JP2004086616A - 媒体処理装置 - Google Patents
媒体処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004086616A JP2004086616A JP2002247555A JP2002247555A JP2004086616A JP 2004086616 A JP2004086616 A JP 2004086616A JP 2002247555 A JP2002247555 A JP 2002247555A JP 2002247555 A JP2002247555 A JP 2002247555A JP 2004086616 A JP2004086616 A JP 2004086616A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- medium
- unit
- wave
- processing apparatus
- rollers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)
- Inspection Of Paper Currency And Valuable Securities (AREA)
Abstract
【課題】媒体を破ることなく、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることで、媒体を無効にする媒体処理装置を提供する。
【解決手段】本体に投入された媒体1を表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで挟持することで、該媒体1を折り曲げ、この媒体1に混入されている共振子3を切断することで、媒体1を無効化する。これにより、その価値が無くなった媒体1を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体1の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体1の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体1を利用した媒体1の偽造も防止できる。
【選択図】図3
【解決手段】本体に投入された媒体1を表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで挟持することで、該媒体1を折り曲げ、この媒体1に混入されている共振子3を切断することで、媒体1を無効化する。これにより、その価値が無くなった媒体1を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体1の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体1の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体1を利用した媒体1の偽造も防止できる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性繊維等の共振子を混入した媒体の真偽を判別するとともに、その価値が無くなった真媒体を無効化する媒体処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、商品券、証券等の紙葉類や、クレジットカード、キャッシュカード等の樹脂カード類等、の媒体に導電性繊維等の共振子を混入することで、媒体の偽造を防止することが提案されている。
【0003】
導電性繊維等の共振子は、周知のように特定の周波数(波長)の電磁波が照射されたときに共振する。上記共振子が共振する電磁波の波長は、その共振子の長さによって決まる。具体的には、その長さがLである共振子が共振する電磁波の波長λは、
λ=2×L
である。
【0004】
媒体の基材は、多数の共振子を混入したパルプやPET(ポリエチレンテレフタレート)を十分に攪拌した原材料から成形されているので、媒体に混入されている共振子の個数や、その配置については、その基材が同じ原材料から成形された媒体であっても異なる。
【0005】
媒体の発行時には、予め決められている媒体の検出エリアを電磁波で走査し、そのときの反射波、または透過波の強度を、媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形の特徴量、例えば波形の大きさ、波形の変化の仕方、波形が変化する位置、を抽出し、さらに、ここで抽出した特徴量をこの媒体に設けられている磁気ストライプやICチップに記録している。
【0006】
なお、上述のように媒体毎に混入されている共振子の個数や配置が異なることから、磁気ストライプやICチップに記録される特徴量は媒体固有のものである。
【0007】
媒体の真偽判別は、以下のようにして行われる。
【0008】
上記発行時と同様に予め決められている媒体の検出エリアを電磁波で走査し、そのときの反射波、または透過波の強度を、媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形の特徴量を抽出する。そして、この媒体の磁気ストライプやICチップに記録されている特徴量を読み出し、これら2つの特徴量の類似度を算出する。ここで算出した類似度が閾値以上であれば真媒体であると判別し、反対に閾値未満であれば偽造媒体であると判別する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、媒体はその価値がなくなったときに無効にする必要がある。例えば、媒体が商品券である場合、取引に使用された商品券は、その価値がなくなる。従来、その価値が無くなった媒体に対して所定の押印を施したり、媒体に穴をあける等して視覚的に、その価値が無くなった媒体であることを判別できるようにしていた。
【0010】
しかしながら、媒体に押印を施す方法では、媒体に混入されている共振子による、媒体固有の特性については何ら変化していない。また、媒体に穴をあける方法では、真偽の判別時に電磁波を照射する検出エリアの面積に比べて、穴をあける面積が極めて小さいため、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができなかった。このため、その価値が無くなった媒体を利用して媒体が偽造されるという問題があった。
【0011】
なお、価値が無くなった媒体を破れば、媒体を無効にできるのであるが、通常、センタで発行した媒体の登録、およびその価値が無くなった媒体の登録を行うことで、有効な媒体の発行枚数(発行され、価値が無くなっていない媒体の枚数)を管理しており、媒体を破ると、これらの作業に支障をきたすという問題がある。
【0012】
