JP2004094621A - 医療情報管理システム - Google Patents

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Shinichiro Oka
岡 慎一郎
Tomoyuki Wada
和田 朋之
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Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

【課題】医療に関連する種々の情報を統合的に管理し、医療行為の質の向上に資すること。
【解決手段】医療情報管理システム1は、患者情報、医療用品情報および治療プロトコルを含む医療情報を医療情報管理サーバ10が記憶し、医療行為に関連する一定の情報が統合的に管理される。したがって、医療情報管理サーバ10にアクセスすることで、医療行為を行う上で有用な情報が容易に取得でき、医療行為の質の向上を図ることができる。また、医療情報管理サーバ10に記憶される情報は、患者が治療等を受ける毎、医療用品が使用される毎あるいは治療等が行われる毎に逐次更新される。したがって、医療情報管理サーバ10に記憶される情報が常に最新のものとなり、医療行為の質のさらなる向上を図ることができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療に関する所定情報を統合的に管理するための医療情報管理システム、医療情報管理装置、管理プログラム、医療用品の管理用記録媒体、患者用記録媒体および医療情報管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療情報を管理する技術の一つとして、いわゆる電子カルテが知られている。
電子カルテとは、主として医療機関毎に設置されたサーバに、医師が患者の治療内容を記録するためのカルテを電子データとして保存しておくものであり、特定の患者についての病歴等に関する情報をサーバに保存されたデータベースで一元管理可能とするものである。
【0003】
また、医療情報を管理する他の技術として、患者が携帯するICカードに患者の既往症や投薬情報といった所定の医療情報を記録し、異なる医療機関を患者が利用する場合に、その医療機関においてICカードに記録された情報を参照する技術が知られている。
このように、患者が携帯するICカードに患者の既往症や投薬情報等を記録しておくことにより、患者がいずれの医療機関を利用する場合にも患者に関する正確な情報が把握でき、また、重複投薬を防止できるといった利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来電子データとして管理されている医療情報は、主として患者の病歴あるいはアレルギーに関する情報といった個人の属性に関する情報に限られており、その用途は、あくまで紙等のカルテに記載された情報の利用目的と同一の範囲内に限られていた。
【0005】
一方、近年、医療過誤による問題や、医療用品の不良、医療用品と患者との相性あるいは医療用品相互の相性といった種々の要素によって発生する副作用が顕在化しており、このような問題あるいは副作用の原因を特定し、また、再発を防ぐための方法が求められている。
ここで、医療過誤とは、一般に単純な人為的ミスによって発生するものである。
【0006】
また、医療用品と患者との相性とは、人間の個体差に基づく医療用品(医薬や器具等)に対する感受性の相違を言う。例えば、表面に負電荷を有する材料に血液が接触すると、凝固系と呼ばれる蛋白質(酵素群)が活性化され、血液の凝固が引き起こされると共に、種々の反応の結果、血圧降下作用を有する「ブラジキニン」と呼ばれる物質が産生される。このとき、血液が凝固する早さ、産生されるブラジキニンの量は個人によって異なり、また、産生されたブラジキニンによって血圧が低下する割合、ブラジキニンに対する感受性も個人によって異なるものである。
【0007】
そのため、体外循環用医療用具等の血液が接触する部分に負電荷が存在する場合に、患者によって、何等問題が生じないこともあれば、血液凝固によって血液の流路が目詰まりし、治療の中断を余儀なくされることに加え、血圧低下によるショック症状が引き起こされ、重篤な状態に陥ることもあり得る。
さらに、医療用品相互の相性とは、併用される医療用具の組み合わせに対する感受性の相違を言う。例えば、血液は、異物に接触すると凝固する性質があることから、体外循環を行う際には、抗凝固剤(ヘパリン、クエン酸等)が血液流路に持続的に添加される。このとき、患者個人の病態あるいは薬剤に対する感受性、医療用品の材料に対する感受性、併用されている医薬品の種類等によって、同一量および同一種類の抗凝固剤を用いても、血液が凝固し易かったり、逆に、凝固し難かったり、あるいは、血圧低下によるショック症状を引き起こし易かったりする。
【0008】
このような医療過誤による問題あるいは副作用が発生した場合、各要素を検査する必要があるため、その原因の特定には相当の時間を要するのが現状である。
しかし、医療過誤による問題あるいは副作用が発生した場合には、その性質上、原因を早急に特定する必要もあり、医療情報を管理する上で、このような医療過誤による問題あるいは副作用の原因の特定および再発の防止に資するものとなれば、その利用価値は飛躍的に高いものとなる。
【0009】
本発明の課題は、医療に関連する種々の情報を統合的に管理し、医療行為の質の向上に資することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置(例えば、図1の医療情報管理サーバ10)と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置(例えば、図1の端末装置20)とを含む医療情報管理システムであって、前記医療情報管理装置は、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報(例えば、発明の実施の形態中の「治療プロトコル」)とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供可能であることを特徴としている。
【0011】
ここで、医療情報には、発明の実施の形態中の患者情報、医療用品情報、治療プロトコル、ドナー情報および製造前血液情報が含まれる。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の医療情報管理システムであって、
前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、
請求項1または2記載の医療情報管理システムであって、
前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
ここで、製造履歴には、個々の医療用品の材料および加工に関する情報が含まれ、流通履歴には、流通における条件が含まれ、保管履歴には、保管における条件が含まれる。
【0013】
請求項4記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記端末装置は、該端末装置の利用者を識別して前記医療情報管理装置にアクセスし、前記医療情報管理装置は、記憶している前記医療情報のうち、該利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供可能であることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記端末装置は、所定の医療機関、医療用品製造業者あるいは患者の下に設置されることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、
請求項1〜6のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理装置は、前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新可能であることを特徴としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、
請求項1〜7のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
医療用品に付される管理用記録媒体(例えば、図1の管理用ICタグ30)と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置(例えば、図1のICチップ記録装置50)とをさらに含み、前記管理用記録媒体から読み取った情報を前記医療情報管理装置に送信可能であることを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、
請求項1〜8のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、前記医療情報管理装置は、該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得可能であることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、
請求項8または9記載の医療情報管理システムであって、
前記管理用記録媒体は、非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、該ICチップが付された医療用品の製造、流通、保管および使用が行われる所定個所に設置された前記情報転送装置によって、前記医療用品情報あるいは使用情報が逐次記録されることを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の発明は、
請求項8〜10のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記管理用記録媒体は、医療用品それぞれに対して1つもしくは複数の医療用品に対して1つが付されることを特徴としている。
請求項12記載の発明は、
請求項8〜11のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記管理用記録媒体は、所定のセンサを備え、該センサによって検知したデータを逐次記録可能であることを特徴としている。
【0020】
請求項13記載の発明は、
請求項8〜12のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記管理用記録媒体は、輸血用血液を製造するために用いられる各医療用品および製造された血液を保存するための血液バッグのそれぞれに付されることが可能であり、前記血液バッグに付された前記管理用記録媒体には、前記医療用品に付された管理用記録媒体の前記医療用品情報と輸血用血液の製造条件(例えば、ろ過時の温度、ろ過時期等)とが記録されることを特徴としている。
【0021】
