JP2004089673A - 花粉アレルゲンの不活性化方法 - Google Patents

花粉アレルゲンの不活性化方法 Download PDF

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Yuji Nakajima
中嶋 祐二
Daisuke Tanaka
田中 大輔
Katsuhiro Hashizume
橋爪 克浩
Naokazu Takeuchi
竹内 直和
Hiromichi Tsuboi
坪井 裕理
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Abstract

【課題】アレルゲン、特に花粉由来のアレルゲン、を特異的に排除する方法を提供する。
【解決手段】熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下に花粉アレルゲンを維持することにより、前記花粉アレルゲンを不活性化する方法。さらに花粉アレルゲンを不活性化した後これを補足、具備する空調機。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、花粉症を引き起こす原因物質であるアレルゲンを不活性化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境や生活様式などの変化により、アレルギーを引き起こす原因物質であるアレルゲンが四季を問わずに存在するようになった。特に、花粉症患者は、国民の10%にも及び、そのうちの80%はスギ花粉に対してアレルギー反応を示すものである。花粉症患者の数は、年々増加の一途を辿り、現在では社会問題となっている。
【0003】
花粉症に対する対策は、花粉との接触を避けることを基本としており、マスクや眼鏡等を使用することにより防除する方法が主流である。しかしながら、アレルギーを引き起こす原因物質(即ち、アレルゲン)を特定して排除するような技術は確立されてはおらず、ハウスダストとして纏めて処理する掃除用具、例えば、例えば掃除機やモップなどが市販されている程度に留まっている。
【0004】
以上にように、従来の花粉症対策は、外出時に着用するマスクのガーゼに微細繊維フィルターを設けることにより、人体への花粉の吸引を回避することや、居住空間において、集塵機に代表されるような装置で空気中浮遊物質の一部として花粉を捕獲することが行われているに過ぎない。従来では、積極的なアレルゲン除去が行われているとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に鑑み、本発明の目的は、アレルゲン、特に花粉由来のアレルゲン、を特異的に排除する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための鋭意研究の結果、本発明者らは、以下のような手段を見出した。即ち、
熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下に花粉由来アレルゲンを維持することにより、前記花粉アレルゲンを不活性化する方法
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
花粉症は、空気中のアレルゲンである花粉を吸い込むことにより引き起こされる。そのため、空気中のアレルゲンを遮断および/または排除することでアレルギー症状を緩和できると考えられる。一方、花粉などの生物由来のアレルゲンは、タンパク質が主成分である。従って、花粉に含まれるタンパク質を分解または変性することで、その活性を失わせることができると本発明者らは考えた。
【0008】
1.アレルゲン不活化方法
アレルギーを引き起こす原因物質であるアレルゲンは、生物由来のタンパク質を主成分とする。本発明は、本発明者らがタンパク質を変性することによってアレルゲンを特異的且つ効果的に不活性化できることを明らかにしたことに基づく。本明細書は、タンパク質の変性により花粉アレルゲンを不活性化できることを初めて報告するものである。ここで使用される「アレルゲン」または「アレルゲン物質」の語は、アレルゲンとして活性を有する物質を示す。特に、花粉に由来するアレルゲンを「花粉アレルゲン」と記す。
【0009】
本発明に従うと、熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下に花粉アレルゲンを維持することにより花粉アレルゲンを不活性化する方法が提供される。
【0010】
従来では、一般的にタンパク質が、酸やアルカリによる化学的変性、高温での物理的変性、およびタンパク質分解酵素による生化学的変性によって分解されることは知られている。しかしながら、このようなタンパク質の変性によって、タンパク質が有するであろうエピトープとなり得る性質、即ち、アレルゲンとしての活性を特異的に不活化できることは報告されてはいない。また、生化学の知識で理解できるような効果的なアレルゲン不活性化方法はこれまでには報告されていない。今回本発明者らが、タンパク質の変性によりアレルゲン、特に、花粉アレルゲンを不活性化できることを明らかにしたことは画期的なことである。
【0011】
以下、熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼを用いてアレルゲンを不活性化する方法に関して説明する。
【0012】
(1)熱
本発明に従って、熱の存在する条件下でアレルゲンを不活性化する場合、例えば、約65℃以上の場合であれば約120分間、アレルゲンを熱に対して曝露すればよい。また、65℃以下の温度であっても、例えば加熱時間を長くすればアレルゲンの不活性化は可能である。
【0013】
本発明の1側面において、本発明は、アレルゲンの不活性化に熱を使用するというユニークで且つ新しい発想を基に達成された。従って、本発明において重要な点の1つは、温度や加熱時間などの条件ではなく、熱を利用してアレルゲンを不活性化すること自体にある。言い換えれば、熱によってアレルゲンを不活性化するために必要な温度や加熱温度の組み合わせなどの条件は、可能な組み合わせが本発明に含まれるものである。
【0014】
またここで使用される「熱の存在する条件」とは、それ自身公知の熱源を用いてアレルゲンまたはこれを含む対象を加熱しても、或いは加熱した媒体を介して間接的にアレルゲンまたはこれを含む対象を加熱しても得ることが可能である。
【0015】
(2)アルカリ
本発明に従って、アルカリの存在する条件下でアレルゲンを不活性化する場合、例えば、約2.5MのNaOHが存在する条件、またはこれに類似する条件を達成し得る塩基性物質が存在する条件下でアレルゲンを存在させればよい。本発明においてアルカリの存在する条件を得るために使用できる塩基性物質は、水に溶解した場合に水酸化物イオンを生成する物質であればよい。例えば、これらに限られるものではないが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの種々の塩、並びに強塩基性陰イオン交換樹脂などの物質でよい。また、アルカリ条件に加えて、熱を存在させれば、効率的に不活性化を行うことが可能である。アルカリと熱を組み合わせて処理する場合には、加熱温度と加熱時間を調節することにより、上述の条件よりも低濃度の塩基性物質または上述の強塩基に比較してアルカリ性の弱い弱塩基性物質を使用することによっても良好なアレルゲンの不活性化が達成され得る。
【0016】
本発明の1側面において、本発明は、アレルゲンの不活性化にアルカリを使用するというユニークで且つ新しい発想を基に達成された。従って、本発明において重要な点の1つは、アルカリの存在に関する詳細な条件にあるのではなく、アルカリを利用してアレルゲンを不活性化すること自体にある。言い換えれば、アルカリによるアレルゲンの不活性化に関わるpHおよび塩基性物質の濃度、並びに加熱の有無や加熱温度および時間などの条件は、可能な全ての組み合わせが本発明に全て含まれるものである。
【0017】
(3)酸