この発明の目的は、媒体を破ることなく、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることで、その価値が無くなった媒体を無効にする媒体処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の媒体処理装置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0014】
(1)装置本体に投入された媒体を搬送する搬送手段と、
上記搬送手段により搬送されている媒体に電磁波を照射し、そのときの反射波または透過波の強度を該媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出する検出手段と、
上記検出手段による検出結果に基づいて、媒体の真偽を判別する真偽判別手段と、を備えた媒体処理装置において、
上記搬送手段により搬送されている上記媒体を押圧し、該媒体を折り曲げる媒体折り曲げ手段を備えている。
【0015】
この構成では、媒体折り曲げ手段が、搬送されている媒体を押圧し、折り曲げることで、この媒体に混入されている共振子を切断する。共振子は、周知のようにその長さにより、共振する電磁波の周波数(波長)が決まるので、媒体を折り曲げ、この媒体に混入されている共振子を切断することで、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができる。これにより、価値が無くなった媒体を利用して媒体が偽造されるのを防止でき、且つ媒体自体を破らないので、後処理に支障をきたすこともない。
【0016】
(2)上記媒体折り曲げ手段は、搬送されている媒体を挟持する一対のローラであり、
上記一対のローラは、その表面に凹凸が形成されている。
【0017】
この構成では、表面に凹凸を設けた一対のローラで媒体を挟持することにより、媒体を折り曲げ、この媒体に混入されている共振子を切断する。
【0018】
(3)上記媒体折り曲げ手段は、上記検出手段が電磁波を照射し、そのときの反射波、または透過波の強度を検出する媒体の検出エリアを含む範囲を折り曲げる。
【0019】
この構成では、検出手段が電磁波を照射して、反射波、または透過波の強度を検出する検出エリアを含む範囲を折り曲げるので、確実に媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができる。
【0020】
(4)上記媒体折り曲げ手段を、有効にするかどうかを切り換える切換手段を備えている。
【0021】
この構成では、切換手段が媒体折り曲げ手段を、有効にするかどうかを切り換える。
【0022】
(5)上記切換手段は、上記真偽判別手段が真媒体であると判別したときに、上記折り曲げ手段を有効にする。
【0023】
この構成では、本体に誤って投入された媒体が折り曲げられるのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態である媒体処理装置について説明する。
【0025】
まず、最初にこの実施形態の媒体処理装置で処理される媒体、例えば商品券、やチケット、について説明する。図1は、媒体を示す図である。媒体1には、表面に磁気ストライプ2が形成されている(図1(A)参照)。この磁気ストライプ2には、媒体1の発行時に後述する特徴量が記録される。媒体1の表面や裏面には、図示していないが適当な文字や図形が印刷されている。また、媒体1の基材内部には、図1(B)に示すように多数の共振子3がランダムに配置されている。共振子3は、繊維状であり、金属製の線や、ガラス繊維に金属メッキを施したものである。共振子3は磁性体であってもよいし、非磁性体であってもよい。
【0026】
なお、共振子3は一定力以上の曲げを加えると折れやすいもの(ガラス繊維に金属メッキを施した共振子3)が望ましい。
【0027】
媒体1は、パルプやPET(ポリエチレンテレフタレート)等を溶かした粘性の原材料、に多数の共振子3を混入し、十分に攪拌した後に成形した基材に磁気ストライプ2を設け、且つ表裏面に適当な文字や図形を印刷したものである。このため、同じ原材料から基材を成形した媒体1であっても、その内部における共振子3の個数や配置については異なっている。
【0028】
共振子3は、周知のように特定の周波数(波長)の電磁波が照射されたときに共振する。上記共振子3が共振する電磁波の波長は、その共振子3の長さによって決まる。具体的には、その長さがLである共振子3が共振する電磁波の波長λは、
λ=2×L
である。
【0029】
ここで、磁気ストライプ2に記録されている媒体1の特徴量について説明する。媒体1に対して電磁波を照射して走査するパターン(検出エリア)は予め決められている。検出エリアは、例えば、図1に示すように媒体1の長さ方向に連続する範囲である。また、媒体1に照射する電磁波の波長も予め決められている。媒体1の発行時に、予め決められている波長の電磁波で検出エリアを走査し、そのときの透過波の強度を媒体1における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した検出波形の特徴量を抽出する。さらに、ここで抽出した特徴量を、該媒体1の特徴量として磁気ストライプ2に記録する。上記のように、媒体1毎に共振子3の配置が異なっているので、磁気ストライプ2に記録される特徴量は、媒体1固有のものである。磁気ストライプ2に特徴量が記録された後、媒体1は発行される。
【0030】
なお、上記特徴量ではなく、予め決められている波長の電磁波で検出エリアを走査して検出した検出波形を磁気ストライプ2に記録してもよい。
【0031】
図2はこの実施形態の媒体処理装置の構成を示すブロック図であり、図3はこの媒体処理装置における媒体の搬送路の概略図である。
【0032】
媒体処理装置11は、本体の動作を制御する制御部12と、本体に投入された媒体1を搬送する搬送部13と、搬送されている媒体1に対して予め定められた波長の電磁波を照射し、そのときの透過波の強度を検出する強度検出部14と、搬送されている媒体1の搬送位置を検出する位置検出部15と、媒体1の磁気ストライプ2に記録されている特徴量を読み取る磁気読取部16と、媒体1を無効化する無効化部17と、無効化部17を有効にするかどうかを切り換える切換部18と、を備えている。
【0033】
搬送部13は、本体に投入された媒体1を搬送路に沿って搬送する。搬送路における媒体1の搬送速度は予め決められている。位置検出部15は、搬送路を搬送されている媒体1が所定の位置に達したことを検出する位置検出センサ15aを有している。位置検出センサ15aは、例えば発光素子と受光素子とからなるセンサであって、搬送路を搬送される媒体1を挟んで対向するように配置されている。位置検出部15は、位置検出センサ15aにより媒体1が所定の位置に達したことを検出したタイミング、およびこのタイミングからの経過時間により搬送路における媒体1の搬送位置を検出する。
