JP2004084608A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中に排出されるサルフェートの量を低減する。
【解決手段】燃焼室内で燃焼せしめられる混合気の空燃比がリーンに維持される内燃機関の排気通路内にNO触媒を配置し、NO触媒下流の排気通路内に酸化能を有する補助触媒を配置する。NO触媒内の蓄積NO量を表すQNが許容値QNAよりも大きくなると、NO触媒内のNOを還元しNO触媒内の蓄積NO量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比AFNを一時的にリッチ空燃比に切り替える、NOのためのリッチスパイクを行う。硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているSOの量を求め、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているSOの量が多いときには少ないときに比べて、NOのためのリッチスパイクにおけるリッチ空燃比AFRを小さくする。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、NO触媒内のNOを還元しNO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、NO触媒内にはNOだけでなくイオウ例えばSOが硫酸塩の形で蓄えられ、硫酸塩の形でNO触媒内に蓄えられているSOの量を減少させるためには、NO触媒の温度を例えば550℃以上に維持しかつNO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチに切り替えることが必要であることも知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、NO触媒の温度が高くても流入排気ガスの空燃比がリーンであったり、流入排気ガスの空燃比がリッチであってもNO触媒の温度が低かったりすると、NO触媒からSOは排出されないということになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−155724号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本願発明者によれば、NO触媒内に流入する排気ガスの平均空燃比がリーンに維持されていてもNO触媒の温度が高くなると、NO触媒から流出する排気ガス中のSO濃度がNO触媒内に流入する排気ガス中のSO濃度よりも一時的に高くなることが確認されている。このことは、NO触媒の温度が高くなるとNO触媒内に蓄えられているSOが排出され、このSOは硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているということを意味している。
【0006】
しかしながら、このとき流入排気ガスの空燃比がリーンであると、硫酸塩を形成することなく蓄えられているSOがNO触媒内でサルフェートSOに酸化され、サルフェートSOの形でNO触媒から排出される恐れがある。NO触媒からSOのまま排出されたとしても、NO触媒下流に酸化能を有する触媒が配置されている場合には、この補助触媒内でサルフェートSOに酸化される恐れがある。
【0007】
そこで本発明の目的は、大気中に排出されるサルフェートの量を低減することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクにおけるリッチ空燃比を小さくするようにしている。
【0009】
また、前記課題を解決するために2番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比をリッチ保持時間だけリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクにおけるリッチ保持時間を長くするようにしている。
【0010】
また、前記課題を解決するために3番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクの時間間隔を短くするようにしている。
【0011】
また、4番目の発明によれば1番目から3番目の発明のうちいずれか一つにおいて、NO触媒内に流入するイオウの量を求め、該NO触媒内に流入するイオウの量に基づいて前記硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求めるようにしている。
【0012】
また、5番目の発明によれば1番目から3番目の発明のうちいずれか一つにおいて、NO触媒内に蓄えられているNOの量を求め、該NOの量が許容量よりも多くなったときに、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクを行うようにしている。
【0013】
また、6番目の発明によれば1番目から3番目の発明のうちいずれか一つにおいて、前記NO触媒が、流入する排気ガス中の微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ上に担持されている。
【0014】
また、7番目の発明によれば1番目から3番目の発明のうちいずれか一つにおいて、前記NO触媒下流の排気通路内に酸化能を有する補助触媒を配置している。
【0015】
なお、本明細書では排気通路の或る位置よりも上流の排気通路、燃焼室、及び吸気通路内に供給された空気と炭化水素HC及び一酸化炭素COのような還元剤との比をその位置における排気ガスの空燃比と称している。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用することもできる。
