JP2004086866A - 指紋照合方法及び指紋画像の登録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】採取した指紋画像と登録されている指紋画像を照合する際に、指紋採取面への指置き位置が不適切なことによって発生する照合不良を防止する。
【解決手段】指紋画像採取部10は、指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。特徴情報抽出部14は、採取された指紋画像を走査線に分解して周波数解析を行うことでスペクトルパターンを抽出する。指紋照合部16は、登録指紋画像のスペクトルパターンと抽出されたスペクトルパターンとを照合し、最小相違度と最小相違度となるときの両スペクトルパターンの位置ズレ量を求める。最小相違度が照合用閾値以内のときは、識別対象者が登録者であると判定する。最小相違度が照合用閾値を超えるときは、位置ズレ量が位置ズレ許容閾値を超えるか否かを判定する。位置ズレ量が位置ズレ許容閾値を超えるときは、指置き位置指示部20から指置き位置の移動方向を指示する。
【選択図】 図1
【解決手段】指紋画像採取部10は、指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。特徴情報抽出部14は、採取された指紋画像を走査線に分解して周波数解析を行うことでスペクトルパターンを抽出する。指紋照合部16は、登録指紋画像のスペクトルパターンと抽出されたスペクトルパターンとを照合し、最小相違度と最小相違度となるときの両スペクトルパターンの位置ズレ量を求める。最小相違度が照合用閾値以内のときは、識別対象者が登録者であると判定する。最小相違度が照合用閾値を超えるときは、位置ズレ量が位置ズレ許容閾値を超えるか否かを判定する。位置ズレ量が位置ズレ許容閾値を超えるときは、指置き位置指示部20から指置き位置の移動方向を指示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、登録されている指紋画像と識別対象者から採取した指紋画像とを照合することで識別対象者が登録者であるか否かを判定する指紋照合技術に関する。
【0002】
【従来の技術】個人識別を行う装置の1つとして指紋照合装置が知られている。指紋照合装置は、指紋画像を採取する指紋採取部を備える。指紋採取部には指紋採取面が設けられており、指紋採取面に指が押し付けられて指紋画像が採取される。採取される指紋画像は、指紋隆線部分と指紋谷線部分とで明暗(濃度)が異なる。このため、採取された指紋画像から指紋隆線のパターンが得られ、これによって個人識別が可能となる。
この指紋照合装置では、予め登録者の指紋画像が登録される。指紋照合時には識別対象者から指紋画像を採取し、その採取した指紋画像と登録されている指紋画像とが照合される。照合の結果、2つの指紋画像が同一と判定されると識別対象者は登録者であると判定される。一方、2つの指紋画像が異なると判定されると識別対象者は登録者ではないと判定される。
【0003】
登録されている指紋画像と識別対象者から採取した指紋画像とを照合する場合、2つの指紋画像の少なくとも一方が不適切なものであると、同一指から採取された指紋画像であっても同一とは判定されないことがある。例えば、指紋採取面への指の押付け圧力が不十分であると、指紋隆線部分がかすれた指紋画像となる。一方、指紋採取面への指の押付け圧力が強過ぎると、指紋隆線部分が潰れた指紋画像となる。これらの指紋画像からは指紋隆線のパターンを明確に得ることができず、同一指から採取された2つの指紋画像であっても異なるものと判定されることとなる(すなわち、照合不良が発生する)。そこで、このような照合不良が発生した際に適切な対応を採り易くするため、特許文献1に開示された技術が提案されている。
この公報に記載の技術では指紋が採取されると、まず、採取された指紋画像の品質が判定される。例えば、指紋画像内の指紋部分の面積が所定の閾値より小さい場合には、指紋採取面への指の押付け圧力が不足していて指紋画像に充分な個人識別情報が含まれていない(すなわち、品質不良)と判定する。次に、判定によって品質が不良であるとされた場合は、その原因や対策を表示する。例えば、指紋部分の面積が不十分な場合は、指紋採取面への指の押付け圧力を増加するよう表示する。したがって、この表示に基づいて利用者は指紋採取面への指の置き方を修正するため、適切な指紋画像が採取され照合不良の発生が防止される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−167268号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、指紋照合装置は小型化される傾向にある。指紋照合装置の小型化に伴い、指紋採取面の面積も小さくなる傾向にある。指紋採取面の面積が小さくなると、指紋採取面への指置き位置が採取される指紋画像に大きな影響が与えるようになる。すなわち、図12に模式的に示すように、指紋より指紋採取面の面積が小さい場合、採取される指紋画像は指紋全体では無くその一部となる。このため、図12(a)に示す指置き位置Aに指を置いたときに採取される指紋画像A(図12(c)参照)と、図12(b)に示す指置き位置Bに指を置いたときに採取される指紋画像B(図12(d)参照)とは大きく異なることとなる。したがって、指紋採取面への指置き位置の違いによって照合不良が発生することとなる。
しかしながら、上述した従来技術では、指紋採取面の小面積化に対応できる技術ではなかった。すなわち、従来技術は、指紋画像の濃度、指紋部分の面積等により指紋画像の品質を判断するだけで、指紋採取面への指置き位置の位置ズレによって指紋画像の品質を判断するものではなかった。このため、指紋採取面への指置き位置が不適切な場合でも、指紋画像の濃度や面積が十分であれば指紋画像の品質が不良であると判断されることは無く、その結果、指置き位置のずれによる照合不良に対応することができないのである。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、指紋採取面への指置き位置の違いによる照合不良に対応することができる指紋照合技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】上記課題を解決するため、本願発明に係る指紋照合方法は、識別対象者から採取した指紋画像と登録されている指紋画像とを照合することで識別対象者が登録者であるか否かを判別する指紋照合方法であって、以下の工程を有する。
指紋画像採取工程は、指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。
スペクトルパターン抽出工程は、採取された指紋画像を所定の方向に延びる複数の走査線に分解し、走査線毎にその走査線上の濃度値変化を時経列信号とみなして周波数解析を行うことでスペクトルパターンを抽出する。
第1決定工程は、登録指紋画像から抽出されたスペクトルパターンに対して抽出工程で抽出されたスペクトルパターンを予め設定された複数の位置にずらし、各位置における両スペクトルパターンの相違度をそれぞれ算出することで最小相違度と最小相違度となるときの両スペクトルパターンの位置ズレ量を決定する。
第2決定工程は、第1決定工程で決定された最小相違度と予め設定された照合用閾値とを比較し、識別対象者が登録者か否かを決定する。
第3決定工程は、第2決定工程で識別対象者が登録者でないと決定されたときに第1決定工程で決定された位置ズレ量と予め設定された位置ズレ許容閾値とを比較し、位置ズレ量が許容範囲内か否かを決定する。
指示工程は、第3決定工程で位置ズレ量が許容範囲内にないと決定されたときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する。
【0008】
この指紋照合方法では、識別対象者の指紋画像から抽出されたスペクトルパターンと登録されている指紋画像のスペクトルパターンとの相違度によって同一人か否かの判定を行う。相違度の算出の際には、一方のスペクトルパターンを他方のスペクトルパターンに対して複数の位置にずらし、各位置において相違度が算出される。ここで、2つのスペクトルパターンが同一指の指紋画像から採取されたものであれば、相違度が最小となるときに2つのスペクトルパターンの位置ズレが補正されていると考えられる。したがって、算出された相違度の最小値により2つのスペクトルパターンが同一か否かを判定し、かつ、相違度が最小値となるときの位置ズレ量によって2つのスペクトルパターン(すなわち、2つの指紋画像)の位置ズレ量が適切か否かを判定することができる。
そこで、最小相違度と位置ズレ量が決定されると、まず、最小相違度と照合用閾値とを比較することで2つの指紋画像が同一か否かを判定する。最小相違度が照合用閾値を超え2つの指紋画像が同一ではないと判定されると、位置ズレ量と位置ズレ許容閾値とを比較することで、2つの指紋画像の位置ズレ量が許容範囲内か否かを判定する。位置ズレ量が許容範囲内に無い場合は、2つの指紋画像が同一でないと判定された原因が指紋採取面への指置き位置の可能性がある。このため、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示が出力される。
したがって、この指紋照合方法では、指紋画像が同一でないと判定され、かつ、指紋画像の位置ズレが許容範囲を超えるときは、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示が出力される。このため、識別対象者が指紋採取面への指置き位置を変更し、適切な指置き位置で指紋画像が採取されて照合が行われる。これによって、指置き位置のズレによる照合不良が解消される。
なお、上記「採取工程」において指紋画像を採取する方法としては、種々の方法を採ることができ、例えば、光学方式(光路分離方式、全反射方式を含む)や非光学方式(半導体指紋リーダを用いた方式)を用いることができる。
【0009】
前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動方向を指示することが好ましい。
このような構成によると、利用者は指示された移動方向に指置き位置を修正すれば良いため、容易に指紋採取面の適切な位置に指を置くことができる。
【0010】
また、前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動量を指示するようにしてもよい。
このような構成によると、指置き位置(すなわち指)の移動量が指示されるため、利用者はより容易に指紋採取面の適切な位置に指を置くことができる。
なお、移動量の指示方法は、具体的な数値によって行ってもよいし、その表現(例えば、「少し動かす」「大きく動かす」等)を変えることによって行ってもよい。さらには、指の移動方向とその移動量をベクトルを用いて指示するようにしてもよい。
【0011】
さらに、前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の回転方向を指示するようにしてもよい。
このような構成によると、指置き位置(すなわち指)の回転方向が指示されることによって、登録指紋画像と採取した指紋画像の回転ズレが補正される。したがって、指紋照合精度をより高めることができる。
【0012】
また、指紋照合装置の中には、照合率を向上させるために、登録者の同一指から採取した指紋画像を複数登録し、指紋照合時に識別対象者から採取した指紋画像と登録した複数の指紋画像を照合する装置がある。かかる種類の指紋照合装置では、同一指の指紋画像として登録される複数の指紋画像間の位置ズレが大きすぎると、他人を登録者であると判断する誤照合が生じ易くなる。すなわち、既に説明したように指紋画像間の位置ズレが大きいと同一指から採取した指紋画像であっても異なる指紋画像と判断される可能性が高くなり、その結果、他人を登録者と判定するという誤照合の可能性も高くなるのである。
このような問題を解決するため、本願発明に係る指紋画像の登録方法は、登録者の同一指から採取された複数の指紋画像を登録し、指紋照合時に識別対象者から採取した指紋画像と登録されている複数の指紋画像を照合することで識別対象者が登録者か否かを判別する指紋照合装置において、同一登録者から複数の指紋画像を登録する方法であって、以下の各工程を有する。
第1採取工程は、指紋採取面に置かれた指から基準となる指紋画像を採取する。第1登録工程は、第1採取工程で採取された指紋画像を登録する。
