JP2004093488A - 測定用複合カラム - Google Patents

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秋山 重之
Tetsushi Inoue
井ノ上 哲志
Masahiko Endo
遠藤 正彦
Takuji Ikuta
生田 卓司
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Abstract

【課題】排ガス中の低濃度成分の測定、特に、NH が共存する低濃度NO 測定における溶解や吸着によるロスが生じることのなく、共存ガスの影響を受けない測定装置の前処理部を提供することを目的とする。
【解決手段】試料採取部直後から前記処理部の間のいずれかであって試料温度がその露点以下にならない部位に、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および充填部を配するとともに、試料が前置加熱部、第1カラム、第2カラムの順に処理されることを特徴とする。第2カラムの温度が第1カラムの温度よりも高く、これらを一体として組み込まれていることが好ましい。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象成分を含む試料に対して所定の前処理を行った後、測定部に試料を導入する試料処理部に関するもので、例えば、自動車や発電設備の排気ガス中の窒素酸化物(以下「NO 」という。)測定装置の前処理部として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
以下、まず発電設備等の定置型排出源におけるNO 測定装置の従来技術について述べる。
【0003】
一般にNO とは、二酸化窒素(以下「NO 」という。)と一酸化窒素( 以下「NO」という。)との混成物をいうが、排ガス中のNO 測定技術は、米国「EPA Regulation」やわが国「JIS法(B7982など)」により概略が示され、多くはNO 中のNO 成分をNOに変換後、NO検出 部を用いて全NO を測定する方法が一般的である。ここで、NO検出部には、非分散式赤外線分析計(NDIR)や化学発光式分析計(CLD)や非分散式紫外線分析計(NDUV)などが多く用いられる。
【0004】
近年、環境規制の強化により各種燃焼プラントでは、燃料に液化天然ガス(以下「LNG」という。)や石炭ガス化発電方式が採用されるようになった。LNG燃焼はクリーンエネルギーといわれているが、コンバインドサイクル発電に見られるように高温燃焼−高効率のためのサーマルNO が発生し、石炭ガス化発電も同様に燃料中の窒素成分によってNO の発生は避けられない。いずれの場合も高温燃焼ガスは脱硝プラントによりNO 成分を除去するシステムを設置しているが、脱硝装置の運転面では脱硝反応を制御するためのコスト管理の観点から、また煙突排ガス中のNO 濃度は公的な規制値に対する遵法の観点から、NO 成分の測定は、正確かつ保守性に優れた高信頼性が要求される。
【0005】
図7にJISB7982−1995に記載された計測器の構成例を示す。煙道入口や脱硝装置前後のダクト内の排ガス流に挿入された採取管51から吸引採取された試料ガスは、1次フィルタ52でダストをほぼ取り除き、導管53(加熱配管)、試料導入口54を経由して計測装置55に導入される。吸引採取は、一般には計測装置内に設けられた吸引ポンプ56によって行われる。計測装置内では、校正ガスとの切換を行う切換弁57を介して試料ガスを常温に戻し、配管等で発生したドレンをセパレータ(図示せず)で気液分離し、除湿器58にて一定温度まで露点を下げた状態で、2次フィルタ59で清浄にした後試料中のNO をNOに変換するコンバータ60を経て、絞り弁61によって所定流量に制御して分析計63に導入する。制御された流量は流量計によって、確認することができる。分析計63に導入されない試料ガスはバイパスへ流出され、分析計63を通過した後必要な処理、例えばCLD法の場合は残留オゾンを分解処理する、等を行ったガスとともに排気ダクトなどに排出される。分析計63の出力は記録指示計64によって明示される。
【0006】