【0017】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。本発明による実施例では、スロットル開度はほぼ全ての運転領域において最大開度に維持され、要求負荷Lがかなり小さくなると最大開度よりも小さくされ、要求負荷Lがゼロになると小さなアイドル開度にされる。
【0018】
一方、排気ポート10は排気マニホルド19及び排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21の入口に連結され、排気タービン21の出口は排気管20aを介してケーシング22aに連結される。ケーシング22a内には、排気ガス中の微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ22bが収容され、パティキュレートフィルタ22b上には後述するようにNO触媒22が担持されている。また、触媒コンバータ22は排気管20bを介してケーシング23aに連結され、このケーシング23a内には酸化能を有する補助触媒23が収容される。この場合、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比はパティキュレートフィルタ22b内に流入する排気ガスの空燃比に一致し、NO触媒22の温度もパティキュレートフィルタ22bの温度に一致する。
【0019】
更に図1を参照すると、排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路24を介して互いに連結され、EGR通路24内には電気制御式EGR制御弁25が配置される。また、EGR通路24周りにはEGR通路24内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置26が配置される。
【0020】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコモンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
【0021】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。燃料圧センサ29の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。パティキュレートフィルタ22b上流の排気管20aには排気管20a内の圧力、即ち機関背圧を検出するための圧力センサ49が取り付けられ、圧力センサ49の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、NO触媒22下流の排気管20b内にはNO触媒22から流出した排気ガスの温度を検出するための温度センサ50が取り付けられ、温度センサ50の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。この排気ガスの温度はNO触媒22の温度を表している。アクセルペダル51にはアクセルペダル51の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ52が接続され、負荷センサ52の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ53が接続される。CPU44ではクランク角センサ53からの出力パルスに基づいて機関回転数Nが算出される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁25、及び燃料ポンプ28にそれぞれ接続される。
【0022】
パティキュレートフィルタ22aの隔壁上即ち例えば隔壁の両側面及び細孔内壁面上には、NO触媒22がそれぞれ担持されている。このNO触媒22は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とが担持されている。
【0023】
NO触媒は流入する排気ガスの平均空燃比がリーンのときにはNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量を減少させる蓄積還元作用を行う。
【0024】
NO触媒の蓄積還元作用の詳細なメカニズムについては完全には明らかにされていない。しかしながら、現在考えられているメカニズムを、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると次のようになる。
【0025】
即ち、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもかなりリーンになると流入する排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金Ptの表面に付着し白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、NOとなる(NO+O→NO+O、ここでOは活性酸素)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硝酸イオンNO の形でNO触媒内に拡散する。このようにしてNOがNO触媒内に蓄えられる。
【0026】
これに対し、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下し、反応が逆方向(NO →NO+2O)に進み、斯くしてNO触媒内の硝酸イオンNO がNOの形でNO触媒から放出される。この放出されたNOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOが存在しなくなるとNO触媒から次から次へとNOが放出されて還元され、NO触媒内に蓄えられているNOの量が次第に減少する。
【0027】
なお、硝酸塩を形成することなくNOを蓄え、NOを放出することなくNOを還元することも可能であると考えられている。また、活性酸素Oに着目すれば、NO触媒はNOの蓄積及び放出に伴って活性酸素Oを生成する活性酸素生成触媒と見ることもできる。
