JP2004092805A - 異物排出機能を有する制振装置 - Google Patents

異物排出機能を有する制振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸部材に環状の独立マス部材を外挿せしめて、該独立マス部材の軸部材に対する打ち当たりによって制振効果が発揮されるようにすると共に、該独立マス部材を外部空間に直接に露呈せしめた状態で配設した制振装置において、目的とする制振効果が一層安定して効果的に発揮され得る、改良された構造を提供すること。
【解決手段】軸部材12と独立マス部材14の相互的な打ち当り面を構成する軸直角方向または軸方向の対向面44,48において、かかる対向面44,48間に侵入した異物の外部への排出を促し得る異物排出部52を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、振動部材に固設される軸部材に対して、それに外挿した環状の独立マス部材を打ち当てることにより相殺的な制振効果を得るようにした制振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車のボデーなどのように振動が問題となる部材において振動を低減する手法としては、(a)振動部材にマス材を固設するマスダンパや、(b)振動部材にばね材を介してマス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、(c)振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材が、知られている。ところが、上記(a)マスダンパと(b)ダイナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いという問題があった。また、上記(c)制振材は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むという問題があった。更に、上記(b)ダイナミックダンパと(c)制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題もあったのである。
【0003】
このような従来からの問題に鑑み、本出願人は、先に、特許文献1において、振動部材に固定される剛性のハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時に、かかる独立マス部材を、ハウジングに対して弾性的な当接面で当接させることにより、当接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して相殺的な制振効果を得るようにした、新規な構造の車両用制振装置を提案した。このような構造の車両用制振装置においては、小さなマス質量により、広い周波数域に亘る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0004】
【特許文献1】
国際公開WO00/14429号パンフレット
【0005】
ところが、かかる特許文献1に記載された車両用制振装置においては、独立マス部材をその全体を覆うようにして収容するハウジングを略密閉構造をもって形成する必要があることから、構造が複雑で製造が難しいことに加えて、ハウジングの外形サイズが大きくなってしまい、特に配設スペースが制限される場合への対応が難しいという不具合があった。
【0006】
そこで、本出願人は、新たな特許出願(特願2001−037790号)を行い、そこにおいて、振動部材に固設される軸部材に対して環状の独立マス部材を外挿して非接着で独立変位可能に配設せしめて、独立マス部材が軸部材に対して相対変位して直接的且つ弾性的に打ち当たるようにした、改良された構造の制振装置を提案した。このような制振装置においては、独立マス部材を覆う密閉構造のハウジングを設ける必要がないことから、構造の簡略化と製造の容易化が図られ得ると共に、外形サイズのコンパクト化も有利に実現可能となるのである。
【0007】
しかしながら、上述の先願(特願2001−037790号)で開示した、改良された構造の制振装置について、本発明者等が更なる検討を加えたところ、かかる制振装置においては、独立マス部材が配設された領域を、ハウジングによって密閉されずに外気に対してオープン構造とされた形態をもって形成することが可能であるが、そのようなオープン構造のハウジングを採用した場合には、装着場所の条件により水や泥,埃等の異物に対して独立マス部材が直接に晒されるおそれがあり、かかる異物が、独立マス部材と軸部材の当接面間の隙間に侵入してしまって、独立マス部材と軸部材の打ち当り条件が変化してしまい、かかる打ち当りに基づく所期の制振効果が安定して発揮され難くなってしまうおそれがあるという、新たな不具合を内在していることが明らかとなった。
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、密閉タイプのハウジングを備えない上述の如き制振装置であって、独立マス部材と軸部材の打ち当り面間の隙間に対して異物が侵入することに起因する制振性能の低下の問題が回避され得て、所期の制振効果を安定して得ることの出来る、改良された構造の制振装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0010】
すなわち、本発明の第一の態様は、振動部材に固設される軸部材に対して環状の独立マス部材を外挿して非接着で独立変位可能に配設せしめて、該軸部材に対して該独立マス部材が相対変位して直接的且つ弾性的に打ち当たるようにした制振装置において、前記独立マス部材と前記軸部材の相互的な打ち当り面を構成する軸直角方向および軸方向の少なくとも何れか一方の対向面間において、かかる対向面間に侵入した異物が外部へ容易に排出されるようにして該異物の外部への排出を促し得る異物排出部を設けたことを、特徴とする。
【0011】
このような本態様においては、独立マス部材が外部空間に直接に露呈されていても、外部空間から及ぼされる水や泥,埃等の異物が独立マス部材と軸部材の打ち当り面間の隙間に入り混んだ場合には、かかる異物の外部空間への排出が促され得ることとなる。従って、密閉構造のハウジングを備えないが故に発揮され得る、サイズのコンパクト性や構造の簡略性などの優れた効果を充分に確保しつつ、外部空間からの異物の侵入に起因する不具合が軽減乃至は回避され得るのであり、目的とする制振効果を有効に且つ安定して得ることが可能となるのである。
【0012】
また、本態様において、独立マス部材は、その全体をゴム弾性体や合成樹脂材等で形成したり、補強的に金属等の剛性材を固着することも可能であるが、独立マス部材を金属等の高比重の剛性材で形成することによって、コンパクトで且つ質量の大きい独立マス部材が有利に実現され得る。そこにおいて、独立マス部材だけでなく軸部材も剛性材で形成する場合には、独立マス部材と軸部材の打ち当り面の少なくとも一方にゴム弾性体や合成樹脂等の弾性材を被着形成することにより、独立マス部材の軸部材に対する弾性的な当接が有利に実現され得る。
【0013】
更にまた、本態様において、独立マス部材は軸部材に対して非接着で独立変位可能とされていることから、それら独立マス部材と軸部材の間には、両部材を弾性的に連結せしめる部材も存在していない。即ち、独立マス部材の全表面は、軸部材に対して完全に分離独立せしめられており、独立マス部材を軸部材に対する移動中心に位置せしめた状態下では、独立マス部材の内周面が軸部材の外周面に対して全体に亘って軸直角方向で離隔位置せしめられるようになっているのである。
