JP2004088737A - 画像符号化方法および画像復号化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】符号化効率の向上を図った画像符号化方法及び画像復号化方法を提供する。
【解決手段】画像符号化方法は、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップ(S100)と、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップ(S102,S104)と、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップ(S106,S108)と、前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップとを含む。
【選択図】 図3
【解決手段】画像符号化方法は、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップ(S100)と、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップ(S102,S104)と、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップ(S106,S108)と、前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップとを含む。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号を符号化する画像符号化方法、符号化された画像信号を復号する画像復号化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアアプリケーションの発展に伴い、画像、音声、及びテキストなど、あらゆるメディアの情報を統一的に扱うことが一般的になってきた。これにより、全てのメディアをディジタル化することにより統一的にメディアを扱うことが可能になる。
【0003】
しかしながら、ディジタル化された画像は膨大なデータ量を持つため、蓄積又は伝送のためには、画像の情報圧縮技術が不可欠である。一方で、圧縮した画像データを相互運用するためには、圧縮技術の標準化も重要である。画像圧縮技術の標準規格としては、ITU−T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)のH.261、H.263、ISO(国際標準化機構)のMPEG(Moving Picture Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4などがある(例えば、非特許文献1参照。)。また、ITUでは、現在、最新の画像符号化規格としてH.264が標準化中であり、標準化過程におけるドラフト案はH.26Lと呼ばれる。
【0004】
MPEG−1,2,4及びH.263などの動画像符号化方式に共通の技術として動き補償を伴うピクチャ間予測がある。これらの動画像符号化方式の動き補償では、入力画像のピクチャを所定のサイズの矩形領域(以降、ブロックと呼ぶ)に分割し、各ブロック毎にピクチャ間の動きを示す動きベクトルから予測画素を生成する。
【0005】
以下、動き補償を伴うピクチャ間予測を説明するため、次の(1)〜(6)に示す内容を説明する。
(1)Bピクチャの概念
(2)補間予測
(3)ピクチャ番号と参照インデックス
(4)ダイレクトモード
(5)従来の画像符号化装置
(6)従来の画像復号化装置
【0006】
(1)Bピクチャの概念
H.26LのBピクチャ(2方向予測[Bi−predictive]ピクチャ)について、図30を用いて説明する。
【0007】
図30は、Bピクチャの概念図である。
ピクチャTPは符号化対象のBピクチャであり、ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4はそれぞれ符号化済のピクチャである。ブロックB1は、ブロックRB1とブロックRB2とを参照してピクチャ間予測されたブロックであり、ブロックB2は、ブロックRB21とブロックRB22とを参照してピクチャ間予測されたブロックであり、ブロックB3は、ブロックRB31とブロックRB32とを参照してピクチャ間予測されたブロックである。
【0008】
このように、Bピクチャである符号化対象ピクチャTPは、他の2つのピクチャにそれぞれ含まれるブロックを参照してピクチャ間予測されるブロックを含んでいる。
【0009】
(2)補間予測
補間予測について、図31を用いて説明する。
図31は、補間予測の説明図である。
ブロックRB1とブロックRB2は、補間予測に使用される2つの参照ブロックであり、ブロックPBは補間処理により得られた予測ブロックを示す。ここでは、ブロックサイズは4×4画素として説明する。
【0010】
X1(i)は参照ブロックRB1の画素値を示し、X2(i)は参照ブロックRB2の画素値を示し、P(i)は予測ブロックPBの画素値を示す。画素値P(i)は次式のような線形予測式により得ることができる。
P(i)=A・X1(i)+B・X2(i)+C
【0011】
ここで、A,B,Cは線形予測係数である。この線形予測係数には、MPEG−1,2のように、平均値(A=1/2,B=1/2,C=0の場合)のみが使用される場合もあるし(厳密には、X1(i)+X2(i)を1/2した値を最も近い整数値に丸めた値)、明示的に他の値に設定される場合もある。他の値に設定される場合には、その値は、画像符号化信号中に格納されて画像符号化装置から画像復号化装置に伝送される。
【0012】
このように複数の参照ピクチャから画素補間によりピクチャ間予測されるブロックを「補間予測ブロック」と呼ぶ。Bピクチャは、補間予測ブロックをピクチャ内に含むことが可能なピクチャである。
【0013】
MPEG−1,MPEG−2などの画像符号化方式のBピクチャに含まれる補間予測ブロックは、図30に示すブロックB1のように符号化対象ピクチャTPに対し表示順が前の参照ピクチャRP1と、後の参照ピクチャRP3とから予測される補間予測ブロックしかなかった。
【0014】
一方、最近検討されている新しいBピクチャでは、加えて、図30に示すブロックB2,B3のように、参照ピクチャが2枚とも符号化対象ピクチャより前又は後となる補間予測ブロックも含むことができる。
【0015】
図32は、補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が前にある場合の一例を説明するための説明図である。
【0016】
ピクチャP7は符号化対象ピクチャであって、各ピクチャは、ピクチャP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7の順に符号化される。つまり、ピクチャP1,P2,P5,P6は、符号化対象ピクチャP7よりも先に符号化されてマルチフレームバッファ(メモリ)に格納されている。
【0017】
そして、符号化対象ピクチャP7に含まれる補間予測ブロックは、ピクチャP1及びピクチャP6に含まれる画素を参照して符号化される。
【0018】
図33は、補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が後にある場合の一例を説明するための説明図である。
ピクチャP4は符号化対象ピクチャであって、各ピクチャは、ピクチャP1,P2,P3,P4,P5の順に符号化される。つまり、ピクチャP1,P2,P3は、符号化対象ピクチャP4よりも先に符号化されてマルチフレームバッファに格納されている。
【0019】
そして、符号化対象ピクチャP4に含まれる補間予測ブロックは、ピクチャP2及びピクチャP3に含まれる画素を参照して符号化される。
なお、補間予測ブロックを含まずに、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測を行うブロックを含むことが可能なピクチャをPピクチャと呼び、ピクチャ間予測を行わない面内予測ブロックのみから構成されるピクチャをIピクチャと呼ぶ。
【0020】
H.26Lでは、Bピクチャのブロックの符号化には、最大2枚の参照ピクチャが使用される。そこで、2枚の参照ピクチャを区別するため、各参照ピクチャを第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャと呼ぶ。また、第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャのそれぞれに基づく動きベクトルを、第1動きベクトル及び第2動きベクトルと呼ぶ。
【0021】
例えば図30では、符号化対象ブロックB1に対して、ピクチャRP1が第1参照ピクチャとなり、ピクチャRP3が第2参照ピクチャとなり、動きベクトルMV1が第1動きベクトルとなり、動きベクトルMV2が第2動きベクトルとなる。また、第1参照ピクチャのみからの予測を第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャのみからの予測を第2参照ピクチャ予測と呼ぶ。
【0022】
なお、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測されたブロックに対しては、参照ピクチャや動きベクトルを第1、第2に区別する必要はないが、説明の都合上、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測されたブロックの参照ピクチャ及び動きベクトルを、第1参照ピクチャ及び第1動きベクトルと呼ぶ。
【0023】
(3)ピクチャ番号及び参照インデックス
図34は、ピクチャ番号と参照インデックスを説明するための説明図である。
ピクチャ番号及び参照インデックスは、マルチフレームバッファに格納された参照ピクチャを一意に識別するための情報である。H.26Lでは、ピクチャが参照ピクチャとしてメモリに蓄積される毎に1増加する値が、その参照ピクチャに対するピクチャ番号として割り当てられる。
【0024】
一方、参照インデックスは、符号化対象ブロックのピクチャ間予測に使用される参照ピクチャを指示するために使用される。
また、参照インデックスは、第1参照ピクチャを指示するための第1参照インデックスと、第2参照ピクチャを指示するための第2参照インデックスとから構成される。
【0025】
以下、第1参照インデックス、第2参照インデックスの割り当て方法について、図34の(a)を用いて説明する。
まず、符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順より0から始まる値が、第1参照インデックスとして割り当てられる。符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャの全てに対し0から始まる値が割り当てられたら、次に符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順から、その続きの値が割り当てられる。
【0026】
そして、符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順より0から始まる値が、第2参照インデックスの値として割り当てられる。符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャの全てに対し0から始まる値が割り当てられたら、次に符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順から、その続きの値が割り当てられる。
【0027】
例えば、図34の(a)に示すように、第1参照インデックスが0として指示された場合、第1参照ピクチャはピクチャ番号「14」のBピクチャであり、第2参照インデックスが1として指示された場合、第2参照ピクチャはピクチャ番号「13」のBピクチャである。
【0028】
一方、H.26Lでは、画像符号化信号中のバッファ制御信号(図37中に示すヘッダ1内のRPSL7)を用いて明示的に指示することにより、参照ピクチャに対する第1参照インデックス及び第2参照インデックスの割り当てを任意に変更することができる。この割り当ての変更により、第2参照インデックスが0の参照ピクチャをマルチフレームバッファ内の任意の参照ピクチャにすることが可能で、例えば、図34の(b)に示すように、ピクチャ番号に対する第1参照インデックス及び第2参照インデックスの割り当てが変更される。
【0029】
なお、ブロック中の参照インデックスは、可変長符号語により表現され、値が小さいほど短い符号長のコードが割り当てられている。
【0030】
(4)ダイレクトモード
ダイレクトモードについて、図35を用いて説明する。
図35は、従来の画像符号化装置が行うダイレクトモードの説明図である。
ここでダイレクトモードとは、符号化対象ブロックに対する参照ピクチャ及び動きベクトルを、参照ピクチャの符号化時に使用した動きベクトル及び参照ピクチャの符号化時に参照したピクチャから以下に説明する方法により決定し、画素補間によりピクチャ間予測を行うモードである。
【0031】
ピクチャTPは符号化対象のBピクチャであり、ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4は参照ピクチャとして用いられるようにマルチフレームバッファ内にある復号済のピクチャである。また、図35中点線に示すピクチャは、非参照ピクチャであって、マルチフレームバッファに含まれないものである。
【0032】
そして、ピクチャRP1の第1参照インデックスRI1は0であり、ピクチャRP2の第1参照インデックスRI1は1であり、ピクチャRP3の第2参照インデックスRI2は0であり、ピクチャRP4の第2参照インデックスRI2は1である。
【0033】
ブロックB0はダイレクトモードで符号化されるブロックであり、ブロックB00はピクチャRP3内で符号化対象ブロックB0と相対的に同じ位置にあるブロックである。また、ブロックRB01はピクチャRP1に含まれる参照ブロックであり、ブロックRB02は参照ピクチャRP3に含まれる参照ブロックである。動きベクトルMV0は、ブロックB00を符号化した際の第1動きベクトルであって、ピクチャRP1を参照先とする。また、動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルと呼ぶ。
【0034】
符号化対象ブロックB0の予測に使用される第1動きベクトルMV01と第2動きベクトルMV02とは、次の式により計算される。
MV01=TR1×MV0/TR0
MV02=−TR2×MV0/TR0
【0035】
上式において、係数TR1,TR2,TR0は、ダイレクトモード用の動きベクトルの計算時に使用される値であり、例えばピクチャ間の表示時刻差が用いられる。図35の場合、TR1=2,TR2=1,TR0=3となる。
【0036】
画面内での符号化対象ブロックを含む物体の動きが一定であると仮定した場合、第1動きベクトルMV01と第2動きベクトルMV02は、符号化対象ピクチャTPと第1参照ピクチャRP1の表示時刻差と、符号化対象ピクチャTPと第2参照ピクチャRP2の表示時刻差とによって、動きベクトルMV0を内分することによって求められる。
【0037】
なお、表示時刻差に限らずピクチャ番号の差や、ピクチャ間のピクチャ枚数等を用いても第1動きベクトルMV01及び第2動きベクトルMV02を求めることができる。
また、上述のような係数TR1,TR2,TR0の値の組をダイレクトモード用スケーリング係数SPと呼ぶ。
【0038】
MPEG−4では、ダイレクトモードにおける後方参照ピクチャは最大1枚しかないため、第2参照ピクチャとして使用されるピクチャは一意に決まる。しかし、H.26Lでは、第2参照ピクチャと成り得るピクチャが複数あるため、第2参照インデックスRI2が0のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとしている。
【0039】
また、ダイレクトモードにおいては、各ピクチャごとに伝送されたダイレクトモード用スケーリング係数SPが、ピクチャに含まれる全ブロックに共通して使用される。または、各ピクチャの表示時刻情報を用いて、表示時刻差に比例するようにスケーリングを行う。
【0040】
なお、図35を図34の(a)と対応させるとすると、図35のピクチャTPは図34の(a)の中央のBピクチャ(点線のピクチャ)に対応し、図35のピクチャRP3は図34の(a)のピクチャ番号「15」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP4は図34の(a)のピクチャ番号「13」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP1は図34の(a)のピクチャ番号「14」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP2は図34の(a)のピクチャ番号「12」のBピクチャに対応する。図35のピクチャTP等の点線で示されている非参照ピクチャは、他のピクチャから参照されることがないため、マルチフレームバッファには保存されない。よって、図34の(a)に示すピクチャのようにそのピクチャを参照するための参照インデックスが割り当てられることは無い。
【0041】
なお、図35では、模式的に第1動きベクトルMV0を参照ピクチャRP3から参照ピクチャRP1への、時空間を超えたベクトルとしているが、実際に記憶されている第1動きベクトルMV0は、図19を用いて説明すると、ブロックB00からブロックB3への位置の変化量である。よって、図35で示す第1動きベクトルMV0は、ブロックB00からブロックB3へのベクトルと、RP1とRP3の時間的な距離とによって求められる。
本明細書では説明を簡略化するため、図35に示す第1動きベクトルMV0が実際に記憶されているものとする。
【0042】
(5)従来の画像符号化装置
次に従来の画像符号化装置について、図36を参照して説明する。
図36は、従来の画像符号化装置の構成を示すブロック図である。以下、この画像符号化装置について説明する。
画像符号化装置900は、ブロックに分割された画像信号Imgを入力し、ブロック毎に処理を行う。
【0043】
減算器901は、画像信号Imgから予測画像信号Preを減算し、残差信号Resを出力する。
画像符号化部902は、残差信号Resを取得して、DCT変換及び量子化などの画像符号化処理を行い、量子化済DCT係数などを含む残差符号化信号ERを出力する。
【0044】
画像復号化部904は、残差符号化信号ERを取得し、逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
加算器905は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算し、再構成画像信号Recを出力する。
【0045】
再構成画像信号Recで、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号は、マルチフレームバッファ907に格納される。マルチフレームバッファ907のメモリ量は有限なため、マルチフレームバッファ907内で以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータはマルチフレームバッファ907から除去される。
【0046】
動き推定部909は、マルチフレームバッファ907に格納された参照ピクチャRPを取得して動き推定を行い、面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、補間予測による予測の中から所定の方法で最適な予測種別を選択し(ピクチャ種別により選択できる予測種別は異なる)、符号化対象ブロックに対する第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2参照インデックスRI2を出力する。
【0047】
動き推定部909における予測種別の選択方法には、例えば、各予測種別による予測誤差が最小となる予測種別を選択する方法がある。選択された予測種別が面内予測の場合には、動きベクトル及び参照インデックスは出力されず、第1参照ピクチャ予測の場合には、第1参照インデックス及び第1動きベクトルのみが出力され、第2参照ピクチャ予測の場合には、第2参照インデックス及び第2動きベクトルのみが出力され、補間予測の場合には、第1参照インデックス、第2参照インデックス、第1動きベクトル、及び第2動きベクトルが出力される。
【0048】
上述のように、H.26Lでは、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして第2参照インデックスrRI2が0の参照ピクチャが使用される。よって、値0の第2参照インデックスrRI2はベクトル用バッファ914とダイレクトモード処理部910とに入力される。
【0049】
ベクトル用バッファ914には、スケーリング用ベクトルrMVとスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号とが記憶されている。スケーリング用ベクトルrMVにより符号化されたブロックを含む参照ピクチャは、第2参照インデックスrRI2により示される参照ピクチャであるため、ベクトル用バッファ914は、値0の第2参照インデックスrRI2を入力し、スケーリング用ベクトルrMVと、スケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0050】
ダイレクトモード処理部910は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を入力し、上記に説明したダイレクトモードの処理により、ダイレクトモード時の第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。
【0051】
予測種別選択部908は、画像信号Imgと、参照ピクチャRPと、「ダイレクトモード」の参照ブロックの位置を示す参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2と、「ダイレクトモード以外」の予測時に使用する参照ブロックの位置を示す参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2を入力する。そして、予測種別選択部908は、ブロックの予測にダイレクトモードを使用すべきか否かを決定し、決定した予測種別を示す種別情報PTを可変長符号化部903に出力する。
【0052】
ここで、予測種別選択部908は、例えば、入力画素に対する「ダイレクトモード時」の予測誤差と、「ダイレクトモード以外の予測時」の予測誤差とで、予測誤差の小さい方を選択することで、予測種別の選択を行う。
【0053】
よって、予測種別には、動き推定部909で選択される面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、ダイレクトモード以外の補間予測に加えて、ダイレクトモードが加わることになる。
【0054】
そして、予測種別がダイレクトモードを示す場合には、スイッチ911は”1”側に切り替わり、参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2が参照インデックスRI1,RI2、動きベクトルMV1,MV2として使用される。
【0055】
一方、予測種別がダイレクトモード以外を示す場合には、スイッチ911は”0”側に切り替わる。
【0056】
また、ダイレクトモード時には、符号化済ピクチャのブロックを符号化した際に用いられた第1動きベクトルsMV1がスケーリング用ベクトルとして使用される。そして、その第1動きベクトルsMV1の参照先となるピクチャが、ダイレクトモードの一方の参照ピクチャとして使用される。従って、符号化した第1参照インデックスRI1、第1動きベクトルMV1の中で、符号化したピクチャ以降のピクチャでダイレクトモードで使用される可能性がある第1参照インデックスRI1、第1動きベクトルMV1はベクトル用バッファ914に格納される。
【0057】
予測種別の決定後、マルチフレームバッファ907に第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とが入力され、入力された第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRB1がマルチフレームバッファ907から画素補間部906に出力される。予測種別により2つの参照ブロックが必要とされるときには、さらに第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRB2がマルチフレームバッファ907から画素補間部906に出力される。
【0058】
画素補間部906は、補間予測時には、2個の参照ブロックRB1,RB2の互いに対応する位置の画素値を補間し、補間ブロックRePを出力する。
【0059】
スイッチ912は、予測種別が補間予測を示す場合には、”1”側に切り替わり、補間ブロックRePを予測画像信号Preとして扱う。
【0060】
マルチフレームバッファ907は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、第2参照ピクチャ予測時には、マルチフレームバッファ907は第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、面内予測結果の画素からなるブロックRBがマルチフレームバッファ907から出力される。
【0061】
そして予測種別が補間予測以外の予測方法を示す場合には、スイッチ912は”0”側に切り替わり、参照ブロックRBを予測画像信号Preとして扱う。
【0062】
可変長符号化部903は、残差符号化信号ER、参照インデックスRI1,RI2、動きベクトルMV1,MV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS0に含めて出力する。
【0063】
図37は、画像符号化信号BS0のフォーマットの概念図である。
この図37は、画像符号化信号BS0中の1ピクチャ分の情報が含まれる部分のフォーマットを示す。
この部分は、ヘッダ1と、ダイレクトモードにより符号化されたブロックの第1ブロック符号化信号2と、ダイレクトモード以外の補間予測により符号化されたブロックの第2ブロック符号化信号3とを含む。
【0064】
第2ブロック符号化信号3は、種別情報PTが符号化された種別符号化信号9と、参照インデックスRI1,RI2が符号化された第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11と、動きベクトルMV1,MV2が符号化されたMV1符号化信号12及びMV2符号化信号13とを含む。第2ブロック符号化信号3では、第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11と、MV1符号化信号12及びMV2符号化信号13とが、画像符号化信号BS0中に、図37に示す順で含まれる。
【0065】
また、参照インデックスRI1,RI2のいずれを使用するかは種別符号化信号9により判断され、第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとは、画像符号化信号BS0中の第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11のデータ位置で決まる。
【0066】
一方、第1ブロック符号化信号2は、ブロックがダイレクトモードで符号化された場合を示しており、種別情報PTが符号化された種別符号化信号8を含むが、参照インデックス及び動きベクトルを示す情報を含まない。
【0067】
また、ヘッダ1には、図35に示す係数TR1,TR2,TR0がそれぞれ符号化された第1時間差情報4、第2時間差情報5、及び時間差情報6と、参照ピクチャに対する第1参照インデックス又は第2参照インデックスの割り当て変更を示す内容のRPSL7が含まれる。ただし、ダイレクトモードでの動きベクトルのスケーリングの際に、各ピクチャの表示時刻情報を用いる場合には、これらの情報はヘッダ中には記述されず、ヘッダには表示時刻情報のみが記述される。
【0068】
(6)従来の画像復号化装置
図38は、従来の画像復号化装置の構成を示すブロック図である。
ここで、この画像復号化装置950が備えるマルチフレームバッファ958、画素補間部957、ベクトル用バッファ960、及びダイレクトモード処理部954はそれぞれ、図36に示す画像符号化装置900のマルチフレームバッファ907、画素補間部906、ベクトル用バッファ914、及びダイレクトモード処理部910のそれぞれと同様の機能を有するため、詳細な説明を省略する。また、図38中、図36に示す信号と同一の信号に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
可変長復号部951は、画像符号化信号BS0を入力し可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP(または、各ピクチャの表示時刻情報)、及び種別情報PTを出力する。画像復号部952は、残差符号化信号ERを入力し、これに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。加算器953は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算し、復号画像信号DImを画像復号化装置950外に出力する。マルチフレームバッファ958は、ピクチャ間予測のために必要な復号画像信号DImを格納する。
【0070】
ベクトル用バッファ960には、スケーリング用ベクトルrMVと、スケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを識別するための情報(第1参照インデックスrRI1)とが記憶されている。また、ベクトル用バッファ960は値0の第2参照インデックスrRI2を入力し、スケーリング用ベクトルrMVと第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0071】
ダイレクトモード処理部954は、図36のダイレクトモード処理部910と同じ処理を行う。
予測種別がダイレクトモード以外を示す場合、スイッチ955は”0”側に切り替わる。そして、マルチフレームバッファ958は、参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2を取得する。
【0072】
予測種別がダイレクトモードを示す場合、スイッチ955は”1”側に切り替わる。そして、マルチフレームバッファ958は、参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2を、参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2として取得する。
【0073】
マルチフレームバッファ958は、補間予測時は、第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1と、第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2とを出力する。そして、画素補間部957は2個の参照ブロックRB1,RB2のそれぞれに対応する画素値を補間して、補間ブロックRePを出力する。
【0074】
マルチフレームバッファ958は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRBを出力する。また、第2参照ピクチャ予測時には、マルチフレームバッファ958は、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には面内予測結果の画素からなるブロックRBがマルチフレームバッファ958から出力される。
【0075】
予測種別が補間予測を示す場合には、スイッチ956は”0”側に切り替わり、補間ブロックRePが予測画像信号Preとして使用される。
予測種別が補間予測以外の予測方法を示す場合には、スイッチ956は”1”側に切り替わり、参照ブロックRBが予測画像信号Preとして使用される。
【0076】
そして、復号された第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1のうち、復号されたピクチャ以降のピクチャでダイレクトモードに使用される可能性がある第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1はベクトル用バッファ960に格納される。
【0077】
このような画像復号化装置950は、上述のように説明した処理により画像符号化信号BS0を復号して、これを画像復号信号DImとして出力する。
ここで、上記従来の画像符号化装置900及び画像復号化装置950では、Bピクチャは、上述のように、前方向2枚のピクチャを参照して符号化されたり、後方向2枚のピクチャを参照して符号化されたり、前後1枚ずつのピクチャを参照して符号化されたりするが、一般的な映像に対しては、前方向2枚又は後方向2枚のピクチャを参照する場合よりも、前後1枚ずつのピクチャを参照する場合の方が、高精度に補間予測が可能なために符号化効率が高い。
【0078】
【非特許文献1】
MPEG−4ビジュアル規格書(1999年、ISO/IEC 14496−2:1999 Information technology −− Coding of audio−visual objects −− Part2: Visual, p.154)
【0079】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像符号化装置900及び画像復号化装置950では、図34の(b)を用いて説明したように、第2参照インデックスrRI2の0は、マルチフレームバッファ907,960内の任意の参照ピクチャに割り当てられるため、ダイレクトモードでBピクチャを符号化するような場合に、前方向2枚のピクチャを参照して符号化したり、後方向2枚のピクチャを参照して符号化したりする場合が多く、Bピクチャの符号化において符号化効率が低くなるという問題がある。
【0080】
また、図35に示すように、ダイレクトモードでは、第1参照ピクチャRP1及び第2参照ピクチャRP3並びにスケーリング用ベクトルMV0(第1動きベクトルMV0)を用いて、符号化対象ピクチャTPが符号化される。ここで、第2参照ピクチャは、第2参照インデックスRI2=0に対応するピクチャであって、第1参照ピクチャは、第2参照ピクチャ中のブロックB00の第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャである。
【0081】
そのため、ダイレクトモードを実現するためには、画像符号化装置900は、第2参照ピクチャRP3を符号化した際に使用した第1動きベクトルMV0と、第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャRP1を識別するための情報とを保持しておく必要がある。
【0082】
同様に、画像復号化装置950においても、ダイレクトモードのために、復号済ピクチャの第1動きベクトルMV0と、第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャRP1を識別するための情報とを保持する必要がある。
【0083】
即ち、H.263では、動きベクトルは最小4×4ブロック単位で切り替えられることが可能で、参照ピクチャは最小8×8ブロック単位で切り替えられることが可能なため、例えば、QCIF(176×144ブロック)サイズの画像の場合には、1参照ピクチャ当り1584個の動きベクトルと396個の参照ピクチャを識別するための情報とを保持できる量のメモリが必要になる。
【0084】
さらに、H.26Lでは、参照ピクチャに対する参照インデックスの割り当ては自由に変更できるため、マルチフレームバッファ内の全参照ピクチャが第2参照インデックスRI2=0に対応した参照ピクチャとなり得る。そのため、画像符号化装置900及び画像復号化装置950は、マルチフレームバッファ907,958内の全参照ピクチャ分の第1動きベクトルと、第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別するための情報とを保持しておく必要がある。
【0085】
このような第1動きベクトル及びピクチャの識別情報の保持に必要な記憶容量は参照ピクチャ枚数に比例するため、このような情報を保持するベクトル用バッファ914,960には非常に大きな記憶容量を要するという問題がある。つまり、ベクトル用バッファ914,960に記憶される情報量が多くなるために、その情報の入出力に負担がかかって符号化処理が煩雑になり、符号化効率の低下を招くという問題がある。
【0086】
そこで、本発明では、符号化効率の向上を図った画像符号化方法及び画像復号化方法を提供することを目的とする。
【0087】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップと、前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0088】
ここで、前記出力ステップでは、前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから前記特定情報を構成して出力することを特徴としても良い。また、前記出力ステップでは、前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す情報を前記特定情報として出力することを特徴としても良い。
【0089】
これにより、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、特定情報が出力されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャをその特定情報に基づいて選択して、正確に復号することができる。
【0090】
また、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0091】
ここで、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2インデックスの割り当て方を示す内容の割当情報に基づいて、前記第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを特定し、特定した前記符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択することを特徴としても良い。
【0092】
これにより、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャを一意に選択して、正確に復号することができる。
【0093】
ここで、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当て、このとき、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるように制限する割当ステップと、前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第2参照インデックスを割り当て直すことができ、割り当て直すときには、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるように制限する再割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0094】
ここで、前記再割当ステップでは、前記割当ステップにおいて0を示す第2参照インデックスが割り当てられる符号化済ピクチャに対して、前記第2参照インデックスの変更を禁止することを特徴としても良い。
【0095】
これにより、前記割当ステップ及び再割当ステップでは、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるため、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択される。その結果、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。
【0096】
さらに、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第1参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、所定の符号化済ピクチャまたはスライスに対して、前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第1参照インデックスを割り当て直す再割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が前の符号化済ピクチャのうち、所定の値を示す第1参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第1参照ピクチャとして選択する第1参照ピクチャ選択ステップと、前記第1参照ピクチャ内の所定のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、前記再割当ステップでは、長時間にわたって参照される前記符号済ピクチャから優先的に、前記所定の値を示す第1参照インデックスを割り当てることを特徴とする。
【0097】
これにより、シーンの変化が生じたときには、長時間にわたって参照される符号化済ピクチャを保持するメモリ内のその符号済ピクチャから優先的に0を示す第1参照インデックスが割り当てられるようにリマッピングされて、その第1参照インデックスが0の符号化済ピクチャが第1参照ピクチャとして選択されるため、符号化対象ピクチャと類似する符号化済ピクチャが参照される確率を高めて符号化効率を向上することができる。
【0098】
また、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、前記割当ステップでは、表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャに対して、0を示す第2参照インデックスが割り当てられるのを禁止することを特徴とする。
【0099】
これにより、表示順が符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャに対して、0を示す第2参照インデックスが割り当てられるのが禁止されるため、表示順が前になったことがあるその符号化済ピクチャは第2参照ピクチャとして選択されることがなく、その符号化済ピクチャ上のブロックの符号化に用いられた動きベクトルを、符号化対象ピクチャの符号化のためにわざわざメモリに保存しておく処理を省くことができ、符号化効率を向上することができる。
【0100】