第2採取工程は、第1登録工程後に指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。演算工程は、第1登録工程で登録された基準指紋画像と第2採取工程で採取された指紋画像の位置ズレ量を演算する。指示工程は、位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内とならないときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する。第2登録工程は、位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内となるときに、採取された指紋画像を登録する。
この指紋登録方法では、まず、基準となる指紋画像が登録される。基準指紋画像の登録後に指紋画像を登録する際は、基準指紋画像との位置ズレ量が所定の範囲内となるよう指置き位置が指示され、位置ズレ量が所定の範囲内となる指紋画像のみが登録される。したがって、同一指から採取されて登録される指紋画像の位置ズレが一定の範囲に抑えられるため、照合不良の発生を防止することができる。
なお、2つの指紋画像の位置ズレ量を算出する方法としては、種種の方法を用いることができ、例えば、原画像パターンマッチングや、方向コードマッチングや、マニューシャマッチングや、スペクトルパターンマッチング等を用いることができる。
【0013】
上記指紋画像の登録方法においては、第2採取工程から第2登録工程までを繰り返すことで複数の指紋画像が登録され、前記指示工程では、それら登録された複数の指紋画像の基準指紋画像に対する位置ズレ量が指紋画像毎に異なるように、指紋採取面への指置き位置の変更が指示されることが好ましい。
このような構成では、基準指紋画像の登録後に登録される指紋画像は、指紋画像毎に基準指紋画像に対して異なる位置ズレ量を有する。このため、指紋照合時に利用者の指置き位置がばらついても、採取された指紋画像と位置ズレ量の少ない指紋画像が少なくとも1つは登録されている可能性が高くなる。したがって、指紋照合時に登録者を登録者でないと判断する誤照合の発生を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上述した請求項に記載の発明は、下記に示す各形態で好適に実施することができる。
(形態1) 上述した各請求項に記載の方法では、半導体指紋リーダによって指紋画像が採取される。
(形態2) 請求項1〜4のいずれかに記載の指紋照合方法では、指紋画像のスペクトルパターンをX方向とY方向の2方向に関して抽出される。
(形態3) 形態2に記載の指紋照合方法では、X方向のスペクトルパターンについて算出した相違度とY方向のスペクトルパターンについて算出した相違度とを用いて最小相違度が算出される。
(形態4) 形態2に記載の指紋照合方法では、X方向のスペクトルパターンについて算出した相違度から求められるY方向の位置ズレ量と、Y方向のスペクトルパターンについて算出した相違度から求められるX方向の位置ズレ量とが算出される。
(形態5) 形態4に記載の指紋照合方法では、X方向とY方向について算出した各位置ズレ量に基づいて指置き位置の移動方向が指示される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る指紋照合装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、指紋照合装置は、指紋を撮影して画像信号を出力する指紋画像採取部10と、その画像信号を指紋画像データに変換するA/D変換部12と、A/D変換された指紋画像データから特徴情報を抽出する特徴情報抽出部14と、抽出された特徴情報を特徴情報記憶部26へ登録する指紋登録部18と、指紋画像採取部10で採取した指紋画像と登録されている指紋画像との同一性を判定する指紋照合部16と、指紋画像採取部10への指置き位置が不適切な場合に指置き位置の移動を指示する指置き位置指示部20と、登録や照合等の動作を制御する制御部22と、登録か照合かの動作を選択するためのキー等を配設した入力部24とを備える。
【0016】
指紋画像採取部10には、光学式指紋スキャナ(あるいは、電界強度方式の半導体指紋リーダ等)が装備される。この指紋スキャナには指紋採取面(プリズム)が設けられ、指紋採取面に指が押圧されるようになっている。指紋採取面に指が押圧されると、指紋隆線部分では指が指紋採取面に直接接触し、指紋谷線部分では指と指紋採取面との間に隙間が形成される。この状態でプリズムの裏面から指紋採取面に向かって光が照射されると、指紋隆線部分では指の表面の水分によって光が乱反射し、指紋谷線部分では光が全反射する。このため、指紋隆線部分と指紋谷線部分とでは指紋採取面から反射する光の強度(明暗)が異なり、この明暗の相違から指紋画像を撮影する。撮影された指紋画像(指紋隆線の濃淡画像)は、所定時間毎(例えば、数百ms)に同軸ケーブルを介してA/D変換部12に伝送される。
なお、指紋画像を採取する装置としては、上述した光学式指紋スキャナには限られない。例えば、静電容量式の半導体指紋リーダや熱検知方式の半導体指紋リーダを用いることもできる。
【0017】
A/D変換部12は、指紋画像採取部10から伝送されて来る画像信号をA/D変換して指紋画像データ(二次元のディジタル濃淡データ)とし、内蔵メモリに格納する。
【0018】
特徴情報抽出部14は、A/D変換部12で変換された画像データから特徴情報を抽出する。特徴情報を抽出する手順について、図2乃至図4に基づいて説明する。ここで、図2はA/D変換部12により変換された後の指紋画像データの構成を説明するための図であり、図3は採取された指紋画像、指紋画像から抽出された特徴情報及び指紋画像データを走査線に分解したときの一走査線上の濃度値変化を示す図であり、図4は走査線上の濃度値変化から求めた群遅延スペクトル(以下、GDSという。)の一例である。
図2に示すように、指紋画像採取部10で採取された指紋画像は、A/D変換部12によってx方向にnドット、y方向にmドットのn×mドットの画像データに変換される。各ドット[座標値(a,b)〔0≦a≦n−1、0≦b≦m−1〕]は、画像信号をA/D変換することで数値化された濃度値データdを有する。各ドットの濃度値データdから特徴情報(本実施例ではGDS)が抽出される。
【0019】
GDSの抽出手順を説明すると、まず、画像データ(n×mドット)をx方向に延びるm本の走査線に分解し、同様にy方向に延びるn本の走査線に分解する。次に、x方向の走査線については、左端点からの距離とその距離にある走査線上の点の濃度値との関係を求める。y方向の走査線についても同様に、上端点からの距離とその距離にある走査線上の点の濃度値との関係を求める。求められた端点からの距離とその濃度値との関係は、図3(b)に示すように、指紋隆線上の点は濃度値が低く(暗く)、指紋谷線上の点は濃度値が高く(明るく)なっている。
次に、x方向とy方向の各走査線について、走査線上の濃度値変化を時系列信号とみなして周波数変換処理を行い、x方向とy方向についてそれぞれGDSパターンを算出する。具体的には、1本の走査線上の濃度値変化を周波数変換処理することで1本のGDSデータが算出される。1本のGDSデータは、図4に示すように周波数チャンネル(ch)〔0≦ch≦15〕毎のGDS強度として算出される。指紋画像データはx方向にm本,y方向にn本の走査線に分解されることから、x方向にm本,y方向にn本のGDSデータが抽出される。したがって、抽出されたGDS強度は、x方向又はy方向の走査線番号(i)と周波数チャンネル(ch)によって決まる関数として定義される。
GDS=GDS(i,ch)
上述した手順で各走査線について求めたGDSデータを、GDS強度の大きさに応じて濃淡を付け(すなわち、GDS強度が大きい部分を濃く、GDS強度が小さい部分を淡くする。)、x方向及びy方向に関してそれぞれ二次元的に表示したGDSパターンの一例が、図3(a)に示す指紋画像の右側方と下方に示されている。すなわち、x方向のm本の走査線から求めたx方向のGDSパターンが指紋画像の右側方に表示され、y方向のn本の走査線から求めたy方向のGDSパターンが指紋画像の下方に表示されている。GDSパターンは、指紋隆線(指紋谷線)の特徴(個人の特徴)によりそのパターンが異なる。このため、本実施例では、GDSパターンの相違度を判定することで、識別対象者から採取した指紋が登録された指紋と同一であるか否かを判断する。
【0020】
特徴情報記憶部26には、特徴情報抽出部14で抽出されたGDSパターンが登録者毎に識別番号等の管理情報とともに記憶されている。
図5は、特徴情報記憶部26への登録用GDSパターンの格納状態を模式的に示す図である。図5に示すように、特徴情報記憶部26には、登録者(A1氏〜AN氏)毎に、各登録者の同一指から採取されたK枚(本実施例では5枚)の指紋画像が登録される。詳細には、各指紋画像からそれぞれ抽出したK個のx方向GDSパターン(X1〜XK)とK個のy方向のGDSパターン(Y1〜YK)が登録される。登録された各GDSパターンは、登録者毎に付与された識別番号と対応付けられている。
このように特徴情報記憶部26には、同一指から採取された複数の指紋画像のGDSパターンが登録される。このため、指紋登録時には複数枚の指紋画像が採取されて登録される。一方、指紋照合時には、識別対象者から採取した指紋画像のから抽出した1組のGDSパターンと登録されているN×K組のGDSパターンが照合される。また、パスワード入力(例えば、識別番号)等により登録人を特定させる場合でも、識別対象者の1組のGDSパターンと、K組の登録されたGDSパターンとがそれぞれ照合される。
【0021】
なお、指紋登録部18、指紋照合部16及び指置き位置指示部20の処理等については、以下に説明する“指紋登録時の動作”及び“指紋照合時の動作”において詳述する。
【0022】
つぎに、上述のように構成される指紋照合装置の“指紋登録時”の動作を、図6及び図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、指紋登録を行う場合は、まず、利用者は入力部24から登録ボタン及び識別番号を入力し、制御部22に指紋登録を行う旨を指示する(S01)。入力部24から登録ボタン及び識別番号が入力されると、ステップS02の登録処理が開始される。
【0023】
ステップS02の登録処理の手順を図7に示している。登録処理に進むと、まず、制御部22は指紋画像採取処理を開始する(S10)。具体的には、制御部22は指紋画像採取部10及びA/D変換部12を作動状態とする。これにより、指紋画像採取部10から所定周期毎に画像信号が出力され、その出力される画像信号はA/D変換部12で画像データに変換される。したがって、指紋採取面に利用者の指が置かれると、置かれた指の指紋画像(画像信号)が指紋画像採取部10から所定周期毎に出力され、A/D変換部12で指紋画像(画像データ)に変換される。
次に、所定周期毎に得られる指紋画像データが安定したか否かが判定される。
すなわち、各周期で得られる指紋画像データの濃度値の時間に対する変化率が一定となるか否かが判定される。指紋画像が安定(つまり、指紋採取面への指の押圧力が安定)したと判定されると、その判定後に採取された指紋画像をメモリに記憶して指紋画像採取処理を終了する。なお、この指紋画像採取処理については、例えば特開平9−274656号に記載の技術を使用することができる。
【0024】
指紋画像採取処理が終了すると、次に、基準指紋画像が登録されているか否かを判断する(S12)。基準指紋画像とは、同一指から複数の指紋画像を登録する際に、各指紋画像の位置関係を規定するときの基準となる指紋画像をいう。本実施例では、1枚目に登録される指紋画像を基準指紋画像とされる。
なお、2枚目以降に登録される指紋画像は、基準指紋画像に対して予め設定された位置関係となるように指置き位置指示部20により誘導される。この点に付いては後述する。
【0025】
基準指紋画像が登録されていない場合〔ステップS12でNO〕には、登録指紋部18はステップS10で採取された指紋画像を基準指紋画像として登録する(S16)。具体的には、採取された指紋画像からGDSパターンを抽出し、その抽出されたGDSパターンを識別番号とともに特徴情報記憶部26に登録する。この際、登録するGDSパターンが基準指紋画像に係るものであることを示す情報をあわせて記憶する。
【0026】
基準指紋画像が登録されている場合〔ステップS12でYES〕には、登録指紋部18はステップS10で採取された指紋画像とステップS16で登録された基準指紋画像との位置ズレ量を算出する(S14)。
ここで、位置ズレ量を算出する手順について図8を用いて説明する。図8は、2つのGDSパターンの相違度と位置ズレ量を算出するための手順を説明するための図である。
