JP2004087007A - 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク - Google Patents
磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004087007A JP2004087007A JP2002247730A JP2002247730A JP2004087007A JP 2004087007 A JP2004087007 A JP 2004087007A JP 2002247730 A JP2002247730 A JP 2002247730A JP 2002247730 A JP2002247730 A JP 2002247730A JP 2004087007 A JP2004087007 A JP 2004087007A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass substrate
- zirconium
- magnetic disk
- containing layer
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
【課題】易ガラス化性および良好な成形性を保ちつつ、高温高湿の環境下においても基板表面へのアルカリ金属塩の析出を低減し媒体特性の劣化を低減した磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びにヘッド浮上量が良好で、エラーを低減された磁気ディスクを提供すること。
【解決手段】上記磁気ディスク用ガラス基板は、ジルコニウム含有化合物を含む溶液をガラス基板表面に塗布し、塗布されたガラス基板を熱処理して、ジルコニウム含有層を有することにより得る。また、該磁気ディスク用ガラス基板上に磁気記録のための所望の層を形成することにより上記磁気ディスクを得る。
【選択図】 なし
【解決手段】上記磁気ディスク用ガラス基板は、ジルコニウム含有化合物を含む溶液をガラス基板表面に塗布し、塗布されたガラス基板を熱処理して、ジルコニウム含有層を有することにより得る。また、該磁気ディスク用ガラス基板上に磁気記録のための所望の層を形成することにより上記磁気ディスクを得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固定磁気ディスク記録装置に使用される磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに該磁気ディスク用ガラス基板を具えた磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、磁気ディスク(磁気記録媒体)の高記録密度化が急激に進んでいる。磁気ディスク装置は高速回転する磁気ディスク上を、ヘッドを僅かに浮上させて走査させることによってランダムアクセスを実現しているが、高記録密度および高速アクセスを両立させるためには、磁気ディスク回転数を上げることや磁気ディスクとヘッドとの間隔(ヘッド浮上量)を小さくすることが求められる。
【0003】
磁気ディスク用基板は、従来はAl基板にNi・Pメッキを施したものが主流であったが、このようなAl基板ではヤング率が小さいために、高剛性で高速回転させても変形しづらく表面の平滑性の高いガラス基板が使用されるようになってきた。
【0004】
上記ガラス基板に用いられるガラス材料には、易ガラス化や成形性を良くするためにアルカリ金属が数〜十数モル%添加されている。しかしながら、ガラス基板中に添加されたアルカリ金属は原子半径が小さいので、マイグレーションによりアルカリ金属イオンとして徐々に基板表面に移行し、基板表面において大気中の二酸化炭素やハロゲンなどと結合して炭酸塩や塩化物などのアルカリ金属塩として基板表面に析出する。このようなアルカリ金属塩の表面への析出は高温高湿下で特に顕著となり、該アルカリ金属塩が直接エラーとなったり、ヘッドに移着して浮上を妨げたり腐食させたりして、磁気記録媒体としての信頼性を悪化する原因となる。
【0005】
このようなガラスにおける耐アルカリ金属溶出性およびアルカリ金属溶出に対する耐候性を向上させるために、ガラス組成物中のアルミナやジルコニアの含有量を高くすることが知られている(特開平10−226532号公報)。しかしながら、ガラス組成物中のアルミナやジルコニアの含有量を高くすると、ガラス中に溶けきらずに未溶融物として残るため、ガラス融液中で分離してガラス化が困難になり、ガラス成形性も悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、易ガラス化性およびガラス成形性を確保しつつ、高温高湿の環境下においてもアルカリ金属のマイグレーションを防止して基板表面へのアルカリ金属塩の析出を低減させ、基板表面にアルカリ金属塩が析出することに起因する媒体特性の劣化を低減させる、耐アルカリ金属溶出性およびアルカリ金属溶出における耐候性が向上した磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、ヘッド浮上量が良好で、エラーが少なく、信頼性の高い上記ガラス基板を具える磁気ディスクを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明者らは、磁気ディスク用ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成することにより、上記磁気記録媒体を提供できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の最初の実施態様において、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板を提供する。
【0009】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。
【0010】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で50モル%以下であることが好ましい。
【0011】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層はテトラヒドロキシジルコニウムを含有することが好ましい。