ここで、NO コンバータは、通常、1)SUSウールなど(600〜800℃)や、2)モリブデン金属触媒(350〜400℃)を使用する高温型、3)ガラス質活性炭素(「ビトリアスカーボン」または「グラツシーカーボン」ともいう。300〜350℃)を用いる中温型、4)モリブデン塩含浸活性炭(190〜210℃)を用いた低温型が使用されているが、近年NO の反応性やコンバータの取扱い易さの観点から低温型に移行しつつある。また、変換効率は、一般に90%以上、好ましくは95%以上が必要とされるが、腐食性や凝縮性を有する成分を多く含む排気ガスの性状からは、定期的に変換効率を確認する必要がある。NO コンバータの効率劣化の要因として、具体的には、例えばアンモニア(以下「NH 」という。)のようにNO と反応し易いガスや触媒毒の混入、触媒の消耗劣化、ドレンなどの混入等々の理由によることが多く、コンバータ充填カラムの先端部での劣化が中長期的に中層部〜末端部にまで進むと変換効率は徐々に低下する。
【0007】
変換効率を確認するには、既知濃度(Appmとする)のNOの一部を酸化して発生させたNO を含む試料をコンバータの前段および後段から導入し、各 測定値BppmおよびCppmを使って式1の計算により変換効率Kを求める方法があるが、通常現場設置型測定装置が多く技術的にも難しいことから、現状では、例えば、メーカの指定期間(6〜12ケ月)に応じて定期的に予め用意したスペアの新しいコンバータに交換する方法を採用することが多い。
K=(B−C)/(A−C)  式1
【0008】
また、特に低温型NO コンバータとしてモリブデン塩含浸活性炭を用いた場合については、式2のような反応によって、担体となる活性炭自身が減少していくことが知られており、長期使用の場合には、触媒補充型のNO コンバータが知られている。(例えば特許文献1)
NO +C(Mo)→NO+CO  式2
【特許文献1】
特公平1−28343号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前処理部では、以下のような課題が生じることがある。
【0010】
昨今の燃焼プラントにおける省エネギー・低NO 燃焼を含む燃焼技術の改善や脱硝触媒の改善を含む脱硝技術の発達に伴い、排ガス中のNO 濃度は、従来の数百ppm〜数十ppmレベルから数ppmレベルに低下するとともに、NO 中のNO の比率(NO /NO)は従来の1/20〜1/10から現在では1/2〜2/3までに増大してきている。特に、脱硝装置出口では、NO の 比率が90%まで上昇することがある。このため、NO 測定において、NO の濃度を高精度に測定することが極めて重要となってきている。一方、従来の排ガス中のNO 測定技術、特に試料採取部から分析計までの間での試料ガスの処理方法では、種々の問題を有していることが判明した。
【0011】
1つには、低濃度NO は、非常に吸着性の強い物質であるとともに水溶性 の高い物質であり、フィルタ材や配管材への吸着に加え、排ガス中の水分の凝縮による溶解が特に起き易い特性がある。例えば、試料ガス中のオイルやミストといった不純物を除去するスクラバーや凝縮水を分離するセパレータ内部での滞留時間が長い程、除去効率や分離効率はいいが、NO の吸着や溶解等の影響は 大きくなり、電子冷却器内でも同様のことが起こり、試料ガスの処理を複雑化すればする程、NO のロスは大きくなる。
【0012】
また、こうした吸着や溶解による影響は、NH 成分(一般にリークアンモニアと呼ばれることがある。)が共存することで加速されることが判った。従って、NH は試料採取部の加熱部分で予め除去する必要があるが、上述の「EPARegulation」や「JIS法」にはこうしたことに言及されていない。
【0013】
さらに、共存するNH がNO コンバータに流入すると、触媒の被毒作用を及ぼし変換効率を悪化させることがあり、また、NO 成分と反応して試料中のNO 濃度を変化させてしまうことがあることが判った。また、上記高温型コンバータでは、式3の反応、つまり、NH の自動酸化が生じてプラスの測定誤差を生じることとなり、中温型では、NO の吸着が大きく応答遅れや測定誤差の原因となり、低温型では、式4のような反応、つまり、一般にNO の吸着を 防止するため触媒表面に処理している燐酸とNO とが脱硝反応によりマイナスの測定誤差を生じることがあることが判った。いずれのコンバータにおいても、NH との反応やNO の吸着ロスが発生し、NO の多いNO 測定にとっ て無視できない影響を受けることとなる。