本発明に従って、酸の存在する条件下でアレルゲンを不活性化する場合、これに限定されるものではないが、例えば、約2.5Mの濃度でHClが存在する条件、またはこれに類似する条件を達成し得る酸性物質が存在する条件下でアレルゲンを存在させればよい。本発明において酸の存在する条件を得るために使用できる物質は、水に溶解した場合に水素イオンを生成する物質であればよい。例えば、これらに限られるものではないが、塩酸および硫酸などの酸、並びに強酸性陽イオン交換樹脂が含まれる。また、酸条件に加えて、熱を存在させれば、効率的に不活性を行うことが可能である。酸と熱を組み合わせて処理する場合には、加熱温度と加熱時間を調節することにより、上述の条件よりも低濃度の酸性物質または上述の強酸に比較して酸性の弱い弱酸性物質を使用することによっても良好なアレルゲンの不活性化が達成され得る。
【0018】
上述の本発明の1側面において、本発明は、アレルゲンの不活性化に酸を使用するというユニークで且つ新しい発想を基に達成された。従って、本発明において重要な点の1つは、酸の存在に関する詳細な条件にあるのではなく、酸を利用してアレルゲンを不活性化すること自体にある。言い換えれば、酸によるアレルゲンの不活性化に関わるpHおよび酸性物質の濃度、並びに加熱の有無や加熱温度などの条件は、可能な全ての組み合わせが本発明に全て含まれるものである。
【0019】
(4)プロテアーゼ
ここで使用される「プロテアーゼ」の語は、タンパク質およびペプチドを分解する性質を有する酵素を総括的に示す。本発明において使用できる酵素は、それ自身公知の酸性、中性および塩基性の何れのプロテアーゼであってよい。例えば、トリプシンなどのセリンプロテアーゼ、パパイン、カルパイン、カテプシンBおよびカテプシンLなどのシステインプロテアーゼ、ペプシン、レニンおよびカテプシンDなどのアスパラギン酸プロテアーゼおよびメタロプロテアーゼなどのプロテアーゼであってよい。また、プロテアーゼによりアレルゲンを不活性化する場合、使用されるプロテアーゼの至適条件を考慮して、温度および補酵素などの条件を実施者が任意に選択してよい。
【0020】
また、本発明に従ってプロテーゼによってアレルゲンを不活性化する場合には、使用されるプロテアーゼに加えて尿素などの変性剤を存在させれば、より効率的に不活性を行うことが可能である。
【0021】
例えば、本発明に使用されるプロテアーゼの濃度は、例えば、pfuの場合、アレルゲンタンパク質0.45μg当たり約1ユニットである。また、プロテアーゼを使用する場合、処理温度や処理時間および尿素の有無によって、得られる効果は変動する。従って、使用されるプロテアーゼの濃度は上記に限定されるものではなく、種々の条件で有効に使用することが可能である。
【0022】
上述の本発明の1側面において、本発明は、アレルゲンの不活性化にプロテアーゼを使用するというユニークで且つ新しい発想を基に達成された。従って、本発明において重要な点の1つは、それらの濃度および処理時間並びに加熱温度および加熱時間などの詳細な条件ではなく、プロテアーゼを利用してアレルゲンを不活性化すること自体にある。言い換えれば、プロテーゼによるアレルゲンの不活性化に関わる酵素の種類および濃度、並びに加熱の有無や加熱温度および時間などの条件は、可能な全ての組み合わせが本発明に全て含まれるものである。また、プロテアーゼと尿素を併用処理してもよく、この場合もプロテアーゼの種類および濃度および尿素の濃度、並びに加熱の有無や加熱温度および時間などの条件は、可能な全ての組み合わせが本発明に全て含まれるものである。
【0023】
2.空調機への利用
本発明の更なる側面に従うと、上述した方法を空調機に利用することが可能である。即ち、本発明は、熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下にアレルゲンを維持することによりアレルゲンを不活性化する方法を行うためのアレルゲン不活性部を具備する空調機も提供するものである。
【0024】
本発明に従って使用されるアレルゲン不活性部は、熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下でアレルゲンを維持することが可能な手段であればよい。熱の存在下でアレルゲンを維持する場合には、それ自身公知の任意の加熱体を用いればよい。アルカリ、酸またはプロテアーゼの存在下でアレルゲンを維持する場合には、例えば、一般的なクロマトグラフィー技術を利用することが可能である。その場合、アルカリおよび酸を提供し得る化合物または酵素を、フィルターまたは粒子などの担体に固定化し、移動相に含まれるアレルゲンを処理すればよい。
【0025】
本発明に従って使用され得るフィルターの例を以下に示す。
【0026】
(1)熱によるアレルゲン不活性フィルター
本発明に従うフィルターの第1の例は、図1に示す通り、アレルゲンをトラップする不織布フィルター11と、この不織布フィルター11の片面に配置されたステンレス製面発熱体12と、このステンレス製面発熱体12を加熱するヒータ13とを具備する(図1)。
【0027】
ステンレス製面発熱体12としては、これに限るものではないが、例えば、ステンレス線維をメッシュ状に編んだものが含まれる。ヒータ13の電源は、通常アレルゲン不活性フィルター14は空調機に組み込まれて使用されるので、空調機の電源を利用することが好ましい。ヒータ13は、通常空調機がOFFの時、所定の温度、時間加熱するが、短時間であれば空調機などの部品に損傷を与えない程度の高温で行い、長時間であれば低温で加熱する。しかし、温度および時間は部品の材質等に応じて適宜設定することができる。ヒータ13による面発熱体12の加熱によりアレルゲンタンパク質の変性が起こり、アレルゲンとしての活性が失われる。
【0028】
(2)酸またはアルカリを保持させたアレルゲン不活性フィルター
本発明に従うフィルターの第2の例は、図2に示す通り、不織布フィルター21に、強酸性陽イオン交換樹脂または強塩基性陰イオン交換樹脂を保持させたことを特徴とする(図2)。このようなフィルターは、以下に示すようなイオン交換樹脂(例えば、線維または粒状樹脂であってよい)を一般的なフィルターに織り込むことにより製造可能である。
【0029】
i)強酸性陽イオン交換樹脂
本発明では、例えば、一般式R−SO・H(但し、Rは高分子基体を)で表される強酸性陽イオン交換樹脂を使用することが可能である。この樹脂は酸を用いて再生することが可能である。使用前には酸を用いて活性化しておく必要がある。
【0030】
ii)強塩基性陰イオン交換樹脂
また、本発明では、例えば、以下の一般式で表される強塩基性陰イオン交換樹脂を使用することが可能である。この樹脂は塩基を用いて再生することが可能である。使用前には塩基を用いて活性化しておく必要がある。
【0031】
【化1】
Figure 2004089673
酸またはアルカリの存在する条件下で維持されたアレルゲンタンパク質はそのpH条件の作用によって変性され、アレルゲンとしての活性を失う。
【0032】
(3)酵素を保持させたアレルゲン不活性フィルター
本発明に従うフィルターの第3の例は、図3に示す通り、吸水性ポリマーの径より小さいメッシュを有した第1の支持体31と、この第1の支持体31の片側に配置された、吸水性ポリマーの径より小さいメッシュを有した第2の支持体32と、前記第1の支持体と第2の支持体間に配置された吸水性ポリマー層34とを具備する(図3)。
【0033】
酵素の担体としては、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、アクリル酸−ナトリウム重合体などの吸水性ポリマーを使用し得る。また、前記担体の吸水能は少なくとも乾燥重量1gの吸水性ポリマー当たり600g程度であることが好ましい。
【0034】
前記第1および第2の支持体としては、例えば、樹脂製のものが挙げられるが、これに限るものではない。また、前記吸水性ポリマー34は、所定数のプロテアーゼを含むことが好ましい。酵素を保持させたアレルゲン不活性フィルター35は、例えば、担体を織り込んだフィルターを作製した後に酵素溶液をフィルターに塗布してもよく、担体に酵素溶液を塗布した後にこれをフィルターに織り込んでもよい。また、相対湿度(即ち、水分活性)を70%以下に保つことによってカビ汚染も減少できる。更に、界面活性剤(例えば、0.1%程度)を共存させることによって更なる効果も期待できる。
【0035】
アレルギーはアレルゲンが直接皮膚に接触することによっても生じるが、その多くは、空気中の浮遊アレルゲンを吸引することによって生じる。従って、空気中のアレルゲンを排除できれば、アレルギー症状を緩和できると考えられる。上述のような本発明に従う装置によって空気中に浮遊するアレルゲンを不活性化することが可能であり、それにより住環境の大幅な改善が期待できる。
