JP2004091429A - スルホンアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアニリン化合物と立体障害の大きいスルホニルクロライドからスルホンアミド化合物を合成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々のアミンとスルホニルクロライドからスルホンアミドを得る方法は広く知られており、有機溶媒中、ピリジンなどの有機塩基を脱酸剤に用いて反応させる方法が一般的である。しかしながらアニリンのような求核性の低いアミンと、オルト位に立体障害の大きい置換基をもつスルホニルクロライドとの反応では収率が低下し、長時間の反応を必要とする場合が多い。これらの例としては、特開平10−104810号、特開平9−218496号、特開平9−146248号の各公報で示されているような方法が挙げられる。
【0003】
また、特開2001−92091号には、有機溶媒と水の混合溶媒系を用いた立体障害の大きいスルホニルクロライドのスルホンアミド化の例が示されている。しかしながら、ここに示されているアニリンは、パラ位にジアルキルアミノ基(電子供与性基)を有しており求核性が高いため、反応性はさほど低くはない。
【0004】
ところで、ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、シアン色素を生成するカプラーとして、米国特許第5,256,526号、欧州特許第545,300号、明細書に記載のピロロトリアゾール系カプラーが知られており、これは、色相、カップリング活性、堅牢性という点で優れている。
【0005】
カラー写真感光材料に用いるカプラーは、一般にバラストと呼ばれる親油性置換基をもつが、バラスト性を付与させる方法のひとつとしてスルホンアミド化がある。ところで、ピロロトリアゾール系カプラーは、分子間の会合により好ましくない短波寄りの吸収が発生する傾向があり、スルホンアミド周辺の立体障害性を上げることによりこの会合が切れて、理想の吸収に近づくことが知られている。しかしながら、理想の吸収にするために、スルホンアミド周辺の立体障害性を上げると、スルホンアミド化の反応が進行しにくくなり、反応収率が低下し反応時間が長くなることが問題となっていた。
【0006】
これらの問題を解決するような、短時間かつ高収率にスルホンアミド体を合成する方法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、短時間かつ高収率で、アニリン体と立体障害の大きいスルホニルクロライドとを反応させスルホンアミド化合物を合成する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、アニリン誘導体および立体障害の大きいスルホニルクロライドを、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基性条件で反応させることにより、効率的にスルホンアミド化合物が製造できることを見出した。即ち、本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
【0009】
(1)一般式(Ia)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0010】
【化2】
(式中、R1は置換基を表し、aは0以上5以下の整数を表す。R2およびR3は立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。ただし、一般式(Ia)で表される化合物において、アミノ基のパラ位がジアルキルアミノ基である場合を除く。)
(2)一般式(Ib)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0011】
【化3】
(式中、R5は置換基を表し、cは0以上5以下の整数を表す。cが1以上の整数の場合、置換基R5のうち少なくとも1つはハメットの置換基定数σpの値が0.2以上の電子求引性基である。R2およびR3は立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。ただし、一般式(Ib)で表される化合物において、アミノ基のパラ位がジアルキルアミノ基である場合を除く。)
(3)一般式(Ic)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0012】
【化4】
(式中、R6およびR7は各々独立に水素原子または置換基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。R8、R9、R10およびR11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Icは塩酸、硫酸、ナフタレンジスルホン酸などと塩を形成していてもよい。R2およびR3は各々独立に立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。)
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明で用いられる化合物(一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(II))について詳しく述べる。
【0014】
まず、一般式(II)で表される化合物について詳しく述べる。
【0015】
R2およびR3は同じでも異なっていても良く、それぞれ立体障害性置換基を表す。立体障害性置換基の例としては、2級以上のアルキル基(イソプロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基など)、炭素数8以上の長鎖アルキル基(オクチル基、デシル基、ドデシル基など)、末端分岐アルキル基(イソブチル基、イソペンチル基など)、分岐アルコキシ基(イソプロポキシ基など)、ハロゲン原子(クロル基、ブロム基など)、置換または無置換のアリール基(フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基など)、置換または無置換のアリールオキシ基(フェノキシ基、2,6−ジエチルフェニル基など)などが挙げられ、好ましいのは2級以上のアルキル基、炭素数8以上の長鎖アルキル基、末端分岐アルキル基、分岐アルコキシ基、ハロゲン原子、の場合である。
【0016】
R2およびR3として特に好ましいのは、R2およびR3ともに2級以上のアルキル基または分岐アルコキシ基の場合で、その中でもさらにイソプロピル基、t−ブチル基、イソプロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基の場合が好ましい。
【0017】
R4 は置換基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホニル基、イミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等を挙げることができる。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR4 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0018】
さらに詳しくは、R4 はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)で、詳しくは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例えば、フェニル、ナフチル、4−ヘキサデシルオキシフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、複素環基(例えば、3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノキシ)、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−エチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基、(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)アセトアミド、2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルケニルオキシ基(例えば、2−プロペニルオキシ)、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基(例えば、オクタンスルフィニル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、イミド基(例えば、N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基などが挙げられる。
