JP2004088399A - 救助要請装置 - Google Patents

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Koji Iketani
池谷 浩二
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Abstract

【課題】通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ確実に送ることができる救助要請装置の提供。
【解決手段】救助要請装置Aは、GPSレシーバ11と、情報格納用メモリ12と、送信部13と、電波時計14と、軌道データ格納用メモリ15と、作動用電力制御部16と、救助要請スイッチ17と、受信部20と、ホーミング送信部21と、位置情報格納用メモリ23と、GPS作動用電力制御部24と、アンプ25と、Mic26とを備え、利用者が救助要請スイッチ17を操作すると送信部13が作動して変調波28が通信衛星4に送信される。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆電話や携帯電話等の通常の通信手段で救助機関と連絡が取れない場所で緊急の救助を要請するために使用する救助要請装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、余暇を利用して、クルージング、ロッククライミング、バンジージャンプ、スカイダイビング、スキューバーダイビング、ハンググライダー、登山、スキー、ハイキング、山菜取り、キャンプ等が活発に行われている。
【0003】
しかし、装備の不良、不注意、天候の急変等により、遭難したり怪我をして動けなくなる場合がある。
この様な緊急の場合には、通常、公衆電話や携帯電話等の通報手段で関係機関に連絡して救助隊を派遣してもらう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、公衆電話が無い場所や、携帯電話の通話サービスエリア外(圏外)では、これらの通報手段は使えない。
【0005】
本発明の第1の目的は、通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ確実に送ることができる救助要請装置の提供にある。
【0006】
本発明の第2の目的は、通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ確実に送ることができ、且つ、救助要請が通信衛星に届いたことを確認することができる救助要請装置の提供にある。
【0007】
本発明の第3の目的は、救助要請情報を受けた場合には、利用者の身元、医学情報、現在の遭難状況が救助隊側で把握することができる救助要請装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[請求項1について]
位置取得手段は、利用者の位置に係る位置情報を取得する。
なお、位置情報の取得は、測位用の低軌道衛星(例;NNSS)や、複数の測位用の中軌道衛星(例;GPS、GLONASS、GALILEO)以外に、ロランC等を利用しても良い。
【0009】
利用者が救助要請スイッチを手動操作すると情報発信手段が作動状態になる。
作動状態になった情報発信手段は、位置取得手段が取得した位置情報を、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して非静止衛星(地表から200km〜2万kmの範囲内で任意に設定した低・中軌道を周回する1機或いは複数機の通信衛星)へ送信する。
なお、通信衛星(非静止衛星)は、測位用の低・中軌道衛星を兼ねていても良い。
【0010】
救助要請装置は、通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ送ることができる。
【0011】
これにより、通信衛星と通信リンクされた地上局を介して、救助を求めている利用者が居る場所の位置情報と救助要請情報とが救助隊へ伝わり、救助隊は早期に利用者の救助に向かうことができる。
【0012】
[請求項2について]
位置取得手段は、利用者の位置に係る位置情報を取得する。
なお、位置情報の取得は、測位用の低軌道衛星(例;NNSS)や、複数の測位用の中軌道衛星(例;GPS、GLONASS、GALILEO)以外に、ロランC等を利用しても良い。
現在時刻取得手段は、時刻情報を乗せた標準電波を受信するか、計時により現在時刻を得る。
【0013】