【0036】
【実施例】
以下、例を用いて本発明を更に詳しく説明する。
【0037】
1.材料
本発明の実施例では、本発明の効果を説明するために、花粉症の中でも最も患者数が多いとされるスギ花粉をアレルゲンとして用いて実験を行った。具体的には、スギのアレルゲンとしてスギ抽出物とスギ抗原を使用した。
【0038】
(1)スギ抽出物
スギ花粉の抽出物として市販のスギ抽出物を使用した。市販のスギ抽出物は、コスモバイオ社より入手したスギ抽出物−Cjである。このスギ抽出物は、具体的には、スギ花粉を炭酸水素ナトリウム(pH.8)で攪拌後、ホモジナイズし、硼酸緩衝溶液で透析したものである。使用時には、これを精製水を用いて1mg/mLの濃度に懸濁したものをスギ原液として使用した。
【0039】
(2)スギ抗原
スギ抗原Cryj−1(以下、Cj−1と記す)と、Cryj−2(以下、Cj−2と記す)は共に林原研究所から入手し、使用時には各々100μg/mLで使用した。
【0040】
2.実施例
2−1.電気泳動による解析
実施例1 スギ抽出物の熱による不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのフェニルメチルスルホニルフルオリド液(以下、PMSF液と記す。これはプロテアーゼ阻害剤である)を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1とした。
【0041】
(2)サンプル2(スギ抽出物熱処理1)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル2とした。
【0042】
(3)サンプル3(スギ抽出物熱処理2)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、65℃で120分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル3を作成した。
【0043】
(4)電気泳動
上記の(1)から(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1〜3を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキット(NuPageTM MOPS buffer kit for Bis−Tris gels)を用いて、各レーンに対して、上記で作成したサンプル1からサンプル3を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標、simply BlueTM SafeStain)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0044】
その結果を図4に示す。図4から明かであるように、加熱によりサンプル1では見られた複数のバンドが、サンプル2および3では観察されなかった。即ち、80℃で20分の加熱処理および65℃で120分の加熱処理によって、スギ由来のタンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図4)。
【0045】
実施例2 スギ抽出物のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1を作成した。
【0046】
(2)サンプル4(スギ抽出物pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μL(0.2ユニット)のpfu プロテアーゼS(pfu ProteaseS、宝酒造社製、以下、pfuと記す)を加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル4を作成した。
【0047】
(3)サンプル5(スギ抽出物パパイン処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、27.0μLのスギ原液と3μL(0.2g/mL)の食品用精製パパイン(ナガセケムテックス社製、以下、パパインと記す)を加え、40℃で15分間加熱した。その後、そこに、3μLのインヒビターカクテル液(プロテーゼ阻害剤、roche社製、1錠/mL)を加えた。更にそこに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル5を作成した。
【0048】
(4)電気泳動
上記の(1)から(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1、サンプル4及びサンプル5を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル1、サンプル4及びサンプル5を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0049】
その結果を図5に示す。図5から明かであるように、2種類のプロテアーゼ処理により、サンプル1のレーンで見られた複数のバンドは、サンプル4および5では観察されなかった。また、サンプル4および5ではそれぞれ、サンプル1ではバンドのなかった位置にプロテアーゼに由来するバンド(図5中破線の楕円で囲んだバンド)のみが観察された。従って、2種類のプロテアーゼ処理により、スギタンパク質の大部分が分解されたことが分かった(図5)。
【0050】
実施例3 スギ抗原Cryj−1のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル6(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−1液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル6を作成した。
【0051】
(2)サンプル7(スギ抗原pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−1液と2μLのpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対してインビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル7を作成した。
【0052】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル6およびサンプル7を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル6およびサンプル7を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0053】
その結果を図6に示す。図6から明かであるように、プロテアーゼ処理により、サンプル6で2本観察されていたバンドがサンプル7では消失し、プロテアーゼに由来するバンド(図6中破線楕円により囲まれるバンド)のみが観察された。従って、プロテアーゼ処理によってスギ抗原Cj−1タンパク質の大部分が分解されたことが分かった(図6)
実施例4 スギ抗原Cryj−2のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル8(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−2液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対してインビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル8を作成した。
【0054】
(2)サンプル9(スギ抗原pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−2液と2μLのpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル9を作成した。
【0055】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル8およびサンプル9を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル8およびサンプル9を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0056】
