JP2004087400A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の高分子電解質型燃料電池のガス拡散層は、長期の連続運転中にクリープを生じ、接触抵抗の増加、およびガス拡散性の低下により寿命特性が低下する。ガス拡散層を構成する基材の一部がガス流路に食い込み、ガス流路の機能を損ねるなどの不都合があった。
【解決手段】膜電極の作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスする。ガス拡散層単体をプレスする前あるいはプレス後に、ガス拡散層に樹脂を含浸させる。このような処理をしたガス拡散層を組み入れて燃料電池を構成する。
【選択図】 なし
【解決手段】膜電極の作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスする。ガス拡散層単体をプレスする前あるいはプレス後に、ガス拡散層に樹脂を含浸させる。このような処理をしたガス拡散層を組み入れて燃料電池を構成する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質型燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとを白金などの触媒層を有するガス拡散電極で電気化学的に反応させ、電気と熱を同時に発生させるものである。このような高分子電解質型燃料電池の一般的な構成を図1に示した。
水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面には、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層2A、2Bが密着して配置され、さらに触媒層2A、2Bの外面には、ガス透過性と導電性を兼ね備えた、一対のガス拡散層3A、3Bが密着して配置されている。このガス拡散層と触媒層により電極4A、4Bが構成される。これらの電極と高分子電解質膜1とを含む膜電極接合体(以下、MEAという)を機械的に接合するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータ板がMEA間に挿入される。導電性セパレータ板は、電極に反応ガスを供給するガス流路7A、7Bを有する。これらのガス流路は、電極反応により発生した水や余剰のガスを運び去る役目も有する。図示の例では、一方の面にアノード4Aに燃料ガスを供給するガス流路7Aを有し、他方の面にカソード4Bに酸化剤ガスを供給するガス流路7Bを有する単一の導電性セパレータ板6、並びに一方の面にガス流路7Aを形成したアノード側導電性セパレータ板6Aおよび一方の面にガス流路7Bを形成したカソード側導電性セパレータ板6Bとを両者間に冷却水の流路8を形成するように組み合わせた複合セパレータ板が示されている。9はシール材を表す。
【0003】
このようにしてMEAとセパレータ板が交互に積層されてセル積層体が構成され、所定の締結圧で積層方向に締結され、MEAとセパレータ板は所定の圧力のもとで面接触している。
この種の高分子電解質型燃料電池の電極におけるガス拡散層の役割は、(1)反応ガスを電極に供給する、(2)膜や触媒層を湿潤状態に保つ、(3)過剰な反応生成水をMEAの外に排出する、(4)MEAとセパレータ板間の導電性を確保する、の4点が挙げられる。
【0004】
電池運転開始時は、カーボン織布またはカーボン不織布を基材とするガス拡散層が、一定の厚みを維持しており、良好な電池特性を発揮する。しかし、長期の連続運転においては、ガス拡散層がクリープを起こす。このクリープとは、ガス拡散層の基材を構成する炭素基材の構造が初期状態から徐々に変化することである。その結果、反発弾性力が徐々に弱くなる。このためガス拡散層とセパレータとの接触抵抗が大きくなり、上記(4)の役割である導電性が低下し、電池特性が徐々に低下する。さらに変形により基材中の炭素繊維の密度が大きくなるので、ガス拡散層内の細孔が減少し、ガスの透過が悪くなり、上記(1)の反応ガスが電極に供給されにくくなる。
また、従来のガス拡散層においては、基材の炭素繊維同士が強く絡み合っていないため、基材の一部がセパレータ板のガス流路に食い込み、反応に必要なガスや反応により発生した水が流れにくくなるという問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、耐クリープ性に優れ、ガス流路の機能を阻害しないガス拡散層を提供することを目的とする。
本発明は、そのようなガス拡散層を備えた高分子電解質型燃料電池を提供することをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜および前記電解質膜を挟む一対の電極を含む膜電極接合体、並びに前記膜電極接合体を挟む一対の導電性セパレータ板を具備し、前記膜電極接合体および導電性セパレータ板が所定の締結圧のもとで相互に面接触している高分子電解質型燃料電池であって、前記電極が前記電解質膜に接触する触媒層およびその外側に配されたガス拡散層を含み、前記ガス拡散層が、あらかじめ前記締結圧より大きな圧力でプレス処理されていることを特徴とする。
