JP2004087373A - 蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法 - Google Patents

蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法 Download PDF

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木村 友廣
Mutsuo Yoguchi
与口 六夫
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Abstract

【課題】特にワッフル構造の隔壁や微細な隔壁の間に蛍光体ペーストを良好に落とし込み、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層を形成することができる蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】基板21上に、所定間隔を持つ複数の隔壁24を形成する。その後、隔壁24の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、隔壁24の上に所定厚みの蛍光体ペースト層25を形成する。その後、蛍光体ペースト層25が形成してある隔壁付きの基板21の周囲全体を減圧状態として、蛍光体ペースト層25を、隔壁24間の底部に落とし込む。その後、隔壁24の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層25を除去する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法に係り、さらに詳しくは、特にワッフル構造の隔壁や微細な隔壁の間に蛍光体ペーストを良好に落とし込み、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層を形成することができる蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP:プラズマ・ディスプレイ)を例示することができる。中でも、プラズマ表示装置は、大画面化や広視野角化が比較的容易であること、温度、磁気、振動等の環境要因に対する耐性に優れること、長寿命であること等の長所を有し、家庭用の壁掛けテレビの他、公共用の大型情報端末機器への適用が期待されている。
【0003】
プラズマ表示装置は、希ガスから成る放電ガスを放電空間内に封入した放電セルに電圧を印加して、放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した紫外線で放電セル内の蛍光体層を励起することによって発光を得る表示装置である。つまり、個々の放電セルは蛍光灯に類似した原理で駆動され、放電セルが、通常、数十万個のオーダーで集合して1つの表示画面が構成されている。プラズマ表示装置は、放電セルへの電圧の印加方式によって直流駆動型(DC型)と交流駆動型(AC型)とに大別され、それぞれ一長一短を有する。
【0004】
AC型プラズマ表示装置は、表示画面内で個々の放電セルを仕切る役割を果たす隔壁を、たとえばストライプ状に形成すればよいので、高精細化に適している。しかも、放電のための電極の表面が誘電体層で覆われているので、かかる電極が磨耗し難く、長寿命であるといった長所を有する。AC型プラズマ表示装置の一例として、たとえば特開平5−307935号公報、あるいは特開平9−160525号公報に示す3電極型プラズマ表示装置が例示される。
【0005】
このようなプラズマ表示装置においては、二つの基板の間に放電セルを形成するために、いずれかの基板の内面に隔壁が形成される。隔壁のパターンとしては、ストレートなストライプ形状、ワッフル形状(ダブルワッフル形状なども含む)などがある。隔壁の間の底壁には、蛍光体層が形成される。
従来では、隔壁の間の底壁に蛍光体層を形成するために、スクリーン印刷が用いられている。従来のプラズマ表示装置では、隔壁の間の間隔が十分に広かったので、スクリーン印刷を用いても、隔壁の間の底壁に蛍光体層を良好に形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、隔壁の間の間隔が微細化(たとえば220μm以下程度)すると共に、ストレートなストライプ形状ではなく、放電セルの周囲四方が囲まれている、いわゆるワッフル形状の隔壁が用いられると、通常のスクリーン印刷では、隔壁の内部に蛍光体ペーストを均一に落とし込むことが困難に成ってきている。蛍光体ペーストを均一に落とし込むことができないと、蛍光体層の部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じるおそれがある。その結果、プラズマ表示装置における画像品質を劣化させるおそれがある。なお、このような不都合は、プラズマ表示装置のみではなく、隔壁の間に蛍光体層を形成する必要がある、その他の平面表示装置(たとえばFEDなど)でも、同様に生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、特にワッフル構造の隔壁や微細な隔壁の間に蛍光体ペーストを良好に落とし込み、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層を形成することができる蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光体層の形成方法は、
