JP2004091668A - 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(1)の蒸留性状を有し、かつ下記(2)および(3)で示される要件を具備する燃料を用いることにより、前記課題を達成できる。
(1)初留点:45℃未満、
50%留出温度:30℃以上80℃以下、
終点:120℃未満
(2)4×E1+3×E2+2×E3−1×E4−4×E5≧150
(3)燃料中のパラフィン含有量≧30容量%
(上記(2)におけるE1は沸点70℃未満の留分、E2は沸点70℃以上100℃未満の留分、E3は沸点100℃以上130℃未満の留分、E4は沸点130℃以上160℃未満の留分、E5は沸点160℃以上の留分の容量%を表す。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、自動車用内燃機関としては火花点火式ガソリンエンジンと圧縮自己着火式ディーゼルエンジンの二種類が広く使用されている。
火花点火式ガソリンエンジンとは、吸気ポートあるいは燃焼室内に燃料を噴射して燃料と空気の予混合気を形成させ、スパークプラグによる電気放電で強制的に点火、燃焼させる方式であり、燃料特性として、蒸発しやすいこと、自己着火し難いこと、点火後は火炎伝播がスムーズに行われること等が求められる。火花点火式ガソリンエンジンから排出される窒素酸化物(以下NOx)、炭化水素(以下HC)、一酸化炭素(以下CO)の浄化には三元触媒などが広く使用されているが、三元触媒による排出ガス浄化システムは、燃料と空気の割合が理論空燃比近傍になる範囲にしか適用できないため、圧縮自己着火式ディーゼルエンジンと比較すると熱効率、燃費が著しく劣ってしまうという短所がある。
【0003】
一方、圧縮自己着火式ディーゼルエンジンとは、圧縮工程でのピストン上昇により燃焼室内の空気が圧縮されて温度が上昇し、軽油の臨界温度以上に達したところに燃料を噴霧し自己着火燃焼させる方式で、燃料特性には自己着火しやすいことが求められる。燃費および熱効率面では優れるものの燃料噴霧を圧縮上死点前30クランク角度から圧縮上死点後10クランク角度付近で行うため、燃焼時の温度分布に濃淡ができ、NOxとすすの排出量が著しく高くなるという短所がある。また圧縮自己着火式ディーゼルエンジンでは排出ガス浄化のための触媒があまり普及しておらず、NOxは100〜1200ppmと非常に高いレベルで大気中に放出されることになる。
【0004】
このように、従来の火花点火式ガソリンエンジンでは排出ガスは浄化できるが燃費や熱効率の面に課題があり、圧縮自己着火式ディーゼルエンジンでは低燃費、高熱効率であるがNOx等の排出ガスの面に課題がある。このため、低NOx排出ガス、低燃費および高熱効率を同時に達成するという課題を解決すべく予混合圧縮自己着火式エンジンが検討されている。
【0005】
予混合圧縮自己着火式エンジンとは、燃料の噴射圧力レベルが20MPa以下と圧縮自己着火式ディーゼルエンジンで使用されている噴射圧力に比べると著しく低い燃料噴射圧力にて燃料を吸気ポートまたは燃焼室内に噴射し、そのサイクルで燃焼する燃料噴射を圧縮上死点前60クランク角度以前に終了するシステムであって、燃料と空気の予混合気をスパークプラグによる強制点火ではなく、自己着火で燃焼させるエンジンである。この予混合圧縮自己着火式エンジンは従来の圧縮自己着火式ディーゼルエンジンに比べて燃料が噴射されてから燃焼の始まるまでの時間が長く、燃料が燃料室内で均一に混合するため、燃焼時に局部的に温度の高い領域ができず、NOx排出レベルを触媒未装着状態で10ppm以下に抑えることが可能となり、かつ燃費および熱効率を圧縮自己着火式ディーゼルエンジン並みの低燃費、高効率が可能である。しかし、このようなエンジンに対し、その特性を十分発揮させることのできる燃料は未だ開発されておらず、予混合圧縮自己着火式エンジンに適した燃料の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑み、燃費および熱効率を圧縮自己着火式ディーゼルエンジン並みに保ち、かつNOx排出レベルを触媒未装着状態で10ppm以下に抑えることができる予混合圧縮自己着火式エンジンに適した燃料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の蒸留性状を有し、かつ特定の要件を具備した燃料が予混合圧縮自己着火式エンジンの燃料に適していることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記(1)の蒸留性状を有し、かつ下記(2)および(3)で示される要件を具備することを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料に関する。
(1)初留点:45℃未満、
50%留出温度:30℃以上80℃以下、
終点:120℃未満
(2)4×E1+3×E2+2×E3−1×E4−4×E5≧150
(3)燃料中のパラフィン含有量≧30容量%
(上記(2)におけるE1は沸点70℃未満の留分(容量%)、E2は沸点70℃以上100℃未満の留分(容量%)、E3は沸点100℃以上130℃未満の留分(容量%)、E4は沸点130℃以上160℃未満の留分(容量%)、E5は沸点160℃以上の留分(容量%)をそれぞれ表す。)