ここで、前記画像符号化方法は、さらに、符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを記憶しているメモリから、表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを削除する削除ステップを含むことを特徴としても良い。
【0101】
これにより、符号化処理に不要な動きベクトルがメモリに保存されるのを防いで、メモリの記憶容量を小さくすることができる。
【0102】
さらに、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、記憶部に格納されている複数の符号化済ピクチャから、前記複数の符号化済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記符号化対象ピクチャと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する出力ステップとを含み、前記選択ステップでは、前記符号化済ピクチャのうち前記符号化対象ピクチャより表示順が前で前記第1参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記予測画像生成ステップでは、前記第2参照ピクチャ内で前記符号化対象ピクチャ上の符号化対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化に使用された第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記符号化対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記符号化対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴とする。
【0103】
これにより、符号化対象ピクチャ内の各ブロックに対して参照先となる第1参照ピクチャが、第2参照ピクチャの第1動きベクトルの参照先に関わらず共通化されるため、従来例のように第1参照ピクチャを識別するための情報をわざわざメモリに保存しておく必要がなく、そのメモリの記憶容量を小さくすることができるとともに、符号化処理を簡略化して符号化効率の向上を図ることができる。
【0104】
また、本発明に係る画像復号化方法は、符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、復号対象のピクチャの復号に参照される復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして特定するための特定情報、及び前記復号対象ピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャの中から、前記特定情報に基づいて第2参照ピクチャを選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0105】
ここで、前記取得ステップでは、前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから構成される特定情報を取得し、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2参照インデックスにより示される前記第2参照ピクチャを選択することを特徴としても良い。また、前記取得ステップでは、前記各復号済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す特定情報を取得し、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2参照インデックスの変更方法から特定される復号済ピクチャを前記第2参照ピクチャとして選択することを特徴としても良い。
【0106】
これにより、特定情報に基づいて第2参照ピクチャを一意に選択して、
本発明に係る画像符号化方法により符号化されたピクチャを正確に復号することができる。
【0107】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が後で前記第2相対インデックスが最小の参照フレームを前記第2の参照フレームとして選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと、前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと、から画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0108】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を前記記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第二のステップにおいて、前記復号化済フレームのうち前記復号化対象フレームより表示順が後で前記第2相対インデックスが最小の参照フレームを前記第2の参照フレームとして選択し、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0109】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームで前記符号化対象フレームより表示順が後のフレームから前記第2の参照フレームを選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成し、前記第三のステップにおいて、前記第一のステップで選択された前記第2の参照フレームを示す第2相対インデックスを画像符号化信号中に含めることを特徴としても良い。
【0110】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第一のステップにおいて、第2相対インデックスを有する前記画像符号化信号から前記第2相対インデックスを取得し、前記第二のステップにおいて、前記第一ステップで取得した前記第2相対インデックスが示すフレームを前記第2の参照フレームとし、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0111】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が前で前記第1相対インデックスが最小の参照フレームを第1の参照フレームとして選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0112】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第二のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が前で前記第1相対インデックスが最小の参照フレームを前記第1の参照フレームとして選択し、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0113】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、各前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームで前記符号化対象フレームより表示順が前のフレームから前記第1の参照フレームを選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成し、前記第三のステップにおいて、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームを示す第1相対インデックスを画像符号化信号中に含めることを特徴としても良い。
【0114】
ここで、前記第1の動きベクトルが参照するフレームの番号は格納しないことを特徴としても良く、さらに、前記記憶部に格納されている複数の符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームに対して表示順で前になった前記第2の参照フレームの内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した前記第一の動きベクトルを削除するステップを有することを特徴としても良い。
【0115】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第一のステップにおいて、第1相対インデックスを有する前記画像符号化信号から前記第1相対インデックスを取得し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0116】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化装置は、画像信号を入力し、前記画像信号と予測画像との差分を行い残差信号として出力する差分器と、前記差分信号に画像符号化処理を行い残差符号化信号として出力する画像符号化手段と、前記残差符号化信号を復号して残差復号信号として出力する画像復号手段と、前記残差復号信号と予測画像を加算して再構成画像を出力する加算器と、前記記憶部内の符号化済フレームのうちで符号化対象フレームより表示順が後で第2相対インデックスが最小の参照フレームを第2の参照フレームとして選択するダイレクトモード用第2参照フレーム選択手段と、前記第2の参照フレーム内で符号化対象フレーム上の所定のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームへの動きベクトルを生成するダイレクトモード用ベクトル・相対インデックス生成手段と、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルが参照する2つの参照ブロックの画素補間を行い予測画像として出力する画素補間手段と、予測誤差を可変長符号化して符号化信号として出力する可変長符号化手段を備えたものであることを特徴としても良い。
【0117】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化装置は、画像符号化信号を入力し可変長復号を行い、残差符号化信号を出力する可変長復号手段と、前記残差符号化信号を復号し復号残差信号を出力する画像復号手段と、前記残差復号信号と予測画像信号を加算し復号画像を出力する加算器と、前記復号画像を格納する記憶部と、第2相対インデックスが最小の参照フレームを第2の参照フレームとして選択するダイレクトモード用第2参照フレーム選択手段と、前記第2の参照フレーム内で符号化対象ブロックと同一位置のブロックの動きベクトルが参照するフレームを第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により第1の参照フレームと第2の参照フレームへの動きベクトルを生成するダイレクトモード用ベクトル・相対インデックスと生成手段と、前記第1および第2の参照フレームと各参照フレームに対応する動きベクトルが参照する2つの参照ブロックの画素補間を行い前記予測画像信号として出力する画素補間手段を備えたものであることを特徴とする画像復号化装置。
【0118】
さらに、本発明に係る記憶媒体は、コンピュータにより、上述の画像符号化方法及び画像復号化方法のいずれかに記載された動画像の符号化または復号化の処理を行うためのプログラムを格納した記録媒体であって、上記プログラムはコンピュータに上述の画像符号化方法及び画像復号化方法のいずれかに記載の動画像の符号化または復号化の処理を行わせるものであることを特徴としても良い。
【0119】
なお、本発明は、上記画像符号化方法や画像復号化方法を用いる画像符号化装置、画像復号化装置、プログラム、及びそのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
【0120】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
【0121】
図1は、実施の形態1における画像符号化装置のブロック図である。
この画像符号化装置100は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、減算器101と、画像復号化部104と、可変長符号化部103と、動き推定部109と、予測種別選択部108と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114と、マルチフレームバッファ107と、ピクチャ選択部113とを備えている。
【0122】
減算器101は、画像信号Imgから予測画像信号Preを減算し、その減算結果を残差信号Resとして出力する。
【0123】
画像符号化部102は、残差信号Resを減算器101から取得して、その残差信号Resに対してDCT変換及び量子化などの画像符号化処理を行い、量子化済DCT係数などを含む残差符号化信号ERを出力する。
【0124】
画像復号化部104は、画像符号化部102から残差符号化信号ERを取得して、その残差符号化信号ERに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
【0125】
加算器105は、残差復号信号DRと予測画像信号Preとを加算し、その加算結果を再構成画像信号Recとして出力する。
【0126】
マルチフレームバッファ107は、加算器105から再構成画像信号Recを取得すると、その再構成画像信号Recのうち、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号を格納する。つまり、マルチフレームバッファ107の記憶容量は有限なため、マルチフレームバッファ107は、加算器105から取得した再構成画像信号Recのうち、以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータを除去する。
【0127】
動き推定部109は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャを参照ピクチャRPとして取得して動き推定を行い、面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、及び補間予測の予測種別の中から、所定の方法で最適な予測種別を選択する(なお、選択可能な予測種別はピクチャ種別によって異なる)。ここで、動き推定部109は、最適な予測種別を選択するときには、例えば、各予測種別による予測誤差が最小となる予測種別を選択する。
【0128】
そして、動き推定部109は、補間予測を選択したときには、符号化対象のブロックに対する第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2を出力する。また、動き推定部109は、面内予測を選択したときには、上述のような動きベクトルや参照インデックスを出力せず、第1参照ピクチャ予測を選択したときには、第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1のみを出力し、第2参照ピクチャ予測を選択したときには、第2動きベクトルMV2及び第2参照インデックスRI2のみを出力する。
【0129】
ベクトル用バッファ114は、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2を動き推定部109から取得する。そして、ベクトル用バッファ114は、その取得結果に基づいて、ダイレクトモードに用いられるスケーリング用ベクトルrMVと、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号及び参照インデックスを記憶している。
【0130】
つまり、ダイレクトモード時には、符号化済ピクチャのブロックを符号化したときに用いられた第1動きベクトルがスケーリング用ベクトルrMVとして使用され、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャが第1参照ピクチャとして扱われるため、ベクトル用バッファ114は、動き推定部109から出力された第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2のうち、ダイレクトモードに使用される可能性がある第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1を記憶している。
【0131】
また、ベクトル用バッファ114は、第2参照インデックスrRI2をピクチャ選択部113から取得する。そして、ベクトル用バッファ114は、ピクチャ選択部113からその第2参照インデックスrRI2を取得すると、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0132】
ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を取得すると、符号化対象のブロックに対して上述のダイレクトモードに基づく処理を行い、その結果として、第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを取得する代わりに、第1参照インデックスrRI1に示される参照ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報と、第2参照インデックスrRI2に示される参照ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報と、符号化対象ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報とを取得しても良い。このときには、ダイレクトモード処理部110は、これらの表示時刻情報に示される各ピクチャの表示時刻から、各ピクチャ間の表示時刻差を算出し、それらの表示時刻差の比を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行う。これにより、ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを用いたときと同様に、第1動きベクトルsMV1及び第2動きベクトルsMV2を算出する。
【0133】
予測種別選択部108は、画像信号Imgと、参照ピクチャRPと、ダイレクトモード処理部110から出力される第1参照インデックスrRI1、第2参照インデックスrRI2、第1動きベクトルsMV1、及び第2動きベクトルsMV2を取得するとともに、動き推定部109から出力される第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2を取得する。そして、予測種別選択部108は、取得した内容に基づいて符号化対象ブロックに対する予測種別を選択する。つまり、予測種別選択部108は、符号化対象ブロックに対してダイレクトモードを適用すべきか否かを判別する。さらに、予測種別選択部108は、選択した予測種別を示す内容の種別情報PTを可変長符号化部103に出力する。
【0134】
ここで、予測種別選択部108は、予測種別を選択するときには、例えば、符号化対象ブロックに対してダイレクトモードを適用したときの予測誤差と、ダイレクトモードを適用していないときの予測誤差とを比較する。そして、予測種別選択部108は、ダイレクトモードを適用したときの予測誤差の方が小さいと判別したときには、ダイレクトモードを適用する予測種別を選択し、ダイレクトモードを適用しないときの予測誤差の方が小さいと判別したときには、ダイレクトモードを適用しない予測種別を選択する。
【0135】
さらに、予測種別選択部108は、ダイレクトモードの適用を予測種別として選択したときには、スイッチ111の接点を接点0から接点1に切り替えさせる。これにより、ダイレクトモード処理部110から出力された第1参照インデックスrRI1、第2参照インデックスrRI2、第1動きベクトルsMV1、及び第2動きベクトルsMV2は、スイッチ111を介してマルチフレームバッファ107に、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2として送信される。
【0136】
一方、予測種別選択部108は、ダイレクトモードの不適用を予測種別として選択したときには、スイッチ111の接点を接点1から接点0に切り替えさせる。これにより、動き推定部109から出力された第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2は、スイッチ111を介して可変長符号化部103及びマルチフレームバッファ107に送信される。
【0137】
また、予測種別選択部108は、補間予測以外の予測を予測種別として選択したときには、スイッチ112の接点を接点1から接点0に切り替え、補間予測を予測種別として選択したときには、スイッチ112の接点を接点0から接点1に切り替えさせる。その結果、減算器101及び加算器105に取得される予測画像信号Preは予測種別に応じ、マルチフレームバッファ107からの出力によるものと、画素補間部106からの出力によるものとに切り替えられる。
【0138】
マルチフレームバッファ107は、補間予測時には、動き推定部109及びダイレクトモード処理部110からの出力に基づいて第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第1動きベクトルMV1(sMV1)を取得すると、その第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1を画素補間部106に出力する。さらに、マルチフレームバッファ107は、動き推定部109及びダイレクトモード処理部110からの出力に基づいて第2参照インデックスRI2(rRI2)及び第2動きベクトルMV2(sMV2)を取得すると、その第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2を画素補間部106に出力する。
【0139】
そして、マルチフレームバッファ107は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、マルチフレームバッファ107は、第2参照ピクチャ予測時には、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、マルチフレームバッファ107は、面内予測結果を示す画素からなるブロックRBを出力する。
【0140】
画素補間部106は、マルチフレームバッファ107から参照ブロックRB1,RB2を取得すると、その参照ブロックRB1,RB2の中の互いに位置が等しい画素の画素値を補間し、その補間結果を補間ブロックRePとして出力する。
【0141】
そして上述のように、スイッチ112の接点は、予測種別選択部108からの予測種別に応じて切り替えられるため、補間予測以外の予測が予測種別として選択されたときには、マルチフレームバッファ107からのブロックRBがスイッチ112を介して予測画像信号Preとして減算器101及び加算器105に送信され、補間予測が予測種別として選択されたときには、画素補間部106からの補間ブロックRePがスイッチ112を介して予測画像信号Preとして減算器101及び加算器105に送信される。
【0142】
可変長符号化部103は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別信号PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BSとして出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部103は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BSに含める。
【0143】
図2は、画像符号化信号BSの一部の構成を示す構成図である。
画像符号化信号BSはピクチャ単位で構成されており、その1つのピクチャ単位には、ヘッダと各ブロックに関する情報が含まれる。
この図2に示す画像符号化信号BSの一部は、ダイレクトモードで符号化されたブロックを含むピクチャに相当するものであって、ヘッダ21と、第1ブロック符号化信号22と、第2ブロック符号化信号23とが含まれている。
【0144】
第1ブロック符号化信号22は、ダイレクトモードで符号化されたブロックを示すものであって、ダイレクトモードの適用を示す種別情報PTが符号化された種別符号化信号28が含まれている。
【0145】
第2ブロック符号化信号23は、ダイレクトモード以外の補間予測で符号化されたブロックを示すものであって、ダイレクトモードの不適用を示す種別情報PTが符号化された種別符号化信号29と、第1参照インデックスRI1が符号化された第1インデックス符号化信号30と、第2参照インデックスRI2が符号化された第2インデックス符号化信号31と、第1動きベクトルMV1が符号化されたMV1符号化信号32と、第2動きベクトルMV2が符号化されたMV2符号化信号33とを含んでいる。
【0146】
ヘッダ21には、そのピクチャに対する参照インデックスの割り当ての変更内容を示すリマッピング情報が符号化されたリマッピング符号化情報27と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる図35に示す係数TR1、つまり符号化対象ピクチャと第1参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された第1時間差情報24と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる係数TR2、つまり符号化対象ピクチャと第2参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された第2時間差情報25と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる係数TR0、つまり第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された時間差情報26とを含んでいる。また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられる場合には、上述の第1時間差情報24と第2時間差情報25と時間差情報26の代わりに、当該ピクチャの表示時刻情報が符号化された信号が上記ヘッダ21に含まれる。
【0147】
ここで、本実施の形態におけるピクチャ選択部113は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャから、ダイレクトモードに用いられるピクチャを第2参照ピクチャとして選択する。
即ち、ピクチャ選択部113は、符号化対象ピクチャに対して表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0148】
そしてピクチャ選択部113は、選択した第2参照ピクチャの第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ114及びダイレクトモード処理部110に対して出力する。なお、ピクチャ選択部113は、表示順に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して各ピクチャの表示順序を知得する。
【0149】
図3は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置100は、ピクチャ選択部113により、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS100)。
【0150】
次に、画像符号化装置100は、ベクトル用バッファ114により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における符号化対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS102)。
【0151】
そして、画像符号化装置100は、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及び画素補間部106により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS104)。
【0152】
予測画像を生成すると、画像符号化装置100は、符号化対象ブロックと予測画像から予測誤差を生成して(ステップS106)、その生成された予測誤差を符号化する(ステップS108)。
【0153】
ここで、符号化対象ピクチャを基準に他の各ピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスが変更される場合(このような場合を以下「リマッピング」という)における、本実施の形態の動作について説明する。
【0154】
図4は、リマッピングが生じたときにおける本実施の形態の動作について説明するための説明図である。
図4の(a)は、リマッピングが生じる前(デフォルトの状態)において、各ピクチャに対して割り当てられた第1参照インデックス及び第2参照インデックスを示す。
【0155】
リマッピングが生じる前、つまりデフォルトでは、まず、図4中の点線で示される符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、0,1,2が第1参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が14のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして0が割り当てられ、ピクチャ番号が12のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして1が割り当てられ、ピクチャ番号が10のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして2が割り当てられる。
【0156】
上述のような割り当てが符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して行われると、次に、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、3,4,5が第1参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が15のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして3が割り当てられ、ピクチャ番号が13のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして4が割り当てられ、ピクチャ番号が11のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして5が割り当てられる。
【0157】
そして、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、0,1,2が第2参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が15のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして0が割り当てられ、ピクチャ番号が13のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして1が割り当てられ、ピクチャ番号が11のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして2が割り当てられる。
【0158】
上述のような割り当てが符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して行われると、次に、符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、3,4,5が第2参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が14のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして3が割り当てられ、ピクチャ番号が12のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして4が割り当てられ、ピクチャ番号が10のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして5が割り当てられる。
【0159】
図4の(b)は、リマッピングが生じた場合において、各ピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックス並びにリマッピング情報を示す。
【0160】
リマッピングが生じると、例えば、ピクチャ番号「14」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「0」から「2」に変更され、ピクチャ番号「12」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「1」から「0」に変更され、ピクチャ番号「10」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「2」から「1」に変更される。また、ピクチャ番号「14」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「3」から「0」に変更され、ピクチャ番号「15」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「0」から「2」に変更され、ピクチャ番号「11」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「2」から「3」に変更される。
【0161】
また、リマッピング情報は、参照インデックスに変更が生じた各ピクチャに対してその変更内容を示す数値から構成される。図4の(b)では、第2参照インデックスに対するリマッピング情報を示している。例えば、第2参照インデックス「0」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「15」のピクチャからピクチャ番号「14」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「14」からピクチャ番号「15」を減算した数値「−1」が、ピクチャ番号「14」に対応してリマッピング情報に含まれる。さらに、第2参照インデックス「2」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「11」のピクチャからピクチャ番号「15」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「15」からピクチャ番号「11」を減算した数値「+4」が、ピクチャ番号「15」に対応してリマッピング情報に含まれる。同様に、第2参照インデックス「3」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「14」のピクチャからピクチャ番号「11」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「11」からピクチャ番号「14」を減算した数値「−3」が、ピクチャ番号「11」に対応してリマッピング情報に含まれる。なお、図4の(b)に示すようなリマッピングの場合、第2参照インデックス「1」が割り当てられるピクチャは変更されないが、数値「0」がピクチャ番号「13」に対応してリマッピング情報に含まれる。
【0162】
このようなリマッピング情報は、画像符号化装置100の図示しない管理部などに管理されており、動き推定部109、予測種別選択部108、マルチフレームバッファ107、及びピクチャ選択部113は、そのリマッピング情報に基づいて第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0163】
このような本実施の形態では、上述のようにピクチャ選択部113が、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択するため、リマッピングが生じていないときには、第2参照インデックスが0であるピクチャ番号「15」のピクチャがダイレクトモードの第2参照ピクチャとして用いられ、リマッピングが生じたときには、第2参照インデックスが1であるピクチャ番号「13」のピクチャがダイレクトモードの第2参照ピクチャとして用いられる。
【0164】
その結果、リマッピングが生じてもダイレクトモードによる符号化時には、符号化対象ピクチャよりも後にあるピクチャが第2参照ピクチャとして用いられるために、前方向2枚又は後方向2枚のピクチャが第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャとして用いられることがなく、必ず前方向にあるピクチャと後方向にあるピクチャがそれぞれ第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャとして用いられるので、符号化効率を向上することができる。
【0165】
ここで、本実施の形態における画像符号化装置100の記憶容量に関して説明する。
図5は、ピクチャの表示順序の一例を説明するための説明図である。
ピクチャP1〜P7は、図5に示すように、ピクチャP1,ピクチャP3,ピクチャP4,ピクチャP2,ピクチャP6,ピクチャP7,ピクチャP5の順に表示され、ピクチャP1,ピクチャP2,ピクチャP3,ピクチャP4,ピクチャP5,ピクチャP6,ピクチャP7の順に符号化されてマルチフレームバッファ107に格納される。
【0166】
ここでは、Bピクチャは参照ピクチャとして使われることはないとする。よって、マルチフレームバッファ107は、参照ピクチャとして扱われるIピクチャ又はPピクチャであるピクチャP1,P2,P5を保存し、参照ピクチャとして扱われることのないBピクチャであるピクチャP3,P4,P6,P7を削除する。
【0167】
ピクチャP3,P4の符号化時には、参照ピクチャP2は符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャである。一方、ピクチャP6,P7の符号化時には、参照ピクチャP2は符号化対象ピクチャよりも表示順が前の参照ピクチャとなる。
【0168】
よって、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、参照ピクチャP2以降のピクチャの符号化では、参照ピクチャP2が符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャとなることはない。つまり、一度、符号化対象ピクチャに対し表示順が前になった参照ピクチャは、再び符号化対象ピクチャに対し表示順が後になることはない。
【0169】
即ち、マルチフレームバッファ114に保持されているピクチャが符号化対象ピクチャに対して表示順で前になった時点で、ベクトル用バッファ114に格納されている、その参照ピクチャの第1動きベクトルと、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別する情報とを破棄することができる。
【0170】
従って、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、ベクトル用バッファ114は、符号化対象ピクチャより表示順が後の参照ピクチャの第1動きベクトルと、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別する情報のみ保持すればよい。これにより、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、ベクトル用バッファ114に必要なメモリ量を削減できる。
【0171】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択したが、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャの中から、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定できる条件であれば、第2参照インデックスが最小のピクチャでなくともその条件により決定されるピクチャを、第2参照ピクチャとして選択しても良い。この場合においても、符号化対象ピクチャより前方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率の向上を図ることができる。また、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャの中で、符号化対象ピクチャに表示順が最も近いピクチャをダイレクトモード時の第2参照ピクチャとしてもよい。この場合にも、上述と同様に符号化効率を高めることができる。
【0172】
また、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャの中の第2参照インデックスが最小のピクチャとし、さらに、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを、符号化対象ピクチャに対し表示順が前のピクチャの中の第1参照インデックスが最小の参照ピクチャとしても良い。この場合にも、上述と同様に符号化効率を高めることができる。
【0173】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図6は、実施の形態2における画像復号化装置のブロック図である。
【0174】
この画像復号化装置150は、実施の形態1の画像符号化装置100から出力される画像符号化信号BSを復号するものであって、可変長復号部151と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160と、ピクチャ選択部159とを備えている。
【0175】
可変長復号部151は、画像復号化装置150外部から画像符号化信号BSを取得して、その画像符号化信号BSに対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを出力する。ここで、画像符号化信号BSに、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部151は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0176】
また、可変長復号部151は、種別情報PTにより示される予測種別に応じて、スイッチ155,156の接点を切り換える。つまり、可変長復号部151は、予測種別がダイレクトモードであるときには、スイッチ155の接点を接点0から接点1に切り替え、予測種別がダイレクトモード以外であるときには、スイッチ155の接点を接点1から接点0に切り替える。また、可変長復号部151は、予測種別が補間予測であるときには、スイッチ156の接点を接点1から接点0に切り替え、予測種別が補間予測以外の予測であるときには、スイッチ156の接点を接点0から接点1に切り替える。