【0014】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る制振装置において、前記軸部材に対して前記独立マス部材が軸直角方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面において前記打ち当り面としての第一の打ち当り面を形成すると共に、該第一の打ち当り面が形成された前記軸直角方向対向面間の距離を周上で部分的に大きくして軸方向に貫通する第一の排出用通路を形成し、該第一の排出用通路により前記異物排出部を構成して該軸直角方向対向面間に侵入した異物が該第一の排出用通路を通じて軸方向外方に排出され得るようにしたことを、特徴とする。
【0015】
このような本態様においては、第一の打ち当り面における軸部材と独立マス部材の当接作用に基づいて、軸直角方向の振動に対して有効な制振効果が発揮され得るのであり、また、かかる第一の打ち当り面を構成する軸直角方向対向面間に異物が侵入した場合でも、かかる異物が第一の排出用通路を通じて軸方向外方に導かれて外部空間に容易に排出され得ることから、異物が隙間にとどまることに起因する制振効果の低下が効果的に防止され得ることとなる。特に、第一の排出用通路は、振動入力に際して相対変位せしめられる軸部材と独立マス部材の対向面間に形成されており、それら軸部材と独立マス部材の相対変位に伴って第一の排出用通路の断面形状が変化せしめられて、該第一の排出用通路に導かれた異物に対しても外力(加振力)が及ぼされることから、かかる異物が第一の排出用通路から速やかに外部に排出され得るのである。なお、第一の排出通路を通じての異物の排出を一層効率化するために、該第一の排出用通路を形成する軸部材と独立マス部材の対向面に対して相対的な軸方向テーパ(傾斜面)を付するようにしても良い。また、かかる第一の排出用通路は、軸直角方向対向面において周上で部分的に形成されていることから、独立マス部材の軸部材への当接に基づく制振効果は、第一の排出用通路が形成されていない部分によって有効に発揮され得るのである。
【0016】
なお、本態様において、第一の打ち当り面の軸直角方向における対向面間距離は、軸部材に対して独立マス部材を同一中心軸上に配設せしめて、軸部材の外周面と独立マス部材の内周面を同一中心軸上に位置せしめた状態下で測定される寸法をもって定義することとする。
【0017】
また、本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る制振装置において、前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記第一の打ち当り面の少なくとも一方を構成する一方、該ゴム弾性体に対して軸方向に延びる凹溝を形成して、該凹溝により前記第一の排出用通路を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、軸部材および独立マス部材の強度や、独立マス部材の質量を容易に確保することが出来ると共に、ゴム弾性体に形成された凹溝を利用して、第一の排出用通路を任意の大きさや形状をもって容易に形成することが可能となるのである。
【0018】
また、本発明の第四の態様は、前記第二又は第三の態様に係る制振装置において、前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記軸直角方向対向面の少なくとも一方を構成すると共に、該ゴム弾性体において、該軸部材の外周面および該独立マス部材の内周面の一方から他方に向かって突出する弾性突出部を、軸方向の複数箇所でそれぞれ周方向に延びるように一体形成して、それら弾性突出部の突設先端面によって前記第一の打ち当り面を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、第一の打ち当り面が、軸部材の外周面と独立マス部材の内周面において部分的に形成されることから、それらの全面に亘って第一の打ち当り面を形成した場合に比して、第一の打ち当り面への異物の噛み込みが抑えられ得ると共に、軸部材の外周面と独立マス部材の内周面の軸直角方向対向面間に入り込んだ異物も、弾性突出部の形成されていない部分に設けられた比較的に大きな隙間を通じて周方向で第一の排出用通路に向かってより速やかに導かれることとなり、第一の排出用通路を通じての異物の外部空間への排出効率が向上され得る。
【0019】
また、本発明の第五の態様は、前記第二乃至第四の何れかの態様に係る制振装置において、前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着されるようにする一方、該軸部材と該独立マス部材の周方向の相対変位を制限する周方向変位制限手段を設けると共に、それら軸部材と独立マス部材の前記軸直角方向対向面における周上の一部に前記第一の排出用通路を形成して、該振動部材への装着状態下で該第一の排出用通路が該軸直角方向対向面の鉛直下端部に位置せしめられるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振装置を振動部材に装着せしめた状態下で、軸直角方向対向面間の隙間において鉛直方向の下端部に位置して上方に向かって開口する形態をもって、第一の排出用通路を構成する凹溝が位置せしめられることとなる。それ故、軸直角方向対向面間に入り込んだ異物が、重力の作用により第一の排出用通路に向けて導かれ得るのであり、それによって、異物の外部空間への排出がより効率的に且つ速やかに実現され得るのである。
【0020】
また、本発明の第六の態様は、前記第一の態様に係る制振装置であって、前記軸部材に対して前記独立マス部材が軸直角方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面によって前記打ち当り面としての第一の打ち当り面を構成すると共に、該第一の打ち当り面を構成する該独立マス部材の内周面において、軸方向中間部分から軸方向両端部に向かって次第に拡開して該軸部材の外周面から径方向外方に離隔する軸方向傾斜面を形成し、かかる軸方向傾斜面により前記異物排出部を構成して前記軸直角方向対向面間に侵入した異物が該軸方向傾斜面で導かれて軸方向外方に排出され得るようにしたことを、特徴とする。
【0021】
このような本態様においては、第一の打ち当り面における軸部材と独立マス部材の当接作用に基づいて、軸直角方向の振動に対して有効な制振効果が発揮され得るのであり、また、かかる第一の打ち当り面を構成する軸直角方向対向面間に異物が侵入した場合でも、かかる異物が、隙間を形成する軸方向傾斜面に沿って案内されることにより、軸方向外方に導かれて外部空間に容易に排出され得ることから、異物が隙間にとどまることに起因する制振効果の低下が効果的に防止され得ることとなる。特に、軸方向傾斜面は、振動入力に際して軸部材に対して相対変位せしめられる独立マス部材に形成されており、該独立マス部材の軸部材に対する変位に伴って、軸方向傾斜面上の異物に対して外力(加振力)が及ぼされ得ることから、かかる異物が軸方向傾斜面によって一層効率的に導かれて外部空間に速やかに排出され得るのである。
【0022】
