JP2004085324A - 負性抵抗測定器 - Google Patents
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Abstract
【課題】発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することのできる負性抵抗測定器を提供する。
【解決手段】負性抵抗回路12に接続されるインダクタンス素子L1および容量素子C1および抵抗素子R1からなる直列回路と、直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段4と、負性抵抗回路12と直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段7と、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段4および電圧検出手段7の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、電圧検出手段4および電流検出手段7の出力から負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段8とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】負性抵抗回路12に接続されるインダクタンス素子L1および容量素子C1および抵抗素子R1からなる直列回路と、直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段4と、負性抵抗回路12と直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段7と、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段4および電圧検出手段7の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、電圧検出手段4および電流検出手段7の出力から負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段8とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負性抵抗測定器、例えば圧電振動子を共振素子として用いた発振器における圧電素子を除いた部分の負性抵抗を簡便に測定することのできる負性抵抗測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波でインピーダンスを測定する実用的な方法としては2つの方法が従来から知られている。1つは、V−I法と呼ばれるもので、被測定物(Device UnderTest、DUT)に高周波電流を流して、DUTに流れる電流値と電圧値を読み取り、その値からインピーダンスを計算するものである。この方法によるインピーダンス測定の公知文献としては、特許第3110827号公報、実開平6−25765号公報、特許第2698615号公報などがある。
【0003】
もう1つの方法は、反射係数法あるいはブリッジ法と呼ばれるもので、DUTを含む4つの抵抗からなるインピーダンス・ブリッジに高周波電圧を印加して、4つの抵抗の比がバランスするように抵抗値を変化させるか、あるいは入力する高周波電圧とインピーダンス・ブリッジの不平衡電圧を測定して、その値からインピーダンスを計算するものである。この方法によるインピーダンス測定の公知文献としては、特公平1−1748号公報、特許第2960074号公報などがある。
【0004】
さらに、負性抵抗を有するDUTのSパラメータを直接測定するものとして、負性抵抗素子に並列に抵抗を接続し、その合成抵抗のSパラメータをベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)で測定し、その値から負性抵抗素子のSパラメータを計算する方法が、特開平10−132892号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公知文献に開示されたV−I法や反射係数法では、負性抵抗を測定することを前提としていない。また、仮に負性抵抗を図ることができたとしても、高周波信号源を用意する必要がある。しかしながら、安定な高周波信号源は高価でであり、低コストでの簡便な負性抵抗測定には向かない。
【0006】
また、VNAで負性抵抗素子のSパラメータを直接測定する方法も、高周波信号源よりもさらに高価なVNAが必要なため、低コストでの簡便な負性抵抗測定には向かない。また、この場合はVNAから負性抵抗素子に信号を印加して、反射してくる信号を検出することになるが、一般的なVNAにおいては信号のレベルは固定あるいは段階的な変更しかできないために、本当に必要な条件、例えば発振の立ち上がりあるいは発振が安定している時の発振器の負性抵抗は必ずしも測定できない。さらには、VNAを利用する場合には、負性抵抗回路のインピーダンスがVNAのポートの特性インピーダンス(例えば50Ω)から離れるほど測定精度が劣化するという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題点を解決することを目的とするもので、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することのできる負性抵抗測定器を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の負性抵抗測定器は、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗値を測定する負性抵抗測定器であって、