【0177】
画像復号部152は、可変長復号部151から残差符号化信号ERを取得し、残差符号化信号ERに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
【0178】
加算器153は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算して、その加算結果を復号画像信号DImとして画像復号化装置150外に出力する。
【0179】
マルチフレームバッファ158は、復号画像信号DImを取得すると、その復号画像信号DImのうち、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号を格納する。つまり、マルチフレームバッファ158の記憶容量は有限なため、マルチフレームバッファ158は、取得した符号画像信号DImのうち、以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータを除去する。
【0180】
ベクトル用バッファ160は、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2を動き推定部109から取得する。そして、ベクトル用バッファ160は、その取得結果に基づいて、ダイレクトモードに用いられるスケーリング用ベクトルと、そのスケーリング用ベクトルの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号及び参照インデックスを記憶している。
【0181】
つまり、ダイレクトモード時には復号対象ピクチャに対し、復号済ピクチャのブロックを復号したときに用いられた第1動きベクトルMV1がスケーリング用ベクトルとして使用され、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャが第1参照ピクチャとして扱われるため、ベクトル用バッファ160は、可変長復号部151から出力された第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2のうち、ダイレクトモードに使用される可能性がある第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1を記憶している。
【0182】
また、ベクトル用バッファ160は、第2参照インデックスrRI2をピクチャ選択部159から取得する。そして、ベクトル用バッファ160は、ピクチャ選択部159からその第2参照インデックスrRI2を取得すると、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0183】
ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、及び第1参照インデックスrRI1を取得すると、復号対象のブロックに対して上述のダイレクトモードに基づく処理を行い、その結果として、第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。ここで、ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに各ピクチャの表示時刻情報を取得したときには、これらの表示時刻情報に示される表示時刻から、各ピクチャ間の表示時刻差を算出し、それらの表示時刻差の比を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行う。これにより、ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを用いたときと同様に、第1動きベクトルsMV1及び第2動きベクトルsMV2を算出する。
【0184】
また、マルチフレームバッファ158は、補間予測時には、可変長復号部151及びダイレクトモード処理部154からの出力に基づいて第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第1動きベクトルMV1(sMV1)を取得すると、その第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1を画素補間部157に出力する。さらに、マルチフレームバッファ158は、可変長復号部151及びダイレクトモード処理部154からの出力に基づいて第2参照インデックスRI2(rRI2)及び第2動きベクトルMV2(sMV2)を取得すると、その第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2を画素補間部157に出力する。
【0185】
そして、マルチフレームバッファ158は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、マルチフレームバッファ158は、第2参照ピクチャ予測時には、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、マルチフレームバッファ158は、面内予測結果を示す画素からなるブロックRBを出力する。
【0186】
画素補間部157は、マルチフレームバッファ158から参照ブロックRB1,RB2を取得すると、その参照ブロックRB1,RB2の中の互いに位置が等しい画素の画素値の平均値を求めることにより補間画素を生成し、その補間結果を補間ブロックRePとして出力する。
【0187】
そして上述のように、スイッチ156の接点は、予測種別に応じて切り換えられるため、予測種別が補間予測以外の予測であるときには、マルチフレームバッファ158からのブロックRBがスイッチ156を介して予測画像信号Preとして加算器155に送信され、予測種別が補間予測であるときには、画素補間部157からの補間ブロックRePがスイッチ156を介して予測画像信号Preとして加算器153に送信される。
【0188】
ここで、本実施の形態におけるピクチャ選択部159は、マルチフレームバッファ158に格納されているピクチャから、ダイレクトモードに用いられるピクチャを第2参照ピクチャとして選択する。
即ち、ピクチャ選択部159は、復号対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0189】
そしてピクチャ選択部159は、上述の第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160に対して出力する。なお、ピクチャ選択部160は、表示時刻に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して表示順序を知る。
【0190】
これにより、本実施の形態の画像復号化装置150は、実施の形態1の画像符号化装置100が出力する画像符号化信号BSを正確に復号することができる。つまり、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャをダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択する画像符号化装置が出力する画像符号化信号を正確に復号することができる。
【0191】
図7は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像復号化装置150は、ピクチャ選択部159により、復号対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS150)。
【0192】
次に、画像復号化装置150は、ベクトル用バッファ160により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における復号対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルを、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS152)。
【0193】
そして、画像復号化装置150は、ダイレクトモード処理部154、マルチフレームバッファ158、及び画素補間部157により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS154)。
【0194】
そして、画像復号化装置150は、画像符号化信号BSを復号処理して生成された画像の残差に対して、上記予測画像を加算する(ステップS156)。
このように、本実施の形態では、復号対象ピクチャより表示順が後のピクチャのうち、参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択するため、実施の形態1で説明した本発明の画像符号化装置で符号化した画像符号化信号を正しく復号することができる。また、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0195】
なお、画像符号化信号BSには、実施の形態1で説明したように、リマッピング符号化情報27が含まれており、マルチフレームバッファ158は、そのリマッピング符号化情報27が復号されたリマッピング情報に基づいて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスにより示されるピクチャを特定している。
【0196】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態3における画像符号化装置のブロック図である。
【0197】
この画像符号化装置200は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、減算器101と、画像復号化部104と、可変長符号化部203と、動き推定部109と、予測種別選択部108と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114と、マルチフレームバッファ107と、ピクチャ選択部213とを備えている。
【0198】
ここで、画像符号化装置200の減算器101、画像復号化部104、動き推定部109、予測種別選択部108、スイッチ111,112、画素補間部106、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及びベクトル用バッファ114の各構成要素は、実施の形態1の画像符号化装置100が備える各構成要素と同一の機能を有する。
つまり、本実施の形態では、ピクチャ選択部213及び可変長符号化部203の機能に特徴がある。
【0199】
ピクチャ選択部213は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャから、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0200】
そしてピクチャ選択部213は、上述の第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ114及びダイレクトモード処理部110並びに可変長符号化部203に対して出力する。
【0201】
なお、ピクチャ選択部213は、表示順に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して各ピクチャの表示順序を知る。また、ピクチャ選択部213は、符号化対象ピクチャに対してダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャを1つ選択する。つまり、ダイレクトモードが適用される符号化対象ピクチャに含まれる全てのブロックに対しては、同一の第2参照ピクチャが選択される。
【0202】
ここで、本実施の形態においても実施の形態1と同様、リマッピングが生じたときには、ピクチャ選択部213は、マルチフレームバッファ107内の各ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスをリマッピング情報に基づいて特定する。
【0203】
例えば、ピクチャ選択部213は、リマッピングが生じていないときには、図4の(a)に示すように、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャ、つまり、ピクチャ番号「15」のピクチャ、ピクチャ番号「13」のピクチャ、及びピクチャ番号「11」のピクチャのうち何れかを、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択したピクチャを示す第2参照インデックスrRI2を出力する。例えば、ピクチャ選択部213は、ピクチャ番号「15」のピクチャを第2参照ピクチャとして特定したときには、0を示す第2参照インデックスrRI2を出力する。
【0204】
そして、ピクチャ選択部213は、リマッピングが生じたときにも、上述と同様、図4の(b)に示すように、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャ、つまりピクチャ番号「15」のピクチャ、ピクチャ番号「13」のピクチャ、及びピクチャ番号「11」のピクチャの何れかを、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択したピクチャを示す第2参照インデックスrRI2を、リマッピング情報に基づいて特定してこれを出力する。
【0205】
その結果、本実施の形態では、リマッピングが生じても、ダイレクトモードにおける第2参照ピクチャを、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャとすることにより、実施の形態1と同様、符号化効率の向上を図ることができる。
【0206】
可変長符号化部203は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別信号PT、及びリマッピング情報を可変長符号化するとともに、ピクチャ選択部213により選択された第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2も可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS1として出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部203は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BSに含める。
【0207】
図9は、画像符号化信号BS1のヘッダの構成を示す構成図である。
画像符号化信号BS1は、実施の形態1の画像符号化信号BSと同様、ピクチャ単位で構成されてその1つのピクチャ単位には、ヘッダ41と各ブロックに関する情報が含まれている。
【0208】
ここで、その画像符号化信号BS1のピクチャ単位毎に含まれるヘッダ41は、実施の形態1の画像符号化信号BSのピクチャ単位毎に含まれるヘッダ21と異なっている。
即ち、画像符号化信号BS1のヘッダ41には、第1時間差情報24、第2時間差情報25、時間差情報26、及びリマッピング符号化情報27が含まれるとともに、上述のピクチャ選択部213から出力された第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報42が含まれる。
【0209】
なお、上述のように、第2参照インデックスrRI2は、符号化対象ピクチャ内のダイレクトモードが適用される全てのブロックに対し同じ値を持つ。従って、第2参照インデックスrRI2は1ピクチャに対し1回のみ符号化される。また、画像符号化信号BS1を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS1の中から、この第2参照インデックスrRI2及びリマッピング情報を取得することにより、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に選択することができる。
【0210】
また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、第1時間差情報24及び第2時間差情報25並びに時間差情報26の代わりに、そのピクチャの表示時刻情報が符号化された情報がヘッダ41に含まれる。
【0211】
図10は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置200は、ピクチャ選択部213により、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS200)。
【0212】
次に、画像符号化装置200は、ベクトル用バッファ114により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における符号化対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS202)。
【0213】
そして、画像符号化装置200は、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及び画素補間部106により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS204)。
【0214】
予測画像を生成すると、画像符号化装置200は、符号化対象ブロックと予測画像から予測誤差を生成して(ステップS206)、その生成された予測誤差、第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2、及びリマッピング情報を符号化する(ステップS208)。
【0215】
このように、本実施の形態では、符号化対象ピクチャに対して表示順が後の何れかの参照ピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択した参照ピクチャの第2参照インデックスrRI2を符号化して画像符号化信号BS1中に格納する。
【0216】
ここで、実施の形態1では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャをとして選択した。
つまり、実施の形態3では、実施の形態1と同様に、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択することにより符号化効率の向上を図ることができる。
【0217】
そして、実施の形態1と実施の形態3との違いは以下の通りである。実施の形態1では、画像符号化装置100にダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定するための手順を予め保持させておき、同様の手順を実施の形態2の画像復号化装置150にも保持させておくことによって、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャが画像符号化装置100及び画像復号化装置150の相互間で一意に決定されていた。一方、実施の形態3では、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定するための情報を符号列に含め、その情報に基づいて、画像符号化装置200とその符号列を復号する画像復号化装置とが処理を行うことによって、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャが画像符号化装置200及び画像復号化装置の相互間で一意に決定される。
【0218】
このように、本実施の形態によれば、符号化処理において決定された第2参照ピクチャを特定するための情報を符号化することによって、符号化処理及び復号処理の整合性をとることができる。
【0219】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャを、第2参照ピクチャとして選択したが、実施の形態1と同様、表示順が後のピクチャのうち第2参照インデックスが最小のピクチャを、第2参照ピクチャとして選択しても良い。また、ピクチャ選択部213は、さらに、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第1参照ピクチャを選択しても良い。この場合には、第1参照インデックスrRI1と第2参照インデックスrRI2とが符号化されて、図34に示すヘッダ41に含められる。また、画像符号化信号BS1を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS1の中からこの第1参照インデックスrRI1と第2参照インデックスrRI2とを取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとを特定することができる。
【0220】
また、本実施の形態における画像符号化信号BS1のフォーマットでは、第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報42が、ピクチャ単位のヘッダ41に含められたが、例えば、MPEGのスライス構造のようにピクチャより小さな符号化単位のヘッダや、MPEGのGOP(Group of Picture)のように複数のピクチャからな符号化単位のヘッダや、シーケンス全体のヘッダに格納されてもよい。また、上述のように第1参照ピクチャを選択するような場合も同様に、その第1参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1が符号化された情報が、上述のようなヘッダに格納される。
【0221】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図11は、実施の形態4における画像復号化装置のブロック図である。
【0222】
この画像復号化装置250は、実施の形態3の画像符号化装置200から出力される画像符号化信号BS1を復号するものであって、可変長復号部251と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160とを備えている。
【0223】
ここで、画像復号化装置250の画像復号部152、加算器153、スイッチ155,156、ダイレクトモード処理部154、画素補間部157、マルチフレームバッファ158、及びベクトル用バッファ160の各構成要素は、実施の形態2の画像復号化装置150が備える各構成要素と同一の機能を有する。
【0224】
つまり、本実施の形態では、可変長復号部251の機能に特徴がある。
可変長復号部251は、画像復号化装置250外部から画像符号化信号BS1を取得して、その画像符号化信号BS1に対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを出力する。ここで、画像符号化信号BSに、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部251は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0225】
さらに、可変長復号部251は、画像符号化信号BS1のヘッダ41に含まれる第2インデックス情報42に対して復号処理を行い第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160及びダイレクトモード処理部154に対して出力する。また、そのヘッダ41に符号化されたリマッピング符号化情報27が含まれているときには、可変長復号部251はリマッピング符号化情報27に対して復号処理を行い、リマッピング情報を生成する。そして、可変長復号部251は、マルチフレームバッファ158に対し、第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第2参照インデックスRI2(rRI2)により示されるピクチャを、そのリマッピング情報に基づいて特定させる。
【0226】
ベクトル用バッファ160は、第2参照インデックスrRI2を可変長復号部251から取得と、実施の形態2と同様、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャを、復号対象ピクチャに対する第2参照ピクチャとして特定する。そしてベクトル用バッファ160は、第2参照ピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0227】
このように、本実施の形態では、画像符号化信号BS1の第2インデックス情報42及びリマッピング符号化情報27により、復号対象ピクチャより表示順が後のピクチャの中から、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャが一意に選択される。
【0228】
このような本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作について説明する。
図12は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【0229】
まず、画像復号化装置250は、可変長復号部251により、画像符号化信号BS1を可変長復号することで、第2参照インデックスrRI2を取得する(ステップS250)。ここで、画像符号化信号BS1にリマッピング符号化情報27が含まれているときには、画像復号化装置250は、そのリマッピング符号化情報27に対する復号処理により、リマッピング情報を取得する。
【0230】
次に、画像復号化装置250は、ベクトル用バッファ160により、上述の第2参照インデックスrRI2により示される第2参照ピクチャの中において復号対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルを、復号対象ブロックに対するスケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを、復号対象ブロックに対する第1参照ピクチャとして特定する(ステップS252)。
【0231】
そして、画像復号化装置150は、ダイレクトモード処理部154、マルチフレームバッファ158、及び画素補間部157により、上述のように取得された第2参照インデックスrRI2により示される第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS254)。
【0232】
そして、画像復号化装置150は、画像符号化信号BSを復号処理して生成された画像の残差に対して、上記予測画像を加算する(ステップS256)。
【0233】
このように本実施の形態では、画像符号化信号BS1に含まれる第2インデックス情報42及びリマッピング情報41に基づいて、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを特定することにより、実施の形態3の画像符号化装置200からの画像符号化信号BS1を正しく復号することができる。また、実施の形態3で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0234】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図13は、実施の形態5における画像符号化装置のブロック図である。
【0235】
この画像符号化装置300は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、実施の形態1の画像符号化装置100と同様、減算器101と、画像復号化部104と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114とを備えるとともに、さらに、管理部304と、動き推定部302と、予測種別選択部301と、マルチフレームバッファ303と、可変長符号化部305とを備えている。
【0236】
ここで、画像符号化装置300の減算器101、画像復号化部104、スイッチ111,112、画素補間部106、ダイレクトモード処理部110、及びベクトル用バッファ114の各構成要素は、実施の形態1の画像符号化装置100が備える各構成要素と同一の機能を有する。
【0237】
ここで、ベクトル用バッファ114は、常に0を示す第2参照インデックスrRI2を取得して、その第2参照インデックスrRI2「0」に対するスケーリング用ベクトルrMVと第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0238】
また、本実施の形態におけるマルチフレームバッファ303は、実施の形態1及び3のマルチフレームバッファ107と同様の機能を有するが、自らが格納している情報は管理部304に管理されている。
【0239】
さらに、マルチフレームバッファ303内には、短時間メモリと長時間メモリとが確保され、ピクチャは短時間メモリと長時間メモリとに適宜分別して保存される。
【0240】
短時間メモリは、先入れ先出し方式(FIFO)のメモリであり、新規の信号が短時間メモリに記録されると、記録された時刻が古い順から記録内容が破棄され、短時間メモリには常に最新の一定数のピクチャが参照ピクチャとして保存される。
【0241】
長時間メモリは、ランダムアクセス方式のメモリであり、任意の領域に参照ピクチャを格納したり、任意の領域に格納された参照ピクチャの読み出しが可能な構成を有する。この長時間メモリは、背景画像や、シーン変化前の画像など、主に長時間に渡って参照されるピクチャを保存し、短時間メモリよりも長い時間分のピクチャを保存する。また、長時間メモリへのピクチャの保存は、短時間メモリに保存されたものが長時間メモリに移動するという形式で行われる。
【0242】
管理部304は、上述のようにマルチフレームバッファ303に格納されている情報を管理しており、その管理結果からリマッピングの必要性が生じたときには、リマッピングを生じさせる。つまり、管理部304はリマッピング情報を生成し、そのリマッピング情報を予測種別選択部301、動き推定部302、可変長符号化部305、及びマルチフレームバッファ303に出力する。
【0243】
例えば、管理部304は、後述するシーンチェンジ情報の取得結果から、シーンの変化(以下「シーンチェンジ」という)が生じたと判別したときには、リマッピング情報を生成する。
【0244】
予測種別選択部301は、実施の形態1及び3の予測種別選択部101と同様の機能を有するとともに、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報に基づいて各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0245】
動き推定部302は、実施の形態1及び3の動き推定部102と同様の機能を有するとともに、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報に基づいて各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0246】
つまり、予測種別選択部301及び動き推定部302は、管理部304からリマッピング情報を取得しないときには、符号化対象ピクチャの前後にある各参照ピクチャに対して、デフォルトで設定された順、つまり図4の(a)に示す順に数値を割り当てて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。一方、予測種別選択部301及び動き推定部302は、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、符号化対象ピクチャの前後にある各参照ピクチャに対して、デフォルトにリマッピング情報が考慮された順に数値を割り当てて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0247】
可変長符号化部305は、実施の形態1及び3の可変長符号化部105と同様、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別信号PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS2として出力する。そして可変長符号化部305は、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報を符号化して、その符号化されたリマッピング情報を画像符号化信号BS2のヘッダに含める。また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部103は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BS2に含める。
【0248】
ここで本実施の形態の管理部304は、リマッピング情報を生成するときには、各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスが一定の条件を満たすようにリマッピング情報を生成する。
【0249】
管理部304は、ダイレクトモード以外の補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときに、シーンチェンジが生じている場合には、長時間メモリに保持されている参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。ここでシーンチェンジが生じたか否かは、画像符号化装置300の外部で入力画像Imgを用いて判定され、その判定結果がシーンチェンジ情報として管理部304に供給されるとする。シーンチェンジの検出方法(判定方法)には、時間的に連続するピクチャ間で位置的に対応する画素毎の差分値の絶対値を求め、その差分絶対値をピクチャ内の全画素について加算し、その加算値が所定のしきい値を超えた場合に、シーンチェンジと判定する方法がある。また、シーンチェンジと検出されたフレーム(ピクチャ)は、Iピクチャとして符号化されることができる。そして、Iピクチャをサーチすることによりシーンチェンジのポイントを探すことが可能にもなる。
【0250】
さらに、管理部304は、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。
【0251】
ここで、管理部304は、第2参照インデックスの0がデフォルトで割り当てられる参照ピクチャに対しては、その第2参照インデックス「0」が変更されないようにリマッピング情報を生成しても良い。
これにより、リマッピングが生じても、第2参照インデックスの0は、常に符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャに割り当てられる。
【0252】
このような管理部304により行われるリマッピングについて、図14を参照して説明する。
図14は、管理部304により行われるリマッピングを説明するための説明図である。
【0253】
図14の(a)は、符号化対象ピクチャ及び参照ピクチャを表示順に示すピクチャ配列図である。
Bピクチャである符号化対象ピクチャTPが符号化されるときには、その符号化対象ピクチャTPの前後にあるPピクチャ、例えば、参照ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4,RP5の何れかが利用される。また、例えば、符号化対象ピクチャTPの表示順で近くにある参照ピクチャRP2,RP3,RP4,RP5は、マルチフレームバッファ303の短時間メモリに格納されており、符号化対象ピクチャTPから遠くにある参照ピクチャRP1は、マルチフレームバッファ303の長時間メモリに格納されている。
【0254】
そして、参照ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4,RP5を特定するために、これらの参照ピクチャに対してデフォルトでは、図14の(b)に示すように第1参照インデックス及び第2参照インデックスが割り当てられる。
【0255】
図14の(b)に示すように、参照ピクチャRP1には第1参照インデックス「4」及び第2参照インデックス「4」が割り当てられ、参照ピクチャRP2には第1参照インデックス「1」及び第2参照インデックス「3」が割り当てられ、参照ピクチャRP3には第1参照インデックス「0」及び第2参照インデックス「2」が割り当てられ、参照ピクチャRP4には第1参照インデックス「2」及び第2参照インデックス「0」が割り当てられ、参照ピクチャRP5には第1参照インデックス「3」及び第2参照インデックス「1」が割り当てられる。
【0256】
ここで、管理部304は、符号化対象ピクチャTPをダイレクトモード以外の補間予測により符号化するときに、符号化対象ピクチャTPを含むシーンA’と類似するシーンAが、シーンA’と非類似のシーンBを挟んで過去にあり、時間的に前の直前の参照ピクチャ(この場合は参照ピクチャRP3)が非類似シーンBに属すると判断すると、つまり時間的に前の直前の参照ピクチャの後にシーンチェンジがあったと判断すると、長時間メモリに格納されている参照ピクチャから第1参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。
【0257】
即ち、図14の(c)に示すように、長時間メモリに格納されている参照ピクチャRP1に第1参照インデックスの0が割り当てられる。
このように、本実施の形態では、符号化対象ピクチャをダイレクトモード以外の補間予測により符号化するときにシーンチェンジがあると、長時間メモリに保持されている参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるようにリマッピング情報が生成されるため、補間予測に用いられる第1参照インデックス「0」の第1参照ピクチャは符号化対象ピクチャと良く似た画像情報を有することとなり、その結果、符号化効率を向上することができる。
【0258】
つまり、このようなリマッピング情報が生成されない場合には、図14の(b)に示すように、第1参照インデックス「0」により示される参照ピクチャRP3が符号化対象ピクチャTPの符号化に利用されるが、
その参照ピクチャRP3は、符号化対象ピクチャTPとシーンが異なって非類似であるために符号化効率が低下してしまうのである。
【0259】
また、管理部304は、符号化対象ピクチャTPをダイレクトモードにより符号化するときには、図14の(d)に示すように、符号化対象ピクチャTPよりも表示順が後にある参照ピクチャ、例えば参照ピクチャRP5に対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。また、管理部304は、図14の(b)に示すように、第2参照インデックスの0がデフォルトで割り当てられる参照ピクチャRP4に対しては、その第2参照インデックス「0」が変更されないようにリマッピング情報を生成しても良い。
【0260】
このように、本実施の形態では、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられ、その第2参照インデックス「0」の参照ピクチャを第2参照ピクチャとして利用されるため、符号化効率を向上することができる。
【0261】
図15は、本実施の形態における動作の一例を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置300は、上述のシーンチェンジ情報が管理部304に取得されたか否かに応じて、シーンチェンジの有無を判別する(ステップS300)。
【0262】
ここで、シーンチェンジが有ったと判別すると(ステップS300のY)、画像符号化装置300は、長時間メモリにある参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるように、且つ、符号化対象ピクチャよりも後にある何れかの参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピングを行う(ステップS302)。また、画像符号化装置300は、シーンチェンジがなかったと判別したときには(ステップS300のN)、リマッピングをすることなくデフォルトで第1参照インデックス及び第2参照インデックスを割り当てる(ステップS304)。
【0263】
次に、画像符号化装置300は、上述のように割り当てられた第1参照インデックス及び第2参照インデックスに基づいて、第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャを特定して、これらの参照ピクチャに基づいて予測画像を生成する(ステップS306)。
そして、画像符号化装置300は、予測画像から予測誤差を生成して(ステップS308)、これを符号化する(ステップS310)。
【0264】
(変形例)
ここで、本実施の形態における管理部についての変形例について説明する。
図16は、本実施の形態の変形例に係る画像符号化装置300’の構成を示す構成図である。
【0265】
この変形例に係る画像符号化装置300’は、上述の画像符号化装置300と同様、画像符号化部102、画像復号化部104、及び管理部304’などを備えている。
【0266】
ここで、上記本実施の形態では、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられる。つまり、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャに対して、第2参照インデックスの0が割り当てられるのが管理部304’により禁止されることとなる。その結果、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャのブロックの符号化に用いた第1動きベクトルは、スケーリング用ベクトルとして用いられることはない。
【0267】
そこで、本変形例では、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャのブロックの第1動きベクトルを、符号化対象ピクチャの符号化のためにわざわざベクトル用バッファ114に保存しておく処理を省いて、符号化効率を向上することができる。即ち、本変形例では、画像符号化装置300’の管理部304’は、一度表示順で符号化対象ピクチャよりも前になった参照ピクチャの第1動きベクトルをベクトル用バッファ114から削除する。
【0268】
これにより、本変形例では、符号化処理に不要な動きベクトルがベクトル用バッファ114に保存されるのを防いで、ベクトル用バッファ114の記憶容量を小さくすることができる。
【0269】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図17は、実施の形態6における画像復号化装置のブロック図である。
【0270】
この画像復号化装置350は、実施の形態5の変形例に係る画像符号化装置300’から出力される画像符号化信号BS2に対して復号処理を行うものであって、実施の形態2と同様、可変長復号部151と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160とを備えるとともに、さらに管理部354を備えている。
【0271】