指紋画像採取部10で採取される指紋画像は、指紋採取面への指置き位置によって、その中心がx方向及びy方向にずれる。このため、本実施例では指紋画像の位置ズレ量をx方向とy方向の両者について求めている。x方向の位置ズレ量は、採取された指紋画像のy方向のGDSパターンと基準指紋画像のy方向のGDSパターンとを用いて算出する。y方向の位置ズレ量は、採取された指紋画像のx方向のGDSパターンと基準指紋画像のx方向のGDSパターンとを用いて算出する。
【0027】
2つのGDSパターンを用いた位置ズレの算出は、まず、一方のGDSパターンを他方のGDSパターンに対して走査線方向に複数の位置にずらし、各位置で2つのGDSパターンの相違度を算出する。
算出された相違度の例が、図8(a)に示されている。図8(a)では、相違度(本実施例では、距離dist)を縦軸とし、2つのGDSパターンのずらし量(本実施例では、ズレ幅wd)を横軸としている。
一方のGDSパターンに対する他方のGDSパターンのズレ幅wdは、所定の範囲内となるように適宜設定される(図8(b)参照)。本実施例では、ズレ幅wdが−30走査線〜+30走査線の範囲内となるように設定される。この範囲内に、距離distを算出する位置が設定される。本実施例では、2走査線おきに設定される。設定された各ズレ幅について、2つのGDSパターンの距離distが算出される。
各ズレ幅について距離distが算出されると、それら算出された距離distの最小値を決定する。距離distが最小となるときは、2つの指紋画像の中心が一致するときであるから、そのときのズレ幅wdを2つの指紋画像の位置ズレ量と決定する。すなわち、同一指に係る2枚の指紋画像の指の中心がずれていれば、これらの指紋画像から抽出した2つのGDSパターンの距離distは大きく、逆に、指の中心が一致していれば2つのGDSパターンの距離distは小さくなる。このため、距離distが最小となるズレ幅が2つのGDSパターンの位置ズレ量と決定できる。図8(a)では、+16走査線の位置が比較する2つのGDSパターン(図8(b)のパターン1とパターン2)の位置ズレ量となる。
なお、x方向の位置ズレ量を求める手順とy方向の位置ズレ量を求める手順は、比較するGDSパターンが異なるだけで手順自体は同様となる。
【0028】
なお、上述したズレ幅を算出する際に算出される距離distは、以下の手順で算出される。既に説明したように、GDSパターンは走査線(i番目)とチャンネル(ch)毎にその強度GDS(i,ch)が算出されている。ステップS10で採取された指紋画像のGDSパターンの強度をGDSt(i,ch)とし、登録されている基準指紋画像のGDSパターンの強度をGDSi(i,ch)とすると、距離distは次の式で算出される。
dist=ΣΣ|GDSt(i,ch)−GDSi(i,ch)|
また、一方のGDSパターンを他方のGDSパターンに対してズレ幅wdだけずらしたときの距離を算出するには、比較する二つのGDSパターンの中心が所定のズレ幅wdだけずれるように走査線(i番目)の値を修正すれば良い。
なお、本実施例では、x方向のGDSパターンについて算出した距離(distx)の最小値とy方向のGDSパターンについて算出した距離(disty)の最小値の和を、2つの指紋画像が同一であるか否かを判定する評価値としている。したがって、本実施例では、2つの指紋画像の位置ズレ量と同一性の判定が同一の特徴情報を用いて判定される。
【0029】
ステップS18では、ステップS14で算出された位置ズレ量が予め設定された範囲内か否かを判定する。本実施例では、2枚目以降に登録する指紋画像については、基準指紋画像に対して予め設定された位置関係となるよう指紋採取面への指置き位置を指示するためである。
図9には同一指から採取されて登録される各指紋画像の中心の位置関係が模式的に示されている。図9に示すように、基準指紋画像の中心点は原点(0,0)であり、2番目の指紋画像の中心点は原点から+x方向にずれた所定範囲に設定され、3番目の指紋画像の中心点は原点から+y方向にずれた所定範囲に設定され、4番目の指紋画像の中心点は原点から−x方向にずれた所定範囲に設定され、5番目の指紋画像の中心点は原点から−y方向にずれた所定範囲に設定される。このため、何番目に登録された指紋画像かによって、その中心点の位置が異なることとなる。このように本実施例では、積極的に登録指紋画像の中心をばらつかせることで、指紋照合時に採取される指紋画像のバラツキを吸収するようにしている。
なお、各指紋画像の中心をずらしすぎると、登録される指紋画像の同一性が保たれないため、各指紋画像の同一性が保たれる範囲内でずらしている。
【0030】
ステップS14で算出された位置ズレ量が予め設定された範囲とならない場合〔ステップS18でNO〕には、指紋採取面への指置き位置の変更が指示される(S24)。
指置き位置の変更に際しては、指置き位置の移動方向があわせて指示される。
例えば、指紋画像の中心を+x方向に移動させなければならないときは、指置き位置を+x方向に移動するよう指示する。また、指紋画像の中心を+x方向と+y方向にも動かさなければならないときは、指置き位置を斜め上方向(+x方向と+y方向)に移動させることを指示する。移動方向の指示は、音声やディスプレイ等を用いて行われる。
指置き位置の移動方向が指示されるとステップS10に戻って、ステップS10からの処理が行われる。したがって、利用者がステップS24で指示された方向に指置き位置を変更すれば、再びステップS10により指紋画像が採取され、その後の処理が繰返される。このため、採取される指紋画像が基準指紋画像に対して設定された位置関係となるまで、指紋画像の採取と指置き位置の移動の指示が繰返されることとなる。
【0031】
ステップS14で算出された位置ズレ量が設定された範囲となる場合〔ステップS18でYES〕には、その採取された指紋画像を特徴情報記憶部26に登録する(S20)。具体的には、採取された指紋画像から抽出されたGDSパターンを識別番号とともに特徴情報記憶部26に登録する。
【0032】
ステップS22では、指紋画像が規定枚数Kだけ登録されたか否かを判定する。指紋画像が規定枚数だけ登録されている場合〔ステップS22でYES〕はそのまま登録処理を終了し、指紋画像が規定枚数だけ登録されていない場合〔ステップS22でNO〕はステップS10に戻って処理が繰返される。これによって、利用者の同一指から規定枚数Kだけ指紋画像が採取され、特徴情報記憶部26に記憶される。以上の動作が、指紋登録時における指紋照合装置の動作である。
【0033】
上述の説明から明らかなように、本実施例では、同一登録人の同一指から採取される複数の指紋画像は、指紋画像毎にその指紋画像の中心点が他の指紋画像の中心点に対してずらされている。このため、指紋照合時に指紋採取面への指置き位置にバラツキが生じても、登録されている指紋画像もそれぞれずれているため、指紋照合時の指置き位置のバラツキをある程度吸収することができる。
【0034】
つぎに、“指紋照合時”における指紋照合装置の動作を、図6及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、指紋照合を行う場合は、利用者(すなわち、識別対象者)は入力部24に設けられた指紋照合ボタンを操作し、制御部22に指紋照合を行うことを指示する(S01)。入力部24の指紋照合ボタンが操作されると、ステップS03の照合処理が開始される。
【0035】
ステップS03の照合処理の手順を図10に示している。照合処理に進むと、まず、制御部22は指紋画像採取処理を開始する(S30)。この指紋画像採取処理は、図7のステップS10の指紋画像採取処理と同一の処理である。
次に、ステップS30で採取された指紋画像と照合する登録指紋画像を、登録されている複数の指紋画像の中から1つ選択する(S32)。指紋画像を選択する順番は、設計者によって適宜設定することができる。図5に示すように登録者(A1氏〜AN氏)毎にK枚の指紋画像(1組のGDSパターン)が特徴情報記憶部26に登録されている場合は、たとえば、A1氏の1番目の指紋画像(すなわち、基準指紋画像)から順に選択するように設定する。すなわち、まず、A1氏の1番目の指紋画像を選択し、順に2番目以降の指紋画像を選択する。A1氏の指紋画像の全てが選択されると、次にA2氏の指紋画像を選択し、以下順にAN氏の指紋画像まで全ての指紋画像を選択する。これにより全ての指紋画像が漏れなく選択される。なお、登録指紋画像を選択する方法としては、ID番号等により特定された1のユーザについて登録された指紋画像のみを選択するようにしてもよい。この場合は、まず、指紋照合を行うユーザ(たとえば、Ai氏)は自己のID番号を入力する。そして、そのID番号で特定されるユーザ(Ai氏)の登録指紋画像のみを選択する。選択する順序は、1番目の登録指紋画像(すなわち、基準指紋画像)から順に選択することができる。
【0036】
ステップS34では、ステップS30で採取された指紋画像のGDSパターンとステップS32で選択された指紋画像のGDSパターンを照合することで、距離distx,distyの最小値と、距離distx,distyが最小値をとるときのズレ幅wdx,wdy(すなわち、位置ズレ量wdxmin,wdymin)を算出する。距離distx,disty並びに位置ズレ量wdxmin,wdymiinの算出方法は、指紋登録時のステップS14の処理と同様である。算出された距離distx,distyの最小値と、位置ズレ量wdxmin,wdyminはメモリに記憶される。
ステップS36では、ステップS30で採取された指紋画像と照合対象となる登録指紋画像の全てについて距離distx,disty及び位置ズレ量wdxmin,wdyminを算出したか否かを判定する。
照合対象となる登録指紋画像の全てについて算出されている場合〔ステップS36でYES〕はステップS38に進み、登録されている指紋画像の全てについて算出されていない場合〔ステップS36でNO〕はステップS32に戻る。これによって、登録されている全ての指紋画像と採取された指紋画像との照合が行われ、登録指紋毎に距離distx,distyの最小値と、位置ズレ量wdxmin,wdyminが算出される。
【0037】
ステップS38では、登録指紋画像毎に算出された距離distx,distyの最小値から最も類似する登録指紋画像を決定する(S38)。具体的には、登録指紋画像毎に算出されたdistx,distyの最小値を次の式に代入し、2つのGDSパターンの総合的な距離(distx,y)を算出する。
distx,y=wx・distx+(1−wx)・disty
ここで、wxは、指紋画像の同一性判定に対するx方向の距離distxとy方向の距離distyの寄与度を評価するための重み付けである。すなわち、指紋画像では一般的にy方向よりx方向の走査線の方が交差する指紋隆線の数が多くその濃度波形は複雑となるため、x方向に関して抽出されたGDSパターンの方がより多くの識別情報が含まれると考えられる。したがって、識別情報が多く含まれているx方向に重み付けwxをする一方でy方向には重み付け(1−wx)をし、その和をとることで2つのGDSパターンの総合的な距離(distx,y)を算出している。
そして、上述の手順で全ての登録指紋画像について総合的な距離(distx,y)が算出されると、その距離(distx,y)が最小値となる登録指紋画像を決定する。
【0038】
次に、ステップS38で決定された登録指紋画像と採取された指紋画像との総合的な距離(distx,y)が閾値以内となるかを判定する(S40)。
総合的な距離(distx,y)が閾値以内となる場合〔S40でYES〕は、採取された指紋画像とステップS38で決定された登録指紋画像とが同一であると判定される(S46)。これによって、扉等が開放され、指紋入力者の入室が許可される。
【0039】
一方、総合的な距離(distx,y)が閾値を超える場合〔S40でNO〕は、その登録指紋画像と採取された指紋画像との位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲内か否かを判定する(S42)。具体的には、ステップS30で採取された指紋画像のGDSパターンとステップS38で決定された登録指紋画像のGDSパターンの位置ズレ量wdxmin,wdyminから総合位置ズレ量wdx,yを算出する。次いで、算出された総合位置ズレ量wdx,yが予め設定された閾値を超えるか否かを判定する。総合位置ズレ量wdx,yが閾値を超える場合は指紋画像の位置ズレが許容範囲内にないと判定し、総合位置ズレ量wdx,yが閾値以内となる場合は指紋画像の位置ズレは許容範囲内にあると判定する。
なお、総合位置ズレ量wdx,yは、x方向の位置ズレ量wdxminとy方向の位置ズレ量wdyminとを、三平方の定理により合成して算出される。