被測定物である前記負性抵抗回路に接続されるインダクタンス素子および容量素子および抵抗素子からなる直列回路と、前記直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記負性抵抗回路と前記直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段と、前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記電圧検出手段および前記電流検出手段の出力から前記負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の負性抵抗測定器は、前記負性抵抗回路が等価的に負性抵抗に直列に接続された容量性リアクタンスを備えるものであって、前記直列回路に流れる電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記インダクタンス素子および前記容量素子の値と前記周波数検出手段の出力から前記負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を算出する容量性リアクタンス値算出手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の負性抵抗測定器は、前記電流検出手段が、前記直列回路の配線を一次巻線とする電流トランスを含むことを特徴とする。あるいは、本発明の負性抵抗測定器は、前記電流検出手段が、前記直列回路とグランドとの間に直列に接続された低抵抗の電流検出用抵抗素子を含むことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、本発明の負性抵抗測定器においては、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の負性抵抗測定器の一実施例の回路図を示す。図1において、負性抵抗測定器1は、2つの入力端子P1およびP2、インダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1、電流検出手段4、電圧検出手段7、負性抵抗算出手段8、周波数検出手段10、容量性リアクタンス値算出手段11から構成されている。
【0013】
図1において、入力端子P1およびP2は負性抵抗回路が接続され得る端子である。入力端子P1はインダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1からなる直列回路を介してグランドに接続されている。入力端子P2はグランドに接続されている。インダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1は、いずれもその値を変化させることができるが、変化後も含めてがあらかじめ値が知られているもの、あるいは値を知ることのできるものである。そして、負性抵抗回路が接続された時点で、発振周波数が負性抵抗回路を有する発振器の本来の発振周波数にできるだけ近い値になるように、その値を決定しておくものとする。なお、インダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1の接続される順番は任意である。
【0014】
入力端子P1とインダクタンス素子L1を接続する配線は電流トランスCTの一次巻線としてその中を通るように配置されており、配線を流れる電流に対応した電圧が出力される。電流トランスCTの巻線の一方の端子はシールドケーブル2を通って電圧検知回路3に接続されていて、この電圧検知回路3で検知した電圧で配線に流れる電流の大きさを検知することができる。電圧検知回路3は整流用のダイオードと平滑用のコンデンサを備えており、このコンデンサの電圧を読みとる。このとき、読みとった値は実効値に変換されるものとする。この、電流トランスCTと電圧検知回路3とで電流検出手段4を構成している。なお、シールドケーブル2は接続配線からのノイズの混入防止のために設けられており、電流トランスCTの巻線の他方の端子はシールドケーブル2のグランドに接続されている。
【0015】
また、入力端子P1は小さな容量のコンデンサC2を介し、シールドケーブル5を通って電圧検知回路6に接続され、この電圧検知回路6で入力端子P1の電圧の大きさを検知することができる。電圧検知回路6においても電圧検知回路3と同様に実効値で測定されるものとする。この、コンデンサC2と電圧検知回路6で電圧検出手段7を構成している。なお、シールドケーブル5も接続配線からのノイズの混入防止のために設けられている。
【0016】
そして、電流検出手段4と電圧検出手段7の出力は負性抵抗算出手段8に接続されている。
【0017】
また、入力端子P1はコンデンサC3を介して周波数カウンタ(FC)9に接続されている。このコンデンサC3と周波数カウンタ9で周波数検出手段10を構成している。
【0018】
そして、周波数カウンタ11の出力は容量性リアクタンス値算出手段11に接続されている。
【0019】
なお、図1において入力端子P1とP2に接続されているのは被測定物である負性抵抗回路12で、等価回路的には容量性リアクタンスCoと負性抵抗RNの直列回路で表される。
【0020】
このように構成された負性抵抗測定器1において、インダクタンス素子L1や容量素子C1や抵抗素子R1は、高精度のものを使うことを考えても、高周波信号源に比べればはるかに低コストで用意できる。また、電流検出手段4や電圧検出手段7も簡単な回路構成であるために低コストで用意できる。周波数検出手段10については、周波数カウンタ10は比較的高価であるが、これも高周波信号源に比べれば低コストで用意できる。また、後述のように、負性抵抗の測定においては必ずしも必要ではない。そして、負性抵抗算出手段8や容量性リアクタンス値算出手段11については、簡単なコンピュータ装置があれば実現できる。
【0021】