上記の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法は、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池の締結圧より大きな圧力でプレスする工程を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記のように、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池の締結圧より大きな圧力でプレスする工程を有することを特徴とする。このプレス工程により、基材を構成する炭素繊維が座屈し、ガス拡散層の耐クリープ性が向上する。
本発明の好ましい実施の形態においては、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした後、ガス拡散層単体に樹脂を含浸し、硬化させる。この方法によると、基材を構成する炭素繊維を座屈させ、さらに樹脂で固めることで、ガス拡散層の耐クリープ性が向上する。
本発明の他の好ましい実施の形態においては、MEAの作製前に、ガス拡散層単体に樹脂を含浸させた後、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスし、しかる後樹脂を硬化させる。
【0008】
ガス拡散層に用いる導電性多孔質基材としては、炭素繊維織布あるいは炭素繊維不織布が用いられる。この基材を単体でプレス加工する。プレスする方法としては、例えば、室温での油圧プレス、ホットプレス、ロールプレスなどが挙げられる。プレス圧としては、炭素繊維を座屈させる範囲であればよいが、セル積層体を締結する圧力の2倍以上、10倍以下の圧力でプレスすることが好ましい。過度なプレス圧をかけると、基材を構成する炭素繊維が粉砕され、繊維構造が破壊されることから、ガス拡散層としての機能が損なわれる。このため、過度なプレス圧は好ましくない。プレス時間としては、炭素繊維を座屈させる範囲であればよいが、生産性の観点、および上記繊維構造破壊防止の観点から、10秒以上、10時間以内が好ましい。
【0009】
ガス拡散層の耐クリープ性を向上させる手段として、基材を単体でプレスする前、あるいはプレス後に、基材に液状樹脂を含浸させてもよい。含浸させる樹脂として好ましいものはフッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂などであり、さらに好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリビニリデンフロライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどから選択されるいずれかである。含浸の方法、および条件としては、樹脂が基材に十分に含浸する範囲で、かつ基材のガス拡散性を阻害しない範囲であれば、特に制限はない。この後、基材に含浸させた樹脂を硬化させるために、樹脂硬化温度で熱処理する。樹脂の作用としては、炭素繊維間の結合を強化し基材を固める効果と、基材のガス拡散性を損なわない程度に細孔を埋めて、炭素繊維の移動を阻止する効果がある。
【0010】
このようにして加工を行った導電性多孔質基材に撥水カーボン層を塗布し、塗布後、例えば325℃で2時間という条件で焼成を行い、高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を得る。
上述のようにして得られるガス拡散層は、炭素繊維が座屈しており、耐クリープ特性に優れている。また、本発明によるガス拡散層を触媒反応層に密着して配置したMEAは、長期の連続運転において、接触抵抗が増加せず、良好な電池特性を示す高分子電解質型燃料電池を作製することができる。さらに、炭素繊維が座屈および樹脂により押さえつけられているので、炭素繊維の一部がガス流路に食い込むことを防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0012】
《実施例1》
まず、本発明に関わる高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の作製方法について説明する。本実施例では、MEA作製前にガス拡散層基材を積層体の締結圧より大きな圧力でプレスする。ガス拡散層の基材には、東レ(株)製TGP−H−120を用いた。プレス前に基材の厚みをゲージ(株式会社ミツトヨ製デジマチックシックネスゲージ)で測定すると、平均357μmであった。これを、室温で油圧プレス機により50kg/cm2の圧力で30分間プレスし、基材を構成する炭素繊維を座屈させた。プレス直後の厚みを同じゲージで測定すると、平均203μmであった。この基材の一方の面に、アセチレンブラックと水と界面活性剤(TritonX−100)を15:1:84の重量比で混合したカーボンインクをドクターブレードで塗布して、撥水カーボン層を形成した。325℃で2時間、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。焼成後の厚みは平均233μmであった。
【0013】
アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持したものを電極の触媒とした。この触媒粉末のイソプロパノール分散液に、パーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエチルアルコール分散液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料として、スクリーン印刷法を用いて、高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112)の両面に塗布し、電極触媒層を形成した。電極触媒層中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるようにした。
上記電極触媒層を両面に塗布した高分子電解質膜の両面に、上記ガス拡散層の撥水カーボン層が接するように配置し、ホットプレスで接合して膜電極接合体(MEA)を作製した。
【0014】
MEAの電極の周囲には、電解質膜を挟んでシリコン製ガスケットを配置した。このMEAと導電性セパレータ板とを交互に積層し、50セルが直列に接続された図1のような燃料電池積層体を組み立てた。この燃料電池積層体の両端に配置したステンレス鋼製の端板を締結ロッドで、締結圧が10kgf/cm2となるように締結した。
【0015】
この燃料電池運転条件は、アノード側には83℃の露点となるように加湿した水素を、カソード側には78℃の露点となるように加湿した空気をそれぞれ供給し、電池本体は85℃に保持した。電池を、燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2で運転した。連続運転の電池特性を後述する比較例とともに図2に示す。連続運転時の抵抗値特性を後述する比較例とともに図3に示す。本実施例の電池は、接触抵抗が増加せず、10000時間当たりの劣化率が7mVという、長期の連続運転において優れた出力特性を示した。10000時間が経過し、本実施例の優位性を確認した後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再び上記のゲージで測定すると、平均233μmであった。本実施例のガス拡散層は、電池運転中にその厚みが変化せず、優れた耐クリープ特性を実現した。
【0016】
《実施例2》
本実施例では、MEA作製前に、ガス拡散層基材を積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした後、樹脂を含浸した。ガス拡散層の基材には実施例1と同じものを用いた。プレス前の基材の厚みは、上記と同じゲージで測定すると、平均358μmであった。これを、室温で油圧プレス機により50kg/cm2の圧力で30分間プレスした。プレス直後の厚みは、平均205μmであった。
【0017】
基材に含浸する樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のND−1)を使った。これを水で希釈し、共重合体と水が体積比1:1の液状樹脂を作製した。加圧後のガス拡散層基材全体をこの液状樹脂に10分間浸漬し、基材内部にまで樹脂を含浸した。10分後、基材を取り出し、乾燥器で90℃、2時間乾燥した。乾燥後のガス拡散層基材を取り出し、カーボンインクを塗布した。アセチレンブラックと水と界面活性剤(TritonX−100)を15:1:84の重量比で混合したカーボンインクをドクターブレードで塗布して、撥水カーボン層を形成した。325℃で2時間、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。焼成後の厚みは平均235μmであった。
【0018】
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前述と同じ条件で電池を運転したところ、長期の連続運転において実施例1と同等以上の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。10000時間が経過し、本実施例の優位性を確認した後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再びゲージで測定すると、平均235μmであった。
【0019】
実施例2のガス拡散層は、基材に樹脂を含浸することで、樹脂がバインダーとして、炭素繊維間の結合を強化し、耐クリープ特性をさらに高める。また、本発明で使用する樹脂が撥水性を有するものであると、樹脂を含浸したガス拡散層は耐水性に優れたものとなる。実施例1のように基材を座屈させるだけでも、優れた寿命特性を示すが、実施例2のように座屈させて樹脂を含浸すると、さらに優れた寿命特性を示した。
【0020】
《実施例3》
