JP2004089263A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一端部に設けられた吸込み口64から流入される塵埃を含むエアを旋回流とする旋回流形成手段(開口64a、螺旋状壁61b)が設けられ、且つ、他端側中央に電動送風機12の吸気口41に連通するエア流出口74bが形成されていると共に、他端側の下部に塵流出口(流出口71)が形成された分離筒体61を有する。また、この電気掃除機は、前記分離筒体61の下方に配設され且つ上壁88に設けた塵流入口(流入口88b)が前記塵流出口(流出口71)に連通させられたダストカップ63を備える。しかも、この電気掃除機は、前記分離筒体61内に位置して設けられ前記エア流出口74bから前記塵流出口(流出口71)上方まで前記吸込み口64側に向けて突出する円錐状フィルタ(フィルタ75)を備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸い込まれるエアを旋回させてこのエア中に含まれる塵埃を分離捕集するようにした電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の電気掃除機としては、例えば特開2002−223997号公報に開示されたような遠心分離式のものが知られている。
【0003】
この電気掃除機では、掃除機本体内の電動送風機の吸込負圧を遠心分離式の集塵カップ,集塵ホース,手元操作パイプ,延長管を介して吸込口体に作用させることにより、この吸込負圧で清掃面の塵埃をエアと共に吸込口体内に吸い込んで、この吸い込まれた塵埃を含むエアを延長管,手元操作パイプおよび集塵ホースを介して集塵カップに上部から周方向且つ下方に向けて流入させるようにしている。
【0004】
これにより、集塵カップ内には周方向で斜め下方に向かうエアの旋回流が形成され、エアに含まれる塵埃は遠心力で集塵カップの内周面に沿って旋回させられる。そして、この旋回流に含まれる塵埃は、集塵カップの内周面に沿って旋回しながら自重で下方に降下してエアから分離され、集塵カップの底部に堆積する。一方、塵埃が分離されたエアは、上方に反転して集塵カップの中央部を上方に流れた後、上端部のフィルタを透過して電気掃除機の吸込口(吸気口)に吸い込まれるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この様な従来の反転流式の集塵カップを備える電気掃除機では、塵埃を遠心分離した後の旋回流の全てを反転させて電気掃除機側に吸い込ませるようにしているため、旋回流が反転する際のエネルギー損失が大きく、吸込効率が悪いものであった。
【0006】
このエネルギー損失による吸込効率を向上させるために、塵埃を旋回流により遠心分離する際に、旋回流の直進成分が含まれる一部をフィルタを介して電動送風機に吸い込ませる様にした直進流式の遠心分離手段を備える電気掃除機が考えられている。
【0007】
この様な電気掃除機では、フィルタの目詰まりが生じないようにするのが望ましい。
【0008】
そこで、この発明は、塵埃を旋回流により遠心分離する際に用いるフィルタの目詰まりが常にない状態として、吸込効率を向上させるようにした遠心分離手段を備える電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明の電気掃除機は、一端部に設けられた吸込み口から流入される塵埃を含むエアを旋回流とする旋回流形成手段が設けられ、且つ、他端側中央に電動送風機の吸気口に連通するエア流出口が形成されていると共に、他端側の下部に塵流出口が形成された分離筒体を有する。また、この電気掃除機は、前記分離筒体の下方に配設され且つ上壁に設けた塵流入口が前記塵流出口に連通させられたダストカップを備えている。しかも、前記分離筒体内に位置して設けられ前記エア流出口から前記塵流出口上方まで前記吸込み口側に向けて突出する円錐状フィルタを備えている。
【0010】
【発明の実施の形態1】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1中符号1で示す電気掃除機が備える掃除機本体2は、下ケース2aと、この下ケース2aの前部に上方から着脱可能に取付けられた前部上ケース2bと、下ケース2aの後部に上方から固定的に取付けられた後部上ケース2cとを有している。この掃除機本体2は前後方向に長く形成されている。前部上ケース2bは掃除機本体2内を透視可能に透明又は半透明をなしている。
【0011】
