所在する者が高潮等の自然災害から避難する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
ノード標高情報格納テーブル2T(図5)は、ノード45M〜45Sと、各々のノード45M〜45Sの標高46とを示している。リンク情報格納テーブル3T(図6に示す)は、41A地区内のリンク44(44A〜44H)と、各々のリンク44(44A〜44H)のリンク状況45を格納している。リンク状況45は、リンク44に対応する道路の道幅(5〜15m)、長さ(500〜1000m)、及び両端ノードの各々を示している。小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T(図7に示す)は、41A地区が更に細かく区分された小地区41Aa〜41Acと、各々の小地区41Aa〜41Acの人口密度25a〜25cと、人口密度25a〜25cに対応して予測される、小地区41Aa〜41Ac内のリンク44A〜44Hの自動車通行量25e〜25gとを示す情報を格納している。ここでは、小地区41Aaは座標平面上の(0≦x≦1、0≦y≦1)、小地域41Abは(0≦x≦1、1≦y≦2)、小地域41Acは(0≦x≦1、2≦y≦3)であるものとする。
【0042】
高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T(図10)は、ケース番号22、避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26の各々を示す情報を格納している。高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tは、高潮形態21、22、22B、及び避難指定時刻22A毎に、入力データを用いて各々別個のものが避難形態選定部16によって生成され、記憶される(図10において鉛直方向に示されている点線は、同様の形式で多数の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tが生成されることを示している)。例えば、図10において避難指定時刻22Aは1:00、高潮形態21、22、22Bは「高潮規模21=10m、高潮発生時刻22=0:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1d」となっている。しかしながら、この形態のみではなく、避難指定時刻22Aは18:00、高潮形態21、22、22Bが「高潮規模21=5m、高潮発生時刻22=18:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1d」の形態に対応する高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tも同様にして生成され、記憶される。
【0043】
避難地点23の情報は、入力装置12から入力されたノード標高情報格納テーブル2Tと、災害形態(高潮形態21、22、22B)とを基にして生成される。この生成にあたっては災害形態として、高潮形態21、22、22Bが入力されていることから、ノード標高情報格納テーブル2Tに示されるノード45M〜45Sのうち、標高46が高い順にノード45M(50m)、ノード45N(40m)が避難地点23として選定される。避難人数24の情報は、入力装置11から入力された小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、上記の選定された避難地点23の各々を基にして生成される。
【0044】
避難経路25は、入力装置12から入力されたノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして決定されたものであり、決定された避難経路25と小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとから推測されたその避難経路25の利用率が共に示されている。例えばケース番号22が(1)のときを例に挙げると、ノード45Mへ500人が避難するときに通行される経路を示している。避難経路25は、例えば、Cが45O→45N→45M、Dが45Q→45R→45N→45Mであり、Cに対応する避難経路25を経由して避難する者が500人のうちの30%(150人)であり、Dに対応する避難経路25を経由して避難する者が500人のうちの70%(350人)であることを示している。
【0045】
所要時間26は、41A地区内に所在する者が全て高潮からの避難を完了するのに要する時間を示しており、生成された避難地点23、避難人数24、避難経路25の各々の情報を基にして予測されたものである。例えば、ケース番号22が(1)のものを例に挙げると、500人のうち自家用車を利用して避難する250人が15分で避難を完了し、自家用車を利用しないで避難する250人が45分で避難を完了することが示されている。
【0046】
避難形態選定部16は、高潮・洪水予測部15から高潮形態(小領域別高潮規模推定データ4Dに示される)21、22、22Bを入力すると、入力した高潮形態21、22、22Bと、各々の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。この照合は、高潮規模21、高潮発生時刻22、高潮発生領域22Bの各々に対して行われる。照合の結果と現在時刻(避難形態選定部16により常時計測されている)とに基づいて、避難形態選定部16は、いずれかの高潮形態21、22、22B、及び避難指定時刻22Aを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮形態21、22、22Bと、避難指定時刻22Aに対応する高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される所要時間26とを参照して、最も所要時間26の短いものに対応する避難地点23、避難経路25の各々を選定する。更に、避難形態選定部16は、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して、最適な避難形態22A、23、25(避難経路25を通行して避難指定時刻22A迄に避難地点23に向かう)を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0047】
又は、避難形態選定部16は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bと、現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから、最も所要時間26の短いものに対
応する避難形態22A、23、25を選定する。(以下の処理は
【0046】と同様)
【0048】
一方、照合の結果、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しないときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bのうち、緊急度の高い方の情報を選定し、その選定結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。その上で、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから避難形態22A、23、25を選定する。例えば、高潮状況21´、22´、22B´、高潮形態21、22、22Bが次の(A)〜(C)であったときを例に挙げて説明する。(A)[高潮規模21´、高潮規模21]=[10m、8m]、(B)[高潮発生時刻22´、高潮発生時刻22]=[22:00、22:05]、(C)[高潮発生領域22B´、高潮発生領域22B]=[A1a、A1a〜A1d]