wdx,y=√(wdxmin 2+wdymin 2)
【0040】
位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲内と判定されると〔ステップS42でYES〕、位置ズレ量が許容範囲内であっても総合距離(distx,y)が閾値を超えたこととなるため、指紋入力者は登録者ではないと判定され照合NGとなる(S48)。これによって、ブザー等が鳴り入室が禁止される。
【0041】
一方、位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲を超えていると〔ステップS42でYES〕、総合距離(distx,y)が閾値を超えた原因が指置き位置が不適切であった可能性があるため、指置き位置を移動するよう指示を出力する(S44)。具体的には、ステップS38で決定された位置ズレ量wdxmin,wdyminが0となる方向に指置き位置を移動させるよう指示する。例えば、wdxminが+方向でwdyminが+方向にズレている場合は、指置き位置を−x方向で、かつ、−y方向に移動させるよう指示する。すなわち、指置き位置を斜め下方に移動させるよう指示する。指置き位置の指示は、指紋登録時のステップS24と同様に、音声やディスプレイ等を用いて行われる。
指置き位置が指示されると、ステップS30に戻ってステップS30からの処理が行われる。したがって、利用者は指示された方向に指置き位置を変更し、再びステップS30からの処理が行われる。
【0042】
したがって、本実施例においては、指置き位置が不適切であるために照合NGとなる場合は、適切な指置き位置への移動が指示され、登録者である指紋入力者が登録者でないと判断されて照合NGとなることを防止することができる。
また、本実施例においては、指紋の同一性判定にスペクトルパターンを用いることで、同一性判定のための距離distと位置ズレ量wdが同一の計算によって算出される。このため、指紋照合装置の計算量を少なくすることができる。
また、識別対象者の指紋画像と登録された指紋画像との同一性判定を行った後に、同一性を満たさないものについてだけ位置ズレ量が許容範囲内か否かが判断される。このため、位置ズレ量が許容範囲を超えていても同一であると判断される場合は、指置き位置の移動が指示されることはなく、利用者に煩わしい思いをさせることが防止できる。
【0043】
以上、本発明の好適な一実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
(1)上述した実施例では、2つのGDSパターンから距離distの最小値を算出するために、一方のGDSパターンを所定のズレ幅範囲内(−30走査線〜+30走査線)を2走査線おきに移動させてそれぞれ距離distを算出し、これによって最小となる距離distminと位置ズレ量wdminを求めた。しかしながら、最小となる距離distminと位置ズレ量wdminの算出は、種々の方法により算出することができる(例えば、特開2002−150289号)。
例えば、所定のズレ幅範囲内(−30走査線〜+30走査線)を大きな移動幅(例えば、6走査線)で移動させて、距離distとズレ幅wdの関係をおおまかに求める。この探索によって、距離distが最小値となるズレ幅の範囲内を絞り込み、この絞り込んだ範囲内で距離distが最小となる位置を算出するようにしても良い。これによって、照合時の計算量を減少させることができる。
【0044】
(2)また、指紋登録時のステップS14で算出される基準指紋画像とそれ以外の登録指紋画像(以下、通常指紋画像という)とのズレ幅を用いて指紋照合時の計算量を少なくすることもできる。すなわち、指紋登録時に、通常指紋画像毎に、その通常指紋画像と基準指紋画像とのズレ幅を別途記憶する。
指紋照合時には、まず、基準指紋画像と採取された指紋画像の最小距離と位置ズレ量を算出する。次に、記憶されている位置ズレ量(基準指紋画像と通常指紋画像)と算出された位置ズレ量(基準指紋画像と採取された指紋画像)を用いて、通常指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を予測する。そして、予測された位置ズレ量となる近辺で距離distの最小値を探索し、その結果から最小距離distminと位置ズレ量wdminを求める。
ここで、基準指紋画像と通常指紋画像の位置ズレ量と、基準指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を用いて、通常指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を算出できる理由を、図11を用いて説明する。図11において、指紋画像1は識別対象者の指紋画像であり、指紋画像2は基準指紋画像であり、指紋画像3は通常指紋画像であるとする。ここで、指紋画像2,3は、同一人の同一指から採取された指紋画像であって、その中心のみが図中横方向にずれていることとする。また、指紋画像1に対する指紋画像2の位置ズレ量は−wd1であり、指紋画像2に対する指紋画像3の位置ズレ量は+wd2であるとする(図中、右側を+の方向としている。)。図11では、各指紋画像1〜3のズレを補正して、各指紋画像1〜3の中心が一致した状態を示している。
図11から明らかなように、指紋画像3の指紋中心を指紋画像2の指紋中心に一致させるためには、指紋画像3を+wd2だけ移動させなければならない。また、この状態から指紋画像3の指紋中心を指紋画像1の指紋中心と一致させるためには、指紋画像2と指紋画像1のズレ幅−wd1だけ移動させなければならない。したがって、指紋画像1から見た指紋画像3のズレ幅は−wd1+wd2となって、結局、そのズレ幅は「指紋画像1から見た指紋画像2のズレ幅」と、「指紋画像2から見た指紋画像3のズレ幅」を足し合わせたものとなる。したがって、通常指紋画像については最小距離となるときのズレ幅wdの範囲を絞り込むことができる。
【0045】
(3)上述した実施例では、図10の照合処理のステップS34においては、GDSパターンの全部を用いて最小距離distminと位置ズレ量wdminを算出したが、次のように算出することもできる。
まず、ステップS34の処理においては、GDSパターンの一部(例えば、x方向のGDSパターンのみ又はy方向のGDSパターンのみ)を用いて距離とズレ幅の算出を行う。この処理によって、登録者の数を絞り込む。次に、絞り込んだ登録者のGDSパターンの全体と採取した指紋画像のGDSパターンの全体とから、再び最小となる距離と位置ズレ量を算出する。そして、算出された距離と位置ズレ量を用いてステップS38を行うようにすれば良い。このような方法によっても、計算量を少なくすることができる。
【0046】
(4)上述した実施例では、指紋画像から抽出したGDSに基づいて指紋画像の照合を行ったが、本発明はこれ以外にも各種周波数変換処理により得られたスペクトル(FFTスペクトル、DFTスペクトル、LPCスペクトル等)に基づいて指紋画像の照合を行うようにしても良い。また、周波数変換して得られたスペクトルの対数スペクトルを波形信号と見なしてフーリエ逆変換を行うことにより得られるケプストラムに基づいて指紋画像の照合を行っても良い。
【0047】
(5)上述した実施例では、指置き位置が適切な位置となるように指を移動させる方向を指示したが、さらには、指の移動量まで指示するようにしてもよい。
例えば、図13に示すように、指置き位置の移動方向(上方向)と移動量(約3mm)をディスプレイに表示するようにしてもよい。指の移動方向と移動量が指示されることで、利用者はより容易に適切な位置に指を置くことができる。
また、指の移動量の指示は、図13のように具体的な数値で行うのではなく、例えば、図14に示すようにその表現を変えることによって行うこともできる。
図14に示す例では、指の移動量が所定の閾値(例えば、4mm)以内であれば同図(a)に示すように「指を少し上に置いて下さい」と表示し、指の移動量が所定の閾値を越えると同図(b)に示すように「指を上に置いて下さい」と表示する。このような態様によっても、利用者はどの程度指を移動させればよいか(すなわち、指の移動量)を知ることができる。
なお、指の移動方向と移動量の両者を指示する場合、例えば、図15,16に示すようにベクトルを用いることもできる。すなわち、指の移動方向をベクトルの向きで表し、指の移動量をベクトルの大きさで表す。このような方法によると、利用者は指を移動させるべき位置を視覚的に捉えることができる。
【0048】
(6)上述した実施例では、x方向,y方向についての位置ズレを調整するように指置き位置の移動方向等を指示した。しかしながら、指置き位置の修正の指示は、指の回転方向について行ってもよい。すなわち、図17に示すように、現在の指の位置(同図において内部を塗潰した楕円)と適切な指の位置(同図において点線で描かれた楕円)を表示する。これによって、利用者に指を移動させるべき方向(x,y方向)、その距離並びに回転方向を指示することができる。
なお、指の回転方向のズレ量は種々の方法で算出することができる。例えば、指紋画像を指紋が写っている指紋領域と、それ以外の背景領域に分類する。次いで、指紋領域と背景領域の境界線(すなわち、指紋領域の輪郭線)を楕円に近似する。そして、近似された楕円について長軸の傾きを求め、その求めた傾きを指紋画像の傾きとする。そして、比較する2つの指紋画像の傾きの差を回転方向のズレ量とする(特開2001−76145号公報)。
あるいは、指紋画像から回転方向にスペクトルパターンを抽出し、2つの指紋画像の回転方向のスペクトルパターンを移動照合することで回転方向のズレ量を算出してもよい。
【0049】
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】指紋画像採取部で採取された指紋画像のデータ構成を説明するための図である。
【図3】採取された指紋画像、その指紋画像から抽出されたGDSパターン及び一走査線上の濃度値変化の一例を示す図である。
【図4】一走査線上の濃度値変化から得られたGDSパターンの一例を示す図である。
【図5】特徴情報記憶部へのGDSパターンの格納方法と、採取された指紋画像から抽出されたGDSパターンと特徴情報記憶部に記憶されているGDSパターンとの照合方法を模式的に示す図である。
【図6】指紋登録及び指紋照合時の処理を示すフローチャートである。
【図7】登録処理を示すフローチャートである。
【図8】照合する二つのGDSパターンの最小相違度と、その最小相違度となるときのズレ幅を算出する手順を説明するための図である。
【図9】同一人から複数の指紋画像を登録する際の、各指紋画像の中心の位置関係を模式的に示す図である。
【図10】照合処理を示すフローチャートである。
【図11】指紋画像1と指紋画像2のズレ幅と指紋画像2と指紋画像3のズレ幅が既知のときに、指紋画像1と指紋画像3のズレ幅を算出できることを説明するための図である。
【図12】指紋採取面の面積が小さくなったときの問題を模式的に表現した図である。
【図13】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の一態様を示す図である。
【図14】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図15】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図16】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図17】指置き位置を移動させる距離、方向(x,y方向)並びに回転方向を指示する際にディスプレイに表示される画面の一態様を示す図である。
【符号の説明】
10・・指紋画像採取部
12・・A/D変換部
14・・特徴情報抽出部
16・・指紋照合部
18・・指紋登録部
20・・指置き位置指示部
22・・制御部
24・・入力部
26・・特徴情報記憶部
【発明の属する技術分野】本発明は、登録されている指紋画像と識別対象者から採取した指紋画像とを照合することで識別対象者が登録者であるか否かを判定する指紋照合技術に関する。
【0002】
【従来の技術】個人識別を行う装置の1つとして指紋照合装置が知られている。指紋照合装置は、指紋画像を採取する指紋採取部を備える。指紋採取部には指紋採取面が設けられており、指紋採取面に指が押し付けられて指紋画像が採取される。採取される指紋画像は、指紋隆線部分と指紋谷線部分とで明暗(濃度)が異なる。このため、採取された指紋画像から指紋隆線のパターンが得られ、これによって個人識別が可能となる。