軌道データ記憶部には、通信衛星の軌道データが格納されている。なお、通信衛星は、高度が低い程、大気の影響を受けて軌道が変化し易い。このため、軌道データが最新のものに適宜、更新(有線回線や無線回線によるダウンロード等)される構成にしても良い。
送信タイミング決定手段は、位置取得手段が取得した位置と、軌道データ記憶部に格納された軌道データとに基づいて、情報発信手段が送信する電波を通信衛星が受信可能な時刻帯を算出する。
【0014】
利用者が救助要請スイッチを手動操作すると、前記現在時刻が受信可能時刻帯に入る毎に情報発信手段が作動状態になる。
作動状態になった情報発信手段は、位置取得手段が取得した位置情報を、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して非静止衛星(地表から200km〜2万kmの範囲内で任意に設定した低・中軌道を周回する1機或いは複数機の通信衛星)へ送信する。
なお、通信衛星(非静止衛星)は、測位用の低・中軌道衛星を兼ねていても良い。
【0015】
救助要請装置は、通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ送ることができる。なお、現在時刻が受信可能時刻帯に入る毎に情報発信手段が作動状態になるので、無駄な電力消費を伴うことなく、通信衛星への情報送信を確実に行うことができる。
【0016】
これにより、通信衛星と通信リンクされた地上局を介して、救助を求めている利用者が居る場所の位置情報と救助要請情報とが救助隊へ伝わり、救助隊は早期に利用者の救助に向かうことができる。
【0017】
[請求項3について]
位置取得手段は、利用者の位置に係る位置情報を取得する。
なお、位置情報の取得は、測位用の低軌道衛星(例;NNSS)や、複数の測位用の中軌道衛星(例;GPS、GLONASS、GALILEO)以外に、ロランC等を利用しても良い。
現在時刻取得手段は、時刻情報を乗せた標準電波を受信するか、計時により現在時刻を得る。
【0018】
軌道データ記憶部には、通信衛星の軌道データが格納されている。なお、通信衛星は、近地点の高度が低い程、大気の影響を受けて軌道が変化し易い。このため、軌道データが最新のものに適宜、更新(有線回線や無線回線によるダウンロード等)できる構成にしても良い。
【0019】
送信タイミング決定手段は、位置取得手段が取得した位置と、軌道データ記憶部に格納された軌道データとに基づいて、情報発信手段が送信する電波を、通信衛星が取得位置近傍での近地点通過により受信可能となる時刻帯を算出する。
【0020】
利用者が救助要請スイッチを手動操作すると情報発信手段が作動状態になる。
作動状態になった情報発信手段は、位置取得手段が取得した位置情報を、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して非静止衛星(近地点を地表から200km〜2千kmの範囲内で任意に設定した楕円軌道を周回する1機或いは複数機の通信衛星)へ送信する。
【0021】
なお、楕円軌道の通信衛星は、近地点が地表から200km〜2千kmと近いので、救助要請装置の情報発信手段(送信装置)が小規模であっても、近地点通過時に確実に救助要請電波を受信することができる。
【0022】
救助要請装置は、通常の通報手段が使えない場所で、救助が必要な危機状態に利用者が陥った場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星へ送ることができる。
なお、現在時刻が受信可能時刻帯に入る毎に情報発信手段が作動状態になるので、無駄な電力消費を伴うことなく、通信衛星への情報送信を確実に行うことができる。
【0023】
これにより、通信衛星と通信リンクされた地上局を介して、救助を求めている利用者が居る場所の位置情報と救助要請情報とが救助隊へ伝わり、救助隊は早期に利用者の救助に向かうことができる。
【0024】
[請求項4について]
位置取得手段は、下記の様に、低軌道衛星や複数の中軌道衛星を利用して、利用者の居る場所の位置情報を取得する。
【0025】
測位用の低軌道衛星(例;NNSS)
時刻信号と軌道データを乗せて送信される変調波のドプラーシフトを観測して緯度・経度を算出する。
【0026】
複数の測位用の中軌道衛星(例;GPS、GLONASS、GALILEO)
軌道情報、衛星位置情報、および時刻情報を乗せて送信される位相変調波から緯度・経度・高度を算出する。
【0027】
[請求項5について]
ホーミング用の電波、光、または音の発信が可能(少なくとも一つ)なホーミング信号発信手段を救助要請装置側に設けている。