【0049】
このとき、避難形態選定部16は、高潮規模21、21´は相対的に高い値、高潮発生時刻22、22´はより以前の方の値(以前の方が高潮の海岸等への襲来が迫っているものと考えられるため)、高潮発生領域22B、22B´はより広い領域についてを緊急度の高い情報として選定する。即ち、避難形態選定部16は、高潮規模21´=10m、高潮発生時刻22´=22:00、高潮発生領域22B=A1a〜A1dを選定し、その選定の結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。高潮・洪水状況監視部14Aは、上記のように必ずしも避難形態選定装置10Aに具備される必要は無いが、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとを互いに照合することで、より適切な避難形態22A、23、25の選定が可能となる。尚、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しなかったときの緊急度の高い情報に対する上記の選定形態は一例であり、これには限らない。
【0050】
選定される高潮形態21、22、22Bは、必ずしも高潮・洪水予測部15か
ら入力した高潮形態21、22、22B、又は上記の
【0049】における照合の結果、選定されたものである必要は無い。例えば、高潮発生時刻22に数分程度の時間の差異があっても構わない。このときには、避難形態選定部16によってその時間の差異が参照され、参照された結果を基にして値の補正が行われる。例えば、図10においては高潮発生時刻22=0:00、避難指定時刻22A=1:00となっているが、入力される高潮形態21、22、22Bで高潮発生時刻22=0:05と示されるときには、避難指定時刻22A=1:05と補正され、その補正された値が表示装置17に出力され、また、端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信される。
【0051】
表示装置17は、避難形態選定部16から入力した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部16から受信した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25を記憶し、ホームぺージ(図示せず)に公開する。この公開により、端末19を介して高潮形態21、22、22B、及びその災害からの最適な避難形態22A、23、25を取得することが可能となる。外部記憶装置17Aには、図11を用いて後述する避難形態決定方法10aを避難形態決定装置10Aに実行させるための避難形態決定プログラム10AAを記憶した記憶媒体が挿入される。但し、ステップS1aの処理と、及びステップS1eにおいて、端末19、災害・避難勧告情報Webサーバ18の各々が、入力した高潮形態21、22、22B、及び避難形態22A、23、25を表示する処理とは、避難形態決定プログラム10AAに含まれない。
【0052】
次に、図11を参照して、本発明の避難形態決定システム100Aの実施の形態1を用いた避難形態決定方法10aについて説明する。
【0053】
入力装置12に、操作者による操作に基づいて、入力データの入力が行われ、入力された入力データが避難形態選定部16に出力される(但し、地形情報格納テーブル1Tは、気象情報予測部14に出力される)。避難形態選定部16は、入力装置12から出力された入力データの各々(地形情報格納テーブル1Tは除く)を入力して記憶すると共に、入力データを基に高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを生成して記憶する(ステップS1a)。
【0054】
気象状況予測部14は、気象状況Webサーバ11から入力した気象状況B、入力装置12から入力した地形情報CCの各々と、気象状況予測式とを用いて小領域内気象状況データ3Dを生成して高潮・洪水予測部15に出力する(ステップS1b)。高潮・洪水予測部15は、高潮形態予測式と、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて高潮形態21、22、22Bを予測し、予測された高潮形態21、22、22Bに基づいて小領域別高潮規模推定データ4Dを生成して避難形態選定部16に出力する(ステップS1c)。高潮・洪水状況監視部14Aは、高潮状況21´、22´、22B´を監視して検出し、検出の結果に基づく高潮状況監視・検出データ3D´を避難形態選定部16に出力する(ステップS1bc)。ステップS1bcの処理は、避難形態決定装置10Aに高潮・洪水状況監視部14Aが具備されるときに、ステップS1b、ステップS1cの処理と平行して行われる。
【0055】
避難形態選定部16は、高潮・洪水予測部15から高潮形態21、22、22Bを入力すると、入力した高潮形態21、22、22Bと、各々の高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果と現在時刻とに基づいて、避難形態決定部16は、いずれかの高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態決定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される所要時間26を参照して、最も所要時間26の短いものに対応する避難地点23、避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS1d)。表示装置17は、避難形態選定部16から入力した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部16から受信した高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25を記憶し、ホームぺージに公開する(ステップS1e)。
【0056】
尚、避難形態決定装置10Aが高潮・洪水状況監視部14Aを具備するときには、ステップS1dにおいて以下の
【0057】に述べる処理が行われる。
【0057】