その結果を図7に示す。図7から明かであるように、サンプル8で見られたバンドはプロテアーゼ処理によって消失し、それに変わってサンプル9ではプロテアーゼに由来するバンド(図7中破線楕円で囲んだバンド)のみが観察された(図7)従って、プロテアーゼ処理によりスギ抗原Cj−2タンパク質の大部分が分解されたことが分かった(図7)。
【0057】
2−2.電気泳動とウエスタンブロットによる解析
以下に、上述の実施例1から4で処理したのと同様にアレルゲンを処理した後で、電気泳動どウエスタンブロットとを組み合わせた方法によりアレルゲンの不活化を測定した結果を示す。
【0058】
上述したようにアレルゲンはタンパク質である。従って、タンパク質を分解および/または変性させることによりアレルゲンとしての能力を失わせることが可能である。これを生化学の知識で理解できる効果的なアレルゲン不活性方法を本出願人は特願2001−384762で報告してる。
【0059】
上記の報告では、アレルゲンの測定を簡易測定法(即ち、ドットブロットやダニスキャン(登録商標)を利用した方法)により行っていた。そのため、アレルゲンの不活性化状況が詳細には分からなかった。1つの原因物質、例えば、ダニや花粉などに含まれるアレルゲンは、詳しくは何種類ものグループに分類されるアレルゲンが存在するものである。従って、それらの個別のアレルゲンに関して不活性化が可能であることを確認することは大切である。
【0060】
特願2002−106834において、本発明者らは、そのような個別のアレルゲンについてその活性を測定できる方法を開示している。これはタンパク質電気泳動とウエスタンブロットとを組み合わせた方法である。この方法は、タンパク質電気泳動により、エピトープとなるアレルゲンを分離する。その結果から、タンパク質の存在有無や検出されるバンド濃淡を指標に、アレルゲンに含まれるタンパク質の分解および/または変性が生じたか否かを判定できる。さらに詳細な分析として、抗原抗体反応を利用したウエスタンブロットを行うことにより、、そこに存在する物質がアレルゲン性を有するか否かを判定する。以下、そのような方法により、本発明の方法に従って処理したアレルゲンが不活性化されていることを説明する。
【0061】
実施例5 スギ抽出物の熱による不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1を作成した。
【0062】
(2)サンプル2(スギ抽出物熱処理1)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル2を作成した。
【0063】
(3)サンプル3(スギ抽出物熱処理2)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、65℃で120分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル3を作成した。
【0064】
(4)電気泳動
上記の(1)から(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1〜3を先ず電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル1からサンプル3を夫々15μLずつ添加し、電気泳動を行った。
【0065】
(5)ウエスタンブロット
上記(4)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュール(XcellIITM Blot Module)を製造者の処方箋に従って使用した。
【0066】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−1抗体(コスモバイオ社製、ウサギ全血清)を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(WesternBreez Chemiluminescent Detection System, Anti Rabbit、登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標、アマシャムファルマシア社製)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0067】
その結果を図8に示す。図8から明かであるように、サンプル1で観察されていたバンドは、サンプル2および3では消失し、その変わりに前記バンドの上方に広範囲に亘るバンドが観察された。このバンドはスギタンパク質が変性した結果生じたものであると考えられる。従って、その結果から加熱によりCj−1アレルゲンの不活性化が生じると示唆された(図8)。
【0068】
実施例6 スギ抽出物のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1を作成した。
【0069】
(2)サンプル4(スギ抽出物pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μL(0.2ユニット)のpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル4を作成した。
【0070】
(3)サンプル5(スギ抽出物パパイン処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、27.0μLのスギ原液と3μL(0.2g/mL)の食品用精製パパイン(ナガセケムテックス社製、以下、パパインと記す)を加え、40℃で15分間加熱した。その後、そこに、3μLのインヒビターカクテル液を加えた。更にそれに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル5を作成した。
【0071】
(4)電気泳動
上記の(1)から(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1、サンプル4及びサンプル5を先ず、電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル1、サンプル4及びサンプル5を夫々15μLずつ添加した。
【0072】
(5)ウエスタンブロット
上記(4)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0073】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−1抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0074】
その結果を図9に示す。図9から明かであるように、サンプル1で観察されたバンドは、サンプル4および5では消失していた。従って、プロテアーゼによりCj−1アレルゲンは不活性化されることが示唆された(図9)。
【0075】
実施例7 スギ抽出物の熱による不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対してインビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1を作成した。
【0076】
(2)サンプル2(スギ抽出物熱処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル2を作成した。
【0077】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1および2を、先ず電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル1およびサンプル2を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0078】
(4)ウエスタンブロット
上記(3)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0079】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−2抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0080】