ここで、負性抵抗回路12の具体的な構成について、図2を参照して簡単に説明する。図2は一般的な水晶発振器の回路図である。
【0022】
図2に示した水晶発振器20は、トランジスタQ1をコレクタ接地で動作させたコルピッツ型の発振器で、容量素子C4およびC5とインダクタンス素子として機能する水晶振動子X1で決まる共振周波数で発振する。コンデンサC6はトランジスタQ1のコレクタを高周波的に接地させるためのコンデンサ、抵抗素子R3、R4、R5はトランジスタQ1のバイアス条件を決めるための抵抗、コンデンサC7は発振出力を取り出すためのDCカット用のコンデンサである。
【0023】
水晶発振器20においては、水晶振動子X1はトランジスタQ1のベースとグランドとの間に接続されており、その接続点をP3、P4とすると、水晶発振器20から接続点P3、P4で水晶振動子X1を切り離した残りが負性抵抗回路12になる。なお、図2における負性抵抗回路12を図1の負性抵抗測定器1に接続する際には、接続点P3が入力端子P1に、接続点P4が入力端子P2にそれぞれ接続される。
【0024】
ここで、図1に戻って、負性抵抗測定器1の負性抵抗測定についての具体的な動作について説明する。
【0025】
まず、負性抵抗測定器1の2つの入力端子P1、P2に負性抵抗回路12が接続される。その段階では負性抵抗回路12には電源電圧が印加されていない、すなわち実質的に負性抵抗回路になっていないものとする。
【0026】
次に、負性抵抗回路12に電源電圧を印加する。この時刻をt0とする。この段階で、負性抵抗回路12は、負性抵抗測定器1のインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1からなる直列回路を水晶振動子X1の代わりのインダクタンス素子として発振を開始する。入力端子P1からインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1からなる直列回路には発振電流が流れ、時間とともに振幅が大きくなり、一定の振幅になった時点で安定化する。この時刻をt1とする。
【0027】
電流検出手段4は、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、負性抵抗算出手段8に向かって出力する。また、電圧検出手段7も、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、負性抵抗算出手段8に向かって出力する。負性抵抗算出手段8は、連続して送られてくる電流値および電圧値をその都度演算して負性抵抗を算出する。たとえば、電流値をI(t)、電圧値をV(t)とすると、負性抵抗値RN(t)はV(t)/I(t)として計算される。なお、tは時刻t0を起点とする時間である。
【0028】
ここで、図3に、V(t)、I(t)、RN(t)のシミュレーション結果を示す。図3よりわかるように、この例ではV(t)、I(t)は約3mSで一定の値に収束し、その結果としてRN(t)も約3msで一定の値に収束している。
【0029】
このようにして、負性抵抗測定器1では、負性抵抗回路12の発振開始時から安定時までの負性抵抗の時間変化を測定することができる。なお、負性抵抗回路12の負性抵抗値は、最初が大きく、発振が安定するにつれて小さくなり、発振が安定した後の負性抵抗の絶対値は抵抗素子R1の抵抗値に一致する。抵抗素子R1の抵抗値は発振周波数にはあまり影響を与えないが、発振が安定するまでの時間に影響を与える。そして、抵抗値が大きいほど発振の立ち上がりは遅くなる。そのため、抵抗素子R1の抵抗値を発振が可能な範囲で大きく設定するほど、負性抵抗の測定の時間的な分解能が向上することになる。
【0030】
なお、負性抵抗測定器1は周波数検出手段10を備えているが、負性抵抗の測定に際しては発振周波数の測定は必須ではない。所望の発振周波数で発振しているかどうかを確認する程度の役割を果たすだけである。
【0031】
次に、負性抵抗測定器1における、負性抵抗回路の容量性リアクタンス値の測定について説明する。
【0032】
一般に、発振器から誘導性インピーダンスを持つ素子を取り除いて負性抵抗回路とする場合、負性抵抗を示すと同時に容量性リアクタンスを併せ持つ。そのため、この容量性リアクタンスを測定できれば発振器の設計に有用になる。
【0033】
まず、負性抵抗測定器1における発振周波数は、負性抵抗測定器1のインダクタンス素子L1および容量素子C1と、負性抵抗回路12の容量性リアクタンス値Coによって決定される。すなわち、発振周波数をfo、インダクタンス素子L1の値をL1、容量素子C1の値をC1とすると、
fo=1/(2×π×sqrt(L1×1/(1/C1+1/Co)))
で表される。従って、発振周波数foが求まれば、あらかじめ既知であるL1とC1よりCoの値は容易に求められる。
【0034】
負性抵抗測定器においては、周波数検出手段10は、電流検出手段4や電圧検出手段7と同様に、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、容量性リアクタンス値算出手段11に向かって出力する。容量性リアクタンス値算出手段11は上記の関係に従って容量性リアクタンスCoの値を計算する。
【0035】
このようにして、負性抵抗測定器1では、負性抵抗回路12の発振開始時から安定時までの容量性リアクタンスCoの時間変化を測定することができる。なお、発振周波数は発振の立ち上がりから収束するまで大きく変化することはない。従って、容量性リアクタンスCoについては必ずしも時間変化を測定する必要はなく、発振が安定した後で計算するものでも構わない。
【0036】
