JP2004086973A - 複合型リニアアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数や組立工数を削減することで、コストダウンを図ることができ、取扱いが容易な複合型リニアアクチュエータを提供すること。
【解決手段】電磁式リニアアクチュエータを構成する副固定部と副可動部とが上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)を介して直線移動可能に固定される、複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とがアウトサート成形などにより一体に形成されている。上側板ばね(322U)と下側板ばね(322L)とは、ばね支持体(322S)を介して一体化され、このばね支持体から互いに対向するようにコの字に曲げられている。ばね支持体(322S)は少なくとも3つの孔(322b,322c,322d)を有し、これらの孔は、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【選択図】 図7
【解決手段】電磁式リニアアクチュエータを構成する副固定部と副可動部とが上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)を介して直線移動可能に固定される、複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とがアウトサート成形などにより一体に形成されている。上側板ばね(322U)と下側板ばね(322L)とは、ばね支持体(322S)を介して一体化され、このばね支持体から互いに対向するようにコの字に曲げられている。ばね支持体(322S)は少なくとも3つの孔(322b,322c,322d)を有し、これらの孔は、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はDLT(Digital Linear Tape)やLTO(Linear Tape Open)に代表されるリニアテープストレージシステムに関し、特に、それに用いられる磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリのヘッド送り機構として使用することが可能な電磁式(複合型)リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のリニアテープストレージシステムは、コンピュータシステムのバックアップ用として開発され、従来から種々のものが提案されている。例えば、DLTとしてのデジタル線形テープドライブは、特開平9−198639号公報などに開示されている。
【0003】
デジタル線形テープドライブ(以下、単に「駆動装置」や「テープドライブ」、「ドライブ」とも呼ぶ。)は、単一のリール(供給リール)を持つテープカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」とも呼ぶ。)を受けるためのものであり、その内部に巻取りリールを内蔵している。テープカートリッジがテープドライブに装着されると、テープカートリッジから磁気テープが引き出され、ヘッドガイドアセンブリ(HGA)を介して巻取りリールで巻き取られる。ヘッドガイドアセンブリは、テープカートリッジから引き出された磁気テープ(以下、単に「テープ」とも呼ぶ。)を磁気ヘッドに案内するためのものである。磁気ヘッドは、当該テープとの間で情報を交換する。ヘッドガイドアセンブリは、一般に、ブーメラン状の形をしたアルミニウム製のプレートと、ベアリングを使用した6個の大きなガイドローラとで構成される。
【0004】
尚、ヘッドガイドアセンブリは、テープガイドアセンブリとも呼ばれ、それは、例えば、特表平9−500753号公報に開示されている。また、ガイドローラの一例は、特開2000−100025号公報に開示されている。
【0005】
一般に、テープドライブは、例えば、特表2000−501547号公報に記載されているように、共通のベースを有する略直方体形状のハウジングを含む。ベースは2つのスピンドルモータ(リールモータ)を有する。第1のスピンドルモータは、ベースに永久的に取り付けられたスプール(巻取りリール)を有し、そのスプールは、比較的高速で流れる磁気テープを受けるように大きさが定められている。第2のスピンドルモータ(リールモータ)は取外し可能なテープカートリッジを受けるように適合される。取外し可能なテープカートリッジは、ドライブのハウジングに形成されたスロットを通してドライブの中に手動で、または自動的に挿入される。テープカートリッジをスロットの中に挿入すると、カートリッジは第2のスピンドルモータ(リールモータ)と係合する。第1および第2のスピンドルモータ(リールモータ)を回転する前に、機械的なバックリング機構によってテープカートリッジは永久的に取付けられたスプール(テイクアップリール)に接続される。テープカートリッジと永久スプールとの間に位置づけられた多くのローラ(ガイドローラ)は、テープカートリッジと永久に取付けられたスプールとの間を磁気テープが比較的高速で前後に移動する際にそれを案内する。
【0006】
このような構成のデジタル線形テープドライブでは、巻取りリールがテープを供給リールから引っ張るための装置が必要である。そのような引っ張り装置は、例えば、特公平3−7595号公報に開示されている。この公報によると、巻取りリールには巻取りリーダ手段(第1のテープリーダ)が連結され、供給リール上のテープに供給テープリーダ手段(第2のテープリーダ)が固定されている。第1のテープリーダはその一端にタブを有し、第2のテープリーダはロッキング孔を有し、タブがロッキング孔に係合される。
【0007】
さらに、第1のテープリーダを第2のテープリーダに接合するための機構も必要となる。そのような接合機構は、例えば、特公平6−39027号公報に開示されている。
【0008】
また、特開2000−100116号公報には、リーダテープ(第2のテープリーダ)の側方に突出する耳片を必要とすることなく、リーダテープの端部をテープカートリッジのテープエンド引掛け部に係止することのできる「リーダテープの係止部構造」が開示されている。
【0009】
特開平11−86381号公報には、テープカートリッジがドライブに挿入されていない際に、テープドライブの巻取りリールが回転するのを防ぐためのロックシステムが開示されている。
【0010】
一方、デジタル線形テープドライブに装着されるテープカートリッジとしては、その一例が特開2000−149491号公報に開示されている。
【0011】
また、特開平11−316991号公報には、バックリング機構または巻取りリーダを使用することなくテープリーダがテープカートリッジからテイクアップリールに押し進められるようにした「テープドライブ」が開示されている。
【0012】
尚、テープドライブは、磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリをさらに含み、この磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリは複数のローラによって規定されたテープ経路上に、巻取りスプールとテープカートリッジとの間に位置づけられる。動作中は、磁気テープが巻取りスプールとテープカートリッジとの間を前後に流れ、規定されたテープ経路上を流れる間に磁気ヘッドアクチュエータアセンブリに密に接近する。このような磁気ヘッドアクチュエータアセンブリの一例は、上記特表2000−501547号公報に開示されている。
【0013】
アクチュエータアセンブリは、テープヘッドアセンブリ(以下、単に「ヘッドアセンブリ」とも呼ぶ。)とヘッド送り機構とから構成される。ヘッドアセンブリは、上下方向に延在する磁気ヘッド(ヘッド)と、この磁気ヘッドを保持するヘッドホルダと、磁気ヘッドと外部の回路との間を電気的に接続するための一対のフレキシブルプリント回路(FPC)とを有する。
【0014】
一方、ヘッド送り機構は、ヘッドアセンブリを保持しながら、ヘッドアセンブリを昇降動作させるためのものである。従来のヘッド送り機構は、上記特表2000−501547号公報に開示されているように、ネジ山付きリードスクリュー(ネジ山付きシャフト)を備え、リードスクリューを回動することにより、機械的にヘッドアセンブリを昇降動作(直線運動)させるものである。換言すれば、従来のヘッド送り機構として、「機械的リニアアクチュエータ」が採用されている。