【0034】
強度検出部14は、特定の波長の電磁波を出力する送信アンテナ、および送信アンテナから出力された電磁波を受信する受信アンテナを有するマイクロ波センサ14aを有している。送信アンテナと受信アンテナとは、搬送路を搬送される媒体1の検出エリアを挟んで対向するように配置されている。送信アンテナには、特定の周波数(波長)の電磁波を発生させるガンダイオードなどの発振素子が接続されている。受信アンテナには、受信した電磁波の強度を検出する検出部が接続されている。
【0035】
制御部12は、位置検出部15により検出されている媒体1の位置と、強度検出部14において検出されている透過波の強度と、を用いて、媒体1における電磁波の照射位置に対応付けた透過波の強度を検出する。
【0036】
磁気読取部16は、搬送路を搬送されている媒体1の磁気ストライプに当接するように配置された磁気ヘッド16aを有している。
【0037】
無効化部17は、搬送路を搬送される媒体1を挟んで対向するように配置された一対のローラ17a、17bを有している。ローラ17a、17bは、図4に示すように表面に凹凸が形成された形状である。ローラ17aの軸には、回転の駆動力が加えられている。ローラ17a、17bの回転方向は、媒体1を搬送方向に搬送する方向である。切換部18は、ローラ17bを上下方向に変位させるソレノイド18aを有する。一対のローラ17a、17bは、ローラ17bがソレノイド18により上方に変位されたとき、表面に形成されている凹凸が係合するギヤである。このとき、一対のローラ17a、17b間に媒体1が位置していると、該媒体1は一対のローラ17a、17bに挟持され、表面に形成されている凹凸により折り曲げられる(図4(A)参照)。ローラ17a、17bの幅は媒体1における検出エリアの幅以上である。また、一対のローラ17a、17bは、媒体1の検出エリアを挟持する位置に取り付けられている。反対に、ローラ17bがソレノイド18により下方に変位されたとき、表面に形成されている凹凸が係合していない非係合状態になる。このとき、一対のローラ17a、17b間に媒体1が位置していても、該媒体1は一対のローラ17a、17bに挟持されないので(図4(B)参照)、折り曲げられることはない。
【0038】
図3に示すように、搬送路には位置検出センサ15a、マイクロ波センサ14a、磁気ヘッド16a、ローラ17a、17bが媒体1の搬送方向に、この順番で配置されている。
【0039】
以下、この実施形態の媒体処理装置11の動作について説明する。この実施形態の媒体処理装1は、本体に投入された媒体1の真偽を判別するとともに、真媒体1についてはその価値が無くなったと判断し、該媒体1を無効化する。図5は、この実施形態の媒体処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0040】
媒体処理装置11は、本体に媒体1が投入されると(s1)、この媒体1の搬送を開始する(s2)。このとき、切換部18はローラ17bを下方に変位させている。媒体1は搬送路に沿って搬送される。媒体処理装置11は、位置検出センサ15aにより媒体1(媒体1の先端)を検出すると(s3)、マイクロ波センサ14aにおける特定の波長の電磁波の照射を開始する(s4)。媒体1は、搬送路を搬送されているので、マイクロ波センサ14aから照射されている電磁波により、検出エリアが走査される。媒体処理装置11は、位置検出センサ15aが媒体1を検出したタイミングを基準にして、媒体1におけるマイクロ波センサ14aから照射されている電磁波の照射位置に対する透過波の強度を示す検出波形を検出する(s5)。s5では、媒体1の検出エリアについて、図6に示す媒体1の搬送方向の位置に対する透過波の強度を示す検出波形が検出される。媒体処理装置11は、s5における上記検出波形の検出が完了すると、マイクロ波センサ14aにおける特定の波長の電磁波の照射を停止する(s6)。
【0041】
媒体処理装置11は、s5で検出した検出波形の特徴量を抽出する(s7)。例えば、波形の大きさ、波形の変化の仕方、波形が変化する位置、を特徴量として抽出する。また、媒体処理装置11は、磁気ヘッド16aで媒体1の磁気ストライプ2に記録されている特徴量データを読み出す(s8)。上述したように、媒体1の磁気ストライプ2には、発行時に、この媒体1の検出エリアにおける透過波の強度を示す検出波形の特徴量が記録されている。
【0042】
媒体処理装置11は、s6で抽出した特徴量と、s7で磁気ストライプ2から読み取った特徴量とに基づいて、本体に投入された媒体1が真媒体であるか、偽造媒体であるかを判別する(s9)。s9では、s7で抽出した特徴量と、s8で磁気ストライプ2から読み出した特徴量との類似度を算出し、ここで算出した類似度が閾値以上であれば真媒体であると判別し、反対に閾値未満であれば偽造媒体であると判別する。
【0043】
媒体処理装置11は、s9で真媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方へ変位させる(s10)。
【0044】
なお、s9で偽造媒体であると判別した場合には、上記s10の処理を実行せず、ローラ17bを下方へ変位させた状態を保持する。
【0045】
媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の放出が完了すると(s11)、搬送部13における媒体1の搬送を停止し(s12)、切換部18がローラ17bを上方へ変位させていれば、該ローラ17bを下方に変位させる(s13)。
【0046】
このように、この実施形態の媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の真偽を判別し、真媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方に変位させ、搬送路を搬送されている媒体1を表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで挟持する。一対のローラ17a、17bに挟持された媒体1は、該ローラ17a、17bの表面に形成されている凹凸により、折り曲げられ、図7に示すように基材に混入されている共振子3が切断される。また、一対のローラ17a、17bは、媒体1の検出エリアを含む範囲で、媒体1を挟持しており、検出エリア全体に亘って媒体1を折り曲げ、検出エリアに位置する共振子3を切断する。
【0047】
このため、本体から放出された媒体1を再度本体に投入しても、検出エリアを特定の波長の電磁波で走査して得られる上記検出波形が大きく異なる波形となる。例えば、無効化される前の検出波形が図6に示す波形であった媒体1であっても、無効化後の検出波形が図8に示す波形となる。したがって、この検出波形から抽出される特徴量と、磁気ストライプ2に記録されている特徴量と、の類似度が極めて小さくなり、s9で偽造媒体であると判別される。