以上、説明したように、負性抵抗測定器1においては、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することのできる。特に、負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を求める必要がなければ、周波数カウンタが不要になるので、負性抵抗測定器非常に低コストで実現することができ、その結果として負性抵抗の測定も低コストで実施することができる。また、VNAを用いるときのように、負性抵抗回路のインピーダンスがVNAの特性インピーダンスから大きく離れていても、測定精度には影響はない。
【0037】
また、追加的に周波数の測定が可能な構成にするだけで、負性抵抗回路の負性抵抗だけでなく容量性リアクタンスの値を求めることができるようになる。もちろん、この部分は付加的な機能であり、負性抵抗測定器として必須な構成ではないものである。
【0038】
図4に、本発明の負性抵抗測定器の別の実施例の回路図を示す。図4において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4に示した負性抵抗測定器30においては、入力端子P1からグランドに向かってインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1の順で接続されて直列回路が構成されている。そして、電流トランスは備えておらず、代わりに抵抗素子R1の一端、すなわち直列回路の一端が電流検出用抵抗素子R2を介してグランドに接続されている。ここで、電流検出用抵抗素子R2の抵抗値は1Ωに設定されている。なお、直列回路の部分についてはインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1の接続順は任意である。
【0040】
また、抵抗素子R1と電流検出用抵抗素子R2との接続点はシールドケーブル2を通って電圧検知回路31に接続されている。電圧検知回路31の電圧検知回路3との違いは負荷抵抗を備えていない点だけである。なお、電流検出用抵抗素子R2自身が負荷抵抗として機能する。この電圧検知回路31で検知した電圧は電流検出用抵抗素子R2の電圧降下に相当するが、電流検出用抵抗素子R2の抵抗値が1Ωになっているため、結果的に電流検出用抵抗素子R2に流れる電流に一致する。そのため、電圧検知回路31で検知した電圧で直列回路に流れる電流の大きさを検知することができる。この、電流検出用抵抗素子R2と電圧検知回路31とで電流検出手段32を構成している。
【0041】
このように、負性抵抗測定器30においては電流検出手段の構成が負性抵抗測定器1とは異なっているが、負性抵抗の測定方法については全く同じであり、その作用効果も同じである。
【0042】
なお、負性抵抗測定器30においては電流検出用抵抗素子R2の抵抗値を1Ωとしたが、読みとった電圧値の読み替えを行うことにすれば、1Ωに限られるものではなく、小さい値であれば適宜設定すればよいものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明の負性抵抗測定器によれば、被測定物である負性抵抗回路に接続されるインダクタンス素子および容量素子および抵抗素子からなる直列回路と、直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、負性抵抗回路と直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段と、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段および電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、電圧検出手段および電流検出手段の出力から負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段とを備えることによって、負性抵抗の時間変化を低コストで測定することができる。
【0044】
また、直列回路に流れる電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段および電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、インダクタンス素子および容量素子の値と周波数検出手段の出力から負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を算出する容量性リアクタンス値算出手段を備えることによって、容量性リアクタンス値の時間変化を低コストで測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負性抵抗測定器の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1の負性抵抗測定器で測定できる発振器の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の負性抵抗測定器による負性抵抗測定のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図4】本発明の負性抵抗測定器の別の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1、30…負性抵抗測定器
2、5…シールドケーブル
3、6、31…電圧検知回路
4、32…電流検出手段
7…電圧検出手段
8…負性抵抗算出手段
9…周波数カウンタ
10…周波数測定手段
11…容量性リアクタンス値算出手段
12…負性抵抗回路
20…発振器
L1…インダクタンス素子
C1…容量素子
R1…抵抗素子