基板上に、所定間隔を持つ複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成するペースト層形成工程と、
前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込む脱泡工程と、
前記隔壁の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層を除去する除去工程と、を有する。
【0009】
本発明に係る蛍光体層の形成方法では、隔壁の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成した後、もしくは、同時に、基板の周囲全体を減圧状態とする。その結果、隔壁の間で蛍光体ペースト層と隔壁間底部との隙間に残存するエアは脱泡され、蛍光体ペースト層は、隔壁間の底部に落とし込まれる。このため、特にワッフル構造の隔壁や微細な隔壁の間などのように、従来ではペーストが落とし込まれにくい隔壁間の底部でも、蛍光体ペーストを良好に落とし込むことが可能になる。その結果、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層を形成することができる。
【0010】
好ましくは、前記ペースト層形成工程の後に、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を真空排気装置の内部に移し、前記脱泡工程を行う。真空排気装置により、容易に減圧状態を作り出すことができる。
【0011】
好ましくは、前記ペースト層形成工程と、前記脱泡工程とを、同一のチャンバ内で行い、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成しながら、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込む。この場合には、ペースト層の形成後に、基板を真空排気装置内に移動させる必要が無くなり、工程を簡素化することができる。ただし、ペースト層を形成するための装置構成が大型化する傾向にある。
【0012】
好ましくは、前記ペースト層形成工程は、スキージによる一回印刷もしくは二回以上の塗布工程を含み、最初の塗布工程によるペースト層の厚みよりも、最後の塗布工程によるペースト層の厚みの方が厚い。ペースト層の形成は、二回以上の塗布工程を用いた方が、比較的に厚いペースト層を形成することができる。
【0013】
好ましくは、前記ペースト層形成工程は、スキージによる一回以上、好ましくは二回以上の塗布工程を含み、少なくとも最後の塗布工程では、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成しながら、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込む。この場合には、ペースト層の形成後に、基板を真空排気装置内に移動させる必要が無くなり、工程を簡素化することができる。しかも、比較的に厚いペースト層を隔壁間の底部に落とし込むことができる。ただし、ペースト層を形成するための装置構成が大型化する傾向にある。
【0014】
好ましくは、少なくとも最後の塗布工程では、前記隔壁の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層を除去しながら、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込む。この場合には、ペースト層の形成後に、基板を真空排気装置内に移動させる必要が無くなると共に、真空排気装置から基板を取り出して、余分な蛍光体ペースト層を除去するための装置へ移動させる必要もなくなる。したがって、工程を、さらに簡素化することができる。しかも、比較的に厚いペースト層を隔壁間の底部に落とし込むことができる。ただし、ペースト層を形成するための装置構成が大型化する傾向にある。
【0015】
好ましくは、前記ペースト層形成工程に際しては、前記隔壁が形成してある基板の周囲に、前記蛍光体ペースト層を塗布形成するためのマスクを配置する。マスクとしては、特に限定されないが、隔壁の全体を貫通させることができる程度の開口部が中央部に形成してある枠体であることが好ましい。このマスクを構成する材質は、特に限定されないが、たとえば金属(メタルマスク)である。マスクを配置することで、隔壁の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成する作業が容易になる。
【0016】
好ましくは、前記マスクの厚みは、前記隔壁の高さと実質的に同一である。たとえばマスクの厚みは、隔壁の高さ±5μmである。このような高さに設定することで、マスクの中央開口部から、隔壁の頂部がマスクと略同一高さで露出し、隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成する作業が容易になる。
【0017】
好ましくは、前記減圧状態は、13.3kPa以下、さらに好ましくは133Pa以下、特に好ましくは、13.3Pa以下である。このような圧力に設定することで、隔壁の間で蛍光体ペースト層と隔壁間底部との隙間に残存するエアは脱泡され、蛍光体ペースト層は、隔壁間の底部に良好に落とし込まれる。
【0018】
好ましくは、前記ペースト層形成工程では、少なくとも一時的に、前記隔壁の上に形成されるペースト層の厚みが前記隔壁の高さと略同等以上となる。このような厚みに設定することで、必要且つ十分な量の蛍光体ペーストが、隔壁間の底部に落とし込まれる。
【0019】
