JP2004086405A - 2線式フィールドバス装置 - Google Patents

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Tetsu Odohira
尾土平 ▲てつ▼
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Abstract

【課題】信号処理部の故障により消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、消費電流をゼロとしてフィールドバスより分離せしめ、他の伝送用変換器動作への影響を除くことが可能な2線式フィールドバス装置を実現する。
【解決手段】共通の直流電源が接続された一対のフィールドバスに複数の伝送用変換器並びにホスト装置が接続され、前記ホスト装置に対して前記伝送用変換器の一つが選択され、選択された伝送用変換器の消費電流の交流変調により前記ホスト装置との間で通信が実行される2線式フィールドバス装置において、
前記伝送用変換器の信号処理部の故障により前記消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、前記消費電流をゼロとして前記伝送用変換器を前記フィールドバスより分離せしめる遮断回路を設けた。
【選択図】          図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PROFIBUS PA(Process Automation)の規格で代表される、2線式フィールドバス装置に用いられる伝送用変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に基づき、2線式フィールドバス装置の基本的接続構成を説明する。このフィールドバスは、汎用のフィールドバス規格として欧州(特にドイツ)において、リモートIOのマルチベンダ規格として標準化されつつあるPROFIBUS関連規格の内、プロセス制御のためのフィールド機器を対象とする、PROFIBUS PA(Process Automation)規格に準拠するものである。
【0003】
1及び2は一対のフィールドバスであり、そのフィールドバス間に共通の直流電源3が接続されている。4及び5はバスの両端部に接続された一対のターミネータである。6はフィールドバス間に接続されたホスト装置、71,72,73,…は同じくフィールドバス間に接続された複数の伝送用変換器である。
【0004】
このような接続構成において、ホスト装置6からの指令又は定周期で伝送用変換器71,72,73,…の一つが選択され、選択された伝送用変換器の消費電流Isetの交流変調によりホスト装置との間でディジタル通信が実行される。伝送用変換器は、プロセスの物理量のセンサ信号等を交流変調信号に変換して消費電流Isetを変調する。
【0005】
消費電流Isetは、例えば4−20mAに設計され、可変部0−16mAのスパンを、8mAを中心に±8mAで交流変調する。フィールドバス間の負荷抵抗を50オームの設計とすると、フィールドバス間には±400mVの交流電圧が発生し、これをホスト装置6が受信する。
【0006】
図3は、伝送用変換器1台を代表7として示す具体的な回路構成図である。8及び9は伝送用変換器7の出力端子であり、フィールドバス1及び2に並列に接続されている。
【0007】
10は消費電流制御部であり、アクティブ要素として誤差増幅器Q1,第1電流増幅器Q2,第2電流増幅器Q3を具備する。出力端子に直列挿入された抵抗Rfに発生する負帰還電圧efと、交流(31.2kbps)のPROFI信号源11の電圧epの偏差がQ1で増幅され、偏差がゼロとなるように第1電流増幅器Q2のベース電位が制御される。この結果、電圧epの振幅に応じて消費電流の変化分0−16mAの電流信号が発生する。
【0008】
12はPROFI信号源11に直列挿入された直流バイアスであり、このバイアス電圧Vr1により、消費電流の変化分0−16mAの電流信号の動作中心点8mAが設定される。この結果、伝送用変換器7の消費電流Isetの変化分は、PROFI信号源11の電圧epにより、8mAを中心に±8mAに変化する。
【0009】
第2電流増幅器Q3の電流Iccの一部は定電圧発生回路13に供給されて負荷を形成する信号処理部14に一定の電源電圧Vdを供給する。信号処理部14は、CPU141、メモリ142、センサ信号等を処理するアナログ回路143等の複雑な回路構成要素よりなり、PROFI信号源11の電圧epを発生する。
【0010】
信号処理部14の消費電流、定電圧発生回路13の動作電流、バイアス12の動作電流、誤差増幅器Q1の動作電流よりなる変換器内部の消費電流Iccは、伝送用変換器7の消費電流Isetの固定分である4mA以内とされ、負帰還抵抗Rfを流れる。これに適当なダミー電流を付加するスパン調節回路(図示せず)により、伝送用変換器7の消費電流Isetの固定分が4mAにセットされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
信号処理部14は、複雑な回路構成要素よりなるために、故障(CPU、メモリ、アナログ回路の異常や容量の短絡、抵抗断線等)が発生しやすい。故障発生により、第2電流増幅器Q2の出力電流Iccが増加するように動作させられた場合には、フィールドバス1,2を介して直流電源3より大きな異常電流が当該伝送用変換器に流れ込み、バスライン間の電圧が異常降下する。
【0012】
図2で説明したように、フィールドバス1,2間には複数の伝送用変換器が接続されており、1台の故障発生でもバスラインの電圧降下が発生した場合には、接続されている全ての伝送用変換器が動作不能となる危険がある。
【0013】
本発明の目的は、信号処理部の故障により消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、消費電流をゼロとしてフィールドバスより分離せしめ、他の伝送用変換器動作への影響を除くことが可能な2線式フィールドバス装置を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するための本発明の構成は次の通りである。
(1)共通の直流電源が接続された一対のフィールドバスに複数の伝送用変換器並びにホスト装置が接続され、前記ホスト装置に対して前記伝送用変換器の一つが選択され、選択された伝送用変換器の消費電流の交流変調により前記ホスト装置との間で通信が実行される2線式フィールドバス装置において、
前記伝送用変換器の信号処理部の故障により前記消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、前記消費電流をゼロとして前記伝送用変換器を前記フィールドバスより分離せしめる遮断回路を設けたことを特徴とする、2線式フィールドバス装置。
【0015】
(2)前記2フィールドバスは、PROFIBUS PAの規格に準拠することを特徴とする、請求項1記載の2線式フィールドバス装置。
【0016】
(3)前記遮断回路は、自身の消費電流に基づいて前記信号処理部に電源電圧を供給することを特徴とする、請求項1又は2記載の2線式フィールドバス装置。
【0017】
(4)前記遮断回路の消費電流をIsh、前記信号処理部の消費電流をIcc、前記伝送用変換器の消費電流をIsetとするとき、
Icc+Ish<Iset
の関係が常に成立するように各電流値が選定さることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の2線式フィールドバス装置。
【0018】
(5)前記遮断回路の構成要素を、前記信号処理部の構成要素に比較して高信頼性の部品で形成したことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の2線式フィールドバス装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明実施態様を、図面を用いて説明する。図1は本発明を適用した伝送用変換器の一例を示す回路構成図であり、図3の従来変換器で説明した要素と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0020】
以下、本発明の特徴部につき説明する。ブロック15は遮断回路であり、消費電流制御部10と信号処理部14の間に挿入されており、機能的には、自身の消費電流Ishtにより、信号処理部14その他の動作用電源電圧Vdを発生している。
【0021】
遮断回路15の構成は、動作用電源電圧Vdを抵抗で分圧した入力電圧Viと基準電圧Vr2の差を増幅する誤差増幅器Q4と、その出力電圧でベース電位が制御され、コレクタ・エミッタ間を流れる電流Ishtにより動作用電源電圧Vdを発生する電流/電源電圧発生トランジスタQ5よりなる。
【0022】
動作用電源電圧Vdは、基準電圧Vr2により適正値に設定される。遮断回路15の消費電流をIsh、信号処理部等の消費電流をIcc、伝送用変換器の消費電流をIsetとするとき、(Icc+Ish)<Isetの関係が常に成立するようにIshtの値を設定する。
【0023】
定常動作時では、遮断回路15の消費電流Ishtは、信号処理部14及び他回路の動作電流であるIccのバラツキや温度変化による変動を吸収する機能を有する。
【0024】
このような電流関係において、信号処理部14の異常により動作電流Iccが大幅に増加し、増加量がIshtの値を超えた場合には遮断回路15は電流不足状態となり、動作不能の状態に陥る。従って動作用電源電圧Vdの維持が困難となり、結局Vdはゼロ近くまで低下する。
【0025】
この結果、消費電流制御部10の電流維持も動作不能に陥るため、この伝送用変換器は、バスラインから電流を吸収することが困難となり、ロー側にバーンダウン(実質上バスラインから分離)して死の状態を保ち続ける。
【0026】
このため、フィールドバスに接続された他の伝送用変換器に対する電源電圧異常は回避され、正常な動作を継続させることが可能となる。
【0027】
本発明の特徴部である遮断回路15並びに消費電流制御部10を含む構成要素を、信号処理部14の構成要素に比較して高信頼性の部品で実現することで、この部分の故障確率を格段に下げることにより、複雑な回路よりなる信号処理部14は通常部品で構成可能とすることができ、伝送用変換器の信頼性とコストのバランスをことが可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、信号処理部の故障により消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、消費電流をゼロとしてフィールドバスより分離せしめ、他の伝送用変換器動作への影響を除くことが可能な2線式フィールドバス装置を実現することが可能となり、フィールドバス装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した伝送用変換器の一例を示す回路構成図である。
【図2】2線式フィールドバス装置の基本的接続構成図である。
【図3】従来の伝送用変換器の一例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1,2 フィールドバス
3 直流電源
4,5 ターミネータ
6 ホスト装置
7 伝送用変換器
8,9 出力端子
10 消費電流制御部
11 PROFI信号源
12 バイアス
14 信号処理部
15 遮断回路