【0028】
一方、補助触媒23は本発明による実施例では、アルカリ金属、アルカリ土類、及び希土類を含むことなく貴金属例えば白金Ptを含む貴金属触媒から形成される。しかしながら、補助触媒23を上述したNO触媒から形成してもよい。
【0029】
図1に示される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われており、従ってNO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比はリーンに維持されている。その結果、排気ガス中のNOはNO触媒22内に蓄えられる。
【0030】
時間の経過と共にNO触媒22内の蓄積NO量は次第に増大する。そこで本発明による実施例では、NO触媒22内の蓄積NO量を求め、NO触媒22内の蓄積NO量がNO許容量を越えたときには、NO触媒22内に蓄えられているNOを還元しNO触媒22内の蓄積NO量を減少させるために、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチに切り替えるリッチスパイクを行うようにしている。以下では、NO触媒22内に蓄えられているNOを還元しNO触媒22内の蓄積NO量を減少させるためのリッチスパイクを、単にNOのためのリッチスパイクと称することにする。
【0031】
具体的に説明すると、単位時間当たりNO触媒22内に蓄えられるNOの量は単位時間当たりNO触媒22内に流入するNOの量に依存し、この単位時間当たりNO触媒22内に流入するNOの量は単位時間当たり内燃機関から排出されるNOの量即ち排出NO量dQNに依存する。排出NO量dQNは機関運転状態例えば要求負荷L及び機関回転数に依存し、即ち要求負荷Lが高くなるにつれて排出NO量dQNが増大し、機関回転数Nが高くなるにつれて排出NO量dQNが増大する。
【0032】
従って、排出NO量dQNに処理サイクル時間Δtを乗算したものを積算して得られる積算値QNは、NO触媒22内に蓄えられているNOの量を表していることになる。以下では、この積算値QNをNOカウント値と称することにする。なお、排出NO量dQNが予め実験により求められており、要求負荷L及び機関回転数Nの関数として図2に示されるマップの形で予めROM42内に記憶されている。
【0033】
図3に矢印Xで示されるように、NOカウント値QNが上述したNO許容量に相当するNO許容値QNAよりも大きくなると、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチ空燃比AFRに切り替えられ、リッチ保持時間tRだけリッチ空燃比AFRに保持された後に、リーンに戻される。このようにしてNOのためのリッチスパイクが行われる。なお、流入排気ガスの空燃AFNがリーンに戻されるとNOカウント値QNがクリアされる(QN=0)。
【0034】
図3からも明らかなように、NOカウント値QNがNO許容値QNAを越える毎にNOのためのリッチスパイクが行われる。この場合、NO許容値QNAを小さくすればリッチスパイクの時間間隔INTが短くなり、NO許容値QNAを大きくすれば時間間隔INTが長くなる。従って、NO許容値QNAはリッチスパイクの時間間隔INTを表しているということになる。
【0035】
NO触媒22内への流入排気ガスの空燃比AFNを一時的にリッチに切り替えるリッチスパイクには様々な方法があり、例えば燃焼室5から排出される排気ガスの空燃比を一時的にリッチに切り替える方法や、NO触媒22上流の排気通路内に追加の燃料ないし還元剤を一時的に噴射する方法がある。ここで、燃焼室5から排出される排気ガスの空燃比をリッチに切り替えるために、例えば燃焼室5内で燃焼せしめられる混合気の空燃比をリッチに切り替えることもできるし、又は圧縮上死点付近で行われる主燃料に加えて膨張行程中又は排気行程中に追加の燃料を噴射することもできる。本発明による実施例では、膨張行程中又は排気行程中に追加の燃料を一時的に噴射することによりリッチスパイクを行うようにしている。
【0036】
ところで、排気ガス中にはイオウ分がSOの形で含まれており、NO触媒22内にはNOばかりでなくSOも蓄えられる。このSOのNO触媒22内への蓄積メカニズムはNOの蓄積メカニズムと同じであると考えられる。即ち、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると、NO触媒22に流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには上述したように酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着しており、流入する排気ガス中のSOは白金Ptの表面に付着し白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、SOとなる。次いで生成されたSOは白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒22内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO の形でNO触媒22内に拡散する。この硫酸イオンSO は次いでバリウムイオンBaと結合して硫酸塩BaSOを生成する。
【0037】
この硫酸塩BaSOは分解しにくく、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比をただ単にリッチにしてもNO触媒22内の硫酸塩BaSOの量は減少しない。このため、時間が経過するにつれてNO触媒22内の硫酸塩BaSOの量が増大し、その結果NO触媒22が蓄えうるNOの量が減少することになる。
【0038】