下ケース2aには、その前部下側に位置してキャスター3が取付けられているとともに、後部両側に位置して夫々車輪4が取付けられている。これらキャスタ−3及び車輪4によって掃除機本体2は水平な姿勢で被掃除面上に支持され、この掃除機本体2は被掃除面上をキャスタ−3及び車輪4の回転を伴って移動可能である。下ケース2aの前壁にはカップ出し入れ口5が形成されている。
【0012】
掃除機本体2はその後壁6を底にして被載置面に立てて置く(縦置きと称する)ことができるように構成されている。そのために、本実施形態では、両車輪4の一部を掃除機本体2の後壁6より後方に突出させているとともに、後壁6の上部側に一以上例えば二つの載置凸部7を一体に突設している。これら凸部7の突出寸法は後壁6からの車輪4の突出寸法と略同じである。両車輪4及び両載置凸部7を被載置面に当接させることにより、掃除機本体2を格納する場合等安定した状態に縦置きできる。
【0013】
掃除機本体2の後端部例えば後壁6には排気部をなす排気孔8が形成されている。更に、掃除機本体2の後端部でかつ下部には、図示しないコード通孔が設けられている。この通孔を後述の電源コード16aが通ることにより、このコード16aを自動巻取りする際に電源コード16aのプラグが掃除機本体2の上方に跳ねあがることをを抑制できる。
【0014】
掃除機本体2には、分離筒体61、ケース62、電動送風機12、ダストカップ(集塵容器)63、及びコードリール16等が収容されている。これらの分離筒体61,ケース62及び電動送風機12は、この順に後方に向けて配設されている。また、ダストカップ63及びコードリール16は、この順に後方向に向けて配設されている。しかも、ダストカップ63は分離筒体6の下側に重なるように配置され、コードリール16は電動送風機12の下側に重なるように配置されている。尚、分離筒体61は前後に略水平に延びている。
【0015】
また、分離筒体61は、吸い込まれた塵埃を含むエア(空気)を旋回流としてエアと塵埃を一時的に分離するのに用いられる。更に、ケース62は、分離筒体61と電動送風機12との間に配設されて電動送風機12の吸込室62aを形成している。
<分離筒体61>
この分離筒体61は、一端に端壁61aを有する。また、この分離筒体61は、端壁61aに偏心して一体に設けられた筒状の吸込み口(接続筒部)64と、分離筒体61の他端開口部内に嵌着されたフィルタ65を有する。
(分離筒体61及び吸込み口64)
この吸込み口64は図1,図4〜図7に示したように分離筒体61内への開口(吸込み口64からのエア流出口、即ち分離筒体61への第1のエア流入口)64aを有し、この開口64aは分離筒体61の内周面の周方向に向けられている。しかも、分離筒体61の一端部内には、開口64aの端壁61a側端から分離筒体61の他端側に向けて略1ピッチ分だけ螺旋状に延びる螺旋状壁(ガイド壁)61bが一体に形成されている。この開口64aと螺旋状壁61bは、旋回流形成手段を構成している。尚、旋回流形成手段は、この構成に限らず分離筒体61内に旋回流を発生させることができるものであれば良い。
【0016】
この螺旋状壁61bと端壁61aとの間には風路66が形成されている(図1,図2,図9参照)。この風路66は図1,図2(a)に示したように空気の流入口66aを有し、この流入口66aは分離筒体61の一端部の下部に突設した筒部61e内に形成されている。この筒部61eは下端面が掃除機本体1の後部側に向かうに従って下方に傾斜している。そして、この下端面にはシール部材61cが取り付けられている。
【0017】
また、分離筒体61の外周面には、図3,図4(a),図5〜図7及び図9に示したように分離筒体61の一端から他端まで分離筒体61の軸線(中心線)と平行に延びるコ字状の風路形成部材67が取り付けられている。この風路形成部材67内には、一端が風路66に開口し且つ他端が開口する風路68が形成されている。
【0018】
更に、分離筒体61の他端部近傍の部分には、図4(a),図7(a)に示したように周方向に向かうに従って外周面からの突出量が徐々に大きくなる円弧状の膨出部69が形成されている。この膨出部69内には図4(a)に示したように周方向に向かうに従って分離筒体61の内周面からの深さが徐々に深くなるガイド溝70が形成されている。71はガイド溝70の端部の流出口(塵流出口)である。この流出口71は掃除機本体2の前後方向(ダストカップ63の掃除機本体2への挿入方向)に対して傾斜させられている。また、この流出口71の周縁部には図2(b),図4,図7に示したようにフランジ72が形成され、フランジ72にはシール部材73が固着されている。
(フィルタ65)