【0009】
前記予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料は、芳香族分が10容量%以下、オレフィン分が20容量%以下であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳述する。
本発明において、予混合圧縮自己着火式エンジンとは、下記の(A)、(B)および(C)の条件下に燃料を噴射させ、自己着火により燃焼を行わせるエンジンをいう。
(A)燃料噴射圧力:20MPa以下
(B)燃料噴射位置:吸気ポートあるいは燃焼室内部
(C)燃料噴射終了時期:圧縮上死点前60クランク角度以前
【0011】
従来の圧縮自己着火式ディーゼルエンジンと比べると、(A)は著しく低い燃料噴射圧力であり、(C)は燃料が噴射されてから燃焼が始まるまでの時間がかなり長く、その結果、燃料が燃焼室内で均一に混合するため燃焼室内温度に局部的に温度の高い領域ができず、窒素酸化物の排出量を触媒未装着状態で10ppm以下にすることができる。なお、予混合圧縮自己着火式エンジンは、HCCIエンジン(Homogeneous Charge Compression Ignition Engine)、PCCIエンジン(Premixed Charge Compression Ignition Engine)、PCIエンジン(Premixed Compression Ignition Engine)、CAIエンジン(Controlled Auto−Ignition Engine)、ARエンジン(Active Radical(Combustion)Engine)の名称で呼ばれることもある。
本発明の燃料は予混合圧縮自己着火式エンジンに適した燃料であるが、予混合圧縮自己着火式エンジンと、火花点火式ガソリンエンジンや電気モータなどを併用するハイブリッド式エンジンに対しても適用することができる。
【0012】
本発明の燃料は、下記(1)の蒸留性状を有していることが必要である。
(1)初留点:45℃未満、
50%留出温度:30℃以上80℃以下、
終点:120℃未満
初留点は45℃未満であることが必要である。初留点が45℃以上では燃料の蒸発特性が悪くなり、燃効率および燃費の点で好ましくない。
50%留出温度は30℃以上80℃以下であることが必要である。50%留出温度は燃焼が改善され、特に熱効率面で有利となることから、上限は80℃以下であることが必要であり、75℃以下が好ましく、下限は30℃以上であることが必要である。
終点は120℃未満であることが必要である。終点が120℃未満である場合、予混合が促進されて熱効率が高くなるのと同時にNOxの排出量を著しく低下させることが可能となる。
なお、ここでいう初留点、50%留出温度、終点とは、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」によって測定された値である。
【0013】
本発明の燃料は、下記(2)の要件を具備することが必要である。
(2)4×E1+3×E2+2×E3−1×E4−4×E5≧150
ここで、E1は沸点70℃未満の留分(容量%)、E2は沸点70℃以上100℃未満の留分(容量%)、E3は沸点100℃以上130℃未満の留分(容量%)、E4は沸点130℃以上160℃未満の留分(容量%)、E5は沸点160℃以上の留分(容量%)をそれぞれ表す。
【0014】
要件(2)における左辺は、New Driveability Index(NDI:新運転性指標)として自動車の運転性を鑑みて開発された燃料の指標である。
本発明においては、かかるNDIが予混合圧縮自己着火式エンジンの熱効率を上げる点で150以上であることが必要である。好ましくは、200以上であり、より好ましくは250以上であり、最も好ましくは300以上である。
なお、ここでいうNDIは1995年のSAEにて柴田らが報告(Gen Shibata et al ”The Development of Driveability Index and the Effects of Gasoline Volatility on Engine Performance、SAE Paper 952521、1995)した方法に基づいて算出したものである。
【0015】
本発明の燃料は、さらに下記(3)の要件を具備することが必要である。
(3)燃料中のパラフィン含有量≧30容量%
燃料中のパラフィン含有量(容量%)は自己着火性を表わす指標であり、予混合圧縮自己着火式エンジンで自己着火特性を上げ、安定した燃焼を得るためには、燃料中のパラフィン含有量は30容量%以上であることが必要であり、50容量%以上が好ましく、60容量%以上がより好ましく、70容量%以上がさらに好ましく、80容量%以上が一層好ましく、90容量%以上が最も好ましい。
なお、ここでいうパラフィン含有量とは、JIS K2536「石油製品−成分試験方法」に準拠してガスクロマトグラフを利用して測定した値である。
【0016】
本発明の燃料中のオレフィン分の含有量は、予混合圧縮自己着火の促進、およびノッキング防止の点から、20容量%以下であることが好ましく、10容量%以下がより好ましい。
