JP2004089792A - 廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】油汚染された廃白土含有土壌を洗浄することによって、浄化廃白土含有土壌と廃棄油とを確実に分離すると共にそれぞれを適切に処理することでコスト低減と二次汚染の防止を達成できる廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設を提供する。
【解決手段】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設1は、廃白土含有土壌5を洗浄水6の充填された洗浄槽2に投入しており、次いで、洗浄水6を追加しながら廃白土含有土壌5を攪拌洗浄して、洗浄槽2に浮上する油分層10を隣接している油分槽3に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水12を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離している。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設1は、廃白土含有土壌5を洗浄水6の充填された洗浄槽2に投入しており、次いで、洗浄水6を追加しながら廃白土含有土壌5を攪拌洗浄して、洗浄槽2に浮上する油分層10を隣接している油分槽3に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水12を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設に関し、特に低コストで二次汚染も防止できる廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近になって、他の汚染土壌と同様に油汚染土壌についてもその洗浄方法が注目されている。油汚染土壌は、低濃度レベルのものに関しては生物浄化が主流を成しており、中高濃度のものに関しては低温加熱することで処分しており、焼却後の浄化土壌はセメント材料として利用されたり、廃棄されることが一般的であった。
【0003】
一方、石油製品や潤滑油の最終仕上げ工程等に使用され活性白土は、粒子径が200メッシュ程度の微細粉末であることから、使用後の廃白土中に吸着された油分、不純物は、廃白土中のマクロポーラス内に閉じこめられた状態になっており、通常の砂等に含有している油分の除去とは、発想を変えた修復を考える必要があることが判明した。
【0004】
土壌環境保全が注目されてきた昨今においては、これまで埋めることで処理していた廃白土についても、その浄化の必要性が高まってきている。そして、油分によって汚染された土壌は、バイオレメディエーション法を適用すると一層効果的に分解されることから、低コストの土壌浄化方法として知られている。
【0005】
しかるに、廃白土は、バイオメディエーションによってもその除去率が50%程度と効率が悪く、分解が難しいと考えられてきた。又、土壌と混在している廃白土は、土壌から簡便に分離する安価な技術が開発されていなかった。
【0006】
以上の状況から、廃白土を含有している土壌に対しては、土壌と廃白土とを混在させたままで熱処理されるか、産廃処分にされることが殆どであった。
【0007】
しかしながら、中高濃度汚染での低温加熱法や焼却法では、一般にコストが高いものであり、特に、焼却の場合には現地で処理出来ないために処理場まで搬送する必要が有り、運送費と搬送時の二次汚染が懸念されるという問題点も抱えている。
【0008】
従って、油で汚染された廃白土含有土壌に対しては、廃白土含有土壌と廃棄油とを確実に分離しながら適切に処理することができる、コスト低減されると共に二次汚染を防止できる汚染油の処理法は、未だに提案されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の状況に鑑みて適切な処理法を提案するものであり、油汚染された廃白土含有土壌を洗浄することによって、浄化廃白土含有土壌と廃棄油とを確実に分離すると共にそれぞれを適切に処理することでコスト低減と二次汚染の防止を達成できる廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設を提供している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離しており、それぞれを適切な処分方法で処理することによってコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0011】
又、本発明による汚染油洗浄施設は、上記の廃白土含有土壌の汚染油洗浄法に用いるものであり、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としており、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による汚染油洗浄施設は、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としており、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
以下に、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明による汚染油洗浄施設の実施の形態を概要的に示す斜視図である。
