JP2004093417A - 空孔形態の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空孔形態を正確に検査することができる空孔形態の検査方法を提供すること。
【解決手段】空孔形態の検査方法は、多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、多孔質体の表面に存在する空孔内に流動性物質を充填して、空孔を可視化する可視化処理工程[S1]と、可視化処理が施された多孔質体の表面を撮影して、その表面の画像(多階調画像)を得る撮影工程[S2]と、この画像を2値化処理して、2値化画像を得る画像処理工程[S3]とを有する。流動性物質は、粒子状のものまたは液体状のものであるのが好ましく、色素は、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】空孔形態の検査方法は、多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、多孔質体の表面に存在する空孔内に流動性物質を充填して、空孔を可視化する可視化処理工程[S1]と、可視化処理が施された多孔質体の表面を撮影して、その表面の画像(多階調画像)を得る撮影工程[S2]と、この画像を2値化処理して、2値化画像を得る画像処理工程[S3]とを有する。流動性物質は、粒子状のものまたは液体状のものであるのが好ましく、色素は、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、空孔形態の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイドロキシアパタイトは、骨や歯の主成分であり、優れた生体親和性を有しており、その焼結体は、人工骨、人工歯根、医科用あるいは、歯科用セメント等の生体材料として利用されている。これと同様に、リン酸三カルシウムも、骨や歯に近い成分であり、やはり人工骨として利用されている。
【0003】
ここで、このような焼結体を、特に、人工骨や人工歯根等として用いる場合には、十分な機械的強度と生体適合性とが求められる。この機械的強度と生体適合性は、多孔質体である焼結体の緻密性(多孔質の度合い)に依存している。
【0004】
すなわち、焼結体が多孔質の度合いが低いと、機械的強度は高くなるが、焼結体への骨細胞等の侵入が困難になることから生体適合性が低下する傾向を示し、一方、焼結体の多孔質の度合いが高くなると、生体適合性はよくなるか、機械的強度が低くなる傾向を示す。
【0005】
したがって、生体材料として最適な焼結体を選定するためには、焼結体(多孔質体)の緻密性を検査することが重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、多孔質体の空孔形態を正確に検査することができる空孔形態の検査方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、前記多孔質体の表面に存在する空孔内に前記流動性物質を充填して、前記空孔を可視化する可視化処理工程と、
前記可視化処理が施された前記多孔質体の表面を撮影して、前記表面の画像を得る撮影工程とを有することを特徴とする空孔形態の検査方法。
【0009】
これにより、空孔を可視化することができるため、撮影工程において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができる。
【0010】
(2) 前記流動性物質は、前記多孔質体と異なる色相を有するものである上記(1)に記載の空孔形態の検査方法。
【0011】
これにより、撮影工程において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0012】
(3) 前記流動性物質は、粒子状のものである上記(1)または(2)に記載の空孔形態の検査方法。
【0013】
これにより、空孔形態の検査終了後、流動性物質を多孔質体から除去するのが容易となる。
【0014】
(4) 粒子状の前記流動性物質は、その平均粒径が0.5〜20μmである上記(3)に記載の空孔形態の検査方法。
【0015】
これにより、取扱性の低下を招くことなく、十分に空孔内に流動性物質を充填することができる。
【0016】
(5) 前記流動性物質は、液状のものである上記(1)または(2)に記載の空孔形態の検査方法。
【0017】
これにより、空孔の細かな部分まで流動性物質が浸透し、空孔の形状を細部にわたって可視化できるようになる。
【0018】
(6) 前記色素は、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
これにより、色の選択の幅を広げることができる。
【0019】
(7) 前記流動性物質における前記色素の含有量は、0.1〜50wt%である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0020】
これにより、空孔と空孔で無い部分との階調差を十分に大きくすることができる。
【0021】
(8) 前記可視化処理工程において、前記空孔内に充填されず、前記多孔質体の表面に残存する残留物を除去する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0022】
これにより、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0023】
(9) 前記画像を2値化処理して、2値化画像を得る画像処理工程を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
これにより、空孔と空孔で無い部分とがより明確となる。
【0024】
(10) 前記多孔質体は、リン酸カルシウム系化合物焼結体である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0025】
本発明は、リン酸カルシウム系化合物焼結体、特に、ハイドロキシアパタイト焼結体やリン酸三カルシウム焼結体の検査への適用が好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空孔形態の検査方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の空孔形態の検査方法の工程を示す図、図2は、撮影された画像のヒストグラムの一例、図3は、可視化処理を省略して撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【0028】
本発明の空孔形態の検査方法に供される多孔質体は、いかなるものであってもよく、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムのようなリン酸カルシウム系化合物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、イットリアのような酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン、窒化ボロンのような窒化物系セラミックス、グラファイト、タングステンカーバイトのような炭化物系セラミックス、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、PZT、PLZT、PLLZT等の強誘電体材料等の各種セラミックスの焼結体、ゼオライトのような鉱物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタールなどの樹脂、ポリ乳酸からなるもの(成形体)等が挙げられる。
【0029】
以下、多孔質体として、リン酸カルシウム系化合物焼結体を代表に説明する。図1に示す空孔形態の検査方法は、可視化処理工程S1と、撮影工程S2と、画像処理工程S3とを有している。以下、各工程について順次説明する。