R2…電流検出用抵抗素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、負性抵抗測定器、例えば圧電振動子を共振素子として用いた発振器における圧電素子を除いた部分の負性抵抗を簡便に測定することのできる負性抵抗測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波でインピーダンスを測定する実用的な方法としては2つの方法が従来から知られている。1つは、V−I法と呼ばれるもので、被測定物(Device UnderTest、DUT)に高周波電流を流して、DUTに流れる電流値と電圧値を読み取り、その値からインピーダンスを計算するものである。この方法によるインピーダンス測定の公知文献としては、特許第3110827号公報、実開平6−25765号公報、特許第2698615号公報などがある。
【0003】
もう1つの方法は、反射係数法あるいはブリッジ法と呼ばれるもので、DUTを含む4つの抵抗からなるインピーダンス・ブリッジに高周波電圧を印加して、4つの抵抗の比がバランスするように抵抗値を変化させるか、あるいは入力する高周波電圧とインピーダンス・ブリッジの不平衡電圧を測定して、その値からインピーダンスを計算するものである。この方法によるインピーダンス測定の公知文献としては、特公平1−1748号公報、特許第2960074号公報などがある。
【0004】
さらに、負性抵抗を有するDUTのSパラメータを直接測定するものとして、負性抵抗素子に並列に抵抗を接続し、その合成抵抗のSパラメータをベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)で測定し、その値から負性抵抗素子のSパラメータを計算する方法が、特開平10−132892号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公知文献に開示されたV−I法や反射係数法では、負性抵抗を測定することを前提としていない。また、仮に負性抵抗を図ることができたとしても、高周波信号源を用意する必要がある。しかしながら、安定な高周波信号源は高価でであり、低コストでの簡便な負性抵抗測定には向かない。
【0006】
また、VNAで負性抵抗素子のSパラメータを直接測定する方法も、高周波信号源よりもさらに高価なVNAが必要なため、低コストでの簡便な負性抵抗測定には向かない。また、この場合はVNAから負性抵抗素子に信号を印加して、反射してくる信号を検出することになるが、一般的なVNAにおいては信号のレベルは固定あるいは段階的な変更しかできないために、本当に必要な条件、例えば発振の立ち上がりあるいは発振が安定している時の発振器の負性抵抗は必ずしも測定できない。さらには、VNAを利用する場合には、負性抵抗回路のインピーダンスがVNAのポートの特性インピーダンス(例えば50Ω)から離れるほど測定精度が劣化するという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は上記の問題点を解決することを目的とするもので、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することのできる負性抵抗測定器を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の負性抵抗測定器は、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗値を測定する負性抵抗測定器であって、
被測定物である前記負性抵抗回路に接続されるインダクタンス素子および容量素子および抵抗素子からなる直列回路と、前記直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記負性抵抗回路と前記直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段と、前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記電圧検出手段および前記電流検出手段の出力から前記負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の負性抵抗測定器は、前記負性抵抗回路が等価的に負性抵抗に直列に接続された容量性リアクタンスを備えるものであって、前記直列回路に流れる電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記インダクタンス素子および前記容量素子の値と前記周波数検出手段の出力から前記負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を算出する容量性リアクタンス値算出手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の負性抵抗測定器は、前記電流検出手段が、前記直列回路の配線を一次巻線とする電流トランスを含むことを特徴とする。あるいは、本発明の負性抵抗測定器は、前記電流検出手段が、前記直列回路とグランドとの間に直列に接続された低抵抗の電流検出用抵抗素子を含むことを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、本発明の負性抵抗測定器においては、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の負性抵抗測定器の一実施例の回路図を示す。図1において、負性抵抗測定器1は、2つの入力端子P1およびP2、インダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1、電流検出手段4、電圧検出手段7、負性抵抗算出手段8、周波数検出手段10、容量性リアクタンス値算出手段11から構成されている。
【0013】