【0048】
なお、ここで言う無効化とは、その価値がなくなった媒体1を無効にすることである。
【0049】
これにより、その価値が無くなった媒体1を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体1の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体1の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体1を利用した媒体1の偽造も防止できる。
【0050】
また、一対のローラ17a、17bの幅は媒体1の検出エリアの幅と同じ太さであってもよいが、より太くすることで放出された媒体1から、媒体1における検出エリアの位置が確認されるのを防止でき、媒体1の偽造防止の向上が図れる。
【0051】
また、s9で本体に投入された媒体1が偽造媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方に変位させないので、この媒体1については折り曲げられることがなく、本体から放出される。このため、本体に誤って違う種類の媒体が投入された場合、該媒体を折り曲げることがなく、特に今回誤って投入された媒体が共振子3を混入した媒体であった場合に、この媒体が無効化されることがない。
【0052】
なお、媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の磁気ストライプ2から特徴量が適正に読み出せなかった場合、例えば元々磁気ストライプ2が設けられていない紙幣等の媒体や、違う種類の媒体1が投入された場合、本体に投入された媒体1を偽造媒体であると判別する。
【0053】
また、上記実施形態では、表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで媒体1を挟持することにより、該媒体1を折り曲げて混入されている共振子3を切断する構成としたが、一対のローラの一方の表面に凹凸を設け、他方のローラをゴム等の弾性材で形成しても同様の効果が得られる。また、一対のローラとせずに、媒体1の搬送路をベルトで構成し、ベルト上を搬送されている媒体1に対して、表面に凹凸を形成したローラを押圧して、該媒体1を折り曲げて混入されている共振子3を切断する構成としてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、切換部18がソレノイド18aにより、ローラ17bを変位させることで、本体に投入された媒体1を無効化するかどうかを切り換えるとしたが、ローラ17bを変位させる機構部としてはモータ等を利用した構成であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では媒体1の磁気ストライプ2に特徴量が記録されているとしたが、媒体1に設けられたICチップに特徴量が記録されている媒体1を処理する装置や、特徴量がバーコードで記録(印刷)された媒体1を処理する装置にも本願発明を適用できる。この場合には、磁気読取部16を媒体1に設けられているICチップから特徴量を読み出す構成や、媒体1に印刷されているバーコードを読み取る構成に置き換えればよい。
【0056】
また、上記実施形態では、媒体1の搬送方向の位置に対する透過波の強度を示す検出波形を検出する構成としたが、媒体1の搬送方向の位置に対する反射波の強度を示す検出波形を検出する構成としてもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態では、本体に投入された媒体1が真媒体であると判別されたときに、この媒体1を無効化するとしたが、オペレータが本体に投入された媒体1を無効化するかどうかを設定できるように構成してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、その価値が無くなった媒体を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体を利用した媒体の偽造も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】共振子を混入した媒体を示す図である。
【図2】この発明の実施形態である媒体処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施形態である媒体処理装置の搬送路の概念図である。
【図4】搬送路に設けられている一対のローラを示す図である。
【図5】この実施形態の媒体処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この実施形態の媒体処理装置で検出される媒体の検出波形を示す図である。
【図7】媒体に混入されている共振子を切断する原理を説明する図である。
【図8】この実施形態の媒体処理装置で検出される媒体の検出波形を示す図である。
【符号の説明】
1−媒体
2−磁気ストライプ
3−共振子
11−媒体処理装置
12−制御部
13−搬送部
14−強度検出部
15−位置検出部
16−磁気読取部
17−無効化部
18−切換部
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電性繊維等の共振子を混入した媒体の真偽を判別するとともに、その価値が無くなった真媒体を無効化する媒体処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、商品券、証券等の紙葉類や、クレジットカード、キャッシュカード等の樹脂カード類等、の媒体に導電性繊維等の共振子を混入することで、媒体の偽造を防止することが提案されている。
【0003】
導電性繊維等の共振子は、周知のように特定の周波数(波長)の電磁波が照射されたときに共振する。上記共振子が共振する電磁波の波長は、その共振子の長さによって決まる。具体的には、その長さがLである共振子が共振する電磁波の波長λは、
λ=2×L
である。
【0004】
媒体の基材は、多数の共振子を混入したパルプやPET(ポリエチレンテレフタレート)を十分に攪拌した原材料から成形されているので、媒体に混入されている共振子の個数や、その配置については、その基材が同じ原材料から成形された媒体であっても異なる。
【0005】
媒体の発行時には、予め決められている媒体の検出エリアを電磁波で走査し、そのときの反射波、または透過波の強度を、媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形の特徴量、例えば波形の大きさ、波形の変化の仕方、波形が変化する位置、を抽出し、さらに、ここで抽出した特徴量をこの媒体に設けられている磁気ストライプやICチップに記録している。
【0006】