【0030】
[S1] 可視化処理工程
まず、多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、前記多孔質体の表面に存在する空孔(気孔)内に流動性物質を充填する。
【0031】
これにより、多孔質体において、空孔内に色素が存在することにより、空孔を目視にて確認できるようにすること、すなわち、空孔を可視化することができる。このため、後述する撮影工程S2において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができ、最終的に画像処理工程S3において得られる2値化画像において、空孔と空孔で無い部分とをより明確にすることができる。
【0032】
かかる観点からは、用いる流動性物質は、できるだけ多孔質体と異なる色相を有するもの、または、同じ色相でも彩度もしくは明度が大きく違うものであるのが好ましい。多孔質体がリン酸カルシウム系化合物焼結体(例えば、ハイドロキシアパタイト焼結体、リン酸三カルシウム焼結体等)である場合には、これらは白色または白色に近い色であるので、流動性物質としては、例えば、黒色、青色等のものが好適である。
【0033】
また、流動性物質としては、いかなるものであってもよいが、粒子状のものまたは液状のものが好適に使用される。
【0034】
粒子状の流動性物質としては、例えば、色素と樹脂とを含む組成物からなる粒子、樹脂製の母材の表面に色素を吸着(固定)した粒子等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、色素の種類によっては、粒子状の流動性物質として、色素自体の粒子を用いることもできる。
【0035】
この粒子状の流動性物質の平均粒径は、特に限定されないが、0.5〜20μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。前記平均粒径が小さ過ぎると、流動性物質の種類等によっては、流動性物質同士の間で凝集が生じ易くなり、取り扱いが難しくなる場合がある。一方、前記平均粒径が大き過ぎると、比較的孔径の小さい空孔内に流動性物質が充填され難くなり、かかる空孔の可視化が困難となるおそれがある。
【0036】
一方、液状の流動性物質としては、例えば、色素を含む溶液または分散液が使用される。
【0037】
用いる溶媒または分散媒としては、多孔質体と反応、多孔質体を溶解等しないものであればよく、例えば、蒸留水、イオン交換水、RO水のような各種水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンのようなアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、n−ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレンのような炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、グリース、シリコーンオイル等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、多孔質体がリン酸カルシウム系化合物焼結体の場合は、用いる色素の種類にもよるが、蒸留水が好適である。
【0038】
この液状の流動性物質の粘度は、特に限定されないが、常温で0.5〜1000cps程度であるのが好ましく、50〜500cps程度であるのがより好ましい。前記粘度が低過ぎると、微細な空孔から色素が抜けていく場合がある。一方、前記粘度が高過ぎると、空孔内に流動性物質が充填され難くなり、空孔の可視化が困難となるおそれがある。
【0039】
このような流動性物質に含まれる色素は、特に限定されないが、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。これらの色素には、種々の色のものが存在するので、色の選択の幅を広げることができる。このため、多孔質体の色相に応じて、種々の色相を有する流動性物質を用意することができる。
【0040】
顔料としては、例えば、C.I.ピグメント ホワイト1,4,5,6,7,11,18,19,20,21,22,23,24,26,27,28;C.I.ピグメント イエロー34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,157,162,180;C.I.ピグメント オレンジ20,20:1,104;C.I.ピグメント レッド101,102,105,106,108,108:1,184;C.I.ピグメント ブラウン7,11,33;C.I.ピグメント グリーン15,17,18,19,26,50;C.I.ピグメント ブルー5:1,27,28,29,35,36;C.I.ピグメント バイオレット14,16;C.I.ピグメント ブラック6,7,8,9,10,11,26,27,28;C.I.ピグメント メタル1,2,4,5,6等の無機顔料や、C.I.ピグメント イエロー1,3,12,13,14,17,55,73,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,129,138,139,151,153,154,168;C.I.ピグメント オレンジ5,13,16,36,43;C.I.ピグメント レッド2,3,5,17,22,23,38,81,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,52:1,53:1,57:1,63:1,112,122,144,146,149,166,170,176,177,178,179,185,202,207,209,254;C.I.ピグメント ブラウン25;C.I.ピグメント グリーン7,36;C.I.ピグメント ブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60;C.I.ピグメント バイオレット1,3,19,23,50等の有機顔料等が挙げられる。
【0041】
染料としては、例えば、C.I.アシッド ブラック2,7,16,17,24,26,28,31,41,52,63,94,112,118,119;C.I.アシッド イエロー4,11,12,13,14,17,18,23,25,29,34,40,41,42,53,55,61,71,76,111,122;C.I.アシッド レッド1,4,6,8,9,15,19,21,30,32,34,35,37,40,42,51,52,54,80,82,85,87,92,94,106,108,110,115,119,133,143,172,176,180,187,256,317;C.I.アシッド ブルー7,9,15,22,23,25,40,41,43,45,49,51,53,55,56,59,62,78,80,81,90,93,102,104,111,113,117,120,124,145,167,185,192,229,234,254;C.I.アシッド オレンジ7,19;C.I.アシッド バイオレット49;C.I.ベイシック ブラック2,8;C.I.ベイシック イエロー2,12,32;C.I.ベイシック レッド1,2,9,12,13,14,37;C.I.ベイシック ブルー1,3,5,7,9,24,25,26,28,29;C.I.ベイシック バイオレット7,14,27;C.I.ベイシック グリーン4,6;C.I.ダイレクト ブラック2,9,11,14,17,19,22,27,32,36,38,41,48,49,51,56,71,75,77,78,80,106,108,146,154;C.I.ダイレクト イエロー1,2,4,8,12,24,26,33,34,41,42,48,50,51,72,87,98;C.I.ダイレクトレッド1,4,8,11,15,17,23,28,31,46,59,62,73,75,77,80,81,83,84,85,90,101,106,108,110,145,189,193,225;C.I.