【0012】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層はテトラヒドロキシシランを含有することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の実施態様において、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
(a)ガラス基板の表面にジルコニウム含有化合物を含む溶液を塗布する工程と、
(b)前記前記ジルコニウム含有化合物が塗布されたガラス基板表面を熱処理して該ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【0014】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。
【0015】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で50モル%以下であることが好ましい。
【0016】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有化合物はテトラヒドロキシジルコニウムであることが好ましい。
【0017】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有化合物を含む溶液はテトラヒドロキシシランを含むことが好ましい。
【0018】
本発明の第3の実施態様において、上記磁気ディスク用ガラス基板を具えることを特徴とする磁気ディスクを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記の本発明の磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに本発明の磁気ディスクの実施形態について以下に詳細に説明する。
【0020】
まず、本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有する。
【0021】
上記ガラス基材に用いられるガラス材料は、磁気ディスク用ガラス基板として用いることができれば特に限定するものではなく、例えばソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、およびジンク珪酸ガラス等の慣用のガラス材料を用いることができる。
【0022】
ガラス基板表面に形成された上記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。ここで、該ジルコニア換算によるジルコニウム濃度は、XPS(X線光電子分光法)測定により得られる基板表面構成元素(Zr、Si、Alなど)の強度にそれぞれ感度係数を掛けて表面元素比を求め、更にそれらの酸化物比(ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)など)に換算し、これらの酸化物の合計に対するジルコニアのモル比として求めたものである。ジルコニウム含有層のジルコニア換算によるジルコニウム濃度を5モル%以上としたのは、該ジルコニウム濃度が高いほど大きな耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性が得られるが、特に5モル%以上では非常に良好な耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性が得られるからである。ただし、ガラス基板およびジルコニウム含有層の間の良好な密着性の観点からは、ジルコニア換算によるジルコニウム濃度を50モル%以下とすることが好ましい。
【0023】
ジルコニウム含有層の厚さは、ジルコニウム含有層が耐アルカリ金属溶出性を有する厚さであれば特に限定するものではないが、典型的には5〜50nmとすることができる。
【0024】
前記ジルコニウム含有層に含有されるジルコニウム含有化合物は上記ジルコニウム濃度を提供する任意のジルコニウム含有化合物とすることができ、テトラヒドロキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルイコニウムなどを用いることができる。また、ジルコニウム含有層に含有されるジルコニウム含有化合物以外の化合物としては、ガラス基材との密着性を向上する化合物あるいはジルコニウム含有層を形成する際の熱処理温度を下げるような化合物が好ましく、テトラヒドロキシシランなどを用いることができる。
【0025】
次に、上記本発明の磁気ディスク用ガラス基板は以下のようにして製造することができる。
【0026】
まず、上記ジルコニウム含有化合物を含む溶液を調製し、該調製液を上記ガラス基材の表面に塗布する。塗布方法はディップコート法などの慣用の塗布方法を用いることができる。
【0027】
上記塗布液は、上記ジルコニウム含有化合物およびジルコニウム含有化合物以外の化合物の混合溶液として調製することができる。溶媒は、上記ジルコニウム含有化合物およびその他の塗布される化合物の塗布に好ましい慣用の溶媒を適宜選択できる。塗中のジルコニウム含有化合物およびそれ以外の化合物の濃度は、最終製品であるガラス基板上に形成された上記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が所望の濃度として形成されるように適宜選択することができる。ただし、良好な耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性を得る観点からは、最終製品のガラス基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で5モル%以上となるように塗布液の濃度を調製することが好ましいが、ガラス基板およびジルコニウム含有層の間の良好な密着性の観点からは、ジルコニア換算によるジルコニウム濃度を50モル%以下となるように塗布液の濃度を調製することが好ましい。
【0028】
次いで、上記で塗布したガラス基材表面に熱処理を施してジルコニウム含有層を形成する。該熱処理工程は、ガラス表面に塗布した上記塗布液中のジルコニウムを基板表面のガラスと一体化させて、ジルコニウム含有層が基板表面から剥離するのを防ぐ。熱処理は電気炉内などで行うことができ、また、熱処理条件(熱処理の温度および時間等)もジルコニウム含有層がガラス基板から剥離しないよう適宜選択することができるが、ガラス基板の変形を防ぐために低温かつ短時間で熱処理するのが望ましく、例えばガラス軟化点(例えば、ソーダライムの軟化点:760℃、硼珪酸の軟化点:850℃)以下の温度において4時間以内で熱処理することが望ましい。