図1において、入力端子P1およびP2は負性抵抗回路が接続され得る端子である。入力端子P1はインダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1からなる直列回路を介してグランドに接続されている。入力端子P2はグランドに接続されている。インダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1は、いずれもその値を変化させることができるが、変化後も含めてがあらかじめ値が知られているもの、あるいは値を知ることのできるものである。そして、負性抵抗回路が接続された時点で、発振周波数が負性抵抗回路を有する発振器の本来の発振周波数にできるだけ近い値になるように、その値を決定しておくものとする。なお、インダクタンス素子L1、抵抗素子R1、容量素子C1の接続される順番は任意である。
【0014】
入力端子P1とインダクタンス素子L1を接続する配線は電流トランスCTの一次巻線としてその中を通るように配置されており、配線を流れる電流に対応した電圧が出力される。電流トランスCTの巻線の一方の端子はシールドケーブル2を通って電圧検知回路3に接続されていて、この電圧検知回路3で検知した電圧で配線に流れる電流の大きさを検知することができる。電圧検知回路3は整流用のダイオードと平滑用のコンデンサを備えており、このコンデンサの電圧を読みとる。このとき、読みとった値は実効値に変換されるものとする。この、電流トランスCTと電圧検知回路3とで電流検出手段4を構成している。なお、シールドケーブル2は接続配線からのノイズの混入防止のために設けられており、電流トランスCTの巻線の他方の端子はシールドケーブル2のグランドに接続されている。
【0015】
また、入力端子P1は小さな容量のコンデンサC2を介し、シールドケーブル5を通って電圧検知回路6に接続され、この電圧検知回路6で入力端子P1の電圧の大きさを検知することができる。電圧検知回路6においても電圧検知回路3と同様に実効値で測定されるものとする。この、コンデンサC2と電圧検知回路6で電圧検出手段7を構成している。なお、シールドケーブル5も接続配線からのノイズの混入防止のために設けられている。
【0016】
そして、電流検出手段4と電圧検出手段7の出力は負性抵抗算出手段8に接続されている。
【0017】
また、入力端子P1はコンデンサC3を介して周波数カウンタ(FC)9に接続されている。このコンデンサC3と周波数カウンタ9で周波数検出手段10を構成している。
【0018】
そして、周波数カウンタ11の出力は容量性リアクタンス値算出手段11に接続されている。
【0019】
なお、図1において入力端子P1とP2に接続されているのは被測定物である負性抵抗回路12で、等価回路的には容量性リアクタンスCoと負性抵抗RNの直列回路で表される。
【0020】
このように構成された負性抵抗測定器1において、インダクタンス素子L1や容量素子C1や抵抗素子R1は、高精度のものを使うことを考えても、高周波信号源に比べればはるかに低コストで用意できる。また、電流検出手段4や電圧検出手段7も簡単な回路構成であるために低コストで用意できる。周波数検出手段10については、周波数カウンタ10は比較的高価であるが、これも高周波信号源に比べれば低コストで用意できる。また、後述のように、負性抵抗の測定においては必ずしも必要ではない。そして、負性抵抗算出手段8や容量性リアクタンス値算出手段11については、簡単なコンピュータ装置があれば実現できる。
【0021】
ここで、負性抵抗回路12の具体的な構成について、図2を参照して簡単に説明する。図2は一般的な水晶発振器の回路図である。
【0022】
図2に示した水晶発振器20は、トランジスタQ1をコレクタ接地で動作させたコルピッツ型の発振器で、容量素子C4およびC5とインダクタンス素子として機能する水晶振動子X1で決まる共振周波数で発振する。コンデンサC6はトランジスタQ1のコレクタを高周波的に接地させるためのコンデンサ、抵抗素子R3、R4、R5はトランジスタQ1のバイアス条件を決めるための抵抗、コンデンサC7は発振出力を取り出すためのDCカット用のコンデンサである。
【0023】
水晶発振器20においては、水晶振動子X1はトランジスタQ1のベースとグランドとの間に接続されており、その接続点をP3、P4とすると、水晶発振器20から接続点P3、P4で水晶振動子X1を切り離した残りが負性抵抗回路12になる。なお、図2における負性抵抗回路12を図1の負性抵抗測定器1に接続する際には、接続点P3が入力端子P1に、接続点P4が入力端子P2にそれぞれ接続される。
【0024】
ここで、図1に戻って、負性抵抗測定器1の負性抵抗測定についての具体的な動作について説明する。
【0025】
まず、負性抵抗測定器1の2つの入力端子P1、P2に負性抵抗回路12が接続される。その段階では負性抵抗回路12には電源電圧が印加されていない、すなわち実質的に負性抵抗回路になっていないものとする。
【0026】
次に、負性抵抗回路12に電源電圧を印加する。この時刻をt0とする。この段階で、負性抵抗回路12は、負性抵抗測定器1のインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1からなる直列回路を水晶振動子X1の代わりのインダクタンス素子として発振を開始する。入力端子P1からインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1からなる直列回路には発振電流が流れ、時間とともに振幅が大きくなり、一定の振幅になった時点で安定化する。この時刻をt1とする。
【0027】
電流検出手段4は、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、負性抵抗算出手段8に向かって出力する。また、電圧検出手段7も、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、負性抵抗算出手段8に向かって出力する。負性抵抗算出手段8は、連続して送られてくる電流値および電圧値をその都度演算して負性抵抗を算出する。たとえば、電流値をI(t)、電圧値をV(t)とすると、負性抵抗値RN(t)はV(t)/I(t)として計算される。なお、tは時刻t0を起点とする時間である。