なお、通常、電波の発信が適しているが、雑音源が有る場合には、音や光の発信も有効である。
【0028】
このホーミング信号発信手段は、利用者がホーミング信号発信スイッチを手動操作する(救助隊が近くに来た場合)か、救助要請の送信電波の送信から所定時間が経過する(救助隊が近くに来る頃)と作動状態になる。
【0029】
これにより、通信衛星等から得た位置情報の位置に到着した救助隊が、ホーミング用の音、光、または電波に基づいて周りを探索すれば、救助を待っている利用者の正確な位置が判る。
【0030】
[請求項6について]
位置取得手段は、下記の何れかのタイミングで作動して位置情報を取得する。
・電力消費を抑えるため、救助要請の送信を行う時に作動して位置情報を取得する。
【0031】
・天候の悪化等で、救助要請時に現在位置の取得が不能であっても直前の取得位置で代用することができる様に、設定時間毎に作動して位置情報を取得する。
【0032】
・電力消費を抑え、且つ利用者が大きく移動していても、救助要請時の現在位置、または直前の位置(現在位置の取得が不能である場合)を極力正確に取得できる様に、位置移動量が大きい程、取得間隔が短くなる任意時間毎に作動して位置情報を取得する。なお、位置移動量が小さい程、取得間隔が長くなるので、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0033】
[請求項7について]
確認信号受信手段と確認報知手段とを救助要請装置側に設けている。
利用者が救助要請スイッチを手動操作する情報発信手段が作動状態になる。
【0034】
この救助要請の送信電波が通信衛星に届くと、通信衛星から確認電波が返信される。
確認信号受信手段が確認電波を受信し、確認報知手段が確認情報を報知する。
【0035】
つまり、救助要請装置は、利用者が救助要請スイッチを手動操作して情報発信手段が作動状態になって救助要請の送信電波が発射され、この救助要請の送信電波が通信衛星に届くと、通信衛星から確認電波が返信されて確認報知手段が確認情報を報知する構成である。
このため、利用者は、安心して救助を待つことができる。
【0036】
[請求項8について]
救助要請情報は、利用者の身元情報、アレルギーの有無や持病等の医学情報、現在の遭難状況を示す情報である。
救助隊は、利用者の身元情報、医学情報、現在の遭難状況が前もって判るので、現着した際に、効率良く救助活動を行うことができる。
【0037】
[請求項9について]
救助要請装置は、時計、携帯電話、懐中電灯、救命筏、小型船舶、パラシュート、携帯ラジオ、浮輪、ヘルメット、傘、杖、酸素ボンベ、作業服、テント、ライフジャケット、またはリュックサック等の装備品に組み付けるか、これらの装備品に着脱可能に組み込む。
【0038】
これにより、通常の通信手段で関係機関と連絡が取れない場所において、クルージング、ロッククライミング、バンジージャンプ、スカイダイビング、スキューバーダイビング、ハンググライダー、登山、スキー、ハイキング、山菜取り、或いはキャンプ等の屋外レジャーや屋外スポーツを実施中に、装備の不良、不注意、天候の急変等により、遭難したり怪我をして動けなくなっても救助要請を行うことができる。
【0039】
更に、通常の通信手段で関係機関と連絡が取れない場所へ、利用者が拉致や誘拐された場合でも、装備品にしか見えない救助要請装置で救助要請を行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例に係る救助要請装置A(請求項1、2、4、5、6、7、8に対応)を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0041】
救助要請装置Aは、GPSレシーバ11(位置取得手段)と、救助要請情報を格納する情報格納用メモリ12と、送信部13(情報発信手段)と、電波時計14(現在時刻取得手段)と、軌道データ格納用メモリ15(軌道データ記憶部)と、作動用電力制御部16(送信タイミング決定手段)と、救助要請スイッチ17と、受信部20と、ホーミング送信部21(ホーミング信号発信手段)と、位置情報格納用メモリ23と、GPS作動用電力制御部24と、アンプ25と、Mic26とを備える(図1、図2参照)。
この救助要請装置Aを用いた緊急救助システムを図1に示す。
【0042】
本実施例では、位置情報の取得に既存のGPS衛星3、3…3、3を採用している。
GPSレシーバ11は、軌道情報、位置情報、および時刻情報を乗せて24個のGPS衛星(中軌道衛星)から送信される位相変調波30をGPSアンテナ27で捕捉し、四衛星からの情報に基づいて、GPSアンテナ27が位置する、地球上の緯度・経度・高度を算出する。