【0029】
本発明の磁気ディスクは、ジルコニウム含有層を有する上記ガラス基板の上に、磁気記録媒体に所望される任意の層、例えば、非磁性下地層、磁性層、保護層および潤滑剤層を順次有することができる。これらのガラス基板上に形成される層は、スパッタ法などの成膜方法やディプコート法などの塗布方法などの慣用の方法および慣用の材料を用いて形成することができる。
【0030】
(実施例)
(磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの作製)
(実施例1)
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板を以下のようにして作製した。
【0031】
まず、テトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr(日本曹達(株)製ZrO2 5%酢酸ブチル溶液0.41mol/kg)20gとテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310(日本曹達(株)製5.9%酢酸エステル溶液0.95 mol/kg)210gを混合し、次いで該混合液をIPA(イソプロピルアルコール)で10倍に希釈して塗布液を調製した。表1に示す組成のソーダライム系化学強化ガラス基板(外径65mm、内径20mm、板厚0.635mm)に、調製した上記塗布液をデイップコート法にて塗布した。次いで、該ガラス基板を乾燥炉内で70℃において1時間乾燥した後に、電気炉内で450℃において1時間熱に曝して熱処理を行ない、ガラス基材表面にジルコニウム含有層を形成した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で4mol%であった。
【0032】
本発明の磁気ディスク媒体は、次のようにして得た。まず、上記のようにして得られたジルコニウム含有ガラス基板上に、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層を真空下、Arガスでスパッタ法にて順次形成した。それぞれの膜厚はそれぞれ膜厚40nm、15nm、15nm、10nmであった。次いで、デイップコート法を用いてフッ素系液体潤滑剤を塗布し、2nmの潤滑層を形成した。
【0033】
【表1】
【0034】
(実施例2)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr30gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 200gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で6mol%であった。
【0035】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0036】
(実施例3)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr100gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 100gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で30mol%であった。
【0037】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0038】
(実施例4)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr100gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 50gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。該ガラス基板表面に形成された該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で46mol%であった。
【0039】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0040】
(比較例)
ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成しないことを除き、実施例1と同様にして、ガラス基板上に、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本比較例に係る磁気ディスク媒体を得た。
【0041】
(磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの特性評価)
ガラス基板表面のアルカリ金属溶出量を調べるため、上記のようにして得られた基板表面にジルコニウム含有層を有するガラス基板を80℃の超純水中に24時間浸漬し、超純水中に抽出されたアルカリ金属イオン(Na+、K+)量を誘導結合高周波プラズマ発光分析装置(Inductively CoupledPlasma atomic emission spectrometers)で測定した。また、80℃80%の高温高湿槽に1000時間放置した後の外観を視覚により観察し、濁度計により可視光透過率を調べた。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果より、ガラス基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高くなるにつれ、基板表面へのNa+およびK+双方ともアルカリ金属溶出量が少なくなっていることが分かる。すなわち、ガラス基板表面にジルコニウム含有層がない比較例に比べ、実施例1〜4の本発明に係るガラス基板では、基板表面が高濃度のジルコニウム含有層で覆われているため、高温高湿下においてもアルカリ金属溶出量が少なく、アルカリ金属溶出に対する高い耐候性を示した。実施例1〜4および比較例1の外観に関して、実施例1と比較例1では白濁が見られた一方、実施例2〜4では透明であり、透過率に関しては、基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高いほど透過率が高いことが確認された。白濁の存在や透過率の低下はナトリウム塩およびカリウム塩(主に炭酸塩)の析出量が高いためである。これらの結果は、ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高いほど耐アルカリ析出性が高いことを示している。