【0019】
bは0以上3以下の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のR4 は同一でも異なっていてもよい。
【0020】
次に、一般式(Ia)で表される化合物について詳しく述べる。
【0021】
R1 は置換基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホニル基、イミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等を挙げることができる。ただし、アミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基がついたものは除く。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR1 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0022】
さらに詳しくは、R1 はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)で、詳しくは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例えば、フェニル、ナフチル、4−ヘキサデシルオキシフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、複素環基(例えば、3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノキシ)、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−エチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基、(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)アセトアミド、2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルケニルオキシ基(例えば、2−プロペニルオキシ)、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基(例えば、オクタンスルフィニル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、イミド基(例えば、N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基などが挙げられる。
【0023】
aは0以上5以下の整数を表す。aが2以上の整数の場合、複数あるR′は同一でも異なっていてもよい。
【0024】
次に一般式(Ib)で表される化合物について詳しく述べる。
【0025】
R5は置換基を表わし、置換基としては上記R1で例示したような置換基が挙げられ、cは0以上5以下の整数を表す。cが1以上の整数の場合、R5で表される置換基のうち少なくとも1つはハメットの置換基定数σpの値が0.2以上の電子求引性基である。また、アミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基がついたものは除く。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR1 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0026】
ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値の多くは一般的な成書に記載があるが、例えば、J.A.Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979年(南江堂)に詳しい。本発明においていくつかの置換基はハメットの置換基定数σp値により規定されるが、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。
【0027】
R5で表される置換基としてより好ましくは、σp 値が0.35以上の電子求引性基であり、さらに好ましくは0.45以上の電子求引性基である。上限としては、好ましくは1.0以下の電子求引性基であり、更に好ましくは0.75以下の電子求引性基である。
【0028】
σp 値が0.20以上の電子求引性基であるR5の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルコキシホスホリル基、ジアリールホスフィニル基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうちさらに置換基を有することが可能な基は、前述のR1で挙げるような置換基をさらに有してもよい。なお、上述の脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルフィニル基、脂肪族スルホニル基は、それぞれの脂肪族部位が、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。例えば、脂肪族オキシカルボニル基とは、直鎖のアルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、分岐アルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、iso−プロピルオキシカルボニル),環状のアルキル鎖を有するシクロアルコキシカルボニル基(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル)などである。
【0029】
R5をさらに詳しく述べると、σp 値が0.20以上の電子求引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミドフェニル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル)、脂肪族オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso−プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、2−(ジエチルカルバモイル)エトキシカルボニル、2−(パーフルオロヘキシル)エトキシカルボニル、2−デシルヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、2,5−ジアミルフェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、脂肪族スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、脂肪族スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ヘプタフルオロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ(例えば、トリフルオロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフルオロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフルオロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ)、σp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、さらに置換基を有することが可能な基は、置換基をさらに有してもよい。
【0030】
次に一般式(Ic)で表される化合物について詳しく述べる。
【0031】
R6およびR7は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で例示したような置換基が挙げられる。
【0032】
R6 及びR7 で表される置換基として好ましくはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基である。より好ましくは、σp 値が0.35以上の電子求引性基であり、さらに好ましくは0.45以上の電子求引性基である。上限としては、好ましくは1.0以下の電子求引性基であり、更に好ましくは0.75以下の電子求引性基である。
【0033】