この画像復号化装置350は、実施の形態2においてピクチャ選択部159が常に0を示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160に対して出力しているのと同様の構成を有する。
【0272】
また、可変長復号部151は、画像符号化信号BS2を取得して、その画像符号化信号BS2にリマッピング情報が含まれていれば、マルチフレームバッファ158に対し、第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第2参照インデックスRI2(rRI2)により示されるピクチャを、そのリマッピング情報に基づいて特定させる。
【0273】
ここで、管理部354は、マルチフレームバッファ158に格納されている参照ピクチャを監視しており、一度表示順で復号対象ピクチャよりも前になった参照ピクチャの第1動きベクトルMV1をベクトル用バッファ160から削除する。
【0274】
これにより、本実施の形態においても、実施の形態5の変形例と同様、復号処理に不要な動きベクトルがベクトル用バッファ160に保存されるのを防いで、ベクトル用バッファ160の記憶容量を小さくすることができる。
【0275】
(実施の形態7)
図18は、実施の形態7における画像符号化装置のブロック図である。
ここで、図18中に示すユニット及び信号のうち、図37に示す従来の画像符号化装置900のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置900のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0276】
本実施の形態の特徴は、第1参照ピクチャ選択部601が、ダイレクトモード時に符号化対象ピクチャ内のブロックに共通して使用する第1参照ピクチャを選択する点である。これにより、ダイレクトモードにおいてスケーリング用ベクトルの参照先となる第1参照ピクチャを所定の参照ピクチャに共通化させる。
【0277】
図19は実施の形態7のダイレクトモードの概念図である。
この図19では、参照ピクチャRP1を、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとしている。つまり、ブロックB00の第1動きベクトルMV10は参照ピクチャRPnを参照先としているが、ダイレクトモードが適用されるブロックB0の第1動きベクトルMV01は上述の参照ピクチャRP1を参照先とする。
【0278】
即ち、近似的に得られる共通の参照ピクチャRP1上のブロックB1に基づく動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとし、そのスケーリング用ベクトルに対するスケーリングに基づき、符号化対象ピクチャTP上のブロックB0の符号化に用いる動きベクトルMV01,MV02を導出する。言い換えれば、符号化対象ピクチャTP上のブロックB0の、ピクチャRP1上のブロックRB01に基づく動きベクトルMV01と、ピクチャRP3上のブロックRB02に基づく動きベクトルMV02とは、動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとして用いることにより求められる。
【0279】
なお、本実施の形態では、ダイレクトモード処理部910’が上述のようなダイレクトモードによる処理を行う。
また、従来では、動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャRPnを識別するための情報がスケーリングするために必要であり、その情報がメモリ上に保存される必要があった。
【0280】
ここで、動きベクトルMV01,MV02の算出の仕方を、図20を用いて説明する。
図20は、動きベクトルMV01,MV02の算出過程を示すフロー図である。
【0281】
まず、画像符号化装置600は、第1参照ピクチャRP1上で、ブロックB00の動きベクトルMV10の参照先となるブロックBnと同じ位置にあるブロックB1を求める(ステップS1)。
次に、画像符号化装置600は、ブロックB00からブロックB1に対する動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとする(ステップS2)。
【0282】
そして、画像符号化装置600は、このスケーリング用ベクトルMV0から、動きベクトルMV01,MV02を求める(ステップS3)。
【0283】
このように、動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャに関わらず、ダイレクトモードの第1参照ピクチャを1つのピクチャに共通化すると、ベクトル用バッファ914には動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャのピクチャ番号(図19では参照ピクチャRPnのピクチャ番号が該当する)を格納する必要がなくなる。その代わり、図18に示すように、第1参照ピクチャ選択部601は、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャを選択し、その第1参照ピクチャの第1参照インデックスrRI1を出力する。なお、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャの選択方法は、例えば、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを選択する。
【0284】
以上のように、本実施の形態によれば、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報をメモリ上に保存しておく必要がなくなる。つまり、メモリ量を削減することができる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、符号化処理を簡略化して符号化効率を向上することができる。なお、第1動きベクトルが参照するピクチャを識別する情報とは、例えば図4に示すピクチャ番号であるが、動きベクトルの参照先となるピクチャを一意に決めることができる情報であれば、他の情報であっても良い。
【0285】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとして選択したが、符号化対象ピクチャより表示順が前で、符号化対象ピクチャに最も表示順が近い参照ピクチャを、上記第1参照ピクチャとして選択しても良い。
【0286】
また、本実施の形態では、Bピクチャである符号化対象ピクチャが参照する参照ピクチャのうち少なくとも1つをその符号化対象ピクチャより前方のものとすることにより、符号化対象ピクチャより後方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率を高める可能性を上げることができる。
【0287】
さらに、本実施の形態では、第2参照ピクチャを実施の形態1のように選択しても良い。この場合には、実施の形態1で示した符号化方法と本実施の形態で示した符号化方法とを組み合わせることにより、符号化効率をより高めることができる。
【0288】
また、本実施の形態では、ダイレクトモード処理部910’は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行ったが、上記他の実施の形態と同様、表示時刻情報を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行っても良い。この場合、図19を用いて説明すると、動きベクトルMV0ではなく動きベクトルMV10がスケーリング用ベクトルとして用いられる。つまり、ピクチャRP3とピクチャRPnの表示時刻差に対する、ピクチャTPとピクチャRPnの表示時刻差の比に応じて、動きベクトルMV10がスケーリングされることで、符号化対象ブロックB0の第1動きベクトルMV01が算出されるとともに、ピクチャRP3とピクチャRPnの表示時刻差に対する、ピクチャTPとピクチャRP3の表示時刻差の比に応じて、動きベクトルMV10がスケーリングされることで、符号化対象ブロックB0の第2動きベクトルMV02が算出される。
【0289】
(実施の形態8)
図21は、実施の形態8における画像復号化装置のブロック図である。
ここで、図21中に示すユニット及び信号のうち、図38に示す従来の画像符号化装置950のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置950のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0290】
本実施の形態の画像復号化装置650は、実施の形態7で説明した画像符号化装置600が出力する画像符号化信号BS0を復号する。
【0291】
第1参照ピクチャ選択部651は、図18の第1参照ピクチャ選択部601と同じ方法で第1参照ピクチャを選択する。そして、第1参照ピクチャ選択部651は、選択した第1参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1をダイレクトモード処理部954’に出力する。
【0292】
そして、ダイレクトモード処理部954’は、図19に示すダイレクトモードによる処理を実行する。
【0293】
このように、ピクチャ内に含まれる全てのダイレクトモードで符号化されるブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、ダイレクトモード用に参照ピクチャを識別する情報を保持する必要がなくなる。また、従来と比べてベクトル用バッファ960のメモリ量を削減できる。
【0294】
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態7の画像符号化装置600で符号化した画像符号化信号BS0を正しく復号できる。また、実施の形態7で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0295】
(実施の形態9)
図22は、実施の形態9の画像符号化装置のブロック図である。
ここで、図22中に示すユニット及び信号のうち、図37に示す従来の画像符号化装置900のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置900のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0296】
実施の形態7では、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャを画像符号化装置600及び画像復号化装置650で予め決められた同一の方法により選択し、画像符号化信号BS0中に選択した第1参照ピクチャを示す情報を格納しなかった。一方、本実施の形態では、選択した第1参照ピクチャの第1参照インデックスを画像符号化信号中に格納する。
【0297】
つまり、実施の形態7と実施の形態9との違いは以下の通りである。実施の形態7では、画像符号化装置600にダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定するための手順を保持させ、同様の手順を実施の形態8の画像復号化装置650にも保持させることによって、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定させていた。一方、実施の形態9では、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定するための情報を画像符号化信号に含めることによって、その画像符号化信号を復号する画像復号化装置及び画像符号化装置700の相互間において、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定させる。
【0298】
第1参照ピクチャ選択部701は、参照ピクチャの中からダイレクトモードの第1参照ピクチャを選択し、選択した参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1をダイレクトモード処理部910’と可変長符号化部903とに出力する。
【0299】
可変長符号化部903は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別情報PT、第1参照ピクチャ選択部701から出力された第1参照インデックスrRI1を可変長符号化し、画像符号化信号BS3として出力する。ここで、ダイレクトモード処理部910’での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部903は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BS3に含める。
【0300】
図23は、実施の形態9の画像符号化信号BS3のフォーマットである。
画像符号化信号BS3のフォーマットは、図35に示す従来の画像符号化装置900の画像符号化信号BS0のフォーマットとヘッダのみが異なる。
【0301】
第1参照インデックスrRI1は、ピクチャ内の全てのダイレクトモードのブロックに対し同じ値を持つとする。従って、第1参照インデックスrRI1は1ピクチャに対し1回のみ符号化すれば十分である。そこで、可変長符号化部903は、第1参照インデックスrRI1を符号化して、符号化された第1参照インデックスrRI1を、第1インデックス情報52として画像符号化信号BS3のヘッダ51に含める。なお、図23中に示す第1時間差情報4及び第2時間差情報5並びに時間差情報6の代わりに表示時間情報がヘッダ51に含まれていても良い。この画像符号化信号BS3を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS3の中から第1インデックス情報52に基づく第1参照インデックスrRI1を取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを特定することができる。
【0302】
このように、本実施の形態によれば、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全てのブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報を保存しておく必要がなくなる。つまり、ベクトル用バッファ914のメモリ量を従来と比べて削減することができる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、符号化処理を簡略にできる。また、ダイレクトモードに用いられる第1参照ピクチャを示す情報を符号化して画像符号化信号BS3に含めることにより、符号化処理と復号処理との整合性をとることができる。
【0303】
なお、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとして選択しても良い。
【0304】
また、本実施の形態では、Bピクチャである符号化対象ピクチャが参照する参照ピクチャのうち少なくとも1つを符号化対象ピクチャより前方のものとすることにより、符号化対象ピクチャより後方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率を高めることができる。
【0305】
さらに、本実施の形態では、第2参照ピクチャを実施の形態3のように選択しても良い。この場合には、第1参照インデックスrRI1が符号化された第1インデックス情報52と、第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報とが、図23に示すヘッダ51に含まれる。また、画像符号化信号BS3を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS3の中から、この第1インデックス情報52により示される第1参照インデックスrR1と、第2インデックス情報により示される第2参照インデックスrR2とを取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとを特定することができる。
【0306】
また、本実施の形態における画像符号化信号BS3のフォーマットでは、第1参照インデックスrRI1が符号化された第1インデックス情報52を、ピクチャ単位のヘッダ51に含めたが、例えば、MPEGのスライス構造のようにピクチャより小さな符号化単位のヘッダや、MPEGのGOP(Group of Picture)のように複数のピクチャからなる符号化単位のヘッダや、シーケンス全体のヘッダに格納してもよい。
【0307】
(実施の形態10)
図24は、実施の形態10における画像復号化装置のブロック図である。
ここで、図24中に示すユニット及び信号のうち、図38に示す従来の画像復号化装置950のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像復号化装置950のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0308】
本実施の形態の画像復号化装置750は、実施の形態9で説明した画像符号化装置700が出力する画像符号化信号BS3、つまり、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャの第1参照インデックスを示す情報が含まれた画像符号化信号を復号する。
【0309】
可変長復号部951は、画像符号化信号BS3を取得して、これに対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別情報PT、及びダイレクトモード用の第1参照インデックスrRI1を出力する。ここで、画像符号化信号BS3に、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部951は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0310】
ダイレクトモード用の第1参照インデックスrRI1は、ダイレクトモード時に共通して使用される第1参照ピクチャを示す。よって、ベクトル用バッファ960は、ダイレクトモード用に参照ピクチャを識別するための情報を保持する必要がないため、ベクトル用バッファ960のメモリ量を従来と較べて削減することができる。
【0311】
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態9の画像符号化装置700から出力される画像符号化信号BS3を正しく復号できる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報をメモリ上に保存しておく必要がなくなる。つまり、ベクトル用バッファ960のメモリ量を従来と較べて削減することができる。また、実施の形態9で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0312】
(実施の形態11)
さらに、上記各実施の形態で示した画像符号化方法及び画像復号化方法を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0313】
図25は、実施の形態1〜10の画像符号化方法及び画像復号化方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記憶媒体についての説明図である。
図25中の(b)は、フレキシブルディスクFDの正面からみた外観、断面構造、及びディスク本体FD1を示し、図25中の(a)は、記録媒体の本体であるディスク本体FD1の物理フォーマットの例を示している。
【0314】
ディスク本体FD1はケースF内に内蔵され、ディスク本体FD1の表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクFDでは、上記ディスク本体FD1上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしての画像符号化方法や画像復号化方法が記録されている。
【0315】
また、図25中の(c)は、フレキシブルディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。
上記プログラムをフレキシブルディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsが上記プログラムとしての画像符号化方法または画像復号化方法をフレキシブルディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フレキシブルディスクFD内のプログラムにより上記画像符号化方法又は画像復号化方法をコンピュータシステムCs中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブFDDによりプログラムがフレキシブルディスクFDから読み出され、コンピュータシステムCsに転送される。
【0316】
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクFDを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0317】
(実施の形態12)
さらにここで、上記実施の形態で示した画像符号化方法や画像復号化方法の応用例とそれを用いたシステムを説明する。
図26は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。
【0318】
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
【0319】
しかし、コンテンツ供給システムex100は図26のような組合せに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。
【0320】
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0321】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラex116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってもどちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0322】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を上記実施の形態同様に符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。
【0323】
このシステムを構成する各機器の符号化、復号化には上記各実施の形態で示した画像符号化装置あるいは画像復号化装置を用いるようにすればよい。
その一例として携帯電話について説明する。
【0324】
図27は、上記実施の形態で説明した画像符号化方法と画像復号化方法を用いた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
【0325】
さらに、携帯電話ex115について図28を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202及び操作キーex204を備えた本体部の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306及び音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。
【0326】
携帯電話ex115は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話機ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
【0327】
さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キーex204の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0328】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303及びLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0329】
画像符号化部ex312は、本願発明で説明した画像符号化装置を備えた構成であり、カメラ部ex203から供給された画像データを上記実施の形態で示した画像符号化装置に用いた符号化方法によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話機ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0330】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0331】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信データを変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0332】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0333】
次に、画像復号化部ex309は、本願発明で説明した画像復号化装置を備えた構成であり、画像データのビットストリームを上記実施の形態で示した符号化方法に対応した復号化方法で復号することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
【0334】
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図29に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施の形態の少なくとも画像符号化装置または画像復号化装置のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報のビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置によりビットストリームを復号化してこれを再生する。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録したビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施の形態で示した画像復号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に画像復号化装置を組み込んでも良い。また、アンテナex411を有する車ex412で衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
【0335】
更に、画像信号を上記実施の形態で示した画像符号化装置で符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。レコーダex420が上記実施の形態で示した画像復号化装置を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を再生し、モニタex408で表示することができる。
【0336】
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図28に示す構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
【0337】
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
【0338】
このように、上記実施の形態で示した画像符号化方法あるいは画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記実施の形態で説明した効果を得ることができる。
【0339】
また、本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
【0340】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る画像符号化方法によれば、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、特定情報が出力されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャをその特定情報に基づいて選択して、正確に復号することができる。
【0341】
また、本発明に係る画像符号化方法及び画像復号化方法は、動画像を符号化する画像符号化装置及び符号化された動画像を復号する画像復号化装置や、これらの装置を備えたシステム、例えばディジタル著作物などのコンテンツを供給するコンテンツ供給システムやディジタル放送用システムに用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における画像符号化装置のブロック図である。
【図2】同上の画像符号化信号の一部の構成を示す構成図である。
【図3】同上のダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
【図4】同上のリマッピングが生じたときにおける動作について説明するための説明図である。
【図5】同上のピクチャの表示順序の一例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2における画像復号化装置のブロック図である。
【図7】同上のダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態3における画像符号化装置のブロック図である。
【図9】同上の画像符号化信号のヘッダの構成を示す構成図である。
【図10】同上のダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態4における画像復号化装置のブロック図である。
【図12】同上のダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施の形態5における画像符号化装置のブロック図である。
【図14】同上の管理部により行われるリマッピングを説明するための説明図である。
【図15】同上の動作を示すフロー図である。
【図16】同上の変形例に係る画像符号化装置の構成を示す構成図である。
【図17】本発明の実施の形態6における画像復号化装置のブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態7における画像符号化装置のブロック図である。
【図19】同上のダイレクトモードの概念図である。
【図20】同上の動きベクトルの算出過程を示すフロー図である。
【図21】本発明の実施の形態8における画像復号化装置のブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態9における画像符号化装置のブロック図である。
【図23】同上の画像符号化信号BS3のフォーマットである。
【図24】本発明の実施の形態10における画像復号化装置のブロック図である。
【図25】本発明の実施の形態11における記憶媒体についての説明図である。
【図26】本発明の実施の形態12におけるコンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成を示すブロック図である。
【図27】同上の携帯電話を示す図である。
【図28】同上の携帯電話のブロック図である。
【図29】同上のディジタル放送用システムの全体構成を示すブロック図である。
【図30】Bピクチャの概念図である。
【図31】補間予測の説明図である。
【図32】補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が前にある場合の一例を説明するための説明図である。
【図33】補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が後にある場合の一例を説明するための説明図である。
【図34】ピクチャ番号と参照インデックスを説明するための説明図である。
【図35】従来の画像符号化装置が行うダイレクトモードの説明図である。
【図36】従来の画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図37】画像符号化信号のフォーマットの概念図である。
【図38】従来の画像復号化装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 画像符号化装置
102 画像符号化部
103 可変長符号化部
104 画像復号化部
106 画素補間部
107 マルチフレームバッファ
108 予測種別選択部
109 動き推定部
110 ダイレクトモード処理部
113 ピクチャ選択部
114 ベクトル用バッファ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号を符号化する画像符号化方法、符号化された画像信号を復号する画像復号化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディアアプリケーションの発展に伴い、画像、音声、及びテキストなど、あらゆるメディアの情報を統一的に扱うことが一般的になってきた。これにより、全てのメディアをディジタル化することにより統一的にメディアを扱うことが可能になる。
【0003】
しかしながら、ディジタル化された画像は膨大なデータ量を持つため、蓄積又は伝送のためには、画像の情報圧縮技術が不可欠である。一方で、圧縮した画像データを相互運用するためには、圧縮技術の標準化も重要である。画像圧縮技術の標準規格としては、ITU−T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)のH.261、H.263、ISO(国際標準化機構)のMPEG(Moving Picture Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4などがある(例えば、非特許文献1参照。)。また、ITUでは、現在、最新の画像符号化規格としてH.264が標準化中であり、標準化過程におけるドラフト案はH.26Lと呼ばれる。
【0004】
MPEG−1,2,4及びH.263などの動画像符号化方式に共通の技術として動き補償を伴うピクチャ間予測がある。これらの動画像符号化方式の動き補償では、入力画像のピクチャを所定のサイズの矩形領域(以降、ブロックと呼ぶ)に分割し、各ブロック毎にピクチャ間の動きを示す動きベクトルから予測画素を生成する。
【0005】
以下、動き補償を伴うピクチャ間予測を説明するため、次の(1)〜(6)に示す内容を説明する。
(1)Bピクチャの概念
(2)補間予測
(3)ピクチャ番号と参照インデックス
(4)ダイレクトモード
(5)従来の画像符号化装置
(6)従来の画像復号化装置
【0006】
(1)Bピクチャの概念
H.26LのBピクチャ(2方向予測[Bi−predictive]ピクチャ)について、図30を用いて説明する。
【0007】
図30は、Bピクチャの概念図である。
ピクチャTPは符号化対象のBピクチャであり、ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4はそれぞれ符号化済のピクチャである。ブロックB1は、ブロックRB1とブロックRB2とを参照してピクチャ間予測されたブロックであり、ブロックB2は、ブロックRB21とブロックRB22とを参照してピクチャ間予測されたブロックであり、ブロックB3は、ブロックRB31とブロックRB32とを参照してピクチャ間予測されたブロックである。
【0008】
このように、Bピクチャである符号化対象ピクチャTPは、他の2つのピクチャにそれぞれ含まれるブロックを参照してピクチャ間予測されるブロックを含んでいる。
【0009】
(2)補間予測
補間予測について、図31を用いて説明する。
図31は、補間予測の説明図である。
ブロックRB1とブロックRB2は、補間予測に使用される2つの参照ブロックであり、ブロックPBは補間処理により得られた予測ブロックを示す。ここでは、ブロックサイズは4×4画素として説明する。
【0010】
X1(i)は参照ブロックRB1の画素値を示し、X2(i)は参照ブロックRB2の画素値を示し、P(i)は予測ブロックPBの画素値を示す。画素値P(i)は次式のような線形予測式により得ることができる。
P(i)=A・X1(i)+B・X2(i)+C
【0011】
ここで、A,B,Cは線形予測係数である。この線形予測係数には、MPEG−1,2のように、平均値(A=1/2,B=1/2,C=0の場合)のみが使用される場合もあるし(厳密には、X1(i)+X2(i)を1/2した値を最も近い整数値に丸めた値)、明示的に他の値に設定される場合もある。他の値に設定される場合には、その値は、画像符号化信号中に格納されて画像符号化装置から画像復号化装置に伝送される。
【0012】
このように複数の参照ピクチャから画素補間によりピクチャ間予測されるブロックを「補間予測ブロック」と呼ぶ。Bピクチャは、補間予測ブロックをピクチャ内に含むことが可能なピクチャである。
【0013】
MPEG−1,MPEG−2などの画像符号化方式のBピクチャに含まれる補間予測ブロックは、図30に示すブロックB1のように符号化対象ピクチャTPに対し表示順が前の参照ピクチャRP1と、後の参照ピクチャRP3とから予測される補間予測ブロックしかなかった。
【0014】
一方、最近検討されている新しいBピクチャでは、加えて、図30に示すブロックB2,B3のように、参照ピクチャが2枚とも符号化対象ピクチャより前又は後となる補間予測ブロックも含むことができる。
【0015】
図32は、補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が前にある場合の一例を説明するための説明図である。
【0016】
ピクチャP7は符号化対象ピクチャであって、各ピクチャは、ピクチャP1,P2,P3,P4,P5,P6,P7の順に符号化される。つまり、ピクチャP1,P2,P5,P6は、符号化対象ピクチャP7よりも先に符号化されてマルチフレームバッファ(メモリ)に格納されている。
【0017】
そして、符号化対象ピクチャP7に含まれる補間予測ブロックは、ピクチャP1及びピクチャP6に含まれる画素を参照して符号化される。
【0018】
図33は、補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が後にある場合の一例を説明するための説明図である。
ピクチャP4は符号化対象ピクチャであって、各ピクチャは、ピクチャP1,P2,P3,P4,P5の順に符号化される。つまり、ピクチャP1,P2,P3は、符号化対象ピクチャP4よりも先に符号化されてマルチフレームバッファに格納されている。
【0019】
そして、符号化対象ピクチャP4に含まれる補間予測ブロックは、ピクチャP2及びピクチャP3に含まれる画素を参照して符号化される。
なお、補間予測ブロックを含まずに、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測を行うブロックを含むことが可能なピクチャをPピクチャと呼び、ピクチャ間予測を行わない面内予測ブロックのみから構成されるピクチャをIピクチャと呼ぶ。
【0020】
H.26Lでは、Bピクチャのブロックの符号化には、最大2枚の参照ピクチャが使用される。そこで、2枚の参照ピクチャを区別するため、各参照ピクチャを第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャと呼ぶ。また、第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャのそれぞれに基づく動きベクトルを、第1動きベクトル及び第2動きベクトルと呼ぶ。
【0021】
例えば図30では、符号化対象ブロックB1に対して、ピクチャRP1が第1参照ピクチャとなり、ピクチャRP3が第2参照ピクチャとなり、動きベクトルMV1が第1動きベクトルとなり、動きベクトルMV2が第2動きベクトルとなる。また、第1参照ピクチャのみからの予測を第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャのみからの予測を第2参照ピクチャ予測と呼ぶ。
【0022】
なお、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測されたブロックに対しては、参照ピクチャや動きベクトルを第1、第2に区別する必要はないが、説明の都合上、1枚の参照ピクチャからピクチャ間予測されたブロックの参照ピクチャ及び動きベクトルを、第1参照ピクチャ及び第1動きベクトルと呼ぶ。
【0023】
(3)ピクチャ番号及び参照インデックス
図34は、ピクチャ番号と参照インデックスを説明するための説明図である。
ピクチャ番号及び参照インデックスは、マルチフレームバッファに格納された参照ピクチャを一意に識別するための情報である。H.26Lでは、ピクチャが参照ピクチャとしてメモリに蓄積される毎に1増加する値が、その参照ピクチャに対するピクチャ番号として割り当てられる。
【0024】
一方、参照インデックスは、符号化対象ブロックのピクチャ間予測に使用される参照ピクチャを指示するために使用される。
また、参照インデックスは、第1参照ピクチャを指示するための第1参照インデックスと、第2参照ピクチャを指示するための第2参照インデックスとから構成される。
【0025】
以下、第1参照インデックス、第2参照インデックスの割り当て方法について、図34の(a)を用いて説明する。
まず、符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順より0から始まる値が、第1参照インデックスとして割り当てられる。符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャの全てに対し0から始まる値が割り当てられたら、次に符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順から、その続きの値が割り当てられる。
【0026】
そして、符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順より0から始まる値が、第2参照インデックスの値として割り当てられる。符号化対象ピクチャより後の表示時刻を持つ参照ピクチャの全てに対し0から始まる値が割り当てられたら、次に符号化対象ピクチャより前の表示時刻を持つ参照ピクチャに対し、符号化対象ピクチャに近い順から、その続きの値が割り当てられる。
【0027】
例えば、図34の(a)に示すように、第1参照インデックスが0として指示された場合、第1参照ピクチャはピクチャ番号「14」のBピクチャであり、第2参照インデックスが1として指示された場合、第2参照ピクチャはピクチャ番号「13」のBピクチャである。
【0028】