【0044】
次に、上記で作製した磁気ディスクを80℃80%の高温高湿槽中に1000時間放置し、放置前後のミッシングパルスエラー数を比較した。ミッシングパルスエラー数は、磁性層の欠損を示す指標で、スピンスタンドリードライトテスター(ヘッドキャップ幅0.5μm)を用いて300kfci(kilo flux changes per inch)における出力規定レベル50%以下の部分をエラーとしてカウントして求めたものであり、温湿中放置等の環境負荷をかける前後のミッシングパルスエラー数を測定し比較することにより、記録情報が経時的に欠損する可能性を知ることができる。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
表3の結果より、磁気ディスクを高温高湿下に長時間放置した場合、比較例の磁気ディスクに比べ、実施例1〜4の磁気ディスクでは基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高くなるにつれ、ミッシングパルスエラー数の著しい増加の程度が少なくなっており、特に実施例2〜4の磁気ディスクでは増加の程度が非常に少なく、より信頼性が高い磁気ディスクが得られた。このことは、実施例1〜4の磁気ディスクでは、基板表面に形成されたジルコニウム含有層によりガラス基板表面へのアルカリ金属塩の析出が低減される結果、比較例の磁気ディスクよりもエラー数が低減されたことを示している。
【0047】
表1に示したソーダライム系化学強化ガラス基板の代わりに、アルミナシリケート型ガラス、結晶化ガラスを用いても上記と同様の効果が得られた。
【0048】
【発明の効果】
上記のようにして得られた本発明のガラス基板は、基板表面に高濃度のジルコニウム含有層を有するため、該ガラス基板の易ガラス化性および良好な成形性を保ちつつ、高温高湿の環境下においても、基板表面へのアルカリ金属塩の析出を低減することができる。したがって、該ガラス基板を基板を具えた磁気ディスクは、ヘッド浮上量が良好で、エラーを低減することができる結果、高速回転および高密度磁気記録でより信頼性が高い。
【発明の属する技術分野】
本発明は固定磁気ディスク記録装置に使用される磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに該磁気ディスク用ガラス基板を具えた磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、磁気ディスク(磁気記録媒体)の高記録密度化が急激に進んでいる。磁気ディスク装置は高速回転する磁気ディスク上を、ヘッドを僅かに浮上させて走査させることによってランダムアクセスを実現しているが、高記録密度および高速アクセスを両立させるためには、磁気ディスク回転数を上げることや磁気ディスクとヘッドとの間隔(ヘッド浮上量)を小さくすることが求められる。
【0003】
磁気ディスク用基板は、従来はAl基板にNi・Pメッキを施したものが主流であったが、このようなAl基板ではヤング率が小さいために、高剛性で高速回転させても変形しづらく表面の平滑性の高いガラス基板が使用されるようになってきた。
【0004】
上記ガラス基板に用いられるガラス材料には、易ガラス化や成形性を良くするためにアルカリ金属が数〜十数モル%添加されている。しかしながら、ガラス基板中に添加されたアルカリ金属は原子半径が小さいので、マイグレーションによりアルカリ金属イオンとして徐々に基板表面に移行し、基板表面において大気中の二酸化炭素やハロゲンなどと結合して炭酸塩や塩化物などのアルカリ金属塩として基板表面に析出する。このようなアルカリ金属塩の表面への析出は高温高湿下で特に顕著となり、該アルカリ金属塩が直接エラーとなったり、ヘッドに移着して浮上を妨げたり腐食させたりして、磁気記録媒体としての信頼性を悪化する原因となる。
【0005】
このようなガラスにおける耐アルカリ金属溶出性およびアルカリ金属溶出に対する耐候性を向上させるために、ガラス組成物中のアルミナやジルコニアの含有量を高くすることが知られている(特開平10−226532号公報)。しかしながら、ガラス組成物中のアルミナやジルコニアの含有量を高くすると、ガラス中に溶けきらずに未溶融物として残るため、ガラス融液中で分離してガラス化が困難になり、ガラス成形性も悪化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、易ガラス化性およびガラス成形性を確保しつつ、高温高湿の環境下においてもアルカリ金属のマイグレーションを防止して基板表面へのアルカリ金属塩の析出を低減させ、基板表面にアルカリ金属塩が析出することに起因する媒体特性の劣化を低減させる、耐アルカリ金属溶出性およびアルカリ金属溶出における耐候性が向上した磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、ヘッド浮上量が良好で、エラーが少なく、信頼性の高い上記ガラス基板を具える磁気ディスクを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明者らは、磁気ディスク用ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成することにより、上記磁気記録媒体を提供できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の最初の実施態様において、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板を提供する。
【0009】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。