【0014】
本実施の形態における汚染油洗浄施設1は、現地にコンクリートもしくはシートパイルで構築される洗浄槽2と油分槽3及び泥水貯水槽4から構成されるか、同様の簡易水槽によって構成されている。
【0015】
尚、シートパイルで汚染油洗浄施設1を構築する場合には、洗浄槽2の底部に鉄板、鋼板等の支持層を設置して攪拌時に不都合が発生しないようにしたり、シートパイルが不透水層まで達しておらずに、地下水の影響を大きく受けることが懸念される場合には、底部に排水ポンプを設置しておくことも可能である。
【0016】
洗浄槽2には、処理対象の廃白土含有土壌5と水道水、工水、地下水等から成る洗浄水6とを投入するものであり、油分槽3は洗浄槽2に隣接して構成されていて隣接壁7は、その高さを洗浄槽2の障壁8の高さよりも高差9の分だけ低くしてある。
【0017】
本実施の形態における高差9の大きさは、所定値に固定されているが、後述する油層10を洗浄槽2から越流させるのに適当な値に設定されるものであり、油層10の厚さに対応させてその値を変更できるように、隣接壁7の上に調整可能な溢流部材を配置することもできる。又、油層10を掻取りレーキのようなもので効率的に越流させる手段を設置させることもできる。
【0018】
油分槽3には、廃白土含有土壌5から分離してくる汚染油11を貯槽することになるが、油分槽3に隣接させて配置している泥水貯水槽4には、洗浄槽2に発生する泥水12を一時的に貯蔵するものであり、本実施の形態では油分槽3に隣接させているものの、場合によっては他の適当な位置に設置することも可能である。
【0019】
洗浄槽2の泥水は、廃白土含有土壌5の汚染物が洗浄後の一時的な放置によって懸濁液として分離してくるものであるが、洗浄槽2の中間位置から適宜のポンプによって泥水貯水槽4に移動されるものである。
【0020】
次ぎに、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法について説明する。
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して洗浄された廃白土含有土壌と油分とを分離しており、それぞれを泥水処理装置や油分処理装置等で適切に処理することで、無害化しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0021】
図2〜4は、本発明による汚染油洗浄法の実施の形態を工程的に示すものであり、図2は、油汚染された廃白土含有土壌の攪拌洗浄と汚染油及び汚染物の分級工程を示している。
【0022】
廃白土は、一般に砂分の表面に付着しているので、砂中の油分は、機械的な攪拌によって廃白土を砂から剥離させることで、減少させることが出来る。しかして、油汚染された廃白土含有土壌5は、汚染油洗浄施設1の洗浄槽2に洗浄水6と共に投入される。(図2(a))
又、廃白土含有土壌5と洗浄水6との混合に困難が懸念される場合は、投入前に混合装置等を用いて混練することで洗浄水を予め懸濁状態にすることも考慮されている。
【0023】
図2(b)の工程は、攪拌洗浄の状態を示しているが、油汚染された廃白土含有土壌5と洗浄水6とは、バックホウ13のスケルトンバケット14や攪拌機を用いて攪拌されながら洗浄されるものであり、次いでの工程は、そのまま放置することで廃白土5と汚染油11の油層10及び汚染土壌が懸濁した泥水12に分画させている。(図2(c))
汚染油11が大量に浮くことで油層10が形成される場合には、図2(d)に示す工程のように、洗浄槽2に洗浄水6を追加することで油層10を油分槽3に越流させており、汚染油11を油分槽3に貯留させている。
【0024】
図3に示す工程は、泥水を泥水貯水槽4に移動する状態を表現しており、洗浄槽2の泥水12を適宜のポンプ15によって泥水貯水槽4に移動させている。
【0025】
従って、洗浄槽2には、洗浄された廃白土含有土壌5’が残留され、汚染油11を油分槽3に貯留させると同時に、泥水12を泥水貯水槽4に一時的に貯留することになるが、泥水12は、適時に所定の泥水処理装置によって処理されて再度の洗浄水として利用するか、施設外に放流している。
【0026】
油汚染された廃白土含有土壌5の洗浄処理は、上記図2、3に示した工程を繰り返すことによって、汚染油を廃白土含有土壌5から除去して行くものであり、最終的には、廃白土含有土壌5’と汚染油11及び泥水12をそれぞれに分画して汚染油洗浄施設1に貯留することになる。
【0027】
図4は、洗浄完了後の処理工程について表現している。
本工程では、洗浄された後の廃白土含有土壌5’が回収されると共に、汚染油11は脱水後に産業廃棄物として適切に処分される。そして、泥水12は、上述したように泥水処理装置によって適宜に処理されているが、最終時の泥水も、処理後に洗浄水として利用したり、施設外に放流している。
【0028】
以上のように、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、現地で簡便に処理できることから、処分費を低減できると共に二次汚染の心配もないものであり、その除去状況も以下のように極めて良好である。
【0029】
本検証は、廃白土汚染土壌に5倍量の水道水(10℃)あるいは湯(50℃)を入れて、機械的に10〜20回攪拌した後に約1分間静置したものであるが、その結果は、表−1、表−2に見られるように、水でも5回の洗浄で湯の場合と同様の油分濃度に達しており、汚染油がよく除去されることを確認できている。