請求項14記載の発明は、
請求項8〜13のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
使用された医療用品に付された前記管理用記録媒体から、該管理用記録媒体に記録された情報を取得し、医療用品の在庫管理、受発注管理あるいは会計管理の少なくともいずれかに関する処理を行う管理手段をさらに含むことを特徴としている。
【0022】
請求項15記載の発明は、
請求項1〜14のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
医療に関する所定処理を行う処理装置を含み、該処理装置は、自装置の稼動中に、処理対象についての前記医療情報を逐次検出し、
検出された医療情報に基づいて、該処理装置を制御する制御手段をさらに含むことを特徴としている。
【0023】
請求項16記載の発明は、
請求項1〜15のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、前記医療情報のうち、該患者に関連する所定の情報を該患者用記録媒体に記録可能であることを特徴としている。
【0024】
請求項17記載の発明は、
請求項16記載の医療情報管理システムであって、
一の患者に関連する前記医療情報が変更される場合、該患者に対応する前記患者用記録媒体および前記医療情報管理装置に記録されている医療情報それぞれに同一の変更が加えられることを特徴としている。
【0025】
請求項18記載の発明は、
請求項1〜17のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理装置は、前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報(例えば、発明の実施の形態中の「推奨プロトコル」)を提供可能であることを特徴としている。
【0026】
請求項19記載の発明は、
請求項13記載の医療情報管理システムであって、
前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴としている。
【0027】
請求項20記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムのための医療情報管理装置であって、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供可能であることを特徴としている。
【0028】
請求項21記載の発明は、
請求項20記載の医療情報管理装置であって、
前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0029】
請求項22記載の発明は、
請求項20または21記載の医療情報管理装置であって、
前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
請求項23記載の発明は、
請求項20〜22のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0030】
請求項24記載の発明は、
請求項20〜23のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
記憶している前記医療情報のうち、前記端末装置を介してアクセスする利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供可能であることを特徴としている。
【0031】
請求項25記載の発明は、
請求項20〜24のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新可能であることを特徴としている。
請求項26記載の発明は、
請求項20〜25のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置とをさらに含み、該管理用記録媒体に記録された情報を取得可能であることを特徴としている。
【0032】
請求項27記載の発明は、
請求項26記載の医療情報管理装置であって、
前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得可能であることを特徴としている。
【0033】
請求項28記載の発明は、
請求項20〜27のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
前記医療情報管理システムは、各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、該患者用記録媒体には、自装置が記憶している前記医療情報のうち該患者に関連する所定の情報が記録され、該患者用記録媒体に記録された情報が変更される場合、その変更と同一の変更を、自装置が記憶している前記医療情報に加えることを特徴としている。
【0034】
請求項29記載の発明は、
請求項20〜28のいずれかに記載の医療情報管理装置であって、
前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供可能であることを特徴としている。
請求項30記載の発明は、
請求項29記載の医療情報管理装置であって、
前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴としている。
【0035】
請求項31記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムにおける医療情報管理装置のための医療情報の管理プログラムであって、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0036】
請求項32記載の発明は、
請求項31記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0037】
請求項33記載の発明は、
請求項31または32記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
請求項34記載の発明は、
請求項31〜33のいずれかに記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴としている。
【0038】
請求項35記載の発明は、
請求項31〜34のいずれかに記載の医療情報の管理プログラムであって、
記憶している前記医療情報のうち、前記端末装置を介してアクセスする利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0039】
請求項36記載の発明は、
請求項31〜35のいずれかに記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
請求項37記載の発明は、
請求項31〜36のいずれかに記載の医療情報管理システムであって、
前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置とをさらに含み、該管理用記録媒体に記録された情報を取得する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0040】
請求項38記載の発明は、
請求項37記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0041】
請求項39記載の発明は、
請求項31〜38のいずれかに記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記医療情報管理システムは、各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、該患者用記録媒体には、自装置が記憶している前記医療情報のうち該患者に関連する所定の情報が記録され、該患者用記録媒体に記録された情報が変更される場合、その変更と同一の変更を、自装置が記憶している前記医療情報に加える機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0042】
請求項40記載の発明は、
請求項31〜39のいずれかに記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴としている。
請求項41記載の発明は、
請求項40記載の医療情報の管理プログラムであって、
前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴としている。
【0043】
請求項42記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り、前記医療情報管理装置に読み取った情報を送信可能な情報転送装置とを含む医療情報管理システムのための医療用品の管理用記録媒体であって、前記医療用品に対応する所定情報が記録されており、該医療用品の製造過程、流通過程および保管過程における動向を前記情報転送装置を介して、前記医療情報管理装置が把握可能とさせることを特徴としている。
【0044】
請求項43記載の発明は、
請求項42記載の医療用品の管理用記録媒体であって、
前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であることを特徴としている。
【0045】
請求項44記載の発明は、
請求項42または43記載の医療用品の管理用記録媒体であって、
非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、前記各過程に対応する記録装置によって、自動的に前記医療用品情報が記録されることを特徴としている。
請求項45記載の発明は、
請求項42〜44のいずれかに記載の医療用品の管理用記録媒体であって、
医療用品それぞれに対して1つもしくは複数の医療用品に対して1つが付されることを特徴としている。
【0046】
請求項46記載の発明は、
請求項42〜45のいずれかに記載の医療用品の管理用記録媒体であって、
所定のセンサを備え、該センサによって検知したデータを逐次記録可能であることを特徴としている。
請求項47記載の発明は、
医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に医療用品の個別の使用態様に基づく使用情報を記録可能な記録装置とを含む医療情報管理システムのための医療用品の管理用記録媒体であって、前記医療用品の使用過程において、該使用過程に基づく前記使用情報が逐次記録可能であることを特徴としている。
【0047】
請求項48記載の発明は、
請求項47記載の医療用品の管理用記録媒体であって、
前記管理用記録媒体は、非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、前記使用過程に対応する記録装置によって、自動的に前記使用情報が記録されることを特徴としている。
【0048】