その結果を図10に示す。図10から明かであるように、サンプル1で観察されたバンドはサンプル2では消失していた。従って、加熱処理によってCj−2アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図10)。
【0081】
実施例8 スギ抽出物のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル1(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対してインビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル1を作成した。
【0082】
(2)サンプル4(スギ抽出物pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのスギ原液と2μL(0.2ユニット)のpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNupageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル4を作成した。
【0083】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル1およびサンプル4を先ず、電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル1およびサンプル4を夫々15μLずつ添加した。
【0084】
(4)ウエスタンブロット
上記(3)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0085】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−2抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0086】
その結果を図11に示す。図11から明かであるように、サンプル1で観察されたバンドはサンプル4では消失していた。従って、プロテアーゼ処理によってCj−2アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図11)。
【0087】
実施例9 スギ抗原Cryj−1のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル6(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−1液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル6を作成した。
【0088】
(2)サンプル7(スギ抗原pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−1液と2μLのpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。更にそれに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル7を作成した。
【0089】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル6およびサンプル7を、先ず、電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル6およびサンプル7を夫々15μLずつ添加した。
【0090】
(4)ウエスタンブロット
上記(3)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0091】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−1抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0092】
その結果を図12に示す。図12から明かであるように、サンプル6で観察されたバンドはサンプル7では消失していた。従って、プロテアーゼ処理によってCj−1アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図12)。
【0093】
実施例10 スギ抗原Cryj−2のプロテアーゼによる不活化
(1)サンプル8(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−2液と2μLの水を加え、更に、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル8を作成した。
【0094】
(2)サンプル9(スギ抗原pfu処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、22.5μLのCj−2液と2μLのpfuを加え、80℃で20分間加熱した。その後、そこに、0.5μLのPMSF液を加えた(PMSFの終濃度は4mMである)。インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル9を作成した。
【0095】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル8およびサンプル9を、先ず、電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル8およびサンプル9を夫々15μLずつ添加した。
【0096】
(4)ウエスタンブロット
上記(3)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0097】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−2抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0098】
その結果を図13に示す。図13から明かであるように、サンプル8で観察されたバンドはサンプル9では消失していた。従って、プロテアーゼ処理によってCj−2アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図13)。
【0099】
2−3.花粉アレルゲン不活性部を具備する空調機の例
実施例11
図1を参照しながら実施例11を説明する。図中の符番11は、アレルゲンをトラップする不織布フィルターを示す。この不織布フィルター11の下面には、花粉粒子(20〜30μm)やダニ(特にダニの糞、10〜40μm)の径より小さいメッシュを有したステンレス製の繊維状面発熱体12が配置されている。このステンレス製の線維状面発熱体(商品名:ソフテレック、帝人社製)12の下部には、前記面発熱体12を加熱する電熱ヒータ13が配置されている。
【0100】
このように実施例9に係るアレルゲン不活性フィルター14は、アレルゲンをトラップする不織布フィルター11と、この不織布フィルター11の下面に配置された、花粉粒子やダニの径より小さいメッシュを有したステンレス製面発熱体12と、この繊維状面発熱体12の下部に配置された、該面発熱体12を加熱する電熱ヒータ13とを具備した構成となっている。
【0101】
こうしたアレルゲン不活性フィルター14は、後述する空調機(図14参照)の所定の位置にエアコン搭載可能な大きさ(例えば、5cm×10cm)で取り付けられて使用される。空調機の空気取り込み口にアレルゲン不活性フィルター14を取り付ける際は、不織布フィルター11をアレルゲン含有空気(矢印A)の入口側に配置する。そして、空調機がOFFの時、フィルター14の電熱ヒータ13をONにして面発熱体12の加熱温度を例えば約70℃で発熱される。
【0102】
これにより、アレルゲン含有空気は不織布フィルター11を通過するが、高温状態に保持された面発熱体12で花粉粒子やダニが捕獲され、ここでアレルゲンタンパク質の変性が行われ、アレルゲンとしての活性は失われ、ステンレス面発熱体12からはアレルゲン軽減空気(矢印B)が通過する。
【0103】
従って、実施例11のアレルゲン不活性フィルター14によれば、従来のように害虫駆除用の薬品を用いることがないので、薬品自体の人体への影響を回避できるとともに、前記発熱体を所定の温度で加熱するだけで自動的にアレルゲン量を軽減することができる。