ダイレクト ブルー1,2,6,8,22,25,34,69,70,71,72,75,76,78,81,82,83,86,90,98,106,110,120,165,195,199,218,239,258;C.I.ダイレクト オレンジ34,39,44,46,60;C.I.ダイレクト バイオレット47,48;C.I.ダイレクト ブラウン109;C.I.ダイレクト グリーン6,59;C.I.フード ブラック1,2;C.I.フード イエロー2,4,5;C.I.フード レッド2,3,7,14,52,87,94,105;C.I.フード ブルー1,2;C.I.リアクティブ ブラック1,4,5,8,14,21,23,26,31,32,34;C.I.リアクティブ ブルー2,3,4,5,7,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38,39,40,42,43,49,51,52,65,66,67,68,71,73,74,75,77,78,79,80,89,98,100,101,104,105,112,113,114,115,119,147,148,158,160,162,169,170,171,179,182,187;C.I.リアクティブ レッド3,6,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55,56,58,63,67,80,81,82,85,86,87,104,106,108,109,110,111,112,113,114,117,118,119,120,123,124,126,128,130,131,132,141,147,158,159,170,171,174,176;C.I.リアクティブ イエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42,49,50,52,54,55,57,58,63,64,75,76,77,79,81,82,83,84,85,87,88,91,92,93,95,96,111,115,116,131,135;C.I.リアクティブ オレンジ1,2,5,7,10,11,12,13,15,16,20,30,34,35,41,42,44,45,46,56,57,62,63,64,67,69,71,72,73,74,78,82,84,87;C.I.リアクティブバイオレット1,2,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33;C.I.リアクティブ ブラウン1,2,5,6,7,8,9,16,17,18,19,21,24,26,30;C.I.ディスパースブラック1,3,10,24;C.I.ディスパース ブルー3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,70,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,183,185,186,187,189,191,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333;C.I.ディスパース レッド1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,296,303,310,311,312,320,324,328;C.I.ディスパース イエロー3,4,5,7,9,13,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224;C.I.ディスパース オレンジ1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42,43,44,45,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142;C.I.ディスパース ブラウン1,2,4,9,13,19;C.I.モーダント レッド30;C.I.モーダント ブルー7等が挙げられる。
【0042】
色素タンパク質としては、例えば、チトクロムc、チトクロムbのようなチトクロム、バクテリオロドプシンのようなロドプシン、フィコシアニン、フィコエリトリン、アロフィコシアニンのようなフィコビリンタンパク質、クロロフィル、ヘムタンパク質等が挙げられる。
【0043】
以上のような色素は、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0044】
流動性物質における色素の含有量は、特に限定されないが、0.1〜50wt%程度であるのが好ましく、0.2〜35wt%程度であるのがより好ましい。色素の含有量が少な過ぎると、色素の種類等によっては、得られる画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくするのが困難になる場合がある。一方、色素の含有量を、前記範囲を超えて多くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
【0045】
また、流動性物質としては、多孔質体の表面に供給する時点では、多孔質体の色相と同じ色相を呈しているが、所定の処理を施すことで多孔質体と異なる色相に変化するものであってもよい。この所定の処理としては、例えば、熱処理、紫外線のような光照射等が挙げられる。
【0046】
なお、流動性物質の多孔質体の表面への供給方法は、特に限定されず、例えば、▲1▼基材上に流動性物質を展開しておき、この流動性物質に多孔質体を接触させ、転写させる方法、▲2▼流動性物質を多孔質体の表面に直接供給(塗布)する方法、▲3▼流動性物質中に多孔質体を埋入(浸漬)する方法等のいずれの方法であってもよい。
【0047】
次いで、必要に応じて、空孔内に充填されず、多孔質体の表面に残存する残留物(色素、流動性物質)を除去する。これにより、後述する工程S2で得られる画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0048】
この除去方法としては、例えば、シリコーンゴムのようなゴム片、刷毛を用いて削り取る方法、気体を吹き付ける方法等を用いることができる。
【0049】
[S2] 撮影工程
次に、前記工程[S1]において、可視化処理が施された多孔質体の表面を撮影して、多孔質体の表面の画像(多階調画像)を得る。
【0050】
この撮影方法としては、いかなる方法を用いてもよいが、例えばデジタルカメラ等の撮像装置(撮影装置)を備える実体顕微鏡を用いて、多孔質体の表面の拡大像を撮像装置によって撮影する方法が好適である。かかる方法によれば、多孔質体の表面の画像を極めて容易かつ鮮明に得ることができる。
【0051】
[S3] 画像処理工程
次に、得られた画像を2値化処理して、2値化画像を得る。2値化画像とすることにより、空孔と空孔で無い部分とがより明確となる。
【0052】
この2値化処理では、しきい値Thを決定し、前記画像の各画素毎に、その画素の階調値fとしきい値Thとを比較し、f≧Thの場合には0(白)、f<Thの場合には1(黒)に変換する。
【0053】
具体的には、撮影された画像について、各階調値に対して同じ階調値を有する画素数を求め、階調値を横軸とし、画素数を縦軸とするヒストグラムを作成する。そして、しきい値Thを設定(決定)し、例えば、階調値がしきい値Th以上の領域を白に、階調値がしきい値Th未満の領域を黒に変換することにより、2値化画像を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、可視化処理が施されていることから、得られた画像では、空孔と空孔で無い部分との階調差が大きくなり、この画像(画像データ)に基づいて得られるヒストグラムは、図2に示すように、多孔質体の空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲Mと、空孔に対応すると推定される階調値の範囲Pとが明確に区別される。このため、しきい値Thの設定が容易であり、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した2値化画像を得ることができる。