請求項49記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、患者個人の属性に基づく患者情報を記録するための患者用記録媒体と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続され、該患者用記録媒体に前記患者情報を記録可能な記録装置とを含む医療情報管理システムのための患者用記録媒体であって、前記医療情報管理装置が記憶する所定情報のうち、前記患者用記録媒体に係る患者の前記患者情報が記録されていることを特徴としている。
【0049】
請求項50記載の発明は、
医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムにおける医療情報管理方法であって、前記医療情報管理装置は、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供することを特徴としている。
【0050】
請求項51記載の発明は、
請求項50記載の医療情報管理方法であって、
前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能な記録装置とをさらに含み、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録していき、管理用記録媒体に記録された情報が前記医療情報管理装置に蓄積されることを特徴としている。
【0051】
請求項52記載の発明は、
請求項50または51記載の医療情報管理方法であって、
前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供することを特徴としている。
本発明によれば、患者情報、医療用品情報および使用情報を含む医療情報を医療情報管理装置が記憶し、医療行為に関連する一定の情報が統合的に管理される。
【0052】
したがって、医療情報管理装置にアクセスすることで、医療行為を行う上で有用な情報が容易に取得でき、医療上の問題が生じた場合等にも、その原因を迅速に特定できる。即ち、本発明によれば、医療行為の質の向上を図ることができる。
また、医療情報管理装置が記憶する医療情報は、医療に関する種々の情報が統合的に管理されたデータベースとして活用することができ、記憶されている情報に基づいて、治験結果の集約と症例分析を効率的に行うことができる。そのため、著効例、有効例あるいは無効例等、それぞれの治療等に対して特徴的な患者情報や治療プロトコルをいち早く特定することが可能となり、治験の迅速化・効率化を図ることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る医療情報管理システム1のネットワーク構成を示す図である。図1において、医療情報管理システム1は、医療情報管理サーバ10と、複数の端末装置20と、管理用ICタグ30と、患者用ICカード40と、ICチップ記録装置50と、病院サーバ60を含んで構成され、医療情報管理サーバ10と、端末装置20、ICチップ記録装置50および病院サーバ60とはネットワーク70を介して通信可能に構成されている。
【0054】
医療情報管理サーバ10は、患者情報、医療用品情報および治療プロトコル(以下、これら3つの情報を併せて「医療情報」と言う。)をデータベース化して記憶し、端末装置20からの要求に応じて、記憶している情報を端末装置20に提供可能である。この医療情報管理サーバ10は、日本全国あるいは世界のように広域的な地域を単位として設置されたり、単一あるいは複数の所定医療機関毎に設置されたりする形態が可能である。
【0055】
ここで、患者情報とは、患者のカルテとしての情報(患者の病歴、アレルギー、投薬履歴あるいは副作用に関する情報等)、診察券としての情報、保険証としての情報といった、患者個人の特性に関連する情報を含み、医療用品情報とは、個々の医療用品の材料および加工に関する情報を含む製造履歴、流通における条件を含む流通履歴および保管における条件を含む保管履歴等、医療用品個別の特性に関する情報を含むものである。なお、患者情報には、患者の遺伝子に関する情報、患者のクレジットカードとしての情報および患者を識別するための情報(指紋、アイリス認証等の情報)を含めることとしてもよい。
【0056】
また、治療プロトコルとは、医療行為において実際に使用された医療用品相互の組み合わせもしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴等、医療行為が行われる現場において、医療用品が実際に使用される態様に関する情報を含むものである。
これらの医療情報は、医療機関や医療用品製造業者等が、端末装置20を介して医療情報管理サーバ10に入力したり、ICチップ記録装置50が後述する管理用ICタグ30あるいは患者用ICカード40を読み取った際に、ネットワーク70を介して医療情報管理サーバ10に入力したり、あるいは、病院サーバ60に記憶された医療情報を病院サーバ60が医療情報管理サーバ10に送信することにより、医療情報管理サーバ10に蓄積されていく。
【0057】
また、医療情報管理サーバ10は、端末装置20を介して、医師等から患者の治療に関する推奨情報(以下、「推奨プロトコル」と言う。)の提供が要求された場合に、記憶している医療情報に基づいて、患者の疾病、患者個人の性質に対応する推奨プロトコルを提供する。
推奨プロトコルには、患者の疾病あるいは患者個人の体質に対応して、最適と予想される治療方針が示されており、具体的には、患者の治療に用いる医薬品あるいは医療用品等の製品名、治療に用いる装置の運転に関する設定(例えば、透析装置の循環速度等)が含まれている。
【0058】
なお、医療情報管理サーバ10は、推奨プロトコルを生成する際、管理している医療情報を参照し、疾病に対する医薬品の効果、患者個人の医薬品との相性、医療用品相互の相性、医療用品と患者との相性あるいは医療用品の使用方法についての統計的処理を行うことにより、最適と予想される治療方針を特定する。また、この際、医療情報管理サーバ10が自動的に推奨プロトコルを生成する場合の他、推奨プロトコルを提供するための担当の医師等が待機しておき、推奨プロトコルの提供が要求された場合に、担当の医師等がデータ解析を行うことにより、推奨プロトコルを特定し、提供することとしてもよい。
【0059】
また、医療情報管理サーバ10は、端末装置20から医療情報の提供が要求された場合に、端末装置20を操作している利用者を識別し、その利用者にアクセスが許された特定の医療情報のみを提供する。このように、利用者に応じてアクセス制限を行うことにより、患者のプライバシーが保護されることに加え、医療機関あるいは医療用品製造業者等が、他者に知られたくない情報の秘密を保持でき、医療情報管理システム1の利用が促進される。
【0060】
上述の機能を実現するため、医療情報管理サーバ10は、PC(Personal Computer)あるいはワークステーション等の情報処理装置によって構成される。
図2は、医療情報管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。図2において、医療情報管理サーバ10は、入力部11と、制御部12と、記憶部13と、RAM(Random Access Memory)14と、VRAM(Video Random Access Memory)15と、表示部16と、通信部17とから構成される。
【0061】
入力部11は、カーソルキーや数字入力キー等を備えたキーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含み、キーボードにおいて押下されたキーの押下信号やマウスの位置信号を制御部12に出力する。
制御部12は、医療情報管理サーバ10全体を制御するもので、入力部11から入力される各種の指示信号に従って、記憶部13に記憶された各種処理に関するプログラムを読み出して実行する。また、制御部12は、端末装置20、ICチップ記録装置50あるいは病院サーバ60から送信された医療情報を受信し、記憶部13に記憶したり、推奨プロトコルの提供が要求された場合に、推奨プロトコルを特定し、提供するといった、医療情報管理サーバ10の機能に伴う種々の演算を実行する。そして、制御部12は、各種処理結果を記憶部13やRAM14の所定の領域に格納したり、表示部16に表示させたりする。
【0062】
記憶部13は、ハードディスク装置あるいはフラッシュROM等の不揮発性の記憶装置で構成される。この記憶部13は、医療情報管理サーバ10の制御のための各種処理に関するプログラムを記憶する。また、記憶部13は、患者情報を患者と対応付けて記憶している。
RAM14は、各種データを記憶するもので、制御部12により実行される各種処理において生成された各種データを一時的に格納するワークエリア14aを有する。
【0063】
VRAM15は、表示部16で表示される表示データを格納するビデオメモリである。
表示部16は、例えばドットマトリクスタイプのカラー液晶表示セルもしくはCRT(Cathode Ray Tube)等から構成され、VRAM15に格納された各種データを表示する。
【0064】
通信部17は、制御部12から送信指示された各種データに対し、所定の形式へのデータ変換処理および変調処理を施して、ネットワーク70を介して送信先機器に出力する。また、通信部17は、端末装置20等の他の機器から送信された信号を受信し、原信号への復調処理およびオリジナルデータ形式へのデータ変換処理を施して、制御部12に出力する。
【0065】
次に、端末装置20について説明する。
端末装置20は、ネットワーク70を介して医療情報管理サーバ10にアクセス可能なクライアントとしての機能を有し、医療機関、医療用品製造業者あるいは患者の下に設置される。そして、端末装置20は、医療情報管理サーバ10にアクセスする際、ID番号等、利用者を識別するための情報の入力を要求し、その情報を医療情報管理サーバ10に送信する。なお、端末装置20には、医療情報管理サーバ10から各利用者の利用権限に応じた所定の医療情報が送信される。
【0066】
また、端末装置20は、医療情報管理サーバ10が記憶する所定の医療情報を変更したり、追加したりすることが可能である。即ち、医療機関が端末装置20を利用して医療情報管理サーバ10にアクセスすることにより、患者の治療が行われる毎に患者情報あるいは治療プロトコルを更新したり、医療用品製造業者が端末装置20を介して医療情報管理サーバ10にアクセスすることにより、医療用品情報を更新したりすることが可能である。また、患者が端末装置20を介して医療情報管理サーバ10にアクセスすることにより、患者の保険証としての情報等の患者情報を更新したり、患者情報にクレジットカードとしての情報を追加したりすることが可能である。
【0067】
さらに、所定の端末装置20は、対応する病院サーバ60のクライアントとして機能し、病院サーバ60上に構成されたSPD(Supply Processing Distribution)システム(後述)に関する種々の入力操作を受け付ける。