この指紋照合装置では、予め登録者の指紋画像が登録される。指紋照合時には識別対象者から指紋画像を採取し、その採取した指紋画像と登録されている指紋画像とが照合される。照合の結果、2つの指紋画像が同一と判定されると識別対象者は登録者であると判定される。一方、2つの指紋画像が異なると判定されると識別対象者は登録者ではないと判定される。
【0003】
登録されている指紋画像と識別対象者から採取した指紋画像とを照合する場合、2つの指紋画像の少なくとも一方が不適切なものであると、同一指から採取された指紋画像であっても同一とは判定されないことがある。例えば、指紋採取面への指の押付け圧力が不十分であると、指紋隆線部分がかすれた指紋画像となる。一方、指紋採取面への指の押付け圧力が強過ぎると、指紋隆線部分が潰れた指紋画像となる。これらの指紋画像からは指紋隆線のパターンを明確に得ることができず、同一指から採取された2つの指紋画像であっても異なるものと判定されることとなる(すなわち、照合不良が発生する)。そこで、このような照合不良が発生した際に適切な対応を採り易くするため、特許文献1に開示された技術が提案されている。
この公報に記載の技術では指紋が採取されると、まず、採取された指紋画像の品質が判定される。例えば、指紋画像内の指紋部分の面積が所定の閾値より小さい場合には、指紋採取面への指の押付け圧力が不足していて指紋画像に充分な個人識別情報が含まれていない(すなわち、品質不良)と判定する。次に、判定によって品質が不良であるとされた場合は、その原因や対策を表示する。例えば、指紋部分の面積が不十分な場合は、指紋採取面への指の押付け圧力を増加するよう表示する。したがって、この表示に基づいて利用者は指紋採取面への指の置き方を修正するため、適切な指紋画像が採取され照合不良の発生が防止される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−167268号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、指紋照合装置は小型化される傾向にある。指紋照合装置の小型化に伴い、指紋採取面の面積も小さくなる傾向にある。指紋採取面の面積が小さくなると、指紋採取面への指置き位置が採取される指紋画像に大きな影響が与えるようになる。すなわち、図12に模式的に示すように、指紋より指紋採取面の面積が小さい場合、採取される指紋画像は指紋全体では無くその一部となる。このため、図12(a)に示す指置き位置Aに指を置いたときに採取される指紋画像A(図12(c)参照)と、図12(b)に示す指置き位置Bに指を置いたときに採取される指紋画像B(図12(d)参照)とは大きく異なることとなる。したがって、指紋採取面への指置き位置の違いによって照合不良が発生することとなる。
しかしながら、上述した従来技術では、指紋採取面の小面積化に対応できる技術ではなかった。すなわち、従来技術は、指紋画像の濃度、指紋部分の面積等により指紋画像の品質を判断するだけで、指紋採取面への指置き位置の位置ズレによって指紋画像の品質を判断するものではなかった。このため、指紋採取面への指置き位置が不適切な場合でも、指紋画像の濃度や面積が十分であれば指紋画像の品質が不良であると判断されることは無く、その結果、指置き位置のずれによる照合不良に対応することができないのである。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、指紋採取面への指置き位置の違いによる照合不良に対応することができる指紋照合技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用と効果】上記課題を解決するため、本願発明に係る指紋照合方法は、識別対象者から採取した指紋画像と登録されている指紋画像とを照合することで識別対象者が登録者であるか否かを判別する指紋照合方法であって、以下の工程を有する。
指紋画像採取工程は、指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。
スペクトルパターン抽出工程は、採取された指紋画像を所定の方向に延びる複数の走査線に分解し、走査線毎にその走査線上の濃度値変化を時経列信号とみなして周波数解析を行うことでスペクトルパターンを抽出する。
第1決定工程は、登録指紋画像から抽出されたスペクトルパターンに対して抽出工程で抽出されたスペクトルパターンを予め設定された複数の位置にずらし、各位置における両スペクトルパターンの相違度をそれぞれ算出することで最小相違度と最小相違度となるときの両スペクトルパターンの位置ズレ量を決定する。
第2決定工程は、第1決定工程で決定された最小相違度と予め設定された照合用閾値とを比較し、識別対象者が登録者か否かを決定する。
第3決定工程は、第2決定工程で識別対象者が登録者でないと決定されたときに第1決定工程で決定された位置ズレ量と予め設定された位置ズレ許容閾値とを比較し、位置ズレ量が許容範囲内か否かを決定する。
指示工程は、第3決定工程で位置ズレ量が許容範囲内にないと決定されたときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する。
【0008】
この指紋照合方法では、識別対象者の指紋画像から抽出されたスペクトルパターンと登録されている指紋画像のスペクトルパターンとの相違度によって同一人か否かの判定を行う。相違度の算出の際には、一方のスペクトルパターンを他方のスペクトルパターンに対して複数の位置にずらし、各位置において相違度が算出される。ここで、2つのスペクトルパターンが同一指の指紋画像から採取されたものであれば、相違度が最小となるときに2つのスペクトルパターンの位置ズレが補正されていると考えられる。したがって、算出された相違度の最小値により2つのスペクトルパターンが同一か否かを判定し、かつ、相違度が最小値となるときの位置ズレ量によって2つのスペクトルパターン(すなわち、2つの指紋画像)の位置ズレ量が適切か否かを判定することができる。
そこで、最小相違度と位置ズレ量が決定されると、まず、最小相違度と照合用閾値とを比較することで2つの指紋画像が同一か否かを判定する。最小相違度が照合用閾値を超え2つの指紋画像が同一ではないと判定されると、位置ズレ量と位置ズレ許容閾値とを比較することで、2つの指紋画像の位置ズレ量が許容範囲内か否かを判定する。位置ズレ量が許容範囲内に無い場合は、2つの指紋画像が同一でないと判定された原因が指紋採取面への指置き位置の可能性がある。このため、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示が出力される。
したがって、この指紋照合方法では、指紋画像が同一でないと判定され、かつ、指紋画像の位置ズレが許容範囲を超えるときは、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示が出力される。このため、識別対象者が指紋採取面への指置き位置を変更し、適切な指置き位置で指紋画像が採取されて照合が行われる。これによって、指置き位置のズレによる照合不良が解消される。
なお、上記「採取工程」において指紋画像を採取する方法としては、種々の方法を採ることができ、例えば、光学方式(光路分離方式、全反射方式を含む)や非光学方式(半導体指紋リーダを用いた方式)を用いることができる。
【0009】
前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動方向を指示することが好ましい。
このような構成によると、利用者は指示された移動方向に指置き位置を修正すれば良いため、容易に指紋採取面の適切な位置に指を置くことができる。
【0010】
また、前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動量を指示するようにしてもよい。
このような構成によると、指置き位置(すなわち指)の移動量が指示されるため、利用者はより容易に指紋採取面の適切な位置に指を置くことができる。
なお、移動量の指示方法は、具体的な数値によって行ってもよいし、その表現(例えば、「少し動かす」「大きく動かす」等)を変えることによって行ってもよい。さらには、指の移動方向とその移動量をベクトルを用いて指示するようにしてもよい。
【0011】
さらに、前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の回転方向を指示するようにしてもよい。
このような構成によると、指置き位置(すなわち指)の回転方向が指示されることによって、登録指紋画像と採取した指紋画像の回転ズレが補正される。したがって、指紋照合精度をより高めることができる。
【0012】
また、指紋照合装置の中には、照合率を向上させるために、登録者の同一指から採取した指紋画像を複数登録し、指紋照合時に識別対象者から採取した指紋画像と登録した複数の指紋画像を照合する装置がある。かかる種類の指紋照合装置では、同一指の指紋画像として登録される複数の指紋画像間の位置ズレが大きすぎると、他人を登録者であると判断する誤照合が生じ易くなる。すなわち、既に説明したように指紋画像間の位置ズレが大きいと同一指から採取した指紋画像であっても異なる指紋画像と判断される可能性が高くなり、その結果、他人を登録者と判定するという誤照合の可能性も高くなるのである。
このような問題を解決するため、本願発明に係る指紋画像の登録方法は、登録者の同一指から採取された複数の指紋画像を登録し、指紋照合時に識別対象者から採取した指紋画像と登録されている複数の指紋画像を照合することで識別対象者が登録者か否かを判別する指紋照合装置において、同一登録者から複数の指紋画像を登録する方法であって、以下の各工程を有する。
第1採取工程は、指紋採取面に置かれた指から基準となる指紋画像を採取する。第1登録工程は、第1採取工程で採取された指紋画像を登録する。
第2採取工程は、第1登録工程後に指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する。演算工程は、第1登録工程で登録された基準指紋画像と第2採取工程で採取された指紋画像の位置ズレ量を演算する。指示工程は、位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内とならないときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する。第2登録工程は、位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内となるときに、採取された指紋画像を登録する。
この指紋登録方法では、まず、基準となる指紋画像が登録される。基準指紋画像の登録後に指紋画像を登録する際は、基準指紋画像との位置ズレ量が所定の範囲内となるよう指置き位置が指示され、位置ズレ量が所定の範囲内となる指紋画像のみが登録される。したがって、同一指から採取されて登録される指紋画像の位置ズレが一定の範囲に抑えられるため、照合不良の発生を防止することができる。
なお、2つの指紋画像の位置ズレ量を算出する方法としては、種種の方法を用いることができ、例えば、原画像パターンマッチングや、方向コードマッチングや、マニューシャマッチングや、スペクトルパターンマッチング等を用いることができる。
【0013】
上記指紋画像の登録方法においては、第2採取工程から第2登録工程までを繰り返すことで複数の指紋画像が登録され、前記指示工程では、それら登録された複数の指紋画像の基準指紋画像に対する位置ズレ量が指紋画像毎に異なるように、指紋採取面への指置き位置の変更が指示されることが好ましい。
このような構成では、基準指紋画像の登録後に登録される指紋画像は、指紋画像毎に基準指紋画像に対して異なる位置ズレ量を有する。このため、指紋照合時に利用者の指置き位置がばらついても、採取された指紋画像と位置ズレ量の少ない指紋画像が少なくとも1つは登録されている可能性が高くなる。したがって、指紋照合時に登録者を登録者でないと判断する誤照合の発生を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】上述した請求項に記載の発明は、下記に示す各形態で好適に実施することができる。
(形態1) 上述した各請求項に記載の方法では、半導体指紋リーダによって指紋画像が採取される。
(形態2) 請求項1〜4のいずれかに記載の指紋照合方法では、指紋画像のスペクトルパターンをX方向とY方向の2方向に関して抽出される。
(形態3) 形態2に記載の指紋照合方法では、X方向のスペクトルパターンについて算出した相違度とY方向のスペクトルパターンについて算出した相違度とを用いて最小相違度が算出される。