本実施例では、MEA作製前に、ガス拡散層基材に樹脂を含浸した後、積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした。ガス拡散層の基材には実施例1と同じものを用いた。含浸する樹脂および含浸方法は実施例2と同様とした。乾燥後、300℃でホットプレスにより100kg/cm2の圧力で1時間プレスした。ホットプレスにより樹脂の一部が再溶解し、加圧された状態の炭素基材間を埋めることで、樹脂が均一に付着し結合がより強固になった。プレス後の基材を室温になるまで保持した後、カーボンインクを塗布し、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。
【0021】
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前記と同条件で電池を運転させたところ、長期の連続運転において実施例1と同等の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。
【0022】
《実施例4》
本実施例では、MEA作製前にガス拡散層基材に樹脂を含浸した後、積層体の締結圧より大きな圧力でプレスし、その後再び基材に樹脂を含浸させた。
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した後、前記と同条件で電池を運転させたところ、長期の連続運転において実施例1と同等の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。
【0023】
《比較例1》
ガス拡散層基材には実施例1と同じもの用い、MEA作製前に実施例のような特別なプレス処理はしなかった。厚みは前記と同じゲージで測定すると、平均361μmであった。この基材の一方の面に、実施例と同じくカーボンインクを塗布して焼成し、比較例としての高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前記と同じ条件で電池を運転させた結果を実施例1の結果とともに、図2に示す。また、図3にそのときの抵抗値変化を時間軸とともに示す。これらの図から明らかなように、比較例1の電池は、長期の連続運転において徐々に接触抵抗が増加し、電池電圧は大きく低下した。10000時間経過後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再びゲージで測定すると、平均305μmであった。これは、ガス拡散層が長期の連続運転においてクリープを起こし、その厚みが徐々に減少したことを示す。その結果、接触抵抗が増加し、電池特性が大きく低下した。
【0024】
《比較例2〜4》
比較例1の補足として、比較例1と同様の方法で作製した電池を、200時間、500時間、750時間それぞれ運転し、運転後、電池を分解してガス拡散層の厚みを測定した。その結果、電池運転前にそれぞれ平均厚みが363μm、359μm、361μmであったガス拡散層が、平均331μm(200時間経過後)、320μm(500時間経過後)、309μm(750時間経過後)と電池運転時間が長くなるほど厚みが薄くなることが確認された。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、長時間の電池連続運転においても耐クリープ特性に優れ、ガス流路の機能を阻害しないガス拡散層を提供することができる。また、本発明のガス拡散層を使うと、寿命特性に優れた高分子電解質型燃料電池を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な高分子電解質型燃料電池の一部を切り欠いた断面図である。
【図2】本発明の実施例1および比較例1の高分子電解質型燃料電池の連続運転時の出力電圧の経時変化を示した図である。
【図3】同じく実施例1および比較例1の高分子電解質型燃料電池の連続運転時の抵抗値の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
1 高分子電解質膜
2A、2B 触媒層
3A、3B ガス拡散層
4A、4B 電極
5A、5B ガスケット
6、6A、6B 導電性セパレータ板
7A、7B ガス流路
8 冷却水の流路
9 シール材
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質型燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとを白金などの触媒層を有するガス拡散電極で電気化学的に反応させ、電気と熱を同時に発生させるものである。このような高分子電解質型燃料電池の一般的な構成を図1に示した。
水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面には、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層2A、2Bが密着して配置され、さらに触媒層2A、2Bの外面には、ガス透過性と導電性を兼ね備えた、一対のガス拡散層3A、3Bが密着して配置されている。このガス拡散層と触媒層により電極4A、4Bが構成される。これらの電極と高分子電解質膜1とを含む膜電極接合体(以下、MEAという)を機械的に接合するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータ板がMEA間に挿入される。導電性セパレータ板は、電極に反応ガスを供給するガス流路7A、7Bを有する。これらのガス流路は、電極反応により発生した水や余剰のガスを運び去る役目も有する。図示の例では、一方の面にアノード4Aに燃料ガスを供給するガス流路7Aを有し、他方の面にカソード4Bに酸化剤ガスを供給するガス流路7Bを有する単一の導電性セパレータ板6、並びに一方の面にガス流路7Aを形成したアノード側導電性セパレータ板6Aおよび一方の面にガス流路7Bを形成したカソード側導電性セパレータ板6Bとを両者間に冷却水の流路8を形成するように組み合わせた複合セパレータ板が示されている。9はシール材を表す。