【0010】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で50モル%以下であることが好ましい。
【0011】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層はテトラヒドロキシジルコニウムを含有することが好ましい。
【0012】
上記磁気ディスク用ガラス基板において、前記ジルコニウム含有層はテトラヒドロキシシランを含有することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の実施態様において、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
(a)ガラス基板の表面にジルコニウム含有化合物を含む溶液を塗布する工程と、
(b)前記前記ジルコニウム含有化合物が塗布されたガラス基板表面を熱処理して該ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供する。
【0014】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。
【0015】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で50モル%以下であることが好ましい。
【0016】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有化合物はテトラヒドロキシジルコニウムであることが好ましい。
【0017】
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、前記ジルコニウム含有化合物を含む溶液はテトラヒドロキシシランを含むことが好ましい。
【0018】
本発明の第3の実施態様において、上記磁気ディスク用ガラス基板を具えることを特徴とする磁気ディスクを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記の本発明の磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに本発明の磁気ディスクの実施形態について以下に詳細に説明する。
【0020】
まず、本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有する。
【0021】
上記ガラス基材に用いられるガラス材料は、磁気ディスク用ガラス基板として用いることができれば特に限定するものではなく、例えばソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、およびジンク珪酸ガラス等の慣用のガラス材料を用いることができる。
【0022】
ガラス基板表面に形成された上記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で5モル%以上であることが好ましい。ここで、該ジルコニア換算によるジルコニウム濃度は、XPS(X線光電子分光法)測定により得られる基板表面構成元素(Zr、Si、Alなど)の強度にそれぞれ感度係数を掛けて表面元素比を求め、更にそれらの酸化物比(ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)など)に換算し、これらの酸化物の合計に対するジルコニアのモル比として求めたものである。ジルコニウム含有層のジルコニア換算によるジルコニウム濃度を5モル%以上としたのは、該ジルコニウム濃度が高いほど大きな耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性が得られるが、特に5モル%以上では非常に良好な耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性が得られるからである。ただし、ガラス基板およびジルコニウム含有層の間の良好な密着性の観点からは、ジルコニア換算によるジルコニウム濃度を50モル%以下とすることが好ましい。
【0023】
ジルコニウム含有層の厚さは、ジルコニウム含有層が耐アルカリ金属溶出性を有する厚さであれば特に限定するものではないが、典型的には5〜50nmとすることができる。
【0024】
前記ジルコニウム含有層に含有されるジルコニウム含有化合物は上記ジルコニウム濃度を提供する任意のジルコニウム含有化合物とすることができ、テトラヒドロキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルイコニウムなどを用いることができる。また、ジルコニウム含有層に含有されるジルコニウム含有化合物以外の化合物としては、ガラス基材との密着性を向上する化合物あるいはジルコニウム含有層を形成する際の熱処理温度を下げるような化合物が好ましく、テトラヒドロキシシランなどを用いることができる。
【0025】
次に、上記本発明の磁気ディスク用ガラス基板は以下のようにして製造することができる。
【0026】
まず、上記ジルコニウム含有化合物を含む溶液を調製し、該調製液を上記ガラス基材の表面に塗布する。塗布方法はディップコート法などの慣用の塗布方法を用いることができる。
【0027】
上記塗布液は、上記ジルコニウム含有化合物およびジルコニウム含有化合物以外の化合物の混合溶液として調製することができる。溶媒は、上記ジルコニウム含有化合物およびその他の塗布される化合物の塗布に好ましい慣用の溶媒を適宜選択できる。塗中のジルコニウム含有化合物およびそれ以外の化合物の濃度は、最終製品であるガラス基板上に形成された上記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が所望の濃度として形成されるように適宜選択することができる。ただし、良好な耐アルカリ溶出性およびアルカリ金属溶出の耐候性を得る観点からは、最終製品のガラス基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で5モル%以上となるように塗布液の濃度を調製することが好ましいが、ガラス基板およびジルコニウム含有層の間の良好な密着性の観点からは、ジルコニア換算によるジルコニウム濃度を50モル%以下となるように塗布液の濃度を調製することが好ましい。
【0028】