【0043】
GPS衛星3は、高度2万kmを、0.5恒星日周期(約23時間56分/2)で周回する。
【0044】
このGPS衛星3は、軌道傾斜角55°の6つの軌道面に四個づつ、配置されている(24個+2個)。また、出力は約25Wで、L1帯(1575.42MHz)とL2帯(1227.6MHz)の二周期の搬送波を二相変調して送信している。
【0045】
測距信号として、C/AコードおよびPコードをL1帯に乗せている。また、PコードをL2帯に乗せている。
C/Aコードは、基準発信周波数の1/10の1.023MHzをクロック周波数とする10段のフィードバックシフトレジスタ(1周期1023ビット1ms)で構成される疑似ランダム符号発生器で個々の衛星に固有のコードが割り当てられている。
【0046】
このコードで搬送波を位相変調しているので、全衛星が同一の搬送波周波数で送信しても、GPSレシーバ11側で混信することなく受信が可能である。GPS衛星3からは、下記のデータが送られてくる。
(アルマナックデータ)
軌道上にある全てのGPS衛星の軌道情報。これにより、GPSレシーバ11が測位に利用できる衛星を確認できる。
【0047】
(エフェメリスデータ)
各衛星の正確な位置情報、原子時計による時刻情報
【0048】
GPSレシーバ11は、アルマナックデータから測位に利用できる衛星を確認し、エフェメリスデータから正確な時刻情報を得て、受信器内部の時計とナノ秒単位でシンクロさせる。
そして、衛星から信号が届く迄の時間を測り、それに光速をかけて衛星迄の距離を求め(レンジング)、このレンジングを三衛星に対して行い、三角交差法でGPSアンテナ27の位置を算出する。
【0049】
GPSレシーバ11が受信した現在位置を示す位置情報は、現在時刻とともに、順次、位置情報格納用メモリ23に格納され、蓄積される。
【0050】
情報格納用メモリ12には、使用者の身元情報(氏名、年齢、住所、緊急連絡先)、医学情報(アレルギーの有無、持病等)、現在の遭難状況が格納されている。
現在の遭難状況は、救助要請時に使用者がMic26へ入力し、アンプ25で増幅された音声データ(下記に例を示す)である。
【0051】
例1:“○×岳の△岩場から滑落して動けない。食料と水は残り少ない。至急、救助たのむ。”
例2:“水上バイクが故障して漂着中だ。エンジンがかからず動けない。□×港まで牽引してもらいたい。”
【0052】
送信部13は、所定周波数(数百MHz〜数十GHzの一周波数)の搬送波に、情報格納用メモリ12に格納した各種情報を変調させ、所定電力(数百mW〜数W)に増幅する回路である。なお、作動中は送信ランプ33が点灯する。
【0053】
なお、変調波28は上方に強い指向性を持つ、利得数dBのアンテナ29から通信衛星4に送信される。
また、送信部13の作動用電力は、作動用電力制御部16により制御される。
【0054】
通信衛星4は、本実施例では、軌道傾斜角度が略90度で、地表から800km離れた低軌道を約100分で周回する極軌道衛星である。
この通信衛星4は、重量が数十kgで、一辺が数十cmの立方体の小型の衛星であり、各面に貼った太陽電池パネル40で発電して電力を賄っている。
数mのマスト41とマスト先端に付けた重り42とにより姿勢制御が行われ、各アンテナが常に地球側を向く。
【0055】
43は救助要請信号の受信と確認信号の送信を行うためのアンテナであり、44、45は各種制御信号の送受信と受信した救助要請情報を基地局に送信するためのアンテナである。
【0056】
電波時計14は、長波を受信し、時刻信号を復調して、計時中の現在時刻を補正する。
軌道データ格納用メモリ15は、通信衛星4の軌道データを格納している。
【0057】
作動用電力制御部16は、送信部13、受信部20、およびホーミング送信部21等への作動用電力の供給を制御する回路である。
【0058】
この作動用電力制御部16は、GPSレシーバ11で受信され、位置情報格納用メモリ23に格納された現在位置と、軌道データ格納用メモリ15に格納された軌道データとに基づいて、アンテナ29から送信された変調波28が通信衛星4で受信可能な時刻帯を算出する。そして、電波時計14による現在時刻が、上記受信可能な時刻帯に入ると送信部13および受信部20へ作動用電力を供給する。
【0059】
救助要請スイッチ17は、救助要請を行う際に、使用者が透明のプラスチック板10を破ると操作可能となり、押圧するとオン状態にロックされる。