【0028】
ここで、図3に、V(t)、I(t)、RN(t)のシミュレーション結果を示す。図3よりわかるように、この例ではV(t)、I(t)は約3mSで一定の値に収束し、その結果としてRN(t)も約3msで一定の値に収束している。
【0029】
このようにして、負性抵抗測定器1では、負性抵抗回路12の発振開始時から安定時までの負性抵抗の時間変化を測定することができる。なお、負性抵抗回路12の負性抵抗値は、最初が大きく、発振が安定するにつれて小さくなり、発振が安定した後の負性抵抗の絶対値は抵抗素子R1の抵抗値に一致する。抵抗素子R1の抵抗値は発振周波数にはあまり影響を与えないが、発振が安定するまでの時間に影響を与える。そして、抵抗値が大きいほど発振の立ち上がりは遅くなる。そのため、抵抗素子R1の抵抗値を発振が可能な範囲で大きく設定するほど、負性抵抗の測定の時間的な分解能が向上することになる。
【0030】
なお、負性抵抗測定器1は周波数検出手段10を備えているが、負性抵抗の測定に際しては発振周波数の測定は必須ではない。所望の発振周波数で発振しているかどうかを確認する程度の役割を果たすだけである。
【0031】
次に、負性抵抗測定器1における、負性抵抗回路の容量性リアクタンス値の測定について説明する。
【0032】
一般に、発振器から誘導性インピーダンスを持つ素子を取り除いて負性抵抗回路とする場合、負性抵抗を示すと同時に容量性リアクタンスを併せ持つ。そのため、この容量性リアクタンスを測定できれば発振器の設計に有用になる。
【0033】
まず、負性抵抗測定器1における発振周波数は、負性抵抗測定器1のインダクタンス素子L1および容量素子C1と、負性抵抗回路12の容量性リアクタンス値Coによって決定される。すなわち、発振周波数をfo、インダクタンス素子L1の値をL1、容量素子C1の値をC1とすると、
fo=1/(2×π×sqrt(L1×1/(1/C1+1/Co)))
で表される。従って、発振周波数foが求まれば、あらかじめ既知であるL1とC1よりCoの値は容易に求められる。
【0034】
負性抵抗測定器においては、周波数検出手段10は、電流検出手段4や電圧検出手段7と同様に、時刻t0から時刻t1までの間の電流値の変化を、時間の経過とともに微小時間毎に連続して測定し、容量性リアクタンス値算出手段11に向かって出力する。容量性リアクタンス値算出手段11は上記の関係に従って容量性リアクタンスCoの値を計算する。
【0035】
このようにして、負性抵抗測定器1では、負性抵抗回路12の発振開始時から安定時までの容量性リアクタンスCoの時間変化を測定することができる。なお、発振周波数は発振の立ち上がりから収束するまで大きく変化することはない。従って、容量性リアクタンスCoについては必ずしも時間変化を測定する必要はなく、発振が安定した後で計算するものでも構わない。
【0036】
以上、説明したように、負性抵抗測定器1においては、発振器の負性抵抗回路の負性抵抗を、実際の発振条件に合った形で低コストで簡便に測定することのできる。特に、負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を求める必要がなければ、周波数カウンタが不要になるので、負性抵抗測定器非常に低コストで実現することができ、その結果として負性抵抗の測定も低コストで実施することができる。また、VNAを用いるときのように、負性抵抗回路のインピーダンスがVNAの特性インピーダンスから大きく離れていても、測定精度には影響はない。
【0037】
また、追加的に周波数の測定が可能な構成にするだけで、負性抵抗回路の負性抵抗だけでなく容量性リアクタンスの値を求めることができるようになる。もちろん、この部分は付加的な機能であり、負性抵抗測定器として必須な構成ではないものである。
【0038】
図4に、本発明の負性抵抗測定器の別の実施例の回路図を示す。図4において、図1と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4に示した負性抵抗測定器30においては、入力端子P1からグランドに向かってインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1の順で接続されて直列回路が構成されている。そして、電流トランスは備えておらず、代わりに抵抗素子R1の一端、すなわち直列回路の一端が電流検出用抵抗素子R2を介してグランドに接続されている。ここで、電流検出用抵抗素子R2の抵抗値は1Ωに設定されている。なお、直列回路の部分についてはインダクタンス素子L1、容量素子C1、抵抗素子R1の接続順は任意である。
【0040】
また、抵抗素子R1と電流検出用抵抗素子R2との接続点はシールドケーブル2を通って電圧検知回路31に接続されている。電圧検知回路31の電圧検知回路3との違いは負荷抵抗を備えていない点だけである。なお、電流検出用抵抗素子R2自身が負荷抵抗として機能する。この電圧検知回路31で検知した電圧は電流検出用抵抗素子R2の電圧降下に相当するが、電流検出用抵抗素子R2の抵抗値が1Ωになっているため、結果的に電流検出用抵抗素子R2に流れる電流に一致する。そのため、電圧検知回路31で検知した電圧で直列回路に流れる電流の大きさを検知することができる。この、電流検出用抵抗素子R2と電圧検知回路31とで電流検出手段32を構成している。
【0041】
このように、負性抵抗測定器30においては電流検出手段の構成が負性抵抗測定器1とは異なっているが、負性抵抗の測定方法については全く同じであり、その作用効果も同じである。
【0042】