また、本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係る制振装置において、前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該独立マス部材の内周面にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該独立マス部材における前記軸方向傾斜面を備えた前記軸直角方向対向面を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、軸部材および独立マス部材の強度や、独立マス部材の質量を容易に確保することが出来ると共に、第一の打ち当り面を構成するゴム弾性体の成形に際して、目的とする軸方向傾斜面を、任意の傾斜角度や面形状をもって容易に形成することが可能となる。
【0023】
また、本発明の第八の態様は、前記第六又は第七の態様に係る制振装置において、前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着されるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振装置を振動部材に装着せしめた状態下で、軸直角方向対向面間に入り込んだ異物が重力の作用により隙間内を周方向下方に導かれて、隙間の鉛直下端部に集められることとなり、更に、かかる鉛直下端部において、重力の作用によって、独立マス部際の内周面に形成された軸方向傾斜面上に載置されることとなる。それ故、軸方向傾斜面による異物の軸方向への案内作用が、異物に及ぼされる重力の分力によって一層効果的に発揮され得ることとなり、異物の外部空間への排出がより効率的に且つ速やかに実現され得るのである。
【0024】
また、本発明の第九の態様は、前記第一乃至第八の何れかの態様に係る制振装置において、前記独立マス部材を軸方向に挟んだ両側に位置して軸直角方向に広がる一対の軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面によって前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成したことを、特徴とする。このような本態様に係る制振装置においては、独立マス部材の軸部材に対する第一の打ち当り面での当接作用に基づいて軸直角方向の振動に対する制振効果が発揮され得ることに加えて、独立マス部材の軸部材に対する第二の打ち当り面での当接作用に基づいて軸方向の振動に対しても有効な制振効果が発揮され得るのである。
【0025】
また、本発明の第十の態様は、前記第一乃至第九の何れかの態様に係る制振装置において、前記独立マス部材における軸方向の少なくとも一方の側に位置して軸直角方向に広がる一対の軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面において前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成すると共に、該第二の打ち当り面を構成する軸方向対向面間の距離を周上の一部において大きくして、かかる軸方向対向面間において軸直角方向に連続して延びる第二の排出用通路を形成し、かかる第二の排出用通路により前記異物排出部を構成して該軸方向対向面間に侵入した異物が該第二の排出用通路を通じて軸直角方向外方に排出され得るようにしたことを、特徴とする。
【0026】
このような本態様においては、第二の打ち当り面における軸方向当接部と独立マス部材の当接作用に基づいて、軸方向の振動に対して有効な制振効果が発揮され得るのであり、また、かかる第二の打ち当り面を構成する軸方向対向面間に異物が侵入した場合でも、かかる異物が、第二の排出用通路を通じて軸直角方向外方に導かれて外部空間に容易に排出され得ることから、異物が隙間にとどまることに起因する制振効果の低下が効果的に防止され得ることとなる。特に、第二の排出用通路は、振動入力に際して相対変位せしめられる軸方向当接部と独立マス部材の対向面間に形成されており、それら軸方向当接部と独立マス部材の相対変位に伴って第二の排出用通路の断面形状が変化せしめられることから、かかる異物が第二の排出用通路から一層容易に外部へ排出され得るのである。なお、第二の排出通路を通じての異物の排出を一層効率化するために、該第二の排出用通路を形成する軸方向当接部と独立マス部材の軸方向対向面に対して相対的な軸直角方向テーパ(傾斜面)を付するようにしても良い。また、かかる第二の排出用通路は、第二の打ち当り面において周上で部分的に形成されていることから、独立マス部材の軸方向当接部への当接に基づく制振効果は、第二の排出用通路が形成されていない部分によって有効に発揮され得るのである。
【0027】
また、本発明の第十一の態様は、前記第十の態様に係る制振装置において、前記軸方向当接部と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向対向面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記軸方向対向面の少なくとも一方を構成する一方、該ゴム弾性体に対して軸直角方向に延びる凹溝を形成して、該凹溝により前記第二の排出用通路を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、軸方向当接部および独立マス部材の強度や、独立マス部材の質量を容易に確保することが出来ると共に、ゴム弾性体に形成された凹溝を利用して、第二の排出用通路を任意の大きさや形状をもって容易に形成することが可能となるのである。
【0028】
また、本発明の第十二の態様は、前記第十又は第十一の態様に係る制振装置において、前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略鉛直方向に延び、且つ該独立マス部材における鉛直下方の軸方向端面と、該独立マス部材に対して鉛直下方に配設された前記軸方向当接部との前記軸方向対向面間に前記第二の排出用通路が位置せしめられる状態で、前記振動部材に装着されるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振装置を振動部材に装着せしめた状態下で、軸方向対向面間の隙間が、第一の打ち当り面の軸方向下端部で且つ鉛直方向下端部に位置せしめられることとなる。それ故、軸直角方向対向面間に入り込んだ異物も、重力の作用により軸方向対向面間に集められて、第二の排出用通路を通じて外部空間へ効率的に且つ速やかに排出され得るのである。
【0029】
また、本発明の第十三の態様は、前記第一乃至第九の何れかの態様に係る制振装置において、前記独立マス部材における軸方向の少なくとも一方の側に位置して軸直角方向に広がる軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面に前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成すると共に、該軸方向当接部における前記軸方向対向面において、内周部分から外周側に向かって次第に軸方向外方に傾斜する軸直角方向傾斜面を形成し、かかる軸直角方向傾斜面により前記異物排出部を構成して該軸方向対向面間に侵入した異物が該軸直角方向傾斜面で導かれて軸直角方向外方に排出され得るようにしたことを、特徴とする。
【0030】