σp 値が0.20以上の電子求引性基であるR6及びR7の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルコキシホスホリル基、ジアリールホスフィニル基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうちさらに置換基を有することが可能な基は、前述のR1で挙げるような置換基をさらに有してもよい。なお、上述の脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルフィニル基、脂肪族スルホニル基は、それぞれの脂肪族部位が、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。例えば、脂肪族オキシカルボニル基とは、直鎖のアルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、分岐アルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、iso−プロピルオキシカルボニル),環状のアルキル鎖を有するシクロアルコキシカルボニル基(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル)などである。
【0034】
R6及びR7をさらに詳しく述べると、σp 値が0.20以上の電子求引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミドフェニル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル)、脂肪族オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso−プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、2−(ジエチルカルバモイル)エトキシカルボニル、2−(パーフルオロヘキシル)エトキシカルボニル、2−デシルヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、2,5−ジアミルフェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、脂肪族スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、脂肪族スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ヘプタフルオロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ(例えば、トリフルオロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフルオロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフルオロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ)、σp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、さらに置換基を有することが可能な基は、置換基をさらに有してもよい。
【0035】
R6として好ましくは、シアノ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が挙げられ、特に好ましくはシアノ基である。
【0036】
R7として好ましくは、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられ、特に好ましくは脂肪族オキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基である。
【0037】
Xは水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で規定したような置換基が挙げられる。Xとして好ましいものの例としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基が挙げられる。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、モルホリノカルボニルオキシ基である。
【0038】
R8〜R11は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で規定したような置換基が挙げられる。この中でR8、R9およびR11として好ましいものは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子である。また、R10として好ましい置換基は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、複素環基、カルボンアミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基などが挙げられる。R10としてさらに好ましくは水素原子、炭素数1〜36の置換または無置換のアルキル基、炭素数1〜36の置換または無置換のアリール基、複素環基である。これらの置換基のうち、特に好ましいものは複素環基である。複素環基として好ましいものは、6員環の飽和環である。この環は上記R1で例示したような基でさらに置換されていてもよく、特に好ましいものは3−アルコキシカルボニルピペリジンまたは4−アルコキシカルボニルピペリジンの場合である。
Icは塩酸、硫酸、ナフタレンジスルホン酸などと塩を形成していてもよい。
【0039】
以下に一般式(Ia)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】
以下に一般式(II)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
以下に一般式(Ib)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
以下に一般式(Ic)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
次に一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物から、スルホンアミド化合物を製造する方法について詳しく述べる。スルホンアミド化合物を合成する際、一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基存在下、反応させる。以下にこの方法について詳しく述べる。
【0056】
一般式(II)で表されるスルホニルクロライドの(Ia)、(Ib)または(Ic)で表されるアニリン化合物に対するモル比は、0.1〜100、好ましくは1.0〜20、さらに好ましくは1.2〜5.0である。
【0057】
用いられる塩基としては、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、DBUなどが挙げられ、このうち好ましくは重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、より好ましくは重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
【0058】
本反応は、系中に水が存在していることが必須である。このときの水の使用量は一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物に対して質量比で0.01〜50倍が適当であり、0.05〜10倍が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5倍である。
【0059】
水以外に用いる反応有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジオン、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、酢酸、メタノ−ル、エタノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、アセトン等が挙げられ、これらは混合して用いてもよい。好ましくは、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエンであり、最も好ましい溶媒系は、アセトニトリル、酢酸エチルの混合系である。有機溶媒の使用量は一般式(I)で表される化合物に対して質量比で2〜50倍が適当であり、3〜10倍が好ましい。
【0060】
上述のように、本反応は有機溶媒と水の混合系で行うため、系が2層に分離する場合があり、分離した方がより好ましい。