【0104】
実施例12
図2を参照する。実施例12に係るアレルゲン不活性フィルター21は、不織布フィルター22に、強酸性陽イオン交換樹脂(図示せず)を保持させた構成となっている。ここで、強酸性陽イオン交換樹脂は、R−SO3・H(但し、Rは高分子基体を示す)であり、酸を使って再生が可能である。この強酸性陽イオン交換樹脂は、使用前に活性化しておく。
【0105】
実施例12によれば、アレルゲン含有空気Aが不織布フィルター22を通過するだけで該不織布フィルター22に保持された強酸性陽イオン交換樹脂によりアレルゲンタンパク質はそのpHの影響で変性し、アレルゲンとしての活性を失う。従って、不織布フィルター22からはアレルゲン軽減空気Bが排気される。従って、実施例12のアレルゲン不活性フィルター21によれば、従来のように害虫駆除用の薬品を用いることがないので薬品自体の人体への影響を回避できるとともに、強酸性陽イオン交換樹脂を保持させた不織布フィルター22にアレルゲン含有空気Aを通すだけで自動的にアレルゲン量を軽減することができる。
【0106】
なお、実施例12では、強酸性陽イオン交換樹脂を使用する場合について述べたが、これに限らず、上記化合物1に示す強塩基性陰イオン交換樹脂を使用してもよい。但し、この場合も、強塩基性陰イオン交換樹脂は使用前に活性化しておくことが好ましい。
【0107】
実施例13
図3を参照して実施例13を説明する。図中の符番31は吸水性ポリマー32が移動しない大きさで且つ花粉粒子やダニを通すメッシュ(>50μm)を有した樹脂製の第1の支持体を示す。この第1の支持体31の下側には吸水性ポリマー34が移動しない大きさで且つ花粉粒子やダニを通さないメッシュ(>50μm)を有した樹脂製の第2の支持体33が配置されている。前記第1の支持体31と第2の支持体33の間には、吸水性ポリマー32からなる吸水性ポリマー層34が挟まれて配置されている。ここで、吸水性ポリマー32は、例えば、50万ユニット/フィルターのプロテアーゼを含んでいる。前記吸水ポリマー層34は、例えば、プロテアーゼを含む酸素溶液にポリマーを含浸させることにより形成することができる。
【0108】
実施例13に係るアレルゲン不活性フィルター35は、樹脂製の第1の支持体31と第2の支持体33の間に吸水性ポリマー層34を挟んだ構造を有する。それにより、アレルゲン含有空気Aが吸水性ポリマー層34を通過するだけで、タンパク質を分解する酵素によってアレルゲンが分解される。従って、実施例13のアレルゲン不活性フィルター35によれば、従来のように害虫駆除用の薬品を用いることがないので薬品自体の人体への影響を回避できるとともに、吸水性ポリマー層34にアレルゲン含有空気Aを通すだけで自動的にアレルゲン量を軽減することができる。
【0109】
実施例14
図14は、実施例11から13に係るアレルゲン不活性フィルターをエアコンの空気取り込み口に取り付けた例を示す。図14において、符番42はエアコン用冷却ユニットを示し、符番43は筐体を示す。この筐体43の内側には、ファン44などが配置されている。ここで、前記アレルゲン不活性フィルター14は、該フィルター14の主要な構成である不織布フィルター21が空気アレルゲン含有空気の入口に位置するよう配置される。
【0110】
このように実施例14に係る空調機は、エアコンの空気取り込み口にアレルゲン不活性フィルター14を配置した構成になっている。そのため、空調機がOFFの時、フィルター14の電熱ヒータ13をONにして面発熱体12を発熱させることにより、高温状態に保持された面発熱体12で花粉粒子やダニが捕獲され、ここでアレルゲンタンパク質の変性が起こり、アレルゲンとしての活性が失われる。ステンレス面発熱体12からはアレルゲン軽減空気が通過する。なお、前記電熱ヒータ13には空調機の電源を利用する。
【0111】
エアコン、空気清浄機などの空調機に、本発明のアレルゲン分解機能を付加することで住環境の著しい改善が図れる。
【0112】
2−4.酸およびアルカリの効果
実施例15 スギ抽出物の酸による不活化
(1)サンプル10(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と20μLの水を加えた。更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル10とした。
【0113】
(2)サンプル11(スギ抽出物HCl処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と10μLの5N塩酸を加え、60℃で60分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0114】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル11を作成した。
【0115】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル10および11を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル10およびサンプル11を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0116】
その結果を図15に示す。図15から明かであるように、サンプル10で観察されたスギ花粉アレルゲンに由来するバンドはサンプル11では消失していた。従って、酸処理によってスギ由来のタンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図15)。
【0117】
実施例16 スギ抗原Crj−1の酸による不活化
(1)サンプル12(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と20μLの水を加えた。更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル12を作成した。
【0118】
(2)サンプル13(スギ抗原HCl処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と10μLの5N塩酸を加え、60℃で60分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0119】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル13を作成した。
【0120】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル12および13を電気泳動で解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル12およびサンプル13を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0121】
その結果を図16に示す。図16から明かであるように、サンプル12で観察されたスギ抗原Cj−1に由来するバンドはサンプル13では消失していた。従って、酸処理によってスギ抗原Cj−1タンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図16)。
【0122】
実施例17 スギ抗原Crj−2の酸による不活化
(1)サンプル14(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−2液と20μLの水を加えた。更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル14を作成した。
【0123】
(2)サンプル15(スギ抗原HCl処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−2液と10μLの5N塩酸を加えて、60℃で60分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0124】
更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル15を作成した。