また、本発明の燃料中の芳香族分の含有量は、オレフィン分と同様の観点から、10容量%以下であることが好ましく、5容量%以下がより好ましい。
なお、ここでいうオレフィン分および芳香族分とはJIS K2536「石油製品−成分試験方法」の蛍光指示薬吸着法により測定される値である。
【0017】
本発明の燃料の密度(15℃)にはなんら制限はないが、アクセルレスポンスが鈍くなる点から、0.75g/cm3以下であることが好ましく、ベーパーロックなどの問題から、0.62g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは0.65g/cm3以上である。なお、ここでいう密度とはJIS K2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される値である。
【0018】
本発明の燃料の硫黄分は特に限定されるものではないが、30質量ppm以下であることが好ましい。30質量ppmを越えた場合、エンジンに装着した排出ガス浄化のための触媒が硫黄により被毒され、排出ガス浄化能力が低下するといった問題が生じるため好ましくない。燃料の硫黄分は、触媒の性能維持の点から10質量ppm以下がより好ましく、5質量ppm以下がさらに好ましく、1質量ppm以下が最も好ましい。
なお、ここでいう硫黄分とは、JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値である。
【0019】
本発明の燃料は主成分である炭化水素のほかに、エーテル、アルコール、ケトン、エステル、及びグリコールなどの含酸素化合物を含有していてもよい。含酸素化合物としては例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)、及びターシャリーアミルエチルエーテル等が挙げられる。含酸素化合物を含有すると排出ガス中のHC量は低減できるが、NOx量は増加してしまうので、含酸素化合物の含有量は、燃料全量基準で酸素元素換算(酸素含有量)20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、3質量%以下が最も好ましい。
【0020】
本発明の燃料は、具体的には例えば、原油蒸留装置、ナフサ改質装置、アルキレーション装置等から得られるプロパンを中心とした直留系プロパン留分、ブタンを中心とした直留系ブタン留分、それらを脱硫した直留系脱硫プロパン留分、直留系脱硫ブタン留分、接触分解装置等から得られるプロパン・プロピレンを中心とした分解系プロパン留分、ブタン・ブテンを中心とした分解系ブタン留分、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分(フルレンジナフサ)、ナフサの軽質留分(軽質ナフサ)、ナフサの重質留分(重質ナフサ)、フルレンジナフサを脱硫した脱硫フルレンジナフサ、軽質ナフサを脱硫した脱硫軽質ナフサ、重質ナフサを脱硫した脱硫重質ナフサ、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、イソブタン等の炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、改質ガソリンの軽質留分、改質ガソリンの中重質留分、改質ガソリンの重質留分、接触分解法、水素化分解法等で得られる分解ガソリン、分解ガソリンの軽質留分、分解ガソリンの重質留分、及び天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合して調製することで製造することができる。
【0021】
本発明の燃料には、必要に応じて燃料油添加剤を添加することができる。この様な添加剤としては、具体的には例えば、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどの清浄分散剤;高級脂肪酸のエステルまたはアミド化合物などの摩擦調整剤;N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤;N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤;有機リン系化合物などの表面着火防止剤;多価アルコールおよびそのエーテルなどの氷結防止剤;有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤;アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料などの着色剤;有機カルボン酸及びそれらの誘導体類、アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤;ソルビタンエステル類等の水抜き剤;キニザリン、クマリンなどの識別剤;天然精油合成香料などの着臭剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量は燃料全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1〜4及び比較例1
表1に示すように本発明の燃料(実施例1〜4)及び比較用の燃料(比較例1)を調製した。