【0015】
このような機械的リニアアクチュエータでは、ヘッドアセンブリの位置制御をオープンループ制御で行っている。DLTにおいて、その記憶容量の大容量化が図られている。第1世代のDLTである「DLT1」では、通常の記憶容量が40Gバイトで、圧縮した場合の記憶容量は80Gバイトである。また、第2世代のDLTである「DLT2」においては、通常の記憶容量が80Gバイトで、圧縮した場合の記憶容量は160Gバイトである。この程度の記憶容量を持つDLTでは、機械的リニアアクチュエータでも十分対応が可能である。
【0016】
しかしながら、次の世代(第3世代)のDLTである「DLT3」においては、通常の記憶容量が160Gバイト、圧縮した場合の記憶容量が320Gバイトであり、大容量(高記録密度)である。その為、この大容量の記憶容量を持つDLT用のリニアアクチュエータとして、上述した機械的リニアアクチュエータを用いた場合、ヘッドアセンブリを所望の位置に精度良く制御することは困難である。
【0017】
一方、このような機械的リニアアクチュエータにおける問題を解決するために、ヘッド送り機構として、電磁力を利用してヘッドアセンブリを昇降動作(直線運動)させる「電磁式リニアアクチュエータ」を採用し、ヘッドアセンブリの位置制御をクローズドループ(フィードバック)制御で行う方法が提案されている(例えば、特開2002−198219号公報参照)。電磁式リニアアクチュエータでは、制御方式としてフィードバック制御を採用しているので、たとえ磁気テープが走行中に上下に変動したとしても、常にヘッドアセンブリを所望の位置に精度良く制御することが可能となる。
【0018】
このような電磁式リニアアクチュエータは、一般的に、固定部と、この固定部に対してヘッドアセンブリ(被昇降物体)を鉛直方向に沿って昇降可能に保持する可動部と、この可動部の可動(昇降)方向以外の動きを拘束(規制)するガイドと、このガイドを取り付けるためのベースとを有する。
【0019】
ここで、電磁式リニアアクチュエータは、2つの型に分けることができる。第1の型は「可動マグネット型」の電磁式リニアアクチュエータであって、可動部に磁石を備え、固定部にコイルを備えたものである。第2の型は「可動コイル型」の電磁式リニアアクチュエータであって、固定部に磁石とヨークとを備え、可動部にコイルを備えたものである。
【0020】
上述したように、電磁式リニアアクチュエータは、大容量の記憶容量を持つDLT用のアクチュエータとして好適である。しかしながら、前述したように、機械式リニアアクチュエータと電磁式リニアアクチュエータとの間では制御方法(制御系)が全く異なる。その為、この電磁式リニアアクチュエータを下位機種(すなわち、第1世代や第2世代)のDLT用リニアアクチュエータとして使用する場合、それまで組み込まれていた機械式リニアアクチュエータ用の制御系を全く使用することができないので、電磁式リニアアクチュエータに適した制御系を新たに組み込まなければならなくなる。すなわち、下位の機種のDLTに対して設計変更を施すことが必要となる。
【0021】
このような問題を解決するために、下位機種のDLTとも互換性のある、第3世代の(上位機種の)DLT用のリニアアクチュエータとして、機械式リニアアクチュエータばかりでなく、電磁式リニアアクチュエータとしても動作することが可能な「複合型リニアアクチュエータ」が考えられている。すなわち、複合型リニアアクチュエータは、機械式リニアアクチュエータに電磁式リニアアクチュエータを複合させたものである。このような複合型リニアアクチュエータでは、機械式リニアアクチュエータを用いてヘッドアセンブリの粗い位置制御(オープンループ制御)を行い、電磁式リニアアクチュエータを用いてヘッドアセンブリの精密な位置制御(クローズドループ制御)を行うことができる。
【0022】
詳述すると、複合型リニアアクチュエータは、軸方向に延在する回転中心軸を持つリードスクリューと、このリードスクリューの回動によって軸方向に直線移動する主可動部とを備えた機械式リニアアクチュエータを含む。主可動部は、副固定部と、この副固定部に対して電磁力によって前記軸方向に直線移動する副可動部とから成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する。尚、副固定部はVCM(voice coil motor)固定部と呼ばれ、副可動部はVCM可動部と呼ばれる。副固定部はヨークと磁石とを有し、副可動部は空芯コイルを含む。この空芯コイルは、磁気ヘッドを保持するヘッドホルダ(取り付け部)に固定される。
【0023】
副可動部は、副固定部に対して軸方向に移動可能に支持されなければならない。そのような支持手段として、副可動部と副固定部との間を上側板ばねと下側板ばねを介して直線移動可能に固定する方法が考えられる。
【0024】
図9および図10を参照して、従来の複合型リニアアクチュエータにおける、副可動部と副固定部との間を上側板ばねと下側板ばねで固定する方法について説明する。
【0025】
副可動部としてのヘッドホルダ32Aは、磁気ヘッド(図示せず)を搭載するヘッド搭載部321と、一対の空芯コイル35を保持するために、ヘッド搭載部321の左右両側から互いに平行に延在する一対のコイル保持部323とを有する。また、ヘッド搭載部321は、一対の上側板ばね322Uの一端をネジ34で固定するための上側ばね固定部321Uaと、一対の下側板ばね322Lの一端をねじ(図示せず)で固定するための下側ばね固定部321Laとを持つ。
【0026】
副固定部は、リードスクリュー41がリードスクリューギヤ44の回転駆動により回動することよって、軸方向に直線移動するヘッドリフト42と、磁気回路60とを有する。ヘッドリフト42は、底面部421と、天井部422と、これらを支持する筒部423とを有する。筒部423に予圧ブッシュ43が配置される。磁気回路60は、一対の磁石61と、一対のセンターヨーク62と、一対のバックヨーク63とを有し、一対のバックヨーク間は橋架部64によって架橋されている。橋架部64は、筒部423の背面にネジ65で固定される。
【0027】
一対の上側板ばね322Uの他端は、上側ブラケット48を介してネジ34で天井部422に固定され、一対の下側板ばね322Lの他端は、下側ブラケット49を介してネジ(図示せず)で底面部421に固定される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の複合型リニアアクチュエータでは、板ばね322U、322Lの一端を副可動部321とをネジ34などで固定しているので、固定するためのスペースの増加、部品点数や組立工数の増加によって、コストがアップしてしまうという問題がある。
【0029】
したがって、本発明の課題は、部品点数や組立工数を削減することで、コストダウンを図ることが可能な複合型リニアアクチュエータを提供することにある。
【0030】
本発明の他の課題は、取扱いが容易な複合型リニアアクチュエータを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、軸方向に延在する回転中心軸を持つリードスクリュー(41)と、このリードスクリューの回動によって軸方向に直線移動する主可動部(42,43,48,49,60,30)とを備えた機械式リニアアクチュエータを含み、主可動部が、副固定部(42,43,48,49,60)と、この副固定部に対して電磁力によって軸方向に直線移動する副可動部(32)から成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する複合型リニアアクチュエータであって、副固定部はヨーク(62,63)と磁石(61)とを有し、副可動部は空芯コイル(35)を含み、副固定部と副可動部とは上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)を介して直線移動可能に固定されている、複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とが一体に形成されていることを特徴とする複合型リニアアクチュエータが得られる。
【0032】