このような本態様に従う構造とされた制振装置においては、第二の打ち当り面における軸方向当接部と独立マス部材の当接作用に基づいて、軸方向の振動に対して有効な制振効果が発揮され得るのであり、また、かかる第二の打ち当り面を構成する軸方向対向面間に異物が侵入した場合でも、かかる異物が、隙間を形成する軸直角方向傾斜面に沿って案内されることにより、軸直角方向外方に導かれて外部空間に容易に排出され得ることから、異物が隙間にとどまることに起因する制振効果の低下が効果的に防止され得ることとなる。特に、軸直角方向傾斜面は、振動入力に際して独立マス部材に対して相対変位せしめられる軸方向当接部に形成されており、それら独立マス部材と軸方向当接部の相対変位に伴って、軸直角方向傾斜面上の異物に対して外力(加振力)が及ぼされ得ることから、かかる異物が軸直角方向傾斜面によって一層効率的に導かれて外部空間に速やかに排出され得るのである。
【0031】
また、本発明の第十四の態様は、前記第十三の態様に係る制振装置において、前記軸方向当接部と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸方向当接部の軸方向内側面にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸方向当接部における前記軸直角方向傾斜面を備えた前記軸方向対向面を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、軸方向当接部および独立マス部材の強度や、独立マス部材の質量を容易に確保することが出来ると共に、第二の打ち当り面を構成するゴム弾性体の成形に際して、目的とする軸直角方向傾斜面を、任意の傾斜角度や面形状をもって容易に形成することが可能となる。
【0032】
また、本発明の第十五の態様は、前記第十三又は十四の態様に係る制振装置において、前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着されると共に、かかる装着状態下で、該独立マス部材の軸方向下方に前記軸方向当接部が配設されて、該軸方向当接部に形成された前記軸直角方向傾斜面が、内周部分から外周側に行くに従って次第に鉛直方向下方に向かって傾斜せしめられるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振装置を振動部材に装着せしめた状態下で、軸方向対向面間に入り混んだ異物が、軸直角方向傾斜面上に載置されることとなるのでありそれ故、軸直角方向傾斜面による異物の軸直角方向外方への案内作用が、異物に及ぼされる重力の分力によって一層効果的に発揮され得て、異物の外部空間への排出がより効率的に且つ速やかに実現され得るのである。また、本態様においては、軸方向対向面間に入り込んだ異物も重力の作用により隙間内を軸方向下方に導かれて、軸直角方向対向面間に集められることとなり、第軸直角方向傾斜面による案内作用に基づいて、軸方向対向面間を通じて外部に効率的に排出され得ることとなる。
【0033】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】
先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施形態としての制振装置10が示されている。この制振装置10は、軸部材としての支持ロッド12に対して独立マス部材としての環状マス14が外挿状態で組み付けられることによって構成されており、支持ロッド12が、自動車のボデー等の制振すべき振動部材16に固定されることによって装着されるようになっている。なお、以下の説明において上下方向とは、鉛直上下方向に相当する図1,2中の上下方向を言うものとする。
【0035】
より詳細には、支持ロッド12は、中実の円形ロッド形状を有しており、軸方向一方の端部には大径の頭部18が一体形成されている一方、軸方向他方の端部には軸方向外方に突出するボルト部20が一体形成されている。そして、頭部18には、円環板形状の抜止めプレート22が外嵌固定されている一方、ボルト部20には、ブラケット板24が外挿されて、ボルト部20に螺合された締付ナット26で固着されており、これら抜止めプレート22とブラケット板24が、支持ロッド12の軸方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられている。
【0036】
なお、支持ロッド12と抜止めプレート22およびブラケット板24は、何れも、振動入力に伴って及ぼされる外力に対して充分な強度を剛性を備えた材料、例えば鉄等の金属等で形成されている。
【0037】
また、抜止めプレート22には、中心軸周りで周方向に所定長さで延びる円弧形状の係合窓26が、板厚方向に貫設されている。更にまた、ブラケット板24は、略矩形平板形状とされていると共に、下端縁部が水平方向に屈曲されて固定板部28が一体形成されており、この固定板部28において振動部材16の表面に重ね合わされて固定ボルト30で振動部材16に固定されるようになっている。
【0038】
一方、環状マス14は、環状のマス金具32の表面にゴム弾性体34が非着形成された構造とされている。マス金具32は、矩形断面形状で周方向に延びる厚肉の円筒形状を有しており、その内径寸法は支持ロッド12の外形寸法よりも充分に大きくされていると共に、その外形寸法が、抜止めプレート22の外形寸法と略同じとされている。なお、マス金具32は、安価で且つ成形が容易であって質量の大きい材料を選択することが望ましく、例えば鉄系金属等が有利に採用される。
【0039】
また、ゴム弾性体34は、マス金具32の外周面に被着されて、マス金具32の実質的に全外周面を覆う薄肉の被覆ゴム層36と、マス金具32の軸方向両端部から、軸方向外方に傾斜して径方向内方に突出する一対の当接ゴム部38,38、更にマス金具32の軸方向一方の端面から軸方向外方に突出する係合突起40を含んで構成されている。なお、これら被覆ゴム層36と当接ゴム部38,38および係合突起40を含むゴム弾性体34は、マス金具32の外周面上で一体成形されてマス金具32に対して加硫接着されている。
【0040】
そこにおいて、当接ゴム部38,38は、それぞれ、軸方向外方に向かって次第に小径化するテーパ筒形状を有しているが、マス金具32の全周に亘って連続しておらず、周方向において半周よりも僅かに大きい長さで形成されている。そして、かかる一対の当接ゴム部38,38の突出先端部における内周面によって小径円弧形状の当接内周面42,42が形成されており、これらの当接内周面42,42が、被覆ゴム層36の内周面よりも径方向内方に位置せしめられている。
【0041】
また、係合突起40は、周方向に所定長さで延びる円弧板形状を有しており、当接ゴム部38と周上の同じ位置で、該当接ゴム部38の外周側に位置せしめられて、該当接ゴム部38よりも軸方向外方にまで突設されている。
【0042】
そして、このような環状マス14は、支持ロッド12に対して、ブラケット板24の組付前に外挿されて組み付けられている。また、かかる組付状態下では、環状マス14の係合突起40が、抜止めプレート22の係合窓26に対して、遊挿状態で挿通されており、係合突起40の係合窓26に対する係合作用により、環状マス14が抜止めプレート22ひいては支持ロッド12に対して周方向で位置決めされている。
【0043】
これにより、振動部材16にボルト固定されたブラケット板24により、中心軸が水平方向に延びる状態で配設された支持ロッド12に対して外挿装着された環状マス14は、一対の当接ゴム部38,38が鉛直上方に位置せしめられた状態で周方向に位置決めされており、かかる一対の当接ゴム部38,38の当接内周面42,42が支持ロッド12の外周面に当接せしめられることにより、吊り下げ状態で支持されている。要するに、本実施形態では、支持ロッド12の外周面と、そこに当接せしめられる一対の当接ゴム部38,38の当接内周面42,42によって第一の打ち当り面が構成されているのである。