次に、端末装置20のハードウェア構成について説明する。
図3は、端末装置20のハードウェア構成を示す図である。図3において、端末装置20は、PC等によって構成されるため、そのハードウェア構成の主な部分は図2に示す医療情報管理サーバ10の場合と同様である。したがって、異なる部分である制御部22と、記憶部23についてのみ説明し、他の部分については説明を省略する。なお、端末装置20は、PCあるいはワークステーション等の固定的に設置される装置の他、携帯情報端末によって構成することも可能である。
【0068】
制御部22は、端末装置20全体を制御するもので、入力部21から入力される各種の指示信号に従って、記憶部23に記憶された各種処理に関するプログラムを読み出して実行する。また、制御部22は、入力部21から入力された情報(例えば、利用者を識別するための情報や種々の医療情報等)を医療情報管理サーバ10に送信したり、医療情報管理サーバ10から所定の情報(例えば、医療情報あるいは推奨プロトコル)を受信した場合に、受信した情報を表示するといった、端末装置20の機能に伴う種々の演算を実行する。さらに、制御部22は、治療に使用された医療用品の発注に関する情報等、SPDシステムに関連する情報を病院サーバ60に送信する。そして、制御部22は、各種処理結果を記憶部23やRAM24の所定の領域に格納したり、表示部26に表示させたりする。
【0069】
記憶部23は、ハードディスク装置あるいはフラッシュROM等の不揮発性の記憶装置で構成される。この記憶部23は、端末装置20の制御のための各種処理に関するプログラムを記憶する。
次に、管理用ICタグ30について説明する。
管理用ICタグ30は、ICチップが埋め込まれた非接触方式のタグであり、輸血用血液バッグや輸血用血液のフィルタ等、各医療用品に付されている。そして、管理用ICタグ30には、その医療用品の製造履歴、流通履歴あるいは保管履歴がICチップ記録装置50によって逐次記録されていく。したがって、各医療用品に付された管理用ICタグ30には、その医療用品が使用される時点までの詳細な属性情報(医療用品情報)が記録されており、その医療用品が使用される際に、管理用ICタグ30に記録された医療用品情報がICチップ記録装置50によって読み取られ、医療情報管理サーバ10に送信される。これにより、医療行為に使用された医療用品についての医療用品情報が、医療情報管理サーバ10によって一元管理される。また、医療行為を行う医療機関において、治療等を行う患者と使用する医療用品とを対応づけてICチップ記録装置50に読み取らせることにより、同時に使用された医療用品が医療情報管理サーバ10に記憶される。
【0070】
なお、管理用ICタグ30として、接触方式のタグを使用することも可能であり、また、読み取り専用のICチップとすることも可能である。管理用ICタグ30を読み取り専用のものとした場合、例えば、製品番号を記録しておき、ICチップ記録装置50によって読み取った製品番号を医療情報管理サーバ10に送信することにより、その製品の医療用品情報を管理することも可能である。
【0071】
また、管理用ICタグ30に流通履歴や保管履歴を記録する方法として、貨物室あるいは保管庫に設置されたセンサが検出した温度等を、ICチップ記録装置50によって、貨物室あるいは保管庫内の管理用ICタグ30に記録することが可能である。一方、管理用ICタグ30として、温度、圧力あるいは衝撃(加速度)等のセンサを備え、自動的に履歴を記録可能なICチップを用いることにより、詳細な医療用品情報を取得することができるため利便性がより向上する。
【0072】
ただし、このようなICチップは、電池を内蔵する型式のものとなり、高コストとなる。したがって、個々の医療用品に管理用ICタグ30を付すことに加え、医療用品が収容された各ダンボール等を単位として、上述のセンサを備えた管理用ICタグ30を付し、その管理用ICタグ30に記録された医療用品情報を、使用される医療用品に付された管理用ICタグ30(センサを備えていない型式のもの)に転記することとしてもよい。また、ダンボール等に付された管理用ICタグ30の記録内容を医療情報管理サーバ10に送信し、医療情報管理サーバ10において、各医療用品に付された管理用ICタグ30の記録内容と、ダンボール等に付された管理用ICタグ30の記録内容とを関連づけて管理することとしてもよい。
【0073】
続いて、患者用ICカード40について説明する。
患者用ICカード40は、ICチップが埋め込まれた非接触方式のICカードであり、ICチップ記録装置50によって、所定の患者情報を記録することが可能である。また、患者用ICカード40は、患者が医療機関を利用する際に、常に携帯され、その医療機関において患者に対して行われた治療、投薬あるいはその際に使用された医療用品等の履歴(医療情報)が逐次記録される。なお、このとき記録された医療情報は、ネットワーク70を介して同一の内容が医療情報管理サーバ10にも併せて送信され、医療情報の一元管理が行われる。
【0074】
なお、管理用ICタグ30および患者用ICカード40に内蔵されるICチップは、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式あるいは光方式等によって、ICチップ記録装置50との非接触通信が可能である。
次いで、ICチップ記録装置50について説明する。
ICチップ記録装置50は、非接触通信方式によって、管理用ICタグ30および患者用ICカード40との通信が可能である。そして、ICチップ記録装置50は、ネットワーク70を介して医療情報管理サーバ10と接続され、管理用ICタグ30あるいは患者用ICカード40から読み取った情報を医療情報管理サーバ10に送信したり、ICチップ記録装置50において入力された情報や医療情報管理サーバ10から受信した情報を患者用ICカード40に書き込んだりする。
【0075】
また、ICチップ記録装置50は、工場の生産ラインあるいは輸血用血液製剤の製造ラインといった医療用品の製造過程、運送用車両の貨物室、中継ターミナルの一時保管倉庫といった流通過程あるいは医療用品の納入先である医療機関等の保管用倉庫といった保管過程のそれぞれに固定的に設置されたり、可搬型の装置として必要に応じて持ち込まれたりすることにより、医療用品情報を管理用ICタグ30に記録することが可能である。
【0076】
病院サーバ60は、医療機関毎に設置され、その医療機関における医療用品の在庫管理、受発注管理および会計管理に関する処理を行うSPDシステムのサーバとして機能する。即ち、病院サーバ60には、その医療機関において保管されている医療用品や、治療等に使用された医療用品についての情報が逐次送信される。このとき、治療等が行われる際に読み取られた管理用ICタグ30の記録内容が自動的に送信されたり、端末装置20から、担当者が入力したりするといった形態で病院サーバに情報が送信される。
【0077】
そして、病院サーバ60は、送信された情報に基づいて、その医療機関で使用された医薬品や医療器具といった医療用品を自動的に発注する。また、病院サーバ60は、その医療機関において保管されている医療用品の有効期限管理やレセプトの請求に関する処理を自動的に行う。
なお、医療用品に管理用ICタグ30が付されていることによって、従来のように医療用品に付されたバーコードを読み取る場合に比べ、速やかに情報の入力が行えるため、緊急時にも対応可能であるという利点を有する。
【0078】
次に、病院サーバ60のハードウェア構成について説明する。
図4は、病院サーバ60のハードウェア構成を示す図である。図4において、病院サーバ60は、PC等によって構成されるため、そのハードウェア構成の主な部分は図2に示す医療情報管理サーバ10の場合と同様である。したがって、異なる部分である制御部62と、記憶部33についてのみ説明し、他の部分については、説明を省略する。
【0079】
制御部62は、病院サーバ60全体を制御するもので、入力部61から入力される各種の指示信号に従って、記憶部63に記憶された各種処理に関するプログラムを読み出して実行する。また、制御部62は、入力部61から入力された情報(例えば、医療用品の使用に関する情報やSPDシステムに関連する種々の情報等)を記憶部63に記憶したり、医療情報管理サーバ10や端末装置20等に種々の情報を送信したりする。また、SPDシステムにおけるサーバとしての機能を実現するため、制御部62は、医療用品の在庫管理、受発注管理および会計処理を行い、必要に応じて、医療用品製造業者等に、必要な医療用品の発注を行う。
【0080】
そして、制御部62は、各種処理結果や入力されたデータを記憶部63やRAM64の所定の領域に格納したり、表示部66に表示させたりする。
記憶部63は、ハードディスク装置あるいはフラッシュROM等の不揮発性の記憶装置で構成される。この記憶部63は、病院サーバ60の制御のための各種プログラムや、病院サーバ60がSPDシステムのサーバとして機能するために、医療用品の管理に関するデータを記憶している。
【0081】
ネットワーク70は、専用ネットワークあるいは公衆ネットワークのいずれによることも可能であり、必要に応じて、移動通信ネットワーク等の無線通信ネットワークを含むことも可能である。即ち、ネットワーク70として、医療施設内に設置されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク(例えば、単一の医療施設あるいは病院・介護施設を含む複数の医療施設によって構成されるグループ内に設置されたネットワーク)や、日本全国あるいは世界規模の広域ネットワークのいずれを利用することも可能である。
【0082】
次に、医療情報管理システム1における処理の流れを説明する。
図5は、患者情報、医療用品情報および治療プロトコルが医療情報管理サーバ10に記憶される様子およびそれらに基づいて、推奨プロトコルが特定される様子を示す概念図である。
初めに、医療情報管理サーバ10に種々の医療情報が蓄積される場合の処理の流れについて説明する。
【0083】
図6は、医療情報管理サーバ10に医療用品情報が記憶されるまでの処理の流れを示す図である。
図6において、医療用品の製造から使用までの各過程において、医療用品に付された管理用ICタグ30に、所定の医療用品情報が記録されていく。即ち、医療用品の製造過程において、医療用品の材料、製品番号、製造日時あるいは加工履歴といった製造履歴が記録される。次いで、その医療用品の流通過程において、搬送日時、貨物室内の気温、搬送時間あるいは搬送経路といった流通履歴が記録される。さらに、医療機関等に納入された医療用品が保管されている状態、例えば、倉庫の温度あるいは保管期間といった保管履歴が記録される。
【0084】