次いで、上記で塗布したガラス基材表面に熱処理を施してジルコニウム含有層を形成する。該熱処理工程は、ガラス表面に塗布した上記塗布液中のジルコニウムを基板表面のガラスと一体化させて、ジルコニウム含有層が基板表面から剥離するのを防ぐ。熱処理は電気炉内などで行うことができ、また、熱処理条件(熱処理の温度および時間等)もジルコニウム含有層がガラス基板から剥離しないよう適宜選択することができるが、ガラス基板の変形を防ぐために低温かつ短時間で熱処理するのが望ましく、例えばガラス軟化点(例えば、ソーダライムの軟化点:760℃、硼珪酸の軟化点:850℃)以下の温度において4時間以内で熱処理することが望ましい。
【0029】
本発明の磁気ディスクは、ジルコニウム含有層を有する上記ガラス基板の上に、磁気記録媒体に所望される任意の層、例えば、非磁性下地層、磁性層、保護層および潤滑剤層を順次有することができる。これらのガラス基板上に形成される層は、スパッタ法などの成膜方法やディプコート法などの塗布方法などの慣用の方法および慣用の材料を用いて形成することができる。
【0030】
(実施例)
(磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの作製)
(実施例1)
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板を以下のようにして作製した。
【0031】
まず、テトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr(日本曹達(株)製ZrO2 5%酢酸ブチル溶液0.41mol/kg)20gとテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310(日本曹達(株)製5.9%酢酸エステル溶液0.95 mol/kg)210gを混合し、次いで該混合液をIPA(イソプロピルアルコール)で10倍に希釈して塗布液を調製した。表1に示す組成のソーダライム系化学強化ガラス基板(外径65mm、内径20mm、板厚0.635mm)に、調製した上記塗布液をデイップコート法にて塗布した。次いで、該ガラス基板を乾燥炉内で70℃において1時間乾燥した後に、電気炉内で450℃において1時間熱に曝して熱処理を行ない、ガラス基材表面にジルコニウム含有層を形成した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で4mol%であった。
【0032】
本発明の磁気ディスク媒体は、次のようにして得た。まず、上記のようにして得られたジルコニウム含有ガラス基板上に、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層を真空下、Arガスでスパッタ法にて順次形成した。それぞれの膜厚はそれぞれ膜厚40nm、15nm、15nm、10nmであった。次いで、デイップコート法を用いてフッ素系液体潤滑剤を塗布し、2nmの潤滑層を形成した。
【0033】
【表1】
【0034】
(実施例2)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr30gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 200gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で6mol%であった。
【0035】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0036】
(実施例3)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr100gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 100gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。XPSを用いて該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度を求めたところ、ジルコニア換算で30mol%であった。
【0037】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0038】
(実施例4)
実施例1で用いたテトラヒドロキシジルコニウム溶液アトロンNZr100gおよびテラヒドロキシシラン溶液アトロンNsi−310 50gの塗布液を用いてガラス基板表面に塗布したことを除き、実施例1と同様にして本発明の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。該ガラス基板表面に形成された該ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度はジルコニア換算で46mol%であった。
【0039】
このガラス基板上に、実施例1と同様にして、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本発明の磁気ディスク媒体を得た。
【0040】
(比較例)
ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成しないことを除き、実施例1と同様にして、ガラス基板上に、Ni・Al下地層、Cr下地層、Co−Cr−Pt系磁性層、C保護層、および潤滑層を順次形成し、本比較例に係る磁気ディスク媒体を得た。
【0041】
(磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの特性評価)