【0061】
反応温度は、好ましくは−78℃〜200℃、より好ましくは−20℃〜150℃、さらに好ましくは−10℃〜120℃であり、特に好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は好ましくは1分〜72時間、より好ましくは15分〜48時間、さらに好ましくは30分〜24時間である。
【0062】
添加順序としては、アニリン化合物と有機溶媒、水、塩基がある系に、最後に酸クロライドを添加する方法が好ましい。
【0063】
以下に本発明によって製造することのできる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0068】
<実施例1>(例示化合物(c4)と(II−1)の反応)
例示化合物(c4)(16g、23.98mmol)に重曹(10.65g)とアセトニトリル(45mL)、酢酸エチル(7mL)、水(27mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応溶液の色は黄緑色から緑色を経て茶色に変化していった。反応開始から3時間後、例示化合物II−1(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応終了後の2層系溶液に酢酸エチル(128mL)と水(78mL)を添加し、内温を25℃まで冷却しながら濃塩酸(4.85mL)を滴下した。5分撹拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=2、約110mL)。有機層に重曹水(1.37gの重曹を114.5mLの水に溶解させたもの)を添加し1分間攪拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=7〜8、約152mL)。有機層を乾燥し液量が42mLになるまで溶媒を留去した後、メタノ−ル(32mL)を滴下すると対応するスルホンアミド化合物の結晶が析出した。内温が0℃になるまで冷却し、1時間撹拌した後、濾過を行いS−1(15.91g)を得た(収率74%)。なお、構造はNMRおよびマススペクトルにより同定した。
【0069】
<実施例2〜9>
次に同様な合成法(塩基、一般式(Ia)〜(Ic)で表されるアニリン類、一般式(II)で表されるスルホニルクロライドは等モル置き換え、溶媒は同量置き換え)により種々のスルホンアミド化合物を合成した。結果を表1に示した。
【0070】
<比較例1>(例示化合物(c4)と(II−1)の反応)
例示化合物(c4)(16g、23.98mmol)にピリジン(5.69g、71.94mmol)とアセトニトリル(79mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物(II−1)(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。HPLCにより対応するスルホンアミド化合物の生成量を定量したところ収率は33%であった。また、この場合、原料のc4の残存量が多いため、「実施例1」に記載したような後処理操作をしてもスルホンアミド化合物S−1の結晶は析出しなかった。
【0071】
実施例1〜9および比較例1の結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
この結果から本製造法がさまざまな化合物に適用可能であることが分かる。
実施例1と比較例1との比較から、本発明の方法により、一般式(Ia)、(Ib)および(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物が短時間かつ高収率で反応するようになったことが分かる。また反応率の向上により、カラムによる精製をせずに単離が可能になったことが分かる。
【0074】
<比較例2>(4−ジメチルアミノアニリンと(II−1)の反応)
4−ジメチルアミノアニリン(3.27g、23.98mmol)に重曹(10.65g)とアセトニトリル(45mL)、酢酸エチル(7mL)、水(27mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物II−1(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応終了後の2層系溶液に酢酸エチル(128mL)と水(78mL)を添加し、内温を25℃まで冷却しながら濃塩酸(4.85mL)を滴下した。5分撹拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=2、約110mL)。有機層に重曹水(1.37gの重曹を114.5mLの水に溶解させたもの)を添加し1分間攪拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=7〜8、約152mL)。有機層を濃縮、乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的物S−10を単離した(収率82%)。
【0075】
<比較例3>(4−ジメチルアミノアニリンと(II−1)の反応)
4−ジメチルアミノアニリン(3.27g、23.98mmol)にピリジン(5.69g、71.94mmol)とアセトニトリル(79mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物(II−1)(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応溶液に酢酸エチルを加え水洗した後、有機層を塩酸水ついで重曹水で洗った。得られた有機層を濃縮、乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的のスルホンアミド化合物S−10を単離した(収率84%)
【化20】
【0076】
比較例2と比較例3の結果は収率的にほぼ同等であり、本方法はアミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基を有するような求核性の高いアニリン化合物についてはメリットが少ないことが分かる。
【0077】
【発明の効果】
本発明により、一般式(Ia)、(Ib)および(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物から短時間かつ高収率でスルホンアミド化合物を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はアニリン化合物と立体障害の大きいスルホニルクロライドからスルホンアミド化合物を合成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々のアミンとスルホニルクロライドからスルホンアミドを得る方法は広く知られており、有機溶媒中、ピリジンなどの有機塩基を脱酸剤に用いて反応させる方法が一般的である。しかしながらアニリンのような求核性の低いアミンと、オルト位に立体障害の大きい置換基をもつスルホニルクロライドとの反応では収率が低下し、長時間の反応を必要とする場合が多い。これらの例としては、特開平10−104810号、特開平9−218496号、特開平9−146248号の各公報で示されているような方法が挙げられる。
【0003】
また、特開2001−92091号には、有機溶媒と水の混合溶媒系を用いた立体障害の大きいスルホニルクロライドのスルホンアミド化の例が示されている。しかしながら、ここに示されているアニリンは、パラ位にジアルキルアミノ基(電子供与性基)を有しており求核性が高いため、反応性はさほど低くはない。
【0004】
ところで、ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、シアン色素を生成するカプラーとして、米国特許第5,256,526号、欧州特許第545,300号、明細書に記載のピロロトリアゾール系カプラーが知られており、これは、色相、カップリング活性、堅牢性という点で優れている。
【0005】
カラー写真感光材料に用いるカプラーは、一般にバラストと呼ばれる親油性置換基をもつが、バラスト性を付与させる方法のひとつとしてスルホンアミド化がある。ところで、ピロロトリアゾール系カプラーは、分子間の会合により好ましくない短波寄りの吸収が発生する傾向があり、スルホンアミド周辺の立体障害性を上げることによりこの会合が切れて、理想の吸収に近づくことが知られている。しかしながら、理想の吸収にするために、スルホンアミド周辺の立体障害性を上げると、スルホンアミド化の反応が進行しにくくなり、反応収率が低下し反応時間が長くなることが問題となっていた。
【0006】
