JP2004085736A - プロジェクションスクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】LCDライトバルブを光源したプロジェクションディスプレイでは、投影される映像光が、偏光性を有するために、従来のCRT光源では発生しなかった偏光に起因する色むらが発生した。
【解決手段】プロジェクションスクリーンを構成するフレネルレンズシートをベースシートの上にフレネルレンズ部が熱キャスト法またはUVキャスト法で形成し、このベースシートの波長590nmにおける複屈折の位置による変化率を40nm/cm以下とした。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイの中で、LCDライトバルブ等の偏光性を有する光源に対して使用されるプロジェクションスクリーンに関する。特に、光源からの光を略平行光へ集光する機能を有するフレネルレンズのベースシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクションディスプレイ(背面投影型ディスプレイ)40は、図1に示すように従来、1つの筐体の中に、投影用の光源(以下、光源と表記)41として、CRTが使用され、投影された映像の結像面(表示部)に、一般的には、フレネルレンズシート44とレンチキュラーレンズ43と呼ばれる2枚のレンズシートを組み合わせたプロジェクションスクリーン45を配して1つのディスプレイ40としたものが主流であった。筐体の奥行きを減少させるため、ミラー42が数枚組み込まれるのが一般的である。
【0003】
近年、ディスプレイの小型化薄型化の要求と、CRT以外の明るく、解像度が高く、小型な光源として利用できるLCDライトバルブ方式やDMD方式のものが量産化されたことに伴い、さまざまなタイプのプロジェクションディスプレイが開発され、実用されている。この中で、LCDライトバルブを光源としたプロジェクションディスプレイでは、投影される映像光が、LCDライトバルブの特性として強い偏光性を有するために、従来のCRT光源では発生しなかった偏光に起因する色むらが発生した。特に、この色むらはディスプレイの薄型化のために生じる投影距離(光源からプロジェクションスクリーンまでの距離)の減少によって顕著になる。この事は、特開2002−90891に詳しく開示されている。
【0004】
この偏光に起因する色むらは、プロジェクションスクリーン45を構成するフレネルレンズ44として、材料に複屈折性を有するものをベースシート1として、フレネルレンズ44を作成した時に強く見られる。図2と図3を用いて説明を行うと、映像光10が複屈折性を有する材料であるベースシート1を通過時に発生する偏光性の程度と、フレネルレンズ44のレンズ面3へ入光し屈折出光する時のp偏光(光線の進行方向と入光点(出光点)の垂線がなす平面と同一平面内の振動の光)とs偏光(光線の進行方向と入光点(出光点)の垂線がなす平面と垂直方向の振動の光)による反射率の差によって発生する。特に、臨界角に近い角度でフレネルレンズ面3から出光する時に、p偏光とs偏光の透過率差が大きくなる。これは、それぞれの偏光成分の反射率が、フレネルの公式による次式で与えられることから解る。
Rp=|r
=−(cos(i)/n−cos(j)/n)/(cos(i)/n+cos(j)/n
Rs=|r
=(ncos(i)−ncos(j))/(ncos(i)+ncos(j))
ここで、Rpはp偏光成分の反射率で、Rsはs偏光成分の反射率、iは入射光角度、jは屈折角度、nは入射側の媒体の屈折率で、nは出光側の媒体の屈折率である。
【0005】
フレネルレンズシート44のベースシート1およびフレネルレンズ部2の屈折率を1.55(n)とし、空気の屈折率を1(n)とした場合の、フレネルレンズ面3から光が屈折し出光する時の反射率を図4に示す。図4から明らかなように、フレネルレンズ面3への入射光角度iが大きくなるとp偏光12とs偏光11の反射率差が大きくなる。入射光線が自然光(偏光性なし)ではなく、偏光性を有している場合、その偏光性の差(p偏光とs偏光の比率)によって透過率に大きな差が生じることが解る。屈折出光する映像光の透過率に波長依存性が生じた場合、観察者には、色むらとなって観察されることになる。
【0006】
LCDライトバルブの光源では、その構造上、液晶セルのシャッタ−(ライトバルブ)を通過して出光される光は、強い直線偏光性を有している。また、赤、緑、青の3原色の光からなっている。この光源からの光が複屈折性を有する材料を通過するときに、その通過する光の波長による複屈折量によって、それぞれ偏光性が付与されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
偏光された映像光が複屈折性を有する材料を透過することによって発生する偏光性の差による色むらを防止するプロジェクションスクリーンを開発することである。そのための偏光に起因する色むらの発生しないフレネルレンズ、つまり、そのベースシートを開発することである。