2mNH +nO →2mNO +3mH O  式3
(NH )H PO +NO →N +H O+H PO   式4
【0014】
また、従来、試料処理部の各部品は別体で構成され、部品間を継ぎ手で結合して使用していたが、接合部での温度低下に伴う凝縮の発生や部品点数の増加による煩雑さの問題を回避することは難しかった。特に凝縮の問題は、上記の吸着や溶解に繋がることとなり、低濃度NO の測定において非常に大きな誤差要因となりうるものであった。
【0015】
そこで本発明は、前記問題点を解決し、低濃度測定における溶解や吸着によるロスが生じることのなく、共存ガスの影響を受けない測定装置の前処理部を提供することを目的とする。特に、低濃度NO 測定における共存NH の影響に対する有効性の高い前処理部を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す前処理部により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0017】
測定対象成分を含む試料に対して所定の前処理を行った後、測定部に試料を導入する試料処理部に関し、試料採取部直後から前記処理部の間のいずれかであって試料温度がその露点以下にならない部位に、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および該第1カラムまたは第2カラムのうち少なくともいずれかのカラムに連結して充填材を補充する充填部を配するとともに、試料が前置加熱部、第1カラム、第2カラムの順に処理されることを特徴とする。本発明に係る測定用複合カラムを用いることで、凝縮水等による測定成分のロスを防止するとともに、カラムの充填材の補給を可能とすることができる。
【0018】
また、上記測定用複合カラムにおいて、第2カラムの温度が第1カラムの温度よりも高く、かつ前置加熱部の温度が第1カラムとほぼ同じであることが好ましい。順次、前置加熱部が第1カラムの余熱部、第1カラムが第2カラムの余熱部となり、各カラムにおける実際の試料ガス温度を短時間で設定温度まで上昇させることができ、充填材の目的を最大限発揮することができる。
【0019】
さらに、上記測定用複合カラムにおいて、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および充填部が一つのブロックに一体として組み込まれていることが好ましい。測定用複合カラムのコンパクト化を図るとともに、各部位またはカラム間の接合部での凝縮を防止し、測定誤差を大幅に低減することができる。
【0020】
特に、上記測定用複合カラムにおいて、第1カラムに試料中のアンモニア等不純物を除去するスクラバーを充填し、第2カラムに試料中のNO をNOに変 換する触媒を充填して、排ガス中のNO 測定装置の試料処理部として使用する場合には、一層その技術的効果を生かすことができ、低濃度のNO であってNO 濃度の高い試料の場合には、より一層顕著な効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
本発明は、測定対象成分を含む試料に対して所定の前処理を行った後、測定部に試料を導入する試料処理部に関し、試料採取部直後から前記処理部の間のいずれかであって試料温度がその露点以下にならない部位に、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および該第1カラムまたは第2カラムのうち少なくともいずれかのカラムに連結して充填材を補充する充填部を配するとともに、試料が前置加熱部、第1カラム、第2カラムの順に処理されることを特徴とする。ここでは、具体的な実施態様として、定置型排出源におけるNO 測定装置について、第1カラムに試料中のアンモニア等不純物を除去するスクラバーを充填し、第2カラムに試料中のNO をNOに変換する触媒を充填して、排ガス中のNO 測定 装置の試料処理部として使用する場合を主に説明をする。
【0023】