【0055】
なお、可視化処理を省略して得られた画像に基づくヒストグラムでは、図3に示すように、多孔質体の空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲と、空孔に対応すると推定される階調値の範囲とが明確に区別されないため、しきい値Thの設定が極めて困難である。
【0056】
以上のようにして得られた2値化画像(2値化画像データ)を用いて、多孔質体の空孔形態の検査(確認)を行うことができる。
【0057】
ここで、空孔形態としては、例えば、空孔位置のばらつき(空孔の分布状態)、空孔の面積率(多孔質体の表面における空孔の占める割合)、平均空孔径、空孔径のばらつき等が挙げられる。
【0058】
このうち、空孔位置のばらつきは、例えば、次のようにして求めることができる。
【0059】
図4は、2値化画像に対して、所定の画像処理をすることで得られた処理画像である。図4中、黒のドットは空孔の位置を示している。
【0060】
なお、2値化画像において、1ラインに存在する連続した黒のドットは、その中央部に1点だけドットが存在するものとして変換を行った。
【0061】
この画像処理により得られた処理画像のデータを、下記式(1)に代入することにより、空孔位置のばらつきを求めることができる。
【0062】
【式1】
【0063】
この式(1)は、あるラインにおいて、全ドット数と黒のドット数が比例関係にある時に最も均一、すなわち、空孔位置のばらつきが最も少ないと仮定したものである。
【0064】
したがって、この式(1)で求められる値が大きい程、比例直線と実測値とのズレが大きく、空孔位置のばらつきが大きいことを意味する。
【0065】
本実施形態では、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した2値化画像が得られているので、式(1)で求められる空孔位置のばらつきや、空孔の面積率、平均空孔径、空孔径のばらつき等をより正確に求めることができる。
【0066】
これらの値は、多孔質体の緻密性(多孔質の度合い)を反映しており、人工骨や人工歯根等の生体材料にとって、生体適合性や機械的強度を判断する上で、極めて重要な指標となる。
【0067】
したがって、本発明の空孔形態の検査方法は、人工骨や人工歯根等の生体材料、特に、ハイドロキシアパタイト焼結体やリン酸三カルシウム焼結体のようなリン酸カルシウム系化合物焼結体の検査に好適に適用される。
【0068】
以上、本発明の空孔形態の検査方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、必要に応じて、画像処理工程を省略することもでき、また、任意の工程が追加されてもよい。
【0069】
【実施例】
次に、本発明の空孔形態の検査方法の具体的実施例について説明する。
【0070】
(実施例1)
多孔質体Iとして、ハイドロキシアパタイト焼結体(白色)を用意した。
【0071】
−1A− まず、この多孔質体Iの表面を、デジタルカメラ付きの実体顕微鏡(オリンパス光学社製、「SZX12」)の試料台に設置した。
【0072】
−2A− 次に、ファイバータイプの照明(Kenko社製、「KTX−100R」)により、左右斜め上方から多孔質体Iの表面に光を照射し、この状態で多孔質体Iの表面の拡大像を撮影して画像(多階調画像)を得た。
【0073】
−3A− 次に、この画像のデータをパソコンに取り込み、画像処理ソフト(アドビシステムズ社製、「PhotoShop」)を用いて2値化処理(画像処理)し、2値化画像を得た。
得られた2値化画像をサンプルNo.1とした。
【0074】
−4A− 次に、粒子状の流動性物質として、黒色のレーザープリンター用トナー(富士通(株)社製)を紙面上に展開しておき、このトナー粒子に多孔質体Iの表面を接触させ、転写させることにより、空孔内にトナー粒子を充填した。なお、トナー粒子の平均粒径は、5μmであった。
【0075】
また、このトナー粒子は、色素としてカーボンブラック(無機顔料)を5wt%含有する。
【0076】
その後、空孔内に充填されず多孔質体Iの表面に残存したトナー(残留物)を、シリコーンゴム製のゴム片により削り取り除去した。
【0077】
−5A−〜−7A− 次に、前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.2とした。
【0078】
(実施例2)
多孔質体IIとして、リン酸三カルシウム焼結体(白色)を用意した。
【0079】
−1B−〜−3B− 前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.3とした。
【0080】
−4B− 次に、0.5wt%のチトクロムc(赤紫色を呈する色素タンパク質)水溶液50μLを、多孔質体IIの表面に塗布することにより、空孔内にチトクロムc水溶液を充填した。
【0081】
その後、空孔内に充填されず多孔質体IIの表面に残存したチトクロムc(残留物)を、シリコーンゴム製のゴム片により削り取り除去した。
【0082】
−5B−〜−7B− 次に、前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.4とした。
【0083】
サンプルNo.1〜サンプルNo.4を、それぞれ、図5〜図8に示す。
サンプルNo.2およびNo.4(本発明)は、いずれも、空孔と空孔で無い部分とが明確な2値化画像が得られた。
【0084】
これに対し、サンプルNo.1およびNo.3(比較例)は、それぞれ、サンプルNo.2およびNo.4と同一の多孔質体の表面の2値化画像であるにも係わらず、いずれも、空孔と空孔で無い部分とが不明確なものであった。
【0085】
また、流動性物質に用いる色素として、前述したような顔料、染料または色素タンパク質を単独または混合して用いて、前記実施例1および実施例2と同様にして多孔質体の空孔形態の検査を行ったが、前記実施例1および実施例2と同様の結果が得られた。
【0086】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、多孔質体において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができ、その結果、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した画像を得ることができる。
【0087】
このようなことから、本発明によれば、多孔質体(特に、生体材料)にとって重要な空孔形態を正確に検査(評価)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空孔形態の検査方法の工程を示す図である。
【図2】撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【図3】可視化処理を省略して撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【図4】2値化画像データに対して、所定の画像処理をすることで得られた処理画像である。
【図5】サンプルNo.1(比較例)の画像である。
【図6】サンプルNo.2(本発明)の画像である。
【図7】サンプルNo.3(比較例)の画像である。
【図8】サンプルNo.4(本発明)の画像である。
【符号の説明】
S1 可視化処理工程
S2 撮影工程
S3 画像処理工程
M 空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲
P 空孔に対応すると推定される階調値の範囲