得られた各燃料を下記に示す予混合圧縮自己着火式エンジンを用いて、以下の試験を行い、燃料の評価を実施した。
【0024】
(エンジン諸元)
エンジン種類 :直列6気筒予混合圧縮自己着火式エンジン
排気量 :2000cc
圧縮比 :16
燃料噴射圧力 :8MPa
【0025】
(エンジン試験)
下記の手順でエンジンを運転して回転−出力曲線図(マップ)をつくり、マップから運転可能最大回転数、最大熱効率、最大出力、ノッキングレベル、窒素酸化物量を求める。
(1) 動力計(明電舎社製、DC95 220kWの直流動力計)を回転−吸気圧制御にし、所定の回転数でエンジンをモータリング駆動する。
(2) 燃料を噴射し、徐々に噴射量を増量する。
(3) 自己着火燃焼を始めたら、燃料噴射量に対応する出力、燃料消費量、排出ガス、ノッキングレベルを計測し、熱効率を算出する。
(4) 運転できなくなるまで燃料噴射量を増量し、(3)の作業を継続する。
(5) 回転数を変化させて(2)〜(4)を繰り返す。
・出力:動力計から得られる軸トルクと回転数より算出する。
・燃料消費量:重量式燃費計(小野測器社製、FX−3400)にて測定を行なう。
・熱効率:出力と燃料の低位発熱量により算出する。
・ノッキングレベル:ノッキングを燃焼解析装置(小野測器社製、DS9110)にて解析し、結果をレベル1〜5の5段階で評価する。レベル1の燃料は最大回転領域までの全ての回転数領域においてノッキングしにくいことを表し、レベルが大きくなるに従いノッキングが起こり易くなることを表す。
・窒素酸化物排出量:エンジン排気管より燃焼排出ガスをサンプリングし排出ガス分析計(堀場製作所社製、MEXA9100)にて計測を行う。
【0026】
(過渡応答レスポンス試験)
エンジン回転数:800rpmにおいて燃料噴射量が下記の条件になるインジェクタの電気パルス幅を事前に計測する。
(a)空気過剰率3.2となる燃料噴射量
(b)空気過剰率2.4となる燃料噴射量
6気筒全てに対し燃料噴射量を(a)の状態にして燃料を噴霧し、瞬間的に(b)の状態に切り替えた場合、空気過剰率が2.6(空気過剰率2.4の90%)に達するのに要するサイクル数をレベル1〜5の5段階で評価する。過渡応答レスポンスレベル1の燃料は応答性が非常に良いことを表し、レベルが大きくなるに従い燃料の応答性が悪くなることを表す。
【0027】
(エンジン始動時間)
エンジンを−15℃の状態で48時間放置することで十分に冷却させた後、スタータを始動させてから第1気筒が初爆(スタータを始動した後、初めて気筒内の予混合気が着火すること)するまでに要する時間を計測する。この時間が長いほどエンジンの始動性が悪いことを表す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1に示す結果から、本発明の燃料(実施例1〜4)を用いた場合には、比較例1の燃料に比べて、最大熱効率および最大出力を高く、窒素酸化物排出量を少なく、運転可能最大回転数を大きく、ノッキングレベルおよび過渡応答レスポンスレベルを小さく、エンジン始動時間を短くすることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、低NOx排出ガス、低燃費、高熱効率を同時に達成するという課題を解決すべく開発されている予混合圧縮自己着火式エンジンに対して、本発明の燃料は、予混合圧縮自己着火式エンジンの特性を十分に発揮し得る燃料であり、予混合圧縮自己着火式エンジンに適していることが明らかである。また、本発明の燃料は、予混合圧縮自己着火式エンジンと、火花点火式ガソリンエンジンや電気モータなどを併用するハイブリッド式エンジンに対しても適用することができるものである。
Claims (2)
- 下記(1)の蒸留性状を有し、かつ下記(2)および(3)で示される要件を具備することを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料。
(1)初留点:45℃未満、
50%留出温度:30℃以上80℃以下、
終点:120℃未満
(2)4×E1+3×E2+2×E3−1×E4−4×E5≧150
(3)燃料中のパラフィン含有量≧30容量%
(上記(2)におけるE1は沸点70℃未満の留分(容量%)、E2は沸点70℃以上100℃未満の留分(容量%)、E3は沸点100℃以上130℃未満の留分(容量%)、E4は沸点130℃以上160℃未満の留分(容量%)、E5は沸点160℃以上の留分(容量%)をそれぞれ表す。) - 芳香族分が10容量%以下、オレフィン分が20容量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料。
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-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002255313A patent/JP4109054B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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