【0044】
そして、かかる装着状態下において、支持ロッド12とマス金具32の径方向対向面(軸直角方向対向面)44,46間には、マス金具32の軸方向中間部分を周方向に連続して延びる空所48が形成されている。また、支持ロッド12の外径寸法よりもマス金具32の内径寸法が充分に大きくされていることによって、マス金具32が支持ロッド12で懸吊支持された状態下で、空所48の径方向寸法が周方向に変化せしめられており、かかる空所48が鉛直上方で狭く、鉛直下方で広くされている。また、空所48の径方向寸法が最も大きくされた鉛直下端部では、環状マス14の軸方向両端部に当接ゴム部(38,38)が形成されておらず、それによって、かかる空所48が軸方向両側で直接に外部空間に開口せしめられて連通されている。即ち、ゴム弾性体34を構成する一対の当接ゴム部38,38には、環状マス14の鉛直方向下端部に位置せしめられる部位において、周方向で半周に満たない幅の切欠部50,50が形成されており、これらの切欠部50,50と空所48で協働して、支持ロッド12と環状マス14の径方向対向面間距離が大きくされて軸方向に貫通して延びる凹溝状の第一の排出通路52が形成されているのである。
【0045】
従って、このような構造とされた制振装置10においては、振動部材16から支持ロッド12に対して鉛直方向の振動が及ぼされると、支持ロッド12に外挿された環状マス14に振動エネルギが伝達されて該環状マス14が軸直角方向(鉛直方向)に飛び跳ね変位せしめられて、環状マス14がその当接内周面42において支持ロッド12の外周面に対して打ち当りせしめられるのであり、かかる打ち当りに基づいて、支持ロッド12ひいては振動部材16に対して相殺的な制振効果が発揮され得ることとなる。
【0046】
そこにおいて、かかる制振装置10においては、環状マス14と支持ロッド12の軸直角方向当接面を構成する径方向対向面44,46間に形成された空所48が、装着状態下で環状マス14が重力作用で下方に吊り下げられることによって鉛直下端部において大きく設定されるようになっていると共に、該鉛直下端部には、当接ゴム部38,38に切欠部50,50が設けられて、軸方向に貫通して外部空間に開口する第一の排出通路52が形成されているのであり、それ故、例えば、制振装置10の装着状態下で、水や泥等の異物が径方向対向面44,46間に入り込んだ場合でも、空所48を通じて重力の作用で下方に移動せしめられて鉛直下端部に導かれ、その後、第一の排出通路52を通じて外部空間に速やかに排出され得るのである。
【0047】
従って、水や泥等の異物が、環状マス14と支持ロッド12の軸直角方向当接面を構成する径方向対向面44,46間にとどまって、支持ロッド12の外周面と環状マス14の当接内周面44,44との当接面間に入り込んで制振効果を阻害し続けることが防止され得るのであり、環状マス14の支持ロッド12への当接に基づく所期の制振効果が安定して有効に発揮され得るのである。
【0048】
しかも、上述の如き構造とされた制振装置10においては、環状マス14を直接に外部空間に露呈せしめた構造が維持され得ることから、全体構造が簡略で製造が容易であるという効果や、全体サイズをコンパクトにすることが出来る等という効果も、有効に発揮され得る。
【0049】
また、特に本実施形態では、支持ロッド12と環状マス14の弾性的な当接部位が、環状マス14から軸方向斜め外方に突設された一対の当接ゴム部38,38で構成されており、軸直角方向の当接に際してこれら当接ゴム部38,38が剪断成分をもって弾性変形せしめられることから、環状マス14の支持ロッドに対する当接部のバネ特性を低ばね特性に設定して、制振特性のピークを低周波数域にチューニングすることが容易であるという利点もある。
【0050】
次に、図3〜4には、本発明の第二の実施形態としての制振装置54が示されている。なお、本実施形態において、前記第一の実施形態の制振装置10と同様な構造とされた部材および部位には、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0051】
すなわち、本実施形態の制振装置54においては、支持ロッド12に対して円筒形状の金属スリーブ56が外挿固定されており、この金属スリーブ56に対して環状マス14が外挿配置されている。これにより、本実施形態では、金属スリーブ56によって、環状マス14が軸直角方向に打ち当たる軸部材が構成されている。
【0052】
また、本実施形態では、環状マス14がマス金具32単体で構成されている一方、金属スリーブ56の外周面に対してゴム弾性体58が被着形成されている。そして、このゴム弾性体58によって、金属スリーブ56の外周面を略全体に亘って覆う薄肉の被覆ゴム層60と、金属スリーブ56の軸方向両端部で径方向外方に突出する円環板状の一対の弾性フランジ部62,64が形成されており、被覆ゴム層60を介して、環状マス14が金属スリーブ56に対して弾性的に打ち当たるようにされていると共に、一対の弾性フランジ部62,64によって環状マス14の軸方向変位が緩衝的に制限されるようになっている。
【0053】
さらに、被覆ゴム層60には、軸方向中央と軸方向両端近くにおいて、それぞれ外周面上に突出して周方向に延びる3条のリブ状の当接突部66が一体形成されている。そして、これら3条の当接突部66の各突出先端部において、鉛直方向の振動入力時に環状マス14が軸直角方向で金属スリーブ56に対して弾性的に打ち当たる打ち当り面が構成されている。
【0054】
また、これらの当接突部66は、何れも、前記第一の実施形態としての制振装置10における当接ゴム部38と同様に、半周以上の周方向長さで形成されており、装着状態下で鉛直下端に位置する部分では切欠部68が形成されて不連続とされている。そして、各当接突部66において凹溝としての切欠部68が形成されていることによって、支持ロッド12と環状マス14の径方向対向面間には、装着状態下で鉛直下端部分において軸方向に貫通して延びる第一の排出通路52が形成されているのである。
【0055】
従って、このような構造とされた制振装置54においても、制振装置54の装着状態下で、水や泥等の異物が、軸部材としての金属スリーブ56と環状マス14の径方向対向面44,46間に入り込んだ場合に、かかる異物が、重力の作用により、空所48を通じて下方に移動せしめられて鉛直下端部に導かれ、その後、第一の排出通路52を通じて外部空間に速やかに排出され得ることとなり、第一の実施形態と同様な効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0056】
また、図5には、本発明の第三の実施形態としての制振装置70が示されている。この制振装置70は、軸部材としての固定金具72に対して、独立マス部材としての環状マス74が相対変位可能に組み付けられており、図6に示されている如き振動部材75への装着状態下で、環状マス74が固定金具72に打ち当たることにより制振効果が発揮されるようになっている。
【0057】