(形態4) 形態2に記載の指紋照合方法では、X方向のスペクトルパターンについて算出した相違度から求められるY方向の位置ズレ量と、Y方向のスペクトルパターンについて算出した相違度から求められるX方向の位置ズレ量とが算出される。
(形態5) 形態4に記載の指紋照合方法では、X方向とY方向について算出した各位置ズレ量に基づいて指置き位置の移動方向が指示される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る指紋照合装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、指紋照合装置は、指紋を撮影して画像信号を出力する指紋画像採取部10と、その画像信号を指紋画像データに変換するA/D変換部12と、A/D変換された指紋画像データから特徴情報を抽出する特徴情報抽出部14と、抽出された特徴情報を特徴情報記憶部26へ登録する指紋登録部18と、指紋画像採取部10で採取した指紋画像と登録されている指紋画像との同一性を判定する指紋照合部16と、指紋画像採取部10への指置き位置が不適切な場合に指置き位置の移動を指示する指置き位置指示部20と、登録や照合等の動作を制御する制御部22と、登録か照合かの動作を選択するためのキー等を配設した入力部24とを備える。
【0016】
指紋画像採取部10には、光学式指紋スキャナ(あるいは、電界強度方式の半導体指紋リーダ等)が装備される。この指紋スキャナには指紋採取面(プリズム)が設けられ、指紋採取面に指が押圧されるようになっている。指紋採取面に指が押圧されると、指紋隆線部分では指が指紋採取面に直接接触し、指紋谷線部分では指と指紋採取面との間に隙間が形成される。この状態でプリズムの裏面から指紋採取面に向かって光が照射されると、指紋隆線部分では指の表面の水分によって光が乱反射し、指紋谷線部分では光が全反射する。このため、指紋隆線部分と指紋谷線部分とでは指紋採取面から反射する光の強度(明暗)が異なり、この明暗の相違から指紋画像を撮影する。撮影された指紋画像(指紋隆線の濃淡画像)は、所定時間毎(例えば、数百ms)に同軸ケーブルを介してA/D変換部12に伝送される。
なお、指紋画像を採取する装置としては、上述した光学式指紋スキャナには限られない。例えば、静電容量式の半導体指紋リーダや熱検知方式の半導体指紋リーダを用いることもできる。
【0017】
A/D変換部12は、指紋画像採取部10から伝送されて来る画像信号をA/D変換して指紋画像データ(二次元のディジタル濃淡データ)とし、内蔵メモリに格納する。
【0018】
特徴情報抽出部14は、A/D変換部12で変換された画像データから特徴情報を抽出する。特徴情報を抽出する手順について、図2乃至図4に基づいて説明する。ここで、図2はA/D変換部12により変換された後の指紋画像データの構成を説明するための図であり、図3は採取された指紋画像、指紋画像から抽出された特徴情報及び指紋画像データを走査線に分解したときの一走査線上の濃度値変化を示す図であり、図4は走査線上の濃度値変化から求めた群遅延スペクトル(以下、GDSという。)の一例である。
図2に示すように、指紋画像採取部10で採取された指紋画像は、A/D変換部12によってx方向にnドット、y方向にmドットのn×mドットの画像データに変換される。各ドット[座標値(a,b)〔0≦a≦n−1、0≦b≦m−1〕]は、画像信号をA/D変換することで数値化された濃度値データdを有する。各ドットの濃度値データdから特徴情報(本実施例ではGDS)が抽出される。
【0019】
GDSの抽出手順を説明すると、まず、画像データ(n×mドット)をx方向に延びるm本の走査線に分解し、同様にy方向に延びるn本の走査線に分解する。次に、x方向の走査線については、左端点からの距離とその距離にある走査線上の点の濃度値との関係を求める。y方向の走査線についても同様に、上端点からの距離とその距離にある走査線上の点の濃度値との関係を求める。求められた端点からの距離とその濃度値との関係は、図3(b)に示すように、指紋隆線上の点は濃度値が低く(暗く)、指紋谷線上の点は濃度値が高く(明るく)なっている。
次に、x方向とy方向の各走査線について、走査線上の濃度値変化を時系列信号とみなして周波数変換処理を行い、x方向とy方向についてそれぞれGDSパターンを算出する。具体的には、1本の走査線上の濃度値変化を周波数変換処理することで1本のGDSデータが算出される。1本のGDSデータは、図4に示すように周波数チャンネル(ch)〔0≦ch≦15〕毎のGDS強度として算出される。指紋画像データはx方向にm本,y方向にn本の走査線に分解されることから、x方向にm本,y方向にn本のGDSデータが抽出される。したがって、抽出されたGDS強度は、x方向又はy方向の走査線番号(i)と周波数チャンネル(ch)によって決まる関数として定義される。
GDS=GDS(i,ch)
上述した手順で各走査線について求めたGDSデータを、GDS強度の大きさに応じて濃淡を付け(すなわち、GDS強度が大きい部分を濃く、GDS強度が小さい部分を淡くする。)、x方向及びy方向に関してそれぞれ二次元的に表示したGDSパターンの一例が、図3(a)に示す指紋画像の右側方と下方に示されている。すなわち、x方向のm本の走査線から求めたx方向のGDSパターンが指紋画像の右側方に表示され、y方向のn本の走査線から求めたy方向のGDSパターンが指紋画像の下方に表示されている。GDSパターンは、指紋隆線(指紋谷線)の特徴(個人の特徴)によりそのパターンが異なる。このため、本実施例では、GDSパターンの相違度を判定することで、識別対象者から採取した指紋が登録された指紋と同一であるか否かを判断する。
【0020】
特徴情報記憶部26には、特徴情報抽出部14で抽出されたGDSパターンが登録者毎に識別番号等の管理情報とともに記憶されている。
図5は、特徴情報記憶部26への登録用GDSパターンの格納状態を模式的に示す図である。図5に示すように、特徴情報記憶部26には、登録者(A1氏〜AN氏)毎に、各登録者の同一指から採取されたK枚(本実施例では5枚)の指紋画像が登録される。詳細には、各指紋画像からそれぞれ抽出したK個のx方向GDSパターン(X1〜XK)とK個のy方向のGDSパターン(Y1〜YK)が登録される。登録された各GDSパターンは、登録者毎に付与された識別番号と対応付けられている。
このように特徴情報記憶部26には、同一指から採取された複数の指紋画像のGDSパターンが登録される。このため、指紋登録時には複数枚の指紋画像が採取されて登録される。一方、指紋照合時には、識別対象者から採取した指紋画像のから抽出した1組のGDSパターンと登録されているN×K組のGDSパターンが照合される。また、パスワード入力(例えば、識別番号)等により登録人を特定させる場合でも、識別対象者の1組のGDSパターンと、K組の登録されたGDSパターンとがそれぞれ照合される。
【0021】
なお、指紋登録部18、指紋照合部16及び指置き位置指示部20の処理等については、以下に説明する“指紋登録時の動作”及び“指紋照合時の動作”において詳述する。
【0022】
つぎに、上述のように構成される指紋照合装置の“指紋登録時”の動作を、図6及び図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、指紋登録を行う場合は、まず、利用者は入力部24から登録ボタン及び識別番号を入力し、制御部22に指紋登録を行う旨を指示する(S01)。入力部24から登録ボタン及び識別番号が入力されると、ステップS02の登録処理が開始される。
【0023】
ステップS02の登録処理の手順を図7に示している。登録処理に進むと、まず、制御部22は指紋画像採取処理を開始する(S10)。具体的には、制御部22は指紋画像採取部10及びA/D変換部12を作動状態とする。これにより、指紋画像採取部10から所定周期毎に画像信号が出力され、その出力される画像信号はA/D変換部12で画像データに変換される。したがって、指紋採取面に利用者の指が置かれると、置かれた指の指紋画像(画像信号)が指紋画像採取部10から所定周期毎に出力され、A/D変換部12で指紋画像(画像データ)に変換される。
次に、所定周期毎に得られる指紋画像データが安定したか否かが判定される。
すなわち、各周期で得られる指紋画像データの濃度値の時間に対する変化率が一定となるか否かが判定される。指紋画像が安定(つまり、指紋採取面への指の押圧力が安定)したと判定されると、その判定後に採取された指紋画像をメモリに記憶して指紋画像採取処理を終了する。なお、この指紋画像採取処理については、例えば特開平9−274656号に記載の技術を使用することができる。
【0024】
指紋画像採取処理が終了すると、次に、基準指紋画像が登録されているか否かを判断する(S12)。基準指紋画像とは、同一指から複数の指紋画像を登録する際に、各指紋画像の位置関係を規定するときの基準となる指紋画像をいう。本実施例では、1枚目に登録される指紋画像を基準指紋画像とされる。
なお、2枚目以降に登録される指紋画像は、基準指紋画像に対して予め設定された位置関係となるように指置き位置指示部20により誘導される。この点に付いては後述する。
【0025】
基準指紋画像が登録されていない場合〔ステップS12でNO〕には、登録指紋部18はステップS10で採取された指紋画像を基準指紋画像として登録する(S16)。具体的には、採取された指紋画像からGDSパターンを抽出し、その抽出されたGDSパターンを識別番号とともに特徴情報記憶部26に登録する。この際、登録するGDSパターンが基準指紋画像に係るものであることを示す情報をあわせて記憶する。
【0026】
基準指紋画像が登録されている場合〔ステップS12でYES〕には、登録指紋部18はステップS10で採取された指紋画像とステップS16で登録された基準指紋画像との位置ズレ量を算出する(S14)。
ここで、位置ズレ量を算出する手順について図8を用いて説明する。図8は、2つのGDSパターンの相違度と位置ズレ量を算出するための手順を説明するための図である。
指紋画像採取部10で採取される指紋画像は、指紋採取面への指置き位置によって、その中心がx方向及びy方向にずれる。このため、本実施例では指紋画像の位置ズレ量をx方向とy方向の両者について求めている。x方向の位置ズレ量は、採取された指紋画像のy方向のGDSパターンと基準指紋画像のy方向のGDSパターンとを用いて算出する。y方向の位置ズレ量は、採取された指紋画像のx方向のGDSパターンと基準指紋画像のx方向のGDSパターンとを用いて算出する。
【0027】
2つのGDSパターンを用いた位置ズレの算出は、まず、一方のGDSパターンを他方のGDSパターンに対して走査線方向に複数の位置にずらし、各位置で2つのGDSパターンの相違度を算出する。
算出された相違度の例が、図8(a)に示されている。図8(a)では、相違度(本実施例では、距離dist)を縦軸とし、2つのGDSパターンのずらし量(本実施例では、ズレ幅wd)を横軸としている。
一方のGDSパターンに対する他方のGDSパターンのズレ幅wdは、所定の範囲内となるように適宜設定される(図8(b)参照)。本実施例では、ズレ幅wdが−30走査線〜+30走査線の範囲内となるように設定される。この範囲内に、距離distを算出する位置が設定される。本実施例では、2走査線おきに設定される。設定された各ズレ幅について、2つのGDSパターンの距離distが算出される。
各ズレ幅について距離distが算出されると、それら算出された距離distの最小値を決定する。距離distが最小となるときは、2つの指紋画像の中心が一致するときであるから、そのときのズレ幅wdを2つの指紋画像の位置ズレ量と決定する。すなわち、同一指に係る2枚の指紋画像の指の中心がずれていれば、これらの指紋画像から抽出した2つのGDSパターンの距離distは大きく、逆に、指の中心が一致していれば2つのGDSパターンの距離distは小さくなる。このため、距離distが最小となるズレ幅が2つのGDSパターンの位置ズレ量と決定できる。図8(a)では、+16走査線の位置が比較する2つのGDSパターン(図8(b)のパターン1とパターン2)の位置ズレ量となる。
なお、x方向の位置ズレ量を求める手順とy方向の位置ズレ量を求める手順は、比較するGDSパターンが異なるだけで手順自体は同様となる。
【0028】
なお、上述したズレ幅を算出する際に算出される距離distは、以下の手順で算出される。既に説明したように、GDSパターンは走査線(i番目)とチャンネル(ch)毎にその強度GDS(i,ch)が算出されている。ステップS10で採取された指紋画像のGDSパターンの強度をGDSt(i,ch)とし、登録されている基準指紋画像のGDSパターンの強度をGDSi(i,ch)とすると、距離distは次の式で算出される。