避難形態選定部16は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮形態推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bと現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。また、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから所要時間26に基づいて避難形態23、25を選定する。一方、照合の結果、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bとが一致しないときには、避難形態選定部16は、高潮状況21´、22´、22B´と高潮形態21、22、22Bのうち、緊急度の高い方の情報を選定し、その選定結果と現在時刻とに基づいて高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tを選定する。その上で、避難形態選定部16は、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tから避難地点23、避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、選定された高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tに示される避難指定時刻22Aとを合成して避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部16は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る避難形態決定システム100Bを図12に示す。避難形態決定システム100Bは、上記の避難形態決定装置10B、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々を具備している。避難形態決定装置10Bは、入力装置12、気象状況予測部14、高潮・洪水状況監視部14A、高潮・洪水予測部15、避難形態決定部16´、リンク(道路)状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16B、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備している。避難形態決定装置10B、気象情報Webサーバ11、災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々は、インターネット20により接続されている。図12に示される構成要素のうち、リンク状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16B、避難形態決定部16´以外のハード資源(図1と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0059】
人口密度状況入力装置16Bは、次の(Aa)、(Ab)のいずれかである。(Aa)各々のリンク44A〜44Hの周辺部(路側帯等)に複数台設置される監視カメラと、監視カメラによって撮像された映像に基づいて、一定時間内にリンク44A〜44Hを通行する人物数(即ち、ある特定の時間内におけるリンク44A〜44H内の人口密度)を計測する計測器とを含む装置。(Ab)リンク44A〜44Hの周辺部でイベントが開催される等の理由で、通常時よりも混雑が予測されるときに、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tに格納される人口密度25の情報に対する設定変更を行うための装置。
【0060】
リンク状況監視装置16Aは、次の(Ac)、(Ad)のいずれかである。(Ac)各々のリンク44A〜44Hの周辺部(路側帯等)に複数台設置される監視カメラと、監視カメラによって撮像された映像に基づいて、一定時間内にリンク44A〜44Hを通行する自動車数(即ち、混雑状況)を計測する計測器とを含む装置。(Ad)上記の(Ab)等の理由で、通常時よりも混雑が予測されるときに、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tに示される自動車通行密度25e〜25gの情報に対する設定変更を行うための装置。但し、上記の人口密度状況入力装置16A、リンク状況監視装置16Bは全て一例であり、これらの形態に限ったものではない。
【0061】
(Aa)の人口密度状況入力装置16Bは人物数を示す情報、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Bは計測された自動車数を示す情報を避難形態決定部16´に出力する。(Ab)の人口分布状況入力装置16Bについて、例えばリンク44Hの周辺部でイベントが8/10〜16の期間で開催され、その期間の間はリンク44Hを含む小地区41Aa内に設置されるホテルへの宿泊客が増加する等の理由で、小地区41Acの人口密度が増大するものと予測されるときを例に挙げる。このとき、人口分布状況入力装置16Aに、「8/10〜16における小地区41Acの人口密度:(25a)人/m2→(25d)人/m2(25a<25d)」のように入力されることで設定変更を行うことが可能である。また、同様にして、(Ad)のリンク状況監視装置16Bについても、「8/10〜16における小地区41Ac内のリンク44A、44F、44G、44Hの自動車通行量:(25e)台/min→(25h)台/min(25e<25h)」のように入力されることで設定変更を行うことが可能である。
【0062】
上記のように、人口密度状況入力装置16Bについては(Aa)、(Ab)、リンク状況監視装置16Aについては(Ac)、(Ad)のいずれを用いることも可能である。但し、(Aa)の人口密度状況入力装置16A、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Bを用いることで、(Ab)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ad)のリンク状況監視装置16Aを用いるとき(及び人口密度状況入力装置16B、リンク状況監視装置16Aを設置しないとき)と比較して、より実際のリンク44A〜44Hの通行状況に応じた避難地点23の選定が可能となる。
【0063】
避難形態決定部16´は、避難形態選定部16と同様に入力装置12から入力した入力データ(地形情報格納テーブル1Tは除く)の各々を記憶するが、入力した入力データを基にした高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tの生成は行わない(従って、避難形態決定部16´は、避難形態選定部16と異なり、高潮発生時避難・誘導情報テーブル5Tは記憶していない)。避難形態決定部16´は、次の(Ba)〜(Bd)の形態で避難地点23、避難人数24、避難経路25(避難経路25の利用率も含む)、所要時間26を導出する(選定又は導出される避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26の各々は、複数である)。(Ba)高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bと、ノード標高情報格納テーブル2Tとを基にして、避難地点23を選定する(高潮からの避難であるため、41A地域内のノード45M〜45Sの標高46が参照される)。(Bb)(Ba)で選定された避難地点23と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとを基にして、避難人数24(自動車で避難する者の人数も含む)を導出する(避難地点23は、避難者の現在位置に可能な限り近いことが望ましい)。(Bc)ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路25を決定し、決定された避難経路25の利用率を導出する(図10に示されるような形態で導出される)。(Bd)上記の(Ba)〜(Bc)の形態で選定、又は導出された避難地点23、避難人数24、避難経路25を基にして、所要時間26を導出する。(Be)(Bd)で導出された所要時間26と現在時刻(避難形態決定部16´によって常時計測されている)とを基にして、避難指定時刻22Aを決定する。