より詳細には、固定金具72は、筒金具76の軸方向端部に板金具78が固着された構造とされている。筒金具76は、円筒形状の筒部80の軸方向一端部にフランジ部82が一体形成されており、L字形断面で周方向に連続して延びる円環形状を有している。一方、板金具78は、中央部分に挿通孔80を有する円環板形状を有しており、筒金具76の軸方向他端部(フランジ部82と反対の軸方向端部)に対して軸方向で重ね合わされて外嵌固定されている。これにより、フランジ部82と板金具78が、筒金具76の筒部80を軸方向に挟んだ両側に位置してそれぞれ軸直角方向で外方に広がり、且つ、相互に軸方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられており、固定金具72が、全体として径方向外方に開口して周方向に連続して延びる環状凹溝の形態を呈している。
【0058】
一方、環状マス74は、矩形断面で周方向に連続して延びる円環ブロック形状のマス金具84に対して、ゴム弾性体86が被着形成された構造とされている。特に、ゴム弾性体86は、マス金具84の表面を、実質的に全体に亘って被覆するゴム層形態をもって形成されており、好適にはマス金具84に対して加硫接着される。また、環状マス74は、その最小内径寸法が、固定金具72の筒金具76の外径寸法よりも所定量だけ大きくされていると共に、その軸方向最大寸法が、固定金具72におけるフランジ部82と板金具78の軸方向対向面間距離よりも所定量だけ小さくされている。
【0059】
そして、かかる環状マス74は、固定金具72の筒部80に外挿されて、フランジ部82と板金具78の軸方向対向面間に配されており、固定金具72に形成された環状凹溝に収容された状態で組み付けられている。また、かかる組付状態下、環状マス74は、固定金具72に対して、軸直角方向および軸方向で、それぞれ、所定距離だけ独立して相対変位可能とされている。要するに、環状マス74を固定金具72に対して同一中心軸上で、且つ軸方向中央部分に位置せしめた状態下では、周方向の全体に亘って、環状マス74と固定金具72の間には、所定量の隙間が形成されて、環状マス74が固定金具72に対して独立して相対変位可能とされているのである。
【0060】
これにより、固定金具72と環状マス74には、固定金具72における筒部80の外周面と環状マス74の内周面によって、径方向で対向位置せしめられて相互に打ち当たる径方向対向面88,90が構成されていると共に、固定金具72におけるフランジ部82および板金具78の各内面と環状マス74の軸方向両端面によって、軸方向で対向位置せしめられて相互に打ち当たる一対の軸方向対向面92,94が構成されている。
【0061】
また、ゴム弾性体86は、マス金具84の内周面に被着されて径方向対向面90を形成する部分の肉厚寸法が、軸方向で変化せしめられており、円筒形状とされたマス金具84の内周面からのゴム弾性体86の突出高さが軸方向が異ならされている。具体的には、マス金具84の内周面からのゴム弾性体86の突出高さは、軸方向中央部分で最も大きく、そこから軸方向両側に行くに従って次第に小さくされている。これにより、ゴム弾性体86で形成された環状マス74の径方向対向面88(環状マス74の内周面)に対して、中央部分で最も小径となり、そこから軸方向両側に行くに従って次第に拡径するテーパが付されているのである。
【0062】
更にまた、ゴム弾性体86には、マス金具84の軸方向両端面に被着されて軸方向対向面94,94を形成する部分において、径方向中間部分で軸方向外方に突出する弾性突起96,96が、周方向に延びる突条形態をもって一体形成されている。
【0063】
而して、上述の如き構造とされた制振装置70は、図6に示されているように、固定ボルト98に外挿されて、該固定ボルト98が振動部材75に螺着されることにより、固定金具72が、振動部材75と固定ボルト98の頭部100の間で締め付けられて振動部材75に対して固定されることによって装着せしめられる。また、かかる装着状態下では、固定金具72の中心軸が略水平方向に延びるようにされる。
【0064】
これにより、かかる装着状態では、図6に示されているように、また、前記第一の実施形態と同様に、振動部材75に固定された固定金具72によって、該固定金具72に外挿された環状マス74が吊り下げられた状態で懸吊支持せしめられることとなる。そして、鉛直方向の振動が及ぼされると、固定金具72から環状マス74に振動エネルギが伝達されて環状マス74が固定金具72に対して鉛直方向に飛び跳ね状態で相対変位せしめられることとなり、その結果、環状マス74が固定金具72に対して径方向対向面88,90間で繰り返して打ち当てられて相殺的な制振効果が振動部材75に及ぼされ得るのである。また、かかる制振装置70に対して中心軸方向に相当する水平方向(図6中の左右方向)の振動が及ぼされると、固定金具72から環状マス74に振動エネルギが伝達されて環状マス74が固定金具72に対して軸方向に飛び跳ね状態で相対変位せしめられることとなり、その結果、環状マス74が固定金具72に対して軸方向両側の軸方向対向面92,94間で繰り返して打ち当てられて相殺的な制振効果が振動部材75に及ぼされ得るのである。
【0065】
ここにおいて、かかる制振装置70にあっては、環状マス14の固定金具72に対する径方向当接面を構成する径方向対向面90が、軸方向に傾斜した傾斜面とされていることから、図6に示されているように、固定金具72により環状マス14が重力作用で下方に吊り下げられて装着せしめられた状態下では、環状マス14と固定金具72の筒部80の径方向対向面88,90間に形成された空間が、下端部において大きくなるようにされて、軸方向に貫通して外部空間に開口する第一の排出通路102が形成されている。また、かかる第一の排出通路102は、その底面が環状マス74の内周面(径方向対向面)90で構成されており、径方向に傾斜したテーパが付されている。それ故、例えば、制振装置10の装着状態下で、水や泥等の異物が径方向対向面88,90間に入り込んだ場合でも、固定金具72の筒部80と環状マス74の対向面間に形成された空所を通じて重力の作用で下方に移動せしめられて鉛直下端部に導かれ、その後、第一の排出通路102を通じて、該第一の排出通路102の底面に形成されたテーパで軸方向外方に向かって送り出されるようにして、外部空間に速やかに排出され得るのである。
【0066】
従って、本実施形態の制振装置70においても、第一の実施形態と同様に、水や泥等の異物が、環状マス74と固定金具72の軸直角方向当接面を構成する径方向対向面88,90間にとどまって、固定金具72と環状マス74の径方向当接面間に入り込んで制振効果を阻害し続けることが防止され得るのであり、環状マス74の固定金具72への当接に基づく所期の制振効果が安定して有効に発揮され得るのである。
【0067】
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、環状マス74が固定金具72で懸吊支持されることにより、それら環状マス74と固定金具72の径方向対向面88,90間に形成される第一の排出通路102と、該排出通路102からの異物の排出をより促進せしめる環状マス74の内周面のテーパ付構造とによって、環状マス74の固定金具72への打ち当り面間に侵入した異物の外部への排出を促す異物排出部が協働して構成されている。
【0068】
次に、図7〜8には、本発明の第四の実施形態としての制振装置104が、示されている。なお、本実施形態において、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0069】
すなわち、本実施形態の制振装置104は、支持ロッド12の中心軸が鉛直方向に延びるようにして、振動部材16に装着されるようになっている。また、環状マス14においては、厚肉円筒形状のマス金具32を、全表面に亘って略一定の肉厚寸法で覆うようにして被着形成された被覆ゴム層36のみによって、ゴム弾性体34が構成されている。