このようにして、その医療用品が使用されるまでの医療用品情報が管理用ICタグ30に記録され、医療用品が使用される際に、記録されている医療用品情報がICチップ記録装置50に読み取られることにより医療情報管理サーバ10に送信される。なお、製造、流通および保管の各過程における管理用ICタグ30の記録内容をICチップ記録装置50によって読み取り、医療情報管理サーバ10に送信することも適宜行われる。このようにすることで、医療用品のトレーサビリティを向上させることができる。
【0085】
次に、医療情報管理サーバ10に治療プロトコルが記憶される処理の流れについて説明する。
治療プロトコルは、医療機関において医療行為が行われる毎に、その医療機関に設置された端末装置20あるいはICチップ記録装置50を介して、医療情報管理サーバ10に送信される(図5参照)。ここで、治療プロトコルとして、その医療行為に用いた各医療用品を特定するための情報(例えば、製品番号等)、医療行為に用いた医療機器の操作あるいは使用等に関する履歴(例えば、透析装置の循環速度、稼働時間等の稼動履歴)等の情報が患者と対応付けられて、医療情報管理サーバ10に送信される。
【0086】
続いて、医療情報管理サーバ10に患者情報が記憶される処理の流れについて説明する。
患者情報は、患者用ICカード40が発行される際、ICチップ記録装置50を介して、その患者用ICカード40に入力され、その情報が医療情報管理サーバ10に同時に送信される(図5参照)。そして、患者が医療機関において治療等を受ける毎に、医療機関に患者用ICカード40を提出し、治療内容等が患者用ICカード40に追記されるとともに、同一の情報が医療情報管理サーバ10に送信される。なお、患者情報は、端末装置20を介して医療情報管理サーバ10に送信することも可能であり、この場合、その後、患者用ICカード40に医療情報が記録可能となった際に、速やかに、その患者情報が記録される。
【0087】
続いて、医療情報管理サーバ10が推奨プロトコルを提案する処理の流れについて説明する。
患者の治療等を行う場合、患者と医療用品あるいは医薬品等の相性、医療用品あるいは医薬品相互の相性、医療用品の使用方法あるいは医療用品自体の問題等によって、副作用等の問題が生じ得ることが知られている。
【0088】
そのため、医療情報管理システム1においては、ある患者の治療等を行う場合、医療情報管理サーバ10が記憶している患者情報、医療用品情報および治療プロトコルに基づいて、使用する医療用品相互の適切な組み合わせ、患者の疾病あるいは患者の体質に対して問題のない医療用品、医療用品の適正な使用方法、医療器具の適切な稼動のさせ方等の情報を含む推奨プロトコルを特定する。即ち、医療情報管理サーバ10が記憶する医療情報を参照することにより、過去に問題が生じたケースの再発が防止される。
【0089】
また、この推奨プロトコルによって、より専門的な見地から治療方針を提案することとしてもよい。この場合、推奨プロトコルを提案するに当たり、医師等、一定の権限を有する者の承認を得ることが適切である。
次に、患者用ICカード40の利用形態について説明する。
従来、慢性腎不全の透析患者は、かかりつけの医療機関で週3回程度の透析治療を受けている。そのため、旅行等によって、かかりつけの医療機関で透析治療を受けられない場合には、かかりつけの医療機関等で旅行先の医療機関等を予め紹介してもらい、かかりつけの医療機関から旅行先の医療機関に、その患者の治療プロトコルを通知する。そして、患者は、旅行先の医療機関等で治療の予約を取った上で、旅行先に出かける必要があった。
【0090】
このような場合、患者は、自らの患者情報が記録された患者用ICカード40を携帯することによって、旅行先の医療機関を予約することなく、旅行に出かけることが可能となる。即ち、患者は、患者用ICカード40を携帯して旅行に出かけ、旅行先で近隣の医療機関(透析施設等)を検索する。そして、患者が、訪問した医療機関に患者用ICカード40を提示し、その医療機関は、その患者の患者情報を読み取ることにより、患者の治療プロトコルあるいはアレルギー情報といった治療に必要な情報が直ちに把握でき、それを基に治療を行うことができる。
【0091】
また、心疾患等の持病を有する患者が、患者用ICカード40を携帯しておくことにより、外出先で発作が起きる等、緊急の治療が必要となった場合に、より適切な治療を行うことが可能となる。即ち、発作が起きた場合等に、携帯電話等によって119番に通報すると共に、患者が携帯していた患者用ICカード40の患者情報を救急隊および病院に送信する。そして、患者情報に基づいて、救急車が現場に到着するまでの間に、考えられる疾患名および病状を予測しておく。それによって、現場に到着後、病院に搬送されてくるまでの間に、救急隊が医師の指示に基づいて、迅速に適切な治療を行うことが可能となり、救命率の向上を図ることができる。
【0092】
なお、本発明の適用対象として、主に体外循環治療分野(例えば、自己免疫疾患等および人工透析)、輸血分野(例えば、ドナー管理、血液製剤製造工程管理および使用管理)が挙げられる。以下、これらの分野に本発明を適用する具体的態様および利点について説明する。
体外循環治療の分野においては、第1に、自己免疫疾患等の難病の治療(血漿交換療法、血漿成分吸着除去療法、治療的細胞除去療法等)に本発明が適用可能である。
【0093】
このとき、特に注意を要する事項は、血液凝固、出血および血圧低下ショックである。血液凝固は、抗凝固剤の不足、血小板の活性化等によって引き起こされ、出血は、抗凝固剤の過剰投与によって引き起こされる。
これらが発生する事態に至ると、患者の生命に関わる問題に発展し、ひいては緊急処置を施す必要が生ずることとなる。
【0094】
したがって、これらが発生する事態を避けるため、血液流量・流速、体外循環経路の圧力損失、患者の血圧あるいは脈拍等を取得し、不測の事態を未然に防ぐと共に、抗凝固剤の投与速度・累積投与量と、監視しているパラメータの動向との関係を監視する。
それによって、データの蓄積・解析を行い、患者情報に合わせて、血液の凝固と出血との最適なバランスとなる状態を見出すことができるため、その状態に収束するように制御することが可能となる。
【0095】
このとき、末梢血中の血球数、凝固・線溶・キニン活性、アナフィラトキシン濃度あるいは溶存酸素濃度等を監視することによって、より確度が高く、高度な予測と制御が可能となる。
また、体外循環治療の開始時、治療途中、終了時および返血時等に、循環血液流速の変更や循環のためのポンプの一時停止といった特定の手順を経ることで、ある種の副作用が発生する場合がある。
【0096】
このような場合に、治療プロトコルを記録しておき、蓄積された治療プロトコルと副作用との関係を解析することにより、副作用の発生状況を詳細に把握することができるため、副作用の原因を迅速に特定することができるとともに、副作用の再発の防止に役立てることができる。
また、重症筋無力症等の一部の自己免疫疾患や薬物中毒等の場合、体外循環治療によって除去すべき血液中の病原物質が明らかである。そのため、血中濃度を取得しつつ体外循環治療を行うことによって、体外循環治療の終了時刻を予測して医療従事者や患者に知らせたり、治療効果を予測することが可能となる。加えて、体外循環治療における治療プロトコル等のデータを蓄積し、解析することにより、最も効果的な治療プロトコル(併用薬剤、食事あるいは併用療法等の選択を含む。)を提案することが可能となる。
【0097】
なお、このとき除去対象物質の血中濃度を取得するためには、特定の物質を検知するセンサを備えたICチップを体外循環用回路の内面に装着したり、あるいは、センサ部分が血液と接触するように体外循環用回路に埋め込み、そのICチップから、検知されたデータを体外循環装置や医療情報管理サーバ10等の情報処理装置に無線によって送信することが可能である。
【0098】
一方、疾病の原因あるいは病因物質が不明な難病も多数存在するという事情がある。このような疾病に対しては、体外循環治療によって一定の物質を血液中から除去することで、著効が認められる場合がある。しかし、同一の患者に同一の体外循環治療を繰り返し施した場合であっても再現性が乏しいと言う問題や、同一の疾患を有する他の患者に対しては効果が認められないと言う問題がある。
【0099】
このような難病に対して本発明を適用し、患者情報および治療プロトコルと治療効果との関係についてのデータを蓄積すると共に、その解析を行うことによって、貴重な参考データを得ることができ、特定の治療を行った場合に、治療効果を最も期待できる患者情報と、併用薬剤や併用医療用具等を含む治療プロトコルの最適なものとを特定することが可能となる。
【0100】
また、体外循環治療の分野において、第2に、人工透析に本発明が適用可能である。
人工透析の対象となる慢性腎不全患者の場合、上述の難病患者とは異なり、病態が比較的安定していることが多い。そのため、透析治療中に、血液凝固、出血および血圧低下ショックといった重篤な事態に至る危険性は低いと考えられる。ただし、体外循環治療を行うものであるため、これらの危険性は皆無とは言えず、抗凝固材の投与速度あるいは凝固血液による目詰まりを検知するための膜間圧力差(TMP:Trans Membrane Pressure)を監視することが必要である。また、上述の難病治療と同様に、各種パラメータを取得し、その動向を予測することによって不測の事態を未然に防ぐための制御を行うことが有用である。
【0101】
このとき、治療効果を予測するため、あるいは、治療終了時刻を予測するため等に関連するパラメータとしては、血液の除水量、透析液流量、アルブミンのリーク検知、血中の尿酸、クレアチニン、燐、アルブミンあるいはβ2ミクログロブリン等が挙げられる。
なお、人工透析に本発明を適用した場合、本システムは、患者情報、治療効果予測および副作用の防止等に関する情報を保有していることから、患者それぞれの体質や希望といった事情に応じて、きめ細やかな治療プロトコルを設定することが可能となる。例えば、比較的年齢が若く体力があり、仕事との関係で短時間の透析治療を望む患者や、体力に乏しく、時間をかけて緩やかに除水を行うことが望ましい患者に対し、それぞれに適する治療プロトコルの設定を行うことが可能である。
【0102】
続いて、輸血分野の場合を説明する。
輸血分野においては、第1に、血液のドナー管理に本発明が適用可能である。
このとき、ドナー情報を記録したドナー用ICカードを各ドナーに発行する。ドナー情報としては、血液型(赤血球および白血球のもの)、血液の比重、渡航歴、ヘマトクリット・血球数検査、生化学検査、ウィルス抗原、抗ウィルス抗体検査、不規則抗体検査等の過去の検査結果、献血歴、特記事項の履歴(例えば、過去の献血において、気分不快や所定時間内に採決が終了しなかった等の不具合、特定の成分献血の際にクエン酸中毒等の症状が出なかったか、白血球除去時にフィルタが目詰まりを起こしていないか、白血球除去率、白血球除去処理における赤血球/血小板回収率等)が記録される。また、血液センターの要請に応じて、随時献血に応じる意思があるか否か、および、連絡先等も併せてドナー用ICカードに記録される。
【0103】