一方、H.26Lでは、画像符号化信号中のバッファ制御信号(図37中に示すヘッダ1内のRPSL7)を用いて明示的に指示することにより、参照ピクチャに対する第1参照インデックス及び第2参照インデックスの割り当てを任意に変更することができる。この割り当ての変更により、第2参照インデックスが0の参照ピクチャをマルチフレームバッファ内の任意の参照ピクチャにすることが可能で、例えば、図34の(b)に示すように、ピクチャ番号に対する第1参照インデックス及び第2参照インデックスの割り当てが変更される。
【0029】
なお、ブロック中の参照インデックスは、可変長符号語により表現され、値が小さいほど短い符号長のコードが割り当てられている。
【0030】
(4)ダイレクトモード
ダイレクトモードについて、図35を用いて説明する。
図35は、従来の画像符号化装置が行うダイレクトモードの説明図である。
ここでダイレクトモードとは、符号化対象ブロックに対する参照ピクチャ及び動きベクトルを、参照ピクチャの符号化時に使用した動きベクトル及び参照ピクチャの符号化時に参照したピクチャから以下に説明する方法により決定し、画素補間によりピクチャ間予測を行うモードである。
【0031】
ピクチャTPは符号化対象のBピクチャであり、ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4は参照ピクチャとして用いられるようにマルチフレームバッファ内にある復号済のピクチャである。また、図35中点線に示すピクチャは、非参照ピクチャであって、マルチフレームバッファに含まれないものである。
【0032】
そして、ピクチャRP1の第1参照インデックスRI1は0であり、ピクチャRP2の第1参照インデックスRI1は1であり、ピクチャRP3の第2参照インデックスRI2は0であり、ピクチャRP4の第2参照インデックスRI2は1である。
【0033】
ブロックB0はダイレクトモードで符号化されるブロックであり、ブロックB00はピクチャRP3内で符号化対象ブロックB0と相対的に同じ位置にあるブロックである。また、ブロックRB01はピクチャRP1に含まれる参照ブロックであり、ブロックRB02は参照ピクチャRP3に含まれる参照ブロックである。動きベクトルMV0は、ブロックB00を符号化した際の第1動きベクトルであって、ピクチャRP1を参照先とする。また、動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルと呼ぶ。
【0034】
符号化対象ブロックB0の予測に使用される第1動きベクトルMV01と第2動きベクトルMV02とは、次の式により計算される。
MV01=TR1×MV0/TR0
MV02=−TR2×MV0/TR0
【0035】
上式において、係数TR1,TR2,TR0は、ダイレクトモード用の動きベクトルの計算時に使用される値であり、例えばピクチャ間の表示時刻差が用いられる。図35の場合、TR1=2,TR2=1,TR0=3となる。
【0036】
画面内での符号化対象ブロックを含む物体の動きが一定であると仮定した場合、第1動きベクトルMV01と第2動きベクトルMV02は、符号化対象ピクチャTPと第1参照ピクチャRP1の表示時刻差と、符号化対象ピクチャTPと第2参照ピクチャRP2の表示時刻差とによって、動きベクトルMV0を内分することによって求められる。
【0037】
なお、表示時刻差に限らずピクチャ番号の差や、ピクチャ間のピクチャ枚数等を用いても第1動きベクトルMV01及び第2動きベクトルMV02を求めることができる。
また、上述のような係数TR1,TR2,TR0の値の組をダイレクトモード用スケーリング係数SPと呼ぶ。
【0038】
MPEG−4では、ダイレクトモードにおける後方参照ピクチャは最大1枚しかないため、第2参照ピクチャとして使用されるピクチャは一意に決まる。しかし、H.26Lでは、第2参照ピクチャと成り得るピクチャが複数あるため、第2参照インデックスRI2が0のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとしている。
【0039】
また、ダイレクトモードにおいては、各ピクチャごとに伝送されたダイレクトモード用スケーリング係数SPが、ピクチャに含まれる全ブロックに共通して使用される。または、各ピクチャの表示時刻情報を用いて、表示時刻差に比例するようにスケーリングを行う。
【0040】
なお、図35を図34の(a)と対応させるとすると、図35のピクチャTPは図34の(a)の中央のBピクチャ(点線のピクチャ)に対応し、図35のピクチャRP3は図34の(a)のピクチャ番号「15」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP4は図34の(a)のピクチャ番号「13」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP1は図34の(a)のピクチャ番号「14」のBピクチャに対応し、図35のピクチャRP2は図34の(a)のピクチャ番号「12」のBピクチャに対応する。図35のピクチャTP等の点線で示されている非参照ピクチャは、他のピクチャから参照されることがないため、マルチフレームバッファには保存されない。よって、図34の(a)に示すピクチャのようにそのピクチャを参照するための参照インデックスが割り当てられることは無い。
【0041】
なお、図35では、模式的に第1動きベクトルMV0を参照ピクチャRP3から参照ピクチャRP1への、時空間を超えたベクトルとしているが、実際に記憶されている第1動きベクトルMV0は、図19を用いて説明すると、ブロックB00からブロックB3への位置の変化量である。よって、図35で示す第1動きベクトルMV0は、ブロックB00からブロックB3へのベクトルと、RP1とRP3の時間的な距離とによって求められる。
本明細書では説明を簡略化するため、図35に示す第1動きベクトルMV0が実際に記憶されているものとする。
【0042】
(5)従来の画像符号化装置
次に従来の画像符号化装置について、図36を参照して説明する。
図36は、従来の画像符号化装置の構成を示すブロック図である。以下、この画像符号化装置について説明する。
画像符号化装置900は、ブロックに分割された画像信号Imgを入力し、ブロック毎に処理を行う。
【0043】
減算器901は、画像信号Imgから予測画像信号Preを減算し、残差信号Resを出力する。
画像符号化部902は、残差信号Resを取得して、DCT変換及び量子化などの画像符号化処理を行い、量子化済DCT係数などを含む残差符号化信号ERを出力する。
【0044】
画像復号化部904は、残差符号化信号ERを取得し、逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
加算器905は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算し、再構成画像信号Recを出力する。
【0045】
再構成画像信号Recで、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号は、マルチフレームバッファ907に格納される。マルチフレームバッファ907のメモリ量は有限なため、マルチフレームバッファ907内で以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータはマルチフレームバッファ907から除去される。
【0046】
動き推定部909は、マルチフレームバッファ907に格納された参照ピクチャRPを取得して動き推定を行い、面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、補間予測による予測の中から所定の方法で最適な予測種別を選択し(ピクチャ種別により選択できる予測種別は異なる)、符号化対象ブロックに対する第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2参照インデックスRI2を出力する。
【0047】
動き推定部909における予測種別の選択方法には、例えば、各予測種別による予測誤差が最小となる予測種別を選択する方法がある。選択された予測種別が面内予測の場合には、動きベクトル及び参照インデックスは出力されず、第1参照ピクチャ予測の場合には、第1参照インデックス及び第1動きベクトルのみが出力され、第2参照ピクチャ予測の場合には、第2参照インデックス及び第2動きベクトルのみが出力され、補間予測の場合には、第1参照インデックス、第2参照インデックス、第1動きベクトル、及び第2動きベクトルが出力される。
【0048】
上述のように、H.26Lでは、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして第2参照インデックスrRI2が0の参照ピクチャが使用される。よって、値0の第2参照インデックスrRI2はベクトル用バッファ914とダイレクトモード処理部910とに入力される。
【0049】
ベクトル用バッファ914には、スケーリング用ベクトルrMVとスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号とが記憶されている。スケーリング用ベクトルrMVにより符号化されたブロックを含む参照ピクチャは、第2参照インデックスrRI2により示される参照ピクチャであるため、ベクトル用バッファ914は、値0の第2参照インデックスrRI2を入力し、スケーリング用ベクトルrMVと、スケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0050】
ダイレクトモード処理部910は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を入力し、上記に説明したダイレクトモードの処理により、ダイレクトモード時の第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。
【0051】
予測種別選択部908は、画像信号Imgと、参照ピクチャRPと、「ダイレクトモード」の参照ブロックの位置を示す参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2と、「ダイレクトモード以外」の予測時に使用する参照ブロックの位置を示す参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2を入力する。そして、予測種別選択部908は、ブロックの予測にダイレクトモードを使用すべきか否かを決定し、決定した予測種別を示す種別情報PTを可変長符号化部903に出力する。
【0052】
ここで、予測種別選択部908は、例えば、入力画素に対する「ダイレクトモード時」の予測誤差と、「ダイレクトモード以外の予測時」の予測誤差とで、予測誤差の小さい方を選択することで、予測種別の選択を行う。
【0053】
よって、予測種別には、動き推定部909で選択される面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、ダイレクトモード以外の補間予測に加えて、ダイレクトモードが加わることになる。
【0054】
そして、予測種別がダイレクトモードを示す場合には、スイッチ911は”1”側に切り替わり、参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2が参照インデックスRI1,RI2、動きベクトルMV1,MV2として使用される。
【0055】
一方、予測種別がダイレクトモード以外を示す場合には、スイッチ911は”0”側に切り替わる。
【0056】
また、ダイレクトモード時には、符号化済ピクチャのブロックを符号化した際に用いられた第1動きベクトルsMV1がスケーリング用ベクトルとして使用される。そして、その第1動きベクトルsMV1の参照先となるピクチャが、ダイレクトモードの一方の参照ピクチャとして使用される。従って、符号化した第1参照インデックスRI1、第1動きベクトルMV1の中で、符号化したピクチャ以降のピクチャでダイレクトモードで使用される可能性がある第1参照インデックスRI1、第1動きベクトルMV1はベクトル用バッファ914に格納される。
【0057】
予測種別の決定後、マルチフレームバッファ907に第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とが入力され、入力された第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRB1がマルチフレームバッファ907から画素補間部906に出力される。予測種別により2つの参照ブロックが必要とされるときには、さらに第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRB2がマルチフレームバッファ907から画素補間部906に出力される。
【0058】
画素補間部906は、補間予測時には、2個の参照ブロックRB1,RB2の互いに対応する位置の画素値を補間し、補間ブロックRePを出力する。
【0059】
スイッチ912は、予測種別が補間予測を示す場合には、”1”側に切り替わり、補間ブロックRePを予測画像信号Preとして扱う。
【0060】
マルチフレームバッファ907は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、第2参照ピクチャ予測時には、マルチフレームバッファ907は第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、面内予測結果の画素からなるブロックRBがマルチフレームバッファ907から出力される。
【0061】
そして予測種別が補間予測以外の予測方法を示す場合には、スイッチ912は”0”側に切り替わり、参照ブロックRBを予測画像信号Preとして扱う。
【0062】
可変長符号化部903は、残差符号化信号ER、参照インデックスRI1,RI2、動きベクトルMV1,MV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS0に含めて出力する。
【0063】
図37は、画像符号化信号BS0のフォーマットの概念図である。
この図37は、画像符号化信号BS0中の1ピクチャ分の情報が含まれる部分のフォーマットを示す。
この部分は、ヘッダ1と、ダイレクトモードにより符号化されたブロックの第1ブロック符号化信号2と、ダイレクトモード以外の補間予測により符号化されたブロックの第2ブロック符号化信号3とを含む。
【0064】
第2ブロック符号化信号3は、種別情報PTが符号化された種別符号化信号9と、参照インデックスRI1,RI2が符号化された第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11と、動きベクトルMV1,MV2が符号化されたMV1符号化信号12及びMV2符号化信号13とを含む。第2ブロック符号化信号3では、第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11と、MV1符号化信号12及びMV2符号化信号13とが、画像符号化信号BS0中に、図37に示す順で含まれる。
【0065】
また、参照インデックスRI1,RI2のいずれを使用するかは種別符号化信号9により判断され、第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとは、画像符号化信号BS0中の第1インデックス符号化信号10及び第2インデックス符号化信号11のデータ位置で決まる。
【0066】
一方、第1ブロック符号化信号2は、ブロックがダイレクトモードで符号化された場合を示しており、種別情報PTが符号化された種別符号化信号8を含むが、参照インデックス及び動きベクトルを示す情報を含まない。
【0067】
また、ヘッダ1には、図35に示す係数TR1,TR2,TR0がそれぞれ符号化された第1時間差情報4、第2時間差情報5、及び時間差情報6と、参照ピクチャに対する第1参照インデックス又は第2参照インデックスの割り当て変更を示す内容のRPSL7が含まれる。ただし、ダイレクトモードでの動きベクトルのスケーリングの際に、各ピクチャの表示時刻情報を用いる場合には、これらの情報はヘッダ中には記述されず、ヘッダには表示時刻情報のみが記述される。
【0068】
(6)従来の画像復号化装置
図38は、従来の画像復号化装置の構成を示すブロック図である。
ここで、この画像復号化装置950が備えるマルチフレームバッファ958、画素補間部957、ベクトル用バッファ960、及びダイレクトモード処理部954はそれぞれ、図36に示す画像符号化装置900のマルチフレームバッファ907、画素補間部906、ベクトル用バッファ914、及びダイレクトモード処理部910のそれぞれと同様の機能を有するため、詳細な説明を省略する。また、図38中、図36に示す信号と同一の信号に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
可変長復号部951は、画像符号化信号BS0を入力し可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP(または、各ピクチャの表示時刻情報)、及び種別情報PTを出力する。画像復号部952は、残差符号化信号ERを入力し、これに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。加算器953は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算し、復号画像信号DImを画像復号化装置950外に出力する。マルチフレームバッファ958は、ピクチャ間予測のために必要な復号画像信号DImを格納する。
【0070】
ベクトル用バッファ960には、スケーリング用ベクトルrMVと、スケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを識別するための情報(第1参照インデックスrRI1)とが記憶されている。また、ベクトル用バッファ960は値0の第2参照インデックスrRI2を入力し、スケーリング用ベクトルrMVと第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0071】
ダイレクトモード処理部954は、図36のダイレクトモード処理部910と同じ処理を行う。
予測種別がダイレクトモード以外を示す場合、スイッチ955は”0”側に切り替わる。そして、マルチフレームバッファ958は、参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2を取得する。
【0072】
予測種別がダイレクトモードを示す場合、スイッチ955は”1”側に切り替わる。そして、マルチフレームバッファ958は、参照インデックスrRI1,rRI2及び動きベクトルsMV1,sMV2を、参照インデックスRI1,RI2及び動きベクトルMV1,MV2として取得する。
【0073】
マルチフレームバッファ958は、補間予測時は、第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1と、第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2とを出力する。そして、画素補間部957は2個の参照ブロックRB1,RB2のそれぞれに対応する画素値を補間して、補間ブロックRePを出力する。
【0074】
マルチフレームバッファ958は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRBを出力する。また、第2参照ピクチャ予測時には、マルチフレームバッファ958は、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には面内予測結果の画素からなるブロックRBがマルチフレームバッファ958から出力される。
【0075】
予測種別が補間予測を示す場合には、スイッチ956は”0”側に切り替わり、補間ブロックRePが予測画像信号Preとして使用される。
予測種別が補間予測以外の予測方法を示す場合には、スイッチ956は”1”側に切り替わり、参照ブロックRBが予測画像信号Preとして使用される。
【0076】
そして、復号された第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1のうち、復号されたピクチャ以降のピクチャでダイレクトモードに使用される可能性がある第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1はベクトル用バッファ960に格納される。
【0077】
このような画像復号化装置950は、上述のように説明した処理により画像符号化信号BS0を復号して、これを画像復号信号DImとして出力する。
ここで、上記従来の画像符号化装置900及び画像復号化装置950では、Bピクチャは、上述のように、前方向2枚のピクチャを参照して符号化されたり、後方向2枚のピクチャを参照して符号化されたり、前後1枚ずつのピクチャを参照して符号化されたりするが、一般的な映像に対しては、前方向2枚又は後方向2枚のピクチャを参照する場合よりも、前後1枚ずつのピクチャを参照する場合の方が、高精度に補間予測が可能なために符号化効率が高い。
【0078】
【非特許文献1】
MPEG−4ビジュアル規格書(1999年、ISO/IEC 14496−2:1999 Information technology −− Coding of audio−visual objects −− Part2: Visual, p.154)
【0079】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像符号化装置900及び画像復号化装置950では、図34の(b)を用いて説明したように、第2参照インデックスrRI2の0は、マルチフレームバッファ907,960内の任意の参照ピクチャに割り当てられるため、ダイレクトモードでBピクチャを符号化するような場合に、前方向2枚のピクチャを参照して符号化したり、後方向2枚のピクチャを参照して符号化したりする場合が多く、Bピクチャの符号化において符号化効率が低くなるという問題がある。
【0080】
また、図35に示すように、ダイレクトモードでは、第1参照ピクチャRP1及び第2参照ピクチャRP3並びにスケーリング用ベクトルMV0(第1動きベクトルMV0)を用いて、符号化対象ピクチャTPが符号化される。ここで、第2参照ピクチャは、第2参照インデックスRI2=0に対応するピクチャであって、第1参照ピクチャは、第2参照ピクチャ中のブロックB00の第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャである。
【0081】
そのため、ダイレクトモードを実現するためには、画像符号化装置900は、第2参照ピクチャRP3を符号化した際に使用した第1動きベクトルMV0と、第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャRP1を識別するための情報とを保持しておく必要がある。
【0082】
同様に、画像復号化装置950においても、ダイレクトモードのために、復号済ピクチャの第1動きベクトルMV0と、第1動きベクトルMV0の参照先となるピクチャRP1を識別するための情報とを保持する必要がある。
【0083】
即ち、H.263では、動きベクトルは最小4×4ブロック単位で切り替えられることが可能で、参照ピクチャは最小8×8ブロック単位で切り替えられることが可能なため、例えば、QCIF(176×144ブロック)サイズの画像の場合には、1参照ピクチャ当り1584個の動きベクトルと396個の参照ピクチャを識別するための情報とを保持できる量のメモリが必要になる。
【0084】
さらに、H.26Lでは、参照ピクチャに対する参照インデックスの割り当ては自由に変更できるため、マルチフレームバッファ内の全参照ピクチャが第2参照インデックスRI2=0に対応した参照ピクチャとなり得る。そのため、画像符号化装置900及び画像復号化装置950は、マルチフレームバッファ907,958内の全参照ピクチャ分の第1動きベクトルと、第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別するための情報とを保持しておく必要がある。
【0085】
このような第1動きベクトル及びピクチャの識別情報の保持に必要な記憶容量は参照ピクチャ枚数に比例するため、このような情報を保持するベクトル用バッファ914,960には非常に大きな記憶容量を要するという問題がある。つまり、ベクトル用バッファ914,960に記憶される情報量が多くなるために、その情報の入出力に負担がかかって符号化処理が煩雑になり、符号化効率の低下を招くという問題がある。
【0086】
そこで、本発明では、符号化効率の向上を図った画像符号化方法及び画像復号化方法を提供することを目的とする。
【0087】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップと、前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0088】
ここで、前記出力ステップでは、前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから前記特定情報を構成して出力することを特徴としても良い。また、前記出力ステップでは、前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す情報を前記特定情報として出力することを特徴としても良い。
【0089】
これにより、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、特定情報が出力されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャをその特定情報に基づいて選択して、正確に復号することができる。
【0090】
また、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0091】
ここで、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2インデックスの割り当て方を示す内容の割当情報に基づいて、前記第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを特定し、特定した前記符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択することを特徴としても良い。
【0092】
これにより、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャを一意に選択して、正確に復号することができる。
【0093】
ここで、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当て、このとき、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるように制限する割当ステップと、前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第2参照インデックスを割り当て直すことができ、割り当て直すときには、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるように制限する再割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0094】
ここで、前記再割当ステップでは、前記割当ステップにおいて0を示す第2参照インデックスが割り当てられる符号化済ピクチャに対して、前記第2参照インデックスの変更を禁止することを特徴としても良い。
【0095】
これにより、前記割当ステップ及び再割当ステップでは、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるため、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択される。その結果、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。
【0096】
さらに、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第1参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、所定の符号化済ピクチャまたはスライスに対して、前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第1参照インデックスを割り当て直す再割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が前の符号化済ピクチャのうち、所定の値を示す第1参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第1参照ピクチャとして選択する第1参照ピクチャ選択ステップと、前記第1参照ピクチャ内の所定のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、前記再割当ステップでは、長時間にわたって参照される前記符号済ピクチャから優先的に、前記所定の値を示す第1参照インデックスを割り当てることを特徴とする。
【0097】
これにより、シーンの変化が生じたときには、長時間にわたって参照される符号化済ピクチャを保持するメモリ内のその符号済ピクチャから優先的に0を示す第1参照インデックスが割り当てられるようにリマッピングされて、その第1参照インデックスが0の符号化済ピクチャが第1参照ピクチャとして選択されるため、符号化対象ピクチャと類似する符号化済ピクチャが参照される確率を高めて符号化効率を向上することができる。
【0098】
また、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、前記割当ステップでは、表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャに対して、0を示す第2参照インデックスが割り当てられるのを禁止することを特徴とする。
【0099】
これにより、表示順が符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャに対して、0を示す第2参照インデックスが割り当てられるのが禁止されるため、表示順が前になったことがあるその符号化済ピクチャは第2参照ピクチャとして選択されることがなく、その符号化済ピクチャ上のブロックの符号化に用いられた動きベクトルを、符号化対象ピクチャの符号化のためにわざわざメモリに保存しておく処理を省くことができ、符号化効率を向上することができる。
【0100】
ここで、前記画像符号化方法は、さらに、符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを記憶しているメモリから、表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを削除する削除ステップを含むことを特徴としても良い。
【0101】
これにより、符号化処理に不要な動きベクトルがメモリに保存されるのを防いで、メモリの記憶容量を小さくすることができる。
【0102】
さらに、本発明に係る画像符号化方法は、既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、記憶部に格納されている複数の符号化済ピクチャから、前記複数の符号化済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記符号化対象ピクチャと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する出力ステップとを含み、前記選択ステップでは、前記符号化済ピクチャのうち前記符号化対象ピクチャより表示順が前で前記第1参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記予測画像生成ステップでは、前記第2参照ピクチャ内で前記符号化対象ピクチャ上の符号化対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化に使用された第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記符号化対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記符号化対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴とする。
【0103】
これにより、符号化対象ピクチャ内の各ブロックに対して参照先となる第1参照ピクチャが、第2参照ピクチャの第1動きベクトルの参照先に関わらず共通化されるため、従来例のように第1参照ピクチャを識別するための情報をわざわざメモリに保存しておく必要がなく、そのメモリの記憶容量を小さくすることができるとともに、符号化処理を簡略化して符号化効率の向上を図ることができる。
【0104】
また、本発明に係る画像復号化方法は、符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、復号対象のピクチャの復号に参照される復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして特定するための特定情報、及び前記復号対象ピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャの中から、前記特定情報に基づいて第2参照ピクチャを選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0105】
ここで、前記取得ステップでは、前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから構成される特定情報を取得し、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2参照インデックスにより示される前記第2参照ピクチャを選択することを特徴としても良い。また、前記取得ステップでは、前記各復号済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す特定情報を取得し、前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、前記第2参照インデックスの変更方法から特定される復号済ピクチャを前記第2参照ピクチャとして選択することを特徴としても良い。
【0106】
これにより、特定情報に基づいて第2参照ピクチャを一意に選択して、
本発明に係る画像符号化方法により符号化されたピクチャを正確に復号することができる。
【0107】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が後で前記第2相対インデックスが最小の参照フレームを前記第2の参照フレームとして選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと、前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと、から画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0108】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を前記記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第二のステップにおいて、前記復号化済フレームのうち前記復号化対象フレームより表示順が後で前記第2相対インデックスが最小の参照フレームを前記第2の参照フレームとして選択し、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0109】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームで前記符号化対象フレームより表示順が後のフレームから前記第2の参照フレームを選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成し、前記第三のステップにおいて、前記第一のステップで選択された前記第2の参照フレームを示す第2相対インデックスを画像符号化信号中に含めることを特徴としても良い。
【0110】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第一のステップにおいて、第2相対インデックスを有する前記画像符号化信号から前記第2相対インデックスを取得し、前記第二のステップにおいて、前記第一ステップで取得した前記第2相対インデックスが示すフレームを前記第2の参照フレームとし、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で、前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを前記第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0111】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が前で前記第1相対インデックスが最小の参照フレームを第1の参照フレームとして選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0112】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第二のステップにおいて、前記符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームより表示順が前で前記第1相対インデックスが最小の参照フレームを前記第1の参照フレームとして選択し、前記第三のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記復号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0113】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化方法は、記憶部に格納されている複数の符号化済フレームから、符号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記符号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第一のステップと、各前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第二のステップと、入力された符号化対象フレームと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する第三のステップとを有する画像符号化方法における第一のステップにおいて、前記符号化済フレームで前記符号化対象フレームより表示順が前のフレームから前記第1の参照フレームを選択し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成し、前記第三のステップにおいて、前記第一のステップで選択された前記第1の参照フレームを示す第1相対インデックスを画像符号化信号中に含めることを特徴としても良い。
【0114】
ここで、前記第1の動きベクトルが参照するフレームの番号は格納しないことを特徴としても良く、さらに、前記記憶部に格納されている複数の符号化済フレームのうち前記符号化対象フレームに対して表示順で前になった前記第2の参照フレームの内で前記符号化対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置のブロックの動き補償で使用した前記第一の動きベクトルを削除するステップを有することを特徴としても良い。
【0115】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化方法は、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を入力する第一のステップと、記憶部に格納されている複数の復号化済フレームから、復号化対象フレーム上のブロックを動き補償により求めるときに参照する第1の参照フレームと第2の参照フレームとを選択するために、前記復号化済フレームに対して付与された第1相対インデックスと第2相対インデックスとを用いて、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレームを選択する第二のステップと、前記第1または第2少なくとも一方の参照フレーム上の動き補償により得られたブロックから画素補間により予測画像を生成する第三のステップと、前記予測画像と復号した予測誤差からフレームの復号画像を生成する第四のステップと、フレーム間予測に使用される可能性があるフレームの復号画像を記憶部に格納する第五のステップとを有する画像復号化方法における第一のステップにおいて、第1相対インデックスを有する前記画像符号化信号から前記第1相対インデックスを取得し、前記第二のステップにおいて、前記第2の参照フレーム内で前記符号対象フレーム上の所定のブロックと同じ位置の第1のブロックの動き補償で使用した第1の動きベクトルと、前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームとの時間間隔とから、前記第一のブロックから第1の参照フレーム上で前記前記第1の動きベクトルが参照するブロックと同じ位置にあるブロックへの第2の動きベクトルを算出し、算出された前記第2の動きベクトルを用いて所定の方法により前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームへの動きベクトルと前記第2の参照フレームへの動きベクトルとを算出し、前記第一のステップで取得された前記第1の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルから得られるブロックとから画素補間により予測画像を生成することを特徴としても良い。
【0116】
また上記以外にも、本発明に係る画像符号化装置は、画像信号を入力し、前記画像信号と予測画像との差分を行い残差信号として出力する差分器と、前記差分信号に画像符号化処理を行い残差符号化信号として出力する画像符号化手段と、前記残差符号化信号を復号して残差復号信号として出力する画像復号手段と、前記残差復号信号と予測画像を加算して再構成画像を出力する加算器と、前記記憶部内の符号化済フレームのうちで符号化対象フレームより表示順が後で第2相対インデックスが最小の参照フレームを第2の参照フレームとして選択するダイレクトモード用第2参照フレーム選択手段と、前記第2の参照フレーム内で符号化対象フレーム上の所定のブロックの動き補償で使用した動きベクトルが参照するフレームを第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により前記第1の参照フレームと前記第2の参照フレームへの動きベクトルを生成するダイレクトモード用ベクトル・相対インデックス生成手段と、前記第1の参照フレームに対する動きベクトルと前記第2の参照フレームに対する動きベクトルが参照する2つの参照ブロックの画素補間を行い予測画像として出力する画素補間手段と、予測誤差を可変長符号化して符号化信号として出力する可変長符号化手段を備えたものであることを特徴としても良い。