ところが、NO触媒22の温度を例えば550℃以上に維持しつつNO触媒22に流入する排気ガスの平均空燃比を理論空燃比又はリッチにすると、NO触媒22内の硫酸塩BaSOが分解してSOの形でNO触媒22から放出される。この放出されたSOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応してSOに還元せしめられる。このようにしてNO触媒22内に硫酸塩BaSOの形で蓄えられているSOの量が次第に減少し、このときNO触媒22からSOがSOの形で流出することがない。
【0039】
そこで本発明による実施例では、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を求め、このSOの量が予め定められたSO許容量を越えたときには、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるために、NO触媒22の温度を例えば550℃以上に維持しながら、NO触媒22に流入する排気ガスの平均空燃比をわずかばかりリッチにするリッチスパイクを行うようにしている。
【0040】
具体的に説明すると、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量は単位時間当たりNO触媒22内に流入するSOの量の積算値に依存し、単位時間当たりNO触媒22内に流入するSOの量は燃料噴射弁6から噴射された燃料の量に依存する。従って、一定時間内に燃料噴射弁6から噴射された燃料及び追加の燃料の合計量QFを積算して得られる積算値QSは、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を表していることになる。以下では、この積算値QSをSOカウント値と称することにする。
【0041】
このSOカウント値QSが上述したSO許容量に相当するSO許容値QSAよりも大きくなると、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるため、NO触媒22の温度を例えば550℃まで上昇させ保持しながらリッチスパイクが行われる。NO触媒22の温度を上昇させる方法にも様々な方法があり、例えばNO触媒22の上流端に電気ヒータを配置して電気ヒータによりNO触媒22又はNO触媒22に流入する排気ガスを加熱する方法や、NO触媒22上流の排気通路内に燃料を二次的に噴射してこの燃料を燃焼させることによりNO触媒22を加熱する方法や、内燃機関から排出される排気ガスの温度を上昇させてNO触媒22の温度を上昇させる方法がある。ここで、内燃機関から排出される排気ガスの温度を上昇させるために、例えば主燃料を遅角して噴射することもできるし、又は主燃料に加えて膨張行程中又は排気行程中に追加の燃料を噴射することもできる。本発明による実施例では、膨張行程中又は排気行程中に追加の燃料を噴射することにより、NO触媒22の温度を550℃以上に上昇し保持するようにしている。
【0042】
一方、排気ガス中に含まれる主に炭素の固体からなる微粒子はパティキュレートフィルタ22b上に捕集される。上述したように図1に示される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われており、また、NO触媒22は酸化能を有しているので、パティキュレートフィルタ22bの温度が微粒子を酸化しうる温度、例えば250℃以上に維持されていれば、パティキュレートフィルタ22b上で微粒子が酸化せしめられ除去される。
【0043】
この場合、上述したNO触媒22のNOの蓄積還元メカニズムによれば、NO触媒22内にNOが蓄えられるときにもNOが放出されるときにも活性酸素が生成される。この活性酸素は酸素Oよりも活性が高く、従ってパティキュレートフィルタ22b上に堆積している微粒子を速やかに酸化する。即ち、パティキュレートフィルタ22b上にNO触媒22を担持させると、パティキュレートフィルタ22b内に流入する排気ガスの空燃比がリーンであろうとリッチであろうとパティキュレートフィルタ22b上に堆積している微粒子が酸化される。このようにして微粒子が連続的に酸化される。
【0044】
ところが、パティキュレートフィルタ22bの温度が微粒子を酸化しうる温度に維持されなくなるか又は単位時間当たりにパティキュレートフィルタ22b内に流入する微粒子の量がかなり多くなると、パティキュレートフィルタ22b上に堆積する微粒子の量が次第に増大し、パティキュレートフィルタ22bの圧損が増大する。
【0045】
そこで本発明による実施例では、例えばパティキュレートフィルタ22b上の堆積微粒子量が微粒子許容量を越えたときには、パティキュレートフィルタ22bに流入する排気ガスの空燃比AFNをリーンに維持しつつパティキュレートフィルタ22bの温度を例えば600℃以上まで上昇し維持する微粒子酸化作用を行うようにしている。この微粒子酸化作用が行われると、パティキュレートフィルタ22b上に堆積した微粒子が着火燃焼せしめられ除去される。なお、本発明による実施例では、圧力センサ49により検出される機関背圧が許容値を越えたときにパティキュレートフィルタ22b上の堆積微粒子量が微粒子許容量を越えたと判断される。
【0046】
ところが、冒頭で述べたように、NO触媒22内に流入する排気ガスの平均空燃比AFNがリーンに維持されていてもNO触媒22の温度が高くなると、NO触媒22から流出する排気ガス中のSO濃度がNO触媒22内に流入する排気ガス中のSO濃度よりも一時的に高くなることが確認されている。このことは、NO触媒22の温度が高くなるとNO触媒22内に蓄えられているSOが排出され、このSOは硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているということを意味している。
【0047】