なお、上述のように媒体毎に混入されている共振子の個数や配置が異なることから、磁気ストライプやICチップに記録される特徴量は媒体固有のものである。
【0007】
媒体の真偽判別は、以下のようにして行われる。
【0008】
上記発行時と同様に予め決められている媒体の検出エリアを電磁波で走査し、そのときの反射波、または透過波の強度を、媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形の特徴量を抽出する。そして、この媒体の磁気ストライプやICチップに記録されている特徴量を読み出し、これら2つの特徴量の類似度を算出する。ここで算出した類似度が閾値以上であれば真媒体であると判別し、反対に閾値未満であれば偽造媒体であると判別する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、媒体はその価値がなくなったときに無効にする必要がある。例えば、媒体が商品券である場合、取引に使用された商品券は、その価値がなくなる。従来、その価値が無くなった媒体に対して所定の押印を施したり、媒体に穴をあける等して視覚的に、その価値が無くなった媒体であることを判別できるようにしていた。
【0010】
しかしながら、媒体に押印を施す方法では、媒体に混入されている共振子による、媒体固有の特性については何ら変化していない。また、媒体に穴をあける方法では、真偽の判別時に電磁波を照射する検出エリアの面積に比べて、穴をあける面積が極めて小さいため、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができなかった。このため、その価値が無くなった媒体を利用して媒体が偽造されるという問題があった。
【0011】
なお、価値が無くなった媒体を破れば、媒体を無効にできるのであるが、通常、センタで発行した媒体の登録、およびその価値が無くなった媒体の登録を行うことで、有効な媒体の発行枚数(発行され、価値が無くなっていない媒体の枚数)を管理しており、媒体を破ると、これらの作業に支障をきたすという問題がある。
【0012】
この発明の目的は、媒体を破ることなく、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることで、その価値が無くなった媒体を無効にする媒体処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の媒体処理装置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0014】
(1)装置本体に投入された媒体を搬送する搬送手段と、
上記搬送手段により搬送されている媒体に電磁波を照射し、そのときの反射波または透過波の強度を該媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出する検出手段と、
上記検出手段による検出結果に基づいて、媒体の真偽を判別する真偽判別手段と、を備えた媒体処理装置において、
上記搬送手段により搬送されている上記媒体を押圧し、該媒体を折り曲げる媒体折り曲げ手段を備えている。
【0015】
この構成では、媒体折り曲げ手段が、搬送されている媒体を押圧し、折り曲げることで、この媒体に混入されている共振子を切断する。共振子は、周知のようにその長さにより、共振する電磁波の周波数(波長)が決まるので、媒体を折り曲げ、この媒体に混入されている共振子を切断することで、媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができる。これにより、価値が無くなった媒体を利用して媒体が偽造されるのを防止でき、且つ媒体自体を破らないので、後処理に支障をきたすこともない。
【0016】
(2)上記媒体折り曲げ手段は、搬送されている媒体を挟持する一対のローラであり、
上記一対のローラは、その表面に凹凸が形成されている。
【0017】
この構成では、表面に凹凸を設けた一対のローラで媒体を挟持することにより、媒体を折り曲げ、この媒体に混入されている共振子を切断する。
【0018】
(3)上記媒体折り曲げ手段は、上記検出手段が電磁波を照射し、そのときの反射波、または透過波の強度を検出する媒体の検出エリアを含む範囲を折り曲げる。
【0019】
この構成では、検出手段が電磁波を照射して、反射波、または透過波の強度を検出する検出エリアを含む範囲を折り曲げるので、確実に媒体における電磁波の照射位置に対する、反射波または透過波の強度を示す検出波形を大きく変化させることができる。
【0020】
(4)上記媒体折り曲げ手段を、有効にするかどうかを切り換える切換手段を備えている。
【0021】
この構成では、切換手段が媒体折り曲げ手段を、有効にするかどうかを切り換える。
【0022】
(5)上記切換手段は、上記真偽判別手段が真媒体であると判別したときに、上記折り曲げ手段を有効にする。
【0023】
この構成では、本体に誤って投入された媒体が折り曲げられるのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態である媒体処理装置について説明する。
【0025】
まず、最初にこの実施形態の媒体処理装置で処理される媒体、例えば商品券、やチケット、について説明する。図1は、媒体を示す図である。媒体1には、表面に磁気ストライプ2が形成されている(図1(A)参照)。この磁気ストライプ2には、媒体1の発行時に後述する特徴量が記録される。媒体1の表面や裏面には、図示していないが適当な文字や図形が印刷されている。また、媒体1の基材内部には、図1(B)に示すように多数の共振子3がランダムに配置されている。共振子3は、繊維状であり、金属製の線や、ガラス繊維に金属メッキを施したものである。共振子3は磁性体であってもよいし、非磁性体であってもよい。
【0026】
なお、共振子3は一定力以上の曲げを加えると折れやすいもの(ガラス繊維に金属メッキを施した共振子3)が望ましい。
【0027】
媒体1は、パルプやPET(ポリエチレンテレフタレート)等を溶かした粘性の原材料、に多数の共振子3を混入し、十分に攪拌した後に成形した基材に磁気ストライプ2を設け、且つ表裏面に適当な文字や図形を印刷したものである。このため、同じ原材料から基材を成形した媒体1であっても、その内部における共振子3の個数や配置については異なっている。
【0028】
共振子3は、周知のように特定の周波数(波長)の電磁波が照射されたときに共振する。上記共振子3が共振する電磁波の波長は、その共振子3の長さによって決まる。具体的には、その長さがLである共振子3が共振する電磁波の波長λは、
λ=2×L
である。
【0029】