【0117】
また上記以外にも、本発明に係る画像復号化装置は、画像符号化信号を入力し可変長復号を行い、残差符号化信号を出力する可変長復号手段と、前記残差符号化信号を復号し復号残差信号を出力する画像復号手段と、前記残差復号信号と予測画像信号を加算し復号画像を出力する加算器と、前記復号画像を格納する記憶部と、第2相対インデックスが最小の参照フレームを第2の参照フレームとして選択するダイレクトモード用第2参照フレーム選択手段と、前記第2の参照フレーム内で符号化対象ブロックと同一位置のブロックの動きベクトルが参照するフレームを第1の参照フレームとし、この動きベクトルから所定の方法により第1の参照フレームと第2の参照フレームへの動きベクトルを生成するダイレクトモード用ベクトル・相対インデックスと生成手段と、前記第1および第2の参照フレームと各参照フレームに対応する動きベクトルが参照する2つの参照ブロックの画素補間を行い前記予測画像信号として出力する画素補間手段を備えたものであることを特徴とする画像復号化装置。
【0118】
さらに、本発明に係る記憶媒体は、コンピュータにより、上述の画像符号化方法及び画像復号化方法のいずれかに記載された動画像の符号化または復号化の処理を行うためのプログラムを格納した記録媒体であって、上記プログラムはコンピュータに上述の画像符号化方法及び画像復号化方法のいずれかに記載の動画像の符号化または復号化の処理を行わせるものであることを特徴としても良い。
【0119】
なお、本発明は、上記画像符号化方法や画像復号化方法を用いる画像符号化装置、画像復号化装置、プログラム、及びそのプログラムを格納する記憶媒体としても実現することができる。
【0120】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
【0121】
図1は、実施の形態1における画像符号化装置のブロック図である。
この画像符号化装置100は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、減算器101と、画像復号化部104と、可変長符号化部103と、動き推定部109と、予測種別選択部108と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114と、マルチフレームバッファ107と、ピクチャ選択部113とを備えている。
【0122】
減算器101は、画像信号Imgから予測画像信号Preを減算し、その減算結果を残差信号Resとして出力する。
【0123】
画像符号化部102は、残差信号Resを減算器101から取得して、その残差信号Resに対してDCT変換及び量子化などの画像符号化処理を行い、量子化済DCT係数などを含む残差符号化信号ERを出力する。
【0124】
画像復号化部104は、画像符号化部102から残差符号化信号ERを取得して、その残差符号化信号ERに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
【0125】
加算器105は、残差復号信号DRと予測画像信号Preとを加算し、その加算結果を再構成画像信号Recとして出力する。
【0126】
マルチフレームバッファ107は、加算器105から再構成画像信号Recを取得すると、その再構成画像信号Recのうち、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号を格納する。つまり、マルチフレームバッファ107の記憶容量は有限なため、マルチフレームバッファ107は、加算器105から取得した再構成画像信号Recのうち、以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータを除去する。
【0127】
動き推定部109は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャを参照ピクチャRPとして取得して動き推定を行い、面内予測、第1参照ピクチャ予測、第2参照ピクチャ予測、及び補間予測の予測種別の中から、所定の方法で最適な予測種別を選択する(なお、選択可能な予測種別はピクチャ種別によって異なる)。ここで、動き推定部109は、最適な予測種別を選択するときには、例えば、各予測種別による予測誤差が最小となる予測種別を選択する。
【0128】
そして、動き推定部109は、補間予測を選択したときには、符号化対象のブロックに対する第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2を出力する。また、動き推定部109は、面内予測を選択したときには、上述のような動きベクトルや参照インデックスを出力せず、第1参照ピクチャ予測を選択したときには、第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1のみを出力し、第2参照ピクチャ予測を選択したときには、第2動きベクトルMV2及び第2参照インデックスRI2のみを出力する。
【0129】
ベクトル用バッファ114は、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2を動き推定部109から取得する。そして、ベクトル用バッファ114は、その取得結果に基づいて、ダイレクトモードに用いられるスケーリング用ベクトルrMVと、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号及び参照インデックスを記憶している。
【0130】
つまり、ダイレクトモード時には、符号化済ピクチャのブロックを符号化したときに用いられた第1動きベクトルがスケーリング用ベクトルrMVとして使用され、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャが第1参照ピクチャとして扱われるため、ベクトル用バッファ114は、動き推定部109から出力された第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2のうち、ダイレクトモードに使用される可能性がある第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1を記憶している。
【0131】
また、ベクトル用バッファ114は、第2参照インデックスrRI2をピクチャ選択部113から取得する。そして、ベクトル用バッファ114は、ピクチャ選択部113からその第2参照インデックスrRI2を取得すると、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0132】
ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を取得すると、符号化対象のブロックに対して上述のダイレクトモードに基づく処理を行い、その結果として、第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを取得する代わりに、第1参照インデックスrRI1に示される参照ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報と、第2参照インデックスrRI2に示される参照ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報と、符号化対象ピクチャの表示時刻を示す表示時刻情報とを取得しても良い。このときには、ダイレクトモード処理部110は、これらの表示時刻情報に示される各ピクチャの表示時刻から、各ピクチャ間の表示時刻差を算出し、それらの表示時刻差の比を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行う。これにより、ダイレクトモード処理部110は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを用いたときと同様に、第1動きベクトルsMV1及び第2動きベクトルsMV2を算出する。
【0133】
予測種別選択部108は、画像信号Imgと、参照ピクチャRPと、ダイレクトモード処理部110から出力される第1参照インデックスrRI1、第2参照インデックスrRI2、第1動きベクトルsMV1、及び第2動きベクトルsMV2を取得するとともに、動き推定部109から出力される第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2を取得する。そして、予測種別選択部108は、取得した内容に基づいて符号化対象ブロックに対する予測種別を選択する。つまり、予測種別選択部108は、符号化対象ブロックに対してダイレクトモードを適用すべきか否かを判別する。さらに、予測種別選択部108は、選択した予測種別を示す内容の種別情報PTを可変長符号化部103に出力する。
【0134】
ここで、予測種別選択部108は、予測種別を選択するときには、例えば、符号化対象ブロックに対してダイレクトモードを適用したときの予測誤差と、ダイレクトモードを適用していないときの予測誤差とを比較する。そして、予測種別選択部108は、ダイレクトモードを適用したときの予測誤差の方が小さいと判別したときには、ダイレクトモードを適用する予測種別を選択し、ダイレクトモードを適用しないときの予測誤差の方が小さいと判別したときには、ダイレクトモードを適用しない予測種別を選択する。
【0135】
さらに、予測種別選択部108は、ダイレクトモードの適用を予測種別として選択したときには、スイッチ111の接点を接点0から接点1に切り替えさせる。これにより、ダイレクトモード処理部110から出力された第1参照インデックスrRI1、第2参照インデックスrRI2、第1動きベクトルsMV1、及び第2動きベクトルsMV2は、スイッチ111を介してマルチフレームバッファ107に、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2として送信される。
【0136】
一方、予測種別選択部108は、ダイレクトモードの不適用を予測種別として選択したときには、スイッチ111の接点を接点1から接点0に切り替えさせる。これにより、動き推定部109から出力された第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、及び第2動きベクトルMV2は、スイッチ111を介して可変長符号化部103及びマルチフレームバッファ107に送信される。
【0137】
また、予測種別選択部108は、補間予測以外の予測を予測種別として選択したときには、スイッチ112の接点を接点1から接点0に切り替え、補間予測を予測種別として選択したときには、スイッチ112の接点を接点0から接点1に切り替えさせる。その結果、減算器101及び加算器105に取得される予測画像信号Preは予測種別に応じ、マルチフレームバッファ107からの出力によるものと、画素補間部106からの出力によるものとに切り替えられる。
【0138】
マルチフレームバッファ107は、補間予測時には、動き推定部109及びダイレクトモード処理部110からの出力に基づいて第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第1動きベクトルMV1(sMV1)を取得すると、その第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1を画素補間部106に出力する。さらに、マルチフレームバッファ107は、動き推定部109及びダイレクトモード処理部110からの出力に基づいて第2参照インデックスRI2(rRI2)及び第2動きベクトルMV2(sMV2)を取得すると、その第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2を画素補間部106に出力する。
【0139】
そして、マルチフレームバッファ107は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、マルチフレームバッファ107は、第2参照ピクチャ予測時には、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、マルチフレームバッファ107は、面内予測結果を示す画素からなるブロックRBを出力する。
【0140】
画素補間部106は、マルチフレームバッファ107から参照ブロックRB1,RB2を取得すると、その参照ブロックRB1,RB2の中の互いに位置が等しい画素の画素値を補間し、その補間結果を補間ブロックRePとして出力する。
【0141】
そして上述のように、スイッチ112の接点は、予測種別選択部108からの予測種別に応じて切り替えられるため、補間予測以外の予測が予測種別として選択されたときには、マルチフレームバッファ107からのブロックRBがスイッチ112を介して予測画像信号Preとして減算器101及び加算器105に送信され、補間予測が予測種別として選択されたときには、画素補間部106からの補間ブロックRePがスイッチ112を介して予測画像信号Preとして減算器101及び加算器105に送信される。
【0142】
可変長符号化部103は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別信号PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BSとして出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部103は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BSに含める。
【0143】
図2は、画像符号化信号BSの一部の構成を示す構成図である。
画像符号化信号BSはピクチャ単位で構成されており、その1つのピクチャ単位には、ヘッダと各ブロックに関する情報が含まれる。
この図2に示す画像符号化信号BSの一部は、ダイレクトモードで符号化されたブロックを含むピクチャに相当するものであって、ヘッダ21と、第1ブロック符号化信号22と、第2ブロック符号化信号23とが含まれている。
【0144】
第1ブロック符号化信号22は、ダイレクトモードで符号化されたブロックを示すものであって、ダイレクトモードの適用を示す種別情報PTが符号化された種別符号化信号28が含まれている。
【0145】
第2ブロック符号化信号23は、ダイレクトモード以外の補間予測で符号化されたブロックを示すものであって、ダイレクトモードの不適用を示す種別情報PTが符号化された種別符号化信号29と、第1参照インデックスRI1が符号化された第1インデックス符号化信号30と、第2参照インデックスRI2が符号化された第2インデックス符号化信号31と、第1動きベクトルMV1が符号化されたMV1符号化信号32と、第2動きベクトルMV2が符号化されたMV2符号化信号33とを含んでいる。
【0146】
ヘッダ21には、そのピクチャに対する参照インデックスの割り当ての変更内容を示すリマッピング情報が符号化されたリマッピング符号化情報27と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる図35に示す係数TR1、つまり符号化対象ピクチャと第1参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された第1時間差情報24と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる係数TR2、つまり符号化対象ピクチャと第2参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された第2時間差情報25と、ダイレクトモード用スケーリング係数SPに含まれる係数TR0、つまり第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの表示時刻差が符号化された時間差情報26とを含んでいる。また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられる場合には、上述の第1時間差情報24と第2時間差情報25と時間差情報26の代わりに、当該ピクチャの表示時刻情報が符号化された信号が上記ヘッダ21に含まれる。
【0147】
ここで、本実施の形態におけるピクチャ選択部113は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャから、ダイレクトモードに用いられるピクチャを第2参照ピクチャとして選択する。
即ち、ピクチャ選択部113は、符号化対象ピクチャに対して表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0148】
そしてピクチャ選択部113は、選択した第2参照ピクチャの第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ114及びダイレクトモード処理部110に対して出力する。なお、ピクチャ選択部113は、表示順に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して各ピクチャの表示順序を知得する。
【0149】
図3は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置100は、ピクチャ選択部113により、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS100)。
【0150】
次に、画像符号化装置100は、ベクトル用バッファ114により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における符号化対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS102)。
【0151】
そして、画像符号化装置100は、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及び画素補間部106により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS104)。
【0152】
予測画像を生成すると、画像符号化装置100は、符号化対象ブロックと予測画像から予測誤差を生成して(ステップS106)、その生成された予測誤差を符号化する(ステップS108)。
【0153】
ここで、符号化対象ピクチャを基準に他の各ピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスが変更される場合(このような場合を以下「リマッピング」という)における、本実施の形態の動作について説明する。
【0154】
図4は、リマッピングが生じたときにおける本実施の形態の動作について説明するための説明図である。
図4の(a)は、リマッピングが生じる前(デフォルトの状態)において、各ピクチャに対して割り当てられた第1参照インデックス及び第2参照インデックスを示す。
【0155】
リマッピングが生じる前、つまりデフォルトでは、まず、図4中の点線で示される符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、0,1,2が第1参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が14のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして0が割り当てられ、ピクチャ番号が12のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして1が割り当てられ、ピクチャ番号が10のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして2が割り当てられる。
【0156】
上述のような割り当てが符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して行われると、次に、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、3,4,5が第1参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が15のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして3が割り当てられ、ピクチャ番号が13のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして4が割り当てられ、ピクチャ番号が11のピクチャに対しては、第1参照インデックスとして5が割り当てられる。
【0157】
そして、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、0,1,2が第2参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が15のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして0が割り当てられ、ピクチャ番号が13のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして1が割り当てられ、ピクチャ番号が11のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして2が割り当てられる。
【0158】
上述のような割り当てが符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある全てのピクチャに対して行われると、次に、符号化対象ピクチャよりも表示順が前にある全てのピクチャに対して、符号化対象ピクチャに近いピクチャから順に、3,4,5が第2参照インデックスとして割り当てられる。つまり、ピクチャ番号が14のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして3が割り当てられ、ピクチャ番号が12のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして4が割り当てられ、ピクチャ番号が10のピクチャに対しては、第2参照インデックスとして5が割り当てられる。
【0159】
図4の(b)は、リマッピングが生じた場合において、各ピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックス並びにリマッピング情報を示す。
【0160】
リマッピングが生じると、例えば、ピクチャ番号「14」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「0」から「2」に変更され、ピクチャ番号「12」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「1」から「0」に変更され、ピクチャ番号「10」のピクチャに対して割り当てられる第1参照インデックスは「2」から「1」に変更される。また、ピクチャ番号「14」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「3」から「0」に変更され、ピクチャ番号「15」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「0」から「2」に変更され、ピクチャ番号「11」のピクチャに対して割り当てられる第2参照インデックスは「2」から「3」に変更される。
【0161】
また、リマッピング情報は、参照インデックスに変更が生じた各ピクチャに対してその変更内容を示す数値から構成される。図4の(b)では、第2参照インデックスに対するリマッピング情報を示している。例えば、第2参照インデックス「0」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「15」のピクチャからピクチャ番号「14」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「14」からピクチャ番号「15」を減算した数値「−1」が、ピクチャ番号「14」に対応してリマッピング情報に含まれる。さらに、第2参照インデックス「2」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「11」のピクチャからピクチャ番号「15」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「15」からピクチャ番号「11」を減算した数値「+4」が、ピクチャ番号「15」に対応してリマッピング情報に含まれる。同様に、第2参照インデックス「3」が割り当てられるピクチャが、ピクチャ番号「14」のピクチャからピクチャ番号「11」のピクチャに変更されると、ピクチャ番号「11」からピクチャ番号「14」を減算した数値「−3」が、ピクチャ番号「11」に対応してリマッピング情報に含まれる。なお、図4の(b)に示すようなリマッピングの場合、第2参照インデックス「1」が割り当てられるピクチャは変更されないが、数値「0」がピクチャ番号「13」に対応してリマッピング情報に含まれる。
【0162】
このようなリマッピング情報は、画像符号化装置100の図示しない管理部などに管理されており、動き推定部109、予測種別選択部108、マルチフレームバッファ107、及びピクチャ選択部113は、そのリマッピング情報に基づいて第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0163】
このような本実施の形態では、上述のようにピクチャ選択部113が、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択するため、リマッピングが生じていないときには、第2参照インデックスが0であるピクチャ番号「15」のピクチャがダイレクトモードの第2参照ピクチャとして用いられ、リマッピングが生じたときには、第2参照インデックスが1であるピクチャ番号「13」のピクチャがダイレクトモードの第2参照ピクチャとして用いられる。
【0164】
その結果、リマッピングが生じてもダイレクトモードによる符号化時には、符号化対象ピクチャよりも後にあるピクチャが第2参照ピクチャとして用いられるために、前方向2枚又は後方向2枚のピクチャが第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャとして用いられることがなく、必ず前方向にあるピクチャと後方向にあるピクチャがそれぞれ第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャとして用いられるので、符号化効率を向上することができる。
【0165】
ここで、本実施の形態における画像符号化装置100の記憶容量に関して説明する。
図5は、ピクチャの表示順序の一例を説明するための説明図である。
ピクチャP1〜P7は、図5に示すように、ピクチャP1,ピクチャP3,ピクチャP4,ピクチャP2,ピクチャP6,ピクチャP7,ピクチャP5の順に表示され、ピクチャP1,ピクチャP2,ピクチャP3,ピクチャP4,ピクチャP5,ピクチャP6,ピクチャP7の順に符号化されてマルチフレームバッファ107に格納される。
【0166】
ここでは、Bピクチャは参照ピクチャとして使われることはないとする。よって、マルチフレームバッファ107は、参照ピクチャとして扱われるIピクチャ又はPピクチャであるピクチャP1,P2,P5を保存し、参照ピクチャとして扱われることのないBピクチャであるピクチャP3,P4,P6,P7を削除する。
【0167】
ピクチャP3,P4の符号化時には、参照ピクチャP2は符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャである。一方、ピクチャP6,P7の符号化時には、参照ピクチャP2は符号化対象ピクチャよりも表示順が前の参照ピクチャとなる。
【0168】
よって、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、参照ピクチャP2以降のピクチャの符号化では、参照ピクチャP2が符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャとなることはない。つまり、一度、符号化対象ピクチャに対し表示順が前になった参照ピクチャは、再び符号化対象ピクチャに対し表示順が後になることはない。
【0169】
即ち、マルチフレームバッファ114に保持されているピクチャが符号化対象ピクチャに対して表示順で前になった時点で、ベクトル用バッファ114に格納されている、その参照ピクチャの第1動きベクトルと、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別する情報とを破棄することができる。
【0170】
従って、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、ベクトル用バッファ114は、符号化対象ピクチャより表示順が後の参照ピクチャの第1動きベクトルと、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャを識別する情報のみ保持すればよい。これにより、図5に示すようなピクチャの関係を有する場合、ベクトル用バッファ114に必要なメモリ量を削減できる。
【0171】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択したが、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャの中から、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定できる条件であれば、第2参照インデックスが最小のピクチャでなくともその条件により決定されるピクチャを、第2参照ピクチャとして選択しても良い。この場合においても、符号化対象ピクチャより前方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率の向上を図ることができる。また、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャの中で、符号化対象ピクチャに表示順が最も近いピクチャをダイレクトモード時の第2参照ピクチャとしてもよい。この場合にも、上述と同様に符号化効率を高めることができる。
【0172】
また、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャの中の第2参照インデックスが最小のピクチャとし、さらに、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを、符号化対象ピクチャに対し表示順が前のピクチャの中の第1参照インデックスが最小の参照ピクチャとしても良い。この場合にも、上述と同様に符号化効率を高めることができる。
【0173】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図6は、実施の形態2における画像復号化装置のブロック図である。
【0174】
この画像復号化装置150は、実施の形態1の画像符号化装置100から出力される画像符号化信号BSを復号するものであって、可変長復号部151と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160と、ピクチャ選択部159とを備えている。
【0175】
可変長復号部151は、画像復号化装置150外部から画像符号化信号BSを取得して、その画像符号化信号BSに対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを出力する。ここで、画像符号化信号BSに、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部151は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0176】
また、可変長復号部151は、種別情報PTにより示される予測種別に応じて、スイッチ155,156の接点を切り換える。つまり、可変長復号部151は、予測種別がダイレクトモードであるときには、スイッチ155の接点を接点0から接点1に切り替え、予測種別がダイレクトモード以外であるときには、スイッチ155の接点を接点1から接点0に切り替える。また、可変長復号部151は、予測種別が補間予測であるときには、スイッチ156の接点を接点1から接点0に切り替え、予測種別が補間予測以外の予測であるときには、スイッチ156の接点を接点0から接点1に切り替える。
【0177】
画像復号部152は、可変長復号部151から残差符号化信号ERを取得し、残差符号化信号ERに対して逆量子化及び逆DCT変換などの画像復号処理を行い、残差復号信号DRを出力する。
【0178】
加算器153は、残差復号信号DRと予測画像信号Preを加算して、その加算結果を復号画像信号DImとして画像復号化装置150外に出力する。
【0179】
マルチフレームバッファ158は、復号画像信号DImを取得すると、その復号画像信号DImのうち、以降のピクチャ間予測で参照される可能性がある信号を格納する。つまり、マルチフレームバッファ158の記憶容量は有限なため、マルチフレームバッファ158は、取得した符号画像信号DImのうち、以降のピクチャ間予測に使用されないピクチャのデータを除去する。
【0180】
ベクトル用バッファ160は、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2を動き推定部109から取得する。そして、ベクトル用バッファ160は、その取得結果に基づいて、ダイレクトモードに用いられるスケーリング用ベクトルと、そのスケーリング用ベクトルの参照先となるピクチャを示すピクチャ番号及び参照インデックスを記憶している。
【0181】
つまり、ダイレクトモード時には復号対象ピクチャに対し、復号済ピクチャのブロックを復号したときに用いられた第1動きベクトルMV1がスケーリング用ベクトルとして使用され、その第1動きベクトルの参照先となるピクチャが第1参照ピクチャとして扱われるため、ベクトル用バッファ160は、可変長復号部151から出力された第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、第1参照インデックスRI1、及び第2インデックスRI2のうち、ダイレクトモードに使用される可能性がある第1動きベクトルMV1及び第1参照インデックスRI1を記憶している。
【0182】
また、ベクトル用バッファ160は、第2参照インデックスrRI2をピクチャ選択部159から取得する。そして、ベクトル用バッファ160は、ピクチャ選択部159からその第2参照インデックスrRI2を取得すると、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、そのスケーリング用ベクトルrMVの参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0183】
ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、スケーリング用ベクトルrMV、及び第1参照インデックスrRI1を取得すると、復号対象のブロックに対して上述のダイレクトモードに基づく処理を行い、その結果として、第1動きベクトルsMV1、第2動きベクトルsMV2、第1参照インデックスrRI1、及び第2参照インデックスrRI2を出力する。ここで、ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに各ピクチャの表示時刻情報を取得したときには、これらの表示時刻情報に示される表示時刻から、各ピクチャ間の表示時刻差を算出し、それらの表示時刻差の比を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行う。これにより、ダイレクトモード処理部154は、ダイレクトモードスケーリング係数SPを用いたときと同様に、第1動きベクトルsMV1及び第2動きベクトルsMV2を算出する。
【0184】
また、マルチフレームバッファ158は、補間予測時には、可変長復号部151及びダイレクトモード処理部154からの出力に基づいて第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第1動きベクトルMV1(sMV1)を取得すると、その第1参照インデックスRI1及び第1動きベクトルMV1に対応する参照ブロックRB1を画素補間部157に出力する。さらに、マルチフレームバッファ158は、可変長復号部151及びダイレクトモード処理部154からの出力に基づいて第2参照インデックスRI2(rRI2)及び第2動きベクトルMV2(sMV2)を取得すると、その第2参照インデックスRI2及び第2動きベクトルMV2に対応する参照ブロックRB2を画素補間部157に出力する。
【0185】
そして、マルチフレームバッファ158は、第1参照ピクチャ予測時には、第1参照インデックスRI1と第1動きベクトルMV1とに対応する参照ブロックRBを出力する。また、マルチフレームバッファ158は、第2参照ピクチャ予測時には、第2参照インデックスRI2と第2動きベクトルMV2とに対応する参照ブロックRBを出力する。なお、面内予測時には、マルチフレームバッファ158は、面内予測結果を示す画素からなるブロックRBを出力する。
【0186】
画素補間部157は、マルチフレームバッファ158から参照ブロックRB1,RB2を取得すると、その参照ブロックRB1,RB2の中の互いに位置が等しい画素の画素値の平均値を求めることにより補間画素を生成し、その補間結果を補間ブロックRePとして出力する。
【0187】
そして上述のように、スイッチ156の接点は、予測種別に応じて切り換えられるため、予測種別が補間予測以外の予測であるときには、マルチフレームバッファ158からのブロックRBがスイッチ156を介して予測画像信号Preとして加算器155に送信され、予測種別が補間予測であるときには、画素補間部157からの補間ブロックRePがスイッチ156を介して予測画像信号Preとして加算器153に送信される。
【0188】
ここで、本実施の形態におけるピクチャ選択部159は、マルチフレームバッファ158に格納されているピクチャから、ダイレクトモードに用いられるピクチャを第2参照ピクチャとして選択する。
即ち、ピクチャ選択部159は、復号対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0189】
そしてピクチャ選択部159は、上述の第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160に対して出力する。なお、ピクチャ選択部160は、表示時刻に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して表示順序を知る。
【0190】
これにより、本実施の形態の画像復号化装置150は、実施の形態1の画像符号化装置100が出力する画像符号化信号BSを正確に復号することができる。つまり、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャをダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択する画像符号化装置が出力する画像符号化信号を正確に復号することができる。
【0191】
図7は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像復号化装置150は、ピクチャ選択部159により、復号対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS150)。
【0192】
次に、画像復号化装置150は、ベクトル用バッファ160により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における復号対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルを、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS152)。
【0193】
そして、画像復号化装置150は、ダイレクトモード処理部154、マルチフレームバッファ158、及び画素補間部157により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS154)。
【0194】
そして、画像復号化装置150は、画像符号化信号BSを復号処理して生成された画像の残差に対して、上記予測画像を加算する(ステップS156)。
このように、本実施の形態では、復号対象ピクチャより表示順が後のピクチャのうち、参照インデックスが最小のピクチャを第2参照ピクチャとして選択するため、実施の形態1で説明した本発明の画像符号化装置で符号化した画像符号化信号を正しく復号することができる。また、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0195】
なお、画像符号化信号BSには、実施の形態1で説明したように、リマッピング符号化情報27が含まれており、マルチフレームバッファ158は、そのリマッピング符号化情報27が復号されたリマッピング情報に基づいて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスにより示されるピクチャを特定している。
【0196】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態3における画像符号化装置のブロック図である。
【0197】
この画像符号化装置200は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、減算器101と、画像復号化部104と、可変長符号化部203と、動き推定部109と、予測種別選択部108と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114と、マルチフレームバッファ107と、ピクチャ選択部213とを備えている。
【0198】
ここで、画像符号化装置200の減算器101、画像復号化部104、動き推定部109、予測種別選択部108、スイッチ111,112、画素補間部106、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及びベクトル用バッファ114の各構成要素は、実施の形態1の画像符号化装置100が備える各構成要素と同一の機能を有する。