以上のような情報は、従来、バーコードシステムと血液センターのホストコンピュータとを接続することによって管理しているところ、ドナー用ICカードに記録しておくことで、データの確実性が向上し、データを迅速に照会可能となる。また、居住地と職場とが離れた場所にあり、管轄する血液センターや血液銀行組織が異なる場合であっても、ドナー情報を共有化することが可能となる。
【0104】
また、輸血分野において、第2に、血液製剤製造工程管理に本発明が適用可能である。
血液製剤の製造において、特に注意を要する事項は、白血球除去製剤を製造する際に、白血球除去フィルタを用いて適切に白血球が除去されたか否かである。
ここで、白血球除去フィルタの性能は血液製剤の温度や採血後の日数等、血液側の因子によって大きく影響を受ける。また、遠心分離工程の条件および白血球除去工程によっても影響を受ける。さらに、ドナーとフィルタとの相性のため、特定のドナーと特定のフィルタとを組み合わせた場合に血小板の回収率が低下する現象も発生する。
【0105】
そして、もとより、ドナーそれぞれによって血液性状が異なる上、血液製剤の採血履歴および製造履歴によっても血液性状は異なったものとなる。即ち、これら血液自体に関する情報(以下、「血液情報」と言う。)、および、血液から白血球が除去される際の条件(例えば、血液製剤の温度、環境温度あるいは血液の流速等)が、白血球除去についての品質に影響を及ぼす。
【0106】
したがって、血液情報に関連するドナー情報、血液製剤の製造履歴、白血球除去工程の条件、白血球除去率あるいは赤血球回収率/血小板回収率、ろ過時間等の性能およびこれらに関する不具合の情報とを関連付けて蓄積し、解析することによって、不具合の原因を特定したり、最適な治療プロトコルの提案を行うことが可能となる。
【0107】
このとき、取得すべきパラメータとしては、上述のドナー情報に加え、全血採血においては、採血開始時刻、終了時刻および特記事項、成分採血においては、採血開始時刻、終了時刻、血液流量と抗凝固剤投与量と遠心条件とを含む採血方法に関する情報、血圧、脈拍および特記事項が挙げられる。さらに、遠心分離においては、遠心条件(重力加速度、遠心分離機のアクセルおよびブレーキ、開始時刻、終了時刻、温度および遠心分離機の製品ID等)、白血球除去においては、血液製剤のID、白血球除去フィルタのID、オペレータのID、血液製剤の温度およびろ過時の落差や開始時刻および終了時刻等を含むろ過条件、残存白血球数や赤血球回収率/血小板回収率およびろ過時間等のフィルタ性能・品質に関する情報等が挙げられる。
【0108】
なお、血液中の病原体を不活性化させるための病原体不活性化工程の品質管理においても、白血球除去と同様に、不活性化処理における条件、処理時刻、処理後の検査結果等に関する情報を蓄積しておくことが有用である。
また、血液製剤に関しては、一人のドナーの血液から、最大で3種類の血液製剤が製造され、それぞれの血液製剤が異なった患者に輸血されることが一般的である。
【0109】
そのため、最終的に製造される血液製剤のそれぞれに管理用ICタグ30を付し、ドナー情報、製造履歴、流通履歴および保管履歴とを対応付けてトレーサビリティを確保することが有用である。さらに、白血球除去フィルタや病原体不活性化処理に用いられた薬剤や吸着剤等にも管理用ICタグ30を付しておき、製造履歴と関連付けて記録しておくことにより、血液製剤の品質に影響を及ぼす全ての情報についてトレーサビリティを確保することができる。
【0110】
ここで、輸血用血液が製造される場合に、製造過程等に関する種々の情報が管理用ICタグ30に記憶される具体的態様について説明する。
図7は、白血球除去工程を含む血液製剤の製造工程の一例を示す図である。
図7において、血液を収容するバッグB1には、採血針を介してドナーから採取された血液が収容されており、このバッグに付された管理用ICタグ30には、献血された日時、ドナーに関する情報等、提供された血液の属性に関する情報(以下、「製造前血液情報」と言う。)が記録される。
【0111】
そして、バッグB1〜B4および白血球除去フィルタ(以下、これらからなる部分を「フィルタシステム」と言う。)は、遠心分離機にかけられ、血液の成分の比重に応じて、バッグB1内の血液は、ほぼ3層に分離される。詳細には、上層には血漿、中層にはバフィーコート(主として血小板)、下層には赤血球が分離されていると共に、中層および下層に跨って、白血球が含まれている。
【0112】
次に、フィルタシステムを成分分離装置にセットし、上層をバッグB4に移した後、バッグB4をバッグB1から切り離す。
また、この処理に並行して、バッグB1の下層に分離された赤血球をバッグB2に移す作業を行う。この時点で、バッグB1にはバフィーコートが残される。
ここで、バッグB3には赤血球保存液が収容されており、この赤血球保存液を白血球除去フィルタを介して、一旦、バッグB2に移すことにより、白血球除去フィルタのプライミング処理を行う。また、これにより、バッグB2内の赤血球が希釈される。
【0113】
そして、希釈された赤血球製剤を、白血球除去フィルタを通して白血球を除去しつつ、バッグB3に移し、バッグB3に白血球除去済みの赤血球製剤が製造される。
なお、白血球除去フィルタには、そのフィルタの医療用品情報を記録した管理用ICタグ30が付されている。
【0114】
また、製造された血液製剤を収容する血液バッグにも、管理用ICタグ30が付されており、収容している血液製剤がろ過された条件(温度、日時、時間等)および保管条件等と、製造前血液情報と、白血球除去フィルタの医療用品情報とが記録される。
このようにして記録された医療情報は、血液バッグ内の血液が輸血に用いられる際に医療情報管理サーバ10に送信される。
【0115】
また、輸血分野において、第3に、血液製剤の在庫・出庫管理および会計処理に本発明が適用可能である。
血液製剤は、他の医療用品に比して、使用期限が一層厳密に管理される必要がある。そこで、管理用ICタグ30に記録された情報を、その使用管理等に利用することとすると、血液製剤の使用管理をより適切に行うことができる。
【0116】
具体的には、以下のような実施態様が考えられる。
血液製剤に付される管理用ICタグ30には、少なくとも、血液型、血液に関する検査結果、有効期限および血液製剤のIDが記録されている。そして、これらの情報は、医療情報管理サーバ10に記憶された流通履歴あるいは保管履歴と関連付けられていることが望ましい。
【0117】
なお、ここで説明する血液製剤の管理は、病院サーバ60に備えられているSPDシステムの機能の1つとして実現することや、独立したシステムとして実現することのいずれも可能である。
血液製剤の内、血漿製剤は、マイナス20℃以下である程度の期間保存される。そのため、血漿製剤は凍結した状態で運搬されることから、輸送時あるいは倉庫間を移動する等の際に、バッグ表面に霜が付着することがしばしばある。
【0118】
このような場合、従来のようにバーコードを読み取る方法によって医療用品を管理すると、霜によってバーコードが正確に読み取れない事態が生ずるが、管理用ICタグ30の場合、読み取りに際して不都合が生じず、適切に医療用品の管理が行える。
なお、日本においては、全国の血液センターで製造・凍結された血漿製剤が、2箇所の施設に集約されて保管される。したがって、これらの施設では、大量の凍結した血漿製剤を短時間に処理する必要があるが、管理用ICタグ30によって管理する場合、バーコードによる管理に比べ、管理を容易かつ適切に行うと言う観点において、著しく優越している。
【0119】
また、赤血球製剤は、4℃で冷蔵保存され、有効期限が21日から42日に限られている。そのため、管理用ICタグ30を用いることにより、期限管理や、出庫時等の保管場所管理が容易に行える。
さらに、血小板製剤は、22℃で振とう保存される。このような場合に、管理用ICタグ30が付されていると、バーコードを読み取るために振とうを一時停止させるといった作業が必要ないため、効率的に処理を行うことができる。
【0120】
また、他の問題として、血液製剤に関しては、採血時にドナーに刺された針から、皮膚に付着していた雑菌が混入し、血液製剤が汚染される場合がある。
このような事態に対し、雑菌に対する汚染を検知可能なセンサを備えたICタグを用いることにより、保管中、出庫時および使用時に適宜、雑菌に対する汚染の有無を検知することができる。即ち、雑菌に汚染された血液製剤が輸血に用いられることを確実に防止することができる。
【0121】
ここで、体外循環治療に用いられる装置や輸血用血液の製造に使用される装置(例えば、遠心分離機、血液製剤分離装置、アフェレーシス成分採血装置あるいは白血球除去監視装置等)は、装置自体が情報処理機能を備えたものとすることが可能であり、医療情報管理サーバ10とネットワークを介して接続することによって、以下のような使用態様とすることも可能である。
【0122】
第1に、体外循環治療に用いられる装置や輸血用血液の製造に使用される装置(以下、「稼働装置」と言う。)によって、治療過程あるいは製造過程における各種データを取得し、そのデータを医療情報管理サーバ10に送信することによって、医療情報管理サーバ10が製造過程を監視する。そして、医療情報管理サーバ10は、治療プロトコルや製造処理方法の変更、治療あるいは製造処理の中断といった指示を稼働装置にフィードバックする。また、緊急の対処が必要な場合には、医師あるいは看護士等の医療従事者の携帯端末装置にアラーム信号を送信する。
【0123】
第2に、上述の医療情報管理サーバ10が行う監視、治療プロトコル等の変更、治療等の中断といった処理機能を稼働装置上に実現し、これらの処理を稼働装置が行うこととする。そして、治療や製造処理が終了した時点で、稼働装置が記憶している治療記録等を医療情報管理サーバ10や患者用ICカード40に送信する。
【0124】
上述の例において、稼働装置において取得するデータとしては、血液中の尿素、クレアチニン、燐、アルブミン、β2ミクログロブリン、血球数、凝固・線溶系あるいはアナフィラトキシン等の成分が挙げられる。
なお、本発明をインプラント材料やインプラントデバイスの管理に適用することも可能である。
【0125】
この場合、インプラント材料等の製造履歴および流通履歴の管理の他、以下のような具体的実施態様を挙げることができる。即ち、人工骨、関節、ステント(形状記憶合金)あるいはペースメーカ等にセンサを備えておき、製品寿命を知らせたり、非接触方式で製品に充電を行うことが可能である。また、ステントにRF(Radio frequency radiation)発熱させることで、形状を復元させること、非接触方式のICタグに電力を供給し、モータに動作(開閉操作等)を行わせること等が可能である。
【0126】
以上のように、本発明を適用した医療情報管理システム1は、患者情報、医療用品情報および治療プロトコルを含む医療情報を医療情報管理サーバ10が記憶し、医療行為に関連する一定の情報が統合的に管理される。