上記本発明の複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とがアウトサート成形により一体化されていることが好ましい。上側板ばね(322U)と下側板ばね(322L)とは、ばね支持体(322S)を介して一体化され、このばね支持体から互いに対向するようにコの字に曲げられているのが望ましい。ばね支持体(322S)は少なくとも3つの孔(322b,322c,322d)を有することが好ましい。これらの孔は、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【0033】
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0035】
最初に図1を参照して、本発明に係る磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリを含むテープドライブについて説明する。尚、図1は上蓋を取り外した状態のテープドライブを示す斜視図である。
【0036】
テープドライブ10は、テープカートリッジ(図示せず)を受けるためのものであり、その内部に巻取りリール11を内蔵している。巻取りリール11はスプールとも呼ばれる。テープドライブ10は、共通のベースを有する略直方体形状のハウジング(シャーシ)12を有する。ベースは2つのスピンドルモータ(リールモータ)13、14を有する。第1のスピンドルモータ13は、ハウジング12のベースに永久的に取り付けられたスプール(巻取りリール)11を有し、そのスプール11は、比較的高速で流れる磁気テープ(図示せず)を受けるように大きさが定められている。第2のスピンドルモータ(リールモータ)14は取外し可能なテープカートリッジを受けるように適合される。取外し可能なテープカートリッジは、ドライブ10のハウジング12に形成されたスロット16を通してドライブ10の中に手動で、または自動的に、矢印Aで示す挿入方向に沿って挿入される。
【0037】
テープカートリッジをスロット16の中に挿入すると、カートリッジは第2のスピンドルモータ(リールモータ)14と係合する。第1および第2のスピンドルモータ(リールモータ)13、14を回転する前に、機械的なバックリング機構(図示せず)によってテープカートリッジは永久的に取付けられたスプール(巻取りリール)11に接続される。テープカートリッジと永久スプール11との間に位置づけられた多くのローラ(ガイドローラ)15は、テープカートリッジと永久に取付けられたスプール11との間を磁気テープが比較的高速で前後に移動する際にそれを案内する。
【0038】
尚、ハウジング12は鉄系の磁性体からなる板金プレスシャーシで構成されている。
【0039】
テープドライブ10は、磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリ(以下、単に「アクチュエータアセンブリ」とも呼ぶ)20をさらに含み、このアクチュエータアセンブリ20は上記複数のローラ15によって規定されたテープ経路(図示せず)上に、巻取りスプール11とテープカートリッジとの間に位置づけられる。動作中は、磁気テープが巻取りスプール11とテープカートリッジとの間を前後に流れ、規定されたテープ経路上を流れる間に磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリ20に密に近接する。
【0040】
以下、図2乃至図4を参照して、本発明の一実施の形態に係るアクチュエータアセンブリ20について説明する。図2はアクチュエータアセンブリ20の外観を正面側から見た状態で示す斜視図であり、図3は図2に図示したアクチュエータアセンブリ20の外観を背面側から見た状態で示す斜視図であり、図4は図2に図示したアクチュエータアセンブリ20の分解斜視図である。
【0041】
図4に示されるように、アクチュエータアセンブリ20は、複合型リニアアクチュエータであって、テープヘッドアセンブリ(以下、単に「ヘッドアセンブリ」とも呼ぶ。)30とヘッド送り機構40とから構成される。
【0042】
ヘッドアセンブリ30は、上下方向に延在する磁気ヘッド(ヘッド)31と、この磁気ヘッド31を後述するように上下方向に移動可能に保持するヘッドホルダ32と、磁気ヘッド31と外部の回路(図示せず)との間を電気的に接続するための一対のフレキシブルプリント回路(FPC)33とを有する。ヘッドホルダ32はキャリッジとも呼ばれる。
【0043】
図5および図6に示されるように、ヘッドホルダ32は、磁気ヘッド31を搭載するヘッド搭載部321と、このヘッド搭載部321の上下端両側からヘッド搭載部321に対して垂直方向に互いに対向して延在した一つの上側板ばね322Uおよび下側板ばね322Lとを有する。上側板ばね322Uおよび下側板ばね322Lの各々は、ネジ34を受け入れる孔322aを有し、後述するブラケットとこの孔322aを介してネジ34を螺合することにより、ヘッドアセンブリ30と後述するヘッド送り機構40とが組み付けられる。
【0044】
ヘッドホルダ32は、ヘッド搭載部321の両側端から板ばね322Uおよび322Lが延びる方向と平行に延在する一対のコイル保持部323を更に有し、この一対のコイル保持部323には、電磁式リニアアクチュエータの副可動部を構成する一対の空芯コイル35が保持される。ここで、ヘッド搭載部321とコイル保持部323とは樹脂製である。ヘッド搭載部321とコイル保持部323と一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lと一対の空芯コイル35は、アウトサート成形により一体に形成される。
【0045】
図7および図8に示されるように、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとは、ばね支持体322Sと一体化されたばね部材として構成され、ばね支持体322Sから互いに対向するようにコの字に曲げられたものである。
【0046】
ばね支持体322Sには、多数の孔322b、322c、322dが形成されている。これら孔の中、中央部の左右一対の孔322bと322cは、ばね支持体322Sをヘッド搭載部321とアウトサート成形する際に、ばね支持体322Sを一つの棒(図示せず)で支持するためのもので、その他の孔322dは、アウトサート成形する際に溶融樹脂をばね支持体322Sの表面側と裏面側とに均等に流すためのものである。また、支持用の孔の一方の孔322cは、長孔である。これは、ばね部材をプレス加工で作る際の誤差を許容するためである。とにかく、ばね支持体322Sには、少なくとも3つの孔が形成されている。尚、これら孔322a、322b、322c、322dは、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【0047】
このように、ヘッド搭載部321と一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとは、アウトサート成形により、モールド品として構成されるので、従来のように、板ばねを副可動部(ヘッド搭載部)にねじなどで固定する工程が不要となる。これにより、部品点数や組立て工数を削減することができ、その分コストダウンが図られる。また、寸法の安定性の向上も図られ、取り扱いも容易となる。
【0048】
また、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとをワンピース化することにより、寸法の安定化とコスト低減を図ることができる。
【0049】
図2乃至図4に戻って、ヘッド送り機構40は、回転部分として上下方向に延在する回転中心軸を有するネジ山付きリードスクリュー(ネジ山付きシャフト)41を備え、直線移動部分としてリードスクリュー41の回転に従い回転中心軸に沿って上下運動するヘッドリフト42と、ヘッドアクチュエータアセンブリ20のバックラッシュを防止する予圧ブッシュ43とを備えている。
【0050】
リードスクリュー41は、その下端側に、他の駆動手段(例えば、ステッピングモータ)によりこのリードスクリュー41を回転中心軸の回りに回転させるリードスクリューギヤ44を取り付けている。
【0051】