【0064】
避難形態決定部16´は、導出された所要時間26の各々に基づいて、複数のうちいずれかの選定された避難地点23、及び複数のうちいずれかの導出された避難経路25を選定し、選定された避難地点23、避難経路25の各々と、決定された避難指定時刻22Aとに基づいて避難形態22A、23、25を示す情報を生成する。また、避難形態決定部16´は、生成された避難形態22A、23、25を表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して災害・避難勧告情報Webサーバ18、端末19の各々に送信する(このとき、高潮形態21、22、22Bも共に出力、又は送信される)。この公開により、実施の形態1と同様に、高潮発生領域22Bの周辺部に所在する者は、端末19を介して高潮形態21、22、22B、及びその災害からの最適な避難形態22A、23、25を取得することが可能となる。
【0065】
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態2に係る避難形態決定システム100Bを用いた避難形態決定方法10bについて説明する(括弧内に示される符号又は文字が、避難形態決定方法10bのものに相当する)。尚、この避難形態決定方法10bは、外部記憶装置17Aに挿入される、避難形態決定方法10bを避難形態決定装置10Bに実行させるための避難形態決定プログラム10BBによって行われる。但し、ステップS2a、及びステップS2eにおいて、端末19、災害・避難勧告情報Webサーバ18の各々が、入力した高潮形態21、22、22B、及び避難形態22A、23、25を表示する処理は、避難形態決定プログラム10BBに含まれない。
【0066】
入力装置12に、地形情報格納テーブル1T以外の入力データ(ノード・リンク表示データ5D、ノード標高情報格納テーブル2T、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T)の入力が行われ、入力された入力データが避難形態決定部16´に出力される。避難形態決定部16´は、入力装置12から出力された入力データの各々を入力して記憶する(ステップS2a)。ステップS2b、ステップS2c、ステップS2bcの各々の処理については、ステップS1b、ステップS1c、ステップS1bcの各々の処理において、「避難形態選定部16」を「避難形態決定部16´」に読み替えたものと同様であるので、その説明は省略する。ステップS2bcの処理は、避難形態決定装置10Bに高潮・洪水状況監視部14Aが具備されるときに、ステップS2b、ステップS2cの処理と平行して行われる。
【0067】
避難形態決定部16´は、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮規模推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bと、ノード標高情報格納テーブル2Tとを基にして、避難地点23を選定する。避難形態決定部16´は、その選定された避難地点23と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4Tとを基にして、避難人数24を導出する。避難形態決定部16´は、ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路25を決定し、決定された避難経路25の利用率を導出する。避難形態決定部16´は、上記の形態で選定、又は導出された避難地点23、避難人数24、避難経路25(各々複数ずつ、選定又は導出される)を基にして、所要時間26を導出する。避難形態決定部16´は、現在時刻と所要時間26とに基づいて、避難指定時刻22Aを決定し、決定された避難指定時刻22Aと、導出された避難地点23、避難経路25の各々とを用いて、避難形態22A、23、25を生成する。避難形態決定部16´は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS2d)。ステップS2eは、実施の形態1におけるステップS1eにおける「避難形態選定部16」を「避難形態決定部16´」に読み替えたものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0068】
尚、避難形態決定装置10Bが高潮・洪水状況監視部14Aを具備するときに
は、ステップS2dにおける処理は以下の
【0069】に述べる処理に置き換えられる。
【0069】
避難形態決定部16´は、高潮・洪水状況監視部14Aから高潮・洪水状況監視・検出データ3D´を入力し、入力した高潮・洪水状況監視・検出データ3D´に示される高潮状況21´、22´、22B´と、高潮・洪水予測部15から入力した小領域別高潮形態推定データ4Dに示される高潮形態21、22、22Bとを照合する。照合の結果、高潮規模21と高潮規模21´、高潮発生時刻22と高潮発生時刻22´、高潮発生領域22Bと高潮発生領域22B´の各々が互いに一致するときには、避難形態決定部16´は、高潮状況21´、22´、22B´と一致した高潮形態21、22、22Bを用いて、上記のステップS2dの形態で避難地点23、避難人数24、避難経路25、所要時間26を各々複数種類、選定又は導出する。その上で、避難形態決定部16´は、導出された所要時間26と現在時刻とを基にして避難形態22A、23、25を決定する(選定された複数の避難地点23のいずれかと、導出された複数の避難経路25のいずれかとを選定する)。更に、避難形態決定部16´は、高潮形態21、22、22Bと避難形態22A、23、25とを表示装置16に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0070】
以上のように、実施の形態1、2においては、自然災害の発生及びその形態(高潮形態21、22、22A)が局所的な気象データ(小領域内気象データb)を用いて予測され、その予測結果を用いて災害からの避難形態22A、23、25が決定される。決定された避難形態22A、23、25が、表示装置17、端末19、及び災害・避難勧告情報Webサーバ18によって表示されることで、高潮(災害)発生領域内の所在者に通知される。これにより、その所在者は、災害からの避難を従来と比較して、的確に(迅速に、又は遭難の危険が発生する前に)行うことが可能となり、結果的に災害による被害を最小限に食い止めることが可能となる。
【0071】
(実施の形態3)
図13に、本発明の避難形態決定システム100Cの実施の形態3に係る構成を示す。避難形態決定システム100Cは、避難形態選定装置10C、気象状況Webサーバ11、端末19を具備する。避難形態選定装置10C、気象状況Webサーバ11、端末19の各々は、インターネット20を介して接続されている。避難形態選定装置10Cは、入力装置12、気象状況予測部14、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態選定部32、表示装置17、外部記憶装置17Aの各々を具備する。避難形態決定システム100Cは、避難形態決定システム100A、100Bとは異なり、火災等の、主に人為的な原因で誘発される災害(人災)に対して適応されるものである。図13に示される構成要素のうち、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態選定装置32以外のハード資源(図1と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0072】