好ましくは、前記除去工程の後に、前記蛍光体ペースト層を乾燥させ、所定パターンで露光して現像し、前記隔壁の底部に、所定パターンで蛍光体層を形成する。除去工程の後の工程は、通常の蛍光体層の形成方法と同様である。
【0020】
本発明に係るプラズマ表示装置などの平面表示装置の製造方法は、上記記載の蛍光体層の形成方法を利用して、基板の内側に蛍光体層を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明に係るプラズマ表示装置などの平面表示装置の製造方法によれば、蛍光体層の部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じるおそれがないので、プラズマ表示装置などの平面表示装置における画像品質を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ表示装置の要部概略分解斜視図、
図2および図3は本発明の一実施形態に係る蛍光体層の形成方法を示す要部断面図である。
【0023】
第1実施形態
プラズマ表示装置の全体構成
まず、図1に基づき、交流駆動型(AC)型プラズマ表示装置(以下、単に、プラズマ表示装置と呼ぶ場合がある)の全体構成について説明する。
【0024】
図1に示すAC型プラズマ表示装置2は、フロントパネルに相当する第1パネル10と、リアパネルに相当する第2パネル20とが貼り合わされて成る。第2パネル20上の蛍光体層25R,25G,25Bの発光は、第1パネル10を通して観察される。すなわち、第1パネル10が、表示面側となる。
【0025】
第1パネル10は、透明な第1基板11と、第1基板11上に相互に略平行に第1方向Xに沿ってストライプ状に設けられ、透明導電材料から成る複数対の放電維持電極12と、放電維持電極12のインピーダンスを低下させるために設けられ、放電維持電極12よりも電気抵抗率の低い材料から成るバス電極13と、バス電極13および放電維持電極12上を含む第1基板11上に形成された誘電体層14と、その上に形成された保護層15とから構成されている。なお、保護層15は、必ずしも形成されている必要はないが、形成されていることが好ましい。
【0026】
一方、第2パネル20は、第2基板21と、第2基板21上に第2方向Y(第1方向Xと略直角)に沿ってストライプ状に且つ相互に略平行に設けられた複数のアドレス電極(データ電極とも呼ばれる)22と、アドレス電極22上を含む第2基板21上に形成された絶縁体膜23と、絶縁体膜23上に形成された絶縁性の隔壁24と、絶縁体膜上から隔壁24の側壁面上に亘って設けられた蛍光体層とから構成されている。蛍光体層は、赤色蛍光体層25R、緑色蛍光体層25G、および青色蛍光体層25Bから構成されている。
【0027】
図1は、表示装置の一部分解斜視図であり、実際には、第2パネル20側の隔壁24の頂部が、第3方向Z(第1方向Xおよび第2方向Yに直交する方向)で第1パネル10側の保護層15に当接している。蛍光体層25R,25G,25Bが形成された隔壁24と保護層15とによって囲まれた放電空間4内には、放電ガスが封入されている。第1パネル10と第2パネル20とは、それらの周辺部において、フリットガラスを用いて接合されている。
【0028】
放電空間4内に封入される放電ガスとしては、特に限定されないが、キセノン(Xe)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガス等の不活性ガス、あるいはこれらの不活性ガスの混合ガスなどが用いられる。封入されている放電ガスの全圧は、特に限定されないが、6×10Pa〜8×10Pa程度である。
【0029】
本実施形態のプラズマ表示装置2は、いわゆる反射型プラズマ表示装置であり、蛍光体層25R,25G,25Bの発光は、第1パネル10を通して観察される。このため、アドレス電極22を構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、放電維持電極12を構成する導電性材料は透明である必要がある。なお、ここで述べる透明/不透明とは、蛍光体層材料に固有の発光波長(可視光域)における導電性材料の光透過性に基づく。即ち、蛍光体層から射出される光に対して透明であれば、放電維持電極やアドレス電極を構成する導電性材料は透明であると言える。
【0030】
不透明な導電性材料として、Ni,Al,Au,Ag,Pd/Ag,Cr,Ta,Cu,Ba,LaB,Ca0.2La0.8CrO等の材料を、単独または適宜組み合わせて用いることができる。透明な導電性材料としては、ITO(インジウム・錫酸化物)やSnOを挙げることができる。放電維持電極12またはアドレス電極22は、スパッタ法、蒸着法、スクリーン印刷法、メッキ法等によって形成することができ、フォトリソグラフィ法、サンドブラスト法、リフトオフ法などによってパターン加工される。
【0031】
放電維持電極12の表面に形成される誘電体層14は、典型的には、低融点ガラスあるいはSiO2 などから構成することができるが、その他の誘電体材料を用いて形成することもできる。たとえば本実施形態では、単層のシリコン酸化物層で構成してあるが、多層膜であっても良い。誘電体層14は、たとえば、電子ビーム蒸着法やスパッタ法、蒸着法、スクリーン印刷法等に基づき、形成されている。誘電体層14の厚みは、特に限定されないが、本実施形態では、1〜10μmである。
【0032】