Claims (5)

  1. 共通の直流電源が接続された一対のフィールドバスに複数の伝送用変換器並びにホスト装置が接続され、前記ホスト装置に対して前記伝送用変換器の一つが選択され、選択された伝送用変換器の消費電流の交流変調により前記ホスト装置との間で通信が実行される2線式フィールドバス装置において、
    前記伝送用変換器の信号処理部の故障により前記消費電流が定格値を超えて増加するように動作させられた場合に、前記消費電流をゼロとして前記伝送用変換器を前記フィールドバスより分離せしめる遮断回路を設けたことを特徴とする、2線式フィールドバス装置。
  2. 前記2フィールドバスは、PROFIBUS PAの規格に準拠することを特徴とする、請求項1記載の2線式フィールドバス装置。
  3. 前記遮断回路は、自身の消費電流に基づいて前記信号処理部に電源電圧を供給することを特徴とする、請求項1又は2記載の2線式フィールドバス装置。
  4. 前記遮断回路の消費電流をIsh、前記信号処理部の消費電流をIcc、前記伝送用変換器の消費電流をIsetとするとき、
    Icc+Ish<Iset
    の関係が常に成立するように各電流値が選定さることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の2線式フィールドバス装置。
  5. 前記遮断回路の構成要素を前記信号処理部の構成要素に比較して高信頼性の部品で形成したことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の2線式フィールドバス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533027A (ja) * 2004-04-15 2007-11-15 ローズマウント インコーポレイテッド スイッチング電源を備えたプロセス装置
JP2009522646A (ja) * 2005-12-30 2009-06-11 ローズマウント インコーポレイテッド プロセス送信機の電力管理装置

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