ここで、磁気ストライプ2に記録されている媒体1の特徴量について説明する。媒体1に対して電磁波を照射して走査するパターン(検出エリア)は予め決められている。検出エリアは、例えば、図1に示すように媒体1の長さ方向に連続する範囲である。また、媒体1に照射する電磁波の波長も予め決められている。媒体1の発行時に、予め決められている波長の電磁波で検出エリアを走査し、そのときの透過波の強度を媒体1における電磁波の照射位置に対応付けて検出し、ここで検出した検出波形の特徴量を抽出する。さらに、ここで抽出した特徴量を、該媒体1の特徴量として磁気ストライプ2に記録する。上記のように、媒体1毎に共振子3の配置が異なっているので、磁気ストライプ2に記録される特徴量は、媒体1固有のものである。磁気ストライプ2に特徴量が記録された後、媒体1は発行される。
【0030】
なお、上記特徴量ではなく、予め決められている波長の電磁波で検出エリアを走査して検出した検出波形を磁気ストライプ2に記録してもよい。
【0031】
図2はこの実施形態の媒体処理装置の構成を示すブロック図であり、図3はこの媒体処理装置における媒体の搬送路の概略図である。
【0032】
媒体処理装置11は、本体の動作を制御する制御部12と、本体に投入された媒体1を搬送する搬送部13と、搬送されている媒体1に対して予め定められた波長の電磁波を照射し、そのときの透過波の強度を検出する強度検出部14と、搬送されている媒体1の搬送位置を検出する位置検出部15と、媒体1の磁気ストライプ2に記録されている特徴量を読み取る磁気読取部16と、媒体1を無効化する無効化部17と、無効化部17を有効にするかどうかを切り換える切換部18と、を備えている。
【0033】
搬送部13は、本体に投入された媒体1を搬送路に沿って搬送する。搬送路における媒体1の搬送速度は予め決められている。位置検出部15は、搬送路を搬送されている媒体1が所定の位置に達したことを検出する位置検出センサ15aを有している。位置検出センサ15aは、例えば発光素子と受光素子とからなるセンサであって、搬送路を搬送される媒体1を挟んで対向するように配置されている。位置検出部15は、位置検出センサ15aにより媒体1が所定の位置に達したことを検出したタイミング、およびこのタイミングからの経過時間により搬送路における媒体1の搬送位置を検出する。
【0034】
強度検出部14は、特定の波長の電磁波を出力する送信アンテナ、および送信アンテナから出力された電磁波を受信する受信アンテナを有するマイクロ波センサ14aを有している。送信アンテナと受信アンテナとは、搬送路を搬送される媒体1の検出エリアを挟んで対向するように配置されている。送信アンテナには、特定の周波数(波長)の電磁波を発生させるガンダイオードなどの発振素子が接続されている。受信アンテナには、受信した電磁波の強度を検出する検出部が接続されている。
【0035】
制御部12は、位置検出部15により検出されている媒体1の位置と、強度検出部14において検出されている透過波の強度と、を用いて、媒体1における電磁波の照射位置に対応付けた透過波の強度を検出する。
【0036】
磁気読取部16は、搬送路を搬送されている媒体1の磁気ストライプに当接するように配置された磁気ヘッド16aを有している。
【0037】
無効化部17は、搬送路を搬送される媒体1を挟んで対向するように配置された一対のローラ17a、17bを有している。ローラ17a、17bは、図4に示すように表面に凹凸が形成された形状である。ローラ17aの軸には、回転の駆動力が加えられている。ローラ17a、17bの回転方向は、媒体1を搬送方向に搬送する方向である。切換部18は、ローラ17bを上下方向に変位させるソレノイド18aを有する。一対のローラ17a、17bは、ローラ17bがソレノイド18により上方に変位されたとき、表面に形成されている凹凸が係合するギヤである。このとき、一対のローラ17a、17b間に媒体1が位置していると、該媒体1は一対のローラ17a、17bに挟持され、表面に形成されている凹凸により折り曲げられる(図4(A)参照)。ローラ17a、17bの幅は媒体1における検出エリアの幅以上である。また、一対のローラ17a、17bは、媒体1の検出エリアを挟持する位置に取り付けられている。反対に、ローラ17bがソレノイド18により下方に変位されたとき、表面に形成されている凹凸が係合していない非係合状態になる。このとき、一対のローラ17a、17b間に媒体1が位置していても、該媒体1は一対のローラ17a、17bに挟持されないので(図4(B)参照)、折り曲げられることはない。
【0038】
図3に示すように、搬送路には位置検出センサ15a、マイクロ波センサ14a、磁気ヘッド16a、ローラ17a、17bが媒体1の搬送方向に、この順番で配置されている。
【0039】
以下、この実施形態の媒体処理装置11の動作について説明する。この実施形態の媒体処理装1は、本体に投入された媒体1の真偽を判別するとともに、真媒体1についてはその価値が無くなったと判断し、該媒体1を無効化する。図5は、この実施形態の媒体処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0040】
媒体処理装置11は、本体に媒体1が投入されると(s1)、この媒体1の搬送を開始する(s2)。このとき、切換部18はローラ17bを下方に変位させている。媒体1は搬送路に沿って搬送される。媒体処理装置11は、位置検出センサ15aにより媒体1(媒体1の先端)を検出すると(s3)、マイクロ波センサ14aにおける特定の波長の電磁波の照射を開始する(s4)。媒体1は、搬送路を搬送されているので、マイクロ波センサ14aから照射されている電磁波により、検出エリアが走査される。媒体処理装置11は、位置検出センサ15aが媒体1を検出したタイミングを基準にして、媒体1におけるマイクロ波センサ14aから照射されている電磁波の照射位置に対する透過波の強度を示す検出波形を検出する(s5)。s5では、媒体1の検出エリアについて、図6に示す媒体1の搬送方向の位置に対する透過波の強度を示す検出波形が検出される。媒体処理装置11は、s5における上記検出波形の検出が完了すると、マイクロ波センサ14aにおける特定の波長の電磁波の照射を停止する(s6)。
【0041】
媒体処理装置11は、s5で検出した検出波形の特徴量を抽出する(s7)。例えば、波形の大きさ、波形の変化の仕方、波形が変化する位置、を特徴量として抽出する。また、媒体処理装置11は、磁気ヘッド16aで媒体1の磁気ストライプ2に記録されている特徴量データを読み出す(s8)。上述したように、媒体1の磁気ストライプ2には、発行時に、この媒体1の検出エリアにおける透過波の強度を示す検出波形の特徴量が記録されている。
【0042】
媒体処理装置11は、s6で抽出した特徴量と、s7で磁気ストライプ2から読み取った特徴量とに基づいて、本体に投入された媒体1が真媒体であるか、偽造媒体であるかを判別する(s9)。s9では、s7で抽出した特徴量と、s8で磁気ストライプ2から読み出した特徴量との類似度を算出し、ここで算出した類似度が閾値以上であれば真媒体であると判別し、反対に閾値未満であれば偽造媒体であると判別する。