誘電体層14を設けることによって、放電空間4内で発生するイオンや電子が、放電維持電極12と直接に接触することを防止することができる。その結果、放電維持電極12の磨耗を防ぐことができる。誘電体層14は、アドレス期間に発生する壁電荷を蓄積して放電状態を維持するメモリ機能、過剰な放電電流を制限する抵抗体としての機能を有する。
【0033】
誘電体層14の放電空間側表面に形成してある保護層15は、誘電体層14を保護し、イオンや電子と放電維持電極との直接接触を防止する作用を奏する。その結果、放電維持電極12および誘電体層14の磨耗を効果的に防ぐことができる。また、保護層15は、放電に必要な2次電子を放出する機能も有する。保護層15を構成する材料として、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)を例示することができる。中でも酸化マグネシウムは、化学的に安定であり、スパッタリング率が低く、蛍光体層の発光波長における光透過率が高く、放電開始電圧が低い等の特色を有する好適な材料である。なお、保護層15を、これらの材料から成る群から選択された少なくとも2種類の材料から構成された積層膜構造としてもよい。
【0034】
第1基板11および第2基板21の構成材料として、高歪点ガラス、ソーダガラス(NaO・CaO・SiO)、硼珪酸ガラス(NaO・B・SiO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、鉛ガラス(NaO・PbO・SiO)を例示することができる。第1基板11と第2基板21の構成材料は、同じであっても異なっていてもよいが、熱膨張係数が同じであることが望ましい。
【0035】
蛍光体層25R,25G,25Bは、たとえば、赤色を発光する蛍光体層材料、緑色を発光する蛍光体層材料および青色を発光する蛍光体層材料から成る群から選択された蛍光体層材料から構成され、アドレス電極22の上方に設けられている。プラズマ表示装置がカラー表示の場合、具体的には、たとえば、赤色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(赤色蛍光体層25R)がアドレス電極22の上方に設けられ、緑色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(緑色蛍光体層25G)が別のアドレス電極22の上方に設けられ、青色を発光する蛍光体層材料から構成された蛍光体層(青色蛍光体層25B)が更に別のアドレス電極22の上方に設けられており、これらの3原色を発光する蛍光体層が1組となり、所定の順序に従って設けられている。
【0036】
そして、一対の放電維持電極とこれらの3原色を発光する1組の蛍光体層が重複する領域が、1画素に相当する。赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層は、ストライプ状に形成されていてもよいし、格子状に形成されていてもよい。
【0037】
蛍光体層25R,25G,25Bを構成する蛍光体層材料としては、従来公知の蛍光体層材料の中から、量子効率が高く、真空紫外線に対する飽和が少ない蛍光体層材料を適宜選択して用いることができる。カラー表示を想定した場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体層材料を組み合わせることが好ましい。
【0038】
蛍光体層材料の具体的な例示を次に示す。たとえば真空紫外線の照射により赤色に発光する蛍光体層材料として、(Y:Eu),(YBOEu),(YVO:Eu),(Y0.960.600.40:Eu0.04),[(Y,Gd)BO:Eu],(GdBO:Eu),(ScBO:Eu),(3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)、真空紫外線の照射により緑色に発光する蛍光体層材料として、(ZnSiO:Mn),(BaA11219:Mn),(BaMgA11627:Mn),(MgGa:Mn),(YBO:Tb),(LuBO:Tb),(SrSiCl:Eu)、真空紫外線の照射により青色に発光する蛍光体層材料として、(YSiO:Ce),(CaWO:Pb),CaWO,YP0.850.15,(BaMgA11423:Eu),(Sr:Eu),(Sr:Sn)などが例示される。
【0039】
蛍光体層25R,25G,25Bの形成方法として、厚膜印刷法、蛍光体層粒子をスプレーする方法、蛍光体層の形成予定部位に予め粘着性物質を付けておき、蛍光体層粒子を付着させる方法、感光性の蛍光体層ペーストを使用し、露光および現像によって蛍光体層をパターニングする方法、全面に蛍光体層を形成した後に不要部をサンドブラスト法により除去する方法を挙げることができる。本実施形態における蛍光体層の形成方法の詳細については、後述する。
【0040】
なお、蛍光体層25R,25G,25Bはアドレス電極22の上に直接形成されていてもよいし、アドレス電極22上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。あるいはまた、蛍光体層25R,25G,25Bは、アドレス電極22上に設けられた絶縁体膜23上に形成されていてもよいし、アドレス電極22上に設けられた絶縁体膜23上から隔壁24の側壁面上に亘って形成されていてもよい。更には、蛍光体層25R,25G,25Bは、隔壁24の側壁面上にのみ形成されていてもよい。絶縁体膜23の構成材料として、たとえば低融点ガラスやSiO2 を挙げることができる。
【0041】
隔壁24の構成材料としては、従来公知の絶縁材料を使用することができ、たとえば広く用いられている低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材料を用いることができる。隔壁24の高さは50〜200μm程度である。