dist=ΣΣ|GDSt(i,ch)−GDSi(i,ch)|
また、一方のGDSパターンを他方のGDSパターンに対してズレ幅wdだけずらしたときの距離を算出するには、比較する二つのGDSパターンの中心が所定のズレ幅wdだけずれるように走査線(i番目)の値を修正すれば良い。
なお、本実施例では、x方向のGDSパターンについて算出した距離(distx)の最小値とy方向のGDSパターンについて算出した距離(disty)の最小値の和を、2つの指紋画像が同一であるか否かを判定する評価値としている。したがって、本実施例では、2つの指紋画像の位置ズレ量と同一性の判定が同一の特徴情報を用いて判定される。
【0029】
ステップS18では、ステップS14で算出された位置ズレ量が予め設定された範囲内か否かを判定する。本実施例では、2枚目以降に登録する指紋画像については、基準指紋画像に対して予め設定された位置関係となるよう指紋採取面への指置き位置を指示するためである。
図9には同一指から採取されて登録される各指紋画像の中心の位置関係が模式的に示されている。図9に示すように、基準指紋画像の中心点は原点(0,0)であり、2番目の指紋画像の中心点は原点から+x方向にずれた所定範囲に設定され、3番目の指紋画像の中心点は原点から+y方向にずれた所定範囲に設定され、4番目の指紋画像の中心点は原点から−x方向にずれた所定範囲に設定され、5番目の指紋画像の中心点は原点から−y方向にずれた所定範囲に設定される。このため、何番目に登録された指紋画像かによって、その中心点の位置が異なることとなる。このように本実施例では、積極的に登録指紋画像の中心をばらつかせることで、指紋照合時に採取される指紋画像のバラツキを吸収するようにしている。
なお、各指紋画像の中心をずらしすぎると、登録される指紋画像の同一性が保たれないため、各指紋画像の同一性が保たれる範囲内でずらしている。
【0030】
ステップS14で算出された位置ズレ量が予め設定された範囲とならない場合〔ステップS18でNO〕には、指紋採取面への指置き位置の変更が指示される(S24)。
指置き位置の変更に際しては、指置き位置の移動方向があわせて指示される。
例えば、指紋画像の中心を+x方向に移動させなければならないときは、指置き位置を+x方向に移動するよう指示する。また、指紋画像の中心を+x方向と+y方向にも動かさなければならないときは、指置き位置を斜め上方向(+x方向と+y方向)に移動させることを指示する。移動方向の指示は、音声やディスプレイ等を用いて行われる。
指置き位置の移動方向が指示されるとステップS10に戻って、ステップS10からの処理が行われる。したがって、利用者がステップS24で指示された方向に指置き位置を変更すれば、再びステップS10により指紋画像が採取され、その後の処理が繰返される。このため、採取される指紋画像が基準指紋画像に対して設定された位置関係となるまで、指紋画像の採取と指置き位置の移動の指示が繰返されることとなる。
【0031】
ステップS14で算出された位置ズレ量が設定された範囲となる場合〔ステップS18でYES〕には、その採取された指紋画像を特徴情報記憶部26に登録する(S20)。具体的には、採取された指紋画像から抽出されたGDSパターンを識別番号とともに特徴情報記憶部26に登録する。
【0032】
ステップS22では、指紋画像が規定枚数Kだけ登録されたか否かを判定する。指紋画像が規定枚数だけ登録されている場合〔ステップS22でYES〕はそのまま登録処理を終了し、指紋画像が規定枚数だけ登録されていない場合〔ステップS22でNO〕はステップS10に戻って処理が繰返される。これによって、利用者の同一指から規定枚数Kだけ指紋画像が採取され、特徴情報記憶部26に記憶される。以上の動作が、指紋登録時における指紋照合装置の動作である。
【0033】
上述の説明から明らかなように、本実施例では、同一登録人の同一指から採取される複数の指紋画像は、指紋画像毎にその指紋画像の中心点が他の指紋画像の中心点に対してずらされている。このため、指紋照合時に指紋採取面への指置き位置にバラツキが生じても、登録されている指紋画像もそれぞれずれているため、指紋照合時の指置き位置のバラツキをある程度吸収することができる。
【0034】
つぎに、“指紋照合時”における指紋照合装置の動作を、図6及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、指紋照合を行う場合は、利用者(すなわち、識別対象者)は入力部24に設けられた指紋照合ボタンを操作し、制御部22に指紋照合を行うことを指示する(S01)。入力部24の指紋照合ボタンが操作されると、ステップS03の照合処理が開始される。
【0035】
ステップS03の照合処理の手順を図10に示している。照合処理に進むと、まず、制御部22は指紋画像採取処理を開始する(S30)。この指紋画像採取処理は、図7のステップS10の指紋画像採取処理と同一の処理である。
次に、ステップS30で採取された指紋画像と照合する登録指紋画像を、登録されている複数の指紋画像の中から1つ選択する(S32)。指紋画像を選択する順番は、設計者によって適宜設定することができる。図5に示すように登録者(A1氏〜AN氏)毎にK枚の指紋画像(1組のGDSパターン)が特徴情報記憶部26に登録されている場合は、たとえば、A1氏の1番目の指紋画像(すなわち、基準指紋画像)から順に選択するように設定する。すなわち、まず、A1氏の1番目の指紋画像を選択し、順に2番目以降の指紋画像を選択する。A1氏の指紋画像の全てが選択されると、次にA2氏の指紋画像を選択し、以下順にAN氏の指紋画像まで全ての指紋画像を選択する。これにより全ての指紋画像が漏れなく選択される。なお、登録指紋画像を選択する方法としては、ID番号等により特定された1のユーザについて登録された指紋画像のみを選択するようにしてもよい。この場合は、まず、指紋照合を行うユーザ(たとえば、Ai氏)は自己のID番号を入力する。そして、そのID番号で特定されるユーザ(Ai氏)の登録指紋画像のみを選択する。選択する順序は、1番目の登録指紋画像(すなわち、基準指紋画像)から順に選択することができる。
【0036】
ステップS34では、ステップS30で採取された指紋画像のGDSパターンとステップS32で選択された指紋画像のGDSパターンを照合することで、距離distx,distyの最小値と、距離distx,distyが最小値をとるときのズレ幅wdx,wdy(すなわち、位置ズレ量wdxmin,wdymin)を算出する。距離distx,disty並びに位置ズレ量wdxmin,wdymiinの算出方法は、指紋登録時のステップS14の処理と同様である。算出された距離distx,distyの最小値と、位置ズレ量wdxmin,wdyminはメモリに記憶される。
ステップS36では、ステップS30で採取された指紋画像と照合対象となる登録指紋画像の全てについて距離distx,disty及び位置ズレ量wdxmin,wdyminを算出したか否かを判定する。
照合対象となる登録指紋画像の全てについて算出されている場合〔ステップS36でYES〕はステップS38に進み、登録されている指紋画像の全てについて算出されていない場合〔ステップS36でNO〕はステップS32に戻る。これによって、登録されている全ての指紋画像と採取された指紋画像との照合が行われ、登録指紋毎に距離distx,distyの最小値と、位置ズレ量wdxmin,wdyminが算出される。
【0037】
ステップS38では、登録指紋画像毎に算出された距離distx,distyの最小値から最も類似する登録指紋画像を決定する(S38)。具体的には、登録指紋画像毎に算出されたdistx,distyの最小値を次の式に代入し、2つのGDSパターンの総合的な距離(distx,y)を算出する。
distx,y=wx・distx+(1−wx)・disty
ここで、wxは、指紋画像の同一性判定に対するx方向の距離distxとy方向の距離distyの寄与度を評価するための重み付けである。すなわち、指紋画像では一般的にy方向よりx方向の走査線の方が交差する指紋隆線の数が多くその濃度波形は複雑となるため、x方向に関して抽出されたGDSパターンの方がより多くの識別情報が含まれると考えられる。したがって、識別情報が多く含まれているx方向に重み付けwxをする一方でy方向には重み付け(1−wx)をし、その和をとることで2つのGDSパターンの総合的な距離(distx,y)を算出している。
そして、上述の手順で全ての登録指紋画像について総合的な距離(distx,y)が算出されると、その距離(distx,y)が最小値となる登録指紋画像を決定する。
【0038】
次に、ステップS38で決定された登録指紋画像と採取された指紋画像との総合的な距離(distx,y)が閾値以内となるかを判定する(S40)。
総合的な距離(distx,y)が閾値以内となる場合〔S40でYES〕は、採取された指紋画像とステップS38で決定された登録指紋画像とが同一であると判定される(S46)。これによって、扉等が開放され、指紋入力者の入室が許可される。
【0039】
一方、総合的な距離(distx,y)が閾値を超える場合〔S40でNO〕は、その登録指紋画像と採取された指紋画像との位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲内か否かを判定する(S42)。具体的には、ステップS30で採取された指紋画像のGDSパターンとステップS38で決定された登録指紋画像のGDSパターンの位置ズレ量wdxmin,wdyminから総合位置ズレ量wdx,yを算出する。次いで、算出された総合位置ズレ量wdx,yが予め設定された閾値を超えるか否かを判定する。総合位置ズレ量wdx,yが閾値を超える場合は指紋画像の位置ズレが許容範囲内にないと判定し、総合位置ズレ量wdx,yが閾値以内となる場合は指紋画像の位置ズレは許容範囲内にあると判定する。
なお、総合位置ズレ量wdx,yは、x方向の位置ズレ量wdxminとy方向の位置ズレ量wdyminとを、三平方の定理により合成して算出される。
wdx,y=√(wdxmin 2+wdymin 2)
【0040】
位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲内と判定されると〔ステップS42でYES〕、位置ズレ量が許容範囲内であっても総合距離(distx,y)が閾値を超えたこととなるため、指紋入力者は登録者ではないと判定され照合NGとなる(S48)。これによって、ブザー等が鳴り入室が禁止される。
【0041】
一方、位置ズレ量wdxmin,wdyminが許容範囲を超えていると〔ステップS42でYES〕、総合距離(distx,y)が閾値を超えた原因が指置き位置が不適切であった可能性があるため、指置き位置を移動するよう指示を出力する(S44)。具体的には、ステップS38で決定された位置ズレ量wdxmin,wdyminが0となる方向に指置き位置を移動させるよう指示する。例えば、wdxminが+方向でwdyminが+方向にズレている場合は、指置き位置を−x方向で、かつ、−y方向に移動させるよう指示する。すなわち、指置き位置を斜め下方に移動させるよう指示する。指置き位置の指示は、指紋登録時のステップS24と同様に、音声やディスプレイ等を用いて行われる。
指置き位置が指示されると、ステップS30に戻ってステップS30からの処理が行われる。したがって、利用者は指示された方向に指置き位置を変更し、再びステップS30からの処理が行われる。
【0042】
したがって、本実施例においては、指置き位置が不適切であるために照合NGとなる場合は、適切な指置き位置への移動が指示され、登録者である指紋入力者が登録者でないと判断されて照合NGとなることを防止することができる。
また、本実施例においては、指紋の同一性判定にスペクトルパターンを用いることで、同一性判定のための距離distと位置ズレ量wdが同一の計算によって算出される。このため、指紋照合装置の計算量を少なくすることができる。
また、識別対象者の指紋画像と登録された指紋画像との同一性判定を行った後に、同一性を満たさないものについてだけ位置ズレ量が許容範囲内か否かが判断される。このため、位置ズレ量が許容範囲を超えていても同一であると判断される場合は、指置き位置の移動が指示されることはなく、利用者に煩わしい思いをさせることが防止できる。
【0043】
以上、本発明の好適な一実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