なお、救助要請スイッチ17がオン状態にロックされると、GPS作動用電力制御部24およびアンプ25に作動用電力が供給され、作動用電力制御部16に救助要請信号(ハイレベル信号)が出力され、救助要請ランプ31が点灯状態になる。
【0060】
GPS作動用電力制御部24は、位置移動量が大きい程、取得間隔が短くなる任意時間毎(30秒〜6時間)、および、救助要請スイッチ17がオン状態に操作された時に作動してGPSレシーバ11に作動用電力を供給する(GPSランプ32点灯)。なお、前回の取得位置と今回の取得位置との距離が離れている程、次回の電力供給迄の任意時間の間隔が短くなる様に調整される。
【0061】
受信部20は、送信部13が送信した救助要請の送信電波(変調波28)が通信衛星4に届いた場合に、通信衛星4から確認電波50が返信されるが、この確認電波50を受信するためのものである。なお、確認電波50を受信すると要請受理ランプ34が点灯する。
【0062】
本実施例では、救助要請の送信電波(変調波28)の最初の送信から所定時間(1時間〜24時間が好適)が経過し、要請受理ランプ34が点灯している場合には、作動用電力制御部16からホーミング送信部21に作動用電力が供給され、ホーミング送信部21が作動状態になる。これにより、アンテナ35から121.5MHzのホーミング波36が発射され、利用者が居る場所の特定を容易にする。
【0063】
つぎに、救助要請装置Aの作動を、図3〜図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0064】
〔位置取得に関する作動;図3参照〕
ステップS1において、現在の時刻がGPS作動時刻であるか否か判別し、GPS作動時刻である場合(YES)にはステップS2へ進み、GPS作動時刻でない場合(NO)には待機する。
【0065】
ステップS2において、GPSレシーバ11が作動(GPS作動)し、GPSランプ32が点灯する。
【0066】
ステップS3において、GPSレシーバ11が位置情報を取得できたか否か判別し、取得できている場合(YES)にはステップS4に進み、取得できていない場合(NO)にはステップS5に進む。
【0067】
ステップS4において、位置情報格納用メモリ23に現在位置(位置情報)を格納し、ステップS5に進む。
ステップS5において、次回の作動時刻を決定し、ステップS1に戻る。
【0068】
〔救助要請に関する作動;図4参照〕
ステップs1において、救助要請スイッチ17が操作(SWオン)されるとステップs2に進み、それ以外の場合(NO)には待機する。
【0069】
ステップs2において、救助要請ランプ31が点灯し、ステップs3に進む。
ステップs3において、ステップS1のGPS作動時刻であるか否かに係わらず、GPSレシーバ11が作動(GPS作動)し、GPSランプ32が点灯し、ステップs4に進む。
【0070】
ステップs4において、GPSレシーバ11が位置情報を取得できたか否か判別し、取得できている場合(YES)にはステップs6に進み、取得できていない場合(NO)にはステップs5に進む。
【0071】
ステップs5において、位置情報格納用メモリ23に最後に格納された位置情報を読み出し、ステップs6に進む。
【0072】
ステップs6において、取得した位置情報または読み出した位置情報を情報格納用メモリ12に格納し、ステップs7に進む。
【0073】
ステップs7において、現在の時刻が受信可能時刻帯であるか否か判別し、受信可能時刻帯である場合(YES)にはステップs8に進み、受信可能時刻帯でない場合(NO)には待機する。
【0074】
ステップs8において、救助要請情報と位置情報(取得or読み出し)とを重畳した変調波28をアンテナ29から通信衛星4へ送信する。なお、送信中は送信ランプ33が点灯する。
【0075】
ステップs9において、通信衛星4からの確認電波50を受信部20が受信した場合(YES)にはステップs10に進み、受信できない場合(NO)にはステップs7に戻る。
【0076】
ステップs10において、要請受理ランプ34を点灯し、ステップs11に進む。
【0077】
ステップs11において、ステップs8の変調波28の送信から所定時間が経過したか否か判別し、所定時間が経過している場合(YES)にはステップs12に進み、所定時間が経過していない場合(NO)にはステップs10に戻る。
ステップs12において、ホーミング波36を送信する。
【0078】
本実施例の救助要請装置Aは、以下の利点を有する。
〔ア〕救助要請装置Aは、携帯電話や公衆電話等の通常の通報手段が使えない場所で救助が必要な危機状態に利用者が陥り、救助要請スイッチ17を操作した場合には、利用者が居る場所の位置情報とともに、救助要請情報を通信衛星4へ送ることができる。