【0030】
【表−1】
【0031】
【表−2】
【0032】
又、洗浄した後に発生した泥水は、PAC100mg/Lの添加によって十分に凝集されており、土壌と水とを完全に分離することができた。
【0033】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、汚染油洗浄施設の具体的な形状や材質等に関して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0034】
【発明の効果】
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離しているので、それぞれを適切な処分方法で処理することによって以下の効果を発揮している。
【0035】
▲1▼ 特別な薬剤を用いないので、環境に優しい。
▲2▼ 除去率の低い廃白土の浄化が可能。
▲3▼ 水洗浄なので浄化後の土質変化がなく、再利用の使途が広い。
▲4▼ コストの低減と二次汚染の防止とを達成できる。
【0036】
又、本発明による汚染油洗浄施設は、上記の廃白土含有土壌の汚染油洗浄法に用いるものであり、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としているので、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながら上記と同様にコストの低減と二次汚染の防止を達成できる等の効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による汚染油洗浄施設の概要斜視図
【 図2】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の油分離工程図
【 図3】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の泥水移動工程図
【 図4】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の分級工程図
【符号の説明】
1 汚染油洗浄施設、 2 洗浄槽、 3 油分槽、 4 泥水貯水槽、
5 廃白土含有土壌、 5’ 洗浄された廃白土含有土壌、 6 洗浄水、
7 隣接壁、 8 障壁、 9 高差、 10 油層、 11 汚染油、
12 泥水、 13 バックホウ、 14 スケルトンバケット、
15 ポンプ、
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設に関し、特に低コストで二次汚染も防止できる廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近になって、他の汚染土壌と同様に油汚染土壌についてもその洗浄方法が注目されている。油汚染土壌は、低濃度レベルのものに関しては生物浄化が主流を成しており、中高濃度のものに関しては低温加熱することで処分しており、焼却後の浄化土壌はセメント材料として利用されたり、廃棄されることが一般的であった。
【0003】
一方、石油製品や潤滑油の最終仕上げ工程等に使用され活性白土は、粒子径が200メッシュ程度の微細粉末であることから、使用後の廃白土中に吸着された油分、不純物は、廃白土中のマクロポーラス内に閉じこめられた状態になっており、通常の砂等に含有している油分の除去とは、発想を変えた修復を考える必要があることが判明した。
【0004】
土壌環境保全が注目されてきた昨今においては、これまで埋めることで処理していた廃白土についても、その浄化の必要性が高まってきている。そして、油分によって汚染された土壌は、バイオレメディエーション法を適用すると一層効果的に分解されることから、低コストの土壌浄化方法として知られている。
【0005】
しかるに、廃白土は、バイオメディエーションによってもその除去率が50%程度と効率が悪く、分解が難しいと考えられてきた。又、土壌と混在している廃白土は、土壌から簡便に分離する安価な技術が開発されていなかった。
【0006】
以上の状況から、廃白土を含有している土壌に対しては、土壌と廃白土とを混在させたままで熱処理されるか、産廃処分にされることが殆どであった。
【0007】
しかしながら、中高濃度汚染での低温加熱法や焼却法では、一般にコストが高いものであり、特に、焼却の場合には現地で処理出来ないために処理場まで搬送する必要が有り、運送費と搬送時の二次汚染が懸念されるという問題点も抱えている。
【0008】
従って、油で汚染された廃白土含有土壌に対しては、廃白土含有土壌と廃棄油とを確実に分離しながら適切に処理することができる、コスト低減されると共に二次汚染を防止できる汚染油の処理法は、未だに提案されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の状況に鑑みて適切な処理法を提案するものであり、油汚染された廃白土含有土壌を洗浄することによって、浄化廃白土含有土壌と廃棄油とを確実に分離すると共にそれぞれを適切に処理することでコスト低減と二次汚染の防止を達成できる廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設を提供している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離しており、それぞれを適切な処分方法で処理することによってコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0011】