火災状況監視装置30は、監視カメラ等で構成されており、火災の発生の有無を常時検出している。火災状況監視装置30は、火災の発生を検出したときに、火災発生情報30Aを火災延焼予測部31に出力する。火災発生情報30Aには、火災発生時刻40、火災発生領域40Aの各々(いずれも図14を用いて後述)が含まれる。火災延焼予測部31は、火災規模40B(延焼の程度)を予測するのに用いられる火災規模予測式(図示せず)を記憶している。また、火災延焼予測部31は、記憶される火災規模予測式と、火災状況監視装置30から入力した火災発生情報30Aと、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて火災規模40Bを予測し、予測された火災規模40Bと火災発生情報30Aとを避難形態選定部32に出力する。
【0073】
図14に示される火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは、各々の火災形態40、40A、40B(火災発生時刻40、火災発生地点40A、火災規模40B)、及び避難指定時刻41A毎に別個のものが複数、避難形態選定部32によって生成され、記憶される(図14における点線は、火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tが同様の形態で複数生成されることを示している)。図14において火災発生地点40A=41Aa−1となっているが、41Aa−1は、小地区41Aa内のいずれかの地点である。火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T、ノード・リンク表示データ5Dの各々に基づいて生成されたものであり、ケース番号35、避難地点36、避難人数37、避難経路38、所要時間39の各々が格納されている。火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難人数37、避難経路38、所要時間39は各々、上述の避難人数24、避難経路25、所要時間26と同様にして導出され、記憶される。避難地点36は、実施の形態1、2とは異なり、災害の種類が火災である(小領域A1a内のどの地点でも起こりうるものであり、かつ、可能な限り火災発生領域40Aから離れている所に避難することが望ましい)ことから、標高46とは無関係に設定されている(従って、避難地点36の選定には、ノード標高情報格納テーブル2Tは参照されない)。
【0074】
避難形態選定部32は、火災延焼予測部31から火災形態40、40A、40Bを入力すると、入力した火災形態40、40A、40Bと、各々の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される火災形態40、40A、40Bとを照合する。照合の結果と現在時刻(避難形態選定部32によって常時計測されている)とに基づいて、避難形態選定部32は、複数の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tからいずれかの火災形態40、40A、40B、及び避難指定時刻41Aに対応する火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tを選定する。また、避難形態選定部32は、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される所要時間39を参照して、最も所要時間39の短いものに対応する避難地点36と避難経路38とを選定し、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部32は、火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する。
【0075】
表示装置17は、避難形態決定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを記憶し、ホームぺージ(図示せず)に公開する。この公開、及び表示により、火災発生地点40Aの周辺部に所在する者は、端末20を介して火災形態40、40A、40B、及びその火災からの最適な避難形態41A、36、38を取得することが可能となる。外部記憶装置17Aには、図15を用いて後述する避難形態決定方法10c(但し、ステップS3aにおいて操作者により入力データが入力される処理は除く)を避難形態決定装置10Cに実行させるための避難形態決定プログラム10CCを記憶した記憶媒体が挿入される。
【0076】
次に、図15を参照して、本発明の実施の形態3に係る避難形態決定装置10Cを用いた避難形態決定方法10cについて説明する。尚、ステップS3aは、ステップS1aの「高潮発生時避難・誘導情報テーブル5T」が「火災発生時避難・誘導情報テーブル6T」に読み替えられること以外はステップS1aと同様であるので、その詳細な説明は省略する。また、ステップS3bは、ステップS1bの「高潮・洪水予測部15」が「火災延焼予測部31」に読み替えられること以外はステップS1bと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0077】
火災状況監視装置30は、火災の発生を検出したときに、火災発生情報30Aを火災延焼予測部31に出力する(ステップS3c)。火災延焼予測部31は、記憶される火災規模予測式と、火災状況監視装置30から入力した火災発生情報30Aと、気象状況予測部14から入力した小領域内気象状況データ3Dとに基づいて火災規模40Bを予測して避難形態選定部32に出力する(ステップS3d)。
【0078】
避難形態選定部32は、火災延焼予測部31から火災形態40、40A、40Bを入力すると、入力した火災形態40、40A、40Bと、各々の火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される火災形態40、40A、40Bとを照合する。照合の結果と現在時刻とに基づいて、避難形態決定部32は、いずれかの火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tを選定する。また、避難形態選定部32は、選定された火災形態40、40A、40Bの火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される所要時間39を参照して、最も所要時間39の短いものに対応する避難地点36と避難経路38と選定する。更に、避難形態選定部32は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、選定された火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tに示される避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態選定部32は、火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18とに送信する(ステップS3e)。表示装置17は、避難形態選定部32から入力した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを表示する。災害避難勧告情報Webサーバ18は、避難形態選定部32から受信した火災形態40、40A、40Bと避難形態41A、36、38とを記憶し、ホームぺージに公開する(ステップS3f)。