これらの問題を解決するような、短時間かつ高収率にスルホンアミド体を合成する方法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、短時間かつ高収率で、アニリン体と立体障害の大きいスルホニルクロライドとを反応させスルホンアミド化合物を合成する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、アニリン誘導体および立体障害の大きいスルホニルクロライドを、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基性条件で反応させることにより、効率的にスルホンアミド化合物が製造できることを見出した。即ち、本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
【0009】
(1)一般式(Ia)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0010】
【化2】
(式中、R1は置換基を表し、aは0以上5以下の整数を表す。R2およびR3は立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。ただし、一般式(Ia)で表される化合物において、アミノ基のパラ位がジアルキルアミノ基である場合を除く。)
(2)一般式(Ib)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0011】
【化3】
(式中、R5は置換基を表し、cは0以上5以下の整数を表す。cが1以上の整数の場合、置換基R5のうち少なくとも1つはハメットの置換基定数σpの値が0.2以上の電子求引性基である。R2およびR3は立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。ただし、一般式(Ib)で表される化合物において、アミノ基のパラ位がジアルキルアミノ基である場合を除く。)
(3)一般式(Ic)で表されるアニリン化合物と一般式(II)で表されるスルホニルクロライド化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基の存在下反応させることを特徴とする、スルホンアミド化合物の製造方法。
【0012】
【化4】
(式中、R6およびR7は各々独立に水素原子または置換基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。R8、R9、R10およびR11はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。Icは塩酸、硫酸、ナフタレンジスルホン酸などと塩を形成していてもよい。R2およびR3は各々独立に立体障害性置換基を表す。R4は置換基を表し、bは0以上3以下の整数を表す。)
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明で用いられる化合物(一般式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(II))について詳しく述べる。
【0014】
まず、一般式(II)で表される化合物について詳しく述べる。
【0015】
R2およびR3は同じでも異なっていても良く、それぞれ立体障害性置換基を表す。立体障害性置換基の例としては、2級以上のアルキル基(イソプロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基など)、炭素数8以上の長鎖アルキル基(オクチル基、デシル基、ドデシル基など)、末端分岐アルキル基(イソブチル基、イソペンチル基など)、分岐アルコキシ基(イソプロポキシ基など)、ハロゲン原子(クロル基、ブロム基など)、置換または無置換のアリール基(フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基など)、置換または無置換のアリールオキシ基(フェノキシ基、2,6−ジエチルフェニル基など)などが挙げられ、好ましいのは2級以上のアルキル基、炭素数8以上の長鎖アルキル基、末端分岐アルキル基、分岐アルコキシ基、ハロゲン原子、の場合である。
【0016】
R2およびR3として特に好ましいのは、R2およびR3ともに2級以上のアルキル基または分岐アルコキシ基の場合で、その中でもさらにイソプロピル基、t−ブチル基、イソプロピルオキシ基、t−ブチルオキシ基の場合が好ましい。
【0017】
R4 は置換基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホニル基、イミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等を挙げることができる。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR4 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0018】
さらに詳しくは、R4 はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)で、詳しくは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例えば、フェニル、ナフチル、4−ヘキサデシルオキシフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、複素環基(例えば、3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノキシ)、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−エチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基、(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)アセトアミド、2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルケニルオキシ基(例えば、2−プロペニルオキシ)、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基(例えば、オクタンスルフィニル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、イミド基(例えば、N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基などが挙げられる。
【0019】
bは0以上3以下の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のR4 は同一でも異なっていてもよい。
【0020】
次に、一般式(Ia)で表される化合物について詳しく述べる。
【0021】
R1 は置換基を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホスホニル基、イミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等を挙げることができる。ただし、アミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基がついたものは除く。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR1 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0022】