このSOがどのような形でNO触媒22内に蓄えられているのかは必ずしも明らかではないが、次のようにして蓄えられていると考えられる。即ち、上述したようにNO触媒22内に流入する排気ガス中のSOはまず例えば白金Pt表面上に付着した後に硫酸塩の形で蓄えられる。硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量が少ないときには、白金Pt表面上に付着したSOは比較的容易に硫酸塩を形成する。ところが、硫酸塩の形で蓄えられているSOの量が多くなると、白金Pt表面上に付着しているSOが硫酸塩を形成しにくくなり、SOのまま白金Pt表面上に付着し続ける。このようにしてSOが硫酸塩を形成することなく蓄えられる。このように、NO触媒22内には硫酸塩の形で蓄えられるSOもあれば、硫酸塩を形成することなく蓄えられるSOもあるということになる。
【0048】
例えば微粒子酸化作用が開始されてNO触媒22の温度が例えば300℃以上になると、硫酸塩を形成することなく蓄えられているSOがNO触媒22から排出される。このときNO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持されているので、このSOはNO触媒22内か又は補助触媒23内でサルフェートSOに酸化される恐れがある。
【0049】
一方、このように硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOは、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチになると、NO触媒22の温度が比較的低くても、SOの形でNO触媒22から排出される。また、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチのときには、補助触媒23内に流入する排気ガスの空燃比もリッチになっており、従ってNO触媒22から排出されたSOが補助触媒23内でもサルフェートSOまで酸化されない。
【0050】
従って、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるためのリッチスパイクを周期的に行えば、大気中に排出されるサルフェートSOの量を低減できることになる。しかしながら、このためだけにリッチスパイクを行うのは、燃料消費率の観点から好ましくない。
【0051】
そこで本発明による実施例では、NOのためのリッチスパイクでもって、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるようにしている。即ち、NOのためのリッチスパイクを行ったときの排気ガス中に、NO触媒22内のNOを還元しNO触媒22内の蓄積NO量を例えばほぼゼロにするのに必要な量の還元剤例えば未燃HC及びCOだけでなく、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を目標値例えばほぼゼロまで減少させるのに必要な量の還元剤が含まれるように、NOのためのリッチスパイクが行われる。
【0052】
言い換えると、NOのためのリッチスパイクと、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるためのリッチスパイクとが同期して行われるということになる。或いは、NOのためのリッチスパイクがNO触媒22内の蓄積NO量に応じて行われることを考えると、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるためのリッチスパイクを、NO触媒22内の蓄積NO量に応じて行うようにしているという見方もできる。
【0053】
NOのためのリッチスパイクは比較的頻繁に行われ、従って硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を少なく維持することができることになる。その結果、パティキュレートフィルタ22bの微粒子酸化作用がどのようなタイミングで行われても、このとき大気中に排出されるサルフェートSOの量を低減できることになる。また、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチのときには補助触媒23内に流入する排気ガスの空燃比もリッチになっており、SOが硫酸塩を形成することなく補助触媒23内に蓄えられているとしても、このSOはNOのためのリッチスパイクでもってSOの形で補助触媒23から排出される。
【0054】
この場合、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量が多いときには少ないときに比べて、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるのに必要な還元剤の量は多くなる。
【0055】
そこで本発明による実施例では、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を求め、このSOの量が多いときには少ないときに比べて、NOのためのリッチスパイクによって単位時間当たりにNO触媒22内に流入する還元剤の量が多くなるようにしている。
【0056】
硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量を直接求めることは困難である。ところが、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を表すSOカウント値QSが小さいときには、上述したように硫酸塩が形成されやすいので、硫酸塩を形成することなく蓄えられるSOの量が少なく、SOカウント値QSが大きくなると硫酸塩が形成されにくくなるので、硫酸塩を形成することなく蓄えられるSOの量が多くなると考えられる。
【0057】