【0008】
【課題を解決する手段】
第1の発明は、LCDライトバルブを光源としたプロジェクションディスプレイ40に使用されるプロジェクションスクリーン45に関し、このプロジェクションスクリーン45は少なくとも2枚以上の光学機能を有するシートまたはフィルムから構成され、少なくとも光源からの光を略平行光へと集光させるフレネルレンズシート44を有し、このフレネルレンズシート44は、ベースシート1の上にフレネルレンズ部2が熱キャスト法またはUVキャスト法で形成し、波長590nmにおける複屈折の位置による変化率が40nm/cm以下であることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、フレネルレンズシート用ベースシート1の最大複屈折量を1000nm以下にしたことを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、フレネルレンズシートのフレネルレンズ面3への入射角の最大値を0°以上38°以下としたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、フレネルレンズ用ベースシート1の少なくとも1面にエンボス形状を付与したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
プロジェクションディスプレイの投影された映像の結像面(表示部)に配置される本発明のプロジェクションスクリーン用フレネルレンズシートを以下に説明する。図1、図2に示されるようにプロジェクションスクリーン45は、光源41側にフレネルレンズシート44と、観察側にレンチキュラーレンズシート43を組み合わせた構成のものが多い。フレネルレンズシート44は、ベースシート1を光源側とし観察面側にレンズ部2を設け、光源41から拡大投影された映像光10を略平行へ集光させる機能を有している。フレネルレンズとしてはサーキュラーフレネルと呼ばれる同心円状にプリズムレンズが形成されているのもが古くから使用されている。レンチキュラーレンズシート43はフレネルレンズシート44によって略平行にされた映像光を多くの観察者に提供するために光拡散させる機能を有している。ディスプレイの利用状況を考え、水平方向の拡散角を広く、垂直方向の拡散角を水平方向よりも狭くするのが一般的である。そのため、水平方向の拡散角度が広くなるようなレンズ要素を設けるために、生産性をも考慮すると垂直方向に伸びるレンズ要素が水平方向に連続して並んでいるものが多い。さらに、外光によるコントラストの低下を抑えるために光吸収層をレンズ要素の中に設けた物が多く、そのため、垂直方向に光吸収層が設けられている物が多い。
【0013】
フレネルレンズシートは、熱プレス法、熱キャスト法等で従来製造されてきたが、生産性向上のため、ベースシート(または、フィルム)上に、UV硬化性樹脂、フレネルレンズ形状型を用いてフレネルレンズシート(または、フィルム)を製造する方法が一般的になっている。
【0014】
図2に示すように光源側にベースシート1、観察側にレンズ部2の向きで使用される。簡単化のため、フレネルレンズのベースシート1とレンズ部2の屈折率は1.55で同じとし、この界面6では光は屈折しないこととする。すると、光源41からの映像光10は、図3に示すようにフレネルレンズのベースシート1の光源側の面5から入光(屈折)し、ベースシート1とレンズ部2の界面6を経て、レンズ部2のレンズ面3から出光(屈折)する。それぞれの材料中での映像光の振る舞いと、各界面での光の挙動によって、色むら等の不具合が発生する場合がある。
【0015】
まず、反射損失について考えることにする。ベースシート1へ映像光が入光する界面5と、レンズ部2から出光する界面3で反射損失の発生が起こる。界面6については、両者の材料の屈折率を同じとしたので、反射損失は発生しないので、検討対象から除外した。界面5への入射光角度は、プロジェクションディスプレイの光学設計によってさまざまであるが、一般的には中央部で0°で外周部で40〜50°以下になる。また、界面3への入射光角度iも同様に考えると、一般的には、レンズ部2の材料の屈折率から求められる臨界角以下に設定される。良く使用されるアクリル系のUVキャスト材料の屈折率は1.5〜1.6程度であり、それに対応する臨界角は41.8〜38.7°になる。その結果、界面5への入射光角度の最大値は、臨界角以下で、かつ、40°未満に設定されることが多い。図4のフレネルレンズ部2から出光する界面3での反射率の図(レンズ部の材料の屈折率1.55の時(臨界角が40.2°で、この角度以上で反射率100%))と、図5のフレネルレンズ44のベースシート1(材料の屈折率1.55の時)へ入光する界面5での反射率の図の比較と、上記各界面への最大入射光角度条件から、界面5での反射損失よりも界面3での反射損失が大きくなるとともに、s偏光とp偏光での反射損失の差が大きいことが解る。そのため、界面3へ入射する映像光10の偏光性に差があると透過率(反射損失)に差が生じ色むらが観察されることになる。