【0079】
なお、通信衛星4への送信は、現在時刻が受信可能時刻帯に入った時であるので、無駄な電力消費を伴うことなく、通信衛星4への送信を確実に行うことができる。
【0080】
これにより、通信衛星4と通信リンクされた地上局を介して、救助を求めている利用者が居る場所の位置情報と救助要請情報とが救助隊へ伝わり、救助隊は早期に利用者の救助に向かうことができる。
更に、通信衛星4は、極軌道衛星であるので、地球上の全地域をサービスエリアにすることができる。
【0081】
〔イ〕救助要請が通信衛星4へ届くと、要請受理ランプ34が点灯するので、利用者は安心して救助を待つことができる。
【0082】
〔ウ〕救助要請情報に、利用者の身元、医学情報、現在の遭難状況が入っているので、これを救助隊側で把握することにより、救助活動を円滑に行うことができる。
【0083】
〔エ〕位置確認に既存のGPS衛星3を用い、救助要請信号の送受信用に、通信衛星4だけを打ち上げるか、既存のものを利用すれば良いので、比較的安価にシステムを構築することができる。
【0084】
〔オ〕通信衛星4は低軌道衛星であるので、救助要請装置A側の送受信設備が小規模で良く、救助要請装置Aを携帯可能(大きさと重量)にすることができる。
【0085】
本発明は、上記実施例の他、以下の実施態様を含む。
a.測位用の衛星に通信衛星の機能を持たせても良い。
この場合には、測位用の衛星を低軌道衛星とするのが好ましく、時刻信号と軌道データを乗せて送信される変調波のドプラーシフトを観測して緯度・経度を算出する。
【0086】
b.救助要請装置は、時計、携帯電話、懐中電灯、救命筏、小型船舶、パラシュート、携帯ラジオ、浮輪、ヘルメット、傘、杖、酸素ボンベ、作業服、テント、ライフジャケット、またはリュックサック等の装備品に組み付けるか、これらの装備品に着脱可能に組み込んでも良い(請求項9に対応)。
【0087】
c.第1実施例の通信衛星4を、近地点を地表から200km〜2千kmに設定した楕円軌道を周回する衛星に変更しても良い(請求項3に対応)。
この場合には、GPSレシーバ11が取得したGPSアンテナ27の位置(緯度・経度・高度)と、軌道データ格納用メモリ15に格納された軌道データとに基づいて、送信部13が送信する変調波28を、通信衛星4が取得位置近傍での近地点通過により受信可能となる時刻帯を作動用電力制御部16が算出してその時刻帯に変調波28を送信する。
【0088】
なお、近地点を地表から200km〜2千kmに設定した、楕円軌道の衛星は、準天頂衛星(対象・非対象八の字、水滴型)、同期軌道衛星、回帰軌道衛星、順回帰軌道衛星、極軌道衛星であっても良い。
但し、取得位置近傍での近地点を衛星が通過する際に衛星を利用し、救助要請装置から変調波28を送信する。
【0089】
これは、遠地点で利用しようとすると、高度が2万km〜3万kmと高くなる(遠い)ため、救助要請装置の送信出力を大きくし、高ゲインで鋭い指向性の送信アンテナを使う必要があるため、携帯に不向きなためである。
【0090】
d.通常、高度2千km〜5千kmおよび高度1万km〜2万kmのバンアレン帯の軌道を避けるが、放射線により影響を緩和する対策を施せば、低・中軌道を周回する通信衛星の軌道をこの間に設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る救助要請装置を用いた緊急救助システムの説明図である。
【図2】その救助要請装置のブロック図である。
【図3】その救助要請装置の位置取得に関する作動を示すフローチャートである。
【図4】その救助要請装置の救助要請に関する作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A 救助要請装置
4 通信衛星
11 GPSレシーバ(位置取得手段)
13 送信部(情報発信手段)
14 電波時計(現在時刻取得手段)
15 軌道データ格納用メモリ(軌道データ記憶部)
16 作動用電力制御部(送信タイミング決定手段)
17 救助要請スイッチ
20 受信部(確認信号受信手段)
21 ホーミング送信部(ホーミング信号発信手段)
28 変調波(送信電波)
34 要請受理ランプ(確認報知手段)

Claims (9)

  1. 位置に係る位置情報を取得する位置取得手段と、
    該位置取得手段が取得した前記位置情報を、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して非静止衛星へ送信する情報発信手段とを備えた救助要請装置であって、