又、本発明による汚染油洗浄施設は、上記の廃白土含有土壌の汚染油洗浄法に用いるものであり、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としており、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による汚染油洗浄施設は、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としており、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
以下に、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明による汚染油洗浄施設の実施の形態を概要的に示す斜視図である。
【0014】
本実施の形態における汚染油洗浄施設1は、現地にコンクリートもしくはシートパイルで構築される洗浄槽2と油分槽3及び泥水貯水槽4から構成されるか、同様の簡易水槽によって構成されている。
【0015】
尚、シートパイルで汚染油洗浄施設1を構築する場合には、洗浄槽2の底部に鉄板、鋼板等の支持層を設置して攪拌時に不都合が発生しないようにしたり、シートパイルが不透水層まで達しておらずに、地下水の影響を大きく受けることが懸念される場合には、底部に排水ポンプを設置しておくことも可能である。
【0016】
洗浄槽2には、処理対象の廃白土含有土壌5と水道水、工水、地下水等から成る洗浄水6とを投入するものであり、油分槽3は洗浄槽2に隣接して構成されていて隣接壁7は、その高さを洗浄槽2の障壁8の高さよりも高差9の分だけ低くしてある。
【0017】
本実施の形態における高差9の大きさは、所定値に固定されているが、後述する油層10を洗浄槽2から越流させるのに適当な値に設定されるものであり、油層10の厚さに対応させてその値を変更できるように、隣接壁7の上に調整可能な溢流部材を配置することもできる。又、油層10を掻取りレーキのようなもので効率的に越流させる手段を設置させることもできる。
【0018】
油分槽3には、廃白土含有土壌5から分離してくる汚染油11を貯槽することになるが、油分槽3に隣接させて配置している泥水貯水槽4には、洗浄槽2に発生する泥水12を一時的に貯蔵するものであり、本実施の形態では油分槽3に隣接させているものの、場合によっては他の適当な位置に設置することも可能である。
【0019】
洗浄槽2の泥水は、廃白土含有土壌5の汚染物が洗浄後の一時的な放置によって懸濁液として分離してくるものであるが、洗浄槽2の中間位置から適宜のポンプによって泥水貯水槽4に移動されるものである。
【0020】
次ぎに、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法について説明する。
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して洗浄された廃白土含有土壌と油分とを分離しており、それぞれを泥水処理装置や油分処理装置等で適切に処理することで、無害化しながらコストの低減と二次汚染の防止を達成している。
【0021】
図2〜4は、本発明による汚染油洗浄法の実施の形態を工程的に示すものであり、図2は、油汚染された廃白土含有土壌の攪拌洗浄と汚染油及び汚染物の分級工程を示している。
【0022】
廃白土は、一般に砂分の表面に付着しているので、砂中の油分は、機械的な攪拌によって廃白土を砂から剥離させることで、減少させることが出来る。しかして、油汚染された廃白土含有土壌5は、汚染油洗浄施設1の洗浄槽2に洗浄水6と共に投入される。(図2(a))
又、廃白土含有土壌5と洗浄水6との混合に困難が懸念される場合は、投入前に混合装置等を用いて混練することで洗浄水を予め懸濁状態にすることも考慮されている。
【0023】
図2(b)の工程は、攪拌洗浄の状態を示しているが、油汚染された廃白土含有土壌5と洗浄水6とは、バックホウ13のスケルトンバケット14や攪拌機を用いて攪拌されながら洗浄されるものであり、次いでの工程は、そのまま放置することで廃白土5と汚染油11の油層10及び汚染土壌が懸濁した泥水12に分画させている。(図2(c))
汚染油11が大量に浮くことで油層10が形成される場合には、図2(d)に示す工程のように、洗浄槽2に洗浄水6を追加することで油層10を油分槽3に越流させており、汚染油11を油分槽3に貯留させている。
【0024】
図3に示す工程は、泥水を泥水貯水槽4に移動する状態を表現しており、洗浄槽2の泥水12を適宜のポンプ15によって泥水貯水槽4に移動させている。
【0025】
従って、洗浄槽2には、洗浄された廃白土含有土壌5’が残留され、汚染油11を油分槽3に貯留させると同時に、泥水12を泥水貯水槽4に一時的に貯留することになるが、泥水12は、適時に所定の泥水処理装置によって処理されて再度の洗浄水として利用するか、施設外に放流している。
【0026】
油汚染された廃白土含有土壌5の洗浄処理は、上記図2、3に示した工程を繰り返すことによって、汚染油を廃白土含有土壌5から除去して行くものであり、最終的には、廃白土含有土壌5’と汚染油11及び泥水12をそれぞれに分画して汚染油洗浄施設1に貯留することになる。
【0027】
図4は、洗浄完了後の処理工程について表現している。