【0070】
そして、環状マス14おいては、被覆ゴム層36が被着された内周面の実質的に全面によって、支持ロッド12に対して径方向で対向位置する径方向対向面44が形成されていると共に、この径方向対向面44の全体が、支持ロッド12に対して軸直角方向で弾性的に当接せしめられる当接内周面とされている。
【0071】
また、環状マス14においては、被覆ゴム層36が被着された軸方向両端面が、支持ロッド12の軸方向両端部に固設された抜止めプレート22とブラケット板24に対して軸方向で対向位置せしめられており、環状マス14を支持ロッド12の軸方向中央に位置せしめた状態下で、それぞれ軸方向に所定間隙を隔てて対向位置せしめられる一対の軸方向対向面106,108が、かかる環状マス14の軸方向両端面と支持ロッド12に固設された抜止めプレート22およびブラケット板24の各内面によって構成されている。そして、環状マス14が支持ロッド12に対して軸方向で相対変位せしめられた際、軸方向で相互に当接せしめられる軸方向当接面が、それら軸方向対向面106,108の実質的に全面によって構成されている。
【0072】
さらに、環状マス14には、装着状態下で鉛直下方に位置せしめられる側の軸方向端面において、径方向に直線的に延びる凹溝110が適数個(本実施形態では、周方向に相互に所定間隔を隔てて4個)設けられている。そして、図示されている如き装着状態下で、環状マス14の軸方向下端面(軸方向対向面106)がブラケット板24の上面(軸方向対向面108)に載置せしめられた場合でも、それらの軸方向対向面106,108間において、かかる凹溝110により、環状マス14と支持ロッド12の径方向対向面44,46間に形成された間隙を外部空間に連通せしめる第二の排出通路112が形成されている。要するに、本実施形態では、凹溝110が形成されていることにより、第二の打ち当り面としての軸方向当接面を構成する環状マス14とブラケット板24の各対向面106,108間の距離が、かかる凹溝110の形成部位においてだけ他の部分よりも大きくされており、かかる凹溝110によって、第二の打ち当り面を径方向に延びる状態で第二の排出通路112が形成されているのである。
【0073】
このような本態様の制振装置104においては、その装着状態下で、水や泥等の異物が、軸部材としての支持ロッド12と環状マス14の径方向対向面44,46間や軸方向対向面106,108間に入り込んだ場合に、かかる異物が、重力の作用により下方に移動して集められ、その後、第二の排出通路112を通じて外部空間に容易に排出され得ることとなり、第一の実施形態と同様な効果が、有効に発揮され得るのである。
【0074】
また、図9には、本発明の第五の実施形態としての制振装置116が、示されている。なお、本実施形態において、前記第三の実施形態としての制振装置70と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第三の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0075】
すなわち、本実施形態の制振装置116は、固定金具72の中心軸が鉛直方向に延びるようにして、振動部材75に装着されるようになっている。また、環状マス74においては、円環ブロック形状のマス金具84を覆うゴム弾性体86は、その全体に亘って略一定の肉厚寸法とされている。
【0076】
また、固定金具72に形成されたフランジ部82は、内周部分から径方向外方に向かって僅かに軸方向外方に向かって傾斜した傾斜板形状とされており、それによって、このフランジ部82で形成されて、環状マス74が鉛直下方に向かって打ち当たる軸方向対向面92に対して、内周部分から径方向外方に向かって次第に鉛直下方に傾斜する僅かなテーパが付されている。
【0077】
このような本態様の制振装置116においては、その装着状態下で、水や泥等の異物が、径方向打ち当り面や軸方向打ち当り面を構成する径方向対向面88,90間や軸方向対向面92,94間に入り込んだ場合に、かかる異物が、重力の作用により下方に移動して集められ、その後、テーパが付された軸方向対向面92で外周側に向かって案内されることにより、鉛直下方の軸方向対向面92,94間を通じて外部空間に容易に排出され得ることとなり、目的とする制振効果が安定して発揮され得るのである。
【0078】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが理解されるべきである。
【0079】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた制振装置においては、異物排出機能を備えていることにより、外部空間から及ぼされる水等の異物が独立マス部材と軸部材の打ち当り面間の隙間に入り混んだ場合にも、かかる異物の外部空間への排出が促されるのであり、それ故、外部空間からの異物の侵入に起因する不具合が軽減乃至は回避されて、目的とする制振効果が有効に且つ安定して発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図2】図1における右側面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図6】図5に示された制振装置の装着状態を示す縦断面説明図である。
【図7】本発明の第四の実施形態としての制振装置を示す縦断面図であって、図8におけるVII −VII 断面に相当する図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】本発明の第五の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
12 支持ロッド
14 環状マス
16 振動部材
32 マス金具
34 ゴム弾性体
36 被覆ゴム層
38 当接ゴム部
40 係合突起
42 当接内周面
44 径方向対向面
46 径方向対向面
48 空所
52 第一の排出通路
54 制振装置
56 金属スリーブ
58 ゴム弾性体
70 制振装置
72 固定金具
74 環状マス
75 振動部材
76 筒金具
78 板金具
84 マス金具
86 ゴム弾性体
88 径方向対向面
90 径方向対向面
92 軸方向対向面
94 軸方向対向面
102 第一の排出通路
104 制振装置
106 軸方向対向面
108 軸方向対向面
110 凹溝
112 第二の排出通路
116 制振装置

Claims (15)

  1. 振動部材に固設される軸部材に対して環状の独立マス部材を外挿して非接着で独立変位可能に配設せしめて、該軸部材に対して該独立マス部材が相対変位して直接的且つ弾性的に打ち当たるようにした制振装置において、
    前記独立マス部材と前記軸部材の相互的な打ち当り面を構成する軸直角方向および軸方向の少なくとも一方の対向面間において、かかる対向面間に侵入した異物が外部へ容易に排出されるようにして該異物の外部への排出を促し得る異物排出部を設けたことを特徴とする異物排出機能を有する制振装置。