【0079】
(実施の形態4)
図16に、本発明の実施の形態4に係る避難形態決定システム100Dの構成を示す。避難形態決定システム100Dは、避難形態決定装置10D、気象状況Webサーバ11、端末19を具備する。避難形態決定装置10D、気象状況Webサーバ11、端末19の各々は、インターネット20を介して接続されている。避難形態決定装置10Dは、入力装置12、気象状況予測部14、火災状況監視装置30、火災延焼予測部31、避難形態決定部32´、表示装置17、外部記憶装置17A、リンク状況監視装置16A、人口密度状況入力装置16Bの各々を具備する。避難形態決定システム100Dは、避難形態決定システム100Cと同様に、火災等の、主に人為的な原因で誘発される災害(人災)に対して適応される。図16に示される構成要素のうち、避難形態選定装置32´以外の構成要素(図1、図12、図13と同一の番号が付されている)については、特に断りの無い限りは実施の形態1〜3と同様であるので、以下においてそれらの詳細な説明は省略する。
【0080】
(Aa)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Aは、計測された自動車数、又は人物数を示す情報を避難形態決定部32´に出力する((Aa)、(Ac)の各々については実施の形態2において述べたものと同様)。(Aa)の人口密度状況入力装置16B、及び(Ac)のリンク状況監視装置16Aから出力された情報(以下、「計測自動車数・人物数情報」と記す)は、後述の(Cb)において、小地区別人口密度情報格納テーブル4Tの代わりに、避難人数37の導出に用いられる。
【0081】
避難形態決定部32´は、避難形態選定部32と同様に入力装置12から入力した入力データを記憶するが、入力した入力データを基にした火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tの生成は行わない(従って、避難形態決定部32´は、避難形態選定部32と異なり、火災発生時避難・誘導情報テーブル6Tは記憶していない)。避難形態決定部32´は、次の(Ca)〜(Cd)の形態で避難地点36、避難人数37、避難経路38(避難経路38の利用率も含む)、所要時間39を導出する(選定又は導出される避難地点36、避難人数37、避難経路38、所要時間39の各々は、複数である)。(Ca)火災延焼予測部31から入力した火災形態40、40A、40Bを基にして、避難地点36を選定する。(Cb)(Ca)で選定された避難地点36、小地区別人口密度情報格納テーブル4T(又は、計測自動車数・人物数情報)とを基にして、避難人数37(自動車で避難する者の人数も含む)を導出する。(Cc)ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路38を決定し、決定された避難経路38の利用率を導出する(図14に示されるような形態で推測される)。(Cd)上記の(Ca)〜(Cc)の形態で選定、又は導出された避難地点36、避難人数37、避難経路38を基にして、所要時間39を導出する。
【0082】
避難形態決定部32´は、導出された所要時間39と現在時刻(避難形態決定部32´によって常時計測されている)の各々に基づいて、いずれかの避難地点36、及びいずれかの避難経路38を選定し、また、避難指定時刻41Aを決定する。また、避難形態決定部32´は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、決定された避難指定時刻41Aとに基づいて、避難形態41A、36、38を決定する。更に、避難形態決定部32´は、避難形態41A、36、38を表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して災害・避難勧告情報Webサーバ18と端末19とに送信する(このとき、火災形態40、40A、40Bも共に送信される)。この公開により、実施の形態3と同様に、火災発生地点40Aの周辺部等、火災による被害が大きいと予測される領域に所在する者は、端末19を介して火災形態40、40A、40B、及びその火災からの最適な避難形態41A、36、38を取得することが可能となる。
【0083】
次に、図15を参照して、本発明の実施の形態4に係る避難形態決定システム100Dを用いた避難形態決定方法10dについて説明する(括弧内に示される符号又は文字が、避難形態決定方法10dのものに相当する)。
【0084】
入力装置12に、地形情報格納テーブル1T、ノード標高情報格納テーブル2T以外の入力データ(ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3T、小地区別人口密度情報格納テーブル4T)の入力が行われ、入力された入力データが避難形態決定部32´に出力される。避難形態決定部32´は、入力装置12から出力された入力データの各々を入力して記憶する(ステップS4a)。ステップS4bはステップS3b、ステップS4cはステップS3cと同様であるので、その説明は省略する。また、ステップS4dはステップS3dにおける「避難形態選定部32」が「避難形態決定部32´」に読み替えられること以外は実施の形態3と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0085】
避難形態決定部32´は、火災延焼予測部31から入力した火災形態40、40A、40Bを基にして、避難地点36を選定する。避難形態決定部32´は、その選定された避難地点36と、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル4T(又は、計測自動車・人物数情報)とを基にして、避難人数37を導出する。避難形態決定部32´は、ノード・リンク表示データ5D、リンク情報格納テーブル3Tの各々を基にして避難経路38を決定し、決定された避難経路38の利用率を導出する。避難形態決定部32´は、上記の形態で選定、又は導出された避難地点36、避難人数37、避難経路38(各々複数ずつ、選定又は導出される)を基にして、所要時間39を導出する。避難形態決定部32´は、導出された所要時間39を基にして、避難地点36と避難経路38とを選定し、また、現在時刻を基にして避難指定時刻41Aを決定する。また、避難形態決定部32´は、選定された避難地点36、避難経路38の各々と、決定された避難指定時刻41Aとを基にして、避難形態41A、36、38を示す情報を生成する。更に、避難形態決定部32´は、火災形態40、40A、40Bと選定された避難形態41A、36、38とを表示装置17に出力し、また、インターネット20を介して端末19と災害避難勧告情報Webサーバ18に送信する(ステップS4e)。ステップS4fは、ステップS3fにおける「避難形態選定部32」を「避難形態決定部32´」に読み替えたものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0086】