したがって、医療情報管理サーバ10にアクセスすることで、医療行為を行う上で有用な情報が容易に取得でき、医療行為の質の向上を図ることができる。
【0127】
また、医療情報管理サーバ10に記憶される情報は、患者が治療等を受ける毎、医療用品が使用される毎あるいは治療等が行われる毎に逐次更新される。
したがって、医療情報管理サーバ10に記憶される情報が常に最新のものとなり、医療行為の質のさらなる向上を図ることができる。
さらに、医療情報管理サーバ10が記憶する医療情報は、種々の医療に関する情報が統合的にされたデータベースとして活用することができ、記憶されている情報に基づいて、治験結果を予測することも可能となるため、治験の迅速化・効率化を図ることができる。
【0128】
また、医療情報管理システム1では、医療情報管理サーバ10に記憶されている医療情報のうち、患者に関わる所定の情報が患者用ICカード40に記憶され、患者が携帯可能である。
したがって、患者が医療情報管理システム1に加入していない医療機関等で治療を受ける場合にも、その患者について、最新の正確な履歴を把握することができ、重複投薬の防止あるいは併用が適切でない治療の回避等を行うことができる。
【0129】
なお、患者用ICカード40に記録される情報としては、主に、血液型、HLA(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)、ゲノム情報、身長、体重、血圧、脈拍、体脂肪率、近親者病歴、本人病歴、アレルギー歴、輸血歴、手術歴、妊娠歴、病状(自覚症状、愁訴、血液検査結果、画像検査結果、心電図検査結果、脳波検査結果、免疫機能検査結果等)、治療経過(投与薬剤記録、体外循環記録、病状の推移、副作用の有無、副作用発生状況)、その他特記事項、本人認証、本人の意思確認に関する公開鍵等が挙げられる。
【0130】
また、医療情報管理システム1においては、医療用品の製造過程、流通過程および保管過程において、医療用品に付された管理用ICタグ30に、医療用品の製品番号を含む医療用品情報が自動的に記録される。
したがって、正確な医療用品情報を容易に取得することができ、医療情報管理サーバ10が管理する医療情報の有用性が向上すると共に、医療上の問題が生じた場合に、その原因を迅速かつ詳細に特定できる。
【0131】
さらに、医療情報管理システム1においては、医療情報管理サーバ10が記憶する医療情報に基づいて、特定の患者の治療等における推奨プロトコルを提案することが可能である。
したがって、過去に生じた医療上の問題が繰り返されることを確実に防止することができ、医療行為の質を向上させることができる。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、患者情報、医療用品情報および使用情報を含む医療情報を医療情報管理装置が記憶し、医療行為に関連する一定の情報が統合的に管理される。
したがって、医療情報管理装置にアクセスすることで、医療行為を行う上で有用な情報が容易に取得でき、医療上の問題が生じた場合等にも、その原因を迅速に特定できる。即ち、本発明によれば、医療行為の質の向上を図ることができる。
【0133】
また、医療情報管理装置が記憶する医療情報は、医療に関する種々の情報が統合的に管理されたデータベースとして活用することができ、記憶されている情報に基づいて、治験結果の集約と症例分析を効率的に行うことができる。そのため、著効例、有効例あるいは無効例等、それぞれの治療等に対して特徴的な患者情報や治療プロトコルをいち早く特定することが可能となり、治験の迅速化・効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る医療情報管理システム1のネットワーク構成を示す図である。
【図2】医療情報管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
【図3】端末装置20のハードウェア構成を示す図である。
【図4】病院サーバ60のハードウェア構成を示す図である。
【図5】患者情報、医療用品情報および治療プロトコルが医療情報管理サーバ10に記憶される様子およびそれらに基づいて、推奨プロトコルが特定される様子を示す概念図である。
【図6】医療情報管理サーバ10に医療用品情報が記憶されるまでの処理の流れを示す図である。
【図7】輸血用血液が製造される工程を示す図である。
【符号の説明】
1 医療情報管理システム
10 医療情報管理サーバ
11,21 入力部
12,22 制御部
13,23 記憶部
14,24 RAM
15,25 ROM
16,26 表示部
17,27 通信部
20 端末装置
30 管理用ICタグ
40 患者用ICカード
50 ICチップ記録装置
60 病院サーバ
70 ネットワーク

Claims (52)

  1. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムであって、
    前記医療情報管理装置は、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供可能であることを特徴とする医療情報管理システム。
  2. 前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の医療情報管理システム。
  3. 前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2記載の医療情報管理システム。
  4. 前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  5. 前記端末装置は、該端末装置の利用者を識別して前記医療情報管理装置にアクセスし、前記医療情報管理装置は、記憶している前記医療情報のうち、該利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  6. 前記端末装置は、所定の医療機関、医療用品製造業者あるいは患者の下に設置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  7. 前記医療情報管理装置は、前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  8. 医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置とをさらに含み、前記管理用記録媒体から読み取った情報を前記医療情報管理装置に送信可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  9. 前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、前記医療情報管理装置は、該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  10. 前記管理用記録媒体は、非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、該ICチップが付された医療用品の製造、流通、保管および使用が行われる所定個所に設置された前記情報転送装置によって、前記医療用品情報あるいは使用情報が逐次記録されることを特徴とする請求項8または9記載の医療情報管理システム。
  11. 前記管理用記録媒体は、医療用品それぞれに対して1つもしくは複数の医療用品に対して1つが付されることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  12. 前記管理用記録媒体は、所定のセンサを備え、該センサによって検知したデータを逐次記録可能であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  13. 前記管理用記録媒体は、輸血用血液を製造するために用いられる各医療用品および製造された血液を保存するための血液バッグのそれぞれに付されることが可能であり、前記血液バッグに付された前記管理用記録媒体には、前記医療用品に付された管理用記録媒体の前記医療用品情報と輸血用血液の製造条件とが記録されることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  14. 使用された医療用品に付された前記管理用記録媒体から、該管理用記録媒体に記録された情報を取得し、医療用品の在庫管理、受発注管理あるいは会計管理の少なくともいずれかに関する処理を行う管理手段をさらに含むことを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  15. 医療に関する所定処理を行う処理装置を含み、該処理装置は、自装置の稼動中に、処理対象についての前記医療情報を逐次検出し、
    検出された医療情報に基づいて、該処理装置を制御する制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  16. 各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、前記医療情報のうち、該患者に関連する所定の情報を該患者用記録媒体に記録可能であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  17. 一の患者に関連する前記医療情報が変更される場合、該患者に対応する前記患者用記録媒体および前記医療情報管理装置に記録されている医療情報それぞれに同一の変更が加えられることを特徴とする請求項16記載の医療情報管理システム。
  18. 前記医療情報管理装置は、前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供可能であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の医療情報管理システム。
  19. 前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴とする請求項18記載の医療情報管理システム。
  20. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムのための医療情報管理装置であって、
    患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供可能であることを特徴とする医療情報管理装置。
  21. 前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項20記載の医療情報管理装置。
  22. 前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項20または21記載の医療情報管理装置。