【0125】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル14および15を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル14およびサンプル15を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0126】
その結果を図17に示す。図17から明かであるように、サンプル14で観察されたスギ抗原Cj−2に由来するバンドはサンプル15では消失していた。従って、酸処理によってスギ抗原Cj−2タンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図17)。
【0127】
実施例18 スギ抽出物のアルカリによる不活性化
(1)サンプル10(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と20μLの水を加えた。更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル10とした。
【0128】
(2)サンプル16(スギ抽出物NaOH処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と10μLの5Nの水酸化ナトリウムを加え、40℃で10分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N塩酸を加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0129】
更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル16とした。
【0130】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル10および16を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル10およびサンプル16を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0131】
その結果を図18に示す。図18から明かであるように、サンプル10で観察されたスギ花粉アレルゲンに由来するバンドはサンプル16では消失していた。従って、アルカリ処理によってスギ由来のタンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図18)。
【0132】
実施例19 スギ抗原Crj−1のアルカリによる不活性化
(1)サンプル12(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と20μLの水を加えた。更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル12を作成した。
【0133】
(2)サンプル17(スギ抗原NaOH処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と10μLの5N水酸化ナトリウムを加え、40℃で10分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N塩酸を加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0134】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル17を作成した。
【0135】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル12および17を電気泳動で解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル12およびサンプル17を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0136】
その結果を図19に示す。図19から明かであるように、サンプル12で観察されたスギ抗原Cj−1に由来するバンドはサンプル17では消失していた。従って、酸処理によってスギ抗原Cj−1タンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図19)。
【0137】
実施例20 スギ抗原Crj−2のアルカリによる不活性化
(1)サンプル14(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−2液と20μLの水を加えた。更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル14を作成した。
【0138】
(2)サンプル18(スギ抗原NaOH処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−2液と10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて、40℃で10分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N塩酸を加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0139】
更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル18を作成した。
【0140】
(3)電気泳動
上記の(1)および(2)の方法により作成した電気泳動用のサンプル14および18を電気泳動により解析した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル14およびサンプル18を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0141】
その結果を図20に示す。図20から明かであるように、サンプル14で観察されたスギ抗原Cj−2に由来するバンドはサンプル18では消失していた。従って、酸処理によってスギ抗原Cj−2タンパク質の大部分が変性されたことが明かとなった(図20)。
【0142】
実施例21 酸およびアルカリのアレルゲン不活性化についての電気泳動とウエスタンブロットによる解析(1)
(1)サンプル10(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と20μLの水を加えた。更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル10とした。
【0143】
(2)サンプル11(スギ抽出物HCl処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と10μLの5N塩酸を加え、60℃で60分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0144】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル11を作成した。
【0145】
(3)サンプル16(スギ抽出物NaOH処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのスギ原液と10μLの5Nの水酸化ナトリウムを加え、40℃で10分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N塩酸を加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0146】
更にそれに対して、インビトロジェン社(Invitrogen)のNuPageTMLDSサンプルバッファー(NuPageTMLDS sample buffer)と、同社のNuPageTMサンプル還元剤(NuPageTMsample reducing Agent)、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤(NuPageTMsample anti oxidant)を、製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル16とした。
【0147】