【0042】
隔壁24によって囲まれた放電空間4の内部に、混合ガスから成る放電ガスが封入されており、蛍光体層25R,25G,25Bは、放電空間4内の放電ガス中で生じたグロー放電に基づき発生した紫外線に照射されて発光する。
【0043】
本実施形態では、第2基板21上に形成された隔壁24は、いわゆるワッフル形状であり、放電空間4は、隔壁24により、第1方向Xのみならず、第2方向Yにも区切られており、放電セル毎に区切られている。すなわち、第2基板21上に形成された一対の隔壁24と、一対の隔壁24によって囲まれた領域内を占める一対の放電維持電極12,12とアドレス電極22と、蛍光体層25R,25G,25Bによって1つの放電セルが構成される。そして、かかる放電セル内、より具体的には、隔壁24によって囲まれた放電空間内に混合ガスから成る放電ガスが封入されており、蛍光体層25R,25G,25Bは、放電空間内の放電ガス中で生じた交流グロー放電に基づき発生した紫外線に照射されて発光する。
【0044】
なお、グロー放電が、放電ギャップ30を形成する一対の放電維持電極12間で生じることから、このタイプのプラズマ表示装置は「面放電型」とも称される。このプラズマ表示装置の駆動方法については、後述する。
【0045】
本実施形態では、放電維持電極12における第2方向Yの幅は、好ましくは80〜280μmである。また、各放電セル内における一対の放電維持電極12間の距離(放電ギャップ)は、好ましくは1〜150μm、さらに好ましくは、5〜50μm、さらに好ましくは5〜40μmである。
【0046】
各放電維持電極12には、バス電極13が長手方向に沿って接続してある。バス電極13は、典型的には、金属材料、たとえば、Ag,Au,Al,Ni,Cu,Mo,Crなどの単層金属膜、あるいはCr/Cu/Crなどの積層膜などから構成することができる。バス電極13は、放電維持電極12,12などと同様な方法により形成することができる。
【0047】
金属材料から成るバス電極13は、反射型のプラズマ表示装置においては、蛍光体層から放射されて第1基板11を通過する可視光の透過光量を低減させ、表示画面の輝度を低下させる要因となり得るので、放電維持電極全体に要求される電気抵抗値が得られる範囲内で出来る限り細く形成することが好ましい。
【0048】
ただし、本発明における維持電極材料は透明であることに限定するものではない。不透明の材料を用いると開口率は低減するが、高輝度が実現できていれば開口率が下がっていても、ディスプレイとしては必ずしも支障をきたさない。
【0049】
プラズマ表示装置の製造方法
次に、本発明の実施形態に係るプラズマ表示装置の製造方法について説明する。 第1パネル10は、以下の方法で作製することができる。先ず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第1基板11の全面にたとえばスパッタリング法によりITO層を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりITO層をストライプ状にパターニングすることによって、放電維持電極12を、複数、形成する。
【0050】
次に、第1基板11の内面全面に、たとえば蒸着法によりクロム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりクロム膜をパターニングすることによって、各放電維持電極12の内側に、バス電極13を形成する。その後、バス電極13が形成された第1基板11の取り出し電極の内面全面にシリコン酸化物(SiO2 )層から成る誘電体層14を形成する。
【0051】
本実施形態では、誘電体層14の形成の形成方法は特に限定されず、電子ビーム蒸着法やスパッタ法、蒸着法、スクリーン印刷法等が例示される。
【0052】
次に、誘電体層14の上に、電子ビーム蒸着法またはスパッタリング法により厚さ0.6μmの酸化マグネシウム(MgO)から成る保護層15を形成する。以上の工程により第1パネル10を完成することができる。
【0053】
また、第2パネル20を以下の方法で作製する。まず、高歪点ガラスやソーダガラスから成る第2の基板21上に、たとえば蒸着法によりアルミニウム膜を形成し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、アドレス電極22を形成する。アドレス電極22は、第1方向Xと直交する第2方向Yに延びている。次に、スクリーン印刷法により取り出し電極の内面全面に低融点ガラスペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を焼成することによって絶縁体膜23を形成する。
【0054】
その後、絶縁体膜23上に、図1に示すワッフル形状パターンとなるように、隔壁24を形成する(隔壁形成工程)。この時の形成方法は、特に限定されず、たとえばスクリーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム法、感光法などを例示することができる。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光および現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁24となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光および現像によってこの材料層をパターニングした後、焼成を行う方法である。焼成(隔壁焼成工程)は、空気中で行い、焼成温度は、560°C程度である。焼成時間は、2時間程度である。