ヘッドリフト42は、底面部421と、天井部422と、これら底面部421と天井部422とを支持する半円筒部423とを有する。底面部421および天井部422それぞれは半円筒部423の両外側方向に延在するアームを有している。半円筒部423は、中央部分が中空でかつ半円筒分だけ開口した樋形をしている。従って、ヘッドリフト42の外形は、側面から見て略I字形をなし、上記テープヘッドアセンブリ30を上下動可能に保持しながらテープヘッドアセンブリ30を上下動させる。このヘッドリフト42は半円筒部423の中空開口内部に予圧ブッシュ43を配置する。予圧ブッシュ43と天井部422との間には予圧バネ(図示せず)が圧縮した状態で置かれる。予圧バネは圧縮コイルスプリングである。予圧ブッシュ43と予圧バネとの組み合わせは、アクチュエータアセンブリ20のバックラッシュを防止するためのバックラッシュ防止機構として働く。
【0052】
底面部421は、リードスクリュー41を貫通させる円形開口位置上面で半円筒部423の中空開口位置に、内面にリードスクリュー41と係合する爪状突起を有する軸受け45を固着している。天井部422には、半円筒部423の中空開口位置にリードスクリュー41を貫通させるための円形開口を持つすべり軸受け46が形成されている。
【0053】
底面部421の一方のアームは他方のアームより長く側方へ延在し、その先端には略コ字形をなるガイド部47が設けられている。このガイド部47は、図1に示されたガイドバー17に嵌め込まれ、上下方向に摺動可能となるように取り付けられ、ヘッドリフト42が回転するのを防止する。
【0054】
天井部422は、一対のアームそれぞれにネジ穴422aを有する。また、ヘッドホルダ32の一対の上側板ばね322Uを天井部422に取り付けるための上側ブラケット48はネジ34を受け入れる孔48aを有する。これにより、ヘッドホルダ32の一対の上側板ばね322Uは、上側ブラケット48の孔48a、板ばね322の孔322aを介して、ネジ34を天井部422のネジ穴422aに螺合することにより、天井部422に取り付けられる。
【0055】
底面部421も、一対のアームそれぞれにネジ穴421aを有する。ヘッドホルダ32の一対の下側板ばね322Lを底面部421に取り付けるための下側ブラケット49はネジ34を受け入れる孔49aを有する。これにより、ヘッドホルダ32の一対の下側板ばね322Lは、下側ブラケット49の孔49a、板ばね322の孔322aを介して、ネジ34を底面部421のネジ穴421aに螺合することにより、底面部421に取り付けられる。
【0056】
リードスクリュー41の下端部は、ベアリング51を介してハウジング(シャーシ)12(図1)に回転可能に取り付けられている。また、リードスクリュー41の上端部は、ベアリング52を介してベアリングホルダ18(図1)に回転可能に取り付けられ、このベアリングホルダ18はハウジング(シャーシ)12(図1)上に固定設置されている。
【0057】
リードスクリューギヤ44は、上述したように同軸の回転中心軸をもって直結するリードスクリュー41を、例えばステッピングモータの駆動により回転させる。リードスクリュー41の回転中心軸回りの回転は、バックラッシュ防止機構と協働して、ヘッドリフト42を回転中心軸の延在する方向に直線移動させる。
【0058】
ヘッドリフト42には、電磁式リニアアクチュエータの副固定部を構成する磁気回路(磁石やヨーク)60が取り付けられている。
【0059】
詳述すると、磁気回路60は、板厚方向に着磁された一対の磁石61と、ヘッドリフト42の半円筒部423の両側側壁に設けらたヨーク部とを有する。ヨーク部は、上下方向に沿って延在し、一対の空芯コイル35(図5、図6)の中を貫通する一対のセンターヨーク62と、一対のバックヨーク63と、この一対のバックヨーク63間を架橋する橋架部64とを有する。
【0060】
各バックヨーク63は、対応するセンターヨーク62と平行に離間して対向配置された主面63aを持ち、この主面63aに対して両端部621がプレス加工によって略直角に折り曲げられている。両端部621がセンターヨーク62の両端部に接触している。磁石61は、バックヨーク63の主面63aに接触している。
【0061】
センターヨーク62は両端に切欠け部62aを持つ。また、バックヨーク63の両端部631は、上記切欠け部62aに嵌入する凸部631aを持つ。橋架部64には、ネジ65が貫通する一対の孔64aが形成されている。この孔64a介してネジ65をヘッドリフト42の半円筒部423の背面に螺合することにより、磁気回路60がヘッドリフト42に固定して取付けられる。一対のバックヨーク63と橋架部64とは、プレス加工(折り曲げ加工)により一体に形成されている。
【0062】
とにかく、ヘッドリフト42と、予圧ブッシュ43と、磁気回路60と、上側ブラケット48と、下側ブラケット49と、ヘッドアセンブリ30と、ネジ34との組み合わせは、リードスクリュー41の回動によって軸方向に直線移動する、機械式リニアアクチュエータの主可動部として動作する。そして、この主可動部は、ヘッドリフト42と予圧ブッシュ43と磁気回路60と上側ブラケット48と下側ブラケット49とを有する副固定部と、この副固定部に対して電磁力によって軸方向に直線移動する、ヘッドアセンブリ30から成る副可動部とから成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する。副固定部は、ヨーク62,63と、磁石61とを有する。副可動部は空芯コイル35を含む。
【0063】
以上、本発明について好ましい実施の形態によって例を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとをばね支持体322Sを介してワンピース化しているが、このようなワンピース化をせずに、副可動部としてのヘッド搭載部321にモールド品として一体に成形(形成)しても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、副可動部と上側板ばねおよび下側板ばねをアウトサート成形などにより一体に形成したので、部品点数や組立て工数を削減することができ、その分コストダウンが図られる。また、寸法の安定性の向上も図られ、取り扱いも容易となる。また、上側板ばねと下側板ばねとをばね支持体を介してワンピース化しているので、寸法の安定化とコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリを含むテープドライブを、上蓋を取り外した状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る複合型リニアアクチュエータの外観を正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図3】図2に図示した複合型リニアアクチュエータの外観を背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図4】図2に図示した複合型リニアアクチュエータの分解斜視図である。
【図5】図2〜図4に図示した複合型リニアアクチュエータに使用されるヘッドホルダを正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】図5に図示したヘッドホルダを背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図7】図5に図示されたヘッドホルダとアウトサート成形されるばね部材を正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図8】図7に図示したばね部材を背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図9】従来の複合型リニアアクチュエータの分解斜視図である。
【図10】図9に図示した複合型リニアアクチュエータの組立て斜視図である。
【符号の説明】
10 テープドライブ
20 ヘッドアクチュエータアセンブリ(複合型リニアアクチュエータ)
30 ヘッドアセンブリ
31 磁気ヘッド
32 ヘッドホルダ
321 ヘッド搭載部
322U 上側板ばね
322L 下側板ばね
322S ばね支持体
322b,322c,322d 孔
323 コイル保持部
33 フレキシブルプリント回路(FPC)
34 ネジ
35 空芯コイル
40 ヘッド送り機構
41 リードスクリュー
42 ヘッドリフト
43 予圧ブッシュ
44 リードスクリューギヤ
45 軸受け
46 すべり軸受け
47 ガイド部
48 上側ブラケット
49 下側ブラケット
60 磁気回路
61 磁石