ガラス基板表面のアルカリ金属溶出量を調べるため、上記のようにして得られた基板表面にジルコニウム含有層を有するガラス基板を80℃の超純水中に24時間浸漬し、超純水中に抽出されたアルカリ金属イオン(Na+、K+)量を誘導結合高周波プラズマ発光分析装置(Inductively CoupledPlasma atomic emission spectrometers)で測定した。また、80℃80%の高温高湿槽に1000時間放置した後の外観を視覚により観察し、濁度計により可視光透過率を調べた。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果より、ガラス基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高くなるにつれ、基板表面へのNa+およびK+双方ともアルカリ金属溶出量が少なくなっていることが分かる。すなわち、ガラス基板表面にジルコニウム含有層がない比較例に比べ、実施例1〜4の本発明に係るガラス基板では、基板表面が高濃度のジルコニウム含有層で覆われているため、高温高湿下においてもアルカリ金属溶出量が少なく、アルカリ金属溶出に対する高い耐候性を示した。実施例1〜4および比較例1の外観に関して、実施例1と比較例1では白濁が見られた一方、実施例2〜4では透明であり、透過率に関しては、基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高いほど透過率が高いことが確認された。白濁の存在や透過率の低下はナトリウム塩およびカリウム塩(主に炭酸塩)の析出量が高いためである。これらの結果は、ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高いほど耐アルカリ析出性が高いことを示している。
【0044】
次に、上記で作製した磁気ディスクを80℃80%の高温高湿槽中に1000時間放置し、放置前後のミッシングパルスエラー数を比較した。ミッシングパルスエラー数は、磁性層の欠損を示す指標で、スピンスタンドリードライトテスター(ヘッドキャップ幅0.5μm)を用いて300kfci(kilo flux changes per inch)における出力規定レベル50%以下の部分をエラーとしてカウントして求めたものであり、温湿中放置等の環境負荷をかける前後のミッシングパルスエラー数を測定し比較することにより、記録情報が経時的に欠損する可能性を知ることができる。結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
表3の結果より、磁気ディスクを高温高湿下に長時間放置した場合、比較例の磁気ディスクに比べ、実施例1〜4の磁気ディスクでは基板表面に形成されたジルコニウム含有層のジルコニウム濃度が高くなるにつれ、ミッシングパルスエラー数の著しい増加の程度が少なくなっており、特に実施例2〜4の磁気ディスクでは増加の程度が非常に少なく、より信頼性が高い磁気ディスクが得られた。このことは、実施例1〜4の磁気ディスクでは、基板表面に形成されたジルコニウム含有層によりガラス基板表面へのアルカリ金属塩の析出が低減される結果、比較例の磁気ディスクよりもエラー数が低減されたことを示している。
【0047】
表1に示したソーダライム系化学強化ガラス基板の代わりに、アルミナシリケート型ガラス、結晶化ガラスを用いても上記と同様の効果が得られた。
【0048】
【発明の効果】
上記のようにして得られた本発明のガラス基板は、基板表面に高濃度のジルコニウム含有層を有するため、該ガラス基板の易ガラス化性および良好な成形性を保ちつつ、高温高湿の環境下においても、基板表面へのアルカリ金属塩の析出を低減することができる。したがって、該ガラス基板を基板を具えた磁気ディスクは、ヘッド浮上量が良好で、エラーを低減することができる結果、高速回転および高密度磁気記録でより信頼性が高い。
Claims (11)
- ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。
- 前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で5モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
- 前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で50モル%以下であることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
- 前記ジルコニウム含有層がテトラヒドロキシジルコニウムを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
- 前記ジルコニウム含有層がテトラヒドロキシシランを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
- ガラス基板表面にジルコニウム含有層を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
(a)ガラス基板の表面に前記ジルコニウム含有化合物を含む溶液を塗布する工程と、
(b)前記ジルコニウム含有化合物が塗布されたガラス基板表面を熱処理して該ガラス基板表面にジルコニウム含有層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で5モル%以上であることを特徴とする請求項6に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ジルコニウム含有層のジルコニウム濃度がジルコニア換算で50モル%以下であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ジルコニウム含有化合物がテトラヒドロキシジルコニウムであることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ジルコニウム含有化合物を含む溶液がテトラヒドロキシシランをさらに含むことを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板を具えることを特徴とする磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247730A JP2004087007A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247730A JP2004087007A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004087007A true JP2004087007A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32055307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002247730A Pending