  2. 前記軸部材に対して前記独立マス部材が軸直角方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面において前記打ち当り面としての第一の打ち当り面を形成すると共に、該第一の打ち当り面が形成された前記軸直角方向対向面間の距離を周上で部分的に大きくして軸方向に貫通する第一の排出用通路を形成し、該第一の排出用通路により前記異物排出部を構成して該軸直角方向対向面間に侵入した異物が該第一の排出用通路を通じて軸方向外方に排出され得るようにした請求項1に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  3. 前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記第一の打ち当り面の少なくとも一方を構成する一方、該ゴム弾性体に対して軸方向に延びる凹溝を形成して、該凹溝により前記第一の排出用通路を構成した請求項2に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  4. 前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記軸直角方向対向面の少なくとも一方を構成すると共に、該ゴム弾性体において、該軸部材の外周面および該独立マス部材の内周面の一方から他方に向かって突出する弾性突出部を、軸方向の複数箇所でそれぞれ周方向に延びるように一体形成して、それら弾性突出部の突設先端面によって前記第一の打ち当り面を構成した請求項2又は3に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  5. 前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着されるようにする一方、該軸部材と該独立マス部材の周方向の相対変位を制限する周方向変位制限手段を設けると共に、それら軸部材と独立マス部材の前記軸直角方向対向面における周上の一部に前記第一の排出用通路を形成して、該振動部材への装着状態下で該第一の排出用通路が該軸直角方向対向面の鉛直下端部に位置せしめられるようにした請求項2乃至4の何れかに記載の異物排出機能を有する制振装置。
  6. 前記軸部材に対して前記独立マス部材が軸直角方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸部材の外周面と該独立マス部材の内周面によって前記打ち当り面としての第一の打ち当り面を構成すると共に、該第一の打ち当り面を構成する該独立マス部材の内周面において、軸方向中間部分から軸方向両端部に向かって次第に拡開して該軸部材の外周面から径方向外方に離隔する軸方向傾斜面を形成し、かかる軸方向傾斜面により前記異物排出部を構成して前記軸直角方向対向面間に侵入した異物が該軸方向傾斜面で導かれて軸方向外方に排出され得るようにした請求項1に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  7. 前記軸部材と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該独立マス部材の内周面にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該独立マス部材における前記軸方向傾斜面を備えた前記軸直角方向対向面を構成した請求項6に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  8. 前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着される請求項6又は7に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  9. 前記独立マス部材を軸方向に挟んだ両側に位置して軸直角方向に広がる一対の軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面によって前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成した請求項1乃至8の何れかに記載の異物排出機能を有する制振装置。
  10. 前記独立マス部材における軸方向の少なくとも一方の側に位置して軸直角方向に広がる一対の軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面において前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成すると共に、該第二の打ち当り面を構成する軸方向対向面間の距離を周上の一部において大きくして、かかる軸方向対向面間において軸直角方向に連続して延びる第二の排出用通路を形成し、かかる第二の排出用通路により前記異物排出部を構成して該軸方向対向面間に侵入した異物が該第二の排出用通路を通じて軸直角方向外方に排出され得るようにした請求項1乃至9の何れかに記載の異物排出機能を有する制振装置。
  11. 前記軸方向当接部と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向対向面の少なくとも一方にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸部材と該独立マス部材における前記軸方向対向面の少なくとも一方を構成する一方、該ゴム弾性体に対して軸直角方向に延びる凹溝を形成して、該凹溝により前記第二の排出用通路を構成した請求項10に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  12. 前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略鉛直方向に延び、且つ該独立マス部材における鉛直下方の軸方向端面と、該独立マス部材に対して鉛直下方に配設された前記軸方向当接部との前記軸方向対向面間に前記第二の排出用通路が位置せしめられる状態で、前記振動部材に装着される請求項10又は11に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  13. 前記独立マス部材における軸方向の少なくとも一方の側に位置して軸直角方向に広がる軸方向当接部を前記軸部材に対して固定的に設けて、前記軸部材に対して該独立マス部材が軸方向で相対変位せしめられることにより互いに打ち当たる該軸方向当接部と該独立マス部材の軸方向端面に前記打ち当り面としての第二の打ち当り面を構成すると共に、該軸方向当接部における前記軸方向対向面において、内周部分から外周側に向かって次第に軸方向外方に傾斜する軸直角方向傾斜面を形成し、かかる軸直角方向傾斜面により前記異物排出部を構成して該軸方向対向面間に侵入した異物が該軸直角方向傾斜面で導かれて軸直角方向外方に排出され得るようにした請求項1乃至9の何れかに記載の異物排出機能を有する制振装置。
  14. 前記軸方向当接部と前記独立マス部材を何れも金属材で形成すると共に、該軸方向当接部の軸方向内側面にゴム弾性体を被着形成して、該ゴム弾性体で該軸方向当接部における前記軸直角方向傾斜面を備えた前記軸方向対向面を構成した請求項13に記載の異物排出機能を有する制振装置。
  15. 前記軸部材および前記独立マス部材の各中心軸が略水平方向に延びる状態で前記振動部材に装着されると共に、かかる装着状態下で、該独立マス部材の軸方向下方に前記軸方向当接部が配設されて、該軸方向当接部に形成された前記軸直角方向傾斜面が、内周部分から外周側に行くに従って次第に鉛直方向下方に向かって傾斜せしめられるようにした請求項13又は14に記載の異物排出機能を有する制振装置。
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