    前記非静止衛星は、地表から200km〜2万km離れた低・中軌道を周回する通信衛星であり、
    前記利用者が救助要請スイッチを手動操作すると前記情報発信手段が作動状態になることを特徴とする救助要請装置。
  2. 位置に係る位置情報を取得する位置取得手段と、
    該位置取得手段が取得した前記位置情報を、地表から200km〜2万km離れた低・中軌道を周回する通信衛星へ、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して送信する情報発信手段とを備えた救助要請装置であって、
    時刻情報を乗せた標準電波を受信するか計時により現在時刻を得る現在時刻取得手段と、
    前記通信衛星の軌道データを格納した軌道データ記憶部と、
    前記位置取得手段が取得した位置と、前記軌道データ記憶部に格納された軌道データとに基づいて、前記情報発信手段が送信する電波を前記通信衛星が受信可能な時刻帯を算出する送信タイミング決定手段とを設け、
    前記利用者が救助要請スイッチを手動操作すると、前記現在時刻が受信可能時刻帯に入る毎に前記情報発信手段が作動状態になることを特徴とする救助要請装置。
  3. 位置に係る位置情報を取得する位置取得手段と、
    該位置取得手段が取得した前記位置情報を、近地点を地表から200km〜2千kmに設定した楕円軌道を周回する通信衛星へ、利用者が緊急の救助を要する旨の救助要請情報とともに、搬送波に重畳して送信する情報発信手段とを備えた救助要請装置であって、
    時刻情報を乗せた標準電波を受信するか計時により現在時刻を得る現在時刻取得手段と、
    前記通信衛星の軌道データを格納した軌道データ記憶部と、
    前記位置取得手段が取得した位置と、前記軌道データ記憶部に格納された軌道データとに基づいて、前記情報発信手段が送信する電波を、前記通信衛星が取得位置近傍での近地点通過により受信可能となる時刻帯を算出する送信タイミング決定手段とを設け、
    前記利用者が救助要請スイッチを手動操作すると、前記現在時刻が受信可能時刻帯に入る毎に前記情報発信手段が作動状態になることを特徴とする救助要請装置。
  4. 前記位置取得手段は、
    時刻信号と軌道データを乗せて低軌道衛星から送信される変調波のドプラーシフトを観測して緯度・経度を算出するか、または、
    軌道情報、衛星位置情報、および時刻情報を乗せて複数の中軌道衛星から送信される位相変調波から緯度・経度・高度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の救助要請装置。
  5. ホーミング用の電波、光、または音の発信が可能なホーミング信号発信手段を救助要請装置側に設け、
    前記利用者がホーミング信号発信スイッチを手動操作するか、救助要請の送信電波の送信から所定時間が経過すると前記ホーミング信号発信手段が作動状態になることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の救助要請装置。
  6. 前記位置取得手段は、救助要請の送信を行う時、設定時間毎、または位置移動量が大きい程、取得間隔が短くなる任意時間毎に作動して位置情報を取得することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の救助要請装置。
  7. 確認信号受信手段と確認報知手段とを救助要請装置側に設け、救助要請の送信電波が前記通信衛星に届くと前記通信衛星から返信される確認電波の確認情報が前記確認報知手段で報知されることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の救助要請装置。
  8. 前記救助要請情報は、利用者の身元情報、アレルギーの有無や持病等の医学情報、現在の遭難状況を示す情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の救助要請装置。
  9. 時計、携帯電話、懐中電灯、救命筏、小型船舶、パラシュート、携帯ラジオ、浮輪、ヘルメット、傘、杖、酸素ボンベ、作業服、テント、ライフジャケット、またはリュックサック等の装備品に組み付けるか、これらの装備品に着脱可能に組み込んだことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の救助要請装置。
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