そうすると、SOカウント値QSは硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を表すだけでなく、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量も表しているということになる。なお、SOカウント値QSがNO触媒22内に流入するSOの量に基づいて求められることを考えると、硫酸塩を形成することなくNO触媒22内に蓄えられているSOの量もNO触媒22内に流入するSOの量に基づいて求められるということになる。
【0058】
その上で、本発明による第1実施例では、図4に示されるように、SOカウント値QSが大きいときには小さいときに比べて、NOのためのリッチスパイクにおけるリッチ空燃比AFRが小さくなるようにしている。このようにすると、SOカウント値QSが大きくなったときに、単位時間当たりNO触媒22内に流入する還元剤の量が多くなる。
【0059】
図5は本発明による実施例のリッチスパイク制御ルーチンを示している。このルーチンは予め定められた処理サイクル時間Δt毎の割り込みによって実行される。図5を参照すると、まずステップ100では、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルまでに燃料噴射弁6から噴射された燃料量の合計値QFがSOカウント値QSに加算される(QS=QS+QF)。続くステップ101ではSOカウント値QSがSO許容値QSAよりも大きいか否かが判別される。QS≦QSAのときには次いでステップ102に進み、後述するNO処理が行われる。これに対し、QS>QSAのときには次いでステップ103に進み、硫酸塩の形でNO触媒22内に蓄えられているSOの量を減少させるために、NO触媒22の温度を例えば550℃以上に保持しながらリッチスパイクが例えば一定時間だけ行われる。続くステップ104ではSOカウント値QS及びNOカウント値QNがそれぞれクリアされる。
【0060】
図6は上述した第1実施例によるNO処理ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ102で実行される。図6を参照すると、まずステップ120では、排出NO量dQNが図2のマップから算出される。続くステップ121では、NOカウント値QNにdQN・Δtが加算される(QN=QN+dQN・Δt)。続くステップ122では、NOカウント値QNがNO許容値QNAよりも大きいか否かが判別される。QN≦QNAのときには処理サイクルを終了し、QN>QNAのときには次いでステップ123に進み、図4のマップからリッチ空燃比AFRが算出される。続くステップ124では、NOのためのリッチスパイクが行われる。この場合、NO許容値QNAで表される時間間隔INTでもって、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチ保持時間tRだけリッチ空燃比AFRに切り替えられる。本実施例においてリッチ保持時間tR及びNO許容値QNAはSOカウント値SOによらない一定値である。続くステップ125ではNOカウント値QNがクリアされる。
【0061】
一方、本発明による第2実施例では、図7に示されるように、SOカウント値QSが大きいときには小さいときに比べて、NOのためのリッチスパイクにおけるリッチ保持時間tRを長くするようにしている。このようにしても、SOカウント値QSが大きくなったときに、NOのためのリッチスパイクによって単位時間当たりにNO触媒22内に流入する還元剤の量が多くなる。
【0062】
図8は上述した第2実施例によるNO処理ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ102で実行される。図8を参照すると、まずステップ130では、単位時間当たりにNO触媒22内に流入したNOの量dQNが図2のマップから算出される。続くステップ131では、NOカウント値QNにdQN・Δtが加算される(QN=QN+dQN・Δt)。続くステップ132では、NOカウント値QNがNO許容値QNAよりも大きいか否かが判別される。QN≦QNAのときには処理サイクルを終了し、QN>QNAのときには次いでステップ133に進み、図7のマップからリッチ保持時間tRが算出される。続くステップ134では、NOのためのリッチスパイクが行われる。この場合、NO許容値QNAで表される時間間隔INTでもって、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチ保持時間tRだけリッチ空燃比AFRに切り替えられる。本実施例においてリッチ空燃比AFR及びNO許容値QNAはSOカウント値SOによらない一定値である。続くステップ135ではNOカウント値QNがクリアされる。
【0063】
更に、本発明による第3実施例では、SOカウント値QSが大きいときには小さいときに比べて、NO許容値QNAを小さくするようにし、即ちNOのためのリッチスパイクの時間間隔INTを短くするようにしている。この場合にも、SOカウント値QSが大きくなったときに、NOのためのリッチスパイクによって単位時間当たりにNO触媒22内に流入する還元剤の量が多くなる。
【0064】
図10は上述した第3実施例によるNO処理ルーチンを示している。このルーチンは図5のステップ102で実行される。図10を参照すると、まずステップ140では、単位時間当たりにNO触媒22内に流入したNOの量dQNが図2のマップから算出される。続くステップ141では、NOカウント値QNにdQN・Δtが加算される(QN=QN+dQN・Δt)。続くステップ142では図9のマップからNO許容値QNAが算出される。続くステップ143では、NOカウント値QNがNO許容値QNAよりも大きいか否かが判別される。QN≦QNAのときには処理サイクルを終了し、QN>QNAのときには次いでステップ144に進み、NOのためのリッチスパイクが行われる。この場合、NO許容値QNAで表される時間間隔INTでもって、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNがリッチ保持時間tRだけリッチ空燃比AFRに切り替えられる。本実施例においてリッチ空燃比AFR及びリッチ保持時間tRはSOカウント値SOによらない一定値である。続くステップ145ではNOカウント値QNがクリアされる。