以上のように、実施の形態3、4においては、人的災害の発生及びその形態(火災形態40、40A、40B)が局所的な気象データ(小領域内気象データb)を用いて予測され、その予測結果を用いて人的災害からの避難形態41A、36、38が決定される。決定された避難形態41A、36、38は、表示装置17、端末19、及び災害・避難勧告情報Webサーバ18によって表示されることで、災害発生地点40Aの周辺部等、火災の被害の大きいものと考えられる領域の所在者に通知される。これにより、その所在者は、実施の形態1、2で述べた自然災害のときと同様に、人的災害からの避難を従来と比較して、的確に(迅速に、又は遭難の危険が発生する前に)行うことが可能となり、結果的に人的災害による被害を最小限に食い止めることが可能となる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の避難形態決定装置により、自然災害の発生及びその形態の予測と、予測される形態に応じて最適な避難形態の決定とが可能となる。
【0088】
本発明の避難形態決定装置により、人災の発生が検出されたときに、発生した人災の進展形態の予測と、予測される進展形態に応じて最適な避難形態の決定とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1に係る構成を示す図である。
【図2】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、ホームページを示す図である。
【図3】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、地形情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図4】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、ノード・リンク表示データを示す図である。
【図5】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、ノード標高情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図6】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、リンク情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図7】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブルに格納される情報を示す図である。
【図8】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1〜4に係る、小領域内気象状況データを示す図である。
【図9】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、小領域別高潮規模推定データを示す図である。
【図10】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2に係る、高潮発生時避難・誘導情報テーブルに格納される情報を示す図である。
【図11】本発明の避難形態決定システムの実施の形態1、2を用いた、避難形態決定方法の処理の過程を示す図である。
【図12】本発明の避難形態決定システムの実施の形態2に係る構成を示す図である。
【図13】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3に係る構成を示す図である。
【図14】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3に係る、火災発生時避難・誘導情報テーブルに格納される情報を示す図である。
【図15】本発明の避難形態決定システムの実施の形態3、4を用いた、避難形態決定方法の処理の過程を示す図である。
【図16】本発明の避難形態決定システムの実施の形態4に係る構成を示す図である。
【符号の説明】
100A、100B、100C、100D:避難形態決定システム
10A、10B、10C、10D:避難形態決定装置
10AA、10BB、10CC、10DD:避難形態決定プログラム
11:気象状況Webサーバ
12:入力装置
14:気象状況予測部
14A:高潮・洪水監視部
15:高潮・洪水予測部
16:避難形態選定部
16´:避難形態決定部
17:表示装置
17A:外部記憶装置
18:災害・避難勧告情報Webサーバ
19:端末
20:インターネット
30:火災状況監視装置
31:火災延焼予測部
32:避難形態選定部
32´:避難形態決定部
1T:地形情報格納テーブル
2T:ノード標高情報格納テーブル
3T:リンク情報格納テーブル
4T:小地区別人口密度・自動車通行密度情報格納テーブル
5T:高潮発生時避難・誘導情報テーブル
6T:火災発生時避難・誘導情報テーブル
1D:領域別気象状況表示データ
2D:気象状況図示データ
3D:小領域内気象図示データ
4D:小領域別高潮規模推定データ
5D:ノード・リンク表示データ
Claims (17)
- 災害形態と、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記災害形態は、複数であり、
前記災害形態を予測する災害形態予測部と、
前記災害形態予測部が予測する前記災害形態に基づいて、前記記憶部が記憶する前記複数の災害形態のいずれかを選定し、前記選定された災害形態に対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態に対応する前記複数の避難形態のいずれかを選定することで、前記避難形態を決定する避難形態決定部とを具備する
避難形態決定システム。 - 災害の形態を予測する災害形態予測部と、
前記災害形態予測部が予測する前記災害形態に基づいて、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを導出し、前記導出された各々の優先度に基づいて前記避難形態を決定する避難形態決定部と
を具備する
避難形態決定システム。 - 請求項1又は2において、
前記災害は、特定領域において発生し、
前記特定領域内の気象状況を予測する気象状況予測部
を更に具備し、
前記災害形態予測部は、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況に基づいて前記災害形態を予測する
避難形態決定システム。 - 請求項3において、
前記災害の状況を検出する災害状況検出部
を更に具備し、
前記災害形態予測部は、前記災害状況検出部が検出した前記災害状況と、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況とに基づいて前記災害形態を予測し、
前記避難形態決定部は、前記災害形態予測部が予測した前記災害形態、前記災害状況検出部が検出した前記災害状況、及び前記各々の優先度に基づいて、前記いずれかの災害形態を選定する
避難形態決定システム。 - 請求項3又は4において、
前記複数の災害形態の各々は、前記災害の発生時刻、前記災害規模、及び前記災害の発生領域の各々を示し、
前記災害形態予測部は、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況に基づいて前記災害発生時刻、前記災害規模、及び前記災害発生領域の各々を予測し、