つまり、本実施の形態では、ピクチャ選択部213及び可変長符号化部203の機能に特徴がある。
【0199】
ピクチャ選択部213は、マルチフレームバッファ107に格納されているピクチャから、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャを、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャとして選択する。
【0200】
そしてピクチャ選択部213は、上述の第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ114及びダイレクトモード処理部110並びに可変長符号化部203に対して出力する。
【0201】
なお、ピクチャ選択部213は、表示順に関する情報が各ピクチャ毎に付随しているので、これを利用して各ピクチャの表示順序を知る。また、ピクチャ選択部213は、符号化対象ピクチャに対してダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャを1つ選択する。つまり、ダイレクトモードが適用される符号化対象ピクチャに含まれる全てのブロックに対しては、同一の第2参照ピクチャが選択される。
【0202】
ここで、本実施の形態においても実施の形態1と同様、リマッピングが生じたときには、ピクチャ選択部213は、マルチフレームバッファ107内の各ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスをリマッピング情報に基づいて特定する。
【0203】
例えば、ピクチャ選択部213は、リマッピングが生じていないときには、図4の(a)に示すように、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャ、つまり、ピクチャ番号「15」のピクチャ、ピクチャ番号「13」のピクチャ、及びピクチャ番号「11」のピクチャのうち何れかを、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択したピクチャを示す第2参照インデックスrRI2を出力する。例えば、ピクチャ選択部213は、ピクチャ番号「15」のピクチャを第2参照ピクチャとして特定したときには、0を示す第2参照インデックスrRI2を出力する。
【0204】
そして、ピクチャ選択部213は、リマッピングが生じたときにも、上述と同様、図4の(b)に示すように、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャ、つまりピクチャ番号「15」のピクチャ、ピクチャ番号「13」のピクチャ、及びピクチャ番号「11」のピクチャの何れかを、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択したピクチャを示す第2参照インデックスrRI2を、リマッピング情報に基づいて特定してこれを出力する。
【0205】
その結果、本実施の形態では、リマッピングが生じても、ダイレクトモードにおける第2参照ピクチャを、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャとすることにより、実施の形態1と同様、符号化効率の向上を図ることができる。
【0206】
可変長符号化部203は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別信号PT、及びリマッピング情報を可変長符号化するとともに、ピクチャ選択部213により選択された第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2も可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS1として出力する。ここで、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部203は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BSに含める。
【0207】
図9は、画像符号化信号BS1のヘッダの構成を示す構成図である。
画像符号化信号BS1は、実施の形態1の画像符号化信号BSと同様、ピクチャ単位で構成されてその1つのピクチャ単位には、ヘッダ41と各ブロックに関する情報が含まれている。
【0208】
ここで、その画像符号化信号BS1のピクチャ単位毎に含まれるヘッダ41は、実施の形態1の画像符号化信号BSのピクチャ単位毎に含まれるヘッダ21と異なっている。
即ち、画像符号化信号BS1のヘッダ41には、第1時間差情報24、第2時間差情報25、時間差情報26、及びリマッピング符号化情報27が含まれるとともに、上述のピクチャ選択部213から出力された第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報42が含まれる。
【0209】
なお、上述のように、第2参照インデックスrRI2は、符号化対象ピクチャ内のダイレクトモードが適用される全てのブロックに対し同じ値を持つ。従って、第2参照インデックスrRI2は1ピクチャに対し1回のみ符号化される。また、画像符号化信号BS1を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS1の中から、この第2参照インデックスrRI2及びリマッピング情報を取得することにより、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に選択することができる。
【0210】
また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、第1時間差情報24及び第2時間差情報25並びに時間差情報26の代わりに、そのピクチャの表示時刻情報が符号化された情報がヘッダ41に含まれる。
【0211】
図10は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置200は、ピクチャ選択部213により、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャを第2参照ピクチャとして選択する(ステップS200)。
【0212】
次に、画像符号化装置200は、ベクトル用バッファ114により、上述のように選択された第2参照ピクチャの中における符号化対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを第1参照ピクチャとして特定する(ステップS202)。
【0213】
そして、画像符号化装置200は、ダイレクトモード処理部110、マルチフレームバッファ107、及び画素補間部106により、上述のように選択された第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS204)。
【0214】
予測画像を生成すると、画像符号化装置200は、符号化対象ブロックと予測画像から予測誤差を生成して(ステップS206)、その生成された予測誤差、第2参照ピクチャを示す第2参照インデックスrRI2、及びリマッピング情報を符号化する(ステップS208)。
【0215】
このように、本実施の形態では、符号化対象ピクチャに対して表示順が後の何れかの参照ピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択し、選択した参照ピクチャの第2参照インデックスrRI2を符号化して画像符号化信号BS1中に格納する。
【0216】
ここで、実施の形態1では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャのうち、第2参照インデックスが最小のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャをとして選択した。
つまり、実施の形態3では、実施の形態1と同様に、符号化対象ピクチャよりも表示順が後のピクチャを、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャとして選択することにより符号化効率の向上を図ることができる。
【0217】
そして、実施の形態1と実施の形態3との違いは以下の通りである。実施の形態1では、画像符号化装置100にダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定するための手順を予め保持させておき、同様の手順を実施の形態2の画像復号化装置150にも保持させておくことによって、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャが画像符号化装置100及び画像復号化装置150の相互間で一意に決定されていた。一方、実施の形態3では、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを一意に決定するための情報を符号列に含め、その情報に基づいて、画像符号化装置200とその符号列を復号する画像復号化装置とが処理を行うことによって、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャが画像符号化装置200及び画像復号化装置の相互間で一意に決定される。
【0218】
このように、本実施の形態によれば、符号化処理において決定された第2参照ピクチャを特定するための情報を符号化することによって、符号化処理及び復号処理の整合性をとることができる。
【0219】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかのピクチャを、第2参照ピクチャとして選択したが、実施の形態1と同様、表示順が後のピクチャのうち第2参照インデックスが最小のピクチャを、第2参照ピクチャとして選択しても良い。また、ピクチャ選択部213は、さらに、符号化対象ピクチャに対するダイレクトモード時の第1参照ピクチャを選択しても良い。この場合には、第1参照インデックスrRI1と第2参照インデックスrRI2とが符号化されて、図34に示すヘッダ41に含められる。また、画像符号化信号BS1を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS1の中からこの第1参照インデックスrRI1と第2参照インデックスrRI2とを取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとを特定することができる。
【0220】
また、本実施の形態における画像符号化信号BS1のフォーマットでは、第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報42が、ピクチャ単位のヘッダ41に含められたが、例えば、MPEGのスライス構造のようにピクチャより小さな符号化単位のヘッダや、MPEGのGOP(Group of Picture)のように複数のピクチャからな符号化単位のヘッダや、シーケンス全体のヘッダに格納されてもよい。また、上述のように第1参照ピクチャを選択するような場合も同様に、その第1参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1が符号化された情報が、上述のようなヘッダに格納される。
【0221】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図11は、実施の形態4における画像復号化装置のブロック図である。
【0222】
この画像復号化装置250は、実施の形態3の画像符号化装置200から出力される画像符号化信号BS1を復号するものであって、可変長復号部251と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160とを備えている。
【0223】
ここで、画像復号化装置250の画像復号部152、加算器153、スイッチ155,156、ダイレクトモード処理部154、画素補間部157、マルチフレームバッファ158、及びベクトル用バッファ160の各構成要素は、実施の形態2の画像復号化装置150が備える各構成要素と同一の機能を有する。
【0224】
つまり、本実施の形態では、可変長復号部251の機能に特徴がある。
可変長復号部251は、画像復号化装置250外部から画像符号化信号BS1を取得して、その画像符号化信号BS1に対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、動きベクトルMV1,MV2、参照インデックスRI1,RI2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別情報PTを出力する。ここで、画像符号化信号BSに、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部251は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0225】
さらに、可変長復号部251は、画像符号化信号BS1のヘッダ41に含まれる第2インデックス情報42に対して復号処理を行い第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160及びダイレクトモード処理部154に対して出力する。また、そのヘッダ41に符号化されたリマッピング符号化情報27が含まれているときには、可変長復号部251はリマッピング符号化情報27に対して復号処理を行い、リマッピング情報を生成する。そして、可変長復号部251は、マルチフレームバッファ158に対し、第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第2参照インデックスRI2(rRI2)により示されるピクチャを、そのリマッピング情報に基づいて特定させる。
【0226】
ベクトル用バッファ160は、第2参照インデックスrRI2を可変長復号部251から取得と、実施の形態2と同様、記憶している内容に基づいて、その第2参照インデックスrRI2により指し示されるピクチャを、復号対象ピクチャに対する第2参照ピクチャとして特定する。そしてベクトル用バッファ160は、第2参照ピクチャ内の所定のブロックに対応する第1動きベクトルMV1を、スケーリング用ベクトルrMVとして出力するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを示す第1参照インデックスRI1を、第1参照インデックスrRI1として出力する。
【0227】
このように、本実施の形態では、画像符号化信号BS1の第2インデックス情報42及びリマッピング符号化情報27により、復号対象ピクチャより表示順が後のピクチャの中から、ダイレクトモードに用いられる第2参照ピクチャが一意に選択される。
【0228】
このような本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作について説明する。
図12は、本実施の形態におけるダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【0229】
まず、画像復号化装置250は、可変長復号部251により、画像符号化信号BS1を可変長復号することで、第2参照インデックスrRI2を取得する(ステップS250)。ここで、画像符号化信号BS1にリマッピング符号化情報27が含まれているときには、画像復号化装置250は、そのリマッピング符号化情報27に対する復号処理により、リマッピング情報を取得する。
【0230】
次に、画像復号化装置250は、ベクトル用バッファ160により、上述の第2参照インデックスrRI2により示される第2参照ピクチャの中において復号対象ブロックと同じ位置にあるブロックの第1動きベクトルを、復号対象ブロックに対するスケーリング用ベクトルrMVとして特定するとともに、その第1動きベクトルMV1の参照先となるピクチャを、復号対象ブロックに対する第1参照ピクチャとして特定する(ステップS252)。
【0231】
そして、画像復号化装置150は、ダイレクトモード処理部154、マルチフレームバッファ158、及び画素補間部157により、上述のように取得された第2参照インデックスrRI2により示される第2参照ピクチャと、上述のように特定された第1参照ピクチャ及びスケーリング用ベクトルrMVとを用いて、ダイレクトモードによる予測画像を生成する(ステップS254)。
【0232】
そして、画像復号化装置150は、画像符号化信号BSを復号処理して生成された画像の残差に対して、上記予測画像を加算する(ステップS256)。
【0233】
このように本実施の形態では、画像符号化信号BS1に含まれる第2インデックス情報42及びリマッピング情報41に基づいて、ダイレクトモード時の第2参照ピクチャを特定することにより、実施の形態3の画像符号化装置200からの画像符号化信号BS1を正しく復号することができる。また、実施の形態3で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0234】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における画像符号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図13は、実施の形態5における画像符号化装置のブロック図である。
【0235】
この画像符号化装置300は、画像を示す内容の画像信号Imgを取得して、その画像信号Imgをブロック毎に符号化処理するものであって、実施の形態1の画像符号化装置100と同様、減算器101と、画像復号化部104と、スイッチ111,112と、画素補間部106と、ダイレクトモード処理部110と、ベクトル用バッファ114とを備えるとともに、さらに、管理部304と、動き推定部302と、予測種別選択部301と、マルチフレームバッファ303と、可変長符号化部305とを備えている。
【0236】
ここで、画像符号化装置300の減算器101、画像復号化部104、スイッチ111,112、画素補間部106、ダイレクトモード処理部110、及びベクトル用バッファ114の各構成要素は、実施の形態1の画像符号化装置100が備える各構成要素と同一の機能を有する。
【0237】
ここで、ベクトル用バッファ114は、常に0を示す第2参照インデックスrRI2を取得して、その第2参照インデックスrRI2「0」に対するスケーリング用ベクトルrMVと第1参照インデックスrRI1とを出力する。
【0238】
また、本実施の形態におけるマルチフレームバッファ303は、実施の形態1及び3のマルチフレームバッファ107と同様の機能を有するが、自らが格納している情報は管理部304に管理されている。
【0239】
さらに、マルチフレームバッファ303内には、短時間メモリと長時間メモリとが確保され、ピクチャは短時間メモリと長時間メモリとに適宜分別して保存される。
【0240】
短時間メモリは、先入れ先出し方式(FIFO)のメモリであり、新規の信号が短時間メモリに記録されると、記録された時刻が古い順から記録内容が破棄され、短時間メモリには常に最新の一定数のピクチャが参照ピクチャとして保存される。
【0241】
長時間メモリは、ランダムアクセス方式のメモリであり、任意の領域に参照ピクチャを格納したり、任意の領域に格納された参照ピクチャの読み出しが可能な構成を有する。この長時間メモリは、背景画像や、シーン変化前の画像など、主に長時間に渡って参照されるピクチャを保存し、短時間メモリよりも長い時間分のピクチャを保存する。また、長時間メモリへのピクチャの保存は、短時間メモリに保存されたものが長時間メモリに移動するという形式で行われる。
【0242】
管理部304は、上述のようにマルチフレームバッファ303に格納されている情報を管理しており、その管理結果からリマッピングの必要性が生じたときには、リマッピングを生じさせる。つまり、管理部304はリマッピング情報を生成し、そのリマッピング情報を予測種別選択部301、動き推定部302、可変長符号化部305、及びマルチフレームバッファ303に出力する。
【0243】
例えば、管理部304は、後述するシーンチェンジ情報の取得結果から、シーンの変化(以下「シーンチェンジ」という)が生じたと判別したときには、リマッピング情報を生成する。
【0244】
予測種別選択部301は、実施の形態1及び3の予測種別選択部101と同様の機能を有するとともに、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報に基づいて各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0245】
動き推定部302は、実施の形態1及び3の動き推定部102と同様の機能を有するとともに、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報に基づいて各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0246】
つまり、予測種別選択部301及び動き推定部302は、管理部304からリマッピング情報を取得しないときには、符号化対象ピクチャの前後にある各参照ピクチャに対して、デフォルトで設定された順、つまり図4の(a)に示す順に数値を割り当てて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。一方、予測種別選択部301及び動き推定部302は、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、符号化対象ピクチャの前後にある各参照ピクチャに対して、デフォルトにリマッピング情報が考慮された順に数値を割り当てて、第1参照インデックス及び第2参照インデックスを特定する。
【0247】
可変長符号化部305は、実施の形態1及び3の可変長符号化部105と同様、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、及び種別信号PTを可変長符号化し、その結果を画像符号化信号BS2として出力する。そして可変長符号化部305は、管理部304からリマッピング情報を取得したときには、そのリマッピング情報を符号化して、その符号化されたリマッピング情報を画像符号化信号BS2のヘッダに含める。また、ダイレクトモード処理部110での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部103は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BS2に含める。
【0248】
ここで本実施の形態の管理部304は、リマッピング情報を生成するときには、各参照ピクチャに割り当てられる第1参照インデックス及び第2参照インデックスが一定の条件を満たすようにリマッピング情報を生成する。
【0249】
管理部304は、ダイレクトモード以外の補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときに、シーンチェンジが生じている場合には、長時間メモリに保持されている参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。ここでシーンチェンジが生じたか否かは、画像符号化装置300の外部で入力画像Imgを用いて判定され、その判定結果がシーンチェンジ情報として管理部304に供給されるとする。シーンチェンジの検出方法(判定方法)には、時間的に連続するピクチャ間で位置的に対応する画素毎の差分値の絶対値を求め、その差分絶対値をピクチャ内の全画素について加算し、その加算値が所定のしきい値を超えた場合に、シーンチェンジと判定する方法がある。また、シーンチェンジと検出されたフレーム(ピクチャ)は、Iピクチャとして符号化されることができる。そして、Iピクチャをサーチすることによりシーンチェンジのポイントを探すことが可能にもなる。
【0250】
さらに、管理部304は、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。
【0251】
ここで、管理部304は、第2参照インデックスの0がデフォルトで割り当てられる参照ピクチャに対しては、その第2参照インデックス「0」が変更されないようにリマッピング情報を生成しても良い。
これにより、リマッピングが生じても、第2参照インデックスの0は、常に符号化対象ピクチャよりも表示順が後の参照ピクチャに割り当てられる。
【0252】
このような管理部304により行われるリマッピングについて、図14を参照して説明する。
図14は、管理部304により行われるリマッピングを説明するための説明図である。
【0253】
図14の(a)は、符号化対象ピクチャ及び参照ピクチャを表示順に示すピクチャ配列図である。
Bピクチャである符号化対象ピクチャTPが符号化されるときには、その符号化対象ピクチャTPの前後にあるPピクチャ、例えば、参照ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4,RP5の何れかが利用される。また、例えば、符号化対象ピクチャTPの表示順で近くにある参照ピクチャRP2,RP3,RP4,RP5は、マルチフレームバッファ303の短時間メモリに格納されており、符号化対象ピクチャTPから遠くにある参照ピクチャRP1は、マルチフレームバッファ303の長時間メモリに格納されている。
【0254】
そして、参照ピクチャRP1,RP2,RP3,RP4,RP5を特定するために、これらの参照ピクチャに対してデフォルトでは、図14の(b)に示すように第1参照インデックス及び第2参照インデックスが割り当てられる。
【0255】
図14の(b)に示すように、参照ピクチャRP1には第1参照インデックス「4」及び第2参照インデックス「4」が割り当てられ、参照ピクチャRP2には第1参照インデックス「1」及び第2参照インデックス「3」が割り当てられ、参照ピクチャRP3には第1参照インデックス「0」及び第2参照インデックス「2」が割り当てられ、参照ピクチャRP4には第1参照インデックス「2」及び第2参照インデックス「0」が割り当てられ、参照ピクチャRP5には第1参照インデックス「3」及び第2参照インデックス「1」が割り当てられる。
【0256】
ここで、管理部304は、符号化対象ピクチャTPをダイレクトモード以外の補間予測により符号化するときに、符号化対象ピクチャTPを含むシーンA’と類似するシーンAが、シーンA’と非類似のシーンBを挟んで過去にあり、時間的に前の直前の参照ピクチャ(この場合は参照ピクチャRP3)が非類似シーンBに属すると判断すると、つまり時間的に前の直前の参照ピクチャの後にシーンチェンジがあったと判断すると、長時間メモリに格納されている参照ピクチャから第1参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。
【0257】
即ち、図14の(c)に示すように、長時間メモリに格納されている参照ピクチャRP1に第1参照インデックスの0が割り当てられる。
このように、本実施の形態では、符号化対象ピクチャをダイレクトモード以外の補間予測により符号化するときにシーンチェンジがあると、長時間メモリに保持されている参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるようにリマッピング情報が生成されるため、補間予測に用いられる第1参照インデックス「0」の第1参照ピクチャは符号化対象ピクチャと良く似た画像情報を有することとなり、その結果、符号化効率を向上することができる。
【0258】
つまり、このようなリマッピング情報が生成されない場合には、図14の(b)に示すように、第1参照インデックス「0」により示される参照ピクチャRP3が符号化対象ピクチャTPの符号化に利用されるが、
その参照ピクチャRP3は、符号化対象ピクチャTPとシーンが異なって非類似であるために符号化効率が低下してしまうのである。
【0259】
また、管理部304は、符号化対象ピクチャTPをダイレクトモードにより符号化するときには、図14の(d)に示すように、符号化対象ピクチャTPよりも表示順が後にある参照ピクチャ、例えば参照ピクチャRP5に対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピング情報を生成する。また、管理部304は、図14の(b)に示すように、第2参照インデックスの0がデフォルトで割り当てられる参照ピクチャRP4に対しては、その第2参照インデックス「0」が変更されないようにリマッピング情報を生成しても良い。
【0260】
このように、本実施の形態では、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられ、その第2参照インデックス「0」の参照ピクチャを第2参照ピクチャとして利用されるため、符号化効率を向上することができる。
【0261】
図15は、本実施の形態における動作の一例を示すフロー図である。
まず、画像符号化装置300は、上述のシーンチェンジ情報が管理部304に取得されたか否かに応じて、シーンチェンジの有無を判別する(ステップS300)。
【0262】
ここで、シーンチェンジが有ったと判別すると(ステップS300のY)、画像符号化装置300は、長時間メモリにある参照ピクチャに第1参照インデックスの0が優先的に割り当てられるように、且つ、符号化対象ピクチャよりも後にある何れかの参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられるようにリマッピングを行う(ステップS302)。また、画像符号化装置300は、シーンチェンジがなかったと判別したときには(ステップS300のN)、リマッピングをすることなくデフォルトで第1参照インデックス及び第2参照インデックスを割り当てる(ステップS304)。
【0263】
次に、画像符号化装置300は、上述のように割り当てられた第1参照インデックス及び第2参照インデックスに基づいて、第1参照ピクチャ及び第2参照ピクチャを特定して、これらの参照ピクチャに基づいて予測画像を生成する(ステップS306)。
そして、画像符号化装置300は、予測画像から予測誤差を生成して(ステップS308)、これを符号化する(ステップS310)。
【0264】
(変形例)
ここで、本実施の形態における管理部についての変形例について説明する。
図16は、本実施の形態の変形例に係る画像符号化装置300’の構成を示す構成図である。
【0265】
この変形例に係る画像符号化装置300’は、上述の画像符号化装置300と同様、画像符号化部102、画像復号化部104、及び管理部304’などを備えている。
【0266】
ここで、上記本実施の形態では、ダイレクトモードの補間予測により符号化対象ブロックを符号化するときには、符号化対象ピクチャよりも表示順が後にある参照ピクチャに対して第2参照インデックスの0が割り当てられる。つまり、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャに対して、第2参照インデックスの0が割り当てられるのが管理部304’により禁止されることとなる。その結果、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャのブロックの符号化に用いた第1動きベクトルは、スケーリング用ベクトルとして用いられることはない。
【0267】
そこで、本変形例では、符号化対象ピクチャよりも表示順が前になったことがある参照ピクチャのブロックの第1動きベクトルを、符号化対象ピクチャの符号化のためにわざわざベクトル用バッファ114に保存しておく処理を省いて、符号化効率を向上することができる。即ち、本変形例では、画像符号化装置300’の管理部304’は、一度表示順で符号化対象ピクチャよりも前になった参照ピクチャの第1動きベクトルをベクトル用バッファ114から削除する。
【0268】
これにより、本変形例では、符号化処理に不要な動きベクトルがベクトル用バッファ114に保存されるのを防いで、ベクトル用バッファ114の記憶容量を小さくすることができる。
【0269】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における画像復号化装置について、以下図面を参照しながら説明する。
図17は、実施の形態6における画像復号化装置のブロック図である。
【0270】
この画像復号化装置350は、実施の形態5の変形例に係る画像符号化装置300’から出力される画像符号化信号BS2に対して復号処理を行うものであって、実施の形態2と同様、可変長復号部151と、画像復号部152と、加算器153と、スイッチ155,156と、ダイレクトモード処理部154と、画素補間部157と、マルチフレームバッファ158と、ベクトル用バッファ160とを備えるとともに、さらに管理部354を備えている。
【0271】
この画像復号化装置350は、実施の形態2においてピクチャ選択部159が常に0を示す第2参照インデックスrRI2をベクトル用バッファ160に対して出力しているのと同様の構成を有する。
【0272】
また、可変長復号部151は、画像符号化信号BS2を取得して、その画像符号化信号BS2にリマッピング情報が含まれていれば、マルチフレームバッファ158に対し、第1参照インデックスRI1(rRI1)及び第2参照インデックスRI2(rRI2)により示されるピクチャを、そのリマッピング情報に基づいて特定させる。
【0273】
ここで、管理部354は、マルチフレームバッファ158に格納されている参照ピクチャを監視しており、一度表示順で復号対象ピクチャよりも前になった参照ピクチャの第1動きベクトルMV1をベクトル用バッファ160から削除する。
【0274】
これにより、本実施の形態においても、実施の形態5の変形例と同様、復号処理に不要な動きベクトルがベクトル用バッファ160に保存されるのを防いで、ベクトル用バッファ160の記憶容量を小さくすることができる。
【0275】
(実施の形態7)
図18は、実施の形態7における画像符号化装置のブロック図である。
ここで、図18中に示すユニット及び信号のうち、図37に示す従来の画像符号化装置900のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置900のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0276】
本実施の形態の特徴は、第1参照ピクチャ選択部601が、ダイレクトモード時に符号化対象ピクチャ内のブロックに共通して使用する第1参照ピクチャを選択する点である。これにより、ダイレクトモードにおいてスケーリング用ベクトルの参照先となる第1参照ピクチャを所定の参照ピクチャに共通化させる。
【0277】
図19は実施の形態7のダイレクトモードの概念図である。
この図19では、参照ピクチャRP1を、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとしている。つまり、ブロックB00の第1動きベクトルMV10は参照ピクチャRPnを参照先としているが、ダイレクトモードが適用されるブロックB0の第1動きベクトルMV01は上述の参照ピクチャRP1を参照先とする。
【0278】
即ち、近似的に得られる共通の参照ピクチャRP1上のブロックB1に基づく動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとし、そのスケーリング用ベクトルに対するスケーリングに基づき、符号化対象ピクチャTP上のブロックB0の符号化に用いる動きベクトルMV01,MV02を導出する。言い換えれば、符号化対象ピクチャTP上のブロックB0の、ピクチャRP1上のブロックRB01に基づく動きベクトルMV01と、ピクチャRP3上のブロックRB02に基づく動きベクトルMV02とは、動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとして用いることにより求められる。
【0279】
なお、本実施の形態では、ダイレクトモード処理部910’が上述のようなダイレクトモードによる処理を行う。
また、従来では、動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャRPnを識別するための情報がスケーリングするために必要であり、その情報がメモリ上に保存される必要があった。
【0280】
ここで、動きベクトルMV01,MV02の算出の仕方を、図20を用いて説明する。
図20は、動きベクトルMV01,MV02の算出過程を示すフロー図である。
【0281】
まず、画像符号化装置600は、第1参照ピクチャRP1上で、ブロックB00の動きベクトルMV10の参照先となるブロックBnと同じ位置にあるブロックB1を求める(ステップS1)。
次に、画像符号化装置600は、ブロックB00からブロックB1に対する動きベクトルMV0をスケーリング用ベクトルとする(ステップS2)。
【0282】
そして、画像符号化装置600は、このスケーリング用ベクトルMV0から、動きベクトルMV01,MV02を求める(ステップS3)。
【0283】
このように、動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャに関わらず、ダイレクトモードの第1参照ピクチャを1つのピクチャに共通化すると、ベクトル用バッファ914には動きベクトルMV10の参照先となる参照ピクチャのピクチャ番号(図19では参照ピクチャRPnのピクチャ番号が該当する)を格納する必要がなくなる。その代わり、図18に示すように、第1参照ピクチャ選択部601は、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャを選択し、その第1参照ピクチャの第1参照インデックスrRI1を出力する。なお、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャの選択方法は、例えば、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを選択する。
【0284】
以上のように、本実施の形態によれば、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報をメモリ上に保存しておく必要がなくなる。つまり、メモリ量を削減することができる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、符号化処理を簡略化して符号化効率を向上することができる。なお、第1動きベクトルが参照するピクチャを識別する情報とは、例えば図4に示すピクチャ番号であるが、動きベクトルの参照先となるピクチャを一意に決めることができる情報であれば、他の情報であっても良い。
【0285】
なお、本実施の形態では、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとして選択したが、符号化対象ピクチャより表示順が前で、符号化対象ピクチャに最も表示順が近い参照ピクチャを、上記第1参照ピクチャとして選択しても良い。
【0286】
また、本実施の形態では、Bピクチャである符号化対象ピクチャが参照する参照ピクチャのうち少なくとも1つをその符号化対象ピクチャより前方のものとすることにより、符号化対象ピクチャより後方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率を高める可能性を上げることができる。
【0287】
さらに、本実施の形態では、第2参照ピクチャを実施の形態1のように選択しても良い。この場合には、実施の形態1で示した符号化方法と本実施の形態で示した符号化方法とを組み合わせることにより、符号化効率をより高めることができる。
【0288】
また、本実施の形態では、ダイレクトモード処理部910’は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行ったが、上記他の実施の形態と同様、表示時刻情報を用いてスケーリング用ベクトルrMVに対するスケーリングを行っても良い。この場合、図19を用いて説明すると、動きベクトルMV0ではなく動きベクトルMV10がスケーリング用ベクトルとして用いられる。つまり、ピクチャRP3とピクチャRPnの表示時刻差に対する、ピクチャTPとピクチャRPnの表示時刻差の比に応じて、動きベクトルMV10がスケーリングされることで、符号化対象ブロックB0の第1動きベクトルMV01が算出されるとともに、ピクチャRP3とピクチャRPnの表示時刻差に対する、ピクチャTPとピクチャRP3の表示時刻差の比に応じて、動きベクトルMV10がスケーリングされることで、符号化対象ブロックB0の第2動きベクトルMV02が算出される。
【0289】
(実施の形態8)
図21は、実施の形態8における画像復号化装置のブロック図である。
ここで、図21中に示すユニット及び信号のうち、図38に示す従来の画像符号化装置950のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置950のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0290】
本実施の形態の画像復号化装置650は、実施の形態7で説明した画像符号化装置600が出力する画像符号化信号BS0を復号する。
【0291】
第1参照ピクチャ選択部651は、図18の第1参照ピクチャ選択部601と同じ方法で第1参照ピクチャを選択する。そして、第1参照ピクチャ選択部651は、選択した第1参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1をダイレクトモード処理部954’に出力する。
【0292】
そして、ダイレクトモード処理部954’は、図19に示すダイレクトモードによる処理を実行する。
【0293】
このように、ピクチャ内に含まれる全てのダイレクトモードで符号化されるブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、ダイレクトモード用に参照ピクチャを識別する情報を保持する必要がなくなる。また、従来と比べてベクトル用バッファ960のメモリ量を削減できる。
【0294】
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態7の画像符号化装置600で符号化した画像符号化信号BS0を正しく復号できる。また、実施の形態7で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0295】
(実施の形態9)
図22は、実施の形態9の画像符号化装置のブロック図である。
ここで、図22中に示すユニット及び信号のうち、図37に示す従来の画像符号化装置900のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像符号化装置900のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0296】
実施の形態7では、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャを画像符号化装置600及び画像復号化装置650で予め決められた同一の方法により選択し、画像符号化信号BS0中に選択した第1参照ピクチャを示す情報を格納しなかった。一方、本実施の形態では、選択した第1参照ピクチャの第1参照インデックスを画像符号化信号中に格納する。