【0003】
このようにしてMEAとセパレータ板が交互に積層されてセル積層体が構成され、所定の締結圧で積層方向に締結され、MEAとセパレータ板は所定の圧力のもとで面接触している。
この種の高分子電解質型燃料電池の電極におけるガス拡散層の役割は、(1)反応ガスを電極に供給する、(2)膜や触媒層を湿潤状態に保つ、(3)過剰な反応生成水をMEAの外に排出する、(4)MEAとセパレータ板間の導電性を確保する、の4点が挙げられる。
【0004】
電池運転開始時は、カーボン織布またはカーボン不織布を基材とするガス拡散層が、一定の厚みを維持しており、良好な電池特性を発揮する。しかし、長期の連続運転においては、ガス拡散層がクリープを起こす。このクリープとは、ガス拡散層の基材を構成する炭素基材の構造が初期状態から徐々に変化することである。その結果、反発弾性力が徐々に弱くなる。このためガス拡散層とセパレータとの接触抵抗が大きくなり、上記(4)の役割である導電性が低下し、電池特性が徐々に低下する。さらに変形により基材中の炭素繊維の密度が大きくなるので、ガス拡散層内の細孔が減少し、ガスの透過が悪くなり、上記(1)の反応ガスが電極に供給されにくくなる。
また、従来のガス拡散層においては、基材の炭素繊維同士が強く絡み合っていないため、基材の一部がセパレータ板のガス流路に食い込み、反応に必要なガスや反応により発生した水が流れにくくなるという問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、耐クリープ性に優れ、ガス流路の機能を阻害しないガス拡散層を提供することを目的とする。
本発明は、そのようなガス拡散層を備えた高分子電解質型燃料電池を提供することをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜および前記電解質膜を挟む一対の電極を含む膜電極接合体、並びに前記膜電極接合体を挟む一対の導電性セパレータ板を具備し、前記膜電極接合体および導電性セパレータ板が所定の締結圧のもとで相互に面接触している高分子電解質型燃料電池であって、前記電極が前記電解質膜に接触する触媒層およびその外側に配されたガス拡散層を含み、前記ガス拡散層が、あらかじめ前記締結圧より大きな圧力でプレス処理されていることを特徴とする。
上記の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法は、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池の締結圧より大きな圧力でプレスする工程を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記のように、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池の締結圧より大きな圧力でプレスする工程を有することを特徴とする。このプレス工程により、基材を構成する炭素繊維が座屈し、ガス拡散層の耐クリープ性が向上する。
本発明の好ましい実施の形態においては、MEAの作製前に、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした後、ガス拡散層単体に樹脂を含浸し、硬化させる。この方法によると、基材を構成する炭素繊維を座屈させ、さらに樹脂で固めることで、ガス拡散層の耐クリープ性が向上する。
本発明の他の好ましい実施の形態においては、MEAの作製前に、ガス拡散層単体に樹脂を含浸させた後、ガス拡散層単体を燃料電池積層体の締結圧より大きな圧力でプレスし、しかる後樹脂を硬化させる。
【0008】
ガス拡散層に用いる導電性多孔質基材としては、炭素繊維織布あるいは炭素繊維不織布が用いられる。この基材を単体でプレス加工する。プレスする方法としては、例えば、室温での油圧プレス、ホットプレス、ロールプレスなどが挙げられる。プレス圧としては、炭素繊維を座屈させる範囲であればよいが、セル積層体を締結する圧力の2倍以上、10倍以下の圧力でプレスすることが好ましい。過度なプレス圧をかけると、基材を構成する炭素繊維が粉砕され、繊維構造が破壊されることから、ガス拡散層としての機能が損なわれる。このため、過度なプレス圧は好ましくない。プレス時間としては、炭素繊維を座屈させる範囲であればよいが、生産性の観点、および上記繊維構造破壊防止の観点から、10秒以上、10時間以内が好ましい。
【0009】