【発明が属する技術分野】
本発明は、空孔形態の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハイドロキシアパタイトは、骨や歯の主成分であり、優れた生体親和性を有しており、その焼結体は、人工骨、人工歯根、医科用あるいは、歯科用セメント等の生体材料として利用されている。これと同様に、リン酸三カルシウムも、骨や歯に近い成分であり、やはり人工骨として利用されている。
【0003】
ここで、このような焼結体を、特に、人工骨や人工歯根等として用いる場合には、十分な機械的強度と生体適合性とが求められる。この機械的強度と生体適合性は、多孔質体である焼結体の緻密性(多孔質の度合い)に依存している。
【0004】
すなわち、焼結体が多孔質の度合いが低いと、機械的強度は高くなるが、焼結体への骨細胞等の侵入が困難になることから生体適合性が低下する傾向を示し、一方、焼結体の多孔質の度合いが高くなると、生体適合性はよくなるか、機械的強度が低くなる傾向を示す。
【0005】
したがって、生体材料として最適な焼結体を選定するためには、焼結体(多孔質体)の緻密性を検査することが重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、多孔質体の空孔形態を正確に検査することができる空孔形態の検査方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、前記多孔質体の表面に存在する空孔内に前記流動性物質を充填して、前記空孔を可視化する可視化処理工程と、
前記可視化処理が施された前記多孔質体の表面を撮影して、前記表面の画像を得る撮影工程とを有することを特徴とする空孔形態の検査方法。
【0009】
これにより、空孔を可視化することができるため、撮影工程において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができる。
【0010】
(2) 前記流動性物質は、前記多孔質体と異なる色相を有するものである上記(1)に記載の空孔形態の検査方法。
【0011】
これにより、撮影工程において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0012】
(3) 前記流動性物質は、粒子状のものである上記(1)または(2)に記載の空孔形態の検査方法。
【0013】
これにより、空孔形態の検査終了後、流動性物質を多孔質体から除去するのが容易となる。
【0014】
(4) 粒子状の前記流動性物質は、その平均粒径が0.5〜20μmである上記(3)に記載の空孔形態の検査方法。
【0015】
これにより、取扱性の低下を招くことなく、十分に空孔内に流動性物質を充填することができる。
【0016】
(5) 前記流動性物質は、液状のものである上記(1)または(2)に記載の空孔形態の検査方法。
【0017】
これにより、空孔の細かな部分まで流動性物質が浸透し、空孔の形状を細部にわたって可視化できるようになる。
【0018】
(6) 前記色素は、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
これにより、色の選択の幅を広げることができる。
【0019】
(7) 前記流動性物質における前記色素の含有量は、0.1〜50wt%である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0020】
これにより、空孔と空孔で無い部分との階調差を十分に大きくすることができる。
【0021】
(8) 前記可視化処理工程において、前記空孔内に充填されず、前記多孔質体の表面に残存する残留物を除去する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0022】
これにより、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0023】
(9) 前記画像を2値化処理して、2値化画像を得る画像処理工程を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
これにより、空孔と空孔で無い部分とがより明確となる。
【0024】
(10) 前記多孔質体は、リン酸カルシウム系化合物焼結体である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
【0025】
本発明は、リン酸カルシウム系化合物焼結体、特に、ハイドロキシアパタイト焼結体やリン酸三カルシウム焼結体の検査への適用が好適である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空孔形態の検査方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の空孔形態の検査方法の工程を示す図、図2は、撮影された画像のヒストグラムの一例、図3は、可視化処理を省略して撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【0028】
本発明の空孔形態の検査方法に供される多孔質体は、いかなるものであってもよく、例えば、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウムのようなリン酸カルシウム系化合物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、イットリアのような酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン、窒化ボロンのような窒化物系セラミックス、グラファイト、タングステンカーバイトのような炭化物系セラミックス、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、PZT、PLZT、PLLZT等の強誘電体材料等の各種セラミックスの焼結体、ゼオライトのような鉱物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタールなどの樹脂、ポリ乳酸からなるもの(成形体)等が挙げられる。
【0029】
以下、多孔質体として、リン酸カルシウム系化合物焼結体を代表に説明する。図1に示す空孔形態の検査方法は、可視化処理工程S1と、撮影工程S2と、画像処理工程S3とを有している。以下、各工程について順次説明する。
【0030】
[S1] 可視化処理工程
まず、多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、前記多孔質体の表面に存在する空孔(気孔)内に流動性物質を充填する。
【0031】
これにより、多孔質体において、空孔内に色素が存在することにより、空孔を目視にて確認できるようにすること、すなわち、空孔を可視化することができる。このため、後述する撮影工程S2において撮影される画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができ、最終的に画像処理工程S3において得られる2値化画像において、空孔と空孔で無い部分とをより明確にすることができる。
【0032】
かかる観点からは、用いる流動性物質は、できるだけ多孔質体と異なる色相を有するもの、または、同じ色相でも彩度もしくは明度が大きく違うものであるのが好ましい。多孔質体がリン酸カルシウム系化合物焼結体(例えば、ハイドロキシアパタイト焼結体、リン酸三カルシウム焼結体等)である場合には、これらは白色または白色に近い色であるので、流動性物質としては、例えば、黒色、青色等のものが好適である。
【0033】
また、流動性物質としては、いかなるものであってもよいが、粒子状のものまたは液状のものが好適に使用される。
【0034】