【0297】
つまり、実施の形態7と実施の形態9との違いは以下の通りである。実施の形態7では、画像符号化装置600にダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定するための手順を保持させ、同様の手順を実施の形態8の画像復号化装置650にも保持させることによって、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定させていた。一方、実施の形態9では、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定するための情報を画像符号化信号に含めることによって、その画像符号化信号を復号する画像復号化装置及び画像符号化装置700の相互間において、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを一意に決定させる。
【0298】
第1参照ピクチャ選択部701は、参照ピクチャの中からダイレクトモードの第1参照ピクチャを選択し、選択した参照ピクチャを示す第1参照インデックスrRI1をダイレクトモード処理部910’と可変長符号化部903とに出力する。
【0299】
可変長符号化部903は、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別情報PT、第1参照ピクチャ選択部701から出力された第1参照インデックスrRI1を可変長符号化し、画像符号化信号BS3として出力する。ここで、ダイレクトモード処理部910’での処理に、ダイレクトモード用スケーリング係数SPが用いられずに、表示時刻情報が用いられたときには、可変長符号化部903は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPを可変長符号化することなく、上述のスケーリングに用いた表示時刻情報を可変長符号化して、その可変長符号化された表示時刻情報を画像符号化信号BS3に含める。
【0300】
図23は、実施の形態9の画像符号化信号BS3のフォーマットである。
画像符号化信号BS3のフォーマットは、図35に示す従来の画像符号化装置900の画像符号化信号BS0のフォーマットとヘッダのみが異なる。
【0301】
第1参照インデックスrRI1は、ピクチャ内の全てのダイレクトモードのブロックに対し同じ値を持つとする。従って、第1参照インデックスrRI1は1ピクチャに対し1回のみ符号化すれば十分である。そこで、可変長符号化部903は、第1参照インデックスrRI1を符号化して、符号化された第1参照インデックスrRI1を、第1インデックス情報52として画像符号化信号BS3のヘッダ51に含める。なお、図23中に示す第1時間差情報4及び第2時間差情報5並びに時間差情報6の代わりに表示時間情報がヘッダ51に含まれていても良い。この画像符号化信号BS3を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS3の中から第1インデックス情報52に基づく第1参照インデックスrRI1を取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャを特定することができる。
【0302】
このように、本実施の形態によれば、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全てのブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報を保存しておく必要がなくなる。つまり、ベクトル用バッファ914のメモリ量を従来と比べて削減することができる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることにより、符号化処理を簡略にできる。また、ダイレクトモードに用いられる第1参照ピクチャを示す情報を符号化して画像符号化信号BS3に含めることにより、符号化処理と復号処理との整合性をとることができる。
【0303】
なお、符号化対象ピクチャより表示順が前で、第1参照インデックスが最小の参照ピクチャを、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャとして選択しても良い。
【0304】
また、本実施の形態では、Bピクチャである符号化対象ピクチャが参照する参照ピクチャのうち少なくとも1つを符号化対象ピクチャより前方のものとすることにより、符号化対象ピクチャより後方のピクチャのみを参照する可能性がなくなり、符号化効率を高めることができる。
【0305】
さらに、本実施の形態では、第2参照ピクチャを実施の形態3のように選択しても良い。この場合には、第1参照インデックスrRI1が符号化された第1インデックス情報52と、第2参照インデックスrRI2が符号化された第2インデックス情報とが、図23に示すヘッダ51に含まれる。また、画像符号化信号BS3を復号する画像復号化装置は、画像符号化信号BS3の中から、この第1インデックス情報52により示される第1参照インデックスrR1と、第2インデックス情報により示される第2参照インデックスrR2とを取得することにより、ダイレクトモード時の第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとを特定することができる。
【0306】
また、本実施の形態における画像符号化信号BS3のフォーマットでは、第1参照インデックスrRI1が符号化された第1インデックス情報52を、ピクチャ単位のヘッダ51に含めたが、例えば、MPEGのスライス構造のようにピクチャより小さな符号化単位のヘッダや、MPEGのGOP(Group of Picture)のように複数のピクチャからなる符号化単位のヘッダや、シーケンス全体のヘッダに格納してもよい。
【0307】
(実施の形態10)
図24は、実施の形態10における画像復号化装置のブロック図である。
ここで、図24中に示すユニット及び信号のうち、図38に示す従来の画像復号化装置950のユニット及び信号と同様のものに対しては、画像復号化装置950のユニット及び信号の符号と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0308】
本実施の形態の画像復号化装置750は、実施の形態9で説明した画像符号化装置700が出力する画像符号化信号BS3、つまり、ダイレクトモード時に共通に使用される第1参照ピクチャの第1参照インデックスを示す情報が含まれた画像符号化信号を復号する。
【0309】
可変長復号部951は、画像符号化信号BS3を取得して、これに対して可変長復号を行い、残差符号化信号ER、第1参照インデックスRI1、第2参照インデックスRI2、第1動きベクトルMV1、第2動きベクトルMV2、ダイレクトモード用スケーリング係数SP、種別情報PT、及びダイレクトモード用の第1参照インデックスrRI1を出力する。ここで、画像符号化信号BS3に、符号化されたダイレクトモードスケーリング係数SPが含まれずに、符号化された表示時刻情報が含まれているときには、可変長復号部951は、ダイレクトモード用スケーリング係数SPの代わりに表示時刻情報を出力する。
【0310】
ダイレクトモード用の第1参照インデックスrRI1は、ダイレクトモード時に共通して使用される第1参照ピクチャを示す。よって、ベクトル用バッファ960は、ダイレクトモード用に参照ピクチャを識別するための情報を保持する必要がないため、ベクトル用バッファ960のメモリ量を従来と較べて削減することができる。
【0311】
以上のように本実施の形態によれば、実施の形態9の画像符号化装置700から出力される画像符号化信号BS3を正しく復号できる。また、ダイレクトモードで符号化されるピクチャ内の全ブロックに対し第1参照ピクチャを共通にすることで、スケーリング用ベクトルの参照先となる参照ピクチャを識別する情報をメモリ上に保存しておく必要がなくなる。つまり、ベクトル用バッファ960のメモリ量を従来と較べて削減することができる。また、実施の形態9で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0312】
(実施の形態11)
さらに、上記各実施の形態で示した画像符号化方法及び画像復号化方法を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0313】
図25は、実施の形態1〜10の画像符号化方法及び画像復号化方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記憶媒体についての説明図である。
図25中の(b)は、フレキシブルディスクFDの正面からみた外観、断面構造、及びディスク本体FD1を示し、図25中の(a)は、記録媒体の本体であるディスク本体FD1の物理フォーマットの例を示している。
【0314】
ディスク本体FD1はケースF内に内蔵され、ディスク本体FD1の表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクFDでは、上記ディスク本体FD1上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしての画像符号化方法や画像復号化方法が記録されている。
【0315】
また、図25中の(c)は、フレキシブルディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。
上記プログラムをフレキシブルディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsが上記プログラムとしての画像符号化方法または画像復号化方法をフレキシブルディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フレキシブルディスクFD内のプログラムにより上記画像符号化方法又は画像復号化方法をコンピュータシステムCs中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブFDDによりプログラムがフレキシブルディスクFDから読み出され、コンピュータシステムCsに転送される。
【0316】
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクFDを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0317】
(実施の形態12)
さらにここで、上記実施の形態で示した画像符号化方法や画像復号化方法の応用例とそれを用いたシステムを説明する。
図26は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。
【0318】
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
【0319】
しかし、コンテンツ供給システムex100は図26のような組合せに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。
【0320】
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0321】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラex116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってもどちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0322】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を上記実施の形態同様に符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。
【0323】
このシステムを構成する各機器の符号化、復号化には上記各実施の形態で示した画像符号化装置あるいは画像復号化装置を用いるようにすればよい。
その一例として携帯電話について説明する。
【0324】
図27は、上記実施の形態で説明した画像符号化方法と画像復号化方法を用いた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
【0325】
さらに、携帯電話ex115について図28を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202及び操作キーex204を備えた本体部の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306及び音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。
【0326】
携帯電話ex115は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話機ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
【0327】
さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キーex204の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0328】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303及びLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0329】
画像符号化部ex312は、本願発明で説明した画像符号化装置を備えた構成であり、カメラ部ex203から供給された画像データを上記実施の形態で示した画像符号化装置に用いた符号化方法によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話機ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0330】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0331】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信データを変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0332】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0333】
次に、画像復号化部ex309は、本願発明で説明した画像復号化装置を備えた構成であり、画像データのビットストリームを上記実施の形態で示した符号化方法に対応した復号化方法で復号することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
【0334】
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図29に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施の形態の少なくとも画像符号化装置または画像復号化装置のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報のビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置によりビットストリームを復号化してこれを再生する。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録したビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施の形態で示した画像復号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に画像復号化装置を組み込んでも良い。また、アンテナex411を有する車ex412で衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
【0335】
更に、画像信号を上記実施の形態で示した画像符号化装置で符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。レコーダex420が上記実施の形態で示した画像復号化装置を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を再生し、モニタex408で表示することができる。
【0336】
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図28に示す構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
【0337】
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
【0338】
このように、上記実施の形態で示した画像符号化方法あるいは画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記実施の形態で説明した効果を得ることができる。
【0339】
また、本発明はかかる上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
【0340】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る画像符号化方法によれば、符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャが第2参照ピクチャとして選択されるため、リマッピングが生じたときに従来例のように符号化対象ピクチャよりも表示順が前の2つの符号化済ピクチャを参照してしまうのを防いで、符号化対象ピクチャの前後にある2つの符号化済ピクチャを参照する確率を高めて符号化効率を向上することができる。また、特定情報が出力されるため、符号化ステップでの符号化結果を復号するときには、符号化処理で選択された第2参照ピクチャと同一のピクチャをその特定情報に基づいて選択して、正確に復号することができる。
【0341】
また、本発明に係る画像符号化方法及び画像復号化方法は、動画像を符号化する画像符号化装置及び符号化された動画像を復号する画像復号化装置や、これらの装置を備えたシステム、例えばディジタル著作物などのコンテンツを供給するコンテンツ供給システムやディジタル放送用システムに用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における画像符号化装置のブロック図である。
【図2】同上の画像符号化信号の一部の構成を示す構成図である。
【図3】同上のダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
【図4】同上のリマッピングが生じたときにおける動作について説明するための説明図である。
【図5】同上のピクチャの表示順序の一例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2における画像復号化装置のブロック図である。
【図7】同上のダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態3における画像符号化装置のブロック図である。
【図9】同上の画像符号化信号のヘッダの構成を示す構成図である。
【図10】同上のダイレクトモードにより画像を符号化するときの動作を示すフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態4における画像復号化装置のブロック図である。
【図12】同上のダイレクトモードにより画像を復号するときの動作を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施の形態5における画像符号化装置のブロック図である。
【図14】同上の管理部により行われるリマッピングを説明するための説明図である。
【図15】同上の動作を示すフロー図である。
【図16】同上の変形例に係る画像符号化装置の構成を示す構成図である。
【図17】本発明の実施の形態6における画像復号化装置のブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態7における画像符号化装置のブロック図である。
【図19】同上のダイレクトモードの概念図である。
【図20】同上の動きベクトルの算出過程を示すフロー図である。
【図21】本発明の実施の形態8における画像復号化装置のブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態9における画像符号化装置のブロック図である。
【図23】同上の画像符号化信号BS3のフォーマットである。
【図24】本発明の実施の形態10における画像復号化装置のブロック図である。
【図25】本発明の実施の形態11における記憶媒体についての説明図である。
【図26】本発明の実施の形態12におけるコンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成を示すブロック図である。
【図27】同上の携帯電話を示す図である。
【図28】同上の携帯電話のブロック図である。
【図29】同上のディジタル放送用システムの全体構成を示すブロック図である。
【図30】Bピクチャの概念図である。
【図31】補間予測の説明図である。
【図32】補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が前にある場合の一例を説明するための説明図である。
【図33】補間予測ブロックの2枚の参照ピクチャが、補間予測ブロックを有する符号化対象ピクチャより表示順が後にある場合の一例を説明するための説明図である。
【図34】ピクチャ番号と参照インデックスを説明するための説明図である。
【図35】従来の画像符号化装置が行うダイレクトモードの説明図である。
【図36】従来の画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図37】画像符号化信号のフォーマットの概念図である。
【図38】従来の画像復号化装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 画像符号化装置
102 画像符号化部
103 可変長符号化部
104 画像復号化部
106 画素補間部
107 マルチフレームバッファ
108 予測種別選択部
109 動き推定部
110 ダイレクトモード処理部
113 ピクチャ選択部
114 ベクトル用バッファ
Claims (25)
- 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップと、
前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップと
を含むことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記出力ステップでは、
前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから前記特定情報を構成して出力する
ことを特徴とする請求項1記載の画像符号化方法。 - 前記出力ステップでは、
前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す情報を前記特定情報として出力する
ことを特徴とする請求項1記載の画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記各符号化済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップと、
を含むことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、
前記第2インデックスの割り当て方を示す内容の割当情報に基づいて、前記第2参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを特定し、特定した前記符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する
ことを特徴とする請求項4記載の画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当て、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるようにする割当ステップと、
前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第2参照インデックスを割り当て直すことができ、前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の何れかの符号化済ピクチャに対して0を示す第2参照インデックスが割り当てられるように制限する再割当ステップと、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、前記0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含む
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記再割当ステップでは、
前記割当ステップにおいて0を示す第2参照インデックスが割り当てられる符号化済ピクチャに対して、前記第2参照インデックスの変更を禁止する
ことを特徴とする請求項6記載の画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
符号化済ピクチャを識別するための第1参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、
所定の符号化済ピクチャまたはスライスに対して、前記割当ステップと異なる割り当て方で前記第1参照インデックスを割り当て直す再割当ステップと、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が前の符号化済ピクチャのうち、所定の値を示す第1参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第1参照ピクチャとして選択する第1参照ピクチャ選択ステップと、
前記第1参照ピクチャ内の所定のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、
前記再割当ステップでは、
長時間にわたって参照される前記符号済ピクチャから優先的に、前記所定の値を示す第1参照インデックスを割り当てる
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
符号化済ピクチャを識別するための第2参照インデックスを前記各符号化済ピクチャに割り当てる割当ステップと、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャのうち、0を示す第2参照インデックスが割り当てられた符号化済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップとを含み、
前記割当ステップでは、
表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャに対して、0を示す第2参照インデックスが割り当てられるのを禁止する
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記画像符号化方法は、さらに、
符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを記憶しているメモリから、表示順が前記符号化対象ピクチャよりも前になったことがある符号化済ピクチャの符号化に用いられた動きベクトルを削除する削除ステップを含む
ことを特徴とする請求項9記載の画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
記憶部に格納されている複数の符号化済ピクチャから、前記複数の符号化済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、
前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記符号化対象ピクチャと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する出力ステップとを含み、
前記選択ステップでは、
前記符号化済ピクチャのうち前記符号化対象ピクチャより表示順が前で前記第1参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、
前記予測画像生成ステップでは、
前記第2参照ピクチャ内で前記符号化対象ピクチャ上の符号化対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化に使用された第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記符号化対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記符号化対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成する
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
記憶部に格納されている複数の符号化済ピクチャから、前記複数の符号化済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する符号化済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、
前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記符号化対象ピクチャと前記予測画像との差である予測誤差を符号化し、予測誤差の符号化信号を含む画像符号化信号を出力する出力ステップとを含み、
前記選択ステップでは、
前記符号化済ピクチャのうち前記符号化対象ピクチャより表示順が前の符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、
前記予測画像生成ステップでは、
前記第2参照ピクチャ内で前記符号化対象ピクチャ上の符号化対象ブロックと同じ位置のブロックの符号化に使用された第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記符号化対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記符号化対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成し、
前記出力ステップでは、
前記選択ステップで選択された前記第1参照ピクチャを指し示す第1参照インデックスを画像符号化信号中に含める
ことを特徴とする画像符号化方法。 - 前記画像符号化方法は、さらに、
前記第1動きベクトルの参照先となる符号化済ピクチャを指し示す情報がメモリ上に記録されるのを禁止するステップを含む
ことを特徴とする請求項12記載の画像符号化方法。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、
復号対象のピクチャの復号に参照される復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして特定するための特定情報、及び前記復号対象ピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、
前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャの中から、前記特定情報に基づいて第2参照ピクチャを選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップと、
を含むことを特徴とする画像復号化方法。 - 前記取得ステップでは、
前記第2参照ピクチャを指し示す第2参照インデックスから構成される特定情報を取得し、
前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、
前記第2参照インデックスにより示される前記第2参照ピクチャを選択する
ことを特徴とする請求項14記載の画像復号化方法。 - 前記取得ステップでは、
前記各復号済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスの変更方法を示す特定情報を取得し、
前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、
前記第2参照インデックスの変更方法から特定される復号済ピクチャを前記第2参照ピクチャとして選択する
ことを特徴とする請求項14記載の画像復号化方法。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、
復号対象のピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、
前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャのうち、前記各復号済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスが最小の復号済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップと、
を含むことを特徴とする画像復号化方法。 - 前記第2参照ピクチャ選択ステップでは、
前記第2インデックスの割り当て方を示す内容の割当情報に基づいて、前記第2参照インデックスが最小の復号済ピクチャを特定し、特定した前記復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する
ことを特徴とする請求項17記載の画像復号化方法。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、
復号対象のピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、
前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャのうち、前記各復号済ピクチャを識別するためにそれぞれに割り当てられる第2参照インデックスが0の復号済ピクチャを、第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップと、
復号済ピクチャの復号に用いられた動きベクトルを記憶しているメモリから、表示順が前記復号対象ピクチャよりも前になったことがある復号済ピクチャの復号に用いられた動きベクトルを削除する削除ステップと
を含むことを特徴とする画像復号化方法。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、
予測誤差を示す符号化信号を取得する取得ステップと、
記憶部に格納されている複数の復号済ピクチャから、前記複数の復号済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する復号済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、
前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と前記予測誤差から前記復号対象ピクチャを復号する復号ステップと、
参照される可能性がある復号済ピクチャを記憶部に格納する格納ステップとを含み、
前記選択ステップでは、
前記復号済ピクチャのうち前記復号対象ピクチャより表示順が前で前記第1参照インデックスが最小の符号化済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、
前記予測画像生成ステップでは、
前記第2参照ピクチャ内で前記復号対象ピクチャ上の復号対象ブロックと同じ位置のブロックの復号に使用した第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記復号対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記復号対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成する
ことを特徴とする画像復号化方法。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法であって、
予測誤差を示す符号化信号を含む画像符号化信号を取得する取得ステップと、
記憶部に格納されている複数の復号済ピクチャから、前記複数の復号済ピクチャに対して付与された第1参照インデックスと第2参照インデックスとを用いて、前記第1参照インデックスに対応する復号済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、前記第2参照インデックスに対応する復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして選択する選択ステップと、
前記第1参照ピクチャ上のブロックと前記第2参照ピクチャ上のブロックに基づいて画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と前記予測誤差から前記復号対象ピクチャを復号する復号ステップと、
参照される可能性がある復号済ピクチャを記憶部に格納する格納ステップとを含み、
前記選択ステップでは、
前記復号済ピクチャのうち前記画像符号化信号に含まれる第1参照インデックスにより示される復号済ピクチャを第1参照ピクチャとして選択し、
前記予測画像生成ステップでは、
前記第2参照ピクチャ内で前記復号対象ピクチャ上の復号対象ブロックと同じ位置のブロックの復号に使用された第1動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して前記第1参照ピクチャを参照先とする第2動きベクトルを算出するとともに、前記第2動きベクトルに基づいて、前記復号対象ブロックに対して第1参照ピクチャを参照先とする第3動きベクトルと、前記復号対象ブロックに対して第2参照ピクチャを参照先とする第4動きベクトルとを算出し、前記第3動きベクトルの参照先となる前記第1参照ピクチャ上のブロックと、前記第4動きベクトルの参照先となる前記第2参照ピクチャ上のブロックとから画素補間により予測画像を生成する
ことを特徴とする画像復号化方法。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化装置であって、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択手段と、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定手段と、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成手段と、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化手段と、
前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化手段の符号化結果とともに出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像符号化装置。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化装置であって、
復号対象のピクチャの復号に参照される復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして特定するための特定情報、及び前記復号対象ピクチャに関する符号化信号を取得する取得手段と、
前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャの中から、前記特定情報に基づいて第2参照ピクチャを選択する第2参照ピクチャ選択手段と、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定手段と、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成手段と、
前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号手段と
を備えることを特徴とする画像復号化装置。 - 既に符号化されたピクチャを参照することにより符号化対象のピクチャをブロック毎に符号化する画像符号化方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記符号化対象ピクチャよりも表示順が後の符号化済ピクチャの中から何れかを第2参照ピクチャとして選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの符号化に用いられた動きベクトルに基づいて、符号化済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像と符号化対象ブロックの画像との差分を符号化する符号化ステップと、
前記第2参照ピクチャを特定するための特定情報を、前記符号化ステップの符号化結果とともに出力する出力ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。 - 符号化されたピクチャを、既に復号されたピクチャを参照することによりブロック毎に復号する画像復号化方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
復号対象のピクチャの復号に参照される復号済ピクチャを第2参照ピクチャとして特定するための特定情報、及び前記復号対象ピクチャに関する符号化信号を取得する取得ステップと、
前記復号対象ピクチャよりも表示順が後の復号済ピクチャの中から、前記特定情報に基づいて第2参照ピクチャを選択する第2参照ピクチャ選択ステップと、
前記第2参照ピクチャ内の所定のブロックの復号に用いられた動きベクトルに基づいて、復号済ピクチャの中から何れかを第1参照ピクチャとして特定する第1参照ピクチャ特定ステップと、
前記動きベクトルに基づいて、第1参照ピクチャ上のブロック及び第2参照ピクチャ上のブロックを特定し、前記両ブロックから画素補間により予測画像を生成する予測画像生成ステップと、
前記予測画像及び前記符号化信号に基づいて復号対象ブロックを復号する復号ステップと、
を含むことを特徴とするプログラム。
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