さらに詳しくは、R1 はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族炭化水素基(例えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基)で、詳しくは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペンチル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、例えば、フェニル、ナフチル、4−ヘキサデシルオキシフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4−tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、複素環基(例えば、3−ピリジル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノキシ)、アルキル・アリールもしくは複素環チオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシエチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチオ、3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,4−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘキサデカノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−エチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基、(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)アセトアミド、2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペンタデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノドデシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンアミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−ジブチルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ)、アルケニルオキシ基(例えば、2−プロペニルオキシ)、ホルミル基、アルキル・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキル・アリールもしくは複素環スルフィニル基(例えば、オクタンスルフィニル、ドデカンスルフィニル、フェニルスルフィニル、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペンタデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリールもしくは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メトキシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、イミド基(例えば、N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基などが挙げられる。
【0023】
aは0以上5以下の整数を表す。aが2以上の整数の場合、複数あるR′は同一でも異なっていてもよい。
【0024】
次に一般式(Ib)で表される化合物について詳しく述べる。
【0025】
R5は置換基を表わし、置換基としては上記R1で例示したような置換基が挙げられ、cは0以上5以下の整数を表す。cが1以上の整数の場合、R5で表される置換基のうち少なくとも1つはハメットの置換基定数σpの値が0.2以上の電子求引性基である。また、アミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基がついたものは除く。これらの基に含まれるアルキル基、アリール基もしくは複素環基はR1 で例示したような置換基で更に置換されていてもよい。
【0026】
ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値の多くは一般的な成書に記載があるが、例えば、J.A.Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979年(南江堂)に詳しい。本発明においていくつかの置換基はハメットの置換基定数σp値により規定されるが、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。
【0027】
R5で表される置換基としてより好ましくは、σp 値が0.35以上の電子求引性基であり、さらに好ましくは0.45以上の電子求引性基である。上限としては、好ましくは1.0以下の電子求引性基であり、更に好ましくは0.75以下の電子求引性基である。
【0028】
σp 値が0.20以上の電子求引性基であるR5の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルコキシホスホリル基、ジアリールホスフィニル基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうちさらに置換基を有することが可能な基は、前述のR1で挙げるような置換基をさらに有してもよい。なお、上述の脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルフィニル基、脂肪族スルホニル基は、それぞれの脂肪族部位が、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。例えば、脂肪族オキシカルボニル基とは、直鎖のアルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、分岐アルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、iso−プロピルオキシカルボニル),環状のアルキル鎖を有するシクロアルコキシカルボニル基(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル)などである。
【0029】
R5をさらに詳しく述べると、σp 値が0.20以上の電子求引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミドフェニル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル)、脂肪族オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso−プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、2−(ジエチルカルバモイル)エトキシカルボニル、2−(パーフルオロヘキシル)エトキシカルボニル、2−デシルヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、2,5−ジアミルフェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、脂肪族スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、脂肪族スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ヘプタフルオロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ(例えば、トリフルオロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフルオロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフルオロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ)、σp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、さらに置換基を有することが可能な基は、置換基をさらに有してもよい。
【0030】
次に一般式(Ic)で表される化合物について詳しく述べる。
【0031】
R6およびR7は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で例示したような置換基が挙げられる。
【0032】
R6 及びR7 で表される置換基として好ましくはハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基である。より好ましくは、σp 値が0.35以上の電子求引性基であり、さらに好ましくは0.45以上の電子求引性基である。上限としては、好ましくは1.0以下の電子求引性基であり、更に好ましくは0.75以下の電子求引性基である。
【0033】