  23. 前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  24. 記憶している前記医療情報のうち、前記端末装置を介してアクセスする利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供可能であることを特徴とする請求項20〜23のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  25. 前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新可能であることを特徴とする請求項20〜24のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  26. 前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置とをさらに含み、
    該管理用記録媒体に記録された情報を取得可能であることを特徴とする請求項20〜25のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  27. 前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、
    該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得可能であることを特徴とする請求項26記載の医療情報管理装置。
  28. 前記医療情報管理システムは、各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、
    該患者用記録媒体には、自装置が記憶している前記医療情報のうち該患者に関連する所定の情報が記録され、該患者用記録媒体に記録された情報が変更される場合、その変更と同一の変更を、自装置が記憶している前記医療情報に加えることを特徴とする請求項20〜27のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  29. 前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供可能であることを特徴とする請求項20〜28のいずれかに記載の医療情報管理装置。
  30. 前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴とする請求項29記載の医療情報管理装置。
  31. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムにおける医療情報管理装置のための医療情報の管理プログラムであって、
    患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする医療情報の管理プログラム。
  32. 前記患者情報は、患者のカルテとしての情報、診察券としての情報、保険証としての情報、遺伝子に関する情報、クレジットカードとしての情報および患者を認証するための情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項31記載の医療情報の管理プログラム。
  33. 前記医療用品情報は、医療用品の製造履歴、流通履歴および保管履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項31または32記載の医療情報の管理プログラム。
  34. 前記使用情報は、医療行為において使用された医療用品相互もしくは医療用品と患者との組み合わせ、医療行為に用いられた医療用品の使用方法あるいは医療行為に用いられた装置の稼動履歴の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項31〜33のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  35. 記憶している前記医療情報のうち、前記端末装置を介してアクセスする利用者に対応する所定の医療情報を該端末装置に提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項31〜34のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  36. 前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記医療情報を更新する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項31〜35のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  37. 前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り可能な情報転送装置とをさらに含み、
    該管理用記録媒体に記録された情報を取得する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項31〜36のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  38. 前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録し、
    該管理用記録媒体に記録された前記医療用品情報あるいは使用情報を取得する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項37記載の医療情報の管理プログラム。
  39. 前記医療情報管理システムは、各患者に対応して発行される患者用記録媒体をさらに含み、
    該患者用記録媒体には、自装置が記憶している前記医療情報のうち該患者に関連する所定の情報が記録され、該患者用記録媒体に記録された情報が変更される場合、その変更と同一の変更を、自装置が記憶している前記医療情報に加える機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項31〜38のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  40. 前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする請求項31〜39のいずれかに記載の医療情報の管理プログラム。
  41. 前記推奨情報には、患者の治療において用いられる医療用具の組み合わせ、疾病に対する医療用品の選択、患者と医療用品との適合性あるいは治療に用いられる医療用品の使用方法について、より適切な方針を提示するための情報が含まれることを特徴とする請求項40記載の医療情報の管理プログラム。
  42. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に記録された情報を読み取り、前記医療情報管理装置に読み取った情報を送信可能な情報転送装置とを含む医療情報管理システムのための医療用品の管理用記録媒体であって、
    前記医療用品に対応する所定情報が記録されており、該医療用品の製造過程、流通過程および保管過程における動向を前記情報転送装置を介して、前記医療情報管理装置が把握可能とさせることを特徴とする医療用品の管理用記録媒体。
  43. 前記情報転送装置は、前記管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であって、
    該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能であることを特徴とする請求項42記載の医療用品の管理用記録媒体。
  44. 非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、前記各過程に対応する記録装置によって、自動的に前記医療用品情報が逐次記録されることを特徴とする請求項42または43記載の医療用品の管理用記録媒体。
  45. 医療用品それぞれに対して1つもしくは複数の医療用品に対して1つが付されることを特徴とする請求項42〜44のいずれかに記載の医療用品の管理用記録媒体。
  46. 所定のセンサを備え、該センサによって検知したデータを逐次記録可能であることを特徴とする請求項42〜45のいずれかに記載の医療用品の管理用記録媒体。
  47. 医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に医療用品の個別の使用態様に基づく使用情報を記録可能な記録装置とを含む医療情報管理システムのための医療用品の管理用記録媒体であって、
    前記医療用品の使用過程において、該使用過程に基づく前記使用情報が逐次記録可能であることを特徴とする医療用品の管理用記録媒体。
  48. 前記管理用記録媒体は、非接触方式あるいは接触方式のICチップであり、前記使用過程に対応する記録装置によって、自動的に前記使用情報が記録されることを特徴とする請求項47記載の医療用品の管理用記録媒体。
  49. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、患者個人の属性に基づく患者情報を記録するための患者用記録媒体と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続され、該患者用記録媒体に前記患者情報を記録可能な記録装置とを含む医療情報管理システムのための患者用記録媒体であって、
    前記医療情報管理装置が記憶する所定情報のうち、前記患者用記録媒体に係る患者の前記患者情報が記録されていることを特徴とする患者用記録媒体。
  50. 医療に関する所定情報を記憶する医療情報管理装置と、ネットワークを介して該医療情報管理装置に接続された端末装置とを含む医療情報管理システムにおける医療情報管理方法であって、
    前記医療情報管理装置は、患者個人の属性に基づく患者情報と、医療行為に用いられる医療用品の個別の属性に基づく医療用品情報と、医療用品の個別の使用態様に関する使用情報とを含む医療情報を記憶し、前記端末装置からの要求に応じて、該医療情報を提供することを特徴とする医療情報管理方法。
  51. 前記医療情報管理システムは、医療用品に付される管理用記録媒体と、該管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録可能な記録装置とをさらに含み、該医療用品の製造、流通、保管および使用の各過程において、該医療用品に付された管理用記録媒体に前記医療用品情報あるいは使用情報を記録していき、管理用記録媒体に記録された情報が前記医療情報管理装置に蓄積されることを特徴とする請求項50記載の医療情報管理方法。
  52. 前記医療情報に基づいて、より適切な医療行為を行うための推奨情報を提供することを特徴とする請求項50または51記載の医療情報管理方法。
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