このフィルタ65は、図1に示したように端壁74a側が分離筒体61の他端部内に着脱可能に嵌合された筒体74と、螺旋状壁61bに向けて筒体74の端壁74aに突設された円錐状のフィルタ75を有する。このフィルタ(円錐状フィルタ)75は、図1,図8,図9に示したようにフィルタ枠76と、フィルタ枠76に取り付けられたネットフィルタ77を有する。このフィルタ枠76の基部内には端壁74aに形成した気流出口(筒体側エア流出口)74bが形成されている。
【0019】
このフィルタ枠76は、半球状で開口のない非フィルタ部としての先端部76aと、先端部76aから端壁74aに向けて延びる多数の支持枠部76bを有する。そして、この多数の支持枠部76b間にエア通路76cが形成されている。そして、このエア通路76cがネットフィルタ77により覆われている。尚、ネットフィルタ77の外表面は硬質で滑らかに形成されている。このネットフィルタ77としては、非常に細い金属線を編んで金網状に形成することにより表面を硬質且つ滑らかに形成した金属製フィルタでも良いし、非常に細い樹脂繊維からなる網状フィルタに金属を蒸着させて表面を硬質且つ滑らかに形成した樹脂製フィルタでも良い。
【0020】
また、筒体74の端壁74a側端部に設けられたフィルタ支持用の凸部78と、筒体74内に嵌着されたフィルタ79を有する。このフィルタ79は凸部78に当接していて、このフィルタ79と端壁74aとの間には空間80が形成されている。
(吸込室形成用のケース62)
また、掃除機本体2内には電動送風機12の前側に位置して吸込室形成用のケース62が取り付けられている。このケース62は図1,図9に示したように端壁62a,62bを有し、端壁62aには分離筒体61側に突出する大径筒部62cが形成され、端壁62bにはケース62内に突出する小径筒部62dが形成されている。更に、大径筒部62cには半径方向外方に突出する膨出部81が形成され、小径筒部62dには膨出部81に対応して切欠風路82が形成されている。
【0021】
そして、大径筒部62cには分離筒体61の他端部が着脱可能に嵌合され、膨出部80には分離筒体61の風路形成部材67が着脱可能に嵌合されている。この際、小径筒部62dがフィルタ79に当接して、小径筒部68c内に電動送風機12の吸込室83が形成されている。
(電動送風機12)
電動送風機12は、電動機部12aと、この電動機部12aにより回転されるファンが内蔵されたファン部12bとを備えている。ファン部12bの正面中央部には吸気口41が開口されている。この電動送風機12は、図示しないファンを回転させることにより、吸気口41から空気を吸込み、この空気を電動機部12aの内部に通してから、この電動機部12aに設けられている図示しない流出口から排出させて、吸塵のための送風をするように形成されている。
【0022】
電動送風機12は分離筒体11の軸方向延長上に配置されている。つまり、本実施形態では、電動送風機12が、分離筒体11の後側に、この筒体11の気流出口74b側に吸気口41を向けて配置されている。この場合、好ましい例として分離筒体11の中心軸線上に電動送風機12の中心軸線が略一致する横向き姿勢で、電動送風機12が配置されている。
【0023】
なお、図1中符号42はファン部12bの外周に嵌合させた防振ゴム、符号43は電動機部12aの後端の凸部12cに嵌合させた防振ゴムを夫々示しており、これらを介して下ケース2aと後部上ケース2bとの間に電動送風機12が防振的に支持されている。又、電動機部12aの周囲空間と前記排気孔8とは連通されている。したがって、電動送風機12から排出された空気は排気孔8を通って掃除機本体2外に分散排出されるようになっている。
<ダストカップ63>
また、ダストカップ(集塵容器)63は、図1に示したように平面形状が円形で筒状の容器本体(筒体)84と、容器本体84の側部に取り付けられた把手85と、容器本体84の下端開口を開閉可能に閉成している底蓋86と、底蓋86を容器本体84に把手85とは反対側において開閉可能に取り付けているヒンジ87を有する。尚、底蓋86は図示しないロック手段で容器本体84に保持されている。
【0024】
この容器本体84は上壁88を有し、上壁88の周縁部側には一周する螺旋状壁部88aが形成されている(図1〜図7参照)。そして、螺旋状壁部88aの開始点と終点との間には気流の流入口(塵流入口)88bが形成されている。この流入口88bは、図2(b)に示すように掃除機本体2の前後方向に対して傾斜している。しかも、このダストカップ63をカップ出し入れ口5から掃除機本体2内に挿入することで、流入口88bは傾斜する流出口71のフランジ72に固着したシール部材73に気密に係合するようになっている。そして、流入口88bはシール部材73に係合することにより流出口71に連通する様になっている。