図1は、本発明の実施態様の一例を示すもので、パイプ状部材7からなる試料処理部の一端を試料ガス入口8とし、これに近接する充填部4の周辺部から前置加熱部1が形成され、仕切りを形成するフィルタ(A)9を介して第1カラム2に接している。第1カラム2にはスクラバー5が所定の量充填されており、さらに仕切りを形成するフィルタ(B)10を介して第2カラム3に接している。スクラバー5は、例えばフィルタ(A)9、(B)10を取り外し可能な構造にして、フィルタ(B)10を固定後(固定部材は図示せず)充填しフィルタ(A)9を固定する方法が採られる。第2カラム3にはコンバータ用触媒6が充填されており、試料ガスとは所定の量と接触するようにしつつ、一端を直接は試料ガスと接することのない触媒充填部4と連結するとともに、他端はフィルタ(C)11を介して試料ガス出口と繋がっている。第2カラム3への触媒6の充填はスクラバー5と同様の方法が採られ、充填部4へは、充填部4の試料ガス入口側に嵌合構造や螺合構造の蓋を設けて触媒を充填する方法がとられる。パイプ状部材7の外周には、異なった温度で制御されるヒータ12、13が2つ配置され、前置加熱部1および第1カラム部分2を1つの設定温度、第2カラム部分3をもう1つの設定温度に加熱している。一般的には、ヒータ12による温度調節(第1)とヒータ13による温度調節(第2)の2点をそれぞれ別個に温度調節することで、中間点(第1カラム部の位置)はこれらの中間温度が維持できるように温度勾配が形成される。
【0024】
以上のような構造の試料処理部においては、試料ガスは3つの段階的な処理が行われる。
【0025】
(1)前置加熱部1において、試料ガスがフィルタ(B)9に達するときにはほぼ第1カラム2の温度条件になるように予備的に加熱される。ヒータ12、13の熱が直接伝わるパイプ状部材7内面と充填部4外面とに挟まれた空間を通過することで、試料ガスは速やかに加温することができ、処理部に導入された試料中にドレンが混入してきた場合であっても、前置加熱部1で蒸散し、後段のスクラバー5やコンバータ6に影響を与えることはない。空間の容積は試料ガスの流量によって異なるが、測定装置が速い応答を要求される場合には、流量を多くするため大きな容積を必要とする一方、加熱部材との接触面積を増加するために内部に気化器コイル15を挿入することも好ましい。気化コイルとしては熱容量のあるスポンジメタルや金属メッシュなどが用いられる。
【0026】
(2)第1カラム2において、試料ガス中のNH 等不純物を除去する。スク ラバー5の素材には、不純物の吸着能力を高くするために、例えば珪石のような多孔質体で表面積の大きな物質が用いられ、NH のように塩基性物質を含む場合には表面に燐酸などの不揮発性酸を含浸処理したものが用いられる。また、多孔質体は、いわゆる硫酸ミストと呼ばれるSO についても吸着能力が高く有 効である。NO のような酸性物質の吸着を防止する働きがあるとともに、NH との反応によって、さらに試料ガス中のNH などの除去を促進するためである。加熱するのは、NH を吸着するとともに、測定の主成分であるNO が吸着しにくい温度とするためである。第1カラム2では、NH などの吸着を主目的としたもので、本来低温が好ましい一方、NO の吸着を防止するためには一定温度以上の高温であることが好ましい。両者の接点として、上記素材をスクラバー5とする場合には120〜150℃が最適条件となる。
【0027】
(3)第2カラム3において、試料ガス中のNO をNOに変換する。反応は 、既に述べたように式2が主たる反応であるとされている。反応に寄与する触媒6には、一般的にモリブデン塩含浸活性炭が用いられるが、試料との接触表面積を多くするためおよび流動層的な働きをえるためにビーズ状の活性炭が好ましい。NO の還元反応が主反応であり、基本的に高温が好ましい一方、触媒6の 担体である活性炭をさらに高温にすると、試料中の酸素(以下「O 」という 。)の存在によりO やNO 以外の成分との反応が進むことがありうること から一定の制限を設けている。また、例えば高濃度燐酸により担体の表面に不燃処理を施すことも望ましい。本例では、180〜200℃が最適条件となる。なお、本触媒6は、活性炭自身が反応によって消耗することになるため、長期間の使用に際しては、その補充が必要となる。つまり、長期間使用にあった寿命を維持するためには、第2カラム3内の触媒6の量は多いほど望ましいが、多量の触媒の存在は同時にNO の吸着の増大に結びつくため、試料が直接接する触媒量は少なく、かつ、常に補充されることが望ましい。かかる要求を満たすために、本例の第2カラムには、直接的には試料ガスと接することのない予備の触媒を内蔵する充填部4を設け、第2カラム3と連結して常に触媒6を補充できるような構成を採用している。