(4)電気泳動
上記の(1)、(2)および(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル10、11および16を、先ず電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル10、11およびサンプル16を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0148】
(5)ウエスタンブロット
上記(4)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0149】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−1抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0150】
その結果を図21に示す。図21から明かであるように、サンプル10で観察されたバンドはサンプル11および16では消失していた。従って、酸およびアルカリ処理の何れの処理によってもCj−1アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図21)。
【0151】
実施例22 酸およびアルカリのアレルゲン不活性化についての電気泳動とウエスタンブロットによる解析(2)
(1)サンプル12(コントロール)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と20μLの水を加えた。更に、そこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル12を作成した。
【0152】
(2)サンプル13(スギ抗原HCl処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と10μLの5N塩酸を加え、60℃で60分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N水酸化ナトリウムを加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0153】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル13を作成した。
【0154】
(3)サンプル17(スギ抗原NaOH処理)
1.5mLのディスポーザブルチューブに、10μLのCj−1液と10μLの5N水酸化ナトリウムを加え、40℃で10分間のインキュベーションを行った。このインキュベーションは、10μLの5N塩酸を加えて反応溶液を中和することにより終了した。
【0155】
更にそこに対して、インビトロジェン社のNuPageTMLDSサンプルバッファーと、同社のNuPageTMサンプル還元剤、更に同社NuPageTMサンプル抗酸化剤を製造者の処方箋に従って適宜添加して、電気泳動用のサンプル17を作成した。
【0156】
(4)電気泳動
上記の(1)、(2)および(3)の方法により作成した電気泳動用のサンプル12、13および17を、先ず電気泳動に供した。電気泳動用緩衝液として、ビス−トリスゲル用のNuPageTMMOPSバッファーキットを用いて、各レーンに対して上記で作成したサンプル12、13およびサンプル17を夫々15μLずつ添加した。電気泳動の後に、インビトロジェン社製のシンプリィ ブルー セイフステイン(登録商標)を用いてタンパク質の染色を行った。その後、製造者の処方箋に従って脱色を行った。
【0157】
(5)ウエスタンブロット
上記(4)の電気泳動を行った後、予め前処理を行ったPVDF膜に、タンパク質を電気的に転写した。なお、PVDF膜の前処理および転写は、インビトロジェン社製のXcellIITM ブロット モジュールを製造者の処方箋に従って使用した。
【0158】
本実施例におけるウエスタンブロットでのアレルゲン検出には、1次抗体としてCj−1抗体を5000倍に希釈して使用した。また、2次抗体、ブロッキングおよび検出試薬として、インビトロジェン社製のウェスタンブリーズ ケミルミネッセント ディテクション システム、抗ウサギ(登録商標)を製造者の処方箋に従って使用した。上記の処理を行ったPVDF膜に発光試薬を加え、どこでもカメラ ECLミニカメラ(登録商標)を用いて、ポラロイドフィルムで撮影し、タンパク質を検出した。
【0159】
その結果を図22に示す。図22から明かであるように、サンプル12で観察されたバンドはサンプル13および17では消失していた。従って、酸およびアルカリ処理の何れの処理によってもCj−1アレルゲンが不活性化されることが示唆された(図21)。
【0160】
【発明の効果】
本発明に従うと、アレルゲンを特異的に排除する方法が提供される。
【0161】
また、既に先の報告で、本発明者らは、ダニアレルゲンの不活性化方法(特願2001−384762を参照されたい)および同アレルゲンの測定方法(特願2002−106834を参照されたい)を報告している。本報告は、アレルギーの原因物質である生物由来のアレルゲンが、その種を問わずに不活性化できること、並びに活性を測定できることを報告するものでもある。また特に、特願2001−224928号で開示する技術と合わせることにより、住環境の大幅な改善が期待できる装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うアレルゲン不活性フィルターの例を示す図。
【図2】本発明に従うアレルゲン不活性フィルターの例を示す図。
【図3】本発明に従うアレルゲン不活性フィルターの例を示す図。
【図4】電気泳動の結果を示す模式図。
【図5】電気泳動の結果を示す模式図。
【図6】電気泳動の結果を示す模式図。
【図7】電気泳動の結果を示す模式図。
【図8】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図9】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図10】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図11】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図12】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図13】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図14】図1のアレルゲン不活性フィルターを空気の入口側に取り付けた本発明に係る空調機を示す図。
【図15】電気泳動の結果を示す模式図。
【図16】電気泳動の結果を示す模式図。
【図17】電気泳動の結果を示す模式図。
【図18】電気泳動の結果を示す模式図。
【図19】電気泳動の結果を示す模式図。
【図20】電気泳動の結果を示す模式図。
【図21】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【図22】ウエスタンブロットの結果を示す模式図。
【符号の説明】
1.ちり採取器  2.サンプル添加部  3.バンド  11.不織布フィルター  12.繊維状面発熱体  13.電熱ヒータ  14.アレルゲン不活性フィルター  21、22.不織布フィルター  31.第1の支持体  32.吸水性ポリマー  33.第2の支持体  34.吸水性ポリマー層  35.アレルゲン不活性フィルター  42.エアコン用冷却ユニット  43.筐体  44.ファン

Claims (3)

  1. 熱、アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1の存在する条件下に花粉アレルゲンを維持することにより、前記花粉アレルゲンを不活性化する方法。
  2. アルカリ、酸およびプロテアーゼからなる群より選択される1と熱の存在する条件下に花粉アレルゲンを維持することにより、前記花粉アレルゲンを不活性化する方法。
  3. 請求項1または2の何れか1項に記載の花粉アレルゲンを不活化する方法を行うための花粉アレルゲン不活性部を具備する空調機。
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