【0055】
次に、第2基板21に形成された隔壁24の間に3原色の蛍光体スラリー(蛍光体ペースト)を順次印刷する。具体的には、まず、図2に示すように、第2基板21を治具34の上に取り付ける。なお、図2では省略してあるが、第2基板21には、図1に示すアドレス電極22および誘電体膜23が既に形成してある。そして、この治具34に取り付けられた第2基板21を、メタルマスク30の下方に位置させ、第2基板21の内側に形成してある全ての隔壁24を、メタルマスク30の中央開口部31に通す。
【0056】
メタルマスク30は、平板枠体であり、隔壁24の全パターンを通すように、たとえば矩形の中央開口部31を有する。メタルマスク30の厚みH2は、隔壁の高さH1に対して略同等の高さである。たとえばH2=H1±5μm程度である。そのため、隔壁24の頂部は、メタルマスク30の上面と略同一な平面上に位置している。
【0057】
次に、印刷用スキージ32および/またはスクレッパーを用いて第1回目の塗布工程を行い、メタルマスク30の開口部31内に位置する隔壁24の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、隔壁24の上に所定厚みH3の蛍光体ペースト層25を形成する(ペースト層形成工程)。なお、第1回目の塗布工程により十分な厚みH3の蛍光体ペースト層25を形成することができれば、第2回目以降の塗布工程は不要となるが、本実施形態では、第2回目の塗布工程も行う。
【0058】
スキージ32および/またはスクレッパーとしては、特に限定されないが、ゴムおよび/または合成樹脂製品でR面取り加工したもの、もしくは厚み1mm程度の塩ビ板などが用いられる。蛍光体ペースト層25を構成する材料は、焼成された後に図1に示す蛍光体層25R,25G,25Bのいずれかとなる感光性ペースト材料である。ペーストの粘性は、特に限定されないが、たとえば150〜400PSである。
【0059】
第1回目の塗布では、隔壁24の頂部からの厚みH3が約100μm程度になるように、スキージ32の位置を調節してスキージ32を第1方向X(第2方向Yでも可)に沿ってマスク30の上面と平行に前進移動させ、ペースト層25を形成する。ペースト層25の一部は、隔壁24の間の隙間に入り込むが、隔壁24が微細パターンである場合やワッフル形状パターンである場合には、ペースト層25と隔壁間底部との間には、底部隙間40が形成される。
【0060】
本実施形態では、スキージ32を第1回目と逆方向に移動させ、第2回目の塗布を行う。第2回目の塗布では、スキージ32の位置を調節して、隔壁24の頂部からの厚みH4が約200〜500μm程度になるように、ペースト層25を形成する。最終的な塗布厚みH3またはH4は、隔壁24の高さH1以上の高さになるように設定することが好ましい。なお、第2回目の塗布をも行う場合には、蛍光体ペーストの分離(蛍光体比重が大きく沈殿する)が生じやすいので、撹拌の対応処理も行うことが好ましい。
【0061】
次に、隔壁24の上に蛍光体ペースト層25が形成された第2基板21を、治具34と共に、図3に示すように、真空排気装置36の内部に移動させる。その後、真空排気装置36の内部を、ロータリポンプなどで減圧状態とする。減圧の程度は、好ましくは133Pa以下、さらに好ましくは13.3Pa以下程度である。減圧の結果、底部隙間40に残存するエアは脱泡され、蛍光体ペースト層25は、隔壁24間の底部に落とし込まれる(脱泡工程)。減圧処理の時間は、特に限定されないが、2〜10分程度である。
【0062】
その後、真空排気装置36から治具34と共に第2基板21を取り出し、図2に示す装置に戻し、スキージ32などで、隔壁24の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層25を除去する(除去工程)。その後は、常法に従い、蛍光体ペースト層25を乾燥させ、所定パターンで露光して現像し、焼成することで、隔壁24の底部に、所定パターンで蛍光体層25R,25G,25Bのいずれかを形成する。これらの処理を、三種類の蛍光体層25R,25G,25Bで繰り返すことで、図1に示すパターンで三種類の蛍光体層25R,25G,25Bを形成することができる。なお、蛍光体の焼成(蛍光体焼成工程)温度は、510°C程度である。焼成時間は、約10分程度である。
【0063】
次に、プラズマ表示装置の組み立てを行う。即ち、先ず、たとえばスクリーン印刷により、第2パネル20の周縁部にシール層を形成する。次に、第1パネル10と第2パネル20とを貼り合わせ、焼成してシール層を硬化させる。その後、第1パネル10と第2パネル20との間に形成された空間を排気した後、放電ガスを封入し、かかる空間を封止し、プラズマ表示装置2を完成させる。
【0064】