【0025】
更に、上壁88の中央部(即ち螺旋状壁部88aの内周縁)には、ダストカップ63内に突出する内筒89が一体に形成されている。この内筒89内にはネットフィルタ90が取り付けられている。また、上壁88には内筒89に連通する接続筒部91が一体に形成され、接続筒部91の上部開口端は掃除機本体2の後方に向かうに従って下方に傾斜させられている。
【0026】
しかも、ダストカップ63をカップ出し入れ口5から掃除機本体2内に挿入することで、接続筒部91の上部開口端は分離筒体61の筒部61eに設けたシール部材61cに気密に当接係合している。これにより、接続筒部91内の流出口(カップ側エア流出口)91aが筒部61e内の流入口66aに連通している。(コードリール16)
このコードリール16は垂直軸回りに回転することにより、巻かれている電源コード16aを前記図示しないコード通孔を通って引出し可能であり、又、それに伴って巻締められる渦巻きばねの力で電源コード16aの自動巻取りが可能である。
[作用]
次に、この様な電気掃除機の作用を説明する。
【0027】
電気掃除機1はその電動送風機12を運転することにより、図示しない吸込み口体及び気流ガイド手段を通して被清掃面の塵を空気とともに吸込み口64に吸込んで掃除できる。
【0028】
この分離筒体11の吸込み口64に吸い込まれた塵埃を含む気流(空気)は、吸込み口64の開口64aから分離筒体61内に周方向に向けて流入する。この際、気流は、螺旋状壁61bに沿って流れてフィルタ65に向かう旋回流(渦流)となる。
【0029】
この気流に含まれる塵埃は、旋回流により生じる遠心力によって重いもの程分離筒体61の内周面に近い側を流れ、軽いもの程分離筒体61の中心側を流れる。
【0030】
そして、この気流のうち分離筒体61の中心側を流れる気流は、直進しながら円錐状のフィルタ75のネットフィルタ77を透過して、フィルタ枠76内に流入する。この際、気流に含まれる塵埃の一部がネットフィルタ77の外面に捕捉される。また、気流に含まれる塵埃が円錐状のフィルタ75のフィルタ枠76の先端部76aに衝突しても、この先端部76aは半球状に形成されているので、気流及び気流に含まれる塵埃をネットフィルタ77の外面に沿う方向に案内し、この先端部76aに塵埃が溜まるようなことが未然に防止される。特に、小さく軽い紙片等が先端部76aに引っかかって溜まるようなことが未然に防止される。
【0031】
このフィルタ75のネットフィルタ77を透過した気流は、一部がフィルタ79の中心側を透過して吸込室83内に流入し、残りが空間80内に流入した後フィルタ79を透過して吸込室83内に流入する。この吸込室83に流入した気流は電動送風機12の吸気口41に吸込まれる。
【0032】
一方、分離筒体61の内周面に沿って流れる旋回流は、円錐状のフィルタ75の周囲を流れながらネットフィルタ77の外面に捕捉された塵埃を巻き込んで剥離しながら旋回した後、ガイド溝70内に流入して、ガイド溝70の流出口71及び流入口88bからダストカップ63内に流入する。この際、大きな塵埃(ゴミ)はネットフィルタ75ではじかれてガイド溝70の流出口71及び流入口88bからダストカップ63内に流入する。
【0033】
このダストカップ63内に流入した塵埃を含む気流は、容器本体84と内筒89と間を容器本体84の内周面に沿う流れに変換されて、容器本体84内を螺旋状壁88aの作用により旋回しながら降下させられる矢印G1で示した旋回流となる。
【0034】
この気流の旋回に伴い、気流に含まれる塵埃が気流から分離されて容器本体84の底部である底蓋86上に堆積させられると共に、綿埃のような塵埃はこの降下する旋回流により圧縮されながら底部側で旋回させられることになる。また、この気流の中心側のものは塵埃から分離されて上昇した後、内筒89内のネットフィルタ90を透過する。この際、微細な塵埃はネットフィルタ90で捕捉されることになる。
【0035】
また、ネットフィルタ90を透過した気流は、接続筒部91内の流出口91a,筒部61e内の流入口66aを介して吸込風路66内に流入した後、風路形成部材67内の風路66及び切欠風路82を介して吸込室83に流入する。この切欠風路82から吸込室83に流入した気流は、フィルタ75及びフィルタ79を透過する気流と合流して、電動送風機12の吸気口41に吸込まれる。そして、この合流した気流は図1中矢印Eで示すように電動送風機12内を流通した後、図1中矢印Fで示すようにこの送風機12の後部外周を通って掃除機本体2の排気口8から掃除機本体2の外部に放出される。