粒子状の流動性物質としては、例えば、色素と樹脂とを含む組成物からなる粒子、樹脂製の母材の表面に色素を吸着(固定)した粒子等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、色素の種類によっては、粒子状の流動性物質として、色素自体の粒子を用いることもできる。
【0035】
この粒子状の流動性物質の平均粒径は、特に限定されないが、0.5〜20μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。前記平均粒径が小さ過ぎると、流動性物質の種類等によっては、流動性物質同士の間で凝集が生じ易くなり、取り扱いが難しくなる場合がある。一方、前記平均粒径が大き過ぎると、比較的孔径の小さい空孔内に流動性物質が充填され難くなり、かかる空孔の可視化が困難となるおそれがある。
【0036】
一方、液状の流動性物質としては、例えば、色素を含む溶液または分散液が使用される。
【0037】
用いる溶媒または分散媒としては、多孔質体と反応、多孔質体を溶解等しないものであればよく、例えば、蒸留水、イオン交換水、RO水のような各種水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンのようなアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、n−ヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレンのような炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、グリース、シリコーンオイル等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、多孔質体がリン酸カルシウム系化合物焼結体の場合は、用いる色素の種類にもよるが、蒸留水が好適である。
【0038】
この液状の流動性物質の粘度は、特に限定されないが、常温で0.5〜1000cps程度であるのが好ましく、50〜500cps程度であるのがより好ましい。前記粘度が低過ぎると、微細な空孔から色素が抜けていく場合がある。一方、前記粘度が高過ぎると、空孔内に流動性物質が充填され難くなり、空孔の可視化が困難となるおそれがある。
【0039】
このような流動性物質に含まれる色素は、特に限定されないが、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種であるのが好ましい。これらの色素には、種々の色のものが存在するので、色の選択の幅を広げることができる。このため、多孔質体の色相に応じて、種々の色相を有する流動性物質を用意することができる。
【0040】
顔料としては、例えば、C.I.ピグメント ホワイト1,4,5,6,7,11,18,19,20,21,22,23,24,26,27,28;C.I.ピグメント イエロー34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,157,162,180;C.I.ピグメント オレンジ20,20:1,104;C.I.ピグメント レッド101,102,105,106,108,108:1,184;C.I.ピグメント ブラウン7,11,33;C.I.ピグメント グリーン15,17,18,19,26,50;C.I.ピグメント ブルー5:1,27,28,29,35,36;C.I.ピグメント バイオレット14,16;C.I.ピグメント ブラック6,7,8,9,10,11,26,27,28;C.I.ピグメント メタル1,2,4,5,6等の無機顔料や、C.I.ピグメント イエロー1,3,12,13,14,17,55,73,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,129,138,139,151,153,154,168;C.I.ピグメント オレンジ5,13,16,36,43;C.I.ピグメント レッド2,3,5,17,22,23,38,81,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,52:1,53:1,57:1,63:1,112,122,144,146,149,166,170,176,177,178,179,185,202,207,209,254;C.I.ピグメント ブラウン25;C.I.ピグメント グリーン7,36;C.I.ピグメント ブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60;C.I.ピグメント バイオレット1,3,19,23,50等の有機顔料等が挙げられる。
【0041】
染料としては、例えば、C.I.アシッド ブラック2,7,16,17,24,26,28,31,41,52,63,94,112,118,119;C.I.アシッド イエロー4,11,12,13,14,17,18,23,25,29,34,40,41,42,53,55,61,71,76,111,122;C.I.アシッド レッド1,4,6,8,9,15,19,21,30,32,34,35,37,40,42,51,52,54,80,82,85,87,92,94,106,108,110,115,119,133,143,172,176,180,187,256,317;C.I.アシッド ブルー7,9,15,22,23,25,40,41,43,45,49,51,53,55,56,59,62,78,80,81,90,93,102,104,111,113,117,120,124,145,167,185,192,229,234,254;C.I.アシッド オレンジ7,19;C.I.アシッド バイオレット49;C.I.ベイシック ブラック2,8;C.I.ベイシック イエロー2,12,32;C.I.ベイシック レッド1,2,9,12,13,14,37;C.I.ベイシック ブルー1,3,5,7,9,24,25,26,28,29;C.I.ベイシック バイオレット7,14,27;C.I.ベイシック グリーン4,6;C.I.ダイレクト ブラック2,9,11,14,17,19,22,27,32,36,38,41,48,49,51,56,71,75,77,78,80,106,108,146,154;C.I.ダイレクト イエロー1,2,4,8,12,24,26,33,34,41,42,48,50,51,72,87,98;C.I.ダイレクトレッド1,4,8,11,15,17,23,28,31,46,59,62,73,75,77,80,81,83,84,85,90,101,106,108,110,145,189,193,225;C.I.ダイレクト ブルー1,2,6,8,22,25,34,69,70,71,72,75,76,78,81,82,83,86,90,98,106,110,120,165,195,199,218,239,258;C.I.ダイレクト オレンジ34,39,44,46,60;C.I.ダイレクト バイオレット47,48;C.I.ダイレクト ブラウン109;C.I.ダイレクト グリーン6,59;C.I.フード ブラック1,2;C.I.フード イエロー2,4,5;C.I.フード レッド2,3,7,14,52,87,94,105;C.I.フード ブルー1,2;C.I.リアクティブ ブラック1,4,5,8,14,21,23,26,31,32,34;C.I.リアクティブ ブルー2,3,4,5,7,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38,39,40,42,43,49,51,52,65,66,67,68,71,73,74,75,77,78,79,80,89,98,100,101,104,105,112,113,114,115,119,147,148,158,160,162,169,170,171,179,182,187;C.I.