【0028】
また、上記測定用複合カラムにおいて、第2カラム3の温度が第1カラム2の温度よりも高く、かつ前置加熱部1の温度が第1カラム2とほぼ同じであることが好ましい。実際に上記の実施例においては、前置加熱部1および第1カラム部分2を120〜150℃、第2カラム部分3を180〜200℃に加熱している。このように試料ガスの流れに沿って順次温度が上昇していくように設定することは、前置加熱部が第1カラム2の余熱部、第1カラム2が第2カラム3の余熱部となり、各カラムにおける実際の試料ガス温度を短時間で設定温度まで上昇させることができとともに、加熱に必要となるエネルギーを有効に利用することができる。
【0029】
さらに、上記測定用複合カラムにおいて、前置加熱部1、第1カラム2、第2カラム3、および充填部4が一つのブロックに一体として組み込まれていることが好ましい。一体型でない場合には、各部位またはカラム間を継ぎ手などで接合する必要があり、その部分での凝縮を防止するために保温等別個の手段が必要となる。また、加熱時の相互の熱の補填が可能となることから、上記の順次温度を上昇させるようにすることと合わせ、エネルギーの有効利用を図ることができる。さらに、1つの試料処理部として完結したユニットを形成することは、測定装置のコンパクト化を図ることができるとともに、保守の面でも優位である。
【0030】
図2は、本発明の他の実施例を示す。基本的な構成は、図1と同じであるが、前置加熱部1と第1カラム2を一体化した円筒状部材を有する点で、上記の1の実施例と異なる。円筒状部材を充填部の蓋部に可動式に固定することができるような構造をとることで、第2カラム3の実効長を可変することができる点に特徴がある。構造的にも簡単で、試料流量によってコンバータ6としての最適条件を作り出すことの技術的効果がえられる。また、スクラバー5の劣化により第1カラム2を交換する場合にあっても、非常に簡単に保守を行うことができる。なお、充填部4の熱伝導が悪くカラム1や前置加熱部4が必要な温度にまで加熱できない場合には、(1)充填部4の空間の厚みを薄くする、(2)パイプ状部材7と円筒状部材との間に金属ブロック(図示せず)を挿入する、(3)円筒状部材の長さを長くする等の手段により適切な温度調節を行うことができる。
【0031】
以上の2つの実施例は、いずれも第2カラム3としてコンバータ6を補充型にした場合を挙げたが、本発明はこれに限定されないことは、上記記載の通りである。
【0032】
図3に、第1カラム2のみを補充型にし、第2カラム3を定量型にした場合の例を挙げる。前置加熱部1を充填部4の蓋部に可動式に固定することができるような構造をとることで、第1カラム2の実効長を可変することができるとともに第1カラム2の充填物を補充できる点に特徴がある。例えば、スクラバー5に吸着する試料中の不純物(NH を除く)にNO が溶解しやすい場合などにおいて、まずNO をNOに変換しその後不純物を除去することが必要となる場合 には、第1カラム2に触媒6を充填できるタイプが有用となる。なお、カラム充填物質が使用により消耗するか体積減少する以外に化学反応によって劣化する場合には、カラムユニットを一旦抜き出して回転または振動により撹拌・混合することによって新しい触媒層を形成することができる。
【0033】
図4は、第1カラム2および第2カラム3両方を補充型にした場合の例を示している。前置加熱部1を第1カラム2の充填部4の蓋部に可動式に固定するとともに、これらを含めた第1カラム部分2全体を第2カラム3の充填部4’ の蓋部に可動的に固定することができるような構造をとることで、両方のカラムの実効長を可変することができるとともに両方のカラムの充填物を補充できる点に特徴がある。例えば、試料中のNH を酸化してNO に変換し、そのNO 中のNO をNOに還元する試料処理を1つのユニットとして行う場合など、前者では酸素を担持している触媒の消耗、後者は上記のように還元用炭素が消耗するのを補充できる点において有用である。また、スクラバーや触媒の消耗に伴い充填部ごとの交換や洗浄等を行う場合にあっても、いずれのカラムについても非常に簡単に保守を行うことができる。