ガス拡散層の耐クリープ性を向上させる手段として、基材を単体でプレスする前、あるいはプレス後に、基材に液状樹脂を含浸させてもよい。含浸させる樹脂として好ましいものはフッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂などであり、さらに好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリビニリデンフロライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどから選択されるいずれかである。含浸の方法、および条件としては、樹脂が基材に十分に含浸する範囲で、かつ基材のガス拡散性を阻害しない範囲であれば、特に制限はない。この後、基材に含浸させた樹脂を硬化させるために、樹脂硬化温度で熱処理する。樹脂の作用としては、炭素繊維間の結合を強化し基材を固める効果と、基材のガス拡散性を損なわない程度に細孔を埋めて、炭素繊維の移動を阻止する効果がある。
【0010】
このようにして加工を行った導電性多孔質基材に撥水カーボン層を塗布し、塗布後、例えば325℃で2時間という条件で焼成を行い、高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を得る。
上述のようにして得られるガス拡散層は、炭素繊維が座屈しており、耐クリープ特性に優れている。また、本発明によるガス拡散層を触媒反応層に密着して配置したMEAは、長期の連続運転において、接触抵抗が増加せず、良好な電池特性を示す高分子電解質型燃料電池を作製することができる。さらに、炭素繊維が座屈および樹脂により押さえつけられているので、炭素繊維の一部がガス流路に食い込むことを防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0012】
《実施例1》
まず、本発明に関わる高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層の作製方法について説明する。本実施例では、MEA作製前にガス拡散層基材を積層体の締結圧より大きな圧力でプレスする。ガス拡散層の基材には、東レ(株)製TGP−H−120を用いた。プレス前に基材の厚みをゲージ(株式会社ミツトヨ製デジマチックシックネスゲージ)で測定すると、平均357μmであった。これを、室温で油圧プレス機により50kg/cm2の圧力で30分間プレスし、基材を構成する炭素繊維を座屈させた。プレス直後の厚みを同じゲージで測定すると、平均203μmであった。この基材の一方の面に、アセチレンブラックと水と界面活性剤(TritonX−100)を15:1:84の重量比で混合したカーボンインクをドクターブレードで塗布して、撥水カーボン層を形成した。325℃で2時間、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。焼成後の厚みは平均233μmであった。
【0013】
アセチレンブラック系カーボン粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持したものを電極の触媒とした。この触媒粉末のイソプロパノール分散液に、パーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエチルアルコール分散液を混合し、ペースト状にした。このペーストを原料として、スクリーン印刷法を用いて、高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112)の両面に塗布し、電極触媒層を形成した。電極触媒層中に含まれる白金量は0.5mg/cm2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるようにした。
上記電極触媒層を両面に塗布した高分子電解質膜の両面に、上記ガス拡散層の撥水カーボン層が接するように配置し、ホットプレスで接合して膜電極接合体(MEA)を作製した。
【0014】
MEAの電極の周囲には、電解質膜を挟んでシリコン製ガスケットを配置した。このMEAと導電性セパレータ板とを交互に積層し、50セルが直列に接続された図1のような燃料電池積層体を組み立てた。この燃料電池積層体の両端に配置したステンレス鋼製の端板を締結ロッドで、締結圧が10kgf/cm2となるように締結した。
【0015】
この燃料電池運転条件は、アノード側には83℃の露点となるように加湿した水素を、カソード側には78℃の露点となるように加湿した空気をそれぞれ供給し、電池本体は85℃に保持した。電池を、燃料利用率80%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2で運転した。連続運転の電池特性を後述する比較例とともに図2に示す。連続運転時の抵抗値特性を後述する比較例とともに図3に示す。本実施例の電池は、接触抵抗が増加せず、10000時間当たりの劣化率が7mVという、長期の連続運転において優れた出力特性を示した。10000時間が経過し、本実施例の優位性を確認した後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再び上記のゲージで測定すると、平均233μmであった。本実施例のガス拡散層は、電池運転中にその厚みが変化せず、優れた耐クリープ特性を実現した。