リアクティブ レッド3,6,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55,56,58,63,67,80,81,82,85,86,87,104,106,108,109,110,111,112,113,114,117,118,119,120,123,124,126,128,130,131,132,141,147,158,159,170,171,174,176;C.I.リアクティブ イエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42,49,50,52,54,55,57,58,63,64,75,76,77,79,81,82,83,84,85,87,88,91,92,93,95,96,111,115,116,131,135;C.I.リアクティブ オレンジ1,2,5,7,10,11,12,13,15,16,20,30,34,35,41,42,44,45,46,56,57,62,63,64,67,69,71,72,73,74,78,82,84,87;C.I.リアクティブバイオレット1,2,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33;C.I.リアクティブ ブラウン1,2,5,6,7,8,9,16,17,18,19,21,24,26,30;C.I.ディスパースブラック1,3,10,24;C.I.ディスパース ブルー3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,70,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,183,185,186,187,189,191,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333;C.I.ディスパース レッド1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,296,303,310,311,312,320,324,328;C.I.ディスパース イエロー3,4,5,7,9,13,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224;C.I.ディスパース オレンジ1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42,43,44,45,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142;C.I.ディスパース ブラウン1,2,4,9,13,19;C.I.モーダント レッド30;C.I.モーダント ブルー7等が挙げられる。
【0042】
色素タンパク質としては、例えば、チトクロムc、チトクロムbのようなチトクロム、バクテリオロドプシンのようなロドプシン、フィコシアニン、フィコエリトリン、アロフィコシアニンのようなフィコビリンタンパク質、クロロフィル、ヘムタンパク質等が挙げられる。
【0043】
以上のような色素は、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0044】
流動性物質における色素の含有量は、特に限定されないが、0.1〜50wt%程度であるのが好ましく、0.2〜35wt%程度であるのがより好ましい。色素の含有量が少な過ぎると、色素の種類等によっては、得られる画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくするのが困難になる場合がある。一方、色素の含有量を、前記範囲を超えて多くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
【0045】
また、流動性物質としては、多孔質体の表面に供給する時点では、多孔質体の色相と同じ色相を呈しているが、所定の処理を施すことで多孔質体と異なる色相に変化するものであってもよい。この所定の処理としては、例えば、熱処理、紫外線のような光照射等が挙げられる。
【0046】
なお、流動性物質の多孔質体の表面への供給方法は、特に限定されず、例えば、▲1▼基材上に流動性物質を展開しておき、この流動性物質に多孔質体を接触させ、転写させる方法、▲2▼流動性物質を多孔質体の表面に直接供給(塗布)する方法、▲3▼流動性物質中に多孔質体を埋入(浸漬)する方法等のいずれの方法であってもよい。
【0047】
次いで、必要に応じて、空孔内に充填されず、多孔質体の表面に残存する残留物(色素、流動性物質)を除去する。これにより、後述する工程S2で得られる画像において、空孔と空孔で無い部分との階調差をより大きくすることができる。
【0048】
この除去方法としては、例えば、シリコーンゴムのようなゴム片、刷毛を用いて削り取る方法、気体を吹き付ける方法等を用いることができる。
【0049】
[S2] 撮影工程
次に、前記工程[S1]において、可視化処理が施された多孔質体の表面を撮影して、多孔質体の表面の画像(多階調画像)を得る。
【0050】
この撮影方法としては、いかなる方法を用いてもよいが、例えばデジタルカメラ等の撮像装置(撮影装置)を備える実体顕微鏡を用いて、多孔質体の表面の拡大像を撮像装置によって撮影する方法が好適である。かかる方法によれば、多孔質体の表面の画像を極めて容易かつ鮮明に得ることができる。
【0051】
[S3] 画像処理工程
次に、得られた画像を2値化処理して、2値化画像を得る。2値化画像とすることにより、空孔と空孔で無い部分とがより明確となる。
【0052】
この2値化処理では、しきい値Thを決定し、前記画像の各画素毎に、その画素の階調値fとしきい値Thとを比較し、f≧Thの場合には0(白)、f<Thの場合には1(黒)に変換する。
【0053】
具体的には、撮影された画像について、各階調値に対して同じ階調値を有する画素数を求め、階調値を横軸とし、画素数を縦軸とするヒストグラムを作成する。そして、しきい値Thを設定(決定)し、例えば、階調値がしきい値Th以上の領域を白に、階調値がしきい値Th未満の領域を黒に変換することにより、2値化画像を得ることができる。
【0054】
本実施形態では、可視化処理が施されていることから、得られた画像では、空孔と空孔で無い部分との階調差が大きくなり、この画像(画像データ)に基づいて得られるヒストグラムは、図2に示すように、多孔質体の空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲Mと、空孔に対応すると推定される階調値の範囲Pとが明確に区別される。このため、しきい値Thの設定が容易であり、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した2値化画像を得ることができる。
【0055】
なお、可視化処理を省略して得られた画像に基づくヒストグラムでは、図3に示すように、多孔質体の空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲と、空孔に対応すると推定される階調値の範囲とが明確に区別されないため、しきい値Thの設定が極めて困難である。
【0056】
以上のようにして得られた2値化画像(2値化画像データ)を用いて、多孔質体の空孔形態の検査(確認)を行うことができる。
【0057】
ここで、空孔形態としては、例えば、空孔位置のばらつき(空孔の分布状態)、空孔の面積率(多孔質体の表面における空孔の占める割合)、平均空孔径、空孔径のばらつき等が挙げられる。
【0058】
このうち、空孔位置のばらつきは、例えば、次のようにして求めることができる。
【0059】
図4は、2値化画像に対して、所定の画像処理をすることで得られた処理画像である。図4中、黒のドットは空孔の位置を示している。
【0060】
なお、2値化画像において、1ラインに存在する連続した黒のドットは、その中央部に1点だけドットが存在するものとして変換を行った。
【0061】