【0043】
媒体処理装置11は、s9で真媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方へ変位させる(s10)。
【0044】
なお、s9で偽造媒体であると判別した場合には、上記s10の処理を実行せず、ローラ17bを下方へ変位させた状態を保持する。
【0045】
媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の放出が完了すると(s11)、搬送部13における媒体1の搬送を停止し(s12)、切換部18がローラ17bを上方へ変位させていれば、該ローラ17bを下方に変位させる(s13)。
【0046】
このように、この実施形態の媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の真偽を判別し、真媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方に変位させ、搬送路を搬送されている媒体1を表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで挟持する。一対のローラ17a、17bに挟持された媒体1は、該ローラ17a、17bの表面に形成されている凹凸により、折り曲げられ、図7に示すように基材に混入されている共振子3が切断される。また、一対のローラ17a、17bは、媒体1の検出エリアを含む範囲で、媒体1を挟持しており、検出エリア全体に亘って媒体1を折り曲げ、検出エリアに位置する共振子3を切断する。
【0047】
このため、本体から放出された媒体1を再度本体に投入しても、検出エリアを特定の波長の電磁波で走査して得られる上記検出波形が大きく異なる波形となる。例えば、無効化される前の検出波形が図6に示す波形であった媒体1であっても、無効化後の検出波形が図8に示す波形となる。したがって、この検出波形から抽出される特徴量と、磁気ストライプ2に記録されている特徴量と、の類似度が極めて小さくなり、s9で偽造媒体であると判別される。
【0048】
なお、ここで言う無効化とは、その価値がなくなった媒体1を無効にすることである。
【0049】
これにより、その価値が無くなった媒体1を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体1の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体1の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体1を利用した媒体1の偽造も防止できる。
【0050】
また、一対のローラ17a、17bの幅は媒体1の検出エリアの幅と同じ太さであってもよいが、より太くすることで放出された媒体1から、媒体1における検出エリアの位置が確認されるのを防止でき、媒体1の偽造防止の向上が図れる。
【0051】
また、s9で本体に投入された媒体1が偽造媒体であると判別すると、切換部18がローラ17bを上方に変位させないので、この媒体1については折り曲げられることがなく、本体から放出される。このため、本体に誤って違う種類の媒体が投入された場合、該媒体を折り曲げることがなく、特に今回誤って投入された媒体が共振子3を混入した媒体であった場合に、この媒体が無効化されることがない。
【0052】
なお、媒体処理装置11は、本体に投入された媒体1の磁気ストライプ2から特徴量が適正に読み出せなかった場合、例えば元々磁気ストライプ2が設けられていない紙幣等の媒体や、違う種類の媒体1が投入された場合、本体に投入された媒体1を偽造媒体であると判別する。
【0053】
また、上記実施形態では、表面に凹凸を形成した一対のローラ17a、17bで媒体1を挟持することにより、該媒体1を折り曲げて混入されている共振子3を切断する構成としたが、一対のローラの一方の表面に凹凸を設け、他方のローラをゴム等の弾性材で形成しても同様の効果が得られる。また、一対のローラとせずに、媒体1の搬送路をベルトで構成し、ベルト上を搬送されている媒体1に対して、表面に凹凸を形成したローラを押圧して、該媒体1を折り曲げて混入されている共振子3を切断する構成としてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、切換部18がソレノイド18aにより、ローラ17bを変位させることで、本体に投入された媒体1を無効化するかどうかを切り換えるとしたが、ローラ17bを変位させる機構部としてはモータ等を利用した構成であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では媒体1の磁気ストライプ2に特徴量が記録されているとしたが、媒体1に設けられたICチップに特徴量が記録されている媒体1を処理する装置や、特徴量がバーコードで記録(印刷)された媒体1を処理する装置にも本願発明を適用できる。この場合には、磁気読取部16を媒体1に設けられているICチップから特徴量を読み出す構成や、媒体1に印刷されているバーコードを読み取る構成に置き換えればよい。
【0056】
また、上記実施形態では、媒体1の搬送方向の位置に対する透過波の強度を示す検出波形を検出する構成としたが、媒体1の搬送方向の位置に対する反射波の強度を示す検出波形を検出する構成としてもよい。
【0057】
さらに、上記実施形態では、本体に投入された媒体1が真媒体であると判別されたときに、この媒体1を無効化するとしたが、オペレータが本体に投入された媒体1を無効化するかどうかを設定できるように構成してもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、その価値が無くなった媒体を破ることなく、確実に無効化することができるので、有効な媒体の発行枚数(発行され、その価値が無くなっていない媒体の枚数)の管理にかかる作業に支障をきたすこともなく、またその価値が無くなった媒体を利用した媒体の偽造も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】共振子を混入した媒体を示す図である。
【図2】この発明の実施形態である媒体処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施形態である媒体処理装置の搬送路の概念図である。
【図4】搬送路に設けられている一対のローラを示す図である。
【図5】この実施形態の媒体処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この実施形態の媒体処理装置で検出される媒体の検出波形を示す図である。
【図7】媒体に混入されている共振子を切断する原理を説明する図である。