【0016】
そこで、本発明者は、フレネルレンズ44を構成するベースシート1の有する複屈折性とフレネルレンズ44のレンズ面3への入射光角度について検討を行い、本発明に至った。フレネルレンズのベースシートは、様々な製造方法がある。生産性を考慮すると、図7のような押し出し製法が一般的である。押し出し製法の製造条件である、樹脂の押し出し量、ダイス温度、成型ロール温度、冷却ロール温度、引き取り速度、ドロー比等を変更すると様々な複屈折量を有するベースシートが製造できる。この事は、特開2002−90891にも開示されている。
【0017】
ベースシート1の複屈折の位置による変化率については、複屈折に波長依存性は存在するが、単純化のため、可視光線領域内の590nmの波長での測定で代表させることとした。複屈折率の測定には、大塚電子製やKSシステムズ製の市販の測定装置が使用できるが、本発明者は、KSシステムズ製の自動複屈折率計COBRA−21D型を用いた。ベースシートの位置による変化率は、10mm間隔で測定を行い、1cmあたりの変化率とした。
【0018】
製造された種々の複屈折量のベースシート1を用いてフレネルレンズ44を作製し、図1のように、LCDライトバルブを光源41(ソニー社製グランドベガ)としてセットし、目視で色むら発生状況の性能評価を行った。結果を表1に示す。ベースシート1の複屈折率の測定には、KSシステムズ製の自動複屈折率計COBRA−21D型を用いた。590nmの波長での測定を実施した。色むら発生状況は、評価点が高い方から、▲1▼全白画面で色むらが見えないもの、▲2▼全白画面で見えるが、静止画(絵柄有り)と動画では判らないもの、▲3▼全白画面で見え、静止画(絵柄有り)でも見えるが、動画では判らないもの、▲4▼動画で部分的に見えるもの、▲5▼動画で見えるもの、の順位付けができ、その順位で評価の高いものから順にデータを並べた。
【0019】
【表1】
Figure 2004085736
【0020】
プロジェクションスクリーンとして実用上は、▲1▼と▲2▼の評価のものがOKレベルである。▲3▼は、ディスプレイの使用状況で判断しなければならないが、静止画利用が少ない民生用途等の場合はぎりぎりOKレベルと判断できる。▲4▼と▲5▼はNGレベルと判断する。表1から明らかなように、複屈折の変化率が、30nm/cm未満の時、色むらが観察されず、30〜40nm/cmの時は、色むらが観察されないか、全白画面で色むらは観察されるが、動画にすると判らなくなる程度の弱いもので実用上問題はない。50nm/cm以上の時、色むらが動画でも観察された。つまり、フレネルレンズ44のベースシート1の複屈折の変化率が40nm/cm以下の時、色むらが観察されず良い映像を観察することができることが判り、本発明に至った。
【0021】
さらに良く、表1の結果を考察すると、同じ複屈折の変化率30nm/cmであるサンプル3,4,5,7と実施例1の評価順位から最大複屈折量が大きいものほど評価順位が低下する傾向があることが解る。実施例1とサンプル3,4では、評価点のランクが1番目の全白画面で見えない。しかし、サンプル5は、評価点のランクが2番目の全白画面で見えるが動画では判らないレベルになってしまう。さらに、サンプル7は、評価点のランクが3番目で色むら発生に大きな寄与示す複屈折の変化率が35nm/cmのサンプル6と変化率が40nm/cmの実施例2よりも評価順位が低く、逆転現象が起こっている。この逆転現象と評価点のランクの▲2▼から▲3▼への低下は、最大複屈折量850nmのサンプル5では発生していない。従って、最大複屈折量を1000nm以下にすることでより確実に色むらの発生状況を抑えることができる。
【0022】
さらにまた、サンプル4の結果から、色むらの観察されない条件、つまり、複屈折の変化率40nm/cm以下であって、かつ、最大複屈折量が1000nm以下の条件を満たしていても界面3への入射光角度が39°と大きいと色むらが観察されることが判る。また、コーナー部でしか色むらは観察されていないので、色むらが観察される光学条件を検討した結果、入射光角度が38°以下で、複屈折の変化率40nm/cm以下であって、かつ、最大複屈折量が1000nm以下の時、確実に色むらが観察されず良い映像が提供できることが解った。
【0023】
フレネルレンズシート44のレンズ面3への入射光に入射角度分布と偏光性の分布を持たせることにより色むらが改善できると考え、フレネルレンズシート44のベースシート1の入光面側の面5(レンズ部2の反対側面)の表面にエンボス形状を設け色むら評価を行った。エンボス量の評価は、村上色彩社製の反射・透過・ヘイズメータ(HR−100)で測定したヘイズ値で行った。評価結果からヘイズ量は10〜70が好ましく、より好ましくは20〜50のものが良いことが判った。評価結果から表面エンボスの効果が大きいことが解った。また、エンボスの効果によって、ゴーストと映像がぎらついて見えるシンチレーションも合わせて改善された。