σp 値が0.20以上の電子求引性基であるR6及びR7の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルコキシホスホリル基、ジアリールホスフィニル基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうちさらに置換基を有することが可能な基は、前述のR1で挙げるような置換基をさらに有してもよい。なお、上述の脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族スルフィニル基、脂肪族スルホニル基は、それぞれの脂肪族部位が、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、飽和であっても、不飽和であってもよい。例えば、脂肪族オキシカルボニル基とは、直鎖のアルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、分岐アルキル鎖を有するアルコキシカルボニル基(例えば、iso−プロピルオキシカルボニル),環状のアルキル鎖を有するシクロアルコキシカルボニル基(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルカルボニル)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル)などである。
【0034】
R6及びR7をさらに詳しく述べると、σp 値が0.20以上の電子求引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、N−(4−n−ペンタデカンアミドフェニル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル〕カルバモイル)、脂肪族オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso−プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、iso−ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、2−(ジエチルカルバモイル)エトキシカルボニル、2−(パーフルオロヘキシル)エトキシカルボニル、2−デシルヘキシルオキシカルボニルメトキシカルボニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、2,5−ジアミルフェノキシカルボニル)、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例えば、ジフェニルホスホノ)、ジアルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホスホリル)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、脂肪族スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタデシルフェニルスルフィニル)、脂肪族スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシルチオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ヘプタフルオロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ(例えば、トリフルオロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフルオロフェニルオキシ)、ハロゲン化アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフルオロメチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ)、σp値が0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、さらに置換基を有することが可能な基は、置換基をさらに有してもよい。
【0035】
R6として好ましくは、シアノ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が挙げられ、特に好ましくはシアノ基である。
【0036】
R7として好ましくは、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられ、特に好ましくは脂肪族オキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基である。
【0037】
Xは水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で規定したような置換基が挙げられる。Xとして好ましいものの例としては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜32のアルコキシ基、炭素数6〜32のアリールオキシ基、炭素数1〜32のアルキルチオ基、炭素数6〜32のアリールチオ基、炭素数2〜32のヘテロ環チオ基、炭素数2〜32のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜32のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜32のカルバモイルオキシ基、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基、カップリング活性位に窒素原子で結合する5員もしくは6員の炭素数2〜32の含窒素ヘテロ環基が挙げられる。より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数3〜32のヘテロ環カルボニルオキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、塩素原子、臭素原子、モルホリノカルボニルオキシ基である。
【0038】
R8〜R11は各々独立に水素原子または置換基を表し、置換基としては上記R1で規定したような置換基が挙げられる。この中でR8、R9およびR11として好ましいものは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子である。また、R10として好ましい置換基は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、複素環基、カルボンアミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基などが挙げられる。R10としてさらに好ましくは水素原子、炭素数1〜36の置換または無置換のアルキル基、炭素数1〜36の置換または無置換のアリール基、複素環基である。これらの置換基のうち、特に好ましいものは複素環基である。複素環基として好ましいものは、6員環の飽和環である。この環は上記R1で例示したような基でさらに置換されていてもよく、特に好ましいものは3−アルコキシカルボニルピペリジンまたは4−アルコキシカルボニルピペリジンの場合である。
Icは塩酸、硫酸、ナフタレンジスルホン酸などと塩を形成していてもよい。
【0039】
以下に一般式(Ia)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】
以下に一般式(II)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
以下に一般式(Ib)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
以下に一般式(Ic)で表わされる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
次に一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物から、スルホンアミド化合物を製造する方法について詳しく述べる。スルホンアミド化合物を合成する際、一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物を、有機溶媒と水の混合溶媒中、塩基存在下、反応させる。以下にこの方法について詳しく述べる。
【0056】
一般式(II)で表されるスルホニルクロライドの(Ia)、(Ib)または(Ic)で表されるアニリン化合物に対するモル比は、0.1〜100、好ましくは1.0〜20、さらに好ましくは1.2〜5.0である。
【0057】
用いられる塩基としては、重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、DBUなどが挙げられ、このうち好ましくは重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、より好ましくは重曹、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