【0065】
図11はNOのためのリッチスパイクが行われたときの、NO触媒22内に流入する排気ガスの空燃比AFNを示しており、図11(A)は本発明による第1実施例の場合を、図11(B)は本発明による第2実施例の場合を、図11(C)は本発明による第3実施例の場合を、それぞれ示している。また、図11において、実線はSOカウント値QSが大きい場合を、破線はQSが小さい場合をそれぞれ示している。
【0066】
これまで述べてきた本発明による各実施例では、NO触媒22がパティキュレートフィルタ22b上に担持されている。しかしながら、NO触媒22をパティキュレートフィルタ22bとは別個に形成してパティキュレートフィルタ22b下流の排気通路内に配置することもできる。また、上述した本発明による各実施例のように、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比及び温度を制御することにより、NO触媒22又はパティキュレートフィルタ22b内に流入する排気ガスの空燃比及び温度を制御するようにした場合には、NO触媒22をパティキュレートフィルタ22b上流の排気通路内に配置するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
大気中に排出されるサルフェートの量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】排出NO量dQNを示す線図である。
【図3】リッチスパイクを説明するための図である。
【図4】リッチ空燃比AFRを示す線図である。
【図5】本発明による実施例のリッチスパイク制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明による第1実施例のNO処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】リッチ保持時間tRを示す線図である。
【図8】本発明による第2実施例のNO処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】NO許容値QNAを示す線図である。
【図10】本発明による第3実施例のNO処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】NOのためのリッチスパイクが行われたときの、NO触媒内への流入排気ガスの空燃比を示す図である。
【符号の説明】
1…機関本体
20a,20b…排気管
22…NO触媒
22a…パティキュレートフィルタ
23…補助触媒

Claims (7)

  1. リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクにおけるリッチ空燃比を小さくするようにした内燃機関の排気浄化装置。
  2. リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比をリッチ保持時間だけリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクにおけるリッチ保持時間を長くするようにした内燃機関の排気浄化装置。
  3. リーン空燃比のもとで継続して燃焼が行われる内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、該NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるために、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的にリッチ空燃比に切り替えるリッチスパイクを行うようにした内燃機関の排気浄化装置において、硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求め、該硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量が多いときには少ないときに比べて、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクの時間間隔を短くするようにした内燃機関の排気浄化装置。
  4. NO触媒内に流入するイオウの量を求め、該NO触媒内に流入するイオウの量に基づいて前記硫酸塩を形成することなくNO触媒内に蓄えられているイオウの量を求めるようにした請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. NO触媒内に蓄えられているNOの量を求め、該NOの量が予め定められた許容量よりも多くなったときに、NO触媒内のNOを還元し該NO触媒内に蓄えられているNOの量を減少させるためのリッチスパイクを行うようにした請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記NO触媒が、流入する排気ガス中の微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ上に担持されている請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記NO触媒下流の排気通路内に酸化能を有する補助触媒を配置した請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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