【0024】
ベースシート1の両面にエンボス形状を設けることもできるが、レンズ部2側に設けた場合、ベースシート1とレンズ部2での屈折率差がわずかな場合、その効果はほとんどない。ベースシートの材料としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等が利用されそれらの屈折率は、1.5〜1.6程度である。また、レンズ部2の材料も熱キャスト用の材料としては上記のものが利用され、UVキャスト法の材料としては反応性オリゴマー(エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等)と反応性のモノマー(2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリテート等)の混合物が利用されるがこれらの屈折率も1.5〜1.6程度となる。そのため、ベースシート1とレンズ部2の界面6での屈折率差はわずかになり、エンボスの効果もほとんど発生しない。つまり、エンボス形状は、ベースシート1の両面に形成できるが、その効果を考えると、レンズ部2の逆側である光源側の片面に設けることが効果的である。
【0025】
このベースシート1の製造方法および製造装置は、図7に示されるように、押し出し機のダイス91から溶融されされた熱可塑性樹脂(アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等)を対峙する2本の成型ロール92、93間を通して、ベースシート1の両面を成型し、通常1本以上ある冷却ロール(図9では、2本の冷却ロール94、95)を通し、冷却、内部歪の調整(平板化)を行い、引き取りロール96で引き取られ、その後、所定のサイズに断裁される。この2本の成型ロール92、93のいずれか1本をエンボス加工した成型ロール型にすることで、ベースシート1の片面をエンボス形状とすることができる。
【0026】
【実施例1】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。画面サイズ60インチ(1220×915mm)で光源をLCDライトバルブ(ソニー社製グランドベガ)で、投影距離750mmのプロジェクションディスプレイで映像(色むら)評価を行った。図6に示すようにプロジェクションディスプレイ40として、プロジェクションスクリーン45は、レンチキラーレンズ43として入光側に光吸収層51を設けたレンチキュラーレンズタイプのものと当発明のフレネルレンズ44の組合せとした。フレネルレンズは、ベースシートとして、1.3mm厚さとし、フレネルレンズのレンズ角度θの設計はフレネルレンズシートの焦点距離が750mmとした。この時、最外周部のフレネルレンズ部への入射光角度iは、約35°となる。
【0027】
幅1500mmの押し出し機で、屈折率1.53のアクリル・スチレン共重合体樹脂で、成型ロール1本をエンボス形状としベーシートを作製した。このベースシートの複屈折率を、KSシステムズ製の自動複屈折率計COBRA−21D型を用い、590nmの波長での測定を実施した。ベースシート中央部の複屈折は100nmで複屈折の変化率は、10mm間隔で測定し、10nm/cm以下であった。最外周部の複屈折は、500nmで複屈折の変化率は30nm/cmであった。中央部から外周部にかけて、中央部から300mm以内では、中央部とほぼ同じ複屈折率値を示し、その外側部分で複屈折は増加し、最外周で上記500nmの値を示した。複屈折の変化率で30nm/cmを超える部分はなかった。ヘイズ値は30〜40であった。このベースシートを用いて、硬化後の屈折率1.55のUVキャスト用のエポキシアクリレート樹脂で、UV硬化法でベースシートのフラット面側にフレネルレンズを成型した。上記プロジェクションディスプレイで映像評価を実施したところ、色むらは観察されなかった。
【0028】
【実施例2】
実施例1と同じプロジェクションディスプレイ用として、成型ロールを2本とも鏡面とし、ベースシートを製造条件を変えて作製し、フレネルレンズを上記実施例1と同じ、フレネルレンズの焦点距離として、同じUV硬化法で作製した。ベースシートの厚み1.5mmで、中央部の複屈折が100nmで、複屈折の変化率は、10mm間隔で測定し、10nm/cm以下であった。最外周部の複屈折は、500nmで複屈折の変化率は30nm/cmであった。中央部から外周部にかけて、中央部から300mm以内では、中央部とほぼ同じ複屈折率値を示し、その外側部分で複屈折は増加し、最外周で上記500nmの値を示した。複屈折の変化率で40nm/cmを超える部分はなかった。映像評価を実施したところ、色むらは静止画・動画では観察されなかったが、全白画面では観察された。ゴースト、シンチレーションは、実施例1よりも強いものであった。
【0029】
【比較例1】