【0036】
尚、風路66に案内される気流は空間80内に流入させるようすることもできる。実際には、この空間80内に風路66からの気流を案内させることにより、より微細な塵埃が含まれる場合、この微細な塵埃をフィルタ79で捕捉できる。
(変形例)
また、発明の実施の形態1では、ダストカップ63からのエア排気の為のバイパス風路が設けられている。このバイパス風路は、ネットフィルタ90,接続筒部91内の流出口91a,筒部61e内の流入口66a,吸込風路66,風路形成部材67内の風路66及び切欠風路82等を備えている。
【0037】
この様に発明の実施の形態1では、ダストカップ63内に流入したエアをバイパス風路を介して吸込室83に流入させるようにしているが、必ずしもこの様なバイパス風路を設けた構成に限定されるものではない。例えば、図10に示した様な分離筒体61及びダストカップ15を用いた電気掃除機に適用することもできる。
【0038】
この分離筒体61の下部には、上述した流出口71に代えて流出口(塵流出口)34が形成されていると共に、流出口34の前側に位置させてエア流入口61dが形成されている。この流出口34は円錐状のフィルタ75の下方に位置させられていると共に、流出口34の上縁部側には分離筒体61内の旋回流を分離筒体61の下方にガイドするガイド部が形成されている。
【0039】
また、ダストカップ15の上壁15bの後部及び中央部には、流出口34に対応(対向)する流入口(塵流入口)15a及びエア流入口61dに対応(対向)するエア排気口(カップ側エア流出口)15cがそれぞれ形成されている。そして、掃除機本体2の所定位置にダストカップ15を挿入した時に、流入口(塵流入口)15aが流出口34の真下に配置されると共に、エア排気口15cが分離筒体61に設けたエア流入口61dの真下に配置されるようになっている。
【0040】
図1中符号51は分離筒体61の下部とダストカップ15の上壁15bの後縁部側との間に介装された環状のシール(シール部材)、符号51aは分離筒体61の下部とダストカップ15の上壁15bの中央部との間に介装された環状のシール(シール部材)である。
【0041】
そして、シール51は、流入口(塵流入口)15a及び流出口(塵流出口)34の周縁に沿って分離筒体61の下部と上壁15bの後縁部側との間に介装されて、流入口15a及び流出口34同士を互いに連通させると共に、この連通部分を大気に対して気密にシールしている。
【0042】
また、シール51aは、ダストカップ15のエア排気口15c及び分離筒体61のエア流入口61dの周縁に沿って分離筒体61の下部と上壁15bの後縁部側との間に介装されて、エア排気口(カップ側エア流出口)15c及びエア流入口61d同士を互いに連通させると共に、この連通部分を大気に対して気密にシールしている。
【0043】
これにより、ダストカップ15の流出口(カップ側エア流出口)15cは、分離筒体61のエア流入口61d,フィルタ75,79等を介して電気掃除機12の吸気口41に連通している。
【0044】
尚、シール51,51aは、分離筒体61の外筒32に設けても良いし、ダストカップ15に設けても良い。また、シール51を外筒32に設けて,シール51aをダストカップ15に設けた構成としても良い。
【0045】
この構成でも、発明の実施の形態1と同様に円錐状のフィルタ75のネットフィルタ77に捕捉される塵埃がフィルタ75の周囲を流れる旋回流により剥離されて、この剥離された塵埃が旋回流と共にダストカップ63に代えたダストカップ15内に流入口15aを介して流入する。
【0046】
そして、この旋回流がダストカップ15内で周方向及び下方に向かう際に、旋回流の中の塵埃が遠心力及び自重によりダストカップ15の周面に沿って旋回しながら降下する。この旋回に伴って塵埃とエアが分離され、分離されたエアはダストカップ15の中央を上昇してエア排気口(エア流出口)15c及び分離筒体61の下部のエア流入口61dを介して分離筒体61内に流入する。この流入した気流は、一部が分離筒体61内の旋回流に合流し、残りがフィルタ65を透過する。
【0047】
以上説明した様にこの発明の実施の形態の電気掃除機は、一端部に設けられた吸込み口64から流入される塵埃を含むエアを旋回流とする旋回流形成手段(開口64a、螺旋状壁61b)が設けられ、且つ、他端側中央に電動送風機12の吸気口41に連通するエア流出口74bが形成されていると共に、他端側の下部に塵流出口(流出口71)が形成された分離筒体61を有する。また、この電気掃除機は、前記分離筒体61の下方に配設され且つ上壁88に設けた塵流入口(流入口88b)が前記塵流出口(流出口71)に連通させられたダストカップ63を備える。しかも、この電気掃除機は、前記分離筒体61内に位置して設けられ前記エア流出口74bから前記塵流出口(流出口71)上方まで前記吸込み口64側に向けて突出する円錐状フィルタ(フィルタ75)を備えている。