前記避難形態決定部は、前記災害形態予測部が予測した前記災害発生時刻、前記災害形態予測部が予測した前記災害規模、及び前記災害形態予測部が予測した前記災害発生領域の各々に基づいて、前記複数の災害形態のいずれかを選定する避難形態決定システム。 - 請求項4又は5において、
前記災害形態予測部は、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況と、前記災害状況検出部が検出した前記災害状況とに基づいて、前記災害発生時刻、前記災害規模、前記災害発生領域の各々を予測する
避難形態決定システム。 - 災害の形態と、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを対応付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記災害形態は、複数であり、前記複数の災害形態の各々は、前記災害の発生形態と、前記災害の規模とを示し、
前記災害発生形態を検出する災害発生形態検出部と、
前記災害規模を予測する災害規模予測部と、
前記災害発生形態検出部が検出した前記災害発生形態と、前記災害規模予測部が予測した前記災害規模とに基づいて、前記記憶部が記憶する前記複数の災害形態のいずれかを選定し、前記選定された災害形態に対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態に対応する前記複数の避難形態のいずれかを選定することで、前記避難形態を決定する避難形態決定部と
を具備する
避難形態決定システム。 - 災害の発生形態を検出する災害発生形態検出部と、
前記災害の規模を予測する災害規模予測部と、
前記災害発生検出部が検出した前記災害発生形態と、前記災害規模予測部が予測した前記災害規模とを示す災害形態に基づいて、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを導出し、前記導出された各々の優先度に基づいて前記避難形態を決定する避難形態決定部とを具備する
避難形態決定システム。 - 請求項7又は8において、
前記災害は、特定領域において発生し、
前記特定領域内の気象状況を予測する気象状況予測部
を更に具備し、
前記災害規模予測部は、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況に基づいて前記災害規模を予測する
避難形態決定システム。 - 請求項9において、
前記災害発生形態は、前記災害の発生時刻と、前記災害の発生地点とを示し、
前記災害規模予測部は、前記気象状況予測部が予測した前記気象状況、前記災害発生形態検出部が検出した前記発生時刻、及び前記災害発生形態検出部が検出した前記発生地点の各々に基づいて前記災害規模を予測し、
前記避難形態決定部は、前記災害発生形態検出部が検出した前記発生時刻、前記災害発生形態検出部が検出した前記発生地点、前記災害形態予測部が予測した前記災害規模の各々に基づいて、前記複数の災害形態のいずれかを選定する避難形態決定システム。 - 請求項3乃至6、9、10のいずれかにおいて、
前記特定領域は、前記災害からの複数の避難地点と複数の道路とを備え、前記避難は、前記複数の道路のいずれかを通行して前記複数の避難地点のいずれかに向かうことで行われ、
前記避難形態は、前記いずれかの避難地点と、前記いずれかの避難地点への前記避難の時刻とを示し、前記避難時刻は、複数であり、前記各々の優先度は、前記特定領域内の所在者が前記いずれかの避難地点への前記避難に要する所要時間であり、前記所要時間は、前記特定領域の人口密度と、前記いずれかの道路の混雑状況とに基づいて決定され、
前記避難形態決定部は、前記決定される所要時間の各々に基づいて、前記いずれかの避難地点と前記複数の避難時刻のいずれかとを選定する
避難形態決定システム。 - 請求項11において、
前記特定領域に所在する者に対し、前記災害発生時刻、前記災害規模、前記避難形態決定部が選定した前記いずれかの避難地点、前記避難形態決定部が選定した前記いずれかの避難時刻の各々を画面表示することで通知する表示部を更に具備する
避難形態決定システム。 - 記憶部、災害形態予測部、避難形態決定部の各々を具備するコンピュータにより実行される避難形態決定方法において、
前記記憶部は、災害形態と、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを対応付けて記憶し、前記記憶部が記憶する前記災害形態は、複数であり、
前記災害形態予測部が、前記災害形態を予測するステップと、
前記避難形態決定部が、前記災害形態予測部が予測する前記災害形態に基づいて、前記記憶部が記憶する前記複数の災害形態のいずれかを選定し、前記選定された災害形態に対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態に対応する前記複数の避難形態のいずれかを選定することで、前記避難形態を決定するステップとを具備する
避難形態決定方法。 - 災害形態予測部、避難形態決定部の各々を具備するコンピュータにより実行される避難形態決定方法において、
前記災害形態予測部が、災害の形態を予測するステップと、
前記避難形態決定部が、前記災害形態予測部が予測する前記災害形態に基づいて、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを導出し、前記導出された各々の優先度に基づいて前記避難形態を決定するステップとを具備する
避難形態決定方法。 - 記憶部、災害発生形態検出部、災害規模予測部、避難形態決定部の各々を具備するコンピュータにより実行される避難形態決定方法において、
前記記憶部が、災害の形態と、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを対応付けて記憶するステップと、前記記憶部が記憶する前記災害形態は、複数であり、前記複数の災害形態の各々は、前記災害の発生形態と、前記災害の規模とを示し、
前記災害発生形態検出部が、前記災害発生形態を検出するステップと、
前記災害規模予測部が、前記災害規模を予測するステップと、
前記避難形態決定部が、前記災害発生形態検出部が検出した前記災害発生形態と、前記災害規模予測部が予測した前記災害規模とに基づいて、前記記憶部が記憶する前記複数の災害形態のいずれかを選定し、前記選定された災害形態に対応する前記各々の優先度に基づいて、前記選定された災害形態に対応する前記複数の避難形態のいずれかを選定することで、前記避難形態を決定するステップとを具備する
避難形態決定方法。 - 災害発生形態検出部、災害規模予測部、避難形態決定部の各々を具備するコンピュータにより実行される避難形態決定方法において、
前記災害発生形態検出部が、災害の発生形態を検出するステップと、
前記災害規模予測部が、前記災害の規模を予測するステップと、
前記避難形態決定部が、前記災害発生検出部が検出した前記災害発生形態と、前記災害規模予測部が予測した前記災害規模とを示す災害形態に基づいて、前記災害からの複数の避難形態と、前記複数の避難形態の各々の優先度とを導出し、前記導出された各々の優先度に基づいて前記避難形態を決定するステップとを具備する
避難形態決定方法。 - 請求項13乃至16のいずれか一項に記載の避難形態決定方法をコンピュータに実行させる
避難形態決定プログラム。
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