【0034】
上記の4つの実施例は、いずれも試料入口8と試料出口12が対向した構造となっているが、図5や図6のような構造であれば、パイプ状体の側面との取り合いも可能となり、使用条件に合った構造の採用も容易であり、本発明の趣旨を生かすことができる。
【0035】
以上は、定置型排出源におけるNO 測定装置について述べたが、同様の技術は、自動車や航空機および船舶等の移動排出源についても適用されるものである。特にディーゼルエンジンや同種の燃焼機関からの排気ガスでは、NO 濃度比率も高く、かつNH の発生量が高いことも知られており、本発明の適用は非常に有効である。また、NO 測定だけでなく、硫黄酸化物(SO )におけるSO やSO が共存する場合にも適用の可能性があり、上記に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、排気ガスのように、多量の水分を含むとともに、この水分と関係して試料採取部や処理部の腐食や汚染を引き起こす物質を多く含む試料に対して、適切な前処理を行うことができるため、凝縮水等による測定成分のロスを防止するとともに、長期間の使用に対しても十分な補給が可能な測定用複合カラムを供給することができる。
【0037】
特に、複合カラムを順次、段階的に温度を上昇させることで、前段での加熱部が次のカラムの余熱部として働き、各カラムにおける実際の試料ガス温度を短時間で設定温度まで上昇させることができ、充填材の目的を最大限発揮することができる。
【0038】
さらに、上記測定用複合カラムにおいて、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および充填部が一つのブロックに一体として組み込むことで、測定用複合カラムのコンパクト化を図るとともに、各部位またはカラム間の接合部での凝縮を防止し、測定誤差を大幅に低減することができる。
【0039】
特に、本発明を、排ガス中のNO 濃度比率が高い低濃度NO 測定装置の 試料処理部として使用する場合には、試料中のアンモニア等不純物を有効に除去するとともに、長期間NO からNOへの変換効率を高く維持しながら、安定 した測定精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す説明図
【図2】本発明の実施態様の他の一例を示す説明図
【図3】本発明の実施態様の他の例を示す説明図
【図4】本発明の実施態様の他の例を示す説明図
【図5】本発明の実施態様の他の例を示す説明図
【図6】本発明の実施態様の他の例を示す説明図
【図7】従来技術の実施例を示す説明図
【符号の説明】
1  前置加熱部
2  第1カラム
3  第2カラム
4、4’  充填部
5  スクラバー
6  コンバータ(触媒)
15 気化器コイル

Claims (4)

  1. 測定対象成分を含む試料に対して所定の前処理を行った後、測定部に試料を導入する試料処理部に関し、試料採取部直後から前記処理部の間のいずれかであって試料温度がその露点以下にならない部位に、前置加熱部、第1カラム、第2カラム、および該第1カラムまたは該第2カラムのうち少なくともいずれかのカラムに連結して充填材を補充する充填部を配するとともに、試料が前置加熱部、第1カラム、第2カラムの順に処理されることを特徴とする測定用複合カラム。
  2. 前記第2カラムの温度が前記第1カラムの温度よりも高く、かつ前記前置加熱部の温度が前記第1カラムとほぼ同じであることを特徴とする請求項1に記載の測定用複合カラム。
  3. 前記前置加熱部、前記第1カラム、前記第2カラム、および前記充填部が一つのブロックに一体として組み込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の測定用複合カラム。
  4. 前記第1カラムに試料中のアンモニア等不純物を除去するスクラバーを充填し、前記第2カラムに試料中のNO をNOに変換する触媒を充填 することを特徴とする請求項1〜3に記載の窒素酸化物測定用複合カラム。
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