【図8】この実施形態の媒体処理装置で検出される媒体の検出波形を示す図である。
【符号の説明】
1−媒体
2−磁気ストライプ
3−共振子
11−媒体処理装置
12−制御部
13−搬送部
14−強度検出部
15−位置検出部
16−磁気読取部
17−無効化部
18−切換部
Claims (5)
- 装置本体に投入された媒体を搬送する搬送手段と、
上記搬送手段により搬送されている媒体に電磁波を照射し、そのときの反射波または透過波の強度を該媒体における電磁波の照射位置に対応付けて検出する検出手段と、
上記検出手段による検出結果に基づいて、媒体の真偽を判別する真偽判別手段と、を備えた媒体処理装置において、
上記搬送手段により搬送されている上記媒体を押圧し、該媒体を折り曲げる媒体折り曲げ手段を備えた媒体処理装置。 - 上記媒体折り曲げ手段は、搬送されている媒体を挟持する一対のローラであり、
上記一対のローラは、その表面に凹凸が形成されている請求項1に記載の媒体処理装置。 - 上記媒体折り曲げ手段は、上記検出手段が電磁波を照射し、そのときの反射波、または透過波の強度を検出する媒体の検出エリアを含む範囲を折り曲げる請求項1または2に記載の媒体処理装置。
- 上記媒体折り曲げ手段を、有効にするかどうかを切り換える切換手段を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の媒体処理装置。
- 上記切換手段は、上記真偽判別手段が真媒体であると判別したときに、上記折り曲げ手段を有効にする請求項4に記載の媒体処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247555A JP2004086616A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 媒体処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247555A JP2004086616A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 媒体処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004086616A true JP2004086616A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32055168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002247555A Pending JP2004086616A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 媒体処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004086616A (ja) |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002247555A patent/JP2004086616A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2315698C2 (ru) | Ценный документ и устройство для обработки ценных документов | |
US7849993B2 (en) | Devices and method for the production of sheet material | |
US5682103A (en) | Infrared detection of authenticity of security documents comprising electromagnetic particles | |
NL8502567A (nl) | Werkwijze en inrichting voor het op echtheid controleren van voorwerpen en voorwerp geschikt voor het toepassen van deze werkwijze. | |
AU758692B2 (en) | Security paper, method and device for checking the authenticity of documents recorded thereon | |
CA2187080C (en) | Security threads having at least two security detection features and security papers employing same | |
KR920000557B1 (ko) | 화폐수납 및 지급기용 이물질처리장치 | |
ZA200404064B (en) | Sheet material and devices and methods for the production of the sheet material. | |
AU2007210517B2 (en) | Information recording label, printing sheet, and their authenticating method | |
JP2004086616A (ja) | 媒体処理装置 | |
KR100290690B1 (ko) | 기밀 문서의 체크 방법 및 장치 | |
CZ294452B6 (cs) | Způsob zkoušení pravosti dokumentů | |
JPH05101249A (ja) | 金券シート真偽判定装置 | |
JP2003220780A (ja) | 媒体特性検出装置 | |
JPH11353517A (ja) | 紙葉類識別法及び紙葉類識別装置 | |
JPH0745814Y2 (ja) | 紙葉類識別装置 | |
JPS63301393A (ja) | 紙葉類処理機のセキュリティ・スレッド検出装置 | |
JP4011943B2 (ja) | 有価証券処理システムと有価証券読み取り装置 | |
JP4844859B2 (ja) | 安全スレッドおよびその真偽判別装置並びにその真偽判別方法 | |
JP2002183772A (ja) | 通行券真偽判別方法 | |
JPH04128640A (ja) | 導電性ファイバを分散させた種類識別域を有するシート片の種類識別方法及び装置 | |
JP2000242825A (ja) | 誘導性センサを有する書類確認器 | |
JPH04175894A (ja) | 紙幣の真偽識別方法 | |
JP2006350764A (ja) | 紙葉類識別装置 | |
GB2296122A (en) | Bank-note checking |