【0058】
本反応は、系中に水が存在していることが必須である。このときの水の使用量は一般式(Ia)、(Ib)または(Ic)で表される化合物に対して質量比で0.01〜50倍が適当であり、0.05〜10倍が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5倍である。
【0059】
水以外に用いる反応有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジオン、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、酢酸、メタノ−ル、エタノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、アセトン等が挙げられ、これらは混合して用いてもよい。好ましくは、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエンであり、最も好ましい溶媒系は、アセトニトリル、酢酸エチルの混合系である。有機溶媒の使用量は一般式(I)で表される化合物に対して質量比で2〜50倍が適当であり、3〜10倍が好ましい。
【0060】
上述のように、本反応は有機溶媒と水の混合系で行うため、系が2層に分離する場合があり、分離した方がより好ましい。
【0061】
反応温度は、好ましくは−78℃〜200℃、より好ましくは−20℃〜150℃、さらに好ましくは−10℃〜120℃であり、特に好ましくは0℃〜100℃である。反応時間は好ましくは1分〜72時間、より好ましくは15分〜48時間、さらに好ましくは30分〜24時間である。
【0062】
添加順序としては、アニリン化合物と有機溶媒、水、塩基がある系に、最後に酸クロライドを添加する方法が好ましい。
【0063】
以下に本発明によって製造することのできる化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0068】
<実施例1>(例示化合物(c4)と(II−1)の反応)
例示化合物(c4)(16g、23.98mmol)に重曹(10.65g)とアセトニトリル(45mL)、酢酸エチル(7mL)、水(27mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応溶液の色は黄緑色から緑色を経て茶色に変化していった。反応開始から3時間後、例示化合物II−1(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応終了後の2層系溶液に酢酸エチル(128mL)と水(78mL)を添加し、内温を25℃まで冷却しながら濃塩酸(4.85mL)を滴下した。5分撹拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=2、約110mL)。有機層に重曹水(1.37gの重曹を114.5mLの水に溶解させたもの)を添加し1分間攪拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=7〜8、約152mL)。有機層を乾燥し液量が42mLになるまで溶媒を留去した後、メタノ−ル(32mL)を滴下すると対応するスルホンアミド化合物の結晶が析出した。内温が0℃になるまで冷却し、1時間撹拌した後、濾過を行いS−1(15.91g)を得た(収率74%)。なお、構造はNMRおよびマススペクトルにより同定した。
【0069】
<実施例2〜9>
次に同様な合成法(塩基、一般式(Ia)〜(Ic)で表されるアニリン類、一般式(II)で表されるスルホニルクロライドは等モル置き換え、溶媒は同量置き換え)により種々のスルホンアミド化合物を合成した。結果を表1に示した。
【0070】
<比較例1>(例示化合物(c4)と(II−1)の反応)
例示化合物(c4)(16g、23.98mmol)にピリジン(5.69g、71.94mmol)とアセトニトリル(79mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物(II−1)(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。HPLCにより対応するスルホンアミド化合物の生成量を定量したところ収率は33%であった。また、この場合、原料のc4の残存量が多いため、「実施例1」に記載したような後処理操作をしてもスルホンアミド化合物S−1の結晶は析出しなかった。
【0071】
実施例1〜9および比較例1の結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
この結果から本製造法がさまざまな化合物に適用可能であることが分かる。
実施例1と比較例1との比較から、本発明の方法により、一般式(Ia)、(Ib)および(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物が短時間かつ高収率で反応するようになったことが分かる。また反応率の向上により、カラムによる精製をせずに単離が可能になったことが分かる。
【0074】
<比較例2>(4−ジメチルアミノアニリンと(II−1)の反応)
4−ジメチルアミノアニリン(3.27g、23.98mmol)に重曹(10.65g)とアセトニトリル(45mL)、酢酸エチル(7mL)、水(27mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物II−1(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応終了後の2層系溶液に酢酸エチル(128mL)と水(78mL)を添加し、内温を25℃まで冷却しながら濃塩酸(4.85mL)を滴下した。5分撹拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=2、約110mL)。有機層に重曹水(1.37gの重曹を114.5mLの水に溶解させたもの)を添加し1分間攪拌した後、分液操作を行い水層を除いた(水層pH=7〜8、約152mL)。有機層を濃縮、乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的物S−10を単離した(収率82%)。
【0075】
<比較例3>(4−ジメチルアミノアニリンと(II−1)の反応)
4−ジメチルアミノアニリン(3.27g、23.98mmol)にピリジン(5.69g、71.94mmol)とアセトニトリル(79mL)を加え、室温で撹拌した。外設温度を80℃に上げ、内温が40℃に達したところで例示化合物(II−1)(10.89g、35.96mmol)を添加した。内温が58℃に達したところを反応の開始時刻とし、反応を開始した。反応開始から3時間後、例示化合物(II−1)(2.19g、7.23mmol)を追加添加し、さらに2時間反応を続けた。反応溶液に酢酸エチルを加え水洗した後、有機層を塩酸水ついで重曹水で洗った。得られた有機層を濃縮、乾燥した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的のスルホンアミド化合物S−10を単離した(収率84%)
【化20】
【0076】
比較例2と比較例3の結果は収率的にほぼ同等であり、本方法はアミノ基のパラ位にジアルキルアミノ基を有するような求核性の高いアニリン化合物についてはメリットが少ないことが分かる。
【0077】
【発明の効果】
本発明により、一般式(Ia)、(Ib)および(Ic)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物から短時間かつ高収率でスルホンアミド化合物を製造することができる。
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JP2008050342A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-03-06 | Central Glass Co Ltd | N−(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメチル)−1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミドの製造方法 |
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- 2002-09-03 JP JP2002257868A patent/JP2004091429A/ja active Pending
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