【0016】
《実施例2》
本実施例では、MEA作製前に、ガス拡散層基材を積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした後、樹脂を含浸した。ガス拡散層の基材には実施例1と同じものを用いた。プレス前の基材の厚みは、上記と同じゲージで測定すると、平均358μmであった。これを、室温で油圧プレス機により50kg/cm2の圧力で30分間プレスした。プレス直後の厚みは、平均205μmであった。
【0017】
基材に含浸する樹脂は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のND−1)を使った。これを水で希釈し、共重合体と水が体積比1:1の液状樹脂を作製した。加圧後のガス拡散層基材全体をこの液状樹脂に10分間浸漬し、基材内部にまで樹脂を含浸した。10分後、基材を取り出し、乾燥器で90℃、2時間乾燥した。乾燥後のガス拡散層基材を取り出し、カーボンインクを塗布した。アセチレンブラックと水と界面活性剤(TritonX−100)を15:1:84の重量比で混合したカーボンインクをドクターブレードで塗布して、撥水カーボン層を形成した。325℃で2時間、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。焼成後の厚みは平均235μmであった。
【0018】
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前述と同じ条件で電池を運転したところ、長期の連続運転において実施例1と同等以上の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。10000時間が経過し、本実施例の優位性を確認した後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再びゲージで測定すると、平均235μmであった。
【0019】
実施例2のガス拡散層は、基材に樹脂を含浸することで、樹脂がバインダーとして、炭素繊維間の結合を強化し、耐クリープ特性をさらに高める。また、本発明で使用する樹脂が撥水性を有するものであると、樹脂を含浸したガス拡散層は耐水性に優れたものとなる。実施例1のように基材を座屈させるだけでも、優れた寿命特性を示すが、実施例2のように座屈させて樹脂を含浸すると、さらに優れた寿命特性を示した。
【0020】
《実施例3》
本実施例では、MEA作製前に、ガス拡散層基材に樹脂を含浸した後、積層体の締結圧より大きな圧力でプレスした。ガス拡散層の基材には実施例1と同じものを用いた。含浸する樹脂および含浸方法は実施例2と同様とした。乾燥後、300℃でホットプレスにより100kg/cm2の圧力で1時間プレスした。ホットプレスにより樹脂の一部が再溶解し、加圧された状態の炭素基材間を埋めることで、樹脂が均一に付着し結合がより強固になった。プレス後の基材を室温になるまで保持した後、カーボンインクを塗布し、焼成を行い、本実施例の高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。
【0021】
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前記と同条件で電池を運転させたところ、長期の連続運転において実施例1と同等の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。
【0022】
《実施例4》
本実施例では、MEA作製前にガス拡散層基材に樹脂を含浸した後、積層体の締結圧より大きな圧力でプレスし、その後再び基材に樹脂を含浸させた。
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した後、前記と同条件で電池を運転させたところ、長期の連続運転において実施例1と同等の優れた出力特性を示した。10000時間経過後も接触抵抗値は実施例1と同じく増加しなかった。
【0023】
《比較例1》
ガス拡散層基材には実施例1と同じもの用い、MEA作製前に実施例のような特別なプレス処理はしなかった。厚みは前記と同じゲージで測定すると、平均361μmであった。この基材の一方の面に、実施例と同じくカーボンインクを塗布して焼成し、比較例としての高分子電解質型燃料電池用ガス拡散層を作製した。
このガス拡散層を使って実施例1と同様にしてMEAを作製し、燃料電池積層体を構成した。これを10kgf/cm2の圧力で締結した。前記と同じ条件で電池を運転させた結果を実施例1の結果とともに、図2に示す。また、図3にそのときの抵抗値変化を時間軸とともに示す。これらの図から明らかなように、比較例1の電池は、長期の連続運転において徐々に接触抵抗が増加し、電池電圧は大きく低下した。10000時間経過後、積層体を分解し、ガス拡散層を取り出し乾燥させた。その厚みを再びゲージで測定すると、平均305μmであった。これは、ガス拡散層が長期の連続運転においてクリープを起こし、その厚みが徐々に減少したことを示す。その結果、接触抵抗が増加し、電池特性が大きく低下した。
【0024】
《比較例2〜4》