62 センターヨーク
63 バックヨーク
64 橋架部
【発明の属する技術分野】
本発明はDLT(Digital Linear Tape)やLTO(Linear Tape Open)に代表されるリニアテープストレージシステムに関し、特に、それに用いられる磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリのヘッド送り機構として使用することが可能な電磁式(複合型)リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のリニアテープストレージシステムは、コンピュータシステムのバックアップ用として開発され、従来から種々のものが提案されている。例えば、DLTとしてのデジタル線形テープドライブは、特開平9−198639号公報などに開示されている。
【0003】
デジタル線形テープドライブ(以下、単に「駆動装置」や「テープドライブ」、「ドライブ」とも呼ぶ。)は、単一のリール(供給リール)を持つテープカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」とも呼ぶ。)を受けるためのものであり、その内部に巻取りリールを内蔵している。テープカートリッジがテープドライブに装着されると、テープカートリッジから磁気テープが引き出され、ヘッドガイドアセンブリ(HGA)を介して巻取りリールで巻き取られる。ヘッドガイドアセンブリは、テープカートリッジから引き出された磁気テープ(以下、単に「テープ」とも呼ぶ。)を磁気ヘッドに案内するためのものである。磁気ヘッドは、当該テープとの間で情報を交換する。ヘッドガイドアセンブリは、一般に、ブーメラン状の形をしたアルミニウム製のプレートと、ベアリングを使用した6個の大きなガイドローラとで構成される。
【0004】
尚、ヘッドガイドアセンブリは、テープガイドアセンブリとも呼ばれ、それは、例えば、特表平9−500753号公報に開示されている。また、ガイドローラの一例は、特開2000−100025号公報に開示されている。
【0005】
一般に、テープドライブは、例えば、特表2000−501547号公報に記載されているように、共通のベースを有する略直方体形状のハウジングを含む。ベースは2つのスピンドルモータ(リールモータ)を有する。第1のスピンドルモータは、ベースに永久的に取り付けられたスプール(巻取りリール)を有し、そのスプールは、比較的高速で流れる磁気テープを受けるように大きさが定められている。第2のスピンドルモータ(リールモータ)は取外し可能なテープカートリッジを受けるように適合される。取外し可能なテープカートリッジは、ドライブのハウジングに形成されたスロットを通してドライブの中に手動で、または自動的に挿入される。テープカートリッジをスロットの中に挿入すると、カートリッジは第2のスピンドルモータ(リールモータ)と係合する。第1および第2のスピンドルモータ(リールモータ)を回転する前に、機械的なバックリング機構によってテープカートリッジは永久的に取付けられたスプール(テイクアップリール)に接続される。テープカートリッジと永久スプールとの間に位置づけられた多くのローラ(ガイドローラ)は、テープカートリッジと永久に取付けられたスプールとの間を磁気テープが比較的高速で前後に移動する際にそれを案内する。
【0006】
このような構成のデジタル線形テープドライブでは、巻取りリールがテープを供給リールから引っ張るための装置が必要である。そのような引っ張り装置は、例えば、特公平3−7595号公報に開示されている。この公報によると、巻取りリールには巻取りリーダ手段(第1のテープリーダ)が連結され、供給リール上のテープに供給テープリーダ手段(第2のテープリーダ)が固定されている。第1のテープリーダはその一端にタブを有し、第2のテープリーダはロッキング孔を有し、タブがロッキング孔に係合される。
【0007】
さらに、第1のテープリーダを第2のテープリーダに接合するための機構も必要となる。そのような接合機構は、例えば、特公平6−39027号公報に開示されている。
【0008】
また、特開2000−100116号公報には、リーダテープ(第2のテープリーダ)の側方に突出する耳片を必要とすることなく、リーダテープの端部をテープカートリッジのテープエンド引掛け部に係止することのできる「リーダテープの係止部構造」が開示されている。
【0009】
特開平11−86381号公報には、テープカートリッジがドライブに挿入されていない際に、テープドライブの巻取りリールが回転するのを防ぐためのロックシステムが開示されている。
【0010】
一方、デジタル線形テープドライブに装着されるテープカートリッジとしては、その一例が特開2000−149491号公報に開示されている。
【0011】
また、特開平11−316991号公報には、バックリング機構または巻取りリーダを使用することなくテープリーダがテープカートリッジからテイクアップリールに押し進められるようにした「テープドライブ」が開示されている。
【0012】
尚、テープドライブは、磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリをさらに含み、この磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリは複数のローラによって規定されたテープ経路上に、巻取りスプールとテープカートリッジとの間に位置づけられる。動作中は、磁気テープが巻取りスプールとテープカートリッジとの間を前後に流れ、規定されたテープ経路上を流れる間に磁気ヘッドアクチュエータアセンブリに密に接近する。このような磁気ヘッドアクチュエータアセンブリの一例は、上記特表2000−501547号公報に開示されている。
【0013】
アクチュエータアセンブリは、テープヘッドアセンブリ(以下、単に「ヘッドアセンブリ」とも呼ぶ。)とヘッド送り機構とから構成される。ヘッドアセンブリは、上下方向に延在する磁気ヘッド(ヘッド)と、この磁気ヘッドを保持するヘッドホルダと、磁気ヘッドと外部の回路との間を電気的に接続するための一対のフレキシブルプリント回路(FPC)とを有する。
【0014】
一方、ヘッド送り機構は、ヘッドアセンブリを保持しながら、ヘッドアセンブリを昇降動作させるためのものである。従来のヘッド送り機構は、上記特表2000−501547号公報に開示されているように、ネジ山付きリードスクリュー(ネジ山付きシャフト)を備え、リードスクリューを回動することにより、機械的にヘッドアセンブリを昇降動作(直線運動)させるものである。換言すれば、従来のヘッド送り機構として、「機械的リニアアクチュエータ」が採用されている。
【0015】
このような機械的リニアアクチュエータでは、ヘッドアセンブリの位置制御をオープンループ制御で行っている。DLTにおいて、その記憶容量の大容量化が図られている。第1世代のDLTである「DLT1」では、通常の記憶容量が40Gバイトで、圧縮した場合の記憶容量は80Gバイトである。また、第2世代のDLTである「DLT2」においては、通常の記憶容量が80Gバイトで、圧縮した場合の記憶容量は160Gバイトである。この程度の記憶容量を持つDLTでは、機械的リニアアクチュエータでも十分対応が可能である。
【0016】
しかしながら、次の世代(第3世代)のDLTである「DLT3」においては、通常の記憶容量が160Gバイト、圧縮した場合の記憶容量が320Gバイトであり、大容量(高記録密度)である。その為、この大容量の記憶容量を持つDLT用のリニアアクチュエータとして、上述した機械的リニアアクチュエータを用いた場合、ヘッドアセンブリを所望の位置に精度良く制御することは困難である。
【0017】
一方、このような機械的リニアアクチュエータにおける問題を解決するために、ヘッド送り機構として、電磁力を利用してヘッドアセンブリを昇降動作(直線運動)させる「電磁式リニアアクチュエータ」を採用し、ヘッドアセンブリの位置制御をクローズドループ(フィードバック)制御で行う方法が提案されている(例えば、特開2002−198219号公報参照)。電磁式リニアアクチュエータでは、制御方式としてフィードバック制御を採用しているので、たとえ磁気テープが走行中に上下に変動したとしても、常にヘッドアセンブリを所望の位置に精度良く制御することが可能となる。
【0018】