なお、負性抵抗測定器30においては電流検出用抵抗素子R2の抵抗値を1Ωとしたが、読みとった電圧値の読み替えを行うことにすれば、1Ωに限られるものではなく、小さい値であれば適宜設定すればよいものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明の負性抵抗測定器によれば、被測定物である負性抵抗回路に接続されるインダクタンス素子および容量素子および抵抗素子からなる直列回路と、直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、負性抵抗回路と直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段と、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段および電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、電圧検出手段および電流検出手段の出力から負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段とを備えることによって、負性抵抗の時間変化を低コストで測定することができる。
【0044】
また、直列回路に流れる電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、負性抵抗回路への電源投入時から電流検出手段および電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、インダクタンス素子および容量素子の値と周波数検出手段の出力から負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を算出する容量性リアクタンス値算出手段を備えることによって、容量性リアクタンス値の時間変化を低コストで測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負性抵抗測定器の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1の負性抵抗測定器で測定できる発振器の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の負性抵抗測定器による負性抵抗測定のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図4】本発明の負性抵抗測定器の別の実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
1、30…負性抵抗測定器
2、5…シールドケーブル
3、6、31…電圧検知回路
4、32…電流検出手段
7…電圧検出手段
8…負性抵抗算出手段
9…周波数カウンタ
10…周波数測定手段
11…容量性リアクタンス値算出手段
12…負性抵抗回路
20…発振器
L1…インダクタンス素子
C1…容量素子
R1…抵抗素子
R2…電流検出用抵抗素子
Claims (4)
- 発振器の負性抵抗回路の負性抵抗値を測定する負性抵抗測定器であって、
被測定物である前記負性抵抗回路に接続されるインダクタンス素子および容量素子および抵抗素子からなる直列回路と、
前記直列回路に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記負性抵抗回路と前記直列回路の接続点の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記電圧検出手段および前記電流検出手段の出力から前記負性抵抗回路の負性抵抗値を算出する負性抵抗算出手段と、
を備えることを特徴とする負性抵抗測定器。 - 前記負性抵抗回路は等価的に負性抵抗に直列に接続された容量性リアクタンスを備えるものであって、
前記直列回路に流れる電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、
前記負性抵抗回路への電源投入時から前記電流検出手段および前記電圧検出手段の出力が安定するまで微小時間毎に連続して、前記インダクタンス素子および前記容量素子の値と前記周波数検出手段の出力から前記負性抵抗回路の容量性リアクタンスの値を算出する容量性リアクタンス値算出手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の負性抵抗測定器。 - 前記電流検出手段が、前記直列回路の配線を一次巻線とする電流トランスを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の負性抵抗測定器。
- 前記電流検出手段が、前記直列回路とグランドとの間に直列に接続された低抵抗の電流検出用抵抗素子を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の負性抵抗測定器。
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JP2006184264A (ja) * | 2004-12-01 | 2006-07-13 | Tohoku Univ | アンテナ装置および磁界発生装置 |
US10673382B2 (en) | 2016-05-31 | 2020-06-02 | Seiko Epson Corporation | Oscillator, electronic apparatus, vehicle, and method of manufacturing oscillator |
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-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002245913A patent/JP2004085324A/ja active Pending
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