本工程では、洗浄された後の廃白土含有土壌5’が回収されると共に、汚染油11は脱水後に産業廃棄物として適切に処分される。そして、泥水12は、上述したように泥水処理装置によって適宜に処理されているが、最終時の泥水も、処理後に洗浄水として利用したり、施設外に放流している。
【0028】
以上のように、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、現地で簡便に処理できることから、処分費を低減できると共に二次汚染の心配もないものであり、その除去状況も以下のように極めて良好である。
【0029】
本検証は、廃白土汚染土壌に5倍量の水道水(10℃)あるいは湯(50℃)を入れて、機械的に10〜20回攪拌した後に約1分間静置したものであるが、その結果は、表−1、表−2に見られるように、水でも5回の洗浄で湯の場合と同様の油分濃度に達しており、汚染油がよく除去されることを確認できている。
【0030】
【表−1】
【0031】
【表−2】
【0032】
又、洗浄した後に発生した泥水は、PAC100mg/Lの添加によって十分に凝集されており、土壌と水とを完全に分離することができた。
【0033】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法と汚染油洗浄施設は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、汚染油洗浄施設の具体的な形状や材質等に関して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0034】
【発明の効果】
本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法は、廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入しており、次いで、洗浄水を追加しながら廃白土含有土壌を攪拌洗浄して、洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させている。本汚染油洗浄法では、しかる後に、洗浄槽中の泥水を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離しているので、それぞれを適切な処分方法で処理することによって以下の効果を発揮している。
【0035】
▲1▼ 特別な薬剤を用いないので、環境に優しい。
▲2▼ 除去率の低い廃白土の浄化が可能。
▲3▼ 水洗浄なので浄化後の土質変化がなく、再利用の使途が広い。
▲4▼ コストの低減と二次汚染の防止とを達成できる。
【0036】
又、本発明による汚染油洗浄施設は、上記の廃白土含有土壌の汚染油洗浄法に用いるものであり、廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽と洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成され、洗浄槽と油分槽とを廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築することを特徴としているので、処理装置で処理することによって廃白土含有土壌と油分とを分離しながら上記と同様にコストの低減と二次汚染の防止を達成できる等の効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による汚染油洗浄施設の概要斜視図
【 図2】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の油分離工程図
【 図3】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の泥水移動工程図
【 図4】本発明による廃白土含有土壌の汚染油洗浄法の分級工程図
【符号の説明】
1 汚染油洗浄施設、 2 洗浄槽、 3 油分槽、 4 泥水貯水槽、
5 廃白土含有土壌、 5’ 洗浄された廃白土含有土壌、 6 洗浄水、
7 隣接壁、 8 障壁、 9 高差、 10 油層、 11 汚染油、
12 泥水、 13 バックホウ、 14 スケルトンバケット、
15 ポンプ、
Claims (3)
- 廃白土含有土壌を洗浄水の充填された洗浄槽に投入し、次いで、洗浄水を追加しながら該廃白土含有土壌を攪拌洗浄し、該洗浄槽に浮上する油分層を隣接している油分槽に越流させ、しかる後に、該洗浄槽中の泥水を槽外に除去して廃白土含有土壌と油分とを分離する廃白土含有土壌の汚染油洗浄法。
- 廃白土含有土壌と洗浄水とを投入する洗浄槽、該洗浄槽に隣接して槽壁の高さを洗浄槽の高さよりも低く構成した油分槽及び洗浄槽の洗浄水を追加し洗浄槽中の泥水を槽外に除去する処理装置から構成される請求項1に記載の廃白土含有土壌の汚染油洗浄法に用いる汚染油洗浄施設。
- 洗浄槽と油分槽とが、廃白土を含有している油汚染土壌の存在している現地に構築されることを特徴とする請求項2に記載の汚染油洗浄施設。
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- 2002-08-30 JP JP2002252243A patent/JP2004089792A/ja active Pending
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