(1)上述した実施例では、2つのGDSパターンから距離distの最小値を算出するために、一方のGDSパターンを所定のズレ幅範囲内(−30走査線〜+30走査線)を2走査線おきに移動させてそれぞれ距離distを算出し、これによって最小となる距離distminと位置ズレ量wdminを求めた。しかしながら、最小となる距離distminと位置ズレ量wdminの算出は、種々の方法により算出することができる(例えば、特開2002−150289号)。
例えば、所定のズレ幅範囲内(−30走査線〜+30走査線)を大きな移動幅(例えば、6走査線)で移動させて、距離distとズレ幅wdの関係をおおまかに求める。この探索によって、距離distが最小値となるズレ幅の範囲内を絞り込み、この絞り込んだ範囲内で距離distが最小となる位置を算出するようにしても良い。これによって、照合時の計算量を減少させることができる。
【0044】
(2)また、指紋登録時のステップS14で算出される基準指紋画像とそれ以外の登録指紋画像(以下、通常指紋画像という)とのズレ幅を用いて指紋照合時の計算量を少なくすることもできる。すなわち、指紋登録時に、通常指紋画像毎に、その通常指紋画像と基準指紋画像とのズレ幅を別途記憶する。
指紋照合時には、まず、基準指紋画像と採取された指紋画像の最小距離と位置ズレ量を算出する。次に、記憶されている位置ズレ量(基準指紋画像と通常指紋画像)と算出された位置ズレ量(基準指紋画像と採取された指紋画像)を用いて、通常指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を予測する。そして、予測された位置ズレ量となる近辺で距離distの最小値を探索し、その結果から最小距離distminと位置ズレ量wdminを求める。
ここで、基準指紋画像と通常指紋画像の位置ズレ量と、基準指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を用いて、通常指紋画像と採取された指紋画像の位置ズレ量を算出できる理由を、図11を用いて説明する。図11において、指紋画像1は識別対象者の指紋画像であり、指紋画像2は基準指紋画像であり、指紋画像3は通常指紋画像であるとする。ここで、指紋画像2,3は、同一人の同一指から採取された指紋画像であって、その中心のみが図中横方向にずれていることとする。また、指紋画像1に対する指紋画像2の位置ズレ量は−wd1であり、指紋画像2に対する指紋画像3の位置ズレ量は+wd2であるとする(図中、右側を+の方向としている。)。図11では、各指紋画像1〜3のズレを補正して、各指紋画像1〜3の中心が一致した状態を示している。
図11から明らかなように、指紋画像3の指紋中心を指紋画像2の指紋中心に一致させるためには、指紋画像3を+wd2だけ移動させなければならない。また、この状態から指紋画像3の指紋中心を指紋画像1の指紋中心と一致させるためには、指紋画像2と指紋画像1のズレ幅−wd1だけ移動させなければならない。したがって、指紋画像1から見た指紋画像3のズレ幅は−wd1+wd2となって、結局、そのズレ幅は「指紋画像1から見た指紋画像2のズレ幅」と、「指紋画像2から見た指紋画像3のズレ幅」を足し合わせたものとなる。したがって、通常指紋画像については最小距離となるときのズレ幅wdの範囲を絞り込むことができる。
【0045】
(3)上述した実施例では、図10の照合処理のステップS34においては、GDSパターンの全部を用いて最小距離distminと位置ズレ量wdminを算出したが、次のように算出することもできる。
まず、ステップS34の処理においては、GDSパターンの一部(例えば、x方向のGDSパターンのみ又はy方向のGDSパターンのみ)を用いて距離とズレ幅の算出を行う。この処理によって、登録者の数を絞り込む。次に、絞り込んだ登録者のGDSパターンの全体と採取した指紋画像のGDSパターンの全体とから、再び最小となる距離と位置ズレ量を算出する。そして、算出された距離と位置ズレ量を用いてステップS38を行うようにすれば良い。このような方法によっても、計算量を少なくすることができる。
【0046】
(4)上述した実施例では、指紋画像から抽出したGDSに基づいて指紋画像の照合を行ったが、本発明はこれ以外にも各種周波数変換処理により得られたスペクトル(FFTスペクトル、DFTスペクトル、LPCスペクトル等)に基づいて指紋画像の照合を行うようにしても良い。また、周波数変換して得られたスペクトルの対数スペクトルを波形信号と見なしてフーリエ逆変換を行うことにより得られるケプストラムに基づいて指紋画像の照合を行っても良い。
【0047】
(5)上述した実施例では、指置き位置が適切な位置となるように指を移動させる方向を指示したが、さらには、指の移動量まで指示するようにしてもよい。
例えば、図13に示すように、指置き位置の移動方向(上方向)と移動量(約3mm)をディスプレイに表示するようにしてもよい。指の移動方向と移動量が指示されることで、利用者はより容易に適切な位置に指を置くことができる。
また、指の移動量の指示は、図13のように具体的な数値で行うのではなく、例えば、図14に示すようにその表現を変えることによって行うこともできる。
図14に示す例では、指の移動量が所定の閾値(例えば、4mm)以内であれば同図(a)に示すように「指を少し上に置いて下さい」と表示し、指の移動量が所定の閾値を越えると同図(b)に示すように「指を上に置いて下さい」と表示する。このような態様によっても、利用者はどの程度指を移動させればよいか(すなわち、指の移動量)を知ることができる。
なお、指の移動方向と移動量の両者を指示する場合、例えば、図15,16に示すようにベクトルを用いることもできる。すなわち、指の移動方向をベクトルの向きで表し、指の移動量をベクトルの大きさで表す。このような方法によると、利用者は指を移動させるべき位置を視覚的に捉えることができる。
【0048】
(6)上述した実施例では、x方向,y方向についての位置ズレを調整するように指置き位置の移動方向等を指示した。しかしながら、指置き位置の修正の指示は、指の回転方向について行ってもよい。すなわち、図17に示すように、現在の指の位置(同図において内部を塗潰した楕円)と適切な指の位置(同図において点線で描かれた楕円)を表示する。これによって、利用者に指を移動させるべき方向(x,y方向)、その距離並びに回転方向を指示することができる。
なお、指の回転方向のズレ量は種々の方法で算出することができる。例えば、指紋画像を指紋が写っている指紋領域と、それ以外の背景領域に分類する。次いで、指紋領域と背景領域の境界線(すなわち、指紋領域の輪郭線)を楕円に近似する。そして、近似された楕円について長軸の傾きを求め、その求めた傾きを指紋画像の傾きとする。そして、比較する2つの指紋画像の傾きの差を回転方向のズレ量とする(特開2001−76145号公報)。
あるいは、指紋画像から回転方向にスペクトルパターンを抽出し、2つの指紋画像の回転方向のスペクトルパターンを移動照合することで回転方向のズレ量を算出してもよい。
【0049】
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る指紋照合装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】指紋画像採取部で採取された指紋画像のデータ構成を説明するための図である。
【図3】採取された指紋画像、その指紋画像から抽出されたGDSパターン及び一走査線上の濃度値変化の一例を示す図である。
【図4】一走査線上の濃度値変化から得られたGDSパターンの一例を示す図である。
【図5】特徴情報記憶部へのGDSパターンの格納方法と、採取された指紋画像から抽出されたGDSパターンと特徴情報記憶部に記憶されているGDSパターンとの照合方法を模式的に示す図である。
【図6】指紋登録及び指紋照合時の処理を示すフローチャートである。
【図7】登録処理を示すフローチャートである。
【図8】照合する二つのGDSパターンの最小相違度と、その最小相違度となるときのズレ幅を算出する手順を説明するための図である。
【図9】同一人から複数の指紋画像を登録する際の、各指紋画像の中心の位置関係を模式的に示す図である。
【図10】照合処理を示すフローチャートである。
【図11】指紋画像1と指紋画像2のズレ幅と指紋画像2と指紋画像3のズレ幅が既知のときに、指紋画像1と指紋画像3のズレ幅を算出できることを説明するための図である。
【図12】指紋採取面の面積が小さくなったときの問題を模式的に表現した図である。
【図13】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の一態様を示す図である。
【図14】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図15】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図16】指置き位置の移動方向と移動量を指示する際にディスプレイに表示される画面の他の態様を示す図である。
【図17】指置き位置を移動させる距離、方向(x,y方向)並びに回転方向を指示する際にディスプレイに表示される画面の一態様を示す図である。
【符号の説明】
10・・指紋画像採取部
12・・A/D変換部
14・・特徴情報抽出部
16・・指紋照合部
18・・指紋登録部
20・・指置き位置指示部
22・・制御部
24・・入力部
26・・特徴情報記憶部
Claims (6)
- 識別対象者から採取した指紋画像と登録されている指紋画像を照合することで識別対象者が登録者であるか否かを判別する指紋照合方法であり、
指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する工程、
採取された指紋画像を所定の方向に延びる複数の走査線に分解し、走査線毎にその走査線上の濃度値変化を時経列信号とみなして周波数解析を行うことでスペクトルパターンを抽出する工程、
登録指紋画像から抽出されたスペクトルパターンに対して抽出工程で抽出されたスペクトルパターンを予め設定された複数の位置にずらし、各位置における両スペクトルパターンの相違度をそれぞれ算出することで最小相違度と最小相違度となるときの両スペクトルパターンの位置ズレ量を決定する第1決定工程、
第1決定工程で決定された最小相違度と予め設定された照合用閾値とを比較し、識別対象者が登録者か否かを決定する第2決定工程、
第2決定工程で識別対象者が登録者でないと決定されたときに第1決定工程で決定された位置ズレ量と予め設定された位置ズレ許容閾値とを比較し、位置ズレ量が許容範囲内か否かを決定する第3決定工程、
第3決定工程で位置ズレ量が許容範囲内にないと決定されたときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する工程、とを有する指紋照合方法。 - 前記指示工程は、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動方向を指示することを特徴とする請求項1に記載の指紋照合方法。
- 前記指示工程は、さらに、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の移動量を指示することを特徴とする請求項2に記載の指紋照合方法。
- 前記指示工程は、さらに、位置ズレ量が許容範囲内となるための指置き位置の回転方向を指示することを特徴とする請求項2又は3に記載の指紋照合方法。
- 登録者の同一指から採取された複数の指紋画像を登録し、指紋照合時に識別対象者から採取した指紋画像と登録されている複数の指紋画像を照合することで識別対象者が登録者か否かを判別する指紋照合装置において、同一登録者から複数の指紋画像を登録する方法であって、
指紋採取面に置かれた指から基準となる指紋画像を採取する第1採取工程、
第1採取工程で採取された指紋画像を登録する第1登録工程、
第1登録工程の後で、指紋採取面に置かれた指から指紋画像を採取する第2採取工程、
第1登録工程で登録された基準指紋画像と第2採取工程で採取された指紋画像の位置ズレ量を演算する演算工程、
位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内とならないときに、指紋採取面への指置き位置を変更するよう指示する指示工程、
位置ズレ量が所定の位置ズレ範囲内となるときに、採取された指紋画像を登録する第2登録工程、とを有する指紋画像の登録方法。 - 前記第2採取工程から第2登録工程までを繰り返すことで複数の指紋画像が登録され、前記指示工程では、それら登録された複数の指紋画像の基準指紋画像に対する位置ズレ量が指紋画像毎に異なるように、指紋採取面への指置き位置の変更が指示されることを特徴とする請求項5に記載の指紋画像の登録方法。
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