比較例1の補足として、比較例1と同様の方法で作製した電池を、200時間、500時間、750時間それぞれ運転し、運転後、電池を分解してガス拡散層の厚みを測定した。その結果、電池運転前にそれぞれ平均厚みが363μm、359μm、361μmであったガス拡散層が、平均331μm(200時間経過後)、320μm(500時間経過後)、309μm(750時間経過後)と電池運転時間が長くなるほど厚みが薄くなることが確認された。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、長時間の電池連続運転においても耐クリープ特性に優れ、ガス流路の機能を阻害しないガス拡散層を提供することができる。また、本発明のガス拡散層を使うと、寿命特性に優れた高分子電解質型燃料電池を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な高分子電解質型燃料電池の一部を切り欠いた断面図である。
【図2】本発明の実施例1および比較例1の高分子電解質型燃料電池の連続運転時の出力電圧の経時変化を示した図である。
【図3】同じく実施例1および比較例1の高分子電解質型燃料電池の連続運転時の抵抗値の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
1 高分子電解質膜
2A、2B 触媒層
3A、3B ガス拡散層
4A、4B 電極
5A、5B ガスケット
6、6A、6B 導電性セパレータ板
7A、7B ガス流路
8 冷却水の流路
9 シール材
Claims (4)
- 水素イオン伝導性高分子電解質膜および前記電解質膜を挟む一対の電極を含む膜電極接合体、並びに前記膜電極接合体を挟む一対の導電性セパレータ板を具備し、前記膜電極接合体および導電性セパレータ板が所定の締結圧のもとで相互に面接触している高分子電解質型燃料電池であって、前記電極が前記電解質膜に接触する触媒層およびその外側に配されたガス拡散層を含み、前記ガス拡散層が、あらかじめ前記締結圧より大きな圧力でプレス処理されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
- 膜電極接合体を作製する前に、ガス拡散層単体を前記締結圧より大きな圧力でプレスした後、ガス拡散層に樹脂を含浸させる工程を有する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
- 膜電極接合体を作製する前に、ガス拡散層単体に樹脂を含浸させた後、ガス拡散層を前記締結圧より大きな圧力でプレスする工程を有する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
- 前記のプレスする圧力が前記締結圧の2倍以上、10倍以下である請求項2または3記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
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JP2002249353A JP2004087400A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 高分子電解質型燃料電池 |
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Cited By (1)
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JP2007134335A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Gm Global Technology Operations Inc | Pem燃料電池の性能及び作動的安定性を改善するためガス拡散層を予め調整する方法 |
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2002
- 2002-08-28 JP JP2002249353A patent/JP2004087400A/ja not_active Withdrawn
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JP2007134335A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Gm Global Technology Operations Inc | Pem燃料電池の性能及び作動的安定性を改善するためガス拡散層を予め調整する方法 |
US8415076B2 (en) | 2005-11-10 | 2013-04-09 | GM Global Technology Operations LLC | Gas diffusion layer preconditioning for improved performance and operational stability of PEM fuel cells |
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