このような電磁式リニアアクチュエータは、一般的に、固定部と、この固定部に対してヘッドアセンブリ(被昇降物体)を鉛直方向に沿って昇降可能に保持する可動部と、この可動部の可動(昇降)方向以外の動きを拘束(規制)するガイドと、このガイドを取り付けるためのベースとを有する。
【0019】
ここで、電磁式リニアアクチュエータは、2つの型に分けることができる。第1の型は「可動マグネット型」の電磁式リニアアクチュエータであって、可動部に磁石を備え、固定部にコイルを備えたものである。第2の型は「可動コイル型」の電磁式リニアアクチュエータであって、固定部に磁石とヨークとを備え、可動部にコイルを備えたものである。
【0020】
上述したように、電磁式リニアアクチュエータは、大容量の記憶容量を持つDLT用のアクチュエータとして好適である。しかしながら、前述したように、機械式リニアアクチュエータと電磁式リニアアクチュエータとの間では制御方法(制御系)が全く異なる。その為、この電磁式リニアアクチュエータを下位機種(すなわち、第1世代や第2世代)のDLT用リニアアクチュエータとして使用する場合、それまで組み込まれていた機械式リニアアクチュエータ用の制御系を全く使用することができないので、電磁式リニアアクチュエータに適した制御系を新たに組み込まなければならなくなる。すなわち、下位の機種のDLTに対して設計変更を施すことが必要となる。
【0021】
このような問題を解決するために、下位機種のDLTとも互換性のある、第3世代の(上位機種の)DLT用のリニアアクチュエータとして、機械式リニアアクチュエータばかりでなく、電磁式リニアアクチュエータとしても動作することが可能な「複合型リニアアクチュエータ」が考えられている。すなわち、複合型リニアアクチュエータは、機械式リニアアクチュエータに電磁式リニアアクチュエータを複合させたものである。このような複合型リニアアクチュエータでは、機械式リニアアクチュエータを用いてヘッドアセンブリの粗い位置制御(オープンループ制御)を行い、電磁式リニアアクチュエータを用いてヘッドアセンブリの精密な位置制御(クローズドループ制御)を行うことができる。
【0022】
詳述すると、複合型リニアアクチュエータは、軸方向に延在する回転中心軸を持つリードスクリューと、このリードスクリューの回動によって軸方向に直線移動する主可動部とを備えた機械式リニアアクチュエータを含む。主可動部は、副固定部と、この副固定部に対して電磁力によって前記軸方向に直線移動する副可動部とから成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する。尚、副固定部はVCM(voice coil motor)固定部と呼ばれ、副可動部はVCM可動部と呼ばれる。副固定部はヨークと磁石とを有し、副可動部は空芯コイルを含む。この空芯コイルは、磁気ヘッドを保持するヘッドホルダ(取り付け部)に固定される。
【0023】
副可動部は、副固定部に対して軸方向に移動可能に支持されなければならない。そのような支持手段として、副可動部と副固定部との間を上側板ばねと下側板ばねを介して直線移動可能に固定する方法が考えられる。
【0024】
図9および図10を参照して、従来の複合型リニアアクチュエータにおける、副可動部と副固定部との間を上側板ばねと下側板ばねで固定する方法について説明する。
【0025】
副可動部としてのヘッドホルダ32Aは、磁気ヘッド(図示せず)を搭載するヘッド搭載部321と、一対の空芯コイル35を保持するために、ヘッド搭載部321の左右両側から互いに平行に延在する一対のコイル保持部323とを有する。また、ヘッド搭載部321は、一対の上側板ばね322Uの一端をネジ34で固定するための上側ばね固定部321Uaと、一対の下側板ばね322Lの一端をねじ(図示せず)で固定するための下側ばね固定部321Laとを持つ。
【0026】
副固定部は、リードスクリュー41がリードスクリューギヤ44の回転駆動により回動することよって、軸方向に直線移動するヘッドリフト42と、磁気回路60とを有する。ヘッドリフト42は、底面部421と、天井部422と、これらを支持する筒部423とを有する。筒部423に予圧ブッシュ43が配置される。磁気回路60は、一対の磁石61と、一対のセンターヨーク62と、一対のバックヨーク63とを有し、一対のバックヨーク間は橋架部64によって架橋されている。橋架部64は、筒部423の背面にネジ65で固定される。
【0027】
一対の上側板ばね322Uの他端は、上側ブラケット48を介してネジ34で天井部422に固定され、一対の下側板ばね322Lの他端は、下側ブラケット49を介してネジ(図示せず)で底面部421に固定される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の複合型リニアアクチュエータでは、板ばね322U、322Lの一端を副可動部321とをネジ34などで固定しているので、固定するためのスペースの増加、部品点数や組立工数の増加によって、コストがアップしてしまうという問題がある。
【0029】
したがって、本発明の課題は、部品点数や組立工数を削減することで、コストダウンを図ることが可能な複合型リニアアクチュエータを提供することにある。
【0030】
本発明の他の課題は、取扱いが容易な複合型リニアアクチュエータを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、軸方向に延在する回転中心軸を持つリードスクリュー(41)と、このリードスクリューの回動によって軸方向に直線移動する主可動部(42,43,48,49,60,30)とを備えた機械式リニアアクチュエータを含み、主可動部が、副固定部(42,43,48,49,60)と、この副固定部に対して電磁力によって軸方向に直線移動する副可動部(32)から成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する複合型リニアアクチュエータであって、副固定部はヨーク(62,63)と磁石(61)とを有し、副可動部は空芯コイル(35)を含み、副固定部と副可動部とは上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)を介して直線移動可能に固定されている、複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とが一体に形成されていることを特徴とする複合型リニアアクチュエータが得られる。
【0032】
上記本発明の複合型リニアアクチュエータにおいて、副可動部(32)と上側板ばね(322U)および下側板ばね(322L)とがアウトサート成形により一体化されていることが好ましい。上側板ばね(322U)と下側板ばね(322L)とは、ばね支持体(322S)を介して一体化され、このばね支持体から互いに対向するようにコの字に曲げられているのが望ましい。ばね支持体(322S)は少なくとも3つの孔(322b,322c,322d)を有することが好ましい。これらの孔は、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【0033】
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0035】
最初に図1を参照して、本発明に係る磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリを含むテープドライブについて説明する。尚、図1は上蓋を取り外した状態のテープドライブを示す斜視図である。
【0036】
テープドライブ10は、テープカートリッジ(図示せず)を受けるためのものであり、その内部に巻取りリール11を内蔵している。巻取りリール11はスプールとも呼ばれる。テープドライブ10は、共通のベースを有する略直方体形状のハウジング(シャーシ)12を有する。ベースは2つのスピンドルモータ(リールモータ)13、14を有する。第1のスピンドルモータ13は、ハウジング12のベースに永久的に取り付けられたスプール(巻取りリール)11を有し、そのスプール11は、比較的高速で流れる磁気テープ(図示せず)を受けるように大きさが定められている。第2のスピンドルモータ(リールモータ)14は取外し可能なテープカートリッジを受けるように適合される。取外し可能なテープカートリッジは、ドライブ10のハウジング12に形成されたスロット16を通してドライブ10の中に手動で、または自動的に、矢印Aで示す挿入方向に沿って挿入される。