この画像処理により得られた処理画像のデータを、下記式(1)に代入することにより、空孔位置のばらつきを求めることができる。
【0062】
【式1】
【0063】
この式(1)は、あるラインにおいて、全ドット数と黒のドット数が比例関係にある時に最も均一、すなわち、空孔位置のばらつきが最も少ないと仮定したものである。
【0064】
したがって、この式(1)で求められる値が大きい程、比例直線と実測値とのズレが大きく、空孔位置のばらつきが大きいことを意味する。
【0065】
本実施形態では、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した2値化画像が得られているので、式(1)で求められる空孔位置のばらつきや、空孔の面積率、平均空孔径、空孔径のばらつき等をより正確に求めることができる。
【0066】
これらの値は、多孔質体の緻密性(多孔質の度合い)を反映しており、人工骨や人工歯根等の生体材料にとって、生体適合性や機械的強度を判断する上で、極めて重要な指標となる。
【0067】
したがって、本発明の空孔形態の検査方法は、人工骨や人工歯根等の生体材料、特に、ハイドロキシアパタイト焼結体やリン酸三カルシウム焼結体のようなリン酸カルシウム系化合物焼結体の検査に好適に適用される。
【0068】
以上、本発明の空孔形態の検査方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、必要に応じて、画像処理工程を省略することもでき、また、任意の工程が追加されてもよい。
【0069】
【実施例】
次に、本発明の空孔形態の検査方法の具体的実施例について説明する。
【0070】
(実施例1)
多孔質体Iとして、ハイドロキシアパタイト焼結体(白色)を用意した。
【0071】
−1A− まず、この多孔質体Iの表面を、デジタルカメラ付きの実体顕微鏡(オリンパス光学社製、「SZX12」)の試料台に設置した。
【0072】
−2A− 次に、ファイバータイプの照明(Kenko社製、「KTX−100R」)により、左右斜め上方から多孔質体Iの表面に光を照射し、この状態で多孔質体Iの表面の拡大像を撮影して画像(多階調画像)を得た。
【0073】
−3A− 次に、この画像のデータをパソコンに取り込み、画像処理ソフト(アドビシステムズ社製、「PhotoShop」)を用いて2値化処理(画像処理)し、2値化画像を得た。
得られた2値化画像をサンプルNo.1とした。
【0074】
−4A− 次に、粒子状の流動性物質として、黒色のレーザープリンター用トナー(富士通(株)社製)を紙面上に展開しておき、このトナー粒子に多孔質体Iの表面を接触させ、転写させることにより、空孔内にトナー粒子を充填した。なお、トナー粒子の平均粒径は、5μmであった。
【0075】
また、このトナー粒子は、色素としてカーボンブラック(無機顔料)を5wt%含有する。
【0076】
その後、空孔内に充填されず多孔質体Iの表面に残存したトナー(残留物)を、シリコーンゴム製のゴム片により削り取り除去した。
【0077】
−5A−〜−7A− 次に、前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.2とした。
【0078】
(実施例2)
多孔質体IIとして、リン酸三カルシウム焼結体(白色)を用意した。
【0079】
−1B−〜−3B− 前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.3とした。
【0080】
−4B− 次に、0.5wt%のチトクロムc(赤紫色を呈する色素タンパク質)水溶液50μLを、多孔質体IIの表面に塗布することにより、空孔内にチトクロムc水溶液を充填した。
【0081】
その後、空孔内に充填されず多孔質体IIの表面に残存したチトクロムc(残留物)を、シリコーンゴム製のゴム片により削り取り除去した。
【0082】
−5B−〜−7B− 次に、前記−1A−〜−3A−と同様の工程を行った。
得られた2値化画像をサンプルNo.4とした。
【0083】
サンプルNo.1〜サンプルNo.4を、それぞれ、図5〜図8に示す。
サンプルNo.2およびNo.4(本発明)は、いずれも、空孔と空孔で無い部分とが明確な2値化画像が得られた。
【0084】
これに対し、サンプルNo.1およびNo.3(比較例)は、それぞれ、サンプルNo.2およびNo.4と同一の多孔質体の表面の2値化画像であるにも係わらず、いずれも、空孔と空孔で無い部分とが不明確なものであった。
【0085】
また、流動性物質に用いる色素として、前述したような顔料、染料または色素タンパク質を単独または混合して用いて、前記実施例1および実施例2と同様にして多孔質体の空孔形態の検査を行ったが、前記実施例1および実施例2と同様の結果が得られた。
【0086】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、多孔質体において、空孔と空孔で無い部分との階調差を大きくすることができ、その結果、実際の多孔質体の空孔形態を、より正確に反映した画像を得ることができる。
【0087】
このようなことから、本発明によれば、多孔質体(特に、生体材料)にとって重要な空孔形態を正確に検査(評価)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空孔形態の検査方法の工程を示す図である。
【図2】撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【図3】可視化処理を省略して撮影された画像のヒストグラムの一例である。
【図4】2値化画像データに対して、所定の画像処理をすることで得られた処理画像である。
【図5】サンプルNo.1(比較例)の画像である。
【図6】サンプルNo.2(本発明)の画像である。
【図7】サンプルNo.3(比較例)の画像である。
【図8】サンプルNo.4(本発明)の画像である。
【符号の説明】
S1 可視化処理工程
S2 撮影工程
S3 画像処理工程
M 空孔で無い部分に対応すると推定される階調値の範囲
P 空孔に対応すると推定される階調値の範囲
Claims (10)
- 多孔質体の表面に、色素を含有する流動性物質を供給し、前記多孔質体の表面に存在する空孔内に前記流動性物質を充填して、前記空孔を可視化する可視化処理工程と、
前記可視化処理が施された前記多孔質体の表面を撮影して、前記表面の画像を得る撮影工程とを有することを特徴とする空孔形態の検査方法。 - 前記流動性物質は、前記多孔質体と異なる色相を有するものである請求項1に記載の空孔形態の検査方法。
- 前記流動性物質は、粒子状のものである請求項1または2に記載の空孔形態の検査方法。
- 粒子状の前記流動性物質は、その平均粒径が0.5〜20μmである請求項3に記載の空孔形態の検査方法。
- 前記流動性物質は、液状のものである請求項1または2に記載の空孔形態の検査方法。
- 前記色素は、顔料、染料、色素タンパク質のうちの少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
- 前記流動性物質における前記色素の含有量は、0.1〜50wt%である請求項1ないし6のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
- 前記可視化処理工程において、前記空孔内に充填されず、前記多孔質体の表面に残存する残留物を除去する請求項1ないし7のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
- 前記画像を2値化処理して、2値化画像を得る画像処理工程を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
- 前記多孔質体は、リン酸カルシウム系化合物焼結体である請求項1ないし9のいずれかに記載の空孔形態の検査方法。
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