【0048】
この構成によれば、フィルタ面積を大きくできる円錐状のフィルタ75に付着したゴミを剥離して、ダストカップに捕集できる。 また、大きなゴミは直接はじいて、ゴミの入口(塵流出口から塵流入口(流入口88b))に入りやすくする。
【0049】
更に、塵埃を旋回流により遠心分離する際に、旋回流の直進成分が含まれる一部をフィルタ75を介して電動送風機に吸い込ませると共に、フィルタ75に付着する塵埃を旋回流で剥離させて、フィルタ75の目詰まりが常にない状態とすることができる。
【0050】
また、この発明の実施の形態によれば、前記円錐状フィルタ(フィルタ75)の先端部76aは非フィルタ部となっている。この構成によれば、ゴミが円錐状フィルタ(フィルタ75)の先端部76aに付着するのを防止できると共に、フィルタ75(ネットフィルタ77)の破れを防止できる。
【0051】
尚、各実施の形態では、ダストカップ63の上部中央に分離筒体61に連通する流出口71を設けて、ダストカップ63内に旋回流を起こさせる構成としたが、流出口を設けずにダストカップ63内に積極的に風を起こさない構成としても良い。
【0052】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成したので、塵埃を旋回流により遠心分離する際に用いるフィルタの目詰まりが常にない状態として、吸込効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態2の掃除機本体の断面図である。
【図2】(a)は図1の要部拡大断面図、(b)は図4(a)の接続部の断面図である。
【図3】図1のダストカップ及び分離筒体をダストカップの底蓋を取り外して見た斜視図である。
【図4】(a)は図1の分離筒体からダストカップへ気流を案内する部分における断面図、(b)は(a)の流出口71を右から見た説明図である
【図5】図3のダストカップ及び分離筒体を他の角度から見た斜視図である。
【図6】図5のダストカップ及び分離筒体の平面図である。
【図7】(a)は図3のダストカップ及び分離筒体を別の角度から見た斜視図、(b)は吸込み口の部分における水平断面図である。
【図8】(a)は図1のフィルタの斜視図、(b)は(a)のフィルタの正面図、(c)は(b)のA4−A4線に沿う断面図である。
【図9】(a)は図1のA5−A5線に沿う断面図、(b)は(a)のA6−A6線に沿う断面図である。
【図10】この発明の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・電気掃除機
2・・・掃除機本体
64a・・・開口(旋回流形成手段の一部)
61b・・・螺旋状壁(旋回流形成手段の一部)
12・・・電動送風機
41・・・吸気口
74b・・・エア流出口
71・・・流出口(塵流出口)
61・・・分離筒体
88・・・上壁
88b・・・流入口(塵流入口)
63・・・ダストカップ
75・・・フィルタ(円錐状フィルタ)
76・・・フィルタ枠
76a・・・先端部
77・・・ネットフィルタ77
Claims (2)
- 一端部に設けられた吸込み口から流入される塵埃を含むエアを旋回流とする旋回流形成手段が設けられ、且つ、他端側中央に電動送風機の吸気口に連通するエア流出口が形成されていると共に、他端側の下部に塵流出口が形成された分離筒体と、
前記分離筒体の下方に配設され且つ上壁に設けた塵流入口が前記塵流出口に連通させられたダストカップを備える電気掃除機であって、
前記分離筒体内に位置して設けられ前記エア流出口から前記塵流出口上方まで前記吸込み口側に向けて突出する円錐状フィルタを備えることを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1に記載の電気掃除機において、前記円錐状フィルタの先端部は非フィルタ部となっていることを特徴とする電気掃除機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-08-29 JP JP2002251281A patent/JP2004089263A/ja active Pending
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