【0037】
テープカートリッジをスロット16の中に挿入すると、カートリッジは第2のスピンドルモータ(リールモータ)14と係合する。第1および第2のスピンドルモータ(リールモータ)13、14を回転する前に、機械的なバックリング機構(図示せず)によってテープカートリッジは永久的に取付けられたスプール(巻取りリール)11に接続される。テープカートリッジと永久スプール11との間に位置づけられた多くのローラ(ガイドローラ)15は、テープカートリッジと永久に取付けられたスプール11との間を磁気テープが比較的高速で前後に移動する際にそれを案内する。
【0038】
尚、ハウジング12は鉄系の磁性体からなる板金プレスシャーシで構成されている。
【0039】
テープドライブ10は、磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリ(以下、単に「アクチュエータアセンブリ」とも呼ぶ)20をさらに含み、このアクチュエータアセンブリ20は上記複数のローラ15によって規定されたテープ経路(図示せず)上に、巻取りスプール11とテープカートリッジとの間に位置づけられる。動作中は、磁気テープが巻取りスプール11とテープカートリッジとの間を前後に流れ、規定されたテープ経路上を流れる間に磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリ20に密に近接する。
【0040】
以下、図2乃至図4を参照して、本発明の一実施の形態に係るアクチュエータアセンブリ20について説明する。図2はアクチュエータアセンブリ20の外観を正面側から見た状態で示す斜視図であり、図3は図2に図示したアクチュエータアセンブリ20の外観を背面側から見た状態で示す斜視図であり、図4は図2に図示したアクチュエータアセンブリ20の分解斜視図である。
【0041】
図4に示されるように、アクチュエータアセンブリ20は、複合型リニアアクチュエータであって、テープヘッドアセンブリ(以下、単に「ヘッドアセンブリ」とも呼ぶ。)30とヘッド送り機構40とから構成される。
【0042】
ヘッドアセンブリ30は、上下方向に延在する磁気ヘッド(ヘッド)31と、この磁気ヘッド31を後述するように上下方向に移動可能に保持するヘッドホルダ32と、磁気ヘッド31と外部の回路(図示せず)との間を電気的に接続するための一対のフレキシブルプリント回路(FPC)33とを有する。ヘッドホルダ32はキャリッジとも呼ばれる。
【0043】
図5および図6に示されるように、ヘッドホルダ32は、磁気ヘッド31を搭載するヘッド搭載部321と、このヘッド搭載部321の上下端両側からヘッド搭載部321に対して垂直方向に互いに対向して延在した一つの上側板ばね322Uおよび下側板ばね322Lとを有する。上側板ばね322Uおよび下側板ばね322Lの各々は、ネジ34を受け入れる孔322aを有し、後述するブラケットとこの孔322aを介してネジ34を螺合することにより、ヘッドアセンブリ30と後述するヘッド送り機構40とが組み付けられる。
【0044】
ヘッドホルダ32は、ヘッド搭載部321の両側端から板ばね322Uおよび322Lが延びる方向と平行に延在する一対のコイル保持部323を更に有し、この一対のコイル保持部323には、電磁式リニアアクチュエータの副可動部を構成する一対の空芯コイル35が保持される。ここで、ヘッド搭載部321とコイル保持部323とは樹脂製である。ヘッド搭載部321とコイル保持部323と一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lと一対の空芯コイル35は、アウトサート成形により一体に形成される。
【0045】
図7および図8に示されるように、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとは、ばね支持体322Sと一体化されたばね部材として構成され、ばね支持体322Sから互いに対向するようにコの字に曲げられたものである。
【0046】
ばね支持体322Sには、多数の孔322b、322c、322dが形成されている。これら孔の中、中央部の左右一対の孔322bと322cは、ばね支持体322Sをヘッド搭載部321とアウトサート成形する際に、ばね支持体322Sを一つの棒(図示せず)で支持するためのもので、その他の孔322dは、アウトサート成形する際に溶融樹脂をばね支持体322Sの表面側と裏面側とに均等に流すためのものである。また、支持用の孔の一方の孔322cは、長孔である。これは、ばね部材をプレス加工で作る際の誤差を許容するためである。とにかく、ばね支持体322Sには、少なくとも3つの孔が形成されている。尚、これら孔322a、322b、322c、322dは、プレス加工によって穿設されても良いし、エッチングにより形成されても良い。
【0047】
このように、ヘッド搭載部321と一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとは、アウトサート成形により、モールド品として構成されるので、従来のように、板ばねを副可動部(ヘッド搭載部)にねじなどで固定する工程が不要となる。これにより、部品点数や組立て工数を削減することができ、その分コストダウンが図られる。また、寸法の安定性の向上も図られ、取り扱いも容易となる。
【0048】
また、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとをワンピース化することにより、寸法の安定化とコスト低減を図ることができる。
【0049】
図2乃至図4に戻って、ヘッド送り機構40は、回転部分として上下方向に延在する回転中心軸を有するネジ山付きリードスクリュー(ネジ山付きシャフト)41を備え、直線移動部分としてリードスクリュー41の回転に従い回転中心軸に沿って上下運動するヘッドリフト42と、ヘッドアクチュエータアセンブリ20のバックラッシュを防止する予圧ブッシュ43とを備えている。
【0050】
リードスクリュー41は、その下端側に、他の駆動手段(例えば、ステッピングモータ)によりこのリードスクリュー41を回転中心軸の回りに回転させるリードスクリューギヤ44を取り付けている。
【0051】
ヘッドリフト42は、底面部421と、天井部422と、これら底面部421と天井部422とを支持する半円筒部423とを有する。底面部421および天井部422それぞれは半円筒部423の両外側方向に延在するアームを有している。半円筒部423は、中央部分が中空でかつ半円筒分だけ開口した樋形をしている。従って、ヘッドリフト42の外形は、側面から見て略I字形をなし、上記テープヘッドアセンブリ30を上下動可能に保持しながらテープヘッドアセンブリ30を上下動させる。このヘッドリフト42は半円筒部423の中空開口内部に予圧ブッシュ43を配置する。予圧ブッシュ43と天井部422との間には予圧バネ(図示せず)が圧縮した状態で置かれる。予圧バネは圧縮コイルスプリングである。予圧ブッシュ43と予圧バネとの組み合わせは、アクチュエータアセンブリ20のバックラッシュを防止するためのバックラッシュ防止機構として働く。
【0052】
底面部421は、リードスクリュー41を貫通させる円形開口位置上面で半円筒部423の中空開口位置に、内面にリードスクリュー41と係合する爪状突起を有する軸受け45を固着している。天井部422には、半円筒部423の中空開口位置にリードスクリュー41を貫通させるための円形開口を持つすべり軸受け46が形成されている。
【0053】
底面部421の一方のアームは他方のアームより長く側方へ延在し、その先端には略コ字形をなるガイド部47が設けられている。このガイド部47は、図1に示されたガイドバー17に嵌め込まれ、上下方向に摺動可能となるように取り付けられ、ヘッドリフト42が回転するのを防止する。
【0054】
天井部422は、一対のアームそれぞれにネジ穴422aを有する。また、ヘッドホルダ32の一対の上側板ばね322Uを天井部422に取り付けるための上側ブラケット48はネジ34を受け入れる孔48aを有する。これにより、ヘッドホルダ32の一対の上側板ばね322Uは、上側ブラケット48の孔48a、板ばね322の孔322aを介して、ネジ34を天井部422のネジ穴422aに螺合することにより、天井部422に取り付けられる。
【0055】