かかる構成を有するプラズマ表示装置の動作の一例を説明する。先ず、たとえば、対となる全ての一方のコモン側放電維持電極12に、放電開始電圧Vbdよりも高いパネル電圧を短時間印加する。これによってグロー放電が生じ、双方の放電維持電極12,12の近傍の誘電体層14の表面に、壁電荷が蓄積し、放電開始電圧が低下する。その後、アドレス電極22に電圧を印加しながら、表示をさせない放電セルに含まれる一対の放電維持電極のうちの一方のスキャン側放電維持電極12に電圧を印加することによって、アドレス電極22と当該一方のスキャン側放電維持電極12との間にグロー放電を生じさせ、蓄積された壁電荷を消去する。この消去放電を各アドレス電極22において順次実行する。一方、表示をさせる放電セルに含まれる一対のうちの一方のスキャン側放電維持電極12には電圧を印加しない。これによって、壁電荷の蓄積を維持する。その後、全ての一対の放電維持電極12,12間に所定のパルス電圧を印加することによって、壁電荷が蓄積されていたセルにおいては一対の放電維持電極12,12の間でグロー放電が開始し、放電セルにおいては、放電空間内における放電ガス中でのグロー放電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起された蛍光体層が、蛍光体層材料の種類に応じた特有の発光色を呈する。なお、一対のうちの一方のスキャン側放電維持電極12と他方のコモン側放電維持電極12に印加される放電維持電圧の位相は半周期ずれており、電極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
【0065】
本実施形態のプラズマ表示装置2の製造方法では、図2および図3に示すように、隔壁24の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、隔壁24の上に所定厚みの蛍光体ペースト層25を形成した後、第2基板21の周囲全体を減圧状態とする。その結果、隔壁24の間で蛍光体ペースト層25と隔壁間底部との底部隙間40に残存するエアは脱泡され、蛍光体ペースト層25は、隔壁24間の底部に落とし込まれる。このため、特にワッフル構造の隔壁24や微細な隔壁24の間などのように、従来ではペーストが落とし込まれにくい隔壁24間の底部でも、蛍光体ペーストを良好に落とし込むことが可能になる。その結果、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層25R,25G,25Bを形成することができる。そのため、蛍光体層25R,25G,25Bの部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じるおそれがないので、プラズマ表示装置2における画像品質を向上させることができる。
【0066】
第2実施形態
本実施形態では、ペースト層形成工程と、脱泡工程とを、同一の真空印刷チャンバ内で行い、隔壁24の上に所定厚みの蛍光体ペースト層25を形成しながら、蛍光体ペースト層25を、隔壁24間の底部に落とし込む。
【0067】
すなわち、図2に示す工程を、真空印刷チャンバの内部で行う。たとえば、第1回目の塗布工程では、印刷チャンバの内部を大気圧のままとし、その後、第2回目の塗布工程を行う前に、印刷チャンバの内部を、減圧状態とし、その減圧状態で、第2回目の塗布工程を行う。その結果、第2会の塗布工程では、ペースト層25が隔壁24の間に落とし込まれながら、スキージ32などによるペースト層25の塗布が行われる。この場合には、ペースト層25の形成後に、第2基板21を真空排気装置36内に移動させる必要が無くなり、工程を簡素化することができる。しかも、比較的に厚いペースト層を隔壁間の底部に落とし込むことができる。ただし、ペースト層を形成するための装置構成が大型化する傾向にある。
【0068】
なお、本実施形態では、第2回目の塗布工程に際して、スキージ32の移動位置は、隔壁24の頂部と略同一平面であっても良い。その場合には、隔壁24の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層25を除去しながら、蛍光体ペースト層25を、隔壁24間の底部に落とし込むことが可能になる。そのため、この場合には、ペースト層25の形成後に、第2基板21を真空排気装置36内に移動させる必要が無くなると共に、真空排気装置36から第2基板21を取り出して、余分な蛍光体ペースト層25を除去するための装置へ移動させる必要もなくなる。したがって、工程を、さらに簡素化することができる。しかも、比較的に厚いペースト層25を隔壁24間の底部に落とし込むことができる。
【0069】
その他の構成および作用は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0070】
その他の実施形態
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、一対の放電維持電極12,12は第1基板11の内側に形成され、アドレス電極22を第2基板21に形成する構成の3電極型プラズマ表示装置である。この場合、一対の放電維持電極12,12の射影像は互いに平行に第1方向Xに延び、アドレス電極22の射影像は第2方向Yに延び、一対の放電維持電極12とアドレス電極22とが交差するごとく対向して配置されている構成とすることができるが、本発明では、かかる構成に限定するものではない。
【0071】
また、上述した実施形態では、反射型のプラズマ表示装置について説明したが、本発明は、反射型に限らず、透過型のプラズマ表示装置にも適用することができる。透過型のプラズマ表示装置では、蛍光体層の発光は第2基板を通して観察されるので、放電維持電極を構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、アドレス電極を第2の基板上に設けるので、アドレス電極は透明である方が明るさの点で有利である。
【0072】