実施例1と同じプロジェクションディスプレイ用として、成型ロールを2本とも鏡面とし、ベースシートを製造条件を変えて作製し、フレネルレンズを上記実施例1と同じ、フレネルレンズの焦点距離として、同じUV硬化法で作製した。ベースシートの厚み1.3mmで、中央部の複屈折が100nmで、複屈折の変化率は、10mm間隔で測定し、10nm/cm以下であった。最外周部の複屈折は、600nmで複屈折の変化率は80nm/cmであった。中央部から外周部にかけて、中央部から300mm以内では、中央部とほぼ同じ複屈折率値を示し、その外側部分で複屈折は増加し、最外周で上記600nmの値を示した。複屈折の変化率が40nm/cmを超える部分があり、最大変化率は、100nm/cmであった。映像評価を実施したところ、色むらが動画でも観察された。色むらは、複屈折の変化率が大きいところほど強く観察された。ゴースト、シンチレーションも観察された。
【0030】
【発明の効果】
第1の発明によれば、強い偏光性を有するLCDライトバルブを光源としたプロジェクションディスプレイに、波長590nmにおける複屈折の位置による変化率が40nm/cm以下のベースシートの上にフレネルレンズ部が熱キャスト法またはUVキャスト法で形成されているフレネルレンズと他の光拡散シート(例えばレンチキラーレンズシート)を組み合わせたプロジェクションスクリーンを配置することによって、光源の偏光性と光路に存在する複屈折を有する材料に起因するs偏光とp偏光の差による色むらの発生か防止され、良好な映像を提供するものである。
第2の発明では、複屈折量の最大値を1000nm以下とし、より確実に色むらの発生を防止し、良好な映像を提供するものである。
第3の発明は、偏光性に起因する色むらの発生が強く出やすいレンズ面への入射光角度を抑え、さらに確実に色むらを防止し、良好な映像を提供するものである。
第4の発明は、フレネルレンズのベースシートの光源側(入光面側)にエンボス形状を設けることによって色むらの発生を抑え、さらに、ゴースト、シンチレーションをも同時に改善するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクションディスプレイの説明図
【図2】プロジェクションスクリーンの説明図
【図3】フレネルレンズシートの説明図
【図4】フレネルレンズのレンズ面からの出光時の反射率
【図5】フレネルレンズのベースシート面への入光時の反射率
【図6】実施例1のプロジェクションスクリーンを使用したプロジェクションディスプレイの説明図
【図7】フレネルレンズ用ベースシート製造装置説明図
【符号の説明】
i フレネルレンズのレンズ面への入射光角度
j フレネルレンズのレンズ面からの出光角度
θ フレネルレンズのレンズ角度
1 フレネルレンズのベースシート
2 フレネルレンズのレンズ部
3 フレネルレンズのレンズ面
4 フレネルレンズの非レンズ面
5 フレネルレンズのベースシートの光源側の面
6 フレネルレンズのベースシートとレンズ部の界面
10 映像光
11 s偏光のフレネルレンズのレンズ面からの出光時の反射率
12 p偏光のフレネルレンズのレンズ面からの出光時の反射率
13 s偏光のフレネルレンズのベースシート面への入光時の反射率
14 p偏光のフレネルレンズのベースシート面への入光時の反射率
40 プロジェクションディスプレイ
41 光源
42 ミラー
43 レンチキュラーレンズシート
44 フレネルレンズシート
45 プロジェクションスクリーン
51 光吸収層
90 フレネルレンズのベースシート製造装置
91 押し出し機のダイス
92 成型用ロール1
93 成型用ロール2
94 冷却ロール1
95 冷却ロール2
96 引き取りロール

Claims (4)

  1. LCDライトバルブを光源としたプロジェクションディスプレイに使用されるプロジェクションスクリーンにおいて、このプロジェクションスクリーンは少なくとも2枚以上の光学機能を有するシートまたはフィルムから構成され、少なくとも光源からの光を略平行光へと集光させるフレネルレンズシートを有し、このフレネルレンズシートは、ベースシートの上にフレネルレンズ部が熱キャスト法またはUVキャスト法で形成されており、このベースシートの波長590nmにおける複屈折の位置による変化率が40nm/cm以下であることを特徴とするプロジェクションスクリーン。
  2. 請求項1記載のフレネルレンズシート用ベースシートの最大複屈折量が1000nm以下であることを特徴とするプロジェクションスクリーン。
  3. フレネルレンズシートのフレネルレンズ面への入射角の最大値が0°以上38°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2いずれか記載のプロジェクションスクリーン。
  4. フレネルレンズ用ベースシートの少なくとも1面にエンボス形状が付与されていることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載のプロジェクションスクリーン。
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