底面部421も、一対のアームそれぞれにネジ穴421aを有する。ヘッドホルダ32の一対の下側板ばね322Lを底面部421に取り付けるための下側ブラケット49はネジ34を受け入れる孔49aを有する。これにより、ヘッドホルダ32の一対の下側板ばね322Lは、下側ブラケット49の孔49a、板ばね322の孔322aを介して、ネジ34を底面部421のネジ穴421aに螺合することにより、底面部421に取り付けられる。
【0056】
リードスクリュー41の下端部は、ベアリング51を介してハウジング(シャーシ)12(図1)に回転可能に取り付けられている。また、リードスクリュー41の上端部は、ベアリング52を介してベアリングホルダ18(図1)に回転可能に取り付けられ、このベアリングホルダ18はハウジング(シャーシ)12(図1)上に固定設置されている。
【0057】
リードスクリューギヤ44は、上述したように同軸の回転中心軸をもって直結するリードスクリュー41を、例えばステッピングモータの駆動により回転させる。リードスクリュー41の回転中心軸回りの回転は、バックラッシュ防止機構と協働して、ヘッドリフト42を回転中心軸の延在する方向に直線移動させる。
【0058】
ヘッドリフト42には、電磁式リニアアクチュエータの副固定部を構成する磁気回路(磁石やヨーク)60が取り付けられている。
【0059】
詳述すると、磁気回路60は、板厚方向に着磁された一対の磁石61と、ヘッドリフト42の半円筒部423の両側側壁に設けらたヨーク部とを有する。ヨーク部は、上下方向に沿って延在し、一対の空芯コイル35(図5、図6)の中を貫通する一対のセンターヨーク62と、一対のバックヨーク63と、この一対のバックヨーク63間を架橋する橋架部64とを有する。
【0060】
各バックヨーク63は、対応するセンターヨーク62と平行に離間して対向配置された主面63aを持ち、この主面63aに対して両端部621がプレス加工によって略直角に折り曲げられている。両端部621がセンターヨーク62の両端部に接触している。磁石61は、バックヨーク63の主面63aに接触している。
【0061】
センターヨーク62は両端に切欠け部62aを持つ。また、バックヨーク63の両端部631は、上記切欠け部62aに嵌入する凸部631aを持つ。橋架部64には、ネジ65が貫通する一対の孔64aが形成されている。この孔64a介してネジ65をヘッドリフト42の半円筒部423の背面に螺合することにより、磁気回路60がヘッドリフト42に固定して取付けられる。一対のバックヨーク63と橋架部64とは、プレス加工(折り曲げ加工)により一体に形成されている。
【0062】
とにかく、ヘッドリフト42と、予圧ブッシュ43と、磁気回路60と、上側ブラケット48と、下側ブラケット49と、ヘッドアセンブリ30と、ネジ34との組み合わせは、リードスクリュー41の回動によって軸方向に直線移動する、機械式リニアアクチュエータの主可動部として動作する。そして、この主可動部は、ヘッドリフト42と予圧ブッシュ43と磁気回路60と上側ブラケット48と下側ブラケット49とを有する副固定部と、この副固定部に対して電磁力によって軸方向に直線移動する、ヘッドアセンブリ30から成る副可動部とから成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する。副固定部は、ヨーク62,63と、磁石61とを有する。副可動部は空芯コイル35を含む。
【0063】
以上、本発明について好ましい実施の形態によって例を挙げて説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、一対の上側板ばね322Uと一対の下側板ばね322Lとをばね支持体322Sを介してワンピース化しているが、このようなワンピース化をせずに、副可動部としてのヘッド搭載部321にモールド品として一体に成形(形成)しても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、副可動部と上側板ばねおよび下側板ばねをアウトサート成形などにより一体に形成したので、部品点数や組立て工数を削減することができ、その分コストダウンが図られる。また、寸法の安定性の向上も図られ、取り扱いも容易となる。また、上側板ばねと下側板ばねとをばね支持体を介してワンピース化しているので、寸法の安定化とコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気テープヘッドアクチュエータアセンブリを含むテープドライブを、上蓋を取り外した状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る複合型リニアアクチュエータの外観を正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図3】図2に図示した複合型リニアアクチュエータの外観を背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図4】図2に図示した複合型リニアアクチュエータの分解斜視図である。
【図5】図2〜図4に図示した複合型リニアアクチュエータに使用されるヘッドホルダを正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図6】図5に図示したヘッドホルダを背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図7】図5に図示されたヘッドホルダとアウトサート成形されるばね部材を正面側から見た状態で示す斜視図である。
【図8】図7に図示したばね部材を背面側から見た状態で示す斜視図である。
【図9】従来の複合型リニアアクチュエータの分解斜視図である。
【図10】図9に図示した複合型リニアアクチュエータの組立て斜視図である。
【符号の説明】
10 テープドライブ
20 ヘッドアクチュエータアセンブリ(複合型リニアアクチュエータ)
30 ヘッドアセンブリ
31 磁気ヘッド
32 ヘッドホルダ
321 ヘッド搭載部
322U 上側板ばね
322L 下側板ばね
322S ばね支持体
322b,322c,322d 孔
323 コイル保持部
33 フレキシブルプリント回路(FPC)
34 ネジ
35 空芯コイル
40 ヘッド送り機構
41 リードスクリュー
42 ヘッドリフト
43 予圧ブッシュ
44 リードスクリューギヤ
45 軸受け
46 すべり軸受け
47 ガイド部
48 上側ブラケット
49 下側ブラケット
60 磁気回路
61 磁石
62 センターヨーク
63 バックヨーク
64 橋架部
Claims (6)
- 軸方向に延在する回転中心軸を持つリードスクリューと、該リードスクリューの回動によって前記軸方向に直線移動する主可動部とを備えた機械式リニアアクチュエータを含み、前記主可動部が、副固定部と、該副固定部に対して電磁力によって前記軸方向に直線移動する副可動部とから成る電磁式リニアアクチュエータとして動作する複合型リニアアクチュエータであって、前記副固定部はヨークと磁石とを有し、前記副可動部は空芯コイルを含み、前記副固定部と前記副可動部とは上側板ばねおよび下側板ばねを介して直線移動可能に固定されている、複合型リニアアクチュエータにおいて、
前記副可動部と前記上側板ばねおよび前記下側板ばねとが一体に形成されていることを特徴とする複合型リニアアクチュエータ。 - 前記副可動部と前記上側板ばねおよび前記下側板ばねとがアウトサート成形により一体化されている、請求項1に記載の複合型リニアアクチュエータ。
- 前記上側板ばねと前記下側板ばねとは、ばね支持体を介して一体化され、該ばね支持体から互いに対向するようにコの字に曲げられている、請求項1又は2に記載の複合型リニアアクチュエータ。
- 前記ばね支持体は少なくとも3つの孔を有する、請求項3に記載の複合型リニアアクチュエータ。
- 前記少なくとも3つの孔は、プレス加工によって穿設されてる、請求項4に記載の複合型リニアアクチュエータ。
- 前記少なくとも3つの孔は、エッチングにより形成されている、請求項4に記載の複合型リニアアクチュエータ。
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- 2002-08-26 JP JP2002245226A patent/JP2004086973A/ja not_active Withdrawn
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