さらに、本発明では、隔壁のパターンは、ワッフル形状に限定されず、その他の形状であっても良い。さらに、本発明では、プラズマ表示装置に限定されず、隔壁および蛍光体層が形成されるその他の平面表示装置の製造方法にも適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、特にワッフル構造の隔壁や微細な隔壁の間に蛍光体ペーストを良好に落とし込み、部分的な剥離や部分的な膜厚不均一などを生じることなく、均一に所定パターンで蛍光体層を形成することができる蛍光体層の形成方法、平面表示装置の製造方法およびプラズマ表示装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ表示装置の要部概略分解斜視図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係る蛍光体層の形成方法の一工程を示す要部断面図である。
【図3】図3は図2の続きの工程を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2… プラズマ表示装置
4… 放電空間
10… 第1パネル
11… 第1基板
12… 放電維持電極
13… バス電極
14… 誘電体層
15… 保護層
20… 第2パネル
21… 第2基板
22… アドレス電極
24… 隔壁
25… 蛍光体ペースト層
25R,25G,25B… 蛍光体層
30… メタルマスク
32… スキージ
34… 治具

Claims (13)

  1. 基板上に、所定間隔を持つ複数の隔壁を形成する隔壁形成工程と、
    前記隔壁の間の隙間に少なくとも一部入り込むように、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成するペースト層形成工程と、
    前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込む脱泡工程と、
    前記隔壁の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層を除去する除去工程と、を有する蛍光体層の形成方法。
  2. 前記ペースト層形成工程の後に、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を真空排気装置の内部に移し、前記脱泡工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体層の形成方法。
  3. 前記ペースト層形成工程と、前記脱泡工程とを、同一のチャンバ内で行い、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成しながら、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込むことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体層の形成方法。
  4. 前記ペースト層形成工程は、スキージによる一回印刷もしくは二回以上の塗布工程を含み、最初の塗布工程によるペースト層の厚みよりも、最後の塗布工程によるペースト層の厚みの方が厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法。
  5. 前記ペースト層形成工程は、スキージによる一回以上の塗布工程を含み、少なくと
    も最後の塗布工程では、前記隔壁の上に所定厚みの蛍光体ペースト層を形成しながら、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込むことを特徴とする請求項3に記載の蛍光体層の形成方法。
  6. 少なくとも最後の塗布工程では、前記隔壁の上に残存してある余分な蛍光体ペースト層を除去しながら、前記蛍光体ペースト層が形成してある隔壁付きの前記基板の周囲全体を減圧状態として、前記蛍光体ペースト層を、前記隔壁間の底部に落とし込むことを特徴とする請求項5に記載の蛍光体層の形成方法。
  7. 前記ペースト層形成工程に際しては、前記隔壁が形成してある基板の周囲に、前記蛍光体ペースト層を塗布形成するためのマスクを配置することを特徴とする請求項1〜6に記載の蛍光体層の形成方法。
  8. 前記マスクの厚みは、前記隔壁の高さと実質的に同一である請求項7に記載の蛍光体層の形成方法。
  9. 前記減圧状態は、13.3kPa以下である請求項1〜8のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法。
  10. 前記ペースト層形成工程では、少なくとも一時的に、前記隔壁の上に形成されるペースト層の厚みが前記隔壁の高さと略同等以上となることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法。
  11. 前記除去工程の後に、前記蛍光体ペースト層を乾燥させ、所定パターンで露光して現像し、前記隔壁の底部に、所定パターンで蛍光体層を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法を利用して、基板の内側に蛍光体層を形成することを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の蛍光体層の形成方法を利用して、基板の内側に蛍光体層を形成することを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100590007B1 (ko) * 2004-05-18 2006-06-14 삼성에스디아이 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조방법

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