JP2004087007A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004087007A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010114899A (ja) * | 2004-02-23 | 2010-05-20 | Georgia Tech Research Corp | 液晶性ポリマー及び多層ポリマーベースの無線周波/無線マルチバンド用途の受動信号処理コンポーネント |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247730A patent/JP2004087007A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010114899A (ja) * | 2004-02-23 | 2010-05-20 | Georgia Tech Research Corp | 液晶性ポリマー及び多層ポリマーベースの無線周波/無線マルチバンド用途の受動信号処理コンポーネント |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5837492B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板 | |
US7687419B2 (en) | Glass composition, glass susbstrate employing it for an information recording medium, and information recording medium employing it | |
KR100557262B1 (ko) | 정보 기록 매체용 유리 기판 및 유리 기판을 사용한 정보기록 매체 | |
US20050096210A1 (en) | Glass substrate for an information recording medium and information recording medium employing it | |
US20060216552A1 (en) | Chemically strengthened glass, substrate for information recording medium and information recording medium | |
JPH11302033A (ja) | ガラス組成物およびその製造方法 | |
JPWO2011037001A1 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体 | |
JPH11302032A (ja) | ガラス組成物およびそれを用いた情報記録媒体用基板 | |
JP2000203872A (ja) | ガラス組成物、それを用いた情報記録媒体用基板および情報記録媒体 | |
JP4174883B2 (ja) | 情報記録媒体基板 | |
JPH11302031A (ja) | ガラス組成物およびそれを用いた情報記録媒体用基板 | |
EP0858974B1 (en) | Glass for information recording medium substrate and glass substrate | |
JPH11232627A (ja) | 情報記録媒体用基板 | |
JPH11191212A (ja) | 高強度スムーズガラス基板 | |
JP2589986B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP7165655B2 (ja) | 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体基板、情報記録媒体および記録再生装置用ガラススペーサ | |
JP4930838B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体 | |
JP7056558B2 (ja) | データ記憶媒体基板用ガラス、データ記憶媒体用ガラス基板および磁気ディスク | |
JP7392909B2 (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気記録装置 | |
JP2004087007A (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板およびその製造方法、並びに磁気ディスク | |
JP2002025040A (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板及びそれを用いた磁気ディスク | |
WO2002004371A1 (fr) | Composition de verre, substrat pour support d'enregistrement d'informations, disque magnetique, dispositif d'enregistrement/reproduction d'informations et dispositif a disque magnetique utilisant cette composition | |
JP3078230B2 (ja) | 記録媒体用ガラス基板、該基板を用いた磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JPH10158028A (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスク | |
US20050181218A1 (en) | Glass substrate for information recording media and information recording medium |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040206 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040206 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040213 |